(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025163576
(43)【公開日】2025-10-29
(54)【発明の名称】充放電計画最適化装置及び充放電計画最適化方法
(51)【国際特許分類】
   H02J   3/00        20060101AFI20251022BHJP        
   H02J   3/32        20060101ALI20251022BHJP        
【FI】
H02J3/00 170 
H02J3/32 
H02J3/00 130 
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066986
(22)【出願日】2024-04-17
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホァン  ハン
(72)【発明者】
【氏名】但馬  慶行
(72)【発明者】
【氏名】菅田  真広
(72)【発明者】
【氏名】加藤  裕康
(72)【発明者】
【氏名】佐々木  亮輔
【テーマコード(参考)】
5G066
【Fターム(参考)】
5G066AA02
5G066AA03
5G066HB09
5G066JB03
(57)【要約】
【課題】放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減を支援可能とする。
【解決手段】蓄電池を備えた施設に関して充放電計画の最適化を行う充放電計画最適化装置1Z01において、所定の期間における施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づく、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力の情報を参照し、前記期間における前記ピーク電力の集合に基づき、目標ピーク電力を決定する目標ピーク電力決定部1Z04と、前記施設における電気料金を目的関数として設定し、前記決定された目標ピーク電力に基づく制約条件を設定して、立案期間において電気料金を最小化する充放電計画を生成する充放電計画最適化部1Z03を含む構成とする。
【選択図】
図1
       
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  蓄電池を備えた施設に関して充放電計画の最適化を行う情報処理装置であって、
  所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づく、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力の情報を参照し、前記期間における前記ピーク電力の集合に基づき、目標ピーク電力を決定する目標ピーク電力決定部と、
  前記施設における電気料金を目的関数として設定し、前記決定された目標ピーク電力に基づく制約条件を設定して、立案期間において電気料金を最小化する充放電計画を生成する充放電計画最適化部と、
  を備えることを特徴とする充放電計画最適化装置。
【請求項2】
  前記充放電計画最適化部において、前記所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づき、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力を算出する、
  ことを特徴とする請求項1に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項3】
  前記所定の期間における前記施設に関する電力需要予測を行う電力需要予測部と、
  再生可能エネルギー由来の発電量を予測する再生可能エネルギー発電量予測部と、
  をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項4】
  前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合から一つの値を選択して目標ピーク電力とする、
  ことを特徴とする請求項3に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項5】
  前記再生可能エネルギー発電量予測部において、所定期間の気象データを利用して消費電力の予測値を算出する、
  ことを特徴とする請求項4に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項6】
  前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合からの前記選択は、前記施設における契約電力の削減効果と蓄電池の充放電ロスに基づき、前記電気料金が最小化される値を選択する、
  ことを特徴とする請求項4に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項7】
  前記充放電計画最適化部において、前記充放電ロスを定式化し、これを前記制約条件として設定する、
  ことを特徴とする請求項6に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項8】
  前記生成した充放電計画が適用された場合の、前記施設における電気料金と受電量ロードカーブを示すグラフを表示する入出力部をさらに備える、
  ことを特徴とする請求項7に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項9】
  前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合からの前記選択に際し、前記契約電力が最小となるピーク電力を選択する、
  ことを特徴とする請求項4に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項10】
  前記充放電計画最適化部において、ユーザが設定した目標ピーク電力の安全マージンに基づき、前記目標ピーク電力と前記安全マージンとの和に基づく制約条件を設定し、前記充放電計画を生成する、
  ことを特徴とする請求項2に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項11】
  前記充放電計画最適化部において、前記蓄電池の容量に関する情報にも基づいて充放電計画を立案する、
  ことを特徴とする請求項2に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項12】
  前記充放電計画最適化部において、前記目的関数及び前記制約条件を線形計画法で定式化し、最適化ソルバーにより最適化問題を解くことで、前記充放電計画を生成する、
  ことを特徴とする請求項2に記載の充放電計画最適化装置。
【請求項13】
  蓄電池を備えた施設に関して充放電計画の最適化を行う情報処理装置が、
  所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づく、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力の情報を参照し、前記期間における前記ピーク電力の集合に基づき、目標ピーク電力を決定する処理と、
  前記施設における電気料金を目的関数として設定し、前記決定された目標ピーク電力に基づく制約条件を設定して、立案期間において電気料金を最小化する充放電計画を生成する処理と、
  を実行することを特徴とする充放電計画最適化方法。
         
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、概して、充放電計画最適化装置及び充放電計画最適化方法の技術に関し、具体的には、充放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減を支援可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
  商業施設や工場、医療施設など、停電による業務への影響が大きい施設では、自家発電設備や蓄電設備を導入し、停電発生に備えることが多い。特に最近では、自家発電設備として太陽光発電システム等の再生可能エネルギーによる自家発電を目指す動きも目立っている。その場合、停電時でも業務を継続する事業継続性の観点のみならず、電力単価が高い時間帯に再生可能エネルギー由来の電気を使用し、その余剰分を蓄電する一方、夜間には蓄電分を使用するといった充放電マネジメントが必要となる。
【0003】
  上記の充放電マネジメントを精度よく行うことで、停電等の好ましくない事態を回避しつつ、電力コストの効果的な低減を図ることができる。そのため、そうした充放電マネジメントに関する技術が提案されてきた。当該従来技術としては、例えば、系統受電電力の平準化を図ることにより、契約電力を下げ、以って基本料金を下げる技術(特許文献1参照)が提案されている。
【0004】
  この技術は、発電機と蓄電池と負荷設備を備える電力系統に関して、未来の所定期間における発電機と蓄電池の運用スケジュールを生成する装置であって、前記所定期間における前記負荷設備による消費電力である負荷電力を予測する負荷電力予測手段と、前記所定期間における前記発電機による発電コストと系統受電電力の買電コストと系統受電電力の最大値/最小値に応じたコストとに係わる第一目的関数を用いて、前記発電機と前記蓄電池に関する各種制約条件と、前記負荷電力予測手段で求められる前記負荷電力予測値とに基づいて、前記第一目的関数を最小にする前記発電機と蓄電池の運用スケジュールを生成する運用スケジュール生成手段と、を有することを特徴とする需給計画作成装置に係る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
  上記の特許文献1の技術では、電気料金削減の手段として数理最適化方法による蓄電池の充放電最適化手法が提案され、過去一年間のデータに対して、目的関数Aと目的関数B-1,B-2,B-3を使用している。目的関数Aは系統受電電力購入コストと発電コストを最小化する。目的関数B-1は発電コストと系統受電電力購入コストと最大系統受電電力と系統受電電力の最大値と最小値を最小化する。B-2とB-3はB-1の一部のみを含む目的関数であって、特許文献1ではB-1は最も効果的と記載されている。過去一年間で電力需要が最大となった日の前後期間には目的関数B-1を適用し、その他の期間には目的関数Aを適用することで、過剰な充放電を防ごうとしている。
【0007】
  一方、蓄電池では充放電によるエネルギーロスが発生すること、及び、電気料金は一定期間の系統受電量の最大値や合計値に基づいて決定されること、を踏まえると、徒に充放電を繰り返す運用を行うと、かえって電気料金が増加する可能性がある。上記従来技術に関していえば、電力需要が最大となった日の前後期間において、目的関数B-1を適用すべきでない日が存在する場合、過剰な充放電による充放電ロスが増加し、電気料金の増大につながる可能性がある。
【0008】
  そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、充放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減を支援可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
  本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る充放電計画最適化装置は、蓄電池を備えた施設に関して充放電計画の最適化を行う情報処理装置であって、所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づく、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力の情報を参照し、前記期間における前記ピーク電力の集合に基づき、目標ピーク電力を決定する目標ピーク電力決定部と、前記施設における電気料金を目的関数として設定し、前記決定された目標ピーク電力に基づく制約条件を設定して、立案期間において電気料金を最小化する充放電計画を生成する充放電計画最適化部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
  また、上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る充放電計画最適化方法は、蓄電池を備えた施設に関して充放電計画の最適化を行う情報処理装置が、所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づく、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力の情報を参照し、前記期間における前記ピーク電力の集合に基づき、目標ピーク電力を決定する処理と、前記施設における電気料金を目的関数として設定し、前記決定された目標ピーク電力に基づく制約条件を設定して、立案期間において電気料金を最小化する充放電計画を生成する処理と、を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
  本発明によれば、充放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
            【
図1】本実施形態における充放電計画最適化システムの構成例を示す図である。
 
            【
図2】本実施形態における充放電計画最適化装置のハードウェア構成例を示す図である。
 
            【
図3】本実施形態における気象データの具体例を示す図である。
 
            【
図4】本実施形態における電気料金テーブルの具体例を示す図である。
 
            【
図5】本実施形態におけるピーク電力集合と電気料金の対応テーブル例を示す図である。
 
            【
図6】本実施形態における電力需要及び発電量のテーブル例を示す図である。
 
            【
図7】本実施形態における充放電計画テーブルの具体例を示す図である。
 
            【
図8】本実施形態における蓄電池残量テーブルの具体例を示す図である。
 
            【
図9】本実施形態における目標ピーク電力の決定動作を示すフローチャートである。
 
            【
図10】本実施形態における充放電計画最適化装置の動作を示すフローチャートである。
 
            【
図11】本実施形態における消費電力及び再生可能エネルギー予測モデルの作成動作を示すフローチャートである。
 
            【
図12】本実施形態における画面例を示す図である。
 
            【
図13】本実施形態における画面例を示す図である。
 
            【
図14】本実施形態における変数等の定義例を示す図である。
 
            【
図15】本実施形態における変数等の定義例を示す図である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0013】
  以下の説明では、通信装置は、一つ以上の通信インターフェイスデバイスでよい。一つ以上の通信インターフェイスデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェイスデバイス(例えば一つ以上のNIC(Network  Interface  Card))であってもよいし、二つ以上の異種の通信インターフェイスデバイス(例えばNICとHBA(Host  Bus  Adapter))であってもよい。
【0014】
  また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスである。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし、不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0015】
  また、以下の説明では、「補助記憶装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイスでよく、具体的には例えば、HDD(Hard  Disk  Drive)、SSD(Solid  State  Drive)、又はNVMe(Non-Volatile  Memory  Express)ドライブでよい。
【0016】
  また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central  Processing  Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスでよいが、GPU(Graphics  Processing  Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア回路(例えばFPGA(Field-Programmable  Gate  Array)、CPLD(Complex  Programmable  Logic  Device)、又はASIC(Application  Specific  Integrated  Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0017】
  また、以下の説明では、「XXXテーブル」や「XXXデータベース」といった表現にて、入力に対して出力が得られる情報を説明することがあるが、当該情報は、どのような構造のデータでもよいし(例えば、構造化データでもよいし非構造化データでもよいし)、入力に対する出力を発生するニューラルネットワーク、遺伝的アルゴリズムやランダムフォレストに代表されるような学習モデルでもよい。従って、「XXXテーブル」や「XXXデータベース」を「XXX情報」と言うことができる。また、以下の説明において、各データベースやテーブルの構成は一例であり、一つのデータベースやテーブルは、二つ以上のデータベースやテーブルに分割されてもよいし、二つ以上のデータベースやテーブルの全部又は一部が一つのデータベースやテーブルであってもよい。
【0018】
  また、以下の説明では、「プログラム」を主語として処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶装置及び/又はインターフェイス装置等を用いながら行うため、処理の主語が、プロセッサ(あるいは、そのプロセッサを有するコントローラのようなデバイス)とされてもよい。プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバ又は計算機が読み取り可能な(例えば非一時的な)記録媒体であってもよい。また、以下の説明において、二つ以上のプログラムが一つのプログラムとして実現されてもよいし、一つのプログラムが二つ以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0019】
  また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通部分を使用し、同種の要素を区別して説明する場合は、参照符号又は要素の識別子を使用することがある。
【0020】
<充放電計画最適化装置を含むネットワーク構成>
  以下、本実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の充放電計画最適化システム1のネットワーク構成例を示す図である。充放電計画最適化システム1は、その最小構成として充放電計画最適化装置1Z01から構成される。ただし、図示するネットワーク構成のように、充放電計画最適化装置1Z01のほかに、気象データサーバ1Z00、商業施設1Z09の管理用のシステム、及びユーザ1Z21の操作パネル1Z20の少なくともいずれかを含むとしてもよい。
 
【0021】
  こうして構成される充放電計画最適化システム1は、充放電ロスと契約電力の削減効果を考慮したうえで、電力需要予測値と再生可能エネルギー発電量予測値に対して、過剰な充放電を避けつつ、系統受電購入コストを削減できる。また、ピーク電力による一定期間の電気料金と立案期間における充放電計画を行った受電量ロードカーブ想定値を表示できる。
【0022】
  図1に図示するように、本実施形態における充放電計画最適化装置1Z01は、ネットワーク1Z19を経由して、気象データサーバ1Z00と少なくとも一つ以上の商業施設1Z09(例:商業施設の管理システム)とデータ通信可能に接続している。そのため充放電計画最適化装置1Z01は、ネットワーク1Z19を経由し、気象データ(
図3に基づき後述)を受信できる。
 
【0023】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、ネットワーク1Z19を介して、操作パネル1Z20からユーザ1Z21の指令を受け取り、また、通知等を当該ユーザ1Z21向けに送信することができる。なお、上記操作パネル1Z20は、ユーザ1Z21が使用するPC(Personal  Computer)やタブレット端末を具体的な例として採用できるが、他にもスマートフォンや携帯電話端末などの他装置を採用しても構わない。勿論、操作パネル1Z20の実装例としては、これに限定されない。
【0024】
[商業施設構成]
  一方、上記の商業施設1Z09において、商用電力系統1Z22からの系統受電電力は、分電盤1Z16を経由して負荷設備1Z17及び蓄電池1Z15に供給される。同様に、太陽光発電設備1Z18の発電電力も分電盤1Z16を経由して負荷設備1Z17及び蓄電池1Z15に供給される。商業施設1Z09において、負荷設備1Z17による電力需要は、蓄電池1Z15で放電された電力、又は太陽光発電設備1Z18で発電された電力から賄われるケースと、上記商用電力系統1Z22から購入した電力で賄われるケースもある。
【0025】
  商業施設1Z09が商用電力系統1Z22から電力購入するにあたっては、事前に電力会社と電力利用の契約を締結している。商業施設1Z09は、その契約電力の大きさによって決められる「基本料金」を電力会社に支払うことになる。また、商業施設1Z09は、電力会社から買電した系統受電電力の量すなわち電力量に応じて、「従量制料金」も支払うことになる。本発明においては、例えば、商業施設1Z09の電力需要における最大ピーク電力の削減、及び系統受電電力の削減により、基本料金と従量制料金を考慮した総電気料金の削減を図ることが可能となる。
【0026】
  なお、上記商業施設1Z09には、情報処理を担当するEMS(Energy  Management  System)1Z10が備わっている。このEMS1Z10は、分電盤1Z16、蓄電池1Z15、太陽光発電設備1Z18、及び負荷設備1Z17と接続されている。EMS1Z10には、少なくともデータ出力部1Z14、データ管理部1Z13、設備制御部1Z12、及びデータ収集部1Z11が含まれる。
【0027】
  このうちデータ収集部1Z11は、負荷設備1Z17の電力需要や蓄電池1Z15の電池残量などの情報を電力計等のセンサ類や所定の管理用アプリケーション等で収集する機能を有する。データ管理部1Z13は、上記のデータ収集部1Z11が得た情報や、充放電計画最適化装置1Z01の出力を保存する機能を有する。データ出力部1Z14は、蓄電池1Z15や負荷設備1Z17の情報をネットワーク1Z19を経由し、充放電計画最適化装置1Z01に送る機能を有する。設備制御部1Z12は、あらかじめ設定された制御設定値、又は充放電計画最適化装置1Z01の充放電計画値などによって負荷設備1Z17や蓄電池1Z15などに制御指令を送る機能を有する。
【0028】
[充放電計画最適化装置の構成]
  充放電計画最適化装置1Z01は、入出力部1Z08、データ取得部1Z07、電力需要予測部1Z06、再生可能エネルギー発電量予測部1Z05、目標ピーク電力決定部1Z04、充放電計画最適化部1Z03、及びデータ管理部1Z02を備える。この充放電計画最適化装置1Z01は、典型的にはPC(Personal  Computer)や汎用のサーバ用パソコン装置上で実現される。
【0029】
  上記充放電計画最適化装置1Z01のハードウェア構成としては、例えば、
図2に示すように、通常の情報処理装置の構成が該当する。この場合、各種演算を行うプロセッサ2Z01、主記憶装置であるメモリ2Z03、ハードディスクドライブ等の補助記憶装置2Z04、キーボードやマウス等の入力装置2Z05、ディスプレイ等の表示部2Z02、ネットワークインターフェイス等の通信部2Z07、及び計算結果やデータを外部に送る出力部2Z06などを備える。ただし、他の構成要素をさらに含むとしても良い。
 
【0030】
[充放電計画最適化装置のデータ取得部とデータ管理部]
  充放電計画最適化装置1Z01のデータ取得部1Z07は、気象データや商業施設1Z09の負荷設備1Z17における電力需要実績などの情報を収集する機能を有する。そのため、データ取得部1Z07は、例えば、気象データサーバ1Z00から最新の気象データ実績値や予測値を、ネットワーク1Z19を介して定期的に取得し、その情報をデータ管理部1Z02に格納する。
【0031】
  図3において、上記気象データ3000の一例を示す。気象データ3000には、特定の日付や時間帯ごとの気温、湿度、及び日射量などの気象要素が記録されている。こうした気象データ3000は、時間帯ごとに格納されており、この例では30分ごとにレコードが格納された形態となっている。なお、気象データ3000は、取得元の1Z00気象データサーバによって時間帯の区切り方が異なりうる。
 
【0032】
  上記の気象データ3000以外にも、データ取得部1Z07はネットワーク1Z19を介して商業施設1Z09のEMS1Z10からも定期的に情報を取得する。この情報には、負荷設備1Z17の電力需要実績や蓄電池1Z15の電池残量などの情報が含まれる。EMS1Z10から取得可能な情報には、各負荷設備1Z17の電力需要の合計値も含まれる。
図6は電力需要実績の一例として、電力需要及び発電量のテーブル6000を示しており、
図8は蓄電池残量テーブル8000の具体例を示す図である。また、ユーザ1Z21は上記の各情報における時間帯の刻み(単位時間)を希望のものに設定することや、電気料金テーブル4000の設定情報(
図4)を、自身の契約内容等に応じて設定することができる。こうして設定される情報はデータ管理部1Z02に保存される。
図4に示す電気料金テーブル4000では、基本料金と電力量料金の2つの概念区分ごとの電力使用量の単価が格納された構成となっている。なお、電力量料金欄は、ピーク時間(例:朝の出勤前の時間帯や夕方の家事の時間帯)、昼間時間(夏季及びその他季節)、及び夜間時間、の各区分の電力使用量の単価が格納された構成となっている。
 
【0033】
[充放電計画最適化装置の電力需要と再生可能エネルギー発電量予測部]
  充放電計画最適化装置1Z01の電力需要予測部1Z06及び再生可能エネルギー発電量予測部1Z05は、データ管理部1Z02に格納された気象データ3000、商業施設1Z09の電力需要実績及び再生可能エネルギー発電量実績(
図6)、そして予測対象期間の気象データ3000を活用して、予測対象期間における単位時間の電力需要と再生可能エネルギー発電量を予測する。ここでの予測単位時間は、電力需要実績及び気象データ3000と同じ時間間隔を採用する。
 
【0034】
  電力需要予測及び再生可能エネルギー発電量予測の手法としては、既存の様々な手法を用いることができる。例えば、過去の同様の気象条件(例:天候、気温)と当該条件下での電力需要実績値や再生可能エネルギー発電量実績値との対応関係に関して回帰分析を行う手法、又は気温や湿度、日射量などの特徴量と電力需要や発電量との関係をあらかじめ学習したニューラルネットワークを使って予測する手法が用いられている。電力需要予測と再生可能エネルギー発電量予測に同じ手法を適用することも可能だが、異なる手法を用いることもできる。
【0035】
[入出力部]
  充放電計画最適化装置1Z01の入出力部1Z08は、ユーザ1Z21から充放電計画最適化のための入力、設定等をキーボード等で受け付け、計算結果をディスプレイ等でユーザ1Z21に表示する機能を備えている。ただし、毎回の実行時にユーザ1Z21が上記入力や設定を行う必要はなく、当該入力や設定の対象として、あらかじめ設定された値を入出力部1Z08が取得し、これに従って以後の処理を自動的に実行する構成を採用してもよい。
【0036】
[目標ピーク電力決定部]
  充放電計画最適化装置1Z01の目標ピーク電力決定部1Z04は、充放電計画最適化のための重要な制約条件である目標ピーク電力を決定する。この決定を実行するため、目標ピーク電力決定部1Z04は、所定期間での充放電計画最適化を実行した場合の最大ピーク電力集合(当該期間における1日など単位期間ごとのピーク電力の集合)と最小化した電気料金の集合(最小料金)を計算する。また、目標ピーク電力決定部1Z04は、そうして算出した最大ピーク電力集合と最小料金の集合から、少なくとも二つの方法で目標ピーク電力を設定する。一つは所定期間での最大ピーク電力の最小値を目標ピーク電力とし、もう一つは所定期間での電気料金が最小となる最大ピーク電力を目標ピーク電力とするものとなる。なお、ユーザ1Z21は、これら二つの方法で得られるいずれかの値から目標ピーク電力を選択するとしてもよい。
【0037】
  具体例として、過去一年間を対象に日別の充放電計画最適化を行うケースを想定する。また、充放電計画最適化の目標は、従量制料金の最小化である。その結果、一年間の充放電計画最適化における最大ピーク電力を契約電力として基本料金を算出する。年間電気料金は、毎日の従量制料金の合計と基本料金の年間合計で算出される。料金の計算では、基本料金を日別に分割し、毎日の従量制料金と基本料金の合計を年間電気料金に反映させることとしてもよい。
【0038】
  所定期間での最大ピーク電力の最小値を採用する場合、蓄電池1Z15の最大活用を図り、契約電力を最小限に抑えることを目指している。しかし、蓄電池1Z15における充放電ロスが従量制料金を増加させることを考慮すると、総合的な電気料金が最小にならない可能性がある。この選択肢は、契約電力の最小化やピーク時の環境負荷の軽減を目指す場合に有益である。一方、電気料金が最小となるピーク電力を選択する場合は、基本料金だけでなく、蓄電池1Z15における充放電ロスによる従量制料金の増加も考慮し、総合的な電気料金を削減することに有益となる。
【0039】
  これらの目標ピーク電力決定方法では、過去の電力実績値を参照するのではなく、充放電計画最適化を行った場合のピーク電力集合に基づいて、目標ピーク電力を算出する。例えば、新たに蓄電池1Z15を導入する場合や蓄電池1Z15の仕様を変更する場合には、過去の実績値を参考にすることができない状況が生じる可能性があるので、本手法の適用が有益である。
【0040】
[充放電計画最適化部]
  続いて、充放電計画最適化部1Z03の動作について説明する。充放電計画最適化部1Z03は、
図14及び
図15の定義(変数及び記号)を前提として、数1~数18の各数式を組み合わせて記述した最適化問題を解くことになる。
 
【0041】
  ここで、解くべき最適化問題における、各単位時間t(t∈T)の蓄電池の最適な充放電に関する定式化の要点は次の3つである。
1.目的関数は充放電ロス、受電充電量、自然放電量による従量制料金の最小化を図ることで、蓄電池1Z15を不必要に充放電することを抑え、自然放電によるロスを鑑みて充電するタイミングを最適化し、受電充電量を削減することができる。
2.予測誤差を考慮し、目標ピーク電力マージンと逆潮流マージンを導入することで、予測誤差によるリスクと逆潮流リスクを軽減する。
3.線形計画法に基づく定式化を行い、既存の最適化ソルバーを使用して効率的かつ厳密に計画を立案することができる。これにより、リアルタイムの気象データ3000を反映した充放電計画を即座に作成可能となる。
【0042】
  以下、各数式について説明する。下記式(1)は充放電最適化問題の目的関数に対応した数式である。この数式は従量制料金を最小化するものであり、系統からの受電充電量、余剰電力、及び自然放電量を考慮することにより、効率的な充放電制御を実現する。充放電ロスを目的関数に組み込むことで、蓄電池1Z15の不必要な充放電を抑制する。これにより、従量制料金の増加だけでなく、充放電に伴うサイクル数の増加による蓄電池1Z15の寿命の減少も考慮することが可能となる。
【0043】
  なお、目標ピーク電力を超えないようにするため、受電充電量は目標ピーク電力の制約条件を満たすための手段として用いられる。たとえば、天候が曇りや雨で太陽光発電量が少ない場合、昼間に商業施設1Z09の電力需要が目標ピーク電力を超える可能性がある。このような場合、事前に系統受電電力から蓄電池1Z15を充電し、ピーク時にその電力を放電することで、制約条件を満たす充放電計画を立案することができる。
  minimizeΣt(Ct+Et+Bnt)Ut  ・・・(1)
【0044】
  下記式(2)は、エネルギーバランス制約を規定した数式である。受電量Rt[t]は消費電力Pt[t]、受電充電量Ct[t]、及び余剰電力Etと、太陽光発電量St[t]、太陽光充電量Sct[t]、蓄電池放電量Bdt[t]の差分で表される。
  Rt=Pt+Ct-(St-Sct)-Bdt+(Et)  ・・・(2)
【0045】
  また、下記式(3)は、蓄電池充放電一致制約を示す数式である。この数式では、蓄電池充電量Bctは受電充電量Ctと太陽光充電量Sctの合計に等しいことを示している。
  Bct=Ct+Sct  ・・・(3)
【0046】
  また、下記式(4)は、自然放電量の制約を示す数式である。この制約は、蓄電池1Z15において、自然放電量Bntによって蓄電池蓄電量Bst(充電残量)を減少させることを表している。
  Bnt=Bst-1*Bnt  ・・・(4)
【0047】
  また、下記式(5)は蓄電池1Z15の状態更新式である。この制約は、蓄電池1Z15における蓄電池蓄電量Bstの状態が、時間経過とともに、蓄電池充電量Bct、蓄電池放電量Bdt、及び自然放電量Bntによって更新されることを表す。
  Bst+1=Bst+η*Bct-Bdt-Bnt  ・・・(5)
【0048】
  また、下記式(6)は目標ピーク電力制約を示す数式である。この制約は、受電量Rtは目標契約電力Ptarget(目標ピーク電力)から目標ピーク電力マージンMtarget_powerを引いた値より小さくなることを表す。目標ピーク電力マージンは予測誤差を考慮した上で設定される。誤差が大きければ大きいほどマージンを大きく設定するのが一般的である。簡単な設定方法として、例えば、目標ピーク電力の10%で一律設定するとしても良い。一方、複雑な設定方法としては、例えば、予測誤差によって動的で設定するとしても良い。勿論、こうした目標ピーク電力マージンをユーザ1Z21が設定するとしてもよい。
  Rt<Ptarget-Mtarget_power  ・・・(6)
【0049】
  また、下記式(7)は逆潮流防止制約を示す数式である。この数式では、蓄電池放電量Bdtと太陽光発電量Stの合計から太陽光充電量Sctおよび余剰電力Etを差し引いた値は、消費電力Ptから逆潮流マージンMreverse_flowを引いた値より小さいことを制約する。蓄電池放電量と太陽光発電量の合計は電力使用量を超えてしまうと逆潮流が起きてしまう。逆潮流が起きると発電が止まって再起動に時間がかかる問題がある。逆潮流マージンは太陽光発電量の予測誤差を考慮するための制約である。設定方法は式(6)と同じでもよい。
  Bdt+St-Sct-Et<Pt-Mreverse_flow  ・・・(7)
【0050】
  また、下記式(8)は蓄電容量制約を示す数式である。この数式では、蓄電池1Z15の蓄電量Bstは最小蓄電容量Bmin_capより大きく、最大蓄電容量Bmax_capより小さいことを制約する。なお、最大蓄電容量と最大蓄電容量はユーザ1Z21によって設定してもよい。
  Bmin_cap<Bst<Bmax_cap  ・・・(8)
【0051】
  また、下記式(9)は単位時間最大充電量制約を示す数式である。この数式は、蓄電池充電量Bctは単位時間あたりの最大充電量Bmax_charge_rateより小さいことを規定した制約となる。蓄電池単位時間最大充電量はユーザ1Z21によって設定可能である。単位時間は充放電計画最適化の単位時間tと同じものとする。
  Bct<Bmax_charge_rate  ・・・(9)
【0052】
  また、下記式(10)は単位時間最大放電量制約を示す数式である。この数式において、蓄電池放電量Bdtは単位時間あたりの最大放電量Bmax_discharge_rateより小さい制約を示すものとなる。なお、蓄電池単位時間最大放電量はユーザ1Z21によって設定可能である。単位時間は充放電計画最適化の単位時間tと同じものとする。
  Bdt<Bmax_discharge_rate  ・・・(10)
【0053】
  また、下記式(11)は蓄電池充電量の非負制約を示す数式である。この数式においては、蓄電池充電量Bctは0以上を制約する。
  Bct≧0  ・・・(11)
【0054】
  また、下記式(12)は蓄電池放電量の非負制約を示す数式である。この数式において、蓄電池放電量Bdtは0以上を制約する。
  Bdt≧0  ・・・(12)
【0055】
  また、下記式(13)と式(14)は、蓄電池一方向充放電制約を示す数式である。この数式では、蓄電池充電量Bctが、単位時間あたりの最大充電量Bmax_charge_rateに充放電方向CItを適用した値以下となること(式(13))、及び蓄電池放電量Bdtが、単位時間あたりの最大放電量Bmax_discharge_rateに充放電方向CItで1を減算した値を適用した値以下となること(式(14))、をそれぞれ規定することで、蓄電池充電と放電は同時に発生しないことを制約する。
  Bct≦Bmax_charge_rate*CIt  ・・・(13)
  Bdt≦Bmax_discharge_rate(1-CIt)  ・・・(14)
【0056】
  また、下記の式(15)、(16)、(17)、(18)は余剰電力制約を示す数式である。この数式では、蓄電池蓄電量Bstが最大蓄電容量Bmax_capに満充電指標EItを乗じた値であり、かつ受電量Rtが0になる場合(受電量0指標RIt=1)に、余剰電力Etが発生することを示している。こうした制約は、太陽光発電量Stを先に系統受電電力に使うことと蓄電池1Z15を充電することに制約をかける。また、余っている電力があれば余剰電力Etが発生することに対応する。なお、将来を見据えて、売電に関する制約を考慮しても良い。
  Rt≦Inf*(1-RIt)  ・・・(15)
  Et≦St*RIt  ・・・(16)
  Et≦St*EIt  ・・・(17)
  Bst≧Bmax_cap*EIt  ・・・(18)
【0057】
[電気料金テーブル]
  図4は電気料金テーブル4000の例を示す図である。この電気料金テーブル4000では、季節と時間帯による電気料金の規定内容の一例を示している。電気料金は、上記商業施設1Z09と電力会社との間の契約ごとに異なるものであるため、以下は具体例の一つを示したものである。
 
【0058】
  日本において、電気料金は基本料金と従量制料金に区分される。従量制料金は電力量料金と同義である。この例では、従量制料金は季節により昼間時間帯の電力単価が異なるが、ピーク時間帯と夜間時間帯は季節に関係なく同じ単価になっている。さらに、基本料金は季節に関わらず一定の単価である。
【0059】
  基本料金と従量制料金の決まり方を説明する。商業施設1Z09や需要家が月々電力会社から買電する料金は基本料金と従量制料金に分けられる。契約電力は、年間を通じた商業施設1Z09や需要家での最大需要を超過しない電力で決定されるため、基本料金は、その契約電力に基づき決まる。もし今月の最大需要が契約電力を超える場合、翌月から基本料金が増額される。一方、従量制料金は時間帯ごとの電力単価とその時間帯の系統受電量によって算出される。
【0060】
[目標ピーク電力決定のフローチャート]
  図9は、本実施形態における充放電計画最適化システム1の動作を示すフローチャートである。この動作は立案期間の充放電計画最適化を行う前に実行する。まず、充放電計画最適化システム1を構成する充放電計画最適化装置1Z01が、S10(計算期間を設定)として、充放電計画最適化を行った場合の最大ピーク電力と電気料金の計算期間の設定を実行する。この設定は、予め定めた設定値を補助記憶装置2Z04等から読み出して行うケースの他、ユーザ1Z21からの設定動作を受け付ける運用を採用してもよい。
 
【0061】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S11(ピーク電力の計算範囲設定)として、充放電計画最適化を行うための制約条件であるピーク電力の範囲の設定を実行する。充放電計画最適化装置1Z01は、例えば、商業施設1Z09の電力需要に関する情報(例えば
図6)に基づき、計算期間の各日の電力需要の最大値の揺れをピーク電力の範囲として抽出し設定する。他方、電力需要に関する情報が利用できない場合、あらかじめ規定した広範囲(例えば、1kwから200kw)を設定する運用を採用してもよい。なお、上記の設定等はユーザ1Z21による設定動作を受け付ける処理に置換してもよい。
 
【0062】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S12(計算期間の電力需要と再生可能エネルギー発電量データがあるか判定)として、計算期間の電力需要と再生可能エネルギー発電量のデータの有無の確認を実行する。この確認は、例えば、
図6のテーブル6000での該当期間のデータ有無を確認することが該当する。本確認の結果、当該データの存在が確認できれば(S12:Yes)、充放電計画最適化装置1Z01は、処理をS13に進める。他方、当該データの存在が確認できなければ(S12:No)、充放電計画最適化装置1Z01は処理をS14に進める。
 
【0063】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S14(計算期間の電力需要/再生可能エネルギー発電量予測)として、電力需要予測部1Z06と再生可能エネルギー発電量予測部1Z05を用いて、計算期間の電力需要と再生可能エネルギー発電量を予測する。予測方法については既に述べた通りである。なお、計算期間の電力需要と再生可能エネルギー発電量の実績値が存在しない場合は予測値で代用することが可能である。
【0064】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S13(ピーク電力を最小値に設定)として、計算期間での充放電計画最適化を行うための制約条件であるピーク電力を、上記S11で設定したピーク電力の範囲のうち最小のピーク電力、すなわちピーク電力最小値に設定する。その後、S15へ進む。また、充放電計画最適化装置1Z01は、S15(充放電計画最適化)として、計算期間での充放電計画最適化を実行する。充放電計画最適化の詳細処理は
図10に基づき後述する。その後、S16へ進む。
 
【0065】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S16(すべての日に解があるかつピーク電力計算範囲の最大値になったか判定)として、計算期間での充放電計画最適化を行った際の結果において、計算期間すべての日に解がある且つピーク電力計算範囲の最大値になったか判定する。この判定の結果、計算期間すべての日に解がある且つピーク電力計算範囲の最大値になったのであれば(S16:Yes)、充放電計画最適化装置1Z01は、処理をS18に進める。他方、そうでなければ(S16:No)、充放電計画最適化装置1Z01は、処理をS17へ進める。
【0066】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S17(ピーク電力を1kWインクリメント)は、S16の条件を満たさない場合、制約条件であるピーク電力を1kWインクリメントし、S15へ進む。そして、S16の条件を満たすまでループが発生する。
【0067】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S18(目標ピーク電力を決める)として、上記S15により特定された最大ピーク電力と電気料金の集合(計算期間でピーク電力の範囲での充放電計画最適化を行った場合の最大ピーク電力と電気料金の集合)に基づき、計算期間の最小ピーク電力の最大値、又は電気料金が最小となるピーク電力を目標ピーク電力に設定する。その後、S19へ進む。
【0068】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S19(目標ピーク電力を充放電計画最適化装置のデータ管理部に登録)として、S18で算出された目標ピーク電力を充放電計画最適化装置1Z01のデータ管理部1Z02に登録する。
【0069】
  図9のフローチャートにより、立案期間内での充放電計画最適化の制約条件である目標ピーク電力を決定することが可能である。計算期間は、ユーザ1Z21が電力契約に基づいて設定することができる。例えば、夏場の電力需要が最も高いことが事前に分かっている場合、計算期間を夏季に限定して計算することも可能である。ピーク電力の計算範囲はユーザ1Z21が設定でき、この設定により異なるピーク電力での電気料金が算出される。ユーザ1Z21はこの結果を分析することができる。例えば、契約電力を超えるリスクを考慮して、少し高いピーク電力での電気料金でも受け入れる場合は、目標ピーク電力を高く設定することもできる。また、電力需要や再生可能エネルギー発電量の実績データが不足していても、予測を行うことで目標ピーク電力の決定のための計算を実行できる。
 
【0070】
[充放電計画の立案フローチャート]
  図10は、本実施形態における充放電計画最適化装置1Z01による、立案期間の充放電計画最適化の動作(
図9におけるS15)を示すフローチャートである。この動作は目標ピーク電力決定の後に実行する。まず、充放電計画最適化装置1Z01は、S21(充放電計画の更新時刻であるか判定)として、充放電計画の更新時刻か否か判定する。この判定の結果、更新時刻であれば(S21:Yes)、充放電計画最適化装置1Z01は、処理をS22に進める。一方、そうでなければ(S21:No)、充放電計画最適化装置1Z01は、処理をS21に戻す。
 
【0071】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S22(データ管理部から気象データを取得する)として、データ管理部1Z02から立案期間の気象データ3000を取得する。その後、S23へ進む。また、充放電計画最適化装置1Z01は、S23(立案期間の電力需要と再生可能エネルギー発電量予測)として、上記S22で取得した気象データ3000を用いて、電力需要予測部1Z06と再生可能エネルギー発電量予測部1Z05による、電力需要、再生可能エネルギー発電量の各予測を実行する。その後、S24へ進む。
【0072】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S24(商業施設や需要家などのEMSから蓄電池の情報を取得)として、商業施設1Z09のEMS1Z10から蓄電池1Z15の情報を取得する。その後、S25へ進む。また、充放電計画最適化装置1Z01は、S25(データ管理部から目標ピーク電力を取得する)として、データ管理部1Z02から目標ピーク電力を取得する。その後、S26へ進む。
【0073】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S26(立案期間に対する充放電計画最適化)として、立案期間に対する充放電計画最適化を行う。その後、S27へ進む。また、充放電計画最適化装置1Z01は、S27(計算結果をEMSへ登録)として、上記S26による立案期間の充放電計画値を商業施設1Z09のEMS1Z10へ登録する。
【0074】
  立案期間の充放電計画最適化では、事前に所定期間で算出された目標ピーク電力を制約条件として、EMS1Z10から得た蓄電池残量のデータを用いて最適化を行う。これにより、蓄電池1Z15での不必要な充放電を抑制しつつ、ピーク電力を効果的に削減する。具体的な例としては、立案期間を翌日、所定期間を過去の1年間と設定する。立案期間の目標ピーク電力は過去1年間の実績値又は予測値によって算出されている。そのため、過去1年間で設定されたピーク電力を超えないような目標ピーク電力を得られる。この目標ピーク電力を超えなければ、将来の基本料金が上昇するリスクを避けることができる。そして、この目標ピーク電力は1年間の計算結果に基づいているので、充放電ロスが過剰に発生しないように、目標ピーク電力が適切に設定されるよう配慮されている。
【0075】
[予測モデルの作成フローチャート]
  図11は、本実施形態における充放電計画最適化装置1Z01の電力需要予測部1Z06のモデルと再生可能エネルギー発電量予測部1Z05のモデルの作成の動作を示すフローチャートである。ここで、充放電計画最適化装置1Z01が予測モデルの作成を行う例を示すが、充放電計画最適化装置1Z01が外部の機械学習エンジンでのモデル生成結果を取得する構成に置換してもよい。また、充放電計画最適化装置1Z01が予測モデルの生成を行う場合、例えば、既知の機械学習エンジンを利用可能に備え、当該機械学習エンジンに教師データ(例:気象データ3000等の各種事象の情報と、当該事象が発生している期間での電力需要や再生可能エネルギー発電量の実績値とのセット)を与えることで、モデルの学習を進めて予測モデルを得るものとする。
 
【0076】
  まず、充放電計画最適化装置1Z01は、S31(学習期間とテスト期間を設定)として、ユーザ1Z21による、電力需要予測モデルと再生可能エネルギー発電量予測モデルの学習期間とテスト期間の設定を受け付ける。その後、S32へ進む。充放電計画最適化装置1Z01は、S32(データ管理部から気象データを取得)として、上記S31で設定された学習期間とテスト期間に関する気象データ3000をデータ管理部1Z02から取得する。その後、S33へ進む。
【0077】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S33(EMSから電力需要/再生可能エネルギー発電量データを取得)として、商業施設1Z09のEMS1Z10から、S31でユーザ指定された期間での電力需要と再生可能エネルギー発電量データを取得する。
【0078】
  また、充放電計画最適化装置1Z01は、S34(電力需要/再生可能エネルギー発電量予測モデルを学習)として、上記S32とS33で取得した気象データ3000と電力需要/再生可能エネルギー発電量データを用いて、電力需要/再生可能エネルギー発電量予測モデルの学習を進める。その後、S35へ進む。また、充放電計画最適化装置1Z01は、S35(学習済みのモデルとテスト結果をデータ管理部に保存)として、S34で学習済みとなったモデルとそのテスト結果を、データ管理部1Z02に保存する。
【0079】
[画面出力の例]
  図12は本実施形態における充放電計画最適化装置1Z01の入出力部1Z08での、画面出力例を示す図である。画面1G1は、ユーザ1Z21が目標ピーク電力を決定するために充放電計画最適化に関する情報を入力し、その結果を表示する画面となる。インターフェイス1G101は、ユーザ1Z21が計算期間1G101aとピーク電力計算範囲1G101bに関する情報を入力するものであり、実行ボタン1G101cのクリック動作に応じて当該入力の結果に応じた処理を実行するためのインターフェイスである。ユーザ1Z21が実行ボタン1G101cを押すと、計算期間中の充放電計画最適化に基づく最大ピーク電力集合と電気料金集合が算出される。
 
【0080】
  また、インターフェイス1G102は、上記の計算結果を表示するインターフェイスであり、計算期間中の充放電計画最適化に基づく最小ピーク電力の最大値1G102aと最小ピーク電力の集合1G102bが表示される。なお、最小ピーク電力の集合1G102bには日別の最小ピーク電力が表示される。
【0081】
  目標ピーク電力の一つの決定に際しては、計算期間中の最小ピーク電力の最大値を水平線1G102cで表示する。また、電気料金が最小となるピーク電力1G102dと電気料金の最小値1G102eを、それぞれのインターフェイスで表示する。また、グラフG102fでは、計算期間中の最小ピーク電力の最大値集合と電気料金が表示される。最小ピーク電力の最大値1G102gの範囲は、すべての日における解がある最大ピーク電力の最小値からユーザ1Z21によるピーク電力計算範囲の最大値までとなる。また、計算期間中の電気料金が最小となるピーク電力1G102hも表示される。
【0082】
  図12において、ユーザ1Z21が計算期間の充放電計画に関する設定、検討を行うことで、ピーク電力集合と電気料金集合を分析することが可能である。具体的な例として、蓄電池1Z15のない商業施設1Z09において、過去一年間を目標ピーク電力の計算期間として指定する。そして、計算期間において蓄電池1Z15を導入した場合、電気料金とピーク電力がどのように変化するかを検討する。この結果から、ユーザ1Z21は新しい蓄電池1Z15や太陽光発電設備1Z18への投資に関する有益な情報を得ることができる。
 
【0083】
  また、目標ピーク電力の決定方法は少なくとも二つあり、それぞれがユーザ1Z21に異なる価値を提供する。さらに、ユーザ1Z21はこれらの方法以外にも他の観点から目標ピーク電力を設定できる。例えば、電気料金を最小限に抑えつつも、契約電力を超えるリスクを考慮して、ピーク電力の最小値ではなく、ピーク電力が最小化かつ電気料金が最小となる範囲を狙うことも可能である。これらの選択肢を
図12にて示すことで、ユーザ1Z21は柔軟で重要な形で目標ピーク電力を設定できる。
 
【0084】
  また、
図13において、本実施形態における充放電計画最適化装置1Z01の入出力部1Z08での、画面1G2の出力例を示す。この画面1G2は、立案期間の充放電計画最適化に関する情報の入力インターフェイス1G201と、その立案期間の充放電計画最適化を行った結果を表示するインターフェイス1G202から構成されている。この場合のユーザ1Z21は、上記入力インターフェイス1G201において、立案期間21G201aと目標ピーク電力1G201bを入力し、実行ボタン1G201cを押す。
  また、インターフェイス1G202におけるグラフ1G202aは、上記立案期間21G201aでの、太陽光発電量想定値、電力需要想定値、及び受電量ロードカーブを表示したものとなる。なお、テーブル1G202bは、表形式で立案期間の系統受電量想定値と充放電計画値を表示したものである。
 
【0085】
  ユーザ1Z21は、
図13で示す画面1G2において、立案期間の充放電計画最適化結果を受電量想定値のロードカーブで容易に確認できる。また、当該ユーザ1Z21は、立案期間の目標ピーク電力を調整して結果を確認できるため、
図12に示した二つの目標ピーク電力の決定方法以外にも、他の観点からの設定結果を確認できる。これにより、ユーザ1Z21には多岐にわたる選択肢が提供され、より多様な意思決定が可能となる。
 
【0086】
  以上、本発明の一実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこの実施形態に限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。
【0087】
  また、上記の説明を、以下のように総括することができる。以下の総括は、上記の説明の補足説明や変形例の説明を含んでよい。
【0088】
  本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記充放電計画最適化部において、前記所定の期間における前記施設に関する消費電力の実績値又は電力需要予測値に基づき、所定の充放電計画を採用した場合の単位期間ごとのピーク電力を算出する、としてもよい。
【0089】
  これによれば、充放電計画最適化装置において単位期間(例:1日)ごとのピーク電力算出を行うことで、全体の処理効率を改善することが可能となり、ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、さらに的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0090】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記所定の期間における前記施設に関する電力需要予測を行う電力需要予測部と、再生可能エネルギー由来の発電量を予測する再生可能エネルギー発電量予測部と、をさらに備えるとしてもよい。
【0091】
  これによれば、電力の需給バランスを効率的に推定し、充放電計画最適化を効率よく進めることができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0092】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合から一つの値を選択して目標ピーク電力とする、としてもよい。
【0093】
  これによれば、目標ピーク電力の決定を効率的かつ精度良好に行うことができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、より的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0094】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記再生可能エネルギー発電量予測部において、所定期間の気象データを利用して消費電力の予測値を算出する、としてもよい。
【0095】
  これによれば、消費電力の予測を高精度に行うことが可能となる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、さらに的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0096】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合からの前記選択は、前記施設における契約電力の削減効果と蓄電池の充放電ロスに基づき、前記電気料金が最小化される値を選択する、としてもよい。
【0097】
  これによれば、充放電ロスと契約電力の正負の影響を踏まえた充放電計画最適化を図ることができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0098】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記充放電計画最適化部において、前記充放電ロスを定式化し、これを前記制約条件として設定する、としてもよい。
【0099】
  これによれば、充放電ロスを踏まえた充放電計画最適化の処理を精度よくかつ優れた計算効率にて実行可能となる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0100】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記生成した充放電計画が適用された場合の、前記施設における電気料金と受電量ロードカーブを示すグラフを表示する入出力部をさらに備えるとしてもよい。
【0101】
  これによれば、充放電計画の生成に伴う各種情報を視覚的に提示し、ユーザの確認、検討の一助とすることができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0102】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記目標ピーク電力決定部において、前記ピーク電力の集合からの前記選択に際し、前記契約電力が最小となるピーク電力を選択する、としてもよい。
【0103】
  これによれば、充放電計画生成にあたり、ピーク電力の選定を的確かつ効率的なものとできる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0104】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記充放電計画最適化部において、ユーザが設定した目標ピーク電力の安全マージンに基づき、前記目標ピーク電力と前記安全マージンとの和に基づく制約条件を設定し、前記充放電計画を生成する、としてもよい。
【0105】
  これによれば、各時間帯の電力需要を満たせないといった事態を的確に回避した形での充放電計画最適化を図ることができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0106】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記充放電計画最適化部において、前記目的関数及び前記制約条件を線形計画法で定式化し、最適化ソルバーにより最適化問題を解くことで、前記充放電計画を生成するとしてもよい。
【0107】
  これによれば、精度良好な充放電計画を、最適化問題の解法により効率よく生成可能とできる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【0108】
  また、本実施形態の充放電計画最適化装置において、前記充放電計画最適化部において、前記蓄電池の容量に関する情報にも基づいて充放電計画を立案する、としてもよい。
【0109】
  これによれば、蓄電池それぞれの特性と現状を踏まえた、充放電計画の最適化を図ることができる。ひいては、放電ロス及び電気料金体系の規定を踏まえた、的確な電力コストの低減が支援可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1Z00  気象データサーバ
1Z01  充放電計画最適化装置
1Z02  データ管理部
1Z03  充放電計画最適化部
1Z04  目標ピーク電力決定部
1Z05  再生可能エネルギー発電量予測部
1Z06  電力需要予測部
1Z07  データ取得部
1Z08  入出力部
1Z09  商業施設
1Z10  EMS
1Z11  データ収集部
1Z12  設備制御部
1Z13  データ管理部
1Z14  データ出力部
1Z15  蓄電池
1Z16  分電盤
1Z17  負荷設備
1Z18  太陽光発電設備
1Z19  ネットワーク
1Z20  操作パネル
1Z21  ユーザ
1Z22  商用電力系統
2Z00  情報処理装置
2Z01  プロセッサ
2Z02  表示部
2Z03  メモリ
2Z04  補助記憶装置
2Z05  入力装置
2Z06  出力部
2Z07  通信部
3000  気象データ
4000  電気料金テーブル
5000  ピーク電力と電気料金の対応テーブル
6000  電力需要及び発電量のテーブル
7000  充放電計画テーブル
8000  蓄電池残量テーブル