IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001643
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】洗浄製品
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/04 20060101AFI20241225BHJP
   C11D 1/68 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 1/02 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 1/90 20060101ALI20241225BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
C11D17/04
C11D1/68
C11D1/88
C11D1/02
C11D1/75
C11D3/20
C11D1/90
C11D3/50
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024081668
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】23180233.1
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】23216137.2
(32)【優先日】2023-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-リュック・フィリップ・ベティオル
(72)【発明者】
【氏名】アリス・ミシェル・ブートワイユ
(72)【発明者】
【氏名】デニス・アルフレッド・ゴンザレス
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC05
4H003AC08
4H003AC15
4H003BA20
4H003DA17
4H003DB02
4H003EB04
4H003EB06
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB14
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA26
4H003FA28
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特により中性のpHで、スプレー洗剤の安定性及び機能性を損なうことなく結晶性脂肪を効果的に除去する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品を提供する。
【解決手段】アルキルポリグルコシド非イオン性界面活性剤を使用し、アニオン性界面活性剤をほとんど又は全く使用せずに、少なくとも2つのグリコールエーテル溶媒と組み合わせてスプレー洗浄組成物を処方することによって達成される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品であって、前記組成物は前記スプレーディスペンサーに収容されており、前記洗浄組成物が、
a.前記組成物の2重量%~20重量%の界面活性剤系であって、
i.アルキルポリグルコシド界面活性剤、
ii.両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤、及び
iii.前記洗浄組成物の3.0重量%未満のアニオン性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.グリコールエーテル溶媒であって、
i.式(I):RO(RO)(式中、Rは、直鎖若しくは分岐鎖C4、C5、若しくはC6アルキル又は置換若しくは無置換フェニルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、及び
ii.式(II):RO(RO)(式中、Rは、メチル又はエチルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒
を含む、グリコールエーテル溶媒と、を含み、
前記組成物が、全組成物の1.0重量%~15重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含み、前記組成物が、2.5未満:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒と式(II)の前記グリコールエーテル溶媒とを含む、洗浄製品。
【請求項2】
前記組成物が、その3重量%~15重量%、好ましくは3.5重量%~8.0重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項3】
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記アルキルポリグルコシドを含む、請求項1又は2に記載の洗浄製品。
【請求項4】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18、好ましくはC10~C16、より好ましくはC12~C14のアルキル鎖を含み、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項5】
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記補助界面活性剤を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項6】
前記補助界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤から選択される両性界面活性剤であり、好ましくは、前記アミンオキシド界面活性剤が、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項7】
前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤から選択される双性イオン性界面活性剤であり、好ましくは、前記ベタイン界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはコカミドプロピルベタインである、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項8】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、10:1超~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは2:1~1:2の重量比で存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項9】
式(I)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.Rが、直鎖又は分岐鎖C4、C5、好ましくは直鎖又は分岐鎖C4、より好ましくは直鎖ブチルであり、
b.Rが、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rが、水素である、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項10】
式(II)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.Rが、C1、好ましくはメチルであり、
b.Rが、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rが、水素である、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項11】
前記組成物が、全組成物の2.0重量%~10.0重量%、好ましくは4.5重量%~7.5重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項12】
前記組成物が、1:1~2.25:1、好ましくは1.25:1~2.0:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒及び式(II)の前記グリコールエーテル溶媒を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項13】
前記界面活性剤系及び前記有機溶媒が、3:1~1:3、好ましくは1.5:1~1:2、最も好ましくは1:1~1:1.5の重量比で存在する、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項14】
前記組成物のpHが、20℃で未希釈で測定した場合に6以上、好ましくは6~12、より好ましくは6.5~8.0である、請求項1~13のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【請求項15】
前記組成物が香料を含み、好ましくは前記香料が、精油、花抽出物、香料エステル、香料アルデヒド、香料ケトン、及びこれらの混合物から選択される香料成分を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の洗浄製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より安定でもあると同時に、結晶質脂の洗浄を改善する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。
【背景技術】
【0002】
食器洗浄用洗剤は、調理器具、皿、台所用品から脂、油、及び結晶性脂肪を除去するのを容易にするために長く使用されてきた。従来の食器洗浄用洗剤は、一般に液体形態で入手可能であり、広範囲にわたる食品残渣を除去するのに有効である。
【0003】
近年、迅速で効果的な洗浄溶液を提供する便利で効率的な食器洗浄製品に対する需要が増している。この需要に応えて、従来の食器洗浄方法に代わる便利で時間のかからない代替物として、食器洗浄用洗剤スプレーが人気を得ている。食器手洗い用洗剤スプレーは、典型的には、手動で作動させるスプレーノズルを備える容器に収容された液体洗剤組成物からなる。ノズルが作動すると、洗剤は微細なミスト又はスプレーとして分配され、汚れた食器表面を標的とする適用が可能になる。次いで、ユーザは、処理された表面をこすり洗いして、食品残渣をほぐし、除去することができる。しかしながら、利便性及び効率を向上させるためには、スプレー組成物は、こすり洗いをほとんど又は全く必要とせずに脂性の汚れを可溶化し、「浮き上がらせる(lifts off)」ことが望ましい。
【0004】
食器洗浄用洗剤スプレーは、利便性及び使いやすさを提供するが、結晶性脂肪を効果的に除去することになると、課題に直面する。牛肉、豚脂、及び他の動物性脂肪などの結晶性脂肪は、特に頑固であり除去が困難であり得る。結晶性脂肪は、その表面張力及び付着特性により通常の食器洗浄用洗剤に対して耐性になるので、不完全若しくは不満足な洗浄しかもたらさないか、又はより多くの手作業が必要になる。高濃度のアニオン性界面活性剤、例えばアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤を含む組成物は、液体脂汚れを除去するのに特に有効である。しかし、このようなアニオンリッチな組成物のスプレー飛沫(over-spray)は、鼻及び眼の刺激を引き起こす可能性が高い。アニオン性界面活性剤を限られた量しか又は全く含めずに、スプレー洗剤組成物を非イオン性リッチになるように処方すると、鼻道及び目に対する刺激が少ないスプレー飛沫が得られる。しかしながら、そのような組成物は、こすり洗いをほとんど又は全く行うことなく、結晶性脂肪を浮き上がらせる能力が著しく低い。
【0005】
この問題に対処するために、結晶性脂肪の除去を促進するために、食器洗浄洗剤スプレーに溶媒が配合されている。トリプロピレングリコールn-ブチルエーテルなどの疎水性溶媒は、脂肪分子を溶解及び分散させるのに特に有効であるので、こすり洗いをほとんど又は全く行わなくても脂肪分子をより容易に除去することができるようになる。
【0006】
このような溶媒は、結晶性脂肪を除去するのに特に有効であるが、洗剤組成物、特に低粘度で比較的低濃度の界面活性剤を有するハンドディッシュスプレー用途のための洗剤組成物に安定的に配合することは困難である。このような疎水性溶媒は、組成物の粘度、表面張力、及び洗剤製剤のエマルション安定性に影響を及ぼし、相分離、沈降、又は貯蔵寿命の減少を引き起こす場合がある。安定性の低い洗剤スプレー組成物は、性能の低下、スプレーパターンの不良、ノズルの目詰まり、又は貯蔵寿命の制限をもたらす場合があり、これは、このような製品の商業的実現可能性及び消費者の受け入れを制限する場合がある。疎水性溶媒は、共溶媒の使用によって可溶化することができる。しかしながら、このような共溶媒は、典型的には疎水性溶媒の有効性を低下させることが見出されている。
【0007】
アニオン性界面活性剤のレベルを制限しながら、非イオン性界面活性剤、特にアルキルポリグルコシドリッチになるようにスプレー洗剤組成物を処方することによって、非結晶性脂性及び油性残渣の除去を改善することができる。しかしながら、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテルなどの疎水性溶媒を安定的に処方することは、洗剤組成物がアニオン性界面活性剤を低濃度でしか又は全く含まない場合には、更により困難である。
【0008】
典型的には、脂除去効力を改善するために高pHが使用される。しかしながら、多くの香料成分は高pHでは化学的又は物理的安定性が低いので、高pHは典型的には香料の安定性にとって有害である。
【0009】
したがって、スプレー洗剤の安定性及び機能性を損なうことなく、特により中性のpHで結晶性脂肪を効果的に除去し、鼻道及び目に対する刺激がより少ないスプレー飛沫をもたらす、改善された食器洗浄洗剤スプレー組成物が必要とされている。
【0010】
欧州特許第4124651(A)号は、スプレーディスペンサーと、当該スプレーディスペンサー内に収容された洗浄組成物とを含む洗浄製品に関する。洗浄組成物は、組成物の約5重量%~約25重量%の界面活性剤系を含む。界面活性剤系は、アルキルポリグルコシド界面活性剤と、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、洗浄組成物の約3重量%未満のアニオン性界面活性剤と、を含む。アルキルポリグルコシド界面活性剤及び補助界面活性剤は、約10:1~約1:2の重量比で存在する。洗浄組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%の有機溶媒を更に含む。組成物のpHは、20℃にて無希釈で測定した場合、約8未満、より好ましくは約3~約7、最も好ましくは約4~約6である。国際公開第2021126643(A)号は、結晶質脂の洗浄を改善し、初期泡立ちが良好であり、したがって、食器を洗浄する時間が短縮される、スプレーディスペンサー及び当該ディスペンサーに収容された洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。洗浄組成物は、アルキルポリグルコシド界面活性剤と、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、有機溶媒とを含む。
【0011】
米国特許第5929007(A)号は、脂性汚れ沈着物上で硬化した、乾燥した、又は焼成されたものを洗浄するためのアルカリ性水性硬質表面洗浄組成物に関する。米国特許第5786319(A)号は、水中に安定的に分散している高濃度の界面活性剤系と組み合わせてグリコールエーテル溶媒系を含む、脂を除去するのに有効な濃縮洗剤製剤に関する。米国特許出願公開第20030069152(A1)号は、エネルギーを節約することができ、洗浄時間を短縮することができ、使用されている系を変更することなくかつ原料を損なうことなく、良好な洗浄及び脱脂の能力を示す洗浄及び脱脂剤に関する。米国特許第8299012(B2)号は、硬質表面処理組成物であって、以下の成分:洗浄性アニオン性界面活性剤と、洗浄性非イオン性界面活性剤と、アルキルグリコールエーテル溶媒と、フェニル含有グリコールエーテル溶媒と、有機酸、好ましくは、クエン酸、乳酸、及びこれらの混合物から選択される有機酸と、任意選択ではあるが好ましくは、ビニルピロリドン及びジメチルアミノエチルメタクリレートの四級化コポリマーをベースとする皮膜形成ポリマーと、任意選択で、組成物の審美的又は機能的特徴を改善し得る1つ以上の更なる成分と、水と、を含む(好ましくはから本質的になる、更により好ましくはからなる)組成物に関する。
【0012】
欧州特許第3118301(B1)号は、洗浄製品に関し、具体的には、食器洗浄をより容易かつ迅速になすためのスプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品に関する。特開2016198765号は、食卓用食器類の高起泡洗浄方法に関し、特に、手が届きにくい又は手が届かない食器の部分から油を除去するための、高起泡洗浄方法に関する。国際公開第2017204149(A1)号は、食卓用食器を含む硬質表面に付着した、固体脂肪を含有する油汚れに対する優れた洗浄性を示す洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、スプレーを介して硬質表面に適用され得る。国際公開第2017204148(A1)号は、機械的力を適用することなく食卓用食器を洗浄するための方法に関するものであり、この方法は、1質量%以上の界面活性剤、1質量%以上のキレート剤、及び水を含有する液体洗剤組成物を、固体脂肪汚れなどの油汚れを有する食卓用食器類に接触させることにより行われ、この界面活性剤とキレート剤の質量比は0.25以上であり、この液体洗剤組成物は25℃で0.70S/m以上の導電率を有する。特開2017210577(A)号は、優れた低温安定性を有し、分枝鎖アニオン界面活性剤、2~12個の炭素原子を有するグリコール溶媒、及び水を含有する液体洗剤組成物を、スポンジなどの可撓性材料で擦ることなく、また例えば、スプレーを介して適用することによって、機械的力を適用せずとも食卓用食器類の表面に付着した固体脂肪を含む油汚れを十分に洗浄することができる食卓用食器用液体洗剤組成物に関する。特開2017210576(A)号は、プラスチック硬質表面に付着した固体脂肪を含む油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器類を含む硬質表面用液体洗剤組成物と、その組成物を使用して硬質表面を洗浄するための方法に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、8個以上21個以下の炭素原子を有する炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基と、を含むアニオン性界面活性剤、特定の非イオン性界面活性剤、及び水を含む。国際公開第2017110773(A)号は、油汚れに対する優れた洗浄性を有する、食卓用食器類を含む食器手洗い用液体洗剤組成物に関し、この組成物は、スルホコハク酸エステル又はその塩、8~21個の炭素原子を有する炭化水素基と、硫酸エステル基又はスルホン酸基と、を有する更なるアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び水を含む。国際公開第2016110827(A1)号は、乳又は液体乳由来製品のための容器を洗浄するための、スプレーとして適用することができる洗剤溶液に関し、この洗剤溶液は、水、1種以上の界面活性剤、及び臭気吸着化合物を含み、界面活性剤は、乳由来の脂状の残留物を容器から溶解し、臭気吸着化合物は、界面活性剤によって除去されずに残存している乳由来の残留物から生じる臭気を中和する。国際公開第2017011191(A1)号は、スプレーディスペンサーと、スプレーディスペンサーに収容された洗浄組成物と、を含む洗浄製品に関し、この組成物は、組成物の5重量%~15重量%の界面活性剤系を含み、この界面活性剤組成物は、ii.界面活性剤系の40重量%~90重量%の非イオン性界面活性剤と、界面活性剤系の10~60重量%のアニオン性、両性、双性イオン性、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤と、グリコールエーテル溶媒と、を含む。米国特許出願公開第20070179079(A)号及び同第20060009369(A)号は、カチオン性殺生物剤を含み、様々な硬質表面を洗浄するように適合された洗浄組成物に関し、当該洗浄組成物は、含浸された材料を介して適用され得るか、又は容器から液体として、又は容器から液晶、粉末、ペースト、若しくは他の半固体若しくは固体形態として、分配又は噴霧され得る。米国特許出願公開第20190055500(A)号は、抗菌剤の濃度が低くても良好な抗菌効果を提供し、同時に表面光沢も改善する、抗菌性硬質表面洗浄組成物に関する。米国特許出願公開第20100160201(A)号は、疎水性合成(syndetic)、親水性合成(syndetic)、及びビグアニド又はカチオン性第四級アンモニウム塩を含有する、限られた数の天然成分を有する洗浄組成物に関し、当該洗浄組成物は、洗濯、軟質表面、及び硬質表面を洗浄するために使用され得る。米国特許出願公開第20180002636(A)号は、乳又は乳由来液体製品の容器を洗浄するための洗剤溶液に関し、当該洗剤溶液は、水と、1つ以上のタイプの界面活性剤と、臭気吸収化合物と、を含み、界面活性剤は、容器から乳系の脂っこい残留物を溶解するために提供される。欧州特許第3418357(A)号、同第3418358(A)号、及び同第3418356(A)号は、洗浄製品の噴霧時に接触することによるユーザの皮膚、目、鼻、喉、又はこれらの組み合わせの刺激及び/又は刺痛感を低減又は防止する組成物に関する。米国特許第6159924(A)号は、消毒、残渣沈着が少ない、及び洗浄特性が良好であることを同時に特徴とする水性洗浄組成物であって、消毒活性剤としての1つ以上の第四級アミン化合物、有機溶媒系、1つ以上のアミンオキシド、1つ以上の非イオン性アルキルポリグリコシド、水、及び任意選択でpH緩衝剤、染料、香料などを含む更なる従来の添加剤を含む、水性洗浄組成物に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許第4124651(A)号
【特許文献2】国際公開第2021126643(A)号
【特許文献3】米国特許第5929007(A)号
【特許文献4】米国特許第5786319(A)号
【特許文献5】米国特許出願公開第20030069152(A1)号
【特許文献6】米国特許第8299012(B2)号
【特許文献7】欧州特許第3118301(B1)号
【特許文献8】特開2016198765号
【特許文献9】国際公開第2017204149(A1)号
【特許文献10】国際公開第2017204148(A1)号
【特許文献11】特開2017210577(A)号
【特許文献12】特開2017210576(A)号
【特許文献13】国際公開第2017110773(A)号
【特許文献14】国際公開第2016110827(A1)号
【特許文献15】国際公開第2017011191(A1)号
【特許文献16】米国特許出願公開第20070179079(A)号
【特許文献17】米国特許出願公開第20060009369(A)号
【特許文献18】米国特許出願公開第20190055500(A)号
【特許文献19】米国特許出願公開第20100160201(A)号
【特許文献20】米国特許出願公開第20180002636(A)号
【特許文献21】欧州特許第3418357(A)号
【特許文献22】欧州特許第3418358(A)号
【特許文献23】欧州特許第3418356(A)号
【特許文献24】米国特許第6159924(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品であって、当該組成物はスプレーディスペンサーに収容されており、当該洗浄組成物が、当該組成物の2重量%~25重量%の界面活性剤系であって、アルキルポリグルコシド界面活性剤;両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤;並びに当該洗浄組成物の3重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む、界面活性剤系と、グリコールエーテル溶媒であって、式(I):RO(RO)(式中、Rは、直鎖若しくは分岐鎖のC4、C5、若しくはC6アルキル又は置換若しくは非置換のフェニルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、及び式(II):RO(RO)(式中、Rは、メチル又はエチルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、を含む、グリコールエーテル溶媒と、を含み、当該組成物が、全組成物の1.0重量%~15重量%の当該グリコールエーテル溶媒を含み、当該組成物が、2.5未満:1の重量比で式(I)のグリコールエーテル溶媒と式(II)のグリコールエーテル溶媒とを含む、洗浄製品に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
製剤の安定性を損なうことなく結晶質脂の洗浄を改善する、スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品の必要性は、本明細書に記載の通り、存在するアニオン性界面活性剤の量を制限しながら、アルキルポリグルコシド界面活性剤と両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤である補助界面活性剤とを含む界面活性剤系を、溶媒系と組み合わせて含む洗浄組成物を処方することによって満たされる。このような洗浄組成物は、結晶質脂の軟化をより良好に改善し、したがって、処理される食器物品からそれを除去するのを支援することが見出されている。更に、この洗剤組成物はスプレー容器に含まれているため、主洗浄工程前の前処理工程の一部として、結晶質脂を更に浮かすために、組成物を物品の表面に均一に適用し、一定時間放置することができる。
【0016】
本発明は、食器手洗い用洗浄製品である洗浄製品に関し、この製品は、スプレーディスペンサーと洗浄組成物とを含む。この洗浄組成物は、スプレーディスペンサーに収容されている。
【0017】
本発明の目的のために、「食器」は、調理するために用いられるか又は食品を給仕し、食すために用いられる物品を全て包含する。
【0018】
「スプレーディスペンサー」とは、本明細書では、組成物を収容するための筐体とその組成物を噴霧するための手段とを含む容器を意味する。好ましい噴霧手段は、トリガースプレーである。本発明で使用する組成物は、処理される表面上に噴霧されるときに泡立つ。
【0019】
洗浄組成物:
洗浄組成物は、好ましくは、食器手洗い用洗浄組成物であり、好ましくは液体形態である。この洗浄組成物は噴霧に好適である。
【0020】
組成物のpHは、20℃にて未希釈で測定した場合に6以上、より好ましくは6~12、最も好ましくは6.5~8.0であり得る。典型的には、液体脂の除去を改善するためには、より高いpHが望ましい。しかしながら、本組成物のより中性のpHは、特にこすり洗いが制限されているときに、結晶性脂の除去を改善することが見出された。更に、香料組成物は、典型的にはより高いpHでは安定性が低く、したがって、より中性のpHを使用して組成物を処方すると、香料の匂いを改善することができる。
【0021】
本発明による洗浄製品は、本明細書で定義される方法を使用して測定した場合、20℃で、例えば1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは1mPa・s~10mPa・sのニュートン粘度を有する組成物を含み得る。
【0022】
あるいは、本発明による洗浄製品は、ずり減粘レオロジープロファイルを有する組成物を含むことができ、例えば、20℃で1000s-1の剪断速度で測定したとき、1mPa・s~50mPa・s、好ましくは1mPa・s~20mPa・s、より好ましくは5mPa・s~15mPa・sの高剪断粘度を有することができ、更に、本明細書に定義される方法を使用して、20℃で0.1 s-1で測定したとき、100mPa・s~1,000mPa・s、好ましくは200mPa・s~500mPa・sの低剪断粘度を有する。
【0023】
好ましくは、本発明で使用する洗浄組成物は、あるニュートン粘度を有する。
【0024】
この液体洗浄組成物は典型的には、他の全ての活性成分が溶解又は最終的に分散される水性担体を含む。その際、水は、組成物の60重量%~90重量%、好ましくは75重量%~85重量%の量で存在し得る。
【0025】
液体洗浄組成物は、界面活性剤系及びグリコールエーテル溶媒系を含む。
【0026】
界面活性剤系及びグリコールエーテル溶媒は、好ましくは3:1~1:3、好ましくは1.5:1~1:2、最も好ましくは1:1~1:1.5の重量比で存在する。このような界面活性剤系のグリコールエーテル溶媒に対する重量比を有する、本発明において使用する組成物は、スプレー飛沫(空気中に分散したまま残存している残留噴霧液滴)を最小限に抑えつつ、食器被覆を改善することが見出されている。したがって、このようなスプレー組成物は、無駄を低減し、吸入され得る噴霧液滴の量を最小限にする。
【0027】
界面活性剤系:
組成物は、組成物の2重量%~20重量%、好ましくは3重量%~15重量%、より好ましくは3.5重量%~8.0重量%の界面活性剤系を含む。この界面活性剤系は、アルキルポリグルコシド界面活性剤を含む。この界面活性剤系は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは両性界面活性剤から選択され、より好ましくはアミンオキシド界面活性剤から選択される、補助界面活性剤を含む。アルキルポリグルコシド界面活性剤及び補助界面活性剤は、10:1~1:10超、好ましくは5:1~1:5、最も好ましくは2:1~1:2の重量比で存在し得る。
【0028】
アルキルポリグルコシド界面活性剤:
界面活性剤系は、好ましくは、組成物の0.5重量%~10重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度でアルキルポリグルコシド(「APG」)を含む。
【0029】
結晶質脂の除去の改善を目的として、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、最も好ましくは1.2~1.6の平均重合度で、8~18、好ましくは10~16、最も好ましくは12~14の数平均アルキル炭素鎖長を有し得る。
【0030】
初期泡立ちを改善するために、アルキルポリグルコシド界面活性剤は、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、最も好ましくは1.2~1.6の平均重合度で、8~18、好ましくは8~14、最も好ましくは8~10の数平均アルキル炭素鎖長を有し得る。
【0031】
C8~C18アルキルポリグルコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic CorporationからのSimusol(登録商標)界面活性剤;及びBASF CorporationからのGlucopon(登録商標)600CSUP、Glucopon(登録商標)650EC、Glucopon(登録商標)600CSUP/MB、並びにGlucopon(登録商標)650EC/MB)。
【0032】
補助界面活性剤:
この補助界面活性剤は、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。洗浄組成物は、組成物の0.5~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で補助界面活性剤を含み得る。
【0033】
両性界面活性剤:
前述したように、アミンオキシド界面活性剤は、補助界面活性剤としての使用に好ましい。アミンオキシド界面活性剤は、直鎖であっても分岐鎖であってもよいが、直鎖が好ましい。好適な直鎖状アミンオキシドは、典型的には、水溶性であり、式R1-N(R2)(R3)O(式中、R1は、C8~18アルキルであり、R2及びR3部分は、C1~3アルキル基、C1~3ヒドロキシアルキル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される)によって特徴付けられる。例えば、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、及び3-ヒドロキシプロピル、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができるが、R2及びR3の一方又は両方がメチルであることが好ましい。直鎖状アミンオキシド界面活性剤としては、特に、直鎖状C10~C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖状C8~C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。
【0034】
好ましくは、アミンオキシド界面活性剤は、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。C8~18アルキルジメチルアミンオキシド、又はC10~16アルキルジメチルアミンオキシド(ココジメチルアミンオキシドなど)などのアルキルジメチルアミンオキシドが好ましい。好適なアルキルジメチルアミンオキシドとしては、C10アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C10~12アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、C12~C14アルキルジメチルアミンオキシド界面活性剤、及びこれらの混合物が挙げられる。C12~C14アルキルジメチルアミンオキシドが特に好ましい。
【0035】
代替的な好適なアミンオキシド界面活性剤としては、中分岐鎖状アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。本明細書で使用する場合、「中分岐鎖状」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、アルキル部分における1つのアルキル分岐は、n2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分岐は、アルキル部分上の窒素からアルファ炭素上に位置する。アミンオキシドのこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても既知である。n1とn2との合計は、10~24個、好ましくは12~20個、より好ましくは10~16個の炭素原子であってもよい。1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、好ましくは、1つのアルキル分岐(n2)と炭素原子数が同じか又は類似しており、それによりその1つのアルキル部分とその1つのアルキル分岐とが対称となるようになっている。本明細書で使用する場合、「対称」とは、本明細書で使用される中分岐鎖状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%~100重量%において、|n1-n2|が5個以下、好ましくは4個、最も好ましくは0~4個の炭素原子であることを意味する。アミンオキシドは、C1~3アルキル、C1~3ヒドロキシアルキル基、又は平均で約1~約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分を更に含む。好ましくは、これらの2つの部分は、C1~3アルキルから選択され、より好ましくは、いずれもがC1アルキルとして選択される。
【0036】
代替的に、アミンオキシド界面活性剤は、ローカットアミンオキシド及びミッドカットアミンオキシドの混合物を含む、アミンオキシドの混合物であってもよい。それゆえ、本発明の組成物のアミンオキシドは、
a)アミンオキシドの約10重量%~約45重量%の、式R1R2R3AO(式中、R1及びR2は、独立して、水素、C1~C4アルキル、又はこれらの混合物から選択され、R3は、C10アルキル及びこれらの混合物から選択される)のローカットアミンオキシドと、
b)アミンオキシドの55重量%~90重量%の、式R4R5R6AO(式中、R4及びR5は、独立して、水素、C1~C4のアルキル、又はこれらの混合物から選択され、R6は、C12~C16のアルキル又はこれらの混合物から選択される)のミッドカットアミンオキシドと、を含むことができる。
【0037】
本明細書での使用に好ましいローカットアミンオキシドでは、R3はn-デシルであり、好ましくはR1及びR2の両方がメチルである。式R4R5R6AOのミッドカットアミンオキシドでは、好ましくはR4及びR5の両方がメチルである。
【0038】
好ましくは、アミンオキシドは、アミンオキシドの約5重量%未満、より好ましくは3重量%未満の、式R7R8R9AO(式中、R7及びR8は水素、C1~C4のアルキル及びこれらの混合物から選択され、R9はC8のアルキル及びこれらの混合物から選択される)のアミンオキシドを含む。式R7R8R9AOのアミンオキシドの量を制限することにより、物理的安定性及び起泡持続性の両方が改善される。
【0039】
双性イオン性界面活性剤:
本発明の組成物では、補助界面活性剤として双性イオン性界面活性剤を使用することにより、重合した又は「焼け付いた」脂の除去を改善することが見出されている。好適な双性イオン性界面活性剤としては、ベタイン界面活性剤が挙げられる。このようなベタイン界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミドアゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)、及びホスホベタインが挙げられ、かかる界面活性剤は好ましくは式(II)を満たす:
-[CO-X(CH-N(R)(R)-(CH-[CH(OH)-CH-Y
式(II)中、
R1は、飽和又は不飽和のC6~22アルキル残基、好ましくは、C8~18アルキル残基、より好ましくは、飽和C10~16アルキル残基、最も好ましくは、飽和C12~14アルキル残基からなる群から選択され、
Xは、NH、NR4(式中、R4は、C1~4アルキル残基である)、O、及びSからなる群から選択され、
nは、1~10、好ましくは2~5、より好ましくは3の整数であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2及びR3は、独立して、C1~4アルキル残基、ヒドロキシエチルなどの置換されているヒドロキシ、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、R2及びR3の両方がメチルであり、
mは、1~4、好ましくは1、2、又は3の整数であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O、又はP(O)(OR5)O(式中、R5は、H又はC1~4アルキル残基である)からなる群から選択される。
【0040】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり:
【0041】
【化1】
式中、R1は、式(II)と同じ意味を有する。特に好ましいのは、式(Ia)及び(Ib)のカルボベタイン[すなわち、式(II)中、Y-はCOO-である]であり、より好ましいのは、式(Ib)のアルキルアミドベタインである。
【0042】
好適なベタインは、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、セチルベタイン、セチルアミドプロピルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、デシルベタイン、デシルアミドプロピルベタイン、水素添加タローベタイン/アミドプロピルベタイン、イソステアルアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアドプロピルベタイン、オレイルベタイン、パームアミドプロピルベタイン、パルミトアミドプロピルベタイン、パーム核アミドプロピルベタイン、ステアルアミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、ウンデシルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択することができるか、又は[INCIに従って命名される]。好ましいベタインは、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。コカミドプロピルベタインが特に好ましい。
【0043】
アニオン性界面活性剤:
この洗剤組成物がアニオン性界面活性剤を含む場合、好適なアニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8~22個の炭素原子又は一般に8~18個の炭素原子を含有する有機疎水性基と、水溶性化合物を形成するよう好ましくはスルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから選択される少なくとも1つの水溶性基と、を含有する界面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水性基は、直鎖又は分岐鎖のC8~C22アルキル又はアシル基を含む。このような界面活性剤は、水溶性塩の形態で使用され、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びモノ-、ジ-又はトリ-アルカノールアンモニウムから選択され、通常選択されるカチオンはナトリウムである。
【0044】
アニオン性界面活性剤は、本発明で使用する組成物には好ましくないため、界面活性剤系は、洗剤組成物の3.0重量%未満、好ましくは2.0重量%未満、より好ましくは1.0重量%未満のアニオン性界面活性剤を含む。最も好ましくは、本発明による洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含まない。
【0045】
更なる非イオン性界面活性剤:
この界面活性剤系は、非イオン性界面活性剤を更に含み得る。存在する場合、界面活性剤系は、組成物の0.5重量%~12重量%、好ましくは1.0重量%~7.0重量%、より好ましくは2.0重量%~6.0重量%の、更なる非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0046】
好適な更なる非イオン性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、より好ましくはエトキシル化非イオン性界面活性剤が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1~25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。この脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。
【0047】
この更なる非イオン性界面活性剤は、好ましくは、ローカットアルキルエトキシレート界面活性剤である。ローカットアルコールエトキシレート界面活性剤としては、平均アルキル炭素鎖長がC10以下であるアルコールエトキシレート界面活性剤が挙げられる。より好ましくは、このアルキルエトキシレート界面活性剤は、C5~C8、好ましくはC5~C7の平均アルキル鎖長、及び1~10、好ましくは3~8、より好ましくは4~6の数平均エトキシル化度を有する。好適な非イオン性アルコールエトキシレート界面活性剤としては、Emulan(登録商標)HE50又はLutensol(登録商標)CS6250(BASFから入手可能)などの市販の材料が挙げられる。
【0048】
本明細書で使用するための他の好適な非イオン性界面活性剤は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、脂肪酸グルカミド、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0049】
最も好ましくは、この界面活性剤系は前述のように、アルキルポリグルコシド界面活性剤、アミンオキシド界面活性剤、及びアルキルエトキシレート界面活性剤、特にローカットアルコールエトキシレート界面活性剤からなる。
【0050】
他の界面活性剤:
本発明で使用する組成物は、好ましくはカチオン性界面活性剤を含まず、特に抗菌性カチオン性界面活性剤を含まない。その理由は、そのような界面活性剤は典型的に、脂洗浄及び表面光沢に有害であるためである。このような抗菌性カチオン性界面活性剤としては、ドデシルジメチルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物などの、第四級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0051】
グリコールエーテル溶媒:
本明細書に記載のグリコールエーテル溶媒の組み合わせは、アルキルポリグルコシドと組み合わせて使用した場合に、安定な組成物を提供すると同時に、より中性のpHであっても結晶質脂を除去するのに特に有効であることが見出された。具体的には、組成物は、グリコールエーテル溶媒を含み、当該グリコールエーテル溶媒は、
a.式(I):RO(RO)(式中、Rは、直鎖若しくは分岐鎖C4、C5、若しくはC6アルキル又は置換若しくは無置換フェニルであり、Rは、エチル又はプロピル、例えばイソプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、及び
b.式(II):RO(RO)(式中、Rは、メチル又はエチルであり、Rは、エチル又はプロピル、例えばイソプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒を含む。
【0052】
式(I)のグリコールエーテル溶媒は、こすり洗いをほとんど又は全く行わなくても、食器から結晶性脂肪を除去するのに特に有効である。このような溶媒は、疎水性であるので、このような結晶性脂肪を除去するのに有効であると考えられる。しかしながら、このような溶媒は疎水性の性質を有するので、水性洗剤組成物、特に噴霧に適した水性洗剤組成物に処方することが困難であるが、その理由は、このような組成物は、典型的には、低粘度及び比較的低い濃度の界面活性剤を有するためである。更に、それらは典型的には、アニオン性界面活性剤を低濃度でしか又は全く含まない組成物において安定性が低い。このような溶媒については、式(I)の溶媒を安定的に処方するために、典型的には組成物中に共溶媒を配合する必要がある。しかしながら、式(I)の溶媒を可溶化することによって、食器から結晶性脂肪を除去する効果が低下することが見出された。
【0053】
本発明において、式(II)のグリコールエーテル溶媒は、式(I)のグリコールエーテル溶媒を安定的に処方するために製剤中に配合されるが、溶媒の脂肪除去効力に対する影響は無視できるほどである。
【0054】
式(I)のグリコールエーテル溶媒において、
a.Rは、好ましくは直鎖又は分岐鎖C4又はC5、好ましくは直鎖又は分岐鎖C4、より好ましくは直鎖ブチルであり、
b.Rは、好ましくはプロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rは、好ましくは水素である。
【0055】
式(I)による好適なグリコールエーテル溶媒としては、トリエチレングリコールn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールn-ペンチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチルエーテル、トリエチレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールメチルn-ブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルn-ペンチルエーテル、トリエチレングリコールイソペンチル メチルエーテル、トリエチレングリコールメチルn-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリエチレングリコールメチルフェニルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチル メチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルn-ヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールイソヘキシルメチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルフェニルエーテル、又はこれらの混合物、好ましくはトリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ペンチルエーテル、トリプロピレングリコールイソペンチルエーテル、又はこれらの混合物、最も好ましくはトリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールイソブチルエーテル、又はこれらの混合物が挙げられる。式(I)の好適なグリコールエーテル溶媒は、The Dow Chemical Companyから、特にDowanol(登録商標)E又はPシリーズ、例えばDowanol(登録商標)TPnBとして購入することができる。
【0056】
式(II)のグリコールエーテル溶媒において、
a.Rは、好ましくはC1、好ましくはメチルであり、
b.Rは、好ましくはプロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rは、好ましくは水素である。
【0057】
式(II)による好適なグリコールエーテル溶媒としては、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルメチルエーテル、又はこれらの混合物、好ましくはトリプロピレングリコールメチルエーテルが挙げられる。式(I)の好適なグリコールエーテル溶媒は、The Dow Chemical Companyから、特にDowanol(登録商標)E又はPシリーズ、例えばDowanol(登録商標)TPMとして購入することができる。
【0058】
組成物は、全組成物の1.0重量%~15重量%、好ましくは2.0重量%~10.0重量%、より好ましくは4.5重量%~7.5重量%のグリコールエーテル溶媒を含む。
【0059】
組成物は、2.5未満:1、好ましくは1:1~2.25:1、より好ましくは1.25:1~2.0:1の重量比で式(I)のグリコールエーテル溶媒及び式(II)のグリコールエーテル溶媒を含む。前述の比で処方される場合、アニオン性界面活性剤をほとんど又は全く含まない組成物中の式(I)のグリコールエーテル溶媒の安定性は、組成物の結晶性脂除去効力に影響を及ぼすことなく特に改善される。
【0060】
更なる任意成分:
香料:
組成物は、好ましくは、香料を含む。香料は、組成物の0.05重量%~2.5重量%、好ましくは0.1重量%~2.0重量%、より好ましくは0.3重量%~1.0重量%の濃度で存在し得る。先に述べたように、いくつかの香料成分、特に天然抽出物に由来する香料成分が存在し、これらは典型的には高pHレベルで安定ではない。このような香料成分としては、典型的には高pHで分解又は蒸発し得る揮発性化合物を含有する、レモン、ライム、オレンジ、及びパチョリなどの精油を挙げることができる。バラ、ラベンダー、及びジャスミンなどの花抽出物はまた、典型的にはアルカリ性条件に感受性であるので、高pHレベルではその芳香を失ったり、化学変化を受けたりする。香料エステル、アルデヒド、及びケトンも、高pHでは化学反応を受けるか又は分解し、その結果、香りが喪失したり、芳香プロファイルが変化したりする。ベンゾイン又はミルラなどのいくつかの天然樹脂は、高pHにおいて溶解性が低下するか又は化学変化を受けて、その香り特性に影響を及ぼす。
【0061】
本発明の組成物はより中性のpHで有効であるので、本組成物は好ましくは香料を含み、好ましくは、当該香料は、精油、花抽出物、香料エステル、香料アルデヒド、香料ケトン、及びこれらの混合物から選択される香料成分を含む。
【0062】
更なる有機溶媒:
組成物は、組成物の0.01重量%~5重量%の、C2~C4アルコール、C2~C4ポリオール、ポリアルキレングリコール、特に1500~4000の重量平均分子量を有するポリプロピレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される有機溶媒を更に含んでいてもよい。
【0063】
キレート剤:
本明細書の組成物は、任意に、組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.2重量%~5重量%、より好ましくは0.2重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度でキレート剤を更に含んでもよい。
【0064】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0065】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミン四酢酸、N-ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにその混合物に加えて、MGDA(メチル-グリシン-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体、並びにGLDA(グルタミン酸-N,N-二酢酸)、並びにその塩及び誘導体が挙げられる。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、その四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0066】
ビルダー:
本明細書における組成物は、ビルダー、好ましくは、カルボキシレートビルダーを含み得る。本明細書で有用なカルボン酸の塩としては、C1~6の直鎖状の塩、又は少なくとも3個の炭素を含有する環状の酸の塩が挙げられる。カルボン酸又はその塩の直鎖又は環状炭素含有鎖は、ヒドロキシル、エステル、エーテル、1~6個、より好ましくは1~4個の炭素原子を有する脂肪族基、及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で置換されてよい。
【0067】
好ましいカルボン酸の塩は、サリチル酸、マレイン酸、アセチルサリチル酸、3メチルサリチル酸、4ヒドロキシイソフタル酸、ジヒドロキシフマル酸、1,2,4ベンゼントリカルボン酸、ペンタン酸、クエン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される塩から選択されるものであり、好ましくはクエン酸である。
【0068】
本発明の組成物に用いるのに好適な別のカルボキシレートビルダーとしては、パーム核由来の脂肪酸若しくはココヤシ由来の脂肪酸などの脂肪酸の塩、又はポリカルボン酸の塩が挙げられる。
【0069】
塩のカチオンは、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、又はトリエタノールアミン、及びこれらの混合物から選択され、好ましくは、ナトリウムである。
【0070】
カルボン酸又はその塩は、存在する場合、好ましくは全組成物の0.05重量%~5重量%、より好ましくは0.1重量%~1重量%の濃度で存在する。
【0071】
ヒドロトロープ
本発明による組成物は、ヒドロトロープを更に含んでもよい。好ましくは、ヒドロトロープは、クメンスルホネート、キシレンスルホネート、トルエンスルホネート、最も好ましくはナトリウム中和クメンスルホネートから選択される。存在する場合、このヒドロトロープは、洗剤組成物の0.1重量%~5重量%、好ましくは0.25重量%~3重量%、最も好ましくは0.5重量%~2重量%配合される。
【0072】
剪断減粘レオロジー変性剤:
本発明による組成物は、レオロジー変性剤を更に含み、製品に剪断減粘レオロジープロファイルを提供し得る。レオロジー変性ポリマーを配合することにより、得られるスプレーの粒径分布を改善することができ、並びにスプレー液滴の刺痛感も軽減することができる。好ましくは、レオロジー変性剤は、非結晶質ポリマーレオロジー変性剤である。このポリマーレオロジー変性剤は、合成又は天然由来のポリマーであってよい。
【0073】
本発明において使用される天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、及びこれらの混合物が挙げられる。多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギン酸塩、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、カラヤゴム、トラガカントガム、ジェランガム、キサンタンガム、及びグアーガムが挙げられるが、これらに限定されない。本発明において使用される合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリビニルピロリドン、ポリオール、並びにこれらの誘導体及び混合物を含むポリマー及びコポリマーが挙げられる。あるいは、本発明で使用する組成物は、ポリエチレンオキシド(PEO)ポリマーを含み得る。
【0074】
好ましくは、本発明による組成物は、天然由来のレオロジー変性ポリマー、最も好ましくはキサンタンガム、ポリエチレンオキシド、又はこれらの混合物から選択されるレオロジー変性ポリマーを含む。
【0075】
一般に、レオロジー変性ポリマーは、組成物の0.001重量%~1重量%、代替的に0.01重量%~0.5重量%、より代替的に0.05重量%~0.25重量%の濃度で含まれる。
【0076】
他の成分:
本発明の組成物は、環状洗浄アミンなどの洗浄アミンを含み得る。用語「環状ジアミン」は、本明細書において、単一の洗浄アミン及びその混合物を包含する。当該アミンは、それが使用される洗浄媒体のpHに応じてプロトン化に供され得る。本明細書に用いるのに特に好ましいのは、1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサン、2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、及びこれらの混合物からなる群から選択される環状ジアミンである。1,3-ビス(メチルアミン)-シクロヘキサンが、本明細書に用いるのに特に好ましい。2-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミン、4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジアミンの混合物も、本明細書に用いるのに好ましい。
【0077】
また、組成物は、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミンを含むアルカノールアミン、及び重炭酸塩無機塩などのpH調整剤及び/又は緩衝剤も含み得る。組成物は、防腐剤、UV安定剤、酸化防止剤、香料、着色剤、及びこれらの混合物から選択される微量成分を更に含み得る。
【0078】
スプレーディスペンサー:
スプレーディスペンサーは、本発明の組成物を収容するためのリザーバと、噴霧手段と、を含む。好適なスプレーディスペンサーとしては、ハンドポンプ(時に「トリガー」とも称される)装置、加圧缶装置、静電スプレー装置などが挙げられる。好ましくは、スプレーディスペンサーは非加圧であり、噴射手段はトリガー分注型である。リザーバは、典型的にはボトルなどの容器、より典型的にはプラスチックボトルである。
【0079】
本発明の洗浄製品は、洗浄組成物を含む。この洗浄組成物は典型的には、処理される食器表面にスプレーディスペンサーから噴霧(「直接適用」)するのに好適である。この組成物は、好ましくは、任意の追加の物理的(例えば、手で擦る)介入を必要とせずに、適用直後に表面上に泡を形成する。
【0080】
スプレーディスペンサーは、典型的にはトリガーレバーを含み、このトリガーレバーは、押下されると、小さなポンプを作動させる。ポンプの主駆動部は、典型的にはピストンであり、ピストンがバネに押し付けられた状態でシリンダー内に収容されている。トリガーを押下することによって、ピストンがシリンダー内に押され、バネに押し付けられ、バネを圧縮し、ポンプ内に収容された組成物をノズルから押し出す。トリガーレバーが解放されると、バネはピストンを押し戻し、シリンダー領域を拡張させ、典型的には一方向弁を通してリザーバから組成物を吸い込み、ポンプを再充填する。このポンプは、典型的には、リザーバからポンプに組成物を引き込むチューブに取り付けられる。スプレーディスペンサーは、ポンプとノズルとの間に位置する更なる一方向弁を含み得る。
【0081】
このノズルは、組成物が分配されるオリフィスを含む。このノズルは、組成物の運動エネルギーを利用して、組成物がオリフィスを通過する際にこの組成物を液滴へと分割させる。好適なノズルは、単純なものであっても、又は成形されてもよく、又はオリフィスの直前にスワールチャンバを含んでもよい。そのようなスワールチャンバは、組成物の回転流体運動を引き起こし、スワールチャンバ内の組成物を旋回させる。オリフィスの外周から膜が放出され、典型的には、より微細な液滴として組成物がオリフィスから分配される。
【0082】
このようなトリガー作動式スプレーディスペンサーはポンプを含むので、組成物は好ましくはリザーバ内で加圧されず、好ましくは噴射剤を含まない。
【0083】
このスプレーディスペンサーは、組成物の加圧緩衝液と、緩衝液とスプレーノズルとの間の圧力作動一方向弁と、を含む予圧縮噴霧器であり得る。このような予圧縮噴霧器は、組成物がより均一な圧力で噴霧されるため、より均一なスプレー分布及びより均一なスプレー液滴サイズを提供する。そのような予圧縮噴霧器としては、Afa Dispensing Group(Netherlands)により製造販売されるFlairosol(登録商標)スプレーディスペンサー、及び米国特許出願公開第2013/0112766号及び同第2012/0048959号に記載される予圧縮トリガー噴霧器が挙げられる。
【0084】
使用方法:
本明細書に記載される洗浄製品は、食器を洗浄する方法に特に好適であり、この方法は、任意に、食器を予め濡らす工程と、洗浄組成物を食器に噴霧する工程と、任意に、食器を擦り洗いする工程と、食器をすすぐ工程と、を含む。
【0085】
本明細書に記載される洗浄製品は、汚れ、特に脂状の汚れを浮かすことにおいて特に有効である。したがって、特に軽い汚れに関しては、擦り洗いは任意であり、特に食器が、スプレー工程の後に少なくとも15秒間、好ましくは少なくとも30秒間放置された後に、すすぎ工程が行われる場合には、擦り洗いは任意である。
【0086】
食器を擦り洗いする工程と食器をすすぐ工程は、例えば、食器を流水下で擦ることによって、又は食器が水に浸されたときに、少なくとも部分的に同時に行うことができる。擦り洗い工程は、1秒~30秒かかり得る。
【0087】
本方法は、食器が軽く汚れているとき、食器の洗浄をより迅速かつ容易にすることができる。調理汚れ、焼き付き汚れ、及び焦げ付き汚れなどの頑固な食品汚れで食器がひどく汚れている場合、本発明の方法は、未希釈の形態であるか又は水で希釈された本発明の製品に、汚れた食器を好ましくは1秒間~30秒間、又はそれ以上の時間浸漬したとき、洗浄を容易にする。
【0088】
方法
A)粘度:
レオロジープロファイルは、円錐とプレートの構成(フラットなスチール製ペルチェプレート及び直径60mmで2.026°の円錐)を用いる「TA instruments DHR1」レオメーター(TA instruments、シリアル番号:SN960912)を使用して測定する。粘度測定手順は、20℃でのコンディショニング工程及びスイープ工程を含む。コンディショニング工程は、20℃でゼロ剪断で10秒、続いて20℃で10秒-1で10秒間予剪断し、続いて20℃でゼロ剪断で30秒間、試料を平衡化させることからなる。スイープ工程は、20℃で0.01秒-1から3,000秒-1まで剪断速度を対数的に増大させ、サンプル時間15 sで10当たり10点の取得速度、最大平衡化時間200秒で行う(公差3%に基づいて、レオメーターによって決定)。ずり流動化する製品組成物を測定する場合、高剪断粘度は1,000秒-1の剪断速度で定義され、低剪断粘度は0.1 s-1の剪断速度で定義される。ニュートン流体の製品組成物は、1000秒-1での剪断速度が記録される。
【0089】
B)安定性:
液体組成物を30mLのガラスバイアル中において50℃の温度で1日間貯蔵し、その後、液体組成物の相安定性を目視評価する。
【0090】
C)結晶質脂の除去:
ある範囲の試験組成物の結晶性脂除去能力を相互比較することができるように、結晶性脂を含む汚れた基材上に試験組成物を噴霧し、以下に記載するように目視等級付けによって洗浄試験後の除去率(%)を評価する。
【0091】
使用した結晶質脂性汚れは、CABF(Consumer Average Beef Fat、L2802405/200B3/E3、J&R coordinating services Inc(Ohio、USA)によって供給)、及び0.05重量%の濃度で添加された脂溶性染料(Dye EGN Oil Red:CAS:4477-79-6、Sigma Aldrich Ref.234117)の混合物を含んでいた。結晶質脂性汚れは、完全に液化するまで50℃のオーブン中でCABFを融解してから、染料を混合して、調製した。
【0092】
50℃の温度で溶融CABFを、0.65g+/-0.05gの量のCABFがエナメルタイル(25cm×7cmのサイズの白色エナメルタイル、Emaillerie Belge(Rue Saint-Denis 122,1190 Forest,BE)によって供給)上に堆積するまで、合成発泡体ペイントローラーを使用して、タイルの表面全体にわたって均一にタイル上に堆積させた。試験に使用する前に、タイルを23℃及び50 RHの湿度で3時間放置する。
【0093】
各試験組成物について、3つの異なるエナメルタイルを使用して試験を3回繰り返した。
【0094】
3枚のタイルを表面上に水平に置いた。Flairosol(登録商標)噴霧機(AFAによって供給)を使用して、タイル表面の半分を覆うように、合計約5秒間6回試験溶液を噴霧し、4分間放置して作用させた。次いで、タイルを垂直に再配置し、20mLの脱塩水をタイル上に2回噴霧し、20mLシリンジを使用して泡を洗い流した。
【0095】
デジタルカメラを使用してタイルの写真を撮影し、次いで0~5のスケールで目視で等級付けし、変化なしを等級0とし、結晶性脂の完全な除去を等級5とした。
【実施例0096】
本発明による液体洗剤スプレー組成物及び本発明の範囲外の比較組成物について、結晶性脂除去効力を評価した。
【0097】
表1において、本発明の実施例1は、式(I)の溶媒、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及び式(II)の溶媒、トリプロピレングリコールメチルエーテルの組み合わせに加えて、C8~C10アルキルポリグルコシド、補助界面活性剤としてのC12~14ジメチルアミンオキシド、及びC6EO5非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤系を含んでいた。得られた組成物は、こすり洗いをほとんど又は全く行わずに結晶性脂肪を除去するのに安定かつ有効であった。比較実施例Aは、式(II)の溶媒を含まなかったことを除いて、実施例1と同様であった。このように、組成物は結晶性脂を除去するのに有効であったが、組成物は安定ではなく、相分離した。比較実施例Bは、式(II)の溶媒の代わりにエタノールを含んでいたことを除いて、実施例1と同様であった。したがって、組成物は安定であったが、式(I)の溶媒は、結晶性脂の除去において組成物中でそれほど有効ではなかった。
【0098】
本発明の実施例2は、pH11.2の代わりに7.0を有していたことを除いて、実施例1と同様であった。本発明の実施例2の結果を本発明の実施例1の結果と比較することによって、より中性のpHを有するように組成物を処方したとき、こすり洗いをほとんど又は全く行わずに結晶性脂肪の除去が改善されることが分かる。比較実施例Cは、式(II)の溶媒を含まなかったことを除いて、実施例2と同様であった。このように、組成物は結晶性脂を除去するのに有効であったが、組成物は安定ではなく、相分離した。比較実施例Dは、式(II)の溶媒の代わりにエタノールを含んでいたことを除いて、実施例2と同様であった。したがって、組成物は安定であったが、式(I)の溶媒は、結晶性脂の除去において組成物中でそれほど有効ではなかった。
【0099】
比較実施例Cの結果を本発明の実施例2の結果と比較すると、香料などの成分が化学的及び匂い的により安定であるより低いpHにおいても式(I)及び(II)の溶媒の組み合わせの利益が存在することが示される。
【0100】
【表1】
比較
Glucopon(登録商標)215、BASFによって供給
Lutensol(登録商標)CS6250、BASFによって供給
式(I)の溶媒、Dowanol TPNBの商品名で販売、DOWによって供給
式(II)の溶媒、Dowanol TPMの商品名で販売、DOWによって供給
【0101】
表2において、本発明の実施例3は、式(I)の溶媒、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、及び式(II)の溶媒、トリプロピレングリコールメチルエーテルの組み合わせに加えて、C12~C14アルキルポリグルコシド、補助界面活性剤としてのC12~14ジメチルアミンオキシド、及びC6EO5非イオン性界面活性剤からなる界面活性剤系を含んでいた。得られた組成物は、こすり洗いをほとんど又は全く行わずに結晶性脂肪を除去するのに安定かつ有効であった。比較実施例Eは、式(II)の溶媒を含まなかったことを除いて、実施例3と同様であった。このように、組成物は結晶性脂を除去するのに有効であったが、組成物は安定ではなく、相分離した。比較実施例Fは、式(II)の溶媒の代わりにエタノールを含んでいたことを除いて、実施例1と同様であった。このように、組成物は安定であったが、結晶性脂を除去する効果は低かった。
【0102】
本発明の実施例4は、pH11.2の代わりに7.0を有していたことを除いて、実施例3と同様であった。本発明の実施例4の結果を本発明の実施例3の結果と比較することによって、より中性のpHを有するように組成物を処方したとき、こすり洗いをほとんど又は全く行わずに結晶性脂肪の除去が改善されることが分かる。
【0103】
比較実施例Gの結果を本発明の実施例3の結果と比較すると、より低いpHにおいても式(I)及び(II)の溶媒の組み合わせの利益が存在することが示される。
【0104】
本発明の実施例1~2及び3~4の結果は、広範囲の界面活性剤濃度にわたって、界面活性剤系が異なる鎖長のアルキルポリグルコシドを含む場合に、式(I)及び(II)の溶媒の組み合わせの利益が存在することを実証する。
【0105】
【表2】
Glucopon(登録商標)600、BASFによって供給
別のエーテル溶媒、Dowanol DPNBの商品名で販売、DOWによって供給
【0106】
表3において、比較実施例I及び本発明の実施例5~7は、同じ界面活性剤系及び同じ濃度の式(I)のグリコールエーテル溶媒を含んでいたが、式(I)の溶媒の式(II)の溶媒に対する重量比を減少させた。結果は、式(I)の溶媒の式(II)の溶媒に対する重量比が2.5未満又は2.0未満である場合に、安定性の改善が達成されることを示す。
【0107】
【表3】
【0108】
表4において、例は、組成物の3.0重量%を超える濃度でアニオン性界面活性剤を含んでいた。したがって、両組成物は比較実施例であった。例J及びKは、高濃度のアニオン性界面活性剤を含む組成物が既に良好な安定性を提供すること、及びそのようなアニオン性リッチな組成物において、式(I)の疎水性グリコールエーテル溶媒を安定的に配合する問題が存在しないことを示す。しかしながら、本明細書で言及するように、そのような組成物からのスプレー飛沫は、鼻及び眼の刺激を引き起こす傾向がより大きい。
【0109】
【表4】
【0110】
表4のデータは、式(I)のグリコールエーテル溶媒を含む液体組成物を安定化するという課題が、高濃度のアニオン性界面活性剤を含む組成物には存在しないことを実証する。
【0111】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0111
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0111】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に明記されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
本明細書は以下の発明を開示する。
[1]
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品であって、前記組成物は前記スプレーディスペンサーに収容されており、前記洗浄組成物が、
a.前記組成物の2重量%~20重量%の界面活性剤系であって、
i.アルキルポリグルコシド界面活性剤、
ii.両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤、及び
iii.前記洗浄組成物の3.0重量%未満のアニオン性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.グリコールエーテル溶媒であって、
i.式(I):R O(R O) (式中、R は、直鎖若しくは分岐鎖C4、C5、若しくはC6アルキル又は置換若しくは無置換フェニルであり、R は、エチル又はプロピルであり、R は、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、及び
ii.式(II):R O(R O) (式中、R は、メチル又はエチルであり、R は、エチル又はプロピルであり、R は、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒
を含む、グリコールエーテル溶媒と、を含み、
前記組成物が、全組成物の1.0重量%~15重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含み、前記組成物が、2.5未満:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒と式(II)の前記グリコールエーテル溶媒とを含む、洗浄製品。
[2]
前記組成物が、その3重量%~15重量%、好ましくは3.5重量%~8.0重量%の前記界面活性剤系を含む、[1]に記載の洗浄製品。
[3]
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記アルキルポリグルコシドを含む、[1]又は[2]に記載の洗浄製品。
[4]
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18、好ましくはC10~C16、より好ましくはC12~C14のアルキル鎖を含み、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有する、[1]~[3]のいずれかに記載の洗浄製品。
[5]
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記補助界面活性剤を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の洗浄製品。
[6]
前記補助界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤から選択される両性界面活性剤であり、好ましくは、前記アミンオキシド界面活性剤が、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドである、[1]~[5]のいずれかに記載の洗浄製品。
[7]
前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤から選択される双性イオン性界面活性剤であり、好ましくは、前記ベタイン界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはコカミドプロピルベタインである、[1]~[5]のいずれかに記載の洗浄製品。
[8]
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、10:1超~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは2:1~1:2の重量比で存在する、[1]~[7]のいずれかに記載の洗浄製品。
[9]
式(I)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.R が、直鎖又は分岐鎖C4、C5、好ましくは直鎖又は分岐鎖C4、より好ましくは直鎖ブチルであり、
b.R が、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.R が、水素である、[1]~[8]のいずれかに記載の洗浄製品。
[10]
式(II)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.R が、C1、好ましくはメチルであり、
b.R が、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.R が、水素である、[1]~[9]のいずれかに記載の洗浄製品。
[11]
前記組成物が、全組成物の2.0重量%~10.0重量%、好ましくは4.5重量%~7.5重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含む、[1]~[10]のいずれかに記載の洗浄製品。
[12]
前記組成物が、1:1~2.25:1、好ましくは1.25:1~2.0:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒及び式(II)の前記グリコールエーテル溶媒を含む、[1]~[11]のいずれかに記載の洗浄製品。
[13]
前記界面活性剤系及び前記有機溶媒が、3:1~1:3、好ましくは1.5:1~1:2、最も好ましくは1:1~1:1.5の重量比で存在する、[1]~[12]のいずれかに記載の洗浄製品。
[14]
前記組成物のpHが、20℃で未希釈で測定した場合に6以上、好ましくは6~12、より好ましくは6.5~8.0である、[1]~[13]のいずれかに記載の洗浄製品。
[15]
前記組成物が香料を含み、好ましくは前記香料が、精油、花抽出物、香料エステル、香料アルデヒド、香料ケトン、及びこれらの混合物から選択される香料成分を含む、[1]~[14]のいずれかに記載の洗浄製品。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレーディスペンサー及び洗浄組成物を含む洗浄製品であって、前記組成物は前記スプレーディスペンサーに収容されており、前記洗浄組成物が、
a.前記組成物の2重量%~20重量%の界面活性剤系であって、
i.アルキルポリグルコシド界面活性剤、
ii.両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択される補助界面活性剤、及び
iii.前記洗浄組成物の3.0重量%未満のアニオン性界面活性剤
を含む、界面活性剤系と、
b.グリコールエーテル溶媒であって、
i.式(I):RO(RO)(式中、Rは、直鎖若しくは分岐鎖C4、C5、若しくはC6アルキル又は置換若しくは無置換フェニルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒、及び
ii.式(II):RO(RO)(式中、Rは、メチル又はエチルであり、Rは、エチル又はプロピルであり、Rは、水素又はメチルである)のグリコールエーテル溶媒
を含む、グリコールエーテル溶媒と、を含み、
前記組成物が、全組成物の1.0重量%~15重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含み、前記組成物が、2.5未満:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒と式(II)の前記グリコールエーテル溶媒とを含む、洗浄製品。
【請求項2】
前記組成物が、その3重量%~15重量%、好ましくは3.5重量%~8.0重量%の前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項3】
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記アルキルポリグルコシドを含む、請求項に記載の洗浄製品。
【請求項4】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、C8~C18、好ましくはC10~C16、より好ましくはC12~C14のアルキル鎖を含み、前記アルキルポリグルコシド界面活性剤が、0.1~3.0、好ましくは1.0~2.0、より好ましくは1.2~1.6の数平均重合度を有する、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項5】
前記洗浄組成物が、前記組成物の0.5重量%~7.5重量%、好ましくは1.0重量%~5.0重量%、より好ましくは1.5重量%~3.0重量%の濃度で前記補助界面活性剤を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項6】
前記補助界面活性剤が、アミンオキシド界面活性剤から選択される両性界面活性剤であり、好ましくは、前記アミンオキシド界面活性剤が、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、及びこれらの混合物からなる群から選択され、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドである、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項7】
前記補助界面活性剤が、ベタイン界面活性剤から選択される双性イオン性界面活性剤であり、好ましくは、前記ベタイン界面活性剤が、コカミドプロピルベタイン、ココベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ミリスチルアミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはコカミドプロピルベタインである、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項8】
前記アルキルポリグルコシド界面活性剤及び前記補助界面活性剤が、10:1超~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは2:1~1:2の重量比で存在する、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項9】
式(I)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.Rが、直鎖又は分岐鎖C4、C5、好ましくは直鎖又は分岐鎖C4、より好ましくは直鎖ブチルであり、
b.Rが、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rが、水素である、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項10】
式(II)の前記グリコールエーテル溶媒において、
a.Rが、C1、好ましくはメチルであり、
b.Rが、プロピル、より好ましくはイソプロピルであり、
c.Rが、水素である、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項11】
前記組成物が、全組成物の2.0重量%~10.0重量%、好ましくは4.5重量%~7.5重量%の前記グリコールエーテル溶媒を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項12】
前記組成物が、1:1~2.25:1、好ましくは1.25:1~2.0:1の重量比で式(I)の前記グリコールエーテル溶媒及び式(II)の前記グリコールエーテル溶媒を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項13】
前記界面活性剤系及び前記有機溶媒が、3:1~1:3、好ましくは1.5:1~1:2、最も好ましくは1:1~1:1.5の重量比で存在する、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項14】
前記組成物のpHが、20℃で未希釈で測定した場合に6以上、好ましくは6~12、より好ましくは6.5~8.0である、請求項1に記載の洗浄製品。
【請求項15】
前記組成物が香料を含み、好ましくは前記香料が、精油、花抽出物、香料エステル、香料アルデヒド、香料ケトン、及びこれらの混合物から選択される香料成分を含む、請求項1に記載の洗浄製品。
【外国語明細書】