(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016317
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】吸着材入りコンクリート放射性物質保管法
(51)【国際特許分類】
G21F 9/16 20060101AFI20250124BHJP
G21F 9/06 20060101ALI20250124BHJP
G21F 9/12 20060101ALI20250124BHJP
【FI】
G21F9/16 521A
G21F9/06 591
G21F9/12 501
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023129603
(22)【出願日】2023-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】504211142
【氏名又は名称】森重 晴雄
(71)【出願人】
【識別番号】520086210
【氏名又は名称】北村 康文
(71)【出願人】
【識別番号】319006690
【氏名又は名称】山崎 秀夫
(71)【出願人】
【識別番号】319006689
【氏名又は名称】高田 政浩
(72)【発明者】
【氏名】森重 晴雄
(57)【要約】 (修正有)
【課題】東京電力福島第一発電所では、ALPSで汚染水を処理できないトリチウムと低濃度の放射性核種をもった処理水を海洋に放出するには国際的な合意が必要になった。さらに回収できていない汚染水が護岸から直接海洋に放出されており潜在的恐怖になっている。
【解決手段】放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に放射性物質を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを地中また水中または護岸内の海中に保管する。汚染水又は護岸下から海洋に汚染水が流出し汚染した湾内の護岸海側及び護岸陸側の土壌を隔離する為に、湾を囲むようにケーソン護岸を築き、ケーソン内には放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に汚染水又は護岸海側及び護岸陸側の土壌を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを打設し、湾内とケーソン護岸との間にも同様なコンクリ-トを打設する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に放射性物質を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを地中また水中または護岸内の海中に打設する。
【請求項2】
汚染水又は護岸下から海洋に汚染水が流出し汚染した湾内の護岸海側及び護岸陸側の土壌を隔離する為に、湾を囲むようにケーソン護岸を築き、ケーソン内には放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に汚染水又は護岸海側及び護岸陸側の土壌を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを打設し、湾内とケーソン護岸との間にも同様なコンクリ-トを打設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は事故によって福島第一発電所から発生する汚染水及び処理水を保全適用するものである。
【0002】
また本発明は事故によって福島第一発電所から発生する汚染水によって汚染した湾を隔離するものである。
【背景技術】
福島第一原子力発電所から発生する汚染水はALPSで浄化されているがトリチウムを除去できていない。また他の核種も基準レベル以下であっても相当残っている。
また護岸を通じて回収できていない汚染水が海洋に直接放出されている。
【先行技術文献】
【0003】
特になし
【0004】
【特許文献】
【特許文献】特許第6825193号 放射性物質吸着材及びその製造方法
【発明の概要】
放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に放射性物質を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを地中また水中または護岸内の海中に保管する。
汚染水又は護岸下から海洋に汚染水が流出し汚染した湾内の護岸海側及び護岸陸側の土壌を隔離する為に、湾を囲むようにケーソン護岸を築き、ケーソン内には放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に汚染水又は護岸海側及び護岸陸側の土壌を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを打設し、湾内とケーソン護岸との間にも同様なコンクリ-トを打設する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
トリチウムを吸着すること。
【0007】
吸着剤を永久に保管すること。
【0008】
海水中あるいは水中であっても吸着剤から放射性物質が溶けださないこと。
【課題を解決するための手段】
【0009】
放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に放射性物質を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを地中また水中または護岸内の海中に保管する。
汚染水又は護岸下から海洋に汚染水が流出し汚染した湾内の護岸海側及び護岸陸側の土壌を隔離する為に、湾を囲むようにケーソン護岸を築き、ケーソン内には放射性物質吸着剤を焼結した粗骨材に汚染水又は護岸海側及び護岸陸側の土壌を吸着させ、その粗骨材とトリチウムを含んだ水と細骨材とセメントを混ぜたコンクリートを打設し、湾内とケーソン護岸との間にも同様なコンクリ-トを打設する。
【発明の効果】
【0010】
トリチウムを含んだ水をコンクリートの結晶水として吸着できること。
【0011】
処理水に含まれるトリチウム以外の物質も放射性物質吸着剤に吸着できること。
【0012】
トリチウムを含む放射性物質を恒久的に保管できること。
【0013】
湾内の護岸海側及び護岸陸側の土壌を隔離すること。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の基本的な保管方法を示す。護岸内に汚染物質を保管する為に処理水入りコンクリート1を入れたケーソン2によって護岸3を作る。護岸3の基礎には基礎捨石8があり、その海側には洗堀防止用アスファルトマット5を設置しその上に消波ブロック4を載せる。その陸側には吸出防止用アスファルトマット6を設置する。ケーソン2が入っている処理水入りコンクリ―ト1のところどころに摩擦力及び防水する為に、摩擦増大用アスファルトマット7を設置する。ケーソン護岸2と海岸との間に処理水入りコンクリート1を打設する。
【
図2】
図2は東京電力福島第一発電所に本発明を適用する例を示す。既存ふ頭9の周りに新設のケーソン護岸10を取り囲む。陸16には1号機建屋、2号機建屋、3号機建屋及び4号機建屋がある。新設ふ頭17をケーソン護岸の脇に設置し海15から船舶の入出港を可能にする。
【産業上の利用可能性】
【0015】
特になし
【符号の説明】
【0016】
1.処理水入りコンクリート
2.ケーソン
3.護岸
4.消波ブロック
5.洗堀防止用アスファルトマット
6.吸出防止用アスファルトマット
7.摩擦増大用アスファルトマット
8.基礎捨石
9.既存ふ頭
10. 新設のケーソン護岸
11. 1号機建屋
12. 2号機建屋
13. 3号機建屋
14. 4号機建屋
15. 海
16. 陸
17. 新設ふ頭