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特開2025-164564情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025164564
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20251023BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068616
(22)【出願日】2024-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 貴史
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザがニュース記事の内容を効率良く理解することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出部と、ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成する生成部と、疑問点および回答をニュース記事とともに提供する提供部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出部と、
前記ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、前記疑問点に対する回答を生成する生成部と、
前記疑問点および前記回答を前記ニュース記事とともに提供する提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記抽出部は、
記事の文字数が閾値以上の前記ニュース記事を前記所定の条件を満たす前記ニュース記事として前記疑問点を抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記抽出部は、
前記ニュース記事を配信したユーザから低評価を受け付けた前記ニュース記事を前記所定の条件を満たす前記ニュース記事として前記疑問点を抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出部は、
前記ニュース記事とともに、前記疑問点の抽出を指示するプロンプトを生成AIに入力し、前記生成AIから出力された前記疑問点を抽出結果とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記疑問点および前記関連記事とともに、前記回答の生成を指示するプロンプトを生成AIに入力し、前記生成AIから出力された前記回答を生成結果とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、
前記疑問点を抽出した前記ニュース記事が配信されたタイミングから所定期間内に配信された前記関連記事に基づいて、前記回答を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記ニュース記事は、記事内容および当該記事内容に対するユーザのコメントを含み、
前記抽出部は、
前記記事内容および前記コメントの中から前記疑問点を抽出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記関連記事は、記事内容および当該記事内容に対するユーザのコメントを含み、
前記生成部は、
前記記事内容および前記コメントに基づいて前記回答を生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記関連記事は、
前記ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の配信状況が所定の条件を満たす依頼主が入稿したニュース記事である
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提供部は、
前記疑問点および前記回答に対応する前記ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の閲覧状況が所定の条件を満たすユーザに対して当該疑問点および当該回答を提供する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出工程と、
前記ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、前記疑問点に対する回答を生成する生成工程と、
前記疑問点および前記回答を前記ニュース記事とともに提供する提供工程と
を含む情報処理方法。
【請求項12】
所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出手順と、
前記ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、前記疑問点に対する回答を生成する生成手順と、
前記疑問点および前記回答を前記ニュース記事とともに提供する提供手順と
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ニュース記事等のコンテンツをユーザに対して配信するサービスが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-81394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、配信されるニュース記事の内容が難解である場合や、ニュース記事に含まれる情報が不十分である場合等には、ニュース記事だけではユーザが必要とする情報が足りず、他の関連記事を読んで情報を捕捉する必要がある。このように、従来は、ユーザがニュース記事の内容を効率良く理解する点で改善の余地があった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザがニュース記事の内容を効率良く理解することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出部と、前記ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、前記疑問点に対する回答を生成する生成部と、前記疑問点および前記回答を前記ニュース記事とともに提供する提供部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、ユーザがニュース記事の内容を効率良く理解することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、ユーザ情報の一例を示す図である。
図5図5は、記事情報の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7図7は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
(実施形態)
まず、図1を用いて、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理装置が実行する処理を示す図である。なお、図1では、実施形態に係る情報処理装置1を含む情報処理システムSの動作例を示している。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末100と、依頼元端末200とを含む。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出し、ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成し、疑問点および回答をニュース記事とともに提供する。
【0013】
具体的には、まず、依頼元端末50は、依頼主の操作に従って情報処理装置1に対してニュース記事を入稿する(ステップS1)。ニュース記事は、テキスト情報や画像情報を含む。
【0014】
つづいて、情報処理装置1は、入稿されたニュース記事のうち、所定の条件を満たすニュース記事を特定する(ステップS2)。例えば、情報処理装置1は、ニュース記事の文字数が閾値以上である場合に、所定の条件を満たすニュース記事として特定する。また、情報処理装置1は、ニュース記事を配信したユーザから低評価を受け付けた場合に、所定の条件を満たすニュース記事として特定する。低評価の受付は、例えば、ニュース記事の末尾に配置された高評価ボタンおよび低評価ボタンへの操作により受け付ける。つまり、情報処理装置1は、ユーザがニュース記事を読んだ際に内容の理解が難しい(理解できない、理解に時間を要する)と推測されるニュース記事を所定の条件を満たすニュース記事として特定する。このような観点から、情報処理装置1は、例えば、入稿時にニュース記事を解析して、専門用語の説明が不足しているニュース記事や、文章構成(起承転結や、主語、述語、目的語等)が不十分なニュース記事、別のニュース記事を参照する(リンクが貼られている、「過去記事で紹介した」や「A月B日の会議で発生した事案」等のような文章)ニュース記事等を所定の条件を満たすニュース記事として特定してもよい。
【0015】
つづいて、情報処理装置1は、特定したニュース記事の中から疑問点を抽出する(ステップS3)。例えば、情報処理装置1は、ニュース記事とともに、疑問点の抽出を指示するプロンプトを生成AIに入力し、生成AIから出力された疑問点を抽出結果とする。また、情報処理装置1は、ニュース記事を自然言語処理することで、説明が不十分な専門用語や、文章構成が不十分な文章等を疑問点として抽出する。また、情報処理装置1は、ニュース記事の中で、別のニュース記事を参照する情報(リンクや、「過去記事で紹介した」や「A月B日の会議で発生した事案」等のような文章)が含まれる場合に、当該情報を疑問点として抽出する。
【0016】
なお、情報処理装置1は、ニュース記事の記事内容から疑問点を抽出する場合に限らず、ニュース記事に対してユーザが投稿したコメントに基づいて疑問点を抽出してもよい。例えば、情報処理装置1は、コメントにおいて、「記事中のAAの部分が分からない」等のコメントや、記事中の一部の内容に関する解説コメントや補足コメント等がある場合に、記事中における該当箇所を疑問点として抽出する。
【0017】
つづいて、情報処理装置1は、特定したニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成する(ステップS4)。まず、情報処理装置1は、ニュース記事と関連する関連記事を特定する。例えば、情報処理装置1は、ニュース記事で言及されている事象と同じ事象について言及しているニュース記事を関連記事として特定する。なお、事象は、例えば、スポーツや、政治、金融、イベント等といったカテゴリを示す事象や、AAでA月B日に開催された就活イベントといったユニーク出来事を示す事象である。関連記事は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0018】
なお、関連記事は、ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の配信状況が所定の条件を満たす依頼主(入稿元)が入稿したニュース記事である。例えば、情報処理装置1は、政治に関するニュース記事の場合、政治に関するニュース記事を所定割合以上入稿している入稿元が入稿したニュース記事を関連記事として特定する。また、関連記事は、例えば、ニュース記事が配信(入稿)されたタイミングから前後所定期間内に配信(入稿)されたニュース記事である。また、関連記事は、ニュース記事の信頼性が高い入稿元が入稿したニュース記事である。例えば、情報処理装置1は、過去に配信したニュース記事における通報履歴が少ない(もしくは無い)入稿元や、過去に配信したニュース記事に対して高評価(上記の高評価ボタン押下)を受けた入稿元が入稿したニュース記事を関連記事として特定する。
【0019】
情報処理装置1は、疑問点および関連記事とともに、回答の生成を指示するプロンプトを生成AIに入力し、生成AIから出力された回答を生成結果とする。また、情報処理装置1は、関連記事を自然言語処理した結果に基づいて、疑問点に対する回答を生成してもよい。なお、情報処理装置1は、1つの疑問点に対して複数の関連記事からそれぞれ意味内容が異なる複数の回答が生成された場合、複数の回答すべてを生成結果としてユーザへ提供するようにしてもよい。
【0020】
また、情報処理装置1は、関連記事における記事内容から回答を生成する場合に限らず。関連記事に対してユーザが投稿したコメントに基づいて回答を生成してもよい。例えば、情報処理装置1は、コメントを自然言語処理した結果に基づいて疑問点に対する回答を生成する。また、情報処理装置1は、コメントのうち、解説コメントや補足コメントに絞って自然言語処理を行って回答を生成してもよい。
【0021】
つづいて、情報処理装置1は、疑問点および回答を示すQAコンテンツをニュース記事とともにユーザ端末100へ提供する(ステップS5)。
【0022】
例えば、情報処理装置1は、図1に示すように、ニュース記事C1と並べてQAコンテンツC2をユーザ端末100に表示する。具体的には、情報処理装置1は、ニュース記事C1の上部(先頭部分)にQAコンテンツC2を並べて表示する。これにより、ユーザがニュース記事を読む前にQAコンテンツC2を確認することができる。
【0023】
また、情報処理装置1は、QAコンテンツの提供対象となるユーザを絞ってもよい。例えば、情報処理装置1は、ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の閲覧状況が所定の条件を満たすユーザに対してQAコンテンツを提供する。例えば、情報処理装置1は、上記事象に関するニュース記事の閲覧数が閾値以上のユーザに対してQAコンテンツを提供する。あるいは、情報処理装置1は、当該ニュース記事を閲覧する直前に当該ニュース記事と同じ事象に関するニュース記事を閲覧しているユーザに対してQAコンテンツを提供する。
【0024】
このように、本開示では、ニュース記事の中から疑問点を抽出し、関連記事から疑問点に対する回答を生成することで、ユーザはQAコンテンツを確認することで、ニュース記事の内容が難解であっても内容を大まかに把握できる。また、ニュース記事に含まれる情報が不十分である場合であっても、不十分な箇所をQAコンテンツにより補うことができるため、ユーザが他の記事を読んで情報を捕捉する必要がない。このように、情報処理装置1によれば、ユーザはニュース記事の内容を効率良く理解することができる。
【0025】
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報処理システムSの構成例について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システムSの構成例を示すブロック図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システムSは、情報処理装置1と、複数のユーザ端末100と、複数の依頼元端末200とがネットワークNに対して有線又は無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)等のネットワークである。
【0026】
情報処理装置1は、実施形態に係る情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置1は、所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出し、ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成し、疑問点および回答をニュース記事とともに提供する。
【0027】
また、情報処理装置1は、複数のユーザ端末100および複数の依頼元端末200と連携し、複数のユーザ端末100および複数の依頼元端末200に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。
【0028】
また、情報処理装置1は、複数のユーザ端末100および複数の依頼元端末200に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報処理装置1は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子商取引(EC:Electronic Commerce)、電子決済、オンラインゲーム、オンラインバンキング、オンライントレーディング、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信、ニュース、地図、ルート検索、経路案内、路線情報、運行情報、天気予報等のサービスを提供してもよい。実際には、情報処理装置1は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0029】
ユーザ端末100は、ニュース記事や紐付情報の配信対象となるユーザが所持する端末装置である。ユーザ端末100は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。ユーザ端末100は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0030】
依頼元端末200は、ニュース記事の配信を依頼する依頼主が所持する端末装置である。依頼元端末200は、スマートフォン、デスクトップ型PC、ノート型PC、タブレット型PC等の任意のタイプの端末装置を用いることができる。依頼元端末200は、情報処理装置1等へ各種情報を送信したり、情報処理装置1等から提供される情報を受信したりする。
【0031】
次に、図3を参照して、情報処理装置1の構成例について説明する。
【0032】
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。図3に示されるように、情報処理装置1は、通信部2と、制御部3と、記憶部4とを有する。制御部3は、受付部31と、特定部32と、抽出部33と、生成部34と、提供部35とを備える。記憶部4は、ユーザ情報41と、記事情報42とを記憶する。
【0033】
通信部2は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部2は、有線または無線によりネットワーク網と接続される。
【0034】
制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部3は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPGPU(General Purpose Graphic Processing Unit)等の集積回路により実現されてもよい。
【0035】
記憶部4は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0036】
ユーザ情報41は、ユーザに関する情報である。
【0037】
図4は、ユーザ情報41の一例を示す図である。図4に示すように、ユーザ情報41は、「ユーザID」、「属性情報」、「行動情報」等の項目を含む。
【0038】
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報である。「属性情報」は、ユーザの属性に関する情報である。属性情報は、例えば、サイコグラフィック属性や、デモグラフィック属性等を含む。「行動情報」は、ユーザの行動の履歴の情報であり、検索行動や、購買行動、訪問行動、ニュース記事の閲覧行動、ニュース記事に対する評価行動等の各種行動の履歴を含む。評価行動は、例えば、ニュース記事に対して肯定的か否定的かを選択する行動や、ニュース記事に対するコメントの投稿行動等である。
【0039】
記事情報42は、ニュース記事に関する情報である。
【0040】
図5は、記事情報42の一例を示す図である。図5に示すように、記事情報42は、「記事ID」、「記事内容」、「QA情報」等の項目を含む。
【0041】
「記事ID」は、ニュース記事を識別する識別情報である。「記事内容」は、ニュース記事の内容に関する情報であり、テキストや、画像情報、ニュースに対するコメント情報である。「QA情報」は、後述する制御部3が生成する疑問点および回答に関する情報である。
【0042】
次に、情報処理装置1の制御部3の各機能(受付部31、特定部32、抽出部33、生成部34および提供部35)について説明する。
【0043】
受付部31は、各種情報を受け付ける。受付部31は、依頼元端末50からニュース記事の入稿を受け付ける。また、受付部31は、ニュース記事を配信したユーザからニュース記事に対する評価やコメントを受け付ける。
【0044】
特定部32は、入稿されたニュース記事のうち、所定の条件を満たすニュース記事を特定する。例えば、特定部32は、ニュース記事の文字数が閾値以上である場合に、所定の条件を満たすニュース記事として特定する。また、特定部32は、ニュース記事を配信したユーザから低評価を受け付けた場合に、所定の条件を満たすニュース記事として特定する。低評価の受付は、例えば、ニュース記事の末尾に配置された高評価ボタンおよび低評価ボタンへの操作により受け付ける。つまり、特定部32は、ユーザがニュース記事を読んだ際に内容の理解が難しい(理解できない、理解に時間を要する)と推測されるニュース記事を所定の条件を満たすニュース記事として特定する。このような観点から、特定部32は、例えば、入稿時にニュース記事を解析して、専門用語の説明が不足しているニュース記事や、文章構成(起承転結や、主語、述語、目的語等)が不十分なニュース記事、別のニュース記事を参照する(リンクが貼られている、「過去記事で紹介した」や「A月B日の会議で発生した事案」等のような文章)ニュース記事等を所定の条件を満たすニュース記事として特定してもよい。
【0045】
抽出部33は、特定したニュース記事の中から疑問点を抽出する。例えば、抽出部33は、ニュース記事とともに、疑問点の抽出を指示するプロンプトを生成AIに入力し、生成AIから出力された疑問点を抽出結果とする。また、抽出部33は、ニュース記事を自然言語処理することで、説明が不十分な専門用語や、文章構成が不十分な文章等を疑問点として抽出する。また、抽出部33は、ニュース記事の中で、別のニュース記事を参照する情報(リンクや、「過去記事で紹介した」や「A月B日の会議で発生した事案」等のような文章)が含まれる場合に、当該情報を疑問点として抽出する。
【0046】
なお、抽出部33は、ニュース記事の記事内容から疑問点を抽出する場合に限らず、ニュース記事に対してユーザが投稿したコメントに基づいて疑問点を抽出してもよい。例えば、抽出部33は、コメントにおいて、「記事中のAAの部分が分からない」等のコメントや、記事中の一部の内容に関する解説コメントや補足コメント等がある場合に、記事中における該当箇所を疑問点として抽出する。
【0047】
生成部34は、特定したニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成する。まず、生成部34は、ニュース記事と関連する関連記事を特定する。例えば、生成部34は、ニュース記事で言及されている事象と同じ事象について言及しているニュース記事を関連記事として特定する。なお、事象は、例えば、スポーツや、政治、金融、イベント等といったカテゴリを示す事象や、AAでA月B日に開催された就活イベントといったユニーク出来事を示す事象である。関連記事は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0048】
なお、関連記事は、ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の配信状況が所定の条件を満たす依頼主(入稿元)が入稿したニュース記事である。例えば、生成部34は、政治に関するニュース記事の場合、政治に関するニュース記事を所定割合以上入稿している入稿元が入稿したニュース記事を関連記事として特定する。また、関連記事は、例えば、ニュース記事が配信(入稿)されたタイミングから前後所定期間内に配信(入稿)されたニュース記事である。また、関連記事は、ニュース記事の信頼性が高い入稿元が入稿したニュース記事である。例えば、生成部34は、過去に配信したニュース記事における通報履歴が少ない(もしくは無い)入稿元や、過去に配信したニュース記事に対して高評価(上記の高評価ボタン押下)を受けた入稿元が入稿したニュース記事を関連記事として特定する。
【0049】
また、生成部34は、疑問点および関連記事とともに、回答の生成を指示するプロンプトを生成AIに入力し、生成AIから出力された回答を生成結果とする。また、生成部34は、関連記事を自然言語処理した結果に基づいて、疑問点に対する回答を生成してもよい。なお、生成部34は、1つの疑問点に対して複数の関連記事からそれぞれ意味内容が異なる複数の回答が生成された場合、複数の回答すべてを生成結果としてユーザへ提供するようにしてもよい。
【0050】
また、生成部34は、関連記事における記事内容から回答を生成する場合に限らず。関連記事に対してユーザが投稿したコメントに基づいて回答を生成してもよい。例えば、生成部34は、コメントを自然言語処理した結果に基づいて疑問点に対する回答を生成する。また、生成部34は、コメントのうち、解説コメントや補足コメントに絞って自然言語処理を行って回答を生成してもよい。
【0051】
提供部35は、疑問点および回答を示すQAコンテンツをニュース記事とともにユーザ端末100へ提供する。
【0052】
例えば、提供部35は、図1に示すように、ニュース記事C1と並べてQAコンテンツC2をユーザ端末100に表示する。具体的には、提供部35は、ニュース記事C1の上部(先頭部分)にQAコンテンツC2を並べて表示する。これにより、ユーザがニュース記事を読む前にQAコンテンツC2を確認することができる。
【0053】
また、提供部35は、QAコンテンツの提供対象となるユーザを絞ってもよい。例えば、提供部35は、ニュース記事が言及している事象に関するニュース記事の閲覧状況が所定の条件を満たすユーザに対してQAコンテンツを提供する。例えば、提供部35は、上記事象に関するニュース記事の閲覧数が閾値以上のユーザに対してQAコンテンツを提供する。あるいは、提供部35は、当該ニュース記事を閲覧する直前に当該ニュース記事と同じ事象に関するニュース記事を閲覧しているユーザに対してQAコンテンツを提供する。
【0054】
次に、図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順について説明する。図6は、実施形態に係る情報処理装置1が実行する処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、制御部3は、まず、依頼元端末200から入稿されたニュース記事のうち、所定の条件を満たすニュース記事を特定する(ステップS101)。
【0056】
つづいて、制御部3は、特定したニュース記事の中から、疑問点を抽出する(ステップS102)。
【0057】
つづいて、制御部3は、ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成する(ステップS103)。
【0058】
つづいて、制御部3は、疑問点および回答をニュース記事とともにユーザ端末100へ提供し(ステップS104)、処理を終了する。
【0059】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行うこともできる。あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0060】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0061】
例えば、図3に示した記憶部4の一部又は全部は、各装置によって保持されるのではなく、ストレージサーバ等に保持されてもよい。この場合、各装置は、ストレージサーバにアクセスすることで、各種情報を取得する。
【0062】
〔ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図6は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0063】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一時的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。
【0064】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0065】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0066】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0067】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0068】
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部3の機能を実現する。
【0069】
〔効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、所定の条件を満たすニュース記事の中から疑問点を抽出する抽出部33と、ニュース記事と関連する関連記事に基づいて、疑問点に対する回答を生成する生成部34と、疑問点および回答をニュース記事とともに提供する提供部35とを備える。
【0070】
このような構成により、ユーザがニュース記事の内容を効率良く理解することができる。
【0071】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0072】
〔その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0073】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0074】
また、上述してきた実施形態に記載した各処理は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0075】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部3は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0076】
1 情報処理装置
2 通信部
3 制御部
4 記憶部
31 受付部
32 特定部
33 抽出部
34 生成部
35 提供部
41 ユーザ情報
42 記事情報
50 依頼元端末
100 ユーザ端末
200 依頼元端末
S 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7