(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025164581
(43)【公開日】2025-10-30
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F  16/903       20190101AFI20251023BHJP        
【FI】
G06F16/903 
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068644
(22)【出願日】2024-04-19
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥村  奈々
(72)【発明者】
【氏名】駒宮  大己
(72)【発明者】
【氏名】上杉  堅生
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FB04
5B175HA02
(57)【要約】
【課題】利用者に関するより詳細な分析を可能にする情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、特定のアクションを行った利用者が入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付部と、受付部によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した時系列散布図の情報を提供する提供部とを備える。
【選択図】
図3
 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
  特定のアクションを行った利用者が入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付部と、
  前記受付部によって選択が受け付けられた前記2以上の検索クエリを入力した利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した前記時系列散布図の情報を提供する提供部と、を備える
  ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
  前記受付部によって選択が受け付けられた前記2以上の検索クエリを入力した複数の利用者のうち予め定められた条件を満たす利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する判定部を備え、
  前記提供部は、
  前記判定部によって判定された前記予め定められた条件を満たす利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す情報を前記遷移情報として配置した前記時系列散布図の情報を提供する
  ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
  前記判定部は、
  前記2以上の検索クエリを入力した複数の利用者が前記2以上の検索クエリを用いた検索後または検索前に検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移を有する利用者を前記予め定められた条件を満たす利用者として判定する
  ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
  前記判定部は、
  前記2以上の検索クエリを入力した利用者が時系列で入力した複数の検索クエリの遷移のうち利用者の数が最も多い遷移を有する利用者を前記予め定められた条件を満たす利用者として判定する
  ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
  前記時系列散布図は、
  各検索クエリの数に応じたプロット点が配置されており、
  前記提供部は、
  前記利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点を結ぶ線を前記遷移情報として配置した前記時系列散布図の情報を提供する
  ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
  前記時系列散布図は、
  各検索クエリの数に応じたプロット点が配置されており、
  前記提供部は、
  前記利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点であって強調表示されたプロット点を前記遷移情報として配置した前記時系列散布図の情報を提供する
  ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
  前記時系列散布図は、
  前記特定のアクションを行った利用者が前記特定のアクションの前に入力した検索クエリを含む
  ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
  前記時系列散布図は、
  前記特定のアクションを行った利用者が前記特定のアクションの後に入力した検索クエリを含む
  ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
  前記受付部は、
  前記時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち1つの検索クエリの選択を受け付け、
  前記提供部は、
  前記受付部によって選択が受け付けられた前記1つの検索クエリの入力数の時系列の遷移を示す情報を配置した前記時系列散布図の情報を提供する
  ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
  コンピュータが実行する情報処理方法であって、
  特定のアクションを行った利用者が入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付工程と、
  前記受付工程によって選択が受け付けられた前記2以上の検索クエリを入力した利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した前記時系列散布図の情報を提供する提供工程と、を含む
  ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
  特定のアクションを行った利用者が入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付手順と、
  前記受付手順によって選択が受け付けられた前記2以上の検索クエリを入力した利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した前記時系列散布図の情報を提供する提供手順と、をコンピュータに実行させる
  ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
  近年のインターネットの飛躍的な普及に伴い、インターネット上の種々の情報を用いた分析に関する技術が発展しつつある。例えば、利用者が入力した検索クエリに基づいて、利用者のニーズを分析する技術が知られている。特許文献1には、指定された検索クエリを入力した利用者を特定利用者として特定し、特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布図を表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
  従来の技術では、指定された検索クエリを入力した利用者が入力した検索クエリの時系列散布図を表示することができるが、利用者に関するより詳細な分析を可能にする点で、さらなる改善の余地がある。
【0005】
  本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に関するより詳細な分析を可能にする情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
  本願に係る情報処理装置は、特定のアクションを行った利用者が入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付部と、受付部によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した時系列散布図の情報を提供する提供部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
  実施形態の一態様によれば、利用者に関するより詳細な分析を可能にすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
            【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
 
            【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置が含まれる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
 
            【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
 
            【
図4】
図4は、実施形態に係る検索履歴記憶部に記憶される検索履歴テーブルの一例を示す図である。
 
            【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置の利用者情報記憶部に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
 
            【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における提供部によって提供されて操作者装置に表示される時系列散布図画面の一例を示す図である。
 
            【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における提供部によって提供されて操作者装置に表示される遷移情報が配置された時系列散布図画面の一例を示す図である。
 
            【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における提供部によって提供されて操作者装置に表示される1つの検索クエリの数の時系列の遷移を示す情報が配置された時系列散布図画面の一例を示す図である。
 
            【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の処理部における提供部によって提供されて操作者装置に表示される属性情報を含む時系列散布図画面の一例を示す図である。
 
            【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
 
            【
図11】
図11は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
 
          
【発明を実施するための形態】
【0009】
  以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理の一例〕
  図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図であり、本実施形態においては情報処理装置1により情報処理方法が実行される。
 
【0011】
  図1に示す情報処理装置1は、各利用者Uが時系列で入力した検索クエリに基づいて、特定のアクションを行った利用者Uのより詳細な分析を行う。検索クエリを入力した利用者Uとは、端末装置2を介して検索クエリを情報処理装置1に入力した利用者であり、検索クエリを用いて検索した利用者である。
 
【0012】
  特定のアクションは、後述する操作者が指定したアクションである。アクションは、例えば、オンラインでの利用者Uのアクションであるが、オフラインでの利用者Uのアクションであってもよい。
【0013】
  図1に示すように、各利用者U
1,・・・,U
nは、端末装置2
1,・・・,2
nのうち対応する端末装置から検索クエリを検索サーバ3に送信させる(ステップS1
1,・・・,S1
n)。nは、2以上の整数である。端末装置2
1は、利用者U
1によって用いられる端末装置であり、端末装置2
nは、利用者U
nによって用いられる端末装置である。
 
【0014】
  検索サーバ3は、各端末装置21,・・・,2nから送信される検索クエリを受け付け、受け付けた検索クエリに応じた検索結果を各端末装置21,・・・,2nに送信する(ステップS21,・・・,S2n)。以下において、端末装置21,・・・,2nの各々を個別に区別せずに示す場合、端末装置2と記載する場合があり、利用者U1,・・・,Unの各々を個別に区別せずに示す場合、利用者Uと記載する場合がある。
【0015】
  ステップS11,・・・,S1nおよびステップS21,・・・,S2nの処理は繰り返し行われる。各利用者Uは、調べたいことがあるたびに、調べたい対象を示す検索クエリを端末装置2から繰り返し検索サーバ3に送信させ、検索サーバ3は、端末装置2から送信される検索クエリを繰り返し受け付け、受け付けた検索クエリに応じた検索結果を端末装置2に送信する。
【0016】
  このように、各利用者Uによって複数の検索クエリが互いに異なるタイミングで検索サーバ3に送信される。そのため、検索サーバ3には、各利用者Uによって互いに異なるタイミングの複数の検索クエリである時系列の検索クエリが入力される。
【0017】
  検索クエリは、1以上の検索キーワードを含み、複数の利用者Uによって入力される検索クエリは、互いに同一である場合がある。例えば、利用者U1によって入力される検索クエリ「地球グミ」は、利用者Unによって入力される検索クエリ「地球グミ」と同じ検索クエリである。
【0018】
  つづいて、情報処理装置1は、検索サーバ3から検索履歴を取得する(ステップS3)。検索履歴は、各利用者Uによって入力された時系列の検索クエリの履歴である。
【0019】
  次に、情報処理装置1は、操作者OPによる特定のアクションの指定を示す情報である指定情報を受信することで、特定のアクションの指定を受け付ける(ステップS4)。操作者OPによって指定される特定のアクションは、オンラインでの利用者Uのアクションであるが、オフラインでの利用者Uのアクションであってもよい。
【0020】
  オンラインでの利用者Uのアクションは、例えば、特定のウェブコンテンツの閲覧、特定のゲームサイトの利用、特定のウェブコンテンツに含まれる特定のリンクや特定のボタンの選択(例えば、クリックやタップ)、特定の広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)、EC(Electronic  Commerce)サイトでの商品やサービスの購入などであるが、かかる例に限定されない。
【0021】
  例えば、オンラインでの利用者Uのアクションは、SNS(Social  Networking  Service)での特定のハッシュタグを付加した投稿、SNSでの特定の利用者に対するフォロー、動画サイトの特定の動画コンテンツのダウンロード、閲覧、またはお気に入り登録、音楽サイトでの特定の音楽コンテンツのダウンロード、閲覧、またはお気に入り登録などであってもよい。また、オンラインでの利用者Uのアクションは、特定の検索クエリの利用者Uによる入力であってもよい。
【0022】
  オフラインでの利用者Uのアクションは、特定の店舗や施設での利用者Uによる特定の商品の購入や特定のサービスの利用、特定の店舗や施設への利用者Uの訪問などであるが、かかる例に限定されない。
【0023】
  操作者OPは、操作者装置4を操作して特定のアクションを指定する操作を行うことで、操作者OPによって指定された特定のアクションの情報である指定情報が操作者装置4から情報処理装置1に送信される。
【0024】
  情報処理装置1は、操作者装置4から送信される指定情報に基づいて、操作者OPによる特定のアクションの指定を受け付け、特定のアクションを行った利用者Uを特定利用者として特定する(ステップS5)。
【0025】
  例えば、特定のアクションが特定の広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)である場合、複数の利用者Uのうち、特定の広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)を行った利用者Uが特定利用者として特定される。
【0026】
  なお、特定のアクションは、1つのアクションに限定されず、例えば、予め定められた期間(例えば、1時間)における複数のアクションの組み合わせであってもよい。複数のアクションの組み合わせは、例えば、広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)とSNSでの特定のハッシュタグを付加した投稿との組み合わせであるが、かかる例に限定されない。
【0027】
  また、特定のアクションは、予め定められた期間(例えば、1時間)における複数回の同一アクションであってもよい。例えば、特定のアクションは、広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)を予め定められた期間(例えば、1時間)に予め設定された回数以上選択(例えば、クリックやタップ)するアクションであってもよい。
【0028】
  つづいて、情報処理装置1は、特定のアクションを行った利用者Uである特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布図を操作者装置4に表示させるための情報である時系列散布図情報を生成する(ステップS6)。
【0029】
  つづいて、情報処理装置1は、ステップS6で生成した時系列散布図情報を操作者装置4に送信する(ステップS7)。操作者装置4は、情報処理装置1から送信された時系列散布図情報を受信し、受信した時系列散布図情報に基づいて、
図1に示すように、特定のアクションを行った利用者Uが入力した検索クエリの時系列散布図を表示する。
 
【0030】
  図1に示す時系列散布図は、横軸を時間軸とし、縦軸を検索ボリュームとする時系列散布図である。横軸は、特定のアクションが行われたタイミングを基準位置とする時間軸である。
図1に示す検索ボリュームは、予め定められた期間Ta毎の検索ボリュームである。予め定められた期間Taは、例えば、3時間、6時間、1日などであるが、かかる例に限定されない。検索ボリュームは、例えば、検索クエリを入力した利用者Uの利用者数であってもよいし、利用者Uの複数回入力を考慮した入力数(検索数)であってもよい。
 
【0031】
  操作者OPは、操作者装置4を操作し、時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリを選択する。
図1に示す例では、操作者OPは、時間位置T1の検索クエリ「地球グミ」と時間位置T2の検索クエリ「フルーツポンチ」とが選択されている。操作者装置4は、操作者OPによって選択された2以上の検索クエリを特定する情報を含む操作情報を情報処理装置1に送信する(ステップS8)。
 
【0032】
  情報処理装置1は、操作者装置4から送信される操作情報を受信し、かかる操作情報で示される2以上の検索クエリの操作者OPによる選択を受け付ける。そして、情報処理装置1は、操作者OPによって選択された2以上の検索クエリを入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を生成する(ステップS9)。
【0033】
  図1に示す例では、時間位置T1に対応する期間に検索クエリ「地球グミ」を入力し且つ時間位置T2に対応する期間に検索クエリ「フルーツポンチ」を入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を生成する。
 
【0034】
  時間位置T1に対応する期間は、時間位置T1と同じ期間または時間位置T1と同じ期間を含む期間であり、時間位置T2に対応する期間は、時間位置T2と同じ期間または時間位置T2と同じ期間を含む期間である。時間位置T1と同じ期間を含む期間は、時間位置T1と同じ期間のp倍の期間であり、時間位置T2と同じ期間を含む期間は、時間位置T2と同じ期間のp倍の期間である。pは、例えば、2以上の数であるが、かかる例に限定されない。
【0035】
  ステップS9において、情報処理装置1は、例えば、操作者OPによって選択された2以上の検索クエリを入力した複数の特定利用者のうち予め定められた条件を満たす特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す情報を遷移情報として生成することができる。
【0036】
  例えば、情報処理装置1は、2以上の検索クエリを用いた検索後または検索前に検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移を有する特定利用者を予め定められた条件を満たす利用者Uとして判定する。また、情報処理装置1は、時系列で入力した複数の検索クエリの遷移のうち特定利用者の数が最も多い遷移を有する特定利用者を予め定められた条件を満たす利用者Uとして判定することもできる。情報処理装置1は、予め定められた条件を満たす利用者Uが時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す情報を遷移情報として生成する。
【0037】
  つづいて、情報処理装置1は、ステップS9で生成した遷移情報を重畳配置した時系列散布図を操作者装置4に表示させるための情報を含む時系列散布図情報を操作者装置4に送信する(ステップS10)。
【0038】
  操作者装置4は、情報処理装置1から送信された時系列散布図情報を受信し、受信した時系列散布図情報に基づいて、
図1に示すように、特定のアクションを行った利用者Uが入力した検索クエリの時系列散布図であって遷移情報が配置された時系列散布図を表示する。
 
【0039】
  図1に示す例では、時系列散布図において、各検索クエリの数(検索ボリューム)に応じたプロット点が配置されている。情報処理装置1は、利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点を結ぶ線を遷移情報として時系列散布図上に配置する。
 
【0040】
  なお、操作者OPによって選択された検索クエリ「地球グミ」のプロット点および検索クエリ「フルーツポンチ」のプロット点は、黒色に塗り潰されており、これにより、操作者OPは、選択した2以上の検索クエリを容易に把握することができる。
【0041】
  このように、情報処理装置1は、特定のアクションを行った利用者Uが入力した検索クエリの時系列散布図を操作者装置4に表示させ、時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける。そして、情報処理装置1は、選択を受け付けた2以上の検索クエリを入力した利用者Uである特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を時系列散布図上に配置する。これにより、操作者OPは、利用者Uに関するより詳細な分析を行うことができる。
【0042】
  以下、このような処理を行う情報処理装置1、端末装置2、検索サーバ3、および操作者装置4などを含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0043】
〔2.情報処理システムの構成〕
  図2は、実施形態に係る情報処理装置1が含まれる情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、情報処理装置1と、複数の端末装置2
1,・・・,2
nと、検索サーバ3と、操作者装置4とを備える。
 
【0044】
  図2では図示していないが、情報処理システム100は、情報処理装置1、検索サーバ3、および操作者装置4の各々を複数含んでしてもよい。また、情報処理システム100は、情報処理装置1に関係するエンティティ(例えば、業者、エンドユーザ)の装置などの、他の構成要素を含んでもよい。
 
【0045】
  情報処理システム100において、情報処理装置1、複数の端末装置2、検索サーバ3、および操作者装置4は、それぞれネットワークNと有線または無線により接続される。ネットワークNは、例えば、インターネット、WAN(Wide  Area  Network)、LAN(Local  Area  Network)などのネットワークである。情報処理システム100の構成要素は、ネットワークNを介して互いに通信を行うことができる。
【0046】
  情報処理装置1は、特定のアクションの指定があった場合に、特定のアクションを行った利用者Uを特定利用者とし、かかる特定利用者の検索クエリの時系列散布図の情報を提供する。また、情報処理装置1は、時系列散布図における操作者OPの操作に応じた遷移情報などを時系列散布図上に配置した情報を提供する。
【0047】
  情報処理装置1は、サーバを含む、任意のタイプの情報処理装置であってもよい。情報処理装置1が、ウェブサーバ、アプリケーションサーバ、データベースサーバなどの各種サーバの機能を提供してもよい。情報処理装置1の構成例の詳細については、後述する。
【0048】
  端末装置2は、利用者Uによって利用される情報処理装置である。端末装置2は、インターネット上の各種サービス(例えば、ポータルサイト、ポータルアプリ)を介して、利用者Uによって入力された検索クエリを送信することができる。また、端末装置2は、この各種サービスを介して、検索クエリに対する検索結果などを受信することができる。
【0049】
  検索サーバ3は、インターネット上の各種サービス(例えば、ポータルサイト、ポータルアプリ)を提供する情報処理装置である。検索サーバ3は、この各種サービスを介して、端末装置2から、検索クエリを受信することができる。検索サーバ3は、検索クエリを受信した場合に検索処理を行い、検索クエリに対する検索結果を端末装置2に送信する。また、検索サーバ3は、受信された複数の検索クエリを、検索履歴として蓄積することができる。検索サーバ3は、検索履歴を情報処理装置1に提供する。
【0050】
  操作者装置4は、操作者OPよって利用される情報処理装置である。操作者OPは、例えば、情報処理装置1や検索サーバ3に関係する特定のインターネット企業に関連する人物である。操作者装置4は、操作者OPが情報処理装置1に情報を入力することを可能にする。例えば、操作者OPが各利用者Uの時系列の検索クエリを分析したい場合に、操作者OPは、特定のアクションの指定を情報処理装置1に対して行うことができる。
【0051】
  端末装置2および操作者装置4の各々は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、PDA(Personal  Digital  Assistant)、またはスマートフォンなどである。なお、端末装置2は、上記例に限定されなくともよく、例えば、スマートウォッチ、またはウェアラブルデバイス(Wearable  Device)であってもよい。
【0052】
〔3.情報処理装置1の構成〕
  以下、上記した情報処理装置1が有する機能構成の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。なお、情報処理装置1は、情報処理装置1の管理者から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウスなど)、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイなど)を有してもよい。
 
【0053】
〔3.1.通信部10〕
  通信部10は、例えば、NIC(Network  Interface  Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、端末装置2、検索サーバ3、および操作者装置4の各々との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0054】
〔3.2.記憶部11〕
  記憶部11は、例えば、RAM(Random  Access  Memory)、フラッシュメモリ(Flash  Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。また、記憶部11は、検索履歴記憶部20と、利用者情報記憶部21とを有する。
【0055】
〔3.2.1.検索履歴記憶部20〕
  検索履歴記憶部20は、利用者Uの検索履歴を記憶する。
図4は、実施形態に係る検索履歴記憶部20に記憶される検索履歴テーブルの一例を示す図である。
図4に示す検索履歴テーブルは、「利用者ID」および「検索履歴」などが互いに関連付けられた情報を有する。
 
【0056】
  「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報である。「検索履歴」は、検索履歴の情報である。
図4では、利用者ID「P1」の利用者Uの検索履歴が「検索履歴#1」であり、利用者ID「P2」の利用者Uの検索履歴が「検索履歴#2」である。
 
【0057】
  図4に示す例では、「検索履歴」に「検索履歴#1」や「検索履歴#2」といった概念的な情報が格納される例を示したが、「検索履歴」には、時系列の検索クエリの情報が格納される。
 
【0058】
  例えば、「検索履歴」には、利用者Uが入力した検索クエリと、検索クエリが検索サーバ3によって受け付けられた日時である検索日時と、検索クエリを入力したときの利用者Uのコンテキストなどを検索クエリ毎に対応付けた情報などが含まれる。
【0059】
  利用者Uのコンテキストは、利用者Uの状況である。例えば、利用者Uの周囲の状況、利用者Uの運動状態、利用者Uの姿勢、利用者Uの感情、利用者Uの現在位置などを含む。
【0060】
  利用者Uの周囲の状況は、例えば、利用者Uの周囲の気圧、温度、湿度、明るさ、音などである。判定部33は、例えば、利用者Uの端末装置2に含まれる気圧センサ、温度センサ、湿度センサ、環境光センサ、およびマイクの検出結果に基づいて、利用者Uの周囲の状況を判定する。
【0061】
  利用者Uの運動状態は、移動中である状態、停止中である状態、運動中である状態などである。判定部33は、例えば、利用者Uの端末装置2に含まれる測位センサ、加速度センサ、およびジャイロセンサなどの検出結果の履歴に基づいて、利用者Uの運動状態を判定する。また、判定部33は、例えば、利用者Uの端末装置2に含まれる加速度センサおよびジャイロセンサなどの検出結果に基づいて、利用者Uの姿勢を判定する。
【0062】
〔3.2.2.利用者情報記憶部21〕
  利用者情報記憶部21は、利用者Uに関する情報を含む利用者情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る情報処理装置1の利用者情報記憶部21に記憶される利用者情報テーブルの一例を示す図である。
 
【0063】
  図5に示すように、利用者情報記憶部21に記憶される利用者情報テーブルは、「利用者ID」、「属性情報」、「行動履歴」などの項目を含む。「利用者ID」は、利用者Uを識別する識別情報である。
 
【0064】
  「属性情報」は、「利用者ID」に対応する利用者Uの属性情報であり、例えば、サイコグラフィック属性の情報や、デモグラフィック属性の情報などを含む。デモグラフィック属性は、例えば、性別、年齢(年代)、居住地、および職業などであり、サイコグラフィック属性は、旅行、服、車、宗教などの興味関心対象、生活スタイル、思想や思想の傾向などである。
【0065】
  「行動履歴」は、利用者Uによるアクションの情報である。利用者Uによるアクションは、上述したように、オンラインでの利用者Uのアクションであるが、オフラインでの利用者Uのアクションであってもよい。利用者Uによるアクションの情報には、アクションを特定する情報、アクションを行った日時を示す情報などが含まれる。
【0066】
〔3.3.処理部12〕
  処理部12は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central  Processing  Unit)やMPU(Micro  Processing  Unit)などのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0067】
  また、処理部12は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application  Specific  Integrated  Circuit)やFPGA(Field  Programmable  Gate  Array)などの集積回路により実現される。
【0068】
  図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、特定部32と、判定部33と、生成部34と、提供部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
 
【0069】
〔3.3.1.取得部30〕
  取得部30は、各種情報を取得する。取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。取得部30は、検索履歴記憶部20および利用者情報記憶部21などから各種の情報を取得する。
【0070】
  取得部30は、通信部10を介して、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。取得部30は、端末装置2、検索サーバ3、操作者装置4、または外部装置から各種情報を取得する。例えば、取得部30は、検索サーバ3から検索履歴を取得する。取得部30は、所定の期間毎に、検索サーバ3から検索履歴を取得し、取得した検索履歴を用いて、検索履歴記憶部20に記憶される検索履歴を更新する。
【0071】
  また、取得部30は、例えば、外部装置から利用者情報を取得する。取得部30は、所定の期間毎に、利用者情報を外部装置から取得し、利用者情報記憶部21に記憶される利用者情報を更新する。
【0072】
〔3.3.2.受付部31〕
  受付部31は、操作者装置4の操作者OPから特定のアクションの指定を受け付ける。例えば、受付部31は、特定のアクションの情報である指定情報に基づいて、特定のアクションの指定を受け付ける。
【0073】
  操作者OPは、操作者装置4を操作して特定のアクションを指定する操作を行うことで、操作者OPによって指定された特定のアクションの情報である指定情報が操作者装置4から情報処理装置1に送信される。
【0074】
  受付部31は、操作者装置4から送信される指定情報に基づいて、操作者OPによる特定のアクションの指定を受け付ける。操作者OPによって指定される特定のアクションは、オンラインでの利用者Uのアクションであるが、オフラインでの利用者Uのアクションであってもよい。
【0075】
  オンラインでの利用者Uのアクションは、例えば、特定のウェブコンテンツの閲覧、特定のゲームサイトの利用、特定のウェブコンテンツに含まれる特定のリンクや特定のボタンの選択(例えば、クリックやタップ)、特定の広告コンテンツの選択(例えば、クリックやタップ)、ECサイトでの商品やサービスの購入などであるが、かかる例に限定されない。
【0076】
  例えば、オンラインでの利用者Uのアクションは、SNSでの特定のハッシュタグを付加した投稿、SNSでの特定の利用者に対するフォロー、動画サイトの特定の動画コンテンツのダウンロード、閲覧、またはお気に入り登録、音楽サイトでの特定の音楽コンテンツのダウンロード、閲覧、またはお気に入り登録などであってもよい。また、オンラインでの利用者Uのアクションは、特定の検索クエリの利用者Uによる入力であってもよい。
【0077】
  オフラインでの利用者Uのアクションは、特定の店舗や施設での利用者Uによる特定の商品の購入や特定のサービスの利用、特定の店舗や施設への利用者Uの訪問などであるが、かかる例に限定されない。
【0078】
  また、受付部31は、特定のアクションを行った利用者Uである特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布図に対する操作者OPによる種々の操作を受け付ける。以下において、特定のアクションを行った利用者Uである特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布図を単に時系列散布図と記載する場合がある。
【0079】
  受付部31は、例えば、時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち操作者OPによる検索クエリの指定を受け付ける。例えば、受付部31は、時系列散布図で示される複数の検索クエリのうちの1つの検索クエリの選択を受け付ける。また、受付部31は、時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける。
【0080】
  図6は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における提供部35によって提供されて操作者装置4に表示される時系列散布図画面の一例を示す図である。
図6に示す時系列散布図画面60は、時系列散布
図61と、期間調整バー62とを含む。
 
【0081】
  時系列散布
図61は、横軸を時間軸とし、縦軸を検索ボリュームとする時系列散布図である。検索ボリュームは、予め定められた期間Ta毎の検索ボリュームであり、各検索クエリの数(検索ボリューム)に応じたプロット点が配置されている。予め定められた期間Taは、例えば、3時間、6時間、1日などであるが、かかる例に限定されない。検索ボリュームは、例えば、検索クエリを入力した利用者Uの利用者数であってもよいし、利用者Uの複数回入力を考慮した入力数(検索数)であってもよい。
 
【0082】
  時系列散布
図61では、予め定められた期間Ta毎の検索クエリの数に応じたプロット点が配置されている。
図6に示す時系列散布
図61には、特定のアクションを行った特定利用者が特定のアクションの前に入力した検索クエリと、特定のアクションを行った特定利用者が特定のアクションの後に入力した検索クエリとが含まれる。
 
【0083】
  また、
図6に示す時系列散布
図61では、検索ボリュームが10000以上の検索クエリが検索ボリュームに対応するプロット点が検索クエリに対応する位置に表示されている。操作者OPは、操作者装置4を操作し、プロット点を選択することによって、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうちの1以上の検索クエリを選択することができる。
 
【0084】
  受付部31は、
図6に示す時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうち、利用者Uによって選択された1以上のプロット点に対応する1以上の検索クエリの選択を受け付ける。
 
【0085】
  期間調整バー62は、時系列散布
図61の横軸における最大期間を調整するためのUI(User  Interface)である。受付部31は、期間調整バー62の幅の変更を受け付ける。操作者OPは、操作者装置4を操作することで期間調整バー62の幅を変更することができ、これにより、時系列散布
図61の横軸における最大期間が調整される。
 
【0086】
  図6に示す例では、期間調整バー62は、特定のアクションがあったタイミングから30日前から30後までの期間の検索クエリが時系列散布
図61に表示される。操作者OPは、期間調整バー62の幅を変更することで、特定のアクションがあったタイミング以前の期間の検索クエリだけを時系列散布
図61に表示させたり、特定のアクションがあったタイミング後の期間の検索クエリだけを時系列散布
図61に表示させたりすることができる。
 
【0087】
  また、受付部31は、絞り込み条件の指定を受け付ける。例えば、受付部31は、操作者OPによって指定された絞り込み条件を示す情報を含む絞り込み条件情報を受け付けることによって、絞り込み条件の指定を受け付ける。
【0088】
  絞り込み条件は、特定のアクションを行った利用者Uの属性の条件、特定のアクションを利用者Uが行ったときのコンテキストの条件などであるが、かかる例に限定されない。
【0089】
〔3.3.3.特定部32〕
  特定部32は、特定のアクションを行った利用者Uを特定利用者として特定する。特定部32は、例えば、利用者情報記憶部21に記憶されている利用者情報に基づいて、受付部31によって受け付けられた特定のアクションを行った複数の利用者Uの各々を特定利用者として特定する。
【0090】
  また、特定部32は、特定のアクションを行った複数の利用者Uのうち受付部31によって受け付けられた絞り込み条件を満たす利用者Uを特定利用者として特定することができる。絞り込み条件を満たす利用者Uは、例えば、受付部31によって受け付けられた属性を有する利用者U、受付部31によって受け付けられたコンテキストで特定のアクションを行った利用者Uあるが、かかる例に限定されない。
【0091】
  また、特定部32は、利用者情報記憶部21に記憶されている利用者情報に基づいて、特定利用者が特定のアクションを行った日時を特定する。特定部32は、同一の利用者Uが特定のアクションを複数回行っている場合、同一の利用者Uによる特定のアクション毎の日時を特定する。
【0092】
〔3.3.4.判定部33〕
  判定部33は、受付部31によって選択が受け付けられた時系列散布
図61における2以上の検索クエリを入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する。
 
【0093】
  例えば、判定部33は、受付部31によって選択が受け付けられた時系列散布
図61における2以上の検索クエリの各々をその時間位置に対応する時間で入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する。
 
【0094】
  時系列散布
図61における2以上の検索クエリの各々をその対応する時間で入力したとは、例えば、時系列散布
図61における2以上の検索クエリの各々の期間またはかかる期間を含む期間で入力したことを意味するが、時系列散布
図61における2以上の検索クエリを時間順で入力したことであってもよい。例えば、
図1に示す例では、2以上の検索クエリの時間順は、検索クエリ「地球グミ」、検索クエリ「フルーツポンチ」の順である。
 
【0095】
  以下において、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうち受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを2以上の指定検索クエリと記載する場合がある。
 
【0096】
  判定部33は、例えば、2以上の指定検索クエリを入力した複数の特定利用者のうち予め定められた条件を満たす特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する。例えば、判定部33は、2以上の指定検索クエリの各々をその時間位置に対応する時間で入力した複数の特定利用者のうち予め定められた条件を満たす特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する。
【0097】
  予め定められた条件を満たす特定利用者は、例えば、2以上の指定検索クエリを用いた検索後または検索前に検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移を有する特定利用者である。
【0098】
  2以上の指定検索クエリを用いた検索後に特定利用者によって検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移は、特定利用者が2以上の指定検索クエリを用いた検索後に入力した検索クエリの遷移のうち最も特定利用者が多い検索クエリの遷移である。
【0099】
  判定部33は、例えば、時系列散布
図61において2以上の指定検索クエリの時間位置の後の時間位置にある検索クエリのうち予め定められた期間毎に最も検索数が多い検索クエリの遷移を、特定利用者が2以上の指定検索クエリを用いた検索後に入力した検索クエリの遷移のうち最も特定利用者が多い検索クエリの遷移として判定する。ここでの予め定められた期間は、予め定められた期間Taのk倍の期間である。kは、例えば、1以上の数(例えば、2以上の整数)であるが、かかる例に限定されない。
 
【0100】
  また、2以上の指定検索クエリを用いた検索前に特定利用者によって検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移は、特定利用者が2以上の指定検索クエリを用いた検索前に入力した検索クエリの遷移のうち最も特定利用者が多い検索クエリの遷移である。
【0101】
  判定部33は、例えば、時系列散布
図61において2以上の指定検索クエリの時間位置の前の時間位置にある検索クエリのうち予め定められた期間毎に最も検索数が多い検索クエリの遷移を、特定利用者が2以上の指定検索クエリを用いた検索後に入力した検索クエリの遷移のうち最も特定利用者が多い検索クエリの遷移として判定する。
 
【0102】
  予め定められた条件を満たす特定利用者は、例えば、2以上の指定検索クエリの検索前と検索後とで予め定められた期間毎に検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移を有する特定利用者であってもよい。
【0103】
  また、判定部33は、2以上の指定検索クエリを入力した特定利用者が時系列で入力した複数の検索クエリの遷移のうち利用者Uの数が最も多い遷移を有する特定利用者を予め定められた条件を満たす特定利用者として判定することもできる。
【0104】
  2以上の指定検索クエリを入力した特定利用者が時系列で入力した複数の検索クエリの遷移は、予め定められた期間毎の検索クエリの遷移であるが、予め定められた期間毎の検索クエリの遷移に限定されず、例えば、単に特定利用者が順番に入力した複数の検索クエリの遷移であってもよい。判定部33は、各特定利用者が順番に入力した複数の検索クエリの遷移のうち最も特定利用者の数が多い遷移を、利用者Uの数が最も多い遷移として判定することができる。
【0105】
  また、判定部33は、2以上の指定検索クエリを入力した特定利用者が次に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第1の検索クエリとして判定し、第1の検索クエリを入力した特定利用者がその次に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第2の検索クエリとして判定することができる。
【0106】
  判定部33は、第1の検索クエリおよび第2の検索クエリを入力した特定利用者がその次に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第3の検索クエリとして判定する。判定部33は、同様の処理を第4の検索クエリの判定以降も同様に行って第nの検索クエリまで判定する。nは、例えば、5以上の整数である。判定部33は、第1の検索クエリ~第nの検索クエリを入力した特定利用者を、予め定められた条件を満たす特定利用者として判定することができる。
【0107】
  また、判定部33は、2以上の指定検索クエリを入力した特定利用者が前に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第1の検索クエリとして判定し、第1の検索クエリを入力した特定利用者がその前に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第2の検索クエリとして判定することができる。
【0108】
  判定部33は、第1の検索クエリおよび第2の検索クエリを入力した特定利用者がその前に入力した検索クエリのうち最も多い検索クエリを第3の検索クエリとして判定する。判定部33は、同様の処理を第4の検索クエリの判定以降も同様に行って第mの検索クエリまで判定する。mは、例えば、5以上の整数である。判定部33は、第1の検索クエリ~第mの検索クエリを入力した特定利用者を、予め定められた条件を満たす特定利用者として判定することができる。
【0109】
  また、判定部33は、上述のように判定した遷移で複数の検索クエリを入力した複数の特定利用者の属性割合を判定する。属性割合は、例えば、性別の割合(男女比)、年代別の割合、性別毎の年代別割合などであるが、かかる例に限定されない。
【0110】
  例えば、属性割合は、デモグラフィック属性の複数の属性項目(性別、年代、居住地、職業、年収、家族構成など)、サイコグラフィック属性の複数の属性項目(興味関心対象、生活スタイル、思想や思想の傾向など)のうちの1つの割合または2以上の組み合わせの割合であってもよい。
【0111】
  また、判定部33は、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうちの1つの検索クエリの選択が受付部31によって受け付けられた場合、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリの時系列の遷移を判定する。
 
【0112】
〔3.3.5.生成部34〕
  生成部34は、受付部31によって指定が受け付けられた特定のアクションを行った特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布
図61を生成する。受付部31によって指定が受け付けられた特定のアクションを行った特定利用者は、上述したように、特定部32によって特定される。
 
【0113】
  生成部34は、特定部32によって特定した特定利用者の情報および特定のアクションの日時の情報と、検索履歴記憶部20に記憶された検索履歴に基づいて、特定部32によって特定された複数の特定利用者が入力した複数の検索クエリの時系列散布
図61を生成する。
 
【0114】
  生成部34は、例えば、各特定利用者が特定のアクションを行った日時を基準として、各特定利用者が入力した複数の検索クエリを検索履歴記憶部20に記憶された検索履歴から抽出する。例えば、生成部34は、予め定められた期間(例えば、特定のアクションのときから30日前から30後までの期間)または期間調整バー62で示される期間において、特定利用者が入力した複数の検索クエリを検索履歴記憶部20に記憶された検索履歴から抽出する。
【0115】
  生成部34は、検索履歴から抽出した複数の検索クエリに基づいて、予め定められた期間Ta毎に同一の検索クエリ毎の検索ボリュームを算出する。そして、生成部34は、予め定められた期間Ta毎に算出した同一の検索クエリ毎の検索ボリュームの位置に各検索クエリに対応付けたプロット点を配置した時系列散布図を生成する。同一の検索クエリとは、文字列が同じ検索クエリである。例えば、検索クエリ「地球グミ」と検索クエリ「地球グミ」とは、同一の検索クエリである。
【0116】
  また、生成部34は、受付部31によって時系列散布
図61における2以上の検索クエリの指定が受け付けられた場合、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した時系列散布
図61を生成する。
 
【0117】
  例えば、生成部34は、受付部31によって時系列散布
図61における2以上の検索クエリの指定が受け付けられた場合、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリの各々をその対応する時間で入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報を配置した時系列散布
図61を生成する。
 
【0118】
  特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移は、判定部33によって判定され、生成部34は、判定部33による判定結果に基づいて、遷移情報を配置した時系列散布
図61を生成する。
 
【0119】
  また、生成部34は、判定部33によって判定された特定利用者の属性割合に基づいて、遷移情報で示される遷移で複数の検索クエリを入力した複数の特定利用者の属性割合の情報である属性情報を生成する。
【0120】
  また、生成部34は、受付部31によって時系列散布
図61における1つの検索クエリの選択が受け付けられた場合、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリの数の時系列の遷移を示す情報を配置した時系列散布
図61の情報を生成する。
 
【0121】
〔3.3.6.提供部35〕
  提供部35は、操作者OPに種々の情報を提供する。例えば、提供部35は、種々の情報を操作者装置4に通信部10を介して送信することによって、操作者OPに種々の情報を提供する。
【0122】
  例えば、提供部35は、受付部31によって操作者OPによる特定のアクションの指定が受け付けられた場合、時系列散布図情報を操作者装置4に送信する。操作者装置4は、提供部35から送信された時系列散布図情報に基づいて、時系列散布図画面60を表示する。
【0123】
  時系列散布図情報は、受付部31によって指定が受け付けられた特定のアクションを行った特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布
図61の情報であり、生成部34によって生成される。
 
【0124】
  また、提供部35は、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択が受付部31で受け付けられた場合、遷移情報を配置した時系列散布
図61の情報を時系列散布図情報として提供する。遷移情報は、例えば、特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点を結ぶ線であるが、特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点であって強調表示されたプロット点であってもよい。
 
【0125】
  遷移情報を配置した時系列散布
図61の情報は、生成部34によって生成される。時系列散布
図61に配置される遷移情報は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移の情報である。
 
【0126】
  例えば、時系列散布
図61に配置される遷移情報は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した特定利用者のうち予め定められた条件を満たす特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移の情報である。
 
【0127】
  図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における提供部35によって提供されて操作者装置4に表示される遷移情報が配置された時系列散布図画面60の一例を示す図である。
図7に示す時系列散布図画面60では、時系列散布
図61および期間調整バー62に加えて、遷移情報63が時系列散布
図61上に配置されている。
 
【0128】
  図7に示す時系列散布図画面60では、受付部31によって選択が受け付けられた2つの検索クエリは、プロット点P1に対応する検索クエリ「地球グミ」と、プロット点P2に対応する検索クエリ「フルーツポンチ」である。
 
【0129】
  図7に示す時系列散布図画面60において、操作者OPによって選択された検索クエリ「地球グミ」のプロット点および検索クエリ「フルーツポンチ」のプロット点とは、黒色に塗り潰されている。これにより、操作者OPは、選択した2以上の検索クエリを容易に把握することができる。
 
【0130】
  図7に示す時系列散布図画面60では、プロット点P1、プロット点P2、プロット点P3、プロット点P4、プロット点P5、プロット点P6を結ぶ線が遷移情報63として時系列散布
図61上に配置されている。
図7に示す例では、遷移情報63は、破線で示されるが、実線であってもよい。
 
【0131】
  プロット点P3は、検索クエリ「キムチ」に対応するプロット点であり、プロット点P4は、検索クエリ「パスポート発行」に対応するプロット点であり、プロット点P5は、検索クエリ「J航空セール」に対応するプロット点であり、プロット点P6は、検索クエリ「韓国  ホテル  おすすめ」に対応するプロット点である。
【0132】
  また、遷移情報は、特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す情報であればよく、プロット点間を結ぶ線に代えて、遷移に含まれる検索クエリに対応するプロット点を強調表示する情報であってもよい。プロット点の強調表示は、プロット点を大きくしたり、プロット点の色を変えたりすることによって行われるが、かかる例に限定されない。
【0133】
  また、遷移情報は、特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリを示す文字列を強調表示する情報であってもよい。検索クエリを示す文字列の強調表示は、検索クエリを示す文字列を大きくしたり、ボルド体にしたり、色を変えたりすることによって行われるが、かかる例に限定されない。
【0134】
  また、提供部35は、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうち1つの検索クエリの選択が受付部31で受け付けられた場合、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリの数の時系列の遷移を示す情報である検索ボリューム遷移情報を配置した時系列散布
図61の情報を生成することができる。
 
【0135】
  検索ボリューム遷移情報は、生成部34によって生成される情報である。検索クエリの数は、検索ボリュームである。検索ボリューム遷移情報は、例えば、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリのプロット点を結ぶ線であるが、プロット点の強調表示する情報であってもよい。
【0136】
  図8は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における提供部35によって提供されて操作者装置4に表示される1つの検索クエリの数の時系列の遷移を示す情報が配置された時系列散布図画面60の一例を示す図である。
図8に示す時系列散布図画面60では、時系列散布
図61および期間調整バー62に加えて、検索ボリューム遷移情報64が時系列散布
図61上に配置されている。
 
【0137】
  図8に示す時系列散布図画面60では、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリは、プロット点P1に対応する検索クエリ「地球グミ」である。プロット点P11~P17に対応する検索クエリは、プロット点P1に対応する検索クエリと同じ「地球グミ」である。
 
【0138】
  図8に示す時系列散布図画面60では、プロット点P1、プロット点P11、プロット点P12、プロット点P13、プロット点P14、プロット点P15、プロット点P16、プロット点P17を結ぶ線とこれらのプロット点P1,P11~P17の強調表示とが検索ボリューム遷移情報64として時系列散布
図61上に配置されている。プロット点P1,P11~P17の強調表示は、塗り潰しによって行われるが、色や大きさなどを他のプロット点と異なる態様にすることで行われてもよい。
 
【0139】
  図8に示す例では、検索ボリューム遷移情報64は、実線とプロット点の強調表示とで示されるが、破線とプロット点の強調表示とで示されてもよく、実線、破線、プロット点の強調表示のうちの1つで示されてもよい。
 
【0140】
  また、提供部35は、生成部34によって生成された属性情報を提供することができる。属性情報は、遷移情報で示される遷移で複数の検索クエリを入力した複数の特定利用者の属性割合の情報である。
【0141】
  図9は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12における提供部35によって提供されて操作者装置4に表示される属性情報を含む時系列散布図画面60の一例を示す図である。
図9に示す時系列散布図画面60では、時系列散布
図61および期間調整バー62に加えて、遷移情報63が時系列散布
図61上に配置されており、さらに、属性情報65が配置されている。
 
【0142】
  属性情報65は、
図9で示される遷移情報63で示される遷移で複数の検索クエリを入力した複数の特定利用者の属性割合の情報であり、特定利用者の性別割合(男女比)を示す情報、特定利用者の年代別割合を示す情報、特定利用者が男性である場合の年代別割合を示す情報、特定利用者が女性である場合の年代別割合を示す情報を含む。
 
【0143】
  このように、
図9に示す時系列散布図画面60では、属性情報65が配置されるため、特定利用者の分析をさらに詳細に行うことができる。
 
【0144】
  上述した例では、提供部35は、遷移情報63と検索ボリューム遷移情報64とがそれぞれ個別に重畳された時系列散布
図61の情報を時系列散布図情報として提供するが、遷移情報63と検索ボリューム遷移情報64とが共に重畳された時系列散布
図61の情報を時系列散布図情報として提供することもできる。
 
【0145】
  例えば、提供部35は、受付部31によって時系列散布
図61における1つの検索クエリが選択された場合に、選択された1つの検索クエリに対応する検索ボリューム遷移情報64が重畳された時系列散布
図61の情報を時系列散布図情報として提供する。
 
【0146】
  その後、提供部35は、受付部31によって時系列散布
図61における2つ目の検索クエリが選択された場合に、選択された1つ目の検索ボリューム遷移情報64と、選択された1つ目の検索クエリと2つ目の検索クエリとに対応する遷移情報63とが共に重畳された時系列散布
図61の情報を時系列散布図情報として提供する。
 
【0147】
〔4.処理手順〕
  次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。
図10は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
 
【0148】
  図10に示すように、情報処理装置1の処理部12は、特定のアクションの指定を受け付けたか否かを判定する(ステップS20)。処理部12は、特定のアクションの指定を受け付けたと判定した場合(ステップS20:Yes)、特定のアクションを入力した利用者Uを特定利用者として特定する(ステップS21)。そして、処理部12は、特定のアクションを行った特定利用者が入力した検索クエリの時系列散布図の情報を提供する(ステップS22)。
 
【0149】
  処理部12は、ステップS22の処理が終了した場合、または特定のアクションの指定を受け付けていないと判定した場合(ステップS20:No)、2以上の検索クエリの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS23)。
【0150】
  処理部12は、2以上の検索クエリの選択を受け付けたと判定した場合(ステップS23:Yes)、選択された2以上の検索クエリを入力した特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する(ステップS24)。そして、処理部12は、ステップS24で判定した遷移を示す情報である遷移情報を時系列散布図上に配置した情報を含む時系列散布図情報を生成し、生成した時系列散布図情報を提供する(ステップS25)。
【0151】
  処理部12は、ステップS25の処理が終了した場合、または2以上の検索クエリの選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS23:No)、1つの検索クエリの選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS26)。
【0152】
  処理部12は、1つの検索クエリの選択を受け付けたと判定した場合(ステップS26:Yes)、選択された1つの検索クエリの入力数の時系列の遷移を示す情報を配置した時系列散布図の情報を提供する(ステップS27)。
【0153】
  処理部12は、ステップS27の処理が終了した場合、または1つの検索クエリの選択を受け付けていないと判定した場合(ステップS26:No)、動作終了タイミングになったか否かを判定する(ステップS28)。処理部12は、例えば、情報処理装置1の電源がオフにされた場合などに動作終了タイミングになったと判定する。
【0154】
  処理部12は、動作終了タイミングになっていないと判定した場合(ステップS28:No)、処理をステップS20へ移行し、動作終了タイミングになったと判定した場合(ステップS28:Yes)、
図10に示す処理を終了する。
 
【0155】
〔5.変形例〕
  上述した例では、生成部34は、受付部31によって時系列散布
図61における1つの検索クエリの選択が受け付けられた場合に、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリの数の時系列の遷移を示す情報を配置した時系列散布
図61の情報を生成するが、かかる例に限定されない。
 
【0156】
  例えば、生成部34は、受付部31によって時系列散布
図61における2つ以上の検索クエリの選択が受け付けられた場合、遷移情報63に加えて、受付部31によって選択が受け付けられた2つ以上の検索クエリの各々の数の時系列の遷移を示す情報を配置した時系列散布
図61の情報を生成することもできる。
 
【0157】
  また、上述した例では、受付部31は、操作者装置4の操作者OPから特定のアクションの指定を受け付けるが、かかる例に限定されず、例えば、情報処理装置1の管理者や運用者などから特定のアクションの指定を受け付けることもできる。
【0158】
  また、判定部33は、特定利用者によって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移として、時系列散布
図61に含まれる複数の検索クエリの遷移を判定することができる。この場合、判定部33によって判定される遷移を構成する検索クエリには、時系列散布
図61で示されていない検索クエリは含まれない。
 
【0159】
〔6.ハードウェア構成〕
  上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図11に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図11は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read  Only  Memory)83、HDD(Hard  Disk  Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
 
【0160】
  CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラム、およびコンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0161】
  HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
 
【0162】
  CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイおよびプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0163】
  メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital  Versatile  Disc)、PD(Phase  change  rewritable  Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical  disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0164】
  例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0165】
〔7.その他〕
  また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0166】
  また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0167】
  例えば、上述した情報処理装置1は、端末装置とサーバコンピュータとで実現してもよく、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0168】
  また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0169】
〔8.効果〕
  上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、特定のアクションを行った利用者Uが入力した検索クエリの時系列散布図で示される複数の検索クエリのうち時間位置が異なる2以上の検索クエリの選択を受け付ける受付部31と、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す遷移情報63を配置した時系列散布
図61の情報を提供する提供部35とを備える。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0170】
  また、情報処理装置1は、受付部31によって選択が受け付けられた2以上の検索クエリを入力した複数の利用者のうち予め定められた条件を満たす利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を判定する判定部33を備える。提供部35は、判定部33によって判定された予め定められた条件を満たす利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリの遷移を示す情報を遷移情報63として配置した時系列散布
図61の情報を提供する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0171】
  また、判定部33は、2以上の検索クエリを入力した複数の利用者Uが2以上の検索クエリを用いた検索後または検索前に検索に用いられた最も多い検索クエリの遷移を有する利用者Uを予め定められた条件を満たす利用者Uとして判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
【0172】
  また、判定部33は、2以上の検索クエリを入力した利用者Uが時系列で入力した複数の検索クエリの遷移のうち利用者Uの数が最も多い遷移を有する利用者Uを予め定められた条件を満たす利用者Uとして判定する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
【0173】
  また、時系列散布
図61は、各検索クエリの数に応じたプロット点が配置されており、提供部35は、利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点を結ぶ線を遷移情報63として配置した時系列散布
図61の情報を提供する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0174】
  また、時系列散布
図61は、各検索クエリの数に応じたプロット点が配置されており、提供部35は、利用者Uによって時系列で入力された複数の検索クエリのプロット点であって強調表示されたプロット点を遷移情報として配置した時系列散布
図61の情報を提供する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0175】
  また、時系列散布
図61は、特定のアクションを行った利用者Uが特定のアクションの前に入力した検索クエリを含む。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0176】
  また、時系列散布
図61は、特定のアクションを行った利用者Uが特定のアクションの後に入力した検索クエリを含む。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0177】
  また、受付部31は、時系列散布
図61で示される複数の検索クエリのうち1つの検索クエリの選択を受け付け、提供部35は、受付部31によって選択が受け付けられた1つの検索クエリの入力数の時系列の遷移を示す情報を配置した時系列散布
図61の情報を提供する。これにより、情報処理装置1は、利用者Uに関するより詳細な分析を可能にすることができる。
 
【0178】
  以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0179】
  また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0180】
  1  情報処理装置
  2,21~2n  端末装置
  3  検索サーバ
  4  操作者装置
  10  通信部
  11  記憶部
  12  処理部
  20  検索履歴記憶部
  21  利用者情報記憶部
  30  取得部
  31  受付部
  32  特定部
  33  判定部
  34  生成部
  35  提供部
  100  情報処理システム
  N  ネットワーク