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  • -捺染用インクジェットインク組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025165048
(43)【公開日】2025-11-04
(54)【発明の名称】捺染用インクジェットインク組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/328 20140101AFI20251027BHJP
   D06P 5/30 20060101ALI20251027BHJP
   D06P 1/384 20060101ALI20251027BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20251027BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20251027BHJP
   C09D 11/38 20140101ALI20251027BHJP
【FI】
C09D11/328
D06P5/30
D06P1/384
B41M5/00 120
B41M5/00 114
B41J2/01 501
C09D11/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024068894
(22)【出願日】2024-04-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 柚花
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4H157
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EA21
2C056FB03
2C056FC01
2H186AB13
2H186BA09
2H186DA17
2H186FB11
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB18
2H186FB25
2H186FB29
2H186FB30
2H186FB53
4H157AA01
4H157BA07
4H157BA26
4H157DA01
4H157DA24
4H157GA06
4H157JA11
4H157JB03
4J039BC10
4J039BC13
4J039BC35
4J039BC60
4J039BE01
4J039BE12
4J039BE19
4J039BE22
4J039CA06
4J039EA38
4J039EA41
4J039EA44
4J039EA46
4J039FA03
4J039GA05
4J039GA24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吐出安定性及び印捺物の洗濯堅牢性が良好な捺染用インクジェットインク組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される色材と、水溶性有機溶剤と、含窒素複素環式化合物と、を含有し、インク組成物の総量に対する、前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす、捺染用インクジェットインク組成物。
0<x≦0.5・・・(A)

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される色材と、
水溶性有機溶剤と、
含窒素複素環式化合物と、を含有し、
インク組成物の総量に対する、前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす、捺染用インクジェットインク組成物。
0<x≦0.5 ・・・(A)
【化1】

・・・式(1)
(式(1)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基、SONH、SOXのいずれかであり、Xは、独立にNa、K、Liのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基の数をa、SONHの数をb、SOXの数をcとしたとき、a、b、cは、次の関係を満たす。a=1~2、b=0~2、c=1~3、a+b+c=4)
【請求項2】
請求項1において、
前記モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基が、以下の式(2)~式(4)の構造のいずれかである、捺染用インクジェットインク組成物。
【化2】

・・・式(2)
【化3】

・・・式(3)
【化4】

・・・式(4)
【請求項3】
請求項1において、
前記含窒素複素環式化合物が、以下の式(5)で表される化合物、3~6員環の単環化合物、及び、3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物、から選択される1種以上を含有する、捺染用インクジェットインク組成物。
【化5】

・・・式(5)
(式(5)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基、SONH、SONa、Hのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基の数をd、SONHの数をe、SONaの数をf、Hの数をgとしたとき、d、e、f、gは、次の関係を満たす。d=1~2、e=0~2、f=1~3、g=1~3、d+e+f+g=4)
【請求項4】
請求項3において、
前記3~6員環の単環化合物、及び、前記3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物は、重量平均分子量(Mw)が200以下である、捺染用インクジェットインク組成物。
【請求項5】
請求項3において、
前記含窒素複素環式化合物は、前記式(5)で表される化合物、イソインドリン、トリプタミン、2-メチルピペラジン、プロリノールから選択される1種以上を含有する、捺染用インクジェットインク組成物。
【請求項6】
請求項1において、
前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式を満たす、捺染用インクジェットインク組成物。
0.01≦x ・・・(B)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捺染用インクジェットインク組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット法は、紙等に対する画像の記録だけでなく、布帛の捺染にも適用が試みられ、各種のインクジェット捺染が検討されている。捺染用のインクジェットインクは、所望の色の画像を得るために色材を含有し、色材として染料や顔料が用いられる。また、インクジェット捺染においても、インクや記録方法において多くの検討が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、モノクロロトリアジン基を有するフタロシアニン染料を用いたインクジェットインクが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-116310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のインクジェットインクはモノクロロトリアジン基を有するフタロシアニン染料を用いているので、布帛に染着し良好な発色性の画像を得ることができる。しかし、洗濯堅牢性に劣る傾向があり、インクジェット法における吐出安定性が低下する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る捺染用インクジェットインク組成物の一態様は、
捺染用インクジェットインク組成物は、
下記式(1)で表される色材と、
水溶性有機溶剤と、
含窒素複素環式化合物と、
を含有し、
インク組成物の総量に対する、前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす。
0<x≦0.5 ・・・(A)
【0007】
【化1】

・・・式(1)
【0008】
(式(1)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基、SONH、SOXのいずれかであり、Xは、独立にNa、K、Liのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基の数をa、SONHの数をb、SOXの数をcとしたとき、a、b、cは、次の関係を満たす。a=1~2、b=0~2、c=1~3、a+b+c=4)
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例の組成及び評価結果を示す表1。
図2】比較例の組成及び評価結果を示す表2。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施形態について説明する。以下に説明する実施形態は、本発明の例を説明するものである。本発明は以下の実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形形態も含む。なお、以下で説明される構成の全てが本発明の必須の構成であるとは限らない。
【0011】
1.捺染用インクジェットインク組成物
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、下記式(1)で表される色材と、水溶性有機溶剤と、含窒素複素環式化合物と、を含有する。そして、インク組成物の総量に対する、含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす。
0<x≦0.5 ・・・(A)
【0012】
【化2】

・・・式(1)
【0013】
(式(1)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基、SONH、SOXのいずれかであり、Xは、独立にNa、K、Liのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基の数をa、SONHの数をb、SOXの数をcとしたとき、a、b、cは、次の関係を満たす。a=1~2、b=0~2、c=1~3、a+b+c=4)(なお、「~」を用いて表される数値の範囲は、両端の値を含むものとする。)
【0014】
1.1.式(1)で表される色材
式(1)の説明において、ビニルスルホン基に変換可能な基としては、
-S(=O)-CH-CH-O-S(=O)ONa、又は、
-S(=O)-CH-CH-OH
を例示できる。
【0015】
式(1)で表される色材の例としては、C.I.リアクティブブルー15:1、C.I.リアクティブブルー15、C.I.リアクティブブルー72、C.I.リアクティブブルー21、などを挙げることができる。なお、C.I.リアクティブブルー21は、ビニルスルホン基に変換可能な基として、-S(=O)-CH-CH-O-S(=O)ONaを有している。
【0016】
また、式(1)で表される色材において、Yがモノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基である場合、当該モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基は、以下の式(2)~式(4)の構造のいずれかであることが好ましい。
【0017】
【化3】

・・・式(2)
【0018】
【化4】

・・・式(3)
【0019】
【化5】

・・・式(4)
【0020】
上述のC.I.リアクティブブルー15:1は、上記式(2)の構造の反応基を有し、C.I.リアクティブブルー15は、上記式(3)の構造の反応基を有し、C.I.リアクティブブルー72は、上記式(4)の構造の反応基を有している。
【0021】
式(1)で表される色材は、複数種を併用することができる。式(1)で表される色材の合計の含有量は、捺染用インクジェットインク組成物の総量に対して、3質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましく、7質量%以上13質量%以下がさらに好ましい。
【0022】
1.2.水溶性有機溶剤
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、水溶性有機溶剤を含む。
【0023】
水溶性有機溶剤としては、水溶性を有する限り限定されず、エステル類、アルキレングリコールエーテル類、環状エステル類、含窒素溶剤、多価アルコール等を挙げることができる。含窒素溶剤としては環状アミド類、非環状アミド類などを挙げることができる。非環状アミド類としてはアルコキシアルキルアミド類などが挙げられる。
【0024】
エステル類としては、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールモノアセテート類、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等のグリコールジエステル類が挙げられる。
【0025】
アルキレングリコールエーテル類としては、アルキレングリコールのモノエーテル又はジエーテルであればよく、アルキルエーテルが好ましい。具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、及び、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類が挙げられる。
【0026】
環状エステル類としては、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、β-ブチロラクトン等の環状エステル類(ラクトン類)、並びに、それらのカルボニル基に隣接するメチレン基の水素が炭素数1~4のアルキル基によって置換された化合物を挙げることができる。
【0027】
アルコキシアルキルアミド類としては、例えば、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-メトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-メトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-エトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-ジエチルプロピオンアミド、3-n-ブトキシ-N,N-メチルエチルプロピオンアミド等を例示することができる。
【0028】
環状アミド類としては、ラクタム類が挙げられ、例えば、2-ピロリドン、1-メチル-2-ピロリドン、1-エチル-2-ピロリドン、1-プロピル-2-ピロリドン、1-ブチル-2-ピロリドン、等のピロリドン類などが挙げられる。
【0029】
また、アルコキシアルキルアミド類として、下記一般式(1)で表される化合物を用いることも好ましい。
【0030】
-O-CHCH-(C=O)-NR ・・・(1)
【0031】
上記式(1)中、Rは、炭素数1以上4以下のアルキル基を示し、R及びRは、それぞれ独立にメチル基又はエチル基を示す。「炭素数1以上4以下のアルキル基」は、直鎖状又は分岐状のアルキル基であることができ、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基であることができる。上記式(1)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0032】
多価アルコールとしては、1,2-アルカンジオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール(別名:プロパン-1,2-ジオール)、1,2-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール等のアルカンジオール類)、1,2-アルカンジオールを除く多価アルコール(ポリオール類)(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール(別名:1,3-ブチレングリコール)、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチルペンタン-2,4-ジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等)等が挙げられる。
【0033】
多価アルコール類は、アルカンジオール類とポリオール類を挙げることができる。アルカンジオール類は、炭素数5以上のアルカンのジオールである。アルカンの炭素数は好ましくは5~15であり、より好ましくは6~10であり、更に好ましくは6~8である。好ましくは1,2-アルカンジオールである。
【0034】
ポリオール類は炭素数4以下のアルカンのポリオールか、炭素数4以下のアルカンのポリオールの水酸基同士の分子間縮合物である。アルカンの炭素数は好ましくは2~3である。ポリオール類の分子中の水酸基数は2以上であり、好ましくは5以下であり、より好ましくは3以下である。ポリオール類が上記の分子間縮合物である場合、分子間縮合数は2以上であり、好ましくは4以下であり、より好ましくは3以下である。多価アルコール類は、1種単独か又は2種以上を混合して使用することができる。
【0035】
なお、アルカンジオール類及びポリオール類は、主に浸透溶剤及び/又は保湿溶剤として機能することができる。しかし、アルカンジオール類は浸透溶剤としての性質が強い傾向があり、ポリオール類は保湿溶剤としての性質が強い傾向がある。
【0036】
水溶性有機溶剤は、複数種を併用することができる。水溶性有機溶剤の合計の含有量は、捺染用インクジェットインク組成物の総量に対して、2質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上25質量%以下がより好ましく、10質量%以上20質量%以下がさらに好ましい。
【0037】
1.3.含窒素複素環式化合物
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、含窒素複素環式化合物を含む。含窒素複素環式化合物は、窒素を含む複素環を有する化合物であり、飽和又は不飽和であってよい。
【0038】
含窒素複素環式化合物としては、ピリジン、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、テトラヒドロキノリン、ピリミジン、ピラジン、キナゾリン、イソインドリン、トリプタミン、ピペラジン、ピペリドン、ピペリジン、プロリノール、トリアゾール、トリアジン、テトラゾール、イミダゾール、モルホリン、プリン、アデニン、グアニン、ヒポキサンチン、キサンチン、テオブロミン、カフェイン、尿酸、イソグアニン等が挙げられ、それぞれ置換基を有していてもよい。
【0039】
含窒素複素環式化合物を上記例示化合物から選択する場合、3~6員環の単環化合物、及び、3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物、並びに、それらに置換基を有する化合物から選択することがより好ましい。さらに、この場合、3~6員環の単環化合物、及び、前記3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物、並びに、それらに置換基を有する化合物は、重量平均分子量(Mw)が200以下であることが好ましい。
【0040】
含窒素複素環式化合物を上記例示化合物から選択する場合、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をより良好にできる。
【0041】
さらに、含窒素複素環式化合物としては、下記式(5)で表される化合物を用いてもよい。
【0042】
【化6】

・・・式(5)
【0043】
(式(5)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基、SONH、SONa、Hのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基の数をd、SONHの数をe、SONaの数をf、Hの数をgとしたとき、d、e、f、gは、次の関係を満たす。d=1~2、e=0~2、f=1~3、g=1~3、d+e+f+g=4)
【0044】
本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物は、含窒素複素環式化合物が、式(5)で表される化合物、並びに、3~6員環の単環化合物、3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物、及び、それらに置換基を有する化合物、から選択される1種以上を含有することがより好ましい。
【0045】
さらに、本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物は、含窒素複素環式化合物として、式(5)で表される化合物、イソインドリン、トリプタミン、2-メチルピペラジン、プロリノールから選択される1種以上を含有することがさらに好ましい。
【0046】
捺染用インクジェットインク組成物が、このような含窒素複素環式化合物を含有することで、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をさらに良好にできる。
【0047】
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、インク組成物の総量に対する、上述の含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす。
0<x≦0.5 ・・・(A)
【0048】
すなわち、本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、インク組成物の総量に対する、上述の含窒素複素環式化合物の合計含有量は、0質量%を超え0.5質量%以下である。
【0049】
このようにすれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性を良好にできる。
【0050】
さらに、本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、上述の含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式を満たすことが好ましい。
0.01≦x ・・・(B)
【0051】
すなわち、本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、インク組成物の総量に対する、上述の含窒素複素環式化合物の合計含有量は、0.01質量%以上であることが好ましい。
【0052】
さらに、本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物は、インク組成物の総量に対する、上述の含窒素複素環式化合物の合計含有量は、0.01質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上0.3質量%以下であることがさらに好ましく、0.2質量%以上0.3質量%以下であることがよりさらに好ましい。
【0053】
このようにすれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をさらに良好にできる。
【0054】
1.4.その他の成分
本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物は、以下の成分を含んでもよい。
【0055】
(界面活性剤)
捺染用インクジェットインク組成物は、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、組成物の表面張力を調節し、例えば布帛との濡れ性等を調整する機能を備える。界面活性剤の中でも、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0056】
アセチレングリコール系界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、サーフィノール104、104E、104H、104A、104BC、104DPM、104PA、104PG-50、104S、420、440、465、485、SE、SE-F、504、61、DF37、CT111、CT121、CT131、CT136、TG、GA、DF110D(以上全て商品名、エア・プロダクツ&ケミカルズ社製)、オルフィンB、Y、P、A、STG、SPC、E1004、E1010、PD-001、PD-002W、PD-003、PD-004、EXP.4001、EXP.4036、EXP.4051、AF-103、AF-104、AK-02、SK-14、AE-3(以上全て商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E00P、E40、E100(以上全て商品名、川研ファインケミカル社製)が挙げられる。
【0057】
シリコーン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリシロキサン系化合物が好ましく挙げられる。当該ポリシロキサン系化合物としては、特に限定されないが、例えばポリエーテル変性オルガノシロキサンが挙げられる。当該ポリエーテル変性オルガノシロキサンの市販品としては、例えば、BYK-306、BYK-307、BYK-333、BYK-341、BYK-345、BYK-346、BYK-348(以上商品名、ビックケミー・ジャパン社製)、KF-351A、KF-352A、KF-353、KF-354L、KF-355A、KF-615A、KF-945、KF-640、KF-642、KF-643、KF-6020、X-22-4515、KF-6011、KF-6012、KF-6015、KF-6017(以上商品名、信越化学工業社製)、シルフェイスSAG002、005、503A、008(以上商品名、日信化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0058】
フッ素系界面活性剤としては、フッ素変性ポリマーを用いることが好ましく、具体例としては、BYK-3440(ビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS-241、S-242、S-243(以上商品名、AGCセイミケミカル社製)、フタージェント215M(ネオス社製)等が挙げられる。
【0059】
捺染用インクジェットインク組成物に界面活性剤を含有させる場合には、複数種を含有させてもよい。捺染用インクジェットインク組成物に界面活性剤を含有させる場合の含有量は、捺染用インクジェットインク組成物の全質量に対して、0.1質量%以上2質量%以下、好ましくは0.3質量%以上1.5質量%以下、より好ましくは、0.4質量%以上1.0質量%以下とすることができる。
【0060】
捺染用インクジェットインク組成物においては、色材の含有量は、捺染用インクジェットインク組成物の総量に対して、0.1質量%以下であることが好ましい。すなわち、捺染用インクジェットインク組成物は、着色を意図して用いられないことが好ましい。
【0061】
(添加剤)
捺染用インクジェットインク組成物は、添加剤を含んでもよい。添加剤としては、pH調整剤、糖類、キレート化剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、その他が挙げられる。
【0062】
pH調整剤としては、特に限定されないが、酸、塩基、弱酸、弱塩基の適宜の組み合わせが挙げられる。そのような組み合わせに用いる酸、塩基の例としては、無機酸として、硫酸、塩酸、硝酸等、無機塩基として水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等が挙げられ、有機塩基として、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン(THAM)等が挙げられ、有機酸として、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、モルホリノエタンスルホン酸(MES)、カルバモイルメチルイミノビス酢酸(ADA)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、コラミン塩酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、アセトアミドグリシン、トリシン、グリシンアミド、ビシン等のグッドバッファー、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液等を用いてもよい。さらに、これらのうち、pH調整剤の一部又は全部として、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の第三級アミン、及び、アジピン酸、クエン酸、コハク酸、乳酸等のカルボキシル基含有有機酸、が含まれることが、pH緩衝効果をより安定に得ることができるため好ましい。
【0063】
糖類の具体例としては、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、及びマルトトリオース等が挙げられる。
【0064】
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩、又は、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、若しくはメタリン酸塩等)等が挙げられる。
【0065】
防腐剤、防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロキセルCRL、プロキセルBDN、プロキセルGXL、プロキセルXL-2、プロキセルIB、及びプロキセルTN(いずれもロンザジャパン社製、商品名)、4-クロロ-3-メチルフェノール(バイエル社のプリベントールCMK等)などが挙げられる。
【0066】
防錆剤の例としては、ベンゾトリアゾール、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。この中でも特にベンゾトリアゾールが好適である。
【0067】
その他の添加剤としては、粘度調整剤、防黴剤、酸化防止剤、酸素吸収剤等が挙げられる。
【0068】
1.5.製造及び物性
捺染用インクジェットインク組成物は、布帛等にインクジェット法により付着されるので、その粘度は、20℃において、1.5mPa・s以上15mPa・s以下とすることが好ましく、1.5mPa・s以上7mPa・s以下とすることがより好ましく、1.5mPa・s以上5.5mPa・s以下とすることがより好ましい。
【0069】
捺染用インクジェットインク組成物は、布帛等への濡れ拡がり性を適切なものとする観点から、25℃における表面張力は、40mN/m以下、好ましくは38mN/m以下、より好ましくは35mN/m以下、さらに好ましくは30mN/m以下であることが好ましい。また、表面張力は、20mN/m以上がこのましく、25mN/m以上がより好ましい。
【0070】
なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP-Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートを組成物で濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
【0071】
捺染用インクジェットインク組成物は、前述した成分を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
【0072】
1.6.付着の態様
捺染用インクジェットインク組成物は、インクジェット法により布帛等に付着される。捺染用インクジェットインク組成物の付着量は、限定されないが、例えば、15g/m以上120g/m以下が好ましく、30g/m以上80g/m以下がより好ましく、30g/m以上60g/m以下がさらに好ましい。
【0073】
1.7.作用効果等
本実施形態に係る捺染用インクジェットインク組成物によれば、式(1)で表される色材を含有するので、布帛に染着し良好な発色性の画像を得ることができる。一方、一般には式(1)で表される色材を用いて形成された記録物は、洗濯堅牢性に劣る傾向があるところ、本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物によれば、含窒素複素環式化合物を少量含有することで、画像の発色性を阻害せずに、記録物の洗濯堅牢性を向上することができる。また、一般に、含窒素複素環式化合物を含有させる場合、インクジェット吐出安定性が低下することがあるところ、本実施形態の捺染用インクジェットインク組成物によれば、その含有量を0.5質量%以下とすることで、洗濯堅牢性と吐出安定性とを両立することができる。
【0074】
2.実施例及び比較例
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下、「部」「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。なお評価は、特に断りが無い場合は、温度25℃、相対湿度40.0%の環境下で行った。
【0075】
2.1.各組成物の調製
以下のように各例の捺染用インクジェットインク組成物を調製した。各材料を表に示す組成で混合し、十分に撹拌し、インク組成物を得た。なお、数値は固形分濃度であり、数値の単位は質量%であり、合計は100.0質量%である。
【0076】
表1、表2に示す略称、製品名について、説明を補足する。
・RB15:1 :C.I.リアクティブブルー15:1(CAS No.149343-84-0の化合物であり、上述の式(2)の反応基を有する。)
・RB15 :C.I.リアクティブブルー15(CAS No.12225-39-7の化合物であり、上述の式(3)の反応基を有する。)
・RB72 :C.I.リアクティブブルー72(CAS No.68967-01-1の化合物であり、上述の式(4)の反応基を有する。)
・PB15 :C.I.ピグメントブルー15(CAS No.147-14-8の化合物であり、RB15の未スルホン体であり、上述の式(3)の反応基を有さず、フタロシアニン骨格の置換基が全てH基である。)
・RB4 :C.I.リアクティブブルー4(CAS No.13324-20-4の化合物であり、フタロシアニン骨格を有しない。
・RB21 :C.I.リアクティブブルー21(CAS No.12236-86-1の化合物であり、ビニルスルホン基に変換可能な基を有する。)
・化合物A :RB15:1を使用し、脱スルホン化処理により得られたフタロシアニン骨格にH基を1~3個有する化合物。
・オルフィンPD002W:日信化学工業社製 アセチレングリコール系界面活性剤
・プロキセルXL-2:ロンザジャパン社製 防腐剤・防かび剤
【0077】
表1及び表2には、「Mw」として物質の分子量を付記した。
【0078】
2.2.評価方法
2.2.1.吐出安定性の評価
インクジェット記録装置:PX-H6000(セイコーエプソン株式会社製)を用いて以下に示すテストを行った。
実施例1~13、及び比較例1~4の組成で調製したインク組成物を充填した。評価機の全てのノズルが抜け・曲りなどなく正常吐出していることを確認した後、連続吐出を続け、10時間後の吐出安定性を以下のように評価した。結果を表に記載した。「C」以上であれば良好と言える。
A:全ノズルが正常に吐出
B:全ノズル数に対して、10%未満のノズルで抜け・曲りが発生
C:全ノズル数に対して、20%未満のノズルで抜け・曲りが発生
D:全ノズル数に対して、20%以上のノズルで抜け・曲りが発生
【0079】
2.2.2.保存安定性の評価
インクをアルミパックに封入し、これを60℃10日放置した。放置後、温度を5℃まで低下させ、10μm孔径のメンブレンフィルターに10mL通液した。通液後のメンブレンフィルターを観察して、フィルターの被覆率を算出した。以下の基準で評価し、結果を表に記載した。「C」以上であれば良好と言える。
A:凝集物が全く観察されない。
B:通液できたが、凝集物が観察され、フィルターの被覆率が10%以下。
C:通液できたが、凝集物が観察され、フィルターの被覆率が10%超30%未満。
D:通液できず、凝集物が大量に観察され、フィルターの被覆率が30%以上。
【0080】
2.2.3.洗濯堅牢性の評価
当該記録装置用のインクカートリッジに実施例及び比較例の組成で調製したインク組成物を各アルミパックに注入後、これを記録装置に装着しインクを充填後、ベタ印刷を行った捺染物を各色用意した。なお、前処理を施したコットンを使用した。次いで、スチーマー(マチス社製:スチーマーDHe型)を用いて102℃の高加湿条件下で12分間スチーミング処理を行い得られた捺染物を、ISO 105-C10:2006に準じた方法で洗濯堅牢性評価を実施した。以下の基準で評価し、結果を表に記載した。「D」以上であれば良好と言える。
A:洗濯堅牢性が4級以上である。
B:洗濯堅牢性が3級以上、4級未満である。
C:洗濯堅牢性が2級以上、3級未満である。
D:洗濯堅牢性が1級以上、2級未満である。
E:洗濯堅牢性が1級未満である。
【0081】
2.3.評価結果
各表をみると、上述の式(1)で表される色材と、水溶性有機溶剤と、含窒素複素環式化合物と、を含有し、インク組成物の総量に対する、前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、関係式(A)「0<x≦0.5」を満たす、各実施例の捺染用インクジェットインク組成物は、いずれも吐出安定性及び印捺物の洗濯堅牢性が良好であることが判明した。
【0082】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0083】
上述した実施形態及び変形例から以下の内容が導き出される。
【0084】
捺染用インクジェットインク組成物は、
下記式(1)で表される色材と、
水溶性有機溶剤と、
含窒素複素環式化合物と、
を含有し、
インク組成物の総量に対する、前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式(A)を満たす。
0<x≦0.5 ・・・(A)
【0085】
【化7】

・・・式(1)
【0086】
(式(1)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基、SONH、SOXのいずれかであり、Xは、独立にNa、K、Liのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基、又は、ビニルスルホン基に変換可能な基、を1つ以上有する反応基の数をa、SONHの数をb、SOXの数をcとしたとき、a、b、cは、次の関係を満たす。a=1~2、b=0~2、c=1~3、a+b+c=4)
【0087】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、式(1)で表される色材を含有するので、布帛に染着し良好な発色性の画像を得ることができる。一方、一般には式(1)で表される色材を用いて形成された記録物は、洗濯堅牢性に劣る傾向があるところ、この捺染用インクジェットインク組成物によれば、含窒素複素環式化合物を少量含有することで、画像の発色性を阻害せずに、記録物の洗濯堅牢性を向上することができる。また、一般に、含窒素複素環式化合物を含有させる場合、インクジェット吐出安定性が低下することがあるところ、その含有量を0.5質量%以下とすることで、洗濯堅牢性と吐出安定性とを両立することができる。
【0088】
上記捺染用インクジェットインク組成物において、
前記モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基が、以下の式(2)~式(4)の構造のいずれかであってもよい。
【0089】
【化8】

・・・式(2)
【0090】
【化9】

・・・式(3)
【0091】
【化10】

・・・式(4)
【0092】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をより良好にできる。
【0093】
上記捺染用インクジェットインク組成物において、
前記含窒素複素環式化合物が、以下の式(5)で表される化合物、3~6員環の単環化合物、及び、3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物、から選択される1種以上を含有してもよい。
【0094】
【化11】

・・・式(5)
【0095】
(式(5)中、複数のYは、それぞれ独立に、モノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基、SONH、SONa、Hのいずれかであり、Yとしてのモノクロロトリアジン基を1つ以上有する反応基の数をd、SONHの数をe、SONaの数をf、Hの数をgとしたとき、d、e、f、gは、次の関係を満たす。d=1~2、e=0~2、f=1~3、g=1~3、d+e+f+g=4)
【0096】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をさらに良好にできる。
【0097】
上記捺染用インクジェットインク組成物において、
前記3~6員環の単環化合物、及び、前記3~6員環の環構造を2~3個有する縮合環化合物は、重量平均分子量(Mw)が200以下であってもよい。
【0098】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をより良好にできる。
【0099】
上記捺染用インクジェットインク組成物において、
前記含窒素複素環式化合物は、前記式(5)で表される化合物、イソインドリン、トリプタミン、2-メチルピペラジン、プロリノールから選択される1種以上を含有してもよい。
【0100】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をより良好にできる。
【0101】
上記捺染用インクジェットインク組成物において、
前記含窒素複素環式化合物の合計含有量x(質量%)が、以下の関係式を満たしてもよい。
0.01≦x ・・・(B)
【0102】
この捺染用インクジェットインク組成物によれば、インクジェットにおける吐出安定性、及び、得られる記録物の洗濯堅牢性をより良好にできる。
図1
図2