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特開2025-16425タービンブレードの制振装置用バネ懸架式軸受部材付きダンパエレメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016425
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】タービンブレードの制振装置用バネ懸架式軸受部材付きダンパエレメント
(51)【国際特許分類】
   F01D 5/16 20060101AFI20250128BHJP
   F01D 25/06 20060101ALI20250128BHJP
   B33Y 80/00 20150101ALI20250128BHJP
【FI】
F01D5/16
F01D25/06
B33Y80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024089082
(22)【出願日】2024-05-31
(31)【優先権主張番号】18/343,928
(32)【優先日】2023-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スナイダー、ザカリー ジョン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バネ懸架軸受部材付タービンブレード用ダンパエレメント及び振動減衰システムを提供する。
【解決手段】振動減衰システム用のダンパエレメントは、タービン内の回転ブレードの本体開口に使用し得る。ダンパエレメントは、本体開口内に軸方向位置が固定されたベース部材と、バネ懸架軸受部材であって、バネの第1の端部でベース部材に固定連結されたバネ及びバネの第2の端部に結合した軸受部材を有するバネ懸架軸受部材とを含む。所定の回転速度よりも高い回転ブレードの回転に起因する遠心力の影響下で、バネが弾性的に伸長した状態で、軸受部材は、振動を減衰させるために軸受面に摩擦係合する。バネ懸架軸受部材は、バネを使用して反作用力低減を提供することによって、回転ブレードの遠心力の衝撃の低減を経験する摩擦式振動減衰境界を提供する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービン(108)の回転ブレード(114)の本体開口(160)における振動減衰システム(220)用のダンパエレメント(270)であって、当該ダンパエレメント(270)が、
前記本体開口(160)内で固定された軸方向位置を有するベース部材(272)と、
バネ懸架軸受部材(274)であって、バネ(280)の第1の端部(282)で前記ベース部材(272)に固定連結されたバネ(280)及び前記バネ(280)の第2の端部(288)に連結された軸受部材(286)を有するバネ懸架軸受部材(274)と
を備えており、前記バネ(280)が、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレード(114)の回転によって生じる遠心力の影響下で弾性伸長した状態で、前記軸受部材(286)が第1の軸受面(290)と摩擦係合して振動を減衰させる、ダンパエレメント(270)。
【請求項2】
前記バネ(280)のバネ定数及び前記軸受部材(286)と前記バネ(280)の集合質量が、前記所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレード(114)の回転によって生じる遠心力に応答して、第1の軸受面(290)との係合から外れた位置から第1の軸受面(290)との摩擦係合位置に前記軸受部材(286)の移動できるように構成される、請求項1に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項3】
前記ベース部材(272)が第1の側面(294)及び第2の側面(296)を有し、前記バネ(280)が、前記ベース部材(272)の第1の側面(294)から前記軸受部材(286)まで延在する複数の部分的螺旋状コイル(300)を含む、請求項1に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項4】
各部分的螺旋状コイル(300)が、前記ベース部材(272)の中心軸に対する第1の周方向位置で前記ベース部材(272)の第1の側面(294)に結合した第1の端部(302)と、前記ベース部材(272)の中心軸に対して第1の周方向位置とは異なる第2の周方向位置で前記軸受部材(286)に結合した第2の端部(304)とを含む、請求項3記載のダンパエレメント(270)。
【請求項5】
各部分的螺旋状コイル(300)の第1の端部(302)が、前記ベース部材(272)の第1の側面(294)に垂直な角度で結合し、各部分的螺旋状コイル(300)の第2の端部(304)が、前記軸受部材(286)に垂直な角度で結合している、請求項4に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項6】
第1の端部(312)及び第2の端部(314)を有する位置決め部材(310)をさらに備えており、前記位置決め部材(310)が、前記位置決め部材(310)の第1の端部(312)で前記ベース部材(272)の第1の側面(294)から延在してそこから延在しており、前記位置決め部材(310)が前記バネ(280)に隣接して延在している、請求項3記載のダンパエレメント(270)。
【請求項7】
第1の軸受面(290)が、前記ベース部材(272)の第2の側面(296)にあり、前記位置決め部材(310)の第2の端部(314)が、前記ベース部材(272)の第2の側面(296)の第2の軸受面(320)と摩擦係合して振動を減衰させるように構成されている、請求項6に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項8】
前記位置決め部材(310)が、前記本体開口(160)内での前記ベース部材(272)の軸方向位置を固定し、かつ前記バネ(280)が、前記軸受部材(286)を、
所定の回転速度よりも低い速度で回転ブレード(114)が回転し、かつ前記バネ(280)が完全には伸長していない状態では、第1の軸受面(290)から所定の距離に、かつ
所定の回転速度よりも高い速度で回転ブレード(114)が回転し、かつ前記バネ(280)が弾性的に伸長した状態では、振動を減衰させるように第1の軸受面(290)と摩擦係合するように、
位置決めする、請求項6に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項9】
第1の軸受面(290)が、隣接ダンパエレメント(270)のベース部材(272)の側面及び前記回転ブレード(114)の本体開口(160)の端面(210)のいずれかに位置する、請求項1に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項10】
前記ベース部材(272)、前記バネ(280)及び前記軸受部材(286)が積層造形され、一体に結合している、請求項1に記載のダンパエレメント(270)。
【請求項11】
回転ブレード(114)のための振動減衰システム(220)であって、当該振動減衰システム(220)が、
前記回転ブレード(114)に画成された本体開口(160)内に配置される複数のスタック式ダンパエレメント(270)
を備えており、各ダンパエレメント(270)が、
前記本体開口(160)内で固定された軸方向位置を有するベース部材(272)と、
バネ懸架軸受部材(274)であって、バネ(280)の第1の端部(282)で前記ベース部材(272)に固定連結されたバネ(280)及び前記バネ(280)の第2の端部(288)に連結された軸受部材(286)を有するバネ懸架軸受部材(274)と
を備えており、
所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレード(114)の回転に起因する遠心力の影響下で前記バネ(280)が弾性的に伸長した状態で、前記軸受部材(286)が第1の軸受面(290)に摩擦係合して振動を減衰させる、振動減衰システム(220)。
【請求項12】
前記バネ(280)のバネ定数及び前記軸受部材(286)と前記バネ(280)の集合質量が、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレード(114)の回転によって生じる遠心力に応答して、第1の軸受面(290)との係合から外れた位置から第1の軸受面(290)との摩擦係合位置に前記軸受部材(286)を移動できるように構成される、請求項11に記載の振動減衰システム(220)。
【請求項13】
前記ベース部材(272)が第1の側面(294)及び第2の側面(296)を有し、前記バネ(280)が、前記ベース部材(272)の第1の側面(294)から前記軸受部材(286)まで延在する複数の部分的螺旋状コイル(300)を含む、請求項11に記載の振動減衰システム(220)。
【請求項14】
各部分的螺旋状コイル(300)が、前記ベース部材(272)の中心軸に対する第1の周方向位置で前記ベース部材(272)の第1の側面(294)に結合した第1の端部(302)と、前記ベース部材(272)の中心軸に対して第1の周方向位置とは異なる第2の周方向位置で前記軸受部材(286)に結合した第2の端部(304)とを含む、請求項13に記載の振動減衰システム(220)。
【請求項15】
各部分的螺旋状コイル(300)の第1の端部(302)が前記ベース部材(272)の第1の側面(294)に垂直な角度で結合し、各部分的螺旋状コイル(300)の第2の端部(304)が前記軸受部材(286)に垂直な角度で結合している、請求項14に記載の振動減衰システム(220)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、回転ブレードにおける振動の減衰に関する。さらに具体的には、本開示は、各々バネ懸架軸受部材を有する複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン運転における懸念の1つは、回転するタービンブレードが運転中に振動応力を受ける傾向があることである。多くの施設では、タービンは頻繁な加速及び減速条件下で運転される。タービンの加速又は減速時に、ブレードの翼形部は、少なくとも瞬間的にある共振周波数での振動応力を受け、多くの場合、二次又は三次周波数での振動応力を受ける。ノズル翼形部にも同様の振動応力が加わる。例えば、ガス温度、圧力及び/又は密度の変動は、ロータアセンブリ全体、特にブレード翼形部内で振動を励起するおそれがある。タービン及び/又は圧縮機セクションの上流で周期的又は「脈動」的に排出されるガスも、不都合な振動を励起するおそれがある。翼形部が振動応力に付されると、その振動の振幅は、ガスタービンの運転及び/又は部品の寿命に悪影響を与えかねないところまで容易に高まるおそれがある。従来、振動を減衰させるためにタービンブレード内のスタック式中実ダンパエレメンが使用されてきたが、遠心力によってダンパエレメント同士がロックされ、振動減衰能力が低下又はなくなってしまうおそれがある。
【発明の概要】
【0003】
以下に挙げるすべての態様、具体例及び特徴は、技術的に可能な方法で組合せることができる。
【0004】
本開示の態様は、タービンの回転ブレードの本体開口における振動減衰システム用のダンパエレメントを提供し、ダンパエレメントは、本体開口内で固定された軸方向位置を有するベース部材と、バネ懸架軸受部材であって、バネの第1の端部でベース部材に固定連結されたバネ及びバネの第2の端部に連結された軸受部材を有するバネ懸架軸受部材とを備えており、バネは、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力の影響下で弾性伸長状態を達成するように構成され、バネの弾性伸長状態が、軸受部材を第1の軸受面と摩擦係合させて振動を減衰させる。
【0005】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、バネのバネ定数及び軸受部材とバネの集合質量が、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力に応答して、第1の軸受面との係合から外れた位置から第1の軸受面との摩擦係合位置に軸受部材を移動できるようにように構成される。
【0006】
本開示の他の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、第1の側面及び第2の側面を有し、バネは、ベース部材の第1の側面から軸受部材まで延在する複数の部分的螺旋状コイルを含む。
【0007】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各部分的螺旋状コイルは、ベース部材の中心軸に対する第1の周方向位置でベース部材の第1の側面に結合した第1の端部と、ベース部材の中心軸に対して第1の周方向位置とは異なる第2の周方向位置で軸受部材に結合した第2の端部とを含む。
【0008】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各部分的螺旋状コイルの第1の端部は、ベース部材の第1の側面に垂直な角度で結合し、各部分的螺旋状コイルの第2の端部は、軸受部材に垂直な角度で結合している。
【0009】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の端部及び第2の端部を有する位置決め部材をさらに備えており、位置決め部材は、位置決め部材の第1の端部でベース部材の第1の側面に結合してそこから延在しており、位置決め部材はバネに隣接して延在する。
【0010】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ダンパエレメントは、スタック構成で配置された複数の同一のダンパエレメントの第1のダンパエレメントであり、第1のダンパエレメントの軸受部材に係合する第1の軸受面は、隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の側面にあり、位置決め部材の第2の端部は、隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の側面の第2の軸受面と摩擦係合して振動を減衰させるように構成されている。
【0011】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、位置決め部材は、複数のダンパエレメントのうちの隣接ダンパエレメントに対して本体開口内でのベース部材の軸方向位置を固定するように構成され、バネは、所定の回転速度よりも低い速度で回転ブレードが回転し、かつバネが完全には伸長していない状態で、軸受部材を隣接ダンパエレメントの第1の軸受面から所定の距離に位置決めし、所定の回転速度よりも高い速度で回転ブレードが回転し、かつバネが弾性的に伸長した状態で、隣接ダンパエレメントの第1の軸受面に摩擦係合して、振動を減衰させる。
【0012】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の軸受面は、隣接ダンパエレメントのベース部材の側面及び回転ブレードの本体開口の端面のいずれかに位置する。
【0013】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材、バネ及び軸受部材は、積層造形され、一体的に結合される。
【0014】
本開示の別の態様は、タービンの回転ブレードのための振動減衰システムを包含しており、振動減衰システムは、回転ブレードに画成された本体開口内に配置される複数のスタック式ダンパエレメントであって、各ダンパエレメントが、本体開口内で固定された軸方向位置を有するベース部材と、バネ懸架軸受部材であって、バネの第1の端部でベース部材に固定連結されたバネ及びバネの第2の端部に連結された軸受部材を有するバネ懸架軸受部材とを備えており、所定の回転速度よりも高い回転速度での回転による遠心力の影響下で、バネは弾性的に伸長した状態にあり、軸受部材は第1の軸受面に摩擦係合して振動を減衰させる。
【0015】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、バネのバネ定数及び軸受部材とバネの集合質量が、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力に応答して、第1の軸受面との係合から外れた位置から第1の軸受面との摩擦係合位置に軸受部材を移動できるようにように構成される。
【0016】
本開示の他の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、第1の側面及び第2の側面を有し、バネは、ベース部材の第1の側面から軸受部材まで延在する複数の部分的螺旋状コイルを含む。
【0017】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各部分的螺旋状コイルは、ベース部材の中心軸に対する第1の周方向位置でベース部材の第1の側面に結合した第1の端部と、ベース部材の中心軸に対して第1の周方向位置とは異なる第2の周方向位置で軸受部材に結合した第2の端部とを含む。
【0018】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各部分的螺旋状コイルの第1の端部は、ベース部材の第1の側面に垂直な角度で結合し、各部分的螺旋状コイルの第2の端部は、軸受部材に垂直な角度で結合している。
【0019】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各ダンパエレメントは、第1の端部及び第2の端部を有する位置決め部材をさらに含んでおり、位置決め部材は、位置決め部材の第1の端部でベース部材の第1の側面に結合してそこから延在しており、位置決め部材はバネに隣接して延在している。
【0020】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1のダンパエレメントによって摩擦係合する第1の軸受面は、第2の隣接ダンパエレメントのベース部材の第1の側面と反対側の第2の隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の側面にあり、第1のダンパエレメントの位置決め部材は、第2の軸受面と摩擦係合するように構成されている第2の隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の側面に隣接ダンパエレメントの振動を減衰させ、第1のダンパエレメントの位置決め部材は、第1のダンパエレメントの本体開口及びバネ内における第2の隣接ダンパエレメントのベース部材の軸方向位置を固定し、回転ブレードが所定の回転速度よりも低い速度で回転し、バネが完全には伸長していない状態で、第1のダンパエレメントの軸受部材を、第1の軸受面から所定の距離に位置決めし、所定の回転速度よりも高い速度で回転ブレードが回転し、かつバネが弾性的に伸長した状態で第1の軸受面に摩擦係合して振動を減衰させる。
【0021】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の軸受面は、隣接ダンパエレメントのベース部材の側面及び回転ブレードの本体開口の端面の一方に位置する。
【0022】
本開示の別の態様は、タービンにおける回転ブレードのための振動減衰システムに関し、振動減衰システムは、回転ブレードに画成された本体開口内に配置される複数のスタック式ダンパエレメントを備えていて、各ダンパエレメントは、第1の側面と第2の側面を有するベース部材と、第1の端部及び第2の端部とを有するバネであって、バネの第1の端部でベース部材の第1の側面に結合するバネと、バネの第2の端部に結合した軸受部材と、第1の端部及び第2の端部を有する位置決め部材であって、位置決め部材の第1の端部でベース部材の第1の側面に結合し、かつバネに隣接して延在する位置決め部材とを備えており、バネは、所定の回転速度よりも低い速度で回転ブレードが回転し、かつバネが完全には伸長していない状態で、軸受部材を第1の軸受面から所定の距離に位置決めし、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転に起因する遠心力の影響下で弾性的に伸長したバネで第1の軸受面を摩擦係合して、振動を減衰させる。
【0023】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、本体開口内の複数のスタック式ダンパエレメントのうち、半径方向に最も外側のダンパエレメントを除くすべてのダンパエレメントについて、第1の軸受面は、隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の側面を含む。
【0024】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、本体開口内の複数のスタック式ダンパエレメントのうちの半径方向に最も外側のダンパエレメントについて、第1の軸受面は、回転ブレードに画成された本体開口の端面を含む。
【0025】
本開示の別の態様は、タービンの回転ブレードの本体開口における振動減衰システム用のダンパエレメントを包含し、ダンパエレメントは、本体開口内に固定された軸方向位置を有するベース部材と、バネ懸架軸受部材であって、皿バネの中心でベース部材に固定連結された皿バネ及び皿バネの第1の側面にその外周部で連結された軸受部材を含むバネ懸架軸受部材とを備えており、軸受部材は、皿バネの第1の側面から半径方向遠位側に延在しており、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力の影響下で皿バネが弾性伸長した状態で、軸受部材が第1の軸受面に摩擦係合して振動を減衰させる。
【0026】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、皿バネのバネ定数及び軸受部材と皿バネの集合質量が、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力に応答して、第1の軸受面との係合から外れた位置から第1の軸受面との摩擦係合位置に皿バネを移動できるようにように構成される。
【0027】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ダンパエレメントは、スタック構成で配置された複数の同一のダンパエレメントの第1のダンパエレメントであり、第1のダンパエレメントの軸受部材に係合する第1の軸受面は、第2の隣接ダンパエレメントの第1の側面と反対側の第2の隣接ダンパエレメントの皿バネの第2の側面及び本体開口の端面の一方である。
【0028】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の端面と嵌合するように構成された第1の端面を有する長尺体を含む。
【0029】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、長尺体と同心に配置され、皿バネの第2の側面に当接する位置決めカラーをさらに含む。
【0030】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材、皿バネ及び軸受部材は、積層造形され、一体的に結合される。
【0031】
本開示の別の態様は、回転ブレード用の振動減衰システムを含んでおり、振動減衰システムは、回転ブレードに画成された本体開口内にスタック配置で配置される複数のダンパエレメントを備えていて、各ダンパエレメントは、本体開口内で固定された軸方向位置を有するベース部材と、皿バネの中心でベース部材に固定連結された皿バネと、皿バネの第1の側面にその外周部で連結された軸受部材とを含むバネ懸架軸受部材とを備えており、軸受部材は、皿バネの第1の側面から半径方向遠位側に延在しており、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転によって生じる遠心力の影響下で皿バネが弾性伸長した状態で、軸受部材が第1の軸受面に摩擦係合して振動を減衰させる。
【0032】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、皿バネのバネ定数及び軸受部材と皿バネの集合質量が、回転ブレードの回転に起因する遠心力に応答して、第1の軸受面との係合から外れた位置から第1の軸受面との摩擦係合位置に軸受部材を移動できるように構成される。
【0033】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、複数のダンパエレメントは、第1のダンパエレメントと第2の隣接ダンパエレメントとを備えており、第1のダンパエレメントの軸受部材に係合する第1の軸受面は、第2の隣接ダンパエレメントの皿バネの第1の側面と対向する第2の隣接ダンパエレメントの皿バネの第2の側面及び本体開口の端面の一方である。
【0034】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、隣接ダンパエレメントのベース部材の第2の端面と嵌合するように構成された第1の端面を有する長尺体を含む。
【0035】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、長尺体と同心に配置され、皿バネの第2の側面に当接する位置決めカラーをさらに含む。
【0036】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、複数のダンパエレメントは、積層造形され、一体的に結合される。
【0037】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、各ダンパエレメントのベース部材、皿バネ及び軸受部材は、積層造形され、一体的に結合される。
【0038】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ボディ開口における複数のダンパエレメントのうち、半径方向に最も外側のダンパエレメントの軸受部材は、回転ブレードに画成されたボディ開口部の端面に摩擦係合する。
【0039】
本開示の別の態様は、タービンにおける回転ブレードのための振動減衰システムを含んでおり、振動減衰システムは、回転ブレードに画成された本体開口内に配置される複数のスタック式ダンパエレメントを備えていて、各ダンパエレメントは、本体開口内で固定された軸方向位置を有するベース部材と、皿バネの中心でベース部材に固定連結された皿バネと、皿バネの第1の側面にその外周部で連結された軸受部材とを含むバネ懸架軸受部材とを備えており、軸受部材は、皿バネの第1の側面から半径方向遠位側に延在しており、複数のダンパエレメントのうちの第1のダンパエレメントの皿バネは、所定の回転速度よりも低い速度で回転ブレードが回転し、かつ皿バネが完全には伸長していない状態で、第1のダンパエレメントの軸受部材を第1の軸受面から所定の距離に位置決めし、所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転に起因する遠心力の影響下で弾性的に伸長した第1の皿バネで第1の軸受面を摩擦係合して、振動を減衰させる。
【0040】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、第1の軸受面は、第2の隣接ダンパエレメントの皿バネの第1の側面と反対側の第2の隣接ダンパエレメントの皿バネの第2の側面及び本体開口の端面の一方である。
【0041】
本開示の別の態様は、上述の態様のいずれかを包含し、ベース部材は、皿バネの第2の側面に当接する位置決めカラーをさらに含む。
【0042】
この発明の概要の欄に記載した態様も含めて、本開示に記載した2以上の態様を組合せて、本明細書に具体的に記載されていない実施態様としてもよい。この発明の概要の欄に記載した態様も含めて、本開示に記載した2以上の態様を組合せて、本明細書に具体的に記載されていない実施態様としてもよい。
【0043】
1以上の実施態様の詳細を、添付の図面及び以下の説明に記載する。その他の特徴、目的及び利点は、発明の詳細な説明、図面並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本開示の上記その他の特徴については、本開示の様々な実施形態について記載する添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって理解を深めることができよう。
図1】タービンセクションを含むガスタービンシステムの形態で例示的なターボ機械の断面図。
図2】本開示の実施形態に係る図1のターボ機械で使用し得る例示的なタービンセクションの部分の断面図。
図3】本開示の実施形態に係る振動減衰システムを含む例示的なタービンブレードの斜視図。
図4】本開示の実施形態に係る複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムを有するタービンブレードの概略断面図。
図5】本開示の実施形態に係る複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムを有するタービンブレードの概略断面図。
図6図4及び図5に示すような振動減衰システムにおける本開示の実施形態に係るダンパエレメントの断面図。
図7】本開示の実施形態に係る図6のダンパエレメントの斜視図。
図8A】本開示の実施形態に係る第1の位置に複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムの断面図。
図8B】本開示の実施形態に係る第2の位置に複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムの断面図。
図9】本開示の他の実施形態に係るダンパエレメントの断面図。
図10】本開示の実施形態に係る振動減衰システムの動作における関連する力を示す回転ブレード及びダンパエレメントの概略図。
図11A】本開示の他の実施形態に係る第1の位置に複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムの断面図。
図11B】本開示の他の実施形態に係る第2の位置に複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムの断面図。
図12】本開示の別の実施形態に係る複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムの断面図。
図13】本開示の他の実施形態に係る複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムを有するタービンブレードの概略断面図。
図14】本開示の他の実施形態に係る複数のダンパエレメントを含む振動減衰システムを有するタービンブレードの概略断面図。
図15】本開示の実施形態に係る図13及び図14の振動減衰システムに示されるようなダンパエレメントの側面図。
図16】開示の追加の実施形態に係る図15のダンパエレメントの斜視図。
図17A】本開示の実施形態に係る図15の複数のダンパエレメントを第1の位置に含む振動減衰システムの側面図。
図17B】本開示の実施形態に係る図15の複数のダンパエレメントを第2の位置に含む振動減衰システムの側面図。
図18A】本開示の実施形態に係る図15の複数のダンパエレメントを第1の位置に含む振動減衰システムの拡大側面図。
図18B】本開示の実施形態に係る図15の複数のダンパエレメントを第2の位置に含む振動減衰システムの拡大側面図。
【0045】
なお、本開示の図面は必ずしも縮尺通りではない。図面は、本開示の典型的な態様を例示するものにすぎず、本開示の技術的範囲を限定するものではない。図面において、同様の符号は複数の図面間で同様の構成要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
まず、本開示の技術的内容を明確に説明するため、タービン内の関連する機械部品について言及及び説明する際に、用語を選択する必要がある。できるだけ、当技術分野で一般的な用語を、その通常の意味と一致するように用いる。別途記載されていない限り、かかる用語は、本願の文脈及び添付の特許請求の範囲に則して広義に解釈すべきである。ある部品について幾つかの異なる又は重複する用語を用いて言及することが多々あることは当業者には明らかであろう。本明細書において、単一の部材として記載したものであっても、別の文脈では複数の部品からなるものとして記載することもある。或いは、本明細書のある箇所で複数の部品を含むものとして記載したものであっても、別の箇所では単一の部材として記載することもある。
【0047】
さらに、本明細書では幾つかの記述的用語を繰返し用いるが、本欄の冒頭でこれらの用語を定義しておくと有用であろう。多中心軸に対して異なる半径方向位置に配置された部品について説明する必要が多々ある。「半径方向」という用語は、軸に垂直な運動又は位置をいう。例えば、第1の部品が第2の部品よりも軸に近い場合、本明細書では第1の部品は第2の部品の「半径方向内側」又は「中心軸近位側」と記載される。一方、第1の部品が第2の部品よりも軸から遠く位置する場合、本明細書では第1の部品は第2の部品の「半径方向外側」又は「中心軸遠位側」と記載される。「軸方向」という用語は、軸に平行な運動又は位置をいう。最後に、「周方向」という用語は、軸を中心とした運動又は位置をいう。かかる用語は、ダンパエレメントの中心軸又はタービンの中心軸との関係で適用し得ることが理解されるであろう。
【0048】
さらに、本明細書では、以下に記載する通り、幾つかの記述的用語を繰返し用いる。「第1」、「第2」及び「第3」という用語は、ある部品を他の部品と区別するために互換的に用いられ、個々の部品の位置又は重要性を示すものではない。
【0049】
本明細書で用いる用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、開示内容を限定するものではない。本明細書において、単数形で記載したものであっても、前後関係から別途明らかでない限り、複数の場合も含めて意味する。さらに、本明細書において、「備える」、「含む」及び/又は「有する」という用語は、記載した特徴、整数、ステップ、操作、構成要素及び/又は部品が存在することを示し、他の1以上の特徴、整数、ステップ、操作、構成要素、部品及び/又はこれらの群の存在又は追加を除外するものではない。「任意」又は「適宜」という用語は、その用語に続いて記載された事象又は状況が起きても起きなくてもよいこと或いはその用語に続いて記載された部品又は構成要素が存在しても存在しなくてもよいことを意味しており、かかる記載はその事象又は状況が起こる場合と起こらない場合並びにその部品又は構成要素が存在する場合と存在しない場合とを包含する。
【0050】
ある構成要素又は層が別の構成要素又は層「の上」、「に係合」、「に接続」又は「に結合」しているという場合、その別の構成要素又は層の上に直接位置していても、その別の構成要素又は層に直接係合、接続又は結合していてもよいし、或いは介在する構成要素又は層が存在していてもよい。対照的に、ある構成要素が別の構成要素又は層「の直接上」、「に直接係合」、「に直接接続」又は「に直接結合」しているという場合、介在する構成要素又は層は存在しない。構成要素間の関係について説明するために用いられる他の用語(例えば「~の間」と「直接~の間」、「隣接」と「直接隣接」など)も同様に解釈される。本明細書で用いる「及び/又は」という用語は、記載されたものの1以上のあらゆるすべての組合せを包含する。
【0051】
本開示の実施形態は、タービンブレード用のダンパエレメント及び振動減衰システムを提供する。振動減衰システム用のダンパエレメントは、タービンの回転ブレードの本体開口に使用できる。ダンパエレメントは、本体開口内に軸方向位置が固定されたベース部材と、バネの第1端部でベース部材に固定連結されたバネと、バネの第2端部に結合した軸受部材とを有するバネ懸架軸受部材とを含む。所定の回転速度以上の回転ブレードの回転による遠心力の影響でバネが弾性的に伸長した状態で、軸受部材が軸受面に摩擦係合して振動を減衰させる。バネ懸架軸受部材は、バネを使用して相殺力の低減を提供することにより、回転ブレードによって生成される遠心力(すなわち、重力当量(g力))の影響を低減する第1の摩擦式振動減衰境界を提供する。回転ブレードが所定の回転速度よりも低い速度で回転する場合、バネ懸架軸受部材は軸受面から外れたままになる。
【0052】
ある実施形態では、ダンパエレメントは、提供される任意の摩擦式振動減衰が遠心力の完全な衝撃よりも少ない下で起こるように、バネ懸架軸受部材しか備えていなくてもよい。他の実施形態では、ダンパエレメントは、遠心力の完全な影響なしに第1の摩擦式振動減衰境界を提供するバネ懸架軸受部材と、回転ブレードの遠心力の全てを経験する第2の摩擦式振動減衰境界を提供する他の二次機構とを含んでいてもよい。この後者の実施形態では、遠心力が摩擦式振動減衰を継続する1以上の二次機構の能力を超える場合、バネ懸架軸受部材は、依然として第1の摩擦式振動減衰境界を提供する。
【0053】
ダンパエレメントは、全体的なサイズ、バネ定数、軸受部材、バネ質量などの特性をカスタマイズして、回転ブレードの所定の回転速度で存在する所定の遠心力の下で機能させることができる。所定の回転速度、つまり遠心力は、ユーザーが定義することができる。1つの非限定的な例では、所定の回転速度は、タービンの全負荷時における回転ブレードの回転速度の75%であり得る。このようにして、振動減衰は、回転ブレードの加速時(例えばタービン始動過程の初期)及び回転ブレードの減速時(例えばタービン停止過程)に起こり得る。第1の摩擦式振動減衰境界の摩擦係合面によって観測される遠心力は、タービンの全負荷で100%の回転速度でも、完全な遠心力よりも低いままである。したがって、この振動減衰は、遠心力によって他の振動減衰境界が機能しなくなるために機能しなくなっているにもかかわらず発生する可能性がある。振動減衰システムは、簡単な配置でブレードの振動を低減し、ブレードに余分な質量を与えない。したがって、振動減衰システム及びダンパエレメントは、ブレード先端への全体的な遠心力を増加させることもなければ、ブレード構成の変更を必要とすることもない。
【0054】
図面を参照すると、図1は本開示の教示内容を適用できる1以上のタービンを含む例示的な機械の断面図である。図1には、燃焼タービン又はガスタービン(GT)システム100(以下、「GTシステム100」)の形態のターボ機械90が示してある。GTシステム100は、圧縮機102及び燃焼器104を含む。燃焼器104は、燃焼領域105及び燃料ノズルセクション106を有する。GTシステム100は、タービン108(すなわち、膨張タービン又はタービンセクション)及び共通の圧縮機/タービンシャフト110(以下「ロータ110」という)を含む。
【0055】
GTシステム100は、例えば、General Electric社(米国サウスカロライナ州グリーンビル)から市販の7HA.03エンジンであってもよい。本開示は、いかなるGTシステムに限定されるものではなく、例えば、General Electric社の他のHA、F、B、LM、GT、TM及びEクラスエンジンモデル並びに他社のエンジンモデルを始めとする、他のエンジンに関しても実施し得る。さらに重要な点として、本開示の教示内容は、必ずしもGTシステムのタービンにしか適用できないものではなく、実質的にあらゆるタイプの産業機械又は他のタービン、例えば、蒸気タービン、ジェットエンジン、圧縮機(図1のように)、ターボファン、ターボチャージャーなどにも適用し得る。したがって、GTシステム100のタービン108に対する言及は、単に説明を目的としたものにすぎず、限定的なものではない。
【0056】
図2はタービン108の例示的な部分の断面図を示す。図に示す例では、タービン108は、図1のGTシステム100で使用し得る4つの段落L0~L3を含む。4つの段落は、L0、L1、L2及びL3と記載されている。段落L0は第1段であり、4つの段落の中で最小(半径方向に)である。段落L1は第2段であり、軸方向に第1段L0に隣接して配置される。段落L2は第3段であり、軸方向に第2段L1に隣接して配置される。段落L3は最後の第4段であり、最大(半径方向に)である。なお、4つの段落は一例にすぎず、各タービンは5段以上であっても4段未満であってもよい。
【0057】
複数の静止タービンベーン又はノズル112(以下「ノズル112」)は、複数の回転タービンブレード114(以下「ブレード114」)と協働でタービン108の各段落L0~L3を形成し、タービン108を通る作動流体経路の一部を画成する。各段のブレード114は、ロータ110(図1)と(例えばブレードを周方向にロータ110(図1)と結合する各ロータホイール116によって)結合している。換言すると、複数のブレード114は、(例えばロータホイール116によって)ロータ110に周方向に離間して機械的に結合される。静止ノズルセクション115は、ケーシング118に取り付けられた複数のノズル112であって、ロータ110(図1)の周りで周方向に離間した複数のノズル112を含む。なお、ブレード114はロータ110(図1)と共に回転して遠心力を受けるのに対して、ノズル112は静止部品である。
【0058】
図1及び図2を参照すると、運転中、空気が圧縮機102を流れ、加圧空気が燃焼器104に供給される。具体的には、燃焼器104に内蔵された燃料ノズルセクション106に加圧空気が供給される。燃料ノズルセクション106は燃焼領域105と流体連通している。燃料ノズルセクション106は燃料源(図1には図示せず)とも流体連通しており、燃料及び空気を燃焼領域105に導く。燃焼器104は、燃料を着火及び燃焼させて燃焼ガスを発生させる。燃焼器104はタービン108と流体連通しており、そこで燃焼ガス流からの熱エネルギーは、燃焼した燃料(例えば作動流体)を作動流体経路に導いてブレード114を回転させることによって、機械的回転エネルギーへと変換される。タービン108は、ロータ110に回転可能に結合し、ロータ110を駆動する。圧縮機102は、ロータ110と回転可能に結合し得る。ロータ110の少なくとも一方の端部は、圧縮機102又はタービン108から軸方向に延在していてもよく、発電機、負荷圧縮機及び/又は別のタービンのような負荷又は機械(図示せず)に取り付けられていてもよい。
【0059】
図3は、本開示の振動減衰システム120の実施形態を用いることができるタイプの(回転)ブレード114の斜視図を示す。以降で説明する通り、図4及び図5は、本開示の様々な実施形態に係る振動減衰システム120を含むブレード114の概略断面図を示す。
【0060】
図3を参照すると、各ブレード114は、基端部130、先端部132及び基端部130と先端部132の間に延在する翼形部134を有する本体128を含む。図3に示すように、ブレード114は基端部130にダブテール140を含んでおり、ダブテール140によってブレード114はロータ110(図1)のロータホイール116(図2)に取り付けられる。ブレード114の基端部130は、ダブテール140とプラットフォーム146の間に延在するシャンク142をさらに含んでいてもよい。プラットフォーム146は翼形部134とシャンク142のつなぎめに配置され、タービン108を通る作動流体経路(図2)の中心軸近位側境界の一部を画成する。
【0061】
明らかであろうが、ブレード114における翼形部134は、作動流体の流れを受け止めてロータ110(図1)を回転させるブレード114の能動部品である。ブレード114の翼形部134は、凹面状の正圧側(PS)外側壁150と、周方向又は横方向に反対側の凸面状の負圧側(SS)外側壁152を含んでおり、軸方向に対向する前縁154と後縁156の間に延在する。側壁150及び152は、また、基端部130(すなわちブレード114ではプラットフォーム146)から先端部132(すなわちブレード114では先端158)まで半径方向に延在する。図に示す例では、ブレード114は先端シュラウドを含んでいないが、本開示の教示内容は、先端158に先端シュラウドを含むブレードにも等しく適用できる。図3に示すブレード114は例示にすぎず、本開示の教示内容は、多種多様なブレードに適用できる。
【0062】
タービンの運転中、ブレード114は、多数の異なる強制関数によって振動が励起されることがある。例えば、作動流体の温度、圧力及び/又は密度の変動は、ロータアセンブリ全体、特にブレード114の翼形部内及び/又は先端で振動を励起する可能性がある。タービン及び/又は圧縮機セクションの上流で周期的又は「脈動」的に排出されるガスも、不都合な振動を励起する可能性がある。本開示は、ブレード設計の大幅な変更を伴わずに、回転タービンブレード114の振動を低減することを目的とする。
【0063】
図4及び図5は、それぞれ、本開示の実施形態に係る振動減衰システム120を含むブレード114の概略断面図を示す。ブレード114の振動減衰システム120は、少なくとも本体128の先端部132と基端部130の間を通ってかつ翼形部134を通って延在する本体開口160を含むを含んでいてもよい。本体開口160は、基端部130と先端部132の間の距離の一部にしか延在していなくもよいし、或いは基端部130又は先端部132の1箇所以上を貫通していてもよい。本体開口160は、本体128の任意の構造の任意の部分に規定し得る。本体128は、内部隔壁(図示せず)を含むが、例えば、内部に冷却回路を画成するために、本体開口160は、本体128内の隔壁における内部キャビティとして画成し得る。本体開口160は、概して本体128において半径方向に延在している。しかし、本体128の半径方向の範囲に対する本体開口160のいくらかの角度及びおそらく湾曲が可能である。本体開口160は、内側面162を有する。
【0064】
図4に示すように、本体開口160は、ブレード114の基端部130を起点としてもよいし、或いは図5に示すように、ブレード114の先端部132を起点としてもよい。より詳細には、図4に示すように、本体開口160は、基端部130で開口し、先端部132を終端としてもよいし、或いは図5に示すように、先端部132で開口し、基端部130を終端としてもよい。開放端は、ブレード114における振動減衰システム120の組立てに役立ち、既存のブレードへのシステムのレトロフィットが可能になる。本体開口160は、図4に示すように基端部130を貫通して延在しており、本体開口160を閉じるための閉鎖部材164を設けてもよい。本体開口160が先端部132を貫通している場合、図5に示すように、本体開口160のための閉鎖部材166を設けてもよい。本体開口160を閉じることに加えて、閉鎖部材164,166は、本体開口160からの振動減衰システム120の取り外しも防止する。
【0065】
ブレード114の振動減衰システム120は、複数のダンパエレメント170(図6図12)、270(図13図18B)を含んでいてもよい。振動減衰システム120用のダンパエレメントは、タービン108における回転ブレード114における本体開口160内に位置する。ダンパエレメントは、本開示の実施形態に従って様々な形態をとることができる。一般に、ダンパエレメントは、本体開口内に軸方向位置が固定されたベース部材と、バネの第1の端部でベース部材に固定連結されたバネと、バネの第2の端部に結合した軸受部材とを有するバネ懸架軸受部材とを含む。所定の回転速度よりも高い速度での回転ブレードの回転に起因する遠心力の影響下で、弾性的に伸長した状態のバネにより、軸受部材は第1の軸受面に摩擦係合して振動を減衰させ、前述の第1の摩擦式振動減衰境界を作成する。さらに説明するように、第1の摩擦式振動減衰境界は、バネを使用して反作用力の低減を提供することにより、回転ブレードによって生じる遠心力からの衝撃を低減する。
【0066】
図6は、本開示の特定の実施形態に係るダンパエレメント170の斜視図を示し、図7は、ダンパエレメント170の斜視図を示す。図8Aは、ブレード114の本体開口160における第1の位置における3つのスタック式ダンパエレメント170の断面図を示し、図8Bは、第2の位置における3つのスタック式ダンパエレメント170の断面図を示す。任意の数のダンパエレメント170を、本開示の実施形態に係る振動減衰システム120に使用し得る。
【0067】
図6図7及び図8A図8Bに示すように、各ダンパエレメント170は、本体開口160(図8A図B)内で軸方向位置の固定されたベース部材172を含んでいてもよい。ベース部材172は、本体開口160の断面形状と一致又は境界を接するように構成された断面形状、例えば、円形又は他の形状を有し得る。さらに説明するように、ベース部材172は、半径方向に最も外側のダンパエレメント170Xのベース部材172を除いて、本体開口160の内面162に係合しない(単一のダンパエレメントとして、又はダンパエレメントのスタックの端部として)本体開口160の端面210に係合する。このようにして、ベース部材172は、ボディ開口部160の長さにわたって、遠心力の影響下で、1以上のベース部材の集団的相互作用によって、本体開口160内の位置に軸方向に固定される。ベース部材172は、隣接ダンパエレメント170のベース部材172の第2の端面176B(図6のみ)と嵌合するように構成された第1の端面176A(図6図7のみ)を有する長尺体173(図6)を含んでいてもよい。すなわち、ベース部材172は、ベース部材172をスタック配置で本体開口160に固定位置位置するように構成された相手端面176(図8A図B)を含んでいてもよい。また、嵌合端面176は、遠心力CF(図8B)の完全な影響下でそれらの間の振動を減衰させる摩擦式振動減衰境界を提供し、注目された第2の摩擦式振動減衰境界を作成する。図示の例では、嵌合端面176は、例えばドームのように、嵌合する湾曲した凹面及び凸面である。円錐形の凹面/凸面、正方形の凹面/凸面など、相対的な摩擦運動を可能にする他の形状も可能である。第2の摩擦ベース振動減衰は、スタック式ダンパエレメント170における合わせ面176の各組で発生し得る。
【0068】
上述の通り、ベース部材172は、ボディ開口部160の長さにわたるベース部材の集合的相互作用と、ボディ開口部160の端面210に係合する半径方向に外側のダンパエレメント170Xのベース部材によって、本体開口160内の位置に軸方向に固定される。図8Bに示すように、最も外側のダンパエレメント170Xのベース部材172は、本体開口160の端面210における合わせ面208と嵌合する相手端面176Aも有し得る。嵌合端面176A、208は、遠心力CF(図8B)の完全な影響下でそれらの間の振動を減衰させる第2の摩擦式振動減衰境界の最端の境界を提供し得る。図示の例では、嵌合端面176A、208は、例えばドームのような、嵌合する湾曲した凹面及び凸面でもある。本明細書に記したように、他の形状も可能である。また、合わせ面176、208は、スタック式ダンパエレメント170に沿った各境界において同一である必要はないことにも留意されたい。
【0069】
ダンパエレメント170は、バネ懸架軸受部材174(図6図7)も含む。図6図7図8A図Bにおいて、バネ懸架軸受部材174は、皿バネ180の中心194でベース部材172に固定連結された皿バネ180と、その外周で、すなわち中心194に対して皿バネ180の第1の側面198に連結された軸受部材186とを含む。軸受部材186は、振動を減衰させるために第1の軸受面190に摩擦係合することができる任意の要素を含んでいてもよい。説明するように、第1の軸受面190の位置は、特定のダンパエレメント170に応じて変化し得る。図6図7図8A図Bにおいて、皿バネ180は、例えば、ベルヴィルワッシャ、ベルヴィルバネ、カッピングドバネワッシャ、円錐ディスクバネ、円錐形バネワッシャなどとしても知られている、任意の形態の皿バネを含む。平面的な初期構成で示されている間、皿バネ180は、他の形状の中でも、任意の円錐台形の配置を有することもできる。皿バネ180は、所望のバネ作用又はバネ定数を提供することができる任意の形態を有することができる。
【0070】
皿バネ180は、ベース部材172に結合した中心194と、軸受部材186に結合した第1の側面198(図6)を有する外周196を有する。皿バネ180は、第1の側面198と対向する第2の側面200も含む。皿バネ180の中心194は、現在公知又は将来開発される任意の様式でベース部材172の長尺体173に固定連結し得る。例えば、中心194が開口部を含む場合、皿バネ180の中心194は、ベース部材172に溶接又はろう付けし得る。或いは皿バネ180及びベース部材172は、軸受部材186と共に、一体部品として積層造形してもよい。軸受部材186は、皿バネ180の第1の側面198に結合し、皿バネ180の第1の側面198から半径方向遠位に、すなわち、タービン軸に対して延在している。図6図7図8A図Bに示すある実施形態では、軸受部材186は、皿バネ180の第1の側面198からブレード114の基端部130に向かって半径方向内側に延在し得る。
【0071】
図9は、軸受部材186が皿バネ180の第1の側面198から半径方向遠位側に延在しているが、皿バネ180の第1の側面198から半径方向外側に、すなわちブレード114の先端部132(図4図5)に向かって延在しているバネ懸架軸受部材174の断面図を示す。(図9において、第1及び第2の側面198,200は、図6図8Bと比較して位置が切り替わっている。皿バネ180は、軸受部材186とは異なる厚さを有することができる。皿バネ180の厚さは、任意の所望のバネ作用又はバネ定数を提供するために、その半径方向の範囲にわたって変化し得る。
【0072】
ある実施形態では、ダンパエレメント170は、本体開口160において一緒にスタックされる。任意の数のダンパエレメント170は、本体開口160にスタックし得る。図8A図Bは、本体開口160にスタックされた3つのダンパエレメント170を示す。図8Aは、ブレード114が回転していない位置にあるダンパエレメント170、又はダンパエレメント170が作動する所定の回転速度よりも低い速度ω(ω)で交互に回転している位置にあるダンパエレメント170を示している。この第1の位置では、皿バネ180は完全には伸長していない状態にあり、第1の軸受面190(皿バネ180の第2の側面200の形態)と軸受部材186の端面204との間に隙間Gが存在する。皿バネ180の「完全には伸長していない状態」は、皿バネ180が伸長していない弛緩状態(回転ブレード114が回転していないときに起こるように)又は皿バネ180が部分的に伸長している部分伸長状態(回転ブレード114が、皿バネ180を部分的に伸ばすが、軸受部材186を有するには十分ではない遠心力CFを生じさせるのに十分な回転速度を有する場合に生じる)であってもよい第1の軸受面190)に摩擦係合する)。
【0073】
対照的に、図8Bは、皿バネ180が、所定の回転速度を超えて回転する回転ブレード114に起因する遠心力CFの影響下で弾性的に伸長した状態の第2の位置にあるダンパエレメント170を示している。この位置では、皿バネ180が、その外周196において弾性的に伸長し(先端部132(図4図5)に向かって半径方向外側に)伸長し、隙間G(図8A)を消滅させ、軸受部材186を第1の軸受面190に摩擦係合させて振動を減衰させる。図に示す通り、半径方向に最も外側のダンパエレメント170X以外のスタック式ダンパエレメント170の場合、第1の軸受面190は、隣接ダンパエレメントの皿バネ180の第2の側面200であってもよい。すなわち、第1の軸受面190は、第1の側面198とは反対側の皿バネ180の第2の側面200を含む。軸受部材186の端面204は、隣接ダンパエレメント170の第2の側面200の第2の側面200に摩擦係合して振動を減衰させる。半径方向に最も外側のダンパエレメント170Xの場合、その皿バネ180の第2の側面200は、本体開口160の端面210の一部である第1の軸受面190、すなわち、半径方向外側端面210に摩擦係合する。上記に鑑みて、第1の軸受面190は、皿バネ180の第2の側面200のうちの1つに位置し得ることが認識されるであろう。第1の側面198;及び/又は回転ブレード114における本体開口160の端面210。「弾性的に伸長した状態」とは、皿バネ180が、軸受部材186が第1の軸受面190に摩擦係合するのに十分なほどに伸長しているが、軸受部材186の走行距離が第1の軸受面190によって制限されているために、完全には伸長していない可能性があることを示す。
【0074】
ある実施形態では、ベース部材172、皿バネ180及び軸受部材186は、積層造形され、一体的に結合される。他の実施形態では、ベース部材172、皿バネ180及び軸受部材186は、所望の剛性特性を与える任意の材料(金属、セラミックなど)から別個に形成し得る。これらの部材は、現在公知又は将来開発される任意のプロセス、例えば、溶接、ろう付け、締結具などを使用して、互いに固定連結することができる。
【0075】
皿バネ180のバネ定数と軸受部材186と皿バネ180の集合質量は、所定の回転速度よりも高い回転速度での回転ブレード114の回転に起因する遠心力CFに応答して、第1の軸受面190との係合から外れた位置(図8A)から第1の軸受面190(図8B)との摩擦係合に皿バネ180を移動できるように構成されている。図10は、ダンパエレメント170の動作に関与する力を示す概略図を示す。所与の回転ブレード114に対する回転速度ωは、回転ブレード114に特定の遠心力CF、すなわち重力等価(g力)を生じさせる。さらに具体的には、遠心力CFは、ダンパ質量md×半径(タービン軸に対するダンパエレメント170質量の一般的な位置)×回転速度ωの2乗、すなわちCF=mdrω2に等しい。ダンパエレメント170はまた、本体開口160の端面210に、遠心力CFに等しい反力R、すなわちR=CFを付与する。回転ブレード114が回転速度ωで回転すると、横方向の振動力VFも生じる。振動力VFは、ダンパ質量mdに単調波振動、正弦関数を乗じたものに等しいものとして単純化できるx(t)、つまりVF=mdx(t)ダンパエレメント170の部品の振動減衰に抵抗する摩擦力FFは、関連する摩擦係合する面(例えば190又は198,210)の摩擦係数μに反力Rを乗じたものに等しい、すなわち、FF=μR又はFF=μCFである。ダンパエレメント170が、その表面、例えば、第1の軸受面190と軸受部材186との間に摩擦振動減衰を生じさせる場合、振動を減衰させるために表面を前後にスライドさせる必要がある。これが発生するには、振動力VFが摩擦力FF、つまりVF>FFよりも大きくなければならない。したがって、振動力VFは、遠心力CFと表面の摩擦係数μの積、つまりVF>μCFよりも大きくなければならない。
【0076】
ダンパエレメント170における皿バネ180は、本開示の実施形態によれば、遠心力CF(及び反力R)を建設的に減少させる反力Kxを付与して、振動減衰を開始するのに必要な振動力VFの量を減少させる。すなわち、皿バネ180は、制振面(例えば第1の軸受面190と軸受部材186)間の力を低減して、制振を開始するのに必要な振動力VFの量を低減する。ダンパエレメント170は、他の要因の中でも、異なる遠心力CF、半径位置、振動周波数及び回転速度で動作するようにカスタムサイズとすることができる。
【0077】
図8A図Bにおいて、ダンパエレメント170は、例えば、ベース部材172の嵌合面176によって、一緒にスタックされる別体として図示される。図11A~Bに示される他の実施形態では、ベース部材172は、(複数の長尺体173ではなく)一体型の長尺体214を有する一体型のベース部材であってもよい。皿バネ180は、長尺体214に固定連結されている。この場合、複数のダンパエレメント170、すなわちベース部材172は、互いに一体化されている。図11A~Bは、軸受部材186がそれぞれの皿バネ180に対して半径方向内側に延在する図6の実施形態を示すが、図11A~Bの実施形態は、軸受部材186がそれぞれの皿バネ180に対して半径方向外側に延在する図9の教示に等しく適用可能である。
【0078】
図6図7図8A図8B図9及び図11A図11Bにおいて、皿バネ180は、例えば、溶接によって、又は一体積層造形によって、ベース部材172又はベース部材272に固定連結される。図12は、皿バネ180がベース部材172,214に固定連結することができるが、必ずしもそうであるとは限らない別の実施形態の断面図を示す。図12において、ベース部材172は、位置決めカラー216をさらに含んでおり、これは、その長尺体173と同心に配置し得る。この例では、一体型の長尺体214を有する単一のベース部材172が図示されている。位置決めカラー216は、このように、皿バネ180がベース部材172に固定連結されることなく、ベース部材172に対して各皿バネ180を軸方向に位置決めすることができる。位置決めカラー216は、ベース部材172上に摺動する管状部材とすることができ、又はベース部材172と一体化することができる。いずれにせよ、位置決めカラー216の端部218は、皿バネ180の位置決定の中心194に隣接する皿バネ180の第2の側面200に当接し、皿バネ180が弾性的に伸長できる表面を提供することができる。
【0079】
図13図17Bは、本開示の他の実施形態に係る異なるバネ懸架軸受部材274を含む振動減衰システム220を示す。図13及び図14は、それぞれ、本開示の実施形態に係る振動減衰システム220を含むブレード114の概略断面図を示す。ブレード114のための振動減衰システム220は、前述の通り、本体128を貫通して延在する本体開口160を含んでいてもよい。図13に示すように、本体開口160は、ブレード114の基端部130を起点としてもよいし、或いは図14に示すように、ブレード114の先端部132を起点としてもよい。本体開口160が基端部130を貫通して延在するところには、図13に示すように、本体開口160を閉じるための閉鎖部材164を設けてもよい。本体開口160が先端部132を貫通して延在するところに、図14に示すように、本体開口160のための閉鎖部材166を設けてもよい。本体開口160を閉じることに加えて、閉鎖部材164,166は、本体開口160からの振動減衰システム120の取り外しも防止する。
【0080】
ブレード114用の振動減衰システム220は、複数のダンパエレメント270を含んでいてもよい。振動減衰システム220用のダンパエレメント270は、タービン90(図1)における回転ブレード114における本体開口160内に位置する。図15は側面図を示し、図16は、本開示の実施形態に係るダンパエレメント270の斜視図を示す。図17Aは、ブレード114の本体開口160における第1の位置における2つのスタック式ダンパエレメント270の側面図を示し、図17Bは、開示の実施形態に係る第2の位置における2つのスタック式ダンパエレメント170の側面図を示す。図15及び図16に示すように、各ダンパエレメント270は、本体開口160(図17A~B)内に軸方向位置の固定されたベース部材272を含んでいてもよい。ベース部材272は、本体開口160のそれと一致するように構成された断面形状、例えば、円形又は他の形状を有し得る。ベース部材272は、本体開口160に係合しない。ベース部材272は、第1の側面294及び第2の側面296を含んでいてもよい。
【0081】
ダンパエレメント270は、バネ懸架軸受部材274も含む。図15図16図17A図17Bにおいて、バネ懸架軸受部材274は、バネ280の第1の端部282でベース部材272に固定連結されたバネ280と、バネ280の第2の端部288に連結された軸受部材286とを含む。軸受部材286は、振動を減衰させるために第1の軸受面290に摩擦係合し得る任意の要素を含んでいてもよい。図示の例では、軸受部材286は、表面292を有する円形板を含む。説明するように、軸受部材286が摩擦係合する第1の軸受面290は、スタック内の特定のダンパエレメント270の位置に応じて変化し得る。
【0082】
図15図16図17A図17B及び図18A図18Bにおいて、バネ280は、ベース部材272の第1の側面294から軸受部材286まで延在する複数の部分的に螺旋状コイル300を含む。各部分的螺旋状コイル300は、ベース部材272の中心軸CAに対する第1の周方向位置でベース部材272の第1の側面294に結合した第1の端部302と、第1の周方向位置とは異なるベース部材272の中心軸CAに対する第2の周方向位置で軸受部材286に結合した第2の端部304とを含む。このようにして、各コイル300は、それらが螺旋状に延在するという点で部分的に螺旋状のコイルを提供するが、ベース部材286の中心軸CAの周囲360°の部分のみを提供する。各部分的螺旋状コイル300の第1の端部302は、ベース部材272の第1の側面294に垂直な角度で結合してもよく、各部分的螺旋状コイル300の第2の端部304は、垂直な角度で軸受部材286に結合してもよい。他の角度も可能である。任意の断面形状及び/又は寸法を有する任意の数の螺旋状コイル300を使用して、バネ280の所望のバネ定数を作成することができる。バネ280は、軸受部材286が回転ブレード114における本体開口160内のタービン軸に対して半径方向に移動して、回転ブレード114上の遠心力CF(図17B図18B)を打ち消すことを可能にする。特定の部分螺旋バネ280が本明細書に開示されているが、他の形態の螺旋バネも提供し得ることが理解される。
【0083】
ダンパエレメント270はまた、第1の端部312及び第2の端部314を有する位置決め部材310を含んでいてもよい。位置決め部材310は、ダンパエレメント270をスタック160に対して相対的に及びスタック開口部160に対して相対的に位置決めする。位置決め部材310はまた、例えば、各ダンパエレメント270の互いに対する順次位置決め及びスタック全体のボディ開口部160の端面316(図17A図18B)に対するダンパエレメント270の位置を固定する。(なお、図17A~B及び図18A~Bは、回転ブレード114の基端部130に閉鎖部材164(図示せず)を有する図13の実施形態に基づく先端部132における端面316を示す。図14のように、閉鎖部材166は、回転ブレード114の先端部132に使用され、本体開口160の端面316の少なくとも一部は、閉塞部166によって設けられてもよい。位置決め部材310は、位置決め部材310の第1の端部312においてベース部材272の第1の側面294に結合されかつそこから延在している。位置決め部材310は、バネ280に隣接して延在している。より詳細には、位置決め部材310は、バネ280の内部に延在して囲まれていてもよい。
【0084】
図17A~Bに示すように、半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xを除くすべてについて、軸受部材286が摩擦係合する第1の軸受面290は、ベース部材272の第2の側面296であってもよい。この第1の摩擦式振動減衰境界は、バネ280の相反力Kx(図10)によって減少する回転ブレード114の遠心力CFの部分的/減少した影響下で生じる。加えて、半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xを除く全てについて、位置決め部材310の第2の端部314は、振動を減衰させるためにベース部材272の第2の側面296上の第2の軸受面320と摩擦係合するように構成されている。この第2の摩擦式振動減衰境界は、回転ブレード114の完全な遠心力CFの下で生じ、スタックされた1以上の位置決め部材310を介して伝達される。第2の軸受面320は、位置決め部材310の第2の端部314と嵌合するように構成されたベース部材272の第2の側面296上の任意の面とすることができる。図示の例では、第2の軸受面320は、位置決め部材310の第2の端部314の凸面と嵌合するように構成された凹面、例えば、嵌合ドーム状の形状を含む。先の実施形態に関連して述べたように、他の合わせ面形状も可能である。
【0085】
半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xの場合、第1の軸受面290は、軸受部材286が摩擦係合する本体開口160の端面316の任意の部分、すなわち軸受部材286の表面292であってもよい。同様に、半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xの場合、位置決め部材310の第2の端部314が摩擦係合する第2の軸受面320は、例えば、半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xの位置決め部材310の第2の端部314と嵌合する凹面を有する本体開口160の端面316の一部であってもよい。先の実施形態に関連して述べたように、他の合わせ面形状も可能である。
【0086】
図17A及び図18Aに示すように、位置決め部材310は、本体開口160内の各1以上のベース部材の軸方向位置を固定するように構成された長さを有する。バネ280は(位置決め部材310と連動して)回転ブレード114の回転速度によって決定される2つの位置のうちの1つに軸受部材286を位置決めする。第1の位置で、バネ280は、回転ブレード114が所定の回転速度よりも低い速度で回転し、バネ280が完全には伸長していない状態で、第1の軸受面290から距離(すなわち、ギャップG)で軸受部材286を位置決めする。バネ280の「完全には伸長していない状態」は、バネ280が伸長していない弛緩状態(回転ブレード114が回転していないときに起こるように)又はバネ280が部分的に伸長している部分伸長状態(回転ブレード114が、バネ280を部分的に伸長させるが、軸受部材286を第1の軸受に摩擦係合させるには十分ではない遠心力CFを生じさせるのに十分な回転速度を有する場合に生じる)であってもよい表面290)。
【0087】
この位置では、軸受部材286(その表面292)は、回転ブレード114が回転していないとき、又は軸受部材286を第1の軸受面290との摩擦係合に導くのに十分な遠心力CFを発生させるのに十分な所定の回転速度よりも高い回転速度で回転していないときに、第1の軸受面290に係合しない。この状況において、バネ280は、軸受部材286と第1の軸受面290との間に、すなわち、隣接するベース部材272の第2の側面296上、又は本体開口160の端面316上に隙間Gが存在するような、完全には伸長していない状態にある。しかし、この状況においても、位置決め部材310の第2の端部314は、振動を減衰させるために、ベース部材272の第2の側面296又は本体開口160の内面162上の第2の軸受面320と摩擦係合するように構成されている。
【0088】
対照的に、第2の位置(図17B及び図18Bに示すように)では、バネ280は、軸受部材286が第1の軸受面290に摩擦係合して、所定の回転速度よりも高い回転速度で回転する回転ブレード114と弾性的に伸長した状態でバネ280と振動を減衰させる位置にある。この状況では、一旦回転ブレード114が所定の回転速度よりも高い回転速度を有すると、ベース部材286を第1の軸受面290との摩擦係合に強制するのに十分な遠心力CFが生じて振動を減衰させる。図10に関連して説明したように、バネ280は、軸受部材286と第1の軸受面290との間の境界による摩擦係合及び振動減衰を達成するために必要な回転速度及び関連する遠心力CFの量を低減する。「弾性的に伸長した状態」は、バネ280が軸受部材286を第1の軸受面290と摩擦係合させるのに十分なほどに伸長したことを示すが、軸受部材286の走行距離が第1の軸受面290によって制限されるために完全に延長されない場合がある。また、この状況においても、位置決め部材310の第2の端部314は、振動を減衰させるために、ベース部材272の第2の側面296又は本体開口160の端面316上の第2の軸受面320と摩擦係合するように構成されている。しかし、遠心力CFが、この第2の摩擦式制振境界の動作を阻止するのに十分である場合、すなわち、摩擦運動が防止されるほどの力を加えることによって、軸受部材286と第1の軸受面290との間の第1の摩擦式制振境界は作動し続ける。
【0089】
ダンパエレメント270は、本体開口160において一緒にスタックされている。図17A~B及び図18A~Bは、本体開口160内にスタックされた2つのダンパエレメント270を示す。任意の数のダンパエレメント270は、本体開口160内にスタックし得る。図17A及び図18Aは、ブレード114が回転していないか、又はダンパエレメント270が作動する所定の回転速度ωよりも低い回転速度ωで回転している(第1の)位置にあるダンパエレメント270を示す。この位置では、バネ280(螺旋状コイル300)は完全には伸長していない状態にあり、軸受部材286と第1の軸受面290(例えばベース部材272の第2の側面296又は本体開口160の端面316)との間に隙間Gが存在する。
【0090】
対照的に、図17B及び図18Bは、バネ280(螺旋状コイル300)が、所定の回転速度よりも高い回転速度での回転ブレード114の回転に起因する遠心力CFの影響下で弾性的に伸長した状態にある(第2の)位置にあるダンパエレメント270を示している。この位置では、バネ280が半径方向外側に伸長し、隙間Gを消滅させ、軸受部材286をそれぞれの第1の軸受面290に摩擦係合させて振動を減衰させる。図に示す通り、半径方向に最も外側のダンパエレメント270X以外のスタック式ダンパエレメント270の場合、第1の軸受面290は、隣接ダンパエレメントのベース部材272の第2の側面296であってもよい。すなわち、第1の軸受面290は、第1の側面294と対向するベース部材272の第2の側面296を含む。軸受部材286の表面292は、隣接ダンパエレメント270のベース部材272の第2の側面296に摩擦係合して振動を減衰させる。半径方向に最も外側のダンパエレメント270Xの場合、軸受部材286の表面292は、本体開口160の端面316の一部である第1の軸受面290に摩擦係合する。ダンパエレメント270Xの半径方向に最も外側の位置決め部材310は、振動を減衰させるために、その第2の端部314が本体開口160の端面316に嵌合する第2の軸受面320と嵌合することもできる。
【0091】
バネ280(螺旋コイル300)のバネ定数と、軸受部材286とバネ280の集合質量は、所定の回転速度よりも高い回転速度での回転ブレード114の回転に起因する遠心力CFに応答して、第1の軸受面290との係合から外れた位置(図17A図18A)から、第1の軸受面290(図17B図18B)との摩擦係合にバネ280を移動できるように構成されている。図10に関して上述した通り、所与の回転ブレード114に対する回転速度ωは、回転ブレード114に特定の遠心力CF、すなわち重力等価(g力)を生じさせる。回転ブレード114が回転速度ωで回転すると、横方向の振動力VFも生じる。ダンパエレメント270の部分の振動減衰に抵抗する摩擦力FFは、関連する摩擦係合する面(例えば190及び296又は316)の摩擦係数μに反力Rを乗じたものに等しい、すなわち、FF=μR又はFF=μCFである。ダンパエレメント270が、その表面、例えば、第1の軸受面290と軸受部材286との間に摩擦振動減衰が生じるようにする場合、振動を減衰させるために表面を前後にスライドさせる必要がある。これが発生するには、振動力VFが摩擦力FF、つまりVF>FFよりも大きくなければならない。したがって、振動力VFは、遠心力CFと表面の摩擦係数μの積、つまりVF>μCFよりも大きくなければならない。
【0092】
ダンパエレメント270におけるバネ280は、本開示の実施形態によれば、振動減衰を開始するのに必要な振動力VFの量を減少させるために、遠心力CF(及び反力R)を建設的に減少させる反力Kxを生じさせる。すなわち、バネ280は、振動減衰面(例えば第1の軸受面290と軸受部材286)との間の力を低減して、振動減衰を開始するのに必要な振動力VFの量を減少させる。ダンパエレメント270は、他の要因の中でも、異なる遠心力CF、半径位置、振動周波数及び回転速度で動作するようにカスタムサイズとすることができる。
【0093】
ある実施形態では、ベース部材272、バネ280及び軸受部材286(及び位置決め部材310)は、積層造形され、一体的に結合される。他の実施形態では、ベース部材272、バネ280及び軸受部材286は、現在公知又は将来開発される任意のプロセス、例えば、溶接、ろう付け、締結具などを使用して、別個に形成され、固定的に互いに結合してもよい。
【0094】
任意の数のダンパエレメント170,270は、他の要因の中でも、ブレード114の長さ、所望の振動減衰及び/又は利用可能なスペースに応じて、振動減衰システム120に使用し得る。説明したように、スタック内のダンパエレメント170X,270Xの最も端部の1つは、例えば、図11B図17B及び図18Bを参照の、本体開口160の端面210、316に当接し得る。或いは図5及び図14に示すように、端面210、316の一部は、閉鎖部材166によって設けられてもよい。
【0095】
上述の2つの形態の振動減衰に加えて、振動減衰は、ダンパエレメント170,270の部品の外形寸法と、ブレード114における本体開口160の内面162の内寸との摩擦係合によっても起こり得る。例えば、図11A図11Bにおいて、軸受部材186及び/又は皿バネ180の外面は、振動を減衰させるために、本体開口160の内面162に摩擦係合し得る。別の例では、図17A~Bにおいて、軸受部材286、バネ280及び/又はベース部材272の外面は、振動を減衰させるために本体開口160の内面162に摩擦係合し得る。
【0096】
本明細書に記されているように、ダンパエレメント170,270は、現在公知の又は将来開発される任意の方法で製造することができる。例えば、ダンパエレメント170,270を鋳造することができ、部品は、例えば、部品同士の溶接又は別の方法で締結することによって組立ることができる。他の実施形態では、ダンパエレメント170,270は、積層造形で製造することができる。直接金属レーザー溶融(DMLM)など、使用される材料に適した任意の形態の積層造形を採用することができるが、これらに限定されない。
【0097】
本開示の実施形態は、様々な技術的及び商業的利点を提供し、その例は、本明細書において論じられる。振動減衰システム120は、単純な配置でブレード振動を低減し、ブレード114に多くの余分な質量を付加しない。振動減衰システム120は、ブレード114の先端部132への遠心力を増加させず、ブレード114の構成の変更も要求しない。1以上のダンパエレメント170,270を使用することができる。ダンパエレメント170,270は、ブレード114がブレード114の通常の回転速度の完全な遠心力を経験するときに振動を減衰させる第1の摩擦式振動減衰境界を含む。有利には、1以上のダンパエレメント170,270は、ブレード114が建設的に減少した遠心力(例えば回転速度の低下)を経験するときに、摩擦係合が振動を減衰させる第2の摩擦式振動減衰境界も提供し得る。この後者の振動減衰は、タービンの全負荷回転速度よりも低い回転速度で発生する可能性がある。例えば、振動減衰は、回転ブレードの加速時、例えば、タービン始動過程の初期及び回転ブレードの減速時、例えば、タービン停止過程中に起こり得る。この後者の振動減衰は、遠心力によって他の振動減衰境界が機能しなくなっているにもかかわらず、発生することがある。
【0098】
本明細書及び特許請求の範囲で用いる近似表現は、数量の修飾語であって、その数量が関係する基本的機能に変化をもたらさない許容範囲内で変動し得る数量を表すために適用される。したがって、「約」、「略」及び「実質的に」のような用語で修飾された値はその厳密な数値に限定されない。少なくとも幾つかの事例では、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。場合によっては、近似表現は、その値を測定する機器の精度に対応する。本明細書及び特許請求の範囲において、数値限定の範囲は互いに結合及び/又は交換可能である。かかる範囲は、前後関係等から別途明らかでない限り、その範囲に含まれるあらゆる部分範囲を特定しかつ包含する。範囲の特定の値に用いられる「約」は、上下限に適用され、その値を測定する機器の精度に依存する場合を除いて、記載された数値の±10%を示すことがある。
【0099】
以下の特許請求の範囲において機能的記載によって特定された構成要素の対応する構造、材料、行為及び均等物は、特許請求の範囲に具体的に記載された他の構成要素と組合せて機能を発揮するあらゆる構造、材料又は行為を包含する。本開示の記載は、例示及び説明を目的としたものであり、網羅的なものでもなければ、開示された形態に限定するものでもない。本開示の技術的範囲及び技術的思想から逸脱せずに、数多くの修正及び変形が当業者には明らかであろう。本開示の実施形態は、本開示の原理及び実用的用途の説明として最も適しかつ当業者が様々な実施形態に関する開示内容及び特定の用途に適した様々な修正について理解できるように、選択して記載したものである。
【符号の説明】
【0100】
108 タービン
114 回転ブレード
120 振動減衰システム
160 本体開口
170 ダンパーピン
172 ベース部材
174 バネ懸架軸受部材
180 バネ
186 軸受部材
220 振動減衰システム
270 ダンパーピン
272 ベース部材
274 バネ懸架軸受部材
280 バネ
286 軸受部材
310 位置決め部材
図1
図2
図3
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図5
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図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12
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図14
図15
図16
図17A
図17B
図18A
図18B
【外国語明細書】