(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016341
(43)【公開日】2025-01-31
(54)【発明の名称】ロボット減速機の診断装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
B25J 19/06 20060101AFI20250124BHJP
【FI】
B25J19/06
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024063129
(22)【出願日】2024-04-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0095252
(32)【優先日】2023-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524076246
【氏名又は名称】ヒュンダイ トランシス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Hyundai Transys Inc.
【住所又は居所原語表記】105, Sindang 1-ro, Seongyeon-myeon Seosan-si Chungcheongnam-do, 31930 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ サン ギ
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707KS24
3C707KS37
3C707LW03
3C707LW12
3C707LW15
3C707MS28
(57)【要約】
【課題】本発明は、ロボット減速機の診断装置およびその方法が開示される。
【解決手段】本発明のロボット減速機の診断装置は、減速機に直結した駆動モータの駆動状態が入力されたモータ状態入力モジュールと、格納装置と、実行プログラムが格納されたメモリと、モータ状態入力モジュール、格納装置、およびメモリと作動的に連結(operatively coupled to)されたプロセッサと、を含み、プロセッサは、モータ状態入力モジュールから駆動電流と回転速度とが入力されて、ビッグデータを構築して格納装置に格納し、格納装置に格納された駆動電流と回転速度とに基づいて、減速機を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行った後、入力される駆動電流と回転速度とにより、診断学習モデルベースで減速機の異常を診断することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
減速機に直結した駆動モータの駆動状態が入力されたモータ状態入力モジュールと、
格納装置と、
実行プログラムが格納されたメモリと、
前記モータ状態入力モジュール、前記格納装置、および前記メモリと作動的に連結(operatively coupled to)されたプロセッサと、を含み、
前記プロセッサは、前記モータ状態入力モジュールから駆動電流と回転速度とが入力されて、ビッグデータを構築して前記格納装置に格納し、前記格納装置に格納された前記駆動電流と前記回転速度とに基づいて、前記減速機を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行った後、入力される前記駆動電流と前記回転速度とにより、診断学習モデルベースで前記減速機の異常を診断することを特徴とするロボット減速機の診断装置。
【請求項2】
前記診断結果を出力する出力モジュール、をさらに含み、
前記プロセッサは、前記減速機の異常を診断した診断結果を前記出力モジュールを介して出力することを特徴とする請求項1に記載のロボット減速機の診断装置。
【請求項3】
前記モータ状態入力モジュールは、前記駆動モータを駆動するモータドライバからネットワークを介して前記駆動電流と前記回転速度とが入力されることを特徴とする請求項1に記載のロボット減速機の診断装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記減速機の診断結果をモータドライバに出力することを特徴とする請求項1に記載のロボット減速機の診断装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記減速機の診断結果を前記格納装置に格納し、診断学習モデルを周期的に改善することを特徴とする請求項1に記載のロボット減速機の診断装置。
【請求項6】
プロセッサが、モータ状態入力モジュールを介して駆動モータの駆動電流と回転速度とが入力されるステップと、
前記プロセッサが、入力された前記駆動電流と前記回転速度とに基づいて、ビッグデータを構築して格納装置に格納するステップと、
前記プロセッサが、前記駆動電流と前記回転速度とに基づいて、減速機を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行うステップと、
前記プロセッサが、前記モータ状態入力モジュールから入力される前記駆動電流と前記回転速度とにより、診断学習モデルベースで前記減速機の異常を診断するステップと、を含むことを特徴とするロボット減速機の診断方法。
【請求項7】
前記プロセッサが、前記減速機の異常を診断した診断結果を出力モジュールを介して出力するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のロボット減速機の診断方法。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記減速機の診断結果をモータドライバに出力するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のロボット減速機の診断方法。
【請求項9】
前記プロセッサが、前記減速機の診断結果を前記格納装置に格納し、診断学習モデルを周期的に改善するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のロボット減速機の診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット減速機の診断装置およびその方法に関し、より詳しくは、ロボットの減速機に直結した駆動モータに印加される電流と速度とを検出し、マシンラーニングベースで学習して故障を診断し、寿命を予測するロボット減速機の診断装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、産業用ロボットとは、対象物を自動的にハンドリングするための目的に符合する工具を備えた状態で、多数の運動軸に対して、特に、方位(orientation)、位置および作業の進行に関連してプログラミング可能なハンドリング機械をいう。
【0003】
このような産業用ロボットは、対象物に対する製造工程を行うためのツールと、前記ツールが設けられる手首部と、手首部の位置を変更するアームユニットおよびアッパーユニットと、旋回軸を中心に回転して手首部の向く方向を変更させるための旋回部と、旋回部を支持するベース部と、製造工程を行うための駆動力を提供する駆動部とを含む。
【0004】
ここで、駆動部は、駆動モータおよび減速機を含むことができるが、減速機の内部には、潤滑のための潤滑油が収容されている。このような減速機は、構成材料が鉄成分であって、駆動部の運転時間によって摩耗して潤滑油に混ざるようになる。このような潤滑油に混ざった異物は、製造工程を行う過程で突然の減速機の誤作動をもたらすが、これを解決するためには、工程ラインに設けられた複数の産業用ロボットをすべて停止させなければならない。
【0005】
本発明の背景技術は、大韓民国公開特許公報第10-2016-0083392号(2016.07.12.公開、産業用ロボットシステム)に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、産業用ロボットの減速機に誤動作が発生した場合、減速機と駆動モータとが直接的に接触した構造となっていて、駆動モータの過熱が減速機ハウジングを介して伝達されながら減速機に影響を及ぼすことはもちろん、駆動モータ自体の高熱によって駆動モータのエンコーダ損傷の恐れがあり、また、減速機ハウジングを介した駆動モータの高熱が伝達される場合、減速機ハウジング内の潤滑グリースの寿命が短縮するなどの問題点があった。
【0007】
本発明は、上記の問題点を改善するためになされたものであって、一態様による本発明の目的は、ロボットの減速機に直結した駆動モータに印加される電流と速度とを検出し、マシンラーニングベースで学習して故障を診断し、寿命を予測するロボット減速機の診断装置およびその方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によるロボット減速機の診断装置は、減速機に直結した駆動モータの駆動状態が入力されたモータ状態入力モジュールと、格納装置と、実行プログラムが格納されたメモリと、モータ状態入力モジュール、格納装置、およびメモリと作動的に連結(operatively coupled to)されたプロセッサと、を含み、プロセッサは、モータ状態入力モジュールから駆動電流と回転速度とが入力されて、ビッグデータを構築して格納装置に格納し、格納装置に格納された駆動電流と回転速度とに基づいて、減速機を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行った後、入力される駆動電流と回転速度とにより、診断学習モデルベースで減速機の異常を診断することを特徴とする。
【0009】
本発明は、診断結果を出力する出力モジュール、をさらに含み、プロセッサは、減速機の異常を診断した診断結果を出力モジュールを介して出力することを特徴とする。
【0010】
本発明において、モータ状態入力モジュールは、駆動モータを駆動するモータドライバからネットワークを介して駆動電流と回転速度とが入力されることを特徴とする。
【0011】
本発明において、プロセッサは、減速機の診断結果をモータドライバに出力することを特徴とする。
【0012】
本発明において、プロセッサは、減速機の診断結果を格納装置に格納し、診断学習モデルを周期的に改善することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様によるロボット減速機の診断方法は、プロセッサが、モータ状態入力モジュールを介して駆動モータの駆動電流と回転速度とが入力されるステップと、プロセッサが、入力された駆動電流と回転速度とに基づいて、ビッグデータを構築して格納装置に格納するステップと、プロセッサが、駆動電流と回転速度とに基づいて、減速機を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行うステップと、プロセッサが、モータ状態入力モジュールから入力される駆動電流と回転速度とにより、診断学習モデルベースで減速機の異常を診断するステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明は、プロセッサが、減速機の異常を診断した診断結果を出力モジュールを介して出力するステップ、をさらに含むことを特徴とする。
【0015】
本発明において、プロセッサが、減速機の診断結果をモータドライバに出力するステップ、をさらに含むことを特徴とする。
【0016】
本発明は、プロセッサが、減速機の診断結果を格納装置に格納し、診断学習モデルを周期的に改善するステップ、をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によるロボット減速機の診断装置およびその方法は、ロボットの減速機に直結した駆動モータに印加される電流と速度とを検出し、マシンラーニングベースで学習して故障を診断し、寿命を予測するだけでなく、診断結果をモータドライバに提供して駆動モータの保護動作を行うようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例によるロボット減速機の診断装置を示すブロック構成図である。
【
図2】本発明の一実施例によるロボット減速機の診断方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明によるロボット減速機の診断装置およびその方法を説明する。この過程で、図面に示された線の厚さや構成要素の大きさなどは説明の明瞭性と便宜上誇張して示されていてもよい。また、後述する用語は本発明における機能を考慮して定義された用語であって、これはユーザ、運用者の意図または慣例によって異なる。そのため、このような用語に関する定義は本明細書全般にわたる内容に基づいて行われなければならない。
【0020】
図1は、本発明の一実施例によるロボット減速機の診断装置を示すブロック構成図である。
【0021】
図1に示されるように、本発明の一実施例によるロボット減速機の診断装置は、モータ状態入力モジュール10と、格納装置40と、出力モジュール50と、メモリ20と、プロセッサ30とを含むことができる。
【0022】
モータ状態入力モジュール10は、減速機80に直結した駆動モータ70の駆動状態が入力される。
【0023】
駆動モータ70の駆動状態は、駆動モータ70を駆動させるために印加される駆動電流および駆動モータ70の回転速度が入力される。
【0024】
この時、モータ状態入力モジュール10は、ネットワークを介して駆動モータ70の駆動を制御するモータドライバ60に連結されて、モータドライバ60から駆動電流と回転速度とが入力される。
【0025】
格納装置40は、モータ状態入力モジュール10を介して入力された駆動モータ70の駆動電流および回転速度に対して、ビッグデータを構築して格納することができる。
【0026】
この時、格納装置40は、診断学習モデルを構築するための定常状態の駆動電流と回転速度とを収集して、ビッグデータを構築して格納することができる。
【0027】
出力モジュール50は、診断結果を出力するためのインターフェースを提供し、上位制御装置(図示せず)に診断結果を出力できるだけでなく、ディスプレイ(図示せず)を介して診断結果を出力することができる。
【0028】
メモリ20は、ロボット減速機の異常を診断するためのデータと実行プログラムを格納することができ、格納される情報は、必要に応じてプロセッサ30によって取捨選択可能である。
【0029】
すなわち、メモリ20には、ロボット減速機の診断装置の駆動のためのオペレーティングシステムやアプリケーション(プログラムまたはアプレット)の実行過程で発生する様々な種類のデータが格納される。この時、メモリ20は、電源が供給されなくても格納された情報を保持し続ける不揮発性格納装置、および格納された情報を保持するために電力が必要な揮発性格納装置を通称するものである。また、メモリ20は、プロセッサ30が処理するデータを一時的または永久的に格納する機能を行うことができる。ここで、メモリ20は、格納された情報を保持するために電力が必要な揮発性格納装置のほか、磁気記憶媒体(magnetic storage media)またはフラッシュ記憶媒体(flash storage media)を含むことができるが、本発明の範囲がこれに限定されるものではない。
【0030】
プロセッサ30は、モータ状態入力モジュール10、格納装置40、出力モジュール50、およびメモリ20と作動的に連結(operatively coupled to)されて、ロボット減速機の診断装置の全般的な動作を制御するためにメモリ20に格納された各種プログラムをRAMにコピーし、実行させて各種動作を行うことができる。
【0031】
多様な実施例として、プロセッサ30は、デジタル信号を処理するデジタルシグナルプロセッサ(digital signal processor(DSP))、マイクロプロセッサ(microprocessor)、TCON(Time controller)で実現できる。ただし、これに限定されるものではなく、プロセッサ30は、中央処理装置(central processing unit(CPU))、MCU(Micro Controller Unit)、MPU(micro processing unit)、コントローラ(controller)、アプリケーションプロセッサ(application processor(AP))、またはコミュニケーションプロセッサ(communication processor(CP))、ARMプロセッサのうちの1つまたはそれ以上を含むか、当該用語で定義される。さらに、プロセッサ30は、プロセッシングアルゴリズムが内蔵されたSoC(System on Chip)、LSI(large scale integration)で実現されてもよく、FPGA(Field Programmable gate array)の形態で実現されてもよい。
【0032】
すなわち、プロセッサ30は、メモリ20に格納された診断のための実行プログラムを駆動して、モータ状態入力モジュール10から駆動電流と回転速度とが入力されて、ビッグデータを構築して格納装置40に格納する。
【0033】
以後、プロセッサ30は、格納装置40に格納された駆動電流と回転速度とに基づいて、人工ニューラルネットワークベースで減速機80を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行った後、入力される駆動電流と回転速度とにより、診断学習モデルベースで減速機の異常を診断し、寿命を予測することができる。
【0034】
また、プロセッサ30は、減速機80の診断結果を格納装置40に格納して、診断学習モデルを周期的に改善することができる。
【0035】
ここで、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network、ANN)は、ニューロンおよびニューロン間の連結のためのシナプスによりやり取りされる過程により、情報が記憶される脳の学習方法を数学的にモデリングした機械学習アルゴリズムであって、人工ニューラルネットワークにおいてニューロンはノード、シナプスは重みづけ(weight)と定義される。
【0036】
人工ニューラルネットワークには、深層ニューラルネットワーク(Depp Neural Network、DNN)、回帰ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)および畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)のいずれか1つが含まれる。それだけでなく、人工ニューラルネットワークは、深層ニューラルネットワーク(DNN)および回帰ニューラルネットワーク(RNN)の少なくとも1つ以上が相互結合されて生成される。また、前述した人工ニューラルネットワーク以外にも、多様なディープラーニングアルゴリズムが適用可能である。深層ニューラルネットワーク(DNN)は、複数の隠匿層で構成された人工ニューラルネットワークであり、回帰ニューラルネットワーク(RNN)は、深層ニューラルネットワーク(DNN)とは異なって循環構造を有するニューラルネットワークであって、隠匿層のデータを格納し、これを次の学習に回帰的に用いることによって、過去の情報を記憶し学習に反映するため、時系列データの分析に適切なニューラルネットワークであり得る。
【0037】
このように、プロセッサ30は、入力される駆動電流と回転速度とにより、診断学習モデルベースで減速機80の異常を診断し、診断結果を出力モジュール50を介して上位制御装置やディスプレイを介して出力することができる。
【0038】
また、プロセッサ30は、減速機80の診断結果をモータドライバ60に出力して、モータドライバ60で減速機80の異常状態および寿命によって駆動モータ70を制御して保護動作を行うようにできる。
【0039】
上述のように、本発明の実施例によるロボット減速機の診断装置によれば、ロボットの減速機に直結した駆動モータに印加される電流と速度とを検出し、マシンラーニングベースで学習して故障を診断し、寿命を予測するだけでなく、診断結果をモータドライバに提供して駆動モータの保護動作を行うようにできる。
【0040】
図2は、本発明の一実施例によるロボット減速機の診断方法を説明するためのフローチャートである。
【0041】
図2に示されるように、本発明の一実施例によるロボット減速機の診断方法においては、まず、プロセッサ30が、モータ状態入力モジュール10を介して駆動モータ70の駆動電流と回転速度とが入力される(S10)。
【0042】
この時、モータ状態入力モジュール10は、ネットワークを介して駆動モータ70の駆動を制御するモータドライバ60に連結されて、モータドライバ60から駆動電流と回転速度とが入力される。
【0043】
S10ステップで駆動モータ70の駆動電流と回転速度とが入力されれば、プロセッサ30が、入力された駆動電流と回転速度とに基づいて、ビッグデータを構築して格納装置40に格納する(S20)。
【0044】
S20ステップで駆動電流と回転速度とに基づいてビッグデータを構築した後、プロセッサ30は、格納装置40に格納されたビッグデータに対して、人工ニューラルネットワークベースで減速機80を診断するための学習モデルを構築して機械学習を行う(S30)。
【0045】
ここで、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network、ANN)は、ニューロンおよびニューロン間の連結のためのシナプスによりやり取りされる過程により、情報が記憶される脳の学習方法を数学的にモデリングした機械学習アルゴリズムであって、人工ニューラルネットワークにおいてニューロンはノード、シナプスは重みづけ(weight)と定義される。
【0046】
S30ステップで機械学習を行った後、プロセッサ30は、モータ状態入力モジュール10を介して入力される駆動電流と回転速度とに対して、診断学習モデルベースで減速機80の異常を診断する(S40)。
【0047】
S40ステップで減速機80の異常を診断した後、プロセッサ30は、減速機80の異常を診断した診断結果を、出力モジュール50を介して上位制御装置(図示せず)に診断結果を出力したり、ディスプレイ(図示せず)を介して診断結果を出力する(S50)。
【0048】
また、プロセッサ50は、診断結果を格納装置40に格納した後、診断学習モデルを周期的に改善することができる。
【0049】
一方、プロセッサ50は、減速機80の診断結果をモータドライバ60に出力して、モータドライバ60で減速機80の異常状態および寿命によって駆動モータ70を制御して保護動作を行うようにできる。
【0050】
上述のように、本発明の実施例によるロボット減速機の診断方法によれば、ロボットの減速機に直結した駆動モータに印加される電流と速度とを検出し、マシンラーニングベースで学習して故障を診断し、寿命を予測するだけでなく、診断結果をモータドライバに提供して駆動モータの保護動作を行うようにできる。
【0051】
本明細書で説明された実現は、例えば、方法またはプロセス、装置、ソフトウェアプログラム、データストリームまたは信号で実現される。単一形態の実現の脈絡でのみ議論(例えば、方法としてのみ議論)されたとしても、議論された特徴の実現は同じく、他の形態(例えば、装置またはプログラム)としても実現できる。装置は、適切なハードウェア、ソフトウェアおよびファームウェアなどで実現されてもよい。方法は、例えば、コンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路またはプログラミング可能なロジッグデバイスなどを含むプロセッシングデバイスを一般的に指すプロセッサなどのような装置で実現されてもよい。プロセッサはさらに、最終ユーザ間の情報の通信を容易にするコンピュータ、携帯電話、携帯用/個人用情報端末(personal digital assistant:「PDA」)および他のデバイスなどのような通信デバイスを含む。
【0052】
本発明は、図面に示された実施例を参照して説明されたが、これは例示に過ぎず、当該技術の属する分野における通常の知識を有する者であれば、これから多様な変形および均等な他の実施例が可能であることを理解するであろう。
【0053】
したがって、本発明の真の技術的保護範囲は以下の特許請求の範囲によって定められなければならない。