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特開2025-164488情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025164488
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20251023BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068494
(22)【出願日】2024-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザによるコメントの投稿を容易にすること。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、抽出部と、生成部と、提供部とを備える。抽出部は、ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する。生成部は、抽出部によって抽出されたコメントに基づき、他のユーザがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する。提供部は、生成部によって生成された投稿フォーマットを提供する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する抽出部と、
前記抽出部によって抽出された前記合致コメントに基づき、他のユーザが前記コメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する生成部と、
前記生成部によって生成された前記投稿フォーマットを提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
前記コメントと、前記合致コメントを抽出するための指示文章とを含むプロントを、文章生成モデルに対して入力することで、前記合致コメントを抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記コメントに対するユーザの評価に基づいて、前記合致コメントを抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記コメントの起承転結に関する要素に基づいて、前記合致コメントを抽出すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提供部は、
前記合致コメントを投稿した投稿者の許諾が得られた後に、前記投稿フォーマットを提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記抽出部は、
ニュースサイトに投稿されたコメントから前記合致コメントを抽出し、
前記提供部は、
前記ニュースサイトを通じて前記投稿フォーマットを提供すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提供部は、
前記ニュースサイトに投稿された前記合致コメントに対して、前記投稿フォーマットのタグを表示し、当該タグが選択された場合に、前記投稿フォーマットを提供すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提供部は、
前記投稿フォーマットの提供先となるユーザの前記ニュースサイトの閲覧履歴に応じた前記投稿フォーマットを提供すること
を特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する抽出工程と、
前記抽出工程によって抽出された前記コメントに基づき、他のユーザが前記コメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する生成工程と、
前記生成工程によって生成された前記投稿フォーマットを提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する抽出手順と、
前記抽出手順によって抽出された前記コメントに基づき、他のユーザが前記コメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する生成手順と、
前記生成手順によって生成された前記投稿フォーマットを提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニュース記事などの配信コンテンツを配信する技術が知られている。例えば、特許文献1には、配信コンテンツと、かかる配信コンテンツに対するユーザのコメントとを含む提供コンテンツを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-197422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、ユーザによるコメントの投稿を容易にする点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザによるコメントの投稿を容易にすることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、抽出部と、生成部と、提供部とを備える。抽出部は、ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する。生成部は、抽出部によって抽出されたコメントに基づき、他のユーザがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する。提供部は、生成部によって生成された投稿フォーマットを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザによるコメントの投稿を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る合致コメントの一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る投稿フォーマットの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るフォーマット情報記憶部に格納される情報の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、かかる情報処理方法は、図1に示す情報処理装置1によって実行される。
【0011】
図1に示す情報処理装置1は、ユーザUに対してインターネットを通じて各種サービスを提供する情報処理装置である。本開示において、情報処理装置1は、ニュースサイトに関する各種サービスをユーザUに対して提供する。なお、情報処理装置1は、たとえば、サーバ装置やクラウドシステム等によって実現される。
【0012】
ユーザ端末50は、ユーザUが所有する端末装置であり、情報処理装置1とのデータ通信によって、情報処理装置1から各種情報を取得する。本開示において、ユーザ端末50は、情報処理装置1から配信されるニュース記事をユーザUに対して提供する。ユーザ端末50として、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、ウェアラブル端末などが挙げられる。
【0013】
ところで、ニュースサイトでは、ニュース記事に対するユーザUのコメントを掲載するものがある。例えば、このようなユーザUによるコメントは、コンテンツの一部と見做すこともできる。
【0014】
そのため、ニュース記事のコメント欄が盛り上がると、対応するニュース記事のPV(Page View)数の増加が期待される。一方で、コメントの投稿に不慣れなコメント初心者にとって、ゼロベースでコメントを投稿するのは容易ではない。
【0015】
そこで、実施形態に係る情報処理装置1は、過去に投稿されたコメントに基づき、ユーザUがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成することとした。
【0016】
まず、図1に示すように、情報処理装置1は、ユーザ端末50に対し、配信コンテンツを配信する(ステップS1)。配信コンテンツは、ニュース記事および各ニュース記事に対して投稿されたコメントを含む。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、ユーザ端末50を通じて、ユーザUによるコメントの投稿を取得する(ステップS2)。この際、情報処理装置1は、ユーザ端末50を通じて、ユーザUに対して提供したニュース記事に対するコメントを取得することになる。また、情報処理装置1は、例えば、各コメントに対するユーザ評価を取得することもできる。例えば、ユーザ評価は、「共感した」、「なるほど」、「うーん」などといった項目を含み、ユーザUは、各コメントに対して該当する項目を選択することになる。
【0018】
このようなコメントは、配信コンテンツとともに、他のユーザUに対して提供される。すなわち、コメントが投稿されるたびに、配信コンテンツとして配信されるニュース記事のコメント欄が更新されることになる。
【0019】
なお、情報処理装置1は、ステップS1およびステップS2の処理を、複数のユーザUに対しても行う。つづいて、情報処理装置1は、取得したコメントの抽出処理を行う(ステップS3)。ここでの抽出処理は、取得したコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する処理である。より詳しくは、抽出処理は、投稿フォーマットに適したコメントである合致コメントを抽出する処理である。
【0020】
情報処理装置1は、入力された文章に対して回答を生成する文章生成モデルを用いて、合致コメントを抽出する。情報処理装置1は、取得したコメントに関する情報および指示文章を含むプロントを生成し、生成したプロンプトを文章生成モデルに対して入力する。
【0021】
指示文章は、「以下のコメントのうち、次の条件を満たすコメントを抽出してください」等である。なお、次の条件の一例は、以下の通りとする。
(1)コメント評価が高い。
(2)目的やポイントが明確で分かりやすい。
(3)コメント内容が起承転結になっている。
(4)文字数が100文字以上、500文字以下。
(5)投稿コメントの不快度指数が高くない。
(6)文体が他のユーザと類似しない。
(7)投稿者が過去半年以内に3回以上通知されていない。
【0022】
文章生成モデルは、これらのプロントに基づき、プロントによって指示された条件に合致する合致コメントを抽出する。そして、情報処理装置1は、抽出した合致コメントに基づき、他のユーザがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する(ステップS4)。
【0023】
ここで、図2および図3を用いて、合致コメントおよび投稿フォーマットの一例について説明する。図2は、実施形態に係る合致コメントの一例を示す図である。図3は、実施形態に係る投稿フォーマットの一例を示す図である。
【0024】
図2に示す例では、コメントを投稿した投稿者が水泳経験者であり、自身の経験談をコメントとして投稿した場合を示している。また、図2に示す例では、「共感した」、「なるほど」、「うーん」などといったコメントに対するユーザ評価をあわせて示している。
【0025】
かかるコメントを基に、投稿フォーマットが生成される。図3の例では、投稿フォーマットに加え、投稿フォーマットの説明、利用範囲、ジャンル等があわせて表示される場合を示している。
【0026】
また、図3に示すように、投稿フォーマットにおいて、他のユーザUが編集する編集部分を「#○○」として表記している。すなわち、このような場合、他のユーザUは、投稿フォーマットに沿って、コメントを投稿することができる。
【0027】
このように、情報処理装置1は、投稿フォーマットが生成することによって、ユーザによるコメントの投稿を容易にすることができる。
【0028】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、図4を用いて、情報処理装置1の構成例について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示すブロック図である。図4に示すように、情報処理装置1は、通信部2と、記憶部3と、制御部4とを有する。
【0029】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部2は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0030】
記憶部3は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部3は、コンテンツ情報記憶部31と、フォーマット情報記憶部32と、文章生成モデル記憶部33とを有する。
【0031】
コンテンツ情報記憶部31は、コンテンツ情報を記憶する。図5は、実施形態に係るコンテンツ情報記憶部31に格納される情報の一例を示す図である。図4に示すように、コンテンツ情報記憶部31は、「コンテンツID」、「カテゴリ」、「コンテンツデータ」および「コメント」などとった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0032】
「コンテンツID」項目には、各コンテンツ(ニュース記事)を識別するための識別子が格納される。「カテゴリ」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツ(ニュース記事)のカテゴリが格納される。なお、カテゴリは、「経済」、「エンタメ」、「スポーツ」などといった対応するコンテンツの分野を示すものであってもよく、コンテンツのトピックを示すものであってもよい。
【0033】
「コンテンツデータ」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツデータが格納される。コンテンツデータは、ニュース記事に関するデータであり、ニュース記事のタイトル、サムネイル画像、本文、要約文等を含む。
【0034】
「コメント」項目には、対応するコンテンツIDによって識別されるコンテンツに対して投稿されたコメントが格納される。なお、コメントは、ニュースサイトで投稿されたコメントであるが、SNSでニュース記事を投稿する際のコメントを含む。
【0035】
図6は、実施形態に係るフォーマット情報記憶部32に格納される情報の一例を示す図である。図6に示すように、フォーマット情報記憶部32は、「フォーマットID」、「投稿者」、「フォーマット」、「説明」、「利用範囲」などといった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0036】
「フォーマットID」項目には、フォーマットIDが格納される。フォーマットIDは、各フォーマットを識別するための識別子である。「投稿者」項目には、対応するフォーマットIDによって識別されるフォーマットの元となるコメントの投稿者に関する情報が格納される。
【0037】
「フォーマット」項目には、対応するフォーマットIDによって識別されるフォーマットが格納される。ここでのフォーマットは、投稿フォーマットを指す。「説明」項目には、対応するフォーマットIDによって識別されるフォーマットの説明文が格納される。「利用範囲」項目には、対応するフォーマットIDによって識別されるフォーマットの適用範囲に関する情報が格納される。
【0038】
図4の説明に戻り、文章生成モデル記憶部33について説明する。文章生成モデル記憶部33は、文章生成モデルを記憶する。文章生成モデルは、入力した自然言語の文章に対する回答文章を生成するように学習された大規模言語モデルである。例えば、文章生成モデルは、GPT(Generative Pre-trained Transformer)である。
【0039】
次に、制御部4について説明する。制御部4は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0040】
図4に示すように、制御部4は、配信部41と、取得部42と、抽出部43と、生成部44と、提供部45とを有する。
【0041】
配信部41は、各ユーザ端末50に対して、配信コンテンツを配信する。例えば、配信部41は、配信コンテンツとして、ニュース記事およびニュース記事に対するコメントを配信する。
【0042】
具体的には、配信部41は、ニュースサイトのトップページに関する情報を各ユーザ端末50に対して配信し、その後、ユーザUによって選択されたニュース記事に対応する配信コンテンツを配信する。
【0043】
また、配信部41は、配信コンテンツを通じて、ユーザUによるコメントの投稿を受け付けるとともに、ユーザUが投稿したコメントをコンテンツ情報記憶部31に登録し、次回以降の配信コンテンツとしてユーザUに対して配信する。
【0044】
取得部42は、配信コンテンツを通じて、ニュース記事に対して投稿されたコメントを取得する。なお、取得部42は、例えば、ニュース記事に対してSNSで投稿されたコメントを取得するようにしてもよい。
【0045】
抽出部43は、ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する。具体的には、抽出部43は、文章生成モデルを用いて、合致コメントを抽出する。
【0046】
この際、抽出部43は、コメントと、合致コメントを抽出させるための指示文章とを含むプロントを、文章生成モデルに対して入力することで、合致コメントを抽出する。すなわち、抽出部43は、文章生成モデルを用いて投稿フォーマットに適した合致コメントを抽出する。なお、合致コメントの条件の一例として、上記(1)~(7)が挙げられる。すなわち、抽出部43は、コメントに対するユーザの評価、コメントの起承転結に関する要素等に基づいて、合致コメントを抽出することになる。
【0047】
生成部44は、抽出部43によって抽出された合致コメントに基づき、他のユーザUがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する。具体的には、生成部44は、文章生成モデルを用いて、投稿フォーマットを生成する。
【0048】
例えば、生成部44は、合致コメントと、合致コメントから投稿フォーマットを生成させる指示文章とを含むプロントを生成し、文章生成モデルに対して入力することで投稿フォーマットを生成する。
【0049】
この際の指示文章は、例えば、「以下のコメントから他のユーザがコメントを投稿する際に利用可能な投稿フォーマットを生成してください。」等である。この際、生成部44は、投稿フォーマットの説明文および適用範囲を生成させる指示文書を含むプロントを文章生成モデルに対して入力する。
【0050】
この場合には、文章生成モデルによる回答文章には、投稿フォーマットの説明文および適用範囲が含まれることになる。生成部44は、上記処理により投稿フォーマットに関する生成処理を終えると、生成した投稿フォーマットに関する情報をフォーマット情報記憶部32に登録する。
【0051】
提供部45は、生成部44によって生成された投稿フォーマットを提供する。提供部45は、投稿フォーマットの提供に先立って、合致コメントを投稿した投稿者に対して、投稿フォーマットの利用に関する許諾を得る。
【0052】
例えば、提供部45は、生成部44によって新たな投稿フォーマットが生成されると、投稿フォーマットの元となる合致コメントの投稿者となるユーザUに対して、投稿フォーマットの利用許諾を得ることになる。なお、利用許諾した投稿者に対しては、インセンティブを付与するようにしてもよい。インセンティブは、投稿フォーマットの利用回数に応じた額の電子マネーであってもよい。すなわち、このようなインセンティブを設計することによって、投稿フォーマットに採用されると、インセンティブが支払われるので、各ユーザUによるコメントの投稿を促進することが可能となる。
【0053】
投稿者が投稿フォーマットの利用を許諾すると、当該投稿フォーマットを提供可能となる。例えば、提供部45は、ニュース記事に対して投稿されたオリジナルのコメント(すなわち、合致コメント)に対して、投稿フォーマットのタグを表示し、かかるタグが選択された場合に、対応する投稿フォーマットを提供するようにしてもよい。
【0054】
つまり、このような場合に、ユーザUは、オリジナルのコメントを参考に、投稿フォーマットを通じて自身のコメントを投稿することが可能となる。そのため、ユーザUは、オリジナルのコメントと自身の意見等を対比させてコメントを投稿することが可能となる。なお、図2に示した例では、「フォーマット利用可」のボタンがタグに対応する。
【0055】
また、提供部45は、投稿フォーマットの提供先となるユーザUによるニュースサイトの閲覧履歴に応じた投稿フォーマットを提供するようにしてもよい。例えば、提供部45は、ユーザUによるニュースサイトの閲覧履歴が投稿フォーマットに対して設定された利用範囲に該当する場合に、当該投稿フォーマットをユーザUに対して提供する。
【0056】
例えば、図3に示した例において、利用範囲の1つ目が「スポーツ記事を1カ月で10記事読んでいる」であり、2つ目が「競技限定」である。そのうち、提供部45は、1つ目の利用範囲をユーザUによる閲覧履歴に基づいて判定することになる。
【0057】
その他、提供部45は、ユーザUが利用した投稿フォーマットの元となる合致コメントを投稿した投稿者の投稿フォーマットを、ユーザUに対して閲覧可能に提供するようにしてもよい。
【0058】
〔3.処理フロー〕
次に、図7を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理手順について説明する。図7は、実施形態に係る情報処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0059】
図7に示すように、まず、情報処理装置1は、コンテンツに対するコメントを取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置1は、取得したコメントが所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS102)。
【0060】
具体的には、情報処理装置1は、取得したコメントが合致コメントの条件を満たすか否かを判定する。情報処理装置1は、コメントが所定の条件を満たすと判定した場合(ステップS102;Yes)、すなわち、コメントが合致コメントであると判定した場合、投稿フォーマットを生成する(ステップS103)。また、情報処理装置1は、取得したコメントが所定の条件を満たさないと判定した場合(ステップS102;No)、処理を終了する。
【0061】
つづいて、情報処理装置1は、投稿フォーマットの元となる合致コメントの投稿者による許諾が得られた否かを判定する(ステップS104)。情報処理装置1は、投稿者による許諾が得られたと判定した場合(ステップS104;Yes)、投稿フォーマットを公開して(ステップS105)、処理を終了する。
【0062】
また、情報処理装置1は、ステップS104の判定において、投稿者による許諾が拒否された場合(ステップS104;No)、ステップS105の処理を省略して、処理を終了する。
【0063】
〔4.変形例〕
ところで、上述した実施形態では、ニュース記事に対応するコメントに基づいて、議論コンテンツを生成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、グルメサイトや商品等のレビューサイトなど、ユーザUの口コミやレビュー(すなわち、コメント)が投稿される各種サービスについても、本願発明を適用し、議論コンテンツを生成するようにしてもよい。
【0064】
〔5.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置1は、ユーザによって投稿されたコメントのうち、所定の条件に合致する合致コメントを抽出する抽出部43と、抽出部43によって抽出された合致コメントに基づき、他のユーザがコメントを投稿する際に利用される投稿フォーマットを生成する生成部44と、生成部44によって生成された投稿フォーマットを提供する提供部45とを備える。
【0065】
また、抽出部43は、コメントと、合致コメントを抽出させるための指示文章とを含むプロントを、文章生成モデルに対して入力することで、合致コメントを抽出する。また、抽出部43は、コメントに対するユーザの評価に基づいて、合致コメントを抽出する。
【0066】
また、抽出部43は、コメントの起承転結に関する要素に基づいて、合致コメントを抽出する。また、提供部45は、合致コメントを投稿した投稿者の許諾が得られた後に、投稿フォーマットを提供する。
【0067】
また、抽出部43は、ニュースサイトに投稿されたコメントから合致コメントを抽出し、提供部45は、ニュースサイトを通じて投稿フォーマットを提供する。また、提供部45は、ニュースサイトに投稿された合致コメントに対して、投稿フォーマットのタグを表示し、当該タグが選択された場合に、投稿フォーマットを提供する。また、提供部45は、投稿フォーマットの提供先となるユーザのニュースサイトの閲覧履歴に応じた投稿フォーマットを提供する。
【0068】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、ユーザによるコメントの投稿を簡略化することができる。
【0069】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図8に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図8は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0070】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0071】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0072】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(図8では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0073】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0074】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部4の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0075】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0076】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0077】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0078】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0079】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理装置
2 通信部
3 記憶部
4 制御部
31 コンテンツ情報記憶部
32 フォーマット情報記憶部
33 文章生成モデル記憶部
41 配信部
42 取得部
43 抽出部
44 生成部
45 提供部
50 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8