(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001644
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】蓄エネルギー電源
(51)【国際特許分類】
H01M 50/291 20210101AFI20241225BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20241225BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20241225BHJP
H01M 50/507 20210101ALI20241225BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20241225BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20241225BHJP
H01M 50/289 20210101ALI20241225BHJP
H01M 50/271 20210101ALI20241225BHJP
H01M 10/653 20140101ALI20241225BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20241225BHJP
H01M 10/6554 20140101ALI20241225BHJP
H01M 10/643 20140101ALN20241225BHJP
【FI】
H01M50/291
H01M50/548 201
H01M50/213
H01M50/507
H01M10/613
H01M50/204 101
H01M50/289 101
H01M50/271 B
H01M10/653
H01M10/6553
H01M10/6554
H01M10/643
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083089
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】202310742690.7
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202321601200.3
(32)【優先日】2023-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】520282568
【氏名又は名称】深▲セン▼市華宝新能源股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Hello Tech Energy Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】F2-3, Bldg. 7, Jia Anda Ind. Zn. Huafan Rd. (East), Tongsheng Comm., Dalang St., Longhua 518000 Shenzhen , Guangdong China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄水生
(72)【発明者】
【氏名】孫中偉
(72)【発明者】
【氏名】沈高松
(72)【発明者】
【氏名】陳勇軍
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031KK01
5H040AA01
5H040AA03
5H040AT01
5H043AA05
5H043AA19
5H043CA03
5H043FA04
5H043JA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】構成部品の数と種類が多く、組み立て工程も多く、コストが高い、製品の空間利用率が低く全体の製品サイズが大きい、の少なくとも1つの課題を解決できる蓄エネルギー電源を提供する。
【解決手段】蓄エネルギー電源において、ハウジングであって、ハウジング内には収容キャビティが設けられ、収容キャビティの内壁には複数の第一固定部品が設けられ、第一固定部品の底壁には第一スルーホールが設けられるハウジングと、複数の電池セルであって、複数の電池セルと複数の第一固定部品とは一対一に対応し、電池セルは、本体、第一極柱及び第二極柱を含み、第一極柱及び第二極柱はそれぞれ本体の長さ方向の両端に設けられ、本体の一端は第一固定部品に収容され、第一極柱は第一スルーホールに貫設される、複数の電池セルと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄エネルギー電源において、
ハウジングであって、前記ハウジング内には収容キャビティが設けられ、前記収容キャビティの内壁には複数の第一固定部品が設けられ、前記第一固定部品の底壁には第一スルーホールが設けられるハウジングと、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルと前記複数の第一固定部品とは一対一に対応し、前記電池セルは、本体、第一極柱及び第二極柱を含み、前記第一極柱及び前記第二極柱はそれぞれ前記本体の長さ方向の両端に設けられ、前記本体の一端は前記第一固定部品に収容され、前記第一極柱は前記第一スルーホールを介して前記収容キャビティの外側に連通される、複数の電池セルと、を含む、蓄エネルギー電源。
【請求項2】
前記収容キャビティの内壁には第一ブラケットが設けられ、前記第一ブラケットには前記複数の第一固定部品が設けられる、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項3】
前記蓄エネルギー電源は、前記収容キャビティ内に位置する第二ブラケットを含み、前記第二ブラケットは前記収容キャビティの内壁に接続され、前記第二ブラケットには複数の第二固定部品が設けられ、前記第二固定部品の底壁には第二スルーホールが設けられ、前記複数の電池セルと前記複数の第二固定部品とは一対一に対応し、前記本体の他端は前記第二固定部品に収容され、前記第二極柱は前記第二スルーホールを介して前記収容キャビティの外側に連通される、請求項2に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項4】
前記第一ブラケットが複数の支柱を含み、前記支柱は前記第二ブラケットに固定接続される、請求項3に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項5】
前記第一ブラケットが前記収容キャビティの内壁に接続される囲壁を含み、前記囲壁により収容溝が形成され、前記収容溝は前記複数の第一固定部品に連通する、請求項2に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項6】
前記収容溝内に固定用ゲルが注入されており、前記固定用ゲルは前記電池セル及び前記第一ブラケットを固定接続する、請求項5に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項7】
前記第一ブラケットと前記ハウジングとを、一体成型構造とする、請求項2~請求項6のいずれか1項に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項8】
前記蓄エネルギー電源は、
第一バスバー及び第二バスバーが含まれるバスバーアセンブリであって、前記第一バスバーは少なくとも2つの電池セルの第一極柱に接続され、前記第二バスバーは少なくとも2つの電池セルの第二極柱に接続されるバスバーアセンブリを含む、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項9】
前記蓄エネルギー電源は、カバープレートを含み、前記第一固定部品に対応する前記ハウジングの外側壁には収容溝が設けられ、前記第一スルーホールが前記収容溝の底壁を貫通し、前記第一バスバーが前記収容溝に位置し、前記カバープレートが前記ハウジングの外側壁上に設けられ且つ前記収容溝を覆う、請求項8に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項10】
前記カバープレートは、前記収容溝内の接着剤によって前記ハウジングに接続されているか、または、ファスナーによって前記ハウジングに固定されている、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項11】
前記蓄エネルギー電源は、熱伝導性接着剤を含み、前記熱伝導性接着剤が前記カバープレートと前記第一バスバーを接続する、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項12】
前記蓄エネルギー電源は、密封リングを更に含み、前記密封リングが、前記カバープレートと前記ハウジングの外側壁を密封接続する、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項13】
前記ハウジングが第一ハウジング及び第二ハウジングを含み、前記第一ハウジングが前記第二ハウジングに取り外し可能に接続されて、前記収容キャビティを囲んで形成し、前記第一固定部品が前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングに設けられる、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄エネルギー技術分野に関し、特に蓄エネルギー電源に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術では、電池セル、電池セルブラケット、バスバー、収集板、ネジなどの部品を組み立てて電池モジュールにし、その電池モジュールを製品のハウジング内に取り付け、ネジで固定して蓄エネルギー電源を組み立てる。しかし、従来の案では構成部品の数と種類が多く、組み立て工程も多く、コストが高い。また、取り付け空間を予約するため、製品の空間利用率が低く、全体の製品サイズが大きくなっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明には、上述の存在している少なくとも1つの技術的課題を解決できる蓄エネルギー電源が提供されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態により提供されている蓄エネルギー電源において、
ハウジングであって、前記ハウジング内には収容キャビティが設けられ、前記収容キャビティの内壁には複数の第一固定部品が設けられ、前記第一固定部品の底壁には第一スルーホールが設けられるハウジングと、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルと前記複数の第一固定部品とは一対一に対応し、前記電池セルは、本体、第一極柱及び第二極柱を含み、前記第一極柱及び前記第二極柱はそれぞれ前記本体の長さ方向の両端に設けられ、前記本体の一端は前記第一固定部品に収容され、前記第一極柱は前記第一スルーホールを介して前記収容キャビティの外側に連通される、複数の電池セルと、を含む。
【0005】
上述の蓄エネルギー電源において、収容キャビティの内壁上に第一固定部品を設け、電池セルの本体の一端を第一固定部品内に収容することで、電池セルは、直接、第一固定部品上に取り付けることができるようになり、これにより、電池モジュールを組み立ててから、ハウジングに装入する必要がなくなり、組み立て工程を減少させ、コストを削減できることに加え、電池モジュールを組み立てるための必要な部品も減らすことができ、したがって、製品の空間利用率を向上させたり、製品サイズを小さくすることができる。
【0006】
いくつかの実施形態において、前記収容キャビティの内壁には第一ブラケットが設けられ、前記第一ブラケット上には前記複数の第一固定部品が設けられる。
【0007】
いくつかの実施形態において、前記蓄エネルギー電源は、前記収容キャビティ内に位置する第二ブラケットを含み、前記第二ブラケットは前記収容キャビティの内壁に接続され、前記第二ブラケットには複数の第二固定部品が設けられ、前記第二固定部品の底壁には第二スルーホールが設けられ、前記複数の電池セルと前記複数の第二固定部品とは一対一に対応し、前記本体の他端は前記第二固定部品に収容され、前記第二極柱は前記第二スルーホールを介して前記収容キャビティの外側に連通される。
【0008】
いくつかの実施形態において、前記第一ブラケットが、複数の突き出た支柱を含み、前記支柱は、前記第二ブラケットに固定接続される。
【0009】
いくつかの実施形態において、前記第一ブラケットが前記収容キャビティの内壁に接続される囲壁を含み、前記囲壁により収容溝が形成され、前記収容溝は前記複数の第一固定部品に連通する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記収容溝内に固定用ゲルが注入されており、前記固定用ゲルは前記電池セル及び前記第一ブラケットを固定接続する。
【0011】
いくつかの実施形態において、前記蓄エネルギー電源は、
第一バスバー及び第二バスバーが含まれるバスバーアセンブリであって、前記第一バスバーは少なくとも2つの電池セルの第一極柱に接続され、前記第二バスバーは少なくとも2つの電池セルの第二極柱に接続されるバスバーアセンブリを含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記蓄エネルギー電源は、カバープレートを含み、前記第一固定部品に対応する前記ハウジングの外側壁には収容溝が設けられ、前記第一スルーホールが前記収容溝の底壁を貫通し、前記第一バスバーが前記収容溝に位置し、前記カバープレートが前記ハウジングの外側壁上に設けられ、且つ前記収容溝を覆う。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記蓄エネルギー電源は、熱伝導性接着剤を含み、前記熱伝導性接着剤が前記カバープレートと前記第一バスバーを接続する。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記蓄エネルギー電源は、密封リングを含み、前記密封リングが、前記カバープレートと前記ハウジングの外側壁を密封接続する。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記ハウジングが第一ハウジング及び第二ハウジングを含み、前記第一ハウジングが前記第二ハウジングに取り外し可能に接続されて、前記収容キャビティを囲んで形成し、前記第一固定部品が前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングに設けられる。
【0016】
本発明の付加的な態様と利点は、その一部が以下の説明で示され、もう一部が以下の説明から明らかになり、又は本発明の実践から理解される。
【0017】
本発明の上述及び/又は追加的な態様と利点は、以下の図面に基づいた実施形態の説明から明らかになり、容易に理解されることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の構造模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の第一ハウジングの構造模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る電池セルの構造模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の内部構造模式図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の分解模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の別の分解模式図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源の第一ハウジングのさらなる構造模式図である。
【
図8】本発明の実施形態による蓄エネルギー電源の部分構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。説明する実施形態の例は図面に示されており、始めから終わりまで同じ又は類似の番号は同じ又は類似の要素又は同じ又は類似の機能を持つ要素を示す。以下、図面を参照して説明される実施形態は例示的なもので、本発明を解釈するためにのみ用いられ、本発明を限定するものとして理解され得ない。
【0020】
後述の開示は、本発明の異なる構成を実現するための多くの異なる実施形態又は例を提供する。本発明の開示を簡略化するために、特定の例の部品と設置について説明される。もちろん、これらは単なる例であり、本発明に対する制限を目的としない。また、本発明は、異なる例において繰り返し参照数字及び/又は参照文字を使用しており、この繰り返しは、説明を簡素化し、明確にするためのものであって、議論される各種実施形態及び/又は設置間の関係を示すものではない。また、本発明では、特定の工程や材料の例を提供しているが、当業者は他の工程の適用及び/又は他の材料の使用に気づくことができる。
【0021】
また、「第一」、「第二」という用語は、目的を説明するためにのみ使用され、相対重要性を指示又は示唆したり、技術的特徴の数を暗示したりするものとして理解され得ない。従って、「第一」、「第二」として限定されている特徴は、1つ以上の特徴を含むことが明示されたり、暗示されたりすることもある。本発明の説明では、「複数」というのは、特に具体的に限定されていない限り、2つ以上を意味する。
【0022】
本明細書の説明における「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」、「示例的な実施形態」、「例」、「具体例」、或いは「いくつかの例」等の表現は、実施形態又は例が説明された具体的特徴、構造、材質又は特性が本発明の1つ以上の実施形態又は例に含まれることを意味する。本明細書における上述の用語の示意的表現は、必ずしも同一の実施形態又は例を指すわけではない。また、具体的特徴、構造、材質又は特性は、いずれか1つ又は複数の実施形態又は例において適切な方法で組み合わせることもできる。
【0023】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内側」、「外側」、「時計回り」、「反時計回り」などで指示される方位又は位置関係は、図に示されている方位や位置関係に基づいているもので、これは、本発明を説明し、説明を簡素化するためだけであって、指された装置や要素が特定の方向を持たなければならず、あるいは特定の方向で構築され動作しなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本発明の制限として理解され得ない。
【0024】
本発明において、特に明確な規定や限定がない限り、第一特徴が第二特徴の「上」又は「下」にあるという表現は、第一特徴と第二特徴が直接接触している場合を含むだけでなく、それらが直接接触しておらず、それらの間に介在する他の特徴を介して接触している場合も含む。それに、第一特徴が第二特徴の「上」、「上方」、「上面」にあるとは、第一特徴が第二特徴のちょうど上方又は斜め上方に位置していること、又は、単に第一特徴がの水平高度が第二特徴の水平高度よりも高いことを意味する。第一特徴が第二特徴の「下」、「下方」、「下面」にあるとは、第一特徴が第二特徴のちょうど下方又は斜め下方に位置していること、又は、単に第一特徴の水平高度が第二特徴の水平高度よりも低いことを意味する。
【0025】
本発明の説明において、特に明確な規定や限定がない限り、「取り付け」、「結合」、「接続」という用語は、広義に理解されるべきである。例えば、これらは、固定接続であるか、取り外し可能な接続であるか、又は一体化された接続であってもよく、機械接続であるか、電気接続であってもよく、直接接続であるか、中間媒介を介した間接接続であってもよく、2つの要素が内部的に連通していることであるか、相互に作用している関係であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じてこれらの用語の本発明における具体的意味を理解することができるであろう。
【0026】
図1~
図4を参照されたい。本発明の実施形態に係る蓄エネルギー電源100において、ハウジング10と複数の電池セルとが含まれる。ハウジング10内には収容キャビティ11が設けられる。収容キャビティ11の内壁113には複数の第一固定部品1111が設けられる。第一固定部品1111の底壁には第一スルーホール1112が設けられる。複数の電池セル20と複数の第一固定部品1111とは一対一に対応する。電池セル20は、本体21、第一極柱22及び第二極柱23を含む。第一極柱22及び第二極柱23はそれぞれ本体21の長さ方向の両端に設けられる。本体21の一端は第一固定部品1111に収容される。第一極柱22は第一スルーホール1112を介して前記収容キャビティの外側に連通される。
【0027】
上述の蓄エネルギー電源100において、収容キャビティ11の内壁113上に第一固定部品1111を設け、電池セル20の本体21の一端を第一固定部品1111内に収容することで、電池セル20は、直接、第一固定部品1111上に取り付けることができるようになり、これにより、電池モジュールを組み立ててから、ハウジング10に装入する必要がなくなり、組み立て工程を減少させ、コストを削減できることに加え、電池モジュールを組み立てるための必要な部品も減らすことができ、したがって、製品の空間利用率を向上させたり、製品サイズを小さくすることができる。
【0028】
1つの実施形態において、蓄エネルギー電源100のハウジング10の少なくとも一部が囲むことで、収容キャビティ11を形成し、収容キャビティ11は電池セル20を収容するために用いられる。電池セル20は円筒形のものであってもよい。電池セル20は収容キャビティ11内に垂直に置かれ得、その垂直方向はその本体21の長さ方向に対応する。それに応じて、第一固定部品1111は収容キャビティ11の底部に設けられることで、電池セル20の底を固定する。第一固定部品1111は収容キャビティ11の頂部に設けられ得、それにより、電池セル20の頂上を固定することも理解されるであろう。第一固定部品1111はハウジング10と一体成型され得るか、又は他の固定接続の方式により収容キャビティ11の内壁113の底部に接続され得、これにより電池セル20はハウジング10に相対的に固定される。電池セル20の第一極柱22と第二極柱23は、電池セル20の電力供給又は充電時の電流インターフェースである。電池セル20は、本体21の長さ方向の両端にそれぞれ設けられた第一極柱22及び第二極柱23を含み、第一極柱22は第一スルーホール1112に貫設され、即ち、電池セル20は二つの極柱を具有し、そのうちの一方の極柱は第一スルーホール1112に貫設される。
【0029】
隣接した二つの電池セル20の電気的接続の異なる方式については、第一極柱22と第二極柱23との極性が異なっていてもよい。隣接した二つの電池セル20が直列に接続されている場合、そのうちの一方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極であるが、他方の電池セル20の第一極柱22は負極であり、第二極柱23は正極である。隣接した二つの電池セル20が並列に接続されている場合、そのうちの一方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極であり、他方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極である。第一極柱22と第二極柱23のうちの1つが第一固定部品1111に接続される。第一固定部品1111が収容キャビティ11の底部にあり、第一極柱22が負極であり、第一極柱22が第一固定部品1111に接続されている場合、第一極柱22は第一固定部品1111上の第一スルーホール1112を通じてハウジング10を貫いて、外部機器に電気的に接続され得るようになる。これにより、蓄エネルギー電源100の外部への電力供給又は充電用のポートが確立される。第一固定部品1111の数が電池セル20の数と一致するように保持して、すべての電池セル20がそれぞれ、個々の第一固定部品1111内に固定される。第一固定部品1111は円形の凹溝であってもよく、第一固定部品1111の直径は電池セル20の直径に対応し、両者の直径を等しくして、電池セル20が凹溝内に固定されてもよいか、第一固定部品1111の直径を電池セル20の直径よりも若干小さくして、干渉合わせにより、固定の強度を向上させてもよい。第一固定部品1111が三角形、多辺形又はその他不規則な形状に設定され、その最大内径円の直径が上述の条件を満たすように保持されることが理解されるであろう。第一スルーホール1112の直径を第一固定部品1111の直径以下にすることにより、電池セル20が第一スルーホール1112から滑り落ちることを避ける。このように、構造部品の数を減少させることで、蓄エネルギー電源100のサイズと重量を小さくし、製品構造と組み立て工程を最適化し、製品の体積エネルギー密度と質量エネルギー密度を向上させ、コストを低減して持ち運びが容易になる。いくつかの実施形態において、第一固定部品1111は電池セル20との干渉合わせによる固定溝であったり、クランプやクリップ等の形式で、電池セル20を固定するものであったりする。
【0030】
また、いくつかの他の実施形態において、電池セル20は方形電池セルであってもよい。電池セル20が方形電池セルの場合、第一固定部品1111の形状もそれに対応する方形になる。いくつかの他の実施形態において、電池セル20は収容キャビティ11内に水平に、又は他の方向に置かれてもよい。電池セル20が水平に置かれる場合、第一固定部品1111は収容キャビティ11の前側、後側、左側又は右側の内壁に設けられて、電池セル20を固定してもよい。
【0031】
図5を参照されたい。いくつかの実施形態において、収容キャビティ11の内壁には第一ブラケット111が設けられ、第一ブラケット111には複数の第一固定部品1111が設けられる。
【0032】
このようにして、ハウジング10の構造を簡略化することができる。
【0033】
具体的に、
図5を参照されたい。1つの実施形態において、収容キャビティ11の底部に第一ブラケット111が設けられ得、第一ブラケット111上に複数の第一固定部品1111が設けられる。複数の第一固定部品1111を第一ブラケット111上に組み付けることで、ハウジング10の構造を簡略化することができる。第一ブラケット111はハウジング10上に溶接され得るか、又はボルトなどを用いて取り外し可能に固定されて、ニーズに応じて、異なる数の第一固定部品1111を備えた第一ブラケット111に交換して、蓄エネルギー電源100の柔軟性が向上し得る。
【0034】
いくつかの実施形態において、第一ブラケット111とハウジング10とを、一体成型構造とする。
【0035】
このようにして、第一ブラケット111とハウジング10との接続強度を向上させ、蓄エネルギー電源100の製造効率を向上させることができる。
【0036】
具体的に、一実施形態において、第一ブラケット111とハウジング10の材質はプラスチックであり、第一ブラケット111とハウジング10とは射出成形工程により一体的に製造され、第一ブラケット111とハウジング10とを一体成型構造とすることができる。
【0037】
一実施形態において、第一ブラケット111とハウジング10の材質は金属であってもよく、第一ブラケット111とハウジング10とはダイカスト、スタンピング等の工程により一体的に製造され、第一ブラケット111とハウジング10を一体成型構造とすることができる。
【0038】
第一ブラケット111とハウジング10とが一体成型構造になっているため、第一ブラケット111とハウジング10との間の隙間がなくなり、ひいては第一ブラケット111とハウジング10との接続強度を向上させることができる。第一ブラケット111とハウジング10とを一体成型で製造することにより、蓄エネルギー電源100の製造効率を向上させることができる。
【0039】
図5を参照されたい。いくつかの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、前記収容キャビティ11内に位置する第二ブラケット112を含む。第二ブラケット112は収容キャビティ11の内壁に接続される。第二ブラケット112には複数の第二固定部品(未図示)が設けられる。第二固定部品の底壁には第二スルーホール1121が設けられる。複数の電池セル20と複数の第二固定部品とは一対一に対応する。本体21の他端は第二固定部品に収容される。第二極柱23は第二スルーホール1121を介して前記収容キャビティの外側に連通される。
【0040】
このようにして、電池セル20の固定の強度を向上させる。
【0041】
具体的に、電池セル20の第二極柱23は第二スルーホール1121に貫設され、第一極柱22は第一スルーホール1112に貫設され、即ち、電池セル20は二つの極柱を具有し、二つの極柱はそれぞれ第一スルーホール1112及び第二スルーホール1121に貫設される。
【0042】
隣接した二つの電池セル20の電気的接続の異なる方式については、第一極柱22と第二極柱23との極性が異なっていてもよい。隣接した二つの電池セル20が直列に接続されている場合、そのうちの一方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極であるが、他方の電池セル20の第一極柱22は負極であり、第二極柱23は正極である。隣接した二つの電池セル20が並列に接続されている場合、そのうちの一方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極であり、他方の電池セル20の第一極柱22は正極であり、第二極柱23は負極である。
【0043】
図5を参照されたい。1つの実施形態において、第一固定部品1111により電池セル20の一端が固定され、かつ、第一極柱22が第一固定部品1111の第一スルーホール1112に貫設される場合に、第二ブラケット112は電池セル20の他端を固定することができる。第一固定部品1111が収容キャビティ11の底部に設けられる場合、第二ブラケット112は収容キャビティ11の頂部に固定接続することが可能であり、これにより蓄エネルギー電源100が振動などの外乱を受けた時に電池セル20が曲がることや飛び出すことを防ぐことができる。第二固定部品は、電池セル20の直径に対応した円形の凹溝であり、両者の直径は同等であってもよく、これにより、電池セル20を凹溝内に固定させる。第二固定部品の直径は、電池セル20の直径よりも若干小さくしてもよく、これにより、干渉合わせにより、固定の強度を向上させる。第二固定部品は、三角形、多辺形又はその他不規則な形状に設定することができ、その最大内径円の直径が上述の条件を満たすように保持されることが理解されるであろう。第二スルーホール1121の直径を第二固定部品の直径以下にすることにより、電池セル20が第二スルーホール1121から滑り落ちることを避ける。第一スルーホール1112の直径が第一固定部品1111の直径よりも小さく、且つ第二スルーホール1121の直径が第二固定部品の直径よりも小さい場合、電池セル20の両端は当時に第一ブラケット111の第一固定部品1111と第二ブラケット112の第二固定部品に当接してもよく、これにより電池セル20の固定の強度をさらに強化する。
【0044】
いくつかの実施形態において、第二固定部品の形状が電池セル20の断面形状に対応しているものとして、方形であってもよい。また、電池セル20が収容キャビティ11内に水平に、又は他の方向に置かれる場合、第一ブラケット111と第二ブラケット112も、収容キャビティ11内の対応する方向の内壁113上に設けられ得、それぞれ電池セル20の一端を固定する効果を発揮する。他の実施形態において、電池セル20を収容キャビティ11内に多様な角度で置かれ、それに伴い電池セル20に接続された部品の位置を調整し得ることが理解されるであろう。これ以上の詳細は繰り返して述べない。
【0045】
図2を参照されたい。いくつかの実施形態において、第一ブラケット111が複数の支柱1115を含み、支柱1115は第二ブラケット112に固定接続される。
【0046】
このようにして、電池セル20の固定の強度を向上させる。
【0047】
具体的に、
図2を参照されたい。1つの実施形態において、第一ブラケット111上の支柱1115は、蓄エネルギー電源100の高さ方向に沿って第二ブラケット112へと延在して、第二ブラケット112に接続し、支柱1115上にはネジ穴が設けられ得る。第二ブラケット112には、ネジ穴にネジ込むためのネジ部品を含むことができ、その結果、ネジ山の嵌合によって第一ブラケット111が第二ブラケット112に固定接続されて、電池セル20の両端を挟み込んで固定する。また、第一ブラケット111は、第一ブラケット111の構造的主体である底板も含んでもよい。支柱1115は底板と一体成型され得るか、又はネジ山による接続などの方法で底板に固定接続され得る。別の実施形態において、支柱1115はファスナー、ピン等の方式で第二ブラケット112にも固定接続され得る。
【0048】
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、第一ブラケット111が収容キャビティ11の内壁113に接続される囲壁1113を含む。囲壁1113により収容溝1114が形成される。収容溝1114は複数の第一固定部品1111に連通する。
【0049】
このようにして、電池セル20の固定の強度を向上させる。
【0050】
具体的に、
図6を参照されたい。1つの実施形態において、電池セル20の本体21の長さ方向に沿って、第一ブラケット111は電池セル20の四周に囲壁1113を設けることができ、囲壁1113の高さは電池セル20の長さよりも小さい。電池セル20の本体21の長さ方向に沿って、囲壁1113の上下の両端には開口部があり、第一ブラケット111の第一固定部品1111がそのうちの一端の開口部を閉じる。囲壁1113と第一ブラケット111の第一固定部品1111は取り囲むことで、収容溝1114を形成し、収容溝1114は収容キャビティ11内に囲まれている。
【0051】
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、収容溝1114内に固定用ゲルが注入されており、固定用ゲルは電池セル20及び第一ブラケット11を固定接続する。
【0052】
このようにして、電池セル20の安全性を向上させることができる。
【0053】
収容溝1114内に電池セル20を入れた後、電池セル20は第一固定部品1111の第一スルーホール1112を塞ぎ、これにより収容溝1114の頂上を除く他の側面を密封させる。収容溝1114の頂上において、開口部を上向きのままに保持している場合に、収容溝1114内に固定用ゲルを注入する。固定用ゲルが凝固した後、第一ブラケット111と電池セル20は、収容キャビティ11内に傾斜又は水平の姿勢で置かれ得るようになる。固定用ゲルはある程度の粘着力を持ってもよく、これにより電池セル20の自由度を複数だけ減少させる。また、固定用ゲルが粘着力を持たなくてもよく、これにより、電池セル20の自由度を2つだけ減少させることが、理解されるであろう。固定用ゲルと第一固定部品1111の併用により、電池セル20の固定の強度と衝撃吸収能力をさらに強化できる。
【0054】
また、いくつかの実施形態において、固定用ゲルは構造用接着剤であってもよい。構造用接着剤は大きな負荷に耐えることができる。収容溝1114内に構造用接着剤を注入することにより、電池セル20の衝撃抵抗力を強化することができる。蓄エネルギー電源100のハウジング10が破損し、電池セル20に直接衝撃を与える場合、構造用接着剤は一部の衝撃力を耐えつつ、その衝撃力を電池セル20全体に伝達して衝撃の破壊を軽減する。また、構造用接着剤は優れた耐腐食性を持ち、電池セル20が構造破損により電解液が漏れ出したり、熱暴走によって電池セル20の防爆バルブ(未図示)から電解液が噴出した場合でも、電解液のさらなる漏洩を防ぎ他の電池セル20や他の構造部品の腐食を避けることができる。
【0055】
図5及び
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、バスバーアセンブリ30を含む。バスバーアセンブリ30には、第一バスバー31及び第二バスバー32が含まれる。第一バスバー31は少なくとも2つの電池セル20の第一極柱22に接続される。第二バスバー32は少なくとも2つの電池セル20の第二極柱23に接続される。
【0056】
このようにして、電池セル20が一体として電気使用機器へ電力を供給するのに有利になる。
【0057】
具体的には、
図5及び
図6を参照されたい。1つの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、バスバーアセンブリ30を通じて出力電流の多様性を増やすことができる。電池セル20の第一極柱22は第一スルーホール1112を通じて第一バスバー31に接続される。電池セル20の第二極柱23は、直接、バスバーに接続可能である。第一バスバー31は電池セル20の一部の第一極柱22をつなぎ、第二バスバー32は電池セル20の対応する一部の第二極柱23をつなぐことができ、その結果、該一部の電池セル20が並列形式で外向きに電力を出力したり、内向きに電力を入力したりすることになる。バスバーアセンブリ30には複数の第一バスバー31と複数の第二バスバー32が含まれ得、複数の第一バスバー同士又は第二バスバー同士は、直列形式又は並列形式で電力を外向きに出力したり内向きに入力したりすることができる。バスバーアセンブリ30は、銅、アルミニウム、ニッケル、又は合金材料であってもよい。作業治具を用いてバスバーアセンブリ30が正しい位置に固定された後、レーザー溶接によってバスバーアセンブリ30を電池セル20の第一極柱22又は第二極柱23に溶接することができる。また、撚り合わせや圧着など他の接続方法でも、バスバーアセンブリ30を電池セル20の極柱に電気的に接続させ得るのが、理解されるであろう。別の実施形態においては、蓄エネルギー電源100は第二ブラケット112を更に含み、電池セル20の第二極柱23は第二スルーホール1121を通じて第二バスバー32に接続できる。
【0058】
また、別の実施形態において、蓄エネルギー電源100は、収集アセンブリ40を通じて各電池セル20の状態情報を収集することもできる。電池セル20の状態情報には、各電池セル20の電圧、電流、及び温度などの情報が含まれてもよい。収集アセンブリ40には、第一収集板41と第二収集板42が含まれてもよい。第一収集板41は、第一バスバー31に接続され、第二収集板42は、第二バスバー32に接続される。第一バスバー31と第二バスバー32を溶接した後、ネジを通じて第一収集板41を第一バスバー31上の対応する位置に固定し、第二収集板42を第二バスバー32上の対応する位置に固定してもよい。収集アセンブリ40の固定が完了したら、レーザー溶接などの電気接続の方式により、第一収集板41のニッケル帯と第一バスバー31とを接続させてもよく、それによって第一収集板41と第一バスバー31との電気接続を実現する。同時に、第二収集板42と第二バスバー32とも同じ方式により接続可能である。
【0059】
図5~
図8を参照されたい。いくつかの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、カバープレート50を含む。第一固定部品1111に対応するハウジング10の外側壁12には収容溝が設けられる。第一スルーホール1112が収容溝121の底壁を貫通し、第一バスバー31が収容溝121に位置する。カバープレート50がハウジング10の外側壁12に設けられ、且つ収容溝121を覆う。
【0060】
このようにして、製品の体積を小さくすることに有利になる。
【0061】
具体的には、
図5~
図8を参照されたい。1つの実施形態において、第一ハウジング13と第二ハウジング14はボルトにより相互に接続され、取り囲むことで収容キャビティ11を形成できる。電池セル20が、収容キャビティ11内で垂直に置かれ、かつ第一固定部品1111が収容キャビティ11の底部に設けられる場合に、収容溝121もハウジング10の底部に置かれることになる。ハウジング10の底部の外側壁12は、内側に凹んで収容溝121を形成し、外側壁12が、即ち、ハウジング10の底壁である。電池セル20の第一極柱22は、第一スルーホール1112を通じて第一固定部品1111を貫いて、収容溝121内に入る。第一バスバー31も、収容溝121内で第一極柱22に接続されてもよい。これにより、第一極柱22と第一バスバー31をハウジング10の底部に一体化し、全体の一体化の程度を高めて、製品の体積を小さくする。カバープレート50が収容溝121を覆うように設けられることにより、ハウジング10の完整性をさらに高め、第一極柱22と第一バスバー31を保護できる。カバープレート50はハウジング10上にボルトで固定されるが、もちろん他の方式でも固定可能で、ここでは限定しない。
【0062】
図示の実施形態において、第一ブラケット111と第一ハウジング13とを、一体成型構造とする。
【0063】
いくつかの実施形態において、カバープレート50は、収容溝121内の接着剤(図示せず)によってハウジング10に接続され、ファスナー(図示せず)によってハウジング10に固定される。
【0064】
このようにして、カバープレート50を固定することができる。
【0065】
具体的には、カバープレート50を固定する際、先に収容溝121内に接着剤を注入してから、カバープレート50を被せて、カバープレート50とハウジング10とを接着剤で接続することができる。次に、ファスナー(例えば、ネジ)を取り付けて固定させる。接着剤は、カバープレート50をハウジング10に対して仮固定する効果を発揮し、カバープレート50とハウジング10に対するファスナーの固定効果をある程度確保することができる。
【0066】
図5~
図8を参照されたい。いくつかの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、熱伝導性接着剤を含む。熱伝導性接着剤がカバープレート50と第一バスバーを接続する。
【0067】
このようにして、第一バスバー31の温度を下げることができる。
【0068】
具体的には、
図5~
図8を参照されたい。1つの実施形態において、第一バスバー31に電流が流れたとき、一定の電流損失が発生し、熱が生じる。集まった熱は、第一バスバー31及び電池セル20の温度を上昇させ、火災などの安全性リスクを引き起こす。そこで、第一バスバー31とカバープレート50の間に熱伝導性接着剤を充填することにより、第一バスバー31の熱をカバープレート50に伝達し、カバープレート50を介して周囲の環境へと熱を放出することで、第一バスバー31と電池セル20への冷却効果を発揮することができる。カバープレート50はアルミニウム素材であってもよいため、比較的良好な熱伝達効果を持つ。また、ハウジング10についても、アルミニウム素材などの熱伝達効果のよい材料を採用可能で、それによりカバープレート50からの熱をハウジング10へとさらに伝達させ、第一バスバー31及び電池セル20への冷却効果を高めることができる。
【0069】
図5及び
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、密封リング60を更に含む。密封リング60が、カバープレート50とハウジング10の外側壁12を密封接続する。
【0070】
このようにして、収容溝121の密封効果を高めることができる。
【0071】
具体的には、
図5及び
図6を参照されたい。1つの実施形態において、ハウジング10の外側壁12には、収容溝121が形成されている。収容溝121内には、バスバーアセンブリ30が収容されている。湿気の多い使用環境下では、収容溝121の密封効果が悪ければ、水蒸気が収容溝121内に侵入し、侵入した水蒸気によって第一バスバー31が錆びたり、最悪の場合、短絡を引き起こしたりすることになる。そこで、カバープレート50が収容溝121を覆う場合に、カバープレート50とハウジング10の外側壁12の間に密封リング60を設けることで、収容溝121の密封効果をさらに強化し、収容槽121内のバスバーアセンブリ30を外界の水蒸気から隔離させることができる。
【0072】
図5及び
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、ハウジング10が第一ハウジング13及び第二ハウジング14を含む。第一ハウジング13が第二ハウジング14に取り外し可能に接続されて、収容キャビティ11を囲んで形成する。第一固定部品1111が第一ハウジング13又は第二ハウジング14上に設けられる。
【0073】
このようにして、取り付けや修理に容易になる。
【0074】
具体的には、
図5及び
図6を参照されたい。1つの実施形態において、ハウジング10は、上部に位置する第一ハウジング13と下部に位置する第二ハウジング14を含んでもよく、第一固定部品1111は、第一ハウジング13上に設けられてもよいか、第二ハウジング14上に設けられてもよい。いくつかの実施形態においては、第一ハウジング13と第二ハウジング14は、それぞれハウジング10の前後部、又は、左右部に位置していたり、ハウジング10の2つの対角に配置していたりしてもよい。第一固定部品1111は、第一ハウジング13と第二ハウジング14のうちの1つに設けられる。別の実施形態において、第一ハウジング13と第二ハウジング14は、ネジ山、ファスナー、又は、クランプなどの方式で取り外し可能に相互に接続されてもよい。第一ハウジング13と第二ハウジング14は、収容キャビティ11を囲んで形成し、電池セル20を収容する。これにより、組み立てや分解修理のしやすさが向上する。さらに別の実施形態において、蓄エネルギー電源100には、第二ブラケット112が更に含まれる。第一固定部品1111と第二ブラケット112は、それぞれ第一ハウジング13と第二ハウジング14の1つに接続されてもよい。
【0075】
図5及び
図6を参照されたい。いくつかの実施形態において、第一固定部品1111と第一ハウジング13が一体構造として接続されるか、又は、第一固定部品1111と第二ハウジング14が一体構造として接続される。
【0076】
このようにして、全体の強度が向上する。
【0077】
具体的には、
図5及び
図6を参照されたい。1つの実施形態において、第一固定部品1111と第一ハウジング13と一体構造であってもよく、これによって第一固定部品1111とハウジング10の全体性が向上する。蓄エネルギー電源100を運搬する際、全体性が良好なハウジング10と第一固定部品1111は、電池セル20のハウジング10に対しての揺れ動きを減少させ得るから、電池セル20などの内部構造間での衝突や圧迫を減らし、蓄エネルギー電源100の使用安全性を保証する。もちろん、第一固定部品1111は第二ハウジング14とも一体構造として接続され得る。別の実施形態において、蓄エネルギー電源100は、第二ブラケット112を更に含む。第一固定部品1111と第二ブラケット112は、それぞれ第一ハウジング13及び第二ハウジング14のうちの1つと一体構造として接続され得る。
【0078】
また別の実施形態においては、注入成形工程を利用して第一固定部品1111と第一ハウジング13を一体構造として製造すること、又は第一固定部品1111と第二ハウジング14を一体構造として製造することができる。
【0079】
また、
図1を参照されたい。1つの実施形態において、蓄エネルギー電源100は、ハウジング10上に設けられるパネル70を更に含んでもよい。パネル70は、現在の蓄エネルギー電源100の電量や電池温度などの情報を表示できる。パネル70には、蓄エネルギー電源100を、電気使用機器又は充電機器に接続するためのポートが更に含まれ、これにより、電池セルは、電気使用機器に電力を供給したり、充電機器から電力を受け取ったりすることが可能になる。
【0080】
本発明の実施形態が示され、説明されたとはいえ、当業者であれば、本発明の原理や趣旨から逸脱することなく、これらの実施形態に対して多様な変更、組み合わせ、修正、置換、及び変型を行うことが可能であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物によって限定されることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0081】
100 蓄エネルギー電源
10 ハウジング
11 収容キャビティ
111 第一ブラケット
1111 第一固定部品
1112 第一スルーホール
1113 囲壁
1114 収容溝
1115 支柱
112 第二ブラケット
1121 第二スルーホール
113 内壁
12 外側壁
121 収容溝
13 第一ハウジング
14 第二ハウジング
20 電池セル
21 本体
22 第一極柱
23 第二極柱
30 バスバーアセンブリ
31 第一バスバー
32 第二バスバー
40 収集アセンブリ
41 第一収集板
42 第二収集板
50 カバープレート
60 密封リング
70 パネル
【手続補正書】
【提出日】2024-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄エネルギー電源において、
ハウジングであって、前記ハウジング内には収容キャビティが設けられ、前記収容キャビティの内壁には複数の第一固定部品が設けられ、前記第一固定部品の底壁には第一スルーホールが設けられるハウジングと、
複数の電池セルであって、前記複数の電池セルと前記複数の第一固定部品とは一対一に対応し、前記電池セルは、本体、第一極柱及び第二極柱を含み、前記第一極柱及び前記第二極柱はそれぞれ前記本体の長さ方向の両端に設けられ、前記本体の一端は前記第一固定部品に収容され、前記第一極柱は前記第一スルーホールを介して前記収容キャビティの外側に連通される、複数の電池セルと、
前記収容キャビティの外側に設けられ、少なくとも2つの電池セルの前記第一極柱に接続される第一バスバーと、を含む、蓄エネルギー電源。
【請求項2】
前記収容キャビティの内壁には第一ブラケットが設けられ、前記第一ブラケットには前記複数の第一固定部品が設けられる、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項3】
前記蓄エネルギー電源は、前記収容キャビティ内に位置する第二ブラケットを含み、前記第二ブラケットは前記収容キャビティの内壁に接続され、前記第二ブラケットには複数の第二固定部品が設けられ、前記第二固定部品の底壁には第二スルーホールが設けられ、前記複数の電池セルと前記複数の第二固定部品とは一対一に対応し、前記本体の他端は前記第二固定部品に収容される、請求項2に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項4】
前記第一ブラケットが複数の支柱を含み、前記支柱は前記第二ブラケットに固定接続される、請求項3に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項5】
前記第一ブラケットが前記収容キャビティの内壁に接続される囲壁を含み、前記囲壁により収容溝が形成され、前記収容溝は前記複数の第一固定部品に連通する、請求項2に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項6】
前記収容溝内に固定用ゲルが注入されており、前記固定用ゲルは前記電池セル及び前記第一ブラケットを固定接続する、請求項5に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項7】
前記第一ブラケットと前記ハウジングとを、一体成型構造とする、請求項2~請求項6のいずれか1項に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項8】
前記蓄エネルギー電源は、
少なくとも2つの電池セルの第二極柱に接続される第二バスバーを含む、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項9】
前記蓄エネルギー電源は、カバープレートを含み、前記第一固定部品に対応する前記ハウジングの外側壁には収容溝が設けられ、前記第一スルーホールが前記収容溝の底壁を貫通し、前記第一バスバーが前記収容溝に位置し、前記カバープレートが前記ハウジングの外側壁上に設けられ且つ前記収容溝を覆う、請求項8に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項10】
前記カバープレートは、前記収容溝内の接着剤によって前記ハウジングに接続されているか、または、ファスナーによって前記ハウジングに固定されている、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項11】
前記蓄エネルギー電源は、熱伝導性接着剤を含み、前記熱伝導性接着剤が前記カバープレートと前記第一バスバーを接続する、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項12】
前記蓄エネルギー電源は、密封リングを更に含み、前記密封リングが、前記カバープレートと前記ハウジングの外側壁を密封接続する、請求項9に記載の蓄エネルギー電源。
【請求項13】
前記ハウジングが第一ハウジング及び第二ハウジングを含み、前記第一ハウジングが前記第二ハウジングに取り外し可能に接続されて、前記収容キャビティを囲んで形成し、前記第一固定部品が前記第一ハウジング又は前記第二ハウジングに設けられる、請求項1に記載の蓄エネルギー電源。