(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025163907
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 10/0585 20100101AFI20251023BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20251023BHJP
【FI】
H01M10/0585
H01M50/474
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067541
(22)【出願日】2024-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕介
(72)【発明者】
【氏名】三村 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】蛭川 智史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 元
(72)【発明者】
【氏名】増岡 志寿香
(72)【発明者】
【氏名】粟野 宏基
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
(72)【発明者】
【氏名】和泉 潤
【テーマコード(参考)】
5H021
5H029
【Fターム(参考)】
5H021BB11
5H021EE02
5H029BJ12
(57)【要約】
【課題】積層電極体を収容する収容体と積層電極体との絶縁性を確保しつつも、注液孔から注液された電解液の積層電極体への含浸性を高めた蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】蓄電モジュールの積層電極体は、複数の電極が第1方向に積層され、かつ第1方向に垂直な第2方向に延びている。積層電極体は、第2方向に延び、かつ収容体に対向する周面を有する。蓄電モジュールは、周面と収容体との間に設けられ、かつ周面を覆う絶縁シート部を備える。絶縁シート部は、各々が第2方向に延び、かつ各々が周面の一部を覆う第1および第2絶縁シートを有する。第1および第2絶縁シートは、積層電極体の周方向において一部が重なっている。第1絶縁シートと第2絶縁シートとが重なった重畳領域は第2方向を長手方向とする。第1および第2絶縁シートは、重畳領域のうち、第2方向に互いに離間した複数の箇所で互いに溶着されている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電モジュールであって、
電解液が含浸した積層電極体と、
前記積層電極体を収容する収容体と、を備え、
前記積層電極体は、
複数の電極が第1の方向に積層され、かつ、前記第1の方向に垂直な第2の方向に延びており、
前記第2の方向に延び、かつ、前記収容体に対向する周面を有し、
前記蓄電モジュールは、前記周面と前記収容体との間に設けられ、かつ、前記周面を覆う絶縁シート部をさらに備え、
前記絶縁シート部は、各々が前記第2の方向に延び、かつ、各々が前記周面の一部を覆う、第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとを有し、
前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとは、前記積層電極体の周方向において一部が重なっており、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとが重なった重畳領域は前記第2の方向を長手方向とし、
前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとは、前記重畳領域のうち、前記第2の方向に互いに離間した複数の箇所で互いに溶着されている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記周方向において離間した位置に、2つの前記重畳領域が存在し、
各前記重畳領域において、前記第1の絶縁シートと前記第2の絶縁シートとは、前記第2の方向に互いに離間した複数の箇所で互いに溶着されている、請求項1に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記収容体は、前記第2の方向側の端面を有し、
前記端面には、前記電解液を前記蓄電モジュール内に注入する注液孔が形成されており、
前記周面は、前記第1の方向側の第1および第2の主面と、前記第1および第2の方向に垂直な第3の方向側の第1および第2の側面とを有し、
前記第1および第2の側面は、各々が前記第1および第2の主面に連続し、
前記2つの重畳領域のうちの一方が、前記第1の方向において前記第1の側面の少なくとも一部を覆い、前記2つの重畳領域のうちの他方が、前記第1の方向において前記第2の側面の少なくとも一部を覆う、請求項2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記収容体と前記電極とにおける前記第1の方向と前記第2の方向とに垂直な第3の方向の長さは、前記収容体と前記電極とにおける前記第1の方向の長さよりも長く、
前記収容体と前記電極とにおける前記第2の方向の長さは、前記収容体と前記電極とにおける前記第3の方向の長さよりも長く、
前記収容体は、前記第2の方向側の端面を有し、
前記端面には、外部接続用の端子が形成されており、
前記端子は、前記積層電極体と電気的に接続されている、請求項1または2に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、積層電極体を備えた蓄電モジュールが知られている。特開2022-79186号公報(特許文献1)には、このような蓄電モジュールとして、角形二次電池が開示されている。当該角形二次電池は、開口および開口を規定する側壁を含む外装体と、開口を封口する封口板と、外装体に収納された電極体(積層電極体)と、封口板と電極体との間に設けられた電流遮断機構と、外装体と電極体との間に配置され、電極体における電流遮断機構と対向する面上に折り込まれた部分を有する絶縁シートとを備える。
【0003】
詳しくは、上記角形二次電池では、電極体が1枚の箱状ないし袋状に成形された絶縁シートで包まれた状態で、電池ケースを構成する外装体に収容されている。封口板には、電解液を電池ケース内に注液するための電解液注液孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような蓄電モジュールでは、絶縁シートが積層電極体を収容する収容体(電池ケース)と積層電極体との間に設置されているため、注液孔から注液された電解液が積層電極体に含浸しにくくなる虞がある。
【0006】
本開示は、積層電極体を収容する収容体と積層電極体との絶縁性を確保しつつも、注液孔から注液された電解液の積層電極体への含浸性を高めた蓄電モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、蓄電モジュールは、電解液が含浸した積層電極体と、積層電極体を収容する収容体と、を備える。積層電極体は、複数の電極が第1の方向に積層され、かつ、第1の方向に垂直な第2の方向に延びている。積層電極体は、第2の方向に延び、かつ、収容体に対向する周面を有する。蓄電モジュールは、周面と収容体との間に設けられ、かつ、周面を覆う絶縁シート部をさらに備える。絶縁シート部は、各々が第2の方向に延び、かつ、各々が周面の一部を覆う、第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとを有する。第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとは、積層電極体の周方向において一部が重なっている。第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとが重なった重畳領域は第2の方向を長手方向としている。第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとは、重畳領域のうち、第2の方向に互いに離間した複数の箇所で互いに溶着されている。
【0008】
上記の構成によれば、第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとの重畳領域のうち溶着がなされていない箇所における第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとの隙間を介して、注液された電解液を積層電極体に供給することができる。したがって、蓄電モジュールによれば、収容体と積層電極体との絶縁性を確保しつつも、蓄電モジュールの外部から蓄電モジュールの内部に注液された電解液の積層電極体への含浸性を高めることができる。
【0009】
好ましくは、周方向において離間した位置に、2つの重畳領域が存在する。各重畳領域において、第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとは、第2の方向に互いに離間した複数の箇所で互いに溶着されている。
【0010】
上記の構成によれば、2つの重畳領域の一方が第2の方向にわたって全て溶着されているような構成に比べて、電解液の積層電極体への含浸性を高めることができる。
【0011】
好ましくは、収容体は、第2の方向側の端面を有する。端面には、電解液を蓄電モジュール内に注入する注液孔が形成されている。周面は、第1の方向側の第1および第2の主面と、第1および第2の方向に垂直な第3の方向側の第1および第2の側面とを有する。第1および第2の側面は、各々が第1および第2の主面に連続している。2つの重畳領域のうちの一方が、第1の方向において第1の側面の少なくとも一部を覆い、2つの重畳領域のうちの他方が、第1の方向において第2の側面の少なくとも一部を覆う。
【0012】
上記の構成によれば、積層電極体において複数の電極が第1の方向に積層されているため、注液孔を介して電解液を第2の方向に重力で流し込む際、電解液は、第1および第2主面側よりも、第1および第2側面側の方が流れやすい。特に、重畳領域により、段差が生じているため、電解液は、第1および第2側面側に流れやすい。さらに、2つの重畳領域では、第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとが溶着されていない箇所が存在する。が位置している。したがって、蓄電モジュールによれば、積層電極体への電解液の含浸性を高めることができる。
【0013】
好ましくは、収容体と電極とにおける第1の方向と第2の方向とに垂直な第3の方向の長さは、収容体と電極とにおける第1の方向の長さよりも長い。収容体と電極とにおける第2の方向の長さは、収容体と電極とにおける第3の方向の長さよりも長い。収容体は、第2の方向側の端面を有する。端面には、外部接続用の端子が形成されている。端子は、積層電極体と電気的に接続されている。
【0014】
上記の構成によれば、蓄電モジュールは、第1、第2および第3の方向の各々の長さのうち、第2の方向の長さが最も長い。一般的に、このような形状の蓄電モジュールでは、長手方向である第2の方向の注液性が劣る傾向にある。しかしながら、上記の構成の蓄電モジュールによれば、上述したように第1の絶縁シートと第2の絶縁シートとの隙間を介して電解液を積層電極体に供給することができるため、第2の方向の注液性を担保することができる。よって、当該蓄電モジュールによれば、注液された電解液の積層電極体への含浸性を高めることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、積層電極体を収容する収容体と積層電極体との絶縁性を確保しつつも、注液孔から注液された電解液の積層電極体への含浸性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】
図1の蓄電モジュールに含まれる積層電極体を示した図である。
【
図4】
図3から積層電極体と絶縁シート部とを抽出した図である。
【
図5】
図4の絶縁シート部を矢印Vの向きに視た図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0018】
図1は、本実施の形態に係る蓄電モジュールの斜視図である。
図2は、
図1の蓄電モジュールに含まれる積層電極体を示した図である。
図1および
図2に示されるように、蓄電モジュール1は、ブレード状をしている。蓄電モジュール1は、積層電極体100と、積層電極体100を収容する収容体2とを備える。なお、以下では、説明の便宜上、後述する電解液の注入時を除き、
図1,2等に示すD3方向が鉛直方向(より詳しくは、後述するD31の向きが鉛直上向き)となるような姿勢を蓄電モジュール1がとっている場合を例に挙げて、蓄電モジュール1を説明する。
【0019】
蓄電モジュール1は、本例では、リン酸鉄リチウムイオン(LFP)系の電池である。ただし、これに限定されず、蓄電モジュール1は、3元系(NMC)電池であってもよい。蓄電モジュール1は、たとえば、電気エネルギによって得られた駆動力で走行する電気車両に搭載される。詳しくは、所定方向に並べて配置された複数の蓄電モジュール1を含む電池パックが電気車両に搭載される。電池パックが電気車両の車体に取り付けられる。電池パックが、車体の一部を構成する。電池パックに車体の構造体としての役割を持たせる。
【0020】
図1に示されるように、収容体2は、略直方体形状である。収容体2は、本例では、金属製の筐体である。収容体2は、第1から第6面21~26を有する。第1面21と、第2面22と、第3面23と、第4面24とは、この順に連続している。第1面21と、第2面22と、第3面23と、第4面24とにより、収容体2の外周面を構成する。
【0021】
第5面25と、第6面26とは、収容体2の端面である。第1面21が天面、第2面22が底面、第3面23および第4面24が側面となっている。第5面25には、負極側の外部接続用端子27が設けられている。第6面26には、正極側の外部接続用端子(図示せず)が設けられている。
【0022】
D1方向は、蓄電モジュール1の幅方向である。
図2に示されるように、積層電極体100は、複数の電極がD1方向(積層方向)に積層されている。詳しくは、積層電極体100では、負極110と正極120とがセパレータ130を介してD1方向に積層されている。積層電極体100は、負極側の外部接続用端子27に接続されるタブ150と、正極側の外部接続用端子に接続されるタブ160とをさらに備える。このように、積層電極体100は、負極側の外部接続用端子27と、正極側の外部接続用端子とに電気的に接続されている。タブ150は、銅箔を集箔したものである。タブ160は、アルミ箔を集箔したものである。
【0023】
図1に示されるように、蓄電モジュール1と収容体2とは、D2方向に延びている。
図2に示されるように、積層電極体100は、D2方向に延びている。D2方向は、D1方向に垂直である。D2方向は、蓄電モジュール1と収容体2と積層電極体100との長手方向である。D3方向は、D1方向とD2方向とに垂直である。D3方向は、蓄電モジュール1の高さ方向である。
【0024】
D1方向は、第1面21と第2面22と第5面25と第6面26との各々における短手方向である。D2方向は、第1から第4面21~24における長手方向である。D3方向は、第3および第4面23,24における短手方向であり、かつ、第5および第6面25,26における長手方向である。
【0025】
第5面25には、電解液を収容体2の内部に注入するための注液孔2hが形成されている。注液孔2hは、収容体2の第2面22よりも第1面21側に形成されている。注液孔2hは、外部接続用端子27よりも第1面21側に形成されている。なお、
図1の状態においては、収容体2の内部に電解液が既に注入されているため、注液孔2hは塞がれた状態となっている。取り外し可能な栓を注液孔2hに挿入することにより、注液孔2hを一時的に塞いでもよい。あるいは、樹脂または金属で注液孔2hを塞ぐことにより、貫通孔を開けない限り電解液を再注入できないようにしてもよい。
【0026】
蓄電モジュール1の製造時等において電解液を注液孔2hから注入する際には、D2方向が略鉛直方向になり、かつ、第5面25が第6面26よりも上方となるように、蓄電モジュール1の姿勢を保つ。電解液の自重により電解液が第5面25側から第6面26側へと流れる。なお、電解液はある程度の粘性があるため、比較的遅い速度で収容体2内を落下する。これにより、積層電極体100に電解液を含浸させることができる。
【0027】
本例では、注液孔2hは外部接続用端子27よりも第1面21側に形成されているが、これに限定されない。注液孔2hは、外部接続用端子27よりも第2面22側に形成されていてもよい。注液孔2hは、外部接続用端子27よりも第3面23側に形成されていてもよい。注液孔2hは、外部接続用端子27よりも第4面24側に形成されていてもよい。
【0028】
さらに本例では、注液孔2hが第5面25に形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、第6面26に注液孔2hが形成されていてもよい。注液孔2hは、第1面21または第2面22に形成されていてもよい。注液孔2hを第1面21または第2面22に形成する場合、注液性の観点から、注液孔2hは、収容体2の長手方向において、中央部よりも端部側(第5面25側または第6面26側)に形成されていることが好ましい。注液孔2hは、第3面23または第4面24に形成されていてもよい。注液孔2hの形成位置は特に限定されない。
【0029】
上述したように、蓄電モジュール1は、ブレード状をしている。よって、収容体2もブレード状をしている。収容体2に収容される積層電極体100もブレード状をしている。よって、収容体2と負極110と正極120とにおけるD3方向の長さは、収容体2と負極110および正極120とにおけるD1方向の長さよりも長い。さらに、収容体2と負極110および正極120におけるD2方向の長さは、収容体と負極110および正極120とにおけるD3方向の長さよりも長い。
【0030】
収容体2のD3方向の長さは、一例として、収容体2のD1方向の長さの6倍から7倍である。収容体2のD2方向の長さは、一例として、収容体2のD3方向の長さの10倍から11倍である。ただし、収容体2のD1方向の長さと、収容体2のD2方向の長さと、収容体2のD3方向の長さとの比率は、これに限定されない。
【0031】
図3は、
図1のIII-III線矢視断面図である。
図3に示されるように、蓄電モジュール1は、収容体2と積層電極体100とに加えて、板状部材201,202と、テープ材301,302と、絶縁シート部500とをさらに備える。絶縁シート部500は、第1絶縁シート501と、第2絶縁シート502とを含む。
【0032】
板状部材201,202と、テープ材301,302と、絶縁シート部500とは、積層電極体100と同様、収容体2に収容されている。板状部材201,202と、テープ材301,302と、絶縁シート部500とは、積層電極体100と収容体2との間(隙間)に配置されている。
【0033】
板状部材201,202は、D2方向に延びている。板状部材201,202は、D3方向が板状部材201の厚みの方向となるように、収容体2内に配置されている。本例では、板状部材202は、積層電極体100に対して板状部材201と対称な形状を有する。ただし、これに限定されるものではない。
【0034】
板状部材201,202には、D3方向に延びた複数の貫通孔が形成されている。板状部材201,202では、複数の貫通孔がD2方向に並んで形成されている。なお、蓄電モジュール1は、板状部材201,202を必ずしも備えていなくてもよい。
【0035】
板状部材201,202は、絶縁体である。本例では、板状部材201,202は、樹脂で形成されている。板状部材201,202は、積層電極体100に正極120と負極110との短絡を防止する観点から、本例では、絶縁性を有する材料で形成されている。なお、板状部材201,202と積層電極体100との絶縁距離が十分に確保されている場合には、必ずしも、板状部材201,202を絶縁体とする必要はない。
【0036】
板状部材201,202を構成する素材としては、たとえばポリプロピレンが用いられる。これに限定されず、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテル・ケトン、またはPET(ポリエチレンテレフタラート)などを用いてもよい。
【0037】
板状部材201は、積層電極体100の上に配置される。詳しくは、板状部材201は、積層電極体100の直上に配置される。板状部材201は、収容体2の第1面21側に設置される。板状部材201は、積層電極体100に対し、D3方向のうちのD31の向きに設置される。なお、上述したように、D31の向きは、鉛直上向きである。
【0038】
板状部材202は、積層電極体100の下に配置される。詳しくは、板状部材202は、積層電極体100の直下に配置される。板状部材202は、収容体2の第2面22側に設置される。板状部材202は、積層電極体100に対し、D3方向のうちのD32の向きに設置される。なお、D32の向きは、鉛直下向きである。
【0039】
板状部材201は、テープ材301によって積層電極体100に固定されている。テープ材301は、D2方向に延びている。テープ材301は、板状部材201の第1面211の全部または一部を覆う。テープ材301は、板状部材201の第3および第4面213,214の全部または一部を覆う。テープ材301は、積層電極体100の一部を覆う。
【0040】
板状部材202は、テープ材302によって積層電極体100に固定されている。テープ材302は、D2方向に延びている。テープ材302は、板状部材202の第1面221の全部または一部を覆う。テープ材302は、板状部材202の第3および第4面223,224の全部または一部を覆う。テープ材302は、積層電極体100の一部を覆う。
【0041】
積層電極体100は、周面180を有する。周面180は、D2方向に延びている。
図3では、周面180の横断面が示されている。周面180の横断面の形状は、矩形状である。周面180を構成する各面については、後述する。
【0042】
絶縁シート部500は、積層電極体100の周面180と収容体2との間に設けられ、かつ、周面180を覆う。絶縁シート部500は、積層電極体100と収容体2とを絶縁する。絶縁シート部500は、積層電極体100が収容体2に接触しないように、積層電極体100を覆っている。絶縁シート部500は、積層電極体100の短絡を防止するために、積層電極体100と収容体2(詳しくは、収容体の内面)との間に設けられている。
【0043】
詳しくは、第1絶縁シート501は、板状部材201,202を部分的に覆っている。第1絶縁シート501は、テープ材301を介して板状部材201を覆っている。同様に、第1絶縁シート501は、テープ材302を介して板状部材202を覆っている。
【0044】
詳しくは、第2絶縁シート502は、板状部材201,202を部分的に覆っている。第2絶縁シート502は、テープ材301を介して板状部材201を覆っている。同様に、第2絶縁シート502は、テープ材302を介して板状部材202を覆っている。
【0045】
第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、端部同士が溶着されている。テープ材301,302によって板状部材201,202が積層電極体100に固定された状態で、テープ材301,302と板状部材201,202と積層電極体100とに第1および第2絶縁シート501,502を巻き付ける。その後、第1絶縁シート501の端部と第2絶縁シート502の端部とを溶着することにより、
図3に示した絶縁シート部500を得る。
【0046】
なお、第1および第2絶縁シート501,502を構成する素材としては、たとえばポリプロピレンが用いられる。これに限定されず、ポリエチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテル・エーテル・ケトン、ナイロン、またはPET(ポリエチレンテレフタラート)などを用いてもよい。
【0047】
図4は、
図3から積層電極体100と絶縁シート部500とを抽出した図である。
図4に示されるように、積層電極体100の周面180は、D3方向側の第1および第2側面181,182と、D1方向側の第1および第2主面183,184とを有する。すなわち、周面180は、法線方向がD3方向となる第1および第2側面181,182と、法線方向がD1方向となる第1および第2主面183,184とを有する。
【0048】
第1側面181は、第1および第2主面183,184に連続している。第1側面181は、天面である。同様に、第2側面182も、第1および第2主面183,184に連続している。第2側面182は、底面である。
【0049】
図3および
図4に示されるように、第1側面181は、収容体2の第1面21に平行である。第2側面182は、第2面22に平行である。第1側面181は、第2側面182によりも、収容体2の第1面21に近い面である。第1主面183は、第3面23に平行である。第2主面184は、第4面24に平行である。第1主面183は、第2主面184よりも、第3面23に近い面である。第1および第2側面181,182のD1方向における長さ(幅)は、第1および第2主面183,184のD3方向の長さ(幅)よりも狭い。
【0050】
第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、積層電極体100の周方向において一部が重なっている。第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とが重なった重畳領域T1,T2は、D2方向を長手方向としている。重畳領域T1,T2は、D2方向に延びている。このように、積層電極体100の周方向において離間した位置に、2つの重畳領域T1,T2が存在する。
【0051】
なお、「周方向」とは、周面180の方向である。本例では、「周方向」とは、
図4において、たとえば、第1側面181と、第2主面184と、第2側面182と、第1主面183との順に続く方向(
図4における時計回り方向)である。
【0052】
重畳領域T1では、第1絶縁シート501のD31側の端部と、第2絶縁シート502のD31側の端部とが重ねられた状態で、互いに溶着されている。重畳領域T2では、第1絶縁シート501のD32側の端部と、第2絶縁シート502のD32側の端部とが重ねられた状態で、互いに溶着されている。
【0053】
本例では、重畳領域T1は、第1側面181を覆う。重畳領域T2は、第2側面182を覆う。重畳領域T1は、D1方向において、第1側面181の一部を覆う。重畳領域T2は、D1方向において、第2側面182の一部を覆う。これに限定されず、重畳領域T1は、D1方向において、第1側面181の全部を覆っていてもよい。重畳領域T2は、D1方向において、第2側面182の全部を覆っていてもよい。ただし、電解液の積層電極体への含浸性の観点からは、上記のように、重畳領域T1,T2が、それぞれ、第1および第2側面181,182の一部を覆うことが好ましい。
【0054】
なお、重畳領域T1では、第2絶縁シート502が第1絶縁シート501よりもD31側に位置する。重畳領域T2においても、第2絶縁シート502が第1絶縁シート501よりもD31側に位置する。ただし、重畳の順序は、これに限定されるものではない。
【0055】
図5は、
図4の絶縁シート部500を矢印Vの向きに視た図である。
図5は、
図4の状態において絶縁シート部500を上方から視た図である。
【0056】
図5に示されるように、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、重畳領域T1のうち、D2方向に互いに離間した複数の箇所Wで互いに溶着されている。同様に、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、重畳領域T2(
図5では図示せず)のうち、D2方向に互いに離間した複数の箇所Wで互いに溶着されている。各箇所Wは、熱コテ等で熱溶着されている。各箇所Wは、溶着箇所である。
【0057】
本例では、複数の箇所Wは、D2方向に等間隔で離間している。ただし、これに限定されず、隣り合う箇所W同士の間隔は、一定でなくてもよい。たとえば、D2方向の中央部に近いほど、箇所Wの離間距離を長くしてもよい。
【0058】
<小括>
(1)以上のように、蓄電モジュール1は、電解液が含浸した積層電極体100と、積層電極体100を収容する収容体2と、を備える。積層電極体100は、複数の電極(負極110および正極120)がD1方向に積層され、かつD1方向に垂直なD2方向に延びている。積層電極体100は、D2方向に延び、かつ、収容体2に対向する周面180を有する。
【0059】
蓄電モジュール1は、周面180と収容体2との間に設けられ、かつ、周面180を覆う絶縁シート部500をさらに備える。絶縁シート部500は、各々がD2方向に延び、かつ、各々が周面180の一部を覆う、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とを有する。
【0060】
第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、積層電極体100の周方向において一部が重なっている。第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とが重なった重畳領域T1,T2はD2方向を長手方向とする。第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、重畳領域T1,T2のうち、D2方向に互いに離間した複数の箇所Wで互いに溶着されている。
【0061】
このような構成によれば、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502との重畳領域T1,T2のうち溶着がなされていない箇所における第1絶縁シート501と第2絶縁シートとの隙間を介して、注液された電解液を積層電極体100に供給することができる。したがって、蓄電モジュール1によれば、収容体2と積層電極体100との絶縁性を確保しつつも、蓄電モジュール1の外部から蓄電モジュール1の内部に注液された電解液の積層電極体100への含浸性を高めることができる。
【0062】
(2)周方向において離間した位置に、2つの重畳領域T1,T2が存在する。各重畳領域T1,T2において、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とは、D2方向に互いに離間した複数の箇所Wで互いに溶着されている。
【0063】
このような構成によれば、2つの重畳領域T1,T2の一方がD2方向にわたって全て溶着されているような構成に比べて、電解液の積層電極体100への含浸性を高めることができる。
【0064】
(3)収容体2は、D2方向側の第5面25を有する。第5面25には、電解液を蓄電モジュール1内に注入する注液孔2hが形成されている。周面180は、D1方向側の第1および第2主面183,184と、D3方向側の第1および第2側面181,182とを有する。第1および第2側面181,182は、各々が第1および第2主面183,184に連続している。2つの重畳領域T1,T2のうちの一方(本例では、重畳領域T1)が、第1の方向において第1側面181の少なくとも一部を覆い、2つの重畳領域T1,T2のうちの他方(重畳領域T2)が、第1の方向において第2側面182の少なくとも一部を覆う。
【0065】
このような構成によれば、積層電極体100において複数の電極がD1方向に積層されているため、注液孔2hを介して電解液をD2方向に重力で流し込む際、電解液は、第1および第2主面183,184側よりも、第1および第2側面181,182側の方が流れやすい。特に、重畳領域T1,T2により、段差が生じているため、電解液は、第1および第2側面181,182側に流れやすい。さらに、各重畳領域T1,T2では、第1絶縁シート501と第2絶縁シート502とが溶着されていない箇所が存在する。したがって、蓄電モジュール1によれば、積層電極体100への電解液の含浸性を高めることができる。
【0066】
(4)収容体2と電極(負極110および正極120)とにおけるD3方向の長さは、収容体2と当該電極とにおけるD1方向の長さよりも長い。収容体2と当該電極とにおけるD2の方向の長さは、収容体2と当該電極とにおけるD3方向の長さよりも長い。
図1に示すように、収容体2は、D2方向側の第5面25を有する。第5面25には、外部接続用端子27が形成されている。外部接続用端子27は、積層電極体100と電気的に接続されている。
【0067】
このような構成によれば、蓄電モジュール1は、D1方向、D2方向およびD3方向の各々の長さのうち、D2方向の長さが最も長い。一般的に、このような形状の蓄電モジュールでは、長手方向であるD2方向の注液性が劣る傾向にある。しかしながら、蓄電モジュール1によれば、上述したように第1絶縁シート501と第2絶縁シート502との隙間を介して電解液を積層電極体100に供給することができる。それゆえ、D2方向の注液性を担保することができる。よって、蓄電モジュール1によれば、D1方向、D2方向およびD3方向の各々の長さのうちD2方向の長さが最も長くても、注液された電解液の積層電極体100への含浸性を高めることができる。
【0068】
以上、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本開示の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0069】
1 蓄電モジュール、2 収容体、2h 液孔、21,211,221 第1面、22,212,222 第2面、23,213,223 第3面、24,214,224 第4面、25 第5面、26 第6面、27 外部接続用端子、100 積層電極体、110 負極、120 正極、130 セパレータ、150,160 タブ、180 周面、181 第1側面、182 第2側面、183 第1主面、184 第2主面、201,202 板状部材、301,302 テープ材、500 絶縁シート部、501 第1絶縁シート、502 第2絶縁シート、T1,T2 重畳領域。