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特開2025-16485改良された飼料輸送を備えた再循環式水産養殖システム及び再循環式水産養殖システムにおける資料の輸送方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016485
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】改良された飼料輸送を備えた再循環式水産養殖システム及び再循環式水産養殖システムにおける資料の輸送方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/85 20170101AFI20250128BHJP
   A01K 63/04 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
A01K61/85
A01K63/04 A
A01K63/04 F
A01K63/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024175037
(22)【出願日】2024-10-04
(62)【分割の表示】P 2021539945の分割
【原出願日】2020-01-10
(31)【優先権主張番号】PA201970019
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】524286317
【氏名又は名称】ピュア サーモン テクノロジー エーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デスレフセン、マルクス・ウィード
(72)【発明者】
【氏名】ホルゲルセン、クラウス・ダムスボ
(72)【発明者】
【氏名】シモンセン、ベニー
(57)【要約】      (修正有)
【課題】改良された穏やかな飼料の輸送を行う水産養殖システムを提供する。
【解決手段】水再循環導管3に流体接続された魚保持ユニット2と、水処理ユニット23と、水入口と、飼料貯蔵ユニット31とを備える水産養殖システム1。該システムは、飼料充填部30をさらに備える。飼料が飼料充填部で該システムに投入されると、それは魚保持ユニットに輸送される。別の態様では、本発明は、再循環式水産養殖システムにおいて飼料の輸送方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水産養殖システムであって、
水再循環導管、水処理ユニット、水入口、および飼料貯蔵ユニットに流体接続された魚保持ユニットを備え、
前記水入口の上流または前記水再循環導管内に配置された飼料充填部をさらに備え、その飼料充填部で前記システムに飼料が投入されると前記飼料は前記魚保持ユニットに水力輸送され、前記水再循環導管は前記水処理ユニットを備え、前記飼料充填部は前記水処理ユニットの下流に配置される、
水産養殖システム。
【請求項2】
前記水処理ユニットは、バイオフィルタ処理ユニットと、固形物除去ユニットと、pH制御ユニットと、温度制御ユニットと、紫外線(UV)処理ユニットと、酸素添加ユニットと、COストリッピングユニットと、オゾン処理ユニットとのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の水産養殖システム。
【請求項3】
前記魚保持ユニットは、1つ以上のさらなる魚保持ユニットに流体接続され、前記魚保持ユニットは、任意選択で直列または並列に、またはそれらを組み合わせて結合される、請求項1または請求項2に記載の水産養殖システム。
【請求項4】
前記飼料充填部の下流に位置する前記水産養殖システム内の導管がプラスチック材料で作られている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水産養殖システム。
【請求項5】
再循環式水産養殖システムにおける飼料の輸送方法であって、
-前記循環式水産養殖システムの飼料充填部から給餌ポイントへ水流を供給するステップと、
-水を含む飼料の流れを得るべく、前記飼料充填部において前記飼料を前記水流に投入するステップと、
-前記水を含む飼料を前記給餌ポイントに水力輸送するステップと、
を含み、
前記水流が前記再循環式水産養殖システムの魚保持ユニットからの少なくとも部分的に再循環される飼料の輸送方法。
【請求項6】
洗浄水の流れを得るべく、前記水流に前記飼料を投入する前に、前記水流を洗浄するステップ、
をさらに含む、請求項5に記載の飼料の輸送方法。
【請求項7】
再循環水量は、前記再循環式水産養殖システムにおける全水量に基づいて90%~99.9%の範囲である、請求項5または請求項6に記載の飼料の輸送方法。
【請求項8】
前記水流を洗浄するステップが、バイオろ過、固形物の除去、pH制御、温度制御、紫外線(UV)処理、COストリッピング、およびオゾン処理の1つまたは複数を含む、請求項6または請求項7に記載の飼料の輸送方法。
【請求項9】
前記飼料充填部から前記給餌ポイントまでの前記再循環式水産養殖システム内の圧力の変化が最大7バールである、請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項10】
前記飼料充填部から前記給餌ポイントまでの滞留時間が3分以内である、請求項5から請求項9のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項11】
水面を有する前記魚保持ユニットに水を含む前記飼料を供給し、前記給餌ポイントは、前記水面に、または前記水面より上方にもしくは下方にある、請求項5から請求項10のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項12】
2つ以上の給餌ポイントが、前記水面に対して異なる位置に配置される、請求項5から請求項11のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項13】
レイノルズ数が500,000未満である、請求項5から請求項12のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項14】
レイノルズ数が5,000から20,000の範囲にある、請求項5から請求項13のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項15】
前記再循環式水産養殖システム内の水を、1時間当たり0.5~20回再循環させる、請求項5から請求項14のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【請求項16】
前記飼料が、前記飼料の質量に基づいて5%w/w~10%w/wの範囲の含水量を有する、請求項5から請求項15のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飼料を輸送するためのシステム及び方法に関し、より具体的には、再循環式水産養殖システム(RAS)における飼料の輸送に関する。
【背景技術】
【0002】
養殖魚介類は、例えば、海に浮かぶケージ、河川や池に接続されたフロースルー、またはRAS施設のような陸上施設などの水産養殖場に届けられる飼料に含まれる全ての必要な栄養分の摂取に依存している。今日の魚飼料の給餌場所への輸送に使用されるほとんどの装置では、空圧式や機械式のものが主流である。通常、空圧輸送の場合、ファンまたは空気圧縮機のいずれかを用いて飼料ペレットを吹き飛ばしている。国際公開第2015067955号に記載されているように、飼料ペレットを空圧輸送すると、ペレットが劣化しやすく、最大7%のダストや微粉が発生しやすいことがよく知られている。また、飼料輸送に使用されるパイプは、パイプ壁とペレットとの間の摩擦によって摩耗する。
【0003】
スチールパイプは重く、追加の支持体が必要でかつ高価であるのに対して、プラスチックパイプは安価であるが、より多くのメンテナンスが必要で、マイクロプラスチックを飼料および水産養殖場に放出してしまう。飼料ペレットから微粉およびダストが発生すると、多大なコストがかかるため、その発生を可能な限り最小に抑えなければならない。これは、飼料および必須/制限栄養分の損失に相当し、周囲環境を汚染する。RAS施設の場合、さらに、水産養殖システム内の水を洗浄するために使用される機械的フィルタおよび/または(マイクロ)生物学的フィルタにストレスを与える。
【0004】
魚飼料を輸送する別の方法は、国際公開第2002056676号で知られている水力輸送によるものであり、これは、飼料を水面の下方で供給するために水力式給餌を利用したシステムに関し、特にナマズ、ターボット、およびオヒョウなどの底魚類に関連する。水力輸送は、国際公開第2011064538号および国際公開第2015067955号からも知られており、水産養殖飼料の水力輸送を使用して、乾燥した魚飼料ペレットに水を含浸させて消化性を向上させる方法が記載されている。飼料を含浸させると、飼料へ水が入るだけでなく、飼料から栄養分や油分が水中に漏出する物質移動を引き起こすであろう。
【0005】
国際公開第2016160141号は、モジュール化されたエビ生産システムを開示している。このシステムは、生産サブユニットモジュールと、RASモジュールと、飼料分配モジュールと、コンピュータ制御モジュールとを備える。このシステムは、モジュール化して統合し、カスタム設計されたサイバー物理プラットフォームによって制御された多段階同期超集約型エビ生産システムを形成する。このシステムは、従来の技術と比較して、生産されるエビの重量当たりの総水量を大幅に減らして、エビを水産養殖することができると考えられる。
【0006】
魚に必要な栄養分を供給するためにはより多くの飼料が必要となるため、栄養分ロスは望ましくなく、追加のコストがかかる。
【0007】
飼料からの油分の漏出は最適ではないが、魚が開放水域で飼育される場合には許容できる。しかしながら、例えば、RAS施設では、油分はフィルタ内に沈降し、フィルタ効率を低下させる。これにより、洗浄水中でのCOの量が増加する可能性があり、魚の成長が遅くなるという影響がある。
【0008】
したがって、特にRAS施設において、飼料をより穏やかで効率的に輸送する方法を開発することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2015067955号明細書
【特許文献2】国際公開第2002056676号明細書
【特許文献3】国際公開第2011064538号明細書
【特許文献4】国際公開第2016160141号明細書
【発明の概要】
【0010】
本発明の目的は、改良された穏やかな飼料の輸送を行う水産養殖システムを提供することである。したがって、本発明の第1の態様によれば、この目的および他の目的は水産養殖システムによって達成され、該システムは、
水再循環導管、水処理ユニット、水入口、および飼料貯蔵ユニットに流体接続された魚保持ユニットを備え、上記水入口の上流または上記水再循環導管内に配置された飼料充填部をさらに備え、その飼料充填部で該システムに飼料が投入されると該飼料は上記魚保持ユニットに水力輸送され、上記水再循環導管は上記水処理ユニットを備える、上記飼料充填部は上記水処理ユニットの下流に配置される。
【0011】
上記魚保持ユニット、上記水再循環導管、上記水処理ユニット、上記水入口、および上記飼料貯蔵ユニットを直列に接続してもよいし、または上記魚保持ユニット、上記水再循環導管、上記水処理ユニット、上記水入口、および上記飼料貯蔵ユニットを並列に接続してもよい。同様に、上記魚保持ユニット、上記水再循環導管、上記水処理ユニット、上記水入口、および上記飼料貯蔵ユニットを、直列と並列を組み合わせて接続してもよい。したがって、例えば、上記水再循環導管は上記水処理ユニットと上記飼料貯蔵ユニットとを直列に接続して備えてもよいし、上記水入口を魚保持ユニットに接続してもよい。
【0012】
水力飼料輸送では、より緩やかな飼料輸送が得られ、生成されるダストおよび微粉の量が低減されることが示されている。このシステムでは、また、飼料ロスおよび輸送に必要なエネルギーがうまく低減されることが示されている。さらに、マイクロプラスチック生成のリスクなしにプラスチックパイプを使用できるため、設置コストを大幅に下げることができる。また、プラスチックパイプの設置では、支持体が、例えば、スチールパイプの場合よりもはるかに少なくて済む。さらに、スチールパイプが使用される場合、特に、成長したサケなどの海水種用に設計されたRAS施設では、腐食を回避するために、そのスチールパイプは、通常、高価な高級ステンレス鋼である。また、本水力システムでは、エルボーによる飼料の損傷が従来の空圧輸送システムに比べて著しく少ないため、水力輸送は設置に柔軟性をもたらす。
【0013】
好ましい実施形態では、上記飼料充填部は、プラスチック材料で作られた導管内に配置される。好ましくは、上記再循環導管の導管もまたプラスチック材料で作られる。高密度PE、ナイロン、PVC、POMなどのPEなどのプラスチックを使用することができるが、これらに限定されない。
【0014】
これらの利点は、水が内部で完全にまたは部分的に再循環されている水産養殖システム施設に適用されてもよい。再循環水を用いた水産養殖システムは、本発明の文脈において、「再循環式水産養殖システム」(RAS)と呼ばれることがある。したがって、一実施形態では、本発明の水産養殖システムはRASである。これらの利点が、飼料輸送に使用できる水輸送パイプラインを有する異なる種類の養魚にも適用されることは当業者には明らかである。
【0015】
水力輸送という用語は、固液二相流を説明するために使用される。これに関連して、固液二相流は、魚飼料、例えば、顆粒またはペレットおよび水から構成される。
このシステムでは、顆粒やペレット状の飼料が好まれるが、塊状飼料、湿ったまたはやや湿った飼料、または魚の切り身などの他の種類の魚飼料を使用してもよい。
【0016】
上記魚保持ユニットは、液体を入れるのに適した所望の任意の形状を有してよい。それは、例えば、円筒形状のユニット、または直方体形状のユニットであってもよい。それは、任意の材料から作られたタンク、容器、水槽、たらいなどであってもよい。それはまた、何らかのろ過および/または洗浄が行われる池または窪地であってもよい。魚保持ユニットの上部は、開放されていてもよく、または取り外し可能なもしくは固定された蓋を有してもよい。本システムが必要に応じて使用される場合、即ち、魚を飼育するために使用される場合、水産養殖システムには水が存在する。水の大部分は、通常、魚が飼育される魚保持ユニット内に含まれる。本システム内の水の種類は、養殖されている魚の種に適合している。海水魚の場合、水は海水に似るように適合されるが、淡水魚の場合、水は淡水に似るように適合される。また、水の品質と特性も制御可能であり、純度、以下では、O含有量、温度などを制御できる。
【0017】
上記再循環導管は、水を上記魚保持ユニットへ/から輸送するのに適した一連の水導管または水パイプである。再循環導管は、魚保持ユニットに流体接続され、水回路を形成する。再循環導管は、取水または排水を可能にする少なくとも1つの開口部を介して魚保持ユニットに接続される。好ましくは、再循環導管内の水パイプは、魚保持ユニットから水を連続的または断続的に排水するために使用される。水が通過する再循環導管は、1つまたは複数のユニット動作を含んでもよく、その後、水が魚保持ユニットに戻される、即ち、再循環導管により水が再循環する。これに関連して、ユニット動作は、水処理、例えば、飼料など固形物の投入、ポンプなどの流体輸送手段であってもよいが、これらに限定されない。水が魚保持ユニットから開口部を通って再循環導管に入るポイントは、水の循環の開始地点と見ることができる。水は、この開始地点から導管を通って流れ、ある時点で魚保持ユニットに戻る。開口部を通って水が魚保持ユニットに戻るポイントは、終了地点と見ることができる。水が終了地点から開始地点に流れてもよいように、開始地点および終了地点は再循環導管によって作られるループの中に含まれることを理解すべきである。水は、魚保持ユニット内で一定の滞留時間を経た後、再び開始地点で再循環導管に入る。再循環導管内の任意の地点から再循環導管内の任意の他の地点まで、滞留時間を定義してもよい。
【0018】
上流および下流という用語が、例えば、再循環導管内のユニット動作の位置を説明するために使用される場合、特に断らない限り、この開始地点に関するものである。
【0019】
再循環導管を単一の魚保持ユニットに結合することができ、またはいくつかの魚保持ユニットを一緒に結合するために再循環導管を使用してもよい。そのような場合、魚保持ユニットを直列または並列に結合してもよい。いくつかの魚保持ユニットが再循環導管によって接続されている場合、魚保持ユニットからの水は、同じ水処理ユニット内で組み合わされて処理されてもよい。同様に、飼料は、飼料充填部で単一の水流に投入され、次いで複数の個々の魚保持ユニットに分配されてもよい。上述したように、再循環導管内に含まれる1種類のユニット動作は、水処理ユニットであってもよい。水処理ユニットには、生物ろ過、固形物除去、例えば、ろ過、酸素添加、pH制御、温度制御、任意選択で加熱および/または冷却を含むCO除去、紫外線(UV)処理および/またはオゾン処理など、水質を維持するための一連の処理プロセスが含まれているが、これらに限定されない。
【0020】
再循環導管は、単一の魚保持ユニット内の水の再循環に限定されない。それはまた、第1の魚保持ユニットから第2の魚保持ユニットに、好ましくは魚保持ユニット間に水処理ユニットを備えて水を流してもよい。この構成では、再循環導管または別の再循環導管が第2の魚保持ユニットから第1の魚保持ユニットに水を戻すように、魚保持ユニットは直列に結合されるであろう。
【0021】
上記水入口とは、水産養殖システムに水を供給する水入口を指してもよい。通常、新たに供給される水は、水入口を通して水産養殖システムに供給される。水産養殖システムへの水入口を、再循環導管内または直接に魚保持ユニット内など、水産養殖システム内のどこにでも配置してもよい。水入口が新たに供給される水を水産養殖システムに添加するための入口である場合、流入水の水質がシステムに適合するように、この入口を水処理ユニットの上流または水処理ユニット内に配置するのが好ましい。水産養殖システムはまた、水出口を備えてもよい。水出口を、再循環導管内または魚保持ユニット内など、水産養殖システム内のどこにでも配置してもよく、または、水出口を魚保持ユニットおよび再循環導管の両方の中に含んでいてもよい。水出口は、システムから外への水の流れを可能にする。水産養殖システムはまた、水の入口用および出口用の複合導管を有してもよい。通常、RAS施設では、施設内の水量を交換するのには費用がかかるため、新たに供給される水の入口は小さい。
【0022】
上記飼料貯蔵ユニットは、魚飼料の格納に使用される。飼料貯蔵ユニットは、RAS施設に飼料を格納するのに適した任意の形状またはサイズであってもよい。通常、飼料貯蔵ユニットはタンクまたはサイロである。飼料がRAS施設の現場で生産される場合、飼料貯蔵ユニットは、施設内の飼料生産ユニットの容器部分であってもよい。このような容器部分は、少なくとも生産されたばかりの飼料を保持するように機能してもよい。飼料貯蔵ユニットは、飼料充填部に隣接して配置されるのが好ましい。上記飼料充填部は、水が導管内を流れている状態で、導管内に飼料を投入することができる導管部分である。飼料はまた、飼料貯蔵ユニットからいくつかの魚保持ユニットに水力輸送されてもよい。
【0023】
飼料貯蔵ユニットからの飼料を飼料充填部で水中へ投入することは、飼料投入手段、例えば、コンベアの送りねじなどの機械的手段を使用して、または吸引手段によって達成することができる。吸引手段としては、例えば、ベンチュリーインジェクタなどがあり、ここから負圧を得て、水中への飼料の流れを作る。
代替的に、ポンプによって得られる負圧で飼料を飼料充填部に吸引してもよい。
【0024】
上記飼料充填部とは、飼料が水流に投入される導管内の位置である。次いで、飼料は、流れと共に所望の位置に水力的に輸送される。新たに供給される水が水産養殖システムに追加されると、飼料が新たに供給される水と共に魚保持ユニット内へと水力輸送されるように、飼料充填部を水入口の上流側に配置してもよいし、水入口に流体接続してもよい。RAS施設では、新たに供給される水の流入量を最小限に抑えることが望ましいが、これは追加のコストとなるためである。通常、RAS施設内の水の99.5%が再循環される。新たに供給される水の追加量は、全水量の約0.5%に過ぎない。水産養殖システム内の魚の量によっては、この水流は、十分な量の飼料を水力輸送するのに十分ではない場合がある。したがって、好ましい実施形態では、飼料充填部は、水再循環導管内に配置される。魚保持ユニットから水を再循環させれば、新たに供給される水を追加供給することなく、飼料の水力輸送のための所望の体積流量を得ることができる。所望の体積流量を制御することで、一般に、水流に関連する全てのパラメータを、飼料の水力輸送に適した方法で適合させることができる。例えば、流れを穏やかになるように調整してもよく、結果として、微粉および/または液体ロス(油分ロスなど)が少なくなる。別の例は、流れを制御して飼料をより広範に分配できることであろう。再循環によって体積流量が増えることにより、飼料の水力輸送に適した水の流速で、より大きな断面積を有する導管の使用が可能になる。飼料がより大きな断面積を有する導管を介して水力輸送される場合、導管を出て所望の位置に到達するとき、飼料はより大きな面積/体積にわたって効果的に分配される。したがって、飼料の水力輸送に適した水の流速でより大きい断面積の導管を通る水流は、飼料の水力輸送に適した同じ水の流速でより小さい断面積の導管を通る水流と比較して、飼料がより広範に分配される。より広範な分配面積を可能にすることに加えて、再循環によって得られるより大きな体積流量によって、より大きな断面積を有する導管が使用される場合であっても、再循環導管内の水の速度がより大きくなることが可能になる。ある断面積の導管をより大きい速度で通る水流は、同じ断面積の導管をより小さい速度で通る水流と比較して、飼料を含む水が導管を出るとき飼料をより広範に分配することになる。飼料が魚の間でより均等に分配され、結果として平均サイズ偏差がより小さい魚の在庫ができることから、飼料の分配が広範であることは有利である。これは、小さくて価値のないサイズの魚が減ることになるため、業界では価値がある。さらに、出荷に必要な最小サイズまで魚を成長させるのに必要な時間が短くなるであろう。
【0025】
新たに供給される流入水の流れを最小限に抑えた水産養殖システムでは、良好な水質を維持するために水処理することが好ましい。魚保持ユニットは、200m~50,000mの水を含む場合がある。通常、産業用水産養殖システムは、いくつかの魚保持ユニットを備えている。魚保持ユニットは、最大5,000mの小型魚保持ユニット、最大15,000mの中型魚保持ユニット、または例えば、50,000m、例えば、25,000~35,000mの大型魚保持ユニット、またはこれらの組合せであってもよい。魚保持ユニット内の水の再循環および処理は、魚保持ユニット内の魚の密度だけでなく、飼料の品質にも大きく依存する。魚密度は、魚保持ユニット内の水の体積当たりの魚の数である。水は再循環され、魚にとって良好な水質を維持するように処理される。魚密度が低い場合、水の再循環は、例えば、0.5~5回/時間まで少なくなる可能性があり、魚密度が高い場合、魚保持ユニット内の水は最大20回/時間で再循環される。同様に、飼料の品質が高く、水中に存在する油分および崩壊したペレット粒子が少ない場合、水の再循環を少なくしてもよい。したがって、タンク当たり400m/時~100,000m/時の水の再循環流が予想できる。この再循環される水流は、飼料を輸送するのに十分に大きい。さらに、現在のRAS施設は既にこのような導管を有しているため、飼料充填部を導管に後付けして、飼料の水力輸送を用いた水産養殖システムを提供してもよい。
【0026】
好ましい実施形態では、水再循環導管は、開始地点の下流かつ終了地点の上流に位置する水処理ユニットを備え、水処理ユニットの下流かつ終了地点の上流に位置する飼料充填部をさらに備える。この構成により、異なる処理によって飼料が損傷しないように、水処理ユニットの後で確実に飼料が水に投入される。十分な水処理を行えば、魚保持ユニット間での感染リスクを増加させることなく、異なる魚保持ユニット間での処理水の交換も可能になる。したがって、1つの魚保持ユニットからの水を使用して、飼料を別の魚保持ユニットに水力輸送することができる。
【0027】
好ましい実施形態では、飼料充填部から給餌ポイントまでの再循環導管は、実質的に一定の直径の導管を有し、高低差は最小である。このようにして、急激な圧力変化が回避される。通常、飼料充填部から給餌ポイントまでのパイプの直径は、25mm~130mm、例えば、30mm~100mm、好ましくは50mm~60mmである。通常、単一の魚保持ユニットに飼料を水力輸送する場合には50mm~60mmのパイプ径で十分であるが、複数の魚保持ユニットに飼料を水力輸送する場合には100mm以上のパイプ径が必要となる場合がある。
【0028】
飼料充填部と給餌ポイントとの間の高低差は、好ましくは5メートル以下、より好ましくは3メートル以下、例えば、0~3メートルの範囲である。飼料充填部から給餌ポイントまでの導管の長さは、水産養殖システムの設計によって異なってもよい。好ましくは、距離は、10~50メートルの範囲内など、かなり小さいが、100メートルより大きくてもよい。導管中で一定の圧力降下を予想することができるが、高低差またはパイプ直径の変化による急激な圧力降下を回避することによって、ペレットへの水含浸によって引き起こされるペレットから水への油分および栄養分の大量移行は起こりにくい。全圧力降下は、通常、1バール~5バールであるが、最大7バールとなる場合もある。
【0029】
給餌ポイントは、魚保持ユニット内の魚が飼料を得ることができるようになる場所である。したがって、この給餌ポイントは、終了地点の開口部付近の魚保持ユニット内にある。通常、ペレットにとって最大の圧力降下は給餌ポイントで生ずる。魚保持ユニット内の圧力は約1バールであるが、再循環導管内の圧力は水の再循環によってより大きくなったり/より小さくなったりする。ペレットが再循環導管から給餌ポイントで魚保持ユニットに入ると、ペレットは最大7バールの圧力降下を受ける可能性がある。通常、この圧力降下は2~3バールなど、より小さい。
【0030】
本発明者らは、ペレットが滞留水に入るときに圧力降下が生じるため、ペレットに水が含浸して油分や栄養分が水中に放出されにくくなることを発見した。したがって、導管内の圧力降下が小さく安定していることが重要である。好ましい実施形態では、飼料充填部から終了地点までに生じる再循環導管内での圧力変化は、最大7バール、例えば、最大5バール、好ましくは3バール以下、例えば、1バール以下、例えば、0.5バール以下、好ましくは0.1バール未満である。
【0031】
圧力変化が小さいということは、水がペレットに含浸しないという利点がある。したがって、ペレットからの栄養分および油分の大量移行が減少する。したがって、本発明による飼料の水力輸送を用いた場合の水中の油分および/または栄養分の量は、飼料を空圧式または機械的に輸送した場合と同様であるため、既存のRAS施設の水処理ユニットは水を処理するのに十分である。
【0032】
ペレットなどの魚飼料は、水の含有量が非常に少ない乾燥物質で構成されることが多い。通常、乾燥ペレットは、5重量%~10重量%の水を含む。ペレットを水に投入すると、水はペレット表面に浸透し始め、ペレット乾燥物質に吸収されるか、ペレットの多孔質構造に吸い込まれる。ペレット内への水の吸収は、水含浸と呼ばれる。ペレットの水力輸送中、水含浸の程度は可能な限り低いことが望ましい。水含浸したペレットは、乾燥ペレットまたは部分的に含浸したペレットよりも柔らかい。ペレットが水を吸収すると、外層は崩壊し始める。
【0033】
好ましくは、飼料充填部から給餌ポイントまでの循環式水産養殖システム内の流れは、レイノルズ数が500,000未満、好ましくは200,000未満、より好ましくは100,000未満、より好ましくは50,000未満、最も好ましくは20,000未満、例えば、20,000~5,000を有する。
【0034】
好ましい実施形態では、飼料充填部から給餌ポイントまでの滞留時間は、3分以下、好ましくは1分未満、より好ましくは30秒未満、最も好ましくは15秒未満、最も好ましくは約5秒である。飼料充填部から給餌ポイントまでの滞留時間は、飼料滞留時間とも呼ばれる場合がある。飼料が飼料充填部で再循環導管に投入されると、飼料は、水の流れと共に飼料充填部から導管を通って魚保持タンクに輸送される。滞留時間とは、飼料充填部でペレットを水中に投入してから、飼料が給餌ポイントで魚保持ユニットに入るまでの時間である。水中での飼料の滞留時間が、例えば、5秒~2分の範囲と短いため、ペレットの表面には限られた量の水しか吸収されず、ペレットに水が含浸することはない。これらの実施形態は、滞留時間および/または流れのレイノルズ数が大きくなるにつれて漏出が増加することが分かっているので、栄養分および/または油分の漏出が確実に低減される。
【0035】
別の態様では、本発明は、再循環式水産養殖システムにおいて飼料を輸送する方法に関し、本方法は、
-再循環式水産養殖システムの飼料充填部から給餌ポイントへ水流を供給すること、
-水を含む飼料の流れを得るべく、上記飼料充填部において上記飼料を上記水流に投入すること、
-上記水を含む飼料を給餌ポイントに水力輸送すること、
を含み、
上記水流が上記再循環式水産養殖システムの魚保持ユニットから少なくとも部分的に再循環される。
【0036】
この方法は、飼料が空圧式または機械的な輸送方法よりも緩やかに輸送され、それによって発生するダストおよび微粉の量が低減されるので、飼料輸送を改良することを示している。再循環式水産養殖システムは、海水および淡水へのアクセスが制限された場所で、海から離れて魚、例えば、海水魚を飼育する方法を提供する。このシステムに既に含まれている水を再循環させることにより、この水流を用いて飼料を給餌ポイントに水力輸送することができる。水は前述のように再循環導管内で再循環されてもよく、水流は同じ魚保持ユニットまたは他の魚保持ユニットを起源としてもよい。
【0037】
好ましい実施形態では、本方法は、洗浄水の流れを得るべく上記水流を洗浄するステップをさらに含む。この洗浄は、飼料を上記水流に投入する前に行うことが好ましい。
【0038】
この方法は、既存の施設で使用することができる。通常、施設は、再循環導管を備え、その中で魚保持ユニットからの水が処理され、魚保持ユニットに循環して戻される。次いで、再循環導管の一部、好ましくは水処理ユニットの下流に位置する部分を、水流に飼料を投入するのに適するようにしてもよい。
したがって、既存の導管を利用できるので、既存のRAS施設を最小限のコストでこの方法に適合させることができる。
【0039】
上記再循環導管は、新たに供給される水を上記水流に供給するための水入口を備えてもよい。したがって、代替の実施形態では、上記水流は、水産養殖システムの魚保持ユニットから少なくとも部分的に再循環された水である。開放型RAS施設では、蒸発により水が失われる可能性があり、上記魚保持ユニットに水を補充することが好ましい。特定の実施形態では、再循環水量は90%~99.9%の範囲であり、例えば、淡水は水の0.1%~10%の範囲で投入される。再循環水量は、RAS中の全水量に基づく。他の実施形態では、再循環水量は、95%~99.9%、例えば、98%~99.9%、または99%~99.9%、または99.3%~99.7%の範囲である。
【0040】
上記水流は、上記魚保持ユニットからの水、上記魚保持ユニットからの処理水、他のまたはいくつかの魚保持ユニットからの水、他のまたはいくつかの魚保持ユニットからの処理水、新たに供給される水、またはこれらの任意の混合物を含む可能性がある。
【0041】
循環水流は、ポンプを使用することによって得ることができる。ポンプの使用および適切な流れを得るための配置方法は、当業者に知られている。例えば、ポンプは、水産養殖システム内の適切な場所で正または負の相対圧力を供給することができる。1つまたは複数のポンプを、例えば、水の再循環を得るために再循環導管内のどこにでも配置してもよい。飼料に損傷を与えることを回避するために、ポンプを飼料充填部の上流に配置してもよい。代替的に、魚ポンプなど、ペレットを大きな損傷なしに通過させる穏やかなポンプを飼料充填部の下流に配置してもよい。ペレットの含浸を最小限に抑えるために、ポンプを飼料充填部の上流に配置することが好ましい。
【0042】
好ましい実施形態では、水を含む飼料が水を含む魚保持ユニットに供給されるので、その魚保持ユニットは水面を有し、その水面、またはその水面より上方、またはその水面より下方に、給餌ポイントがある。これにより、上記魚保持ユニット内の魚の種類が飼料を食べる場所に合わせて飼料を放出することができる。したがって、上記給餌ポイントの位置は、給餌のタイプにも合わせることができ、例えば、浮遊している魚のペレットは、水面の近くまたは水面の上方で給餌することができ、一方、沈んでいる魚のペレットは、水面の下方または魚保持ユニットの底部の近くで給餌することができる。魚が水面近くで食べる場合、飼料を水面の上方または水面のすぐ下に供給してもよい。魚が底の近くで食べる場合、飼料を魚保持ユニットの底の近くに供給してもよい。
【0043】
好ましい実施形態では、2つ以上の給餌ポイントが上記水面に対して異なる位置に配置される。これは、魚の均一な給餌が望まれる場合に有益である。深さは、上記水面から上記魚保持ユニットの底部に向かって垂直方向に、即ち、重力の方向と平行に測定される。
【0044】
別の好ましい実施形態では、本方法は、酸素富化水の流れを得るべく水を酸素で処理するステップをさらに含む。
この酸素添加は、上記水処理ユニットと組み合わせてもよく、または、例えば、上記飼料充填部の上流に配置された別個のユニットであってもよい。
以下の説明では、本発明の実施形態を概略図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1図1は、本発明の一実施形態による水再循環導管を備える水産養殖システムの概略図である。
図2図2は、本発明の別の実施形態による2つの水再循環導管を備える水産養殖システムの概略図である。
図3図3は、本発明のさらに別の実施形態による水再循環導管を備える水産養殖システムの概略図である。
図4図4は、本発明のさらに別の実施形態による水再循環導管を備える水産養殖システムの概略図である。
図5図5は、本発明の異なる実施形態による水産養殖システムの6つの概略図(5a-5f)を示す。
図6図6は、本発明の異なる実施形態による水産養殖システムの6つの概略図(6a-6f)を示す。
図7図7は、本発明の異なる実施形態による水産養殖システムの6つの概略図(7a-7f)を示す。
図8図8は、本発明の異なる実施形態による水産養殖システムの5つの概略図(8a-8e)を示す。
図9図9は、本発明の異なる実施形態による水産養殖システムの4つの概略図(9a-9d)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
最初に図1を参照すると、本発明の実施形態の水産養殖システム1の概略図が示されている。水産養殖システムは、上部に開口部を有するタンクの形態の魚保持ユニット2を備える。水保持ユニット2が意図された用途、即ち、魚の飼育に使用される場合、水保持ユニット2は、水99および魚(図示せず)を含む。水再循環導管3は、魚保持ユニット2に流体接続されている。水再循環導管3に含まれる要素は、点線の長方形の内側に示されている。水が再循環されると、水は魚保持ユニット2から開始地点10の再循環導管3に流入し、水処理ユニット23に流入する。矢印は、水産養殖システム1における導管と、意図された水流方向を示す。水は、水処理ユニット23から終了地点11を通って魚保持ユニット2に戻る。この特定の実施形態では、開始地点10は、水面100の下方の水中に位置する。
【0047】
飼料充填部30は、水処理ユニット23の下流に配置され、処理水が終了地点11で魚保持ユニット2に戻る前に飼料を投入する。サイロの形態の飼料貯蔵ユニット31は、飼料充填部30に隣接して配置される。飼料貯蔵ユニット31は、飼料充填部30に飼料を供給する。飼料充填部30は、導管内に飼料を導くためのベンチャーインジェクタなどの飼料投入手段を備える。図示または説明されていない詳細は、当業者には容易に明らかである。同じまたは類似の機能を有する要素は、同じ参照番号を有する。
【0048】
ここで図2を参照すると、本発明の別の実施形態による水産養殖システム1が示されている。水産養殖システム1は、2つの水再循環導管3を有する魚保持ユニット2を備える。第1の水再循環導管3では、水は開始地点10で魚保持ユニット2から、水流に飼料を投入する飼料充填部30に流れる。そして、飼料を含む水は、終了地点11で魚保持ユニット2に戻される。サイロの形態の飼料貯蔵ユニット31は、飼料がそこから水流に投入される飼料充填部30に隣接して配置される。サイロの調整可能な開口部(図示せず)を使用して、水中に投入される飼料の量を調整することができる。代替的に、開口部の開放時間で飼料の量を調整してもよい。代替的に、飼料を水中に投入する前に、飼料を体積測定または重量測定してもよい。飼料充填部30は、飼料を水に入れることができる開口部を導管内に備えてもよく、または導管を飼料貯蔵ユニット31から飼料充填部に結合してもよい。
【0049】
第2の水再循環ユニット3において、水は魚保持ユニット2から開始地点10を介して水処理ユニット23に流れる。そして、処理水は、終了地点11を経由して魚保持ユニット2に戻される。図示されている水産養殖システム1は、水処理ユニット23と飼料貯蔵ユニット31とが互いに離れて位置する場合に、特に、有益であり得る。例えば、水産養殖システム1では、複数の魚保持ユニット2を用いて魚を養殖することが多い。各魚保持ユニット2は、それに流体接続された独立した水処理ユニット23を有してもよいが、一方で、飼料は施設で一元的に貯蔵してもよい。この場合、図示のように2つの再循環導管を有することがより有益であり得る。水ポンプ24は、再循環導管3の両方に配置されている。飼料充填部30を備える再循環導管3において、水ポンプ24は、飼料充填部30の上流に配置される。この設計では、飼料は水ポンプ24を通過する必要がなく、したがって水ポンプ24によって損傷されない。魚ポンプなどの穏やかなポンプが水ポンプ24として使用される場合、飼料が損傷を受けることなく魚ポンプを通過することができる可能性があるため、飼料充填部30の下流に配置することができる。水処理ユニット23を備える再循環導管3において、水ポンプ24は、水処理ユニット23の下流に配置される。代替的に、水ポンプ24は、水処理ユニット23に統合されてもよく、または水処理ユニット23の上流に配置されてもよい。
【0050】
ここで図3を参照すると、本発明の別の実施形態による水産養殖システム1が示されている。水入口22は、システム1内に水を供給する。この水は、水産養殖システム1に追加される新たに供給される水であってもよい。代替的に、水は、別の水産養殖システム1からのものであってもよい。
【0051】
水入口22の上流には、飼料充填部30が配置されている。したがって、システム1への例えば、新たに供給される水の供給により、飼料充填部30から魚保持ユニット2に飼料を水力輸送することができる。
【0052】
水再循環導管3は、魚保持ユニット2に隣接して配置されている。水は魚保持ユニット2から開始地点10を経由して水処理ユニット23に流れる。水処理ユニット23からの水は、終了地点11を介して魚保持ユニット2に還流してもよい。水再循環導管は、水産養殖システム1から水を除去するための水出口21にさらに結合される。一定の水流は、水出口21を通って除去されてもよく、または出口は、水出口を開閉することができるように弁(図示せず)を備えてもよい。この特定の実施形態では、出口21は水処理ユニット23内に配置される。この出口21の位置により、処理された、または部分的に処理された水を取り出すことが可能になる。しかしながら、出口21の位置は、再循環導管3内のどこであってもよく、または魚保持ユニット2に隣接していてもよい。出口の位置は、主に、水産養殖システム1から取り出されるべき所望の水質によって決定される。したがって、出口21を、例えば、バイオフィルタ処理ユニット、機械的フィルタユニット、酸素添加ユニット、pH制御ユニット、温度制御ユニット、紫外線(UV)処理ユニット、COストリッピングユニットおよび/またはオゾン処理ユニットの上流または下流に配置してもよい。代替的に、システム出口を、水処理ユニット23の上流または下流に配置してもよい。水ポンプ24は、水処理ユニットの上流の再循環導管内に配置されているが、開始地点10の下流の再循環導管3内のどこにでも配置することができる。
【0053】
ここで図4を参照すると、本発明の別の実施形態による水産養殖システム1が示されている。水産養殖システム1は、水再循環導管3を備えた魚保持ユニット2を有する。システム1が意図された用途、即ち、魚の飼育に使用される場合、システムは、水面100から魚保持ユニット2の底部までに位置する所望の水量を含む。水は魚保持ユニット2から開始地点10を介して水再循環導管3内の水処理ユニット23に流れることができる。水処理ユニット23で水を処理して、所望の純度および品質の処理水を供給する。そして、処理水は、複数の終了地点11を介して魚保持ユニット2に戻される。飼料は、飼料充填部30において処理水に投入される。複数の終了地点11によって、飼料充填部30からの水および飼料が、魚保持ユニット2内の異なる場所に分配される。この特定の実施形態では、1つの終了地点11は水面100の上方に位置し、2つの終了地点11は魚保持ユニット2の水中の異なる深さに位置する。この設計は、魚保持ユニット2が同時に給餌されるべき多くの魚を含む場合に有益である。異なる魚種はまた、異なる深さで飼料を見つけ/食べることを好む場合がある。図示の実施形態では、再循環水を使用して魚保持ユニット2内のいくつかの深さ/位置への飼料の水力輸送が可能になる。
【0054】
図5では、本発明の6つの異なる実施形態(図5a~図5f)が、再循環導管3の異なる構成を説明するために示されている。再循環導管3は、水面100の上方または下方の異なる位置にあるいくつかの終了地点11、および/または水面100の下方の異なる深さに、または水面100の上方の異なる位置にある開口部を備えてもよい。図5eでは、水流は水処理ユニット23の後で2つの流れに分けられる。第1の流れは魚保持ユニット2に直接戻されるが、第2の流れは飼料充填部30で水流に飼料が投入された後に魚保持ユニット2に戻される。魚保持ユニット2において魚を継続的に給餌しないことが望まれる場合もある。この場合、第2の流れは飼料充填部の上流に配置された弁を備えることができる。この弁は、開位置または閉位置に調整され、それによって水の第2の水流を開閉することができる。弁による導管の開閉部は、システムが定置洗浄(CIP)されるときに特に重要であり、化学薬品または熱水などの洗浄液が魚保持ユニット2に入らないようにする。
【0055】
図6は、本発明の6つの実施形態(図6a~図6f)を示す。図6dは、酸素添加ユニット40が終了地点11の近くで再循環導管3に接続されている好ましい実施形態を示す。酸素添加ユニット40は、飼料充填部30の下流または上流のいずれかに配置してもよい。これにより、魚保持ユニット2に流入する酸素添加水は、魚保持ユニット2における酸素添加水の全体的な割合を増加させることができる。代替的に、酸素添加ユニット40は、水処理ユニット23に備えられてもよい。代替的に、酸素添加ユニット40は、飼料充填部なしの再循環導管内に、または水入口22の上流に配置されてもよい。
【0056】
図7は、本発明の別の6つの実施形態(図7a~図7f)を示す。図7eに示す好ましい実施形態では、水再循環導管3が魚保持ユニット2内に存在しない。飼料は、飼料充填部30上の水入口22に投入される。入口から、新たに供給される水または他の水産養殖システム1からの水を供給してもよい。入口22および飼料充填部30から離れて、水は出口21を介して魚保持ユニット2から出る。
【0057】
図8は、別の5つの実施形態を示す(図8a~図8e)。図8bに示す好ましい実施形態では、水は魚保持ユニット2から水処理ユニット23に流れ、そして水処理ユニット23から同じ水導管を介して魚保持ユニット2に流れる。この場合、魚保持ユニット2へ/から水を再循環させるための開始地点10および終了地点11は同じ場所にある。この実施形態では、流れは2つの異なる方向に変更される。水流が水処理ユニット23から魚保持ユニット2に向けられると、飼料貯蔵ユニットおよび飼料充填部30を介して飼料を水に投入することができる。水流が魚保持タンク2から水処理ユニット23に向けられると、飼料は投入されない。これは、開閉できる弁および水流の方向を変えられるポンプによって制御することができる。
【0058】
図8cに示す別の好ましい実施形態では、2つの魚保持ユニット2は水導管によって流体接続されており、第1の魚保持ユニット2から第2の魚保持ユニット2への水流を可能にしている。また、別の水導管により、第2の魚保持ユニット2から水処理ユニット23に水を流すことができる。水処理ユニット23から第1の魚保持ユニット2に流入する水には、飼料充填部30において飼料貯蔵ユニット31からの飼料を供給することができる。代替的に、2つの水導管の各々は、飼料充填部30および飼料貯蔵ユニット31を有してもよい。この実施形態では、再循環導管3は、水流が第1の魚保持ユニット2から第2の魚保持ユニット2に再循環して第1の魚保持ユニット2に戻ることを可能にするいくつかの水導管から構成される。
【0059】
図8eに示す別の好ましい実施形態では、組み合わされた水入口22および水出口21は、水処理ユニット23に隣接して配置される。処理水は、水処理ユニット23から終了地点11を経由して魚保持ユニット2に還流する。飼料貯蔵ユニット31は、飼料充填部30において再循環導管3に流体接続され、処理水への飼料の補充を可能にする。さらに、水入口22および水出口21のための別個の導管を水処理ユニット23に接続してもよい。代替的に、組み合わされた水入口22および水出口21は、魚保持ユニット2の他の任意の他の位置に配置されてもよい。
【0060】
図9は、別の4つの実施形態を示す(図9a~図9d)。図9aに示す好ましい実施形態では、2つの魚保持ユニット2が同じ水処理ユニット23に接続されている。このような実施形態では、水処理ユニット23を流れることによって、第1の魚保持ユニット2と第2の魚保持ユニット2との間で水を交換することができる。
【0061】
飼料は、単一の飼料貯蔵ユニット31に流体接続された2つの飼料充填部30で水処理ユニット23を出る水流に投入される。
【0062】
図9bに示される本発明の別の好ましい実施形態では、3つの魚保持ユニット2が同じ水産養殖システム1に備えられる。追加の魚保持ユニット2を、飼育される魚の量に応じて、同じ水産養殖システム1に含めてもよい。個々の魚保持ユニット2は、個々の水再循環導管3を有し、この水再循環導管3は、飼料貯蔵ユニット31と、個々の魚保持ユニット2への飼料の補充を可能にする飼料充填部30とを有する。さらに、3つの魚保持ユニット2の各々は、水処理ユニット23が配置された共通の水再循環導管3内に備えられる。処理された水は、水処理ユニット23を出て、分岐した水導管を介して3つの魚保持ユニット2に還流する。図9bの実施形態は、単一の水処理ユニット23で魚保持ユニット2の水を処理しながら、3つの魚保持ユニット2の魚に異なる飼料および/または異なる給餌速度で給餌することができる。
【0063】
図9cに示すさらに好ましい実施形態では、2つの魚保持ユニット2は、複合再循環導管3によって接続されている。2つの魚保持ユニット2のそれぞれには、一対の開始地点10と終了地点11が配置されている。
【0064】
各魚保持ユニット2から単一の水処理ユニット23に水が流れ、そこで2つの水流が混合されてもよい。次いで、処理水は、水処理ユニット23から単一の飼料充填部30に流れ、そこで飼料貯蔵ユニット31から飼料が投入される。飼料充填部30から、水導管は水を流すための2つの導管に分割され、終了地点11を介して2つの魚保持ユニット2のそれぞれにフィードバックする。水入口は、飼料充填部30の下流で前記2つの水入口に分岐し、両方の水産養殖システム1への飼料供給が可能になる。
本発明は、上記に示され説明された実施形態に限定されず、様々な修正および組合せを実行してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 水産養殖システム
2 魚保持ユニット
3 水再循環導管
10 開始地点
11 終了地点
21 出口
22 入口
23 水処理ユニット
24 ポンプ
30 飼料充填部
31 飼料貯蔵ユニット
40 酸素添加水ユニット
99 水
100 水面
【0066】
[実例]
[実例1]-RASにおける飼料の水力輸送
飼料貯蔵ユニットに貯蔵された飼料(ペレット)を、ローブポンプまたはエジェクタを介してRASの導管に投入した。ペレットに対する水の量を、水流と同様に変化させた(以下、水対ペレット重量比として示す)。液体ロス、微粉発生により生ずるロスおよび保持時間を測定した。結果を以下の表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
ここで、
ローブとは、ローブポンプ(飼料貯蔵ユニットからペレットを吸い上げ、ペレットは水中に貯蔵される)の使用を示す。
エジェクタとは、導管にペレットを投入するためのエジェクタの使用を示す(導管内の水流中にペレットを吸引する)。エジェクタは、導管のポンプの後に配置され、それによってペレットが導管のポンプを通過する必要がなくなる。
【0069】
ロス、液体とは、例えば、導管の水流中でペレットから出る油分による重量ロスを示す。
微紛とは、導管の水流中で失われる、例えば、ペレットのくずやダスト、引き裂かれた部分などによるペレットの重量ロスを示す。
【0070】
速度とは、ペレットを伴う水流の流速を示す。
保持時間とは、ペレットが導管の水流中に保持される時間を示す。
【0071】
結論
ペレットの水力輸送は、一般に、異なる水対ペレット比であっても微粉の発生が非常に少なく、液体ロスが少ない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水再循環導管、水処理ユニット、水入口、飼料充填部、魚の飼料ペレットを貯蔵する飼料貯蔵ユニット、および前記第1水再循環導管に流体接続された魚保持ユニットを備え、前記第1水再循環導管の終了地点の開口部付近が給餌ポイントとなり、前記魚保持ユニットが200m ~50,000m の水を含む再循環式水産養殖システムであって、
前記水処理ユニットおよび前記飼料貯蔵ユニットが前記第1水再循環導管内に配置され、その第1水再循環導管内の前記水処理ユニットの下流に前記飼料充填部が配置され、その飼料充填部飼料ペレットが投入されるとその飼料ペレットは前記魚保持ユニットに固液二相流として水力輸送され
または、
前記飼料貯蔵ユニットおよび前記飼料充填部が第1ポンプと共に前記第1水再循環導管内に配置され、かつ前記魚保持ユニットに流体接続された第2水再循環導管をさらに備え、その第2水再循環導管内に前記水処理ユニットが第2ポンプと共に配置され、前記飼料充填部で飼料ペレットが投入されるとその飼料ペレットは前記魚保持ユニットに固液二相流として水力輸送される、
再循環式水産養殖システム。
【請求項2】
前記水処理ユニットは、バイオフィルタ処理ユニットと、固形物除去ユニットと、pH制御ユニットと、温度制御ユニットと、紫外線(UV)処理ユニットと、酸素添加ユニットと、COストリッピングユニットと、オゾン処理ユニットとのうちの1つ以上を含む、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項3】
前記魚保持ユニットは、1つ以上のさらなる魚保持ユニットに流体接続され、前記魚保持ユニットは、任意選択で直列または並列に、またはそれらを組み合わせて結合される、
請求項に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項4】
前記飼料充填部の下流に位置する前記再循環式水産養殖システム内の導管がプラスチック材料で作られている、
請求項に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項5】
前記第1水再循環導管および第2水再循環導管の少なくとも1つの前記飼料充填部から前記給餌ポイントまでの飼料の滞留時間が5秒から3分の範囲である、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項6】
前記魚保持ユニットは水面を有し、
前記給餌ポイントは、前記水面に、または前記水面より上方にもしくは下方にある、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項7】
前記飼料充填部と前記給餌ポイントとの間のレイノルズ数が500,000未満である、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項8】
前記飼料充填部と前記給餌ポイントとの間のレイノルズ数が5,000から20,000の範囲にある、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項9】
前記第1水再循環導管および第2水再循環導管の少なくとも1つは、最大7バールまでの全圧力で作動するように構成されている、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項10】
前記飼料ペレットが、その飼料ペレットの質量に基づいて5%w/w~10%w/wの範囲の含水量を有する、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項11】
前記個液二相流は、前記飼料ペレットおよび水から成る、
請求項1に記載の再循環式水産養殖システム。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の再循環式水産養殖システムにおける飼料の輸送方法であって、
前記循環式水産養殖システムの飼料充填部から給餌ポイントへ水流を供給するステップと、
魚の飼料ペレットから成る飼料を供給するステップと、
水を含む飼料の流れを得るべく、前記飼料充填部において前記飼料を前記水流に投入するステップと、
前記水を含む飼料を前記給餌ポイントに水力輸送するステップと、
を含み、
前記水流が前記再循環式水産養殖システムの魚保持ユニットからの少なくとも部分的に再循環される、
飼料の輸送方法。
【請求項13】
洗浄水の流れを得るべく、前記水流に前記飼料を投入する前に、前記水流を洗浄するステップ、
をさらに含む、
請求項12に記載の飼料の輸送方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
結論
ペレットの水力輸送は、一般に、異なる水対ペレット比であっても微粉の発生が非常に少なく、液体ロスが少ない。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記しておく。
[1]水産養殖システムであって、
水再循環導管、水処理ユニット、水入口、および飼料貯蔵ユニットに流体接続された魚保持ユニットを備え、
前記水入口の上流または前記水再循環導管内に配置された飼料充填部をさらに備え、その飼料充填部で前記システムに飼料が投入されると前記飼料は前記魚保持ユニットに水力輸送され、前記水再循環導管は前記水処理ユニットを備え、前記飼料充填部は前記水処理ユニットの下流に配置される、
水産養殖システム。
[2]前記水処理ユニットは、バイオフィルタ処理ユニットと、固形物除去ユニットと、pH制御ユニットと、温度制御ユニットと、紫外線(UV)処理ユニットと、酸素添加ユニットと、CO ストリッピングユニットと、オゾン処理ユニットとのうちの1つ以上を含む、[1]に記載の水産養殖システム。
[3]前記魚保持ユニットは、1つ以上のさらなる魚保持ユニットに流体接続され、前記魚保持ユニットは、任意選択で直列または並列に、またはそれらを組み合わせて結合される、[1]または[2]に記載の水産養殖システム。
[4]前記飼料充填部の下流に位置する前記水産養殖システム内の導管がプラスチック材料で作られている、[1]から[3]のいずれか一つに記載の水産養殖システム。
[5]再循環式水産養殖システムにおける飼料の輸送方法であって、
前記循環式水産養殖システムの飼料充填部から給餌ポイントへ水流を供給するステップと、
水を含む飼料の流れを得るべく、前記飼料充填部において前記飼料を前記水流に投入するステップと、
前記水を含む飼料を前記給餌ポイントに水力輸送するステップと、
を含み、
前記水流が前記再循環式水産養殖システムの魚保持ユニットからの少なくとも部分的に再循環される飼料の輸送方法。
[6]洗浄水の流れを得るべく、前記水流に前記飼料を投入する前に、前記水流を洗浄するステップ、
をさらに含む、[5]に記載の飼料の輸送方法。
[7]再循環水量は、前記再循環式水産養殖システムにおける全水量に基づいて90%~99.9%の範囲である、[5]または[6]に記載の飼料の輸送方法。
[8]前記水流を洗浄するステップが、バイオろ過、固形物の除去、pH制御、温度制御、紫外線(UV)処理、CO ストリッピング、およびオゾン処理の1つまたは複数を含む、[6]または[7]に記載の飼料の輸送方法。
[9]前記飼料充填部から前記給餌ポイントまでの前記再循環式水産養殖システム内の圧力の変化が最大7バールである、[5]から[8]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[10]前記飼料充填部から前記給餌ポイントまでの滞留時間が3分以内である、[5]から[9]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[11]水面を有する前記魚保持ユニットに水を含む前記飼料を供給し、前記給餌ポイントは、前記水面に、または前記水面より上方にもしくは下方にある、[5]から[10]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[12]2つ以上の給餌ポイントが、前記水面に対して異なる位置に配置される、[5]から[11]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[13]レイノルズ数が500,000未満である、[5]から[12]のいずれか一項に記載の飼料の輸送方法。
[14]レイノルズ数が5,000から20,000の範囲にある、[5]から[13]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[15]前記再循環式水産養殖システム内の水を、1時間当たり0.5~20回再循環させる、[5]から[14]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
[16]前記飼料が、前記飼料の質量に基づいて5%w/w~10%w/wの範囲の含水量を有する、[5]から[15]のいずれか一つに記載の飼料の輸送方法。
【外国語明細書】