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特開2025-16481動脈の撮像・評価のシステム及び方法並びに関連するユーザインタフェースに基づくワークフロー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016481
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】動脈の撮像・評価のシステム及び方法並びに関連するユーザインタフェースに基づくワークフロー
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20250128BHJP
   A61B 1/045 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
A61B1/00 550
A61B1/045 618
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024174357
(22)【出願日】2024-10-03
(62)【分割の表示】P 2021556302の分割
【原出願日】2020-03-17
(31)【優先権主張番号】62/819,595
(32)【優先日】2019-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.MySQL
3.JAVASCRIPT
4.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】509128672
【氏名又は名称】ライトラボ・イメージング・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】ゴピナート,アジャイ
(72)【発明者】
【氏名】ヒューヴェラー,マーク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】動脈の表現を表示する方法を提供する。
【解決手段】この方法は、動脈のセグメントの血管内撮像に応じて生成された血管内画像のデータセットを診断撮像システムのメモリデバイスに記憶することと、セグメントの管腔境界をフレームごとに自動的に検出することと、EELを自動的に検出することと、ステントサイジングワークフローを表示することとを含むことができる。本開示は、一つには、セグメントの管腔の境界に関するカルシウムの1つ以上の領域を自動的に検出することと、1つ以上のフレームの検出されたカルシウムの角度測定値又は円周測定値を計算することと、1つ以上のフレームの検出されたカルシウムのカルシウム厚を計算することと、1つ以上のフレームの第1のフレームの検出されたカルシウムのカルシウム厚及び角度測定値又は円周測定値を表示することとにも関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈の表現を表示する方法であって、
動脈の或るセグメントの血管内撮像に応じて生成された血管内画像のデータセットを、
診断撮像システムのメモリデバイスに記憶するステップと、
前記セグメントの管腔の境界をフレームごとに自動的に検出するステップと、
前記セグメントの外弾性板(EEL)をフレームごとに自動的に検出するステップと、
ステントのサイズ選択に利用可能な、グラフィカルユーザインタフェースを有するワー
クフローを表示するステップと
を含み、
前記グラフィカルユーザインタフェースは、
前記動脈の、第1のフレームにおける第1の表現と、
前記動脈の、第2のフレームにおける第2の表現と
を有し、
前記第1の表現に関して、第1のEEL厚及び第1の管腔厚が表示され、
前記第2の表現に関して、第2のEEL厚及び第2の管腔厚が表示される、
方法。
【請求項2】
検出された管腔の境界及び検出されたEELは、各表現に関して1つ以上の印を用いて
特定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記動脈の、第3のフレームにおける第3
の表現を有し、前記第3の表現に関して第3のEEL厚及び第3の管腔厚が表示され、第
3のフレームは、ユーザが前記グラフィカルユーザインタフェースにより選択及び変更す
ることができる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第3のフレームは、前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間にある複数の
フレームから選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記動脈の縦断面表現をも有し、
前記縦断面表現は、前記縦断面表現に関して前記第1のフレーム及び前記第2のフレー
ムを表示するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記縦断面表現は管腔の領域を有し、管腔の領域は前記表現の縦軸に関して対称である
、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、1つ以上の印を用いて複数のフレームにつ
き検出されたEELを表示する前記動脈の縦断面表現を更に有する、請求項1に記載の方
法。
【請求項8】
前記第1のフレームは近位の基準フレームであり、前記第2のフレームは遠位の基準フ
レームである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記近位の基準フレームの表現における第1の部分が、第1の印を用いて特定され、前
記遠位の基準フレームの表現における第2の部分が、第2の印を用いて特定される、請求
項1に記載の方法。
【請求項10】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記セグメントの縦断面表現を更に含み、
前記縦断面表現に関し前記第1の印を用いて特定される第1の軸の一部分を表示するもの
である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記グラフィカルユーザインタフェースは、前記動脈の、第3のフレームにおける第3
の表現を有し、前記第3の表現に関し前記第1の印により特定される前記第1の軸の一部
を表示するものである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記印は、色と点線とハッチングとグラフィック要素とオーバレイとからなる群から選
択されるものである、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記セグメントに沿った位置においてカルシウムを検出するステップと、
1つ以上のフレームに関して全カルシウムの角度測定値を前記グラフィカルユーザイン
タフェースに表示するステップと
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記セグメントの縦断面表現に関しステントのランディングゾーンを選択するための入
力をユーザから受け付けるステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
ユーザによりランディングゾーンが選択されると、計算されたステント長を表示するス
テップと、
前記縦断面表現に関し最小の管腔直径(MLD)を表示するステップと
を更に含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ステントのサイズ選択に利用可能なワークフローの後にステント配置のワークフローを
選択するためのオプションを表示するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
ステント配置の後にレビューのワークフローを選択するためのオプションを更に含み、
前記レビューのワークフローは、ステントが挿入された動脈の表現と、ステントの拡張
割合とステントの不完全密着とに関する1つ以上のインジケータとを有する、請求項16
に記載の方法。
【請求項18】
動脈の表現を表示する方法であって、
動脈の或るセグメントの血管内撮像に応じて生成された血管内画像のデータセットを、
診断撮像システムのメモリデバイスに記憶するステップと、
前記セグメントの管腔の境界に関するカルシウムの1つ以上の領域を、フレームごとに
自動的に検出するステップと、
1つ以上のフレームの、検出されたカルシウムの角度又は円周の測定値を計算するステ
ップと、
1つ以上のフレームの、検出されたカルシウムのカルシウム厚を計算するステップと、
1つ以上のフレームについて前記動脈の第1の表現を生成するステップと、
前記1つ以上のフレームの内の第1のフレームについて検出されたカルシウムのカルシ
ウム厚と前記角度又は円周の測定値とを表示するステップと、
前記動脈の前記第1の表現に関し前記角度又は円周の測定値を示す印を表示するステッ
プと
を含む方法。
【請求項19】
前記動脈の縦断面表現を有する前記動脈の第2の表現を生成するステップと、
フレームごとのカルシウムの検出に対応する印を表示するステップと
を更に含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記セグメントの外弾性板(EEL)をフレームごとに自動的に検出するステップと、
前記縦断面表現のフレームごとのEELに対応する印を表示するステップと
を更に含む請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年3月17日出願の米国仮特許出願第62/819,595号に基
づく優先権及び利益を主張するものである。この米国仮特許出願の全開示内容は、引用に
より本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0002】
インターベンション心臓専門医は、治療を計画、ガイド、及び評価するために、カテー
テル術の間に多様な診断ツールを取り入れる。血管の血管造影撮像を行うために一般に蛍
光透視法が使用される。同様に、そのような血管撮像は、バイパス手術又はステント留置
等の介入中に血管の疾患を診断、位置特定及び処置するために医師により行われる。光コ
ヒーレンス断層撮影(OCT:optical coherence tomography)等の血管内撮像技術も、
所与の被検者の血管の状態に関する高解像度データを取得するために、蛍光透視法に代え
て又は蛍光透視法と組み合わせて用いることができる貴重なツールである。
【0003】
血管内光コヒーレンス断層撮影は、検討のために冠動脈壁を覗き込み、その画像を生成
するために光を使用するカテーテルベースの撮像モダリティである。コヒーレント光、干
渉法、及び微小光学部品を利用して、OCTは、病変部血管内のビデオレート生体内断層
撮影をマイクロメータレベルの分解能で提供することができる。光ファイバプローブを使
用して表面下の構造を高分解能で観察することは、内部の組織及び臓器の最小侵襲的撮像
のために、OCTを特に有用にする。OCTによって可能になるこのレベルの詳細は、ユ
ーザが冠動脈疾患の進行を監視するだけでなく、診断することを可能にする。様々な他の
非侵襲的撮像モダリティも、狭窄、カルシウム、及び他の関心特徴部又は関心領域を評価
するためにOCTとともに又は別々に使用することができる。
【0004】
血管内のカルシウムプラークが心臓病の主な原因である。カルシウム沈着は、血管直径
の狭小化をもたらし、血管壁も硬化し、これによって、血管性能が大幅に低下する。した
がって、カルシウムプラークは、心臓血管インターベンションの主な対象の1つである。
【0005】
動脈の部分の撮像は、医者及びその他の者のために有用な診断ツールを提供する。例え
ば、血管内による冠動脈の撮像は、狭小化又は狭窄の場所を明らかにし得る。この情報は
、心臓専門医が、侵襲的冠動脈バイパス手術と、血管形成術(angioplasty)又はステン
トデリバリ等の低侵襲的カテーテルベース手技との間で選択を行うことを助ける。普及し
ている選択肢ではあるが、ステントデリバリはそれ自体、関連するリスクを有する。
【0006】
ステントは、しばしばメッシュで形成されるチューブ状の構造である。ステントは、血
流を制限する狭窄状態に対処するために血管内に挿入され、拡張することができる。ステ
ントは、典型的に金属又はポリマー・スキャフォールド(polymer scaffold)で作られる
。それらのステントを、カテーテルを介して狭窄の部位に配置することができる。心臓血
管手技中に、ステントは、ガイドワイヤを介してカテーテルを通して狭窄部位に送出し、
バルーンを使用して拡張することができる。典型的に、ステントは、狭窄した血管の管腔
(lumen)を拡大するためにプリセットされた圧力を使用して拡張される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ステントを配置するときに患者の予後(outcome)に影響を及ぼすいくつかの要因があ
る。いくつかの手技において、ステントは、隣接する健康な血管セグメントの直径に対応
する直径まで拡張されるべきである。ステントの過剰な拡張は、血管に大きな損傷を引き
起こし、切開(dissection)、離断(disarticulation)、及び壁内出血(intra-mural h
emorrhage)を生じやすくさせる場合がある。ステントの拡張不良(stent under expansi
on)は、血管の拡張が不適切になる場合がある。ステントの所定の部分が血管壁に接触す
ることができない場合、血栓症のリスクが増す場合がある。拡張不良のステントは正常な
流れを回復できない場合がある。明らかに、ステントが設けられた後で、ステントのステ
ント過剰拡張(stent over expansion)及びステント拡張不良は、様々な問題をもたらす
可能性がある。
【0008】
ステント留置及びそれに関連する手技に関して別の課題がある。血管造影システムを用
いて血管の壁に対するステントの配置の可視化は、検査によって行うことが困難である。
臨床医が利用可能な撮像モダリティ及びツールの全ては、有用な情報を提供することがで
きるが、カテーテル法において診断又は処置するときに臨床医にあまり多くの情報を提供
しないように注意が必要である。撮像モダリティ及び他の診断ツールを使用するワークフ
ローを、バランスが取れかつ将来を考慮した方法で確立することが現行の課題である。
【0009】
さらに、カテーテル室における画像のレビュー並びに様々な画面及びシステムの操作に
は、相反する様々な時間的制約がある。狭窄の評価、ステント配置の計画、並びに所与の
冠動脈のランドスケープのその他の考察及び理解は、容易な作業ではない。計画、診断、
処置、及び確認のためのツール及びワークフロー並びに検出システム及び関連した方法は
全て、所与の被検者の心臓系の手技の成功及び心臓系の状態のより良い理解を高めること
に関して、実際的な解決策に非常に大きな関心がある困難な問題である。
【0010】
本開示は、これらの課題及びその他の課題に対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
1つの態様において、本開示は、動脈の表現を表示する方法に関する。本方法は、1つ
以上のプロセッサを使用して、EELベースのメトリックをフレームごとに検出するステ
ップであって、フレームは、複数のスキャンラインからなる一群のスキャンラインを含む
、ステップと、前記1つ以上のプロセッサを使用して、EEL直径又は他のEELベース
のメトリックを計算するステップと、前記1つ以上のプロセッサを使用して、前記動脈の
セグメントに沿った位置においてカルシウムを検出するステップと、ディスプレイにユー
ザインタフェースを表示するステップであって、前記ユーザインタフェースは第1のパネ
ルを含み、前記ディスプレイは血管内撮像システムと電気的に通信するステップとを含む
。前記方法は、前記第1のパネルが、1つ以上のEELベースのメトリック又はEEL直
径に対応する第1のインディシアを描写する血管の表現の縦断面ビューを示す場合も含む
【0012】
1つの実施の形態において、前記方法は、カルシウムが検出された動脈の1つ以上の領
域に対応する第2のインディシアを表示することを更に含む。1つの実施の形態において
、前記方法は、ステント計画又は狭窄評価をガイドするために、前記ユーザインタフェー
スに関する管腔境界、最小管腔面積、又は検出されたカルシウムの角度範囲の測定値のう
ちの1つ以上を表示することを更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、ステ
ントストラットの検出に応じて或る範囲のフレームにわたってステントに対応するインデ
ィシアを表示することと、ステント拡張メトリック及びステント不完全密着(malapposit
ion:不完全圧着)のうちの一方又は双方を表示することとを更に含む。1つの実施の形
態において、前記方法は、前記管腔境界を検出することが、各スキャンライン上で領域を
管腔境界組織として特定することを含む場合を含む。1つの実施の形態において、前記方
法は、検出されたカルシウムの1つ以上のインスタンスの厚さ値を求めることと、該厚さ
値をエンドユーザに表示することとを更に含む。
【0013】
1つの実施の形態において、前記方法は、第2のパネルを前記ユーザインタフェースに
表示することも含み、前記第2のパネルは、前記動脈表現の別のビューを含む。1つの実
施の形態において、前記方法は、第2のパネルを前記ユーザインタフェースに表示するこ
とも含み、前記第2のパネルは、前記縦断面に沿った位置の第1の横断面ビューを含む。
1つの実施の形態において、前記方法は、直径狭窄率を前記ユーザインタフェースに表示
することも含む。
【0014】
1つの実施の形態において、前記方法は、近位基準及び遠位基準を前記ユーザインタフ
ェースに表示することも含む。1つの実施の形態において、前記方法は、近位基準の直径
値及び遠位基準の直径値を表示することも含む。1つの実施の形態において、前記方法は
、前記近位基準と前記遠位基準との間の前記縦断面のサブセットの最小管腔面積を表示す
ることも含み、前記最小管腔面積は、前記縦断面の前記サブセットにおける一群のフレー
ム及び該一群のフレームの前記スキャンラインを使用してフレームごとに求められる。1
つの実施の形態において、前記方法は、ステントを前記第1の縦断面ビュー上に重ね合わ
せることも含む。1つの実施の形態において、前記方法は、前記動脈に沿った1つ以上の
位置において検出されたカルシウムの角度又は円周測定値を表示することも含む。
【0015】
1つの実施の形態において、前記方法は、動脈の断面又はセグメントに関して取得され
た画像データにおいて1つ以上の関心領域又は関心特徴部を特定又は検出することを含む
。前記関心領域又は前記関心特徴部は、次のもの、すなわち、石灰化プラーク又は他の動
脈カルシウム沈着等のカルシウム;管腔、動脈壁、管腔、管腔境界、EEL、内膜、中膜
、側枝、ステントストラット、組織タイプ、及び他の動脈特徴部のうちの1つ以上又は全
てを含む。1つの実施の形態において、前記画像データは、OCT、IVUS、OFDI
等の血管内/診断システムを使用して取得されるスキャンラインを含む。前記画像データ
は、血管内撮像プローブ又は他の撮像モダリティを使用して生成されるフレームも含むこ
とができる。
【0016】
1つの実施の形態において、前記方法は、前記動脈の前記断面又は前記セグメントの1
つ以上の表現をグラフィカルユーザインタフェースに表示することを含む。前記関心領域
及び前記関心特徴部のうちの1つ以上を含む様々なグラフィカルユーザインタフェースを
ユーザに同時に表示することができる。前記1つ以上の関心領域又は関心特徴部は、1つ
の実施の形態において自動的に検出される。1つの実施の形態において、前記動脈の前記
セグメントの前記表現は、インディシア、オーバレイ、又は他の可視要素を使用して特定
される前記関心特徴部又は前記関心領域のうちのいくつかと同時に前記グラフィカルユー
ザインタフェースに表示される前記動脈の2次元横断面ビュー、前記動脈の前記セグメン
トの2次元縦断面ビュー又はそれらの組み合わせである。前記グラフィカルユーザインタ
フェースは、カテーテル検査室又は別の環境において被検者を処置するエンドユーザをガ
イドするために、ワークフローとして一連のステップ及び情報提示の形で配置又はグルー
プ化される。1つの実施の形態において、前記関心特徴部又は前記関心領域は、内膜、中
膜、外膜、管腔、EEL、IELプラーク、カルシウム、カルシウムプラークを含む群か
ら選択される。
【0017】
関心領域の1つ以上の円弧長を、検出されたカルシウムのインスタンス等に表示するこ
とができる。1つの実施の形態において、カルシウム検出の不連続領域が、カルシウムの
全体の角度の1つの角度測定値が示されるように組み合わされる。色、形状、及び他のグ
ラフィカル要素又はオーバレイを含むことができる様々なインディシア及びグラフィック
要素を使用することができる。様々な実施の形態において、撮像/診断システムのオペレ
ーション及び制御とともに生成される前記グラフィカルユーザインタフェースは、コンピ
ュータ指示(computer directed)又はコンピュータ支援形態構造ワークフロー、コンピ
ュータ指示又はコンピュータ支援ステントサイジング/サイジングワークフロー、コンピ
ュータ指示又はコンピュータ支援ステント配備/配備ワークフロー、コンピュータ指示又
はコンピュータ支援レビュー/比較ワークフロー、それらの組み合わせ、及び本明細書に
開示されるような他のワークフローに対応するグループに編成される一組のグラフィカル
ユーザインタフェースを含むように使用可能である。いくつかの実施の形態において、前
記ワークフローは、1つ以上のパネル、1つ以上のインディシアを使用して特定される自
動的に検出された関心特徴部及び関心領域を含むグラフィカルユーザインタフェースを使
用して生成及び表示される。前記様々なワークフローは、横断面ビュー及び縦断面ビュー
に関する管腔並びにカルシウム円弧及びEEL検出を示す横断面ビュー及び縦断面ビュー
等の動脈の2次元ビュー及び/又は3次元ビューの表現を含む。
【0018】
1つの態様において、本開示は、動脈の表現を表示する方法に関する。該方法は、血管
内画像データセットを診断撮像システムのメモリデバイスに記憶することであって、前記
血管内画像データセットは、動脈のセグメントの血管内撮像に応答して生成されることを
含む。該方法は、前記セグメントの管腔境界をフレームごとに自動的に検出することも含
む。該方法は、前記セグメントの外弾性板(EEL)をフレームごとに自動的に検出する
ことも含む。該方法は、グラフィカルユーザインタフェースを構成するステントサイジン
グに使用可能なワークフローを表示することも含み、前記グラフィカルユーザインタフェ
ースは、第1のフレームにおける前記動脈の第1の表現と、第2のフレームにおける前記
動脈の第2の表現とを含み、第1のEEL厚及び第1の管腔厚が前記第1の表現に関して
表示され、第2のEEL厚及び第2の管腔厚が前記第2の表現に関して表示される。
【0019】
1つの実施の形態において、前記方法は、前記検出された管腔境界及び前記検出された
EELが、1つ以上のインディシアを使用してそれぞれの各表現に関して特定される場合
を更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフ
ェースが、第3のフレームにおける前記動脈の第3の表現を含む場合を更に含み、第3の
EEL厚及び第3の管腔厚が前記第3の表現に関して表示され、第3のフレームは、ユー
ザが前記グラフィカルユーザインタフェースを通じて選択及び変更することができる。1
つの実施の形態において、前記方法は、前記第3のフレームが、前記第1のフレームと前
記第2のフレームとの間のフレームから選択される場合を更に含む。1つの実施の形態に
おいて、前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフェースが、前記動脈の縦断面表現
に関して前記第1のフレーム及び前記第2のフレームを表示する該縦断面表現を更に含む
場合を更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、前記縦断面表現が管腔領域を
含む場合を更に含み、管腔領域は、前記表現の縦断面軸に関して対称である。
【0020】
1つの実施の形態において、前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフェースが、
1つ以上のインディシアを使用して複数のフレームの前記検出されたEELを表示する前
記動脈の縦断面表現を更に含む場合を更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は
、前記第1のフレームが近位基準フレームであり、前記第2のフレームが遠位基準フレー
ムである場合を更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、前記近位基準フレー
ムの表現の第1の部分が、第1のインディシアを用いて特定され、前記遠位基準フレーム
の表現の第2の部分が、第2のインディシアを用いて特定される場合を更に含む。1つの
実施の形態において、前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフェースが、前記セグ
メントの縦断面表現を更に含み、該縦断面表現に関して、前記第1のインディシアを用い
て特定される第1の軸の一部分を表示する場合を更に含む。1つの実施の形態において、
前記方法は、前記グラフィカルユーザインタフェースが、第3のフレームにおける前記動
脈の第3の表現を含み、該第3の表現に関して、前記第1のインディシアを用いて特定さ
れる前記第1の軸の前記一部分を表示する場合を更に含む。
【0021】
1つの実施の形態において、前記方法は、前記インディシアが、色、点線、ハッチング
、グラフィカル要素及びオーバレイからなる群から選択される場合を更に含む。1つの実
施の形態において、前記方法は、前記セグメントに沿った位置においてカルシウムを検出
することと、1つ以上のフレームに関して全カルシウムの角度を前記グラフィカルユーザ
インタフェースに表示することとを更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、
前記セグメントの縦断面表現に関するステントランディングゾーンを選択する入力をユー
ザから受信することを更に含む。1つの実施の形態において、前記方法は、ユーザがラン
ディングゾーンを選択したことに応じて、計算されたステント長を表示することと、前記
縦断面表現に関する最小管腔直径(MLD)を表示することとを更に含む。1つの実施の
形態において、前記方法は、ステントサイジングに使用可能なワークフローの後に、ステ
ント配備ワークフローを選択するオプションを表示することを更に含む。1つの実施の形
態において、前記方法は、ステント配備の後に、レビューワークフローを選択するオプシ
ョンを更に含み、前記レビューワークフローは、ステント挿入された動脈の表現と、ステ
ント拡張パーセンテージ及びステント不完全密着の1つ以上のインジケータとを含む。
【0022】
第2の態様において、本開示は、動脈を表示する方法に関する。該方法は、血管内画像
データセットを診断撮像システムのメモリデバイスに記憶することであって、前記血管内
画像データセットは、動脈のセグメントの血管内撮像に応答して生成されることを含む。
該方法は、前記セグメントの管腔境界に関するカルシウムの1つ以上の領域をフレームご
とに自動的に検出することも含む。該方法は、1つ以上のフレームの検出されたカルシウ
ムの角度測定値又は円周測定値を計算することも含む。該方法は、1つ以上のフレームの
検出されたカルシウムのカルシウム厚を計算することも含む。該方法は、1つ以上のフレ
ームにおける前記動脈の第1の表現を生成することも含む。該方法は、前記1つ以上のフ
レームの第1のフレームの検出されたカルシウムの前記カルシウム厚と、前記角度測定値
又は前記円周測定値とを表示することも含む。該方法は、前記動脈の前記第1の表現に関
する前記角度測定値又は前記円周測定値を示すインディシアを表示することも含む。
【0023】
1つの実施の形態において、前記方法は、前記動脈の第2の表現を生成することであっ
て、前記第2の表現は、前記動脈の縦断面表現を含むことと、フレームごとのカルシウム
の検出に対応するインディシアを表示することとを更に含む。1つの実施の形態において
、前記方法は、前記セグメントの外弾性板(EEL)をフレームごとに自動的に検出する
ことと、前記縦断面表現のフレームごとのEELに対応するインディシアを表示すること
とを更に含む。
【0024】
複数の画像データセットを使用して、形態構造、前処置、ステント計画/ステントサイ
ジング、ステント配備、及び手技のレビューに関して編成される様々なワークフロー及び
基本となるグラフィカルユーザインタフェースは、スコア、測定値、全角度、最大厚、E
EL、管腔、側枝、カルシウム、カルシウム角度、フレーム、撮像及び表示されている動
脈セグメントの近位端又はフレーム、撮像及び表示されている動脈セグメントの遠位端又
はフレーム、選択されたフレーム、フラグ、ブックマーク、近位基準、遠位基準、管腔境
界、動脈内で又は動脈に関して取得された画像データに関して表示される血管造影画像及
び共位置合わせ(コレジストレーション)のインディシア、第1のプルバック、第2のプ
ルバック、第nのプルバック、EELの直径、EELの測定値、EELメトリック、カル
シウム角度及びEEL厚を使用して生成されるスコア、ステント拡張パーセンテージ、ス
テント密着(apposition:並置)、ステント不完全密着、全カルシウム角度、最小管腔面
積、最小管腔直径、管腔厚、狭窄、ステント拡張閾値、ステント密着閾値、カルシウム閾
値、カルシウムの0度~約360度、円周カルシウム円弧等のうちの1つ以上及び組み合
わせを含み、表示することができる。
【0025】
部分的に、本開示は、動脈等の血管内の関心領域を特定するシステムに関し、該システ
ムは、メモリと通信するプロセッサを含み、前記メモリは、実行されると、前記血管の画
像データを取得することと、スキャンライン、フレーム、ピクセル、及びそれらの組み合
わせ等の画像データを検出又はセグメンテーションすることと、関心領域の特徴部を特定
することと、診断、処置の一部として編成及び表示される1つ以上のグラフィックユーザ
インタフェースを用いて血管表現を表示することとを前記プロセッサに行わせる命令を含
む。1つの実施の形態において、前記画像データは複数のスキャンラインである。1つの
実施の形態において、前記画像データは極画像である。
【0026】
部分的に、本開示の1つの実施の形態は、血管内データ収集システム及び1つ以上のソ
フトウェアベースのグラフィックユーザインタフェース並びに本明細書に記載されるよう
な1つ以上の検出プロセス及び表示プロセスを実行するソフトウェアモジュールに関する
。1つの実施の形態において、血管内データが収集されるとともに、血管造影データが同
時に収集される。このように、横断面ビュー及び/又は縦断面ビュー等の動脈の1つ以上
の表現を血管造影データと共位置合わせすることができる。1つの実施の形態において、
本開示は、血管造影画像又は光コヒーレンス断層撮影画像(又は他の血管内画像データ)
のうちの1つ以上に関する血管の石灰化部分等の検出されたカルシウムに関係した情報の
表示に関する。
【0027】
様々な実施の形態において、近位フレーム、遠位フレーム、及びそれらのフレーム間に
配置されたフレームが、第1のインディシアを使用して表示される検出されたカルシウム
とともに表示され、いくつかの実施の形態におけるカルシウム円弧及びカルシウム角度の
和を含む前記検出されたカルシウムの角度又は円弧値も、数値的に及び/又はインディシ
ア若しくはグラフィック要素を用いて表示され、EEL検出も、この検出に関連した厚さ
測定値を用いて表示される。様々な実施の形態において、前記近位フレーム及び前記遠位
フレームは、第1のフレーム及び第2のフレームとすることもできるし、その逆とするこ
ともできる。前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間の配置されたフレームは、
ユーザ選択フレーム等の第3のフレーム/中間フレームとすることができる。様々な実施
の形態において、図に示すように、Fr.の後に数字が続いたものは、OCT、IVUS
、OFDI、又は他のプルバック生成撮像モダリティ等の撮像プルバックの特定のフレー
ム番号を示す。
【0028】
1つの一般的な態様は、本明細書に開示される処置ワークフロー、計画ワークフロー、
レビューワークフロー又は他のワークフローの一部として、管腔検出を行って管腔境界、
カルシウム及びEELを検出することと、1つ以上の動脈表現に関する管腔検出を表示す
ることとを含む。1つの実施の形態において、画像単位等で検出された管腔境界データ。
この態様の他の実施の形態は、それぞれが前記方法のアクションを実行するように構成さ
れる対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに
記録されたコンピュータプログラムを含む。
【0029】
実施態様は、次の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。1つの実施の形態におい
て、前記検出された管腔境界データを入力することは、画像データにおける関心領域及び
関心特徴部を分類する待ち時間を削減する。記載される技法の実施態様は、ハードウェア
、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウ
ェアを含むことができる。様々な機械学習技法、画像処理ベースの技法、及び他の画像解
析技法を使用して、本明細書に開示される関心特徴部及び関心領域の検出及びセグメンテ
ーションを自動的に行うことができる。
【0030】
1つの一般的な態様は、データ収集及び/又は撮像並びに領域/特徴部特徴付けシステ
ムを含む。該システムはハウジングも含む。該システムは、極データ、超音波データ、光
画像データ、X線画像データ及び血管内画像データ等の画像データのうちの1つ以上を受
信するフレームグラバも含む。前記血管内システムは電源装置も含む。前記血管内システ
ムは、前記電源装置と電気通信する1つ以上の電子メモリ記憶デバイスも含む。前記血管
内システムは、プロセッサ上で実行可能であるとともに前記1つ以上の電子メモリ記憶デ
バイスに記憶される1つ以上の画像処理ソフトウェアモジュールも含む。前記血管内シス
テムは、第1のプロセッサを含むコンピューティングデバイスも含み、該コンピューティ
ングデバイスは、前記電源装置及び前記第1のプロセッサと電子通信する。1つの実施の
形態において、1つ以上のAIプロセッサ及び専用AIプロセッサメモリが、前記ハウジ
ングに配置されるか、又は、1つ以上のポート、バス、又はネットワークを通じてハウジ
ングに接続される。1つの実施の形態において、所与の機械学習システム(machine lear
ning system, MLS)及びそのトレーニングされたニューラルネットワークは、クライ
アント/サーバ実施態様、エッジコンピューティング実施態様、又はサービス実施態様と
してのクラウド若しくはソフトウェア等を通じてリモートで動作される。
【0031】
1つの実施の形態において、前記システムは、前記1つ以上の電子メモリ記憶デバイス
に記憶される1つ以上のソフトウェアプログラムも含む。前記システムは、1つ以上の機
械学習ソフトウェアモジュールを含むニューラルネットワークを備える機械学習システム
も含む。また、前記血管内システムは、1つ以上のAIプロセッサであって、前記1つ以
上の機械学習ソフトウェアモジュールは、該1つ以上のAIプロセッサ上で実行可能であ
る、1つ以上のAIプロセッサと、バスと、AIプロセッサメモリと、画像データを前記
第1のプロセッサとの間で送信及び受信するインタフェースとを含み、前記機械学習シス
テムは前記電源装置と電子通信し、前記機械学習システム、前記コンピューティングデバ
イス、及び前記1つ以上の電子メモリ記憶デバイスは、前記ハウジング内に配置される。
1つの実施の形態において、前記バスはPCIeバスである。この態様の他の実施の形態
は、それぞれが前記方法のアクションを実行するように構成される対応するコンピュータ
システム、装置、1つ以上のコンピュータ記憶デバイス上に記録されたコンピュータプロ
グラム、AIプロセッサ、専用ASIC、回路機構及び回路機構構成要素を含む。1つの
実施の形態において、前記バスは、前記AIプロセッサ及びオンボードメモリ並びに診断
/撮像システムのプロセッサを接続する。
【0032】
実施態様は、次の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。前記ハウジングは、光コ
ヒーレンス断層撮影撮像システム、OFDIシステム、断層撮影システム、CTスキャン
、X線又は血管内超音波撮像システムのハウジングである、システム。前記1つ以上の画
像処理ソフトウェアモジュールは、エンドユーザに表示されるときに関心領域又は関心特
徴部にラベル付けする組織分類オーバレイソフトウェアと、管腔検出ソフトウェアモジュ
ールと、ワークフローごとに編成されるグラフィカルユーザインタフェースの表示を調整
するロジックとのうちの1つ以上を含む、システム。前記1つ以上の機械学習ソフトウェ
アモジュールは、ニューラルネットワークインタフェースと、管腔輪郭予測と、側枝予測
と、カルシウム検出と、EEL検出と、ユーザインタフェース及び入力処理ソフトウェア
モジュールと、ニューラルネットワークのパラメータを制御及び設定するMLSインタフ
ェースソフトウェアモジュールと、MLSメモリマネージャソフトウェアと、前処理ソフ
トウェアモジュールと、ステントストラット予測ソフトウェアモジュールと、ジェイルド
ステント予測ソフトウェアモジュールと、ガイドワイヤ予測ソフトウェアモジュールと、
撮像システムとデータを交換するインタフェースモジュールと、所与のコンピュータ指示
又はコンピュータ支援ワークフローに関して上記のいずれかを表示するワークフローロジ
ックとのうちの1つ以上を含む、システム。記載される技法の実施態様は、ハードウェア
、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能媒体上のコンピュータソフトウ
ェアを含むことができる。
【0033】
部分的に、本開示は、機械学習(ML:machine learning)方法及びシステムを使用し
て患者からの画像データをリアルタイム又は実質的にリアルタイムで評価するのに適した
コンピュータベースの方法、及びシステムに関する。様々な実施の形態において、血管内
データのプルバック等の画像データのセットが、畳み込みニューラルネットワーク等のト
レーニングされたニューラルネットワークを使用して実質的にリアルタイムで分類される
。様々な実施の形態において、画像データのセットは、約400個のフレーム~約600
個のフレームを含む。さらに、回転プローブを使用してOCT、IVUSの画像データ、
及び他の撮像データを取得することを考えると、それらに関連した2つの座標系を取り扱
うことが課題をもたらす。本開示は、これらの課題と、カテーテル検査室において単一の
セッションの間にステント挿入及び他の手技を適用することができるように患者を迅速に
撮像及び診断するという問題を解くことに関係した非常に多くの他の課題とに対処する。
本明細書に開示されるワークフローは、患者がカテーテル検査室に居て、所与の手技の一
部としての処置/診断、配備、レビュー、又は他のワークフローに利用可能であるか又は
これらを受けている間のオペレータの疲労を削減し意思決定を促進する情報を制御された
方法で表示するように設計される。複数の関心特徴部又は関心領域への画像のセグメンテ
ーションを行うことができ、指示ワークフローを使用することは、ステント計画、バイパ
ス、アテレクトミー、ステント配備ゾーンの減量及び他の外科オプションの評価を通知し
、患者の状態の経時的な変化を評価する診断情報を臨床医に提供することによって、患者
が初期診断手技及びその後の処置手技の間に費やす時間を削減する。
【0034】
部分的に、本開示は、撮像処理パイプラインを使用して、組織タイプ及び側枝等の他の
特徴部、ステント、EEL、カルシウム、カルシウム角度、EEL、EEL厚、ガイドワ
イヤ及び他の特徴部、血管の特性及び物質を含むことができる血管内の関心領域を検出す
るとともに、ニューラルネットワークを使用して、カルシウム、管腔、中膜、内膜、脂質
及び本明細書に開示されるそれ以外のもの等の他の関心領域又は関心特徴部を検出する上
記血管内の関心領域を特定する方法に関する。
【0035】
1つの実施の形態において、1つ以上のマスク、画像、又は出力におけるセグメンテー
ション及び/又は検出並びに表現のために選択される組織タイプ又は組織特性、関心領域
、関心特徴部、クラス若しくはタイプ又は血管特徴部は、次のもの、すなわち、コレステ
ロール、繊維質、脂質プール、脂質、線維脂肪、石灰化、カルシウム結節、カルシウムプ
レート、内膜、血栓、泡沫細胞、プロテオグリカン、及び本明細書に開示されるそれ以外
のもののうちの1つ以上を含む。本明細書に開示される様々なシステムは、専用回路、コ
ントローラ、FPGA、AIプロセッサ及び本明細書に開示されるような他の構成要素を
使用して本明細書に開示される方法及びプロセスの全てを実行するように動作可能である
【0036】
本明細書に開示される前記方法は、各極画像の前記1つ以上の関心領域又は関心特徴部
をタイプ又はクラスとして分類することを更に含むことができる。1つの実施の形態にお
いて、前記タイプ又は前記クラスは、内膜、中膜、外膜、管腔、EEL、IELプラーク
、カルシウム、カルシウムプラークを含む群から選択される。1つの実施の形態において
、本明細書に開示されるシステム及び方法とともに使用される前記画像データは、カーペ
ットビュー画像、スキャンライン、ピクセル、2D画像、3D画像、血管造影画像、血管
内画像、CTスキャン画像、X線画像、及び動脈、静脈、器官又は循環系の他の構成要素
の他の画像を含む。上記特徴部、領域、チャネル、クラス等は、それらに関してトレーニ
ングされたニューラルネットワークを使用して検出することができる。
【0037】
本開示は、種々の態様及び実施形態に関するが、本明細書に開示されるこれらの種々の
態様及び実施形態は、統合することもできるし、組み合わせることもできるし、組み合わ
せシステムとして又は必要に応じて部分的に別々の構成要素、デバイス、及びシステムと
してともに使用することもできることが理解される。したがって、本明細書に開示される
各実施形態は、所与の実施態様について、必要に応じて様々な度合いで上記態様のそれぞ
れに組み込むことができる。
【0038】
図は必ずしも一定比例尺に従わず、代わりに、概して、例示的な原理に重点が置かれて
いる。図は、あらゆる面で例示的であると考えられ、本開示を限定することを意図されず
、その範囲は特許請求の範囲によってのみ規定される。
【0039】
本特許のファイル又は本出願のファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面
を含む。(複数の)カラー図面を有するこの特許又は特許出願公開の写しは、請求により
、必要な料金が支払われれば米国特許商標庁から提供されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本開示の例示の実施形態による、動脈の撮像と、得られた画像データに関する関心特徴部・領域の自動検出と、強化された指示ワークフローの表示とを行い、カテーテル室における処置を能率的にするのに適した診断システムの概略図である。
図2A】本開示の例示の実施形態による、図示するようなカルシウム検出、全カルシウム角度、近位フレーム及び遠位フレーム並びに他の特徴部等の様々な関心特徴部を有する、取得されて図1のシステム等のメモリに記憶された画像データを評価するのに適した例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図2B】本開示の例示の実施形態による、図示するようなカルシウム検出、全カルシウム角度、複数のフレームのEEL検出、近位フレーム及び遠位フレーム並びに他の特徴部等の様々な関心特徴部を有する、取得されて図1のシステム等のメモリに記憶された画像データを評価するのに適した例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図2C】本開示の例示の実施形態による、EEL領域のうちのいくつかが様々な領域において閾値を下回る動脈の縦断面ビューの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図2D】本開示の例示の実施形態による、様々なパネルが、動脈の縦断面表現に関係した動脈の横断面表現における様々なブックマーク及び動脈の向きを示すためにユーザインタフェースの一部として配置される形態ワークフローの例示的なユーザインタフェースを示す図である。
図2E】カルシウム及びEEL検出並びに関連した測定値が示される形態構造ワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図2F】カルシウム及びEEL検出並びに関連した測定値が示される形態構造ワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図3A】本開示の例示の実施形態による、ステントランディングゾーンを評価するのに適した動脈の表現に関する、ステント及びステント長等の他のステントパラメータを選択するためのステントサイジングワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図3B】本開示の例示の実施形態による、ステントランディングゾーンを評価するのに適した動脈の表現に関する、ステント及びステント長等の他のステントパラメータを選択するためのステントサイジングワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図3C】本開示の例示の実施形態による、ステントランディングゾーンを評価するのに適した動脈の表現に関する、ステント及びステント長等の他のステントパラメータを選択するためのステントサイジングワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図3D】本開示の例示の実施形態による、ステントランディングゾーンを評価するのに適した動脈の表現に関する、ステント及びステント長等の他のステントパラメータを選択するためのステントサイジングワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図4A】本開示の例示の実施形態による、ステント配置ワークフローをサポートするときに血管内及び血管造影のコレジストレーション(位置合わせ)を構成及び実演するのに適した例示的な位置合わせインタフェースを示す図である。
図4B】本開示の例示の実施形態による、ステント配置ワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図4C】本開示の例示の実施形態による、ステント配置ワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図5A】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図5B】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図5C】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図5D】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図6】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図7A】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図7B】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
図8】本開示の例示の実施形態による、患者の予後を改善するために別のバルーニング又は別のステント再配置等の別の手技を行うことができるレビューワークフローを実施するのに適した例示的なグラフィカルユーザインタフェースを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本開示は、一つには、動脈に関係するデータ、検出されたパラメータ、又は画像を収集
し、及び/又は電子メモリに記憶する診断システムに関する。1つの実施形態において、
このシステムは、自動化された検出、様々な診断目的を促進するこの検出に関する様々な
メトリックの決定を容易にし、及び/又は様々なグラフィカルユーザインタフェースを通
じて上記のものをエンドユーザに表示する。これらの目的は、限定されないが、ステント
のサイジング(サイズ選択)、ステントの配置、バルーンのサイジング、バルーンの配置
、同時若しくは事前の処置又は診断手技のレビュー並びに他の診断ツール、測定及び計算
を含むことができる。ユーザインタフェース及び関連した診断システムは、X線撮像、C
Tスキャン、血管造影(血管)システム、蛍光透視システム、超音波システム、光コヒー
レンス断層撮影システム、血管内撮像システム、これらのものの組み合わせ、並びに他の
撮像モダリティ及び診断モダリティ等の様々な撮像モダリティからの受信データを含むこ
とができ、及び/又はこの受信データにリンクすることができる。
【0042】
1つの態様において、本開示は、カテーテル室での手技を能率的にするとともに、心臓
専門医又は他の臨床医等のユーザにとって情報へ容易にアクセス可能にする様々なワーク
フローに関する。各ワークフローは、色、ハッチング、点線、オーバレイ等のインディシ
ア(あるいは印)を含み、本明細書に開示されるようなカルシウム、EEL、管腔、管腔
境界等の様々な関心のある検出を際立たせて横断面ビュー又は縦断面ビューといった、異
なる動脈の表現又はビューの間で特定されるように変更された動脈セグメントの表現を含
む。いくつかの実施形態において、縦断面ビュー等の動脈の表現は軸の周りに対称である
。様々な実施形態において、色は、様々な表現の間で関心特徴部を強調するために様々な
図面に示されたオレンジ色等のインディシアとして使用される。
【0043】
冠動脈系に関する情報を得るのに様々なデータ収集解析システムが利用可能である。血
管からデバイスを使用して取得されたデータ、又は、これらのデータに関連した血管内測
定若しくは血管外測定から導かれたデータは、研究者及び臨床医を支援するために解析又
は表示することができる。加えて、形態ワークフローに従った血管内特徴部の自動検出の
オペレータのレビューと、サイジング・計画ワークフローに従って前処置オプション及び
ステントサイズ選択を評価することと、配備ワークフローに従ってランディングゾーンを
選択し、選択の一部として動脈セグメントを評価することと、患者がカテーテル室にまだ
居る間にステント拡張及び不完全密着を評価して最終的なステント配置及び拡張を改善す
る更なるバルーニング又は他の手技を可能にするステント配備のレビューとを容易にする
ために、様々なコンピュータ指示ワークフロー又はコンピュータ支援ワークフローを、定
められた方法で生成及び表示することができる。
【0044】
光コヒーレンス断層撮影(optical coherence tomography, OCT)は、干渉計を使用
して、血管又は血管内に配置された物体に関する距離測定値を取得する撮像モダリティで
ある。様々な実施形態において、光周波数領域撮像(OFDI:Optical Frequency Doma
in Imaging)も血管内撮像モダリティとして使用することができる。血管内超音波法(In
travascular Ultrasound, IVUS)も、血管の部分を撮像するプローブに使用すること
ができる。血管造影システム及び蛍光透視システムも、診断決定を行うことができるとと
もにステント留置等の様々な可能な処置オプションを行うことができるように、患者を撮
像するのに多く使用される。これらの撮像システム及び他の撮像システムは、患者を外部
又は内部から撮像して生のデータを取得するのに使用することができ、これらのデータは
、様々なタイプの画像データを含むことができる。
【0045】
本開示は概して、血管内データの収集デバイスが使用される血管に関する画像データ等
の診断情報を含む信号を生成及び受信するのに使用することができる任意の血管内データ
収集デバイスに適用することができる。これらのデバイスは、光プローブ又は超音波プロ
ーブ等の撮像デバイス、圧力センサデバイス、及び血管又は心臓血管系の他の構成部分に
関するデータを収集するのに適した他のデバイスを含むことができるが、これらに限定さ
れるものではない。様々なユーザインタフェース表現及び関連したワークフローを評価す
る前に、本明細書に開示される方法及び動脈評価ツールを実施する例示的なシステムを検
討することが有益である。
【0046】
図1は、動脈の撮像と、得られた画像データに関する関心特徴部・領域の自動検出と、
強化された指示ワークフローの表示とを行い、カテーテル室での処置を能率的にするのに
適した診断システム5の概略図である。システム5は、様々な血管内撮像モダリティ及び
非血管内撮像モダリティをサポートして、動脈に関する画像データを生成し、エビデンス
ベースの測定値及びそれらの効率的な表示を用いて様々な診断手技及び様々な処置オプシ
ョンのサポートを容易にするワークフローを提示する。
【0047】
システム5は、動脈情報の視覚的表現の視認及び評価に適している。これらのユーザイ
ンタフェースは、ユーザがマウス、ジョイスティック、又は他の制御装置を用いて制御す
ることができるとともに、1つ以上のプロセッサ及びメモリ記憶素子を使用して動作させ
ることができる1つ以上の可動要素を含むことができる。画像データに関して自動的に取
得される形態構造結果は、能率化されたワークフローの一部として表示することができる
【0048】
ステントデリバリ計画手順において、密着(apposition)のレベル及びロケーション、
ユーザは、OCT及び注釈付き血管造影を参照して、デリバリ計画の一部としてステント
を更に拡張又は移動させることができる。これらのシステムの特徴及び方法は、図1に示
すシステム5を使用して実施することができる。
【0049】
図1に、データを収集するか、又は被検者4の特徴を検出するか、又は被検者4の状態
を検知するか、又は別の方法で被検者4を診断するのに適した様々なデータ収集サブシス
テムを有するシステム5を示している。1つの実施形態において、被検者は、テーブル、
ベッド、若しくは椅子等の適切な支持体44又は他の適切な支持体上に配置される。典型
的に、被検者4は、特定の関心領域25を有する人間又はその他の動物である。
【0050】
データ収集システム5は、核磁気共鳴、X線、コンピュータ支援断層撮影、又は他の適
切な非侵襲撮像技術等の非侵襲撮像システムを含む。そのような非侵襲撮像システムの非
限定的な一例として示されるように、シネ(cine)を生成するのに適するような血管造影
システム20が示されている。血管造影システム20は蛍光透視システムを含むことがで
きる。血管造影システム20は、例えば、OCT又はIVUS等の1つ以上の撮像技術に
おける血管造影を使用して被検者4の領域25内の血管が撮像されるように、プローブ3
0を使用してプルバック手技が実行される間に、典型的には画像データのフレームの形態
で血管造影データのフレームが生成されるように、被検者4を非侵襲的に撮像するように
構成される。
【0051】
血管造影システム20は、血管造影データの記憶及び画像管理システム22と通信する
。この血管造影データの記憶及び画像管理システム22は、1つの実施形態においてはワ
ークステーション又はサーバとして実装することができる。1つの実施形態において、収
集された血管造影信号に関連するデータ処理は、血管造影システム20の検出器上で直接
実行される。システム20からの画像は、血管造影データ記憶及び画像管理部22によっ
て記憶及び管理される。
【0052】
1つの実施形態において、システムサーバ50又はワークステーション85は、システ
ム22の機能をハンドリングする。1つの実施形態において、システム20全体は、X線
等の電磁放射を生じさせる。システム20はまた、被検者4を通過したそのような放射線
を受ける。次いで、データ処理システム22は、血管造影システム20からの信号を使用
して、領域25を含む被検者4の1つ以上の領域を撮像する。
【0053】
この特定の例に示すように、関心領域25は、特定の血管等の血管系又は末梢血管系の
サブセット(一部分)である。このサブセットは、OCTを使用して撮像することができ
る。カテーテルベースのデータ収集プローブ30は、被検者4内に導入され、例えば冠動
脈等の特定の血管の管腔内に配置される。プローブ30は、例えば、OCTプローブ、F
FRプローブ、IVUSプローブ、上記のうちの2つ以上の特徴を組み合わせるプローブ
、及び血管内で撮像するのに適した他のプローブ等の、種々のタイプのデータ収集プロー
ブとすることができる。プローブ30は、典型的には、プローブ先端部、1つ以上の放射
線不透過性マーカ、光ファイバ、及びトルクワイヤを含む。加えて、プローブ先端部は、
光ビームディレクタ、音響ビームディレクタ、圧力検出器センサ、他の変換器又は検出器
、及び上記の組み合わせ等の、1つ以上のデータ収集サブシステムを含む。
【0054】
光ビームディレクタを有するプローブの場合、光ファイバ28は、ビームディレクタを
用いてプローブと光通信を行う。トルクワイヤは、光ファイバが配設される穴を定める。
図1において、光ファイバ28は、それを囲むトルクワイヤなしで示されている。加えて
、プローブ30はまた、カテーテルの一部を形成するポリマーシース(不図示)等のシー
スを含む。OCTシステムの文脈において、干渉計のサンプルアームの一部分である、光
ファイバ28は、図示するように患者インタフェースユニット(PIU:patient interf
ace unit)35に光接続される。
【0055】
患者インタフェースユニット35は、プローブ30の端部を受け入れて、それに光接続
されるのに適したプローブコネクタを含む。典型的には、データ収集プローブ30は使い
捨て可能である。PIU35は、使用されるデータ収集プローブのタイプに基づいて適切
なジョイント及び要素を含む。例えば、OCT及びIVUSデータ収集プローブの組み合
わせは、OCT及びIVUS型のPIUを必要とする。PIU35は、典型的に、トルク
ワイヤ、シース、及び内部に配設される光ファイバ28を、プルバック手技の一部として
プルバックするのに適するモータも含む。プルバックされることに加えて、プローブ先端
部はまた、典型的に、PIU35によって回転させられる。こうして、被検者4の血管は
、長手方向に又は横断面を介して撮像することができる。プローブ30はまた、冠血流予
備量比(FFR:fractional flow reserve、血流予備量比)又は他の圧力測定値等の特
定のパラメータを測定するために使用することができる。
【0056】
次いで、PIU35は、1つ以上の血管内データ収集システム40に接続される。血管
内データ収集システム40は、OCTシステム、IVUSシステム、別の撮像システム、
及び上記の組み合わせとすることができる。例えば、OCTプローブであるプローブ30
の文脈におけるシステム40は、干渉計のサンプルアーム、干渉計の基準アーム(refere
nce arm)、フォトダイオード、制御システム、及び患者インタフェースユニットを含む
ことができる。同様に、別の例として、IVUSシステムの文脈において、血管内データ
収集システム40は、超音波信号生成及び処理回路機構、ノイズフィルタ、回転可能なジ
ョイント、モータ、及びインタフェースユニットを含むことができる。1つの実施形態に
おいて、データ収集システム40及び血管造影システム20は、血管造影ビデオフレーム
タイムスタンプ及びOCT画像フレームタイムスタンプを同期させるように構成される、
共有クロック又は他のタイミング信号を有する。
【0057】
図1の侵襲的あるいは非侵襲的な画像データ収集システム及びデバイスに加えて、被検
者の領域25及び被検者の他の関心パラメータに関して、様々な他のタイプのデータを収
集することができる。例えば、データ収集プローブ30は、例えば圧力ワイヤ等の1つ以
上の圧力センサを含むことができる。圧力ワイヤは、OCT又は超音波構成要素の付加な
しで使用することができる。圧力読み取り値は、被検者4の領域25内の血管のセグメン
トに沿って取得することができる。
【0058】
そのような読み取り値は、有線接続又は無線接続を通じて中継することができる。冠血
流予備量比(FFR)データ収集システムに示すように、無線トランシーバ48は、プロ
ーブ30からの圧力読み取り値を受信し、それらをシステムに送信して、測定された血管
に沿う1つ以上のロケーションのFFR測定値を生成する。1つ以上のディスプレイ82
、83も、本明細書に開示される様々なワークフロー、カルシウム角度、EEL検出、カ
ルシウム検出、近位フレーム、遠位フレーム、及び関連したグラフィカルユーザインタフ
ェース、EELベースのメトリック、ステント有無の決定、スコア、減量術及び他の手技
の推奨、関心領域・特徴部の自動検出によって通知されたエビデンスベースの推奨、血管
造影データフレーム、OCTフレーム、画像データ、ステント計画インタフェース、形態
構造インタフェース、レビューインタフェース、ステント配備インタフェース、OCT及
び血管造影データ用のユーザインタフェース、並びに及び他の制御及び関心特徴部を示す
のに使用することができる。ワークフローA及びワークフローBの2つの例示的なワーク
フローを、ディスプレイ82、83に表示することができる。これらのワークフローは、
限定されないが、グラフィカルユーザインタフェース、パネル、動脈画像、動脈表現、関
心特徴部、関心領域、並びに本明細書に開示又は描写される他の測定値及びグラフィカル
要素のうちの任意のものを含むことができ、それらの任意のサブセット(一部)を含むこ
とができる。
【0059】
データ収集プローブ30を使用して生成された血管内データのフレーム等の血管内画像
データは、PIU35を介してプローブと接続したデータ収集処理システム40に送るこ
とができる。画像管理システム22を使用して生成される非侵襲的な画像データを、コレ
ジストレーション(位置合わせ)サーバ50、ワークステーション85等の1つ以上のサ
ーバ又はワークステーションに送信し、そこに記憶し、それによって処理することができ
る。システム22から血管造影画像データを取り込むように構成されるコンピュータボー
ド等のビデオフレームグラバデバイス(ビデオフレーム取得デバイス)55を、様々な実
施形態で使用することができる。
【0060】
1つの実施形態において、サーバ50は、メモリ70に記憶され、プロセッサ80によ
って実行される1つ以上のコレジストレーション(位置合わせ)ソフトウェアモジュール
67を含む。サーバは、本開示の様々な実施形態を実施するのに適したトレーニングされ
たニューラルネットワーク52を含むことができる。1つの実施形態において、グラフィ
ック処理ユニット53等のAIプロセッサがサーバ50に含まれ、メモリ70と電気的に
通信する。コンピューティングデバイス・サーバ50は、プロセッサベースのコンピュー
ティングサーバのための他の典型的な構成要素を含むことができる。あるいは、データベ
ース90等の1つ以上のデータベースは、生成された画像データ、被検者のパラメータ、
及び図1に示すシステムデバイス又は構成要素の1つ以上によって生成され、データベー
ス90によって受信されるか又はデータベース90に送られる他の情報を、受信するよう
に構成することができる。
【0061】
データベース90は、ワークステーション85のメモリ内に記憶されている間、サーバ
50に接続されているように示されるが、これは1つの例示的な構成にすぎない。例えば
、ソフトウェアモジュール67は、ワークステーション85のプロセッサ上で実行するこ
とができ、データベース90は、サーバ50のメモリ内に位置することができる。様々な
ソフトウェアモジュールを実行するためのデバイス又はシステムの使用が、例として提供
される。様々な組み合わせにおいて、本明細書において説明されるハードウェア及びソフ
トウェアは、画像データのフレームを取得し、そのような画像データを処理し、そのよう
な画像データを位置合わせするために使用することができる。
【0062】
本明細書に別段の指定がない限り、ソフトウェアモジュール67は、前処理ソフトウェ
ア、変換、行列、及び画像データを処理して又は患者トリガに応じて、他のソフトウェア
ベースの構成要素67によって異なるタイプの画像データのコレジストレーションを容易
にするか又はそれ以外に画像データの注釈付けを実行してグラウンドトゥルースを生成す
るのに使用される他のソフトウェアベースの構成要素等のソフトウェア、並びに本開示の
様々な実施形態を実施するのに適した他のソフトウェア、モジュール、及び機能を含むこ
とができる。これらのモジュールは、ワークフロー、形態構造ワークフロー、レビューワ
ークフロー、サイジングワークフロー、配備ワークフロー、コンピュータ指示ワークフロ
ー、コンピュータ支援ワークフロー、スキャンラインベース又は画像ベースの手法を使用
した管腔検出、ワークフロー、インディシア生成、カルシウム角度・円弧生成、スキャン
ラインベース又は画像ベースの手法を使用したステント検出、インジケータ生成、ステン
ト計画用の密着バー生成、近位・遠位の色分け・インディシア生成、管腔境界検出、ステ
ント拡張、管腔プロファイル、ターゲット管腔プロファイル、側枝及び欠測データ等を含
むことができる。
【0063】
データベース90は、血管造影システム20によって生成され、フレーム取得部55サ
ーバ50によって取得される画像データ等の血管造影画像データ92を受信し記憶するこ
とができる。データベース90は、OCT画像データ、IVUS画像データ、若しくはO
FDI画像データ等の血管内画像データ、又は、OCTシステム40によって生成された
画像データ等の他の非血管内動脈画像データ95であって、サーバ50のフレーム取得部
55によって取得されたものを受信及び記憶することができる。
【0064】
加えて、被検者4は、1つ以上の電極を介して、例えばモニタ49等の1つ以上のモニ
タに電気的に接続することができる。モニタ49は、限定されないが、心臓機能に関連し
、収縮期及び拡張期等の被検者の様々な状態を示すデータを生成する心電図モニタを含む
ことができる。
【0065】
所与の図における方向性を示す矢印の使用又は不使用は、情報が流れることができる方
向を限定又は要件とすることを意図したものではない。例えば、図1に示す要素を接続す
るように示される矢印及びライン等の所与のコネクタについて、情報は、所与の実施形態
のために適するように、1つ以上の方向に又は1つだけの方向に流れることができる。接
続は、光接続、有線接続、電力接続、無線接続、又は電気接続等の様々な適切なデータ伝
送接続を含むことができる。
【0066】
1つ以上のソフトウェアモジュールは、図1に示すシステム22等の血管造影システム
から受信される血管造影データのフレームを処理するために使用することができる。限定
されないが、ソフトウェア、その構成要素、又は、ソフトウェアベースの若しくはプロセ
ッサ実行方法の1つ以上のステップを含むことができる様々なソフトウェアモジュールは
、本開示の所与の実施形態において使用することができる。
【0067】
本開示は、一つには、血管内プローブによって収集された血管内データをプロセッサベ
ースのシステムによって変換又は解析することができる血管内データ収集システム及び関
連方法に関する。そのような解析及び変換の結果は、画像データに関する関心特徴部又は
関心領域の画像セグメンテーション・検出のための撮像処理ソフトウェアモジュールのパ
イプライン、医療画像内の要素を分類し、関心特徴部及び関心領域のインスタンスを検出
するニューラルネットワークを有する機械学習システム、並びに他の画像処理システム及
びセグメンテーション・検出システムと通信するディスプレイ等の様々な表示においてエ
ンドユーザに表示することができる。1つの実施形態において、OCT、IVUS、X線
ベースの撮像システム等の所与の撮像システムは、MLSと電子通信し、所与のタイプの
撮像システムを使用して取得された画像データの変更バージョンをそのような画像データ
が取得された同じセッションの間に表示することができる。V-net、U-net、C
UMedVision1、CUMedVision2、VGGNet、多段階マルチ再帰
入力完全畳込みネットワーク(MFCN:Multi-stage Multi-recursive-input Fully
Convolutional Network)、コース・トゥ・ファインスタック型(Coarse-to-Fine Stacke
d)完全畳込みネット、ディープアクティブラーニングフレームワーク、ResNet、
それらの組み合わせ、並びに画像セグメンテーションに適した他のニューラルネットワー
ク及びソフトウェアベースの機械学習フレームワーク等の様々なニューラルネットワーク
アーキテクチャを、画像のセグメンテーションに使用することができる。
【0068】
1つの実施形態において、MLSは、本明細書に開示されるワークフローの適時の生成
をサポートするために結果を迅速に得ることができるように、必要な機械学習オペレーシ
ョン及びそのトレーニングプロセスをハンドリングする専用化されたハードウェアシステ
ムを有する。所与のMLSの実施形態の専用化ハードウェアシステムは、AI/MLプロ
セッサ等の複数のプロセッサを含むことができる。この機械学習システムは、画像の構成
組織、組織タイプ、及び他の関心領域が検出され、タイプ又は別のパラメータに基づいて
特徴付けられるように、画像をセグメンテーションするか又は画像に処理を行うように分
類器をトレーニングすることによって実施することができる。1つの実施形態において、
管腔、内膜、中膜及びプラークが検出され、これらの異なる組織に対応する境界を有する
ものとして特定される。
【0069】
本開示は、プロセッサごとに割り当てられたメモリ量が増加されたメモリを含む1つ以
上のAIプロセッサを含む高度機械学習システムに関する。この高度機械学習システムは
、マルチチャネルセグメンテーション手法をサポートするように設計される。所与の実施
態様の異なる関心領域及び特性に関して様々なチャネルを選択することができる。例えば
、1つの実施形態において、第1のチャネル、第2のチャネル、第3のチャネル及び第4
のチャネルが、これらのチャネルのそれぞれが管腔、カルシウム、EEL、及び他の関心
領域又は特徴部に1つずつ関連付けられるように指定される。他のクラス/タイプを異な
るチャネルに関連付けてセグメンテーションを容易にすることもできる。
【0070】
1つの実施形態において、カルシウムは、管腔を取り囲む動脈の壁・組織に関して分類
される。管腔境界検出は、動脈壁の組織内のカルシウムの外側境界を提供することができ
る。いくつかの実施形態において、プラークタイプは、石灰化されたものとして分類する
ことができる。加えて、所与の動脈セクションのカルシウム、プラーク及び他の検出可能
な特徴部の存在が狭窄症等からの絞窄の存在を示す可能性があるとすると、本開示の別の
特徴は、所与のプラーク又は狭窄に関連した1つ以上のスコアを素早くかつ自動的に取得
して、エンドユーザが行う判定を容易にすることを助けることができることである。例え
ば、画像データ及びその機械学習ベースの解析を使用して求められる所与のスコアは、緊
急行動が推奨されないかどうか、又は狭窄に対してステントを留置すべきかどうか、又は
、アテレクトミー若しくはバイパス等の他の手技が必要かどうかを判断するのを助けるこ
とができる。これは、形態ワークフロー等の本明細書に記載のワークフローの一部として
、又は、ステント計画・サイジングワークフローの一部として行われる。約180度より
も大きいカルシウム角度及びEEL厚。
【0071】
健康な患者の場合、動脈は、内膜、中膜及び外膜を含む、一貫した構造に並んだ様々な
層を有する。アテローム性動脈硬化のプロセスの結果、内膜は病理学的に肥厚し、繊維質
、プロテオグリカン、脂質及びカルシウム、並びにマクロファージ及び他の炎症細胞を含
む異なるタイプの組織から構成されるプラークを含み得る。これらの組織タイプは、本開
示の機械学習システムのうちの1つ以上についてのトレーニングデータのセットを確立す
るのに使用することができる様々な撮像システムを使用して撮像されると、異なる特性を
有する。最も病理学的に重要であると考えられるプラークは、下層に脂質プールを伴う線
維皮膜からなるいわゆる脆弱性プラークである。異なるアテローム性動脈硬化プラークは
、異なる幾何形状を有する。例えば、泡沫細胞は、通常、大きな脂質プールの肩部にリボ
ン状の特徴部を形成し、中膜は、血管の周囲に環状に見える等である。形状情報は、現在
のところ、OCT画像の定性評価に使用される。1つの実施形態において、ニューラルネ
ットは、線維皮膜及び/又は下層に脂質プールを伴う線維皮膜を特定するようにトレーニ
ングされる。様々な実施形態において、本明細書でカルシウムというとき、これは、限定
するものではないが石灰化プラーク及び他のカルシウム含有組織も含む。
【0072】
患者がまだなおカテーテルを挿入されていて、ステント又は他の処置オプションを受け
る準備ができている間に、患者に対して撮像手順を迅速に実行して動脈画像を取得し、そ
の後、機械学習システムを使用して画像を処理できることにより、大幅な時間の節約及び
患者予後の改善が得られる。
【0073】
中膜と、外弾性板(External Elastic Lamina)すなわちEELと呼ばれる中膜の外縁
とは、介入中にそれらのステントのサイズを決めるために医師によって用いられる。中膜
を見つけて、部分的に病変した組織の直径を測定することは、多くの時間を要し、困難で
ある。これは、画像解釈のトレーニングも必要とする。EELの直径の自動検出及び測定
は、診断のとき又はそれ以外で処置オプションについて患者を評価するときに直面するこ
れらの技術的な課題に対処するものである。そのような直径の測定の一例を、管腔直径又
は別の管腔距離及びEEL直径又は別のEEL距離をエンドユーザがこれらの動脈尺度及
び候補ランディングゾーンに基づいてステントのサイズを選択するためにレビューするこ
とができるステントサイジングワークフローの一部として、図3A図3Dに示す。
【0074】
図2A及び図2Bは、動脈等の血管の1つ以上の特徴部の画像及び表現を表示するのに
適した診断システムの例示的なグラフィカルユーザインタフェースである。特に、図2A
のユーザインタフェース10及び図2Bのユーザインタフェース15は、それぞれ動脈の
一部分の断面ビュー17、19を右側に示し、それぞれの動脈の断面の縦断面ビュー21
、23をインタフェースの下部に示している。横断面ビュー及び縦断面ビューのそれぞれ
は、1つのフレームであるか複数のフレームであるかを問わず、それぞれ動脈の表現の例
である。
【0075】
図示された縦断面表現又は縦断面画像21、23等は、左側に近位方向のラベルP及び
右側に遠位方向のラベルDも含む。1つの実施形態において、血管の縦断面モードは、評
価されている所与の動脈の測定値等の収集された撮像データ又は他のデータから導出され
る。1つの実施形態において、動脈のセグメントの実際の画像が表示される。他の実施形
態において、縦断面ビュー若しくは他のビューに関して示されたデータ(凡例31参照)
を含むこれらのビューの平滑化、ベクトル化、又は簡略化された若しくは視覚データが削
減された表現も生成される。
【0076】
1つの実施形態において、プローブP等のデバイスが、図2Aに示すように動脈内に配
置される。加えて、縦断面、横断面等の様々なビューは、画像データの個々のフレームと
することができる。プローブPのプルバックのフレーム120が図2Aに示され、上部に
示すビュー17に対応し、フレーム120は縦断面ビューでは下部に示される。約1mm
のスケール等のスケールに対応する基準36等の様々なスケール及び測定基準も示されて
いる。動脈特徴部及び寸法を関係付けるか又は追跡する他のスケール及びメトリックも使
用することができる。診断システムは、1つ以上のコンピュータベースの撮像システムを
含むことができるとともに、血管の特徴部を検出する専用化サブシステムを含むことがで
きる。
【0077】
本明細書に開示されるユーザインタフェースは、メニュー12及び他のメニュー等の様
々なメニュー、パネル、インタフェース、コントロール、及びそれらの組み合わせを含む
ことができる。1つの実施形態において、様々な画面/ユーザインタフェースは、形態構
造、サイジング(ステントサイジング又は他の動脈メトリック等)、配備(デバイス配備
又は手技配備等)、共位置合わせ、現在若しくは事前の手技又は他の診断データのレビュ
ー、被検者メトリック、サポート撮像モダリティ等に関するメニュー12を通じてアクセ
スすることができる。様々な実施形態において、ステント計画ワークフローの間、エンド
ユーザは、EEL測定値及び/又は管腔直径測定値に基づいてサイドステントする(side
stent)ことを選択することができる。これは、図3A図3Dのグラフィカルユーザイ
ンタフェースに示されている。
【0078】
血管の画像又は血管の他の表現に関する任意の適した形態構造的特徴部を検出及び表示
することができる。1つの実施形態において、検出される特徴部は動脈に関するものであ
る。本明細書に記載のシステム及び方法は、検出されたカルシウム及び1つ以上の動脈層
に関する様々な表現及びメトリック又はそれらに関する測定値を表示することができる。
血管に関するカルシウムを検出及び表示するいくつかの例示的な方法は、2015年12
月14日付けで出願された「SYSTEMS AND METHODS TO DETECT AND DISPLAY ENDOVASCULAR
FEATURES」と題する米国特許第9,940,723号により詳細に記載されている。こ
の米国特許の開示内容は、その全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとす
る。
【0079】
一般に、例示的なユーザインタフェース10、15は、形態構造情報を表示するように
構成されるが、他の情報も、様々なインディシア、オーバレイ、及び視覚化要素とともに
追加して表示することができる。インタフェース10、15の双方は、1つ以上のセグメ
ント又はフレームにおいて動脈内に検出されたカルシウムを示している。各インタフェー
ス10、15の右上部分は、カルシウム65が強調される形態構造的特徴部として特定し
ている。凡例31は、様々なインタフェースについてオン及びオフにトグルさせることが
でき、EELを示す点線と、カルシウムが、様々な実施形態において一致し、及び/又は
超過したカルシウム検出レベルに関連した閾値上で検出された領域に対応するオレンジ色
等の色と、側枝(side branch, SB)と、管腔(lumen, L)とを示し、他のパラメータ
も、シンボル及び色若しくはハッチング又は他の視覚要素等のインディシアとともに示す
ことができる。
【0080】
動脈内のカルシウムプラークは、心臓病と相関があり、これに関してステント挿入する
ときに課題を提示する。カルシウム沈着は、血管直径の狭小化をもたらし、血管壁も硬化
し、これによって、血管性能が大幅に低下する。カルシウムプラークは、したがって、心
臓血管介入の主なターゲットのうちの1つである。動脈内のカルシウム検出、カルシウム
厚、及びカルシウム角度に関する本明細書に開示されるユーザインタフェースは、エンド
ユーザが石灰化領域をナビゲートし、それらの領域に対するステント挿入についての情報
に基づく決定を行うか、又は、より薄いカルシウム領域を有する領域へのステント挿入を
選ぶか、若しくは、アテレクトミー若しくは他の組織・材料除去プロセス等の減量手技の
実行を選ぶことを可能にする診断情報をエンドユーザに提供する。
【0081】
1つの実施形態において、本開示は、動脈の外弾性層(EEL:external elastic lay
er)、又は、EELの検出領域を使用して取得若しくは生成された測定値若しくはメトリ
ックを表示することに適したグラフィカルユーザインタフェースに関する。例えば、1つ
の実施形態において、EELの検出領域又はEEL直径若しくは半径の測定値若しくは計
算された値が、点線又は破線として動脈の表現に関して表示される。上記EELベースの
パラメータ及びカルシウムパラメータのうちの1つ以上を表示するユーザインタフェース
の例は、図2A図2B図2C図2図4図5A図5B、及び図6に示されてい
る。これらの図において、点線は、そのようなパラメータを表示するのに使用されている
。Ca、EEL等について本明細書に使用される凡例は、凡例が他の図とともに示されて
いない場合でも、適用可能な場合にはそのような図に適用される。様々な実施形態におい
て、所与の図の状況から分かるようにカルシウム、ステント拡張レベル、又はステント不
完全密着を示すために、オレンジ色が図に示されている。
【0082】
図2Cは、EEL領域のうちのいくつかが領域J及びKに示すように閾値未満である動
脈の縦断面ビューの例示的なユーザインタフェースを示している。加えて、カルシウムC
aの領域も、オレンジ色の領域によって示されている。領域J及びKにおいて破線がない
ことは、プラークがそれらの領域の範囲を越えている可能性があり、EELが検出されな
いか又はEELを描写するための閾値を満たすレベルで検出されないことを示している。
このように、ユーザインタフェース38は、エンドユーザがランディングゾーンを選択す
るときに回避すべき領域を特定することを助ける。加えて、異なる点線間隔を有する領域
Lが示されている。これは、EELが動脈の長さに沿ってどのように変化するのかを示す
ために他の閾値をどのように設定することができるのか、及び、診断システムの実施形態
によって生成されるその表現の一例である。これらの変化は、EELの変動に基づいて意
思決定をガイドするのに使用することができる。
【0083】
1つの実施形態において、診断システム及び関連したユーザインタフェースは、エンド
ユーザがタッチ画面、ジョイスティック、トラックボール、マウス、キーボード、それら
の組み合わせ等の様々な入力デバイスを介してインタラクトすることができる。システム
及び方法は、カルシウム、EEL、EELメトリック、EEL直径、EEL半径、EEL
導出値、ランディングゾーン、ステントランディングゾーン、バルーンランディングゾー
ン、ターゲットゾーン、狭窄、病変、基準フレーム、マーカバンド、ステント不完全密着
の領域、閾値、閾値に対するずれ又は差、ステント拡張メトリック、不完全密着閾値、ス
テント拡張閾値、カルシウム円弧長、カルシウム角度測定値、円周測定値の検出、表示、
操作、変換、及び視覚化に関する。
【0084】
ユーザインタフェースは、様々な視野角及び断面ビューからの動脈の1つ以上の画像又
は表現を含むことができる。1つの実施形態において、EELの位置、EELの直径、又
は他のEELベースのパラメータが、角度測定値、又は、図2A及び図2Bに示すように
度数による全角度33として示すことができる検出されたカルシウム円弧に関して示され
る。動脈の所与の断面に関して検出されたカルシウムの円弧、角度、又は円周範囲は、円
弧長若しくは角度範囲として又は他のメトリックを介して示すことができる。図2Aには
、角度A度~B度の角度範囲を有する検出されたカルシウム(Ca)65が示されている
。加えて、A1~B1の別のカルシウム円弧も示されている。カルシウムの全角度は、円
弧31及び31bの和である。具体的には、図2Aでは、この全角度は76度として示さ
れている。加えて、検出されたカルシウム65(Ca)の最大厚値MTも示されている。
この例では、MTは約0.37mmである。検出されたカルシウムは、EELパラメータ
に関する縦断面ビュー21にも示されている。
【0085】
図2Bには、カルシウムの2つの領域がインタフェース部分19に示されている。第1
のカルシウム領域の角度範囲はA度~B度であり、第2のカルシウム領域の角度範囲はC
度~D度である。1つの実施形態において、2つの異なる全Ca角度を示すことができる
図2Bでは、角度A~Bの範囲と角度C~Dの範囲とを組み合わせた和が、全角度33
にある193度である。A度とB度との間に配置されたカルシウム領域の最大厚MTも示
され、約0.54mmの値を有する。様々な実施形態において、180度よりも大きいカ
ルシウム角度が、情報に基づくユーザの意思決定を助けるために、その因子及びカルシウ
ム厚に基づく減量又はステント挿入に適しているとして特定される。
【0086】
1つの実施形態において、特定のステント又はバルーンを配備するランディングゾーン
を選択するとき、本明細書に記載の診断ユーザインタフェースは、付加的な血管準備がい
つ必要とされるのか又はランディングゾーンのために回避すべきエリアをエンドユーザに
示すことができる。図2Cは、ランディングゾーンが回避されるべき領域J及びKを示し
ている。動脈表現38の領域Lは、領域にわたって変化する直径値等のEELベースの値
を点線ラベルの変化に基づいて示している。
【0087】
図2Dは、様々なパネルが、動脈の縦断面表現に関係した動脈の横断面表現における様
々なブックマーク及び動脈の向きを示すためにユーザインタフェースの一部として配置さ
れる形態構造ワークフローの例示的なユーザインタフェースである。図2Dでは、近位基
準フレーム及び遠位基準フレームが、インディシア、この場合には黄色Y及び青色Bを用
いて特定される。遠位基準フレーム及び近位基準フレームの上部は黄色であり、下部は青
色である。特徴部を保持するこの向きは、図3Bでも使用される。これらの特定された遠
位フレーム及び近位フレームは、動脈のどの部分が、近位基準フレーム及び遠位基準フレ
ームのY、B向きを保持するグラフィカルユーザインタフェースの上側パネルにおいて視
認されているのかを示す。また、この形態構造ワークフローの一部として、184度の全
カルシウム角度及び0.54mmのカルシウムの最大厚MTも示されている。縦断面モー
ドにおける様々なフラグは、事前に特定された対象フレームの間でユーザを前後に移動さ
せるブックマークである。
【0088】
さらに、図3A図3Dに示され、MLS又は他の検出システムを使用する図1のシス
テムを使用して検出されたEEL直径及び管腔直径等の自動のEEL測定値及び管腔測定
値は、どのステントサイズを検討すべきか及びどのタイプのステントを使用すべきかを知
らせることを助ける。MLSを介したカルシウム検出は、病変前処置と、ステント挿入よ
りもアテレクトミーを選択する等の処置選択肢とに関する情報を提供する。加えて、カル
シウム検出は、いずれかのアテレクトミー手技を選ぶとき及び所与のベンダのステント、
ステントタイプ、ステントモデル、ステント長、及びステント厚を選択するときの入力パ
ラメータを提供する。グラフィカルユーザインタフェースとのインタラクションは、ユー
ザが移動することができ、撮像された動脈に関する様々な寸法を変更することができ、ス
テントを選択するとき及びステントが配備される場合により大きな柔軟性を有することが
できるワークフローをサポートする。
【0089】
1つの実施形態において、縦断面ビュー等の1つ以上のビューにおける点線はEEL直
径を示す。フレームごと、血管セグメントごと、又はそれらのサブセット及び組み合わせ
でEELを検出することは、画像処理、機械学習、人工知能、ニューラルネットワーク、
及び本明細書に開示されるような他の技法を使用して実施することができる。
【0090】
いくつかの動脈では、プラークが成長するか又は所定の位置にあると、このプラークは
、EELを押し出す可能性もあるし、取り囲む可能性もある。その結果、いくつかの実施
形態において、EELを検出すること、又は、EEL直径閾値に一致しているか若しくは
これを越えていると判断すること等のEEL閾値メトリックに対応する点線は、点線又は
EEL検出の他のインディシアが存在する領域及び存在しない領域を動脈の所与のセグメ
ントに沿って間欠的にもたらすことができる。これは、EELがプラーク位置によって覆
い隠されているか、又は、EELベースのパラメータが所与の領域、1つのフレーム、複
数のフレーム又はセグメントについて検出されないように別の方法でEELが不明瞭にな
っているためにステント又はバルーンのランディングゾーンの不十分な候補である領域を
示すことができる。したがって、EELパラメータ検出を示す点線等のインディシアにお
ける切れ目は、ランディングゾーン/配備の観点から回避されるべき領域を示すことがで
きる。ユーザ選択可能フレームを含む3つのフレームの使用は、意思決定を促進するサイ
ジングワークフローに役立つ。縦断面モードにおける1つ以上のマーカは、153で示す
中央のフレームを変更するように変化させることができる。
【0091】
1つの実施形態において、カルシウム検出に関連付けられたオレンジ色のインディシア
は、検出されたカルシウム又は検出されたカルシウムの所与の円周パーセンテージ若しく
は円弧長若しくは角度スパンについて満たされる或る閾値厚等のカルシウムの特定の閾値
が検出されたときに表示される。閾値等の値又は異なる閾値に適合する値が満たされてい
るとき、カルシウムの閾値要件を満たすことに関連付けられた1つ以上のインディシアを
表示することができる。ハッチング、色、アニメーション等の任意の適したインディシア
を、開示されるユーザインタフェース及びそれらのサブセットに関する表示に適した動脈
特徴部のうちの任意のものに使用することができる。1つの実施形態において、特定の特
徴部を検出する様々な閾値及びインタフェースに関してそれらの特徴部をいつどのように
表示するのかは、エンドユーザによって入力ユーザインタフェースを介して指定される。
他の実施形態において、閾値を事前に設定することもできるし、様々な事前設定値をユー
ザ選択用に提供することもできる。
【0092】
図3Aは、ステントサイジングワークフローのグラフィカルユーザインタフェースを示
している。このインタフェースの上側部分には、近位基準151における動脈のフレーム
又は特定のビュー若しくはスライスと、選択されたフレーム153(下部の縦断面ビュー
165における菱形を有するフレームに対応する)と、遠位基準フレーム155における
ビューとに対応する3つのビューがこの図3Aの上部にある。
【0093】
図3Aの下側部分にあるビューは、管腔プロファイルビューにおける組み合わされたC
a及びEELを示している。近位基準151及び遠位基準155は、管腔Lを通る1つ以
上の点線を有する管腔Lを示している。これらのラインの測定から得られるこれらの値は
、測定又は検出されたEEL位置、点、又はピクセルに適用され、測定されたEEL直径
又は平均EEL直径を生成するのに使用される。いくつかの例示的なEEL直径測定値は
、約3.8mm(近位)及び約3.4mm(遠位)として示されている。
【0094】
図4Aは、例示的なコレジストレーションインタフェース200を示している。1つの
実施形態において、血管造影画像等の血管造影データが取得されるとともに、OCT、I
VUS、X線等の別の撮像モダリティも使用される。血管造影データは、他のデータをO
CT、IVUS等の別の撮像モダリティと共位置合わせするのに使用することができる。
プルバックの経路は、動脈内の経路を用いて示される。コントラストクラウド(contrast
cloud)の開始点207も示すことができる。
【0095】
図4Bは、左側にライブの血管を有し、このライブの血管を、OCT、IVUS、X線
等の別の撮像モダリティと共位置合わせされた右側の基準血管造影の隣に位置決めしてい
るユーザインタフェース153を示している。ライブ及び基準血管造影情報のこのデュア
ル配置は、ユーザがOCT又は他の撮像モダリティと共位置合わせされる血管造影に関す
る動脈を視覚化することを助ける。これは、ライブの血管造影を通知する基準共位置合わ
せデータを用いてステント又はバルーンを配備することを助けるのに使用することができ
る。図4Cは、既存の配備されたステントDSTが示されるようにするとともに、ステン
ト計画ワークフロー又は別のワークフローの間に選択されるが、血管内画像データ又は他
の画像データがステント配備を選択及び計画するのに使用されたワークフローインタフェ
ースからのものである2つのランディングゾーンLZ1、LZ2が血管造影画像上に表示
されるようにOCT画像と共位置合わせされた血管造影画像を示している。
【0096】
ランディングゾーン等の様々な端点は、端点S及びTのように血管造影上に示すことが
できる。これらの点は、動脈表現間の形態構造的マッピングを、画像若しくは中心ライン
又は他の関連データ等の血管造影データに関してリンク、マッピング、又は別の方法で共
位置合わせすることができるように、以下の対応する点とともにマッピング又は追跡され
る。これらは、配備プロセスの一部としてステントランディングゾーンを選択するのに使
用することができる。加えて、ステント配備計画段階の一部として異なるステント長を選
択又は試用するために、距離Ymm等の距離の測定値を評価することができる。
【0097】
図5Bは、動脈表現に関するステント留置のレビューモードを示すユーザインタフェー
スである。1つの実施形態において、ステントの表現又はインディシアが、画像、表現に
関して描かれるか若しくは別の方法で描写されるか又はオーバレイされる。
【0098】
1つの実施形態において、ステントが、クロスハッチングを有するメッシュ又はグラフ
ィックオブジェクトとして視覚化される。ステントのランディングゾーンS及びTは、様
々なビューに示される。EEL直径は、フレーム又はセグメントロケーション180に示
されている。最小ステント拡張73%が示されている。カラーで示された水平ラインはス
テント拡張に対応する。フレーム又はロケーション180のステント拡張は、ステントに
沿った点における83%のステント拡張と、そのロケーション/フレーム180における
約9.09の管腔面積とを示す別のビューとともに右上にも示されている。様々なステン
トストラットSSも右上ビューに示されている。血管造影に示されるような右側の色分け
された長さは、以下に示すステント拡張メトリックに対応し、不完全密着フレームは、色
分けされた垂直ラインによって特定される。
【0099】
1つの実施形態において、細い水平なオレンジ色のラインは、目標の拡張と実現される
実際のものとの間の差を示す。1つの実施形態において、オレンジ色又は別の色のインデ
ィシアが、拡張閾値又は拡張メトリックに対する拡張不良又は拡張を示すのに使用される
。オレンジ色の垂直ライン又は他の色分けされたライン若しくはインディシアは、閾値に
対してステント不完全密着を有するフレームを表す。1つの実施形態において、垂直バー
が、色等の不完全密着の他のインディシアを有するフレームである。所与のユーザインタ
フェースにおいて使用することができるこのタイプの表現例は、図5A図5B図6
下部縦断面ビュー)及び図7Bに描写されている。図5Aは、不完全密着である検出され
たステントストラットのインスタンスに対応する垂直ラインを表示するのに使用される約
300μmの不完全密着閾値も示している。拡張不良留置にも不完全密着にもなっていな
い様々なステントストラットSTが示されている。管腔境界から離れた管腔L内に配置さ
れたUMとともに示されるステントストラットは不完全密着であり、及び/又は、拡張不
良領域を示し、患者がカテーテル検査室を離れる前の再バルーンの候補である。ステント
配備を検査し修正することができることは、レビューワークフローの重要な特徴である。
【0100】
1つの実施形態において、特定のフレーム、ロケーション、領域、セグメント等に対応
する特徴又は値に関連付けられたパラメータがその値の閾値若しくは閾値レベルを上回る
か、下回るか、又はこの閾値若しくは閾値レベルと実質的に同じであることを示すために
、色等の所与のインディシアがユーザインタフェースに関して表示される。閾値は、或る
値/レベル以上として設定することもできるし、或る値/レベル以下として設定すること
もできる。したがって、カルシウムの検出、不完全密着、ステント拡張不良、ステント過
剰拡張、EEL直径、EEL半径、他のEELベースのパラメータは、単独で又は本明細
書若しくは図に開示される他のパラメータ、値、レベル等と組み合わせて、1つ以上のフ
レームの色分け領域、垂直ライン、水平ラインハッチング、及び他のインディシア等の様
々なインディシアを使用して示すことができる。これらの様々なインディシアは、形態構
造段階、ステントサイジング段階、ステント配備段階、又はレビュー段階の一部として使
用することができる。所与の段階は、様々な実施形態におけるワークフローに対応する。
【0101】
図5A図7A及び図7Bにおいて、垂直の着色ライン又はバーは、所定の閾値又はユ
ーザ指定閾値に対して不完全密着である検出されたステントストラット又はステント断面
に対応する画像データのフレームを示す。加えて、水平の着色ライン若しくはバー又は拡
張部は、所定の拡張閾値又はユーザ指定拡張閾値に対して拡張不良又は過剰拡張である検
出されたステントストラット又はステント断面に対応する画像データのフレームを示す。
異なる色等の異なるインディシアをステント拡張不良又は過剰拡張に使用することができ
る。図6において、上部の管腔ビューは、カルシウムに対応する着色領域を示す一方、後
続のプルバックから得られる下側の管腔ビューでは、着色領域は、不完全密着及びステン
ト拡張に関して、配置されたステントに関する情報を提供する。インタフェースを簡略化
するために使用されている異なる色及びインディシアを有する異なったビューにわたって
、様々なインディシアを組み合わせ及び/又は標準化することができる。
【0102】
加えて、所与の被検者は、診断医/臨床医との単一のセッションの間又は1つ以上の診
断手技が行われる複数の来院の間に複数の撮像セッションを受けることができる。例えば
、OCT撮像等を用いた血管内撮像セッションを実施して、図2A及び図2Bに示すよう
なEEL及びカルシウムの検出及び閾値が組み合わされたものを示す形態構造的評価を得
ることができる。その初期セッション、すなわち第1のプルバックの後に、ステントを留
置することができ、その後、第2のプルバック等の後続の撮像セッションを実施すること
ができる。これらの2つの異なるセッションにより、通常、各セッション中に動脈の異な
る長さ又はセグメントが撮像されることになる。その結果、一方のセッション又はプルバ
ックは、ステント挿入等の手技の前の撮像データを含むことができるが、後続のセッショ
ン又はプルバックは、ステントが配備及び拡張された後の画像データを含む。実際上、同
じ動脈の異なる長さは、異なる時刻に取得することができる。
【0103】
図8は、第2のプルバックが比較される付加的なレビューワークフローインタフェース
を示している。第1のプルバックは、前述と同様に、このインタフェースの上側部分に示
され、他のワークフローを使用して配備されたものとして示されるステントは、下部縦断
面ビューに表示されている。最小ステント拡張量が示されている。MLAのマーカも示さ
れている。2つの対応する横断面フレームも左側に示され、この左側には、管腔境界内の
ステントストラットも示されている。2.02mm及び2.76mm(ステント挿入
前及び挿入後)の2つの測定された管腔面積も示されている。このワークフローは、患者
がカテーテル検査室を離れる前の付加的なバルーンをサポートする。
【0104】
1つの実施形態において、基本となる診断システムのソフトウェアによって電力供給を
受けるユーザインタフェースは、第1のプルバック及び第2のプルバック等の2つの異な
る撮像データセットをリンクすることができる。このように、2つのデータセットをスク
ロールすることができるとともに動脈の共通エリアをレビューすることができるように、
2つのデータセットを同期させることができる。これによって、ステント挿入、バルーニ
ング、アテレクトミー等の前の動脈のレビューが容易になり、エンドユーザがステント、
バルーンの留置又はアテレクトミーの実行の結果を見ることが可能になる。第1のプルバ
ック及び第2のプルバックの2つのデータセットが同期されていない場合には、レビュー
は困難になり、僅かにシフトされるか又は異なるコンテンツ(画像データのフレーム)を
有する2つのプルバックから動脈内のロケーションを追跡することは困難になり、誤差の
原因となり得る。これは図6に見ることができる。1つの実施形態において、一度リンク
すると、2つのプルバック等の2つの画像間のスクロールがリンク/同期状態を維持する
ように、ユーザがフレームをドラッグして横断面画像を位置合わせすることが可能である
【0105】
管腔検出は、2010年9月22日付けで出願された「Lumen morphology image recon
struction based on the scan line data of OCT」と題する米国特許第9,138,14
7号に開示されているものを含む様々なシステム及び方法を使用して実施することができ
る。この米国特許の開示内容は、その全体を引用することにより本明細書の一部をなすも
のとする。加えて、様々な他の検出オペレーションは、2020年1月13日付けで出願
された「SYSTEMS AND METHODS FOR CLASSIFICATION OF ARTERIAL IMAGE REGIONS AND FEA
TURES THEREOF」と題する同時係属中の米国特許出願第16/741,718号に開示さ
れているものを含む様々なシステム及び方法を使用して実施することができる。この米国
特許出願の開示内容は、その全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする
。さらに、様々な他の検出オペレーション並びにステント解析及びターゲット管腔プロフ
ァイルに関する詳細は、2013年3月12日付けで出願された「METHOD AND APPARATUS
FOR AUTOMATED DETERMINATION OF A LUMEN CONTOUR OF A STENTED BLOOD VESSEL」と題
する同時係属中の米国特許出願第14/115527号に開示されているものを含む様々
なシステム及び方法を使用して実装することができる。この米国特許出願の開示内容は、
その全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【0106】
本開示の1つの実施形態は、一つには、血管内データ収集システム及び1つ以上のソフ
トウェアベースのグラフィックユーザインタフェース並びに本明細書に説明されるような
1つ以上の検出プロセス及び表示プロセスを実行するソフトウェアモジュールに関する。
1つの実施形態において、血管内データが収集されるとともに、血管造影データが同時に
収集される。
【0107】
本開示は、一つには、1つ以上の冠動脈等の被検者の血管を視覚化することによる、ス
テント計画及び外科オプションを含む処置評価のためのシステム及び方法に関する。画像
データは、血管内データ収集プローブを使用して取得することができる。このプローブは
、血管を通ってプルバックすることができ、データは、それに関して収集することができ
る。そのようなプルバック及び関連したデータ収集は、ステント配備の計画又は配備され
たステントの評価に使用される。その結果得られたプルバックからの血管内データは、様
々な血管領域、特徴部、及びそれらに対して配備されたステントの視覚化等のために様々
な方法で使用することができる。画像データ、動脈表現(撮像された動脈の横断面ビュー
、縦断面ビュー、及び他のビュー)、及び動脈表現に関して示された検出は、対応する血
管造影データと共位置合わせすることができる。したがって、ユーザは、ワークフローの
一部として動脈表現の領域を選択することができ、マップ(OCT、IVUS、X線等)
を生成するのに使用される基本となる画像データを見ることができ、動脈表現又は動脈ビ
ューにおいて選択された血管の領域を示す強調又は他のインディシアを有する血管造影デ
ータも見ることができる。これは、共位置合わせワークフローを使用して実施することが
できる。
【0108】
本開示は、一つには、OCT、IVUS、及び他の撮像モダリティ等の血管内データ収
集システムと、様々なユーザインタフェースレイアウトに基づいてコンピュータガイドさ
れる一連のワークフロー及びカテーテル検査室における所与の撮像診断セッションの一部
としての一連のオペレーションとして示される、血管内のステントランディングゾーン、
側枝、関心領域、及び特徴付けられた組織領域等の診断情報の生成及び視覚化とに関する
。上記のような関心のある診断情報を示すのに適したグラフィカル要素は、比較、測定、
及び解析を可能にするユーザ選択要素としての機能を果たす。この点にもかかわらず、関
連情報を簡潔に編成及び要約することによって、様々な検出及びワークフローに関連した
表示が自動的に生成され、エンドユーザ情報の全体的な負荷及び関連した疲労を削減する
ことを助ける。
【0109】
また、本明細書には、ステント、組織タイプ、組織容積、及び組織境界を視覚化するシ
ステム及び方法も開示される。本明細書に開示されるこれらのシステム及び方法は、カル
シウム、脂質、繊維質等を含む様々な組織タイプの角度、厚さ、容積、幅、フレームカウ
ント、組織と管腔との相対近接性を測定することができる自動化測定システム及び関連し
た特徴部も含む。様々な実施形態において、そのような測定ツールは、Ca、EEL、及
び管腔厚等の上記パラメータと、特定の組織タイプの所与の関心領域の任意の幾何学的特
性とを測定するのに使用することができる。これらの測定値は、エンドユーザによる検討
に適した様々な格付け又はスコアを生成するのに使用することができる。
【0110】
図面の横断面画像等の血管内画像又はフレームは、通常、一時に1つのスキャンライン
ずつ取得される。カテーテル中心から発し最大撮像深度に至る光線に沿ったサンプルのシ
ーケンスが、1つの実施形態においてスキャンラインと呼ばれる。1つの実施形態におい
て、OCT画像における最小データ単位がサンプルと呼ばれる。プローブ中心から発し最
大撮像深度に至る光線に沿ったサンプルのシーケンスがスキャンラインと呼ばれる。OC
T画像は、通常、一時に1つのスキャンラインずつ取得される。横断面画像は、プローブ
が回転するにつれて収集されるスキャンラインのセットから形成することができる。さら
に、動脈又は他の血管のセグメントを撮像するために、カテーテルは、回転しながら長手
方向に移動される。このように、プローブは、螺旋状パターンで横断面画像のセットを取
得する。画像は、関心のある血管又は動脈のスライスに関連した様々なスキャンラインか
ら生じる。スキャンラインは、車輪のスポークのようにそれらの間に角度を伴って配置さ
れる。スキャンラインは、1つの実施形態において極フォーマットで取得される。
【0111】
明確にするために、本開示は、本出願人の教示の実施形態の様々な態様を解説する一方
、省略することが便利又は適切である箇所では常にいくつかの具体的な詳細は省略される
ことが理解されるであろう。例えば、代替の実施形態における同様又は類似の特徴の論述
は、或る程度略記される場合がある。よく知られたアイデア又は概念も、簡潔にするため
に、詳細に論述されない場合がある。当業者であれば、本出願人の教示のいくつかの実施
形態が、これらの実施形態の完全な理解を提供することのみを目的として本明細書に述べ
られているあらゆる実施態様における具体的に記載された詳細のうちのいくつかを必要と
しない場合があることを認識するであろう。同様に、記載された実施形態は、本開示の範
囲から逸脱することなく、共通の一般知識に従った改変又は変更を受け入れることができ
ることが明らかである。実施形態の詳細な説明は、いかなる方法によっても本出願人の教
示の範囲を限定するものとみなされるべきでない。
【0112】
本明細書において使用されるような用語「約」及び「実質的に同一」は、例えば、実世
界における測定又は手技のハンドリングによって;これらの手技における不注意のエラー
によって;電気素子の製造における差/不具合によって;電気損失によって発生し得る数
量の変動と、そのような変動が従来技術によって実施された既知の値を包含しない限り同
等であると当業者によって認識される変動とを指す。通常、用語「約」は、規定された値
又は値の範囲よりも、この規定された値の1/10だけ大きいか又は小さい、例えば±1
0%異なることを意味する。例えば、約+3V DCの電圧を素子に印加することは、+
2.7V DC~+3.3V DCの電圧を印加することを意味することができる。同様
に、値が「実質的に同一」である言われる場合には、その値は、5%までの範囲で異なり
得る。用語「約」又は「実質的」に同一による修飾の有無を問わず、特許請求の範囲にお
いて列挙された量的な値は、列挙された値と同等のもの、例えば、発生し得るが、当業者
によって同等と認識されるそのような値の数量の変動を含む。
【0113】
[血管内撮像モダリティ及び他の撮像モダリティを使用した動脈評価、ワークフロー提示
及び順序付け並びにグラフィカルユーザインタフェースの特徴、システム及び方法の非限
定的なソフトウェアの特徴及び実施形態]
以下の説明は、本明細書に記載の本開示の方法を実行するのに適したデバイスハードウ
ェア及び他の動作構成要素の概観を提供することを意図している。この説明は、適用可能
な環境も、本開示の範囲も限定することを意図していない。同様に、このハードウェア及
び他の動作構成要素は、上述した装置の一部として適したものとすることができる。本開
示は、パーソナルコンピュータ、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース
の電子デバイス又はプログラマブル電子デバイス、ネットワークPC、ミニコンピュータ
、メインフレームコンピュータ等を含む他のシステム構成を用いて実施することができる
。本開示は、タスクが、異なるカテーテルルーム又はカテーテル検査室等における通信ネ
ットワークを通じてリンクされるリモート処理デバイスによって実行される分散コンピュ
ーティング環境において実施することもできる。
【0114】
1つの実施形態において、ソフトウェアモジュールは、血管内データに処理を行って、
組織を特徴付け、カルシウム領域、テーパ領域、脂質プール、及び他の組織特徴部等の関
心領域を特定するように設計される。ソフトウェアは、冠血流予備量比(FFR)、血管
抵抗比(VRR:Vascular Resistance Ratio)、及び他の測定及び計算された血管内デ
ータ収集パラメータを比較することもできる。そのようなパラメータがステント挿入状態
から非ステント状態に変化する範囲内で、そのようなパラメータを使用して1つ以上のメ
トリックを生成することができる。
【0115】
1つの実施形態において、OCTシステムを使用することができる。このシステムは、
プローブによって戻された光を受けるバランスフォトダイオードベースのシステム等の受
光器を含む。このシステムの一部であるか又はこのシステムと電気通信又は光通信する別
のサブシステムとして含まれるコンピュータ、プロセッサ、ASIC、又は他のデバイス
等のコンピューティングデバイスがプローブからの電子信号を受信する。様々な実施形態
におけるコンピューティングデバイスは、ローカルメモリと、バスと、データを処理し、
ステント視覚化及びステント不完全密着検出用に構成された画像データ処理等のソフトウ
ェアを利用するのに適した他の構成要素とを含む。1つの実施形態において、PCIeバ
ス又は他の高帯域幅低レイテンシバスが、所与の撮像システム、MLS、又は双方を含む
組み合わせシステムの様々な構成要素を接続するのに使用される。
【0116】
ステント配備計画ツールは、ソフトウェアの一部とすることもできるし、ソフトウェア
とデータを交換することもできる。これらのツールは、プローブが血管壁に対して配置さ
れている管腔エリア内に仮想ステントを留置するのに使用することができる。図3B及び
図3Cは、1つ以上の仮想ステントを配備することができ、ユーザインタフェース上に表
示することができるプルバックのセグメントの例示的な領域を示している。図3Cには、
血管造影画像に対して共位置合わせされたサイジングワークフロー中における候補ステン
トランディングゾーンLZが示されている。2.61mmのEEL直径及び2.50mm
の管腔直径を有する動脈のフレームの横断面表現も示されている。これらの測定値は、ス
テント選択を通知することを助けるのに使用することができ、血管との共位置合わせは、
ランディングゾーンが評価及び変更されるのを助ける。図3Bにおいて、遠位基準フレー
ム及び近位基準フレームの上部は黄色であり、下部は青色である。図3Bでは、サイジン
グの一部として、候補ランディングゾーンLZ及び候補ステント長23mmがユーザによ
って選択されている。中央にユーザ選択可能フレームを有する3つのフレームが示されて
いる。様々な実施形態において、異なるEEL及び管腔直径を近位基準及び遠位基準に対
して検討することを可能にするために、マーカUSを移動させて、どのフレームがステン
トサイジンググラフィカルインタフェースの中央パネルに表示されるのかを変更すること
ができる。ユーザがGUIを使用して設定することができるブックマークBKMも示され
ており、そのため、ユーザはフレーム間を高速に移動することができる。最小管腔直径M
LDを有するフレームを示す別のマーカも示されており、他の例では、MLA、すなわち
最小管腔面積を表示することができる。
【0117】
収集された血管内データを使用して生成される血管の横断面ビュー及び縦断面ビュー等
の情報を示すディスプレイも、システムの一部とすることができる。血管内データがプロ
ーブを用いて取得され、メモリに記憶されると、このデータを処理して、プルバック領域
又はそのサブセットの長さに沿った血管の横断面ビュー、縦断面ビュー、及び/又は3次
元ビュー等の情報を生成して表示することができる。2次元画像マスク又は3次元画像マ
スクを使用して、グラウンドトゥルースデータ及び予測結果を示すか又は記憶することが
できる。これらのビューは、以下の説明及び後続の図に記載及び図示されるようにユーザ
インタフェースの一部として描写することができる。
【0118】
所与の一組のユーザインタフェースを本明細書に開示されるようなワークフローに従っ
て編成することができる。様々な実施形態において、ワークフローは、カテーテル検査室
におけるオペレーションを能率的にするとともに、患者が退院する前、又は実際にはカテ
ーテル検査室の台を離れる前の患者予後を改善するように働く好ましい順序を有する。1
つの実施形態において、一連のワークフローは、次の系列、すなわち、形態構造、ステン
トサイジング、ステント配備、及びレビューの系列で行われる。システムから取得された
距離測定値を使用して生成される血管の画像は、管腔輪郭と、血管直径と、血管横断面積
と、ランディングゾーンと、本明細書に記載のツール及びソフトウェアモジュールを使用
して処理されるときにランディングゾーンによって仕切られる仮想ステントとを含む血管
についての情報を提供する。1つの実施形態において、MLSは、1つ以上のコンピュー
ティングデバイスと、1つ以上のソフトウェアプログラム又はモジュールとを含む。本明
細書に開示される様々なデバイス、構成要素、システム、及びサブシステムは、これらの
それぞれに関して本明細書に記載のタスク、方法、ステップ、プロセス及び他の特徴を実
行するように動作可能である。
【0119】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内でのデータビットに対する操作
のアルゴリズム及び記号表現によって提示される。これらのアルゴリズム記述及び表現を
、コンピュータ及びソフトウェア関連分野の当業者によって使用することができる。1つ
の実施形態において、アルゴリズムは、ここでは、一般的に、所望の結果をもたらす動作
の自己一貫性シーケンス(self-consistent sequence)であると考えられる。方法ステッ
プとして実行されるか又は本明細書に他の方法で記載される動作は、物理量の物理的操作
を必要とする動作である。必ずしもそうではないが通常は、これらの量は、記憶される、
転送される、結合される、変換される、比較される、及び他の方法で操作されることが可
能な、電気信号又は磁気信号の形態を取る。
【0120】
以下の論述から明らかなように特に別段の指定がない限り、本明細書の全体を通して、
「処理」又は「計算」又は「分類」又は「特徴付け」又は「相関」又は「検出」、「評価
」又は「畳み込み」又は「逆畳み込み」又は「分類」又は「セグメンテーション」又は「
トレーニング」又は「注釈付け」又は「位置合わせ」又は「測定」又は「算出」又は「比
較」、「生成」又は「検知」又は「決定」又は「表示」又は「ブールロジック」又は関係
のある動作等の他のセット等の用語を利用した論述は、コンピュータシステム又は電子デ
バイスのレジスタ及びメモリ内の物理(電子)量として表されたデータを、電子メモリ若
しくはレジスタ又は他のそのような情報記憶装置、伝送デバイス若しくはディスプレイデ
バイス内の同様に物理量として表された他のデータに操作及び変換する、トレーニングさ
れたMLS、コンピュータシステム、AIプロセッサ、GPU、又は電子デバイスのアク
ション及びプロセスを指すことが理解される。
【0121】
本開示はまた、いくつかの実施形態において、本明細書における動作を実行するための
装置に関する。この装置は、要求される目的のために特別に構築することができる、又は
、この装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動
又は再構成された汎用コンピュータを含むことができる。様々な回路及びそれらの構成要
素を使用して、本明細書に記載されるデータ収集並びに変換及び処理のうちのいくつかを
実行することができる。
【0122】
本明細書に提示されるアルゴリズム及び表示は、本質的には、どの特定のコンピュータ
にもそれ以外の装置にも関係していない。様々な汎用システムを本明細書における教示に
従ってプログラムとともに使用することもできるし、必要とされる方法ステップを実行す
るより専用化された装置を構築することが便利であることが分かる場合もある。様々なこ
れらのシステムの必要とされる構造は、以下の記載から明らかになる。加えて、本開示は
、いずれかの特定のプログラミング言語に関して記載されたものではなく、様々な実施形
態は、したがって、様々なプログラミング言語を使用して実施することができる。
【0123】
1つの実施形態において、所与のMLSの実施形態を使用するセマンティックセグメン
テーションを使用して、画像がカルシウム及びEELを有するか否かを検出し、カルシウ
ム及びEELを有するピクセルを特定することができる。これは、医師が処置オプション
の選択及び特定の処置のガイドに関する様々な問題を解決することを助ける。様々な実施
形態において、MLSシステムの出力は、Ca及びEELの双方の類似性の円弧ベースの
メトリック/測定値と、検出されたEEL直径と、検出されたCa深度とのうちの1つ以
上を含む。いくつかの実施形態において、これらの値は、EEL、中膜、カルシウム、管
腔、並びに他の関心領域及び関心特徴部を分類した後に、画像データに関して測定される
。本明細書に開示される方法及びシステムを使用して検出することができる組織タイプの
いくつかの非限定的な例には、血液が流れる内部領域、管腔、内膜、中膜、外弾性板(E
EL)(外弾性膜とも呼ばれる)、内弾性板(IEL:internal elastic lamina)、外
膜、プラーク、カルシウム又は石灰化組織等が含まれる。中膜は、IEL及びEELによ
って仕切られる。内膜は、管腔及びIELによって仕切られる。本開示は、1つ以上の機
械学習システム又は人工知能(AI)システムを使用して、動脈若しくは他の構造体の画
像を検出又は様々な構成組織タイプ若しくは関心領域にセグメンテーションする様々な実
施形態に関する。部分的に、機械学習システムは、血管内撮像システム、超音波システム
、又は血管造影システム若しくは蛍光透視法システム等のX線システム等の撮像システム
とともに設置することもできるし、そのような撮像システムと組み合わせることもできる
ように設計される。1つの実施形態において、本開示は、MLSを使用して組織特徴付け
を行い、管腔、EEL、中膜、及びカルシウム/カルシウムプラークのうちの1つ以上を
検出することに関する。
【0124】
本開示の実施形態は、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントロー
ラ、デジタル信号プロセッサ、又は汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュ
ータプログラムロジック、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログ
ラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス)とともに
使用するためのプログラマブルロジック、ディスクリート構成要素、集積回路機構(例え
ば、特定用途向け集積回路(ASIC))、又はその任意の組み合わせを含む任意の他の
手段を含むが、それらに全く限定されない多くの異なる形態で具現化することができる。
本開示の典型的な実施形態において、プルバックのための1つ以上の撮像プローブを備え
ることができる血管内撮像システム、2D撮像又は3D撮像システム及びプロセッサベー
スのシステムを使用して収集されるデータの処理の一部又は全ては、コンピュータプログ
ラム命令のセットとして実装され、その命令のセットは、コンピュータ実行可能な形式に
変換され、コンピュータ可読媒体にそれ自体記憶され、オペレーティングシステムの制御
下でマイクロプロセッサによって実行される。したがって、クエリ応答及び入力データは
、トレーニングセット、画像マスク、並びに本明細書に開示される他の入力及び出力を生
成するのに適したプロセッサ理解可能命令に変換される。本明細書において上述した機能
の全部又は一部を実施するコンピュータプログラムロジックは、ソースコード形式、コン
ピュータ実行可能形式、及び様々な中間形式(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ
、又はロケータによって生成される形式)を含むが、それらに全く限定されない、様々な
形式で具現化することができる。ソースコードは、様々なオペレーティングシステム又は
オペレーティング環境とともに使用するために、様々なプログラミング言語(例えば、オ
ブジェクトコード、アセンブリ言語、又は、Python、Perl、Go、FORTR
AN、C、C++、JAVA(登録商標)等の高水準言語、又はHTML)のいずれかで
実装された一連のコンピュータプログラム命令を含むことができる。ソースコードは、様
々なデータ構造及び通信メッセージを規定し、使用することができる。ソースコードは、
(例えば、インタプリタを介して)コンピュータ実行可能な形式とすることができる、又
は、ソースコードは(例えば、トランスレータ、アセンブラ、又はコンパイラを介して)
コンピュータ実行可能形式に変換することができる。
【0125】
本明細書に記載される様々な実施形態、又はそれらの構成要素若しくは部分は、ソフト
ウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェア、又はそれらのモジュールの多くの異
なる実施形態において実施することができる。本実施形態のうちのいくつかを実施するの
に使用されるソフトウェアコード又は専用制御ハードウェアは、本発明を限定するもので
はない。例えば、本明細書の上記に記載された実施形態は、例えば、従来の技法又はオブ
ジェクト指向型技法を使用する.NET、SQL、又はMySQL等の任意の適したコン
ピュータプログラミング言語を使用するコンピュータソフトウェアで実施することができ
る。
【0126】
コンピュータソフトウェア及び他のコンピュータ実施される命令のプログラミング言語
は、実行前にコンパイラ又はアセンブラによって機械語に変換することができ、及び/又
は、インタプリタによってランタイム時に直接変換することができる。アセンブリ言語の
例には、ARM、MIPS、及びx86が含まれ;高水準言語の例には、Ada、BAS
IC、C、C++、C#、COBOL、Fortran、LUA、Clojure、Ja
va、Lisp、Pascal、Object Pascalが含まれ、スクリプト言語
の例には、Bourne script、JavaScript、Python、Rub
y、PHP、及びPerlが含まれる。
【0127】
実施形態の動作及び挙動は、実際のソフトウェアコード又は専用ハードウェア構成要素
を具体的に参照することなく記載されている。そのような具体的な参照がないことは実現
可能である。なぜならば、当業者は、過度の実験を伴うことなく適度な努力だけで、本明
細書の記載に基づいて本開示の実施形態を実施するソフトウェアを設計することができ、
ハードウェアを制御することができることが明確に理解されるからである。
【0128】
様々な機械学習システムと、ディープラーニングニューラルネットワーク、3Dニュー
ラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、2Dニューラルネットワーク、N
層ニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、フィードフォ
ワードネットワーク、フィードバックワードネットワーク、放射基底関数ニューラルネッ
トワーク、コホネン自己組織化ニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワ
ーク(RNN:recurrent neural network)、モジュラニューラルネットワーク、ディー
プラーニングネットワーク、人工知能ベースのシステム及びフレームワーク、並びにこれ
らの組み合わせ等の関連したニューラルネットワーク。
【0129】
コントローラ、プロセッサ、コンピューティングデバイス、ASIC、FPGA、及び
/又はそれらの組み合わせ並びに本明細書に記載の他のコンピュータ機能の組み合わせを
使用して実施することができる本明細書に記載の様々な診断システムのソフトウェアは、
任意の適したコンピュータプログラミング言語を使用したコンピュータソフトウェアで実
施することができる。例えば、様々な機械学習システムは、コンピュータ可読媒体、例え
ば、RAM、ROM、2次記憶装置等に記憶されるか又は別の方法で保持されるソフトウ
ェアモジュールを用いて実施することができる。1つ以上の処理コア(例えば、CPU、
GPU及び/又はAIアクセラレータコア)は、一連のワークフロー及びグラフィックユ
ーザインタフェースを生成することができ、ジョイスティック、ボタン、マウス、及び他
のユーザインタフェースデバイス等のユーザアクションに応答することができる。
【0130】
コンピュータプログラムは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PRO
M、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例え
ば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、P
Cカード(例えば、PCMCIAカード)、又は他のメモリデバイス等の有形の記憶媒体
に任意の形式(例えば、ソースコード形式、コンピュータ実行可能形式、又は中間形式)
で永続的又は一時的に固定することができる。コンピュータプログラムは、様々な通信技
術のうちの任意のものを用いてコンピュータに送信可能である信号に任意の形式で固定す
ることができる。これらの通信技術には、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技
術(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキ
ング技術が含まれるが、これらに全く限定されるものではない。コンピュータプログラム
は、添付の印刷文書又は電子文書を有するリムーバブル記憶媒体(例えば、市販(shrink
wrapped)ソフトウェア)として任意の形式で配布することもできるし、コンピュータシ
ステム(例えば、システムROM又は固定ディスク)にプリロードすることもできるし、
サーバ又は電子掲示板から通信システム(例えば、インターネット又はワールドワイドウ
ェブ)を介して配信することもできる。
【0131】
本明細書において上述した機能の全て又は一部分を実施するハードウェアロジック(プ
ログラマブルロジックデバイスとともに用いられるプログラマブルロジックを含む)は、
従来の手動の方法を用いて設計することもできるし、コンピュータ支援設計(CAD)、
ハードウェア記述言語(例えば、VHDL又はAHDL)、又はPLDプログラミング言
語(例えば、PALASM、ABEL、又はCUPL)等の様々なツールを用いて電子的
に設計、取り込み、シミュレーション、又は文書化することもできる。
【0132】
プログラマブルロジックは、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PRO
M、EEPROM、又はフラッシュプログラマブルRAM)、磁気メモリデバイス(例え
ば、ディスケット又は固定ディスク)、光メモリデバイス(例えば、CD-ROM)、又
は他のメモリデバイス等の有形の記憶媒体に永続的又は一時的のいずれかで固定すること
ができる。プログラマブルロジックは、アナログ技術、デジタル技術、光技術、無線技術
(例えば、Bluetooth)、ネットワーキング技術、及びインターネットワーキン
グ技術を含むが、これらに全く限定されない様々な通信技術のうちの任意のものを用いて
コンピュータに伝送可能な信号に固定することができる。プログラマブルロジックは、添
付の印刷文書又は電子文書を有するリムーバブル記憶媒体(例えば、市販ソフトウェア)
として配布することもできるし、コンピュータシステム(例えば、システムROM又は固
定ディスク)にプリロードすることもできるし、サーバ又は電子掲示板から通信システム
(例えば、インターネット又はワールドワイドウェブ)を介して配信することもできる。
【0133】
適切な処理モジュールの様々な例は、本明細書においてより詳細に論述される。本明細
書において使用するとき、モジュールは、特定のデータ処理タスク又はデータ伝送タスク
を実施するのに適するソフトウェア、ハードウェア、又はファームウェアを指す。通常、
好ましい実施形態において、モジュールは、命令、若しくは抵抗変化、電圧変化、電流変
化、ガイドワイヤベースのプローブデータ、血管内圧力データ、比率、カルシウム厚、E
EL厚、カルシウム角度、指数及び本明細書に開示の他の対象情報等の様々なタイプのデ
ータを受信、変換、配信及び処理するのに適したソフトウェアルーチン、プログラム、又
は他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0134】
本明細書に記載されるコンピュータ及びコンピュータシステムは、データを取得する、
処理する、記憶する及び/又は通信するときに使用されるソフトウェアアプリケーション
を記憶するためのメモリ等の、動作可能に連結されたコンピュータ可読媒体を含むことが
できる。そのようなメモリが、その動作可能に連結されたコンピュータ又はコンピュータ
システムに関して、内部、外部、遠隔、又はローカルにあることができることを理解する
ことができる。
【0135】
記憶媒体は、非一時的なものとすることもできるし、非一時的デバイスを含むこともで
きる。したがって、非一時的記憶媒体又は非一時的デバイスは、有形であるデバイスを含
むことができる。有形とは、デバイスが具体的な物理的形状を有するが、デバイスがその
物理状態を変化させることができることを意味する。したがって、例えば、非一時的とは
、デバイスがこの状態の変化にもかかわらず有形のままであることを指す。
【0136】
部分的に、本開示は、1つ以上の撮像及び組織検出方法論が適用された診断システムと
、血管表現をナビゲートすることを容易にするこの診断システムのインタフェースとに関
する。冠動脈等の所与の血管又は他の身体管腔について、1つ以上の組織タイプ又は他の
関心領域を様々な技法を使用して特定することができる。特に、血管内の石灰化領域等の
カルシウム結節、石灰化組織及び他のカルシウム関連組織を表すことができる。1つ以上
の動脈表現を、所与のシステム指示ワークフローの一部として、特徴付けられた組織及び
関心領域をユーザに表示するために生成及び使用することができる。
【0137】
検出と、1つ以上のグラフィカルユーザインタフェース上に含めることとに適した特徴
付けられた組織及び/又は関心領域は、ステントを選択又は配備するときの情報使用を能
率的にするために、近位セグメント、遠位セグメント、及びユーザ選択セグメント又はフ
レームを含むように同時に表示することができる。これらのグラフィカルユーザインタフ
ェースは、自動的に検出されて、色、ハッチング、アニメーション等の1つ以上の可視要
素又はインディシアを用いてユーザに表示される特徴部を表示することができる。自動検
出と、1つ以上のインディシアを用いて表示することとに適した特徴部は、次のもの、す
なわち、脂質領域、管腔領域、ステントストラット、側枝、ガイドワイヤ、外弾性層(E
EL)、内弾性層(IEL)、これらに関する境界及び容積並びに本明細書に開示される
ような他の動脈特徴部及び組織タイプのうちの1つ以上を含むことができる。様々な軸は
、横断面ビュー等の1つのビューにおける軸が縦断面ビューにおける同じ軸と一致するよ
うに、部分的に色分けすることもできるし、インディシアを用いて修飾することもできる
。これは、例えば図2D及び図3Bでは、青色及び黄色の色分けされた線分/軸部分を用
いて示されている。
【0138】
部分的に、本開示は、OCT、IVUS、及び他の撮像モダリティ等の血管内データ収
集システムと、血管内のステントランディングゾーン、側枝、関心領域、及び特徴付けら
れた組織領域等の診断情報の生成及び視覚化とに関する。上記のような関心のある診断情
報を示すのに適したグラフィカル要素は、マーカ等のワークフロー内のユーザ選択要素と
しての機能を果たす。
【0139】
また、ステント、組織タイプ、組織容積、及び組織境界を視覚化するシステム及び方法
も本明細書に開示される。1つ以上のソフトウェアモジュールを使用して、側枝ロケーシ
ョン、管腔輪郭、及びステントストラット位置を検出し、血管表現を生成し、GUIに関
するユーザ選択に基づいて画像へのナビゲーションを制御することができる。本明細書に
開示されるシステム及び方法は、カルシウム、脂質、繊維質等を含む様々な組織タイプの
角度、円弧、円周部分、厚さ、容積、幅、フレームカウント、組織と管腔との相対近接度
を測定することができる自動化測定システム及び関係した特徴も含む。
【0140】
様々な実施形態において、そのような測定ツールは、上記パラメータと、特定の組織タ
イプの所与の関心領域の任意の幾何学的特性とを測定するのに使用することができる。こ
れらの測定値は、エンドユーザによる検討に適した様々な格付け又はスコアを生成するの
に使用することができる。例えば、血管の特定の領域においてカルシウム負担が現れてい
るが、全体としては少量の表面カルシウムのみである場合には、そのカルシウム負担に関
する測定値は、ユーザをガイドし、そのような領域を候補ランディングゾーンとして除外
しないように助けることができる。
【0141】
本開示の態様、実施形態、特徴、及び例は、全ての点で例示的であると考えられ、本開
示を限定することを意図するものではなく、その範囲は特許請求の範囲によってのみ規定
される。他の実施形態、修正形態、及び使用法は、特許請求される開示の趣旨及び範囲か
ら逸脱することなく、当業者には明らかであろう。
【0142】
本出願における見出し及び段落の使用は、本開示を限定することを意味しない。各段落
は、本開示の任意の態様、実施形態、又は特徴に適用することができる。語「する手段(
means for)」を使用する特許請求項のみが、米国特許法112条6項の下で解釈される
ことを意図される。特許請求項において「する手段(means for)」の列挙が存在しない
場合、そのような特許請求項は、米国特許法112条の下で解釈されるべきでない。本明
細書からの限定は、そのような限定が特許請求の範囲に明示的に含まれない限り、いずれ
の特許請求項に読み込まれることも意図されない。
【0143】
値又は値の範囲が与えられる場合、各値及び所与の範囲のエンドポイント及びその間の
値は、何らかの異なる範囲が特に述べられない限り、本開示の教示内に依然として留まり
ながら、20%だけ増加又は減少することができる。
【0144】
本出願全体を通して、構成物が特定の構成要素を有する、含む、又は備えるものとして
記載される場合、又は、プロセスが特定のプロセスステップを有する、又は含むものと記
載される場合、本教示の構成物が、本質的に列挙される構成要素からなる又は列挙される
構成要素からなること、及び、本教示のプロセスが、本質的に列挙されるプロセスステッ
プからなる又は列挙されるプロセスステップからなることが企図される。
【0145】
本出願において、要素又は構成要素が、列挙された要素又は構成要素のリストに含まれ
る及び/又はそのリストから選択されると言及される場合、その要素又は構成要素が、列
挙される要素又は構成要素のいずれか1つとすることができ、また、列挙される要素又は
構成要素のうちの2つ以上からなる群から選択することができることが理解されるべきで
ある。さらに、本明細書に記載される構成物、装置、又は方法の要素及び/又は特徴を、
本明細書において明示的であろうと暗黙的であろうと、本教示の趣旨及び範囲から逸脱す
ることなく種々の方法で組み合わせることができることが理解されるべきである。
【0146】
用語「含む(include)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「
有する(have)」、「有する(has)」、又は「有している(having)」の使用は、別段
の定めがない限り、一般にオープンエンドでかつ非限定的であると理解されるべきである
【0147】
本明細書における単数形の使用は、別段の定めがない限り、複数を含む(逆の場合も同
様である)。さらに、別段に文脈が明確に指示しない限り、単数形「一("a," "an")」
及び「その(the)」は、複数形を含む。さらに、用語「約(about)」の使用が定量値の
前である場合に、本教示は、別段の定めがない限り、特定の定量値自体も含む。
【0148】
ステップの順序又は或る特定の動作を実行するための順序が、本教示が使用可能なまま
である限り、重要でないことが理解されるべきである。さらに、2つ以上のステップ又は
動作を、同時に行うことができる。
【0149】
値の範囲又はリストが提供される場合、値のその範囲又はリストの上限と下限との間の
介在する各値は、個々に企図され、各値が本明細書に具体的に列挙されているかのように
本開示内に包含される。さらに、所与の範囲の上限と下限との間及びそれらを含むより小
さい範囲が、企図され、本開示内に包含される。例示的な値又は範囲のリストは、所与の
範囲の上限及び下限の間並びにそれらを含む他の値又は範囲を排除するものではない。
【0150】
本開示の図及び説明が、明確化のために他の要素を削除しながら、本開示の明確な理解
のために適切である要素を示すように簡略化されていることが理解される。当業者は、し
かしながら、これら及び他の要素が望ましい場合があることを認識するであろう。しかし
ながら、そのような要素が当技術分野で既知であるため、また、それらの要素が本開示の
より良い理解を促進しないため、そのような要素の論述は、本明細書において提供されな
い。図が、構造図としてではなく、例示のために提示されていることが理解されるべきで
ある。省略された詳細及び修正形態又は代替的な実施形態は、当業者の知識の範囲内にあ
る。
【0151】
本開示の或る特定の態様において、要素又は構造を提供するため、又は単数若しくは複
数の所与の機能を実施するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えることが
でき、また、複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えることができることを、理解す
ることができる。そのような置換が本開示の或る特定の実施形態を実施するために使用可
能でない場合を除いて、そのような置換は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0152】
本明細書に提示される例は、本開示の可能性のあるかつ具体的な実施態様を例示するこ
とを意図される。その例が、主に、当業者のために本開示の例示のために意図されること
を、理解することができる。本開示の趣旨から逸脱することなく、これらの図又は本明細
書に記載される動作に対する変形が存在する場合がある。例えば、或る特定の場合には、
方法ステップ又は動作を、異なる順序で実施若しくは実行することができる、又は、動作
を、追加、削除、若しくは修正することができる。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-11-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のプロセッサが、血管の管腔外画像データと、複数の血管内画像フレームを含む血管内データとを受信するステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記血管内データに基づいて前記血管の2次元表現を生成するステップであって、前記2次元表現は前記2次元表現の最も長い軸に関して対称である、ステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記血管内データに基づいて、対象となる第1の特徴を定めるステップと、
前記1つ以上のプロセッサが、前記管腔外画像データと、対象となる前記第1の特徴に対応する第1の円弧を含む少なくとも1つの前記血管内画像フレームと、対象となる前記第1の特徴に対応する第1の印を含む前記2次元表現とを出力するステップと
を含む方法。
【外国語明細書】