(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016512
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】医学的または化学的または生物学的または化粧品用途のためのレーザー照射によって逐次的に照射される磁気ナノ粒子
(51)【国際特許分類】
A61B 18/04 20060101AFI20250128BHJP
A61B 18/20 20060101ALI20250128BHJP
A61N 5/067 20060101ALI20250128BHJP
A61K 41/00 20200101ALI20250128BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
A61B18/04
A61B18/20
A61N5/067
A61K41/00
A61P43/00 125
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024178350
(22)【出願日】2024-10-10
(62)【分割の表示】P 2019092504の分割
【原出願日】2019-05-15
(31)【優先権主張番号】18020211.1
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】18020623.7
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】512131003
【氏名又は名称】アルファオンコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アルファンデリ―、エドワール
(57)【要約】 (修正有)
【課題】逐次レーザー照射を用い、医療、生物学、化学、または美容の治療に用いるマグネトソームを提供する。
【解決手段】マグネトソームは個人の身体部品に投入され、そして、第1ステップで、そのマグネトソームは第1の出力のレーザー放射で照射され、第2ステップで、そのマグネトソームは第1ステップにおけるより低い出力のレーザー放射で照射されるか、レーザー照射を受けない。そして上記第1ステップと第2ステップからなるシーケンスが少なくとも1回繰り返される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逐次的なレーザー照射による医学的または生物学的または化学的または美容的処理におけ
るマグネトソームの使用法であって、前記マグネトソームは個人の身体部品に投与され、
そして
第1ステップでは、マグネトソームに第1の出力でレーザー放射を照射し、
第2ステップでは、マグネトソームは前記第1ステップにおけるよりも低いパワーのレー
ザー照射によって照射されるか、またはマグネトソームのレーザー照射は行わず、そして
前記第1ステップおよび前記第2ステップを含むシーケンスは少なくとも1回繰り返され
る方法。
【請求項2】
請求項1のマグネトソームの使用法であって、そこでのマグネトソームは生物、特に走磁
性細胞によって合成する方法。
【請求項3】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは前記第1ス
テップはさらに加熱または前記マグネトソームからの少なくとも1つの化合物の解離また
はその両方を含む方法。
【請求項4】
請求項3によるマグネトソームの使用法であって、前記第1ステップの加熱は以下のグル
ープ
(1)摂氏100度以下の平均加熱温度、
(2)処理中に到達する最高温度より低い平均加熱温度、
(3)摂氏100度以下の最高加熱温度、
(4)いくつかの2より大きい加熱温度勾配、そして
(5)レーザーによる前記マグネトソームの連続照射によって到達するいくつかの加熱温
度勾配より大きい照射で構成される少なくとも2つのステップの後にマグネトソームをレ
ーザーで逐次照射して到達するいくつかの加熱温度勾配、
から選択される少なくとも1つの特性によって特徴づけられる加熱温度で行われる方法、
【請求項5】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは第2ステッ
プが冷却またはマグネトソームからの少なくとも1つの化合物の非解離またはその両者か
ら構成される方法。
【請求項6】
請求項5によるマグネトソームの使用法であって、そこでは前記第2ステップの冷却が以
下のグループ
(1)摂氏0度より高い平均冷却温度、
(2)いくつかの2より大きい冷却温度勾配、
から選択される少なくとも1つの特性によって特徴づけられる冷却温度で行われる方法、
【請求項7】
請求項5または請求項6によるマグネトソームの使用法であって、そこでは前記第2ステ
ップは身体部品またはマグネトソームの温度を下げるための物体または機器の存在のもと
で実行され、そこでは、
i) 前記第2ステップは、そのような物体または機器が存在しない時より存在
するときにより短くなり、
ii) 前記第2ステップにおける最高および最低温度の間の差はにより大きくなり
、
iii) 前記第1ステップの間におけるマグネトソームを照射するレーザーの出力は
そのような物体または機器が存在しない時より存在するときに低くなり、
iv) 身体部品に含まれるマグネトソームの濃度は、そのような物体または機器が
存在しない時より存在するときにより低くなり、そして
v) 少なくとも1セッションの間に実行されるシーケンスの数は、そのような物
体または機器が存在しない時より存在するときにより多くなる、
ようにする方法。
【請求項8】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこで前記第1ステ
ップは加熱を前記第2ステップは冷却を含み、前記第1ステップの加熱温度および前記第
2ステップにおける冷却温度は、安定または前記第1ステップまたは前記第2ステップの
期間の99.9% より短い間に105, 103, 10, 1 or 10-1 °Cより少ない変動である方法。
【請求項9】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、前記第1ステップま
たは前記第2ステップまたはその両者は、
(1) 10-50 と 1050分の期間であり、そして
(2) 前記第1ステップと前記第2ステップを分離しているステップ間の期間は
、
i) 10-10 と1020分の間、または
ii) 前記第1ステップまたは前記第2ステップの期間より短い
ような方法。
【請求項10】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは前記第1ス
テップと前記第2ステップとからなるシーケンスの少なくとも1つは、
(1) 10-50 分と 1050分の間のシーケンスの期間、
(2) 10-10 分と 1020分の間である2つのシーケンスの間またはシーケンス間の期間、
(3) 少なくとも1つのステップの期間より長い少なくとも1つのシーケンスの期間、そし
て
(4) 少なくとも1つのシーケンスの期間または少なくとも1つのステップの期間より短い
少なくとも1つのシーケンス間の期間、
からなるグループの中から選ばれる少なくとも1つの特性によって特徴づけられる方法。
【請求項11】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは少なくとも
1つのシーケンスの連なりは治療セッションであり、そこでは治療セッションは、以下の
グループ、
(1) 各治療セッションは10-50 分と105分の間の長さを持ち、2つの治療セッション
の間のセッション間の期間があり、それは10-10 分と 1020分の間である、
(2) 少なくとも1つのセッションは少なくとも1つのシーケンスの期間より長い、
そして
(3) 2つのセッションの間には少なくとも1つのセッション間隔があり、それは少
なくとも1つのシーケンスの期間より長い期間をもつ、
の中から選ばれる少なくとも1つの特性によって特徴づけられる方法。
【請求項12】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは、前記第1
ステップまたは前記第2ステップまたはその両者は、マグネトソームからの少なくとも1
つの化合物の解離が与えられた百分率に到達するか、前記第1ステップの所定の温度GTFS
、または前記第2ステップの所定の温度GTSS、またはその両者が到達されたときに終了し
、ここでGTSS およびGTFSは以下のグループ、
(1)GTSS はGTFSの上である、
(2)GTSS からGTFSを引いたものは10-5 と105 °Cの間にある、
(3)GTSSまたはGTFSまたはその両者は-273 と 103 °Cの間にある、
(4)GTSSは温熱療法の間に達した温度の範囲内にある、
(5)GTFS は: i) -40 °C、 ii) 0°C,、または iii) 37 °Cより高い、
(6)GTSS とGTFSはi) 100 °C、または ii) 切除温度または70 °Cより低い、そして
(7)GTSS とGTFSは105、103、10、5、2 or 1 °Cより低くまたは37 °Cまたは生理的温
度より高い、
の中から選ばれる少なくとも1つの特性によって特徴づけられる方法。
【請求項13】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは、少なくと
も1つのシーケンスの適用は以下のグループ、
i) マグネトソームを含む身体部品の部分の外へのマグネトソームの拡散
の減少、
ii) マグネトソームからの少なくとも1つの化合物の解離の百分率の増加、
iii) 温度勾配または変動の数値の増加、そして
iv) 治療中に到達する温度の減少、
の中から少なくとも1つの特性によって特徴づけられる方法
【請求項14】
これより前のいずれかの請求項のマグネトソームの使用法であって、そこでは少なくとも
1つのシーケンスは以下のステップ、
i) 治療前の前記第1ステップにおける最高温度または解離の最大百分率お
よび前記第2ステップにおける最低温度または解離の最小百分率の決定、
ii) 前記第1ステップにおける最高温度または解離最大百分率またはその両
者に到達するためにレーザーのパラメーターを第1の値に設定または固定し、さらにその
後前記第2ステップにおける最低温度または解離の最小百分率またはその両者到達するた
めにレーザーのパラメーターを第2の値に設定または固定する事、
iii) オプションとして、前記第1ステップまたは前記第2ステップまたはそ
の両者の期間を、それらの最高または最低温度または最大または最小解離百分率に到達す
るために必要なだけ計ること、そして
iv) オプションとして、前記第1ステップまたは前記第2ステップまたはその
両者の期間を計る間に前記第1ステップまたは前記第2ステップまたはその両者を繰返す
こと、
の中から少なくとも1つに従って行われる方法。
【請求項15】
マグネトソームをレーザーにより逐次的に照射する方法であって、
i) 前記マグネトソームをレーザー放射を第1の出力で照射する第1のス
テップを行い、
ii) オプションとして、前記第1ステップで得られた照射済みマグネトソー
ムを照射しないか、または前記第1ステップで得られた照射済みマグネトソームを前記第
1の出力より低い第2の出力のレーザー放射で照射し、
iii) 前記ステップまたは両ステップを少なくとも1シーケンス繰返す
から構成される方法。
【請求項16】
請求項15によって照射されるマグネトソームであって、以下のグループ、
(1) 前記照射されたマグネトソームの大きさは、照射されていないマグネトソームよ
り10-3% と 99.99%の間の百分率でより小さく、ここでこの百分率はSIのSNIに対する比ま
たはSNIからSIを引いたもののSNIに対する比であり、SNIとSIはそれぞれ非照射および照
射マグネトソームのおおきさである、
(2) 照射マグネトソームに巻きつけられた照射化合物の数nIは、非照射マグネトソー
ムに巻きつけられた化合物の数nIより小さく、ここでnNI/nIは1 と 1010.の間にある、
(3) 照射された化合物と照射されたマグネトソームとの間の少なくとも1つの結合を
破壊する
(4) 照射された化合物と照射されたマグネトソームとの間の結合解離エネルギーEdIは
、非照射化合物と非照射マグネトソームとの間の結合解離エネルギーEdNI,より小さい、
(5) 照射されたマグネトソームのコーティングの厚みCTIは、非照射マグネトソームの
コーティングの厚みCTNI,より薄い、
(6) 照射されたマグネトソームの有機材料または炭素の質量の百分率は、非照射マグ
ネトソームの有機材料または炭素の質量の百分率より小さく、照射されたマグネトソーム
に巻きついた照射された化合物の散乱物は、非照射マグネトソームに巻きついた非照射化
合物の散乱物より小さく、そして
(7) 照射されたマグネトソームからの照射された化合物N2Iの解放を妨げる照射された
化合物の数N1Iは、非照射マグネトソームからの非照射化合物N2NIの解放を妨げる非照射
化合物の数N1NIより少ない、
なお、上記で非照射マグネトソームは、レーザー照射に晒されないかまたは連続レーザー
照射にさらされるマグネトソームである、
の中から選ばれる少なくとも1つの特性を持つ照射されたマグネトソーム。
【請求項17】
請求項16による照射されたマグネトソームであって、そこではマグネトソームは生物特
に走磁性細菌によって合成されるマグネトソーム。
【請求項18】
化合物特に美容、医療、または診断用化合物であって、請求項16または17の照射され
たマグネトソームと、以下のグループ、
(1) 前記身体部品の色、
(2) 前記身体部品のコントラスト
(3) 前記身体部品の造影能力、そして
(4) 前記身体部品の治療または修理能力
から選ばれる前記身体部品の少なくとも1つの特性を変更するための、すくなくとも1つ
の着色またはコントラストをつける作用物質または診断用作用物質、または治療用作用物
質、から構成されるもの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを個体の身体部品に導入し、次いでレーザ
ー光線を逐次的に照射することに関する。これにより磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム
を連続的に照射する方法と比較していくつかの改良をもたらす。
【背景技術】
【0002】
マグネトソームは、それらが腫瘍に導入され、交流磁場の印加で加熱されると、腫瘍を効
率よく破壊することが示されている(参考文献1)。マグネトソームは、その化学的に合
成された対応物よりも、それらのより良好な結晶化、より大きなサイズ、およびまたは鎖
配列のために、効率的であることも示されている。
【0003】
しかしながら、身体部品のマグネトソームを加熱するのに十分に高い強度に達するために
は大きくて高価な誘導システムの使用を必要とするので、交番磁界の印加は達成するのが
困難であると思われる。
【0004】
したがって、本特許出願では、誘導システムよりもコンパクトで安価な励起源(レーザー
)を使用して、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームをレーザー放射で加熱する方法を開発
している。 さらに、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームをレーザー照射によって逐次的
に照射することによって、治療の有効性を増大させおよび/または有害性を低減させるこ
とができる。
(参考文献)
非特許文献1 E.Alphandéryら、ACSNano、第.5版、6279-6296頁、2011年
非特許参考文献2 Suzuki T. ら (FEBS Lett.、2007、581 : 3443- 3448)
非特許参考文献3 Schuler D. ら、FEMS Microbiology Lett、1995、132: 139-145
非特許参考文献4 Qiら. PLoSOne. 2012;7(l): e29572)
【発明の概要】
【0005】
本明細書で使用されるとき、用語「磁性ナノ粒子」は、磁場にさらされたときに反応を引
き起こす任意のナノ粒子を含むことを意味し、ここで、反応は、i) 非ゼロ磁化または飽
和保磁、ii) 磁場強度が増加するにつれて強度が増加する飽和保磁または磁化、iii)
磁場と結合するナノ粒子磁気モーメント、および/またはiv) 磁場が空間的に不均一で
あるときに選択的に誘導されるナノ粒子運動、であり得る。
【0006】
この用語はまた、強磁性体、フェリ磁性体、常磁性体、超常磁性体、および反磁性体をも
含むことを意味する。限定しないが適切な例としては、i) Fe203、Fe304、Fe204、FexPt
y、CoxPty、MnFexOy、CoFexOy、NiFexOy、CuFexOy、ZaFexOy、そしてCdFexOy、(なおこ
こでxとvは1から6の間でこの技術分野で知られている合成方法によって定まる数である
)、およびまたは ii) 主にFe、Pt、Au、Ag、Mg、Zn、Ni、または Siなどの磁性材料を
特に圧倒的に含むナノ粒子を含む。
【0007】
鉄または酸化鉄からなるもののような、外部磁場の印加がない場合または1mT(テスラ
)未満の強度の磁場の存在下でも磁性があるナノ粒子と、金または銀からなるもののよう
な、特別に10-5、10-3、1または10mTより高い強度の外部強度の存在下で磁
性があるナノ粒子とを区別することができる。
【0008】
本明細書で使用されるとき、用語「ナノ粒子」は、長さ、幅、表面、体積、または厚さな
どの少なくとも1つの寸法が0.1-1000nmのサイズの範囲内、特には1―100
nm以内のナノサイズ物質を含むことを意味する。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「金属ナノ粒子」は、長さ、幅、表面、体積、または厚さ
などの少なくとも1つの寸法が0.1-1000nmのサイズ範囲内、特には1―100
nm以内のサイズ内である任意のナノサイズ金属を含むことを意味する。 いくつかの実
施形態において、「金属ナノ粒子」という用語は、金または銀のナノ粒子などのいくつか
の金属ナノ粒子を除外する。 いくつかの実施形態においては、「金属ナノ粒子」という
用語は、鉄または酸化鉄ナノ粒子のみを含む。
【0010】
本明細書で使用されるとき、用語「プラズモニックナノ粒子」は、プラズモン、プラズモ
ン波、表面プラズモン、およびまたは表面プラズモン波を引き起こす任意のナノ粒子を含
むことを意味する。 いくつかの実施形態では、例えば、ナノ粒子の磁性およびまたは金
属特性がプラズモンを生じさせる電子の局在化をもたらす場合、磁性およびまたは金属ナ
ノ粒子はプラズモニックである。
【0011】
本明細書で使用されるとき、用語「ミネラルナノ粒子」は以下のものからなる群から選択
される少なくとも1つの特性を有する任意のナノ粒子を含むことを意味する、i) 金属組
成物、ii) 結晶性組成物、iii) 非有機組成物あるいは非炭素組成物、iv)人間によっ
て部分的にまたは完全に実施されていない、または人間の推論、計画、設計、プロセス、
方法が関与していない合成物、v)生物、特にはヒトとは異なる生物に由来する合成物、お
よびvi) 自然環境に起因するかまたは自然環境中で発生する合成物、ここで、微生物の
増殖などのこの自然環境は、ある実施形態では人間によって再現することができる。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「温度」は、本発明による方法または治療のステップ、ス
テップ間、順番、順番間、治療期間、治療期間間での温度を含むことを意味する。特に、
それは最低、最高、平均温度ならびに温度勾配を含むことを意味する。いくつかの実施形
態では、i) レーザパワー、ii) 解離百分率、iii) 磁性ナノ粒子によって生成される
ラジカル種の、最大、最小、平均、または勾配は、最大、最小、平均温度と温度勾配を、
温度という用語または温度に関連する用語を、i) レーザ出力、ii) 解離の百分率、iii)
磁性ナノ粒子によって生成されたラジカル種と言う用語、またはi) レーザパワー、ii
) 解離の百分率、iii) 磁性ナノ粒子によって生成されたラジカル種に関する用語によ
って選択的に置き換えることによって同様の方法で定義することができる。
【0013】
本明細書で使用されるとき、「加熱」という用語は、第1のステップ中に発生する加熱を
含むことを意味している。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「冷却」という用語は、第2ステップ中に生じる冷却を含む
ことを意味している。
本明細書で使用されるとき、用語「治療」は、治療ステップ、治療シーケンス、治療セッ
ション、およびまたは治療全体を含むことを意味する。
【0015】
本明細書で使用されるとき、用語「方法」は、方法のステップ、シーケンス、セッション
、およびまたは方法全体を含むことを意味する。
【0016】
本明細書で使用されるとき、「生理的温度」という用語は、健康な個人の温度、選択的に
そのような個人の体の部分または全身の温度を含むことを意味する。
【0017】
本発明の一実施形態では、金属組成物は以下のものを含む組成物である、i) ある場合に
はナノ粒子当たり1、10、103、105、1010、1020、または1050を超
える金属原子、ii) ある他の場合にはナノ粒子当たり1050、1020、1010、
105、103、10、あるいは1未満の金属原子、iii) さらに他のいくつかの場合
では、ナノ粒子あたり選択的に1から10100、1から1050、1から1020、1
から1010、1から105の間、または1から103の間の金属原子。さらに他のいく
つかの場合において、金属組成物は、以下を含む組成物である、i) いくつかの場合にお
いて、ナノ粒子当たり選択的に原子数または質量数または体積において10-50、10
-10、10-5、10-2、10-1、0、1、5、1025、50、75、80、9
0、95、99または99.9パーセントを超える金属原子、ii) いくつかの他の場合
ではナノ粒子当たり選択的に原子数または質量数または体積において100、99.9、
99、90、80、75、50、25、10、5、0、1、10-1、10-5または1
0-10パーセント以下の金属原子、iii) さらにいくつかの他の場合では、ナノ粒子
当たり選択的に原子数または質量数または体積において10-50と100の間、10-
20と100の間、10-10と100の間、1と100の間、50と100の間、10
-50と99の間、10-20と99の間、または10-10と99の間のパーセントの
金属原子。
【0018】
本発明の一実施形態では、金属原子の原子単位の百分率は、NMA/NAであり、ここで
NMAはナノ粒子中の金属原子の数、NAはナノ粒子中の原子(金属および非金属)の総
数である。
【0019】
本発明の一実施形態では、金属原子の質量百分率はMMA/MAであり、ここでMMAは
ナノ粒子に含まれる金属原子の質量、MAはナノ粒子中の全原子の質量である。
【0020】
本発明の一実施形態では、金属原子の体積百分率はVMA/VAであり、ここでVMAは
ナノ粒子中の金属原子によって占められる体積、VAはナノ粒子の体積、またはナノ粒子
に含まれるすべての原子の体積である。
【0021】
本発明の一実施形態では、ナノ粒子当たりとは、少なくとも1つのナノ粒子当たりを意味
する。
【0022】
In one embodiment of the invention、a crystalline composition is a composition t
hat comprises: i) in some embodiment more than 1、10、103、105、1010、1020、or
1050 ordered atoms or ordered atomic planes or crystallographic planes or crysta
llographic directions preferentially per nanoparticle、ii) in some other embod
iment less than 1050、1020、1010、105、103、or 10 ordered atoms or ordered atomi
c planes or crystallographic planes or crystallographic directions preferentiall
y per nanoparticle preferentially per nanoparticle、iii) in still some other
embodiment、between 1 and 10100、1 and 1050、1 and 1020、1 and 1010、1 and 105、
or between 1 and 103 ordered atoms or ordered atomic planes or crystallographic
planes or crystallographic directions preferentially per nanoparticle preferenti
ally per nanoparticle.
本発明の一実施形態では、結晶組成物は、以下のもので構成される組成物である、i) い
くつかの実施形態ではナノ粒子あたり選択的に1、10、103、105、1010、1
020、または1050を超える整列原子または整列原子面または結晶面または結晶方位
、ii) ナノ粒子当たり、ii) いくつかの他の実施形態において、ナノ粒子あたり選択的
に1050、1020、1010、105、103、または10未満の規則的な原子また
は規則的な原子平面または結晶学的平面または結晶学的方向、iii) さらにいくつかの
他の実施形態において、ナノ粒子あたり選択的に1から10100、1から1050、1
から1020、1から1010、1から105、または1から103の間の整列原子また
は整列原子平面または結晶学的平面または結晶学的方向。さらにいくつかの他の実施形態
では、結晶性組成物は以下を含む組成物である、i) いくつかの実施形態では、ナノ粒子
あたり選択的に10-50、10-10、10-5、10-2、10-1、0、1、5、
10、25、50、75、80、90、95、99または99.9パーセントを越える整
列原子または整列原子平面または結晶学的平面または結晶学的方向、ii) いくつかの他
の実施形態では、ナノ粒子あたり選択的に100、99.9、99、90、80、75、
50、25、10、5、0、1、10-1、10-5、または10-10パーセントの整
列原子または整列原子面、または結晶学的平面または結晶学的方向、iii) さらに他の
実施形態では、ナノ粒子あたり選択的に10-50-100、10―20-100、10
-10-100、1-100、50-100、10-50-99、10-20-99、ま
たは10-10または秩序原子面または結晶面または結晶方位。
【0023】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子当たりの整列原子または整列原子平面または結晶学的
平面または結晶学的方向のパーセンテージはa/bであることができ、ここでαはナノ粒子
あたり選択的に整列された原子数、結晶学的平面の数、結晶学的方向の数であり、βはナ
ノ粒子あたり選択的に原子の総数、平面の総数、伸長方向または配向などの方向の総数で
ある。
【0024】
いくつかの実施形態では、非有機または非炭素質組成物は、少数または少量または低濃度
の炭素または有機物質または炭素質物質を含む組成物である。 非有機または非炭素質組
成物は以下のもので構成され得る、i) いくつかの実施形態では、ナノ粒子当たり選択的
に1、10、103、105、1010、1020、または1050を超える炭素原子、
または有機物質または炭素質物質、ii) いくつかの他の実施形態では、ナノ粒子当たり
選択的に1050、1020、1010、105、103、または10未満の炭素原子ま
たは有機物質または炭素質物質、iii) さらにいくつかの他の実施形態では、ナノ粒子
当たり選択的に1と10100の間、1と1050の間、1と1020の間の炭素原子ま
たは有機物質もしくは炭素質物質。さらにいくつかの他の実施形態では、非有機または非
炭素質組成物は以下で構成される組成物である、i) いくつかの実施形態では、ナノ粒子
当たり選択的に原子数または質量数または体積において10-50、10-10、10-
5、10-2、10-1、0、1、5、10、25、50、75、80、90、95、9
9または99.9パーセントの炭素原子または有機物質または炭素質物質、ii) いくつ
かの他の実施形態では、ナノ粒子当たり選択的に原子数または質量数または体積において
100、99.9、99、90、80、75、50、25、10、5、0、1、10-1
、10-5または10-10パーセントの炭素原子または有機物質もしくは炭素質物質、
iii) さらにいくつかの他の実施形態では、ナノ粒子当たり選択的に原子数または質量
数または体積において10-50と100の間、10-20と100の間、10-10と
100の間、1と100の間、50と100の間、10-50と99の間、10-20と
99の間、または10-10と99の間のパーセントの炭素原子または有機物質または炭
素質物質。
【0025】
いくつかの実施形態では、炭素原子の原子数百分率は、NCA/NAであり、ここで、N
CAは、ナノ粒子中の炭素原子数であり、NAは、ナノ粒子中の全原子数(金属および非
金属)である。
【0026】
いくつかの実施形態において、炭素原子または有機物質または炭素質物質の質量数パーセ
ントは、MMC/MAであり、ここで、MMCはナノ粒子炭素原子または有機物質または
炭素質物質の質量数であり、MA はナノ粒子に含まれる全ての原子の質量数である。
いくつかの実施形態において、炭素原子または有機物質または炭素質物質の体積百分率は
、VMC/VAであり得、ここで、VMCは、ナノ粒子中の炭素原子または有機物質また
は炭素質物質によって占められる体積であり、VA はナノ粒子の体積またはナノ粒子に
含まれるすべての原子の体積である。
【0027】
いくつかの実施形態では、結晶性組成物は以下のように構成される組成物でる、i) いく
つかの実施形態では、ナノ粒子当たり選択的に1、10、103、105、1010、1
020、または1050を超える整列原子または整列原子面または結晶面または結晶方向
、ii) 他のいくつかの実施形態では、ナノ粒子あたり選択的に1050、1020、1
010、105、103、または10未満の整列原子または整列原子面または結晶面また
は結晶学的方向、iii) さらに他のいくつかの実施形態ではナノ粒子あたり選択的に1
と10100の間、1と1050の間、1と1020の間、1と1010の間、1と10
5の間、または1と103の間の整列原子または整列原子面または結晶学的な面または結
晶学的な方向。さらにいくつかの他の実施形態では、結晶性組成物は、以下のように構成
される組成物である。i) ある場合には、ナノ粒子あたり選択的に10-50、10-1
0、10-5、10-2、10-1、0、1、5、10、25、50、75、80、90
、95、99または99.9パーセントパーセントを超える整列原子または整列原子面ま
たは結晶学的な面または結晶学的な方向、ii) いくつかの他の実施形態では、ナノ粒子
あたり選択的に100、99.9、99、90、80、75、50、25、10、5、0
、1、10-1、10-5、または10-10パーセントの整列原子または整列原子面ま
たは結晶学的な面または結晶学的な方向、iii) さらにいくつかの他の実施形態では、
ナノ粒子あたり選択的に、10-50と100の間、10-20と100の間、10-1
0と100の間、1と100の間、50と100の間、10-50と99の間、10-2
0と99の間、または10-10と99の間のパーセントの整列原子または整列原子面ま
たは結晶学的な面または結晶学的な方向。
【0028】
いくつかの実施形態では、「ミネラルナノ粒子」は、ミネラル部分、選択的に優勢なミネ
ラル部分、選択的にナノ粒子の中心または心臓または中心部分であるミネラル部分によっ
て特徴付けられる。ミネラルナノ粒子は、非ミネラル物質で被覆または混合またはそれら
を含むことができ、そこでは非ミネラル物質はナノ粒子のコーティングであるか、または
そのミネラルを安定化または分散または保存または保全または投与または混合または均質
化するのに役立つ物質である。
【0029】
いくつかの実施形態では、重要なミネラル部分は以下の量であるかそれを表す、i) ナノ
粒子を構成するミネラル部分の質量または体積で10-50、10-5、1、5、10、
20、50、75、80、90、95、99または99.9パーセント以上、 ii) 他の
いくつかの実施形態では、ナノ粒子を構成するミネラル部分の質量または体積で100、
99、90、80、75、50、20、10、5または1パーセント未満、iii) さら
に他のいくつかの実施形態では、ナノ粒子を構成するミネラル部分の質量または体積で1
0-50と100の間、10-10と100の間、1と100の間、25と100の間、
50と100の間、または75と100の間のパーセント。
【0030】
いくつかの実施形態において、ナノ粒子に含まれるミネラル部分の質量または体積パーセ
ントは、MM/MNまたはVM/VNであり、ここで、MMおよびMNは、それぞれ、ミ
ネラルおよびナノ粒子の質量であり、VMおよびVNは、 それぞれミネラルとナノ粒子
の体積である。
【0031】
本明細書で使用するとき、用語「マグネトソーム」は、ミネラル中央部を取り囲み、中央
部を特に安定化させるかまたは中央部の凝集または凝集を防ぐ膜によって完全または部分
的に取り囲まれたミネラル中央部を含む磁性ナノ粒子を含むことを意味する。その膜は合
成膜、すなわち特に中央部分を合成する生物を産生する生物によって合成されない膜、ま
たは走磁性微生物などの生物によって合成された膜であり得て、後者はは脂質、リポ多糖
、エンドトキシン、そしてまたはその微生物によって産生されるタンパク質もしくは膜関
連ポリペプチドを含む。中央部およびまたは膜は、選択的に、中央部には酸化鉄または硫
化鉄、膜には有機または炭素質組成物など、明確に定義された組成物である。好ましくは
、磁性ナノ粒子、選択的にはマグネトソーム、選択的には磁性ナノ粒子の中央部分は、マ
グネタイト(Fe3 O4)、硫化鉄(グレイギットまたはFe3S4)またはそれらの
混合物からなる酸化鉄ナノ粒子である。 磁性ナノ粒子中に見られるマグネタイト、選択
的にはマグネトソームは、細菌からの抽出後にマグヘマイトに酸化され得る。 したがっ
て、磁性ナノ粒子、選択的にはマグネトソームは、マグネタイトとマグヘマイトの混合物
を含み得る。
【0032】
マグネトソームは、他の種類のナノ粒子と比較して以下のような一連の利点を提供できる
、i) より良好な加熱特性、ii) 凝集を生じることがより少なく、それらの表面により多
くの治療化合物を結合することを可能にする鎖配列、iii) より低い毒性、iv)有毒な化
合物の使用をより少ない数でできる製造方法。
【0033】
「磁性ナノ粒子」、特にマグネトソームは、以下のものを指すことができる、i) 「磁性
ナノ粒子」、特にマグネトソームの鎖 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、走磁性細
菌内で、またはそれらの抽出もしくは分離後に鎖状に配置することができるので、他のタ
イプのナノ粒子では通常地球の磁場よりもはるかに強い外部磁場の印加なしでは自発的に
鎖に並ぶことはないと考えられるのと対照的である。いくつかの実施形態では、磁性ナノ
粒子、特にマグネトソームは、例えば膜が部分的にまたは完全に除去される場合、膜なし
または全体膜なしの中央部分で構成される。 いくつかの他の実施形態では、磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームは、例えば中央部分が部分的にまたは完全に除去される場合、中
央部分なしの膜で構成される。
【0034】
「合成生物」という用語は、金属に富むナノ粒子を合成することができるあらゆる生物を
含むことを意味する。 そのような生物は、特に、細胞、特に真核または原核細胞、細菌
、細胞の集合体、魚、鳥、哺乳動物、植物、木、真菌、古細菌、貝、または酵素、タンパ
ク質、DNA、RNA、または生物学的物質などのような生体の一部から選択される。 そのよ
うな生物は選択的にヒトではない。いくつかの実施形態では、合成生物は、例えば酵素反
応によって、または生物学的物質とナノ粒子の形成を選択的にもたらす金属との間の相互
作用によって、細胞内または細胞外でナノ粒子を合成する。
【0035】
本明細書で使用するとき、「走磁性細菌」と同等に指定される用語「走磁性微生物」は、
特に細胞内で、特に2から100個の粒子の鎖状に配列され得る鉄に富む粒子を合成すること
ができる任意の微生物を含むことを意味する。これらの粒子の存在は、微生物に特に永久
的な双極子モーメントまたは強磁性もしくは強磁性の性質を提供し、それはこれらの微生
物が特に地球磁場に平行に配向することを可能にし得る。 本発明において使用すること
ができる適切な走磁性微生物としては、限定されないが、以下のものが挙げられる。
Nitrospira、Nitrospira moscoviensis、Magnetobacterium bavaricum、Desulfovibrio m
agneticus RS-1、Desulfovibrio desulfuricans、Geobacter metallireducens、d-Protob
acteria、MMP5、MMP2、where MM designates magnetotactic many-celled prokaryote、m
agnetic cossus、MC-1、CS103、NKMC5,
a-Protobacteria、Rhodospirillum rubrum、Agrobacterium vitis、Magnetospirillum ma
gnetotacticum MS-1、Magnetospirillum magneticum AMB-1、Magnetospirillum magnetic
um MGT-1、Magnetospirillum gryphiswaldense MSR-1、marine magnetic vibrio MV-1、M
agnetospirillum gryphiswaldense MSR- 1、Magnetospirillum magneticum AMB-1、Magne
tospirillum magnetotacticum MS-1、Magnetospirillum magneticum strain MGT-1、magn
etotactic coccus strain MC-1、Desulfovibrio magneticus RS-1 and anaerobic vibrio
strains MV-1、MV-2 and MV-4.
ニトロスパイラ、ニトロスパイラ・モスコビエンシス、走磁性細菌・ババリカム、デサル
フォビブリオ・マグネティカス、RS-1、デサルフォビブリオ・デサルフォリカンス、ジ
オバクター・メタリレデゥセンス、δ-プロトバクテリア、MMP5、MMP2、ここでMMは走
磁性多細胞原核生物の多細胞原核生物を指す、CS103、NKMC5、αプロテオバクテリア、
ロードスピリラム・ルブラム、アグロバクテリウム・ヴィティス、マグネトスピリラム・
マグネトタクティカム MS-1、マグネトスピリラム・マグネティカムAMB-1、マグネトスピ
リラム・マグネティカム MGT-1、マグネトスピリラム・グリフィスワルデンスMSR-1、海
洋磁気ビブリオ MV-1,マグネトスピリラム・マグネティカム AMB-1,マグネトスピリラム
・マグネトタクティカム株 MGT-1、マグネトタクティック球菌株MC-1、デサルフォビブリ
オ・マグネティカスRS-1 そして 嫌気性ビブリオ株 MV-1、MV-2 および MV-4. ある微生
物が走磁性であるかどうかを決定するための適切な方法としては、限定するものではない
が、i) これらの微生物内の鉄、特に結晶化した鉄の総含有量の決定、例えば非特許参考
文献2に記載された吸収分光光度法または誘導結合プラズマ質量分析法または鉄投与量、
ii) 光散乱技術を用いたCmagパラメータ値の決定(非特許参考文献3参照)、iii)
非特許参考文献4に記載のように透過型電子顕微鏡によるこれらの微小生物の画像(非
特許参考文献4参照)。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「逐次レーザー照射法」は、レーザーが逐次的に特に
ナノ粒子に照射される任意の方法を含むことを意味し、レーザー照射の順序は特に、レー
ザ出力がオンにされる第1ステップと、第1のステップに続いてその間にレーザパワーが
オフにされるか、または第1のステップ中よりも低いパワーである第2のステップとから
なる。第1ステップと第2ステップは1つのシーケンスで行われ、 シーケンスは少なく
とも1回繰り返され、いくつかのシーケンスの組み合わせがセッションとなる。 2つのセ
ッション間の期間は通常長く、選択的には30分より長く、例えば患者を休ませることが
できるが、ステップまたはシーケンスの期間またはステップとシーケンスの間の期間は通
常短く、選択的には30分より短い、これにより特に治療または方法が効率的になるまで
、十分に多数のステップまたはシーケンスの繰り返しを可能にする。重要なことは、「逐
次レーザ照射方法」は選択的に「連続レーザ照射方法」とは異なる。連続レーザ照射方法
はステップまたはシーケンスを含まず、連続レーザ照射で構成される、すなわちセッショ
ン中は電源を切ったり、レーザー出力を下げたりしない。以下のような、連続レーザー照
射法を使用する代わりに逐次レーザー照射法を使用することによって、以下のようないく
つかの利点が生じ得る、i) 逐次的方法に依る治療中に達する平均温度は連続的方法によ
るものに比べて低いii) 逐次的方法では、(加熱ステップまたは加熱セッションに対応
する)加熱サイクルの持続時間の大部分にわたって処理温度を一定の温度に安定させる必
要がない。これは人間に対しては困難な作業であり得る。 なぜなら、身体部品の加熱温
度を正確かつ連続的に測定し、温度を所定の値に維持するためにレーザー出力を調整する
などの是正措置を講じる必要があるからである。iii) 逐次的方法では、第1と第2ス
テップの間に温度勾配が起こり、これは特に病理学的または腫瘍細胞を破壊することにお
いてより効率的であり得、そして加熱の大部分にわたって一定の温度を維持するよりも生
じる副作用が少なくできる そしてまたはiv)逐次的方法を実施するのに必要なレーザ出力
または電流または強度は、連続的方法を実施するのに必要なものより低くてもよい。
【0037】
本発明の一実施形態では、ナノ粒子は以下のものからなる群から選択される少なくとも1
つの特性を有する、i) それらには磁性があり、ii) それらはミネラルであり、iii)
それらは部分的または完全に特にヒトとは異なる生体によって合成される、iv)それらは
金属性であり、v)それらはプラズモニックであり、そしてiv)それらはマグネトソームで
ある。
【0038】
本発明の一態様では、本発明は、逐次レーザー照射による医学的または生物学的または化
学的または美容的治療に使用するための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、そこ
では磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが個人の身体部品に投与される。
- 第1ステップでは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに第一の出力でレーザー放射線
を照射する。そして
- 第2ステップでは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに、第1のステップよりも低出
力のレーザー放射線を照射するか、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームのレーザー
照射を行わない。そして
第1ステップおよび第2ステップのシーケンスは少なくとも1回繰り返される。
【0039】
本発明の一実施形態では、第1のパワーでのレーザ放射は、第1のステップのレーザパワ
ーまたは第1のステップの間のレーザパワーで行われる。
【0040】
本発明の他の実施形態では、第2のパワーでのレーザ放射は、第2のステップのレーザパ
ワーまたは第2のステップの間のレーザパワーで行われる。
【0041】
本発明の一態様では、本発明は、逐次レーザー照射による医学的または化学的または生物
学的または美容的治療に使用するための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関する。
- 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが個人の身体部品に投与され、そして
- 第1ステップでは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームにレーザー光線を照射する。そ
して
- 第2ステップでは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに、第1のステップにおけるよ
りも低いパワーのレーザー照射を照射するか、または磁性ナノ粒子のレーザー照射を行わ
ない。そして
第1ステップおよび第2ステップを含むシーケンスは少なくとも1回繰り返される。
【0042】
本発明の一態様では、本発明は、逐次レーザー照射によって個体の身体部品を医学的、生
物学的または美容的に治療する方法に関する。そして
- 有効量の磁性ナノ粒子をそれを必要とする個体の身体部品に投与する。
そして
- 磁性ナノ粒子を次のステップを含む逐次レーザー照射にさらす
i) 第1の電力でレーザ放射によって磁性ナノ粒子を照射することを含む第1
のステップを実行すること。
ii) 第1のステップから得られた照射された磁性ナノ粒子を照射しないまたは
第1の出力よりも低い第2の出力でレーザー放射によって照射することを含む第2のステ
ップを任意に実施する。 そして
iii) 少なくとも1つのシーケンスとして1つまたは2つのステップを繰り返す
。
【0043】
いくつかの実施形態では、レーザ放射の第1の電力はP1として指定され、レーザ放射の
第2の電力はP2として指定される。
【0044】
一実施形態では、P1またはP2は、10-50、10-10、10-5、10-2、1
0-1、1、5、10、103よりも大きいワット、身体部品のcm3当たりのワット、
または磁性ナノ粒子1グラムあたりのワット数である。
【0045】
いくつかの他の実施形態では、P1またはP2は、1050、1010、105、102
、10、5、2、1、10-1、10-3または10-5以下のワット、身体部品のcm
3あたりのワット、または磁性ナノ粒子1グラムあたりのワット数である。
【0046】
いくつかの他の実施形態では、P1またはP2は、10-50から1050の間、10-
20から1020の間、10-10から1010の間、10-5から105の間、10-
3から103の間、または10-1から10の間のワット、特に身体部品のcm3当たり
のワット、または磁性ナノ粒子のグラム当たりのワット数である。
【0047】
いくつかの他の実施形態では、P1は0ワットとは異なるか、または磁性ナノ粒子を加熱
することになる値である。
【0048】
いくつかの実施形態では、P2は、0ワットに等しいかまたは0ワットに近いか、または
磁性ナノ粒子を加熱することにならない値である。
【0049】
いくつかの他の実施形態では、P1および/またはP2は十分に小さく、選択的に105
、103、102、10、5、2、1または10-1ワット、または特に身体部品のcm
3当たりのワットよりも小さいことが好ましく、それによって磁性ナノ粒子を含まない身
体部品を加熱することにならない。
【0050】
いくつかの他の実施形態では、P1は第1ステップにわたって安定である。 この場合、
P1は選択的に100、75、50、30、20、10、5、2または1%未満だけ変動
する、なおこの百分率は特に(P1max-P1min)/P1maに等しい。 ここでP1max とd P1minは第
1ステップのレーザー出力の最大値と最小値である。
【0051】
いくつかの他の実施形態では、P2は第2ステップにわたって安定である。 この場合、
P2は選択的に100、75、50、30、20、10、5、2または1%未満だけ変動
し、このパーセンテージは特に(P2max - P2min)/ P2maxに等しい。
ここでP2maxとP2minは第2ステップのレーザー出力の最大値と最小値である。
【0052】
いくつかの他の実施形態では、P1は第1ステップにわたって不安定である。 この場合
、P1は選択的に10-10、10-5、10-3、10-1、1、5、10、50、7
5、80、90、または95%を超えて変動し、この割合は特に(P1max-P1min)/P1maxに
等しい。ここで、P1max と P1minは、第1ステップのレーザパワーの最大値および最小値
である。
【0053】
いくつかの他の実施形態では、P2は第2ステップにわたって不安定である。 この場合
、P2は選択的に10-10、10-5、10-3、10-1、1、5、10、50、75、80、90または95%を超え
て変動し、この割合は特に以下の値に等しい。(P2max-P2min)/P2max、ここで、P2max と
P2minは、第2ステップのレーザパワーの最大値および最小値である。
【0054】
いくつかの実施形態において、レーザー出力は、第1ステップまたは第2ステップの最大
または最小レーザー出力である。
【0055】
本発明の一実施形態では、逐次レーザー照射によって個体の身体部品を医学的、生物学的
または美容的に治療することは、以下のことによって個体の身体部品を治療することを意
味する。i) 固体の該身体部品を逐次のレーザー照射にさらす、該身体部品は磁性ナノ粒
子を含む、ii) 該磁性ナノ粒子を逐次レーザー照射にさらす、iii) 該逐次照射を該身
体部品または磁性ナノ粒子に適用する。
【0056】
本発明の一実施形態では、レーザ放射はレーザ照射と同じであり、特に磁性ナノ粒子また
は身体部品のレーザ放射または磁性ナノ粒子または身体部品へのレーザ放射の適用と指定
される。
【0057】
本発明の一実施形態では、逐次レーザー照射は、本発明で定義されるシーケンスの適用と
同じである。
【0058】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子の有効量は、熱、美容効果、治療効果、または診
断効果を生み出すことができる、または本発明の方法において有効となり得るナノ粒子の
量である。特に、磁性ナノ粒子の量が有効量と異なる場合、本発明による治療は効率的で
はない。 例えば、有効量より少ない量の磁性ナノ粒子は、レーザー照射下で熱を発生さ
せるのに不十分であり得る。 例えば、有効量より多い量の磁性ナノ粒子は有毒であり得
る。
【0059】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子は、照射されていない、特にレーザー照射の前ま
たは照射なしのものである。
【0060】
別の実施形態では、磁性ナノ粒子は特にレーザー照射の途中、後または同時に照射される
。
【0061】
本発明の一実施形態では、治療は以下を含む群から選択される、i) この医学的、生物学
的または美容的治療、ii) このレーザー治療、(iii) この疾患の治療、iv)この治療
のステップ、v)この治療シーケンス、vi) この治療セッション、ステップ、シーケンス
およびセッションからなる治療全体、vii) この方法、および viii) この治療方法。
【0062】
本発明の一実施形態では、生物学的または化学的治療は、生物学的または化学的物質が絡
むが、必ずしも医学的治療である必要はない事があり得る、例えば、ナノ粒子が生物学的
または化学的物質と混合されて本方法によって治療される場合、それは生物学的または化
学的物質を柔らかくするために、その物質を検出するために、生物学的または化学的材料
を着色するために、生物学的または化学的物質の組成または構造を変えるために行われる
ことがある。
【0063】
本発明の一実施形態では、美容処置は、必ずしも医学的処置ではなく個人の外観の改善を
もたらす処置であり得る、例えば少なくとも1つの細胞の破壊または検出をも含まず、し
かし、例えば、個人の皮膚の色を変える結果となる可能性がある。
【0064】
本発明の一実施形態において、医学的治療は、少なくとも1つの細胞、特に病理学的細胞
の検出または破壊をもたらす治療であり得る。
【0065】
本発明の別の局面において、本発明は、マグネトソームをレーザーで逐次的に照射するた
めの方法に関するものであり、そこでは
- 第1ステップで、マグネトソームにレーザー放射で照射し、そして
- 第2ステップでは、マグネトソームに第1ステップよりも低いパワーの
レーザー光線を照射するか、またはマグネトソームのレーザー照射を行わない、そして第
1ステップおよび第2ステップのシーケンスは少なくとも1回繰り返される。
【0066】
本発明の別の局面において、本発明は、個人の身体部品に有効量のマグネトソームを投与
することを含む、逐次レーザー照射によって個人を治療するための方法に関するもので、
- 第1ステップにおいて、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームにレーザ放射を照射し、
そして
- 第2ステップにおいて、第1ステップにおけるよりも低出力のレーザー照射によって磁
性ナノ粒子、特にマグネトソームを照射するか、またはマグネトソームのレーザー照射を
行わない、なお、第1ステップおよび第2ステップのシーケンスは少なくとも1回繰り返
される。
【0067】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子はマグネトソームと共通の少なくとも1つの特性
を有する。
【0068】
本発明において、前記「第1ステップ」および「第2ステップ」は少なくとも1回繰り返
される「シーケンス」に対応し、いくつかの「シーケンス」は「治療セッション」に対応
し、連続する「治療セッション」は治療全体に対応する。
【0069】
本発明の一態様において、本発明は、本発明による使用のための磁性ナノ粒子に関し、そ
こでは磁性ナノ粒子はミネラルナノ粒子、特にマグネトソームである、そしてまたは磁性
ナノ粒子は合成生物、特に走磁性微生物によって合成される、
【0070】
本発明の一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子に関し、こ
こで、磁性ナノ粒子は、生物によって、特にマグネトソームによって合成された磁性ナノ
粒子である。
【0071】
本発明の一態様では、本発明は、本発明による使用のためのマグネトソーム、またはマグ
ネトソームが、特に相似性細菌である生体によって合成される、本発明による方法に関す
る。
【0072】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子を合成する生物は合成生物である。それは特に人
間ではない。それは特には走磁性微生物のような微生物である。
【0073】
特には、走磁性微生物は走磁性細菌であり得る。
【0074】
一実施形態では、本発明の磁性ナノ粒子はミネラルナノ粒子、好ましくはマグネトソーム
である。
【0075】
一実施形態では、本発明の磁性ナノ粒子は、合成生物、好ましくは走磁性微生物によって
合成される。
【0076】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子はマグネトソームのものとは異なる少なくとも
1つの特性を有する。
【0077】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、1、10、102、1
03、105、1010、1020、または1050個以上の磁性ナノ粒子、特にマグネ
トソームを含む集合によって特徴付けることができる。
【0078】
本発明のなお別の実施形態において、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、1、10、
102、103、105、1010、1020、または1050未満の磁性ナノ粒子、特
にマグネトソームを含むアセンブリによって特徴付けることができる。
【0079】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、10-50,
10-40、10-30、10-20、10-10、10-5、10-3、1、または1
02以上の以下のもので構成される集合を特徴とすることができる、i) 磁性ナノ粒子、
特にマグネトソーム、またはii )mgの鉄を含む磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム
、または、iii) mgの磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを1cm3当たりに含むも
の、またはiv)mgの磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを1cm3の、またはv)mgの
鉄を1cm3当たりに含む磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、またはvi) mgの鉄を
含む磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを1cm3身体部品あたりに含むもの。
【0080】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、10-50、
10-40、10-30、10-20、10-10、10-5、10-3、1、102、
105、1010または1020未満の以下のものを含む集合によって特徴づけられる、
i) mgの磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または、ii) mgの鉄を含む磁性ナノ粒
子、特にマグネトソーム、またはiii) mgのの磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを
1cm3あたり、またはiv)mgの磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを身体部品の1c
m3あたり、またはmgの鉄を含む磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを1cm3あたり
、またはvi) mgの鉄を含む磁性ナノ粒子、特にマグネトソームをを身体部品の1cm3
あたり。
【0081】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、本発明で定義したよう
な化合物が巻き付け、繋ぎ、または結び付けることができる。
【0082】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、以下の特性のうちの少
なくとも1つを特徴とするナノ粒子である、i) 中核、特に磁性体、特にミネラル、特に
酸化鉄を含む、最も特定的にはマグヘマイトまたはマグネタイト、あるいはマグヘマイト
とマグネタイトの中間組成物の存在、ii) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームのコアを
囲み、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの凝集を選択的に防止し、特に磁性ナノ粒子の
生物内または身体部品への投与を可能にし、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの
核を安定化させるコーティングの存在、ここでコーティング厚みが、特に0.1nm-1
0μmの間、0.1nm-1μmの間、0.1nm-100nmの間、0.1nm-10
nmの間の間、または1nm-5nmの間である、iii) 反磁性、常磁性、超常磁性、
強磁性、またはフェリ磁性の挙動または特性をもたらす磁気特性。iv)保磁力が0.01
、0.1、1、10、100、103、104、105、109、または1020Oeよ
り大きい、v)残留磁化と飽和磁化との間の比が0.01、0.1、0.2、0.3、0.
4、0.5、0.75、0.9、または0.99、より大きい、vi) 飽和磁化が0.1
、1、5、10、または50emu / gを超える、vii) 保磁力、残留磁化および飽
和磁化などの磁気特性が、特に0.1K、1K、10K、20K、50K、100K、2
00K、300K、350K、または3000Kより高い温度で測定または観察された、
viii) 結晶性、すなわち磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが特に少なくとも1、2
、5、10、または100個の結晶面を有し、それは特に観察可能であるかまたは電子顕
微鏡によって測定された、ix)単一ドメインの存在、サイズが0.1、0.5、1.5
、10、15、20、25、30、50、60、70、80、100、120、150、
または200nmより大きい、xi) サイズが 0.1nm-10μmの間、0.1nm-
1μmの間、0.1nm-100nmの間、1nm-100nmの間、または5nm-8
0nmの間である、xii) 非発熱性または無発熱性、これは特に磁性ナノ粒子、特にマ
グネトソームが、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム1mgあたり、または磁性ナノ粒子
、特にマグネトソームに含まれる鉄1mgあたり10000、1000、100、50、
10、5、2、または1EU(エンドトキシン単位)未満のエンドトキシン濃度を有する
こと、または、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを生体または体の一部に投与した後、
特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが、生体個体の全身温度の100、50、10、6、5、3
°Cを超える初熱を起こさない、または温度上昇を引き起こさないことを意味する。xii
i) 合成生物、特に走磁性細菌による合成、これは特に走磁性細菌から抽出され、磁性
ナノ粒子、特にマグネトソーム、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームのミネラル磁性
中核をそれだけ、またはほとんど、または主として生産するに至る。xiv)、合成生物に由
来する50、25、15、10、5、2、または1%未満の有機または炭素物質の存在、xv)、立方体
、球形、立方八面体、葉巻形または細長い形状、xvi) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ームの長さと幅の間の比、最長と最大の端部間の比、または磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームの2つの異なる端部、寸法、 特に交差する寸法、または直径の比が10―3と1
03、10―2と102、10―1と10、0.5と5、0.2と2、または0.1と1
.1の範囲に含まれる。または、またはxvii) 、合成生物に由来するミネラル物質の
99、95、80、70、60、50、または25%を超える存在、またはxvi) 、磁
性ナノ粒子、特にマグネトソーム1グラム当たり1、10、1000、または104ワッ
トより高い比吸収率(SAR)、ここでSARは特にレーザー照射による照射下で測定さ
れる。
【0083】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子の加熱速度は、加熱ステップの温度上昇ΔTHS
と加熱ステップの持続時間DHSとの間の比率ΔTHS/DHSである。 ステップは、
加熱ステップの最高温度と最低温度との間の差であることが好ましい。
【0084】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子の加熱速度は、加熱ステップの開始時の温度上
昇ΔεHSと加熱ステップの開始の持続時間dHSとの間の比率ΔTHS/dHSである
。 加熱ステップの開始は、加熱ステップの持続時間の最初の数秒または最初の数パーセ
ントを特に表す。
【0085】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、特にナノ粒子1mg当
たりで測定されるとき、毎秒10ー20、10―10、10―5、10―3、10―1、
1、5、10、103または105℃より高い加熱速度、特にナノ粒子1mg当たりで測
定されるとき、毎秒10―10℃より高い、最も好ましくはナノ粒子1mgあたりに測定
されるとき毎秒10―5℃より高い加熱速度を特徴とする。
【0086】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、特にナノ粒子1mg当
たりで測定されるとき毎秒1020、1010、105、103、10、1、10―1、
10-3または10―5℃より低い加熱速度によって、特にナノ粒子1mg当たりに特に
測定されるとき毎秒1010℃未満、最も好ましくは特にナノ粒子1mg当たりに測定さ
れるとき毎秒105℃未満の加熱速度によって特徴付けることができる。
【0087】
一実施形態では、加熱速度は、ナノ粒子が以下のレーザーに曝露される条件下で存在する
:i) 105、103、100、50、10、5、1または10―1未満のワットまたは
ナノ粒子の身体部品のcm3もしくはcm2またはcmもしくはグラム当たりのワット、
またはii) ナノ粒子を含まない身体部品がレーザーにさらされたときに、身体部品の温
度上昇がない、または、身体部品のcm3、cm2、cm またはグラムあたり特に 10
5、103、100、50、20、10、5、2、1または0.1℃より低い温度上昇を
もたらす十分に低い電力である。
【0088】
本発明のいくつかの他の実施形態では、加熱速度は、ナノ粒子が、特に10-10、10
-5、10-1 101、5、10ワットまたはナノ粒子の身体部品のcm3またはcm 2またはcm
またはグラムあたりのワットより高いレーザ出力でナノ粒子の温度上昇を引き起こすのに
十分大きな出力のレーザにさらされる条件下で存在する。
【0089】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子の冷却速度は、冷却ステップの温度低下ΔTCS
と冷却ステップの持続時間DCSとの間の比率ΔTCS/DCSであり、ここで冷却ステ
ップの温度低下は、特に冷却ステップの最高温度と最低温度との間の差である。
【0090】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子の冷却速度は、冷却ステップの開始時の温度低
下ΔTCSと冷却ステップの持続時間dCSとの間の比率ΔTCS/dCSである。 冷
却ステップの開始は、特に冷却ステップの持続時間の最初の数秒または最初の数パーセン
トを表す。
【0091】
一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、ナノ粒子1mg当たりで測定さ
れるとき特に毎秒10-20、10-10、10-5、10-3、10-1、1、5、1
0、103または105℃より高い冷却速度、好ましくはナノ粒子1mg当たりで測定さ
れるとき毎秒10-5℃より高い、最も好ましくは毎秒10-3℃より高い冷却速度であ
ることを特徴とする。
【0092】
一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、ナノ粒子1mg当たりで測定さ
れるとき特に毎秒1020、1010、105、103、10、1、10-1、10-3
または10-5℃より低い冷却速度、好ましくはナノ粒子1mg当たりで測定されるとき
、毎秒10℃未満、最も好ましくは毎秒105℃未満の冷却速度を有する。
【0093】
一実施形態では、冷却速度は、ナノ粒子がレーザーにさらされない、または加熱ステップ
のレーザー出力より少なくとも0、1、1.1、1.5、2、5、10、103、105
または1010の係数で少ないレーザーパワーで暴露される条件下で存在する。
【0094】
実験例に示されるように、加熱速度の典型的な値はナノ粒子1mg当たり毎秒0.2-0
.4℃であり、冷却速度の典型的な値はナノ粒子1mg当たり毎秒0.1℃である。 い
くつかの場合において、異なる値の加熱または冷却速度は、好ましくは0、1、1.1、
1.5、2、5、10、103または105より高い係数で以下によって達成される、i)
ナノ粒子の濃度を変えること、ii) レーザー出力を変えること、またはiii) ナノ粒
子のサイズ、サイズ分布、コーティング、表面対体積比またはナノ粒子結晶性を調節する
こと。
【0095】
本発明の一実施形態では、冷却ステップの持続時間は、加熱ステップの持続時間よりも、
好ましくは少なくとも0、1、1.1、1.5、2、5、10、103または105倍、
好ましくは少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも5倍少ない。これは、ナノ粒子の
表面で熱の発生が起こり、それによってナノ粒子表面と環境またはナノ粒子の周囲との間
の熱伝達が容易になる場合に特に当てはまる可能性がある。
【0096】
本発明の一実施形態では、特に加熱ステップ内で、ナノ粒子にレーザーを照射することに
よって到達する最高温度と加熱ステップの最後に到達する温度との間の差は、1050、
1020、1010、105、103、102、10、5、2、1、10-1または10
-3℃未満、好ましくは5℃未満、最も好ましくは1℃未満である。このような違いは、
加熱ステップの終わりにレーザーが切られた(または出力が低下した)後にもナノ粒子が
加熱し続ける場合に起こり得る。
【0097】
本発明の一実施形態では、所与の出力でのレーザの照射期間と、このレーザ照射中に身体
部品が加熱される間の経過時間との差は、105、103、10、5、2、1。 または1
0-3秒未満、好ましくは103秒未満、最も好ましくは10秒未満である。これは、レーザーの
スイッチを切った後または電力を下げた後にナノ粒子が加熱を停止または低減する場合に
起こり得る。 このような違いは、加熱ステップの終わりにレーザーが切られた(または
出力が低下した)後にナノ粒子が加熱し続ける場合に起こり得る。
【0098】
本発明のいくつかの他の実施形態では、特には加熱ステップ内で、ナノ粒子にレーザーを
照射することによって到達する最高温度と加熱ステップの最後に到達する温度との間の差
は10-50、10-20℃より高い。 10-10、10-5、10-3、10-2、
1、5、10または103℃、好ましくは10-20℃より高い、最も好ましくは10-
2℃より高い。
【0099】
本発明の一実施形態では、所与の電力でのレーザの照射期間と、このレーザ照射中に身体
部品が加熱される間の経過時間との差は、105、103、10、5、2、1よりも大き
い。 10-3、10-5、10-10または10-20秒、好ましくは10-5秒より
長い、最も好ましくは10-3秒より長い。これは、レーザーのスイッチを切った後、ま
たは出力を下げた後に、ナノ粒子が加熱を停止または減少させない場合に起こり得る。
【0100】
In one embodiment、the number of sequences of the first step and the second step
increases、preferentially by a factor of at least 0、1、5、10、103 or 105、when
the nanoparticle concentration increases、preferentially by a factor of at leas
t 0、1、5、10、103 or 105.
一実施形態では、ナノ粒子濃度が増加すると、第1のステップと第2のステップのシーケ
ンスの数が、特に少なくとも0、1、5、10、103または105倍だけ、好ましくは
少なくとも 0、1、5、10、103、または105倍だけ減少する。
【0101】
一実施形態では、ナノ粒子濃度が特に少なくとも0.1、5、10、103または105の
係数だけ増加すると、加熱速度は、特に少なくとも0、1、5、10、103または10
5の係数だけ増加する。。
【0102】
一実施形態では、冷却速度は、ナノ粒子濃度が0.1、5、10、103または105倍
増加すると、特に少なくとも0.1、5、10、103または105倍減少する。
【0103】
一実施形態では、第1ステップおよび第2ステップのシーケンス数は、mgのナノ粒子あた
り毎秒、分、時間、日、月または年あたり1、5、10、103、105または1010
シーケンス多くてもよい。
【0104】
いくつかの他の実施形態では、第1ステップおよび第2ステップのシーケンス数は、ナノ
粒子1mgあたり、毎秒、分、時間、日、月または年あたり特に1010、105、103
、10、5または1シーケンスだけより少なくてもよい。
【0105】
本発明の他の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、以下の特性のうちの
少なくとも1つを特徴とするナノ粒子である。i) 飽和保磁力が0.01、0.1、1、10、100、
103、104、105、109、または 1020 Oeより低い、ii) 残留磁化と飽和磁化との比が0.
01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.75、0.9、または0.99未
満である、iii) 飽和磁化が0.1、1、5、10、50、200、1000、または5000
emu / g未満である、iv)磁気特性が0.1K、1K、10K、20K、50K、100K
、200K、300K、350K、または3000Kより低い温度で特に測定または観察
される、viii) サイズが0.1、0.5、1.5、10、15、20、25、30、
50、60、70、80、100、120、150、または200nmより小さい。また
は、ix)合成生物由来の有機または炭素材料の存在が50、25、15、10、5、2
、または1%を超える、x)99、95、80、70未満の存在。x)合成生物由来のミ
ネラル物質の存在が99、95、80、70,60、50、または25%みまんである、またはxi
) 比吸収率(SAR)が特にレーザー放射による照射下で測定される磁性ナノ粒子、特に
マグネトソームグラム当たりが1、10、1000、または104ワット未満である。
【0106】
本発明の一実施形態では、ナノ粒子は金属性である。 特に、金属ナノ粒子は、少なくと
も1、10、103、105もしくは109個の金属原子を含むか、または少なくとも1
、10、50、75もしくは90%の金属原子を含む、ここでのパーセントはナノ粒子中
の金属原子の数または質量を、ナノ粒子中の全原子の総数または質量で割ったものである
。
【0107】
一実施形態では、ナノ粒子、特には金属酸化物ナノ粒子はまた、少なくとも1、10、1
03、105もしくは109個の酸素原子を含むか、または少なくとも1、10、50、
75もしくは90%の酸素原子を含むことができる。ここでこのパーセンテージは、ナノ
粒子中の酸素原子の数または質量を、ナノ粒子中の全原子の総数または質量で割った比で
ある。
【0108】
一実施形態では、原子は化学元素または元素であり得る。
【0109】
本発明の他の実施形態では、金属または金属原子は、以下からなるリストから選択される
、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシ
ウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル
、およびニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、
ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム
、銀、カドミウム、インジウム、スズ、セシウム、バリウム、ランタン、セリウム、プラ
セオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビ
ウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウ
ム、ハフニウム、タンタル、オスミウム、オスミウム イリジウム、白金、金、水銀、タ
リウム、鉛、ビスマス、ポロニウム、フランシウム、ラジウム、アクチニウム、トリウム
、プロタクチニウム、ウラン、ネプツニウム、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム
、ベルケリウム、カリフォルミウム、アインシュタイニウム、フェルミウム、メンデレビ
ウム、ノーベリウム、ローレンシウム、ラザフォージウム、ダブニウム、シーボーギウム
、ボリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ダルムスタチウム、レントゲニウム、コペル
ニシウム、ニホニウム、フレロビウム、モスコビウム、そしてリバモリウムまたはリバモ
リウム原子。
【0110】
本発明の別の実施形態では、ナノ粒子は1、10、103、105もしくは109未満の
金属原子を含むか、または1、10、50、75もしくは90%未満の金属原子を含む。
ここで%はナノ粒子中の金属原子の数または質量をナノ粒子中の全原子の総数または質量
で割った比である。
【0111】
それは、1、10、103、105もしくは109未満の酸素原子を含むこともでき、ま
たは1、10、50、75もしくは90%未満の酸素原子を含むこともできる、ここでこ
のパーセンテージは、ナノ粒子中の酸素原子の数または質量を、ナノ粒子中の全原子の総
数または質量で割ったものである。
【0112】
一実施形態では、ナノ粒子は金属酸化物または金属および酸素原子を含む。
本発明の一実施形態では、ナノ粒子は、それが磁気的挙動または特性を有するときに磁性
があり、磁気的挙動または特性は、反磁性、超常磁性、常磁性、強磁性、およびフェリ磁
性挙動または特性からなる群から特に選択される。
【0113】
一実施形態では、磁気的挙動または特性は、以下の温度よりも低い温度で存在する。i) 1
05、103、500、350、200、100、50、20、10、1、0.5 または 1 K(ケルビン)、ii) キ
ュリー温度、iii) 溶融または融解温度、またはiv)ブロッキング温度。
【0114】
いくつかの他の実施形態では、磁気的挙動または特性は、i) 0.5、1、10、20、
50、100、200、350、500、103または105Kより高い温度で存在し、
ii) キュリー温度 iii) 融解温度、またはiv)ブロッキング温度。
【0115】
さらにいくつかの他の実施形態では、磁気的挙動または性質は、10-20から1020
Kの間、または0.1から1000Kの間の温度で存在する。
【0116】
一実施形態では、特に、治療後の身体部品の進化または成長を追跡するために、磁気共鳴
画像法(MRI) 、コンピュータ断層撮影法(CT)、スキャナー、陽電子放出断層撮影
法(PET)、ラジオグラフィー、または超音波撮像などの画像化技術を用いて身体部品を
画像化する必要がある。
【0117】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの組成は、身体部品の効率
的な画像化を妨げる。
【0118】
本発明のいくつかの他の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度は、身
体部品の効率的な画像化を可能にするには大きすぎる。
【0119】
本発明のさらにいくつかの他の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、ス
クリーンのように作用するか、または身体部品を隠し、身体部品の効率的な画像化を妨げ
る可能性がある。
【0120】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの組成は、身体部品の画像
化を可能にするように調整または変更される。
【0121】
一実施形態では、酸化鉄組成物は、リチウム、ベリリウム、スカンジウム、チタン、バナ
ジウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ
素、またはヘリウム、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属、硬貨金属、トリエル、テ
トララ、ペントル、プニクトゲン、カルコゲン、ハロゲン、またはノーベルガスのファミ
リーの中から選択される別の物質から構成される組成物によって置き換えられる。
【0122】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが、特に10-20、1
0-9、10-6、10-3、10-1、1、10、103、106、109、または1020
未満のmg/cm3または身体部位のmg/cm3に濃度が減少し、効率的な画像化を可能にする。
【0123】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度は、最小値
と最大値の間に含まれる。
【0124】
本発明の一実施形態では、その最小値は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームによる熱の
生成、または特にレーザー放射の照射下での磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化
合物の解離を可能にするのに十分大きい。
【0125】
本発明の一実施形態では、その最小値は1cm3当たりまたは体の部分1cm3あたり10-
20、10-9、10-6、10-3、10-1、1、10、103、106、109、
または1020mgより高い。
【0126】
本発明のいくつかの他の実施形態では、その最大値は身体部品の撮像を可能にするのに十
分に低い。
【0127】
本発明の一実施形態では、その最大値は、1cm3当たりまたは身体部品1cm3 あたり1
0-20、10-9、10-6、10-3、10-1、1、10、103、106、10
9、または1020mgよりも大きい。
【0128】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームのSARは、本発明におい
て後に定義されるように、SARMまたはSARrealと指定することができる。
【0129】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、磁性ナノ粒子、特にマ
グネトソームにおいて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、
30、35または40を超える鎖で構成される。
【0130】
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、好ましくはそれらの抽出または走磁性細菌からの
抽出または分離後に、走磁性細菌の内側または走磁性細菌の外側に鎖状に配置することが
できる。
【0131】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは鎖状に配置されていない
。
【0132】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを精製して、内毒素および
または他の生物学的物質もしくは炭素質物質、例えば走磁性細菌由来のタンパク質および
脂質、の10、50、または90%以上を除去する。そのような精製は、NaOHまたは
KOHなどの洗剤を使用することができる。 精製磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは
、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、エステル、アミド、ケトン、アルコール、フェノー
ル、チオール、アミン、エーテル、硫化物、酸無水物、ハロゲン化アシル、アミジン、ア
ミド、ニトリル、ヒドロペルオキシド、イミン、アルデヒド、または過酸化物。を含む群
から選択される官能基を含む物質などの合成コーティングで再コーティングすることがで
きる。コーティングは、カルボキシ - メチル - デキストラン、クエン酸、ホスファチジ
ルコリン(DOPC)、またはオレイン酸で作ることができる。
【0133】
本発明の一実施形態では、コーティングは、マトリックスまたは水などの溶媒中で磁性ナ
ノ粒子、特にマグネトソームの分散を可能にする。 精製磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ーム(再コーティングされたまたはされていない)は特に非発熱性である。
【0134】
それらは、特に、以下の量に対して、108、105、103、または10EU(エンド
トキシン単位)未満を含む、i) mm3、またはii) mLの磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソーム、iii) mLの磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム サスペンション、または、iv
)mLまたはcm3の身体の部分、精製磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム(再コーティング
されたまたはされていない)は、液体中に再懸濁させるか、またはマトリックス中に再分
散させて、均一な分散体または高い安定性をもたらすことができる。
【0135】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの懸濁液は安定であり、こ
れは特に、溶媒1mL当たり磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの1、5、10、50、
100、200、500、または1000mgよりも高い濃度で安定であることを意味す
る。すなわち特に480nmまたは他の固定波長で測定されるこの懸濁液の光学密度は、
特にこの懸濁液の均質化または混合後1、5、10、103、107、または1020秒
以上たっても、1、5、10、50、75、または90%を超えて減少しない。
【0136】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの集合体は均一に分布し
ている。 これは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームが体積の10 -6、10 -3、10 -1、1、5、10、50、または75%
以上を占めて 投与、混合、挿入、または導入されることを意味する。このパーセンテー
ジは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、特に投与、混合、挿入、または導入の前に測
定された、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが投与、混合、挿入、または導入される身
体部品の体積の間を、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、投与、混合、挿入、または身
体部品への導入後、1050、1020、1010、105、102、10、または1分
未満に測定された磁性ナノ粒子、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームによって占められる
身体部品の体積で除算された値である。
【0137】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、少なくとも1、2、5、1
0、103、106、または109個の真核または原核の細胞からなる合成生物と指定される生物に
よって合成される。
【0138】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、細胞内で、すなわち真
核細胞または原核細胞の内部で合成される。
【0139】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、細胞外で、すなわち
真核細胞または原核細胞の外側で合成される。
【0140】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、生体、細胞、
区画、オルガネラ、または特に真核細胞または原核細胞によって特に産生されるか、また
はそれらに由来するタンパク質、脂質、酵素、DNA、またはRNAなどの他の生物学的物質に
よってナノ粒子に合成または製造または結晶化または集合または変換される。
【0141】
本発明の他のいくつかの実施形態では、化学合成を使用して、コンパートメント、オルガ
ネラ、または他の生物学的物質を模倣、コピー、または再現する化学物質または化合物を
製造する。ここでこの化学合成または化学物質は磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの製
造に使用されまたは結果とすることができる。
【0142】
本発明の一実施形態では、区画、オルガネラ、または他の生物学的物質は、リソソーム、
エンドソーム、小胞、特に結晶化鉄を遊離鉄に溶解または変換するかまたは遊離鉄から結
晶鉄へ変換する能力または機能を有する生物学的物質である。
【0143】
本発明の一実施形態では、この変換は部分的で特に部分的に結晶化された鉄原子または鉄
原子またはイオンの結晶化集合体の破壊または形成をもたらすか、または特に結晶化鉄と
非結晶化鉄の混合物をもたらす。
【0144】
本発明の一実施形態では、結晶化鉄は、キャラクタリゼーション方法として特に透過型ま
たは走査型電子顕微鏡などの技術を使用して観察可能な結晶面の存在をもたらす鉄原子ま
たはイオンの集合として定義され、フリーの鉄は、キャラクタリゼーション方法として例
えば透過型または走査型電子顕微鏡を用いて、特に回折パターンの欠如によって強調され
る、結晶面の存在をもたらさないいくつかの鉄原子またはイオンのうちの1つとして定義
される。
【0145】
gnetosomes、are not synthesized chemically or are different from chemical nanopa
rticles.
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは生体によって合成される
が、その時は、酸化鉄の結晶化、酸化鉄ミネラルの安定化、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームのミネラルの鎖または凝集体としての組織化など、少なくとも1、2、5、10ま
たは100ステップのそれらの製造が、特に真核細胞または原核細胞によって産生される
か、またはそれらに由来する生物、細胞、区画、オルガネラ、またはタンパク質、脂質、
酵素、DNA、またはRNAなどの他の生物学的物質が絡むかまたはそれらに起因している。こ
の場合、これは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが化学的に合成されないか、または
化学的ナノ粒子とは異なることを意味し得る。
【0146】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子は生体によって合成されない、そのときは酸化
鉄の結晶化、酸化鉄ミネラルの安定化、例えば鎖または凝集体としての磁性ナノ粒子のミ
ネラルの組織化など、それらの1、2、5、10または100ステップ未満の製造が、特
に真核細胞または原核細胞によって産生される生物、細胞、区画、オルガネラ、またはタ
ンパク質、脂質、酵素、DNAもしくはRNAのような他の生物学的物質が絡むかまたは
それらに起因する。
【0147】
この場合、これは、磁性ナノ粒子が化学的に合成されるか、または化学的ナノ粒子と同じ
であるか類似していることを意味し得る。
【0148】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、生物または原核生物細
胞によって合成される、これらは特に細菌、最も選択的には、マグネトスピリルム・マグ
ネタム株AMB-1、マグネトタクチックコッカス株MC-1、3つの通性嫌気性ビブリ
オ株MV-1、MV-2およびMV-4、マグネトスピリルム・マグネトタクティカム株MS-1、マグネ
トスピリルム・グリフィスワルデンス株MSR-1、通性嫌気的走磁性スピリム、マグネトス
ピリルム・マグネティカム株MGT-1、および偏性嫌気性菌デサルフォビブリオ・マグネテ
ィカムRS-1などの走磁性細胞である。
【0149】
本発明の一実施形態では、走磁性細菌は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを産生する
ことができる生物として定義される。本発明の一実施形態では、走磁性細菌は、磁性ナノ
粒子、特にマグネトソームを使用して地球磁場の方向に泳ぐ。
【0150】
本発明の一実施形態では、走磁性細菌は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを合成する
ことができる細菌として定義され、これらの磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、特に
以下の特性のうちの少なくとも1つによって特徴付けられる、i) 細胞内で産生される、i
i) 磁性を持つ、iii) ミネラルを含む、それらのコアは特にに酸化鉄のような金属酸
化物からなる。v)それらのコアは脂質、タンパク質、エンドトキシンのような生物学的物
質によって囲まれているが、それらは特に除去され、最も選択的にはヒトのような走磁性
細菌よりも別の生物によって除去される。vi) 鎖状に配列される、vii) レーザーの適
用またはレーザーによる照射の下で熱を発生する。
【0151】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、走磁性細菌によって合
成されたミネラル部分、すなわち特にこれらの細菌によって生成された結晶化酸化鉄を含
む。
【0152】
この場合、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムのミネラル部分は、これらの細菌によって生産されるタンパク質、脂質、エンドトキシ
ン、または0.1、1、10、30、50、または75%以上の炭素または炭素質を有す
る生物学的物質を含まない。
【0153】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、走磁性細菌によって合
成されたミネラル部分と、走磁性細菌によって合成された炭素質生物材料である物質とを
含む。そのような物質は、レーザーによる医学的または化学的または生物学的または美容
的処置において特に使用することができる。 それは、特に病理学的細胞に対する免疫応
答を誘発するか、または病理学的細胞を標的とするか、または薬理学的もしくは代謝的も
しくは美容的効果を有し得る。そのような物質が、これらの細菌によって合成される内毒
素または他の種類の免疫原性もしくは毒性タンパク質、脂質、DNA、RNAなどの走磁
性細菌によって合成される毒性炭素質材料を含む場合、そのような物質は、レーザーによ
る医学的または化学的または生物学的または美容的処置のためにまたはその途中で、特に
非毒性および/または利益または潜在的な有効性がある他の物質を除去することを防止す
るために選択的に、取り除きまたは破壊される。そのような物質が走磁性細菌によって合
成された炭素質材料を含む場合、レーザーによる医学的または化学的または生物学的また
は美容的処置において使用され得、それは病的細胞を特に標的とするか破壊し、それは健
康な細胞に対して特に無毒であり、そのような物質は、特に磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソーム内にまたは上にまたは磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの表面に維持され、好ま
しくは、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの身体部品への投与の前に、レーザー光
線による照射の前にまたはなしで、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに巻き付きまたは
結合しまたは結びついている。
【0154】
本発明の一実施形態では、前の実施形態に記載の物質は化合物である。
【0155】
本発明の一実施形態では、病理学的細胞は、古い、特に10-9、10-6、10-3、
1、103、106分より古い細胞、または特に1、5、10、25、50、75、80、90、または
100歳以上の個人に属する細胞、またはアポトーシスもしくは壊死状態に入った細胞、ま
たは健康な細胞よりも特には1.1、1.2、1.5、2、5、10、103を超える倍率で大きいか小さ
いサイズを有する細胞、または正常に機能しないオルガネラ、健康な細胞よりも少ないエ
ネルギーを産生するミトコンドリア、または健康な細胞よりも多いまたは少ないアミノ酸
を連結するリボソーム、またはまたは通常健康な細胞で行うような膜透過拡散またはエン
ドサイトーシスを可能にしない細胞膜を持つ細胞である。
【0156】
本発明の別の実施形態では、病理学的細胞は、醜いまたは異常な外観をもたらす細胞であ
り、異常な外観は、全個人の、または全集団の代表的なサンプルの1、5、10、50、
75、または90%の外観とは異なる外観または状態として定義することができる。異常
な外観はまた、皮膚疾患、皮膚上のプラークの存在、発赤、にきび、かゆみ、または水疱
の存在にも関連し得る。
【0157】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、病理学的細胞とは、癌、身体部品の機能不
全、または個体の死、または高熱、もしくは特に個体全体または個体の一部の範囲内の生
理学的温度より上に0.1、2、3、4、5、10、50、または100℃以上の体温の上昇をもた
らす細胞の原因となっている細胞として定義される。
【0158】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、病理学的細胞は、通常の速度で分裂しない
細胞、または健康な細胞の分裂のスピードよりも1.1、2、5、10、103、106
、もしくは109速い速度で分裂する細胞として定義される。。
【0159】
本発明のいくつかのさらに他の実施形態では、病理学的細胞は、身体部品におけるそれら
の大量の存在、またはその身体部品の1cm3当たり1、10、103、106、109
、または1020を超える病理学的細胞の存在によって定義される。
【0160】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、病理学的細胞は、その個人が疾患に罹患す
る前の時間、その個人が疾患、特に病理学的細胞の出現の原因となっている疾患、に罹患
する前、特に1、2、10、103、106、109、または1040時間以下の時間と、その個人が其の
疾患の後または途中、特に特にその個人のその疾病の開始時間後1、2、10、103、106、10
9、または1040時間以上の後の時間との間の、特に1.1、10、103、106、10
9、または1020を超える係数による増加数で定義される。
【0161】
本発明の一実施形態では、病理学的細胞は細菌、特に病理学的細菌、腫瘍細胞、特に良性
または悪性の腫瘍細胞である。
【0162】
本発明の一実施形態では、病理学的細胞は、ウイルスなど、個体に属さない外来物質と接
触して相互作用している細胞として定義される。
【0163】
本発明の一実施形態では、病理学的細胞は、ウイルスが侵入した、または複製している細
胞として定義される。
【0164】
本発明の一実施形態において、病理学的細胞は、特にそれら自身の複製、増殖、生存ある
いは死のいずれかを可能にするために、コロニーを形成しまたは細胞を攻撃しまたは細胞
を破壊しまたは細胞を使用しまたは細胞との相互作用に入るウイルスまたは他の生物また
は物体に同化される。
【0165】
本発明の一実施形態では、病理学的細胞は、形質転換、修飾が起こった健康な細胞、また
は特に、のために死んだ健康な細胞として定義される。
【0166】
本発明の一実施形態では、細胞をコロニーとしまたは細胞を使用しまたは細胞との相互作
用に入るウイルスまたは他の生物もしくは実体の存在は、身体部品の病理学的細胞の存在
を推測するのに使用され得、または身体部品の病理学的細胞の存在の原因となり得る。
【0167】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子は化学ナノ粒子、すなわち合成生物によって、最
も特には走磁性細菌によって合成されていないが、少なくとも1、2、3、4、5、6、
7、 8、 9、 または 10の共通の特徴を有するナノ粒子である。 ここで、これらの共通の
性質は、特に、フェリ磁性挙動、大きなサイズ、結晶化、モノドメイン、マグヘマイトま
たはマグネタイト組成物、鎖状配列、立方体、球状、立方八面体状、葉巻状、または細長
い幾何学的形状、またはマグネトソームの2つの異なる寸法間の比が10-3 -103
である。
【0168】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子は、超常磁性またはフェリ磁性のナノ粒子であり
得、磁性ナノ粒子の磁気特性は、特に0.1、1、5、10、50、100、200、3
00、または400Kより高い温度で測定される。
【0169】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子は、金属もしくは金属酸化物、または大多数の金
属原子、または金属原子および酸素原子を包含する、またはそれらを含む。
【0170】
本発明のいくつかの他の実施形態では、磁性ナノ粒子は、マグヘマイトまたはマグネタイ
トなどの酸化鉄を包含する、またはそれらを含む。
【0171】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、第1または第2のステ
ップの持続時間、最高または最低温度または、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、また
は身体部品のレーザー放射による逐次照射から生じる解離の最大または最小割合の少なく
とも1つの特性によって定義される。
【0172】
本発明の一実施形態では、マグネトソームのレーザーまたはレーザー放射による照射は、
マグネトソームがレーザー照射によって照射されることを意味することができる。
【0173】
本発明の一実施形態では、レーザ放射による照射は電磁波であるかまたは電磁波によるも
のである。 レーザー放射は電磁波であり得る。電磁波またはレーザ放射は、特にレーザ
機器または装置によって放出または生成される。 電磁波は、特につぎのものと関連づけ
られる、i) 電場および磁場波の伝搬、ii) 質量を有する粒子の移動を含まない波、また
はiii) 光子を含む波、または、iv)光波。 特に、その電磁波によって生成される磁場
は、1010、105、102、10、1、10-1、10-2、10-5、または10-10 Tより低い強度を有する
。その電磁場によって生成される電場は、1010、105、102、10、1、10-1、10-2、10-5、
または10-10 Vm-1未満の強度を有する。
【0174】
本発明の一実施形態では、電磁波は、1010、105、103、10、1、10-1、
10-3、10 -5、または10 -10 GHzより低い周波数で空間的または時間的
に振動する。
【0175】
本発明のいくつかの他の実施形態では、電磁波は、1010、105、103、10、1
、10-1、10-3、10-5、または10-10GHzより高い周波数で空間または
時間に振動する。
【0176】
本発明の一実施形態では、レーザ放射は単色であり、すなわち単一波長の光子を含む。
【0177】
本発明のいくつかの他の実施形態では、レーザー放射は多色性であり、すなわちそれは複
数の波長を有する、または1、2、5、10もしくは103を超える波長を有する光子を
含む。
【0178】
本発明の一実施形態では、レーザ機器はレーザと呼ばれる。
【0179】
本発明の一実施形態では、レーザ機器は、特に電磁放射線の誘導放出に基づく光増幅のプ
ロセスを通して、レーザ放射線を放出または生成する装置である。それは、特に次のもの
と組み合わせられるかまたは組み合わせて使用される:i) この機器から身体部品へレー
ザー放射を運搬または輸送することができる光ファイバのようなシステム、ii) レンズ
のようなシステム、特に収束または発散する、あるいは、レーザー光線を身体部品または
身体部品の特定の場所に特に集束化または集束または集束解除化または集束解除すること
ができるレンズの組み合わせ。本特許出願では、レーザー器具と光輸送およびまたは集光
システムとの組み合わせまたは関連付けをレーザー装置と呼ぶ、またはレーザーまたはレ
ーザー器具または装置は、特に次のものである、a)ガスレーザー、特にヘリウムネオン
、アルゴン、クリプトン、キセノンイオン、窒素、二酸化炭素または一酸化物、またはエ
キシマレーザー、またはii) 化学レーザー、特にフッ化水素、フッ化重水素、化学酸素
- ヨウ素、または全気相ヨウ素レーザー、またはiii) 色素レーザー、またはiv)金属蒸
気レーザー、特にヘリウム - カドミウム、ヘリウム - 水銀、ヘリウム - セレン、ヘリ
ウム - 銀、ストロンチウム蒸気、ネオン銅、銅蒸気、金蒸気、またはマンガン蒸気レー
ザー、または、v)固体レーザー、特に、ルビー、Nd:YAG、NdCrYAG、Er:
YAG、ネオジムYLP,ネオジム添加イットリウム・オルトバナテート、ネオジム添加
イットリウム・カルシウム・オキソボレート、ネオジムガラス、チタン・サファイア、ツ
リウムYAG、イッテルビウムYAG、 イッテルビウム:2O3、イッテルビウム添加ガラ
ス、ホルミウムYAG、または、セリウム添加リチウム・ストロンチウム(またはカルシウ
ム)フッ化アルミニウム、プロメチウム147添加リン酸ガラス、クロム添加クリソベリル
(アレキサンドライト)、エルビウム添加およびエルビウム-イッテルビウム共添加ガラ
ス、三価ウラン添加フッ化カルシウム、または二価サマリウム添加フッ化カルシウムのレ
ーザー、または、v)、半導体レーザー、特に半導体ダイオード、GaN、InGaN、A
lGaInP、AlGaAs、InGaAsP、鉛塩、垂直空洞面発光、量子カスケード
、またはハイブリッドシリコンのレーザー、またはvi) 自由電子、ガスダイナミック、
「ニッケル様」サマリウム、ラマン、または核励起のレーザー。レーザー装置は、特に以
下の異なる波長範囲のうちの1つで機能する:X線、紫外線、可視光線、近赤外線、中赤
外線、遠赤外線。
【0180】
本発明の一実施形態では、連続波レーザ出力は10-3mWから103kWの間に含まれ
ることができる。
【0181】
. 本発明の他の実施形態では、レーザパルスエネルギーは特に1mJから1kJの間に含
まれる。
【0182】
本発明の一実施形態では、レーザはモノモーダルである。
【0183】
本発明の他の実施形態では、レーザーはマルチモーダルである。
【0184】
本発明の一実施形態では、波長λは単色レーザ放射である。 それは、特に波長の広がり
または分布Δλが、103λ、10λ、λ/1.01、λ/2、λ/10、λ/103よりも小さいことを特
徴としている。
【0185】
本発明の別の実施形態では、多色レーザ放射のn個の異なる波長λi(1 <i <n)の
それぞれは、波長における拡散または分布によって特徴付けられ、それはΔλiが(λi-λ
j)の絶対値よりも小さいようになっている。 ここで、λiとλjは、多色レーザー光の2つ
の異なる波長で、特に109、106、103、10、または10-1 nm以上短くなる。
【0186】
本発明の一実施形態では、レーザ放射は、レーザパワー、レーザパワー密度、レーザ強度
、またはレーザ波長、に特徴付けられるか、それを有するか、またはそれらと関連するか
、それらを含む。
【0187】
本発明の一実施形態では、レーザ放射は連続的である。
【0188】
本発明のいくつかの他の実施形態では、レーザー光線はパルス状である。
【0189】
本発明の一実施形態では、パルスの持続時間は10、1、10-1、10-3、10-6
、10-9または10-15秒未満、特に10秒未満、より好ましくは1秒未満である。
【0190】
本発明のいくつかの他の実施形態では、パルスの持続時間は、10-50、10-20、
10-10、10-5、10-1または1秒より長く、好ましくは10-50秒より長く
、より好ましくは10-20秒より長い。
【0191】
本発明の一実施形態では、レーザー放射という用語は、レーザー、レーザー機器、レーザ
ー装置、レーザー放射ビーム、レーザービーム、レーザーエネルギー、レーザー強度、レ
ーザー出力、レーザー出力密度、レーザー強度、レーザー周波数、レーザー波長またはレ
ーザー脈動を指すか意味することができる。
【0192】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、レーザー出力密度は、レーザー出力を、特
にレーザー放射によって照射されるかまたはレーザー放射が特に適用される身体部品の体
積、表面または長さで割ったものとして定義できる。
【0193】
本発明の一実施形態では、レーザ出力またはレーザ出力密度またはレーザの他のパラメー
タは、レーザ放射を生成する機器または装置から外部でまたは何らかの距離で、特に10
-20、10-10、10-5、1、105、1010、または1020nmよりも高い
距離で測定されたレーザのレーザ出力または出力密度または他のパラメータである。
【0194】
本発明の一実施形態では、レーザー出力またはレーザー出力密度またはレーザーの他のパ
ラメータは、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの身体部品または領域において測定
される。
【0195】
本発明の一実施形態では、レーザ放射は、特に10-9、10-6、10-3、10-1
、1、103、または106Tより高い強度の、特に10-9、10-6、10-3、1
0-1、1、10kHzより高い周波数の、音波の、超音波の、X線の、ガンマ線の、ま
たは0以外の質量を有する、または10-80、10-40、10-20、10-10、
10-5、10-1または1グラムを超える質量を有する粒子の、特に空間的もしくは時
間的な移動または振動に関連する、それを誘導する、または含む波動の、磁場、交番磁場
ではないか、それらとは異なる。
【0196】
本発明の一実施形態では、レーザー放射の医学的または化学的または生物学的または美容
的治療であって、医学的または化学的または生物学的または美容的治療、治療、またはレ
ーザー治療として指定することができるレーザー放射は、特に医学的、薬学的、免疫学的
、代謝的、診断的、医療用の機器、薬物、生物学的、または美容上の効果を引き起こすた
めに、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または身体部品に照射されるレーザー放射ま
たはーザー放射による照射を用いる。
【0197】
本発明の一実施形態では、医学的治療は、感染症、癌などの疾病または疾患の治療、ある
いは治療的処置であり得る。それは臓器や身体の一部の機能不全による病気の治療になる
こともある。それは病的細胞の破壊、消失、病的細胞の特に1、5、10、50、75、
80、または90%超の破壊、消失につながるか、またはそれと関連し得る。この百分率
は医学的または化学的または生物学的または美容的処置の後に特に身体部品に含まれる病
理学的細胞の数と、医学的処置の前に特に身体部品に含まれる病理学的細胞の数との比に
等しい。病的細胞の存在は、特に身体の部分にあるが、個体の身体の部分の機能不全に起
因し得る。
【0198】
本発明の一実施形態では、医学的または化学的または生物学的または美容的治療は、疾患
の診断または美容的治療である。
【0199】
本発明の一実施形態では、レーザーによる医学的または化学的または生物学的または美容
的処置は、ウイルス、細菌、またはそれら以外の種類の生物もしくは病理学的細胞の存在
に起因または関連する疾患、特に感染症の処置である。 個体における疾患の開始または
出現の前に処置された個体に存在する。
【0200】
本発明の一実施形態では、医学的または化学的または生物学的または美容的治療は、貧血
、特に貧血または身体部品に含まれる物質の欠如、特に貧血または鉄またはその化合物に
含まれている物質の欠如の治療である。
【0201】
本発明の一実施形態では、貧血は、個体に含まれる物質中の濃度として定義され、それは
貧血に苦しんでいる個人において健康な人より1.001、1.01、1.1、2、5、
10、102、105、1010、または1020倍以上低い。
【0202】
一実施形態では、身体部品に含まれる物質の貧血は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームに
含まれる物質、または鉄、酸素などの化合物、または化合物に含まれる物質の濃度として
定義され、それは、その身体部品において磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの投与前、
または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームなしで、その身体部品における特に磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームの投与後、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが存在する
場合よりも、低く、特に1.001、1.01、1.1、2、5、10、102、105
、1010、または1020倍低い。
【0203】
本発明の一実施形態では、ある化合物は、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームのレーザ
放射による照射の前に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合または付着する。
【0204】
本発明の一実施形態では、化合物またはその化合物は、1、10、102、103、10
5、1010、1020、または1050を超える化合物を含む集合体によって特徴付け
られる。
【0205】
本発明のなお別の実施形態において、化合物またはその化合物は、1、10、102、1
03、105、1010、1020、または1050未満の化合物を含む集合体によって
特徴付けられる。
【0206】
本発明の一実施形態では、レーザー放射線は、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームか
らその化合物の解離した後の化合物の移動、振動、または発振に、関連するか、それと関
連するか、それを誘発するか、生成するか、結果として生じるか、それらの原因となるか
、それらを生み出す放射線である。
【0207】
本発明の一実施形態では、化合物は、治療用、免疫原性、代謝性、発光性、蛍光性、放射
性、診断用、生物学的、または化学的化合物であり、または治療用、免疫原性、代謝性、
発光性、蛍光性、放射性、診断用、の効果を引き起こす化合物である。
【0208】
本発明の一実施形態では、化合物は磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの一部である。
この場合、それは、特にイオン形態の遊離鉄または遊離酸素であり得、それは特に磁性ナ
ノ粒子、特にマグネトソームから解離または漏出または拡散した物であり、それは特に磁
性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または身体部品のレーザー放射による照射の下または
後であり、それは特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの溶解後であり、それは特に磁
性ナノ粒子、特にマグネトソームの身体部品への投与後である。
【0209】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが身体部品に直
接投与される場合、または身体部品の近くに投与される場合、特に身体部品から1、10-1
、10-2、10-3、10-4、10-5、10-6、または10-9 m未満離れて身体部品に投与される。この
場合、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが身体部品に投与された領域から輸
送または拡散する必要はないかもしれない。
【0210】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが身体部品か
ら遠くに、優先的には1、10-1、10-2、10-を超えて投与される場合、身体部
品にまたは身体部品内に投与される。 体の部分から3、10-4、10-5、10-6、または10-9 m
離れている。この場合、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが投与された領域
から身体部品に輸送または拡散することができる。
【0211】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが身体部品に
注入されるか、それらと混合されるか、それらの中に導入されるか、または挿入されると
きに身体部品に投与される。
【0212】
本発明の別の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、それらが身体の一部
または体内に投与される時にその身体部品の10-9、10-7、10-5、10-3、
1、10、25、50、75%を超える量を占め、この割合は、身体部品の磁性ナノ粒子
、特にマグネトソームによって占められる領域の体積と、特に磁性ナノ粒子、特にマグネ
トソームを含まない領域からなる身体部品の体積との間の比率であり得る。この占有は、
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの投与後10-5、10-3、10-1、1、10、
103、または105分に測定されたものに対応する。
【0213】
本発明の一実施形態では、身体部品において磁性ナノ粒子、特にマグネトソームによって
占められる領域の体積は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域として指定される。
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域は、身体部品において磁性ナノ粒子、特にマグ
ネトソームの集合体によって占められる体積であり得、磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムは、109、106 、103、または10nm未満離れている。
【0214】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームのアセンブリ内の磁性ナノ
粒子、特にマグネトソーム間の分離距離は、このアセンブリ内の磁性ナノ粒子、特にマグ
ネトソームを分離する平均または最大距離に対応することができる。
【0215】
本発明の一実施形態では、、特にマグネトソーム間を隔てる距離の分布は、磁性ナノ粒子
、特にマグネトソームが少数派として存在することを、すなわち固体の中で特に磁性ナノ
粒子特にマグネトソームの総数の50、10、1、10-2または10-5%未満の存在
を強調することができ、小さい分離距離、すなわち特に109、106、103、または
10nmよりも小さい分離距離、または大きい分離距離、すなわち特に109、106、
103、または10nmよりも大きい分離距離のいずれかを有する、この場合、この磁性
ナノ粒子、特にマグネトソームの存在が少数であることは、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソーム間の平均または最大分離距離を推定するために特に考慮に入れない。
【0216】
本発明の別の実施形態において、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、以下の投与経路
のうちの少なくとも1つに従ってその身体部品に投与される、すなわち局部、経腸、消化
管、非経口、局所、経口、吸気、筋肉内、皮下、腫瘍内、臓器内、静脈内、動脈内、血液
内、または組織内。
【0217】
本発明の一実施形態では、身体部品または身体部品の一部は病理学的部位である。 病理
学的部位は、不健康な部位、または健康な個体の部位とは異なる状態にある部位、または
不健康な個体の部位として定義することができる。 それは病理学的細胞、例えば腫瘍細
胞、細菌、真核生物もしくは原核生物細胞、ウイルスまたは他の病理学的物質を含み得る
。それはまた、特に健康な個体において最も特には病理学的部位における病理学的細胞の
存在のために通常行われるように配置されていないかまたは作用していない健康な細胞を
含み得る。それは健康な細胞よりも多数の病理学的細胞を含み得る。それは病的細胞の数
と健康な細胞の数との間の比に導くことができ、それは特に2、5、10、103、10
6、109、1020、または1050より高い。
【0218】
本発明の一実施形態において、病理学的細胞またはその病理学的細胞は、1、10、10
2、103、105、1010、1020、または1050を超える病理学的細胞を含む
集合体によって特徴付けることができる。
【0219】
本発明の一実施形態では、身体部品は、特に磁性ナノ粒子、マグネトソームの領域として
も指定される磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部と、磁性ナノ粒子
、特にマグネトソームを含まず、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域の外側の
身体部品の領域として指定される身体部品の一部とに分けられる。
【0220】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部は、
レーザーのエネルギーまたは出力の10-9、10-7、10-5、10-3、10-1
、1、5。 、10、25、50、75、または80%を超える量を吸収することができ
るが、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含まない身体部品の部分は、特にレーザーの
エネルギーまたはパワーの10-9、10-7、10-5、10-3、10-1、1、5
、10、25、50、75、または80%の未満しか吸収することができない。
【0221】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部は、
レーザーのエネルギーまたは出力の10-9、10-7、10-5、10-3、10-1
、1、5。 、10、25、50、75、または80%未満の量を吸収することができる
が、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含まない身体部品の部分は、特にレーザーのエ
ネルギーまたはパワーの10-9、10-7、10-5、10-3、10-1、1、5、
10、25、50、75、または80%以上の量を吸収することができる。
【0222】
本発明の一実施形態では、この百分率は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームによって吸
収されたレーザ放射のエネルギーまたはパワーを、レーザ機器またはレーザ装置によって
生成されたレーザ放射のエネルギーまたはパワーで割ったものを表す。
【0223】
本発明のいくつかの他の実施形態では、この百分率は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムを含む身体部品の一部によって吸収されるレーザ放射のエネルギーまたはパワーを、特
に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを有する身体部品の部分と、磁性ナノ粒子、特にマ
グネトソームを含まない身体部品の部分との両方を含む身体部品によって吸収されるレー
ザ放射のエネルギーまたはパワーで割った比を表す。
【0224】
本発明の一実施形態では、身体部品は、病理学的部位または病理学的細胞を含む身体部品
の一部と、病理学的部位または病理学的細胞を含まない身体部品の一部とに分けられる。
【0225】
本発明の一実施形態では、身体部品は身体部品の一部を指す。
【0226】
本発明の一実施形態では、身体部品の部分は、i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを
含む身体部品の部分、ii) 磁性ナノ粒子の領域、特にマグネトソームの領域、またはiii
) 病的細胞または病理学的部位を含む身体部品の部分、を示す。
【0227】
本発明のいくつかの他の実施形態では、身体部品の部分は、i) 磁性ナノ粒子、特にマグ
ネトソームを含まない身体部品の部分、ii) 磁性ナノ粒子の領域の外側の領域を指定す
ることができる。 特にマグネトソーム、またはiii) 病的細胞または病理学的部位を含
まない身体部品の部分。
【0228】
本発明において、身体部品または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームがレーザー光線に暴
露されるかまたはレーザー放射によって照射されるとは、レーザー光線が照射する、覆う
、標的にする、そこに存在する、中または上に適用される、または身体部品または磁性ナ
ノ粒子、特にマグネトソームの少なくとも10-9、10-7、10-5、10-3、10-1、1、5、10、25
、50、75、または80%に位置することを意味し得る。この百分率は、磁性ナノ粒子、特に
マグネトソーム、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域、またはレーザー光線
に曝されるかまたはレーザー光線に照射された身体部品の領域の数または体積を、レーザ
ー放射によって露光されたそして照射されないの両方の、磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ーム、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域、または身体部品の総数または体積で割
ったものを表す。
【0229】
本発明の一実施形態では、レーザー放射は、レーザー放射が健康な細胞に対して毒性を誘
発しないほど十分に低いパワーまたはエネルギーであるとき、身体部品、または磁性ナノ
粒子、特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域を、覆う、
標的とする、存在する、中または上に適用する、またはその外側に配置することができる
。
【0230】
本発明の一実施形態では、健康な細胞またはその健康な細胞は、1、10、102、103、105、
1010、1020、または 1050を超える健康な細胞を含む集合体によって特徴付けることがで
きる。
【0231】
さらに、一実施形態では、身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁
性ナノ粒子特にマグネトソームの領域は、i) 身体部品、またはii) 磁性ナノ粒子特にマ
グネトソーム、またはiii) 磁性ナノ粒子特に特定のマグネトソームの領域にレーザー
照射が適用されるか、またはレーザーが照射されるとき、レーザー光線にさらされるか、
またはレーザー放射によって照射されることができる。
【0232】
本発明のいくつかの他の実施形態では、身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグネトソー
ム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域は、レーザー放射に曝露することがで
き、または放射を照射することができ、その時、身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域は、照射されるか、またはレ
ーザ放射が適用されるか、またはレーザ放射の影響を被り、またはレーザ放射によって生
じる妨害を受ける。
【0233】
本発明の一実施形態では、身体部品は、1、2、5、10、または100を超える類似ま
たは異なる生命体、装置、器官、組織、細胞、または生体分子を含む。身体部品は、特に
本特許出願において定義される個体の頭、首、肩、腕、脚、膝、足、手、足首、肘、体幹
、下位部材、または上位部材の全部または一部であり得る。
【0234】
本発明の一実施形態では、身体部品は水、賦形剤、溶液、懸濁液、生物組織によって合成
または産生され得る少なくとも1つの化学元素、有機材料、またはゲルであるかまたはそ
れらを含む。
【0235】
本発明の一実施形態では、臓器または身体部品は、筋骨格系、筋肉系、消化系、呼吸器系
、尿路系、女性生殖系、男性生殖系、循環系、循環器系、内分泌系、循環系、リンパ系、
神経系(末梢または非末梢) 脳室、腸の神経系、感覚系、外皮系、生殖器官(内臓また
は外部の)、感覚器官、または内分泌腺に属する。臓器または身体部品は、ヒトの骨格、
関節、靭帯、腱、口、歯、舌、唾液腺、耳下腺、顎下腺、舌下腺、咽頭、食道、胃、小腸
、十二指腸、空腸、回腸、大腸、肝臓、胆嚢、腸間膜、膵臓、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、
気管支、肺、横隔膜、腎臓、尿管、膀胱、尿道、卵巣、卵管、子宮、膣、外陰部、陰核、
陰核精巣、精巣上体、輸精管、精嚢、前立腺、尿道結節、陰茎、陰嚢、下垂体、松果体、
甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、心臓、動脈、静脈、毛細血管、リンパ管、リンパ節骨髄
、胸腺、脾臓、腸管関連リンパ組織、扁桃腺、脳、大脳、大脳半球、間脳、脳幹、中脳、
ポン、延髄、オブロンガタ、小脳、脊髄、脈絡叢、神経、脳神経、脊髄神経、ガングリ、
目、角膜、虹彩、毛様体、レンズ、網膜、耳、外耳、耳たぶ、中耳、小骨、内耳、蝸牛、
耳の前庭、半規管、嗅上皮、舌、味蕾、乳腺、または皮膚、であるかまたはそれに属する
。身体部品または器官は循環器系に属することがある。
【0236】
本発明の一実施形態では、身体部品は個体の身体部品を指す。
【0237】
本発明の一実施形態では、個体は、生物、特に生物、植物、木、小麦粉、真菌、きのこ、
古細菌、微生物、動物、哺乳動物、鳥、甲殻類、魚、脊椎動物、バクテリア、人間、男性
、女性、高齢者、または子供である。本発明の一実施形態では、特に治療個体とも呼ばれ
る疾患の治療を受けている個体と、治療個体の疾患の原因である個体または生物との間で
区別がなされる。
【0238】
本発明の一実施形態では、個体は生きていてもよい。
【0239】
本発明のいくつかの他の実施形態では、個体は死んでいるか、または不活性化もしくは死
滅生物であり得る。
【0240】
一実施形態では、個体の身体部品は、特に身体部品に含まれる、身体部品から抽出された
、身体部品から発行された、または身体部品にまたはから結果する、細胞の集合、特に1
、10、103、106、109、または1020個以上の細胞の集合体である。 一実
施形態では、これらの細胞を、特定の数、特に1、10、103、106、109、また
は1020以上の細胞に達するように培養し増幅することができる。
【0241】
本発明の一実施形態では、本発明による磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、薬物、医
療機器、化粧品、生物学的製品、研究目的で使用される製品、または生物学的もしくは化
学的サンプルの特性を決定するために使用される製品である。
【0242】
本発明の一実施形態では、この化合物は、特にレーザー照射による照射下で、磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームから解離するかまたは解離されることができる。
【0243】
本発明の一実施形態では、その化合物は磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離し、
その時化合物の10-5、10-3、10-1、1、5、10、25、50、75、85
または90%以上が磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離し、このパーセンテージ
は解離のパーセンテージを表す。
【0244】
本発明の一実施形態では、解離の百分率は、レーザー放射による照射の後または照射下で
、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離した化合物の量と、レーザー照射による照
射の前または無しの、磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合または結びついた化合物の
量との比を表す。
【0245】
本発明の一実施形態では、1つの磁性ナノ粒子特に1つのマグネトソームに結合または結
びついた化合物の数は、1、2、5、10、103、105、または1010より多いこ
とがある。
【0246】
本発明のいくつかの他の実施形態では、1つの磁性ナノ粒子特に1つのマグネトソームに
結合または巻き付いた化合物の数は、2、5、10、103、105、または1010よ
り少ない。
【0247】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、解離した化合物の割合は、レーザー放射に
よる照射の前後で少なくとも1.01、1.1、2、5、7、10、102、または10
5倍増加することがある。
【0248】
本発明の一実施形態では、その化合物は、特にレーザー放射による照射がない場合、磁性
ナノ粒子特にマグネトソームから解離することができないか、または解離しない。特に、
その化合物が磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離しない場合、その化合物の10-
5、10-3、10-1、1、5、10、25、50、75、85、または90%未満が
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離している。
【0249】
本発明の一実施形態では、その化合物は、それが磁性ナノ粒子特にマグネトソームから1
09、105、103、10、または1nm以内の距離に位置しているときには、磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームに結合または結びついているか、または磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソームから解離していない。あるいは、その化合物は、一実施形態では、磁性ナノ粒
子特にマグネトソームとその化合物が両方または一緒に磁力によって引き付けられている
か、または特に単位距離当たりの強度が10-9、10-6、10-3、10-1、または1T / mまたはT
/ cm またはT / mmよりも高い磁場勾配の適用下でその両方があるいは一緒に動く場合、
その化合物は磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合または結びつくことができ、または
磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離していないことがある。ここで、磁性ナノ粒子
特にマグネトソームに結合しまたは結び付いているか、または磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームから解離していない化合物の運動速度は、特に10-9、10-6、10-3、1
0-1、1、10、または103nm/秒またはnm/分またはnm/時またはnm/日
またはm/秒またはm/分またはm/時またはm/日より速い。
【0250】
本発明の一実施形態では、その化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから109,
105、103、10、または1nm以上離れているとき、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームに結合していないか、結び付いていないか、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ームから離れている。あるいは一実施形態において、化合物が磁石に引き寄せられないか
または単位長さ当たりの強度が10-9、10-6、10-3、10-1、または1T
/ mまたはT / cmまたはT / mmよりも大きい磁場勾配の適用下で動くことがで
きない場合、その化合物は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに結合または結びついて
いないか、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離し得る、そこでは、その化
合物の運動速度は、特に10-9、10-6、10-3、10-1、1、10、または1
03nm /秒またはnm /分またはnm /時またはnm /日、またはm /秒または
m /分またはm /時またはm /日、より遅い、あるいはその化合物の運動速度は特に
、1.001、1.01、1.1、2、5、10、103、106、109、1015、
または1020を超える係数で磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの運動速度または磁性
ナノ粒子、特にマグネトソームに結合または結合したその化合物の運動速度より遅い。
【0251】
In one embodiment of the invention、the percentage of dissociation is between 10
-20% and 1020%、or between 10-10% and 1010%、or between 10-5% and 105%、or betwe
en 10-3% and 103%、or between 10-1% and 10%. A percentage of dissociation higher
than 100% can in one embodiment be reached、for example when a compound that di
ssociates from the magnetic nanoparticle、in particular magnetosome、transforms
itself or results in several compounds.
本発明の一実施形態において、解離の割合は、10-20%-1020%、または10-
10%-1010%、または10-5%-105%、または10-3%-103%、 ま
たは10-1%から10%の間である。一実施形態では、例えば、磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ームから解離した化合物、がそれ自体を変換するか、またはいくつかの化合物になる場合
、100%を超える解離のパーセンテージに達することができる。
【0252】
本発明のさらに別の実施形態では、レーザー照射による照射は、磁性ナノ粒子特にマグネ
トソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域、または身体部品におけるレー
ザー放射による照射を指す。
【0253】
本発明の一実施形態では、レーザー放射による照射は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ム、身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域のレーザー照射への曝露を
指す。
【0254】
本発明の別の実施形態では、特に単一の磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに結合してい
る化合物の質量、数、または重量と、単一の磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの質量、
数、または重量との比は、1020、109、105、102、2、1、10-2、10
-5、10-9、または10-20より低い。
【0255】
本発明の別の実施形態では、単一の磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに特に結合してい
る化合物の質量、数、または重量と、特に単一の磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの質
量、数、または重量の比は、1020、109、105、102、1、10-2、10-5、10-9、または10-20
より高い。
【0256】
本発明の一実施形態では、単一の磁性ナノ粒子特にマグネトソームに特に結合する化合物
の数の値の適切な範囲は1から178の間であり、ここでこの最小値1は、単一のマグネ
トソームに連結され得る化合物の最小の数であり、最大値178は、特許文献1における
単一のマグネトソームに連結されたRhB分子の数であり、少なくとも部分的には単一の磁
性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離することができる。一実施形態では、この最大
値178は、以下のいずれかによって、特に5、10、103、107、1010、また
は1020を超える係数で、増加させることができる、i) 磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームに結合するその化合物のサイズまたは質量を、特に1.1、2、5、10、103
、107、1010、または1020を超える係数で、減少させる、ii) その化合物と
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームとの間の結合の種類を変更する、またはiii) 化合
物を磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに付着または結び付ける方法を変更する。
【0257】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子または身体部品は、最初のステップで最初にレー
ザー放射を照射される。これは特に、身体部品、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム
を含む身体部品の一部が、レーザーのエネルギーまたはパワーを受け取るかまたは吸収す
るか、または特にレーザー機器または装置によって放出または生成されたレーザー放射の
エネルギーまたは電力の少なくとも10-9、10-7、10-5、10-3、10-1
、1、5、10、25、50、75、または80%のを受け取るかまたは吸収することを
意味する。磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部によって吸収されな
いレーザーのエネルギーまたはパワーは、磁性ナノ粒子を含まない身体部品、特にマグネ
トソームの部分によって吸収されることができる。
【0258】
本発明の一実施形態では、第1のステップは、第1のステップ中を意味するか、または等
価であり得る。
【0259】
第1のステップは、特に、身体部品または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームが、特に0
ワットまたは身体部品cm3あたりのワットまたはナノ粒子グラムあたりのワットより高
いレーザー出力で、レーザー放射により照射される間のまたはそのステップである。ある
いは、第1のステップは、身体部品または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに、第2の
ステップのレーザー出力よりも、特に少なくとも0、1.1、1.5、5、10、103
、105または1010の倍数で高い出力の放射線を照射している間またはそのステップ
である。
【0260】
一実施形態では、特に第1のステップで、場合によっては第2のステップでも、レーザ出
力は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域、
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部の温度上昇を引き起こすことが
できる値に設定され、かつ特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含まない身体部品の
温度上昇を防ぐよう設定される。
【0261】
本発明の一実施形態では、「第2のステップの中」とは、第2のステップの間を意味する
かまたは同等であり得る。
【0262】
本発明の一実施形態では、特に第1のステップで、場合によっては第2のステップでも、
レーザ出力またはレーザ出力密度を109、106、103、102、10、または1W
またはW / cmまたはW/ cm2またはW / cm3、または身体部品のcmあたりのWまたは身
体部品のcm2あたりのWまたは身体部品のcm3あたりのW以下に維持することができる。
【0263】
本発明の一実施形態では、特に第1のステップにおいて、しかしおそらくは第2のステッ
プにおいても、レーザ強度を1020、109、106、103、102、10、または
1mA(ミリアンペア)以下に維持することができる。
【0264】
In the experimental example、the laser intensity is fixed at 4500 A、and a power
density of 2 W/cm2 is used、which is sufficient to induce a temperature increas
e of the magnetic nanoparticles、in particular magnetosomes、and does not induce
a temperature increase of water alone、not comprising the magnetic nanoparticle
s、in particular magnetosomes. 実験例では、レーザ強度は4500mAに固定され、2
W / cm2の電力密度が使用される、これは磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの温度
上昇を引き起こすのに十分であり、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含まない水単独
の温度上昇は引き起こさない。本発明の一実施形態では、4500mA未満、特に1.0
01、1.01、1.1、1.5、2、5、10、もしくは103を超える係数で低く、
および/または2W / cm2より低い、特に1.001、1.01、1.1、1.5、
2、5、10、または103を超える係数で低く、なおも加熱ステップ中に温度上昇を引
き起こすレ―ザーの強度を用いることができる。これは、特に以下によって達成される、
i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム濃度を、特に1.001、1.01、1.1、1
.5、2、5、10、または103を超える係数で増加させる、ii) 加熱ステップの持
続時間を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、もしくは103
を超える係数で増加させる、またはiii) 加熱中に達成したい温度上昇または温度勾配
を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または103を超える
係数で、減少させる。
【0265】
本発明の一実施形態では、レーザ強度を、特定の電力でレーザ放射を生成または誘導する
電流の強度とすることができる。一実施形態では、レーザ強度をレーザパワーに関連付け
ることができ、一実施形態では、レーザ強度をレーザパワーに関連付けるように較正曲線
を確立することができる。
【0266】
本発明の一実施形態では、高すぎるレーザー出力、出力密度、またはレーザー強度は、特
に毒性または過熱または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化合物の高すぎる割合
の解離を防ぐために、あるいは冷却ステップ中の冷却を可能にするために、避けられる。
【0267】
本発明のいくつかの他の実施形態では、特に第1のステップにおいて、しかしおそらくは
第2のステップにおいても、レーザ出力は10-9、10-6、10-3、10-1、1
、10、103、または105WまたはW / cmまたはW / cm2またはW / cm3または身体部
品のcmあたりWまたは身体部品のcm2あたりのWまたは身体部品のcm3あたりのWを超えて維
持される。
【0268】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、特に第1のステップにおいて、しかしおそ
らくは第2のステップにおいても、レーザ強度は10-20、10-9、10-6、10
-3、10-1、1、10、103、105、または1010 mAである。
【0269】
In the experimental example、the laser intensity is fixed at 4500 A、and a power
density of 2 W/cm2 is used、which is sufficient to induce a temperature increas
e of the magnetic nanoparticles、in particular magnetosomes、and does not induce
a temperature increase of water alone、not comprising the magnetic nanoparticle
s、in particular magnetosomes.
実験例では、レーザ強度は4500mAに固定され、2W / cm2の電力密度が使用さ
れ、これは磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの温度上昇を引き起こすのに十分であり、
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含まない水単独の温度上昇を引き起こさない。一実
施形態では、4500mAよりも高い、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2
、5、10、もしくは103を超える係数であるレーザー強度、および/またはこれは、
特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または103を超える係数
で2W / cm2よりも大きいパワー密度を使用することが可能であり。磁性ナノ粒子、
特にマグネトソーム、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域または磁性ナノ粒子、特
にマグネトソームを含む身体部品の一部の温度上昇を引き起こし、特に磁性ナノ粒子、特
にマグネトソームを含まない身体部品、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの領域
の外側の温度上昇を誘導することがない。これは以下によって達成される、i) 磁性ナノ
粒子、特にマグネトソームの濃度を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、
5、10、または103を超える係数で減少させること、ii) 加熱ステップの持続時間
を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または103を超える
係数で減少させること、またはiii) 加熱中に達成したい温度上昇または温度勾配を特
に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または103を超える係数で
増加させること。
【0270】
本発明のいくつかの他の実施形態では、特に第一段階で、磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ームを加熱することができ、または十分に大きな割合の化合物の磁性ナノ粒子、特にマグ
ネトソームからの解離をもたらすことができるように、十分に高いレーザ出力またはレー
ザ出力密度またはレーザ強度が望ましい。
【0271】
本発明の一実施の形態では、レーザパワーまたはレーザパワー密度またはレーザ強度は、
第1のステップで、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の部分の温度を上
昇させるのに十分な大きさに維持される。本発明の一実施形態では、この身体部品の温度
上昇は10 -6、10 -3、10 -1、1、5、10、102、または103℃より
高い。
【0272】
本発明のいくつかの他の実施形態では、この身体部品の温度上昇は106、103、10
、1、または10-1℃より低い。
【0273】
In one embodiment of the invention、the temperature increase designates the temp
erature increase of the body part、portion of the body part comprising the magne
tic nanoparticles、in particular the magnetosomes、region of the magnetic nanopa
rticles、in particular the magnetosomes、region、or the magnetic nanoparticles、
in particular the magnetosomes.
本発明の一実施形態では、温度上昇は、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含
む身体部品の一部、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域、領域、または磁性体特にマ
グネトソームの温度上昇を示す。
The temperature increase can be assimilated to or correspond to the magnitude of
the temperature increase occurring in the first step、which is preferentially t
he absolute value of the difference between the maximum and minimum temperature
reached in the second step、which is also in one embodiment designated as temper
ature variation or temperature variation during or occurring in the first step.
温度上昇は、第1ステップで生じる温度上昇の大きさに同化または対応させることができ
、それは特に第1ステップで到達する最高温度と最低温度との間の差の絶対値であり、そ
れはまた温度変動または一実施形態で第1ステップの間または第1ステップで生じる温度
変動として指定される。
【0274】
本発明の別の実施形態では、レーザーパワーまたはパワー密度またはレーザー強度は、第
1のステップにおいて磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化合物の解離を生じさせ
るために十分に高く維持される。
【0275】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化合物の解離百分率
は、10 -5、10 -3、10 -1、1、5、10、25、50 、75、または90
%以上になり得る。
【0276】
本発明のいくつかの他の実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化合物
の解離百分率は、10-5、10-3、10-1、1、5、10、25、50、75、9
0、または99%より低くなることがある。
【0277】
本発明の別の実施形態では、第1のステップで磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含ま
ない身体部品の部分の温度上昇を防ぐために、レーザー出力またはレーザー出力密度また
はレーザー強度を十分に低く維持する。
【0278】
本発明の別の実施形態では、第1のステップでレーザーパワーまたはレーザーパワー密度
またはレーザー強度を十分に低く維持して、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化
合物の解離を防ぐ。
【0279】
本発明の一実施形態では、レーザ波長は、レーザ発光の波長またはレーザ放射の波長とし
て指定するかまたはそれに対応させることができる。
【0280】
本発明のさらに別の実施形態では、第1のステップにおいて、レーザー波長は1020、
1015、109、107、105、104、1000、900、800、700、50
0、100、50、20、2、または1nmより短いか、またはそれより低く維持される
。
【0281】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップにおいて、レーザー波長は1020、1
015、109、107、105、104、1000、900、800、700、500
、100、50、20、2または1nmよりも長いか、またはそれよりも長く維持される
。。
【0282】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップにおいて、レーザー波長は、1nmと1
00000nmの間、1nmと10000nmの間、20nmと5000nmの間、50
nmと2000nmの間、または100nmと1000nmの間である。
【0283】
本発明の一実施形態では、特にレーザ放射に関連するかまたはそれに対応する電磁放射は
、1、2、5、10、または103を超える異なる振動周波数を含む。
【0284】
本発明のさらに別の実施形態では、レーザ放射と特に関連するかまたは対応する電磁放射
は、2、5、10、または103未満の異なる振動周波数を含む。
【0285】
本発明のさらに別の実施形態では、特にレーザ放射と関連している電磁放射は、磁場また
は交流磁場とは異なるか、それらではない。
【0286】
本発明のさらに別の実施形態では、第1のステップにおいて、レーザー波長は、磁性ナノ
粒子特にマグネトソームによる光の強い吸収に対応するかそれをもたらすか、またはその
結果となる値に固定される、すなわち特に10000、5000、2000、1000、
900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、2
0、10、5、2、または1nmより短い波長である。
【0287】
本発明のさらに別の実施形態では、特に第1のステップにおいて、レーザ波長は、身体部
品または個体の内部またはそれに至る光の強い吸収または透過をもたらす値に固定され、
それは特に10000、5000、2000、1000、900、800、700、60
0、500、400、300、200、100、50、20、10、5、2、または1n
mよりも高い波長、または10000-1nm、5000-1nm、5000、10nm
、5000-100nm、または2000nm-200nmの間である。
【0288】
本発明のさらに別の実施形態では、特に第1のステップにおいて、レーザ波長は、磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームの表面プラズモン波とレーザ放射との間の最大結合に達するこ
とを可能にする波長に固定される。
【0289】
実験例では、レーザ波長は808nmに固定されている。
【0290】
本発明の一実施形態では、このレーザ波長は、特に身体部品によるレーザ放射の吸収を1
、2、5、10、103、または106を超える係数で増強するために、特に1.001、1.01
、1.1、10、103、または106を超える係数で増大することができる。
【0291】
In some other embodiment of the invention、this laser wavelength can be decrease
d、preferentially by a factor of more than 1.001、1.01、1.1、10、103、or 106、pr
eferentially to enhance absorption of the laser radiation by the magnetic nanopa
rticles、in particular magnetosomes、preferentially by a factor of more than 1.0
01、1.01、1.1、10、103、or 106.
本発明の他のいくつかの実施形態では、このレーザ波長は、特に磁性ナノ粒子特にマグネ
トソームによるレーザ放射の吸収を強化するために、特に1.001、1.01、1.1
、10、103、または106を超える係数で、減少させることができる。
【0292】
本発明の一実施形態では、第1のステップで到達する磁性ナノ粒子特にマグネトソームか
らの化合物の解離の百分率は、10-5、10-3、10-1、1、5、10、25,5
0、75、または90%となり得る。
【0293】
本発明のいくつかの他の実施形態では、第1のステップで到達する磁性ナノ粒子、特にマ
グネトソームからの化合物の解離の百分率は、10-5、10-3、10-1、1、5、
10、25、50、75、90、または99%より低くてもよい。
【0294】
さらにいくつかの場合において、第1のステップで到達する磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ームからの化合物の解離の割合は、10-5-99%、10-3-99%、10-1-9
9%、1-99%、10-99%、10-0%、または25-75%であり得る。
【0295】
第2のステップは特に、その間に、またはそこで、身体部品、または磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームが、第1のステップにおけるよりも低いパワーのレーザー照射によって照射
される。あるいは、第2のステップは、特に身体部品、または磁性ナノ粒子、特にマグネ
トソームがレーザー放射によって照射されないステップである。あるいは、第2のステッ
プは、特に磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または身体部品のレーザー照射が行われ
ないステップである。
【0296】
本発明の一実施形態では、レーザ出力またはレーザ出力密度またはレーザ強度は、第2の
ステップにおいて第1のステップにおけるよりも少なくとも1.1、1.2、1.5、2、5、10、1
03、106、109、または 1020倍低い。
【0297】
実験例では、レーザは第2のステップでオフにされる。 しかしながら、特に磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームまたは身体部品を加熱することを回避するために、レーザー出力
が十分に低ければ、ステップの間レーザーをオンに維持することが可能である。 一実施
形態では、これは、過度に多数回オンオフすることによってレーザを損傷することを回避
するのに有用であり得る。
【0298】
本発明のさらに別の実施形態では、第2のステップにおいて、レーザ波長は、第1ステッ
プで使用したレーザー波長から10000、10000、1000、900、800、7
00、500、100、50、20、2、または1 nm以下で異なる値で維持される。
【0299】
本発明のさらに別の実施形態では、第2ステップにおいて、レーザ波長は、第1ステップ
で使用したレーザー波長から100,000、10,000、1000、900、800
、700、500、100、50、20、2、または1 nm以上異なる値で維持される。
【0300】
本発明のさらに別の実施形態では、第2のステップにおいて、レーザ波長は、磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームによる光の弱い吸収に対応する、またはそれをもたらす、または
その結果となる波長に固定される、すなわち特に 1、5、10、100、200、30
0、400、500、600、700、800、900、1000、2000、5000
、または10000nmより高い波長である。
【0301】
本発明のさらに別の実施形態では、第2のステップにおいて、レーザ波長は、磁性ナノ粒
子、特にマグネトソームの表面プラズモン波とレーザ放射との間の結合が最小に達するこ
とを可能にする波長に固定される。
【0302】
本発明の一実施形態では、第1および第2のステップは少なくとも1、 2、 3、 4、 5、
10、 100、 103、 105、 または 1010回繰り返される。
【0303】
本発明の一実施形態では、第1および第2のステップは1、 2、 3、 4、 5、 10、 100、
103、 105、 または 1010回より少なく繰り返される。
【0304】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップおよび第2ステップは、2-1010回
、2-105回、2-105回、2-103回、5-103回、または10-103回繰
り返される。
【0305】
本発明の一実施形態では、第1ステップと第2ステップのシーケンスは少なくとも1、 2
、 3、 4、 5、 10、 100、 103、 105、または1010回繰り返される。
【0306】
本発明の別の実施形態では、第1ステップと第2ステップのシーケンスは、1、 2、 3、
4、 5、 10、 100、 103、 105、または1010未満の回数で繰り返される。
【0307】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップと第2ステップのシーケンスは、2から
1010回、2から105回、2から103回、5から103回、または10と103回
繰り返される。
【0308】
本発明の一実施形態では、第1および/または第2のステップの持続時間は10-50、 10-1
0、 10-1、 1、 5、 10、 15、 30、 100、 103、 105 または 1010分より長い。
【0309】
本発明のいくつかの他の実施形態では、第1および/または第2のステップの持続時間は
10-50、 10-10、 10-1、 1、 5、 10、 15、 30、 100、 103、 105 または 1010分より
短い。
【0310】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1および第2のステップの持続時間は1
0-50-1050分、10-50-103分、10-50-60分、10-50-30
分、より特定的には10-5-30分、さらに特定的には10-3-15分、さらに特定
的には10-1-10分、またはさらに特定的には10-1-5分である。
【0311】
本発明の一実施形態では、ステップ間期間は、第2のステップから第1のステップを隔て
る期間または経過時間である。
【0312】
本発明の一実施形態では、ステップ間期間は、10-10-1020分、特に10-5-
105分、より特定的には10-5-10分であり得る。 さらにより特定的には10-
5-1分である。
【0313】
本発明の一実施形態では、ステップ間持続時間は、105、103、100、60、30
、15、10、5、2、1、10-1または10-3または10-10分より短くてもよ
い。
【0314】
本発明のいくつかの他の実施形態では、ステップ間期間は、10-10、10-3、10
-1、1、5、10、103、105、1010または1020分より長くてもよい。
【0315】
特に第1ステップの持続時間は、温度上昇を誘発し、特に身体部品内の磁性ナノ粒子から
少なくとも1つの化合物を放出させるのに十分な長さである。
【0316】
特に第2のステップの持続時間は、温度低下を誘発し、特に身体部品において、磁性ナノ
粒子から少なくとも1つの化合物の放出を防止するのに十分に長い。
【0317】
特に第1および第2のステップの持続時間は、細胞破壊、免疫刺激、免疫抑制、または酵
素、DNA、RNA、タンパク質などの生物学的物質の産生もしくは出現などの生物学的
効果、を誘発するのに十分に長い。
【0318】
特に、第1および/または第2のステップの持続時間は、以下の期間、温度が一定または
安定した温度に維持されるのを回避するのに十分にだけ短い:i) 1日以上、特に1分、
最も特定的には1秒、または ii) 第一ステップの持続時間の50%超、ここでこの百分
率は、温度が一定の温度に維持される間の経過時間と第一ステップの全持続時間との間の
比である。
【0319】
特に、第1および/または第2のステップの持続時間は、第1および/または第2のステ
ップを複数回繰り返すことができるように十分に短い。
【0320】
さらに他の実施形態では、第1のステップと第2のステップとは、あるステップ間期間に
よって分離することができる。それは次に示すタイミングの間の時間である:i) レーザ
のパワーが0または第一ステップの値よりも低い値に設定される、特に第二ステップの開
始時の、タイミングt1、および化合物の解離のパーセンテージまたは温度上昇が特に少
なくとも1.1、 1.2、 1.5、 5、 10、 103、 105 または 1010よりも高い係数であまり重
要でなくなる時間t2、または、ii) レーザのパワーがゼロ以外の値に設定される、ま
たは第2ステップのものよりも高い値に増加される、特に第一ステップの開始時のタイミ
ングt3、そして化合物の解離のパーセンテージまたは温度上昇が、特に第2ステップよ
り少なくとも1.1、 1.2、 1.5、 5、 10、 103、 105 または 1010よりも高い係数で重要
になるタイミングt4、言い換えれば、ステップ間持続時間は、特に第1および/または
第2のステップの開始時に、レーザ出力がある値に設定される時間と、レーザが出力され
身体部品およびまたはナノ粒子に対して効果がある時間とを隔てる時間の経過であり得る
、この効果は特に化合物の解離百分率の変化および/または温度上昇の変化である。この
効果は、特に身体部品および/またはナノ粒子において生じるかまたは測定される効果で
ある。
【0321】
本発明の一実施形態では、ステップ間持続時間は、t1 -t2またはt3-t4に等し
くなり得る。
【0322】
第1ステップおよび第2ステップの順序は、シーケンスとも呼ばれ、第1ステップの後に
第2ステップが続く。
【0323】
一実施形態では、シーケンスの持続時間は10-50、 10-10、 10-1、 1、 5、 10、 15、 3
0、 100、 103、 105 または 1010分より長くてもよい。
【0324】
いくつかの他の実施形態では、シーケンスの持続時間は10-50、 10-10、 10-1、 1、 5、
10、 15、 30、 100、 103、 105 または 1010分より短くてもよい。
【0325】
さらにいくつかの他の実施形態では、シーケンスの持続時間は10-50-1050分、
特に10-50-103分、より特定的には10-50-60分、さらに特定的には10
-50-30分、より特定的には10-5-30分、さらに特定的には10-3-15分
、さらに特定的には10-1-10分、またはさらに特定的には10-1-5分である。
【0326】
一実施形態では、配列の持続時間は、第1の持続時間および/または第2の持続時間より
も少なくとも0、 1、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10、 103、 105 または 1010倍特に
長くすることができる。
【0327】
第1のステップと第2のステップの2つの連続したシーケンスは、シーケンス間持続時間
によって分離することができる。シーケンス間持続時間は、各シーケンス間で異なるかま
たは同一であり得る。
【0328】
一実施形態では、配列間持続時間は、105、 103、 100、 60、 30、 15、 10、 5、 2、
1、 10-1 または 10-3 または 10-10分より短くてもよい。 特に医学的または抗腫瘍活性
に達するために、迅速にシーケンスを繰り返す必要がある場合、これは有益である。
【0329】
いくつかの他の実施形態では、配列間の長さは10-10、 10-3、 10-1、 1、 5、 10、 103
、 105、 1010 または 1020分より長くてもよい。これは、患者が2つのシーケンスの間
で特に治療または方法から回復する必要がある場合、例えば治療方法が麻酔を使用する場
合、または手術、化学療法、放射線療法あるいは免疫療法などの耐え難い臨床プロトコル
と組み合わせるまたは使用を必要とする場合に有益である。
【0330】
さらにいくつかの他の実施形態では、配列間持続時間は、10-10から1020分の間
、10 -5から105分の間、10-5から10分の間、または10-5から1分の間で
あり得る。
【0331】
一実施形態では、シーケンス間の持続時間は、少なくとも0、 1、1.1、2、 5、 10、 103
、 105 または 1010倍長い。
【0332】
さらにいくつかの他の実施形態では、シーケンス間持続時間は、ステップ間持続時間より
も少なくとも0、 1、1.1、2、 5、 10、 103、 105 または 1010倍短い。
【0333】
特に、シーケンスまたはシーケンス間の持続時間は、細胞破壊、免疫刺激、免疫抑制など
の生物学的効果、または酵素、DNA、RNA、タンパク質などの生物学的物質の産生もしくは
出現を誘導するのに十分な長さである。
【0334】
特に、シーケンスまたはシーケンス間の持続時間は、シーケンスが反復されることができ
るように十分に短く、特に治療効力に達するのに十分な多くの回数であることが好ましい
。
【0335】
一実施形態では、少なくとも1つのシーケンスの持続時間は、少なくとも1つのステップ
の持続時間よりも特に少なくとも1.1倍長く、および少なくとも1つのインターシーケン
スの持続時間は、特に少なくとも1つのインターステップの期間よりも少なくとも1.1倍
長い。
【0336】
本発明のさらに他の実施形態では、単位時間当たりのシーケンス数は、1秒当たり10-50、
10-20、 10-10、 10-5、 10-3、 10-1、 1、 10、または 103シーケンスよりも大きい。
【0337】
本発明のさらに別の実施形態では、単位時間当たりのシーケンス数は、1秒当たり10-50、
10-20、 10-10、 10-5、 10-3、 10-1、 1、 10、または 103未満である。
【0338】
実験例では、単位時間当たりのシーケンス数は、0.5 mg/mLのM - CMDの場合、毎秒8
10-3シーケンスであった。1 mgのM - CMDに対して毎秒10-2のシーケンス、および1
mgのN-CMDに対して毎秒7 10-3シーケンスであった。一実施形態では、単位時間あたりの
シーケンス数を、特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10、または 103を超える倍
数で増加することが以下の方法で可能である。i) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃
度を特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または 103を超える倍数で増やす、 ii
) 特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または 103を超える倍数で、加熱ステッ
プ中のレーザー出力を増加させる、または冷却段階中のレーザー出力を減少させる、また
はiii) 特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または 103を超える倍数で、達成
しようとしている加熱ステップの温度上昇、または冷却ステップの温度低下を減少させる
、以下の方法で単位時間当たりのシーケンス数を、特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、
5、 10または 103を超える倍数で減少させることが可能である、i) 磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームの濃度を特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または 103を超える
倍数で、減少させるii) 特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または 103を超え
る倍数で、加熱ステップ中のレーザー出力を減少させる、または冷却ステップ中のレーザ
ー出力を増加させる、またはiii) 特に1.001、 1.01、 1.1、 1.5、 2、 5、 10または
103を超える倍数で、達成しようとしている加熱ステップの温度上昇または冷却ステップ
の温度低下を増加させる。治療セッションはいくつかのシーケンス、特に1、 2、 5、 10
、 103または 105を超えるシーケンスの連続である。
【0339】
一実施形態では、少なくとも2つの治療セッション間の期間は、2つのシーケンス間の期
間よりも長くすることができる。これは、医療プロトコルの中または最中に特に起こるか
または必要であり、そこでは、i) 患者は、本発明による方法または治療によって治療さ
れる必要があり、特に最適な医学的活動を得るために、互いに連続して続くいくつかのシ
ーケンスの使用を必要とする、ii) 1セッションに対応するこれらのいくつかのシーケ
ンスの終わりに、例えば患者の苦痛または疲労または長い麻酔のために、2つのシーケン
ス間の期間よりも十分に長い時間にわたって治療または方法を停止する必要があり、それ
は例えば方法または治療によって治療された患者が長い麻酔を受けまたはくたびれたか、
または医療インフラストラクチャまたは医療チームの利用可能性が欠如したためである。
【0340】
一実施形態では、治療セッションの期間は、10-50、 10-10、 10-1、 1、 5、 10、 15、
30、 100、 103、 105 または 1010分より長いことがある。
【0341】
いくつかの他の実施形態では、治療セッションの期間は1050、 1010、 60、 30、 10、 5
、 2、 1、 10-1 または10-5分よりも短いことがある。
【0342】
さらにいくつかの他の実施形態では、治療セッションの期間は10-50 分と1050 分の間、
特に 10-50分と 103分の間、 より特定的に 10-50分と60分の間、さらにより特定的に 10
-50分と30分の間、さらにより特定的に10-5分と30分の間、さらにより特定的に10-3分と1
5分の間、さらにより特定的に 10-1分と10分の間、またはさらにより特定的に 10-1分と5
分の間であり得る。
【0343】
第1の治療セッションは、セッション間持続時間によって第2のセッションから分離され
得る。
【0344】
一実施形態では、セッション間期間は、105、 103、 100、 60、 30、 15、 10、 5、 2
、 1、 10-1 または 10-3 または 10-10分より短くてもよい。これは、特に医学的または
抗腫瘍的活動に到達するためにセッションを迅速に繰り返すことが必要であるときの場合
であり得る。
【0345】
いくつかの他の実施形態では、セッション間期間は、10-10、10-3、10-1、1、5、10、103
、105、1010 または 1020分より長くてもよい。これは、例えば治療方法が麻酔を使用す
る場合、または手術、化学療法、放射線療法および/または免疫療法などの耐えることが
難しい臨床プロトコルの使用と組み合わせられているあるいは必要とされている場合など
、患者が2つのセッションの間に治療または方法から特に回復する必要がある場合など、
ある期間にわたって治療または方法を停止する必要がある場合であり得る。
【0346】
さらにいくつかの他の実施形態では、セッション間期間は、10-10分と1020分の間、特に1
0-5分と105分の間、より特定的に 10-5分と 10分の間、さらにより特定的に10-5分と 1分
の間である。.
【0347】
一実施形態では、セッション間持続時間は、シーケンス間またはステップ間持続時間より
も少なくとも0、1、1.1、2、5、10、103、105または1010倍長い。
【0348】
さらにいくつかの他の実施形態では、セッション間期間は、シーケンス間またはステップ
間期間よりも少なくとも0、1、1.1、2、5、10、103、105または1010倍だけ短い。
【0349】
一実施形態では、治療セッションは、t1a+t2a または t1b+t2bより1.001、1.01、1.1、1.
2、1.5、2、5、10、103、または105 倍を超える持続時間によって分離することができる
。
【0350】
本発明の一実施形態では、治療セッションは2、5、10、100、または 104回以上繰り返さ
れる。
【0351】
本発明の別の実施形態では、治療セッションは5、10、100、104、または 105回未満繰り
返される。
【0352】
本発明の別の実施形態では、治療セッションおよびまたはシーケンスの数は、最大の治療
効果に達するように、すなわち例えば病的細胞または腫瘍を含む身体部品の部分の疾患の
消失または破壊に達するように調整される。
【0353】
本発明のさらに別の実施形態では、治療セッションおよびまたはシーケンスの数は、治療
毒性が最小限となるように、すなわち例えば健康な細胞を含む身体部品の一部の消失また
は破壊を回避するように調整される。
【0354】
本発明の逐次レーザー照射は、驚くべきことに、より効率的であり、そしてまたは副作用
が少ない一方で、連続レーザー照射の場合よりも低い身体部品の加熱温度を可能にする。
本発明の治療は、特に少なくとも第1ステップおよび第2ステップを行わずにマグネトソ
ームに連続的にレーザーを照射することによって到達する平均温度より低い平均加熱温度
で身体部品を加熱する。
【0355】
一実施形態では、第1のステップおよびまたは第2のステップの間、レーザ放射から生じ
る身体部品の加熱温度は、ステップの持続時間の100%未満、特に50%、より特に1
0%以下、または105秒、特に103秒、より特に10秒未満の間で安定している。
【0356】
理論に縛られることを望むことなく、本発明の逐次レーザー照射は、マグネトソームに連
続的にレーザーを照射するよりも、特に健康な細胞に対する活性化された病理学的細胞の
比率に関してより効率的そして/または副作用が少ない。
【0357】
一実施形態では、治療は、活性化病理細胞Npatの数において、以下からなる群から選択さ
れる少なくとも1つの特性を有する結果をもたらす。
- Npatの値、これは1、特に身体部品のcm3当たり1よりも大きい。
- Npat / Nhealthの値、ここでNhealthは1より大きい健康なセルの数である。
- NpatまたはNpat / Nhealthの値、これは、マグネトソームを連続的にレーザー光線
にさらすことによって得られる値より大きい。
ここで活性化された病理学的細胞は以下から選択される少なくとも1つの特性を有する、i
) 病理学的部位またはマグネトソーム領域に含まれる細胞、ii) 病理学的部位またはマ
グネトソーム領域に引き寄せられるかまたはそれに向かって遊走するかまたは分裂するか
または増殖する細胞である。iii) 特に治療前または治療なしでまたは治療が効率的で
ないときに生きている細胞、iv)特にアポトーシスまたは壊死によって、特に治療中また
は治療後または治療中または治療が効率的であるときに、死んだまたは破壊された細胞、
v)病理学的部位の増殖または維持を促進する細胞、およびvi) 病理学的部位の破壊また
は消失を防ぐ細胞、ここで健常細胞は以下で構成される群の少なくとも1つの特性を持つ
細胞である、i) マグネトソームを含まない健常部位または領域に含まれる細胞、ii) 健
常部位またはマグネトソームを伴わない領域に引き寄せられるかまたはそれに向かって遊
走するかまたは中に移動するかまたは分裂するかまたは増殖する細胞、iii) 特に治療
中または治療後もしくは治療中、または治療が効率的であるときに生存している細胞、iv
)特に治療の前または治療前または治療が効率的でないときに、特にアポトーシスまたは
壊死によって、死滅または破壊された細胞、v)健康な部位の成長または維持を促進する細
胞、およびvi) 健康な部位の破壊または消滅を防ぐ細胞。
【0358】
本発明の一態様において、本発明は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの使用に関し、こ
こで、第1のステップは加熱ステップおよび解離ステップである。
【0359】
本発明の一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子特にマグネ
トソーム、または本発明による方法に関し、ここで第1のステップは、さらに加熱および
/または少なくとも1つの化合物の磁気ナノ粒子特にマグネトソームからの解離を含む。
【0360】
本発明の一実施形態では、加熱ステップは、加熱ステップの持続時間または加熱時間を指
す持続時間t1aを有する。
【0361】
一実施形態では、加熱ステップの期間は、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、
または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域の温度上昇の期間に対応する。それは特に
次の時刻ti1a,、i) 、レーザ開始、ii) レーザ機器または装置のスイッチを入れる、iii
) 特に身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームの領域のレーザー照射による照射の開始、と、そして次の時刻tf1a,、i) レーザー
停止、ii) レーザー装置または装置のスイッチオフ、iii) レーザー照射による照射の
終了、またはiv)時間tiaにおけるより低いパワーのレーザー放射による、特に身体部品、
磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子の領域特にマグネトソームの領域
の照射。
【0362】
一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、ti1aに続く一定時間Dti1a、身体
部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域
の温度の上昇を生じさせるかまたは誘発し始める。
【0363】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、tf1aに続く一定時間W
10;tf1a、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネ
トソームの領域の温度の上昇を生じさせることまたは誘発することを停止する。
【0364】
本発明の一実施形態では、Dti1a および Dtf1aは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、または
10秒より長い。この長い遅延は、一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含
まない身体部品による、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム以外の物質によるレーザ
放射の吸収に起因し得る。いくつかの他の実施形態では、この長い遅延は、磁性ナノ粒子
特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品によるレー
ザー放射の吸収、特にそれが直ちには熱に変換または移転されないことに起因し得る。
【0365】
本発明のいくつかの他の実施形態では、Dti1a および Dtf1aは、10-9、10-6、10-3、10-1
、1、または 10秒未満である。この短い遅延は、一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソームによるレーザ放射の吸収、およびその急速な熱への変換または伝達によるもの
であり得る。
【0366】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、Dti1a および Dtf1aの値は、磁性ナノ粒子
特にマグネトソームの組織化、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから、 磁性ナノ粒子、
特にマグネトソームの周囲または環境への熱の転送、または磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ームの固有の特性、例えばサイズ、フェリ磁性特性、結晶化、に依存する。一実施形態で
は、Dti1a および Dtf1aは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの結晶化を改良することで
、磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズを大きくすることによって、磁性ナノ粒子特
にマグネトソームのサイズ分布を小さくすることによって、磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ームの空間分布を改善することによって、あるいは、特に身体部品における磁性ナノ粒子
特にマグネトソームの凝集を減少させることによって、低減できる。
【0367】
実験例では、Dtf1aは、0.5 および 1 mg/mLのM - CMDでは0秒に等しく、N - CM
Dでは6から16秒の間である。これは、特に化学的に合成されたか、または十分に結晶化
されていないいくつかのナノ粒子が、レーザーのスイッチを切った後も加熱し続けること
を示している。これは、過熱をもたらし、加熱ステップ中に到達する温度に対する正確な
制御を妨げる可能性があるので、通常避けるべき特性である。それはまた、特に生物学的
にまたは生物によって生成されるかまたは十分に結晶化されているいくつかのナノ粒子が
、レーザーのスイッチが切られた直後に加熱を停止することを示す。これは、過熱を防ぎ
、加熱ステップ中に到達する温度を正確に制御することを可能にすることができるので、
通常求められるまたは気を配るべき特性である。
【0368】
本発明の一実施形態では、解離ステップは、解離ステップの持続時間または解離時間とも
呼ばれる持続時間t1bを有する。
【0369】
一実施形態では、解離ステップの期間は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物
の解離の期間に対応する。それは、特に、レーザー開始、レーザー機器または装置のスイ
ッチを入れる、特に身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特
にマグネトソームの領域のレーザー放射による照射の開始の時間ti1bと、レーザー停止、
レーザー機器または装置のスイッチオフ、またはレーザー放射による照射の終了の時間tf
1bとの間に含まれる。
【0370】
一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
からの化合物の解離を、ti1bの前または後ある時間Dti1bに生成または誘導し始める。
【0371】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、tf1bの前または後ある時
間Dtf1bに、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の生成または解離を停止する
。
【0372】
本発明の一実施形態では、Dti1b および Dtf1bは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、または
10秒より長い。 この長い遅延は、一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを
含まない身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム以外の物質によるレーザー放
射の吸収に起因し得る。いくつかの他の実施形態では、この長い遅延は、磁性ナノ粒子特
にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品によるレーザ
ー放射の吸収に起因し、 磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の解離を直ちに
は開始しない。
【0373】
本発明のいくつかの他の実施形態では、Dti1b および Dtf1bは、10-9、10-6、10-3、10-1
、1、または 1秒未満である。この短い遅延は、一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソームによるレーザー放射の吸収によるものであり得、これは、磁性ナノ粒子、特に
マグネトソームからの化合物の解離を急速にもたらす。
【0374】
本発明のさらにいくつかの他の実施形態では、Dti1b とくに Dtf1bの値は、磁性ナノ粒子
特にマグネトソームの構成、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間の結合の強
度、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間の距離、磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームの例えばサイズ、フェリ磁性、または結晶化などの性質、に依存する。一実施形態
では、Dti1b および Dtf1bは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの結晶化を改善すること
によって、磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズを大きくすることによって、磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームのサイズ分布を小さくすることによって、磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームの空間分布を改善することによって、特に身体部品における磁性ナノ粒子特
にマグネトソームの凝集を減少させることによって、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームとの間の強度または距離を調整することによって低減でき、その結果、レーザー放
射による照射の直後に、レーザー放射による照射が磁性ナノ粒子特にマグネトソームから
の化合物の解離を誘発する。
【0375】
本発明の別の実施形態では、第1のステップは、t1a またはt1bに等しい、またはt1a ま
たはt1bよりも長い、またはt1a またはt1bよりも短い持続時間を有する。
【0376】
本発明の一実施形態では、加熱ステップは、特に身体部品または磁性ナノ粒子特にマグネ
トソームが、10-6、10-3、10-1、1、2、5、10、または 15°Cを超えて加熱されるステッ
プであり、それは特に、生理学的温度より高い、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
を含まない身体部品の温度より高い、またはレーザー放射の照射前に到達する身体部品の
温度より高い、またはレーザー放射の照射前または照射なしの磁性ナノ粒子の温度より高
い。
【0377】
本発明の一実施形態では、解離ステップは、その間またはその中で化合物が磁性ナノ粒子
特にマグネトソームから解離するステップである。一実施形態では、0.1、1、10、25、50
、75、または90%を超える化合物が磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離すると、
化合物は磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離するとする。
【0378】
特に、解離の割合は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の解離の割合を意味
し、これは解離の割合と指定される。
【0379】
特に、解離の百分率の変動は、最も特定的には、解離または非解離ステップの間の解離の
百分率の経時的変動である。
【0380】
特に解離百分率の勾配は、最も特定的には、解離百分率の、解離または非解離ステップの
間の経時変化の勾配である。最も特定的には、この勾配は解離百分率の経時変化の勾配の
絶対値である。
【0381】
一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の解離の百分率は、特に
レーザー照射による照射後の、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに結合していないまた
は巻き付いていない化合物の数を、特にレーザー光線の照射前または照射なしの磁性ナノ
粒子特にマグネトソームに結合または巻き付いている化合物の数で割ったものであり、そ
れに対応している。
【0382】
本発明の実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離する化合物は、磁性ナ
ノ粒子のコーティングまたは中心部に属するか、または鉄などの金属原子である。一例と
して、鉄はマグネトソームの照射後にマグネトソームから解離することができる。いくつ
かの実施形態において、照射は、磁性ナノ粒子からの化合物の解離を直接もたらす。すな
わち、解離は細胞または酸性媒体などの特定の媒体などのレーザー照射以外の他の要素に
よるものではない。いくつかの他の実施形態では、照射は磁性ナノ粒子からの化合物の解
離を間接的にもたらす。すなわち、細胞または特定の媒体などのレーザー放射とは異なる
実体が、特にレーザーによって活性化された後またはレーザー照射後に化合物を解離する
ときに解離を引き起こし得る。
【0383】
本発明の一実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームと弱い相互作用ま
たは共有結合を確立することができる少なくとも1つの物質を含む。
【0384】
本発明の一実施形態では、化合物は、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム上に、また
は磁性ナノ粒子特にマグネトソームの表面上に、化学吸着または物理吸着することができ
る少なくとも1つの化合物を含む。
【0385】
本発明の一実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの内部または表面
上にある原子、イオン、分子との相互作用または結合を確立することができる少なくとも
1つの物質を含む。
【0386】
本発明の一実施形態では、化合物は、少なくとも1つの物質、原子、イオン、または酸、
カルボン酸、リン酸、またはスルホン酸官能基などの、化学官能基を含み、そこでは、コ
ーティングに含まれる物質、原子、イオンが磁気ナノ粒子特にマグネトソームとの相互作
用または結合を確立することができる。
【0387】
本発明の一実施形態では、解離百分率は、レーザー照射による照射後に解離した化合物の
数または質量を、レーザー放射による照射の前の磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合
した化合物の数または質量で割った比として定義される。
【0388】
本発明の別の実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから磁気的に分
離されると、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから解離する。
In this case、a magnet can preferentially be used to attract the magnetic nanopa
rticle、in particular magnetosome、preferentially using a magnetic field whose i
ntensity varies spatially、preferentially using a magnet with a lower strength t
han 10、1、10-1、10-3、or 10-9 T、where this strength is preferentially measured
at the surface or near the magnet and decreases with increasing distance away f
rom the magnet.
この場合、特に10、1、10-1、10-3、または 10-9 Tよりも低い強度を有する磁石を使用し
、特に強度が空間的に変化する磁場を使用し、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを引き付
けるための磁石を使用できる。この強度は、磁石の表面または磁石の近くで特に測定され
るもので、磁石から離れるにつれて減少する。磁性ナノ粒子特にマグネトソームとは対照
的に、化合物は特に磁石に引き寄せられない。 したがって、磁気分離を使用することに
よって、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間に特に1、10、103、または 105
nmよりも大きい一定の距離を作り出すことができ、次いで磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームを化合物から分離または単離できる。
【0389】
本発明の別の実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結び付いたま
たは結合した、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームから10、1 、10-1、10-3、10-6、
または 10-9 cm以下の距離に位置する化合物の割合が、99、90、75、50、30、20、10、5
、2、または 1%より低い時に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離する。このパー
センテージは、磁気分離前に磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合または結びついた化
合物の数または質量と、磁性分離後に磁性ナノ粒子特にマグネトソームに結合または結び
ついた化合物の数または質量との比を表すことができる。
【0390】
本発明の別の実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームが特に10、1、1
0 - 1、10-3、または10-9 Tより低い強度の磁石を用いて化合物から磁気的に分離でき
ない場合、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離しない、あるいは非解離である。
【0391】
本発明のさらに別の実施形態では、化合物は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに結び
付いたまたは結合した、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから10、1 、10-1、10
-3、10-6、または 10-9 cmよりも短い距離に位置する化合物のパーセンテージが99、90、
75、50、30、20、10、5、2、または1%より大きい場合には、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームから解離しないまたは未解離であるとする。このパーセンテージは、磁気分離前の
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに結合または結び付いた化合物の数または質量と、磁
気分離後に磁性ナノ粒子に結合または結び付いた化合物の数または質量との比を表す。
【0392】
本発明は、使用のための磁性ナノ粒子特にマグネトソームに関し、ここで、第1のステッ
プは、その間にまたはその中で身体部品の第1の部分がレーザー放射によって照射される
第1 サブステップと、その間にまたはその中で磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの
化合物の温度上昇およびまたは化合物の解離が、第1のサブステップの間にレーザ放射に
よって照射されていない身体部品の別の部分で起こる第2のサブステップの間で分割され
得る。
【0393】
本発明の一実施形態では、身体部品は、レーザー放射によって照射されるかまたは照射さ
れる身体部品の部分と、レーザー放射によって照射されないかまたは照射されない身体部
品の部分とに分割される。
【0394】
本発明のさらに別の実施形態では、レーザ放射によって照射される、また一実施形態で身
体部品または身体部品の一部と指定される身体部品の部分は、特に身体部品または個人に
おいて磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の部分が存在する領域である。それは一実
施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域として指定される。
【0395】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域は、磁性ナノ粒
子特にマグネトソームの99、90、80、70、50、40、20、10、5、または 1%未満に対応する
か、またはそれを含む体積である。それは個体または体の一部に投与されているか、また
は体の一部または個体に含まれている。この百分率は、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
の第一の領域に含まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソームの量と、個体または身体部品に
投与されるかまたは含まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソームの量との間の比を表すこと
ができる。
【0396】
本発明の一実施形態では、身体部品または身体部品の一部が、磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームの第2の部分が個体内に特に位置する領域となる。一実施形態では、それは磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームの第2の領域として指定される。
【0397】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第2の領域は、磁性ナノ粒
子特にマグネトソームの99、90、80、70、50、40、20、10、5、1、10-3または10-6%を超
える体積に対応する、またはそれを含む体積であり、それは、磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームの第1の領域に位置しない、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域
の外側に位置する、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域とは異なる領域
に位置する。
このパーセンテージは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域の外側に位置する
、またはマグネトソームまたは磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第2の領域に位置する
磁性ナノ粒子特にマグネトソームの量を、個体または身体部品に含まれるかまたはそれら
に投与された磁性ナノ粒子特にマグネトソームの量で割った比を示す。
【0398】
本発明のさらに別の実施形態では、第1サブステップと第2サブステップとの間の期間は
、1、10-3、10-6、または 10-9秒未満である。
【0399】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第2の領域に位置
する磁性ナノ粒子特にマグネトソームを加熱する、または化合物の解離を起こしやすいメ
カニズムは、熱伝導または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの第1の領域と第2の領域と
の間の電磁波の伝導または伝達を伴うことができる。磁性ナノ粒子特にマグネトソームが
高濃度であるか、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームが互いに特に鎖状に、または密
集して結合されている場合、熱伝導およびまたは電磁波の伝達または伝達に有利であり得
る。
【0400】
本発明の一実施形態では、熱伝導および電磁波の伝達または伝導は、磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームと、身体部品に含まれる組織または水との間、または身体部品内の水分子間
、特に運動している水分子の間に起こる。ここで、水分子の運動は熱によって特に増加す
る。
【0401】
本発明はまた、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの使用にも関し、ここで第2のステッ
プは冷却ステップおよび非解離ステップである。
【0402】
本発明の一実施形態では、冷却ステップは、冷却ステップの持続時間または冷却時間とも
呼ばれる持続時間t2aを有する。
【0403】
本発明の一実施形態では、冷却ステップの期間は、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネト
ソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域、の温度低下の期間に対応する。
それは、特に、レーザー停止、レーザー装置もしくは装置のスイッチオフ、レーザー出力
、レーザー出力密度もしくはレーザー強度の減少、またはレーザー照射による照射の終了
の時ti2a、および、レーザの開始、レーザ装置または装置のスイッチオン、またはレーザ
放射による照射の開始の時tf2aの間に含まれる。
【0404】
本発明の一実施形態では、温度低下は、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含
む身体部品の一部、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域の温度低下を示す。温度低下
は、第2ステップで生じる温度低下の大きさに同化するかまたはそれに対応することがで
き、それは特に第2ステップで到達する最高温度と最低温度との間の差の絶対値であり、
また一実施形態で温度変動または第2ステップ中または第2ステップで生じる温度変動
である。
【0405】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、ti2a の前または後の一
定の時間Dti2aにおいて、体の一部、磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームの領域の温度の低下を生じさせるかまたは誘発し始める。
【0406】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、tf2aの前後のある時間Dt
f2aにおいて、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームの領域の温度の低下を生じさせることまたは誘発することを停止する。
【0407】
本発明の一実施形態では、Dti2a および Dtf2aは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、または
10秒より長い。この長い遅延は、一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから
、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを取り囲む環境または媒体への、または磁性ナノ粒子
特にマグネトソームを含まない身体部品への遅いまたは非効率的な放出または熱伝達に起
因し得る。
【0408】
本発明の一実施形態では、この熱の放出または伝達は、毎秒10-20、10-10、10-4、10-2、
10-1、1、10、102、105、1010、または 1020 °Cより遅くてもよい。
【0409】
本発明のいくつかの他の実施形態では、Dti2a およびまたは Dtf2aは、10-9、10-6、10-3
、10-1、1、または 10秒未満である。この短い遅れは、一実施形態では、磁性ナノ粒子、
特にマグネトソームから、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを取り囲む環境または媒体へ
の、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含まない身体部品への熱の迅速または効率
的な放出または伝達によるものであり得る。
【0410】
本発明の一実施形態では、この熱の放出または伝達は、毎秒10-20、10-10、10-4、10-2、
10-1、1、10、102、105、1010または 1020 °Cより速い。
【0411】
本発明のさらにいくつかの他の実施形態では、Dti2a およびまたは Dtf2aの値は、磁性ナ
ノ粒子、特にマグネトソームの組織、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから周囲または環
境、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームまたは磁性ナノ粒子を含まない身体部品、へ
の熱伝達に依存する。それはまた、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの性質、例えばサイ
ズ、フェリ磁性、結晶化にも依存し得る。本発明の一実施形態では、Dti2a およびまたは
Dtf2aは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの結晶化を改善する、磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソームのサイズを大きくする、磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズ分布を小さ
くする、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの空間分布を改善する、特に身体部品におけ
る磁性ナノ粒子特にマグネトソームの凝集を減少させることによって低減できる。
【0412】
実験例では、Dtf2aは、0.5から1 mg/mLのM - CMDでは0秒に等しく、N - CMDで
は6から25秒の間である。 それは、特に化学的に合成されるか、または十分に結晶化され
ていないいくつかのナノ粒子が、レーザースイッチオフと同じ期間内に冷却しないことを
示している。これは、過冷却を生じる可能性があり、冷却ステップ中に到達する温度の正
確な制御を妨げる可能性があるため、通常避けるべき特性である。 それはまた、生物学
的にまたは生物によって特に生成されるか、または十分に結晶化されているいくつかのナ
ノ粒子が、レーザースイッチオフと同じ期間内に冷却することを示している。これは通常
気を付けなければならない特性である。と言うのはこれが過冷却を防止しそして冷却ステ
ップの間到達温度の正確な制御を可能にできるからである。
【0413】
本発明の一実施形態では、非解離ステップは、非解離ステップの持続時間または非解離時
間とも呼ばれる持続時間t2bを有する。
【0414】
本発明の一実施形態では、非解離ステップの期間は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームか
らの化合物の非解離の期間に対応する。それは、特に、レーザー停止、レーザー装置また
は装置のスイッチオフ、レーザー放射による照射の終了の時間ti2bと、レーザーの始動、
レーザー装置または装置のスイッチオンの時間、レーザ放射による照射の開始の時間tf2b
との間に含まれる。
【0415】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、ti2bの後またはその前の
ある時間Dti2bで、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の非解離の生成または
誘導を開始する。
【0416】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、tf2bの前後のある時間Dt
f2b後に、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化合物の非解離の生成または誘導を
停止する。
【0417】
本発明の一実施形態では、Dti2bおよび/またはDtf2bは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、
または 10秒より長い。この長い遅延Dti2bは、レーザのスイッチが切られた後、または電
力が減少された後の長時間における、化合物の磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの解
離の継続によるものであり得る。この長い遅延Dtf2bは、レーザがスイッチオンされた後
長時間で化合物の解離が開始するのに起因し得る。
【0418】
本発明のいくつかの他の実施形態では、Dti2bおよび/またはDtf2bは、10-9、10-6、10-3
、10-1、1、または 10秒未満である。この短い遅れDti2bは、レーザのスイッチが切られ
たかまたは電力が減少された後の短い時間の間に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームから
の化合物の解離が終わるのに起因し得る。
This short delay may for Dtf2b be due to the beginning of the dissociation of th
e compound a short time after the laser has been switched on.
この短い遅延 Dtf2bは、レーザーがスイッチオンされた後短時間の間に化合物の解離が開
始するに起因し得る。
【0419】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、Dti2bおよび/またはDtf2bの値は、磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームの組織、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間の結
合の強度、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間の距離、磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームのサイズ、フェリ磁性特性、または結晶化などの特性、に依存する。
【0420】
本発明の一実施形態では、Dti2bおよび/またはDtf2bは、磁性ナノ粒子特にマグネトソー
ムの結晶化を改善し、磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズを大きくし、磁性ナノ粒
子特にマグネトソームのサイズ分布を小さくし、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの空
間分布を改善し、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームの特に身体部品における凝集を減
少させ、化合物と磁性ナノ粒子特にマグネトソームとの間の強度または距離を調整するこ
とによって、減少し。 その結果、レーザー放射による照射の終了後短時間で、レーザー
放射による照射の終了により、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の解離が停
止するかまたは非解離が誘導される。
【0421】
本発明の別の実施形態では、第2のステップは、t2aまたはt2bに等しいか、またはt2aま
たはt2bよりも長い、またはt2a+t2bよりも短い持続時間を有する。
【0422】
本発明の一実施形態では、冷却ステップは、その間またはそこで身体部品または磁性ナノ
粒子が冷却されるか、または温度が特に加熱ステップ中に到達する最高温度より下に特に
10-6、10-3、10-1、1、2、5、10、または 15 °C以上低下するステップである。
【0423】
本発明の一実施形態では、非解離ステップは、その間にまたはそこで化合物が磁性ナノ粒
子特にマグネトソームから解離しないステップである。
【0424】
本発明の一実施形態では、化合物は磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離せず、その
時解離の百分率は0.1、1、10、25、50、75、または 90%より低い。
【0425】
本発明の別の実施形態では、時間t1a、t1b、t2a、または t2b,は、10-3、10-2、10-1、1
、10、102、または103分より短い。
【0426】
本発明の一実施形態では、t1a、t1b、t2a、または t2b,は、10-9、10-7、10-5、10-3、10
-1、1、10、103、105、107、または 109秒より短い。
【0427】
本発明のさらに別の実施形態では、時間t1a、t1b、t2a、または t2b,は、10-3、10-2、10
-1、1、10、102、または 103分より長い。
【0428】
本発明の一実施形態では、t1a、t1b、t2a、または t2bは、10-9、10-7、10-5、10-3、10-
1、1、10、103、105、107、または109 秒より長い。
【0429】
本発明の一実施形態では、時間t1a、t1b、t2a、または t2bは、特に少なくとも1.1、1.5
、2、5、10、102、103、105、107、109、1012、1015、または 1020の係数でレーザパルス
の時間より短い。
【0430】
本発明のさらに別の実施形態では、時間t1a、t1b、t2a、または t2bは、特に少なくとも1
.1、1.5、2、5、10、102、103、105、107、109、1012、1015、または 1020の係数でレー
ザパルスの時間より長い。
【0431】
本発明のさらに別の実施形態では、パルスは、特に、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、
身体部品、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域への、106、103、1、10-3、10-
6、10-9、10-12、10-15、または 10-20秒より短い時間のレーザー放射による照射として
定義される。
【0432】
本発明の一実施形態では、比t1a/t2a または t1b/t2bは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、1
0、103、106、または109よりも小さい。
【0433】
本発明のさらに別の実施形態では、比t1a/t2a または t1b/t2bは、10-9、10-6、10-3、10
-1、1、10、103、106、または109より大きい。
【0434】
実験例では、t1aは0.5 mg/mLのM-CMDに対して35秒と150秒の間、1 mg/mLのM-CMDについて
は21秒と80秒の間、N-CMDに対しては 22秒と45秒の間に含まれる
【0435】
本発明の一実施形態では、t1aを特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103,を
超える係数で減少させることが可能であり、それでもなお加熱ステップ中に温度上昇を引
き起こすことが可能である。これは、特に、i) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度
を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させること
によって、ii) レーザー出力、レーザー出力密度、またはレーザー強度を特に1.001、1.
01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させることによって、またはii
i) 加熱ステップ中に所望の温度上昇または温度勾配を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2
、5、10、または 103を超える係数で減らすことによって、達成することができる。
【0436】
本発明のさらに他の実施形態では、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含まない身体
部品の温度上昇を引き起こすことなく、t1a,を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10
、または 103を超える係数で増加させること、および加熱ステップ中に温度上昇を引き起
こすことが可能である。これは、i) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度を特に1.001
、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させる、ii) レーザ出力
、レーザ出力密度、またはレーザ強度を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、また
は 103を超える係数で減少させる、またはiii) 加熱ステップ中に達成したい温度上昇
または温度勾配を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で
上げる、ことによって達成できる。
【0437】
実験例では、t2aは0.5 mg/mLの M-CMD に対して60秒と75秒の間、そして1 mg/mL の M-CM
D に対して65秒と90秒の間。 そしてN-CMDの場合89秒と105秒の間に含まれる。
【0438】
本発明の一実施形態では、t2aを、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を
超える係数で減少させることが可能であり、それでも冷却ステップ中に温度低下を引き起
こすことが可能である。これは、i) 特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度を、特
に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させる、ii) レー
ザー出力、レーザー出力密度、またはレーザー強度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5
、10、または 103を超える係数で減少させる、iii) 冷却ステップ中の所望の温度低下
または温度勾配を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で
減少させる、ことによって達成できる。
【0439】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含まな
い身体部品の温度低下を誘発することなくt2aを特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、
または 103を超える係数で増加させることが可能であり、冷却ステップ中に温度低下を引
き起こすことが可能である。これは、特に、i) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度
を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させる、ii)
レーザー出力、レーザー出力密度、またはレーザー強度を特に1.001、1.01、1.1、1.5
、2、5、10、または 103を超える係数で増加させる、またはiii) 冷却ステップ中の所
望の温度低下または温度勾配を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超
える係数で減少させる、ことによって達成することができる。
【0440】
実験例では、第1のシーケンスを考慮に入れずに、t1a/t2aは、0.5 mg のM-CMDについて0
.6と0.7の間、1 mg の M-CMDについて0.3に等しく、1 mg のN-CMDについては0.2と0.4の
間である。
【0441】
本発明の一実施形態では、比t1a/t2aは、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または
103を超える係数で増加させることができ、それは特に、i) 磁気ナノ粒子特にマグネト
ソームの密度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少
させる、ii) レーザー出力を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超え
る係数で減少させる、ことによってできる。
【0442】
本発明のいくつかの他の実施形態では、比t1a/t2aは、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5
、10、または 103を超える係数で減少させることができ、それは特に、i) 磁性ナノ粒子
特にマグネトソームの濃度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超え
る係数で増加させる、ii) レーザ出力を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または
103を超える係数で増加させる、ことでできる。
【0443】
本発明のさらに別の実施形態では、冷却時間は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの存在
下よりも非存在下の方が1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える倍数で
長い。
【0444】
本発明のさらに別の実施形態では、加熱時間は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの非
存在下よりも存在下の方が1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える倍数
で長い。
【0445】
本発明の一態様では、本発明は、本発明による使用のための磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ーム、または本発明による方法に関し、ここで、第1ステップの加熱は、少なくとも下記
グループから選ばれる少なくとも1つの特性によって特徴付けられ、100 °Cより低い平
均加熱温度の加熱温度で行われる。
- 治療中に達する最高温度より、特に少なくとも1℃低い平均加熱温度。
- 最高加熱温度が100℃未満
‐照射を含む2ステップ後に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームに逐次的に照射すること
によって到達する平均加熱温度で、それは磁性ナノ粒子特にマグネトソームをレーザーで
連続的に照射して到達する温度より特に少なくとも1℃低い、
- 2より大きい加熱温度勾配の数、そして
- 照射を含む少なくとも2つのステップの後に、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに
レーザを逐次的に照射することによって達成される複数の加熱温度勾配で、それは特にマ
グネトソームにレーザーを連続的に照射することによって達成される複数の加熱温度勾配
よりも特に少なくとも2倍大きく、ここで加熱温度勾配は第一ステップにおける加熱の温
度上昇であり、それは特に10-1、1、5 または 10°Cより大きい。
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第1のステップの加熱温度とは、少なくとも
1つの第1のステップ中に到達する任意の温度または少なくとも1つの温度である。
【0446】
本発明の一実施形態では、平均加熱温度は、特に少なくとも1つの第1ステップの場合、
(THSmax+THSmin)/2または(THS1+THS2+…THSi) /i,であり、ここで、1<i<n、THSi は加熱
ステップの加熱温度、THSminは加熱ステップの最小加熱温度、THSmaxは加熱ステップの最
大加熱温度、iは1からnの間に含まれる整数である。
【0447】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1ステップの平均加熱温度は、1010、
107、105、103、500、250、150、100、70、50 または 20 °Cより低い。
【0448】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1ステップの平均加熱温度は、-273、
-200、-100、-50、0、5、10、20、37、40、42、50、55、60、70 または 90 °Cより高い
。
【0449】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1ステップでの平均加熱温度は、-273
と 1010 °Cの間、-100 と 105 °Cの間、0 と 103 °Cの間、20 と 103 °Cの間37と 1
03 °Cの間、37 と 100 °Cの間にある。
【0450】
本発明の一実施形態では、平均加熱温度は、少なくとも1つのステップ、少なくとも1つ
のシーケンス、少なくとも1つのセッションまたはステップ、シーケンス、とセッション
を含む処理全体の平均加熱温度または平均温度である。
【0451】
本発明の一実施形態では、最高加熱温度は、少なくとも1つのステップ、または少なくと
も1つのシーケンス、または少なくとも1つのセッション、または治療全体の最高加熱温
度またはその最高温度である。
【0452】
本発明の一実施形態では、最低加熱温度は、少なくとも1つのステップ、または少なくと
も1つのシーケンス、または少なくとも1つのセッション、またはプロセス全体の最低加
熱温度または最低温度である。
【0453】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1のステップの平均加熱温度は、治療
中、少なくとも1つの加熱ステップ、少なくとも1つのシーケンス、または少なくとも1
つのセッション中に到達する最高温度よりも特に少なくとも10-5、1、5 または 10 °Cだ
け低い。
【0454】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1ステップの温度、特に最高加熱温度
は、105、103、500、250、100、75 または 50 °Cより低い。
【0455】
本発明の一実施形態では、温度、特に最高加熱温度、特に少なくとも1つの第1ステップ
の温度は、-273、-200、-100、-50、-20、-10、-5、0、5、10、20 または 37 °Cである
。
【0456】
本発明の一実施形態では、温度、特に最高加熱温度、特に少なくとも1つの第1ステップ
の温度は、-273 と 105 °Cの間、-100 と 103 °Cの間、0 と 100の間、37 と 70 °Cの
間、または30と60°Cの間にある。.
【0457】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第1のステップの最低加熱温度は、特に
少なくとも1つの第一ステップの最高加熱温度より特に少なくとも10-10、10-5、10-3、1
0-1、1、5、10 または50 °C以上だけ低い。
【0458】
本発明の一実施形態では、最低加熱温度は、特に少なくとも1つの第一ステップの最高加
熱温度より特に1010、105、103、100、50、20、10、5 または 1 °C未満だけ低い。
【0459】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子に逐次レーザーを照射することによって到達する
平均加熱温度は、磁性ナノ粒子にレーザーを連続的に照射することによって到達する平均
加熱温度より特に少なくとも10-10、10-5、10-1、1、5 または 10 °Cだけ低い。磁性ナ
ノ粒子にレーザーを連続的に照射することによって到達する平均加熱温度は、(Tmax+Tmin
)/2 または (T1+T2+…Ti) /iであり得、ここで1 <i <n、Tiは連続処理セッションの
温度であり 、Tminは連続治療期間の最低温度であり、Tmaxは連続治療期間の最高温度で
あり、iは1からnの間に含まれる整数である。
【0460】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第一ステップの、特に少なくとも1つのシー
ケンスに含まれ、少なくとも1つのセッション中、または全体の処理中に含まれる、加熱
温度勾配の数は、特に2、5、10、103 または 105より大きい。 加熱温度勾配は、少なく
とも1つの第一ステップの温度上昇であり得る。
【0461】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つのシーケンス、少なくとも1つのセッショ
ン、または全体の処理に含まれる、少なくとも1つの第一ステップの、加熱温度勾配の数
は、1010、105、103、500、250、100、50、20、10、5 または 2より少ない。
【0462】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つのシーケンス、少なくとも1つのセッショ
ン、または全体の処理に含まれる、少なくとも1つの第一ステップの、加熱温度勾配の数
は、2から105の間、2から103の間、または2から100の間にある。
【0463】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子に逐次的にレーザーを照射することによって到達
する加熱温度勾配の数は、加熱の数よりも多く、磁性ナノ粒子にレーザーを連続的に照射
することによって達成される温度勾配の数より、特に少なくとも1.1、1.5、2、5、10 ま
たは 103,倍大きい。
【0464】
本発明の一実施形態では、逐次治療と連続治療の間の比較は、逐次治療または方法の少な
くとも1つの治療セッションと連続治療または方法の少なくとも1つの治療セッションを比
較することによって行われる。
【0465】
本発明の一実施形態では、加熱温度勾配は、加熱ステップの温度上昇、特に少なくとも1
回の加熱ステップの温度上昇であり、ここで加熱ステップの温度上昇は、加熱ステップの
間に発生する時間による温度の変化として定義され得る、ここでその変動は連続的な温度
上昇のみであるかまたは連続的な温度上昇である場合、または変動が温度低下ではない場
合とする。
【0466】
本発明の一実施形態では、経時的な温度の変動は温度の上昇であり、なおそのような変動
は大きさが10-5、10-3、10-1、1、5 または 10 °Cより大きい。
【0467】
本発明の一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、特にマグ
ネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第2のステップは、冷却および/
または少なくとも1つの化合物の磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの非解離を含む
。
【0468】
本発明の一態様では、本発明は、本発明による使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第2ステップの冷却は、以下の
(1)平均冷却温度が0℃より大きい、そして
(2) 2以上の冷却温度勾配の数
ここで、冷却温度勾配は、冷却ステップの特に10-1、1、5 または 10°Cより大きい温度
低下である、
のグループから選択される少なくとも1つの特性で特徴付けられる冷却温度で行われる方
法である。
【0469】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第2ステップの冷却温度は、その少なくとも
1つの第2ステップ中に到達するいずれかの温度または少なくとも1つの温度である。
【0470】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2ステップの平均冷却温度は、(TCSma
x+TCSmin)/2または(TCS1+TCS2+…TCSi) /iであり、ここで1 <i <n、TCSiは冷却ステ
ップの冷却温度である。冷却ステップの冷却温度、TCSmaxは冷却ステップの最低冷却温度
であり、TCSmaxは冷却ステップの最高冷却温度であり、iは1からnの間に含まれる整数
である。
【0471】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2のステップの平均冷却温度は、1010
、107、105、103、500、250、150、100、70、50 または 20 °Cより低い。
【0472】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2のステップの平均冷却温度は、-273
、-200、-100、-50、0、5、10、20、37、40、42、50、55、60、70 または 90 °Cより低
い。
【0473】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2ステップの平均冷却温度は、-273と
1010 °Cの間、-100 と 105 °Cの間、0 と 103 °Cの間、20 と 103 °Cの間、37 と 10
3 °Cの間、または 37 と100 °Cの間、にある。
【0474】
本発明の一実施形態では、平均冷却温度は、少なくとも1つのステップ、少なくとも1つ
のシーケンス、少なくとも1つのセッション、または処理全体の平均の冷却温度または平
均温度である。
【0475】
本発明の一実施形態では、最大冷却温度は、少なくとも1つのステップ、少なくとも1つ
のシーケンス、少なくとも1つのセッション、またはステップ、シーケンス、セッション
を含む処理全体の最大の冷却温度または最高温度である。
【0476】
本発明の一実施形態では、最低冷却温度は、少なくとも1つのステップ、少なくとも1つ
のシーケンス、少なくとも1つのセッション、または処理全体の最低の冷却温度または最
低温度である。
【0477】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2のステップの間の平均冷却温度は、
治療中、少なくとも1つの冷却ステップ、少なくとも1つのシーケンス、または少なくと
も1つのセッションの間に到達する最低温度よりも特に少なくとも10-5、1、5 または 10
°Cだけ高い。
【0478】
本発明の一実施形態では、温度、特に、特に少なくとも1つの第2ステップの温度または
最低冷却温度は、-273、-200、-100、-50、0、5、10、20、37、10 または 45 °Cより高
い。
【0479】
本発明の一実施形態では、温度、特に少なくとも1つの第2のステップの特に最低冷却温
度は、100、70、60、55、50、45、40、37、30、20、0、-10、-50 または -100 °Cより低
い。
【0480】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2ステップの温度は、特に最低冷却温
度、温度は、-273 と 105、-100と 103、0 と 100、37と 70、または 30と 60 °Cの間に
ある。
【0481】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2のステップの最高冷却温度は、特に
少なくとも1つの第2ステップの最低冷却温度より特に少なくとも10-10、10-5、10-3、1
0-1、1、5、10 または 50 °Cだけ高い。。
【0482】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つの第2のステップの最大冷却温度は、特に
少なくとも1つの第2ステップの最低冷却温度より、特に1010、105、103、100、50、20
、10、5 または 1 °C,未満だけ高い。
【0483】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つのシーケンス中、少なくとも1つのセッシ
ョン中、または全体の処理中に含まれる特に少なくとも1つの第2ステップの冷却温度勾
配の数は、2、5、10、103 または 105.より大きい。冷却温度勾配は、少なくとも1つの
第2ステップの温度低下であり得る。
【0484】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つのシーケンス中、少なくとも1つのセッシ
ョン中、または全体の処理中に含まれる特に少なくとも1つの第2ステップの冷却温度勾
配の数は、1010、105、103、500、250、100、50、20、10、5 または 2より大きい。
【0485】
本発明の一実施形態では、特に少なくとも1つのシーケンス中、少なくとも1つのセッシ
ョン中、または全体の処理中に含まれる特に少なくとも1つの第2ステップの冷却温度勾
配の数は、 2から105、2から103、または2から100の間にある。
【0486】
本発明の一実施形態では、冷却温度勾配は、冷却ステップの温度低下、特に少なくとも1
回の冷却ステップの温度低下であり、ここで冷却ステップの温度低下とは、時間と共に発
生する温度の変動として定義することができ、さらにその変動は連続的な温度低下のみで
あるかまたは連続的な温度低下であり、また変動は温度上昇ではない。
【0487】
本発明の一実施形態では、経時的な温度の変動は温度の低下であり、そこでの変動の大き
さは10-5、10-3、10-1、1、5 または 10 °Cより大きい。
【0488】
本発明はまた、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの使用法にも関し、ここで、加熱ステ
ップは、身体部品の1℃を超える温度上昇を生じる。
【0489】
本発明の一実施形態では、加熱ステップは、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域のまたはその中に10-9、10-6、10-3、10
-1、1、2、5、または 10 °C以上の温度上昇を起こし、それは特に生理学的温度より上、
または特にレーザ放射による照射の前またはそれを行っていない身体部品の温度より上で
ある。
【0490】
実験例では、第1シーケンスとは別に、第2から第8までの加熱ステップの間に到達する
温度上昇は、最高温度から加熱ステップの最低温度を引いたものに等しいが、以下の平均
に等しい。i) 0.5 と 1 mg/mL の M-CMDについては8 °C、そしてii) 1 mg/mL の N-CMD
については12 °C、ここでM-CMD とN-CMDは2 W/cm2のレーザー出力密度に曝される。
【0491】
本発明の一実施形態では、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える
倍率でより高い温度上昇に達することができ、それはi) 磁性ナノ粒子特にマグネトソー
ムの濃度を1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える倍率で増加させる、i
i) 加熱ステップの期間を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える
倍率で増加する、iii) 加熱ステップ中に到達させたい温度上昇または温度勾配を特に1
.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える倍率で増加させる、または、iv)
レーザーのスイッチを切った後、レーザーがオフになってから10-9、10-6、10-3、10-1、
1、10、103、または 106秒以上、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを使用して特に、10-9
、10-6、10-3、10-1、1、10、103、または 106 °C以上に加熱を続ける、ことによって可
能となる。
【0492】
本発明の一実施形態では、加熱ステップは、加熱ステップの任意の所与の時間に測定され
る、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを特に含む身体部品のまたはその中の温度勾配 (DT
/dt)t1a を生成し、それは10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または 10 °C/秒より高
く、またそれは磁性ナノ粒子特にマグネトソームがない状態で身体部品に生じるいかなる
温度勾配よりも、もっとも特定的には1.1、1.2、2、5、10、50、102、103,または 105以
上の倍率で高い。
【0493】
本発明の一実施形態では、(DT/dt)t1aは、加熱ステップ中に生じる時間に対する温度変化
の接線の傾きとして定義される。
【0494】
本発明の一実施形態では、と(DT/dt)t2aは、それぞれt1a とt1bで測定される時間に対す
る温度変化の接線の傾きの絶対値である。
【0495】
本発明の一実施形態では、t1aが特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 100を超
える係数で増加すると、(DT/dt)t1aは、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または
100を超える係数で減少する。 これは、(DT/dt)t1aが第ステップの終わりよりも初めの方
が高いことを意味する。 これは、加熱ステップの開始時に測定された時間による温度変
化の初期勾配が(DT/dt)t1a.の最大値であることを意味する。
【0496】
本発明の一実施形態では、レーザー出力、レーザー出力密度、レーザー強度、および/ま
たは磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度を、特に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5
、10、または 100超える係数で増加することによって 、加熱ステップ中に測定される(DT
/dt)t1a,の異なる値間の変動を減少させることができる。一実施形態では、(DT/dt)t1a,
の変動が99、90、85、75、60、50、30、20、10、5、2、1、または 10-1 %未満である。こ
のパーセンテージは、[(DT/dt)t1a1-(DT/dt)t1a2]/(DT/dt)t1a1 に等しく、ここで((DT/
dt)t1a1 と(DT/dt)t1a2 は加熱ステップの2つの異なる時間t1a1 とt1a2において測定さ
れた温度勾配である。
【0497】
本発明のさらに別の実施形態では、加熱ステップの平均温度勾配は、異なる時間t1aに測
定された(DT/dt)t1aの平均値であり、この平均値の測定に使用されるt1aの異なる値は特
に同様の期間、または10-9、10-6、10-3、10-1、1、5、10、50、または 100秒よりも長い
期間で分離される。(DT/dt)t1aの平均値をAv[(DT/dt)t1a].と記す。
【0498】
本発明の一実施形態では、Av[(DT/dt)t1a] は10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または
10 °C/秒より高い。
【0499】
本発明のいくつかの他の実施形態では、Av[(DT/dt)t1a] は106、103、10、5、2、1、また
は 10-3 °C/秒以下である。
【0500】
実験例では、加熱ステップの平均温度勾配は0.5 mg の M-CMDに対して0.13 から 0.21 °
C/秒、1 mg の M-CMDに対して0.22から 0.4 °C/秒、 N-CMDに対して0.33 と 0.56 °C/
秒である。
【0501】
本発明の一実施形態では、加熱ステップの温度勾配または平均温度勾配は、特に、1.001
、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させることができ、それは
、i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を特に、1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、
10、または 103を超える係数で増加させる、またはii) レーザ出力またはレーザ出力密
度を特に、1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させる、
ことによってできる。
【0502】
本発明のいくつかの他の実施形態では、加熱ステップの温度勾配または平均温度勾配は、
特に、1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させることが
でき、それはi) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度を特に、1.001、1.01、1.1、1.5
、2、5、10、または 103を超える係数で減少させる、またはii) レーザ出力またはレー
ザ出力密度を特に、1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少
させる、ことでできる
【0503】
本発明はまた、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの使用法に関し、ここで、冷却ステップ
は、身体部品の1℃を超える温度低下を生じる。
【0504】
本発明の一実施形態では、冷却ステップは、身体部品、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームの領域の10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、
または 10 °Cを超えて、特に加熱ステップ中に到達した最高温度よりも低い温度低下を
もたらす。
【0505】
実験例では、冷却ステップの間に到達する温度低下は、最低温度から最高温度を引いたも
のの絶対値に等しく、i) 0.5 と 1 mg/mL の M-CMDに対して8 °C、およびii) 1 mg/mL
の N-CMDに対して12 °C、の平均に等しい。ここで、M-CMD とN-CMDは冷却ステップ中に
レーザー照射によって照射されない。
【0506】
本発明の一実施形態では、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える
係数で温度低下に到達することができ、それは、i) 磁性ナノ粒子特にマグネトソームの
濃度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加または減
少させる、ii) 冷却ステップの持続時間を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、また
は 103を超える係数で増加させる、またはiii) 冷却ステップ中に達成したい温度低下
または温度勾配を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で大
きくする、ことによる。
【0507】
本発明の一実施形態では、冷却ステップは、冷却ステップの任意の与えられた時間に測定
される身体部品のまたはその中の温度勾配、(DT/dt)t2aまたは(DT/dt)t2aの絶対値を生じ
、それは、10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または 10 °C/秒よりも大きく、または
磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含まない身体部品に生じるどの温度勾配よりも1.1、1
.2、2、5、10、50、102、103、または 105/以上の倍率で高い。一実施形態では、(DT/dt
)t2aは、冷却ステップ中に生じる温度変化の接線の傾きまたは傾きの絶対値として定義す
ることができる。
【0508】
本発明の一実施形態では、t2aが1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 100以上の倍
率で増加すると、(DT/dt)t2aは、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 100以
上の倍率で減少する。これは、(DT/dt)t2aが第2または冷却ステップの終了時よりも開始
時の方が高いことを意味し得る。これは、冷却ステップの開始時に測定された時間による
温度変化の初期勾配が(DT/dt)t2aの最大値であることを意味し得る。
【0509】
本発明の一実施形態では、レーザー出力、レーザー出力密度、レーザー強度、および/ま
たは磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を、特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、1
0、または 100を超える倍数で増加させることができ、それによって冷却ステップの異な
る時間中に測定された(DT/dt)t2aの異なる値間の変動を1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、1
0、または 100を超える係数で減少させることができる。
【0510】
本発明の一実施形態では、(DT/dt)t2aは99、90、85、75、60、50、30、20、10、5、2、1
、または10-1%未満だけ変動する。 このパーセンテージは、(DT/dt)t2a1-(DT/dt)t2a
2 /(DT/dt)t2a1に等しいことができる。ここで(DT/dt)t2a1および(DT/dt)t2a2は、
冷却ステップの2つの異なる時間t2a1 と t2a2において測定された温度勾配である。
【0511】
本発明のさらに別の実施形態では、冷却ステップの平均温度勾配は、異なる時間t2aに測
定されたの平均値であり、この平均値を測定するために使用されるt2aの異なる値は特に
。 同様の期間、または10-9、10-6、10-3、10-1、1、5、10、50、または100秒よりも長い
期間で分離される。
【0512】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t2a]は10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または
10 °C/秒より高い。
【0513】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t2a]は106、103、10-3、5-1、2、1、5、または 10
°C/秒より低い。
【0514】
実験例では、冷却ステップの平均温度勾配は0.5 mg の M-CMDに対して、0.1から0.13℃/
秒、 1 mg のM-CMDについて、 0.09および0.12℃/秒、 ならびにN-CMDの場合0.11および0
.14℃/秒の間に含まれる。
【0515】
本発明の一実施形態では、冷却ステップの温度勾配または平均温度勾配は、特に、1.001
、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させることができ、それは
、i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10
、または 103を超える係数で減少させる、または ii) レーザ出力またはレーザ出力密
度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させること
でできる。
【0516】
本発明の一実施形態では、冷却ステップの温度勾配または平均温度勾配は、特に、1.001
、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させることができ、それは
、i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10
、または 103を超える係数で増加させる、または ii) レーザ出力またはレーザ出力密
度を特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増加させる、こ
とでできる。
【0517】
本発明の一実施形態では、加熱ステップ中に到達する温度上昇の大きさDTHSと、冷却ステ
ップ中に到達する温度低下の大きさDTCSとは、106、103、102、10,または 1 %未満だけ異
なる。 ここで、この百分率は(DTHS-DTCS)/DTHSまたは(DTCS-DTHS)/ DTCSの絶対値に
等しい。
【0518】
本発明のさらに別の実施形態では、最大温度勾配は加熱または冷却ステップの始めに到達
するものである。
【0519】
本発明はまた、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの使用法にも関し、ここで解離ステッ
プは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の10-4 %より高い割合の解離を生
じる。
【0520】
本発明の一実施形態では、解離ステップは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの化
合物の解離百分率をもたらし、それは10-20、10-10、10-4、10-1、1、5、10、または 50
%より大きい。
【0521】
本発明の一実施形態では、解離ステップは、解離ステップの任意の所与の時点で測定され
る、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品のまたはその中の解離百分率の
勾配(DD/dt)t1bを生じ、これは10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5,または 10%./秒より大
きい。
【0522】
本発明の一実施形態では、(DD/dt)t1bは、解離ステップ中に生じる解離の百分率の経時変
化の接線の傾きとして定義することができる。
【0523】
本発明の一実施形態では、t1b が特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 100を
超える係数で増加すると、(DD/dt)t1b が特に1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または
100を超える係数で減少する。これは、(DD/dt)t1bが解離ステップの終了時よりも開始時
の方が高いことを意味し得る。これは、解離ステップの開始時に測定される解離の百分率
の経時変化の初期勾配が(DD/dt)t1bの最大値であることを意味し得る。
【0524】
本発明の一実施形態では、レーザ出力、レーザ出力密度、レーザ強度、および/または磁
性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度を、特に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、
または 100を超える係数で増加させることができ、それによって 解離ステップの異なる
時点で測定する(DD/dt)t1bの異なる値間の変動を減少させることができる。
【0525】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t1b]の変動は99、90、85、75、60、50、30、20、10
、5、2、1、または 10-1 %以下である。この百分率は [(DD/dt)t1b 1-(DD/dt)t1b2] / (D
D/dt)t1bに等しくすることができ、ここで(DD/dt)t1b1 と (DD/dt)t1b2は、解離ステップ
の2つの異なる時間t1b1 と t1b2 において測定された解離の百分率における勾配である
。
【0526】
本発明のさらに別の実施形態では、解離ステップ中に測定される解離百分率の平均勾配は
、多様な時間t1bに測定された (DD/dt)t1b の平均値であり、ここでこの平均値を測定す
るために使用される t1bの多様な値は、同様の期間か、または10-9、10-6、10-3、10-1、
1、5、10、50、または 100 秒より長い期間で特に分離されている。(DD/dt)t1b の平均値
をAv[(DD/dt)t1b] とする。
【0527】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t1b ]は10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または
10%/秒より高い。本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t1b]は106、103、10-3、5-1、2
、1、5、または 10-3 %/秒より低い。
【0528】
本発明はまた、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの使用法にも関し、ここで非解離ステ
ップは、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の 99%.より低い割合の解離を生
じる。
本発明の一実施形態では、非解離ステップは、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの
化合物の解離百分率をもたらし、それは99.9、99、90、80、50、40、20、10、5、2、また
は 1 %より低い。
【0529】
本発明の一実施形態では、非解離ステップは、非解離ステップの任意の所与の時点で測定
される、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品のまたはその中の解離百分
率の勾配(DD/dt)t2bを生じ、それは10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5,または 10%./秒よ
り低い。
【0530】
本発明の一実施形態では、(DD/dt)t2bは、非解離ステップ中に生じる解離の百分率の経時
変化の接線の傾きとして定義することができる。
【0531】
本発明のさらに別の実施形態では、非解離ステップ中に測定される解離百分率の平均勾配
は、多様な時間t2bに測定された(DD/dt)t2bの平均値であり、ここでこの平均値を測定す
るために使用される t2bの多様な値は、同様の期間か、または10-9、10-6、10-3、10-1、
1、5、10、50、または 100 秒より長い期間で特に分離されている。(DD/dt)t2b の平均値
をAv[(DD/dt)t2b] とする。
【0532】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t2b]は10-9、10-6、10-3、10-1、1、2、5、または
10%/秒より低い。
【0533】
本発明の一実施形態では、Av[(DD/dt)t2b ] は106、103、10-3、5-1、2、1、5、または 1
0-3 %/秒より低い。
【0534】
本発明の一実施形態では、解離ステップ中に到達した解離の割合PDS、および非解離ステ
ップ中に到達した解離の割合PNDSの差異は、10-6、10-3、10-2、10-1、または 1 %を超え
、この百分率は(PDS - PNDS)/ PDSまたは(PNDS - PDS)/ PNDSの絶対値に等しい
。
【0535】
本発明の一態様では、本発明はまた、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、特に
マグネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第2ステップは、身体部品ま
たは磁性ナノ粒子特にマグネトソームの温度を低下させる物質または器具の存在下で行わ
れ、そこでは、
i) 第2ステップの期間は、そのような物質または装置の不在下よりも存在下のほうが特
に短い、
ii) 第2ステップの最高および最低温度の差は、そのような物質または装置の不在下よ
りも存在下のほうが特に大きい、
iii) 第1ステップ中に磁性ナノ粒子特にマグネトソームを照射するレーザー出力は、
そのような物質または装置が存在しない場合よりも存在する場合の方が特に低い、
iv) 身体部品に含まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度は、そのような物質また
は装置が存在しない場合よりも存在する場合の方が特に低い、
そしてまた、
v)少なくとも1セッション中に実施されるシーケンスの数は、そのような物質または装置
の不在下よりも存在下のほうが特に大きい。
【0536】
本発明の一実施形態では、身体部品または磁性ナノ粒子の温度を低下させる物質または装
置は、以下に含まれるものから選択される、i) 身体部品または磁性ナノ粒子の温度を低
下させるプローブ、ii) 極低温プローブ、iii) 氷、iv) 水、v) 血液、および vi)
磁性ナノ粒子または身体部品に接触または近接しており、磁性ナノ粒子または身体部品
の温度より低い温度にある物質または機器で、それは磁性ナノ粒子または身体部品がこの
物質または機器に接触または近接する前に測定される。
【0537】
本発明の一実施形態では、第2ステップの持続時間は、そのような物質または機器が存在
しない場合よりも存在する場合の方が、特には少なくとも0、1、1.1、2、5、10 または 1
03の係数で、または少なくとも 0、10-50、10-1、1、5、10 または 103 秒だけ短い。
【0538】
本発明の一実施形態では、第2ステップの最高と最低の温度の差は、そのような物質また
は機器が存在しない場合よりも存在する場合の方が、特には少なくとも0、1、1.1、2、5
、10 または 103の係数で、または少なくとも 0、10-50、10-1、1、5、10 または 103 °
Cだけ大きい。
【0539】
本発明の一実施形態では、第1ステップの間に磁性ナノ粒子を照射するレーザーの出力は
、そのような物質または機器が存在しない場合よりも存在する場合の方が、特には少なく
とも0、1、1.1、2、5、10 または 103の係数で、または少なくとも 0、10-50、10-1、1、
5、10 または 103 °Cだけ小さい。
【0540】
本発明の一実施形態では、第1ステップの間に身体部品に含まれる磁性ナノ粒子の濃度は
、そのような物質または機器が存在しない場合よりも存在する場合の方が、特には少なく
とも0、1、1.1、2、5、10 または 103の係数で、または 特にcm3あたり、 cm2 あたり、
cmあたり、最も特定的には身体部品のcm3あたり、 cm2 あたり、 cmあたり、少なくとも
0、10-50、10-1、1、5、10 または 103 mg だけ小さい。
【0541】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのセッションの間に実施されるシーケンスの数
は、そのような物質または機器が存在しない場合よりも存在する場合の方が、特には少な
くとも0、1、1.1、2、5、10 または 103の係数で、または少なくとも 0、1-50、5-1、10
、10、2 または 103 シーケンスだけ大きい。
【0542】
本発明の一態様では、本発明はまた、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子特にマ
グネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第1のステップは加熱を含み、
第2のステップは冷却を含み、第1ステップの温度および/または第二ステップの冷却温
度は、安定であるか、または第1ステップおよび/または第2ステップの持続時間の99.9
%未満、特に50%、更に特定すれば10%以下、および/または105秒、特に103秒、更に特に1
0秒以下の間に、105、103、10、1 または 10-1 ℃以下だけ変動する。
【0543】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第1ステップの加熱温度は安定している。加
熱温度は以下の時に安定である、i) 加熱温度の変動が特に毎時、分または秒あたり105、
103、10 または 1℃以下である、ii) 加熱温度が一定に留まる、iii) 特に第1ステッ
プの終わりにおいて、加熱温度が安定状態に達した、またはiv)加熱温度が第1ステップ
の始めまたは終わりの温度である。
【0544】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第1ステップの加熱温度は不安定である。加
熱温度は以下の時に不安定である、i) 加熱温度の変動が特に毎時、分または秒あたり10-
10、10-5、10 または 10 °C以上である、ii) 加熱温度が一定に留まらない、iii) 加
熱温度が加熱温度勾配の上昇を与える温度範囲にある、またはiv)加熱温度が第1ステッ
プの中間の温度である。
【0545】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は、少なくとも1つの第1ステップの
期間の100、99.9、95、90、80、70、50、20、10、1、10-1、10-2 または 10-5%以下の間
安定している。このパーセンテージは、DSFS/DFSの比率であり得て、ここで、DSFSは、温
度が安定している、または0.5°C以下の変動である、または第1ステップの間で0.5°C/
秒以下の変動である間の時間の経過であり、DFS は第1ステップの期間である。
【0546】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は安定であるか、または毎秒の変動が
0.5℃以下、または特に第1ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5、
2 または 1 秒以下の間に0.5℃以下である。
【0547】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は、少なくとも1つの第1ステップの
期間の10-5、10-3、10-1、1、5、10、50 または 75% 以上の間で安定している。
【0548】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は安定であるか、または毎秒の変動が
0.5℃以下、または特に第1ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5、
2 または 1 秒以下の間に0.5℃以下である。
【0549】
実験例では、0.5 mg/mLの M-CMDを2 W/cm
2のレーザパワーに曝した場合、10秒より短い
経過時間で温度上昇が安定するか、0.5℃よりも小さい(10/160 =第1ステップの6%)(
図1(a))。いくつかの実施形態では、この経過時間は以下の場合長くなる、i) 温度が0
.5 ℃を超えて変化しても安定していると考える、ii) レーザ出力または出力密度が減少
する、およびまたはiii) ナノ粒子濃度が減少する。いくつかの実施形態では、この経
過時間は以下の場合短くなる、i) 温度の変化が0.5 ℃以下で安定していると考える、ii)
レーザ出力または出力密度が増加する、およびまたはiii) ナノ粒子濃度が増加する
。
【0550】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は、少なくとも1つの第1ステップの
期間の100、99.9、95、90、80、70、50、20、10、1、10-1、10-2 または 10-5%以下の間
安定している。このパーセンテージは、DUSFS/DFSの比率であり得て、ここで、DUSFSは、
温度が安定している、または0.5 ℃以上の変動である、または第1ステップの間で0.5 ℃
/秒以上の変動である間の時間の経過であり、DFS は第1ステップの期間である。
【0551】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は不安定であるか、または毎秒の変動
が0.5℃以上、または特に第1ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5
、2 または 1 秒以下の間に0.5℃以上である。
【0552】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は、少なくとも1つの第1ステップの
期間の10-5、10-3、10-1、1、5、10、50 または 75% 以上の間で不安定である。
【0553】
本発明の一実施形態では、第1ステップの加熱温度は不安定であるか、または毎秒の変動
が0.5℃以上、または特に第1ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5
、2 または 1 秒以下の間に0.5℃以上である。
【0554】
実験例では、0.5 mg/mLの M-CMDを2 W/cm
2のレーザパワーに曝した場合、150秒より長い
経過時間では温度上昇が不安定であるか、0.5℃よりも大きい(150/160 =第1ステップの
94%)(
図1(a))。いくつかの実施形態では、この経過時間は以下の場合さらに長くな
る、i) 温度の変化が0.5 ℃以下で安定していると考える、ii) レーザ出力または出力密
度が増加する、およびまたはiii) ナノ粒子濃度が増加する。いくつかの実施形態では
、この経過時間は以下の場合短くなる、i) 温度の変化が0.5 ℃以上で不安定であると考
える、ii) レーザ出力または出力密度が減少する、およびまたはiii) ナノ粒子濃度が
減少する。
【0555】
ある実施形態では、、第1ステップの加熱温度はDUSFSの経過時間では不安定であり、こ
の経過時間は第1ステップの期間の中で温度が安定な経過時間であるDSFSの少なくとも1.
1、1.5、2、5、10、103 または 105倍である。
【0556】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第2ステップの冷却温度は安定している。冷
却温度は以下の時に安定である、i) 冷却温度の変動が特に毎時、分または秒あたり105、
103、10 または 1℃以下である、ii) 冷却温度が一定に留まる、iii) 特に第2ステッ
プの終わりにおいて、冷却温度が安定状態に達した、またはiv)冷却温度が第2ステップ
の始めまたは終わりの温度である。
【0557】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの第2ステップの冷却温度は安定している。冷
却温度は以下の時に不安定である、i) 冷却温度の変動が特に毎時、分または秒あたり10-
10、10-5、10 または 10 °C以上である、ii) 冷却温度が一定に留まらない、iii) 冷
却温度が冷却温度勾配の上昇を与える温度範囲にある、またはiv)冷却温度が第1ステッ
プの中間の温度である。
【0558】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は、少なくとも1つの第2ステップの
期間の100、99.9、95、90、80、70、50、20、10、1、10-1、10-2 または 10-5%以下の間
安定している。このパーセンテージは、DSSS/DSSの比率であり得て、ここで、DSSSは、温
度が安定している、または0.5℃以下の変動である、または第2ステップの間で0.5℃/秒
以下の変動である間の時間の経過であり、DSS は第2ステップの期間である。
【0559】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は安定であるか、または毎秒の変動が
0.5℃以下、または特に第2ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5、
2 または 1 秒以下の間に0.5℃以下である。
【0560】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は、少なくとも1つの第1ステップの期
間の10-5、10-3、10-1、1、5、10、50 または 75% 以上の間で安定している。
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は安定であるか、または毎秒の変動が
0.5℃以下、または特に第2ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5、
2 または 1 秒以下の間に0.5℃以下である。
【0561】
実験例では、0.5 mg/mLの M-CMDを2 W/cm
2のレーザパワーに曝した場合、10秒より短い
経過時間の間温度降下が安定するか、0.5℃よりも小さい(
図1(a))。いくつかの実施
形態では、この経過時間は、i) 第2ステップの間に磁性ナノ粒子を冷却するために機器
または物質が使用され、ii) 第1およびまたは第2ステップの最高温度が低下する、お
よびまたはiii) 第1およびまたは第2のステップの最低温度が上昇する場合により短
くなる。
【0562】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は、少なくとも1つの第2ステップの
期間の100、99.9、95、90、80、70、50、20、10、1、10-1、10-2 または 10-5%以下の間
不安定である。このパーセンテージは、D USSS/DSSの比率であり得て、ここで、DUSSSは
、温度が不安定である、または0.5℃以上の変動である、または第2ステップの間で0.5℃
/秒以上の変動である間の時間の経過であり、DSS は第2ステップの期間である。
【0563】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は不安定であるか、または毎秒の変動
が0.5℃以上、または特に第2ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5
、2 または 1 秒以下の間に0.5℃以上である。
【0564】
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は、少なくとも1つの第1ステップの期
間の10-5、10-3、10-1、1、5、10、50 または 75% 以上の間で不安定である。
本発明の一実施形態では、第2ステップの冷却温度は不安定であるか、または毎秒の変動
が0.5℃以上、または特に第2ステップで、1050、1020、1010、105、103、100、10、5
、2 または 1 秒以下の間に0.5℃以上である。
【0565】
実験例では、0.5 mg/mLの M-CMDを2 W/cm
2のレーザパワーに曝した場合、180秒より長い
経過時間では温度上昇が不安定であるか、0.5℃よりも大きい(180/190 =第1ステップの
95%)(
図1(a))。いくつかの実施形態では、この経過時間は以下の場合さらに長くな
る、i) 温度の変化が0.5 ℃以下でも不安定であると考える、ii) 磁気ナノ粒子濃度が減
少または増加し変動する、およびまたはiii) 器具または物質が第2ステップの間磁気ナ
ノ粒子を冷却するために使用される。
【0566】
いくつかの実施形態では、第2のステップ中に磁性ナノ粒子を冷却するために使用される
装置または物質は、それが使用される方法に応じて、第2のステップ中に温度が下がる速
度を上げることができ、他の実施形態では、第2のステップ中に温度を安定に維持するこ
とを可能にすることに留意すべきである。
【0567】
ある実施形態では、第2ステップの冷却温度はDUSSSの経過時間では不安定であり、この
経過時間は第2ステップの期間の中で温度が安定な経過時間であるDSSSの少なくとも1.1
、1.5、2、5、10、103 または 105倍である。
【0568】
本発明の別の態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、優先的
にはマグネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第1のステップおよびま
たは第2のステップは、 以下のグループから選択された少なくとも1つのプロパティによ
って特徴付けられる、
- その期間が、10-50 と 1050 分の間、特に 10-50 と 103 分の間、より特定的
に 10-50 と 60 分の間、さらにより特定的に10-50 と 30 分の間、さらにより特定的に1
0-5 と 30 分の間、さらにより特定的に 10-3 と 15 分の間、さらにより特定的に 10-1
と 10 分の間、またはさらにより特定的に 10-1 と 5 分の間である、そして、
- 第1ステップと第2ステップとを隔てるステップ間の持続時間は、i) 10-10
と 1020 分の間、特に 10-5 と 105 分の間、特に10-5 と 10 分の間、より特定的に 10
-5 と 1 分の間であり、またはii) 第1およびまたは第2のステップの持続時間より短
い。
【0569】
本発明の一実施形態では、ステップ間持続時間は、温度が、好ましくは毎秒10-5、10-3、
10-1 または 1℃を超える温度上昇から、好ましくは毎秒10-5、10-3、10-1 または 1℃を
超える温度降下となるまでの時間の経過である。
【0570】
本発明の一実施形態では、第1ステップと第2ステップとの間の期間またはステップ間期
間は、第1または第2ステップの期間よりも少なくとも1.1、2、5、10 または 10
3の係数
で短い。実験例(
図1(a))において、第1段階の終わりに温度を44.5℃から45℃に上
昇させるのにかかる経過時間は5秒であり、そして第2ステップの開始時に温度を45℃か
ら44.5℃に下げるのにかかる経過時間は5秒である。第1ステップと第2ステップとの間
の持続時間は~10秒であるのに対して、第1およびまたは第2ステップの持続時間は3
5秒よりも長い。ステップ間持続時間が44.5-45 ℃よりも小さい温度間隔内、すなわち、
例えば44.9-45℃間で生じると考えると、ステップ間持続時間はより短くなり得る。 ステ
ップ間持続時間が44.5-45℃よりも大きい温度間隔内、すなわち例えば44-45℃間で生じる
と考えると、ステップ間持続時間はもっと長くなり得る。
【0571】
実験例(表2、0.5 mgのM-CMD)では、加熱ステップの期間は35秒から150秒の間である。
いくつかの実施形態では、この持続時間は、i) レーザ出力を上げる、ii) ナノ粒子濃度
を上げる、iii) 加熱ステップの最低温度を上げる、およびまたはiv)加熱ステップの最
高温度を下げることによって減らすことができる。いくつかの実施形態では、この持続時
間は、i) レーザ出力を下げる、ii) ナノ粒子濃度を下げる、iii) 加熱ステップの最
低温度を下げる、およびまたはiv)加熱ステップの最高温度を上げることによって延ばす
ことができる。
【0572】
実験例(表2、0.5 mgのM-CMD)では、加熱ステップの期間は60秒から75秒の間である。
いくつかの実施形態では、この期間は、磁性ナノ粒子または身体部品を冷却する機器また
は物質を使用することによって、またはナノ粒子濃度を変化させ、増加させるもしくは減
少させることによって減少させることができる。いくつかの他の実施形態では、この期間
は、ナノ粒子濃度を変化させ、減少または増加させることによって、あるいは身体部品に
おける血液循環を制限することによって、または磁性ナノ粒子または身体部品と磁性ナノ
粒子または身体部品とその環境との間の熱交換を制限することによって延ばすことができ
る。
【0573】
本発明の一実施形態では、第1のステップの持続時間(DFS)は第2のステップの持続
時間(DSS)と同様である。いくつかの実施形態では、DFS/DSSは100、50、40、10、5
、2、1.5 または 1.1より小さい。
いくつかの実施形態では、DFS/DSSは10、10、10、1、5、10、50 または 100より大きい。
【0574】
本発明の別の態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、優先的
にはマグネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第1のステップおよびま
たは第2のステップは、 以下のグループから選択された少なくとも1つの特性によって特
徴付けられる、
‐その期間が、10-50 と 1050 分の間、特に 10-50 と 103 分の間、より特定的に 10-50
と 60 分の間、さらにより特定的に10-50 と 30 分の間、さらにより特定的に10-5 と 3
0 分の間、さらにより特定的に 10-3 と 15 分の間、さらにより特定的に 10-1 と 10 分
の間、またはさらにより特定的に 10-1 と 5 分の間である、そして、
- 2つの連続するシーケンスの間の持続時間、またはシーケンス間時間は10-10 と 102
0分の間、好ましくは10-5 と 105分の間、より好ましくは10-5 と 10 分の間、またはさ
らにより好ましくは10-5 と 1分の間の持続時間である、
そして
- 少なくとも1つのシーケンスの持続時間が少なくとも1つのステップの持続時間よりも
、優先的には少なくとも0、1.1、1.5 または 2 倍長い、
【0575】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのシーケンスの、または少なくとも1つの第1
のステップの、または少なくとも1つの第2のステップの持続時間は、10-100、10-50、1
0-10、10-5、10-1、1、5、10 または 100より長い。
【0576】
本発明の一実施形態では、少なくとも10つのシーケンスの、または少なくとも1つの第1
のステップの、または少なくとも1つの第2のステップの持続時間は、10100、1050、102
0、1010、105、1、5、2 または 10より短い。
【0577】
実験例では、シーケンスの持続時間は95 と 225 秒の間に含まれる(表2、0.5 mgの M-C
MD)。いくつかの実施形態では、シーケンスの持続時間は、i) レーザ出力を増大させる
、ii) ナノ粒子濃度を増大させる、iii) 第1およびまたは第2ステップ中に達する最
高温度を低下させる、iv) 第1およびまたは第2のステップ中に到達する最低温度を上昇
させる、およびまたはv)冷却ステップ中に装置または物質を使用して磁性ナノ粒子または
身体部品を冷却することによって減少し得る。いくつかの実施形態では、シーケンスの持
続時間は、i) レーザ出力を減少させる、ii) ナノ粒子濃度を低下させる、iii) 第1
およびまたは第2ステップ中に達する最高温度を上げる、iv) 第1およびまたは第2のス
テップ中に到達する最低温度を下げることによって延長し得る。
【0578】
本発明の一実施形態では、シーケンスの、または第1およびまたは第2のステップの持続
時間は、免疫システムを刺激するのを可能にするのに十分に長い。それは典型的には1秒
よりかなり短いレーザーパルスの時間よりも優先的に長い。
本発明の一実施形態では、一連の、または第1およびまたは第2のステップの持続時間は
、身体部品の火傷または身体部品への副作用の誘発を回避するのに十分に短い。
【0579】
本発明の一実施の形態では、少なくとも1つのシーケンスの持続時間が少なくとも1つの
第1のステップまたは少なくとも1つの第2のステップの持続時間よりも優先的には少な
くとも0、0.5、1、1.1、1.5、2、5、10 または 103倍長い。
【0580】
本発明の一実施形態では、シーケンス間持続時間とも呼ばれる2つの異なるシーケンスの
間の持続時間は、少なくとも1つのステップ間持続時間よりも優先的には少なくとも0、1
、1.1、1.5、2、5、10 または 103 倍に長い。
【0581】
本発明の一実施形態では、シーケンス間持続時間とも呼ばれる2つの異なるシーケンスの
間の持続時間は、少なくとも1つのステップ間持続時間よりも優先的には少なくとも0、1
、1.1、1.5、2、5、10 または 103 倍に長い。
【0582】
本発明の別の態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、優先的
にはマグネトソーム、または本発明による方法に関し、ここで、第1のステップおよびま
たは第2のステップは、 以下のグループから選択された少なくとも1つの特性によって特
徴付けられる、
‐各治療セッションは、10-50 と 1050 分の間、特に10-50 と 103 分の間、より特定的
に10-50 と 60 分の間、さらにより特定的に 10-50 と 30 分の間、さらにより特定的に1
0-5 と 30分の間、さらにより特定的に 10-3 と 15 分の間、10-1 と 10分の間、さらに
より特定的に10-1 と 5 分の間であり、2つの治療セッションの間には、10-10 と 1020
分の間、特に10-5 と 105 分の間、より特定的に10-5 と 10分の間、さらにより特定的に
10-5 と 1 分の間のセッション間期間があり、
- 少なくとも1つのセッションは、少なくとも1つのシーケンスの持続時間よりも好ま
しくは少なくとも1.1倍の持続時間を有する、そして
- 2つの治療セッションの間に、少なくとも1つのシーケンスの期間よりも、優先的に
は少なくとも1.1倍長い期間を有する少なくとも1つのセッション間隔がある。
【0583】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのセッションの、またはセッション間隔の期間
は、少なくとも1つのシーケンスまたはシーケンス間隔より10-100、10-50、10-10、10-5
、10-1、1、5、10、103 または 105分だけ長い。
【0584】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのセッションまたはセッション間隔の期間は、
少なくとも1つのシーケンスまたはシーケンス間隔よりも優先的には少なくとも0、1、5、
1.5、2、10、3 または 105 の倍率で長い。
【0585】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つのセッション間隔の期間は、少なくとも1つのシ
ーケンス、1つのステップ、1つのシーケンス間隔、1つのセッションよりも優先的には少
なくとも0、1、1.1、2、5、10、103 または by at least 10-50、10-3、0、1、10、100
または 103分だけ長い。
【0586】
本発明の一実施形態では、少なくとも10つのセッションの、またはセッション間隔の期間
は、10100、1050、1010、105、103、102、50、20、10、5、2 または 1 分より短い。
【0587】
実験例では、セッションの期間は6分(
図2と3)であり、22のシーケンス(
図2(c))と1
9のシーケンス(
図3(c))で構成されている。いくつかの実施形態では、例えば各セッ
ション中のシーケンスの数を増やすために、セッションの期間が延長される。いくつかの
実施形態では、例えば各セッション中のシーケンスの数を減らすために、セッションの期
間が短縮される。
【0588】
本発明の一態様では、本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、優先的に
はマグネトソーム、または本発明による方法に関する。そこでは、第1ステップおよびま
たは第2ステップは、磁性ナノ粒子優先的にマグネトソームからの少なくとも1つの化合
物の解離が所与の割合に到達したときに、およびまたは第1ステップの所与の温度GTFS
およびまたは第2ステップの所与の温度GTSSに達するときに、終了する、ここでGTSS
およびGTFSは、以下からなる群から選択される少なくとも1つの特性によって特徴付け
られる、
‐GTSSがGTFSを上回っている、
-(GTSS-GTFS)は0 と 105℃の間、10-5 と 105℃の間、10-3 と 103℃の間、10-1 と 10
2℃の間、 10-1 と 50 ℃の間、10-1 と 20 ℃の間、10-1 と 10 ℃の間、または10-1 と
5 ℃の間である、
‐GTSSおよびまたはGTFSは、-273 と 103℃の間、好ましくは-100 と 103℃の間
、より特定的には0 と 100℃の間、最も特定的には30 と 70℃の間、最も特定的には30
と 60 ℃の間、最も好ましくは37 と 55℃の間である、
‐GTSSは、温熱治療の間に到達する温度範囲内、すなわち優先的には37から70℃の範
囲内、最も優先的には37から60℃の範囲内である。
‐GTFSは、好ましくは、i) 極低温または-40℃、ii) 0℃または氷形成温度、または
iii) 生理的温度または37℃であり、そして
‐GTSSおよびGTFSは、好ましくは次のもの以下である、i) 水または組織の沸点
または100℃、またはii) 融除温度または70℃。
GTSSおよびGTFSは、特に37℃または生理学的温度の上に105、103、10、5、2 ま
たは 1℃以内である。
【0589】
一実施形態の温度では、融除温度は、優先的に免疫システムまたはアポトーシスの関与な
しに、特に身体部品を燃焼させることによって、身体部品または病理学的細胞の除去また
は破壊をもたらす温度である。
【0590】
本発明の一実施形態では、第1ステップは、レーザーをオフにすることによって、または
レーザ出力を低減することによって終了する。
【0591】
本発明の一実施形態では、第2ステップは、レーザーをオンにすることによって、または
レーザ出力を増加することによって終了する。
【0592】
本発明の一実施形態では、所与の温度とは、到達したい温度、または第1または第2のス
テップの終わりに到達する温度である。いくつかの実施形態では、それは第一ステップの
最高温度または第二ステップの最低温度に対応する。
【0593】
本発明の一実施形態では、解離の所与の百分率とは、到達したい温度、または第1または
第2のステップの終わりに到達する解離の百分率である。いくつかの実施形態では、それ
は第1ステップの最高解離百分率または第2ステップの最低解離百分率に対応する。
【0594】
本発明の一実施形態では、GTSSおよびGTFSは、-273、-100、-50、-10、0、5、10
、20、37、40、41、45、50 または 60 0℃より高い。
【0595】
本発明の一実施形態では、GTSSおよびGTFSは、1020、1010、105、103、100、90
、80、70、60、55、50、45、43、42、41、40、39、38、37、36、35、30、20、10 または
0 ℃より低い。
【0596】
実験例では、GT
FSは約45と約50℃の間、GT
SSは約37℃である(
図1、
図2(c)、
図3(c)
)。GT
FSは、身体部品または磁性ナノ粒子をより高い温度で加熱したいときにはより
高くなり得る。GT
FSは、身体部品または磁性ナノ粒子をより低い温度で加熱したいと
きにはより低くなり得る。
【0597】
本発明の一態様において、本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムに関し、ここで、第1および第2のステップは、所与の割合の解離が達成されたとき、
または所定の温度、好ましくは少なくとも1つの第1ステップまたは少なくとも1つの第
2ステップについて-273 と 105℃の間、さらに好ましくは少なくとも1つの第1ステッ
プについておよび少なくとも1つの第2ステップについて0 と 103 ℃の間、または最も
好ましくは少なくとも1つの第1ステップまたは少なくとも1つの第2ステップについて
0 と 70℃の間である。
【0598】
本発明の一実施形態では、第1およびまたは第2ステップは、-273、-270、-150、-100、-
50、-20、0、5、10、15、20、37、40、41、43、45、50、55、60、70、80、90、100、200
、500、または 1000 ℃より高い温度に到達したときに終了する。
【0599】
本発明の別の一実施形態では、第1およびまたは第2ステップは、-273、-270、-150、-10
0、-50、-20、0、5、10、15、20、37、40、41、43、45、50、55、60、70、80、90、100、
200、500、または 1000 ℃より低い温度に到達したときに終了する。
【0600】
本発明の一実施形態では、第1およびまたは第2ステップは10-20、10-10、10-5、10-3、1
0-1、1、5、10、103、105、1010、または 1020 %より高い解離百分率に到達したときに終
了する。
【0601】
本発明の一実施形態では、第1およびまたは第2ステップは10-20、10-10、10-5、10-3、1
0-1、1、5、10、103、105、1010、または 1020 %より低い解離百分率に到達したときに終
了する。
【0602】
本発明の一実施形態では、第1およびまたは第2のステップは、i) レーザまたはレーザ
出力またはレーザ強度またはレーザ機器またはレーザ装置をスイッチオフまたは停止する
こと、ii) レーザ出力またはレーザ強度を優先的に第1のステップと第2のステップと
の間に 優先的に 1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、50、102、103、106、または 109よ
りも高い係数で減少させることによって、終了する。
【0603】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、そこでは、磁性
ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度、ならびにまたは第1およびもしくは第2のステッ
プの持続時間、およびまたは レーザ出力またはレーザ出力密度またはレーザ強度が、第
1およびまたは第2のステップの間に生じる温度および解離の割合が所望の変動または勾
配に達するように調整される。
【0604】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度は、優先的には身体
部品において、 身体部品の1cm3当たりの磁性ナノ粒子特にマグネトソームが10-9、10-6
、10-3、10-2、10-1、1、10、100、または 103mg以上の値に調整される。十分に高濃度の
磁性ナノ粒子、特にマグネトソームは、好ましくはナノメートルスケールで身体部品を局
所的に加熱することを可能にする。
【0605】
実験例では、M - CMDについて、1mL当たり0.5 から 1 mgの濃度の増加は、1.6 と
2.2の間に含まれる係数による加熱ステップ中の平均温度勾配の増加を生じる。場合によ
っては、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を優先的に1.001、1.01、1.1、2、5、
10、または 103を超える係数で減少させることが可能であり、かつ加熱ステップの間に好
ましくは1.001、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数で減少する平均温度勾配
に達する。
【0606】
本発明の別の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を優先的に1.00
1、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数で増加させることが可能であり、かつ
加熱ステップの間に好ましくは1.001、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数で
増加する平均温度勾配に達する。
【0607】
実験例では、M - CMDについて、1mL当たり0.5 から 1 mgの濃度の増加は、1.1 と
1.3の間に含まれる係数での加熱ステップ中の平均温度勾配の増加を生じる。
【0608】
本発明の別の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を優先的に1.00
1、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数で減少させることが可能であり、かつ
冷却ステップの間に好ましくは1.001、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数で
増加した平均温度勾配に達する。
【0609】
本発明の別の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度を優先的に1.00
1、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数でzぷかさせることが可能であり、か
つ冷却ステップの間に好ましくは1.001、1.01、1.1、2、5、10、または 103を超える係数
で減少した平均温度勾配に達する。
【0610】
本発明の一実施形態では、十分に大きい磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が、十
分に大きい磁性ナノ粒子特にマグネトソームの吸収速度、SARM.に達するように求められ
ることがある。
【0611】
本発明の一実施形態では、SARMは、磁性ナノ粒特にマグネトソーム子1グラム当たり10-2
0、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、10、102、または 103 W、または磁性ナノ粒子特に
マグネトソームに含まれる酸化鉄1グラムあたりのワット、または磁性ナノ粒子特にマグ
ネトソームに含まれる鉄1グラムあたりのワットより高くなり得る。
【0612】
本発明のさらに別の実施形態では、SARMは、異なる濃度の磁性ナノ粒子特にマグネトソー
ム間で105、500、90、70、50、25、10、5、または 2 %を超えて変動または減少または増
加しない。 この百分率は、SARMC2-SARMC1/SARMC1を表すことができ、ここでSARMC1 と S
ARMC2は、2つの異なる濃度の磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度である。
【0613】
本発明の一実施形態では、この状況は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が、身
体部品の10-6 と 106 の間,10-5 と 105、10-3 と 103、または 10-2 と 102の間の mLあ
たりmg またはcm3あたり mgであるときに生じる。いくつかの他の実施形態では、この状
況は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が、身体部品の1000、100、10、1、0.1
、または 0.01mLあたりmg またはcm3あたり mg以下の場合に起こり得る。
【0614】
いくつかの他の実施形態では、この状況は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が
、身体部品の1000、100、10、1、0.1、または 0.01mLあたりmg またはcm3あたり mg以上
の場合に起こり得る。
【0615】
本発明の一実施形態では、SARM は、身体部品に含まれる、混合される、または挿入され
る、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの比吸収率である。これはワットなどの電力単位を
グラムなどの質量単位で割った値、または電力単位をcm、cm2、または cm3などの長さ、
表面積、または体積単位で割った値で表すことができる。SARM は、優先的には磁性ナノ
粒子特にマグネトソームの存在下で、温度上昇を生じる放射線の適用下で優先的に測定さ
れる。一実施形態では、この放射線は、優先的には10-9、10-5、10-3、10-1、1、10、ま
たは 103 W または W/cm または W/cm2 または W/cm3より高いパワーまたはパワー密度の
レーザーであり得る。
【0616】
本発明のいくつかの他の実施形態では、この放射は、好ましくは10-9、10-5、10-3、10-1
、1、10、または 103 W/cm または W/cm2 または W/cm3よりも高いパワーまたはパワー密
度の、好ましくは10-6、10-3、10-1、1、10、103、または 106 MHzより高い周波数の音波
である。
【0617】
本発明のいくつかの他の実施形態では、この放射は、好ましくは 10-9、10-6、10-3、10-
1、1、10、103、または 106 mTよりも高いパワーの、好ましくは10-9、10-6、10-3、1、1
03、106、または 109 kHzより高い周波数の交流磁場である。SARMは、断熱条件または優
先的に以下の間での熱交換が最小限に抑えられる条件で測定される、i) 磁性ナノ粒子特
にマグネトソームを含む身体部品の部分と、磁性ナノ粒子を含まない身体部品の部分、す
なわち磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品の外側の領域、またはii) 磁性
ナノ粒子特にマグネトソームを含む容器またはチューブと、およびこの容器またはチュー
ブの外側。熱交換は、それらが75、60、50、25、10、5、2、1、または0.1℃以下の温度低
下を生じるときに最小化される。
【0618】
本発明の一実施形態では、SARM は、身体部品、媒体、水、磁性ナノ粒子特にマグネトソ
ームを含む組織、の時間に対する温度変化の初期勾配(T/t)(M) か
ら、磁性体ナノ粒子特にマグネトソームを含まない体の部分、媒体、水、組織の時間によ
る温度変化の初期勾配(T/t)(WM)を引いた差に比例する、ここで
(T/t)(M)および (T/t)(WM)は、優先的に
℃/秒で推定される。SARMは、次の式を使用して優先的に推定される、SARM=rea
l [(T/t)(M)-(T/t)(WM)]、ここでrealは
比例係数である。一実施形態では、SARM=real [(T/t)(M)-(
T/t)(WM)]Cv/Cmagであり、ここで、Cvは、優先的には身体部品、組
織、水、 ナノ粒子、特にマグネトソームを含む媒体の比熱容量であり、そしてCmag は、
優先的に身体部品に含まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度、または磁性ナノ粒
子特にマグネトソームの量または数である。
【0619】
本発明の一実施形態では、SARM は、(T/t)(M)に対して(T/
t)(WM)を差し引かずに推定される磁性ナノ粒子特にマグネトソームの比吸収率で
ある。これは(T/t)(WM)が小さく、特に10-9、10-6、10-3、10-1、1、
10、または 20 °C/secよりも小さい場合であり得る。
【0620】
本発明の一実施形態では、SARMは、身体部品に含まれる磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムの経時的な温度変化の初期勾配(T/t)(M)に比例し、これは優先的に
は℃/秒で推定され優先的に次の式に導かれる、SARM=real [(T/ɧ
40;t)(M)-(T/t)(WM)]、ここでrealは比例係数である。
【0621】
発明の別の一実施形態では、SARM=(T/t)(M)-(T/t
)(WM)Cv/Cmagであり、ここで、Cvは、優先的には身体部品、組織、水、 ナノ粒子、特
にマグネトソームを含む媒体の比熱容量であり、そしてCmag は、優先的に身体部品に含
まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム
の量または数である。
【0622】
本発明のさらに別の実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、またはSARlase
rに指定された身体部品にレーザーを照射することによって測定されるSARは、SARAMF
として指定されている磁性ナノ粒子特にマグネトソームまたは身体の一部に交番磁界を印
加することによって測定されるSARとは異なる。本発明の一実施形態では、SARlaserは
SARAMFと少なくとも10-9、10-7、10-5、10-3、10-1、1、10、103、105、107、または 109
%異なり、この百分率は(SARlaser - SARAMF)/SARlaserに等
しく、この百分率は優先的に所与の濃度の磁性ナノ粒子特にマグネトソームにおいて測定
される。
【0623】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度は、磁性ナノ粒子特に
マグネトソームのmL または10-1 と 10 mgの間あたり 10-9 と 109、10-7 と 107、10-5
と 105、10-3 と 103の間、または 10-1 と 10 の間である。本発明の一実施形態では、
磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度は、優先的には身体部品の1cm-9当たりの磁性ナ
ノ粒子特にマグネトソームが109、107、105、103、101、10、10、10、または 103mg以下
である。
【0624】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの濃度は、優先的には身体部
品の1cm-9当たりの磁性ナノ粒子特にマグネトソームが109、107、105、103、101、10、1
0、10、または 103mg以上である。
【0625】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度は、優先的には身体
部品において、 身体部品の1cm-3またはmg当たりの磁性ナノ粒子特にマグネトソームが1
09、106、103、102、10-1、1、10、-1、または 103mg以下の値に調整される。十分に低い
濃度の磁性ナノ粒子特にマグネトソームが、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの毒性を回
避するために求められまたは探求される。
【0626】
本発明の別の実施形態では、低すぎる濃度の磁性ナノ粒子特にマグネトソームは、十分な
局所的加熱ができず、場合によっては巨視的加熱、すなわち、 1、10、103、106、または
109 nmよりも大きいスケールでの加熱をもたらす可能性がある。この場合、低すぎる濃
度の磁性ナノ粒子特にマグネトソームは避けられる。
【0627】
本発明の一実施形態では、局所的加熱または局所的温度上昇は、局所的規模での加熱また
は局所的規模または局所的に測定することができる加熱として定義され、局所的規模は10
9、107、105、103、10、1、10-1、または 10-3 nm以下、またはナノメートルスケールも
しくは単一の磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズ、または磁性体の集合体のサイズ
に近いスケールを指す。
【0628】
本発明の一実施形態では、局所的加熱または局所的温度上昇は、局所的規模での加熱また
は局所的規模または局所的に測定することができる加熱として定義され、局所的規模は10
9、107、105、103、10、1、10-1、または 10-3 nm以上、またはナノメートルスケールを
超すもしくは単一の磁性ナノ粒子特にマグネトソームのサイズ、または磁性体の集合体の
サイズを越すスケールを指す。
【0629】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が、優先的に1.001
、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106,を超える倍率で、または優先的に
身体部品のcm 3あたり10-6、10-3、10-1、1、5、または 10 mgの磁性ナノ粒子特にマグネ
トソームによって第1およびまたは第2のステップの間に、温度勾配、平均温度勾配、ま
たは温度変動を 、優先的に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106を
超える倍数で、または優先的には10-6、10-3、10-1、1、5、10、または 103 ℃以上だけ
増加させることができる。
【0630】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの濃度が、優先的に1.001
、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106,を超える倍率で、または優先的に
身体部品のcm 3あたり10-6、10-3、10-1、1、5、または 10 mg以上のの磁性ナノ粒子特に
マグネトソームによって第1およびまたは第2のステップの間に、解離の百分率を 、優
先的に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える倍数で、また
は優先的には10-6、10-3、10-1、1、5、10、25、50、75、80、または 90%.以上に増加さ
せることができる。
【0631】
本発明の別の実施形態では、t1b およびまたはt2bを、好ましくは 1.001、1.01、1.1、1.
2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える倍率で、または好ましくは1020、1010、105
、103、102、50、10、または 1 秒以下に減少させると、第1およびまたは第2のステッ
プの間に発生する解離の百分率、解離の平均百分率、の勾配を、優先的には、1.001、1.0
1、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える倍率で、または優先的に10-6、1
0-3、10-1、1、5、10、25、10、3、80、または 90%以上に増大させることができる。
【0632】
本発明の別の実施形態では、t1b およびまたはt2bを、好ましくは 1.001、1.01、1.1、1.
2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える倍率で、または好ましくは1020、1010、105
、103、102、50、10、または 1 秒以下に減少させると、第1およびまたは第2のステッ
プの間に発生する解離の百分率、解離の平均百分率、の勾配を、優先的には、1.001、1.0
1、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える倍率で、または優先的に10-6、1
0-3、10-1、1、5、10、25、50、75、80、または 90%以上に増大させることができる。
【0633】
本発明の一実施形態では、第1のステップを、最高温度、すなわち、レーザー照射による
照射の前またはなしで到達する温度よりも優先的に高い、優先的には10-3、1、5、10、ま
たは 50 ℃以上だけ高い温度に達するように実施できる。
【0634】
本発明のいくつかの他の実施形態では、第1のステップは、最大解離百分率、すなわち、
優先的に、レーザー光線による照射の前またはそれ無しで達する解離百分率のより優先的
には10-3、10-1、1、10、または 25 %以上だけ高い解離の百分率に達するように実施する
ことができる。
【0635】
本発明の一実施形態では、第1のステップを、ラジカル種の最大量または濃度、すなわち
優先的にレーザー照射による照射の前または無しで到達するラジカル種の量または濃度の
、身体部品のcm3あたり、または磁性ナノ粒子 mgあたり、少なくとも 10-6、10-3、1、10
、103 または 106 μM だけ多いラジカル種の量または濃度に達するように実施できる。
【0636】
本発明の一実施形態では、第1ステップの温度、優先的には第1ステップの最高温度また
は最低温度、最も優先的には第1ステップで到達させたい最高温度は、273、-150、-100
、-50、-20、-10、-5、-3、-1、5、10、50、102、または 103 ℃より高い。
本発明の一実施形態では、第1ステップの解離百分率、優先的には第1ステップの最高ま
たは最低の解離百分率、最も優先的には第1ステップで到達させたい最高解離百分率は、
90、80、70、50、25、10、5、2、または 1 %より高い。
【0637】
本発明の一実施形態では、第1ステップのラジカル種の量または濃度、優先的には第1ス
テップのラジカル種の最大または最小割合、最も優先的には第1ステップで到達すること
が望まれるラジカル種の最大量または濃度は、好ましくは、身体部品のcm3あたりまたは
磁性ナノ粒子mgあたり10-50、10-10、10-5、10-2、1、5、または 10 μM のラジカル種よ
り高い。
【0638】
本発明の一実施形態では、第1ステップの温度、優先的には第1ステップの最高温度また
は最低温度、最も優先的には第1ステップで到達させたい最高温度は、-273、-150、-100
、-50、-20、-10、-5、-3、-1、5、10、50、102、または 103 ℃より低い。
本発明の一実施形態では、第1ステップの解離百分率、優先的には第1ステップの最高ま
たは最低の解離百分率、最も優先的には第1ステップで到達させたい最高解離百分率は、
90、80、70、50、25、10、5、2、または 1 %より低い。
【0639】
本発明の一実施形態では、第1ステップのラジカル種の量または濃度、優先的には第1ス
テップのラジカル種の最大または最小割合、最も優先的には第1ステップで到達すること
が望まれるラジカル種の最大量または濃度は、好ましくは、身体部品のcm3あたりまたは
磁性ナノ粒子mgあたり1050、1010、10-5、102、1、5、または 10 μM のラジカル種より
小さい。
【0640】
本発明の一実施形態において、第2のステップは、最低温度、すなわち、第1ステップで
到達した最高温度よりも優先的に低い、優先的には10-3、1、5、10、または 50℃以上だ
け低い温度に達するように実施することができる。
【0641】
本発明のいくつかの他の実施形態では、第2ステップは、最小解離百分率、すなわち、優
先的に、第1ステップで到達した解離百分率より優先的には10-3、10-1、1、10、または
25 %以上だけ低い解離の百分率に達するように実施することができる。
本発明の一実施形態では、第2のステップを、ラジカル種の最大量または濃度、すなわち
優先的にレーザー照射による照射の前または無しで到達するラジカル種の量または濃度の
、身体部品のcm3あたり、または磁性ナノ粒子 mgあたり、少なくとも 10-6、10-3、1、10
、103 または 106 μM だけ少ないラジカル種の量または濃度に達するように実施できる
。
【0642】
本発明の一実施形態では、第2ステップの温度、優先的には第2ステップの最高温度また
は最低温度、最も優先的には第1ステップで到達させたい最低温度は、-273、-150、-100
、-50、-20、-10、-5、-3、-1、5、10、50、102、または 103 ℃より高い。
本発明の一実施形態では、第2ステップの解離百分率、優先的には第2ステップの最高ま
たは最低の解離百分率、最も優先的には第1ステップで到達させたい最低解離百分率は、
90、80、70、50、25、10、5、2、または 1 %より高い。
【0643】
本発明の一実施形態では、第2ステップのラジカル種の量または濃度、優先的には第2ス
テップのラジカル種の最大または最小割合、最も優先的には第2ステップで到達すること
が望まれるラジカル種の最大量または濃度は、好ましくは、身体部品のcm3あたりまたは
磁性ナノ粒子mgあたり10-50、10-10、10-5、10-2、1、5、または 10 μM のラジカル種よ
り高い。
【0644】
本発明の一実施形態では、第2ステップの温度、優先的には第2ステップの最高温度また
は最低温度、最も優先的には第2ステップで到達させたい最低温度は、-273、-150、-100
、-50、-20、-10、-5、-3、-1、5、10、50、102、または 103 ℃より低い。
本発明の一実施形態では、第2ステップの解離百分率、優先的には第2ステップの最高ま
たは最低の解離百分率、最も優先的には第2ステップで到達させたい最高解離百分率は、
90、80、70、50、25、10、5、2、または 1 %より低い。
【0645】
本発明の一実施形態では、第2ステップのラジカル種の量または濃度、優先的には第2ス
テップのラジカル種の最大または最小割合、最も優先的には第1ステップで到達すること
が望まれるラジカル種の最大量または濃度は、好ましくは、身体部品のcm3あたりまたは
磁性ナノ粒子mgあたり1050、1010、10-5、102、1、5、または 10 μM のラジカル種より
低い。
【0646】
本発明の一実施形態では、第2ステップで到達することを望む最低温度は、第1ステップ
で到達することを望む最高温度より少なくとも1、5、10、50、100、103、または 105℃低
い。
【0647】
本発明の一実施形態では、第2ステップで到達することを望む解離百分率は、第1ステッ
プで到達することを望む解離百分率より少なくとも1、5、10、50、75、80、または 90 %
低い。
【0648】
本発明の一実施形態では、第2ステップの温度、優先的には第2ステップの最高温度また
は最低温度、最も優先的には第2ステップで到達させたい最高温度は、-273、-150、-100
、-50、-20、-10、-5、-3、-1、5、10、50、102、または 103 ℃より低い。
本発明の一実施形態では、第2ステップで到達することを望む解離百分率は、第1ステッ
プで到達することを望む解離百分率より少なくとも1、5、10、50、75、80、または 90 %
低い。
【0649】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1または第2のステップ中に到達するこ
とを望む最高または最低温度または解離の割合は、第1または第2のステップ中に到達し
た最高または最低温度または解離の割合と同じであり得る。
【0650】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1または第2のステップ中に到達するこ
とを望む最高または最低温度または解離の割合は、第1または第2のステップ中に到達し
た最高または最低温度または解離の割合と1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 10
3以上の係数でだけ異なり得る。
【0651】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップで生じる温度の変動または勾配の絶対値
は、 第2段階で生じる温度の変動または勾配の絶対値から1.1、1.2、1.5、2、5、10、ま
たは 103以上の係数で異ならない。
【0652】
本発明のさらに別の実施形態では、第1ステップで生じる温度の変動または勾配の絶対値
は、 第2段階で生じる温度の変動または勾配の絶対値から1.1、1.2、1.5、2、5、10、ま
たは 103以上の係数で異なる。
【0653】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、ここで、第1お
よびまたは第2のステップの持続時間は、10-9秒から103 時間の間である。
本発明の一実施形態において、第1およびまたは第2のステップの持続時間は、10-20 秒
と1020時間の間、 10-9 秒と1010時間の間、10-3 秒と 1時間の間、10-3 秒と103秒の間
、10-2 秒と103秒の間、10-1秒と 10 秒の間、 1 秒と103 秒の間、 1秒と 102 秒の間、
または 1 秒と50秒の間である。
【0654】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子特にマグネトソームに関し、ここで、第1およ
びまたは第2のステップの持続時間の比は、10-20から1020 の間である。
本発明の一実施形態では、第1のステップの期間と第2のステップの期間との間の比は、
10-20 と 1020 の間、10-10 と 1010、10-5 と 105、10-3 と 103、10-1 と 10、0.5 と
5、または0.5から2の間である。
【0655】
本発明の一態様では、本発明は、本発明による使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソーム、または本発明による方法に関し、ここで、少なくとも1つのシーケンスの適用は
、以下から選択される少なくとも1つの特性と関連する。 i) 磁性ナノ粒子特にマグネト
ソームの減少、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームを含む身体部品の一部の外側への拡散
、ii) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームからの少なくとも1つの化合物の解離百分率
の増加 、iii) 温度勾配または変化の数の増加、およびiv)治療中に到達する平均温度
の減少。いくつかの実施形態では、これらの減少および増加は、連続レーザー照射の方法
と比較することによって、およびまたは本方法もしくは治療の前またはなしの状況と比較
することによって確立される。
【0656】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、ここで、シーケ
ンスの適用は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームの、特に磁性ナノ粒子特にマグネトソー
ムを含む身体部品の一部の外側での拡散を減少させる。
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品の一部は、磁
性ナノ粒子特にマグネトソームを投与した後10-9、10-6、10-3、1、103、106、または 10
9 秒以上後に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを受容した身体部品の一部である。
【0657】
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身体部品の一部は、磁
性ナノ粒子特にマグネトソームを投与した後10-9、10-6、10-3、1、103、106、または 10
9 秒以下の後に、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを受容した身体部品の一部である。
【0658】
本発明の別の実施形態では、身体部品の一部は、病理学的細胞、または病理学的細胞の大
部分、または病理学的細胞の10-20、10-10、10-5、10-3、10-1、1、5、10、25、50、75、
または 90 % 以上を含む。 ここで、このパーセンテージは、身体部品に含まれる病理学
的細胞の数と、細胞の総数または身体部品に含まれている健康な細胞と病理学的な細胞の
数の合計との間の比率を表す。
【0659】
本発明の一実施形態では、身体部品は身体部品のその一部であるか、それを含む。
本発明の一実施形態では、身体部品の一部は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含む身
体部品の一部である。
【0660】
本発明の別の一実施形態では、身体部品の一部は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含
まない身体部品の一部である。
【0661】
本発明の別の一実施形態では、身体部品の一部は、病理学的細胞を含む身体部品の一部で
ある。
【0662】
本発明の別の一実施形態では、身体部品の一部は、病理学的細胞を含まない身体部品の一
部である。
【0663】
本発明の別の一実施形態では、身体部品の一部は、健康な細胞を含まない身体部品の一部
である。
【0664】
本発明の別の一実施形態では、身体部品の一部は、健康な細胞を含む身体部品の一部であ
る。
【0665】
本発明の一実施形態では、シーケンスの適用は、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、特に
身体部品のその一部の外側に拡散したマグネトソームに到達し、それは95、90、80、70、
50、30、20、10、5、2、または 1%以下である。優先的に磁性ナノ粒子、特にマグネトソ
ームの身体部品への投与後の、時間t1での磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの数N1およ
び時間t2でのN2の身体部品の一部を考慮すると、この百分率は以下に等しい、(N2-N1)/N1
.。
【0666】
本発明の一実施形態では、シーケンスの適用は、全期間中、磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームを加熱するか、または磁性ナノ粒子、特にマグネトソームから化合物を解離するこ
とを可能にする。 これは、全てのセッションの期間を含み、シーケンスを適用しない場
合よりも2、5、10、または100倍長くなる。
【0667】
本発明の別の実施形態では、シーケンスの適用により、磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムを加熱すること、または化合物を磁性ナノ粒子特にマグネトソームから解離させること
ができ、それには好ましくは身体部品に磁性ナノ粒子特にマグネトソームを投与するのに
続いて、1分、1時間、1日、1週間、1ヶ月または1年の期間で行われる。
【0668】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、ここでシーケン
スの適用は、磁性ナノ粒子特にマグネトソームからの化合物の解離の百分率を増加させる
こと、およびまたは温度勾配の数を増加させること、およびまたは治療中に達する平均温
度を下げることを可能にする。
【0669】
本発明の一実施形態では、シーケンスの適用は、治療中に達する平均温度を優先的に 1.0
01、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 106を超える係数で、特に106、103、
100、90、70、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、35、20、10
、5、2 ℃以下に下げることを可能にする。
【0670】
本発明の一実施形態では、シーケンスの適用は、治療中に達する平均温度を、特に106、1
03、100、90、70、50、49、48、47、46、45、44、43、42、41、40、39、38、37、35、20
、10、5、2 ℃以下に到達することを可能にする。
本発明の実験例では、治療中に到達した平均温度は、0.5 と 1 mg/mL の M-CMDに対して(
45+37)/2 = 41 ℃、および1 mg/mL の N-CMDに対して(49+37)/2 = 43 に等しくなり得る
。
【0671】
本発明の一実施形態では、治療中に到達する平均温度を、優先的に1.001、1.01、1.1、1.
5、2、5、10、または 103を超える係数で下げさせることが可能であり、それには、加熱
ステップそして冷却ステップの間に達成したいそれぞれ、温度上昇および温度降下を、好
ましくは1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で減少させる。
【0672】
本発明の一実施形態では、治療中に到達する平均温度を、優先的に1.001、1.01、1.1、1.
5、2、5、10、または 103を超える係数で上げさせることが可能であり、それには、加熱
ステップそして冷却ステップの間に達成したいそれぞれ、温度上昇および温度降下を、好
ましくは1.001、1.01、1.1、1.5、2、5、10、または 103を超える係数で増大させる。
【0673】
本発明の一実施形態では、治療中に到達する平均温度とは、第1ステップで到達する最高
温度と最低温度の平均値、または第2ステップで到達する最高温度と最低温度の平均値で
ある。
【0674】
本発明の一実施形態では、治療中に到達する平均温度とは、異なる加熱および冷却ステッ
プについて推定された2つの平均値の平均値である。
【0675】
本発明の別の一実施形態では、治療中に到達する平均温度とは、異なる加熱および冷却ス
テップについて推定された2つの平均値の平均値である。
【0676】
本発明のさらに別の実施形態では、治療中に到達する平均温度は、治療の最長期間中に到
達する温度である。
【0677】
本発明の一実施形態では、飽和温度または加熱または冷却ステップ中にプラトーに達する
温度、すなわち106、103、10、5、2、1、10-3、10-6、10-9、または 10-20 ℃/秒以下だ
け変化する温度は、治療中に達する平均温度と見なすことができる。
【0678】
本発明のいくつかの他の実施形態では、処理中に到達する平均温度とは、加熱および冷却
ステップの平均温度変動から推定することができ、優先的には加熱および冷却ステップの
温度変動の平均値を特定の係数で割った値であり、 優先的には2の係数である。
【0679】
本発明の別の一実施形態では、治療中に到達する平均温度とは、異なる加熱および冷却ス
テップについて推定された2つの平均値の平均値である。
【0680】
本発明の一実施形態では、シーケンスの適用は、 レーザーの連続的な適用、すなわち、
シーケンスまたはセッションなしで、または103、102、10、5、または 2 以下のシーケン
スまたはセッションでのレーザー放射による照射と比較して、優先的に1.1、1.2、1.5、2
、5、10、103、または 105を超える倍数で、解離の百分率およびまたは温度勾配または変
動の数を増加させることを可能にする。連続的適用とは、レーザーのスイッチを切ること
なく、またはレーザーの出力または出力密度を1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、または 1
06の係数で、または1020、1010、105、103、10、1、10-3、または 10-5 W または W/cm
または W/cm2 または W/cm3以下に、または1020、1010、105、103、10、1、10-3、または
10-5 mA以下に低下させることなく、十分に長い時間の間、優先的には10-3、1、103、10
6、または 109秒を超える間のレーザー照射による連続照射として定義できる。
【0681】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームにも関し、そのシーケン
スは以下のように実施される、i) 第1ステップで到達することが望まれる最高温度また
は最高解離百分率、および第2段階で到達したい最低温度または解離の最小百分率が決定
され、ii) 第1ステップで最高温度およびまたは最大解離パーセンテージに到達するよ
うにレーザのパラメータが第1の値に設定または固定され、第2ステップで最小温度およ
びまたは最小解離百分率に達するように、レーザーのパラメータを第2の値に設定または
固定し、オプションとして、iii) 最高または最低温度およびまたは最高または最低解
離百分率に達するのに必要な第1およびまたは第2ステップの持続時間を測定し、そして
オプションとしておよびまたはiv) 第1およびまたは第2のステップのステップ測定され
た期間だけ第1ステップおよびまたは第2ステップを繰り返す。
【0682】
本発明は、本発明に従って使用するための磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または少
なくとも1つのシーケンスが以下の手順の少なくとも1つに従って行われる、本発明による
方法に関する、
i) 処理前に、第1ステップにおける最高温度または最大解離百分率および第2ステップ
における最低温度または最小解離百分率ジを決定する、
ii) 第1のステップで最高温度およびまたは最大解離百分率に達するように第1の値に
レーザのパラメータを設定または固定し、次に最低温度または解離の最小百分率に達する
ように第2の値にレーザのパラメータを設定または固定する、
iii) オプションで、これらの最高または最低温度およびまたは最高または最低解離百
分率に達するために必要な第1およびまたは第2のステップの持続時間を測定する、そし
て
iv)オプションで、第1およびまたは第2ステップの測定された持続期間だけ第1および
または第2ステップを繰り返す。
【0683】
本発明の一態様では、本発明は、癌、腫瘍、および感染症から選択される疾患を有する身
体部品を医学的に治療するための本発明による方法に関する。
【0684】
本発明の一態様では、本発明は、身体部品を修復、交換、着色、イメージング、硬化、治
癒およびまたは対比することによって身体部品を優先的に美容的に処置するための方法で
ある本発明による方法に関する。
【0685】
本発明の一実施形態では、第1ステップで到達したい最高温度およびまたは最高解離パー
センテージは、gmaxとして指定される1つまたはいくつかの所与の値に設定または固定さ
れる。
【0686】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1ステップ中に到達することを望む最高
温度または解離の最高百分率は、第1ステップ中に到達した最高温度または最高百分率と
1.1、1.5、10、103、106、109、または 1020以上の係数でだけ異なり得る。
【0687】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1ステップ中に到達することを望む最高
温度または解離の最高百分率は、第1ステップ中に到達した最高温度または最高百分率と
1.1、1.5、10、103、106、109、または 1020以上の係数でだけ異なり得る。
【0688】
本発明の一実施形態では、第2ステップで到達したい最低温度およびまたは最低解離百分
率は、gmaxとして指定される1つまたはいくつかの所与の値に設定または固定される。
【0689】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第2ステップ中に到達することを望む最低
温度または解離の最低百分率は、第2ステップ中に到達した最低温度または最低百分率と
1.1、1.5、10、103、106、109、または 1020以上の係数でだけ異なり得る。
【0690】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第2ステップ中に到達することを望む最低
温度または解離の最低百分率は、第2ステップ中に到達した最低温度または最低百分率と
1.1、1.5、10、103、106、109、または 1020以下の係数でだけ異なり得る。
【0691】
本発明の一実施形態では、gmax,、gmin、第1または第2ステップの持続時間、シーケン
スまたはセッションの数、またはレーザパラメータは、最大レーザ治療効力または最小レ
ーザ治療毒性に達するように選択される。
【0692】
本発明の一実施形態では、最大のレーザー治療効果およびまたは最小のレーザー治療毒性
は、治療が直接作用を含む場合に達成することができ、直接作用は、免疫細胞、免疫誘引
物質、T細胞、B細胞、サイトカインなどの物質が関与することなく、疾患または病理学
的細胞の破壊または消失を引き起こす作用として定義でき、これらは磁性ナノ粒子、特に
マグネトソーム、または化合物とは優先的に異なる。例えば、直接的な影響は、磁性ナノ
粒子特にマグネトソームによって生成される熱による、または病的細胞に対する化合物の
毒性による、病的細胞の破壊であり得る。
【0693】
本発明の一実施形態では、最大のレーザー治療効果およびまたは最小のレーザー治療毒性
は、治療が間接作用を含む場合に達成することができ、間接作用は、磁性ナノ粒子特にマ
グネトソームまたは化合物とは異なる免疫細胞、免疫誘引物質、T細胞、B細胞、サイト
カインなどの物質が関与することで、疾患または病理学的細胞の破壊または消失を引き起
こす作用として定義できる。例えば、間接的な影響は、免疫細胞による病理学的細胞の破
壊、または磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または磁性ナノ粒子特にマグネトソームを
含む身体部品からの距離をおいての病理学的細胞の破壊であり得る。 その距離は優先的
に1、5、10、100、103、105、107、または 109 nmより大きい。間接的効果は、優先的に
は直接的効果ではない効果である。
【0694】
本発明の一実施形態では、第1ステップで最高温度およびまたは最高解離百分率に達する
のに使用されるレーザのパラメータは、第2のステップで最低温度およびまたは最低解離
パーセンテージに達するために使用されるレーザのパラメータとは、優先的には1.1、1.5
、2、5、10、103、106、または 1010を超える係数で異なる。
【0695】
本発明の別の一実施形態では、これらの最高または最低温度およびまたは最高または最低
解離百分率に達するために必要な第1およびまたは第2ステップの持続時間を測定する。
【0696】
本発明の一実施形態では、優先的に第1ステップの開始時に到達した最低温度または最小
解離百分率から開始し、磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、または身体部品を照射し、そ
して磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、または体の一部が最高温度または最大解離百分
率に達するのにかかる時間を測定することによって、優先的に第一段階の終わりに到達す
る。
【0697】
本発明の一実施形態では、優先的に第2ステップの開始時に到達した最高温度または最大
解離百分率から開始し、レーザーを照射しないまたは第1ステップより低い出力でレーザ
ーを照射するようにし、そして磁性ナノ粒子特にマグネトソームまたは体の一部が最低温
度または最小解離百分率に達するのにかかる時間を測定することによって、優先的に第2
ステップの終わりに到達する。
【0698】
本発明の一実施形態では、第1およびまたは第2のステップの持続時間は、身体部品に含
まれる磁性ナノ粒子、特にマグネトソームについて測定される。
【0699】
本発明のいくつかの他の実施形態では、第1およびまたは第2ステップの持続時間は、身
体部品の外側に含まれる磁性ナノ粒子特にマグネトソーム、例えば、体の部分を優先的に
模倣する水、またはマトリックスまたは媒体に混った磁性ナノ粒子特にマグネトソームに
ついて測定される。
【0700】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1およびまたは第2のステップの持続時
間は、第1のシーケンスの間、治療セッションに属する優先的には2、5、10、102、103
【0701】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1およびまたは第2のステップの持続時
間は、第1のセッション、優先的には2、5、10、102、103、または 105以下のセッション
の間に測定される。
【0702】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、第1およびまたは第2のステップの持続時
間は、第1のシーケンスまたはセッション中に測定され、その持続時間の平均値が推定さ
れる。これらの平均値は、最初のシーケンスまたはセッションに続くシーケンスまたはセ
ッションを実行する際に使用され、第1およびまたは第2ステップの期間、ii) 、温度
、またはiii) 解離の割合を優先的に測定することなく、または測定する必要無く実施
できる。
【0703】
本発明の一実施形態では、第1および第2ステップは、優先的に第1および第2ステップ
の持続期間中に、2、5、10、102、103、または 106 回を超えて繰り返され、それは測定
されている。
【0704】
本発明の別の実施形態では、身体部品または病理学的細胞の破壊などの治療効果が達成さ
れるまで、第1および第2のステップが繰り返される
【0705】
本発明はまた、使用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関し、ここで、レーザ
ーのパラメータは、レーザー出力、出力密度、強度、振幅、強さ、周波数、および脈動時
間からなる群から選択される。
【0706】
本発明の一実施形態では、レーザ出力は、レーザ放射が身体部品に到達するかまたは身体
部品を通過する前にレーザ放射を生成する機器または装置によって生成されるレーザ放射
のパワーに対応する。
【0707】
本発明の一実施形態では、レーザ出力は、レーザ放射が身体部品に到達するかまたは身体
部品を通過した後またはその最中にレーザ放射を生成する機器または装置によって生成さ
れるレーザ放射のパワーに対応する。
【0708】
本発明の一実施形態では、レーザーの出力は 10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、1
0、102、103、または 105 W (ワット)より大きい。
【0709】
本発明の一実施形態では、レーザーの出力は 10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、1
0、102、103、または 105 W (ワット)より小さい。
【0710】
本発明のさらに別の実施形態では、レーザ出力密度は、レーザ出力と、レーザ放射が通過
する身体部品またはレーザ放射が到達する身体部品の体積、表面、長さとの比である。
【0711】
本発明の一実施形態では、レーザーの出力密度は 10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、
5、10、102、103、または 105 W (ワット)より大きい。
【0712】
本発明の一実施形態では、レーザーの強度は 10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、1
0、102、103、または 105 W (ワット)より小さい。
【0713】
本発明の一実施形態では、レーザーの強度は 10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、1
0、102、103、または 105 W (ワット)より大きい。
【0714】
本発明の一実施形態では、優先的に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、106、
または 109を超える倍数で、レーザ出力、レーザ出力密度、またはレーザ強度を増加させ
ることによって、同様の温度上昇または解離百分率を達成することができ、一方では磁性
ナノ粒子、特にマグネトソーム濃度を、優先的には身体部品で、優先的には1.001、1.01
、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、106、または 109を超える係数で減少させる。
【0715】
本発明の一実施形態では、優先的に1.001、1.01、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、106、
または 109を超える係数で、レーザ出力、レーザ出力密度、またはレーザ強度を減少させ
ることによって、同様の温度上昇または解離百分率を達成することができ、一方では磁性
ナノ粒子、特にマグネトソーム濃度を、優先的には身体部品で、優先的には1.001、1.01
、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、106、または 109を超える係数で増加させる。
【0716】
本発明の一実施形態では、レーザ振幅は、レーザ放射またはレーザ放射に関連する電磁波
の振幅であるか、またはそれに比例することができ、この波動またはレーザ放射の発振の
所与の時間に優先的に測定され、あるいは、レーザー放射の所与の波長で優先的に測定さ
れる。
【0717】
本発明の一実施形態では、レーザ振幅は、レーザ強度またはレーザ出力に対応する、また
はそれに比例することができる。
【0718】
本発明の一実施形態では、レーザ周波数は、レーザ放射に関連する電磁波の振動の周波数
、またはレーザ放射が生成される、あるいは十分な強度、出力または振幅で生成される周
波数である。レーザー周波数は、優先的に時間的または空間的レーザー周波数と関連して
いる。
【0719】
本発明の一実施形態では、レーザー周波数は、1020、1015、1012、1010、108、106、105
、103、102、10、または 1 Hzより低い。
【0720】
本発明の一実施形態では、レーザー周波数は、1020、1015、1012、1010、108、106、105
、103、102、10、または 1 Hzより高い。
【0721】
本発明の別の一実施形態では、周波数は、1 と 1020,の間、103 と 1015の間、 または10
8 と 1012 Hz.の間である。
【0722】
本発明の一実施形態では、レーザ波動時間はレーザ放射の波動の時間とすることができる
。
【0723】
本発明の一実施形態では、レーザ波動時間は、 103、101、10-1、10-3、10-5、10-10、10
-12、10-15、10-20、10-40秒より短い。
【0724】
本発明の一実施形態では、レーザ波動時間は、 103、101、10-1、10-3、10-5、10-10、10
-12、10-15、10-20、10-40秒より長い。さらにいくつかの他の実施形態では、それは、10
-40 と 103 秒の間、10-20 と 10 秒の間、10-20 と 10-3秒の間、または10-10 と 10-20
秒の間であり得る。
【0725】
本発明はまた、癌、腫瘍、および感染症から選択される疾患の予防または治療のための使
用のための磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに関する。
【0726】
本発明の一実施形態では、疾患は、身体部品が1、10、103、106、109、1015、または 102
0を超える病理学的細胞、または 1、10、103、106、109、1015、または 1020 を下回る健
康な細胞を含む個体の健康状態である。
【0727】
本発明の一実施形態では、疾患は、身体康な個体におけ部分が機能不全になっているかま
たは健るように作動しないまたは機能していない個体の健康状態である。
【0728】
本発明のさらに他のいくつかの実施形態では、疾患は、その個人が病気にかかった前のま
たは病気にかかっていない他の人の病的細胞の数と比較して、1.001、1.1、1.2、1.5、10
、103、106、109、または 1020以上の倍率での個人の病理学的細胞数の増加によって特徴
付けられる。
【0729】
本発明の一実施形態では、疾患は、身体部品の障害または機能不全、感染症、自己免疫疾
患、神経病理学、癌、皮膚状態、内分泌疾患、眼疾患または障害、腸疾患、コミュニケー
ション障害、遺伝性障害、神経障害、音声障害、外陰膣障害、肝臓障害、心臓障害、加熱
障害、気分障害、または性格障害である。
【0730】
本発明の一実施形態では、疾患は、腫瘍、癌、脳腫瘍、子宮頸癌、結腸直腸癌、皮膚腫瘍
、子宮内膜癌、胃癌、肝臓癌、胃腸間質腫瘍、悪性腫瘍、血症、白血病、多発性骨髄腫、
リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、肝細胞癌、喉頭癌、中皮腫、食道癌、骨肉
腫、卵巣癌、膵臓癌、口腔癌、口腔癌、肺癌、肺癌 小細胞肺がん、前立腺がん、横紋筋
肉腫、腎臓がん、乳がん、精巣がん、甲状腺がん、軟部肉腫、膀胱がん、骨髄腫(骨がん
)、形質細胞腫、骨髄腫、胚細胞がん、神経芽細胞腫、骨肉腫、網膜芽細胞腫、がん 中
枢神経系の、ウィルムス腫瘍と腎芽腫からなる群から選択される。
【0731】
本発明の一態様では、本発明は、組成物に使用するためのマグネトソーム、特にマグネト
ソームに関する。
【0732】
本発明の一態様では、本発明はまた、美容用組成物または美容治療に使用するためのマグ
ネトソーム、特にマグネトソームに関する。
【0733】
本発明の一実施形態では、美容用組成物は、美容治療に使用される組成物である。
【0734】
本発明の一実施形態では、美容処置を用いて、損傷した身体部品、または 1、10、103、1
06、または 109 以上の病理学的細胞を含む身体部品を修復または置換する。
【0735】
本発明の一実施形態では、美容治療は、身体部品の病理学的細胞の10-6、10-3、1、5、10
、25、50、75、または 90 %より低い百分率をもたらす治療である。 この百分率は、病理
学的細胞の数と身体部品の細胞の総数との間の比である。
【0736】
本発明の一実施形態では、美容処置は、例えば身体部品の色を濃くまたは明るくすること
によって、身体部品の色をオレンジ、黄色、白、灰色、緑色、青色、赤色、またはこれら
のいずれかの色の混合で磁性ナノ粒子特にマグネトソームを含まない色から、オレンジ、
黄色、白色、灰色、緑色、青色、赤色、またはこれらの色のいずれかと 磁性ナノ粒子特
にマグネトソームとの種々の混合に切り替えることによって、身体部品の色を変えるまた
は修正する治療である。 一実施形態では、この色の変化は、レーザが存在しない場合よ
りも存在する場合の方が強調されるか、またはより顕著になるか、または異なり得る。さ
らに他の実施形態では、この色の変化は、レーザー照射なしで、またはそれが誘発する熱
またはまたはレーザー照射の存在下またはレーザーが誘発する化合物の熱または解離の存
在下で生じる化合物の解離なしでは存在しない。
【0737】
本発明の一態様では、本発明は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームにレーザを逐次照射
するための以下からなる方法に関する、
i) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソームに第1の出力のレーザー照射を照射することから
なる第1ステップを実施する、
ii) オプションとして第1ステップから得られた照射磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムを照射しないこと、または第1ステップから得られた照射磁性ナノ粒子、特にマグネト
ソームを前記第1の出力より低い第2の出力でレーザー照射することを含む 第2ステッ
プを実施する、
そして
iii) 上記ステップを少なくとも1回シーケンスとして繰り返す。
本発明の少なくとも1つの実施形態では、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームをレーザで
逐次照射する方法は、レーザ放射のパワーおよび各ステップのタイミングを1つ以上の測
定条件に基づいて制御することを可能にするシステムを使用して実行することができる。
例えば、所与のステップで適用されるレーザ放射のパワーおよびステップが生じる時間
は、磁性ナノ粒子、特にマグネトソームの近くに配置されたセンサによって測定されたパ
ラメータに基づいて決定することができる。システムには次のようなものが含まれる、
i) 逐次的な電力の印加により磁性ナノ粒子、特にマグネトソー
ムに放射線を照射するためのレーザー、
ii) 磁性ナノ粒子、特にマグネトソーム、
iii) 磁性ナノ粒子の温度、磁性ナノ粒子から放出される化合物の
割合、および磁性ナノ粒子によって生成されたラジカル種からなる群から選択される少な
くとも1つのパラメータを測定するためのパラメータセンサ、
iv) レーザおよびパラメータセンサと通信し、パラメータセンサに
よって受信されたパラメータ測定値に基づいて、磁性粒子、特にマグネトソームに印加さ
れるレーザーの電力および放射を制御する制御ユニット。
【0738】
この例では、システムは、第1のパワーP1 でのレーザ放射の適用を可能にし、第1ステ
ップの間に以下の少なくとも1つのパラメータの値を増加させる、
- i) 最低温度、ii) 磁性ナノ粒子、優先的にはマグネトソームか
らの化合物の解離の最小百分率、またはiii) 磁性ナノ粒子優先的にはマグネトソーム
によって生成されるラジカル種の最低濃度または量、から、
- iv)最高温度、 v) 磁性ナノ粒子、優先的にはマグネトソームから
の化合物の解離の最大パーセンテージ、またはvi) 磁性ナノ粒子優先的にはマグネトソ
ームによって生成されるラジカル種の最大濃度または量。
【0739】
パラメータセンサが第1ステップの少なくとも1つのパラメータの最大値を測定すると、
制御ユニットは、レーザのパワーをオフにするか、レーザのパワーを減少させるか、また
はレーザのパワーを 第1のステップのP1 から第2のステップのパワーP2 に変更し、そ
して第2ステップのの間の以下の少なくとも1つのパラメータの値を減少させることがで
きる、
- i) 最高温度、ii) 磁性ナノ粒子、優先的にはマグネトソームか
らの化合物の最大解離パーセンテージ、またはiii) 磁性ナノ粒子優先的にはマグネト
ソームによって生成されるラジカル種の最大濃度または量、から
- i) 最低温度、ii) 磁性ナノ粒子、優先的にはマグネトソームか
らの化合物の解離の最小パーセンテージ、またはiii) 磁性ナノ粒子優先的にはマグネ
トソームによって生成されるラジカル種の最低濃度または量、へ低減する。
【0740】
パラメータセンサが第2のステップの少なくとも1つのパラメータの最小値を測定すると
、制御ユニットは第1の電力P1で磁性ナノ粒子にレーザ放射を照射することを開始する
。このシステムは、優先的に予め決定されている数のシーケンスまたは時間の間、レーザ
放射の照射を繰り返すことを可能にする。
本発明の一実施形態では、ラジカル種は、活性酸素種(ROS)、活性窒素種(RNS)
、スーパーオキシド、ヒドロキシル、アルコキシルラジカル、ペルオキシラジカル、過酸
化水素、一重項酸素、有機過酸化物、次亜塩素酸、次亜臭素酸、一酸化窒素、二酸化窒素
、ペルオキシナイトライト、ニトロシルカチオン、ニトロキシルアニオン、三酸化二窒素
、四酸化二窒素、亜硝酸、およびこれらの化合物の誘導体、からなる群から選択される。
本発明の一実施形態では、磁性ナノ粒子特にマグネトソームがこの方法で使用される。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明による方法は、磁性ナノ粒子を身体部品に投与
する追加のステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明による方法は、磁性ナノ粒子を身体部品に投与
する追加のステップを含まない。
本発明のいくつかの実施形態では、本発明による方法は、逐次レーザー照射による医学的
または化学的または生物学的または美容的処置である。
【0741】
本発明の別のいくつかの実施形態では、本発明による方法は、逐次レーザー照射による医
学的または化学的または生物学的または美容的処置とは異なる。
【0742】
本発明は、本発明による方法によって得られる被照射磁性ナノ粒子、特に被照射マグネト
ソームに関し、前記被照射磁性ナノ粒子、特に被照射マグネトソームは、以下からなる群
から選択される少なくとも1つの特性を有する、
- 被照射磁性ナノ粒子、特に被照射マグネトソームのサイズ、これは、照射されていない
磁性ナノ粒子特に照射されていないマグネトソームのサイズよりも、好ましくは10-3% と
99.99%のだけ小さく、この百分率は優先的にSI/SNI または (SNI-SI) /SNIであり、ここ
でSNIおよびSI は非照射および照射磁性ナノ粒子の、特にそれぞれ非照射および照射マグ
ネトソームのサイズである、
- 照射磁性ナノ粒子特に照射マグネトソームに結合した照射化合物の数 n I、これは非
照射磁性ナノ粒子に結合した化合物の数nNIよりも少ない、ここで、nNI / n I
は1から1010の間でにある、
- 照射化合物と照射ナノ粒子との間の少なくとも1つの結合、特に照射マグネトソームSI
,との結合強度、これは非照射化合物と非照射ナノ粒子特に非照射マグネトソームとの間
の少なくとも1つの結合の結合強度 SNIより小さい、
- 照射化合物と照射ナノ粒子、特に照射マグネトソームとの間の少なくとも1つの結合の
切断、
- 照射化合物と照射ナノ粒子特に照射マグネトソームとの間の結合解離エネルギー、 EdI
,、これは非照射化合物と非照射ナノ粒子特に非照射マグネトソームとの間の少なくとも
1つの結合の結合解離エネルギー、EdNI、より小さい、
照射された磁性ナノ粒子、特に照射されたマグネトソームCTIのコーティング厚さ、 C
TI,、これは、非照射磁性ナノ粒子特に非照射マグネトソームのコーティング厚さ、CTNI
よりも小さい、
- 照射された磁性ナノ粒子、特に照射されたマグネトソームの有機材料または炭素の質量
百分率、これは非照射磁性ナノ粒子特に非照射マグネトソームの有機材料または炭素の質
量百分率よりも小さい、
- 照射された磁性ナノ粒子、特に照射されたマグネトソームに結合された照射化合物の散
乱、これは非照射磁性ナノ粒子特に非照射マグネトソームに結合された非照射化合物の散
乱よりも小さい。
- 照射された磁性ナノ粒子、特に照射されたマグネトソームからの照射された化合物の数
N1I 、磁性ナノ粒子、特に照射されたマグネトソームから照射された化合物の放出N2I
を防止する照射された化合物N2Iの数。 非照射磁性ナノ粒子、特に非照射マグネトソ
ーム、
ここで非照射磁性ナノ粒子、特に非照射マグネトソームは、レーザー照射の対象ではない
磁性ナノ粒子または特にマグネトソームのいずれかであるか、または連続レーザー照射の
対象である磁性ナノ粒子または特にマグネトソームである。
【0743】
本発明の一実施形態では、照射は、優先的に照射されていないナノ粒子のサイズから照射
されたナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズの減少を結果として生じるか、それに関係し
、この減少は SI/SNI または (SNI-SI) /SNI が10-3% から99.99%の間であり、SI と SNI
はそれぞれ照射および非照射ナノ粒子のサイズである。
【0744】
ある場合には、SI/SNI または (SNI-SI) /SNIは 10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、
5、10、50、102、103、105 または 1010%より大きい。
【0745】
ある場合には、SI/SNI または (SNI-SI) /SNIは 1050、1020、1010、105、10-1、1、5、2
、1、10-3、10-5、10-10 または 10-50%より小さい。
【0746】
さらにいくつかの他の実施形態では、SI/SNI または (SNI-SI) /SNIは10-50 と 1050%の
間、 10-3 と 103%の間、10-3 と 99.99%の間、10-2 と 99%の間、10-1 と 90%の間、1
と 85%の間、または5 と 60%の間であり得る。
【0747】
本発明の一実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子の10-3、0.1、1、5、10 ま
たは 100 nmのサイズから、照射ナノ粒子の105、103、100、50、20、10、5、3、2 または
1 nmのサイズへのナノ粒子サイズの減少であるか、その結果であるか、またはそれに関
連する。
【0748】
本発明の別の実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のサイズから照射された
ナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズへのSNI-SI,の量だけの減少であるか、結果として
生じるか、または関連し、それは、10-5、10-1、1、5、10 または 103 nmより大きい。
【0749】
本発明の別の実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のサイズから照射された
ナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズへのSNI-SI,の量だけの減少であるか、結果として
生じるか、または関連し、それは、105、10-1、1、5、1 または 10-1 nmより小さい。
【0750】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子のサイズ減少と関連し、それに対応し、それ
を結果とし、またはそれをもたらし、ナノ粒子のサイズ減少は、照射によるかまたは照射
中、または照射前後の間に起こるか、または測定されるナノ粒子のサイズの減少である。
【0751】
ある場合には、ナノ粒子のサイズ減少は、 10-50、10-10、10-5、10-1、1、5、10、50、7
0、80、90、95、99、100、102、105、1010 または 10100 %より大きい。
【0752】
いくつかの実施形態では、照射から生じるサイズ減少のパーセンテージは、(SNBI-SNAI)
/SNBI、SNAI/SNBI、または (SNAI-SNBI) /SNBI に等しく、ここでSNBA と SNAAは、それ
ぞれ照射前後のサイズである。
【0753】
本発明の一実施形態では、ナノ粒子のサイズ減少は、10100、1050、1010、105、100、99.
9、99、95、90、80、70、50、30、20、10、5、2、1 または 10-3%より小さい。
本発明のなお別の実施形態において、ナノ粒子のサイズ減少は10-100 と 10100%の間また
は10-5 to 99.9%の間である。
【0754】
本発明の別の実施形態では、照射は、優先的には以下の方法で、ナノ粒子に付着または結
合した化合物の数の減少と関連し、それに対応し、それをもたらし、またはその数を減少
させる、 i) 少なくとも1.001、1.1、1.5、2、5、10、103、105、1010の係数で、または
ii) 1、5、10、103、105、1010 または 1050以上の照射前の非照射ナノ粒子に付着ま
たは結合した非照射化合物から、優先的に照射ナノ粒子当たり1050、1010、105、103、10
、5 または 1 以下の照射の間またはその後の照射ナノ粒子に付着または結合した照射化
合物へ。
【0755】
本発明のさらに別の実施形態では、照射は、少なくとも1つの化合物が少なくとも1つの
ナノ粒子に付着または結合したままであるようなサイズまでのナノ粒子のサイズ減少であ
り、それに結果し、またはそれと関連する。
【0756】
本発明のさらに別の実施形態では、照射は、閾値サイズ、特に照射ナノ粒子の閾値サイズ
サイズまでの、ナノ粒子のサイズ減少である。
【0757】
いくつかの実施形態において、その閾値サイズは、少なくとも1つの化合物が少なくとも
1つのナノ粒子、優先的に照射されたナノ粒子に付着または結合したままであるようなサ
イズであり得る。好ましくは、閾値サイズ以上では、少なくとも1つの化合物がナノ粒子
、優先的には照射ナノ粒子に留まるかまたは結合し、一方、閾値サイズ以下では、化合物
はナノ粒子、優先的には照射ナノ粒子と結合していない。
【0758】
さらにいくつかの他の実施形態では、閾値サイズは、閾値サイズの上と下の間で、ナノ粒
子、優先的に照射されたナノ粒子に結合した化合物、優先的に照射された化合物の数が、
優先的に i) 1.1、1.2、1.5、2、5、10、103 または 105より大きい係数で、またはii)
優先的にはナノ粒子あたり、最も優先的には照射ナノ粒子あたり、1、2、3、5、10、103
または 105以上の化合物、優先的に照射された化合物が少なくなるようなサイズであり
得る。
【0759】
さらにいくつかの他の実施形態では、閾値サイズより大きいサイズとは、閾値サイズより
少なくとも10-5、10-1、1、5、10、103、105 または 1010nm 大きいサイズである。
【0760】
さらにいくつかの他の実施形態では、閾値サイズ以下のサイズとは、閾値サイズより少な
くとも10-5、10-1、1、5、10、103、105 または 1010nm 小さいサイズである。
【0761】
本発明の一実施形態では、その閾値サイズは10-10、10-5、10-3、10-1、1、10、103、105
または 1010 nmより大きい。
【0762】
本発明の別の一実施形態では、閾値サイズは1010、105、103、10、5、2、1、10-1 または
10-3 nm以下である。
【0763】
本発明の別の一実施形態では、閾値サイズは10-5 と 1010 nmの間、10-1 と 105 nmの間
、または10-1 と 10 nmの間である。
【0764】
本発明の一実施形態では、照射は、優先的に照射されていないナノ粒子のサイズから照射
されたナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズの増大を結果として生じるか、それに関係し
、この増大は SNI/SI または (S1-SNI) /SI が10-3% から99.99%の間であり、SI と SNI
はそれぞれ照射および非照射ナノ粒子のサイズである。
【0765】
ある実施例では、SNI/SI または (SI-SNI) /SI は 10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1
、5、10、50、102、103、105 または 1010%より大きい。
【0766】
別の実施例では、SNI/SI または (SI-SNI) /SI は 1050、1020、1010、105、10-1、1、5
、2、1、10-3、10-5、10-10 または 10-50%より小さい。
【0767】
さらにいくつかの他の実施形態では、 SNI/SI または (SI-SNI) /SI は10-50 と 1050%の
間、 10-3 と 103%の間、10-3 と 99.99%の間、10-2 と 99%の間、10-1 と 90%の間、1
と 85%の間、または5 と 60%の間であり得る。
【0768】
本発明の一実施形態では、変更は、照射されていないナノ粒子の105、103、100、50、20
、10、5、3、2 または 1 nmより小さいサイズから、照射ナノ粒子の10-3、0.1、1、5、10
または 100 nmのサイズへのナノ粒子サイズの増大であるか、その結果であるか、または
それに関連する。
【0769】
本発明の別の実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のサイズから照射された
ナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズへのSI-SNIの量だけの増大であるか、結果として生
じるか、または関連し、それは、10-5、10-1、1、5、10 または 103 nmより大きい。
【0770】
本発明の別の実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のサイズから照射された
ナノ粒子のサイズへのナノ粒子サイズへのSI-SNIの量だけの増大であるか、結果として生
じるか、または関連し、それは、105、10-1、1、5、1 または 10-1 nmより小さい。
【0771】
本発明の一実施形態では、照射は、優先的には照射されていないナノ粒子のサイズ分布の
FWHMまたは幅Wから、照射ナノ粒子のサイズ分布のFWHMまたは幅Wまでの、FW
HMまたは幅Wの減少であるかまたはそれを結果とするかまたはそれに関連し、ここで、
この減少はFWHMI/FWHMNI、(FWHMNI-FWHMI) /FWHMNI、WI/WNI、または (WNI-WI) /WNI が
10-3% と 99.99%,の間であり、ここで、 FWHMI と FWHMNIはそれぞれ照射および非照射ナ
ノ粒子のサイズ分布の半値全幅であり、WI と WNIはそれぞれ照射および非照射ナノ粒子
のサイズ分布の幅である。
【0772】
本発明の一実施形態では、照射は、優先的には照射されていないナノ粒子のサイズ分布の
FWHMまたは幅Wから、照射ナノ粒子のサイズ分布のFWHMまたは幅Wまでの、FW
HMまたは幅Wの増大であるかまたはそれを結果とするかまたはそれに関連し、ここで、
この増大はFWHMI/FWHMNI、(FWHMNI-FWHMI) /FWHMNI、WI/WNI、または (WNI-WI) /WNI が
10-3% と 99.99%,の間であり、ここで、 FWHMI と FWHMNIはそれぞれ照射および非照射ナ
ノ粒子のサイズ分布の半値全幅であり、WI と WNIはそれぞれ照射および非照射ナノ粒子
のサイズ分布の幅である。
【0773】
いくつかの実施形態では、非照射化合物の数または濃度は、照射前または照射なしで存在
する。
【0774】
いくつかの実施形態では、照射化合物の数または濃度は、照射中または照射後に存在する
。
【0775】
本発明の一実施形態では、変更は、ナノ粒子に結合した化合物の数または濃度が、非照射
ナノ粒子に結合した非照射化合物の数nNI から、照射されたナノ粒子に結合した照射され
た化合物の数nI まで減少することになるか、またはそれに関係し、ここでnNI/nI は優先
的に 1 と 1010の間である。
【0776】
本発明の一実施形態では、nNI、nI、または nNI-nIは、10-50、10-20、10-10、10-5、10-
2、10-1、1、5、10、103 または 105 の化合物または化合物 のmgまたはナノ粒子あたり
の化合物またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより大きい。いくつかの実施形態では、
nNI/nIは 1、2、5、10、103、105、1010 または 1050より大きい。これは、照射がナノ粒
子に結合した化合物の数の大幅な減少をもたらすときに起こり得る。
【0777】
本発明の一実施形態では、nNI、nI、または nNI-nIは、10100、1050、1020、1010、105、
102、10、5、2、10-1 または 10-50 の化合物または化合物 のmgまたはナノ粒子あたりの
化合物またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより小さい。いくつかの実施形態では、nN
I/nI は 1050、1010、105、103、10、5、2 または 1より小さい。これは、照射がナノ粒
子に結合した化合物の数の大幅な減少をもたらすときに起こり得る。
さらにいくつかの他の実施形態では、 nNI/nI は、10-50 と 1050、10-10 と 1020、10-5
と 1020、10-3 と 1020、10-1 と 1010、1 と 1010の間である。
【0778】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子に結合した化合物の数または濃度が、10-50
、10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、10、103 または 105 化合物または化合物の
mgまたはナノ粒子あたりの化合物、またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgよりも
大きい数 nNI から、 10100、1050、1020、1010、105、102、10、5、2、1、10-1、10-5、
10-10 または 10-50化合物、または化合物のmgまたはナノ粒子あたりの化合物、または
ナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより低い数 nI まで減少すること、またはその結果
になること、またはそれに関連することである。
【0779】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子に結合する化合物の数または濃度の減少は、ナノ粒子
から放出される化合物の数または濃度の増加となり得るか、またはそれと関連し得る。
【0780】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子から放出される化合物の数または濃度の増加
であるか、その結果となるか、またはそれと関連する。ナノ粒子から放出される化合物の
数または濃度は、照射前の数nRNI 、ここでnRNIは優先的には非照射ナノ粒子から放出さ
れる非照射化合物の数である、から数 nRI、ここでnRIは照射されたナノ粒子から放出さ
れた照射化合物である、まで増加することができる。
【0781】
本発明の一実施形態ではnRNI は、10100、1050、1020、1010、105、102、10、5、2、1、1
0-1、10-5、10-10 または 10-50の化合物または化合物 のmgまたはナノ粒子あたりの化合
物またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより小さい。最も優先的には、nRNI は0に等
しい。
【0782】
本発明の一実施形態ではnRI は、10-50、10-20、10-10、10-5、10-2、10-1、1、5、10、1
03 または 105 の化合物または化合物 のmgまたはナノ粒子あたりの化合物またはナノ粒
子のmgあたりの化合物のmgより大きい。
【0783】
さらに他の実施形態では、 abs(nRI-nRNI) 、nRI/nRNI、nRNI/nRI、abs(nRI-nRNI) /nRI
または abs(nRI-nRNI) /nRNI は10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103、105
、1010 または 1050より大きい。Absは絶対値を指す。
【0784】
さらに他の実施形態では、abs(nRI-nRNI) 、nRI/nRNI、nRNI/nRI、abs(nRI-nRNI) /nRI
または abs(nRI-nRNI) /nRNI は1050、1020、1010、105、103、10、5、1、10-1、10-5、1
0-10 または 10-50.より小さい。
【0785】
本発明の一実施形態では、照射は、10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103、
105、1010、または 1050 %より大きいナノ粒子から放出された化合物の百分率の結果とな
る。このパーセンテージは、NR/(NR+NNR)に等しくすることができ、ここでNR と NNRは、
ナノ粒子から放出される化合物の濃度または数、ならびにナノ粒子から放出されないまた
はナノ粒子に結合している化合物の濃度または数である。
【0786】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子から放出される化合物のパーセンテージは、照射前ま
たは照射なしでよりも、照射後または照射中または照射によって、好ましくは少なくとも
1.001、1.1、1.2、1.5、2、5、10、103、105 または 1010倍だけ大きい。
いくつかの実施形態では、化合物とナノ粒子との間の少なくとも1つの結合の強度は、結
合強度または化合物がナノ粒子に結合している強度であり得る。
【0787】
本発明の一実施形態では、照射は、非照射化合物と非照射ナノ粒子との間の少なくとも1
つの結合の強度SNI から、照射された化合物と照射されたナノ粒子との間の少なくとも1
つの結合の強度SI までの、化合物とナノ粒子との間の少なくとも1つの結合の強度の減
少を、結果として生じるかまたはそれに関連する。
【0788】
場合によっては、 SNI と SI は、少なくとも1つの化合物を少なくとも1つのナノ粒子
に連結する少なくとも1つの結合の強度であり得る。
【0789】
場合によっては、 SNI と SI は、少なくとも1つの化合物を少なくとも1つのナノ粒子
に連結する少なくとも1つの結合のエネルギーであり得る。
【0790】
いくつかの場合において、SIは、以下の場合、SNIより低くなり得る。i) 少なくとも1つ
の照射されていない化合物を少なくとも1つの照射されていない化合物に結合する結合の
数より少ない結合によって、少なくとも1つの照射された化合物が少なくとも1つの照射
されたナノ粒子に結合されている、ii) 少なくとも1つの未照射化合物が強結合を介し
て少なくとも1つの未照射ナノ粒子に結合されている、またはiii) 少なくとも1つの
照射化合物が弱結合を介して少なくとも1つの照射ナノ粒子に結合されている。
【0791】
場合によっては、弱い結合は、ファンデルワールス相互作用、双極子 - 双極子相互作用
、ロンドン分散力、およびまたは水素結合であり得る。
いくつかの他の実施形態では、強い結合は、共有結合、イオン結合、または金属結合であ
り得る。
【0792】
いくつかの実施形態において、SNI およびまたは SIは、優先的には、i) ナノ粒子、化合
物、または結合のモル数、またはii) ナノ粒子、化合物、または結合あたりで測定して
、10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103、105、1010、1020、1050 または 1
0100 eV、KJ、または Kcal大きい。
【0793】
いくつかの実施形態において、SNI およびまたは SIは、優先的には、i) ナノ粒子、化合
物、または結合のモル数、またはii) ナノ粒子、化合物、または結合あたりで測定して
、1050、1020、1010、105、10-1、5、2、1、10-1、10-3、10-5、10-10、1050 または 10-
20 eV、KJ、または Kcal小さい。
【0794】
ある実施例では、SNI/SI または (SI-SNI) /SI は 10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1
、5、10、20、50、102、103、105 または 1010より大きい。
【0795】
本発明の一実施形態では、照射は、改変化合物と改変ナノ粒子との間の少なくとも1つの
結合の切断であるか、その結果となるか、またはそれと関連する。いくつかの実施形態で
は、照射は、少なくとも1つのナノ粒子からの少なくとも1つの化合物の放出であり得る
。
【0796】
本発明の一実施形態では、照射は、改変化合物と改変ナノ粒子との間の少なくとも1つの
結合の弱体化であるか、その結果となるか、またはそれと関連する。
【0797】
いくつかの実施形態において、化合物とナノ粒子との間の結合の弱化は、化合物とナノ粒
子との間の結合力、結合エネルギー、相互作用力、または相互作用エネルギーの減少であ
り得る。
【0798】
いくつかの実施形態において、化合物とナノ粒子との間の結合の弱化は、化合物とナノ粒
子との間の結合力、結合エネルギー、相互作用力、または相互作用エネルギーの除去また
は消滅または減少によるものであり得る。
【0799】
いくつかの実施形態において、化合物とナノ粒子との間の結合の弱化は、化合物とナノ粒
子との間の解離エネルギーの減少であり得る。
【0800】
いくつかの実施形態において、化合物とナノ粒子との間の結合の切断は、化合物とナノ粒
子との間の結合の解離エネルギーの除去または消滅または減少によるものであり得る。
【0801】
いくつかの実施形態では、化合物とナノ粒子との間の結合力、結合エネルギー、相互作用
力、または相互作用エネルギーは、結合の解離エネルギーに等しい、または比例し、また
は関連し得る。
【0802】
いくつかの実施形態では、結合の解離エネルギーが大きいまたは強いほど、前記ナノ粒子
と前記化合物との間の結合力、結合エネルギー、相互作用力、または相互作用エネルギー
はより大きくまたはより強い。
【0803】
いくつかの実施形態では、結合の解離エネルギーが小さいまたは弱いほど、前記ナノ粒子
と前記化合物との間の結合力、結合エネルギー、相互作用力、または相互作用エネルギー
はよりより小さくまたはより弱い。
【0804】
さらにいくつかの他の実施形態では、結合の解離エネルギーは、結合、またはナノ粒子に
よって提供または吸収または吸収または伝達される必要があるエネルギー、優先的にはナ
ノ粒子から化合物または結合を解離させるさせるための照射に起因するまたはそれから生
じるエネルギーであり得る。
【0805】
本発明の一実施形態では、改変によって弱められるまたは破壊される結合の種類は強結合
である。
【0806】
本発明の別の一実施形態では、改変によって弱められないまたは破壊されない結合の種類
は強結合である。
【0807】
本発明の一実施形態では、改変によって弱められるまたは破壊される結合の種類は弱結合
である。
【0808】
本発明の一実施形態では、改変によって弱められないまたは破壊されない結合の種類は弱
結合である。
【0809】
本発明の別の実施形態では、照射によって破壊または弱化される結合の数は、ナノ粒子あ
たり、またはナノ粒子1mgあたり、または身体部品または改変媒体1cm3 あたり、1、5
、10、103、105 または 1010 個の結合より多い。
【0810】
本発明の別の実施形態では、照射によって破壊または弱化される結合の数は、ナノ粒子あ
たり、またはナノ粒子10mgあたり、または身体部品または改変媒体1cm3 あたり、1010
、105、10、5、3 または 1個の結合より少ない。
【0811】
本発明の一実施形態では、照射は、化合物とナノ粒子との間の結合解離エネルギーを、特
に照射されていない化合物と照射されていないナノ粒子との間の結合解離エネルギーEdNI
から、照射された化合物と照射されたナノ粒子との間の結合解離エネルギー EdIまで減
少させる結果になるまたはそれに関連する。
【0812】
いくつかの実施形態において、EdNI およびまたは EdIは、特には、i) ナノ粒子、化合物
、または結合のモル数、またはii) ナノ粒子、化合物、または結合あたりで測定して、1
050、1020、1010、105、10-1、5、2、1、10-1、10-3、10-5、10-10、1050 または 10-20
eV、KJ、または Kcalより大きい。
【0813】
別のいくつかの実施形態において、EdNI およびまたは EdIは、特には、i) ナノ粒子、化
合物、または結合のモル数、またはii) ナノ粒子、化合物、または結合あたりで測定し
て、1050、1020、1010、105、10-1、5、2、1、10-1、10-3、10-5、10-10、1050 または 1
0-20 eV、KJ、または Kcalより小さい。
【0814】
更に別のいくつかの実施形態では、EdNI/EdI は 1050、1010、105、10、5、2、1、10-5、
10-10 または 10-50より小さい。これは、化合物が照射前よりも照射後の方が強く結合し
ている場合であり得る。
【0815】
更に別のいくつかの実施形態では、EdNI/EdI は 10-50、10-10、10-5、10、1、5、10、10
5、1010 または 1050より大きい。これは、化合物が照射前よりも照射後の方が弱く結合
している場合であり得る。
【0816】
本発明の一実施形態では、変更は、化合物とナノ粒子との間の結合解離エネルギーを、特
に照射されていない化合物と照射されていないナノ粒子との間の結合解離エネルギーEdNI
から、照射された化合物と照射されたナノ粒子との間の結合解離エネルギー EdIまで増
加させる結果になるまたはそれに関連する。
【0817】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、前記ナノ粒子のコーティングの厚みの減少で
あるか、その結果となるか、またはそれと関連する。
【0818】
いくつかの実施形態において、コーティングの厚さは均一ではないか、またはコーティン
グはナノ粒子を部分的にしか取り囲んでいない。
【0819】
いくつかの実施形態において、コーティングの厚さは均一であるか、またはコーティング
はナノ粒子を完全に取り囲んでいる。
【0820】
いくつかの実施形態において、コーティングの厚さとは、ナノ粒子の少なくとも1つの側
で測定されたコーティングの厚さであり得る。
【0821】
いくつかの実施形態において、コーティングの厚さとは、ナノ粒子のコーティングの平均
の厚さであり得る。
【0822】
いくつかの実施形態では、コーティングの厚さは、特には非照射ナノ粒子において、特に
は照射前または照射なしで、10-1、1、5、10、103 または 105 より大きいことがある。
いくつかの実施形態では、コーティングの厚さは、特には照射ナノ粒子において、特には
照射中または照射後で、105、10、10、5、13 または 10-1 nmより小さいことがある。
【0823】
さらにいくつかの他の実施形態では、コーティングの厚さは、照射の前後で、特に少なく
とも1.001、1.1、1.5、2、5、10、103 または 105の係数でだけ減少する。
【0824】
本発明の一実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のコーティング厚CTNI か
ら照射されたナノ粒子のコーティング厚CTI までの、ナノ粒子のコーティング厚の減少で
あるか、その結果であるかまたはそれに関連する。
【0825】
場合によっては、コーティングの厚さは、10-3、0.1、1、5、10 または 100 nmより大き
いCTNI から105、103、100、50、20、10、5、3、2 または 1 nmより小さい CTI まで減少
し得る。
【0826】
さらにいくつかの他の実施形態では、コーティングの厚さは、照射の前後で、特に少なく
とも10-5、10-1、1、5、10 または 103 nmだけ減少する。
【0827】
いくつかの実施形態では、CTNI は、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103 または 105 nm
よりも大きいか、・SNIより大きい、ここでは特に10-10、10-5、10-1、
1、5、10、103 または 105より大きい比例系数であり、SNI は、特に10-10、10-5、10-1
、1、5、10、103 または 105 nmよりも大きい非照射ナノ粒子のサイズである。
【0828】
別のいくつかの実施形態では、CTI は、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103 または 105
nm よりも大きいか、・SIより大きい、ここでは特に10-10、10-5、10-
1、1、5、10、103 または 105より大きい比例系数であり、SI は特に10-10、10-5、10-1
、1、5、10、103 または 105 nmよりも大きい照射ナノ粒子のサイズである。
【0829】
いくつかの実施形態では、CTNI は、1050、1010、105、10、5、2、10-1 または 10-5 nm
よりも小さいか、・SNI,より小さい、ここでは特に10-10、10-5、10-1
、1、5、10、103 または 105より大きい比例系数であり、SNI は、特に1050、1010、105
、10、5、2、10-1 または 10-5 nmよりも小さい非照射ナノ粒子のサイズである。
【0830】
別のいくつかの実施形態では、CTNI は、1050、1010、105、10、5、2、10-1 または 10-5
nm よりも小さいか、・SIより大きい、ここでは特に10-10、10-5、10-
1、1、5、10、103 または 105より大きい比例系数であり、SI は、特に1050、1010、105
、10、5、2、10-1 または 10-5 nmよりも小さい照射ナノ粒子のサイズである。
【0831】
更に別のある実施例では、CTNI /CTI は10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、5、10、1
03、105、1010 または 1020 より大きい。
【0832】
更に別のある実施例では、CTNI /CTI は1050、1010、105、1、10-5、10-10 または 10-50
より小さい。
【0833】
さらにいくつかの他の実施形態では、CTNI/CTI は、10-50 と 1050の間、10-10 と 1010
の間、 10-5 と 105の間、 10-3 と 103の間、10-1 と 10の間、または0.2 と 5の間であ
る。
【0834】
本発明の一実施形態では、照射は、照射されていないナノ粒子のコーティング厚CTNI か
ら照射されたナノ粒子のコーティング厚CTI までの、ナノ粒子のコーティング厚の増大で
あるか、その結果であるかまたはそれに関連する。
【0835】
いくつかの実施形態では、コーティング厚さは105、103、100、50、20、10、5、3、2 ま
たは 1 nmより小さいCTNI の値から10-3、0.1、1、5、10 または 100 nmより大きいCTI
の値まで増加する。
【0836】
さらにいくつかの他の実施形態では、コーティングの厚さは、照射の前後で、特に少なく
とも10-5、10-1、1、5、10 または 103 nmだけ増大する。
【0837】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子に結合した化合物の散乱物が、非照射ナノ粒
子に結合した非照射化合物の多くの散乱物から、照射されたナノ粒子に結合した照射され
た化合物の少ない散乱物まで減少することになるか、またはそれに関係する。
【0838】
いくつかの実施形態では、非照射ナノ粒子に結合した非照射化合物の多くの散乱物は、こ
れらの化合物の散乱物が大きなレベルにあることをあらわしており、特にコーティング内
またはナノ粒子の表面に位置するこれらの化合物の数の多さまたは濃度に起因し得る、こ
れらの化合物の散乱物は照射された化合物の散乱物に比べて大きいと見なすことができる
いくつかの実施形態では、非照射ナノ粒子に結合した非照射化合物の少数の散乱物は、こ
れらの化合物の散乱物が小さなレベルにあることを表しており、特にコーティング内また
はナノ粒子の表面に位置するこれらの化合物の数の少なさまたは濃度に起因し得る、これ
らの化合物の散乱物は非照射化合物の散乱物に比べて少ないと見なすことができる
【0839】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、前記ナノ粒子に結合した化合物の散乱物の減
少となる。いくつかの実施形態では、ナノ粒子に結合した化合物の散乱物の減少は、以下
のものであるか、それに結果するか、またはそれらをもたらすか、またはそれらに関連す
る、 i) ナノ粒子に結合した化合物の数または濃度の減少、それはナノ粒子からの化合物
を繋ぐまたは放出を阻止する、またはii) ナノ粒子から化合物を放出するためのナノ粒
子の能力の減少、それはナノ粒子に結合した化合物の数が少ないことにより、それが放出
を防止する。
【0840】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子に結合した化合物の散乱物が、非照射ナノ粒
子に結合した非照射化合物の少数の散乱物から、照射されたナノ粒子に結合した照射され
た化合物の多数の散乱物までの、増加となり、その結果となり、またはそれに関連する。
【0841】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子からの化合物N2 の放出を防止する化合物N1
の数または濃度を、照射されていないナノ粒子からの照射されていない化合物N2NI の放
出を防止する非照射化合物 N1i の数から、照射されたナノ粒子からの照射された化合物
N2a の放出を妨げる照射された化合物N1I まで、減少させ、その結果となり、またはそれ
に関連する。
【0842】
いくつかの実施形態では、N1NI + N2NI の合計は、非照射ナノ粒子に結合した化合物の総
数または濃度である。
【0843】
いくつかの実施形態では、N1I + N2I の合計は、照射ナノ粒子に結合した化合物の総数ま
たは濃度である。
【0844】
本発明の一実施形態ではN1NI およびまたは N1I は、10100、1050、1020、1010、105、10
2、10、5、2、1、10-1、10-5、10-10 または 10-50の化合物または化合物 のmgまたはナ
ノ粒子あたりの化合物またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより小さい。
【0845】
本発明の一実施形態ではN1NI およびまたは N1I は、10-50、10-20、10-10、10-5、10-2
、10-1、1、5、10、103 または 105 の化合物または化合物 のmgまたはナノ粒子あたりの
化合物またはナノ粒子のmgあたりの化合物のmgより大きい。
【0846】
さらに他の実施形態では、abs(N1I-N1NI) /N1NI、N1NI/ N1I、abs(N1I-N1NI) / N1I また
は abs(N1I-N1NI) /N1NI は10-50、10-20、10-10、10-5、10-1、1、5、10、103、105、10
10 または 1050より大きい。
【0847】
さらに他の実施形態では、abs(N1I-N1NI) /N1NI、N1NI/N1I、abs(N1I-N1NI) /N1I または
abs(N1I-N1NI) /N1NI は1050、1020、1010、105、103、10、5、1、10-1、10-5、10-10
または 10-50より小さい。
【0848】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、前記ナノ粒子の化学的構造の変化であるか、
その結果となるか、またはそれと関連する。
【0849】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子に含まれる1、2、
5、10、103、105、1010、1020、1050 または 10100 を超える化学的要素の変化である。
【0850】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子に含まれる10100
、1050、1020、1010、105、103、10、5、2 または 1 以下の化学的要素の変化である。
【0851】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子に含まれる質量ま
たは体積で 10-50、10-10、10-1、1、5、10、20、50、75、80、90 または 99%以上の化学
的要素の変化である。この百分率は、照射されたナノ粒子に含まれる化学的要素の数また
は濃度または質量を、照射されていないナノ粒子に含まれる化学的要素の数または濃度ま
たは質量で割った比であり得る。
【0852】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子に含まれる100、9
9、90、70、60、50、20、10、5、2、1 または 10-3%以下の化学的要素の変化である。
【0853】
さらにいくつかの他の実施形態では、化学的変化は、特に照射前後での、ナノ粒子中の少
なくとも1つの化学的要素の別の化学的要素による置換、またはナノ粒子による少なくと
も1つの化学的要素の損失もしくは放出、またはナノ粒子による少なくとも1つの化学元
素の増加である。
【0854】
いくつかの実施形態では、化学的要素は原子またはイオンであり得る。
【0855】
いくつかの実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子の金属組成から非金属
組成への変化であり得る。
【0856】
いくつかの実施形態において、化学的変化は、照射前のより金属性の高い組成から、照射
後のより少ない金属性の組成への変化であり得る。
【0857】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前の、特にナノ粒子当たり1、5、10、
103、105、1010、1050 または 10100 以上の金属原子を含む組成物から、照射後の特にナ
ノ粒子あたり10100、1050、1010、105、103、10、5 または 1 以下の金属原子を含む組成
物への変化であることができる。
【0858】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前の、特に質量、数または体積でナノ
粒子当たり10-50、10-10、1、5、10、50、75、90 または 99% 以上の金属原子を含む組成
物から、照射後の特に質量、数または体積でナノ粒子あたり99、90、75、50、10、5、1
または 10-3% 以下の金属原子を含む組成物への変化であることができる。この百分率は
、ナノ粒子中に含まれる金属原子の数、濃度、質量または体積と、ナノ粒子中の全原子の
数、濃度、質量または体積との間の比であり得る。
【0859】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子の金属組成から非
金属組成への変化であり得る。
【0860】
いくつかの他の実施形態では、化学的変化は、照射前後での、ナノ粒子の非金属組成から
金属組成への変化であり得る。
【0861】
いくつかの実施形態では、金属組成物とは、特にはナノ粒子が、ナノ粒子当たり質量、数
、または体積で10-50、10-10、10-5、1、5、10、50、70、90 または 99%以上の金属原子
から構成されるナノ粒子の組成物であり得る。この百分率は、ナノ粒子中の金属原子数と
ナノ粒子中の原子総数との間の比であり得る。
【0862】
いくつかの実施形態では、非金属組成物とは、特にはナノ粒子が、ナノ粒子当たり質量、
数、または体積で1050、1010、105、10、10、5、2、1、10 または 99%以下の金属原子か
ら構成されるナノ粒子の組成物であり得る。
【0863】
本発明の一実施形態では、化学的変化とは、ナノ粒子の非免疫原性組成物から免疫原性組
成物へ、またはナノ粒子の免疫原性組成物から非免疫原性組成物への変化である。いくつ
かの場合において、非免疫原性組成物とは、特には身体部品において、いくつかの免疫細
胞(T細胞、B細胞、樹状細胞、抗原提示細胞、マクロファージ)または他のケモカイン
またはインターロイキンのような免疫実体の出現を引き起こす組成物であり、それは特に
身体部品のcm3 または mL当たり1050、1010、105、10、1、10-1、10-5 または 10-10より
少ない。いくつかの他の場合において、免疫原性組成物とは、特には身体部品において、
特には身体部品のcm3 または mLあたり10-50、10-10、10-5、1、10、105 または 1010 を
超える免疫細胞または他のケモカインまたはインターロイキンのような免疫実体の出現を
引き起こす組成物である。
【0864】
本発明の一実施形態では、化学的変化とは、ナノ粒子の非薬理的から薬理的組成物へ、ま
たはナノ粒子の薬理的から非薬理的組成物への変化である。
【0865】
いくつかの他の場合において、非薬理的組成物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒
子の mg あたり 1050、1010、105、10、1、10-1、10-5 または 10-10 以下の薬理的組成
物または薬理的組成物のmgから構成される組成物である。
【0866】
いくつかの他の場合において、薬理的組成物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒子
の mg あたり 10-50、10-10、10-5、1、1、10-1、105 または 1010 以上の薬理的組成物
または薬理的組成物のmgから構成される組成物である。
【0867】
いくつかの場合において、薬理的化合物は、特には活性化されたとき、特にはナノ粒子か
ら放出された後に、病理学的または腫瘍細胞に対する活性などの薬理的活性を有すること
ができる。
【0868】
いくつかの他の場合では、薬理的化合物は、特にそれがナノ粒子に結合しているとき、薬
理的に活性ではない可能性がある。
【0869】
本発明の一実施形態では、化学的変化とは、ナノ粒子の非代謝的から代謝的組成物へ、ま
たはナノ粒子の代謝的から非代謝的組成物への変化である。
【0870】
いくつかの他の場合において、非代謝的組成物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒
子の mg あたり 1050、1010、105、10、1、10-1、10-5 または 10-10 以下の代謝的組成
物または代謝的組成物のmgから構成される組成物である。
【0871】
いくつかの他の場合において、代謝的組成物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒子
の mg あたり10-50、10-10、10-5、0、1、10、105 または 1010 以上の代謝的組成物また
は代謝的組成物のmgから構成される組成物である。
【0872】
いくつかの場合において、代謝的化合物は、特には活性化されたとき、特にはナノ粒子か
ら放出された後に、病理学的または腫瘍細胞に対する活性などの代謝的活性を有すること
ができる。いくつかの他の場合では、代謝的化合物は、特にそれがナノ粒子に結合してい
るとき、代謝的に活性ではない可能性がある。
【0873】
本発明の一実施形態では、化学的変化とは、ナノ粒子の非免疫原性から免疫原性組成物へ
、またはナノ粒子の免疫原性から非免疫原性組成物への変化である。いくつかの他の場合
において、非免疫原性組成物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒子の mg あたり 1
050、1010、105、10、1、10-1、10-5 または 10-10 以下の免疫原性組成物または免疫原
性組成物のmgから構成される組成物である。いくつかの他の場合において、免疫原性組成
物とは、特にはナノ粒子あたりまたはナノ粒子の mg あたり10-50、10-10、10-5、1、1、
10、105 または 1010 以上の免疫原性組成物または免疫原性組成物のmgから構成される組
成物である。いくつかの場合において、免疫原性化合物は、特には活性化されたとき、特
にはナノ粒子から放出された後に、病理学的または腫瘍細胞に対する活性などの免疫原性
活性を有することができる。いくつかの他の場合では、免疫原性化合物は、特にそれがナ
ノ粒子に結合しているとき、免疫原性的に活性ではない可能性がある。
【0874】
本発明の別の実施形態では、照射は、特には非照射ナノ粒子の表面電荷SCNI または非照
射ナノ粒子のゼータ電位ZPNI から、照射されたナノ粒子の表面電荷SCI または照射され
たナノ粒子のゼータ電位ZPI までの、ナノ粒子の表面電荷またはゼータ電位の低下である
かまたはそれを結果とするか、またはそれに関連する。
【0875】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子の表面電荷またはゼータ電位などのナノ粒子の特性は
、照射前または照射なしで存在する。
【0876】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子の表面電荷またはゼータ電位などのナノ粒子の特性は
、照射中または照射後に存在する。
ある場合には、 SCNI、ZPNI、SCI、およびまたは ZPI は1050、1010、105、103、100、50
、20、10、5、2、1、0、-5、-10、-50 または -100 mVより低い。
【0877】
ある場合には、 SCNI、ZPNI、SCI、およびまたは ZPI は-1010、-105、-103、-100、-50
、-20、-10、-5、-1、0、2、5、10、50、102 または 105 mVより高い。
【0878】
さらにいくつかの他の実施形態では、 SCNI、ZPNI、SCI、およびまたは ZPI は、-1050 m
V と 1050 mV の間、-1010 mV と 1010 mVの間、 -105 mV と 105 mVの間、-103 mV と 1
03 mVの間、100 mV と 100 mVの間、-50 mV と 50 mVの間、または-20 mV と 20 mVの間
である。
【0879】
更に別のある実施例では、SCNI、ZPNI、SCI、およびまたは ZPI は10-50、10-10、10-5、
10-3、0、1、2、5、10、103、105 または 1010より大きい。
【0880】
さらに他の実施形態では、ゼータ電位および/または表面電荷は、特に照射前または照射
なしでの-105、-103、-100、-50、-20、-10、-5、-2、-1、0、1、2、5、10、20 または 5
0 mVより高いZPNI または SCNI から、照射中、照射後または照射中での1010、105、103
、10、5、2、1、0、-1、-5、-10、-50 または -100 mVより低いSCI または ZPI へ、減少
する可能性がある。
【0881】
さらにいくつかの他の実施形態では、ゼータ電位および/または表面電荷は、照射の前後
で、少なくとも10-20、10-5、10-1、1、5、10、20 または 100 mV以上だけ低下する。
【0882】
さらに他の実施形態では、ゼータ電位およびまたは表面電荷は、105、103、500、100、50
、20 または 10 mVより低いZPNI または SCNI から、 -105、-103、-10-1、0、1、5、10
、50 または 100 mVより高いSCI または ZPI へ、上昇する可能性がある。
【0883】
さらにいくつかの他の実施形態では、ゼータ電位およびまたは表面電荷は、照射の前後で
、10-20、10-5、10-1、1、5、10、20 または 100 mV以上の高さまたは値だけ上昇し得る
。
【0884】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、変化、特にナノ粒子の有機物質または炭素の
減少であるか、その結果となるか、またはそれと関連する。
【0885】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子の有機物質または炭素の質量百分率は、特に照射前ま
たは照射なしで10-100、10-50、10-10、10-5、10-1、1、5、10、50、70 または 99%以上
であり得る。
【0886】
いくつかの実施形態では、ナノ粒子の有機物質または炭素の質量百分率は、特に照射中、
照射後または照射で100、99、70、50、10、5、2、1、10-1 または 10-5%以下であり得る
。
【0887】
さらに他の実施形態では、ナノ粒子の有機材料または炭素の質量パーセントは、照射の前
後で、特に少なくとも1.001、1.1、1.5、2、5、10、103 または 105 の係数で減少する。
【0888】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子の質量または重量の減少であるか、
その結果となるか、またはそれと関連する。いくつかの場合において、この減少は、特に
、照射前または照射なしで、10-50、10-10、10-5、10-1、1、5、10、100 または 105 mg
のナノ粒子またはナノ粒子の集合体cm3 あたり mg のナノ粒子より大きい非照射ナノ粒子
の質量または重量から、 特に照射後、照射中または照射によって、10100、1050、1010、
105、102、10、5、2、1、10-5 または 10-10 mg のナノ粒子またはナノ粒子の集合体cm3
あたり mg のナノ粒子より小さい照射ナノ粒子の質量または重量への減少である。いくつ
かの他の場合では、この減少は、照射の前後で少なくとも10-50、10-10、10-5、10-1、1
、5、10、25、50、70 または 90% の減少である。この百分率は、abs(MI-MNI) /MNI、MI/
MNIに等しくすることができ、ここで、MI と MNI はそれぞれ、照射されたナノ粒子およ
び照射されていないナノ粒子の質量または重量である。
【0889】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子の質量または重量の増大であるか、
その結果となるか、またはそれと関連する。いくつかの場合において、この増大は、特に
、照射前または照射なしで、1050、1010、105、10-1、5、1、10、-1 または 10-5 mg の
ナノ粒子またはナノ粒子の集合体cm3 あたり mg のナノ粒子より小さい非照射ナノ粒子の
質量または重量から、 特に照射後、照射中または照射によって、10-100、10-50、10-10
、10-2、02、1、5、10、1、105 または 1010 mg のナノ粒子またはナノ粒子の集合体cm3
あたり mg のナノ粒子より大きい照射ナノ粒子の質量または重量への増大である。いくつ
かの他の場合では、この増大は、照射の前後で少なくとも10-50、10-10、10-5、10-1、1
、5、10、25、50、70 または 90% の増大である。この百分率は、abs(MI-MNI) /MI、MNI/
MIに等しくすることができ、ここで、MI と MNI はそれぞれ、照射されたナノ粒子および
照射されていないナノ粒子の質量または重量である。
【0890】
更に別の本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子の磁気特性の変化であるか、その結
果となるか、またはそれと関連する。そのような変化は以下の変化であり得る、i) 照射
されていないナノ粒子の反磁性特性から照射されたナノ粒子の常磁性、超常磁性、強磁性
および/または強磁性特性への変化、ii) 初期ナノ粒子の常磁性特性から改変ナノ粒子
の反磁性、超常磁性、強磁性、および/または強磁性の性質への変化であり得る。 iii)
照射されていないナノ粒子の超常磁性から照射されたナノ粒子の反磁性、常磁性、強磁
性、および/または強磁性の性質へ。iv)照射されていないナノ粒子の強磁性特性から照
射されたナノ粒子の反磁性、常磁性、超常磁性、および/または強磁性特性へ、および/
またはv)照射されていないナノ粒子の強磁性から、照射されたナノ粒子の反磁性、常磁性
、超常磁性、および/または強磁性の性質へ。
【0891】
本発明の別の実施形態では、ナノ粒子の磁気特性の修正は、以下の磁気パラメータのうち
の少なくとも1つの増加である。i) 特に照射前または照射なしで、特に1050、1010、105
、103、10、1、10-1、10-5 または 10-10 Oeより低い照射されていないナノ粒子の保磁力
から 、 特には照射中、照射後または照射後の10-10、10-5、10-1、1、5、10、103、105
、1010 または 1050 Oeより大きい照射ナノ粒子の保磁力へとなるナノ粒子の保磁力、ii)
特に照射前または照射なしで測定された、1、0.99、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0
.3、0.2 または 0.1以下の非照射ナノ粒子の残留磁化から、照射中またはその後にまたは
照射ありで10-50、10-10、10-5、10-1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8 また
は 0.9 以上の照射されたナノ粒子の残留磁化までの、ナノ粒子の残留磁化、iii) 特に
照射の前または照射なしで、1050、1020、1010、105、103、10、5、2、1、10-2、10-5、1
0-10 または 10-50 emuまたはナノ粒子のグラムまたはミリグラム当たり emu 以下の非照
射ナノ粒子の飽和磁化から、特に、変更中、変更後、または変更による 10-50、10-20、1
0-10、10-1、1、5、10、100、105 または 1010 emuまたはナノ粒子のグラムまたはミリグ
ラム当たり emu よりも大きい照射ナノ粒子の飽和磁化までの、ナノ粒子の飽和磁化。 場
合によっては、磁気パラメータは、0、0.1、5、10、103、105、1010 または 1020 K (ケ
ルビン)より高い温度で存在するか、または測定することができる。いくつかの他の場合
では、磁気パラメータは、10100、1050、1020、1010、105、103、100、50、20、10、5、2
、1 または 0.1 Kより低い温度で存在するかまたは測定され得る。
【0892】
本発明の別の実施形態では、ナノ粒子の磁気特性の変更は、以下の磁気パラメータのうち
の少なくとも1つの減少である、i) 特には照射前または照射なしで、10-10、10-5、10-1
、1、5、10、103、105、1010 または 1050 Oeより大きい非照射ナノ粒子の保磁力から、
特には照射後または照射による1050、1010、105、103、10、1、10-1、10-5 または 10-10
Oe以下の照射ナノ粒子の保磁力までの、ナノ粒子の保磁力、ii) 特には照射前または照
射なしで、10-50、10-10、10-5、10-1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8 また
は 0.9以上の非照射ナノ粒子の残留磁化から、特に照射中またはその後または照射ありで
1、0.99、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2 または 0.1より大きい照射ナノ粒子
の残留磁化までの、ナノ粒子の残留磁化、iii) 特には照射前または照射なしで、10-5
0、10-10、10-5、10-1、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8 または 0.9以上の非
照射ナノ粒子の飽和磁化から、特に照射中またはその後または照射ありで1、0.99、0.9、
0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2 または 0.1より大きい照射ナノ粒子の飽和磁化まで
の、ナノ粒子の飽和磁化。
【0893】
本発明の一実施形態では、照射は、ナノ粒子の集合体、組織、および/または分布の特性
の変更であるか、その結果であるか、またはそれに関連する。
【0894】
そのような変更は、以下の群から選択することができる、i) 照射前または照射なしで特
に存在または測定された鎖状の非照射ナノ粒子の組織から、照射中、照射後または照射あ
りで特に存在または測定される鎖状ではない照射ナノ粒子の組織へ、ii) 照射前または
照射なしで特に存在または測定された凝集体中の非照射ナノ粒子の組織化から、照射中、
照射後または照射後で特に存在または測定された照射ナノ粒子の凝集体ではない組織へ、
iii) 照射前または照射なしで特に存在または測定された円のような幾何学的図形をし
た非照射ナノ粒子の組織から、特に照射中そまたはその後または照射によって存在または
測定された照射ナノ粒子の幾何学的図形ではない組織へ、iv)照射前または照射なしで特
に存在または測定された非照射ナノ粒子の均一分布から、照射中、照射後または照射によ
って特に存在または測定された照射ナノ粒子の不均一分布へ。
【0895】
本発明の一実施形態では、ナノ粒子の集合、組織、および/または分布の特性の変更は、
以下からなる群から選択される、i) 照射の前または後に特に存在または測定された鎖状
ではない、特に存在または測定された鎖状の照射ナノ粒子の組織、ii) 照射前または照
射なしで特に存在するかまたは測定された、凝集体ではない非照射ナノ粒子の組織から、
特に照射中、照射後または照射によって存在するまたは測定される、凝集体の照射ナノ粒
子へ、 iii) 照射前または照射なしで特に存在するかまたは測定された、凝集体ではな
い非照射ナノ粒子の組織から、特に照射中、照射後または照射によって存在するまたは測
定される、凝集体の照射ナノ粒子へ、 iv) 照射前または照射なしで特に存在するかまた
は測定された、一様ではない非照射ナノ粒子の組織から、特に照射中、照射後または照射
後または測定される、一様分布の照射ナノ粒子へ。
【0896】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子が以下の状態のとき、少なくとも2
つのナノ粒子を鎖状に組織化することができる、i) ある結合材料によって一緒に結合さ
れる、ii) 互いに近接し、特に105、103、10、5、2 または 1 nm以内に接近している、
またはiii) 互いに相互作用しているかまたは結合している。
【0897】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子が以下の状態である場合、少な
くとも2つのナノ粒子は鎖状に組織化されていない、i) なんらかの結合材料によって一
緒に結合されていない、ii) 互いに特に10-5、10-1、1、5、10、102 または 105 nm以上
遠く離れている、またはiii) 互いに相互作用していない。
【0898】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子は、それらが互いに近接していると
き、特に105、103、100、50、20、10、5 または 1 nm以下の距離に接近しているとき、ま
たはそれらが相互作用しているときに凝集体として組織化される。
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子は、それらが互いに近接していない
とき、特に10-2、10-1、1、5、10、103 または 105 nm以上の距離で離れているとき、ま
たはそれらが相互作用していないときに凝集体として組織化されていない。
いくつかの実施形態では、凝集体は少なくとも2つのナノ粒子鎖の集合体であり得る。
【0899】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子が幾何学的図形に編成されている。
いくつかの実施形態では、幾何学的図形は、バルビス、凹形多角形、構成可能多角形、凸
多角形、周期多角形、等角多角形、等辺多角形、ペンローズタイル、ポリフォーム、正多
角形、単純多角形、接線多角形、特定数の辺を持つ多角形、ヘナゴン、ジゴン、三角形、
正三角形、二等辺三角形、鈍角三角形、有理三角形、直角三角形、ケプラー三角形、不等
辺三角形、四辺形、環状四辺形、凧、平行四辺形、ひし形、菱形、ひし形、長方形、正方
形、接線四辺形、台形、二等辺台形、5角形、六角形、レモワン六角形、七角形、八角形
、九角形、十角形、十一角形、十二角形、十三角形、十四角形、十五角形、十六角形、十
七角形、十八角形、十九角形、二十角形、卍型、星の多角形、ペンタグラム星の多角形、
6線星形、ダビデの星、Heptagramの、8線星形、ラクシュミの星、十線 - 星形多角形、
輪、アルベロス、円、アルキメデスの二重丸、バンクオフ円、円、円、三角形の内接円と
外接円、9点円、円弧、円弧、三日月、インダロ、レンズ、弓形、ルロー多角形、ルーロ
ーの三角形、サリノン、半円、トマホーク斧、3弧、心、アルキメデスの螺旋、アストロ
イド、カーディオイド、三角模様、楕円、ハート、ハートゴン、さまざまなレムニカット
、楕円形、デカルト楕円、カッシーニの楕円形、楕円形の小間、卵形、超楕円形、太極拳
、ともえ、まがたま
【0900】
いくつかの他の実施形態では、少なくとも2つのナノ粒子は幾何学的図形に組織化されて
いない。
【0901】
いくつかの実施形態では、照射は、本発明による方法または治療による磁性ナノ粒子また
は身体部品または化合物の逐次照射である。
【0902】
いくつかの実施形態では、照射はナノ粒子または化合物の変更であり得る。
【0903】
一態様では、本発明は、本発明による照射磁性ナノ粒子、生物によって、特にマグネトソ
ームによって合成された磁性ナノ粒子に関する。
【0904】
一態様では、本発明は、本発明による照射マグネトソーム、特に生物、特に走磁性細菌に
よって合成されたマグネトソームに関する。
【0905】
一態様では、本発明は、本発明による照射された磁性ナノ粒子、特にマグネトソームとを
含む組成物、特に化粧品または医療または診断組成物、そして以下の群から選択される身
体部品の少なくとも1つの特性を改変するための、少なくとも1つの色またはコントラス
ト剤または造影剤または診断薬または治療薬、に関する、
i) 身体部品の色
ii) 身体部品のコントラスト
iii) 身体部品のイメージング能力。
iv)身体部品の治癒能力または修復能力。
【0906】
いくつかの実施形態では、身体部品のコントラストを修正すること、または身体部品の撮
像、治癒、または修復能力を修正することは、i) 身体部品のコントラストを向上させる
、またはii) その方法によって 、身体部品の画像化、治癒、または修復能力を改良させ
ることである。
【0907】
本発明のさらに別の実施形態では、ステップ、シーケンス、および/またはセッションは
、任意の順序で互いに後続することができる。
【0908】
一態様では、本発明はまた、以下を備えるシステムに関する、
- 電力を順次印加することによって磁性ナノ粒子に放射線を照射する
ように構成されたレーザ、
- 磁性ナノ粒子
磁性ナノ粒子の温度、磁性ナノ粒子から放出される化合物の割合、および磁性ナノ粒子に
よって生成されたラジカル種からなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを測
定するためのパラメータセンサ、
- レーザおよびパラメータセンサと通信する制御ユニット、この制御ユニットは、時間お
よび少なくとも1つのパラメータセンサによって測定されその制御ユニットが受け取るパ
ラメータの値の関数として、レーザによる電力の印加を制御するように構成される、
【0909】
ここで、磁性粒子を照射するためにレーザに印加される電力は、パラメータセンサによっ
て測定されるパラメータが値に達するために時間の関数として逐次変化する。
【0910】
本発明のさらに別の実施形態では、特に本特許出願の個々の各実施形態またはセクション
またはセンテンスに特に記載された、特にナノ粒子または方法またはステップまたはシー
ケンスまたはセッションの特性または特徴を組み合わせることができ、特にはナノ粒子ま
たは方法またはステップまたはシーケンスまたはセッションの特性または特徴の組み合わ
せとなり得る。
【0911】
本発明のさらに別の実施形態では、ナノ粒子、放射線、レーザー、化合物、ステップ、シ
ーケンスまたはセッションなどの実体が、特にある値 P2,を持つこの実体の特性よりも高
い、長い、または因数 a だけ高い P1 の値を有する特性を有する場合、これは次を意味
する、P1=a.P2 (特にaが1より高い) または P1=a+P2 ( 特にaが0より高い).
【0912】
本発明のさらに別の実施形態では、ナノ粒子、放射線、レーザー、化合物、ステップ、シ
ーケンスまたはセッションなどの実体が、特にある値 P2,を持つこの実体の特性よりも低
い、小さいまたは短い、または因数  だけ低い P1 の値を有する特性を有する場
合、これは次を意味する、P1=b .P2 (特にbが 1より小さい)、P1=P2/b (特にb が1より
大きい)、P1=P2-b (特にb が0より大きい) または P1=b - P2.
【0913】
本発明の一の実施形態では、P1、P2、a.P2、a+P2、b.P2、P2/b、P2-b、と/または b-P2
は、 P1、P2、a.P2、a+P2、b.P2、P2/b、P2-b、と/または b-P2.の絶対値であるかまたは
それを指す。
【0914】
本発明は、以下の非限定的な図および実施例によってさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0915】
【
図1】0.5 mg の M-CMD、(a)、1 mg の M-CMD、(b)、または 1 mg の N-CMD、(c)、を含む懸濁液の時間の関数としての温度変化、持続時間 t
1ai (1<i<10) の加熱ステップ中は2 W/cm
2 の出力密度であり、持続時間t
2aj (1<j<10)の冷却ステップ中はレーザに露光されない。
【
図5】逐次レーザー照射の方法をどのように実施できるかを示す。
【
図6】連続レーザー照射の方法をどのように実施できるかを示す。
【0916】
図2に、(a) 以下の処理後の生細胞の割合を示す。U87-MG細胞を、マグネトソームの鉄と
1 mg/mL中で接触させるか、またはマグネトソームと接触させず (0 mg/mL)、そしてレー
ザーにさらさない(W/o L)か、3 W/cm
2の平均出力で逐次的にレーザーにさらすかする。シ
ーケンスの詳細は
図2(c)の凡例に示されている(逐次 L)、または3 W/cm
2 の平均出力
で6分間連続してレーザーにさらされる(連続 L)。
【0917】
(b)0 mg/mLおよび1 mg/mLのマグネトソームと接触させ、平均出力3 W/cm2で6分間レ
ーザーに連続的に曝露させたU87-MG細胞の温度の時間の関数としての変動。
【0918】
(c)0mg / mLおよび1mg / mLのマグネトソームと接触させ、3W / cm
2の平均出力のレーザーに連続的に曝露させたU87 - MG細胞の温度の時間の関数
としての変動。
【0919】
シーケンスの詳細は以下の通りである。
第1シーケンス i) 温度が45℃に達するまで60秒間、3 W/cm2 の平均出力のレーザー
を照射した、ii) 18秒間レーザーを照射しないと、45℃から37℃に温度が低下し
た。
第2シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した。
第3シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した。
第4シーケンス i) 15.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20,5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た。
第5シーケンス i) 15秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 21,5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
第6シーケンス i) 14.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 21,5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した
第7シーケンス i) 15秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
。
第8シーケンス i) 13.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 22秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た。
第9シーケンス i) 13秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した。
第10シーケンス i) 15秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
。
第11シーケンス i) 14.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第12シーケンス i) 15 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 25秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た。
第13シーケンス i) 14.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 24.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第14シーケンス i) 12.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第15のシーケンス i) 12.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃か
ら45℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が
低下した。
第16シーケンス i) 15 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た。
第17シーケンス i) 12.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 22.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第18シーケンス i) 13.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
19番シーケンス i) 13.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第20シーケンス i) 14秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
。
第21シーケンス i) 14.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第22シーケンス i) 14秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 16秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
。
レーザー照射の全期間は6分2秒であった。
【0920】
図3に、(a) 以下の処理後の生細胞の割合を示す。3T3細胞を、マグネトソームの鉄と1 m
g/mL中で接触させるか、またはマグネトソームと接触させず(0 mg/mL)、そして、レーザ
ーにさらさない(W/o L)か、レーザーに平均で 3 W/cm
2の出力で順次さらす(そのシーケ
ンスの詳細は
図3(c)の凡例に示されている(逐次 L))か、または 3 W/cm
2の平均パワ
ーで6分間連続的にレーザーに露光さらす(連続L)。
【0921】
(b)0 mg/mL と 1 mg/mLのマグネトソームと接触させ、 3 W/cm2 の平均出力のレーザー
に連続的に6分間曝露させた3T3細胞の温度の時間の関数としての変動。
【0922】
(c)0 mg/mL と 1 mg/mLのマグネトソームと接触させ、3 W/cm2の平均出力のレーザー
に逐次的に曝露させた3T3細胞の温度の時間の関数としての変動。
【0923】
シーケンスの詳細は以下の通りである。
第1シーケンス i) 90 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
。
第2シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 22秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た
第3シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第4シーケンス i) 14.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第5シーケンス i) 15.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た
第6シーケンス i) 15.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した
第7シーケンス i) 18.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た
第8シーケンス i) 18.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た
第9シーケンス i) 20 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下した
第10シーケンス i) 18.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 19,5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第11シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第12シーケンス i) 18秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下し
た。
第13シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第14シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第15シーケンス i) 19.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第16シーケンス i) 18 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第17シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低
下した。
第18シーケンス i) 17.5 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
第19シーケンス i) 19 秒間3 W/cm2の平均出力のレーザを照射すると、37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザを照射しないと45℃から37℃に温度が低下
した。
【0924】
図4に、(a) 以下の処理後の活性酸素種の割合を示す。3T3細胞を、マグネトソーム鉄
(M-CMD)の1 mg/mLと接触させるか、またはマグネトソームと接触させず(0 mg/mL)、
そしてレーザーに曝露しないか(W/o L)、または連続的に 6分間、平均出力3 W/cm
2のレ
ーザーに照射に曝露するか、または逐次的に平均出力3 W/cm
2のレーザーに照射するかす
る。シーケンスの詳細は、
図2(c)の凡例にある。
(b) 以下の処理後の活性酸素種の割合U87-MG細胞を、マグネトソームの鉄と1 mg/mL中で
接触させるか、またはマグネトソームと接触させず (0 mg/mL)、そしてレーザーにさらさ
ない(W/o L)か、3 W/cm
2の平均出力で連続的にレーザーにさらすか、または3 W/cm
3 の平
均出力で6分間逐次的にレーザーにさらす。シーケンスの詳細は
図2(c)の凡例に示され
ている。
【0925】
図5に、逐次レーザー照射の方法をどのように実施できるかを示す概略図が示される。そ
れは、レーザ照射の逐次的方法の異なるステップ、加熱および冷却ステップ、3つの異な
るシーケンス、ならびに一定の経過時間によって分離された2つのセッションを示す。2
つのセッション間の時間は、2つのステップ間の時間または2つのシーケンス間の時間より
も長い。
【0926】
図6に、連続レーザー照射の方法をどのように実施できるかを示す概略図が示される。そ
れはレーザー照射の連続的な方法の2つの異なるセッションを示している。レーザー照射
の逐次的方法と比較して、i) ステップまたはシーケンスがない、ii) 逐次的方法よりも
連続的方法の方が平均温度が高い、iii) 逐次法におけるよりも連続法におけるサイク
ルでは加熱サイクルのより高い割合にわたって最高温度に達する、 iv)連続法における温
度勾配の数(各セッションの始めに2つだけ)は、逐次法における温度勾配の数(2より
大きい)。
【実施例0927】
(実験例1)
CMD被覆マグネトソーム鉱物とCMD被覆化学合成ナノ粒子を含む懸濁液へのレーザの逐次照
射
【0928】
材料と方法
【0929】
カルボキシメチルデキストラン(M-CMD)で被覆されたマグネトソームミネラルは、参考
として取入れられた特許PCT/FR2016/000095の例8のそれからわずかに修正されたプロト
コルに従って調製された。この例では、そのままの表現では、ナノ粒子がほとんどの炭素
質材料を含まず、主にマグヘマイトの形態の酸化鉄鉱物を含むことを示している。
【0930】
簡単に言うと、M-CMD と N-CMDを製造するために、本発明者らは最初に以下を調製した:
i) 裸のマグネトソーム鉱物からなる、すなわちマグネトソームの周囲に低百分率の炭素
質材料を含むマグネトソームの中央部分を含む粉末1 、参考として取入れられた特許PCT
/FR2016/000095(例4)に定義され記述されている鉱物核(マグネトソーム中央部分とも
指定されている)、 ii) シグマアルドリッチから購入した裸の化学酸化鉄ナノ粒子を
含む粉末2(参照シグマ637106)、iii) カルボキシ - メチル - デキストラン(参照
シグマアルドリッチ86524-50G-F; lot #BCBQ7420V)を含有する溶液2。懸濁液1および2
を、鉄対CMDのモル比20で混合した。
【0931】
最初に、40 mgの裸の乾燥マグネトソーム鉱物粉末と裸の乾燥化学ナノ粒子粉末(参照シ
グマ637106)を天秤を使用してこれらの秤量粉末が鉄20mgを含むよう収集した。
【0932】
次に、天秤を用いて(ナノ粒子粉末中の鉄の質量の20倍の質量のCMDの質量に相当す
る)400 mgのCMD粉末を収集し、そしてこれらの400 mg の CMDを20 mlのMilli-Q水中で混
合した。
【0933】
その後、2つの異なる裸の乾燥ナノ粒子粉末をCMD溶液と混合し、そして2つの得られ
た懸濁液のpH を2M塩酸溶液で 4.65 に調整した。音波浴室を使用してこれらの懸濁液を
超音波処理した(参照トランソニックT460FY 7864596、周波数50-60 Hz、出力67 W) 、1
5時間)。
【0934】
超音波処理後、エッペンドルフチューブ(14500 rpm)中で10分間遠心分離することに
よって最初の洗浄を行った。次に、コーティングされたナノ粒子の上清に含まれる、エッ
ペンドルフから過剰なコーティングをピペットで除去した。被覆ナノ粒子を含有するペレ
ットに2 ml の Milli Q水を添加し、再度遠心分離(14500 rpm)、上清の除去、および水
中への再懸濁を繰り返した。そしてM-CMD と N-CMDの懸濁液を得た。
【0935】
最後に、鉄投与量を使用して、N-CMD と M-CMD懸濁液の鉄濃度を推定した。水中で混合し
たCMD被覆ナノ粒子の2つの懸濁液の濃度を、M-CMDについては0.5 mg/mLおよび1mg
/ mLに、そしてN-CMDについては1 mg/mLに調整した。
【0936】
N-CMD と M-CMDは、マグヘマイトのコアから主に構成され、それぞれ35 と 41 nmの平均
サイズを有し、N-CMDについて10 と 75 nmのサイズ分布を有するように決定し、M-CMDで
は20 と 75 nmであり、両方の種類のナノ粒子で100% の安定性を有する(表1)。両タイ
プのナノ粒子の安定性を決定するために、手作業によるナノ粒子ホモジナイズの時点とそ
の後12時間の間の、1 mg/mLの両タイプのナノ粒子を含む1 mLの懸濁液の480 nmで測定
した吸収減少の百分率を測定した。
【0937】
N-CMD(100 μl のウェルに入れた水に混合した100 μg の N-CMD)およびM-CMD (100 μ
g のウェルに入れた水に混合した50 μg または 100 μg のM-CMD)の懸濁液をレーザー
に暴露した(またはしない) (参照SHANGHAI DREAM LASER TECHNOLOGYSDL-LM-5000T)、
これは光ファイバーに接続され(直径0.5 mm、参照SMA905/LD80) それは、レーザー機器
またはユニットからのレーザー放射を、ナノ粒子懸濁液を含むウェルの底部から1 cm 離
れた固定位置に運んだ。レーザーの出力はパワーメーター(Spectra Physics Model 407A
) を用い、ファイバ端とパワーメータ検出器表面との間の距離は1 cmとして測定した。フ
ァイバ端から1cm離れて測定された、レーザ強度をレーザ出力に関連付けるための検量
線を作成した。レーザのパワー密度は、ファイバ端から1cm離れたところで推定された
レーザのパワーを、1 cm² の照らされた表面積に対応するものとして目で推定され
たレーザの照射面で割ることにより測定された。実験のために、レーザーの電源を入れた
ときのレーザー出力密度はW/cm2 と推定された。このレーザー出力密度は、それがM-CMD
(0.5 と 1 mg/mL) およびN-CMD (1 mg/mL)の存在下で温度上昇を生じるのに対して、ナノ
粒子が存在しない場合には低い温度上昇(-0.007℃/秒)を誘導したので選択された。
【0938】
ナノ粒子懸濁液にレーザー光線を照射する(または照射しない)ために、96マイクロウェ
ルプレートのウェルに挿入した鉄1 mg/ml中に 100 μL のN-CMD または M-CMDを含む懸濁
液を調製した。ウェル内の温度を赤外線カメラを使用し、タイマーを使用してさまざまな
ステップの期間で測定した。
【0939】
ナノ粒子懸濁液にレーザー光線を照射する(または照射しない)ために、96マイクロウェ
ルプレートのウェルに挿入した鉄1 mg/ml中に 100 μL のN-CMD または M-CMDを含む懸濁
液を調製した。ウェル内の温度を赤外線カメラを使用し、タイマーを使用してさまざまな
ステップの期間で測定した。
【0940】
M-CMD と N-「0940CMDの懸濁液をパワー密度2 W/cm2のレーザーにさらすことによっ
て一連の加熱ステップを実施した。レーザーをオンにすることによって加熱ステップを開
始した(レーザー強度は4500 mAに設定される)。温度が45℃に達したときにレーザー
をオフにする(レーザー強度を 0A 設定する)ことによって加熱ステップを終了した。 N
-CMDの場合、レーザーのスイッチを切った時、温度は49℃まで上昇し続けた。 加熱ステ
ップの後に、N-CMD と M-CMD の懸濁液をレーザーにさらさない冷却ステップを続けた。
レーザーをオフにすることによって冷却ステップを開始した(レーザー強度を 0A に設定
する)。温度が37℃に達したときにレーザーをオンにすることによって冷却ステップを終
了した(レーザー強度を 4500 mA に設定する)。
【0941】
結果と考察
【0942】
1000秒以内に、それぞれ0.5 mg/mL と 1 mg/mL of M-CMDを使用して、8回と10回のシーケ
ンスを実行することができた。M-CMDの濃度を0.5 mg/mL から 1 mg/mL、に増やすことで
、シーケンス数を8から10に増やすことができた(
図1)。1000秒以内に、それぞれ 1 mg
の M-CMDを使用して10回と、N-CMDを使用して7回のシーケンスを実行することができた
。CMDでコーティングされたマグネトソームミネラルを使用することにより、M-CMDでコー
ティングされた化学合成ナノ粒子と比較してシーケンス数を増やすことができた(
図1)
。
【0943】
最初のステップに続く加熱ステップを考慮すると、0.5 mg/mL of M-CMDの濃度では、加熱
時間は40秒から50秒の間であり、冷却時間は60秒から75秒の間であった。 (表
2)。第1シーケンスでは、加熱ステップは150秒間続き、75秒間の冷却ステップの
持続時間よりも2倍長い。(表2)。他のシーケンスでは、加熱時間は冷却時間よりも短
く、冷却時間と加熱時間との比は1.33 と 1.71の間であった(表2)。
【0944】
1 mg/mL of M-CMDの濃度では、加熱時間は20秒そして80秒の間であった(表2)。そ
れらは、同じシーケンス番号で0.5 mg of M-CMDについて測定された加熱時間よりも1.
6-2.2倍短かった(表2)。1 mg/mL の M-CMDに対して冷却時間は65秒そして90秒
であった。一方、冷却時間は0.5 mg/mL の M-CMDに対して1分-1分15秒であった。M-
CMDの濃度を0.5 mg/mL から 1 mg/mLに増加させることによって、i) 加熱ステップの持続
時間を加熱ステップに応じて1.6 と 2.2 の間に含まれる因子によって減少させ、そしてi
i) 冷却ステップの持続時間は、1.01 と 1.2の間に含まれる因子で増加させた。
【0945】
1 mg/mL の N-CMDの濃度では、加熱時間は22秒から45秒の間であり、冷却時間は89秒から
105秒の間であった(表2)。1mgのM-CMDと比較して、N-CMDの加熱時間は、N-CMDの加熱
時間とM-CMDの加熱時間との間の比率でシーケンスに応じてM-CMDの加熱時間より短いか長
いかのいずれかであり、0.6と1.8の間に含まれる(表2)。1mgのM-CMDと比較して、N-CMD
の加熱時間は、N-CMDの冷却時間とM-CMDの冷却時間との間の比率でシーケンスに応じてM-
CMDの加熱時間より短いか長いかのいずれかであり、0.99と1.5の間に含まれる(表2)。N
-CMDで観察されたより長い冷却時間は、なぜ我々がM-CMDよりもN-CMDの方が単位時間当た
りより少ない数のシーケンス(例えば1000秒)を実行することができたかを説明すること
ができる。
【0946】
0.5 mg/mL of M-CMDの濃度では、加熱ステップの温度上昇と加熱時間との間の比は 0.14
℃/sec. と 0.24℃/secの間に含まれた。 冷却ステップの温度低下と冷却時間との間の比
は 0.11℃/秒から 0.13℃/秒になる (表3)。これは、加熱ステップ中の温度上昇の平
均速度または加熱ステップの平均温度勾配が、冷却ステップ中の温度の低下平均速度また
は冷却ステップの平均温度勾配よりも大きいことを示唆している。
【0947】
1 mg/mL of M-CMDの濃度では、加熱ステップの温度上昇と加熱時間との間の比は 0.22 ℃
/sec. と 0.4℃/secの間に含まれた。 冷却ステップの温度低下と冷却時間との間の比は
0.09℃/秒から 0.12℃/秒になる (表3)。0.5 mg/mL of M-CMDと比較して、加熱ステッ
プの温度上昇と加熱時間との間の比は、1 mg/mL of M-CMDについては1.6 と 2 の間で構
成される係数で増加した。これは、加熱ステップ中に温度が上昇する速度が、0.5 mg of
M-CMDよりも1 mg の方が重要であることを示唆している。0.5 mg/mL of M-CMDと比較して
、冷却ステップの温度加工と冷却時間との間の比は、1 mg/mL of M-CMDについては1.1-1.
2の間である係数で増加した。これは、温度が降下する速度が、1 mg of M-CMDよりも0.5
mg の方が重要であることを示唆している。
【0948】
1 mg/mL of N-CMDの濃度では、加熱ステップの温度上昇と加熱時間との間の比は0.33℃/
秒と 0.56℃/秒の間に含まれ、冷却ステップの温度低下と冷却時間との間の比は0.11 ℃/
秒と 0.14℃/秒の間となる(表3)。1 mg の M-CMD と 1 mgの N-CMDとの間では、加熱ス
テップの温度上昇と加熱時間との間の比率は、1.02 と 2.3の間に含まれる係数で(第3
ステップを除いて)増加した。この上昇は、49℃の各加熱ステップの終わりに到達する最
高温度によって説明でき、これは、45℃の望ましい温度より4℃高い値である (表6と
図1
)。 1 mg の M-CMD と 1 mg の N-CMD,との間では、冷却ステップの温度降下と冷却時間
との間の比率は、全体的に非常に大きくは変わらなかった(表3)。たとえそうであって
も、1 mg/mL のN-CMDについて温度上昇速度の増加があり、治療中に到達する最高温度が
所望の温度より高いので、全体としてより多数のシーケンスをもたらすことはない。
【0949】
興味深いことに、0.5 mg/mL と 1 mg/mL の M-CMDに対して、加熱時間は加熱ステップ中
のレーザー照射による照射の持続時間と同じであり、冷却時間は冷却ステップ中のレーザ
ー照射による非照射の持続時間と同じであった(表2および4)。対照的に、1 mg/mL の N
-CMDでは、加熱時間は、加熱ステップ中のレーザー放射による照射の持続時間よりも1.4
と 1.8の間にある係数だけ長く、冷却時間は、 冷却ステップ中のレーザー照射による非
照射の持続時間よりも1.1 と 1.3の間にある係数だけ長かった(表2および4)。
【0950】
結果として、0.5 mg と 1 mg の M-CMDについて、以下のことが分った、i) 加熱ステップ
中の温度上昇と加熱時間との間の比率は、加熱ステップ中の温度上昇と加熱シーケンス中
の レーザー光線による照射の持続時間の比とおなじであり、そしてii) 冷却ステップ中
の温度の低下と冷却時間との間の比は、冷却ステップ中の温度の低下と種々の冷却シーケ
ンス中の非照射時間との間の比と同じであった(表3および5)。対照的に、 1 mg/mL o
f N-CMDについて、以下のことが分った、i) 加熱ステップ中の温度上昇と加熱時間との間
の比は、加熱ステップ中の温度上昇と 様々な加熱シーケンス中のレーザ放射による照射
の持続時間の比より低く、さらにii) 冷却ステップ中の温度低下と冷却時間との間の比
率は、冷却ステップ中の温度低下と様々な冷却シーケンス中のレーザー放射による照射の
非加熱期間との間の比率よりも高かった。N-CMDで観察された挙動は、各加熱ステップの
終わりにレーザのスイッチが切られた後もN-CMDが熱を生成し続け、それ故加熱時間が長
くなり冷却時間が短くなるという事実によって説明することができる。
【0951】
この実験例から、以下の結論を導き出すことができる。
【0952】
i) レーザー照射により照射されたM-CMDの濃度を0.5 mg/mL か
ら 1 mg/mLに増やすことで、1000秒のレーザー照射応用の中でシーケンス数を8から10に
増やすことができた。これは、単位時間当たりのシーケンス数が、ナノ粒子、特にマグネ
トソーム濃度を変えることによって調整できること、特には、ナノ粒子、特にマグネトソ
ームの濃度を増やすことによってシーケンス数を増やすことができることを示唆する。
【0953】
ii) 1 mg/mLの等価濃度および2 W/cm2の同じレーザー出力密度で
は、M-CMDは、1000秒以内に7つのシーケンスをもたらすN-CMDと比較して1000秒のレーザ
ー放射による照射以内に10というより多数のシーケンスをもたらした。これは、M-CMD
がN-CMDよりも単位時間当たりより多数のシーケンスを生成できることを示唆している。
【0954】
iii) 2 W/cm2のレーザー放射により照射されたM-CMDの濃度を0.5 m
g/mL から 1 mg/mLに増加させると、1.6 と 2.2 の間にある係数で加熱時間が減少し、冷
却時間は1.01から1.2の間の係数で増加される。これは、ナノ粒子、特にマグネトソーム
の濃度を変えることによって加熱および冷却時間を調整することができ、最適なナノ粒子
、特にマグネトソームの濃度は、冷却時間の増加が大きすぎるのを回避しながら加熱時間
を最小にできる濃度に対応できることを示唆する。
【0955】
iv) 加熱ステップ中に温度が上昇する速度は、レーザ放射により照
射されたM-CMDの0.5 mg/mLよりも1 mg/mLの方が高いが、レーザ放射により照射されたM-C
MDの冷却ステップ中に温度が低下する速度は1 mg/mLよりも0.5 mg/mLの方が高い。 これ
は、ナノ粒子、特にマグネトソーム濃度を増加させると、おそらくは加熱および冷却ステ
ップ中の熱伝達の異なるメカニズムにより、加熱時間が減少し、冷却時間が増加すること
を示唆している。加熱ステップの間、レーザー光線はマグネトソームに直接または直ちに
結合または吸収され、その結果即時に加熱されることになる。磁性体特にマグネトームの
濃度の増加で温度上昇率が増加する結果となる。冷却ステップの間、熱がマグネトソーム
から身体部品のようなその周囲へ伝達されるが、その速度またはレートはマグネトソーム
濃度の増加と共に減少する。 これは、マグネトソーム濃度の増加によって、熱がマグネ
トソーム内に長時間にわたって保持され、マグネトソームの周囲の媒体または身体部品に
移されないことによる可能性がある。
【0956】
v) 興味深いことに、0.5 mg/mL と 1 mg/mLの両方のM-CMDについ
て、加熱時間および冷却時間はそれぞれ、レーザー照射による適用期間および非照射期間
と同じであった。加熱ステップの所望の最高温度および冷却ステップの最低温度もまた、
それぞれ加熱ステップおよび冷却ステップ中に到達した温度と同じであった。これは、レ
ーザー照射とマグネトソームの間の最適な結合を示唆している。これは、レーザーによる
医学的または化学的または生物学的または美容的治療にとって有利な性質である。一方で
は、加熱ステップ中に最高温度に到達し、冷却ステップ中に最低温度に到達することを可
能にし、それは到達させたいものと同じである。その一方で、それは過熱や過冷却とそれ
らに起因する可能性のある潜在的な副作用を防ぐ。
vi) 対照的に、1 mg/mLのN-CMDについては、加熱時間および冷却時
間は、それぞれレーザー照射による適用期間および非照射期間と異なっていた。加熱ステ
ップの所望の最高温度(45℃)もまた、加熱ステップの間に達する最高温度(49℃)
とは異なっていた。これは、レーザー照射とN-CMDの間の最適ではない結合を示唆してい
る。これは、レーザーによる医学的または化学的または生物学的または美容的治療にとっ
て不利な性質である。一方では、加熱ステップ中に到達しようとしている温度と同じ最高
温度に到達することはできない。その一方で、それは過熱とそれに起因する可能性のある
潜在的な副作用に至る。
【0957】
vii) 2番目から10番目のシーケンスでは、シーケンスの持続時間
(加熱ステップ+冷却ステップ)は、1 mg/mL of M-CMDよりも1mg/mL of N-CMDの方が1.3
から 1.5 倍長かった。これにより、N-CMDの方がM-CMDよりも単位時間あたりのシーケン
ス数を少なくする理由が説明できる(
図1)。
【0958】
viii) N-CMDと比較して、 M-CMDについて観察された加熱および冷却ス
テップの所望および到達最高および最低温度間のより良好な一致は、N-CMDと比較してM-C
MDのより良好な結晶化、より均質な組織化、より良好な結晶小表面、より高い保磁力また
は残留磁化、より大きいサイズ、またはより小さいサイズ分布によって説明できる。 こ
れは、M-CMDには存在し、N-CMDには存在しない、鎖状の配置によっても説明できる。
(実験例2)
【0959】
マグネトソームと接触させ、連続的または逐次的にレーザーを照射した(またはしない)
細胞の細胞毒性および温度測定。
【0960】
材料と方法
【0961】
この例で使用されているマグネトソームはM-CMDを食べた。U87 - MG神経膠芽腫細
胞はATCC(ATCC(登録商標)HTB-14)から購入し、高グルコースダルベッコ改変
イーグル培地(DMEM)中で培養し、1 mMピルビン酸、10%ウシ胎児血清、100単位/
mLのペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを補足した。細胞を培地と共にT1
75フラスコに播種した。80-90%コンフルエント(合流)に達した時点で、上清を
除去し、細胞をすすぐためにPBSと交換した。その後、PBS溶液を除去し、5mLの
容量の0.25%トリプシン-EDTAと交換した。細胞を、湿度90-95%の培養器内で
5%二酸化炭素と共に37℃で5分間培養した。次いで細胞を回収した。10mlの培地を加
えてトリプシンの作用を失活させ、細胞をホモジナイズした。30μLの容量の細胞を収
集し、そして30μLの4%トリパンブルーと混合して、細胞計数器(Countess(商標)
II FL自動細胞計数器(サーモフィシャーサイエンティフィック))を用いて細胞を計数
し、従って初期縣濁液の細胞濃度を決定した。96ウェルプレートの各ウェルに100μLの10
4 個の細胞を挿入し、細胞を37℃、5%CO 2で24時間培養し、細胞がウェルの表面に付着
するようにした。次いで、細胞培地を除去し、マグネトソームを含まない新しい培地、ま
たはマグネトソームの鉄中に1 mg / mLの濃度でマグネトソームを含む新しい培地のいず
れかと交換した。
【0962】
BALB/3T3 クローン A31 繊維芽細胞をATCC(ATCC(登録商標)HTB-14)から購入
し、高グルコースダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で培養し、1 mMピルビン酸
、10%ウシ胎児血清、100単位/mLのペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシンを
補足した。細胞を培地と共にT175フラスコに播種した。80-90%コンフルエント
(合流)に達した時点で、上清を除去し、細胞をすすぐためにPBSと交換した。その後
、PBS溶液を除去し、5mLの容量の0.25%トリプシン-EDTAと交換した。細胞を
、湿度90-95%の培養器内で5%二酸化炭素と共に37℃で5分間培養した。次いで
細胞を回収した。10mlの培地を加えてトリプシンの作用を失活させ、細胞をホモジナイズ
した。30μLの容量の細胞を収集し、そして30μLの4%トリパンブルーと混合して
、細胞計数器(Countess(商標)II FL自動細胞計数器(サーモフィシャーサイエンティ
フィック))を用いて細胞を計数し、従って初期縣濁液の細胞濃度を決定した。96ウェル
プレートの各ウェルに100μLの104 個の細胞を挿入し、細胞を37℃、5%二酸化炭素を加
え24時間培養し、細胞がウェルの表面に付着するようにした。次いで、細胞培地を除去し
、マグネトソームを含まない新しい培地、またはマグネトソームの鉄中に1 mg / mLの濃
度でマグネトソームを含む新しい培地のいずれかと交換した。
【0963】
次いで、上記のように処理したU87 - MGまたは3T3細胞を、6分間平均出力3 W/
cm2 のレーザーに連続的または逐次的にレーザーに暴露した。使用したレーザーの出力は
約3 W/cm2であり、ここで出力はファイバーの端部でのレーザー出力と露出表面(ウェル
の表面)との間の比率である。レーザーの波長は808 nmであった。レーザー光線は、マグ
ネトソームを含むまたは含まない細胞を含むウェルの底部に集束した。
【0964】
レーザー光は以下のように照射した。
【0965】
レーザーを連続的に照射するために、レーザーを6分間連続的に照射した。
【0966】
レーザーの逐次的な適用のために、2つの条件が試験された。条件1では、細胞を1mg/mL
のマグネトソームと接触させ、そして以下の方法でレーザーに連続的に曝露した。
【0967】
(a)U87-MG細胞の場合
第1シーケンス:i) 温度が45℃に達するまで60秒間で平均出力3W/cm2のレーザーを
照射する、ii) 18秒間レーザーを照射しないことによって45℃から37℃に温度が
低下する。
第2シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 22秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第3シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第4シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第5シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第6シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第7シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第8シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第9シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを20秒間照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下
する。
第10シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第11シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第12シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第13シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第14シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第15シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを19.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第16シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第17シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第18シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第19シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを19秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
【0968】
条件2では、細胞をマグネトソームと接触させずに、条件1と同じシーケンス持続時間を
用いてレーザーに連続的に曝露した。
【0969】
レーザーを照射している間、ウェルの上20cmに位置するガイドインフラレッド社の赤
外線カメラEasyIR-2を使用して加熱温度を測定した。
【0970】
処理の4時間後に、マグネトソームを含むまたは含まない培地を除去し、次いでPBS緩
衝液と交換した。細胞をこの緩衝液で2回洗浄し、次いで3-(4,5-ジメチルチアゾ
ールの臭化物溶液)100μlで洗浄した。 1mg/mlの-2,5-ジフェニル - テ
トラゾリウムを細胞と4時間接触させ、テトラゾリウム塩を除去し、次いで100μLの
イソプロパノールと交換した。穏やかに攪拌した後、吸光度を測定した。 生細胞の百分
率は、レーザーおよびマグネトソームで処理した細胞についての光学密度と、レーザーを
適用せずにマグネトソームなしで単独で処理した細胞について測定した光学密度との間の
比を測定することによって決定し、そして比率は100倍された。
【0971】
結果
【0972】
図2(b)および3(b)は、U87 - Lucおよび3T3細胞をマグネトソームと接
触させないか、または1 mg/mLのマグネトソームと接触させ、平均出力 3 W/cm
2 のレーザ
ーに連続的に6分間曝露したときに得られる温度変化を示す。レーザー照射前の初期温度
は21℃である。 1 mg/mLの濃度では、が、レーザー照射の6分後に48-52℃の温度に
達するが、一方マグネトソームの非存在下では21-24℃の温度に達する。
【0973】
図2(c)および3(c)は、U87 - Lucおよび3T3細胞をマグネトソームと接
触させないか、または1 mg/mLのマグネトソームと接触させ、平均出力 3 W/cm
2 のレーザ
ーに逐次的に6分間曝露したときに得られる温度変化を示す。レーザーの連続照射のため
の総加熱時間は、逐次照射の総加熱時間と同じである。
【0974】
シーケンスの詳細は以下の通りである。
第1シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを60秒間照射して45℃に温度が上昇
し、ii) 18秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下する。
第2シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第3シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第4シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第5シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15秒間照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第6シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第7シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15秒間照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下
する。
第8シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを13.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 22秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第9シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを13秒間照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下
する。
第10シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第11シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第12シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 25秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第13シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 24.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第14シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを12.5秒間照射すると37℃から
45℃に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第15シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを12.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第16シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第17シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを12.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 22.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第18シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを13.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 24秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第19シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを13.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第20シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第21シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 23秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第22シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 16秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
レーザー照射の全期間は6分2秒であった。
【0975】
3T3細胞に対するシーケンスの詳細は以下の通りである。
第1シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを90秒間照射して45℃に温度が上昇
し、ii) 21秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下する。
第2シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 22秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第3シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第4シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを14.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第5シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第6シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを15.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第7シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第8シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 21秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低
下する。
第9シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを20秒間照射すると37℃から45℃
に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に低下
する。
第10シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第11シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第12シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第13シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第14シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第15シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを19.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 21.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第16シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを18秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第17シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 19.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃
に低下する。
第18シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを17.5秒間照射すると37℃から4
5℃に温度が上昇し、ii) 20秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
第19シーケンス:i) 平均出力3W/cm2のレーザーを19秒間照射すると37℃から45
℃に温度が上昇し、ii) 18.5秒間レーザーを照射しないと温度が45℃から37℃に
低下する。
【0976】
7(c)および
図8(c)は、i) 1mg/mLのマグネトソームの存在下では加熱および冷却
ステップが達成されない、ii) マグネトソームの非存在下では細胞は熱を発生しないこ
とを示し、 そして加熱と冷却のステップは達成されない、ことを示している。
【0977】
図2(a)および3(a)は、1 mg / mLのマグネトソームと接触させたU87-MG細胞(
図3(a
))および3T3細胞(
図3(a))(右列)、またはマグネトソームと接触させない(左列
)か、さらにレーザーにさらさないか(対照、W / OL)、6分間平均出力3 W/cm
2の
レーザーに連続的にさらす(連続L)か、 または-13分間平均出力3 W/cm
2のレーザーに
逐次的に照射する(逐次 L)かのいずれかを行った生細胞の割合を示している。
【0978】
図2(a)は、U87-MG細胞と接触させるマグネトソームの量を0から1mg/mLに増やすと、生
細胞の割合が100%から65%(レーザー照射なし) 95%から25%(連続レーザー照射)、95
%から10%(逐次レーザー照射)に減少することを示している。
【0979】
図3(a)は、3T3細胞と接触させるマグネトソームの量を0から1mg/mLに増やすと、生細胞
の割合が100%から85%(レーザー照射なし) 95%から40%(連続レーザー照射)、95%か
ら15%(逐次レーザー照射)に減少することを示している。
【0980】
結論として、以下が示された、
【0981】
i) 平均出力3 W/cm2 のレーザーを照射し、平均持続時間16秒で45℃までの定期的ま
たは周期的な一連の温度上昇を実行することができた。続いてレーザーを平均持続時間22
秒当てないことで温度は45℃から37℃に低下した。
【0982】
ii) 実験した2つの細胞株(U87 - Lucおよび3T3細胞)について、レーザー
の連続的な適用よりも、レーザーの逐次的な適用はより多くの細胞を破壊することを可能
にする。
(表の説明)
【0983】
水中で混合したN - CMD(Sigmaナノ粒子、参照番号637106、CMDで被
覆)およびM - CMD(CMDで被覆したマグネトソーム鉱物)の特性。 鉄中のナノ
粒子1mgあたり懸濁液1mLあたりの内毒素単位(EU)での内毒素濃度。 コーティ
ングの厚さ。サイズ分布。透過型電子顕微鏡により測定されたN - CMDおよびM -
CMDの平均サイズ(nm)。 動的光散乱測定により決定されたN - CMDおよびM
- CMDの流体力学的サイズ。 懸濁液中で混合したN ‐ CMDとM ‐ CMDの等電点とゼー
タ電位。 1mg/mLのN-CMDおよびM-CMDを含む懸濁液でこれらの懸濁液の均質化直後と その
後12時間の480 nmでの吸収の減少の百分率で測定して求めたN-CMDおよびM-CMDの懸濁液中
での安定性。
【0984】
0.5 mgのM - CMD、1 mg のM - CMD、または1 mg のN-CMDを含む懸濁液に
ついて測定された、加熱ステップの加熱時間(t
1ai、1 <i <10)および冷却ステッ
プの冷却時間(t
2ai、1 <i <10)。 これは10回の加熱ステップ中に2 W/cm
2のパ
ワー密度のレーザー放射により照射され、そして10回の冷却ステップ中にレーザー放射
により照射されなかった。
【0985】
0.5 mgのM - CMD、1 mg のM - CMD、または1 mg のN-CMDを含む懸濁液に
ついて測定された、加熱ステップの温度変化と加熱時間(t
1ai、1 <i <10)の比、
および冷却ステップの冷却温度と冷却時間(t
2ai、1 <i <10)の比。 これは10
回の加熱ステップ中に2 W/cm
2のパワー密度のレーザー放射により照射され、そして10
回の冷却ステップ中にレーザー放射により照射されなかった。
【0986】
様々な加熱ステップ(t
ON - OFFi、1 <i <10)中の2W/cm
2 のパワー密
度を有するレーザー照射による照射の持続時間、ならびに様々な冷却ステップ中のレーザ
ー照射による非照射の持続時間 (t
OFF - ONi、1 <i <10)、これは0.
5mgのM - CMD、1mgのM - CMD、または1mgのN - CMDを含む懸濁
液について測定され、これらは、10回の加熱ステップの間2W/cm
2のレーザー密度の照
射によって照射し、10回の冷却ステップの間はレーザー光線を照射しなかった。
【0987】
種々の加熱ステップ中の加熱ステップの2W/cm
2のパワー密度を有するレーザー光線の照
射による温度変化と持続時間との間の比(t
ON - OFFi、1 <i <10)、およ
び冷却ステップの様々な冷却ステップの間のレーザー照射による非照射の温度の変動と持
続時間との間の比(t
OFF - ON i、1 <i <10)、これらは、0.5mgの
M- CMD、1mgのM - CMD、または1mgのN - CMDを含む懸濁液につい
て測定され、10回の加熱ステップ中に2W/cm
2のパワー密度のレーザー放射により照射
し、そして10回の冷却ステップ中にレーザー放射により照射しなかった。
【0988】
パワー密度2W/cm
2のレーザー照射によって照射された0.5mgのM - CMD、1m
gのM - CMD、または1mgのN - CMDを含む懸濁液について、所望の温度およ
び種々のステップの間に到達した平均温度。
前記第1ステップから得られた、照射された前記マグネトソームに照射しないこと、または前記第1ステップから得られた、照射された前記マグネトソームに、前記第1の出力より低い第2の出力でレーザ放射を照射することを含む第2ステップを実施するようにさらに構成された、請求項2に記載のシステム。
前記パラメータセンサが前記第1ステップの少なくとも1つのパラメータの最大値を測定すると、前記制御ユニットは、前記レーザのパワーをオフにするか、前記レーザのパワーを減少させるか、または前記レーザのパワーを前記第1ステップのパワーP1から前記第2ステップのパワーP2に変更し、前記第2ステップの間の前記少なくとも1つのパラメータの値を、
i)最高温度、ii)前記マグネトソームからの化合物の最大解離パーセンテージ、またはiii)前記マグネトソームによって生成されるラジカル種の最大濃度または最大量、から、
i)最低温度、ii)前記マグネトソームからの化合物の解離の最小パーセンテージ、またはiii)前記マグネトソームによって生成されるラジカル種の最小濃度または最小量、に、
低減するように構成された、
請求項3に記載のシステム。
前記パラメータセンサが前記第2ステップの前記少なくとも1つのパラメータの最小値を測定すると、前記制御ユニットは、第1のパワーP1で前記マグネトソームにレーザ放射を照射することを開始するように構成された、請求項3または4に記載のシステム。