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特開2025-164398情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025164398
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20251023BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068354
(22)【出願日】2024-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】コメント欄の健全化を図ること。
【解決手段】情報処理装置は、判定部と、選択部と、問い合わせ部とを備える。判定部は、コンテンツに対するコメントの投稿者が前記コンテンツの当事者であるか否かを前記投稿者のアカウント情報に基づいて判定する。選択部は、判定部によって投稿者が当事者であると判定された場合に、コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する。問い合わせ部は、選択部によって選択された認証済みアカウントに対して、投稿者が本人であるか否かを問い合わせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツに対するコメントの投稿者が前記コンテンツの当事者であるか否かを前記投稿者のアカウント情報に基づいて判定する判定部と、
前記判定部によって前記投稿者が前記当事者であると判定された場合に、前記コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する選択部と、
前記選択部によって選択された前記認証済みアカウントに対して、前記投稿者が当事者本人であるか否かを問い合わせる問い合わせ部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記選択部は、
複数の前記認証済みアカウントを選択し、
前記問い合わせ部は、
複数の前記認証済みアカウントに対して前記問い合わせを行うこと
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記問い合わせ部による問い合わせの結果に応じて、前記コメントの公開または非公開を決定する決定部
を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定部は、
前記認証済みアカウントに対する問い合わせ結果と、前記投稿者が当事者本人であるか否かを判定させる指示文章とを含むプロントを生成し、前記プロントを文章生成モデルに対して入力して得られる回答結果に基づいて、前記コメントの公開または非公開を決定すること
を特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記選択部は、
前記コンテンツとなるニュース記事のジャンルに該当する専門家の前記認証済みアカウントを選択すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記選択部は、
前記コンテンツとなるニュース記事またはニュース記事に対するコメントを一定期間内に投稿しているユーザの前記認証済みアカウントを選択すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
コンテンツに対するコメントの投稿者が前記コンテンツの当事者であるか否かを前記投稿者のアカウント情報に基づいて判定する判定工程と、
前記判定工程によって前記投稿者が前記当事者であると判定された場合に、前記コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する選択工程と、
前記選択工程によって選択された前記認証済みアカウントに対して、前記投稿者が当事者本人であるか否かを問い合わせる問い合わせ工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項8】
コンテンツに対するコメントの投稿者が前記コンテンツの当事者であるか否かを前記投稿者のアカウント情報に基づいて判定する判定手順と、
前記判定手順によって前記投稿者が前記当事者であると判定された場合に、前記コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する選択手順と、
前記選択手順によって選択された前記認証済みアカウントに対して、前記投稿者が当事者本人であるか否かを問い合わせる問い合わせ手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニュース記事などの配信コンテンツを閲覧するユーザに対して、他のユーザによって投稿されたコメントを提供する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、コメント欄の健全化を図るうえで改善の余地があった。具体的には、従来技術では、コメントを投稿した投稿者によるなりすましを防止することについては何ら考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コメント欄の健全化を図ることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、判定部と、選択部と、問い合わせ部とを備える。判定部は、コンテンツに対するコメントの投稿者が前記コンテンツの当事者であるか否かを前記投稿者のアカウント情報に基づいて判定する。選択部は、判定部によって投稿者が当事者であると判定された場合に、コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する。問い合わせ部は、選択部によって選択された認証済みアカウントに対して、投稿者が本人であるか否かを問い合わせる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、コメント欄の健全化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るアカウント情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るプロントの模式図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、かかる情報処理方法は、たとえば、図1に示す情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、ユーザUに対してインターネットを通じて各種サービスを提供する情報処理装置である。本開示において、情報処理装置1は、ニュースサイトに関する各種サービスをユーザUに対して提供する。なお、情報処理装置1は、たとえば、サーバ装置やクラウドシステム等によって実現される。
【0012】
ユーザ端末50は、ユーザUが所有する端末装置であり、情報処理装置1とのデータ通信によって、情報処理装置1から各種情報を取得する。本開示において、ユーザ端末50は、情報処理装置1から配信されるニュース記事をユーザUに対して提供する。ユーザ端末50として、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、ウェアラブル端末などが挙げられる。
【0013】
ところで、ニュースサイトにおいては、ニュース記事に対するユーザUによるコメントを受け付け、ニュース記事に対してコメントを付与して提供するサービスがある。このようなサービスにおいては、ニュース記事のコメント欄に投稿されたコメントについてもコンテンツの一部として見做すことができる。
【0014】
一方で、例えば、ユーザUがニュース記事の当事者を装い、コメントを投稿することも考えられる。このようななりすましによるコメントの投稿は、コメント欄の健全化を図るうえで妨げとなる。
【0015】
そのため、実施形態に係る情報処理装置1は、なりすましによるコメントを判定する処理を実施し、なりすましによるコメントについては公開を見合わせる。具体的には、図1に示すように、まず、情報処理装置1は、ユーザ端末50に対し、配信コンテンツを配信する(ステップS1)。配信コンテンツは、ニュース記事および各ニュース記事に対して投稿されたコメントを含む。
【0016】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末50を通じて、ユーザUによるコメントの投稿を受け付ける(ステップS2)。この際、情報処理装置1は、ユーザ端末50を通じて、ユーザUに対して提供したニュース記事に対するコメントを受け付けることになる。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、判定処理を実行する(ステップS3)。ここでの判定処理は、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であるか否かを判定する処理である。ここで、当事者とは、ニュース記事に記載された人物やその関係者、ニュース記事に記載された組織に所属する人物を指す。なお、本開示において、当事者としては、著名人や、公人等を対象とする。
【0018】
情報処理装置1は、投稿者のアカウント情報およびニュース記事の内容に基づき、判定処理を実行する。例えば、情報処理装置1は、投稿者のアカウント名がニュース記事に登場している場合等において、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であると判定する。
【0019】
より具体的には、情報処理装置1は、投稿者のアカウントが認証済みアカウントでなく、アカウントの開設日が所定日時以内であり、投稿者のアカウント名がニュース記事に登場している場合等において、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であると判定する。
【0020】
すなわち、情報処理装置1は、投稿者のアカウント情報がこのような条件に該当する場合、投稿者がなりすましである可能性があると認定する。そして、情報処理装置1は、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であると判定すると、選択処理を実行する(ステップS4)。
【0021】
ここで、選択処理とは、投稿者が当事者本人か否かを問い合わせる問い合わせ先を選択する処理である。本開示において、情報処理装置1は、ニュース記事と関連する認証済みアカウントを問い合わせ先として選択する。
【0022】
具体的には、例えば、ニュース記事が経済に関する記事である場合、認証済みアカウントのうち、経済の専門家のアカウントを選択することになる。換言すれば、情報処理装置1は、投稿者によりコメントが投稿されたニュース記事と、当該ニュース記事の分野に精通している専門家のマッチングを行う。なお、情報処理装置1は、コメントの内容を考慮して、問い合わせ先となる認証済みアカウントを選択するようにしてもよい。また、この際、情報処理装置1は、複数の認証済みアカウントを選択する。
【0023】
つづいて、情報処理装置1は、選択した認証済みアカウントUaに対して問い合わせる問い合わせ処理を行う(ステップS5)。例えば、情報処理装置1は、選択した認証済みアカウントUaに対して、投稿者による投稿内容や投稿者のアカウントが信頼できるか否かを問い合わせる。
【0024】
その後、情報処理装置1は、認証済みアカウントUaから問い合わせに対する回答を取得し(ステップS6)、決定処理を行う(ステップS7)。ここで、決定処理は、コメントの公開または非公開を決定する処理である。
【0025】
後述するように、認証済みアカウントによる回答には、投稿者による投稿内容や投稿者のアカウントが信頼できるか否かの判定結果、および、その根拠が含まれる。そして、情報処理装置1は、各認証済みアカウントから取得した回答を基に、コメントの公開または非公開を決定する。
【0026】
具体的には、情報処理装置1は、入力された自然言語の文章に対して回答を生成するように学習された文章生成モデルを用いて、コメントの公開または非公開を決定する。より詳しくは、決定処理において、まず、情報処理装置1は、各認証済みアカウントUaから取得した回答および投稿者が当事者本人であるか否かを判定させる指示文章とを含むプロントを生成する。
【0027】
次いで、情報処理装置1は、生成したプロンプトを文章生成モデルへ入力して、文章生成モデルからプロンプトに対する回答を得る。この際、情報処理装置1は、文章生成モデルによる回答に基づき、投稿者が当事者本人であると判定された場合、コメントを公開すると決定する。また、情報処理装置1は、文章生成モデルによる回答に基づき、投稿者が当事者本人でないと判定された場合、すなわち、投稿者がなりすましである可能性が高いと判定された場合には、コメントを非公開にすると決定する。なお、情報処理装置1は、文章生成モデルによる回答によって、投稿者が当事者本人か否かを判定できない場合についても、コメントを非公開にすると決定するようにしてもよい。
【0028】
このように、情報処理装置1は、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であると判定した場合には、ニュース記事と関連する認証済みアカウントに対して問い合わせを行い、その結果に基づいて、コメントを公開するか否かを判定する。したがって、実施形態に係る情報処理装置1は、なりすましによるコメントの投稿を抑制することができるので、コメント欄の健全化を図ることができる。
【0029】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、図2を用いて、情報処理装置1の構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを有する。
【0030】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部2は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0031】
記憶部3は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部3は、コンテンツ情報記憶部31と、アカウント情報記憶部32と、文章生成モデル記憶部33とを有する。
【0032】
コンテンツ情報記憶部31は、コンテンツ情報を記憶する。図3は、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部31に格納される情報の一例を示す図である。図3に示すように、コンテンツ情報記憶部31は、「コンテンツID」、「カテゴリ」、「コンテンツデータ」および「コメント」などいとった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0033】
「コンテンツID」項目には、各コンテンツ(ニュース記事)を識別するための識別子が格納される。「カテゴリ」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツ(ニュース記事)のカテゴリが格納される。なお、カテゴリは、「経済」、「エンタメ」、「スポーツ」などといった対応するコンテンツの分野を示すものであってもよく、コンテンツのトピックを示すものであってもよい。
【0034】
「コンテンツデータ」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツデータが格納される。コンテンツデータは、ニュース記事に関するデータであり、ニュース記事のタイトル、サムネイル画像、本文、要約文等を含む。
【0035】
「コメント」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツに対して投稿されたコメントが格納される。なお、コメントは、ニュースサイトで投稿されたコメントであるが、SNSでニュース記事を投稿する際のコメントを含む。
【0036】
図2の説明に戻り、アカウント情報記憶部32について説明する。アカウント情報記憶部32は、アカウント情報を記憶する。アカウント情報は、各ユーザUのアカウントに関する情報である。
【0037】
図4は、実施形態に係るアカウント情報記憶部32に格納される情報の一例を示す図である。図5に示すように、アカウント情報記憶部32は、「アカウントID」、「登録情報」、「認証済みフラグ」、「ジャンル」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0038】
「アカウントID」項目には、アカウントIDが格納される。アカウントIDは、各ユーザUを識別するための識別子である。「登録情報」項目には、登録情報が格納される。登録情報は、対応するアカウントIDによって識別されるユーザUが情報処理装置1によって提供するニュースサイトに登録した情報である。
【0039】
登録情報は、氏名、年齢、住所、職業などといったデモグラフィック属性に関する情報や、趣味・嗜好などといったサイコグラフィック属性に関する情報を含む。なお、登録情報は、ニュースサイトと提携する他のサービスでユーザUが登録した情報を含むようにしてもよい。他のサービスは、ショッピングサイトやフリマサイトなどといった各種ECサイトや、飲食店やホテル、飛行機等の予約サイト等を含むようにしてもよく、クレジットカードやQRコード(登録商標)決済を提供する電子決済サービスを含むようにしてもよい。
【0040】
「認証済みフラグ」項目には、対応するアカウントIDによって識別されるアカウントが認証済みか否かを示す認証済みフラグが格納される。例えば、認証済みであるアカウントの認証済みフラグは、「1」、認証済みでないアカウントの認証済みフラグは、「0」となる。
【0041】
なお、「認証済みフラグ」は、対応するアカウントIDによって識別されるアカウントのユーザUが認証済み、かつ、特定の分野の専門家や有識者か否かを示すフラグであってもよい。この場合、認証済みフラグが「1」であるアカウントは、認証済み、かつ、特定の分野の専門家あるいは有識者であることを示す。
【0042】
「ジャンル」項目には、対応するアカウントIDによって識別されるユーザUのジャンルに関する情報が格納される。例えば、対応するユーザUが専門家である場合に、専門分野に関する情報が「ジャンル」として「ジャンル」項目に格納される。なお、「ジャンル」については、認証済みアカウントのうち、ニュースサイト側で事前に専門家(有識者)として認可したアカウントに対して付与されるものとする。
【0043】
図2の説明に戻り、文章生成モデル記憶部33について説明する。文章生成モデル記憶部33は、文章生成モデルを記憶する。文章生成モデルは、入力した自然言語の文章に対する回答文章を生成するように学習された大規模言語モデルである。例えば、文章生成モデルは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)である。
【0044】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0045】
図2に示すように、制御部4は、配信部41と、受付部42と、判定部43と、選択部44と、問い合わせ部45と、決定部46とを有する。
【0046】
配信部41は、各ユーザ端末50に対して、配信コンテンツを配信する。例えば、配信部41は、配信コンテンツとして、ニュース記事およびニュース記事に対して投稿されたコメントを配信する。
【0047】
具体的には、配信部41は、ニュースサイトのトップページに関する情報を各ユーザ端末50に対して配信し、その後、ユーザUによって選択されたニュース記事に対応する配信コンテンツを配信する。
【0048】
受付部42は、ユーザUからニュース記事に対するコメントを受け付ける。例えば、受付部42は、受け付けたコメントに対してコメントの投稿者となるユーザUのユーザID等を紐づけてコンテンツ情報記憶部31の「コメント」項目に登録する。
【0049】
判定部43は、コンテンツに対するコメントの投稿者がコンテンツの当事者であるか否かを投稿者のアカウント情報に基づいて判定する。例えば、判定部43は、投稿者のアカウント情報が所定の条件を満たす場合に、コメントの投稿者がコンテンツの当事者であるか否かを判定する。
【0050】
例えば、判定部43は、投稿者のアカウント名がニュース記事に登場し、投稿者のアカウントが認証済みアカウントでなく、アカウントの開設日が所定日時以内である場合等において、コメントの投稿者がニュース記事の当事者であると判定する。
【0051】
なお、判定部43による判定は、ルールベースで行うようにしてもよく、例えば、文章生成モデルを活用して行うようにしてもよい。例えば、文章生成モデルを用いて判定を行う場合、判定部43は、ニュース記事、投稿者のコメント、投稿者のアカウント情報および指示文章を含むプロントを生成し、文章生成モデルに対して入力する。例えば、指示文章は、「以下の投稿者によるコメントは、ニュース記事の当事者本人によるものか判定してください」等である。このようなプロントに対して、文章生成モデルは、回答文章として、判定結果の自然言語を出力することになる。
【0052】
選択部44は、判定部43によって投稿者が当事者であると判定された場合に、コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する。選択部44は、コンテンツであるニュース記事のカテゴリに基づき、当該カテゴリの有識者または専門家であり、かつ、認証済みアカウントをアカウント情報記憶部32から選択する。
【0053】
一例として、選択部44は、ニュース記事のカテゴリが経済であれば、経済のカテゴリの有識者または専門家を選択することになる。また、この際、選択部44は、複数の認証済みアカウントを選択する。
【0054】
また、選択部44は、直近3カ月以内にニュース記事、あるいは、コメントの発信を行っていることを条件として、認証済みアカウントを選択するようにしてもよい。
【0055】
問い合わせ部45は、選択部44によって選択された認証済みアカウントに対して、投稿者が当事者本人であるか否かを問い合わせる。具体的には、選択部44は、選択部44によって選択された認証済みアカウントに対して、ニュース記事、コメント内容、および、アカウント情報等を送信し、投稿者が当事者本人か否かを問い合わせる。そして、問い合わせ部45は、各認証済みアカウントによる問い合わせの結果を取得すると、その内容を決定部46に回す。
【0056】
決定部46は、問い合わせ部45による問い合わせの結果に応じて、コメントの公開または非公開を決定する。例えば、決定部46は、文章生成モデルを活用して、コメントの公開または非公開を決定する。
【0057】
決定部46は、各認証済みアカウントから取得した回答および投稿者が当事者本人であるか否かを判定させる指示文章と含むプロントを生成する。ここで、図5を用いて、プロントの一例について説明する。図5は、実施形態に係るプロントの模式図である。
【0058】
図5に示すように、プロントは、例えば、各認証済みアカウントから取得した回答および指示プロント(指示文章)を含む。同図に示す例において、各回答には、当事者本人かの否かの判定結果、および、その根拠が含まれ、指示プロントは、「これらの回答からAさんのアカウントはAさん本人か判定してください」といった文章である。
【0059】
決定部46は、これらのプロンプトを文章生成モデルへ入力して、文章生成モデルからプロンプトに対する回答を得る。この際、決定部46は、文章生成モデルによる回答に基づき、投稿者が当事者本人であると判定された場合、コメントを公開すると決定する。また、情報処理装置1は、文章生成モデルによる回答に基づき、投稿者が当事者本人でないと判定された場合、すなわち、投稿者がなりすましである可能性が高いと判定された場合には、コメントを非公開にすると決定する。なお、決定部46は、文章生成モデルによる回答によって、投稿者が当事者本人か否かを判定できない場合についても、コメントを非公開にすると決定するようにしてもよい。
【0060】
そして、決定部46によって、投稿者が当事者本人であると判定されたコメントは、配信コンテンツとしてニュース記事とともに配信され、投稿者が当事者本人でないと判定されたコメントは、非公開となる。つまり、コメントの投稿者が当事者本人でない、すなわち、なりすましであると判定され場合には、当該コメントは、公開されないままとなる。これにより、なりすましによるコメントの投稿を防止することができるので、コメント欄の健全化を図ることができる。
【0061】
〔3.処理フロー〕
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0062】
図6に示すように、まず、情報処理装置1は、コンテンツに対するコメントを受け付ける(ステップS101)。つづいて、情報処理装置1は、投稿されたコメントがなりすましの判定対象か否かを判定する(ステップS102)。
【0063】
情報処理装置1は、なりすましの判定対象でないと判定した場合(ステップS102:No)、処理を終了し、なりすましの判定対象であると判定した場合(ステップS102:Yes)、ステップS103の処理へ進む。
【0064】
つづいて、情報処理装置1は、問い合わせ先となる認証済みアカウントを選択し(ステップS103)、選択した認証済みアカウントへ問い合わせる(ステップS104)。つづいて、情報処理装置1は、認証済みアカウントから問い合わせるに対する回答を取得する(ステップS105)。
【0065】
そして、情報処理装置1は、コメントの公開または非公開を決定して(ステップS106)、処理を終了する。
【0066】
〔4.変形例〕
ところで、上述した実施形態では、コンテンツがニュース記事である場合について説明したが、これに限定されるものではない。コンテンツは、SNS等に投稿されたコメント等であってもよい。
【0067】
〔5.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、コンテンツに対するコメントの投稿者がコンテンツの当事者であるか否かを投稿者のアカウント情報に基づいて判定する判定部43と、判定部43によって投稿者が当事者であると判定された場合に、コンテンツと関連する認証済みアカウントを選択する選択部44と、選択部44によって選択された認証済みアカウントに対して、投稿者が当事者本人であるか否かを問い合わせる問い合わせ部45とを備える。
【0068】
また、選択部44は、複数の認証済みアカウントを選択し、問い合わせ部45は、複数の認証済みアカウントに対して問い合わせを行う。また、情報処理装置1は、問い合わせ部45による問い合わせの結果に応じて、メントの公開または非公開を決定する決定部46を備える。
【0069】
また、決定部46は、認証済みアカウントに対する問い合わせ結果と、投稿者が当事者本人であるか否かを判定させる指示文章と含むプロントを生成し、プロントを文章生成モデルに対して入力して得られる回答結果に基づいて、コメントの公開または非公開を決定する。
【0070】
また、選択部44は、コンテンツとなるニュース記事のジャンルに該当する専門家の認証済みアカウントを選択する。また、選択部44は、コンテンツとなるニュース記事またはニュース記事に対するコメントを一定期間内に投稿しているユーザの認証済みアカウントを選択する。
【0071】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、コメント欄の健全化を図ることができる。
【0072】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図7は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0073】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0074】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0075】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図7では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0076】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0077】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0078】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0079】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0080】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0081】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0082】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 コンテンツ情報記憶部
32 アカウント情報記憶部
33 文章生成モデル記憶部
41 配信部
42 受付部
43 判定部
44 選択部
45 問い合わせ部
46 決定部
50 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7