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特開2025-16430パンチリベット結合用金型、パンチリベット結合用工具及びパンチリベット接合部の形成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016430
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】パンチリベット結合用金型、パンチリベット結合用工具及びパンチリベット接合部の形成方法
(51)【国際特許分類】
   B21J 15/10 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
B21J15/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024110735
(22)【出願日】2024-07-10
(31)【優先権主張番号】23184342.6
(32)【優先日】2023-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】504075577
【氏名又は名称】ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ポール バーティグ
(57)【要約】
【課題】自己穿孔型リベットの取付け中に使用される金型を提供する。
【解決手段】リベットシャンク内径を有する半中空パンチリベットをパンチリベット接合部に据え付けるためのパンチリベット結合用工具のためのパンチリベット結合用金型である。パンチリベット結合用金型は金属板支持面とパンチリベット接合部の底面を形成するための凹部とを有する基部本体を備え、凹部はパンチリベット結合用金型の中心軸に対して回転対称に配置され、第1の環状基部と第2の環状基部と凹部の第2の環状基部の下方に軸方向に延びる中央キャビティとを有する。キャビティの中央部には突出部がもたらされている。第1の環状壁が第1の環状基部と金属板支持面との間に延び、第2の環状壁が第1の環状基部と第2の環状基部との間に延び、第3の環状壁が第2の環状基部とキャビティの底部との間に延びる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リベットシャンク内径を有する半中空パンチリベットをパンチリベット接合部に据え付けるためのパンチリベット結合用工具のためのパンチリベット結合用金型(22)であって、前記パンチリベット結合用金型(22)は、金属板支持面(30)と前記パンチリベット接合部の底面を形成するための凹部(32)とを有する基部本体(24)を備え、
前記凹部(32)は、前記パンチリベット結合用金型(22)の中心軸に対して回転対称に配置され、前記凹部(32)は、第1の環状基部(34)と、第2の環状基部(36)と、前記凹部の前記第2の環状基部の下方に軸方向に延びる中央のキャビティ(38)とを有し、前記キャビティ(38)の中央部には突出部(40)がもたらされており、第1の環状壁(42)が、前記第1の環状基部と前記金属板支持面(30)との間に延び、第2の環状壁(44)が、前記第1の環状基部と前記第2の環状基部との間に延び、第3の環状壁(46)が、前記第2の環状基部と前記キャビティ(38)の底部との間に延びる、パンチリベット結合用金型(22)。
【請求項2】
前記第1の環状基部(34)は、前記金属板支持面によって画定される平面に対して傾斜している、請求項1に記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項3】
前記第1の環状基部(34)は、湾曲している、請求項1又は2に記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項4】
前記第1の環状基部(34)は、凸状フローバリア(CXF)を備える、請求項1から3のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項5】
前記第1の環状基部(34)は、前記第1の環状壁に連結する第1の端部(48)と、前記第1の端部の反対側で前記第2の環状壁に連結する第2の端部(50)とを備え、前記第2の端部は、丸みを帯びた部分であり、前記第2の端部は、前記第1の端部の軸方向上方にある、請求項1から4のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項6】
前記第1の環状壁(42)は、切頭円錐面の様式で実現されている、請求項1から5のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項7】
前記第2の環状壁(44)は、切頭円錐面の様式で実現されている、請求項1から6のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項8】
前記第3の環状壁(46)は、切頭円錐面の様式で実現されている、請求項1から7のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項9】
前記第1の環状壁(42)は、第1のテーパー角を有し、前記第2の環状壁(44)は、第2のテーパー角を有し、前記第2のテーパー角は前記第1のテーパー角より小さい、請求項1から8のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項10】
前記キャビティ(38)の前記底部は、凹状フローバリア(CCF)を備える、請求項1から9のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)。
【請求項11】
半中空パンチリベットをパンチリベット接合部に据え込むためのパンチリベット結合用工具(10)であって、
フレームと、
打ち込み方向に移動可能であり、前記パンチリベット接合部に据え付けられるパンチリベットを取り付けるために動作可能なパンチリベット結合用パンチを含むパンチリベット結合用ヘッドと、
請求項1から10のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)と、
を備える、パンチリベット結合用工具(10)。
【請求項12】
請求項1から10のいずれかに記載のパンチリベット結合用金型(22)の上面に配置される少なくとも2つの被加工物(W1、W2)のパンチリベット接合部を形成する方法であって、半中空パンチリベットを最上部の前記被加工物に打ち込むステップを含み、前記半中空パンチリベットの中空シャンクが最下部の前記被加工物に貫入し、半径方向に広がり、前記パンチリベット接合部の底面が前記パンチリベット結合用金型によって形成される、方法。
【請求項13】
前記最上部の被加工物(W2)は、高強度鋼又は超高強度鋼で作られており、前記最下部の被加工物(W1)は、脆性鋳造アルミニウムで作られている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記最上部の被加工物は、第1の厚さTwを有し、前記凹部は、前記金属板支持面と前記第2の環状基部との間に軸方向深さTAを有し、前記軸方向深さTAは、Tw<TA<1.5Twの範囲にある、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記リベットは、リベットシャンク直径Drを有し、前記第2の環状壁(44)は、第2の凹部直径DA2を有し、前記第2の凹部直径DA2は、0.8Dr<DA2<1.2Drの範囲にある、請求項12から14のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、自己穿孔型リベット(SPR)技術に関する。より具体的には、本出願は、自己穿孔型リベットの取付け中に使用される金型に関する。
【背景技術】
【0002】
自己穿孔型リベット(SPR)は、2又は3以上のシート材を、予め開けられた穴又は打ち抜かれた穴なしで接合するための高速機械的締結プロセスである。通常、SPR工程は、耐久性のある機械的接合部を形成するために、被加工物最上層を貫通して半中空リベットを打ち込み、このリベットを被加工物最下層で据え込むことによって実施される。リベットの中空シャンクは、被工作物の配列中に打ち込まれると半径方向に広がり、これによって被加工物の恒久的接合をもたらすアンダーカットが形成される。シャンクの端部は、最下部の被加工物を完全に貫通せず、被加工物配列から突出しない。むしろ、被加工物最下層の材料のいわゆる残留基部厚さが、リベットシャンクの端部とこのように形成されたパンチリベット接合部の底面との間に残る。SPR工程を実現するために、被加工物最下層は金型で支持される。金型は、リベットを被加工物配列に打ち込むように適合されたパンチに対向して配置される。
【0003】
金型には様々な形状及び幾何学的形状があり、これは被加工物の材料、リベットの材料及び/又は幾何学的形状だけでなく、達成される接合部にも依存する可能性がある。金型は、堅牢な接合部の形成において重要な役割を果たす。
【0004】
例えば、本出願人の欧州公開第2872270号には、パンチリベット接合部の底面を形成するための凹部を有する基部本体(basic body)を備える金型が開示されており、この凹部は基部及び環状壁を有している。環状半径方向流れ抑制デバイスが基部の中央領域に実現されており、環状半径方向流れ抑制デバイスは、その内側領域からの半径方向の材料流出を制限する。このような金型により、軸方向にコンパクトで堅牢な接合部を実現することができる。
【0005】
欧州公開第3423211号には、上面及びそこに形成された凹部を有する本体を有する金型が開示されている。凹部は、半径方向外側に配置された環状脱型セクション、後続の又は隣接する環状溝セクション、及び中央に配置された金型底部を備え、中心軸に平行に延びる自己穿孔型リベット結合用金型の断面において、脱型セクションの脱型傾斜は、自己穿孔型リベット用金型の上側と5°≦α≦45°の範囲の角度αをなす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州公開第2872270号
【特許文献2】欧州公開第3423211号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
車両組み立てにおいて、メガキャスティングの使用により、異なる強度の材料、特に高強度鋼又は超高強度鋼の被加工物と鋳造アルミニウムとの接合の必要性が高まっている。より一般的には、ダイカストアルミニウムのような脆性材料(従って変形しない)を、リベット内に、脆性材料の被加工物内に(特に、脆性材料の被加工物が最下部の被加工物である場合のリベットの外側及びシャンク領域に)亀裂が生じるリスクなしに接合する必要性が高まっている。また、据え込み工程中のリベットの圧潰を回避し、高い接合力を可能にする金型が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、本発明は、請求項1に記載のパンチリベット結合用金型を提供する。より詳細には、パンチリベット結合用金型は、リベットシャンク内径を有する半中空パンチリベットをパンチリベット接合部に据え付けるためのパンチリベット結合用工具のためのものである。パンチリベット結合用金型は、金属板支持面を有する基部本体と、パンチリベット接合部の底面を形成するための凹部とを備え、凹部は、パンチリベット結合用金型の中心軸に対して回転対称に配置され、凹部は、第1の環状基部と、第2の環状基部と、凹部の第2の環状基部の下方に軸方向に延びる中央キャビティとを有する。キャビティの中央部には突出部がもたらされており、第1の環状壁が、第1の環状基部と金属板支持面との間に延び、第2の環状壁が、第1の環状基部と第2の環状基部との間に延び、第3の環状壁が、第2の環状基部とキャビティの底部との間に延びる。
【0009】
キャビティ内の突出部は、輪状溝を形成するようになっている。3つの高さを有するこの幾何学的形状により、例えば高強度鋼又は超高強度鋼と脆性鋳造アルミニウムとの間の接合が、亀裂の形成なしで又は接合部の性能を変化させることなく可能になる。キャビティは、リベットができるだけ圧縮されず、十分なアンダーカットを形成できるようなものである。
【0010】
一実施形態では、第1の環状基部は、金属板支持面によって画定される平面に対して傾斜している。これにより、亀裂を回避して金型容積を増大させるために、材料の取り込みが改善される。
【0011】
一実施形態では、第1の環状基部は、湾曲している。このようにして、アルミニウム鋳造の流動挙動の最適化が実現される。
【0012】
一実施形態では、第1の環状基部は、凸状フローバリアを備える。フローバリアは、材料挙動に良い影響を与え、リベット、金型、及び被加工物上の張力を低減する。
【0013】
一実施形態では、第1の環状基部は、第1の環状壁に連結する第1の端部と、第1の端部の反対側で第2の環状壁に連結する第2の端部とを備え、第2の端部は、丸みを帯びた部分であり、第2の端部は、第1の端部の上方にある。丸みを帯びた部分は、凸状フローバリアを形成する。第2の端部が第1の端部の上方にあることは、第2の端部が軸方向において第1の端部よりも金属板支持面から近いことを意味する。換言すれば、第1の環状基部は、キャビティ近傍の端部が第1の端部よりも軸方向上方に位置するように傾斜している。第1の環状基部は、斜面を形成する。
【0014】
一実施形態では、第1の環状壁は、切頭円錐面の態様で実現されている。一実施形態では、第2の環状壁は、切頭円錐面の態様で実現されている。一実施形態では、第3の環状壁は、切頭円錐面の態様で実現されている。
【0015】
一実施形態では、第1の環状壁は、第1のテーパー角を有し、第2の環状壁は、第2のテーパー角を有し、第2のテーパー角は、第1のテーパー角より小さい。テーパー角を有する第1及び第2の環状壁は、より良好な脱型を可能にする。
【0016】
一実施形態では、キャビティの底部は、凹状フローバリアを備える。フローバリアは、材料の挙動に良い影響を与え、リベット、金型、及び被加工物上の張力を低減する。
【0017】
また、本発明は、半中空パンチリベットをパンチリベット接合部に据え込むためのパンチリベット結合用工具に関し、パンチリベット結合用工具は、
フレームと、
打ち込み方向に移動可能であり、パンチリベット接合部に据え付けられるパンチリベットを取り付けるために動作可能なパンチリベット結合用パンチを含むパンチリベット結合用ヘッドと、
上述したパンチリベット結合用金型と、
を備える。
パンチリベット結合用工具は、接合特性を低下させることなく、脆性材料で作られている被加工物との自己穿孔型リベット接合を行うようになっている。
【0018】
また、本発明は、上記のようなパンチリベット結合用金型の上面に配置される少なくとも2つの被加工物のパンチリベット接合部を形成する方法に関し、本方法は、半中空パンチリベットを最上部の被加工物に打ち込むステップを含み、半中空パンチリベットの中空シャンクが最下部の被加工物に貫入し、その中で半径方向に広がり、パンチリベット接合部の底面がパンチリベット結合用金型によって形成される。
【0019】
一実施形態では、最上部の被加工物は、高強度鋼又は超高強度鋼で作られており、最下部の被加工物は、脆性鋳造アルミニウムで作られている。金型の幾何学的形状は、据え付けの間のリベット又は被加工物内の亀裂の生成を制限又は回避する。
【0020】
一実施形態では、最上部の被加工物は、第1の厚さTwを有し、凹部は、金属板支持面と第2の環状基部との間に軸方向深さTAを有し、軸方向深さTAは、Tw<TA<1.5Twの範囲にあり、詳細にはTw<TA<1.35Twの範囲にある。従って、アンダーカットは依然として軸方向にコンパクトである。
【0021】
一実施形態では、リベットは、リベットシャンク直径Drを有し、第2の環状壁は、第2の凹部直径DA2を有し、第2の凹部直径DA2は、0.8Dr<DA2<1.2Drの範囲にある。このことは、アンダーカットのコンパクト化、並びにリベット及び被加工物の材料内の亀裂及び応力の制限に寄与する。
【0022】
上述の特徴及び以下に説明する特徴は、それぞれ特定された組み合せのみならず、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合せ又は単独でも適用できることが理解されたい。
【0023】
本発明の他の特徴及び利点は、添付図面を参照して、非限定的な例として提示される以下の実施形態の説明から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明によるパンチリベット結合用金型を備える本発明によるパンチリベット結合用工具の概略図である。
図2図1のパンチリベット結合用金型の斜視図である。
図3図2のパンチリベット結合用金型の基部本体の上部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
異なる図において、同一の参照符号は同一又は類似の要素を示す。
【0026】
図1は、パンチリベット結合用工具10を概略的に示す。パンチリベット結合用工具10は、C型フレームとも呼ばれるフレーム12を備える。フレーム12の第1の端部には、公知の方法で、往復台14が長手方向軸X(パンチ軸)に沿って変位可能に取り付けられている。往復台14上には、パンチリベット結合工程を行うためのパンチ16が配置されている。パンチリベット18は、保持装置によって保持されている。
【0027】
フレーム12は、第1の端部とは反対側の第2の端部に、パンチリベット結合用金型22を受けるためのパンチリベット結合用金型受け部20をさらに備える。
【0028】
パンチリベット結合用金型22は、基部本体24を有し、さらにそこから軸方向に延びる直径のより小さい金型シャンク26を有する。金型シャンク26は、金型受け部20の開口部内に収容されるようになっている。基部本体24とシャンク26との間の移行部の半径方向表面は、金型受け部20の肩部28上に支持される。基部本体24は、好ましくは回転対称の形状である。
【0029】
パンチリベット結合用金型22、より詳細には基部本体24は、第1の軸方向面を形成する金属板支持面30を備える。金属板支持面30は、金型22が金型受け部20の中に取り付けられるとパンチ16の方を向くようになっている。金属板支持面30は、接合される被加工物層を支持するようになっている。
【0030】
パンチリベット結合工程では、通常、シート状の2又は3以上の被加工物W1、W2は、パンチ16と金型22との間に配置され、具体的には金型22の金属板支持面30によって支持される。さらに、金属板支持面30に対して被加工物のスタックを所定の位置に固定することも可能である。その後、パンチ16は、長手方向軸Xに沿って下方に移動し、リベット18を被加工物配列の中に打ち込むことができる。この場合、パンチリベット18の中空シャンクは、被加工物の中で半径方向に変形し、半径方向外向きに撓み、その結果、被加工物の間に非ポジティブ及び/又はポジティブ接合が形成される。
【0031】
金属板支持面30は、凹部32を備える(図2参照)。凹部32は、パンチリベット結合用金型の中心軸に対して回転対称に配置されている。凹部は、第1の環状基部34と、第2の環状基部36と、第2の環状基部36の下方に軸方向に延びる中央キャビティ38とを有する。中央キャビティ38は、突出部40を備える。突出部40は、中央キャビティ38の中央部分に配置されている。従って、突出部を備えた中央キャビティ38は、輪状溝を画定する。
【0032】
第1の環状基部34は、金属板支持面30の下方で軸方向に延びる。第2の環状基部36は、第1の環状基部34の下方で軸方向に延びる。換言すれば、第1の環状基部は、金属板支持面30と第2の環状基部との間で軸方向に延びる。
【0033】
第1の環状壁42は、金属板支持面30と第1の環状基部34との間に延びる。第1の環状壁は、金属板支持面30と第1の環状基部とを連結する。第1の環状壁は、切頭円錐面の様式で実現されている。
【0034】
第2の環状壁44は、第1の環状基部32と第2の環状基部36との間に延びる。第2の環状壁は、第1の環状基部と第2の環状基部とを連結する。第2の環状壁は、切頭円錐面の様式で実現されている。
【0035】
第1の環状壁42は、第1のテーパー角A1を有する。例えば、第1のテーパー角A1は、35度と80度の間とすることができる。第2の環状壁44は、第2のテーパー角A2を有する。第2のテーパー角A2は、5度と45度の間とすることができる。第2のテーパー角は、第1のテーパー角よりも小さい。
【0036】
第3の環状壁46は、第2の環状基部と凹部との間に延びる。第3の環状壁は、第2の環状基部と凹部とを連結する。第3の環状壁は、切頭円錐面の様式で実現される。第3の環状壁は、第2のテーパー角A2と実質的に同様のテーパー角を有することができる。
【0037】
金属板支持面30は、実質的に水平な平面に沿って延びる。第1の環状基部34は、金属板支持面30によって画定される平面に対して傾斜している。第1の環状基部32は、わずかに湾曲する場合もある。
【0038】
第1の環状基部34は、凸状フローバリアCXFを備える。凸状フローバリアは、脆性材料がリベットのシャンクで割れるのを防止する。第1の環状基部34は、第1の端部48及び第2の端部50を備える。第1の端部48は、第1の環状壁に接触する。第2の端部50は、第2の環状壁に接触する。第2の端部は丸みを帯びた部分である。第2の端部50は、第1の端部48の上方へ軸方向に延びる。第1の環状基部34は、第1の端部から第2の端部まで延びる斜面を形成し、第2の端部は、第1の端部よりも金属板支持面から近い。斜面及び/又は丸みを帯びた部分は、凸状フローバリアCXFを形成することができる。
【0039】
第2の環状基部36は、第2の環状壁に接触する第1の端部及び第3の環状壁に接触する第2の端部を備える。第1の端部及び第2の端部は、例えば、実質的に同一平面又は同一高さであり、第1の端部と金属板支持面との間の軸方向距離及び第2の端部と金属板支持面との間の軸方向距離は、同一又は実質的に同一である。第2の端部は、丸みを帯びた部分を有することもできる。例えば、第2の環状基部36は、金属板支持面30の平面と実質的に平行な平面内に延びる。
【0040】
キャビティ38の底部は、例えば凹状フローバリアCCFを備える。凹状フローバリアCCFは、金型の応力を低減し、変形材料に追加の容積を提供する。凹状フローバリアは、例えば輪状溝によって形成される。
【0041】
突出部40は、第2の環状基部と同じ高さで軸方向に延びることができ、又は第2の環状基部よりわずかに軸方向に上方に位置することができる。突出部は、例えば丸みを帯びた突出部である。
【0042】
上述したように、少なくとも2つの被加工物のパンチリベット接合部を形成するために、被加工物は、最初に積み重ねられ、金型の金属板支持面30上に配置される。半中空パンチリベットは、パンチと共に最上部の被加工物に打ち込まれる。半中空パンチリベットの中空シャンクは、最下部の被加工物に貫入し、その中で半径方向に広がる。次に、パンチリベット接合部の底面は、パンチリベット結合用金型によって形成される。特定の実施形態では、最上部の被加工物は高強度鋼又は超高強度鋼で作られており、最下部の被加工物は脆性鋳造アルミニウムで作られている。より一般的には、被加工物の少なくとも1つは、鋳造アルミニウムのような脆性材料で作られている。
【0043】
最上部の被各物W2は、第1の厚さTwを有する。凹部32は、金属板支持面30と第2の環状基部との間の軸方向の深さTAを有する。一実施形態では、軸方向深さTAは、Tw<TA<1.5Twの範囲にあり、詳細にはTw<TA<1.35Twの範囲にある。
【0044】
リベットは、リベットシャンク直径Drを有し、第2の環状壁は、第2の凹部直径DA2を有する。第2の凹部直径DA2は、0.8Dr<DA2<1.2Drの範囲にある。
【符号の説明】
【0045】
10 パンチリベット結合用工具
22 パンチリベット結合用金型
24 基部本体
30 金属板支持面
32 凹部
34 第1の環状基部
36 第2の環状基部
38 中央キャビティ
40 突出部
42 第1の環状壁
44 第2の環状壁
46 第3の環状壁
図1
図2
図3
【外国語明細書】