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特開2025-163949半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025163949
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/66 20060101AFI20251023BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20251023BHJP
   H10D 30/66 20250101ALI20251023BHJP
【FI】
H01L21/66 A
H01L21/66 J
H01L29/78 658Z
H01L29/78 652Q
H01L29/78 653A
H01L29/78 652T
H01L29/78 652L
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067613
(22)【出願日】2024-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金尾 剛史
(72)【発明者】
【氏名】野中 淳平
(72)【発明者】
【氏名】久田 賢一
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106AA07
4M106AB01
4M106CA38
4M106CA50
4M106CB19
4M106DA15
4M106DB21
4M106DJ20
4M106DJ21
(57)【要約】
【課題】コストの増加を抑制できると共に、半導体装置のトレーサビリティを精度良く行える技術が求められる。
【解決手段】結晶欠陥10の位置をマッピングすることにより、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報を記憶装置に記憶させる。複数のチップ領域(CHPa)において、それぞれ半導体素子1Qよりも上方に位置する配線層中に、金属膜MFを形成する。複数のチップ領域(CHPa)において、それぞれ金属膜MFのうち特定エリア1Aの表面モフォロジー画像1AIを取得する。ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報と、ウェハ識別番号IDと、複数のチップ領域(CHPa)の位置情報と、チップ領域(CHPa)内における特定エリア1Aの位置情報と、複数のチップ領域(CHPa)毎の表面モフォロジー画像1AIとを紐づけて、記憶装置に記憶させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)炭化ケイ素からなるウェハにウェハ識別番号を割り当てる工程、
(b)前記ウェハを行列状に配置された複数のチップ領域に区画し、ウェハマップを生成する工程、
(c)前記ウェハに内在する結晶欠陥を検査する工程、
(d)前記結晶欠陥の位置をマッピングすることにより、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報を記憶装置に記憶させる工程、
(e)前記複数のチップ領域において、それぞれ半導体素子を形成する工程、
(f)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記半導体素子よりも上方に位置する配線層中に、金属膜を形成する工程、
(g)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記金属膜のうち特定エリアの第1表面モフォロジー画像を取得する工程、
(h)前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報と、前記ウェハ識別番号と、前記複数のチップ領域の位置情報と、前記チップ領域内における前記特定エリアの位置情報と、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
を備える、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記金属膜は、アルミニウムを主成分とする膜である、半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(i)前記特定エリアを覆うように、前記金属膜の一部上に、保護膜を形成する工程、
を更に備え、
前記(g)工程では、前記保護膜を介して前記第1表面モフォロジー画像が取得される、半導体装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記特定エリアの平面サイズは、50μm×50μm以上且つ200μm×200μm以下である、半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(d)工程で前記記憶装置に記憶した前記結晶欠陥の位置情報を、前記結晶欠陥の第1位置情報とし、
前記(e)工程は、
(e1)前記ウェハに対して熱処理を行う工程、
(e2)前記(e1)工程後、前記ウェハに内在する結晶欠陥を再検査する工程、
(e3)前記(e2)工程後、前記結晶欠陥の位置を再びマッピングすることにより、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の第2位置情報を前記記憶装置に記憶させる工程、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記(g)工程では、前記第1表面モフォロジー画像の複数の第1特徴量が抽出され、
前記(h)工程では、前記複数の第1特徴量は、前記第1表面モフォロジー画像に関連する情報として、前記記憶装置に記憶される、半導体装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記特定エリア内若しくは前記特定エリアの周囲、または、それらの両方に位置する前記金属膜に、幾何学模様パターンが設けられている、半導体装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数のチップ領域において、それぞれ複数の前記特定エリアが設けられ、
前記(g)工程では、前記複数の前記特定エリア毎に、前記第1表面モフォロジー画像が取得される、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数のチップ領域は、それぞれ、
前記半導体素子が形成されるセル領域と、
平面視において前記セル領域を囲む外周領域と、
を有し、
前記金属膜は、前記セル領域に形成され、前記半導体素子に電気的に接続されている、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数のチップ領域は、それぞれ、
前記半導体素子が形成されるセル領域と、
平面視において前記セル領域を囲む外周領域と、
を有し、
前記金属膜は、前記外周領域に形成され、前記半導体素子から電気的に絶縁されている、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(j)前記(e)工程における前記半導体素子の製造過程と、前記(f)工程における前記金属膜の製造過程とに含まれる処理履歴を、前記記憶装置に記憶させる工程、
(k)前記(e)工程中および前記(f)工程中に、インライン検査を行う工程、
(l)前記処理履歴と、前記インライン検査の検査データと、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体装置の製造方法において、
前記インライン検査は、異物検査、欠陥検査、寸法検査、重ね合わせ検査および外観検査のうち、何れか1つ以上を含む、半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(m)前記複数のチップ領域毎の前記半導体素子に対して電気的特性試験を行う工程、
(n)前記電気的特性試験の試験データと、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の半導体装置の製造方法において、
(o)前記ウェハの前記複数のチップ領域を個片化することで、複数の半導体チップを取得する工程、
(p)前記複数の半導体チップを封止樹脂でそれぞれ封止することで、複数の第1半導体装置を形成する工程、
(q)前記複数の第1半導体装置のそれぞれの信頼性を選別する選別試験を行う工程、
(r)前記選別試験の試験データと、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
を更に備える、半導体装置の製造方法。
【請求項15】
(a)炭化ケイ素からなるウェハにウェハ識別番号を割り当てる工程、
(b)前記ウェハを行列状に配置された複数のチップ領域に区画し、ウェハマップを生成する工程、
(c)前記ウェハに内在する結晶欠陥を検査する工程、
(d)前記結晶欠陥の位置をマッピングすることにより、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報を記憶装置に記憶させる工程、
(e)前記複数のチップ領域において、それぞれ半導体素子を形成する工程、
(f)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記半導体素子よりも上方に位置する配線層中に、金属膜を形成する工程、
(g)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記金属膜のうち特定エリアの第1表面モフォロジー画像を取得する工程、
(h)前記ウェハ識別番号と、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報と、前記複数のチップ領域の位置情報と、前記チップ領域内における前記特定エリアの位置情報と、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
(i)前記ウェハの前記複数のチップ領域を個片化することで、複数の半導体チップを取得する工程、
(j)前記複数の半導体チップを封止樹脂でそれぞれ封止することで、複数の第1半導体装置を形成する工程、
(k)不良判定された第2半導体装置を取得する工程、
(l)前記第2半導体装置の前記封止樹脂を開封し、前記第2半導体装置に設けられた前記金属膜のうち前記特定エリアに相当する箇所の第2表面モフォロジー画像を取得する工程、
(m)前記第2表面モフォロジー画像を、前記記憶装置に格納された前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像に照合することで、前記第2半導体装置が製造された前記ウェハの前記ウェハ識別番号と、前記第2半導体装置が製造された前記チップ領域の位置とを特定する工程、
を備え、
前記(m)工程で特定された前記チップ領域の位置と、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報とを照合し、前記(m)工程で特定された前記チップ領域に前記結晶欠陥が存在する場合、前記第2半導体装置の不良が、前記結晶欠陥に起因していると推定できる、半導体装置の製品履歴管理方法。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置の製品履歴管理方法において、
(n)前記(e)工程における前記半導体素子の製造過程と、前記(f)工程における前記金属膜の製造過程とに含まれる処理履歴を、前記記憶装置に記憶させる工程、
(o)前記(e)工程中および前記(f)工程中に、インライン検査を行う工程、
(p)前記半導体素子に対して電気的特性試験を行う工程、
(q)前記(j)工程後、前記複数の第1半導体装置のそれぞれの信頼性を選別する選別試験を行う工程、
(r)前記処理履歴と、前記インライン検査の検査データと、前記電気的特性試験の試験データと、前記選別試験の試験データと、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、
を更に備え、
前記(m)工程で前記第2半導体装置が製造された前記チップ領域の位置を特定することで、前記第2半導体装置に対応する前記処理履歴を特定でき、前記第2半導体装置に対応する前記インライン検査の前記検査データ、前記電気的特性試験の前記試験データおよび前記選別試験の前記試験データのうち何れか1つ以上を特定できる、半導体装置の製品履歴管理方法。
【請求項17】
請求項16に記載の半導体装置の製品履歴管理方法において、
(s)前記第2半導体装置に対して故障解析を行う工程、
を更に備え、
前記故障解析の解析データと、前記第2半導体装置に対応する前記インライン検査の前記検査データ、前記電気的特性試験の前記試験データおよび前記選別試験の前記試験データのうち何れか1つ以上との関係から、前記第2半導体装置の不良原因を特定できる、半導体装置の製品履歴管理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の半導体装置の製品履歴管理方法において、
前記故障解析は、発光解析、OBIRCH解析、DLS解析、IDDQ解析、発熱解析、ナノプローバ解析およびEBAC解析のうち何れか1つ以上を含む、半導体装置の製品履歴管理方法。
【請求項19】
請求項17に記載の半導体装置の製品履歴管理方法において、
特定された前記第2半導体装置の不良原因は、前記(e)工程および前記(f)工程にフィードバックされる、半導体装置の製品履歴管理方法。
【請求項20】
請求項15に記載の半導体装置の製品履歴管理方法において、
前記第2表面モフォロジー画像が、前記記憶装置に格納された前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像の何れにも一致しない場合、前記第2半導体装置が、偽造製品であると特定できる、半導体装置の製品履歴管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造後に不良が発見された場合、早期に不良原因を特定し、半導体装置の製造工程へのフィードバックを行うことが求められている。そのために、不良と判定された半導体装置のトレーサビリティが有効である。すなわち、不良と判定された半導体装置が、どのロット番号およびどのウェハ識別番号に属するウェハで製造され、ウェハ内のどの位置で製造されていたかを明らかにすることが有効である。
【0003】
例えば特許文献1では、半導体チップの4隅において、ウェハ側面のダイシング痕の画像と、プローブ検査時に形成されたパッド電極の表面の接触痕の画像とを記憶装置に記憶している。不良判定された半導体チップについても同様の画像を取得し、それらの画像を、記憶装置に記憶された画像に照合することで、不良判定された半導体チップが製造されたウェハ識別番号およびウェハ内の位置を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007-165389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、半導体の前工程段階では、ウェハに識別記号が付されている。しかし、ウェハから個片化された半導体チップには、識別記号が付されていない。全ての半導体チップに識別記号を付すことで、トレーサビリティが可能になるが、そのような手法は、コストの増加につながる。
【0006】
ウェハから個片化された半導体チップは、半導体の後工程処理を経てパッケージ化され、半導体装置が製造される。その過程で、パッド電極の表面上には、ボンディングワイヤまたはバンプ電極などの外部接続用部材が形成される。また、半導体チップは、封止樹脂に覆われる。不良判定された半導体装置のトレーサビリティを行うためには、封止樹脂を開封し、外部接続用部材を除去した後でも、半導体チップの特定に繋がる情報を精度良く取得する必要がある。
【0007】
すなわち、コストの増加を抑制できると共に、半導体装置のトレーサビリティを精度良く行える技術が求められる。また、早期に半導体装置の不良原因を特定でき、早期に半導体装置の製造方法へのフィードバックを行える技術が求められる。それらの技術によって、フィードバック後において、信頼性の高い半導体装置を供給でき、歩留まりを改善でき、市場への不良品の流出を抑制できる。
【0008】
その他の課題および新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される実施の形態のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0010】
一実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、(a)炭化ケイ素からなるウェハにウェハ識別番号を割り当てる工程、(b)前記ウェハを行列状に配置された複数のチップ領域に区画し、ウェハマップを生成する工程、(c)前記ウェハに内在する結晶欠陥を検査する工程、(d)前記結晶欠陥の位置をマッピングすることにより、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報を記憶装置に記憶させる工程、(e)前記複数のチップ領域において、それぞれ半導体素子を形成する工程、(f)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記半導体素子よりも上方に位置する配線層中に、金属膜を形成する工程、(g)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記金属膜のうち特定エリアの第1表面モフォロジー画像を取得する工程、(h)前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報と、前記ウェハ識別番号と、前記複数のチップ領域の位置情報と、前記チップ領域内における前記特定エリアの位置情報と、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、を備える。
【0011】
一実施の形態に係る半導体装置の製品履歴管理方法は、(a)炭化ケイ素からなるウェハにウェハ識別番号を割り当てる工程、(b)前記ウェハを行列状に配置された複数のチップ領域に区画し、ウェハマップを生成する工程、(c)前記ウェハに内在する結晶欠陥を検査する工程、(d)前記結晶欠陥の位置をマッピングすることにより、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報を記憶装置に記憶させる工程、(e)前記複数のチップ領域において、それぞれ半導体素子を形成する工程、(f)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記半導体素子よりも上方に位置する配線層中に、金属膜を形成する工程、(g)前記複数のチップ領域において、それぞれ前記金属膜のうち特定エリアの第1表面モフォロジー画像を取得する工程、(h)前記ウェハ識別番号と、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報と、前記複数のチップ領域の位置情報と、前記チップ領域内における前記特定エリアの位置情報と、前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像とを紐づけて、前記記憶装置に記憶させる工程、(i)前記ウェハの前記複数のチップ領域を個片化することで、複数の半導体チップを取得する工程、(j)前記複数の半導体チップを封止樹脂でそれぞれ封止することで、複数の第1半導体装置を形成する工程、(k)不良判定された第2半導体装置を取得する工程、(l)前記第2半導体装置の前記封止樹脂を開封し、前記第2半導体装置に設けられた前記金属膜のうち前記特定エリアに相当する箇所の第2表面モフォロジー画像を取得する工程、(m)前記第2表面モフォロジー画像を、前記記憶装置に格納された前記複数のチップ領域毎の前記第1表面モフォロジー画像に照合することで、前記第2半導体装置が製造された前記ウェハの前記ウェハ識別番号と、前記第2半導体装置が製造された前記チップ領域の位置とを特定する工程、を備える。前記(m)工程で特定された前記チップ領域の位置と、前記ウェハマップ上における前記結晶欠陥の位置情報とを照合し、前記(m)工程で特定された前記チップ領域に前記結晶欠陥が存在する場合、前記第2半導体装置の不良が、前記結晶欠陥に起因していると推定できる。
【発明の効果】
【0012】
一実施の形態によれば、コストの増加を抑制できると共に、半導体装置のトレーサビリティを精度良く行える。また、早期に半導体装置の不良原因を特定でき、早期に半導体装置の製造方法へのフィードバックを行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1における半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法を示すフローチャートである。
図2】実施の形態1におけるウェハマップを示す平面図である。
図3】実施の形態1におけるチップ領域を示す平面図である。
図4】実施の形態1における記憶装置へのデータの格納を示す模式図である。
図5】実施の形態1における半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図6図5に続く製造工程を示す断面図である。
図7図6に続く製造工程を示す断面図である。
図8図7に続く製造工程を示す断面図である。
図9図8に続く製造工程を示す断面図である。
図10図9に続く製造工程を示す断面図である。
図11図10に続く製造工程を示す断面図である。
図12図11に続く製造工程と、その後の半導体装置の製品履歴管理工程とを示す模式図である。
図13図12に続く製品履歴管理工程を示す平面図である。
図14】実施の形態2における結晶欠陥の位置情報を示す平面図である。
図15】実施の形態3における表面モフォロジー画像の照合方法を示す模式図である。
図16】実施の形態4における金属膜の形状パターンを示す平面図である。
図17】実施の形態5におけるチップ領域を示す平面図である。
図18】実施の形態6における半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法を示すフローチャートである。
図19】実施の形態6における記憶装置へのデータの格納を示す模式図である。
図20】実施の形態6における半導体装置の製品履歴管理方法を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
【0015】
また、本願において説明されるX方向、Y方向およびZ方向は、互いに交差し、互いに直交している。本願では、Z方向をある構造体の上下方向、高さ方向または厚さ方向として説明する。また、本願で用いられる「平面図」または「平面視」などの表現は、X方向およびY方向によって構成される面を「平面」とし、この「平面」をZ方向から見ることを意味する。
【0016】
(実施の形態1)
<半導体装置の製造方法および半導体装置の製品履歴管理方法>
以下に図1を用いて、実施の形態1における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。半導体装置100の製品履歴管理方法は、図1に示されるステップS1からステップS13を備える。半導体装置100の製造方法は、半導体装置100の製品履歴管理方法の一部であり、ステップS1からステップS8を備える。
【0017】
また、ステップS1からステップS13の説明において、必要に応じて図2から図13を用いる。
【0018】
ステップS1では、まず、ウェハWFを用意し、図4に示されるように、ウェハWFの一部にウェハ識別番号IDを割り当てる。次に、図2に示されるように、ウェハWFを行列状に配置された複数のチップ領域CHPaに区画し、ウェハマップWFMを生成する。複数のチップ領域CHPaは、それぞれダイシングラインDLによって区画される。複数のチップ領域CHPaがダイシングラインDLに沿って個片化されることで、複数の半導体チップCHPが取得される。
【0019】
図3は、チップ領域CHPa(半導体チップCHP)の詳細を示す平面図である。チップ領域CHPaは、半導体素子1Qが形成されるセル領域CRと、平面視においてセル領域CRを囲む外周領域ORとを有する。半導体素子1Qは、例えばパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)またはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)のようなパワーデバイスである。実施の形態1では、半導体素子1Qは、トレンチゲート構造のn型パワーMOSFETである場合を例示する。
【0020】
ソース配線SWは、セル領域CRの大部分に形成されている。ゲート配線GWは、平面視においてソース配線SWを囲むように外周領域ORに形成されている。フィールドリミッティング配線FLWは、平面視においてゲート配線GWを囲むように外周領域ORに形成されている。ソース配線SWおよびゲート配線GWは、同じ金属膜MFによって形成され、半導体素子1Qに電気的に接続されている。
【0021】
また、外周領域ORにおいて、フィールドリミッティング配線FLWとダイシングラインDL(半導体チップCHPの側面)との間には、ダミーパターンDPが形成されている。ダミーパターンDPは、金属膜MFによって形成され、半導体素子1Qから電気的に絶縁されている。
【0022】
ここでは図示していないが、ソース配線SW、ゲート配線GW、フィールドリミッティング配線FLWおよびダミーパターンDPは、ポリイミド膜のような保護膜PIQによって覆われている。保護膜PIQの一部には、開口部が設けられている。ソース配線SWおよびゲート配線GWのうち上記開口部で露出している箇所が、ソースパッドSPおよびゲートパッドGPになる。図3に示される破線に囲まれた箇所が、ソースパッドSPおよびゲートパッドGPである。ソースパッドSP上およびゲートパッドGP上に、ボンディングワイヤ、バンプ電極またはクリップ(銅板)などの外部接続用部材が接続されることで、半導体チップCHPが、他の半導体チップまたは配線基板などに電気的に接続できる。
【0023】
なお、ウェハWFは、炭化珪素(SiC)からなり、n型の導電性を有する。図5に示されるように、ウェハWFは、炭化珪素からなる支持基板SSと、炭化珪素からなる半導体層NEPとを有する。半導体層NEPは、エピタキシャル成長法によって支持基板SS上に形成されている。支持基板SSおよび半導体層NEPは、n型の導電性を有する。半導体層NEPは、支持基板SSの不純物濃度よりも低い不純物濃度を有し、ドリフト層として機能する。
【0024】
炭化珪素からなる支持基板SSには、様々な結晶欠陥が内在していることが知られている。また、エピタキシャル成長中に、結晶性障害が伝播するので、半導体層NEPにも、様々な結晶欠陥が内在している可能性が高い。それ故、炭化珪素からなるウェハWFは、シリコンからなるウェハと比較して、結晶欠陥に起因する不良の発生頻度が高い傾向にある。
【0025】
ステップS2では、図4に示されるように、まず、ウェハWFに内在する結晶欠陥10を検査する。次に、結晶欠陥10の位置をマッピングすることにより、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報を記憶装置MDに記憶させる。
【0026】
結晶欠陥10の種類としては、例えば、基底面欠陥、積層欠陥、螺旋欠陥およびマイクロパイプが挙げられる。以降の工程で半導体素子1Qなどを形成していくが、後に半導体装置100が不良と判定される場合がある。この時点では、どの種類の結晶欠陥10が不良に直結するか否かの判定は難しい。半導体素子1Qの種類、半導体素子1Qを製造するための各製造工程における製造条件、または、半導体装置100の使用状況によって、何れかの結晶欠陥10が不良原因になる可能性がある。従って、どの種類の結晶欠陥10が不良原因になったのかを特定または推定するために、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報を取得しておく。
【0027】
ステップS3では、複数のチップ領域CHPaにおいて、それぞれ半導体素子1Qを形成する。以下に図5から図9を用いて、半導体素子1Qを形成するための各製造工程について説明する。
【0028】
図5に示されるように、ウェハWFを用意する。上述のように、ウェハWFは、支持基板SSと、エピタキシャル成長法によって支持基板SS上に形成された半導体層NEPとを有する。
【0029】
図6に示されるように、ウェハWF内に、n型のドレイン領域ND、p型のボディ領域PBおよびn型のソース領域NSを形成する。
【0030】
まず、ウェハWFの下面から所定の深さに達するように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、支持基板SS内にドレイン領域NDを形成する。次に、ウェハWFの上面から所定の深さに達するように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、半導体層NEP内に、ボディ領域PBを形成する。次に、ウェハWFの上面から所定の深さに達するように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、ボディ領域PB内に、ソース領域NSを形成する。ドレイン領域NDおよびソース領域NSは、それぞれ半導体層NEPの不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。
【0031】
図7に示されるように、ウェハWFの上面から所定の深さに達するように、半導体層NEP内にトレンチTRを形成する。
【0032】
まず、ウェハWF上に、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いた成膜処理によって、例えば酸化シリコン膜を形成する。次に、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、上記酸化シリコン膜をパターニングすることで、ハードマスクを形成する。次に、上記ハードマスクをマスクとして異方性エッチング処理を行うことで、ソース領域NSおよびボディ領域PBを貫通し、且つ、半導体層NEP中に達するように、トレンチTRを形成する。その後、例えばフッ酸を含む溶液を用いた等方性エッチング処理によって、上記ハードマスクを除去する。
【0033】
図8に示されるように、ウェハWFの上面から所定の深さに達するように、半導体層NEP内に溝GRを形成し、溝GRの底部に高濃度拡散領域PRを形成する。
【0034】
まず、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、半導体層NEP内に選択的に溝GRを形成する。溝GRは、ソース領域NSを貫通し、且つ、ボディ領域PB中に達する。次に、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法によって、溝GRの底部においてボディ領域PB内に、p型の高濃度拡散領域PRを形成する。高濃度拡散領域PRは、ボディ領域PBの不純物濃度よりも高い不純物濃度を有する。
【0035】
その後、ボディ領域PB、ソース領域NSおよび高濃度拡散領域PRに含まれる不純物を活性化させるために、ウェハWFに対して熱処理を行う。
【0036】
図9に示されるように、トレンチTRの内部に、ゲート絶縁膜GIおよびゲート電極GEを形成する。
【0037】
まず、トレンチTRの内部およびウェハWFの上面上に、熱酸化処理によって、ゲート絶縁膜GIを形成する。ゲート絶縁膜GIは、例えば酸化シリコン膜である。次に、ゲート絶縁膜GI上に、例えばCVD法を用いた成膜処理によって、導電性膜を形成する。上記導電性膜は、例えばn型の多結晶シリコン膜である。
【0038】
次に、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、ゲート絶縁膜GIおよびゲート電極GEをパターニングする。この際、トレンチTRの内部は、ゲート絶縁膜GIを介してゲート電極GEによって埋め込まれる。また、ウェハWFの上面上では、ソース領域NSおよび高濃度拡散領域PRが、ゲート絶縁膜GIおよびゲート電極GEから露出する。
【0039】
以上のように、複数のチップ領域CHPaにおいて、それぞれ半導体素子1Qが形成される。
【0040】
ステップS4では、複数のチップ領域CHPaにおいて、それぞれ半導体素子1Qよりも上方に位置する配線層中に、金属膜MFを形成する。以下に図10および図11を用いて、配線層を形成するための各製造工程について説明する。
【0041】
図10に示されるように、まず、ゲート電極GEを覆うように、例えばCVD法によって、ウェハWFの上面上に、層間絶縁膜ILを形成する。次に、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、層間絶縁膜ILをパターニングし、スルーホールTHを形成する。この際、ゲート電極GEは、層間絶縁膜ILによって覆われている。また、ウェハWFの上面上では、ソース領域NSおよび高濃度拡散領域PRが、スルーホールTH内において露出する。
【0042】
図11に示されるように、スパッタリング法またはCVD法を用いた成膜処理によって、スルーホールTH内および溝GR内を埋め込むように、層間絶縁膜IL上およびウェハWFの上面上に、金属膜MFを形成する。金属膜MFは、アルミニウムを主体とする膜である。具体的には、金属膜MFは、例えばチタンタングステン膜からなるバリアメタル膜と、上記バリアメタル膜上に形成され、且つ、例えば銅またはシリコンが添加されたアルミニウム合金膜との積層膜である。
【0043】
次に、フォトリソグラフィ技術および異方性エッチング処理によって、金属膜MFをパターニングする。これにより、図3に示されるように、第1配線層中に、金属膜MFからソース配線SW、ゲート配線GW、フィールドリミッティング配線FLWおよびダミーパターンDPが形成される。なお、実施の形態1では、半導体素子1Qよりも上方に位置する配線層は、第1配線層のみである。
【0044】
ソース配線SWは、ソース領域NS、高濃度拡散領域PRおよびボディ領域PBに電気的に接続され、これらの領域にソース電位を供給する。ここでは図示はしないが、ゲート配線GW上にもスルーホールTHが形成されている。従って、ゲート配線GWは、ゲート電極GEに電気的に接続され、ゲート電極GEにゲート電位を供給する。
【0045】
なお、スルーホールTH内および溝GR内に、例えばタングステン膜を主体としたプラグ層を形成し、その後、層間絶縁膜IL上に金属膜MFを形成してもよい。その場合、プラグ層を介して、ソース配線SWと、ソース領域NS、高濃度拡散領域PRおよびボディ領域PBとが電気的に接続される。また、プラグ層を介して、ゲート配線GWとゲート電極GEとが電気的に接続される。
【0046】
次に、ソース配線SW上、ゲート配線GW上、フィールドリミッティング配線FLW上およびダミーパターンDP上に、例えば塗布法によって、例えばポリイミド膜からなる保護膜PIQを形成する。次に、保護膜PIQの一部を感光して開口部を形成することで、ソース電極SEおよびゲート配線GWのうち、ソースパッドSPおよびゲートパッドGPになる領域を露出させる。次に、ウェハWFの下面上に、スパッタリング法を用いた成膜処理によって、ドレイン電極DEを形成する。
【0047】
なお、ステップS3における半導体素子1Qの製造過程と、ステップS4おける金属膜MFの製造過程とに含まれる処理履歴は、記憶装置MDに記憶される。
【0048】
ステップS5では、複数のチップ領域CHPaにおいて、それぞれ金属膜MFのうち特定エリア1Aの表面モフォロジー画像1AIを取得する。
【0049】
図3に示されるように、チップ領域CHPa内に存在する金属膜MFのうち一部は、特定エリア1Aとして設けられている。複数のチップ領域CHPa毎に特定エリア1Aの位置は同じである。実施の形態1では、金属膜MFは、特定エリア1Aを占有するように形成される。図3の例では、特定エリア1Aとして、例えばソース配線SWの一部またはダミーパターンDPの一部を使用する。特定エリア1Aとして、例えばゲート配線GWの一部を使用してもよい。特定エリア1Aの平面サイズは、例えば50μm×50μm以上且つ200μm×200μm以下である。
【0050】
図12に示されるように、複数のチップ領域CHPa毎に特定エリア1Aの表面モフォロジー画像1AIを取得し、それらの表面モフォロジー画像1AIを記憶装置MDに記憶させる。
【0051】
なお、ステップS5では、特定エリア1Aが保護膜PIQに覆われた状態で、保護膜PIQを介して表面モフォロジー画像1AIを取得することが望ましい。表面モフォロジー画像1AIは、後に、不良判定された半導体装置200の表面モフォロジー画像2AIとの照合に使用される。例えばソースパッドSP内に特定エリア1Aを設定すると、特定エリア1Aにボンディングワイヤなどが設けられる虞がある。そうすると、半導体装置200の表面モフォロジー画像2AIが取得できなくなる。
【0052】
また、表面モフォロジー画像2AIを取得する際に、特定エリア1Aが保護膜PIQに覆われていないと、半導体装置200の特定エリア1Aの表面状態が変化する虞がある。そうすると、正確な表面モフォロジー画像2AIの取得が困難になる。
【0053】
ステップS6では、図4に示されるように、ウェハ識別番号IDと、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報と、複数のチップ領域CHPaの位置情報と、チップ領域CHPa内における特定エリア1Aの位置情報と、複数のチップ領域CHPa毎の表面モフォロジー画像1AIとを紐づけて、記憶装置MDに記憶させる。このように各情報と紐づけられた表面モフォロジー画像1AIは、不良判定された半導体装置200のトレーサビリティに有効に利用できる。
【0054】
ステップS7では、ウェハWFの複数のチップ領域CHPaをダイシングラインDLに沿って個片化することで、複数の半導体チップCHPを取得する。
【0055】
ステップS8では、複数の半導体チップCHPを封止樹脂SRでそれぞれ封止することで、複数の半導体装置100を形成する。
【0056】
例えば、まず、半導体チップCHPをリードフレームに搭載し、ボンディングワイヤ、クリップまたはペースト材などの外部接続用部材を用いて、ソースパッドSP、ゲートパッドGPおよびドレイン電極DEを、それぞれリード端子に電気的に接続させる。次に、エポキシ樹脂のような封止樹脂SRで、半導体チップCHPおよび各リード端子を封止する。各リード端子をリードフレームから切り離すことで、図12に示されるような半導体装置100が形成される。
【0057】
以上のように、ウェハWFから複数の半導体装置100を取得できる。
【0058】
ステップS9では、図12に示されるように、不良判定された半導体装置200を取得する。不良判定された半導体装置200は、例えば、顧客へ製品出荷された後、顧客から不具合を指摘されて返品された半導体装置である。このような半導体装置200のトレーサビリティを行うために、半導体装置200の封止樹脂SRを開封する。また、必要に応じて半導体装置200の外部接続用部材を除去する。
【0059】
ステップS10では、半導体装置200に設けられた金属膜MFのうち特定エリア1Aに相当する箇所の表面モフォロジー画像2AIを取得する。この際、特定エリア1Aに相当する箇所が保護膜PIQに覆われている場合、保護膜PIQを残した状態で表面モフォロジー画像2AIを取得してもよいし、保護膜PIQを除去した後に表面モフォロジー画像2AIを取得してもよい。特定エリア1Aが保護膜PIQによって保護されていたことで、封止樹脂SRの開封後にも、特定エリア1Aの表面が良好に保たれている。従って、精度の良い表面モフォロジー画像2AIを取得できる。
【0060】
ステップS11では、表面モフォロジー画像2AIを、記憶装置MDに格納された複数のチップ領域CHPa毎の表面モフォロジー画像1AIに照合することで、半導体装置200が製造されたウェハWFのウェハ識別番号IDと、半導体装置200が製造されたチップ領域CHPa1の位置とを特定する。
【0061】
なお、表面モフォロジー画像2AIが、記憶装置MDに格納された複数のチップ領域CHPa毎の表面モフォロジー画像1AIの何れにも一致しない場合、半導体装置200が、偽造製品であると特定できる。
【0062】
ステップS12では、図13に示されるように、特定されたチップ領域CHPa1の位置と、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報とを照合し、特定されたチップ領域CHPa1に結晶欠陥10が存在する場合、半導体装置200の不良が、結晶欠陥10に起因していると推定できる。
【0063】
また、特定されたチップ領域CHPa1に存在する結晶欠陥10の種類は、ステップS2の検査によって事前に判明している。従って、ウェハマップWFM上において、同じ種類の結晶欠陥10が存在している他のチップ領域CHPaを照合することで、他のチップ領域CHPaから製造された半導体装置100についても、半導体装置200と同じ不良が発生する可能性が高いと推定できる。
【0064】
ステップS13では、ステップS12の結果を、半導体装置100の製造方法へフィードバックする。例えば、ステップS12の結果をステップS3およびステップS4へフィードバックし、各製造条件の見直しを行う、または、チップ領域CHPa1の製品化を行わない等の対策を行える。また、チップ領域CHPa1と同じ種類の結晶欠陥10を有するチップ領域CHPaについても、同様の対策を行ってもよい。
【0065】
このように、実施の形態1によれば、全ての半導体チップCHPに識別記号を付す必要が無く、ウェハWF内において特殊な加工を行う必要も無く、トレーサビリティを行える。従って、トレーサビリティに係るコストの増加を抑制できる。
【0066】
また、封止樹脂SRを開封し、外部接続用部材を除去した後でも、正確な表面モフォロジー画像2AIを取得できる。すなわち、半導体チップCHPの特定に繋がる情報を精度良く取得できる。そして、早期に半導体装置200の不良原因を特定でき、早期に半導体装置100の製造方法へのフィードバックを行える。これにより、フィードバック後において、信頼性の高い半導体装置100を供給でき、歩留まりを改善でき、市場への不良品の流出を抑制できる。
【0067】
なお、実施の形態1では、半導体素子1QとしてパワーMOSFETを例示したが、半導体素子1Qは、IGBTであってもよい。その場合、ソース領域NS、ソース配線SW、ボディ領域PB、ドレイン領域NSおよびドレイン電極DEは、エミッタ領域、エミッタ配線、ベース領域、コレクタ領域およびコレクタ電極として機能する。
【0068】
また、実施の形態1では、半導体素子1Qとしてトレンチゲート構造を採用したが、半導体素子1Qは、プレーナ構造であってもよい。その場合、ウェハWFの内部にトレンチTRは形成されず、ゲート絶縁膜GIおよびゲート電極GEは、ウェハWFの上面上に形成される。
【0069】
(実施の形態2)
以下に図14を用いて、実施の形態2における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点について主に説明し、実施の形態1と重複する点については説明を省略する。
【0070】
実施の形態2では、ステップS2において記憶装置MDに記憶した結晶欠陥10の位置情報(第1位置情報)の他に、熱処理後の結晶欠陥10の位置情報(第2位置情報)も取得する。
【0071】
すなわち、ウェハWFに対して熱処理が行われた後、ウェハWFに内在する結晶欠陥10を再検査する。そして、図14に示されるように、結晶欠陥10の位置を再びマッピングすることにより、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報(第2位置情報)を記憶装置MDに記憶させる。
【0072】
熱処理の温度が高い場合、結晶欠陥10の数が増加し易いということが知られている。従って、図14に示されるように、熱処理後の結晶欠陥10の数が、熱処理前の結晶欠陥10の数から変化している。
【0073】
ステップS11で特定されたチップ領域CHPa1の位置と、第1位置情報および第2位置情報の両方とを照合する。特定されたチップ領域CHPa1に、第1位置情報の結晶欠陥10が存在せず、且つ、第2位置情報の結晶欠陥10が存在する場合、半導体装置200の不良が、熱処理に起因していると推定できる。
【0074】
ステップS12において、不良が熱処理に起因しているという結果を、半導体装置100の製造方法へフィードバックする。例えば、結晶欠陥10の数が増えないように、熱処理の条件(温度、時間など)を変更することもできる。
【0075】
なお、ステップS3およびステップS4で行われる全ての熱処理後に、実施の形態2の手法を適用することが理想的である。しかし、工程数を削減するために、実施の形態2で対象とする熱処理を、相対的に高い温度の熱処理のように、結晶欠陥10の数が増え易いと推測される熱処理のみに限定してもよい。例えば、実施の形態2で対象とする熱処理を、図8で不純物を活性化させるための熱処理、または、図9でゲート絶縁膜GIを形成するための熱酸化処理としてもよい。
【0076】
(実施の形態3)
以下に図15を用いて、実施の形態3における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点について主に説明し、実施の形態1と重複する点については説明を省略する。
【0077】
実施の形態3では、図15に示されるように、表面モフォロジー画像1AIと表面モフォロジー画像2AIとの照合に、それぞれの画像から抽出した複数の特徴量を用いる。
【0078】
ステップS5では、表面モフォロジー画像1AIを取得すると共に、表面モフォロジー画像1AIの複数の特徴量を抽出する。例えば、表面モフォロジー画像1AI内で、複数の線分が集まる交点、または、線分に囲まれた領域の中央を特徴点として定め、その特徴点における特徴量を抽出する。
【0079】
ステップS6では、複数の特徴量は、表面モフォロジー画像1AIに関連する情報として、記憶装置MDに記憶される。
【0080】
ステップS10では、表面モフォロジー画像2AIを取得すると共に、表面モフォロジー画像2AIの複数の特徴量を抽出する。
【0081】
ステップS11では、表面モフォロジー画像2AIと、記憶装置MDに格納された複数のチップ領域CHPa毎の表面モフォロジー画像1AIとの照合は、表面モフォロジー画像2AIの複数の特徴量と、表面モフォロジー画像1AIの複数の特徴量とを比較することで行われる。
【0082】
実施の形態3では、互いの複数の特徴量を照合するので、表面モフォロジー画像1AIおよび表面モフォロジー画像2AIの各々の座標が完全に一致していなくても、特定エリア1A内の画像か否かを判定できる。
【0083】
例えば、表面モフォロジー画像2AIを撮像する際の座標が、表面モフォロジー画像1AIを撮像した際の座標から若干ずれていた場合、または、表面モフォロジー画像2AIが、表面モフォロジー画像1AIに対して回転した状態で撮像された場合などがある。それらの場合でも、互いの複数の特徴量が一致すれば、これらの画像が特定エリア1A内の画像であると判定できる。従って、互いの複数の特徴量を使用することで、表面モフォロジー画像1AIと表面モフォロジー画像2AIとの照合精度を高めることができる。
【0084】
なお、実施の形態3で開示した技術は、実施の形態2で開示した技術と組み合わせて適用できる。
【0085】
(実施の形態4)
以下に図16を用いて、実施の形態4における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点について主に説明し、実施の形態1と重複する点については説明を省略する。
【0086】
実施の形態4では、図16に示されるように、特定エリア1A内若しくは特定エリア1Aの周囲、または、それらの両方に位置する金属膜MFに、幾何学模様パターン20が設けられている。なお、図16では、金属膜MFのうち破線で囲まれた領域を特定エリア1Aとして示している。また、図16では、特定エリア1Aを含む金属膜MFとして、四角形状のダミーパターンDPを用いた場合を例示する。
【0087】
幾何学模様パターン20を設けることで、表面モフォロジー画像1AIまたは表面モフォロジー画像2AIの取得する際に、特定エリア1Aを探し易くなる。従って、特定エリア1Aの正確な座標を合わせ易くなり、表面モフォロジー画像1AIと表面モフォロジー画像2AIとの照合の精度を向上できる。なお、幾何学模様パターン20の形状データは、チップ領域CHPa内における特定エリア1Aの位置情報に関連する情報として、記憶装置MDに記憶されている。
【0088】
幾何学模様パターン20として、図16に示される「パターン1」から「パターン4」を例示する。「パターン1」では、幾何学模様パターン20として複数の凹凸が、平面視における金属膜MFの4辺のうち、少なくとも1辺に設けられている。「パターン2」では、幾何学模様パターン20として3つの二次元コードパターンが、金属膜MFに設けられている。「パターン2」の場合、3つの幾何学模様パターン20に囲まれた領域を特定エリア1Aとして認識できる。「パターン3」および「パターン4」では、幾何学模様パターン20としてスリットが、金属膜MFに設けられている。
【0089】
幾何学模様パターン20は、「パターン1」から「パターン4」の形状に限られず、特定エリア1Aを探し易い形状であれば、幾何学模様パターン20は、他のパターンであってもよい。
【0090】
なお、実施の形態4で開示した技術は、実施の形態2および実施の形態3で開示した技術と組み合わせて適用できる。
【0091】
(実施の形態5)
以下に図17を用いて、実施の形態5における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点について主に説明し、実施の形態1と重複する点については説明を省略する。
【0092】
実施の形態5では、図17に示されるように、チップ領域CHPaに、複数の特定エリア1Aが設けられている。ステップS5では、複数の特定エリア1A毎に、表面モフォロジー画像1AIを取得する。
【0093】
ステップS10では、複数の特定エリア1Aに相当する箇所の複数の表面モフォロジー画像2AIを取得する。
【0094】
ステップS11では、複数の表面モフォロジー画像2AIを、記憶装置MDに格納された複数のチップ領域CHPa毎の複数の表面モフォロジー画像1AIに照合する。
【0095】
1つのチップ領域CHPaに対して1つの特定エリア1Aのみの表面モフォロジー画像1AIを取得していた場合で、且つ、不良判定された半導体装置200の特定エリア1Aに相当する箇所が破損または変形していた場合、表面モフォロジー画像2AIの取得が困難になる。例えば、半導体装置100の使用時に、ソース配線SWの一部に高電界が集中し、ソース配線SWの一部が破損または変形する場合がある。
【0096】
1つのチップ領域CHPaに対して複数の特定エリア1Aの複数の表面モフォロジー画像1AIを取得しておけば、ある箇所の表面モフォロジー画像2AIの取得が困難であったとしても、他の箇所で表面モフォロジー画像2AIを取得すればよい。従って、実施の形態5によれば、表面モフォロジー画像1AIと表面モフォロジー画像2AIとの照合が出来なくなるという虞を解消し易くなる。
【0097】
なお、実施の形態5で開示した技術は、実施の形態2から実施の形態4で開示した技術と組み合わせて適用できる。
【0098】
(実施の形態6)
以下に図18を用いて、実施の形態6における半導体装置100の製造方法および半導体装置100の製品履歴管理方法について説明する。なお、以下の説明では、実施の形態1との相違点について主に説明し、実施の形態1と重複する点については説明を省略する。
【0099】
実施の形態1では、結晶欠陥10と半導体装置200の不良との関係について説明したが、半導体装置200の不良の特定または推定は、結晶欠陥10との関係だけに限られない。実施の形態6では、ウェハWFから半導体装置100を製造する過程で、インライン検査、電気的特性試験および選別試験を行い、取得した各検査データまたは各試験データを半導体装置200の不良の特定に利用する。
【0100】
半導体装置100の製品履歴管理方法は、図18に示されるステップS14からステップS20を備える。半導体装置100の製造方法は、半導体装置100の製品履歴管理方法のうち、図18に示されるステップS14からステップS17を備える。
【0101】
図18に示されるように、ステップS3およびステップS4を行っている最中に、インライン検査を適宜行う(ステップS14)。インライン検査は、例えば、異物検査、欠陥検査、寸法検査、重ね合わせ検査および外観検査のうち、何れか1つ以上を含む。また、ステップS7を行う前に、複数のチップ領域CHPa毎の半導体素子1Qに対して電気的特性試験を行う(ステップS15)。また、ステップS9を行う前に、複数の半導体装置100のそれぞれの信頼性を選別する選別試験を行う(ステップS16)。選別試験は、例えばバーンイン試験である。
【0102】
なお、上述のように、ステップS3における半導体素子1Qの製造過程と、ステップS4おける金属膜MFの製造過程とに含まれる処理履歴は、記憶装置MDに記憶されている。
【0103】
ステップS17では、図19に示されるように、処理履歴と、インライン検査の検査データと、電気的特性試験の試験データと、選別試験の試験データと、複数のチップ領域CHPa毎の表面モフォロジー画像1AIとを紐づけて、記憶装置MDに記憶させる。
【0104】
例えば、インライン検査として異物検査を行った際に、あるチップ領域CHPaで異物が検出されたとする。この時点で処理履歴を参照し、異物が発生した製造工程の製造条件を見直してもよいが、全ての異物が不良に直結するわけではなく、放置しても不良に繋がらない異物も存在する。従って、半導体素子1Qの電気的特性および半導体装置100の信頼性に影響が無ければ、その異物を放置してもよいと判断する場合がある。
【0105】
しかしながら、半導体装置100の使用中に、何らかの理由で半導体装置100が不良品になり、故障解析の結果、放置した異物が不良原因になっていたという可能性もある。このように、潜在的な不良要因を有する半導体装置100に対して、早急にトレーサビリティを行い、不良原因を特定するために、処理履歴、各検査データおよび各試験データを、表面モフォロジー画像1AIに紐づけておく。
【0106】
その後、ステップS9およびステップS10を行い、ステップS11で、半導体装置200が製造されたチップ領域CHPa1の位置を特定する。ステップS18では、ステップS17を行っていたことで、半導体装置200に対応する処理履歴を特定でき、半導体装置200に対応するインライン検査の検査データ、電気的特性試験の試験データおよび選別試験の試験データのうち何れか1つ以上を特定できる。
【0107】
例えば、半導体装置200が製造されたチップ領域CHPa1が、異物検査を行った際に、放置しても問題無さそうな異物が検出されたチップ領域CHPaであったとすれば、その異物が不良原因になった可能性があると推測できる。
【0108】
ステップS19では、半導体装置200に対して故障解析を行う。故障解析は、発光解析、OBIRCH解析、DLS解析、IDDQ解析、発熱解析、ナノプローバ解析およびEBAC解析のうち何れか1つ以上を含む。
【0109】
ステップS20では、故障解析の解析データと、半導体装置200に対応するインライン検査の検査データ、電気的特性試験の試験データおよび選別試験の試験データのうち何れか1つ以上との関係から、半導体装置200の不良原因を特定できる。
【0110】
ステップS18で、半導体装置200に対応するインライン検査の検査データ、電気的特性試験の試験データおよび選別試験の試験データが特定されていれば、ステップS19で行う故障解析のうち、適切な解析を優先的に行える。例えば、異物検査において異物が検出された履歴を有し、且つ、寸法検査において異常が検出されなかった履歴を有する半導体装置200の場合、検出されていた異物によって、不良が引き起こされた可能性が高いと予想できる。従って、予想される不良を検出するために適した故障解析を優先的に行える。
【0111】
このように、実施の形態6においても、早期に半導体装置200の不良原因を特定でき、ステップS12で、早期に半導体装置100の製造方法へのフィードバックを行える。これにより、フィードバック後において、信頼性の高い半導体装置100を供給でき、歩留まりを改善でき、市場への不良品の流出を抑制できる。
【0112】
例えば、異物検査を行った際に検出された異物が不良原因であると特定できた場合、処理履歴を参照して、異物が発生する直前の製造工程の見直しを行うという対策を行える。または、チップ領域CHPa1の製品化を行わない等の対策も行える。
【0113】
また、図20に示されるように、ステップS18において、半導体装置200(チップ領域CHPa1)に対応するインライン検査の検査データ、電気的特性試験の試験データおよび選別試験の試験データと、類似した各データを有する他のチップ領域CHPaが存在する場合がある。その場合、該当するチップ領域CHPaから製造された半導体装置100についても、半導体装置200と同じ不良が発生する可能性が高いと推定できる。従って、ウェハマップWFM上において、該当するチップ領域CHPaを照合し、該当するチップ領域CHPaについてもステップS12と同じフィードバックを行ってもよい。
【0114】
また、実施の形態6の技術は、実施の形態1で不良原因が結晶欠陥10ではない場合に、特に有効に利用できる。例えば、ステップS11で特定されたチップ領域CHPa1の位置と、ウェハマップWFM上における結晶欠陥10の位置情報とを照合し、チップ領域CHPa1に結晶欠陥10が存在しない場合、結晶欠陥10以外の原因によって不良が発生したと判断できる。そのような場合、実施の形態6の技術を用いることで、不良原因を特定できる。
【0115】
なお、実施の形態6で開示した技術は、実施の形態2から実施の形態5で開示した技術と組み合わせて適用できる。
【0116】
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0117】
100 半導体装置
200 不良判定された半導体装置
10 結晶欠陥
20 幾何学模様パターン
1A 特定エリア
1AI、2AI 表面モフォロジー画像
1Q 半導体素子
CHP 半導体チップ
CHPa チップ領域
CHPa1 特定されたチップ領域
CR セル領域
DE ドレイン電極
DL ダイシングライン
DP ダミーパターン
FLW フィールドリミッティング配線
GE ゲート電極
GI ゲート絶縁膜
GP ゲートパッド
GR 溝
GW ゲート配線
ID ウェハ識別番号
IL 層間絶縁膜
MD 記憶装置
MF 金属膜
ND ドレイン領域
NEP 半導体層
NS ソース領域
OR 外周領域
PB ボディ領域
PIQ 保護膜
PR 高濃度拡散領域
SP ソースパッド
SR 封止樹脂
SS 支持基板
SW ソース配線
TH スルーホール
TR トレンチ
WF ウェハ
WFM ウェハマップ
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