IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クレージュ メディカル カンパニー,リミテッドの特許一覧

特開2025-16535腫瘍を治療するための方法および組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016535
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】腫瘍を治療するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/17 20250101AFI20250128BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20250128BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 31/664 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 31/7076 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20250128BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20250128BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20250128BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20250128BHJP
【FI】
A61K35/17
A61P35/00 ZNA
A61K39/395 L
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/664
A61K31/7076
A61K31/337
A61K47/42
A61P35/00
A61K35/17 ZNA
C12N5/10
C12N5/0783
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024185212
(22)【出願日】2024-10-21
(62)【分割の表示】P 2020547227の分割
【原出願日】2019-03-08
(31)【優先権主張番号】201810196524.0
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201810806560.4
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811039594.1
(32)【優先日】2018-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201811495012.0
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522072507
【氏名又は名称】クレージュ メディカル カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CRAGE MEDICAL CO.,LIMITED
【住所又は居所原語表記】Flat/RM A 12/F,ZJ 300,300 Lock hart Road,Wan Chai,Hong Kong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李宗海
(72)【発明者】
【氏名】王▲華▼茂
(72)【発明者】
【氏名】周敏
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腫瘍抗原を標的化して識別し、免疫エフェクター細胞の活性化を誘発し、抗腫瘍効果を発揮する免疫細胞治療を提供する。
【解決手段】CLD18陽性腫瘍を治療する方法であって、初回投与量の免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与するステップを含み、前記免疫エフェクター細胞はキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別し、前記初回投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えない、前記方法とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CLD18陽性腫瘍を治療する方法であって、
初回投与量の免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与するステップを含み、前記免疫エフェクター細胞はキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別し、前記初回投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えず、
好ましくは、前記初回投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1011細胞を超えず、
好ましくは、前記初回投与量は約2.5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、
または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えず、
好ましくは、前記初回投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えず、
より好ましくは、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えない、前記方法。
【請求項2】
前記CLD18はCLD18A2であることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量のキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別する免疫エフェクター細胞を少なくとも1回再投与することを特徴とする
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記初回投与量に投与された免疫エフェクター細胞がインビボ(in vivo)で検出できない後、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を再投与することを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与することを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記後続投与量は初回投与量より多く、好ましくは、前記後続投与量は前記初回投与量の2倍、5倍、7倍または10倍であることを特徴とする
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記後続投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えず、
好ましくは、前記後続投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1011細胞を超えず、
好ましくは、前記後続投与量は約2.5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、
または前記細胞前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えず、
好ましくは、前記後続投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えず、
より好ましくは、前記後続投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えないことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記初回投与量または後続投与量は20日以内に、N回に分けて投与され、Nは1より小さくない自然数であり、好ましくは、3日~15日以内に、N回に分けて投与されることを特徴とする
請求項1または3に記載の方法。
【請求項9】
後続投与量を投与する場合、前記被験者は、
(i)被験者のサイトカイン放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルの倍数が被験者の前記初回投与量を投与する直前のレベルよりも約10倍、約25倍、および/または約50倍低い特徴と、
(ii)3級またはより高い神経毒性を示さない特徴と、
(iii)神経毒性またはCRSレベルが初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後の神経毒性またはCRSレベルのピークレベルと比較して、低下する特徴と、または
(iv)前記被験者が前記初回投与量の細胞によって発現されるCARの検出可能な体液または細胞媒介免疫反応を示さない特徴とのいずれか1つの特徴を有することを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記(iii)において、CRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後のCRSのピークレベルと比較して、少なくとも50%減少し、好ましくは、少なくとも20%減少し、より好ましくは、少なくとも5%減少し、またはCRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前のCRSレベルに相当することを特徴とする
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法は、前記免疫エフェクター細胞を投与する前に前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記被験者に化学治療剤を投与すること、または前記被験者に全身放射線を行うこと、または前記被験者に局所放射線治療を行うこと、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記前処理は、免疫エフェクター細胞を投与する4~12日前に実施されることを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記化学治療剤は、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、フルダラビン(fludarabine)、タキサン系化合物(taxane compound)、ピリミジン系抗腫瘍薬物(pyrimidine anti-tumor drug)のいずれか1つまたはその組み合わせから選択されることを特徴とする
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記化学治療剤は、シクロホスファミドおよびフルダラビン、またはシクロホスファミド、フルダラビンおよびアルブミン結合パクリタキセル(paclitaxel)であることを特徴とする
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~
650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日、および/または
アルブミン結合パクリタキセル投与量は、約300mg/m/日より多くない、または約200mg/m/日より多くない、または約150mg/m/日より多くない、または約100mg/m/日より多くない、または約80mg/m/日より多くない、または約70mg/m/日より多くないことを特徴とする
請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記化学治療剤の連続使用期間は、4日を超えないことを特徴とする
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与されることを特徴とする
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記腫瘍はCLD18A2陽性消化管腫瘍であり、好ましくは、前記消化管腫瘍は腺癌であり、より好ましくは、前記消化管腫瘍は膵臓癌、胃腺癌であることを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記キメラ抗原受容体は、CLD18A2に特異的に結合する抗体またはその断片、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含み、前記抗体は、
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:2に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:8に示されるHCDR1、SEQ ID NO:9または68に示されるHCDR2、SEQ ID NO:10に示されるHCDR3、SEQ ID NO:11に示されるLCDR1、SEQ ID NO:12に示されるLCDR2、SEQ ID NO:13に示されるLCDR3を有することを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項20】
前記抗体またはその断片は、
SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:18に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:22に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:20に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:53に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:52に示される軽鎖可変領域を有し、
好ましくは、前記抗体またはその断片は、SEQ ID NO:54、56、57、または58に示される配列を有することを特徴とする
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ
ID NO:24、25または26に示される配列であることを特徴とする
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球、NK細胞またはNKTリンパ球であり、好ましくはTリンパ球であり、好ましくは、前記T細胞は前記被験者自体から由来することを特徴とする
請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
後続投与量の免疫エフェクター細胞を2回以上投与するが、後続投与量の免疫エフェクター細胞の毎回の投与時間間隔は、約21日ないし約80日、または約25日ないし約60日、または約25日ないし50日であり、それぞれ端の値を含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項24】
毎回投与される後続投与量の免疫細胞の数は基本的に同じであるか、または後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より多いことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【請求項25】
後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より少ないことを特徴とする
請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記免疫エフェクター細胞を投与する前に、前記被験者は、CLD18を標的とする、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞で治療されていないことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記後続投与量は、前記被験者の腫瘍の負担を十分に安定化させたり、減少させる細胞数であることを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項28】
前記初回投与量で投与される前に、前記被験者は、手術治療、化学治療または請求項1の方法とは異なる免疫治療を既に受けたことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項29】
初回投与量で投与される前に、または初回投与量で投与された後かつ後続投与量で投与される前に、前記被験者のCRSを指示する因子、神経毒性を指示する因子、腫瘍の負担を指示する因子、および/または宿主の抗-CAR免疫応答を指示する因子の血清レベルを評価することを特徴とする
請求項1または3に記載の方法。
【請求項30】
前記腫瘍の負担を指示する因子は、前記被験者の腫瘍細胞の総数、または前記被験者の器官における腫瘍細胞の総数、または前記被験者の組織における腫瘍細胞の総数、または腫瘍の質量または体積、または腫瘍転移の程度、または腫瘍の数であることを特徴とする
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
i)後続投与量で投与する前に、腫瘍の負担を指示する因子を評価するステップと、
ii)前記評価の結果に基づいて、前記被験者に投与される細胞の後続投与量を決定するステップと、および
iii)評価を介して前記被験者の腫瘍質量または体積が安定したり、減少されたと決定されると、前記被験者に前記初回投与量でのCAR発現細胞の数よりも少ないか多いか
、またはほぼ同じCAR発現細胞の数を含む後続投与量だけ投与するステップとを含むことを特徴とする
請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記初回投与量または前記後続投与量で投与される細胞の数は、約1.1×10細胞
/kg被験者体重ないし2.8×10細胞/kg、約2.9×10細胞/kgないし2.6×10細胞/kgまたは約3.3×10細胞/kgないし1.3×10細胞/k
gまたは約1.3×10細胞/kgないし1.8×10細胞/kgであり、それぞれ端の値を含むことを特徴とする
請求項1または3に記載の方法。
【請求項33】
後続投与量のCAR発現細胞が投与される細胞の数は、約1.1×10細胞/kg(
細胞/kg)体重ないし約5.1×10細胞/kg、約1.3×10細胞/kgないし約3.7×10細胞/kg、約1.6×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/
kg、約1.9×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/kg、約2.2×10
細胞/kgないし約2.7×10細胞/kgを含み、それぞれ端の値を含むことを特徴
とする
請求項3に記載の方法。
【請求項34】
初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記被験者は、サイトカイン放出症候群(CRS)を示さず、深刻なCRSを示さず、神経毒性を示さず、深刻な神経毒性を示さず、または3級を超える神経毒性を示さなかったことを特徴とする
請求項1または3に記載の方法。
【請求項35】
初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記免疫エフェクター細胞は前記被験者で増殖することを特徴とする
請求項1または3に記載の方法。
【請求項36】
腫瘍の治療方法であって、
請求項1~35のいずれか一項に記載の方法で治療する前に、前記被験者が化学治療、放射線治療、または免疫治療を受けるステップを含む、前記腫瘍の治療方法。
【請求項37】
組成物であって、
シクロホスファミドおよびフルダラビンまたはそれらとタキサン系化合物および/またはピリミジン系抗腫瘍薬物の組み合わせを含む、前記組成物。
【請求項38】
前記組成物は、シクロホスファミド、フルダラビンおよびパクリタキセルを含むことを特徴とする
請求項37に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物は、シクロホスファミド、フルダラビンおよびアルブミン結合パクリタキセルを含むことを特徴とする
請求項38に記載の組成物。
【請求項40】
フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/または
アルブミン結合パクリタキセル投与量は約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないか、または約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日を超えないか、または約70mg/m/日を超えないことを特徴とする
請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
免疫エフェクター細胞治療を実行する約30日前に、前記組成物を投与し、好ましくは、約20日、より好ましくは、約12日、最も好ましくは、約7日であることを特徴とする
請求項37~40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記シクロホスファミド、フルダラビンおよび/またはアルブミン結合パクリタキセルの連続使用時間は4日を超えず、好ましくは、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与されることを特徴とする
請求項37~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
抗腫瘍治療に使用され、好ましくは、抗腫瘍の標的治療に使用され、最も好ましくは、抗腫瘍のキメラ抗原受容体標的治療に使用されることを特徴とする
請求項37~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記免疫エフェクター細胞は、CAR T細胞であることを特徴とする
請求項41~43のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記CAR T細胞は、CLD18A2を特異的に識別することを特徴とする
請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
前記腫瘍は、CLD18A2陽性消化管腫瘍であり、より好ましくは、前記消化管腫瘍は、腺癌であり、最も好ましくは、前記消化管腫瘍は、膵臓癌、胃腺癌であることを特徴とする
請求項43~45のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項47】
薬物の調製におけるCLD18A2-CARを含む免疫エフェクター細胞の応用であって、
前記薬物は、CLD18陽性腫瘍を治療するための前記細胞およびシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物(好ましくはパクリタキセル、より好ましくはアルブミン結合パクリタキセル)を含み、前記細胞およびシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、前記試薬それぞれの効果の合計より大きい治療効果を提供できるように調製される、前記応用。
【請求項48】
初回投与量の前記免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与するステップを含み、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えないことを特徴とする
請求項47に記載の応用。
【請求項49】
前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量前記免疫エフェクター細胞を少なくとも1回投与するが、前記後続投与量は、約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約5×10細胞を超えず、好ましくは、前記細胞の総数は約2×10細胞を超えないことを特徴とする
請求項47または48に記載の応用。
【請求項50】
前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与することを特徴とする
請求項47~49のいずれか一項に記載の応用。
【請求項51】
前記シクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、免疫エフェクター細胞を投与する4~12日前に投与されることを特徴とする
請求項47~50のいずれか一項に記載の応用。
【請求項52】
フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/または
タキサン系化合物投与量は、約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないかまたは約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日、または約70mg/m/日を超えないことを特徴とする
請求項47~51のいずれか一項に記載の応用。
【請求項53】
前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記タキサン系化合物は1回投与されることを特徴とする
請求項47~52のいずれか一項に記載の応用。
【請求項54】
前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ
ID NO:24、25または26に示される配列であることを特徴とする
請求項47~53のいずれか一項に記載の応用。
【請求項55】
CLD18陽性腫瘍を治療するためのキットであって、
前記キットは、
1)CLD18A2-CARを含む免疫エフェクター細胞と、
2)シクロホスファミドと、
3)フルダラビンと、
4)タキサン系化合物、好ましくはパクリタキセル、より好ましくはアルブミン結合パクリタキセルと、
5)上記1)-4)に記載の物質を含むための容器と、および
6)前記キットを利用してCLD18陽性腫瘍を治療する投与説明書とを含み、
前記細胞とシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、前記試薬それぞれの効果の合計より大きい治療効果を提供できるように調製されることを特徴とする、前記キット。
【請求項56】
前記投与説明書には、初回投与量の前記免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与する内容が記載され、
前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約5×10細胞を超えず、好ましくは、前記細胞の総数は約2×10細胞を超えないことを特徴とする
請求項55に記載のキット。
【請求項57】
前記投与説明書には、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量の前記免疫エフェクター細胞を少なくとも1回投与する内容が記載され、前記後続投与量は、約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約5×10細胞を超えないことを特徴とする
請求項55または56に記載のキット。
【請求項58】
前記投与説明書には、前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する内容が記載されたことを特徴とする
請求項55または57に記載のキット。
【請求項59】
前記投与説明書には、前記シクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物を投与する4~12日前に投与される内容が記載されたことを特徴とする
請求項55または57に記載のキット。
【請求項60】
前記投与説明書には、
フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/または
タキサン系化合物投与量は、約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないか、または約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日を超えないか、または約70mg/m/日を超えない内容が記載されたことを特徴とする
請求項55または59に記載のキット。
【請求項61】
前記投与説明書には、
前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記タキサン系化合物は1回投与される内容が記載されたことを特徴とする
請求項55または60に記載のキット。
【請求項62】
前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ
ID NO:24、25または26に示される配列であることを特徴とする
請求項55または61に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫治療の分野に属し、具体的に、腫瘍抗原を標的化して識別し、免疫エフェクター細胞の活性化を誘発し、抗腫瘍効果を発揮する免疫細胞治療に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、腫瘍免疫療法は、広範囲に注視と応用されているが、特にCAR-T技術は、人間が腫瘍の制御に歴史的発展を収めた。
【0003】
固形腫瘍の癌細胞は、そのまわりで、腫瘍微小環境を形成して、癌細胞の成長と転移を支援した。腫瘍微小環境は、腫瘍が存在する細胞環境であり、周囲の血管、免疫細胞、繊維芽細胞、他の細胞、可溶性因子、シグナル伝達分子、細胞外基質、および腫瘍形質転換を促進し、腫瘍の成長、侵入をサポートし、宿主の免疫から腫瘍を保護し、治療に対する抵抗力を培養し、休眠変形および急速な成長のために微小環境を提供する機械的因子(mechanical cue)を含む。腫瘍は、その周囲の微小環境と密接に関連しており、絶えず交流するので、腫瘍は、細胞外シグナルを放出し、腫瘍血管新生を促進し、末梢性免疫耐性を誘導して、これらの微小環境に影響与えることができる。これは、Swartsら、「Tumor Microenvironment Complexity:
Emerging Roles in Cancer Therapy」 Cancer Res, 72巻、第2473-2480ページ、2012を参照できる。したがって、CAR-T技術は、固形腫瘍の治療に応用する際、一般的に効果を収めるのは難しい。例えば、現在のほとんどの文献では、血液腫瘍でCD19のCAR T細胞の治療は、患者のための非常に良い臨床治療効果を引き起こす可能性があることが報じられた。しかし、CAR T細胞の治療は、固形腫瘍の治療ではまだ満足のいく治療効果をおさめることができなかった。
【0004】
したがって、本技術分野で固形腫瘍の腫瘍微小環境で著しい抗腫瘍能力を持つことができる技術的な解決手段が緊急に必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、CLD18陽性固形腫瘍に対して優れた殺傷効果を有することができる技術的手段を提供することである。
【0006】
第1の態様では、本発明は、CLD18陽性腫瘍を治療する方法であって、初回投与量の免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与するステップを含み、前記免疫エフェクター細胞はキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別し、前記初回投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えない、前記方法を提供する。好ましくは、前記初回投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1011細胞を超えない。好ましくは、前記初回投与量は約2.5×10細胞/kg被
験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。好ましくは、前記初回投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。より好ましくは、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えない。
【0007】
好ましい実施形態では、前記初回投与量は、1×10細胞/kg被験者体重より少なくない。
【0008】
具体的な実施形態では、前記CLD18はCLD18A2である。
【0009】
具体的な実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量のキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別する免疫エフェクター細胞を少なくとも1回再投与する。
【0010】
好ましい実施形態では、患者に安全な前提の下で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する。
【0011】
好ましい実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞と前記後続投与量の免疫エフェクター細胞は同じである。
【0012】
好ましい実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞と前記後続投与量の免疫エフェクター細胞はすべて、CLD18A2を識別するが,異なるキメラ抗原受容体を含み、例えば、キメラ抗原受容体の細胞外セグメントは異なるが、すべてCLD18A2を識別すか、またはキメラ抗原受容体の細胞外セグメントは同じであるが、膜貫通ドメインまたは細胞内ドメインは異なる。
【0013】
具体的な実施形態では、前記初回投与量に投与された免疫エフェクター細胞がインビボ(in vivo)で検出できない後、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を再投与する。
【0014】
好ましい実施形態では、例えば、qPCRで測定する。
【0015】
具体的な実施形態では、前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する。
【0016】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、初回投与量より少ないか、同じか、多い。
【0017】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量に相当する。
【0018】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量より少ない。
【0019】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量より多い。
【0020】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は、初回投与量より多く、好ましくは、前記後続投与量は前記初回投与量の少なくとも2倍、5倍、7倍または10倍である。
【0021】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えない。
【0022】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は約1×1011細胞を超えない。
【0023】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約2.5×10細胞/kg被験者体重を超
えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。
【0024】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は約1×1010細胞を超えない。
【0025】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は5×10または約2×10細胞を超えない。
【0026】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は1×10細胞/kg被験者体重より少なくない。
【0027】
具体的な実施形態では、前記初回投与量または後続投与量は20日以内に、N回に分けて投与され、Nは1より小さくない自然数である。
【0028】
好ましい実施形態では、前記初回投与量または後続投与量は3日~15日以内に、N回に分けて投与され、Nは1より小さくない自然数である。
【0029】
好ましい実施形態では、Nは1、2、3または4である。
【0030】
好ましい実施形態では、Nは2または3である。
【0031】
具体的な実施形態では、後続投与量を投与する場合、前記被験者は、
(i)被験者のサイトカイン放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルの倍数が被験者の前記初回投与量を投与する直前のレベルよりも約10倍、約25倍、および/または約50倍低い特徴と、
(ii)3級またはより高い神経毒性を示さない特徴と、
(iii)神経毒性またはCRSレベルが初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後の神経毒性またはCRSレベルのピークレベルと比較して、低下する特徴と、または
(iv)前記被験者が前記初回投与量の細胞によって発現されるCARの検出可能な体液または細胞媒介免疫反応を示さない特徴とのいずれか1つの特徴を有する。
【0032】
具体的な実施形態では、前記後続投与量を投与する場合、前記被験者が特徴(iii)を有する場合、CRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後のCRSのピークレベルと比較して、少なくとも50%減少し、好ましくは、少なくとも20%減少し、より好ましくは、少なくとも5%減少し、またはCRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前のCRSレベルに相当する。
【0033】
好ましい実施形態では、前記CRSレベルは、発熱、低血圧、低酸素症、神経障害、または炎症性サイトカインまたはC反応性蛋白(CRP)の血清レベルなどの情報に基づいて評価することができる。
【0034】
好ましい実施形態では、神経毒性の臨床リスクおよび/または3級またはより高い神経毒性と関連する症状は、混乱、せん妄、表現失語症、無反応、ミオクローヌス、嗜眠、変更された精神状態、痙攣、てんかんに似た活動、てんかん(任意的に、脳波図EEGによって確定される)、アミロイドβ(Aβ)レベルの上昇、グルタミン酸レベルの上昇、および酸素遊離基レベル上昇から選択される。
【0035】
具体的な実施形態では、前記方法は、前記免疫エフェクター細胞を投与する前に前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記被験者に化学治療剤を投与すること、または前記被験者に全身放射線を行うこと、または前記被験者に局所放射線治療を行うこと、またはそれらの組み合わせを含む。
【0036】
好ましい実施形態では、前記前処理は、初回投与量で投与する前または初回投与量と後続投与量で投与する間に実行され、より好ましくは、前記前処理は、初回投与量と後続投与量で投与する間に実行される。
【0037】
好ましい実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前に前記前処理を実行し、後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前に前記前処理を実行する必要がない。
【0038】
好ましい実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前と後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前にすべて前記前処理を実行する必要がある。
【0039】
好ましい実施形態では、前記前処理リンパ球を除去するために実行される。
【0040】
好ましい実施形態では、前記前処理は、腫瘍の負担を安定化させたり、減少させるために実行されるが、特に免疫エフェクター細胞の治療を行う前に、腫瘍の負担の安定化または減少を維持するために実行される。
【0041】
好ましい実施形態では、前記被験者にリンパ球の除去剤を投与してリンパ球を除去する。リンパ球除去剤は、例えばシクロホスファミド、フルダラビンなどである。
【0042】
具体的な実施形態では、前記前処理は、免疫エフェクター細胞を投与する4~12日前に実施される。
【0043】
具体的な実施形態では、前記化学治療剤は、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、フルダラビン(fludarabine)、タキサン系化合物(taxane compound)、ピリミジン系抗腫瘍薬物(pyrimidine anti-tumor drug)のいずれか1つまたはその組み合わせから選択される。
【0044】
好ましい実施形態では、前記タキサン系化合物は、包括但不限于パクリタキセル(paclitaxel)、アルブミン結合パクリタキセルまたはドセタキセル(docetaxel)を含むがこれらに限定されず、好ましくは、アルブミン結合パクリタキセルであり、前記ピリミジン系抗腫瘍薬物は、5-フルオロウラシル(5-fluorouracil)、ギメラシル(gimeracil)、オテラシルカリウム(ottiracil
potassium)、ジフルフロラシル(difurfurouracil)、カルモフル(carmofur)、デオキシフルリジン(deoxyfluridine)、カペシタビン(capecitabine)を含むがこれらに限定されない。
【0045】
具体的な実施形態では、前記化学治療剤は、シクロホスファミドおよびフルダラビンの組み合わせ、またはシクロホスファミド、フルダラビンおよびアルブミン結合パクリタキセルの組み合わせである。
【0046】
好ましい実施形態では、フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日である。
【0047】
好ましい実施形態では、シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日である。
【0048】
好ましい実施形態では、アルブミン結合パクリタキセル投与量は、約300mg/m/日より多くない、または約200mg/m/日より多くない、または約150mg/m/日より多くない、または約100mg/m/日より多くない、または約80mg/m/日より多くない、または約70mg/m/日より多くない。
【0049】
具体的な実施形態では、前記化学治療剤の連続使用期間は、4日を超えない。
【0050】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与される。
【0051】
好ましい実施形態では、前処理を実行するが、特に初回投与量と後続投与量で投与する前に前処理を実行すると、その後投与される前記免疫エフェクター細胞の容量は対応的に減少することができる。
【0052】
具体的な実施形態では、前記腫瘍はCLD18A2陽性消化管腫瘍であり、好ましくは、前記消化管腫瘍は腺癌であり、より好ましくは、前記消化管腫瘍は膵臓癌、胃腺癌である。
【0053】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含み、細胞外ドメインは、CLD18A2に特異的に結合する抗体またはその断片である。
【0054】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体の膜貫通ドメインは、CD28またはCD8の膜貫通ドメインである。
【0055】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体の細胞内ドメインは、CD28の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチド、またはCD137の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチド、またはCD28の共刺激シグナルドメイン、CD137の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチドである。
【0056】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、CLD18A2に特異的に結合する抗体またはその断片、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含み、前記抗体は、
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:2に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:8に示されるHCDR1、SEQ ID NO:9または68に示されるHCDR2、SEQ ID NO:10に示されるHCDR3、SEQ ID NO:11に示されるLCDR1、SEQ ID NO:12に示されるLCDR2、SEQ ID NO:13に示されるLCDR3を有する。
【0057】
具体的な実施形態では、前記抗体またはその断片は、
SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:18に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に
示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:22に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:20に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:53に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:52に示される軽鎖可変領域を有する。好ましくは、前記抗体またはその断片は、SEQ ID
NO:54、56、57、または58に示される配列を有する。
【0058】
好ましい実施形態では、前記抗体またはその断片は、SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域を有する。
【0059】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ ID NO:24、25または26に示される配列である。
【0060】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0061】
好ましい例では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有する。
【0062】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球、NK細胞またはNKTリンパ球である。
【0063】
好ましい実施形態では、前記好ましい免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球である。
【0064】
好ましい実施形態では、前記Tリンパ球は、前記被験者自体から由来する。
【0065】
好ましい実施形態では、前記Tリンパ球は、同種異系から由来する。
【0066】
具体的な実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞を2回以上投与するが、後続投与量の免疫エフェクター細胞の毎回の投与時間間隔は、約21日ないし約80日、または約25日ないし約60日、または約25日ないし50日であり、それぞれ端の値を含む。
【0067】
好ましい解決手段では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞は、前に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞と比較して、前記被験者の腫瘍の負担を安定化させたり、減少させる。
【0068】
具体的な実施形態では、毎回投与される後続投与量の免疫細胞の数は基本的に同じである。
【0069】
具体的な実施形態では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より多い。
【0070】
具体的な実施形態では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より少ない。
【0071】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞を投与する前に、前記被験者は、CLD18を標的とする、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞で治療されていない。
【0072】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は、前記被験者の腫瘍の負担を十分に安定化させたり、減少させる細胞数である。
【0073】
具体的な実施形態では、前記初回投与量で投与される前に、前記被験者は、手術治療、化学治療または第1の態様の方法とは異なる免疫治療を既に受けた。
【0074】
具体的な実施形態では、初回投与量で投与される前に、または初回投与量で投与された後かつ後続投与量で投与される前に、前記被験者のCRSを指示する因子、神経毒性を指示する因子、腫瘍の負担を指示する因子、および/または宿主の抗-CAR免疫応答を指示する因子の血清レベルを評価する。
【0075】
具体的な実施形態では、前記腫瘍の負担を指示する因子は、前記被験者の腫瘍細胞の総数、または前記被験者の器官における腫瘍細胞の総数、または前記被験者の組織における腫瘍細胞の総数、または腫瘍の質量または体積、または腫瘍転移の程度、または腫瘍の数である。
【0076】
具体的な実施形態では、前記腫瘍を治療する方法は、
i)後続投与量で投与する前に、腫瘍の負担を指示する因子を評価するステップと、
ii)前記評価の結果に基づいて、前記被験者に投与される細胞の後続投与量を決定するステップと、および
iii)評価を介して前記被験者の腫瘍質量または体積が安定したり、減少されたと決定されると、前記被験者に前記初回投与量でのCAR発現細胞の数よりも少ないか多いか、またはほぼ同じCAR発現細胞の数を含む後続投与量だけ投与するステップとを含む。
【0077】
具体的な実施形態では、前記初回投与量または前記後続投与量で投与される細胞の数は、約1.1×10細胞/kg被験者体重ないし2.8×10細胞/kg、約2.9×1
細胞/kgないし2.6×10細胞/kgまたは約3.3×10細胞/kgないし1.3×10細胞/kgまたは約1.3×10細胞/kgないし1.8×10細胞/
kgであり、それぞれ端の値を含む。
【0078】
具体的な実施形態では、後続投与量のCAR発現細胞が投与される細胞の数は、約1.
1×10細胞/kg(細胞/kg)体重ないし約5.1×10細胞/kg、約1.3×10細胞/kgないし約3.7×10細胞/kg、約1.6×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/kg、約1.9×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/
kg、約2.2×10細胞/kgないし約2.7×10細胞/kgを含み、それぞれ端の値を含む。
【0079】
具体的な実施形態では、初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記被験者は、サイトカイン放出症候群(CRS)を示さず、深刻なCRSを示さず、神経毒性を示さず、深刻な神経毒性を示さず、または3級を超える神経毒性を示さなかった。
【0080】
具体的な実施形態では、初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記免疫エフェクター細胞は前記被験者で増殖する。
【0081】
好ましい実施形態では、前記増殖は、(i)前記投与する直前と比較して、前記初回投与量および/または後続投与量で投与した後、血清CRPレベルが増加されることにより表示され、および/または(ii)前記投与する直前と比較して、前記初回投与量および/または後続投与量で投与した後、血清中CARエンコード核酸のレベルが増加されることにより表示され、例えば、qPCRで測定する。
【0082】
具体的な実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記被験者の腫瘍の負担を安定化させたり、減少させる。具体的な実施形態では、腫瘍の負担の安定化または減少は、腫瘍の負担を指示する1つまたは複数の因子による安定化または減少に表現される。
【0083】
好ましい実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞で投与した後、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後の腫瘍の負担と比較して、腫瘍の負担はさらに安定化または減少された。
【0084】
具体的な実施形態では、後続投与量で投与する場合、前記被験者はまだ再発していないか、および/または腫瘍の負担を指示する1つまたは複数の因子が減少した後、まだ増加しなかった。
【0085】
具体的な実施形態では、前記負担の安定化または減少および/または負担のさらなる減少は、上記被験者において、前記被験者の器官で、前記被験者の組織で、または前記被験者の体液で病気の細胞総数の安定化または減少、および/または腫瘍の質量または体積の安定化または減少、および/または転移した数および/または程度の安定化または減少、および/または腫瘍マーカーの安定化または減少、および/または中末期がんでよく表示される合併症の消失または弱体化を含む。
【0086】
具体的な実施形態では、前記腫瘍マーカーは、アルファ胎児タンパク(AFP)、CA125、CA15-3、扁平上皮癌抗原(SCC)、サイトケラチン19の可溶性断片(CYFRA21-1)、癌胚抗原(CEA)、CA199、CA724などを含む。
【0087】
具体的な実施形態では、中末期がんでよく表示される合併症は、癌性疼痛、感染症、癌性胸腹水ことを含んでいる。癌性胸膜および腹水を含む。
【0088】
具体的な実施形態では、腫瘍の質量または体積はPET(陽電子放出断層撮影)とCT(コンピュータ断層撮影)を介して測定する。
【0089】
本発明の第2の態様では、腫瘍の治療方法であって、前記のいずれか一項に記載の方法で治療する前に、前記被験者が化学治療、放射線治療、免疫治療、またはその組み合わせを受けるステップを含む、前記腫瘍の治療方法をさらに提供する。
【0090】
好ましい解決手段では、前記免疫治療は、チェックポイント阻害剤を投与またはCLD18を標的としない免疫エフェクター細胞を投与して治療することを含む。
【0091】
好ましい解決手段では、前記免疫治療は、CLD18を標的とする免疫エフェクター細胞治療を含まない。
【0092】
好ましい解決手段では、前記被験者はCLD18.2を標的としない免疫エフェクター
細胞治療を受けた。
【0093】
好ましい実施形態では、前記化学治療、放射線治療、他の免疫治療、またはその組み合わせを受けた後、腫瘍の負担は安定または減少を維持していなかった。
【0094】
具体的な実施形態では、前記腫瘍は、再発性腫瘍、難治性腫瘍である。
【0095】
本発明の第3の態様では、CLD18A2-CAR T細胞に先に治療した被験者での
CLD18A2陽性腫瘍を治療するための薬物の調製でCLD18を特異的に識別するためのキメラ抗原受容体を発現する免疫エフェクター細胞を含む組成物の用途を提供し、ここで、使用時に、初回投与量の免疫エフェクター細胞を、それを必要とする被験者に投与するが、前記免疫エフェクター細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現してCLD18を特異的に識別し、前記初回投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えない。好ましくは、前記初回投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1011細胞を超えない。好ましくは、前記初回投与量は約2.5×10細胞/kg被験
者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。好ましくは、前記初回投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。より好ましくは、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えない。
【0096】
具体的な実施形態では、前記CLD18はCLD18A2である。
【0097】
具体的な実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量のキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、CLD18を特異的に識別する免疫エフェクター細胞を少なくとも1回再投与する。
【0098】
好ましい実施形態では、患者に安全な前提の下で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する。
【0099】
好ましい実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞と前記後続投与量の免疫エフェクター細胞は、同じである。
【0100】
好ましい実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞と前記後続投与量の免疫エフェクター細胞はすべて、CLD18A2を識別するが、異なるキメラ抗原受容体を含み、例えば、キメラ抗原受容体の細胞外セグメントは異なるが、すべてCLD18A2を識別し、またはキメラ抗原受容体の細胞外セグメントは同じであるが、膜貫通ドメインまたは細胞内ドメインは異なる。
【0101】
具体的な実施形態では、前記初回投与量に投与された免疫エフェクター細胞がインビボで検出できない後、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を再投与する。
【0102】
好ましい実施形態では、例えば、qPCRで測定する。具体的な実施形態では、前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する。
【0103】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量に相当する。
【0104】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量より少ない。
【0105】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は、前記初回投与量より多い。
【0106】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は、初回投与量より多く、好ましくは、前記後続投与量は前記初回投与量の少なくとも2倍、5倍、7倍または10倍である。
【0107】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は約2×1010細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約1×1012細胞を超えない。
【0108】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約2×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は約1×1011細胞を超えない。
【0109】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約2.5×10細胞/kg被験者体重を超
えないか、または前記細胞の総数は約1×1010細胞を超えない。
【0110】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約5×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は約1×1010細胞を超えない。
【0111】
好ましい実施形態では、前記後続投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または総数は5×10または約2×10細胞を超えない。
【0112】
具体的な実施形態では、前記初回投与量または後続投与量は20日以内に、N回に分けて投与され、Nは1より小さくない自然数である。
【0113】
好ましい実施形態では、前記初回投与量または後続投与量は3日~15日以内に、N回に分けて投与され、Nは1より小さくない自然数である。
【0114】
好ましい実施形態では、Nは1、2、3または4である。
【0115】
好ましい実施形態では、Nは2または3である。
【0116】
具体的な実施形態では、後続投与量を投与する場合、前記被験者は、
(i)被験者のサイトカイン放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルの倍数が被験者の前記初回投与量を投与する直前のレベルよりも約10倍、約25倍、および/または約50倍低い特徴と、
(ii)3級またはより高い神経毒性を示さない特徴と、
(iii)神経毒性またはCRSレベルが初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後の神経毒性またはCRSレベルのピークレベルと比較して、低下する特徴と、または
(iv)前記被験者が前記初回投与量の細胞によって発現されるCARの検出可能な体液または細胞媒介免疫反応を示さない特徴とのいずれか1つの特徴を有する。
【0117】
具体的な実施形態では、前記後続投与量を投与する場合、前記被験者が特徴(iii)を有する場合、CRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後のCRSのピークレベルと比較して、少なくとも50%減少し、好ましくは、少なくとも20%減少し、より好ましくは、少なくとも5%減少し、またはCRSレベルは、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前のCRSレベルに相当する。
【0118】
好ましい実施形態では、前記CRSレベルは、発熱、低血圧、低酸素症、神経障害、または炎症性サイトカインまたはC反応性蛋白(CRP)の血清レベルなどの情報に基づいて評価することができる。
【0119】
好ましい実施形態では、神経毒性の臨床リスクおよび/または3級またはより高い神経毒性と関連する症状は、混乱、せん妄、表現失語症、無反応、ミオクローヌス、嗜眠、変更された精神状態、痙攣、てんかんに似た活動、てんかん(任意的に、脳波図EEGによって確定される)、アミロイドβ(Aβ)レベルの上昇、グルタミン酸レベルの上昇、お
よび酸素遊離基レベル上昇から選択される。
【0120】
具体的な実施形態では、前記方法は、前記免疫エフェクター細胞を投与する前に前処理するステップをさらに含み、前記前処理は、前記被験者に化学治療剤を投与すること、または前記被験者に全身放射線を行うこと、または前記被験者に局所放射線治療を行うこと、またはそれらの組み合わせを含む。
【0121】
好ましい実施形態では、前記前処理は初回投与量の前にまたは初回投与量と後続投与量の間に実行し、より好ましくは、前記前処理は、初回投与量と後続投与量の投与の間に実行する。
【0122】
好ましい実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前に前記前処理を実行し、後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前に前記前処理を実行する必要がない。
【0123】
好ましい実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前と後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する前にすべて前記前処理を実行する必要がある。
【0124】
好ましい実施形態では、前記前処理リンパ球を除去するために実行される。
【0125】
好ましい実施形態では、前記前処理は、腫瘍の負担を安定化させたり、減少させるために実行されるが、特に免疫エフェクター細胞の治療を行う前に、腫瘍の負担の安定化または減少を維持するために実行される。
【0126】
好ましい実施形態では、前記被験者にリンパ球の除去剤を投与してリンパ球を除去する。リンパ球除去剤は、例えばシクロホスファミド、フルダラビンなどである。
【0127】
具体的な実施形態では、前記前処理は、免疫エフェクター細胞を投与する4~12日前に実施される。
【0128】
具体的な実施形態では、前記化学治療剤は、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、フルダラビン(fludarabine)、タキサン系化合物(taxane compound)、ピリミジン系抗腫瘍薬物(pyrimidine anti-tumor drug)のいずれか1つまたはその組み合わせから選択される。具体的な実施形態では、前記化学治療剤は、シクロホスファミドおよびフルダラビンの組み合わせ、またはシクロホスファミド、フルダラビンおよびアルブミン結合パクリタキセルの組み合わせである。
【0129】
好ましい実施形態では、フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日である。
【0130】
好ましい実施形態では、シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日である。
【0131】
好ましい実施形態では、アルブミン結合パクリタキセル投与量は、約300mg/m/日より多くない、または約200mg/m/日より多くない、または約150mg/m/日より多くない、または約100mg/m/日より多くない、または約80mg
/m/日より多くない、または約70mg/m/日より多くない。
【0132】
具体的な実施形態では、前記化学治療剤の連続使用期間は、4日を超えない。
【0133】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミドおよび前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与される。
【0134】
具体的な実施形態では、前記腫瘍はCLD18A2陽性腫瘍であり、好ましくは、前記腫瘍はCLD18A2陽性消化管腫瘍であり、より好ましくは、前記消化管腫瘍は腺癌であり、最も好ましくは、前記消化管腫瘍は膵臓癌、胃腺癌である。
【0135】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、細胞外ドメイン、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含み、細胞外ドメインは、CLD18A2に特異的に結合する抗体またはその断片である。
【0136】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体の膜貫通ドメインは、CD28またはCD8の膜貫通ドメインである。
【0137】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体の細胞内ドメインは、CD28の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチド、またはCD137の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチド、またはCD28の共刺激シグナルドメイン、CD137の共刺激シグナルドメインおよびCD3ζ融合ペプチドである。
【0138】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、CLD18A2に特異的に結合する抗体またはその断片、膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインを含み、前記抗体は、
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:2に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:8に示されるHCDR1、SEQ ID NO:9または68に示されるHCDR2、SEQ ID NO:10に示されるHCDR3、SEQ ID NO:11に示されるLCDR1、SEQ ID NO:12に示されるLCDR2、SEQ ID NO:13に示されるLCDR3を有する。
【0139】
具体的な実施形態では、前記抗体またはその断片は、
SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:18に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:22に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:20に示される軽鎖可変領域を有する。
【0140】
好ましい実施形態では、前記抗体またはその断片は、SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域を有する。
【0141】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、
26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0142】
好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有する。
【0143】
好ましい例では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24に示されるアミノ酸配列を有する。
【0144】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球、NK細胞またはNKTリンパ球である。
【0145】
好ましい実施形態では、前記好ましい免疫エフェクター細胞は、Tリンパ球である。
【0146】
好ましい実施形態では、前記Tリンパ球は、前記被験者自体から由来する。
【0147】
好ましい実施形態では、前記Tリンパ球は、同種異系から由来する。
【0148】
具体的な実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞を2回以上投与するが、後続投与量の免疫エフェクター細胞の毎回の投与時間間隔は、約21日ないし約80日、または約25日ないし約60日、または約25日ないし50日であり、それぞれ端の値を含む。
【0149】
好ましい解決手段では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞は、前に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞と比較して、前記被験者の腫瘍の負担を安定化させたり、減少させる。
【0150】
具体的な実施形態では、毎回投与される後続投与量の免疫細胞の数は基本的に同じである。
【0151】
具体的な実施形態では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より多い。
【0152】
具体的な実施形態では、後に投与される後続投与量の免疫エフェクター細胞の数は先に投与される後続投与量の免疫細胞の数より少ない。
【0153】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞を投与する前に、前記被験者は、CLD18を標的とする、キメラ抗原受容体を発現する免疫細胞で治療されていない。
【0154】
具体的な実施形態では、前記後続投与量は、前記被験者の腫瘍の負担を十分に安定化させたり、減少させる細胞数である。
【0155】
具体的な実施形態では、前記初回投与量で投与される前に、前記被験者は、手術治療、化学治療または第1の態様の方法とは異なる免疫治療を既に受けた。
【0156】
具体的な実施形態では、初回投与量で投与される前に、または初回投与量で投与された後かつ後続投与量で投与される前に、前記被験者のCRSを指示する因子、神経毒性を指示する因子、腫瘍の負担を指示する因子、および/または宿主の抗-CAR免疫応答を指示する因子の血清レベルを評価する。
【0157】
具体的な実施形態では、前記腫瘍の負担を指示する因子は、前記被験者の腫瘍細胞の総数、または前記被験者の器官における腫瘍細胞の総数、または前記被験者の組織における腫瘍細胞の総数、または腫瘍の質量または体積、または腫瘍転移の程度、または腫瘍の数である。
【0158】
具体的な実施形態では、前記腫瘍を治療する方法は、
i)後続投与量で投与する前に、腫瘍の負担を指示する因子を評価するステップと、
ii)前記評価の結果に基づいて、前記被験者に投与される細胞の後続投与量を決定するステップと、および
iii)評価を介して前記被験者の腫瘍質量または体積が安定したり、減少されたと決定されると、前記被験者に前記初回投与量でのCAR発現細胞の数よりも少ないか多いか、またはほぼ同じCAR発現細胞の数を含む後続投与量だけ投与するステップとを含む。
【0159】
具体的な実施形態では、前記初回投与量または前記後続投与量で投与される細胞の数は、約1.1×10細胞/kg被験者体重ないし2.8×10細胞/kg、約2.9×1
細胞/kgないし2.6×10細胞/kgまたは約3.3×10細胞/kgないし1.3×10細胞/kgまたは約1.3×10細胞/kgないし1.8×10細胞/
kgであり、それぞれ端の値を含む。
【0160】
具体的な実施形態では、後続投与量のCAR発現細胞が投与される細胞の数は、約1.
1×10細胞/kg(細胞/kg)体重ないし約5.1×10細胞/kg、約1.3×10細胞/kgないし約3.7×10細胞/kg、約1.6×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/kg、約1.9×10細胞/kgないし約2.2×10細胞/
kg、約2.2×10細胞/kgないし約2.7×10細胞/kgを含み、それぞれ端の値を含む。
【0161】
具体的な実施形態では、初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記被験者は、サイトカイン放出症候群(CRS)を示さず、深刻なCRSを示さず、神経毒性を示さず、深刻な神経毒性を示さず、または3級を超える神経毒性を示さなかった。
【0162】
具体的な実施形態では、初回投与量または後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記免疫エフェクター細胞は前記被験者で増殖する。
【0163】
好ましい実施形態では、前記増殖は、(i)前記投与する直前と比較して、前記初回投与量および/または後続投与量で投与した後、血清CRPレベルが増加されることにより表示され、および/または(ii)前記投与する直前と比較して、前記初回投与量および/または後続投与量で投与した後、血清中CARエンコード核酸のレベルが増加されることにより表示され、例えば、qPCRで測定する。
【0164】
具体的な実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、前記被験者の腫瘍の負担を安定化させたり、減少させる。具体的な実施形態では、腫瘍の負担の安定化または減少は、腫瘍の負担を指示する1つまたは複数の因子による安定化または減少に表現される。
【0165】
好ましい実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞で投与した後、初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後の腫瘍の負担と比較して、腫瘍の負担はさらに安定化または減少された。
【0166】
具体的な実施形態では、後続投与量で投与する場合、前記被験者はまだ再発していない
か、および/または腫瘍の負担を指示する1つまたは複数の因子が減少した後、まだ増加しなかった。
【0167】
具体的な実施形態では、前記負担の安定化または減少および/または負担のさらなる減少は、上記被験者において、前記被験者の器官で、前記被験者の組織で、または前記被験者の体液で病気の細胞総数の安定化または減少、および/または腫瘍の質量または体積の安定化または減少、および/または転移した数および/または程度の安定化または減少、および/または腫瘍マーカーの安定化または減少、および/または中末期がんでよく表示される合併症の消失または弱体化を含む。
【0168】
具体的な実施形態では、前記腫瘍マーカーは、アルファ胎児タンパク(AFP)、CA125、CA15-3、扁平上皮癌抗原(SCC)、サイトケラチン19の可溶性断片(CYFRA21-1)、癌胚抗原(CEA)、CA199、CA724などを含む。
【0169】
具体的な実施形態では、中末期がんでよく表示される合併症は、癌性疼痛、感染症、癌性胸腹水ことを含んでいる。癌性胸膜および腹水を含む。
【0170】
具体的な実施形態では、腫瘍の質量または体積はPET(陽電子放出断層撮影)とCT(コンピュータ断層撮影)を介して測定する。
【0171】
本発明の第4の態様では、組成物であって、シクロホスファミドおよびフルダラビンとタキサン系化合物および/またはピリミジン系抗腫瘍薬物を含む、前記組成物をさらに提供する。
【0172】
好ましい実施形態では、前記タキサン系化合物は、包括但不限于パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセルまたはドセタキセルを含むが、これらに限定されず、好ましくは、アルブミン結合パクリタキセルであり、前記ピリミジン系抗腫瘍薬物は、5-フルオロウラシル、ギメラシル、オテラシルカリウム、ジフルフロラシル、カルモフル、デオキシフルリジン、カペシタビンを含むがこれらに限定されない。
【0173】
具体的な実施形態では、前記組成物は、シクロホスファミド、フルダラビンおよびパクリタキセルを含む。
【0174】
具体的な実施形態では、前記組成物は、シクロホスファミド、フルダラビンおよびアルブミン結合パクリタキセルを含む。
【0175】
好ましい実施形態では、免疫エフェクター細胞治療を受ける被験者が免疫エフェクター細胞を投与される前に、好ましくは免疫エフェクター細胞治療を受ける被験者が毎回免疫エフェクター細胞を投与する前に、前記組成物を投与する。
【0176】
具体的な実施形態では、フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/またはシクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/またはアルブミン結合パクリタキセル投与量は約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないか、または約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日を超えないか、または約70mg/m/日を超えない。
【0177】
具体的な実施形態では、免疫エフェクター細胞治療を実行する約30日前に、前記組成物を投与し、好ましくは、約20日、より好ましくは、約12日、最も好ましくは、約7日である。
【0178】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミド、フルダラビンおよび/またはアルブミン結合パクリタキセルの連続使用時間は4日を超えず、好ましくは、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与される。
【0179】
具体的な実施形態では、抗腫瘍治療に使用され、好ましくは、抗腫瘍の標的治療に使用され、最も好ましくは、抗腫瘍のキメラ抗原受容体標的治療に使用される。
【0180】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞は、CAR T細胞である。
【0181】
具体的な実施形態では、前記CAR T細胞は、CLD18A2を特異的に識別する。
【0182】
具体的な実施形態では、前記腫瘍は、CLD18A2陽性消化管腫瘍であり、より好ましくは、前記消化管腫瘍は、腺癌であり、最も好ましくは、前記消化管腫瘍は、膵臓癌、胃腺癌である。
【0183】
本発明の第5の態様では、免疫エフェクター細胞の併用で腫瘍を治療する方法であって、被験者に免疫エフェクター細胞治療を実行する前に、まずシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物を投与して前処理するステップを含む、前記免疫エフェクター細胞の併用で腫瘍を治療する方法をさらに提供する。
【0184】
好ましい実施形態では、前記腫瘍は、固形腫瘍である。
【0185】
好ましい実施形態では、前記固形腫瘍は、乳癌、結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺癌、胃癌、小腸癌、食道癌、黒色腫、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、肛門癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、頸部癌、膣癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎腺癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、膀胱癌、腎癌または尿管癌、腎骨盤癌、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポシ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌である。
【0186】
好ましい実施形態では、前記タキサン系化合物は、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル、またはドセタキセルから選択される。
【0187】
好ましい実施形態では、前記タキサン系化合物は、アルブミン結合パクリタキセルから選択される。
【0188】
具体的な実施形態では、フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/またはシクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日でり、および/またはアルブミン結合パクリタキセル投与量は、約300mg/m/日より多くない、または約200mg/m/日より多くない、または約150mg/m/日より多くない、または約100mg/m/日より多くない、または約80mg/m/日より多くない、または約70mg/m/日より多くない。
【0189】
具体的な実施形態では、免疫エフェクター細胞治療を実行する約30日前に、前処理し、好ましくは、約20日、より好ましくは、約12日、最も好ましくは、約7日である。
【0190】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミド、フルダラビンおよび/またはアルブミン結合パクリタキセルの連続使用時間は4日を超えず、好ましくは、前記アルブミン結合パクリタキセルは1回投与される。
【0191】
具体的な実施形態では、前記免疫エフェクター細胞は、例えば、CAR-T細胞、CAR-NK細胞、CAR-NKT細胞などキメラ抗原受容体によって修飾された免疫エフェクター細胞である。
【0192】
本発明の第6の態様では、薬物の調製におけるCLD18A2-CARを含む免疫エフェクター細胞の応用であって、前記薬物は、CLD18陽性腫瘍を治療するための前記細胞およびシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物(好ましくはパクリタキセル、より好ましくはアルブミン結合パクリタキセル)を含み、前記細胞およびシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、前記試薬それぞれの効果の合計より大きい治療効果を提供できるように調製される、前記応用をさらに提供する。
【0193】
具体的な実施形態では、初回投与量の前記免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与するステップを含み、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えない。
【0194】
具体的な実施形態では、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量前記免疫エフェクター細胞を少なくとも1回投与するが、前記後続投与量は、約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約5×10細胞を超えない。
【0195】
具体的な実施形態では、前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する。
【0196】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、免疫エフェクター細胞を投与する4~12日前に投与される。
【0197】
具体的な実施形態では、フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/または
タキサン系化合物投与量は、約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないかまたは約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日、または約70mg/m/日を超えない。
【0198】
具体的な実施形態では、前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超えず、前記タキサン系化合物は1回投与される。
【0199】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ ID NO:24、25または26に示される配列である。
【0200】
第6の態様に対応的に、本発明は、CLD18陽性腫瘍を治療するためのキットであって、前記キットは、
1)CLD18A2-CARを含む免疫エフェクター細胞と、
2)シクロホスファミドと、
3)フルダラビンと、
4)タキサン系化合物、好ましくはパクリタキセル、より好ましくはアルブミン結合パクリタキセルと、
5)上記1)-4)前記物質を含むための容器と、および
6)前記キットを利用してCLD18陽性腫瘍を治療する投与説明書とを含み、
ここで、前記細胞とシクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物は、前記試薬それぞれの効果の合計より大きい治療効果を提供できるように調製される。
【0201】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、初回投与量の前記免疫エフェクター細胞をそれを必要とする被験者に投与する内容が記載され、前記初回投与量は約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約2×10細胞を超えない。
【0202】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、前記初回投与量の免疫エフェクター細胞を投与した後、後続投与量前記免疫エフェクター細胞を少なくとも1回投与する内容が記載され、前記後続投与量は、約3×10細胞/kg被験者体重を超えないか、または前記細胞の総数は約5×10細胞を超えない。
【0203】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、前記初回投与量が投与されてから約21日から80日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から60日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与し、より好ましくは、前記初回投与量が投与されてから約25日から50日の時点で、前記後続投与量の免疫エフェクター細胞を投与する内容が記載された。
【0204】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、前記シクロホスファミド、フルダラビンおよびタキサン系化合物を投与する4~12日前に投与される内容が記載された。
【0205】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、
フルダラビンの投与量は、約10~50mg/m/日、または約15~40mg/m/日、または約15~30mg/m/日、または約20~30mg/m/日であり、および/または
シクロホスファミドの投与量は、約300~700mg/m/日、または約400~650mg/m/日、または約450~600mg/m/日、または約450~550mg/m/日、または約490~550mg/m/日であり、および/または
タキサン系化合物投与量は、約300mg/m/日を超えないか、または約200mg/m/日を超えないか、または約150mg/m/日を超えないか、または約100mg/m/日を超えないか、または約80mg/m/日を超えないか、または約70mg/m/日を超えない内容が記載された。
【0206】
具体的な実施形態では、前記投与説明書には、
前記シクロホスファミドおよび/または前記フルダラビンの連続使用期間は、4日を超
えず、前記タキサン系化合物は1回投与される内容が記載された。
【0207】
具体的な実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31、32のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ ID NO:24、25または26に示される配列である。
【0208】
当業者は、キットに投与説明書の記載に適応されている投与量の各組成成分が含まれることができることを知っている。
【0209】
本発明の一つの態様によると、腫瘍を患っている個体に免疫エフェクター細胞およびチューブリン阻害剤を使用するステップを含む、腫瘍を治療する方法を提供するが、前記免疫エフェクター細胞には、腫瘍抗原を識別するための受容体が発現される。いくつかの実施形態では、本発明は、腫瘍を患っている個体に免疫エフェクター細胞およびチューブリン阻害剤を使用するステップを含む、癌細胞の成長、生存または活性、またはこれら全部を減少させる方法を提供するが、前記免疫エフェクター細胞には、腫瘍抗原を識別するための受容体が発現される。いくつかの実施形態では、前記チューブリン阻害剤は、タキサン系化合物である。いくつかの実施形態では、前記タキサン系化合物は、パクリタキセル、アルブミン結合パクリタキセル(nab-paclitaxel、アブラキサン)、ドセタキセル(docetaxel)およびタクサン骨格構造(taxane skeleton structure)を備える誘導体から選択される。
【0210】
別の実施形態では、前記腫瘍抗原を特異的に識別する抗体は、SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:2に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ
ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:8に示されるHCDR1、SEQ ID NO:9または68に示されるHCDR2、SEQ ID NO:10に示されるHCDR3、SEQ ID NO:11に示されるLCDR1、SEQ ID NO:12に示されるLCDR2、SEQ ID NO:13に示されるLCDR3を有する。
【0211】
別の実施形態では、前記腫瘍抗原を特異的に識別する抗体は、具有SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:18に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:22に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:20に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:53に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:52に示される軽鎖可変領域を有する。
【0212】
別の実施形態では、前記腫瘍抗原を特異的に識別する抗体は、SEQ ID NO:54、56、57、または58に示される配列に示されるアミノ酸配列を有し、好ましくは、SEQ ID NO:54に示される配列を有する。
【0213】
別の実施形態では、前記被験者に前処理またはリンパ球除去を実行しない。本発明は、
薬物の調製における腫瘍抗原を識別する受容体が発現された免疫エフェクター細胞の応用をさらに提供し、前記薬物は、前記免疫エフェクター細胞およびタキサン系化合物を含み、前記薬物は腫瘍治療のために使用される。いくつかの実施形態では、前記薬物に含まれた前記免疫エフェクター細胞およびタキサン系化合物は、それぞれの効果の合計より大きい治療効果を提供する。本発明の一つの態様では、腫瘍を治療するためのキットであって、1)腫瘍抗原を識別する受容体が発現された免疫エフェクター細胞と、2)タキサン系化合物と、3)上記1)および2))に記載の物質を含むための容器と、および4)前記キットを利用して腫瘍を治療する投与説明書を含む、前記腫瘍を治療するためのキットを提供する。
【0214】
本発明の範囲内で、本発明の上記の技術的特徴及び以下に(例えば、実施例)具体的に説明する技術的特徴を互いに組み合わせて、新規または好ましい技術的解決策を形成できることを理解されたい。スペースの制限のため、ここでは繰り返さない。
【図面の簡単な説明】
【0215】
図1】CAR-Tのコピー数検出を示す。
図2A】初回投与量のCAR-Tを注射(第1の治療過程)した後、被験者体内のC反応性蛋白(CRP)の変化を示す。
図2B】後続投与量のCAR-Tを注射(第2の治療過程)した後、被験者体内のCRPの変化を示す。
図3A】膵臓癌被験者のCAR-T治療過程での腫瘍病巣の変化を示す。
図3B】膵臓癌被験者CAR-T治療過程での腫瘍マーカーの変化を示す。
図4A】胃腺癌被験者CAR-T治療過程での腫瘍病巣の変化を示す。
図4B】胃腺癌被験者CAR-T治療過程での新しい病巣の変化を示す。
図4C】胃腺癌被験者CAR-T治療過程での胸膜および腹水症の変化を示す。
図4D】胃腺癌被験者CAR-T治療過程でのCA125レベルの変化を示す。
図4E】胃腺癌被験者CAR-T治療過程でのCA199レベルの変化を示す。
図5】組換え担体MSCV-8E5-2I-mBBZのプラスミドマップである。
図6A】それぞれ膵臓癌細胞およびCAR-T細胞のアブラキサン(Abraxane)の毒性作用を検出するCCK8実験である。
図6B】それぞれ膵臓癌細胞およびCAR-T細胞のアブラキサン(Abraxane)の毒性作用を検出するCCK8実験である。
図7A】マウス膵臓癌のアブラキサン(Abraxane)とCAR T細胞の併用の抑制効果を観察した体内実験およびマウスの体重の変化図を示す。
図7B】マウス膵臓癌のアブラキサン(Abraxane)とCAR T細胞の併用の抑制効果を観察した体内実験およびマウスの体重の変化図を示す。
図8A】本発明の方法で治療した後のマウスの生存期間を示す。
図8B】本発明の方法で治療した後のマウスの生存期間を示す。
図8C】本発明の方法で治療した後のマウスの生存期間を示す。
図9】本発明の方法で治療した後のマウスモデルの体重変化グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0216】
発明者は、広範かつ徹底的な研究を経て、キメラ抗原受容体(CAR)または例えばT細胞受容体(TCR)のような他の遺伝子組み換え受容体を発現する免疫エフェクター細胞を特定の量で特定の時間パラメータに基づいて投与して免疫エフェクター細胞を利用して腫瘍の治療を行う治療効果を大幅に向上させることにより、固形腫瘍での免疫エフェクター細胞の応用効果を向上させることを意外に発見した。本発明は、少なくとも部分的に上記の発見に基づいている。
【0217】
別に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語、符号および他の技術
と科学用語や独自の語彙は、当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。場合によっては、本明細書は、説明および/または引用の目的で一般的に理解される意味を持つ用語をさらに限定するが、本明細書に含まれているこれらの追加限定は、当技術分野で一般的に理解される実質的な違いを示すものと理解してはならない。
【0218】
特許文書、学術論文、およびデータベースを含む、本発明で言及されるすべての出版物は、個々の出版物が参照により独立して組み込まれるように見えるのと同じ程度に、あらゆる目的のために引用によってその全体が組み込まれる。本明細書に示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、公開された出願、および他の刊行物に示される定義と異なる場合、または他の点で矛盾する場合、参照により本明細書に組み込まれる文書における定義は、本明細書に示される定義をメインとする。
【0219】
本明細書で使用される場合、単数形の「1つ」、「1種」および「前記」は、本文が明確に定義されない限り、複数の被験者を指すことを含む。例えば、「1種」または「1つ」は、「少なくとも1種または1つ」または「1種(1つ)または複数種(1つ以上)」を指す。
【0220】
この開示では、請求された主題のすべての側面が範囲形式で提示されている。範囲形式での説明は、単に便宜上および簡潔にするためのものであり、請求された主題の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、その範囲内のすべての可能なサブ範囲と範囲内の個々の値を具体的に開示していると見なす必要がある。例えば、値の範囲が提供されている場合、範囲の上限と下限の間の各中間値と、範囲内の任意の他に前記値または中間値は、請求された主題に含まれ、前記範囲の上限と下限も請求された主題に属することを理解されたい。前記より小さな範囲は、これらのより小さな範囲の上限および下限を独立して含むことができ、範囲の上限および下限が明示的に除外されない限り、それらはまた、請求された主題の範囲に属する。設定範囲に1つまたは2つの制限値が含まれる場合、請求された主題には1つまたは2つの制限値を除外する範囲も含まれるす。この原則は、範囲に関係なく適用される。
【0221】
本明細書で使用される用語「約」は、当技術分野で容易に知られている各値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における値またはパラメータの「約」への言及は、前記値または前記パラメータ自体を指す実施形態を含む(および説明)。例えば、「約X」の説明は、「X」の説明を含む。例えば、「約」は、当業界の実際の標準偏差に応じて、1以内または1を超えることを意味する場合がある。または、「約」は最大10%(つまり、±10%)の範囲を意味する。例えば、約5mgは、4.5mgから5.5mgまでの任意の数を含むことができる。特定の値または組成が出願および特許出願の範囲で提供される場合、特に明記しない限り、「約」は、特定の値または組成の許容される誤差範囲内であると想定されるべきである。
【0222】
アミノ酸または核酸配列を説明する場合、特定の配列を「有す」ことは、特定の配列の変異体を包含すると理解されるべきである。いくつかの実施形態では、特定の配列を有するアミノ酸または核酸配列は、アミノ酸または核酸配列が特定の配列と80%、85%、90%、95%、または99%を超える配列同一性を有することを意味する。
【0223】
特に明記しない限り、本明細書に記載の任意の濃度範囲、パーセンテージ範囲、比率範囲、または整数範囲は、前記範囲内の任意の整数、および適切な場合にはその割合(例えば、整数の10分の1および整数の100分の1)を含むと理解されるべきである。
【0224】
本明細書で使用される「投与間隔」は、免疫エフェクター細胞療法の複数のコース(例えば、初回投与量の免疫エフェクター細胞の投与および後続投与量の免疫エフェクター細
胞の投与を含む複数の治療コースを含む)の間、および前処理薬物の投与の間の経過時間を指す。したがって、投与間隔は範囲として示すことができる。本発明のいくつかの態様において、本発明は、免疫エフェクター細胞療法の複数のコースを個体に投与することを含み、それぞれのコースは、医師によって決定された投与量(例えば、初回投与量および後続投与量)で投与される。本発明のいくつかの態様において、本発明による免疫エフェクター細胞治療の特定の投与量は、2つまたは2つ以上の分割投与量で投与することができ、分割投与量で投与される総投与量は、医師によって決定される治療過程における総投与量に等しい。
【0225】
本明細書で言及される「投与量」は、重量に基づいて計算された投与量または体表面積(BSA)に基づいて計算された投与量として表すことができる。重量に基づいて計算された投与量は、mg/kg、免疫エフェクター細胞の数/kgなどの患者の体重に基づいて計算された患者に投与される投与量である。BSAに基づいて計算された投与量は、mg/m、免疫エフェクター細胞の数/mなどの患者の表面積に基づいて計算された患者に投与される投与量である。
【0226】
本明細書で使用される「投与回数」は、所与の時間内の免疫エフェクター細胞または前処理薬物の投与量の投与の頻度を指す。投与回数は、所定の時間あたりの投与量数として示すことができる。例えば、1日1回連続4日間、1日1回連続3日間、1日1回連続2日間、または1日1回1日間フルダラビンを投与できる。1日1回連続4日間、1日1回連続3日間、1日1回連続2日間、または1日1回1日間シクロホスファミドを投与できる。1日1回連続4日間、1日1回連続3日間、1日1回連続2日間、または1日1回1日間アルブミン結合パクリタキセルを投与できる。
【0227】
本明細書で使用される組成物は、2つ以上の産物、物質または化合物(細胞を含む)の任意の混合物を指す。それは、溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0228】
本明細書で使用される場合、「細胞または細胞集団は、具体的なマーカーに対して「陽性」である」とは、細胞上または細胞内の具体的なマーカー(通常は表面マーカー)の検出可能な存在を指す。表面マーカーを指す場合、この用語は、表面発現の存在が、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体で染色し、抗体を検出することによって、フローサイトメトリーによって検出されることを意味する。ここで、染色は、アイソタイプが一致する対照を使用して同じ他の条件下で同じステップを実行するときに検出される染色レベルよりも有意に高い、および/または前記マーカーに対して陽性であることが知られている細胞のレベルと実質的に同様であり、および/または前記マーカーに対して陰性であることが知られている細胞のレベルより有意に高いことをフローサイトメトリーによって検出することができる。
【0229】
本明細書で使用される場合、「細胞または細胞集団は、具体的なマーカーに対して「陰性」である」とは、細胞上または細胞内の表面マーカーなどの具体的なマーカーを有さないか、またはそれを有するにもかかわらず実質的に検出できないことを意味する。表面マーカーを指す場合、この用語は、フローサイトメトリーによって、または表面発現の存在にもかかわらず、例えば、マーカーに特異的に結合する抗体で染色された場合、表面発現が検出できないことを意味し、また、表面発現を検出するために抗体を検出すると、前記染色は、アイソタイプが一致する対照を使用して同じ他の条件下で同じステップを実行するときに検出される染色レベルよりも有意に低い、および/または前記マーカーに対して陽性であることが知られている細胞のレベルより有意に低い、および/または前記マーカーに対して陰性であることが知られている細胞のレベルと実質的に同様であることをフローサイトメトリーによって検出することができる。
【0230】
本明細書で使用される用語「担体」は、それが連結されている別の核酸を増殖させることができる核酸分子を指す。前記用語は、自己複製核酸構造の形態の担体、ならびにそれが導入された宿主細胞のゲノムに導入されたベクターを含む。特定の担体は、それらに作動可能に連結された核酸の発現を誘導することができる。前記担体は、本明細書では「発現ベクター」とも呼ばれる。
【0231】
本出願は、固形腫瘍を治療するための養子細胞または免疫エフェクター細胞、および細胞の複数回投与または反復投与を含む使用方法、組成物、および製品に関する。細胞は一般に、キメラ抗原受容体(CAR)またはT細胞受容体(TCR)などの他の遺伝子組み換え受容体を発現する。
【0232】
クローディン18(Claudin 18、CLD18)分子(Genbank登録番号:スプライス変異体1(CLD18A1):NP_057453、NM016369、およびスプライス変異体2(CLD18A2):NM_001002026、NP_001002026)は、分子量が約27.9/27.72kDである内在的膜貫通蛋白質である。クローディンは、上皮と内皮の密着連接位置にある内在的膜タンパク質である。密着連接は、隣接する細胞間の組織膜内顆粒が互いに接続されたネットワークである。密着連接では、オクルディン(occludin)とクローディンは最も重要な膜貫通タンパク質組成成分である。これらの強力な細胞間粘着特性のために、これらの溶質の部細胞的輸送(paracellular transport)を防止し、制御して、膜脂質とタンパク質の側方向への拡散を制限して、細胞極性を維持する1次障壁を生成する。密着連接を形成するタンパク質は、上皮組織の構造に決定的に関与する。
【0233】
CLD18A1は正常な肺と胃の上皮で選択的に発現されるが、CLD18A2は、胃細胞のみ発現される。また、CLD18A2はすでに分化した上上皮短命細胞(short-lived gastric epithelial cell)に限定されるが、胃の幹細胞領域に存在していない。2つの変異体は、様々ながんの種類から強烈に発現されるが、胃、食道、膵臓および肺の腫瘍と人間癌細胞株を含む。発現は、主にこのような適応症の腺癌の亜型で行われる。
【0234】
本発明は、CLD18発現に関連する疾患(腫瘍など)を治療するための治療方法および組成物を提供する。
【0235】
本発明は、遺伝子工学操作(遺伝子組換え)されたキメラ受容体を発現する養子細胞または免疫エフェクター細胞を使用して被験者の腫瘍、特に固形腫瘍を治療する方法を提供する。前記方法は、養子細胞または免疫エフェクター細胞の単一の治療過程の再注入(reinfusion)、または複数の治療過程の再注入を含む。本明細書において、「投与量」は、1つの治療過程で、養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与または再注入する総量を意味する。いくつかの実施形態では、本明細書による方法が複数の治療過程を含む場合は、各治療過程の投与量は同じである。いくつかの実施形態では、本明細書による方法が複数の治療過程を含む場合は、各治療過程の投与量は異なる。「分割投与量」は、1つの治療過程で、全体の治療過程の投与量を複数回に分けて被験者に投与する場合は、1回に投与される投与量を意味する。いくつかの実施形態では、1つの治療過程の投与量は、複数の回に分けて被験者に投与される場合は、毎回投与される分割投与量は同じである。いくつかの実施形態では、1つの治療過程の投与量は、複数の回に分けて被験者に投与される場合は、毎回投与される分割量は異なる。本明細書において、特に明示していない限り、投与量は、すべて1つの治療過程で投与または再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の総量を意味する。
【0236】
いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、単一の治療過程で、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞を再注入するステップを含む。単一の治療過程は、一定の時点に一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を再注入することを意味する。いくつかの実施形態では、前記治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を1回再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を2回または2回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を3回または3回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を4回または4回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を5回または5回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を6回または6回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を7回または7回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を8回または8回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を9回または9回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を10回または10回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞は、再注入しようとする養子細胞または免疫エフェクター細胞の等分量である。いくつかの実施形態では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞は、再注入しようとする養子細胞または免疫エフェクター細胞と不等分量である。いくつかの実施形態では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は、医師によって被験者の具体的な状況に応じて決定される。被験者の具体的な状況は、例えば被験者の全体的健康状況、疾患の重症度、同じ治療過程前回投与量に対する反応、以前の治療過程の反応、被験者の薬物併用状況、毒性反応程度または可能性、合併症、がん転移状況、および医師が被験者に再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量に影響与えることができると考えている任意の他の要素であることができる。いくつかの実施形態では、前記一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を複数回再注入する過程で、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は徐々に増加する。いくつかの実施形態では、前記一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を複数回再注入する過程で、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は徐々に減少する。いくつかの実施形態では、前記一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を複数回再注入する過程で、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は、最初に徐々に増加した後、徐々に減少する。いくつかの実施形態では、前記一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を複数回再注入する過程で、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は、最初に徐々に減少した後、徐々に増加する。
【0237】
複数の治療過程の再注入は、多数の前記時点を備え、各時点内に一定量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を再注入することを意味する。いくつかの実施形態では、前記多数の時点の長さは一致している。いくつかの実施形態では、前記多数の時点の長さは不等である。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも2つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも3つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも4つの前記時点を備えることを意味するとを備えことを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも5つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも6つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも7つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも8つの前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態において、前記複数の治療過程は、少なくとも9つの上記時点を備えることを意味する。いくつかの実施
形態では、前記複数の治療過程は、少なくとも10個の前記時点を備えることを意味する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程は、10個以上の前記時点を備えることを意味する。
【0238】
いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を1回再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を2回または2回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を3回または3回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を4回または4回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を5回または5回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を6回または6回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を7回または7回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を8回または8回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を9回または9回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を10回または10回以上に分けて再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞は、再注入しようとする養子細胞または免疫エフェクター細胞の等分量である。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞は、再注入しようとする養子細胞または免疫エフェクター細胞と不等分量である。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での1つの治療過程では、毎回再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量は、医師によって被験者の具体的な状況に応じて決定される。被験者の具体的な状況は、例えば被験者の全体的健康状況、疾患の重症度、同じ治療過程前回投与量に対する反応、以前の治療過程の反応、被験者の薬物併用状況、毒性反応程度または可能性、合併症、がん転移状況、および医師が被験者に再注入される養子細胞または免疫エフェクター細胞の量に影響与えることができると考えている任意の他の要素であることができる。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を同じ回数で再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を異なる回数で再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を同じ回数で再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で同じ一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を再注入する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で異なる一定の総量の養子細胞または免疫エフェクター細胞を再注入する。
【0239】
いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の総量は徐々に増加する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の総量は徐々に減少する。いくつかの実施形態では、前記複数の治療過程での各治療過程で、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の総量は、まず徐々に増加した後、徐々に減少する。前記複数の治療過程での各治療過程で、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の総量は、まず徐々に減少した後、徐々に増加する。
【0240】
いくつかの実施形態では、初回投与量は比較的低い投与量および/または調節または減少された投与量であるか、および/または後続投与量は、強化された投与量および/または調節または減少された投与量である。これらの方法に使用することができる細胞、組成物、および製品をさらに提供する。いくつかの実施形態では、キメラ受容体は、例えば、機能性非-TCR抗原受容体のような遺伝子工学操作された抗原受容体であるが、例えば、キメラ抗原受容体(CAR)と、遺伝子工学操作されたT細胞受容体(TCR)のような他の組換え抗原受容体である。受容体は、例えば、CARの細胞内シグナル伝達の部分と同じリガンドまたは受容体または他の結合パートナーに特異的に結合されている細胞外部分と細胞内部分を含んでいる受容体をさらに含む。いくつかの実施形態では、投与量は比較的低い初回投与量を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、前記方法は、(a)腫瘍を患っている被験者に、単一の治療過程のキメラ抗原受容体(例えば、CAR)を発現する細胞を投与するステップと、および(b)被験者に複数の治療過程のキメラ抗原受容体(例えば、CAR)を発現する細胞を投与するステップを含む。他の実施形態では、1つまたは複数の後続投与量で投与することができる。
【0242】
用語「CLD18」はクローディン-18を指すが、細胞が自然に発現されるかCLD18遺伝子が形質注入された細胞によって発現された任意のCLD18の変異体(CLD18A1とCLD18A2を含む)、コンフォメーション、イソフォーム(isoform)、種間ホモログ(specieshomologs)を含む。好ましくは、「CLD18」は、人CLD18を意味するが、特にCLD18A2(SEQ ID NO:1、SEQ ID NO:2)および/またはCLD18A1(SEQ ID NO:7、SEQ ID NO:8)を意味し、より好ましくCLD18A2を意味する。
【0243】
用語「CLD18A1」は、細胞が自然に発現されるかCLD18A1遺伝子が形質注入された細胞によって発現された任意の人間CLD18A1の翻訳後の変形された変異体、イソフォーム、および種ホモログを含む。
【0244】
用語「CLD18A2」は、細胞が自然に発現されるかCLD18A2遺伝子が形質注入された細胞によって発現された任意の人間CLD18A2の翻訳後の変形された変異体、イソフォーム、および種ホモログを含む。
【0245】
用語「CLD18変体」は、(i)CLD18スプライス変異体、(ii)CLD18の翻訳後の変形された変異体は、特にNグリコシル化状態が異なる変異体、(iii)CLD18配列変異体は、特にCLD18-配列-1、CLD18-配列-2とCLD18-配列-3、(iv)細胞間密着連接位置にある遊離CLD18とホモ/アロ関連変異体(homo/allo-associated variants)、(v)CLD18癌関連変異体とCLD18非-癌関連変異体(non-cancer-related variants)を含むべきである。
【0246】
キメラ抗原受容体を発現する細胞を使用して腫瘍を治療する方法
本発明は、細胞治療に使用され、各種の固形腫瘍を含む疾患または病症を治療する方法、組成物、および製品を提供する。前記方法は、キメラ受容体を発現する免疫エフェクター細胞の投与に関するもので、前記キメラ受容体は、腫瘍抗原を標的化して識別するか、および/または腫瘍抗原に特異的に結合され、免疫エフェクター細胞を活性化させる。前記受容体は、例えばキメラ抗原受容体(CAR)、T細胞受容体(TCR)、T細胞融合タンパク質(T cell fusion protein、TFP)とT細胞抗原カプラ(T cell antigen coupler、TAC)などのキメラ受容体を含
む。
【0247】
いくつかの実施形態では、前記方法は、被験者に1つまたは複数の後続投与量の細胞を投与するステップを含む。投与量は、一般的に、特定の量で特定の時間パラメータに基づいて投与される。いくつかの実施形態では、前記方法は、一般的に、初回投与量の細胞を投与した後、初回投与量に対して、特定の時点に後続投与量の細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与される細胞数、および複数の回の投与量の時間は、設計を経て、1つまたは複数の結果を改善させ、例えば、被験者の毒性程度または可能性を減少させるか、および/または治療効果を改善させる。
【0248】
いくつかの実施形態では、提供された方法は、本明細書で観察された投与された細胞の被験者の暴露の程度増加(例えば、時間に応じて増加した細胞数または時間)に基づいて、免疫エフェクター細胞の治療での効果と治療結果を改善させることができる。複数の臨床試験で、様々なCLD18A2陽性腫瘍を患っている被験者にCLD18A2を標的化する異なるCAR-T細胞を投与した後、初歩的な分析を行い、より高いか、および/またはより長いCAR-T細胞の暴露の程度と治療の結果の間に存在する関連性を示す。これらの結果は、患者の生存、緩和または病状の安定を含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の被験者の暴露の程度を監視し、前記露出の程度に応じて、後続的に回数を分けて投与するか、またはそれ以降の治療過程の投与量と時間間隔を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の被験者の暴露の程度を監視し、前記露出度が一定程度に達するか、または超過することにより、後続的に回数を分けて投与または後続治療過程の投与量を維持または減少させるか、および/またはその後の的に回数を分けて投与するか、またはそれ以降の治療過程の間の時間間隔を維持または延長するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の被験者の暴露の程度を監視し、前記露出度が一定程度よりも低いことにより、後続的に回数を分けて投与するか、またはそれ以降の治療プロセスの投与量を維持または増加させたり、および/または後続的に回数を分けて投与するか、またはそれ以降の治療過程の間の時間間隔を維持または短縮させるステップを含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、前記養子細胞または免疫エフェクター細胞の被験者の毒性反応程度またはリスクを監視し、前記毒性程度または危険に応じて、後続的に回数を分けて投与するか、またはそれ以降の治療プロセスの投与量と時間間隔を決定するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記毒性反応程度または危険は、例えば、CRS、神経毒性、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群などを含むが、これらに限定されない。
【0250】
いくつかの実施形態では、一般的に、初回投与量または以前の投与量で投与した後、毒性反応またはその症状や生化学指数(例えば、CRSまたは神経毒性、マクロファージ活性化症候群または腫瘍溶解症候群)の危険性が許容されるレベルより低いか同じ場合、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、前記毒性反応またはその症状または生化学指数は、発熱、低血圧、低酸素症、神経障害、炎症性サイトカイン、C反応性蛋白(CRP)の血清レベルのいずれかまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、前記毒性反応またはその症状または生化学指数のリスクの許容されるレベルは、初回投与量または以前の投与量で投与した後のピークレベルの95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、または10%であることを意味する。
【0251】
いくつかの実施形態では、初回投与量または以前の投与量で投与した後、毒性反応がピークレベルに到達しても減少している場合、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態
では、初回投与量または以前の投与量で投与した後、毒性反応が許容されるレベルよりも低いか、同じレベルにまで減少した後、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、初回投与量または以前の投与量で投与した後、毒性反応またはその症状または生化学指数の危険が初めて投与量または以前の投与量で投与した後、表示されるピークレベルの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%よりも低いか同じ場合、後続投与量で投与する。したがって、いくつかの実施形態では、初回投与量または以前の投与量としては、少なくとも21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日、60日、61日、62日、63日、64日、65日、66日、67日、68日、69日、70日、71日、72日、73日、74日、75日、76日、77日、78日、80日に投与した後、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、毒性作用と関連する1つまたは複数の症状またはリスクの存在を監視および/または評価して、症状またはリスクが許容されるレベルよりも低いかのようなことを決定した後、後続投与量で注入して、適切な時間を決定する。
【0252】
いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、被験者からサイトカイン-放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルは、初回投与量で投与する前の前記被験者の血清レベルの5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、21倍、22倍、23倍、24倍、25倍、26倍、27倍、28倍、29倍、30倍を超えていない場合、後続投与量で投与する。
【0253】
いくつかの実施形態では、既に投与された初回投与量または以前の投与量によって発生される宿主免疫反応が後続投与量の効果の低下を誘導することができないように防止するために、後続投与量で投与する時期を選択する。いくつかの態様では、宿主の免疫応答、例えば、投与される細胞および/またはこれにより発現されるキメラ抗原受容体の適応性や特異性は、例えば、体液または細胞媒介免疫反応が表示される前の後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、例えば、一つのまたは様々な専門的検出方法を使用して、これらの反応を検出する前に、後続投与量で投与することができる。一般的に、細胞の宿主適応免疫反応が検出されていないか、まだ構築されていないか、および/またはまだ一定のレベルまたは程度または段階に達していない場合、1つまたは複数の後続投与量で投与する。したがって、いくつかの実施形態では、初回投与量または以前の投与量で投与してから多くて30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日、60日、61日、62日、63日、64日、65日、66日、67日、68日、69日、70日、71日、72日、73日、74日、75日、76日、77日、78日、80日、81日、82日、83日、84日、85日、86日、87日、88日、89日、90日、91日、92日、93日、94日、95日、96日、97日、98日、または99日後、後続投与量で投与する。
【0254】
したがって、いくつかの実施形態で提供される方法は、毒性の危険性の時点の後の初回投与量に腫瘍の負担を安定化または減少させた後、適応性宿主免疫反応(つまり、CAR-T細胞の生物の免疫拒否反応)が発生する前に、1つまたは複数の後続投与量で投与する。このような条件では、後続投与量は、残存腫瘍細胞の増殖または転移に対する免疫監視、削除、または予防を安全かつ効果的提供することができる。したがって、いくつかの実施形態では、後続投与量は、疾患の強化された投与量である。
【0255】
腫瘍の負担とは、腫瘍体積の大きさや分化の程度、または転移のタイプ、段階、および/またはいずれかの末期がんでよく表示される癌性胸膜液などの合併症の発生と消失、および/または腫瘍マーカーの作成または発現レベルの変化、および/または被験者のCRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、神経毒性などの毒性の結果が表示される可能性や発生率、および/または投与される細胞および/またはキメラ抗原受容体の宿主免疫反応を含む。いくつかの実施形態では、腫瘍の大きさは、PET(陽電子放射断層撮影法)とCT(コンピュータ断層撮影)のスケーラーで測定する。
【0256】
前記腫瘍マーカーはまた、腫瘍ラベルとも呼ばれ、特徴的に悪性腫瘍細胞に存在するか、悪性腫瘍細胞によって異常に生成された物質、または腫瘍の宿主の刺激反応により生成された物質、腫瘍発生、発展を反映しすることができ、治療反応の腫瘍を監視する物質を意味する。腫瘍マーカーは、腫瘍患者の組織、体液および排泄物に存在するが、免疫学、生物学的および化学的な方法で検出することができ、アルファ胎児タンパク(AFP)、CA125、CA15-3、扁平上皮癌抗原(SCC)、シートケラチン19の可溶性断片(CYFRA21-1)、癌胚抗原(CEA)、CA199、CA724などを含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、初回投与量は、被験者の腫瘍の負担を十分に減少させる量の細胞を含み、被験者でサイトカイン-放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルが初回投与量で投与する前の前記被験者の血清レベルの10倍または25倍の場合は、および/または被験者のCRS関連の結果、ピークレベルが初回投与量で投与した後、減少し始め、また被験者で初回投与量の細胞によって発現されたキメラ受容体が特異的な検出可能な適応性宿主の免疫反応が発生していない場合は、後続投与量で投与する。
【0258】
いくつかの実施形態では、初回投与量は約2.5×10個の細胞/kg被験者体重よ
り少ないか、または約1×1012個の細胞よりも少ない量を含み、初回投与量で投与を開始した後、約21日を超え、約80日のない時間に後続投与量で投与される。
【0259】
免疫エフェクター細胞治療での細胞投与
本発明によって提供される方法は、腫瘍抗原を発現する固形腫瘍被験者に前記腫瘍抗原を識別する、例えばCAR、TCR、TFP、TACキメラ抗原受容体などのキメラ抗原受容体を発現する複数の投与量の免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。
【0260】
本明細書に基づく「腫瘍抗原」は、甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR);CD171;CS-1;C型レクチン様分子-1;ガングリオシドGD3;Tn抗原;CD19;CD20;CD22;CD30;CD70;CD123;CD138;CD33;CD44;CD44v7/8;CD38;CD44v6;B7H3(CD276)、B7H6;KIT(CD117);インターロイキン13受容体サブユニットα(IL-13Rα);インターロイキン11受容体α(IL-11Rα);前立腺幹細胞抗原(PSCA);前立腺特異的膜抗原(PSMA);癌胚抗原(CEA);NY-ESO-1;HIV-1
Gag;MART-1;gp100;チロシナーゼ;メソテリン;EpCAM;プロテアーゼセリン21(PRSS21);血管内皮成長因子受容体;ルイス(Y)抗原;CD24;血小板由来成長因子受容体β(PDGFR-β);発生段階特異的胎児性抗原-4(SSEA-4);細胞表面関連ムチン1(MUC1)、MUC6;上皮成長因子受容体ファミリー及びその突然変異体(EGFR、EGFR2、ERBB3、ERBB4、EGFRvIII);神経細胞接着分子(NCAM);炭酸アンヒドラーゼIX(CAIX);LMP2;エフリンA受容体2(EphA2);フコシルGM1;シアリルルイス接着分子(sLe);ガングリオシドGM3(aNeu5Ac(2-3)bDGalp(1-4)bDGlcp(1-1)Cer;TGS5;高分子量黒色腫関連抗原(HMWMAA);O-アセチルGD2ガングリオシド(OAcGD2);葉酸受容体;腫瘍血管内皮マ
ーカー1(TEM1/CD248);腫瘍血管内皮マーカー7関連(TEM7R);クローディン6(Claudin 6)、クローディン18.2(Claudin 18.2)、クローディン18.1(Claudin 18.1);ASGPR1;CDH16;5T4;8H9;αvβ6インテグリン;B細胞成熟化抗原(BCMA);CA9;κ軽鎖(kappa light chain);CSPG4;EGP2、EGP40;FAP;FAR;FBP;胚型AchR;HLA-A1、HLA-A2;MAGEA1、MAGE3;KDR;MCSP;NKG2Dリガンド;PSC1;ROR1;Sp17;SURVIVIN;TAG72;TEM1;フィブロネクチン;テネイシン;腫瘍壊死部位のがん胚変異体;Gタンパク質共役型受容体のクラスCのグループ5のメンバーD(GPRC5D);X染色体オープンリーディングフレーム61(CXORF61);CD97;CD179a;未分化リンパ腫キナーゼ(ALK);ポリシアル酸;胎盤特異的1(PLAC1);globoHグリコセラミド(glycoceramide)のヘキソース部分(globoH);乳房分化抗原(NY-BR-1);ユーロプラキン2(uroplakin 2、UPK2);A型肝炎ウイルス細胞受容体1(HAVCR1);アドレナリン受容体β3(ADRB3);パーネクシン3(pannexin 3、PANX3);Gタンパク質結合受容体20(GPR20);リンパ球抗原6複合遺伝子座K9(LY6K);嗅覚受容体51E2(OR51E2);TCRγ交互リーディングフレームタンパク質(TARP);ウィルムス腫瘍タンパク質(WT1);ETSトランスロケーションバリアント遺伝子6(ETV6-AML);精子タンパク質17(SPA17);X抗原ファミリーメンバー1A(XAGE1);アンジオポイエチンは細胞表面受容体2(Tie2);メラノーマ癌精巣抗原-1(MAD-CT-1);メラノーマ癌精巣抗原-2(MAD-CT-2);Fos関連抗原1;p53突然変異体;人間テロメラーゼ逆転写酵素(hTERT);育肉腫転座ブレークポイント;細胞死滅の黒色腫阻害剤(ML-IAP);ERG(膜貫通プロテアーゼ、セリン2(TMPRSS2)ETS融合遺伝子);N-アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼV(NA17);ペアリングボックスプロテインPax-3(PAX3);アンドロゲン受容体;サイクリンB1;V-myc鳥骨髄症ウイルスの腫瘍遺伝子神経芽細胞腫由来同族体(MYCN);Ras同族体ファミリーメンバーC(RhoC);シトクロムP450 1B1(CYP1B1);CCCTC結合因子(亜鉛フィンガータンパク質)様(BORIS);T細胞によって識別される扁平上皮癌抗原3(SART3);ペアリングボックスタンパク質Pax-5(PAX5);プロアクロシン(proacrosin)結合タンパク質sp32(OYTES1);リンパ球特異タンパク質チロシンキナーゼ(LCK);Aキナーゼ固定タンパク質4(AKAP-4);滑膜肉腫、Xブレークポイント2(SSX2);CD79a;CD79b;CD72;白血球関連免疫グロブリン様受容体1(LAIR1);IgA受容体のFc断片(FCAR);白血球免疫グロブリン様受容体サブファミリーのメンバー2(LILRA2);CD300分子様ファミリーメンバーf(CD300LF);C型レクチンドメインファミリー12メンバーA(CLEC12A);骨髄基質細胞抗原2(BST2);EGF様モジュールを含むムチン様ホルモン受容体様2(EMR2);リンパ球抗原75(LY75);ホスファチジル筋肉グリカン-3(GPC3);Fc受容体様5(FCRL5);免疫グロブリンλ様ペプチド1(IGLL1)を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、前記腫瘍抗原は、EGFR、EGFRvIII、プロテオグリカン3、クローディン18.2(Claudin 18.2)またはBCMAである。
【0261】
本明細書で使用される「被験者」は、例えば、ヒトまたは他の動物のような哺乳動物であるが、一般的に人である。いくつかの実施形態では、初回投与量および/または後続投与量で投与する前に、被験者は、すでに腫瘍化学療法または放射線療法を受けた。いくつかの態様では、被験者は、他の治療剤について難治性または非-反応性を有する。
【0262】
いくつかの実施形態では、腫瘍は、例えば、化学療法、放射線治療を含む他の治療に介
入した後、持続性または再発性を有する。いくつかの実施形態では、上記のように投与することにより、被験者が他の治療法に耐性を持つかどうかに関係なく、前記被験者を効果的に治療する。
【0263】
いくつかの実施形態では、被験者は、他の治療剤に対して反応性を持っている治療剤で治療して、腫瘍の負担を減少させる。いくつかの態様では、被験者は最初には治療剤に対して反応性を持つが、時間の経過に応じて、腫瘍が再発される。いくつかのこれらの実施形態では、前記被験者が再発リスクがあることが検出されると、例えば、再発リスクが高いことが検出されると、細胞を予防的に投与することにより、再発の可能性を減少するか、または再発を予防する。
【0264】
前記疾患は、腫瘍、または他の増殖性疾患または病症を含む。前記腫瘍は、結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、非小細胞肺癌、小腸癌、食道癌、黒色腫、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、皮膚または眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門癌、胃癌、精巣癌、子宮癌、ファロピウス管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎腺癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児固形腫瘍、膀胱癌、腎癌または尿管癌、腎骨盤癌、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、腫瘍血管新生、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポシ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、環境誘発癌、前記癌の組み合わせと癌の転移病巣を含むが、これらに限定されない。。
【0265】
いくつかの実施形態では、投与量の大きさと再注入時間は、被験者の初期の腫瘍負担によって決定される。例えば、いくつかの状況では、一般的に被験者に投与される初回投与量の細胞数は比較的少ない、腫瘍の負担が比較的低い場合には、例えば、固形腫瘍は、腫瘍マーカーを使用して検出し、腫瘍の負担の大きさおよび/または微細残存病巣を評価することができ、初期の投与量は比較的多いことができる。他の状況では、腫瘍の負担が比較的高い被験者では、初回投与量回数を分けて連続的に注入することができるが、前記初回投与量を1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、または10回に分けて投与し、好ましくは、1~5回に分けて投与し、より好ましくは、2~3回に分けて投与する。毎回投与間隔は1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日または20日、または間隔なしである。いくつかの状況では、後続投与量は、初回投与量と同じか、初回投与量よりも多かったり、初回投与量よりも少ないことができる。
【0266】
本明細書で使用される用語「治療」は、腫瘍または関連症状を完全にまたは部分的に軽減または減少させることを意味する。希望する治療効果は、腫瘍発生または再発の予防、症状の軽減、腫瘍の任意の直接的または間接的病理学の結果の減少、転移防止、腫瘍進行速度の低下、腫瘍状態の改善または軽減、および予後の軽減または改善を含むがこれらに限定されない。本明細書で使用される「腫瘍成長の遅延」は、前記腫瘍の成長を遅延、阻害、緩和、減速、安定化、抑制、および/または制限することを意味する。前記遅延は異なる時間の長さを持つことができるが、これは疾患の履歴および/または治療待機中の個体によって決定される。当業者は、遅延が(前記腫瘍に発展していない固体における)予防を含むことができることを理解する。例えば、転移の発展のような末期癌は遅延することができる。
【0267】
いくつかの実施形態では、提供された細胞および組成物は、腫瘍発展を遅延させたり、腫瘍の進行を緩和させる。
【0268】
本明細書で使用される機能または活性の「阻害」は、他の場合と同じ病症に比べて、または別の症に比べて機能や活性が減少されることを意味する。
【0269】
薬物製剤、細胞または組成物のような試薬の投与からの「有効量」は、一定の投与量で必要な時間の長さで使用される場合には、例えば、治療または予防効果のような希望する結果を得る効果的な量を意味する。
【0270】
薬物製剤または細胞のような試薬の「治療有効量」は、投与量と必要な時間のコースで、例えば腫瘍の治療、および/または前記治療の薬動力学または薬物動態学効果のような希望する治療結果を得る効果的な量を意味する。治療有効量は、例えば疾患の状態、年齢、性別、および被験者の体重、および投与される細胞集団など、さまざまな要素の変化に従うことができる。いくつかの実施形態では、提供された方法は、有効量(例えば、治療有効量)の前記細胞および/または組成物の投与に関するものである。
【0271】
「予防有効量」は、一定の投与量と必要な時間のコースにおいて、希望する結果を得る有利な量を意味する。一般的に、予防投与量は、疾患の早期または以前に被験者に使用されるので、予防有効量は、治療有効量より少ない。腫瘍の負担が比較的低い場合には、いくつかの態様では、予防有効量は、治療有効量より高いことができる。
【0272】
免疫エフェクター細胞の治療に使用される細胞を投与する方法は、公知のものであり、本明細書で提供された方法および組成物と併用することができる。
【0273】
いくつかの実施形態では、前記細胞治療は、例えば養子T細胞または免疫エフェクター細胞の治療は、それ自体の再注入方式を通じて進行される。したがって、いくつかの態様では、前記細胞は、治療及び前記細胞が必要な被験者に由来され、分離および処理された後、同じ被験者に投与される。
【0274】
いくつかの実施形態では、前記細胞治療は、例えば、養子T細胞または免疫エフェクター細胞治療は、同種異系の再注入方式を介して進行されるが、ここで、前記細胞は、分離されたり、および/または他の状況で供与体から抽出し、調製されて、供与体と細胞を再注入する被験者が異なる。これらの実施形態において、前記細胞を遺伝学、組織適合性が高い被験者に投与する。いくつかの実施形態では、前記供与体と被験者は遺伝学的に同一である。いくつかの実施形態では、前記供与体と被験者は遺伝学的に類似している。いくつかの実施形態では、前記被験者と供与体は、同じHLA分類またはスーパータイプに属する。
【0275】
前記細胞は、任意の適切な方法で投与されることができるが、例えば、静脈内または皮下注射、眼内注射、眼底注射、網膜下注射、ガラス体内注射、カウンターインターバル注射(counter-interval injection)、強膜下注射、脈絡膜内注射、前室注射(anterior chamber injection、)、結膜下(subconjectval)注射、結膜下(subconjuntival)注射、超強膜腔注射、球後注射、眼周囲注射または球周囲送達などの注射によって投与することができる。いくつかの実施形態では、これらは、非経口的、肺内、および鼻腔内に投与され、局所治療が望まれる場合、病巣内投与を進行する。腹腔外注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。いくつかの実施形態では、1回の静脈内注射を介して指定された投与量だけの細胞を投与する。いくつかの実施形態では、複数回の静脈内注射を介して細胞を投与するが、例えば、20日を超えない前提の下、複数回投与するか、または連続注入を介して細胞を投与する。
【0276】
疾患を予防または治療することにおける適切な投与量は、治療疾患のタイプ、キメラ抗原受容体または細胞のタイプ、疾患の重症度と疾患の経過、前記細胞が、予防または治療目的で投与されるかどうか、以前の治療、被験者の臨床履歴及び前記細胞の応答、および
主治医の医師の決定によって決定することができる。いくつかの実施形態では、前記組成物および細胞は、単一の時点または一連の治療で被験者に投与されることが好適である。
【0277】
いくつかの実施形態では、前記免疫エフェクター細胞は、併用治療の一部として、例えば、他の介入治療、例えば、抗体、操作された免疫エフェクター細胞、受容体または試薬、細胞毒性薬物などの他の治療剤または他の治療方法と併用されて同時に、または順次、任意の順序で投与される。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞は、1つ以上の他の治療法と併用されるか、または他の介入治療方法と併用されて、同時に、または順次、任意の順序で投与される。いくつかの状況では、前記免疫エフェクター細胞は、十分に近接した時間に他の治療と一緒に投与されることで、前記免疫エフェクター細胞集団または1つ以上の他の治療薬物または方法よりも大きな治療作用を起こし、逆にしても同様である。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の治療剤を投与する前に、前記免疫エフェクター細胞を投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の治療剤を投与した後、前記免疫エフェクター細胞を投与する。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の治療薬物は、持続性の増強させるためにIL-2、IL-12のようなサイトカインを含む。
【0278】
前記他の治療剤は、任意の適切な方法で投与されることができるが、例えば、静脈内または皮下注射、眼内注射、眼底注射、網膜下注射、ガラス体内注射、カウンターインターバル注射(counter-interval injection)、強膜下注射、脈絡膜内注射、前室注射(anterior chamber injection、)、結膜下(subconjectval)注射、結膜下(subconjuntival)注射、超強膜腔注射、球後注射、眼周囲注射または球周囲送達などの注射によって投与することができる。いくつかの実施形態では、これらは、非経口的、肺内、および鼻腔内に投与され、局所治療が望まれる場合、病巣内投与を進行することができる。腹腔外注入は、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、または皮下投与を含む。いくつかの実施形態では、1回の静脈内注射を介して指定された投与量だけの前記治療剤を投与する。いくつかの実施形態では、複数回の静脈内注射を介して細胞を投与するが、例えば、20日を超えない前提の下、複数回投与するか、または連続注入を介して投与する。
【0279】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、被験者にチューブリン阻害剤及び前記養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で被験者にチューブリン阻害剤と免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、被験者にチューブリン阻害剤を投与して、免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、前記被験者に、まず免疫エフェクター細胞を投与して、チューブリン阻害剤を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、前記被験者にチューブリン阻害剤と免疫エフェクター細胞をほぼ同時に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、前記被験者にチューブリン阻害剤と免疫エフェクター細胞を交互に投与するステップを含む。複数の治療過程で、前記チューブリン阻害剤と免疫エフェクター細胞は、同じまたは異なることができる。
【0280】
本明細書によるチューブリン阻害剤は、チューブリン重合促進剤およびチューブリン重合阻害剤を含む。チューブリン重合促進剤は、例えば、タキサン系(taxanes)、エポチロン(epothilones)、スポンジラクトン(sponge lactones)、およびラウリマリド(Laulimalide)などを含むが、これらに限定されない。チューブリン重合阻害剤は、コルヒチン(colchicine)、コンブレタスタチンA-4(Combretastatin A-4)、BPR0L075、プリナブリン(Plinabulin)(NPI-2358)、ナキテルピオシン(Nakiterpiosin)、ビンクリスチン(Vincristine)、ノコダゾール(Nocodazole)、ポドフィロトキシン(Podophyllotoxin)、ドラ
スタチン10(Dolastatins10)、インジブリン(Indibulin)(D-24851)およびエリブリン(Eribulin)などを含むが、これらに限定されない。
【0281】
タキサン(taxanes)系化合物は、パクリタキセル((paclitaxel、商品名:taxol)、アルブミン結合パクリタキセル(nab-paclitaxel、アブラキサン)、ドセタキセル(docetaxel)などおよびこれらの誘導体を含む。タキサン系チューブリン阻害剤は、微小管へのチューブリンの集合を促進し、微小管の解重合を阻害し、微小管の異常な配置と小惑星体の形成をもたらし、それによって紡錘体がその正常な機能を失い、最終的に細胞死につながる可能性がある。
【0282】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で、被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で、被験者にタキサン系薬物を投与して、免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で、前記被験者に、まず免疫エフェクター細胞を投与して、タキサン系薬物を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で、前記被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞をほぼ同時に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、1つの治療過程で、前記被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞を交互に投与するステップを含む。
【0283】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の治療過程で、被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の治療過程で、被験者にタキサン系薬物を投与してから、免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の治療過程で、前記被験者に、まず免疫エフェクター細胞を投与して、タキサン系薬物を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の治療の過程で、前記被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞をほぼ同時に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の治療過程で、前記被験者にタキサン系薬物および免疫エフェクター細胞を交互に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、異なる治療過程で、前記被験者に同じ量のタキサン系薬物および/または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、異なる治療過程で、前記被験者に異なる量のタキサン系薬物および/または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。用語「タキサン系(taxanes)薬物」は、タキサン系化合物を主成分として含まれている薬物を意味し、上前記タキサン系化合物は、タキサン系と同様のブリッジメチレンベンゾシクロデセンコア構造(bridge methylene benzocyclodecene core structure)を有する。いくつかの実施形態では、前記タキサン系化合物の前記ブリッジメチレンベンゾシクロデセンコア構造は、不飽和結合を含む。いくつかの実施形態では、前記タキサン系化合物の前記ブリッジメチレンベンゾシクロデセンコア構造は、不飽和結合を含まない。いくつかの実施形態では、前記タキサン系の前記ブリッジメチレンベンゾシクロデセンコア構造の炭素原子は、N、O、S、Pから選択されるヘテロ原子によって置換される。いくつかの実施形態では、前記タキサン系化合物は、注射の方法で投与される。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、癌の治療過程では、免疫細胞の活性および/または数を増加、増強または延長することができたり、または医学的に効果的な反応を起こす。免疫細胞の活性を「増加」または「増強」させるという用語は、被験者または腫瘍細胞が本明細書で公開されたその治療への反応能力が改善されるように許可することを意味する。例えば、増強された反応は、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%
、 75%、80%、85%、90%、95%または98%またはこれ以上に増強された反応性を含むことができる。本明細書に使用される「増強」は、例えば、免疫エフェクター細胞の治療のような反応の治療の被験者数の増加を意味することもできる。例えば、増強された反応は、反応の治療の被験者の合計のパーセンテージを意味することができ、ここで、パーセンテージは5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または98%以上である。いくつかの実施形態では、アブラキサン(Abraxane)のようなタキサン系化合物の投与量は、300mg/m/回より多くない、または約200mg/m/回より多くなく、好ましくは、100mg/m/回~200mg/m/回である。いくつかの実施形態では、アブラキサン(Abraxane)のようなタキサン系化合物の投与量は、約200mg/m/回、195mg/m2/回、190mg/m/回、185mg/m/回、180mg/m/回、175mg/m/回、170mg/m/回、165mg/m/回、160mg/m/回、155mg/m/回、150mg/m/回、145mg/m/回、140mg/m/回、135mg/m/回、130mg/m/回、125mg/m/回、120mg/m/回、115mg/m/回、110mg/m/回、105mg/m/回、100mg/m2/回、95mg/m/回、90mg/m/回、85mg/m/回、80mg/m/回、75mg/m/回、70mg/m/回、65mg/m/回、60mg/m/回、55mg/m/回、50mg/m/回、45mg/m/回、40mg/m/回、35mg/m/回、30mg/m/回、25mg/m/回、20mg/m/回、15mg/m/回、10mg/m/回、8mg/m/回、6mg/m/回、4mg/m/回、3mg/m/回、2mg/m/回または1mg/m/回であり、好ましくは、100mg/m/回~200mg/m/回である。いくつかの実施形態では、アブラキサン(Abraxane)のようなタキサン系化合物は、約6週間、5週間、4週間、3週間、2週間、1週、6日、5日、4日、3日、2日、または1日ごとに1回静脈内注入される。いくつかの実施形態では、アブラキサン(Abraxane)のようなタキサン系化合物の各治療過程で1回静脈内注入する。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞の治療は、タキサン系化合物を投与する1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、1ヶ月またはこれらの任意の組み合わせの前に実行される。いくつかの実施形態では、免疫エフェクター細胞の治療は、タキサン系化合物を投与した1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、1ヶ月またはこれらの任意の組み合わせ後に実行される。
【0284】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、初回投与量または後続投与量で投与する前に、例えば、化学療法薬物(化学治療剤)、全身放射線、局所放射線治療など、またはこれらの組み合わせのような前処理を実行するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、1つ以上の化学治療剤を使用して被験者に前処理を実行するステップを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、チューブリン阻害剤と1つ以上の他の化学治療剤を使用して被験者に前処理を実行するステップを含む。理論的には制限されない場合には、前処理の作用は、リンパ球除去、腫瘍の負担の減少などを含むが、これらに限定されないものと理解される。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、初回投与量または後続投与量で投与する前に、前記前処理を実行していないステップを含む。いくつかの実施形態では、前記前処理を実行していないのは、リンパ球の除去剤の非投与、全身放
射線治療またはこれらの組み合わせ、または他の手段で前処理を実行する場合、前記前処理を実行した被験者体内のリンパ球除去率はまだ50%、55%、60%、65%または70%よりも低い場合を含む。
【0285】
いくつかの実施形態では、本明細書による化学治療剤は、化学治療で使用される薬物を意味するもので、微生物感染症、寄生虫病や悪性腫瘍の予防、治療作用のある化学薬物を意味する。化学治療剤は、合成抗菌薬、抗生物質、抗寄生虫剤、抗真菌薬、抗ウイルス薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗結核薬、および抗腫瘍薬を含むが、これらに限定されない。例えば、ジテルペンアルカロイド化合物(diterpene alkaloid compounds)(タキサンなど)、シクロホスファミド、フルダラビン、シクロスポリン(cyclosporine)、ラパマイシン(rapamycin)、マイコフェノール酸(mycophenolic acid)、ステロイド(steroids)、メルファラン(melphalan)、ベンダムスチン(bendamustine)、アスパラギナーゼ(asparaginase)、ブスルファン(busulfan)、カルボプラチン(carboplatin),シスプラチン(cisplatin)、ダウノルビシン(daunorubicin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、フルオロウラシル(fluorouracil)、ヒドロキシ尿素(hydroxyurea)、メトトレキサート(methotrexate)、リツキシマブ(rituximab)、ビンブラスチン(vinblastine)、および/またはビンクリスチン(vincristine)などである。いくつかの実施形態では、前記代謝拮抗薬は、カルモフル、テガフル(tegafur)、ペントスタチン(pentostatin)、デオキシフルリジン、トリメキサート(trimexate)、フルダラビン、カペシタビン、ガロピタビン(gallopitabine)、シタラビンステアリルナトリウムホスフェート(cytarabine stearyl sodium phosphate)、フォステアビンナトリウム水和物(fosteabine sodium hydrate)、ラルチトレキセド(raltitrexed)、パルチトレキセド(paltitrexid)、ジピリテフル(dipyriteflu)、チアゾフリン(tiazofurin)、ノルラトレキセド(norlatrexed)、ペメトレキセド(pemetrexed)、ネルザラビン(nelzarabine)、2’-デオキシ-2’-メチレンシチジン(2’-deoxy-2’-methylenecytidine)、2’-フルオロメチレン-2’-デオキシシチジン(2’-fluoromethylene-2’-deoxycytidine)、N-[5-(2,3-二水素-ベンゾフラン)スルホニル]-N’-(3,4-ジクロロフェニル)尿素(N-[5-(2,3-dihydrogen-benzofuranyl)sulfonyl]-N’-(3,4-dichlorophenyl)urea)、N6-[4-デオキシ-4-[N2-[2(E)、4(E)-テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]-L-グリセロール-B-L-マンノース-ヘプタノシルピラノシル]アデニン(4(E)-tetradecadienoyl]glycylamino]-L-glycerol-BL-mannose-heptanosylpyranosyl]adenine)、アプリジン(aplidine)、アスシジン(ascidin)、4-[2-アミノ-4-オキソ-4,6,7,8-テトラヒドロ-3H-ピリミド[5,4-b]チアジン-6-イル-(S)-エチル]-2,5-チエノイル-L-グルタミン酸(4-[2-amino-4-oxo-4,6,7,8-tetrahydro-3H-pyrimido[5,4-b]thiazin-6-yl-(S)-ethyl]-2,5-thienoyl-L-glutamic acid)、アミノプテリン(aminopterin)、5-フルオロウラシル、アラノシン(alanosine)、11-アセチル-8-(カルバモイルオキシメチル)-4-ホルミル-6-メトキシ-14-オキサ-1,11-ジアザテトラサイクリン(7.4.1.0.0)-テトラデカノ-2,4,6-トリエン-9-イルアセテート(11-acetyl-8-(carbamoyloxymethyl)-4-formyl-6-methoxy-14-oxa-1,11-diazate
tracycline(7.4.1.0.0)-tetradecano-2,4,6-triene-9-yl acetate)、スウェインソニン(swainsonine)、ロメトリソル(lometrisol)、デクスラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ(methioninase)、2’-シアノ-2’-デオキシ-N4-パルミトイル-1-B-D-アラビノフラノシルシトシン(2’-cyano-2’-deoxy-N4-palmitoyl-1-B-D-arabinofuranosyl cytosine )および3-アミノピリジン-2-アルデヒドチオセミカルバゾン(3-aminopyridine-2-aldehyde thiosemicarbazone)などを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、前記アルキル化剤は、ダカルバジン(dacarbazine)、クロラムブシル(chlorambucil)、シクロホスファミド、テモゾロミド(temozolomide)、クロラムブシル(chlorambucil)、ブスルファン、クロラムブシル(chlorambucil)およびニトロソ尿素(nitrosourea)などを含むが、これらに限定されない。
【0286】
初回投与量または後続投与量で投与する前に、被験者を前処理して免疫エフェクター細胞の治療効果を向上させることができる。各治療過程で免疫エフェクター細胞(例えば、CAR T細胞)を投与する最初の注入の日を第0日を指定する。免疫エフェクター細胞の注入を実行する前に、前処理する。いくつかの実施形態では、養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与する少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日または30日前までに前処理する。いくつかの実施形態では、1つの化学治療剤を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、2つまたは2つ以上の化学治療剤を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、1つの微小管阻害剤と1つ以上の他の化学治療剤を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、2つの微小管阻害剤と1つ以上の他の化学治療剤を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、チューブリン重合促進剤などの1つの微小管阻害剤1つ以上のアルキル化剤、および1つまたは複数の代謝拮抗薬を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、1つ以上のパクリタキセル系と1つ以上のアルキル化剤、および1つまたは複数の代謝拮抗薬を使用して前処理する。いくつかの実施形態では、一つの微小管阻害剤(例えば、パクリタキセルは、特にアルブミン結合パクリタキセル)と2つの他の化学治療剤(例えば、フルダラビンおよびシクロホスファミド)を使用して前処理する。説明の便宜の目的のために、フルダラビンおよびシクロホスファミドを、代表的な化学治療剤にして(アルブミン結合)パクリタキセルを、代表的な微小管阻害剤で、1つの微小管阻害剤および2つの他の化学治療剤を使用して前処理する場合の具体的な実施形態を説明する。例えば、いくつかの実施形態では、フルダラビン、またはシクロホスファミドおよびアルブミン結合パクリタキセルを単独で使用するか、2つずつの組み合わせ、または3つを併用して前処理としてCAR-T細胞を注入する少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日または30日前までに、被験者に投与して、好ましくは、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日または20日前までに、被験者に投与し、より好ましくは、少なくとも2日、3日、4日、5日、6日、7日または8日前までに、被験者に投与する。いくつかの実施形態では、前処理は、CAR-T細胞を注入する6日前にフルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、前処理は、CAR-T細胞を注入する7日前にフルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、前処理は、CAR-T細胞を注入する5日前にフルダラビンおよびシクロホスファミドを投与することを含む。いくつかの実施形態では、前処理は、CA
R-T細胞を注入する6日前にフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。いくつかの実施形態では、前処理は、CAR-T細胞を注入する4日前にアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0287】
上述したように、患者の各治療過程でCAR T細胞治療を行った日を第0日を指定する。いくつかの実施形態では、CAR T細胞治療を実行する前に、いつでもフルダラビン、シクロホスファミドおよびアルブミン結合パクリタキセルを投与することができる。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する少なくとも7日、少なくとも6日、少なくとも5日、少なくとも4日、少なくとも3日、少なくとも2日、少なくとも1日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する少なくとも12日、少なくとも11日、少なくとも10日、少なくとも9日、少なくとも8日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する7日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する6日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する12日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する5日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する4日前にフルダラビン、シクロホスファミドまたはアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。
【0288】
いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する7日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する7日前にシクロホスファミドを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する6日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する6日前にシクロホスファミドを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する5日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する5日前にシクロホスファミドを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する12日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する12日前にシクロホスファミドを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する5日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞砲を注入する5日前にシクロホスファミドを投与し始め、CAR T細胞を注入する4日前にアルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する6日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する6日前にシクロホスファミドを投与し始め、CAR T細胞を注入する5日前アルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。いくつかの実施形態では、CAR T細胞を注入する12日前にフルダラビンを投与し始め、CAR T細胞を注入する12日前にシクロホスファミドを投与し始め、CAR T細胞を注入する11日前アルブミン結合パクリタキセルを投与し始める。
【0289】
前処理した成分を調整することができる時期は、CAR Tの治療効果が最も大きい時期である。一般的に、毎日フルダラビン、シクロホスファミド、および/またはアルブミン結合パクリタキセルを投与することができる。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビン、シクロホスファミドおよびアルブミン結合パクリタキセルを約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、または約7日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを4日間投与し、毎日シクロホスファミドを2日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを2日間投与し、毎日シクロホスファミドを3日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを2日間投与し、毎日シクロホスファミドを4日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを1日間投与し、毎日シクロホスファミドを3日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日のフルダラビンを
1日間投与し、毎日シクロホスファミドを4日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを4日間投与し、毎日シクロホスファミドを2日間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを1日間投与し、毎日シクロホスファミドを3日間投与し、毎日アルブミン結合パクリタキセルを1日の間投与する。いくつかの実施形態では、毎日フルダラビンを1日間投与し、毎日シクロホスファミドを4日間投与し、毎日アルブミン結合パクリタキセルを1日の間投与する。
【0290】
上述したように、患者にCAR T細胞治療を実行する日を第0日を指定する。いくつかの実施形態では、第0日に前の第4日(すなわち、第-4日)に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-12日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日および第-5日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日および第-4日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-7日、第-6日、第-5日および第-4日に患者にフルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日、第-5日および第-4日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日、第-4日および第-2日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-12日、第-11日および第10日に、患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-7日及び第-6日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日および第-5日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-4日に患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日に患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-11日に患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日および第-4日に患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。
【0291】
同じ日または別の日にフルダラビン、シクロホスファミドとアルブミン結合パクリタキセルを投与することができる。同じ日にフルダラビン、シクロホスファミドとアルブミン結合パクリタキセルを投与すれば、フルダラビン前または後にシクロホスファミドおよび/またはアルブミン結合パクリタキセルを投与することができたり、またはシクロホスファミドの前または後にフルダラビンおよび/またはアルブミン結合パクリタキセルを投与することができたり、またはアルブミン結合パクリタキセルの前または後にシクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与することができる。いくつかの実施形態では、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日および第-5日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-7日、第-6日、第-5日および第-4日に患者にフルダラビンを投与し、第-7日及び第-6日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日および第-4日に患者にフルダラビンを投与し、第-5日、第-4日および第-2日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日および第-5日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日に患者にフルダラビンを投与し、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、第-5日に患者にフルダ
ラビンを投与し、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与し、第-4日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日に患者にシクロホスファミドを投与し、第-5日アルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-12日に患者にフルダラビンを投与し、第-12日、第-11日および第10日に、患者にシクロホスファミドを投与し、第-11日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、第-6日に患者にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日に患者にシクロホスファミドを投与し、第-5日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。
【0292】
いくつかの実施形態では、フルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルを同時にまたは連続して投与することができる。いくつかの実施形態では、フルダラビンを投与する前に、患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、フルダラビンを投与した後、患者にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、フルダラビンを投与する前に、患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、フルダラビンを投与する前後に患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、シクロホスファミドを投与する前に、患者にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、シクロホスファミドを投与した後、アルブミン結合パクリタキセルを投与する。
【0293】
任意の経路(静脈注射(IV)を含む)を利用して、フルダラビン、シクロホスファミドとアルブミン結合パクリタキセルを投与することができる。いくつかの実施形態では、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約90分、約120分でIVを利用して、フルダラビンを投与する。いくつかの実施形態では、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約90分、約120分でIVを利用して、シクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、約10分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分、約90分、約120分でIVを利用して、アルブミン結合パクリタキセルを投与する。
【0294】
いくつかの実施形態では、フルダラビンとシクロホスファミドの投与するか、フルダラビン、シクロホスファミドとアルブミン結合パクリタキセルを投与する際、患者にT細胞治療を行う。いくつかの実施形態では、前記T細胞治療は、養子細胞治療または免疫エフェクター細胞治療を含む。いくつかの実施形態では、養子細胞治療または免疫エフェクター細胞の治療は、腫瘍の浸潤リンパ球(TIL)免疫治療、自己細胞治療、操作された自己細胞治療(eACT)、および同種異系T細胞移植法から選択される。いくつかの実施形態では、eACTは操作された抗原特異的キメラ抗原受容体(CAR T)陽性T細胞の投与を含む。いくつかの実施形態では、eACTは操作された抗原特異的T細胞受容体(TCR)陽性T細胞の投与を含む。いくつかの実施形態では、操作されたT細胞は、患者の腫瘍を治療する。
【0295】
いくつかの実施形態では、前処理は、約500mg/m/日、490mg/m/日、480mg/m/日、470mg/m/日、460mg/m/日、450mg/m/日、440mg/m/日、430mg/m/日、420mg/m/日、410mg/m/日、400mg/m/日、390mg/m/日、380mg/m/日、370mg/m/日、360mg/m/日、350mg/m/日、340mg/m/日、330mg/m/日、320mg/m/日、310mg/m/日、300mg/m/日、290mg/m/日、280mg/m/日、270mg/m/日、260mg/m/日、250mg/m/日、240mg/m/日、230mg/m/日、220mg/m/日、210mg/m/日、200mg/m/日、
190mg/m/日、180mg/m/日、170mg/m/日、160mg/m/日、150mg/m/日、140mg/m/日、130mg/m/日、120mg/m/日、110mg/m/日、100mg/m/日、90mg/m/日、85mg/m/日、70mg/m/日、65mg/m/日、60mg/m/日、55mg/m/日、50mg/m/日、49mg/m/日、48mg/m/日、47mg/m/日、46mg/m/日、45mg/m/日、44mg/m/日、43mg/m/日、42mg/m/日、41mg/m/日、40mg/m/日、39mg/m/日、38mg/m/日、37mg/m/日、36mg/m/日、35mg/m/日、34mg/m/日、33mg/m/日、32mg/m/日、31mg/m/日、30mg/m/日、29mg/m/日、28mg/m/日、27mg/m/日、26mg/m/日、25mg/m/日、24mg/m/日、23mg/m/日、22mg/m/日、21mg/m/日、20mg/m/日、19mg/m/日、18mg/m/日、17mg/m/日、16mg/m/日、15mg/m/日、14mg/m/日、13mg/m/日、12mg/m/日、11mg/m/日、10mg/m/日、9mg/m/日、8mg/m/日、7mg/m/日、6mg/m/日、5mg/m/日、4mg/m/日、3mg/m/日、2mg/m/日、1mg/m/日より多くないフルダラビンの投与、および/または約1000mg/m/日、950mg/m/日、900mg/m/日、850mg/m/日、800mg/m/日、750mg/m/日、700mg/m/日、690mg/m/日、680mg/m/日、670mg/m/日、660mg/m/日、650mg/m/日、640mg/m/日、630mg/m/日、620mg/m/日、610mg/m/日、600mg/m/日、595mg/m/日、590mg/m/日、585mg/m/日、580mg/m/日、579mg/m/日、578mg/m/日、576mg/m/日、575mg/m/日、574mg/m/日、573mg/m/日、572mg/m/日、571mg/m/日、570mg/m/日、569mg/m/日、568mg/m/日、567mg/m/日、566mg/m/日、565mg/m/日、564mg/m/日、563mg/m/日、562mg/m/日、561mg/m/日、560mg/m/日、559mg/m/日、558mg/m/日、557mg/m/日、556mg/m/日、555mg/m/日、554mg/m/日、553mg/m/日、552mg/m/日、551mg/m/日、550mg/m/日、549mg/m/日、548mg/m/日、547mg/m/日、546mg/m/日、545mg/m/日、544mg/m/日、543mg/m/日、542mg/m/日、541mg/m/日、540mg/m/日、539mg/m/日、538mg/m/日、537mg/m/日、536mg/m/日、535mg/m/日、534mg/m/日、533mg/m/日、532mg/m/日、531mg/m/日、530mg/m/日、529mg/m/日、528mg/m/日、527mg/m/日、526mg/m/日、525mg/m/日、524mg/m/日、523mg/m/日、522mg/m/日、521mg/m/日、520mg/m/日、519mg/m/日、518mg/m/日、517mg/m/日、516mg/m/日、515mg/m/日、514mg/m/日、513mg/m/日、512mg/m/日、511mg/m/日、510mg/m/日、509mg/m/日、508mg/m/日、507mg/m/日、506mg/m/日、505mg/m/日、504mg/m/日、503mg/m/日、502mg/m/日、501mg/m/日、500mg/m/日、490mg/m/日、480mg/m/日、470mg/m/日、460mg/m/日、450mg/m/日、440mg/m/日、430mg/m/日、420mg/m/日、410mg/m/日、400mg/m/日、390mg/m/日、380mg/m/日、370mg/m/日、360mg/m/日、350mg/m/日、340mg/m/日、330mg/m/日、320mg/m/日、310mg/m/日、300mg/
/日、290mg/m/日、280mg/m/日、270mg/m/日、260mg/m/日、250mg/m/日、240mg/m/日、230mg/m/日、220mg/m/日、210mg/m/日、200mg/m/日、190mg/m/日、180mg/m/日、170mg/m/日、160mg/m/日、150mg/m/日、140mg/m/日、130mg/m/日、120mg/m/日、110mg/m/日、100mg/m/日、90mg/m/日、80mg/m/日、70mg/m/日、60mg/m/日、50mg/m/日、40mg/m/日、30mg/m/日、20mg/m/日または10mg/m/日より多くないシクロホスファミドの投与、および/または約500mg/m/日、450mg/m/日、400mg/m/日、350mg/m/日、300mg/m/日、290mg/m/日、280mg/m/日、270mg/m/日、265mg/m/日、260mg/m/日、255mg/m/日、250mg/m/日、245mg/m/日、240mg/m/日、235mg/m/日、230mg/m/日、225mg/m/日、220mg/m/日、215mg/m/日、210mg/m/日、205mg/m/日、200mg/m/日、195mg/m/日、190mg/m/日、185mg/m/日、180mg/m/日、175mg/m/日、170mg/m/日、165mg/m/日、160mg/m/日、155mg/m/日、150mg/m/日、145mg/m/日、140mg/m/日、135mg/m/日、130mg/m/日、125mg/m/日、120mg/m/日、115mg/m/日、110mg/m/日、105mg/m/日、100mg/m/日、99mg/m/日、98mg/m/日、97mg/m/日、96mg/m/日、95mg/m/日、94mg/m/日、93mg/m/日、92mg/m/日、91mg/m/日、90mg/m/日、89mg/m/日、88mg/m/日、87mg/m/日、86mg/m/日、85mg/m/日、84mg/m/日、83mg/m/日、82mg/m/日、81mg/m/日、80mg/m/日、79mg/m/日、78mg/m/日、77mg/m/日、76mg/m/日、
75mg/m/日、74mg/m/日、73mg/m/日、72mg/m/日、71mg/m/日、70mg/m/日、69mg/m/日、68mg/m/日、67mg/m/日、66mg/m/日、65mg/m/日、64mg/m/日、63mg/m/日、62mg/m/日、61mg/m/日、60mg/m/日、59mg/m/日、58mg/m/日、57mg/m/日、56mg/m/日、55mg/m/日、54mg/m/日、53mg/m/日、52mg/m/日、51mg/m/日、49mg/m/日、48mg/m/日、47mg/m/日、46mg/m/日、45mg/m/日、44mg/m/日、43mg/m/日、42mg/m/日、41mg/m/日、40mg/m/日、35mg/m/日、30mg/m/日、25mg/m/日、20mg/m/日、15mg/m/日、10mg/m/日、5mg/m/日または1mg/m/日より多くないアルブミン結合パクリタキセルの投与を含む。
【0296】
いくつかの実施形態では、前処理は、約10mg/m/日~50mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約300mg/m/日~700mg/m/日の投与量でシクロホスファミミッド投与することを含む。
【0297】
いくつかの実施形態では、前処理は、約10mg/m/日~50mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与し、約300mg/m/日~700mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与し、約300mg/m/日より多くなく、約200mg/m/日より多くなく、約150mg/m/日より多くなく、100mg/m/日より多くなく、80mg/m/日より多くなく、または70mg/m/日より多くない投与量でアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、前処理は、約15mg/m/日~40mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約400mg/m/日~650mg/m/日の投与量でシクロホスファミミッドを投与することを含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、前処理は、約15mg/m/日~40mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約400mg/m/日~650mg/m/日の投与量でシクロホスファミミッドを投与し、約300mg/m/日より多くなく、約200mg/m/日より多くなく、約150mg/m/日より多くなく、100mg/m/日より多くなく、80mg/m/日より多くなく、または70mg/m/日より多くない量でアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0300】
いくつかの実施形態では、前処理は、約15mg/m/日~30mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与することを含む。
【0301】
いくつかの実施形態では、前処理は、約15mg/m/日~30mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与して、約300mg/m/日より多くなく、約200mg/m/日よりも多くなく、約150mg/m/日より多くなく、100mg/m/日より多くなく、80mg/m/日より多くなく、または70mg/m/日より多くない量でアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0302】
いくつかの実施形態では、前処理は、約20mg/m/日~30mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与することを含む。
【0303】
いくつかの実施形態では、前処理は、約20mg/m/日~30mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与し、約300mg/m/日より多くなく、約200mg/m/日よりも多くなく、約150mg/m/日より多くなく、100mg/m/日より多くなく、80mg/m/日より多くなく、または70mg/m/日より多くない量でアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、前処理は、約20mg/m/日~25mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与することを含む。
【0305】
いくつかの実施形態では、前処理は、約15mg/m/日~25mg/m/日の投与量でフルダラビンを投与して、約450mg/m/日~600mg/m/日、450mg/m/日~550mg/m/日または490mg/m/日~550mg/m/日の投与量でシクロホスファミドを投与し、約300mg/m/日より多くなく、約200mg/m/日よりも多くなく、約150mg/m/日より多くなく、100mg/m/日より多くなく、80mg/m/日より多くなく、または70mg/m/日より多くない量でアルブミン結合パクリタキセルを投与することを含む。
【0306】
いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日にフルダラビンを投与し、第-6日および第-5日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約514mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-7日、第-6日、第-5日および第-4日にフルダラビンを投与し、第-7日及び第-6日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約514mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-5日および第-4日にフルダラビンを投与し、第-5日、第-4日および第-2日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約514mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日および第-5日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約510mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日および第-5日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-5日にフルダラビンを投与し、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約540mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビンと投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドを投与するステップを含み、ここで、第-12日にフルダラビンを投与し、第-12日、第-11日および第10日にシクロホスファミドを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビン、投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドと投与量が約100mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-5日にフルダラ
ビンを投与し、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与し、第-4日にアルブミン結合パクリタキセル。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビン、投与量が約540mg/m/日であるシクロホスファミドと投与量が約71mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日にシクロホスファミドを投与し、第-5日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビン、投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドと投与量が約71mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-12日にフルダラビンを投与し、第-12日、第-11日および第10日にシクロホスファミドを投与し、第-11日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビン、投与量が約500mg/m/日であるシクロホスファミドと投与量が約100mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日および第-4日にシクロホスファミドを投与し、第-5日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約20mg/m/日であるフルダラビン、投与量が約507mg/m/日であるシクロホスファミドと投与量が約68mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-6日にフルダラビンを投与し、第-6日、第-5日、第-4日および第-3日にシクロホスファミドを投与し、第-5日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。いくつかの実施形態では、本発明は、免疫エフェクター細胞を注入する前に、前処理する方法を含み、前記方法は、前記患者に投与量が約137mg/m/日であるアルブミン結合パクリタキセルを投与するステップを含み、ここで、第-4日にアルブミン結合パクリタキセルを投与する。
【0307】
ここで、前記方法は、他の様々な介入(interventions)を含むことができる。例えば、シクロホスファミドとフルダラビンは投与された後、患者の有害効果を引き起こすことができる。本発明の範囲は、患者に組成物を投与して、これらの有害な効果の一部の効果を減少させることを含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、患者に生理食塩水を投与するステップを含む。シクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与する前または後に、またはシクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与する前と後の患者に生理食塩水を投与することができる。いくつかの実施形態では、注入日ごとにシクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与する前に、およびシクロホスファミドおよび/またはフルダラビンを投与した後、患者に生理食塩水を投与する。なお、患者にアジュバントと賦形剤を投与することもできる。例えば、メスナ(Mesna)((2-メルカプトエタンスルホン酸ナトリウム)(sodium 2-mercaptoethane sulfonate))を投与することもできる。なお、患者に外因性サイトカイン(exogenous cytokine)を投与することもできる。
【0308】
いくつかの実施形態では、初回投与量または後続投与量で注入する前に、前処理することにより、治療の結果を改善させる。例えば、いくつかの態様では、前処理は、初回投与量または後続投与量で治療効果を向上させるか、または被験者のキメラ抗原受容体-発現免疫エフェクター細胞(例えば、CAR-発現T細胞のようなCAR-発現免疫エフェクター細胞)の持続性を増加させる。いくつかの実施形態では、前処理の治療は疾患の安定期を増加させる。
【0309】
一度被験者(例えば、ヒト)に免疫エフェクター細胞を投与すれば、いくつかの態様では、様々な公知の方法のいずれかの方法で操作された免疫エフェクター細胞集団の生物学的活性を測定する。評価に使用されるパラメータは、操作されたり、自然なT細胞または他の免疫細胞と抗原の特異的結合、体内方式(例えば、画像を通じた方式)または体外方式(例えば、ELISAまたはフローサイトメトリー分析を通じた方法)を含む。いくつかの実施形態では、操作された免疫エフェクター細胞が標的細胞を破壊する能力は、本技術分野で公知された任意の適切な方法で検出することができる。例えば、Kochenderferら、J . Immunotherapy, 32 (7): 689-702(2009)及びHermanら、J. Immunological Methods, 285 (1): 25-40 (2004)である文献での細胞毒性実験を通して検出することができる。いくつかの実施形態では、例えばCD107a、IFNγ、IL-2およびTNFなど、いくつかのサイトカインの発現および/または分泌を測定して、免疫エフェクター細胞の生物学的活性を測定することもできる。いくつかの態様では、生物学的活性は、例えば、腫瘍の負担や負荷の減少のような臨床結果を評価して測定する。いくつかの態様では、腫瘍マーカーの減少を評価する。いくつかの態様では、細胞の毒性の結果、持続性および/または増殖、および/または宿主の免疫反応の存在または不在を評価する。
【0310】

投与
本発明では、多数の投与量の免疫エフェクター細胞の投与時間と大きさは、一般的に設計を使用してリスクを低減させたり、または毒性の結果を最小限にするか、および/または効果を向上させる、例えば、時間に応じて、免疫エフェクター細胞の被験者の露出増加を提供する。前記方法は、一般的に1つまたは複数の後続投与量の前に、異なる投与量の間の特定の時間範囲内で初回投与量で投与するステップを含む。
【0311】
免疫エフェクター細胞治療の場合には、指定された「投与量」で投与することは、単一の組成物および/または1回連続的に投与することを含むが、例えば、1回の注射または連続注入として指定量または数の免疫エフェクター細胞を投与することを含み、また、20日、19日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日または2日を超えない特定の時点内に、分割量で、多数の単独組成物または注入物の提供で、指定量または数の免疫エフェクター細胞を投与することを含む。したがって、初回投与量または後続投与量は、単一の時点に投与されるか開始された指定された数の免疫エフェクター細胞の1回または連続投与量である。しかし、いくつかの状況では、初回投与量または後続投与量は、20日、19日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日または2日を超えない時点内に複数の回の注射または注入されるが、例えば、毎日1回ずつ、3日または2日間持続するか、または1日複数回注入する。いくつかの態様では、初回投与量の免疫エフェクター細胞は、単一の薬物組成物で投与される。いくつかの実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞は、単一の薬物組成物で投与される。いくつかの実施形態では、初回投与量の免疫エフェクター細胞は、全体に初回投与量の免疫エフェクター細胞が含有された多数の組成物で投与される。いくつかの実施形態では、後続投与量の免疫エフェクター細胞は、全体の後続投与量の免疫エフェクター細胞が含有された多数の組成物で投与される。いくつかの態様では、20日、19日、18日、17日、16日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日または2日を超えない時間内に多数の組成物に追加の後続の使投与量で投与することができる。
【0312】
用語「分割量」は、単一の投与量で、前記単一の投与量を複数回に分けて投与される一部分を意味し、前記単一の投与量が一日を超えている時間内に被験者に投与する方法で投
与されるようにする。いくつかの実施形態では、初回投与量および/または各後続投与量は、いずれも2回または2回以上の分割量として投与することができる。例えば、いくつかの実施形態では、3日、5日、14日または15日以内に、被験者に前記投与量(前記投与量は、初回投与量の総投与量または後続投与量の総投与量である)で投与することができる。分割投与する例示的な方法は、(患者に毎回CAR T細胞治療を実行する日を第0日を指定する)第0日に総投与量の50%の分割量で投与し、2日目に総投与量の50%の分割量で投与するステップを含む。他の実施形態では、第0日に総投与量の10%で投与することができ、第2日に総投与量の30%で投与し、4日目に総投与量の60%に投与する。いくつかの実施形態では、第0日に総投与量の10%の分割量で投与し、第1日に総使投与量の30%の分割量で投与し、2日目に総投与量の60%の分割量で投与する。いくつかの実施形態では、第0日に総投与量の3分の1の分割量で投与し、第11日に総投与量の3分の1の分割量で投与し、第14日に総投与量の3分の1の分割量で投与する。いくつかの実施形態では、第0日に総投与量の46%の分割量で投与し、第1日に総使投与量の18%の分割量で投与し、2日目に総投与量の36%の分割量で投与する。いくつかの実施形態では、第0日に総投与量の25%の分割量で投与し、2日目に総投与量の25%の分割量で投与し、第9日に総投与量の25%の分割量で投与し、第13日に総投与量の25%の分割量で投与する。いくつかの実施形態では、単一の投与量を回数を分けて投与するフルタイムの拡散は15日を超えない。
【0313】
本文に使用されたように、「初回投与量」は、本明細書による方法に基づいて治療する最初の治療過程で投与される総投与量を説明するためのものである。前記投与量は、単一の治療過程の実行において、前記治療過程で投与される総投与量、または複数の治療過程を実行する最初の治療過程で投与される総投与量と同じである。前記用語は、被験者が本明細書による方法で治療を受ける前に、免疫エフェクター細胞の治療を受けたことがないか、または被験者が以前に同じキメラ抗原受容体を発現するか、または同じ抗原を標的化するのと同じ免疫エフェクター細胞を投与したことのない投与量を意味しない。
【0314】
初回投与量に比べて、用語「後続投与量」は、複数の治療過程を実行する初回投与量で投与した後の各治療過程で投与される、単一の使投与量や、各治療過程での総投与量を意味する。いくつかの実施形態では、前記方法は、複数の治療過程の実行、すなわち1つ以上の後続投与量で投与するステップを含み、ここで、最初の後続投与量を第2の治療過程の投与量と呼ばれ、第二の後続投与量は第3の治療過程の投与量とも呼ばれ、このように類推する。また、一連の投与量では、以前の投与量は、その後に直接投与される後続投与量のすぐ前の投与量である。いくつかの実施形態では、初回投与量に類似した投与時間と方式を適用して、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、初回投与量との最初の後続投与量または第2の治療過程の投与量との間の間隔と多数の後続投与量との間の間隔は、同一または異なっていているが、上述した通りである。
【0315】
投与量の量または大きさ
一般的に、初回投与量および/または1つまたは複数の後続投与量の投与量大きさを設計して改善された効果および/または減少された毒性の危険性を提供する。いくつかの実施形態では、初回投与量、または単一の後続投与量での免疫エフェクター細胞の数は、約1×10細胞/kg被験者体重~約3×10細胞/kg被験者体重より多いか、少ないか、等しい、例えば、約1×10、1.5×10、2×10、2.5×10、3×10、3.5×10、4×10、4.5×10、5×10、5.5×10
6×10、6.5×10、7×10、7.5×10、8×10、8.5×10
、9×10、9.5×10、1×10、1.5×10、2×10、2.5×10
、3×10、3.5×10、4×10、4.5×10、5×10、5.5×1
、6×10、6.5×10、7×10、7.5×10、8×10、8.5×
10、9×10、9.5×10、1×10、1.5×10、2×10、2.5
×10、3×10、3.5×10、4×10、4.5×10、5×10、6×10、6.5×10、7×10、7.5×10、8×10、8.5×10、9
×10、9.5×10、1×10、1.5×10、2×10、2.5×10
3×10、3.5×10、4×10、4.5×10、5×10、5.5×10
、6×10、6.5×10、7×10、7.5×10、8×10、8.5×10
、9×10、9.5×10、1×10、1.5×10、2×10、2.5×1
、3×10、3.5×10、4×10、4.5×10、5×10、5.5×
10、6×10、6.5×10、7×10、7.5×10、8×10、8.5
×10、9×10、9.5×10、1×1010、1.5×1010、2×1010、2.5×1010、3×1010、3.5×1010、4×1010、4.5×1010
、5×1010、5.5×1010、6×1010、6.5×1010、7×1010、7.5×1010、8×1010、8.5×1010、9×1010、9.5×1010、1
×1011細胞/kg被験者体重より多いか、少ないか、等しい。
【0316】
具体的な実施形態では、免疫エフェクター細胞の数および/または濃度は、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)-発現免疫エフェクター細胞の数を意味する。他の実施形態では、免疫エフェクター細胞の数および/または濃度は、投与されるすべての細胞、T細胞または末梢血単核細胞(PBMC)の数または濃度を意味する。
【0317】
いくつかの実施形態では、初回投与量での免疫エフェクター細胞、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)発現細胞、T細胞または末梢血単核細胞(PBMC)の数は、約1×10個のこれらの細胞/kg被験者体重より多いが、例えば、約または少なくとも約1×10、1.1×10、2×10、2.9×10、3×10、3.3×10、5
×10、1×10、1.3×10、1.6×10、2.6×10、2.8×10、3×10、5×10、2.5×10、1×10、1×1010、5×1010
個のこれらの細胞/kg体重、または任意の2つの前述した値との間の範囲である。
【0318】
いくつかの実施形態では、後続投与量で投与される免疫エフェクター細胞数は、本明細書の任意の実施形態に係る初回投与量で投与される免疫エフェクター細胞数と同じか類似または多いが、例えば、約1×10と同じか、約1×10、1×10と同じか、約1×10、1.3×10と同じか、約1.3×10、1.6×10と同じか、約1.6×10、1.9×10と同じか、約1.9×10、2×10と同じか、約2×10、2.2×10と同じか、約2.2×10、3.7×10と同じか、約3.7×10、5×10と同じか、約5×10、または5.1×10と同じか、約5.1×10、または1×10と同じか、約1×10、または2.5×10と同じか、約2.5×10、または1×10と同じか、約1×10、または1×1010と同じか、約1×1010、または5×1010と同じか、約5×1010個のこれらの細胞/kg被験者体重、または任意の2つの前述した値との間の範囲である。
【0319】
免疫エフェクター細胞数については、いくつかの実施形態では、これらの値は、キメラ抗原受容体-発現(例えば、CAR-発現)細胞の数を意味し、他の実施形態では、これらの投与されるT細胞またはPBMCまたは全細胞の数を意味する。
【0320】
いくつかの態様では、後続投与量は、初回投与量よりも多いか、同じか、少ない。例えば、いくつかの実施形態では、後続投与量は、約1×10を超える細胞、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)-発現細胞、T細胞および/またはPBMC/kg被験者体重を含み、例えば、約または少なくとも約1×10、1×10、1.3×10、1.6×10、1.9×10、2×10、2.2×10、3.7×10、5×10、5.1×10、1×10、2.5×10、1×10、1×1010、5×1010
のこれらの細胞/kg被験者体重、または任意の2つの前述した値との間の範囲内の値、
それぞれ端の値を含む。
【0321】
いくつかの実施形態では、後続投与量の量または大きさは、腫瘍の負担またはその指数、および/または疾患または病症の1つまたは複数の症状を十分に減少させる。いくつかの実施形態では、投与量は、被験者の生存を効果的に改善させる大きさを備えており、例えば、被験者の生存を誘導し、無再発生存または無事件の生存が少なくとも1ヶ月または少なくとも1年、2年、3年、4年または5年の間に持続させるなど、被験者の生存を改善させる大きさを備える。
【0322】
いくつかの実施形態では、初回投与量または後続投与量で投与する前の時刻に比較して、後続投与量で投与した後、腫瘍大きさ、腫瘍体積および/または腫瘍質量を含む腫瘍の負担は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または90%以上と同じまたは約これだけに減少される。
【0323】
他の実施形態では、後続投与量で投与される免疫エフェクター細胞の数は、初回投与量で投与される免疫エフェクター細胞の数より少ない。
【0324】
いくつかの態様では、1つまたは複数の基準に基づいて、初回投与量または後続投与量の大きさを決定するために、例えば、化学療法のような以前の治療のために被験者の反応、腫瘍体積、大きさ、程度のような腫瘍の負担、または転移のタイプ、段階、および/またはいずれかの中末期がんでよく表示される癌性胸膜および腹水などの合併症は、および/または被験者のCRS、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、神経毒性などの毒性の結果が表示される可能性や発生率、および/または投与される細胞および/またはキメラ抗原受容体の宿主免疫反応に基づいて決定する。
【0325】
本発明の示唆に基づいて、当業者は、本発明で具体的開示した投与量は、本発明者が研究を経て得られた、安全で効果的な使投与量であることを理解する必要がするが、当業者は、例えば、臨床医師が患者の腫瘍の負担、患者自身の身体状況などの要素など、さまざまな実際の状況に応じて具体的な初回投与量を決定することができていることを理解するべきで、さらに後続投与量で投与する必要がある場合には、当業者は、例えば、免疫エフェクター細胞を投与した後の腫瘍の負担の変化に応じて、後続投与量を決定することができる。
【0326】
当業者はまた、CLD18A2-CAR-T細胞のような本発明の免疫エフェクター細胞は、他のCAR-Tと併用することができることを理解する。例えば、患者の腫瘍は、いくつかの腫瘍抗原を発現することができるので、前記患者は、前期に他の腫瘍抗原を標的化するCAR-T細胞治療を受けた後、本発明のCLD18A2-CAR-T細胞治療を受けることができ、前記患者は、前期に本発明のCLD18A2-CAR-T細胞治療と異なる他の治療を受けた後、抗体の特異性が弱いか、抗体がマウス源性拒絶反応が表示される場合、本発明のCLD18A2-CAR-T細胞治療で変更することもできる。したがって、このような場合には、当業者は、例えば、臨床医師が以前の治療の状況に応じて、本発明のCLD18A2-CAR-T細胞の投与回数と投与量を決定することができていることを理解しなければならない。例えば、本明細書で公開された安全で効果的な使投与量と投与回数を参照することができ、すなわち、約2×1010細胞/kg被験者体重を超えていないか総量が約1×1012細胞;好ましくは、約2×10細胞/kg被験者体重を超えていないか総量が約2×1011細胞を超えていないか、より好ましくは、約2.5×10細胞/kg被験者体重、または5×10細胞/kg被験者体重、ま
たは3×10細胞/kg被験者体重を超えていないか、または総量が5×10または
約1×1010細胞を超えていない。
【0327】
いくつかの態様では、初回投与量および/または後続投与量の大きさは、被験者の疾患または病症の負担によって決定される。例えば、いくつかの態様では、初回投与量で投与する前時刻に被験者に存在する腫瘍の負担に基づいて、初回投与量で投与される免疫エフェクター細胞の数を決定する。いくつかの実施形態では、初回投与量および/または後続投与量の大きさは、腫瘍の負担に反比例する。
【0328】
いくつかの態様では、初回投与量で投与する前に、被験者に存在する腫瘍の負担に基づいて、後続投与量で投与される免疫エフェクター細胞の数を決定する。いくつかの実施形態では、例えば、ここで、最初回投与量は、腫瘍の負担を減らすか、または低下させたり、または既に特定のしきい値またはレベルよりも低い場合には、例えば、その毒性の結果よりも高い毒性の結果が表示される危険性が増加する場合は、後続投与量は増加されるが、例えば、約1×10個の細胞(例えば、総細胞、受容体-発現細胞、T細胞またはPBMC)/kg体重を超えて、例えば、約2.0×10、2.5×10、3.0×10
、5.0×10、1.0×10、2.5×10個の細胞/kgより多いか、および
/または初回投与量より多い。
【0329】
いくつかの状況では、初回投与量で投与された被験者の腫瘍負担が減少しなくても、後続投与量を増加させることができ、例えば、約1×10個の細胞(例えば、総細胞、受容体-発現細胞、T細胞またはPBMC)/kg体重を超えて、例えば、約2.0×10
、2.5×10、3.0×10、5.0×10、1×10、2.5×10個の細胞/kgを超えているか、および/または初回投与量より多い。
【0330】
任意の経路(静脈注射(IV)を含む)を利用して、T細胞(例えば、CAR T細胞)を投与することができる。いくつかの実施形態では、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約09分、約10分、約11分、約12分、約13分、約14分、約15分、約16分、約17分、約18分、約19分、約20分、約21分、約22分、約23分、約24分、約25分、約26分、約27分、約28分、約29分、約30分、約40分、約50分、約60分以内にIVを利用して、CAR T細胞を投与する。
【0331】
いくつかの実施形態では、初回投与量は、例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)、深刻なCRS(sCRS)、マクロファージ活性化症候群、腫瘍溶解症候群、少なくとも38℃、または約38℃の発熱が3日または3日以上の持続、少なくとも約20mg/dLのCRP血漿レベル、および/または神経毒性などの毒性または有害な結果を引き起こす、または減少させることができる量の免疫エフェクター細胞を含む。いくつかの態様では、細胞を投与した後、被験者から毒性または毒性の結果(例えば、CRS、sCRSおよび/またはCRS関連の結果)が表示される可能性に基づいて、初回投与量で投与される細胞の数を決定する。例えば、いくつかの実施形態では、腫瘍の負担に基づいて被験者の毒性の結果が進行されている可能性を予測する。いくつかの実施形態では、前記方法は、投与量に投与する前に、毒性の結果および/または腫瘍の負担を検出または評価するステップを含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、後続投与量で投与された後の毒性結果のCRS指標のような生化学的指標または他の指標を投与した時の血清レベルが許容されるレベルのような指定されたレベルよりも高いレベルまで増加されない場合には、例えば、約10倍、15倍、20倍、25倍、50倍、75倍または100倍の、初回投与量で投与する前に、時刻の指標の血清レベルよりも高いか同じか、または許容されるレベル以上に既に増加が、すでに許容されるレベルよりも低いか、同じレベルまで減少される場合には、後続投与量で被験者に投与する。いくつかの態様では、指標が初回投与量で投与された10日、11日、
12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、または40日以内に許容されるレベル以下にまで減少されると、後続投与量で投与が、指標のレベルが前記時間帯内で許容されるレベルまで減少されなければ、後続投与量で投与しない。
【0333】
いくつかの実施形態では、サイトカイン放出症候群(CRS)、マクロファージ活性化症候群または腫瘍溶解症候群または神経毒性が発生される臨床リスクが存在しないか、すでに過ぎたり、または初回投与量で投与した後、すでに消去された場合、後続投与量で投与し、例えば、このような状況は、一般的に、すでに消去されたか、および/または発生する可能性が低い決定的な時刻以降、例えば、約60%、70%、80%、90%または95%の具体的な特定の疾患または病症の被験者で現われる。
【0334】
いくつかの実施形態では、後続投与量で投与するかどうか、後続投与量で投与する時刻、および/または後続投与量で投与される細胞数は、被験者に初回投与量で投与される細胞またはこれにより発現されたキメラ抗原受容体の免疫反応または検出可能な免疫反応の存在、不在または程度によって決定される。いくつかの態様では、初回投与量の細胞の受容体を発現する細胞を含有する後続投与量は、検出可能な宿主適応免疫反応、または既に構築されたり、または、一定のレベル、段階または程度に達した免疫反応を有する被験者に投与されない。
【0335】
投与時間
いくつかの実施形態では、後続投与量で投与する時間は、初回投与量を完成した後(初回投与量の総容量の注入を完成した日を0日と定め)から計算し始める。
【0336】
いくつかの実施形態では、被験者のCRSを指示する因子の血清レベルが初回投与量で投与する前の時刻の被験者において、前記指標の血清レベルの約10倍、25倍、50倍または100を超える場合、後続投与量で投与する。
【0337】
いくつかの実施形態では、被験者のCRSと関連した結果(例えば、CRSと関連する、またはCRSを指示する血清因子)またはそれらの臨床徴候または発熱、低酸素症、低血圧または神経障害のような症状がすでにピークレベルに到達してまた、初回投与量で投与した後、減少され始めた後、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、投与後に、これらの結果の最高レベルよりも減少されるか、または投与後に結果の最大値またはレベルに到達した後、レベルが減少を観察した時に、後続投与量で投与する。
【0338】
いくつかの実施形態では、毒性の結果の指標(例えば、CRSの血清指標)のレベルが初回投与量前の時刻の指標レベルの約25倍にまで減少される場合、後続投与量で投与する。いくつかの態様では、後続投与量は、被験者のCRSが表示されないか、深刻なCRSが表示されない場合には投与される。
【0339】
いくつかの態様では、後続投与量は、初回投与量で投与する前の腫瘍の負担が患者の腫瘍の負担に比べて減少している時点に投与される。いくつかの実施形態では、後続投与量は、初回投与量で投与された後、腫瘍の負担またはその指標、例えば被験者の血液、他の体液、組織または組織中の疾患(例えば、腫瘍)細胞の大きさまたは数またはパーセンテージ、または腫瘍大きさが既に約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または90%以上減少した場合には投与される。
【0340】
いくつかの実施形態では、被験者の疾患または病症が初回投与量または以前の投与量に対する反応が減少した後の再発されない場合、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、腫瘍の負担の軽減は、1つまたは複数の因子の減少によって指示され、前記因子は、例えば、被験者またはその体液または組織または組織中の腫瘍マーカーの発現のレベル、腫瘍細胞の負担または数、腫瘍の質量または体積、転移される程度である。いくつかの実施形態では、再発は一般的であるか、または1つまたは複数の因子であるか、または腫瘍の負担である。被験者、疾患の負担またはその因子は、最初または以前に投与された後、測定したり、到達した最低点と比較して再発がまだ初回投与量で投与する前の開始に投与した量よりも少ない時、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、腫瘍の負担またはその指示因子が変わらない場合は、例えば、腫瘍の負担の増加が停止される場合には、被験者に後続投与量で投与する。
【0341】
いくつかの実施形態では、宿主適応免疫反応が検出されていないか、構築されていないか、または一定のレベルでは、程度または段階に達していない場合、後続投与量で投与する。いくつかの態様では、被験者の記憶免疫反応が進行する前に、後続投与量で投与する。
【0342】
いくつかの態様では、初回投与量の投与と後続投与量の投与の間の時間は、約21~約80日、約25~約60日、または25~55日である。いくつかの実施形態では、後続投与量の投与時間は、初回投与量で投与した後の約25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日または60日を超えない。いくつかの実施形態では、後続投与量の投与時間は、初回投与量で投与した後の約44日、45日、46日、47日、または48日を超えない。
【0343】
いくつかの実施形態では、後続投与量(すなわち、第1の後続投与量、または第2の治療過程の投与量と呼ばれる)で投与した後、追加またはより多くの後続投与量で投与するが、例えば、第2の後続投与量(第3の治療過程の投与量)、第3の後続投与量(第4の治療過程の投与量)で投与し、このように類推する。いくつかの態様では、前の後続投与量(例えば、第1の後続投与量)で投与した後、少なくとも約21日~約80日以内に追加の後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、例示的な投与量案は、いつまたは約いつキメラ抗原受容体発現細胞(例えば、CAR発現細胞、例えば、CAR T細胞)を投与する時刻表を含む。いくつかの実施形態では、第1の後続投与量で投与した後、約49日以内に追加の投与量(第2の後続投与量)で投与し、このように類推する。いくつかの実施形態では、後に投与される後続投与量の投与時間は、すぐ前の後続投与量で投与した後、約21~約80日、約25~約60日、または25~55日を超えない。いくつかの実施形態では、後に投与される後続投与量の投与時間は、すぐ前の後続投与量で投与した後の約25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日または60日を超えない。
【0344】
任意の実施形態では、いくつかの状況では、前記方法は、初回投与量または以前の投与量と後続投与量で投与するステップを含み、他の状況では、以前に、初回投与量または以前の投与量として既に投与された被験者に、後続投与量で投与するステップを含み、前記被験者は、以前に、初回投与量または以前の投与量自体を含まない、初回投与量または以前の投与量で投与された。したがって、いくつかの場合では、前記方法は、例えば、以前に投与量(例えば、減少された使投与量)のキメラ抗原受容体-発現(例えば、CAR発現)細胞が投与された被験者に強化性後後続投与量を投与する治療と同じ強化治療に関す
るものである。いくつかの態様では、CARのような受容体を発現する細胞の前の投与量は、被験者の疾患または病症の負担を十分に減少させることで、後続投与量の細胞を投与する効果および/または安全性が初回投与量で投与されていない被験者の投与量に比べて改善されるようにする。
【0345】
いくつかの実施形態では、初回投与量または後続投与量で投与する前時刻に比較して、後続投与量で投与した後、腫瘍マーカー、腫瘍大きさ、腫瘍体積および/または腫瘍質量を含む腫瘍の負担は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または90%以上に等しいか、または約これだけに減少される。
【0346】
再注入される細胞の宿主免疫反応
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の投与量は、例えば、後続投与量は、被験者の免疫反応(例えば、遺伝子組み換え受容体または細胞の適応性または特異性免疫反応)が存在しないか、検出されないか、または一定のレベル以上で検出されない場合には投与される。遺伝子組み換えの特異性免疫反応の存在または程度は、一般的に受容体の免疫原性(例えば、細胞によって発現されたCARまたは遺伝子組み換えTCR)および/または被験者が細胞に露出される時間と関連している。例えば、いくつかの実施形態では、被験者が初めて受容体を発現する細胞と接触した後、28日、35日または42日前に、特異性体液および/または細胞媒介免疫反応ような受容体に対する免疫反応が検出されない。したがって、いくつかの実施形態では、被験者のキメラ抗原受容体または細胞に対する免疫応答、適応性または特異性免疫反応、検出可能な免疫反応および/または記憶の反応が進行する前に、後続投与量で投与する。この態様では、前の、または、初回投与量よりも比較的遅い時点に後続投与量で投与する他の方法に比べて、後続投与量の細胞増殖および/または被験者に継続的に存在している能力が改善される。前記方法は、例えば、初回または後続投与量で投与した後、および後続、または次の後続投与量で投与する前に、これらの免疫反応またはその指標の存在または不在、またはレベルを検出するステップを含む。
【0347】
いくつかの実施形態では、いつ、および/または後続投与量で投与するかどうかは、被験者がこれらの免疫反応または検出可能なリーディング(reading)が表示されるかどうか、例えば、細胞またはキメラ抗原受容体に対して特異的な検出可能な特異性または適応性宿主の免疫応答、例えば、初回投与量の細胞によって発現されるCAR、および/またはいずれかのレベルでこのような反応が検出されるかどうかによって決定される。いくつかの実施形態では、このような反応が検出される場合には、被験者に後続投与量で投与しない。被験者の受容体(例えば、初回投与量の細胞によって発現されたCAR)の特異性または適応性(例えば、体液または細胞によって媒介される)免疫反応が表示されない場合、または検出可能なレベルでは、または許容されるレベルよりも高いこれらの反応または指標が表示されない場合、後続投与量で投与する。いくつかの態様では、後続投与量で投与する場合には、初回投与量が比較的多いときに比べ、被験者は減少された、初回投与量の細胞によって発現されたCARの体液または細胞媒介免疫反応を表示させる。
【0348】
前記実施形態の任意の一つで、検出可能な免疫反応は、特定の抗原と細胞の特異性免疫反応を評価するための多数の公知された方法のいずれかの検出可能な量を意味する。例えば、いくつかの実施形態では、被験者の血清からELISPOT、ELISAを行ったり、細胞の抗体検出方法(例えば、フローサイトメトリー分析を通じた方法)に基づいて、細胞に存在する抗原に特異的に結合および/または中和されている、例えばキメラ抗原受容体に結合されるエピトープ、例えば、CARの抗原の存在を検出して、特定のタイプの免疫反応を検出する。いくつかのこのような測定では、検出された抗体のイソ型、および
反応を指示するタイプおよび/または反応が記憶反応かどうかを決定する。
【0349】
いくつかの態様では、例えば、初回投与量または後続投与量で投与した後、これらの宿主免疫反応および/またはその数、程度の存在または不在を検出または測定する。
【0350】
いくつかの実施形態では、代替的投与方法を使用した比較方法で減少したことを観察したところ、例えば、ここで、被験者は、単一の投与量(例えば、単一の大投与量の細胞)に投与されるが、例えば、提供された方法で統一的に、初回投与量と後続投与量で投与された細胞総数で、単一の投与量を置換するか、お互いに約21日より少ないか、または約80日を超える多数の大量または複数の量の投与に比較して、前記方法は、例えば、腫瘍細胞の数、腫瘍の大きさ、患者の生存の持続時間または無事件の生存時間、およびより長い時間帯のような疾患または病症の負担をより大きな程度に減少させる。いくつかの態様では、被験者の生存基、一定の時間帯での生存、生存範囲、無事件や無症状生存の存在または持続時間または無再発生存を評価する。
【0351】
いくつかの態様では、初回投与量で投与する前に、初回投与量で投与した後であるが後続投与量で投与する前に、および/または後続投与量で投与した後、疾患の負担を測定または検出する。多数の後続投与量の場合には、いくつかの実施形態での疾患の負担は、任意の後続投与量として投与する前または後、または後続投与量を投与する間に測定することができる。
【0352】
いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、前記負担は少なくともまたは約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または100%減少する。いくつかの態様では、後続投与量の投与は、疾患の負担、腫瘍の負担をより低減させることができるが、例えば、後続投与量で投与する前時刻に比べて、または初回投与量で投与する前時刻に比較して、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または100%と同じか、約これだけで負担を軽減される。
【0353】
いくつかの実施形態では、他の方法に比べて、前記方法で被験者の無事件生存率または全生存率を改善する。例えば、いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、1ヶ月以内に、前記方法で治療した被験者の無進行事件生存率または確率は約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%よりも高い。いくつかの態様では、総生存率は約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%または約95%よりも高い。いくつかの実施形態では、前記方法で治療した被験者で無信仰生存、無再発生存または少なくとも約1ヶ月の生存、または少なくとも約2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月の生存、または1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、または10年の生存が示された。いくつかの実施形態では、例えば、約1ヶ月より長い同じか、または少なくとも約2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、または1年、2年、3年、4年、5年、6年、7年、8年、9年、または10年の進行時間を改善する。
【0354】
いくつかの実施形態では、前記方法で行われた治療は、他の方法に比べて、再発の確率が減少した。例えば、いくつかの実施形態では、初回投与量後、1ヶ月以内に再発または進行される確率は約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約9%、約8%、約7%、約6%よりも低い。
【0355】
細胞の露出と持続性
いくつかの実施形態では、その投与量および/またはその時間は、設計を経て、被験者が細胞に露出されるよう促進させ、例えば、時間の増加に応じて、その増殖および/または持続性を促進させる。
【0356】
いくつかの実施形態では、提供される方法は、使用された細胞の被験者の露出(例えば、時間に応じて増加した細胞数または時間)および/または免疫細胞治療での効果と治療の結果を増加させる。いくつかの態様では、前記方法の利点は、ほかの方法に比べて、カメラの抗原受容体を発現する細胞(例えば、CAR-発現細胞)の露出度がさらに大きいか、および/または治療の結果を、さらに大きな程度に改善させることである。これらの結果は、患者の生存と緩和を含むことができ、さらに深刻な腫瘍の負担を持つ固定でも現れる。
【0357】
いくつかの実施形態では、初回投与量および/または後続投与量で投与した後、被験者でキメラ抗原受容体を発現する細胞(例えば、CAR-発現細胞)の存在および/または量を検出する。いくつかの態様では、定量PCR(qPCR)を使用してか経験者の血液または血清または器官または組織(例えば、疾患部位)でのキメラ抗原受容体を発現する細胞(例えば、CAR-T)の量を評価する。いくつかの態様では、持続性はマイクログラムあたりDNAからCARのような受容体をエンコードするDNAまたはプラスミドの複製、またはマイクロリットルあたりの血液または血清のようなサンプルの受容体を発現する、例えばCAR発現細胞の数、またはマイクロリットルあたりのサンプルの末梢血液単核細胞(PBMC)または白血球またはT細胞の総数で定量される。
【0358】
いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、または少なくとも第1日、第2日、第3日、第4日、第5日、第6日、第7日、第8日、第9日、第10日、第11日、第12日、第13日、第14日、第15日、第16日、第17日、第18日、第19日、第20日、第21日、第22日、第23日、第24日、第25日、第26日、第27日、第28日、第29日または第30日に、被験者からの細胞を検出する。いくつかの態様では、または少なくとも初回または後続投与量で投与した後、2週、4週、または6週間、または3ヶ月、6ヶ月または12ヶ月、18ヶ月または24ヶ月または30ヶ月または36ヶ月、または1年、2年、3年、4年、5年または5年以上で細胞を検出する。
【0359】
いくつかの実施形態では、単一の投与量で投与する方法など代替的方法は、例えば、初回投与量よりも多くの細胞を含む方法によって、総投与量の細胞を単一の投与量として使用して、初回投与量で投与されていない被験者に後続投与量の細胞を投与したり、および/または指定された時間以外の時間に後続投与量で投与するが、例えば、受容体(例えば、CAR)の被験者の免疫反応が現れる時間より遅い規定された時間、または次に投与する。
【0360】
被験者に露出された細胞の最大数、特定の数またはパーセンテージよりも高い検出可能な細胞の持続時間、時間に応じた細胞数の曲線下面積および/またはこれらの組み合わせ及びその指数に基づいて、例えば、細胞数、増殖、および/または持続性を指示するの接触を表示することができる。血液または血清のような特定のサンプル中の核酸またはDNAの総量に比較して、qPCRなどの公知の方法を使用して、これらの結果を評価して、キメラ抗原受容体をエンコードする核酸の複製数を検出したり、および/または、一般的に受容体特異性の抗体で受容体を発現する細胞を検出するフローサイトメトリー分析測定を使用する。細胞の測定に基づいて、機能細胞の数またはパーセンテージを検出することもできるが、例えば、疾患または病症を誘導したり、または受容体によって識別される抗原を発現する細胞に結合および/または中和される反応(例えば、細胞毒性反応)を検出することができる。
【0361】
いくつかの態様では、被験者の細胞の露出の増加は、細胞増殖の増加を含む。いくつかの実施形態では、初回投与量および/または後続投与量で投与した後、受容体-(例えば、CAR-)発現細胞は、被験者で増殖する。いくつかの態様では、他の方法に比べて、例えば、単一の投与量で細胞を投与し、比較的多くの初回投与量で投与し、後続投与量で投与するが初回投与量で投与していない、これらの方法を、および/または指定された時間帯または時点前または後に、後続投与量で投与して、例えば、後続投与量で投与する前に、免疫反応を発生させる方法に比べて、前記方法は、細胞の増殖をさらに増加させる。
【0362】
いくつかの態様では、前記方法は、投与される細胞の体内増殖を大幅に増加させることは、例えば、フローサイトメトリー分析を介して測定する。いくつかの態様では、より高いピーク比の細胞を検出する。例えば、いくつかの実施形態では、初回または後続投与量で投与した後、被験者の血液または疾患部位またはその白血球部分(例えば、PBMCの部分またはT細胞の部分)がピークレベルまたは最大レベルに到達した場合は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、または少なくとも約90%の細胞がCARのようなキメラ抗原受容体を発現する。
【0363】
いくつかの実施形態では、前記方法は、被験者の血液または血清または他の体液または組織または組織の少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、500個、1000個、1500個、2000個、5000個、10000または15000個の複製された、または受容体をエンコードした核酸の最大濃度は、例えば、マイクログラム当たり、DNAのCAR、または少なくとも0.
1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、または0.9のCARのような受容体を発現する細胞/末梢血単核細胞(PBMC)総数、単核細胞総数、T細胞総数または総マイクロリットルことをもたらす。いくつかの実施形態では、受容体を発現する細胞は、被験者の血液から全PBMCの少なくとも10%、20%、30%、40%、50%または60%であるか、および/または前記レベルで初回、または後続投与量で投与した後、少なくとも1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、24週間、36週間、48週間、または52週間持続したり、またはこれらの方法で投与した後1年、2年、3年、4年または5年または5年以上持続されることを検出された。
【0364】
いくつかの態様では、前記方法で、例えばCARのようなキメラ抗原受容体をエンコードする核酸の複製は、マイクログラム当たりDNAが少なくとも2倍、少なくとも4倍、少なくとも10倍、または少なくとも20倍増加するようにする。
【0365】
いくつかの実施形態では、受容体を発現する細胞は、被験者の血液または血清から検出されるが、例えば、qPCR、またはフローサイトメトリー分析に基づく検出方法のような指定された方法を使用して、初回投与量で投与した後、または後続投与量で投与した後、少なくとも1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、16日、17日、18日、19日、20日、21日、22日、23日、24日、25日、26日、27日、28日、29日、30日、31日、32日、33日、34日、35日、36日、37日、38日、39日、40日、41日、42日、43日、44日、45日、46日、47日、48日、49日、50日、51日、52日、53日、54日、55日、56日、57日、58日、59日または60日、または60日以上、または、初回投与量または後続投与量で投与した後、少なくともまたは約2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間または24週間または24週間以上持続
する。
【0366】
いくつかの態様では、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、少なくとも約1×10、または少なくとも約1×10または少なくとも約5×10または少なくとも約1×10または少なくとも約5×10または少なくとも約1×10または少なくとも約2.5×10キメラ抗原受容体-発現は、例え
ば、CAR-発現細胞、および/またはマイクロリットルあたり少なくとも10個、25個、50個、100個、200個、300個、400個、または500個、または1000個の受容体発現-細胞、例えばマイクロリットルあたり少なくとも10個は、被験者またはその流体、組織、またはそのコンパートメント(compartment)は、例えば、血液、例えば、末梢血またはその疾患部位で検出または存在することができる。いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、または後続投与量で投与した後、細胞数または濃度は、被験者から少なくとも約1日、少なくとも約2日、少なくとも約3日、少なくとも約4日、少なくとも約5日は、少なくとも約6日、少なくとも約7日、少なくとも約8日、少なくとも約9日、少なくとも約10日、少なくとも約11日、少なくとも約12日、少なくとも約13日、少なくとも約14日、少なくとも約15日は、少なくとも約16日、少なくとも約17日、少なくとも約18日、少なくとも約19日、少なくとも約20日、少なくとも約40日、または少なくとも約60日、または少なくとも約3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月または12ヶ月、または少なくとも2年または3年持続することを検出することができる。これらの細胞数は、フローサイトメトリー分析に基づいて、または定量PCRに基づいた方法を使用して検出することができ、公知の方法で総細胞数を推定することができる。
【0367】
いくつかの態様では、免疫組織化学、PCRおよび/またはフローサイトメトリー分析を通じ、100個当たりの細胞からキメラ抗原受容体をエンコードする核酸の複製数、例えば、担体の複製数を測定するのに、例えば、末梢血または骨髄または他のコンパートメントでは、少なくとも0.01、少なくとも0.1、少なくとも1、または少なくとも10であり、例えば、初回投与量または後続投与量の細胞を投与した後、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約5週間、または少なくとも約6週間、または少なくとも約2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11または12ヶ月、または少なくとも2または3年時に測定する。いくつかの実施形態では、マイクログラム当たりゲノムDNAからCARのような受容体を発現する担体の複製数は、初回投与量または後続投与量のCARのような受容体を発現する細胞を投与した後、約1週間、約2週間、約3週間または少なくとも約4週間で、またはこれらの方法で投与した後、少なくとも2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、または12ヶ月、または少なくとも2年または3年時に測定した場合には、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、少なくとも1000、少なくとも5000、または少なくとも10000、または少なくとも15000、または少なくとも20000である。
【0368】
いくつかの態様では、細胞によって発現されたCARのような受容体は、定量PCR(qPCR)またはフローサイトメトリー分析を介して被験者の血液および/またはその疾患部位で検出されるが、細胞を投与した後、例えば、初回投与量または後続投与量で投与を開始したり、またはそれ以降の後続投与量で投与した後、少なくとも約3日、少なくとも約6日、少なくとも約10日、少なくとも約15日、少なくとも約20日、少なくとも約30日、少なくとも約40日、少なくとも約50日、少なくとも約60日、少なくとも約80日、3ヶ月、少なくとも約6ヶ月、少なくとも約12ヶ月、少なくとも約1年、少なくとも約2年、少なくとも約3年または3年を超えた場合に検出される。
【0369】
細胞によって発現されたキメラ抗原受容体
細胞は、一般的にキメラ抗原受容体を発現するが、キメラ抗原受容体は、遺伝子組み換えT細胞受容体(TCR)、T細胞融合タンパク質(T cell fusionprotein、TFP)とT細胞抗原カプラ(T cell antigen coupler、TAC)などキメラ抗原受容体(CAR)と、他の抗原が結合された受容体のような機能性非-TCR抗原受容体である抗原受容体を含む。
【0370】
例示的な抗原受容体は、CARを含み、工学操作および受容体を細胞に導入するための方法は、例えば、公開番号がCN107058354A、CN107460201A、CN105194661A、CN105315375A、CN105713881A、CN106146666A、CN106519037A、CN106554414A、CN105331585A、CN106397593A、CN106467573Aの中国特許出願、公開番号がWO2018006882A1、WO2015172339A8の国際特許出願に記載された方法を含む。
【0371】
前記キメラ受容体は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む。CARのようなキメラ受容体は、一般的に、細胞外抗原結合ドメインを含むが、例えば、抗体分子の一部は、一般的にscFv抗体断片のような抗体の重鎖可変(VH)領域および/または軽鎖可変(VL)領域である。いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体は、クローディン18(Claudin 18、CLD18)のスプライス変異体1(CLD18A1、CLD18.1)(登録番号NP_057453、NM016369)またはその変異体、例えば、SEQ ID NO:34に表示されているアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:34と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96 %、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を識別することができ、およびスプライス変異体2(CLD18A2、CLD18.2)(登録番号NM_001002026、NP_001
002026)またはその変異体は、例えばたとえば、SEQ ID NO:33に表示されるアミノ酸配列を含むか、またはSEQ ID NO:33と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を識別することができる。いくつかの実施形態において、前記キメラ受容体は、CLD18A2を特異的に識別するが、CLD18A1を識別していない。
【0372】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:7に示されるHCDRまたはLCDRを含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:1またはSEQ ID NO:2またはSEQ ID NO:3またはSEQ ID NO:4またはSEQ ID NO:5またはSEQ ID NO:6またはSEQ ID NO:7と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列などscFv抗体断片を含む。
【0373】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:12またはSEQ ID
NO:13に示されるHCDRまたはLCDRを含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:13と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91
%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列などscFv抗体断片を含む。
【0374】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:12またはSEQ ID
NO:13に示されるHCDRまたはLCDRを含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:8またはSEQ ID NO:9またはSEQ ID NO:10またはSEQ ID NO:11またはSEQ ID NO:12またはSEQ ID NO:13と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列などscFv抗体断片を含む。
【0375】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:14またはSEQ ID NO:15またはSEQ ID NO:16またはSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO: 18またはSEQ
ID NO:19に示される重鎖または軽鎖可変領域を含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:14またはSEQ ID NO:15またはSEQ ID NO:16またはSEQ ID NO:17またはSEQ ID NO:18またはSEQ ID NO:19と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97% 、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列などscFv抗体断片を含む。
【0376】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:20またはSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:22またはSEQ ID NO:23に示される重鎖または軽鎖可変領域を含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:20またはSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:22またはSEQ ID NO:23と少なくとも85%、86%、87%、88%、 89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列などscFv抗体断片を含む。
【0377】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、SEQ ID NO:20またはSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:22またはSEQ ID NO:23に示される重鎖または軽鎖可変領域を含むアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:20またはSEQ ID NO:21またはSEQ ID NO:22またはSEQ ID NO:23と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0378】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)は、例えばSEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:25またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID NO:27またはSEQ ID NO:28またはSEQID NO:29またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31またはSEQ ID
NO:32に示されるアミノ酸配列またはその変異体、またはSEQ ID NO:24またはSEQ ID NO:25またはSEQ ID NO:26またはSEQ ID
NO:27またはSEQ ID NO:28またはSEQ ID NO:29またはSEQ ID NO:30またはSEQ ID NO:31またはSEQ ID NO:32と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、9
3%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0379】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、例えば、IgG4ヒンジ領域および/またはCH1/CLおよび/またはFc領域などのヒンジ領域のような免疫グロブリン不変領域またはその変異体またはその変形形態である少なくとも一部分であることがあるかこれらを含む接続配列をさらに含んでいる。いくつかの実施形態では、前記不変領域または部分は、IgG4またはIgG1のようなヒトIgGのものである。いくつかの態様では、不変領域の部分は、scFv、および膜貫通ドメインの間の接続配列と同じ抗原-識別部分である。前記接続配列は、これらの長さを備えることができ、前記接続序列が存在しない場合に比べて、前記長さは、抗原に結合された後の細胞の反応性を増加させる。いくつかの実装例では、接続序列の長さは、約12個のアミノ酸の長さであるか、または長さが12個のアミノ酸を超えない長さである。例示的な接続配列は、少なくとも約10~229個のアミノ酸、約10~200個のアミノ酸、約10~175個のアミノ酸、約10~150個のアミノ酸、約10~125個のアミノ酸、約10~100個のアミノ酸、約10~75個のアミノ酸、約10~50個のアミノ酸、約10~40個のアミノ酸、約10~30個のアミノ酸、約10~20個のアミノ酸、または約10~15個のアミノ酸の長さを含み、前記範囲の任意の欠点(endpoint)との間の整数を含む。いくつかの実施形態では、接続序列領域は約12個のアミノ酸、またはより短い長さ、約119個のアミノ酸またはより短い長さまたは約229個のアミノ酸またはより短い長さを備える。例示的な接続配列は単独IgG4ヒンジ、CH2およびCH3ドメインに接続されたIgG4ヒンジ、またはCH3ドメインに接続されたIgG4ヒンジを含む。
【0380】
前記抗原は、一般的に1つまたは複数の細胞内シグナル伝達の部分に接続されているドメインを識別し、例えば、CARの場合には、抗原受容体複合体(例えば、TCR複合体)を介して模擬有効信号の部分、および/または他の細胞表面受容体を介した信号を識別する。したがって、いくつかの実施形態では、抗原結合成分(例えば、抗体)は、1つまたは複数の膜貫通および細胞内シグナル伝達ドメインに接続される。いくつかの実施形態では、前記膜貫通ドメインは、上記の細胞外ドメインに融合される。一つの実施形態では、自然関連受容体(例えば、CAR)でのドメインのいずれかである膜貫通ドメインを使用する。いくつかの状況では、前記膜貫通ドメインは、アミノ酸置換を使用して選択または変形して、前記ドメインが、同一または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインに結合されないように防止することにより、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小限に抑える。
【0381】
いくつかの実施形態では、前記膜貫通ドメインは、天然的または合成されたものである。天然的では、いくつかの態様では、前記ドメインは、任意の膜結合または膜貫通タンパク質に由来する。膜貫通ドメインは、T-細胞受容体から由来するα鎖、β鎖、またはζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137、CD154を含むか、および/または膜貫通ドメインは、その機能変異体(例えば、その構造部分(例えば、膜貫通構造部分)、性質を基本的に保留したもの)など(すなわちは、少なくともこれらを含む膜貫通ドメイン)を含む。いくつかの実施形態では、前記膜貫通ドメインは、CD4、CD28またはCD8、例えば、CD8αまたはその機能変異体に由来する膜貫通ドメインである。または、いくつかの実施形態では、膜貫通ドメインは合成である。いくつかの態様では、前記合成膜貫通ドメインは、主にロイシン(leucine)およびバリン(valine)のような疎水性残基を含む。いくつかの態様では、フェニルアラニン(phenylalanine)、トリプトファン(tryptophan)およびバリンの三量体は、合成された膜貫通ドメインの各末端に現れる。いくつ
かの実施形態では、前記接続は、リンカー、スペーサー(spacer)および/または膜貫通ドメインを介して実装される。
【0382】
前記細胞内シグナル伝達ドメインは、天然抗原受容体を介して模擬または近似する信号、これらの受容体を介して共同刺激受容体と結合されている信号、および/または単独の共同刺激受容体を介したシグナルなどを含む。いくつかの実施形態では、短いオリゴペプチドまたはポリペプチドコネクタは、例えば、グリシンおよびセリンを含む長さが2~10個のアミノ酸であるリンカー、例えば、グリシン-セリンダブレットのリンカーが存在し、CARの細胞シグナル伝達ドメインと膜貫通ドメインの間で接続を形成する。
【0383】
CARのような前記受容体は、一般的に、少なくとも1種の1つまたは複数の細胞内シグナル伝達部分を含む。いくつかの実施形態では、前記受容体は、TCR複合体の細胞内成分を含み、例えば、T-細胞活性化および細胞毒性を媒介するCD3ζ鎖のようなTCRCD3+鎖を含む。したがって、いくつかの態様では、抗原結合部分は、1つまたは複数の細胞のシグナル伝達モジュールに接続される。いくつかの実施形態では、細胞シグナル伝達モジュールは、CD3膜貫通ドメイン、CD3細胞内シグナル伝達ドメイン、および/または他のCD膜貫通ドメインを含む。いくつかの実施形態では、CARのような上記の受容体は、Fc受容体γ、CD8、CD4、CD25またはCD16のような1つまたは複数の他の分子の部分をさらに含む。例えば、いくつかの態様では、CARまたは他のキメラ受容体は、CD3ζ(CD3-ζ)またはFc受容体γとCD8、CD4、CD25またはCD16との間のキメラ分子を含む。
【0384】
いくつかの実施形態では、CARまたは他のキメラ受容体と結合時、受容体の細胞質ドメインまたは細胞内シグナル伝達ドメインは、免疫細胞の正常な作動体機能または反応の少なくとも一つ、例えば、CARを発現するためのT細胞の操作を有効にする。例えば、いくつかの状況では、CARは、T細胞の機能、例えば、細胞溶解活性または補助T細胞活性、例えば、サイトカインまたは他の因子の分泌を誘導する。いくつかの実施形態では、例えば、エフェクター機能の信号を形質導入する場合、抗原受容体の部分または共同刺激分子の細胞内シグナル伝達ドメインの切断部分に完全免疫刺激鎖を置換する。いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体(TCR)の細胞質配列を含み、いくつかの態様では、抗原受容体に結合された後、信号伝達を開始するために、天然的に存在する共同受容体と一致するように作用する受容体をさらに含む。
【0385】
天然TCRの場合、完全な活性化は、一般的にTCRを介して信号を伝達するだけでなく、共同刺激シグナルも必要である。したがって、いくつかの実施形態では、完全な活性化を促進させるため、第2または共同刺激信号を生成するための成分も、前記CARに含まれる。他の実施形態では、CARは、共同刺激信号を生成するための成分を含まない。いくつかの態様では、他のCARは、同じ細胞で発現され、第2または共同刺激信号を生成するための原料を提供する。
【0386】
いくつかの態様では、T細胞活性化は、2つの細胞シグナル伝達配列を介して媒介されるものとして説明され、すなわちTCR開始抗原が依存的に、最初に活性化したもの(最初の細胞シグナル伝達配列)、および抗原が非-依存的な方法として作用することを介して、第2または共同刺激シグナルを提供するもの(第2の細胞シグナル伝達配列)である。いくつかの態様では、前記CARは、これらのシグナル伝達成分のいずれかまたは両方を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の抗体部分は、CD8またはその変異体を含む信号ペプチドのような信号ペプチドをさらに含み、例えば、SEQ ID NO:35として表示されるアミノ酸序列、またはSEQ ID NO:35
と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む信号ペプチドをさらに含む。
【0388】
いくつかの態様では、前記CARはTCR複合体の初期活性化を調節する主要な細胞シグナル伝達配列を含む。刺激方法で作用する初めて細胞シグナル伝達配列は、免疫受容体がチロシン(tyrosine)に基づいて有効化されモチーフまたはITAMに公知された信号伝達モチーフを含むことができる。ITAMの実装例は、TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CDS、CD22、CD79a、CD79b、およびCD66dに由来するものを含む、最初の細胞シグナル伝達配列を含む。いくつかの実施形態では、CARの中の細胞のシグナル伝達分子は、細胞シグナル伝達ドメイン、その部分、またはCD3ζに由来する配列を含む。
【0389】
いくつかの実施形態では、前記CARはCD28、CD137、OX40、DAP10、およびICOSなどの共同刺激受容体の膜貫通部分および/またはシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様では、同じCARは有効と共同刺激部分を同時に含む。
【0390】
いくつかの実施形態では、活性化ドメインは、単一のCARの中に含まれるが、共同刺激成分は、他の抗原を識別するために、他のCARによって提供される。いくつかの実施形態では、前記CARはすべて同じ細胞で発現される活性化または刺激CAR、共同刺激CARを含む(WO2014/055668を参照)。いくつかの態様では、細胞は、1つまたは複数の刺激または活性化CARおよび/または共同刺激CARを含む。いくつかの実施形態では、細胞は抑制性CAR(iCAR、Fedorovなど、Sci. Transl. Medicine、5(215)(2013年12月)を参照)をさらに含み、例えば、疾患または病症関連および/または特異的CARを除いたものを識別することにより、前記疾患標的化CARを介して配信された刺激信号は、抑制性CARとそのリガンドの結合を介して減少または抑制され、例えば、オフ-ターゲット(off-target)効果を減少させる。
【0391】
いくつかの実施形態では、CARのような、前記キメラ抗原受容体の細胞内シグナル伝達部分はCD3ζ細胞内ドメインとの共同刺激シグナル伝達領域を含む。いくつかの実施形態では、前記細胞内シグナル伝達ドメインはCD3(例えば、CD3-ζ)細胞内ドメインに接続されているCD28膜貫通及びシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記細胞内シグナル伝達ドメインはCD3ζ細胞内ドメインに接続されているキメラCD28および/またはCD137(4-1BB、TNFRSF9)共同刺激ドメインを含む。
【0392】
いくつかの実施形態では、前記CARは1つまたは複数、例えば2つまたは2つ以上の共同刺激ドメインおよび細胞の部分での初期活性化ドメインのような活性化ドメインを含む。例示的なCARはCD3-ζ、CD28、およびCD137の細胞内部分を含む。
【0393】
いくつかの状況では、CARは、第1世代は、第2世代および/または第3世代CARに呼ばれる。いくつかの態様では、第1世代のCARは、抗原結合の際CD3鎖誘導信号のCARのみ提供し、いくつかの態様では、第2世代のCARは、これらの信号との共同刺激信号の、共同刺激受容体(例えば、CD28またはCD137)に由来する細胞内シグナル伝達ドメインを含むCARのようなCARを提供し、いくつかの態様では、第3世代のCARは異なる共同刺激受容体の複数の共同刺激ドメインを含むCARである。
【0394】
いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、抗体または抗体断片を含有する細胞外部分を含む。いくつかの態様では、キメラ抗原受容体は、抗体または断片を含有する細胞
外部分と細胞内シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記抗体または断片は、scFvを含み、前記細胞内ドメインは、ITAMを含む。いくつかの態様では、前記細胞内シグナル伝達ドメインはCD3-ζ鎖のζ鎖のシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、細胞外ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインに接続されている膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様では、前記膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通部分を含む。いくつかの実施形態では、キメラ抗原受容体は、T細胞の共同刺激分子の細胞内ドメインを含む。細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、直接または間接的に接続することができる。いくつかの実施形態において、前記細胞外ドメインと膜貫通ドメインは、接続配列を介して接続される。いくつかの実施形態では、前記受容体は、膜貫通ドメインから由来した分子であるCD28の細胞外の部分と同じ細胞外部分を含む。いくつかの実施形態において、前記キメラ抗原受容体は、T細胞の共同刺激分子またはその機能変異体由来の、例えば膜貫通ドメインと細胞内シグナル伝達ドメインの間の細胞内ドメインを含む。いくつかの態様では、T細胞の共同刺激分子は、CD28または41BBある。例えば、いくつかの実施形態では、CARは、抗体断片のような抗体を含むか、CD28の膜貫通部分またはその機能変異体の膜貫通ドメインを含み、CD28のシグナル伝達部分または機能性変異体の細胞内シグナル伝達ドメインと、およびCD3ζの信号伝達部分またはその機能変異体を含む。いくつかの実施形態では、CARは、抗体断片のような抗体を含み、CD28の膜貫通部分またはその機能変異体の膜貫通ドメインを含み、CD137のシグナル伝達部分または機能変異体の細胞内シグナル伝達ドメインを含み、CD3ζの信号伝達部分またはその機能変異体を含む。いくつかの実施形態において、前記受容体は、Ig分子(例えば、ヒトIg分子)の部分を含む接続配列をさらに含み、例えば、Igヒンジ、例えば、IgG4ヒンジ、例えば、ただヒンジ接続配列をさらに含む。いくつかの実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、(i)腫瘍抗原を特異的に識別する抗体、CD28またはCD8の膜貫通ドメイン、CD28の共同刺激信号のドメインとCD3ζ、または(ii)腫瘍抗原を特異的に識別する抗体、CD28またはCD8の膜貫通ドメイン、CD137の共同刺激信号のドメインとCD3ζ、または(iii)腫瘍抗原を特異的に識別する抗体、CD28またはCD8の膜貫通ドメイン、CD28の共同刺激信号ドメイン、CD137の共同刺激信号のドメインとCD3ζを備える。
【0395】
いくつかの実施形態では、前記キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の膜貫通ドメインは、ヒトCD28(例えば、登録番号:P017471)またはその変異体の膜貫通ドメイン、またはこれらを含み、例えば、SEQ ID NO:39に示されるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメイン、またはSEQ ID NO:39と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列、またはこれらを含む。
【0396】
いくつかの実施形態では、前記キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の膜貫通ドメインは、ヒトCD8またはその変異体の膜貫通ドメイン、またはこれらを含み、例えば、SEQ ID NO:45に示されるアミノ酸配列を含む膜貫通ドメイン、またはSEQ ID NO:45と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、 97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列、またはこれらを含む。
【0397】
いくつかの実施形態では、前記キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の細胞内シグナル伝達の部分は、ヒトCD28またはその機能変異体または部分の細胞内共同刺激シグナル伝達ドメインを含む。例えば、細胞内シグナル伝達ドメインはSEQ ID NO:41に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:41と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%
、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含むことができる。
【0398】
いくつかの実施形態では、前記細胞内ドメインは、CD137(例えば、登録番号:Q07011.1)または機能変異体またはその部分の細胞内共同刺激シグナル伝達ドメインを含み、例えば、SEQ ID NO:47に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:47と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、前記キメラ抗原受容体(例えば、CAR)の細胞内シグナル伝達ドメインは、ヒトCD3ζ刺激シグナル伝達ドメインまたはその機能変異体を含む。例えば、いくつかの実施形態では、細胞内シグナル伝達ドメインはSEQ ID NO:43に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:43と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0400】
いくつかの態様では、前記キメラ抗原受容体は、CD8ヒンジのようなヒンジを含む。例えば、いくつかの実施形態では、CD8ヒンジはSEQ ID NO:37に示されるアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:37と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列同一性を示すアミノ酸配列を含む。
【0401】
例えば、いくつかの実施形態では、CARは、抗体断片のような抗体を含み、scFv、接続序列は、例えば、免疫グロブリン分子の一部を含む接続序列、例えば、ヒンジ領域、および/または1つまたは複数の重鎖分子の不変領域、例えば、Ig-ヒンジを含む接続序列、全部または一部CD28によって誘導された膜貫通ドメインを含む膜貫通ドメイン、CD28によって誘導される細胞内シグナルドメインとCD3ζシグナル伝達ドメインを含む。いくつかの実施形態では、CARは、抗体または断片は、例えば、scFv、接続序列、例えば、Ig-ヒンジを含む任意の接続序列、CD28によって誘導された膜貫通ドメイン、CD137によって誘導された細胞内シグナル伝達ドメインとCD3ζによって誘導されるシグナル伝達ドメインを含む。
【0402】
用語「ポリペプチド」および「タンパク質」は、交換可能に使用され、アミノ酸残基のポリマーを表示し、最小の長さに制限されない。指定された受容体および他のポリペプチド(例えば、リンカー、またはペプチド)を含むポリペプチドは、天然および/または非天然アミノ酸残基を含むアミノ酸残基を含むことができる。前記用語は、例えばグリコシル化(glycosylation)、シアル化(sialylation)、アセチル化(acetylation)とリン酸化(phosphorylation)などポリペプチドの発現後の変形をさらに含む。いくつかの態様では、前記ポリペプチドは、前記タンパク質が必要な活性を保持するだけで、元のまたは天然の配列の変形をさらに含むことができる。このような変形は、部位指定突然変異誘発を介して有意なものか、またはタンパク質の宿主突然変異の発生またはPCR増幅に起因する誤差を通じた意外な可能性がある。
【0403】
いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、前記被験者に1種の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に同じ腫瘍抗原に対する2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施
形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に異なる腫瘍抗原に対する2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に同じ腫瘍抗原の同じエピトープに対する2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に同じ腫瘍抗原の異なるエピトープに対する2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与して、同じ部位の腫瘍を治療するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法は、異なる治療過程で、前記被験者に2つのまたは2種類以上の養子細胞または免疫エフェクター細胞を投与して、異なる部位の腫瘍を治療するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書による方法で使用した養子細胞または免疫エフェクター細胞のうちの少なくとも一つCLD18A2を標的化するCAR-T細胞である。いくつかの実施形態では、本明細書による方法で使用した養子細胞または免疫エフェクター細胞のうちの少なくとも一つの本明細書によるCLD18A2を標的化するCAR-T細胞である。
【0404】
様々な使投与量で被験者に投与された細胞によって発現されたキメラ抗原受容体(例えば、CAR)は、一般的は、治療される疾患または病症または細胞によって発現される、それに関連する、および/または特異的な分子を特定したり、またはこれに特異的に結合される。抗原のような分子に特異的に結合する場合には、受容体は、一般的に、免疫刺激信号(例えば、ITAMで伝達された信号)を細胞に伝達することにより、疾患または病症を標的化する免疫反応を促進させる。例えば、いくつかの実施形態では、初回投与量での細胞は、疾患または病症の細胞または組織によって発現された抗原または疾患または病症関連抗原に特異的に結合するCARを発現する。
【0405】
後続投与量の細胞によって発現される受容体(例えば、CAR)は、一般的に、初回投与量のCARと同じ抗原に特異的に結合され、一般的に、初回投与量の細胞の受容体と同じ受容体または非常に類似した受容体である。いくつかの実施形態では、後続投与量の細胞での受容体は、初回投与量の細胞での受容体と同じか、または前記受容体と非常に類似している。
【0406】
いくつかの実施形態では、後続投与量の細胞によって発現されるCARは、初回投与量の細胞によって発現されるCARと同じscFv、同じ信号伝達ドメインおよび/または同じ接続を含む。いくつかの実施形態では、これは初回投与量と同じ共同刺激、刺激、膜貫通および/または他のドメインをさらに含む。いくつかの実施形態では、後続投与量のCARの1つまたは複数の成分は、初回投与量のCARと異なる。
【0407】
免疫エフェクター細胞
本発明では、キメラ受容体を発現して本明細書による方法を使用して提供された細胞は、免疫エフェクター細胞である。前記細胞は、一般的に、ヒト細胞である哺乳動物細胞のような真核生物の細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、血液、骨髄、リンパ、またはリンパ組織から誘導された、リンパ球を含む、一般的にT細胞および/またはNK細胞である骨髄またはリンパ形細胞のような先天性または適応免疫の細胞などの免疫系の細胞である。他の例示的な細胞は、多分化能(multipotent)と多能性(pluripotent)幹細胞のような幹細胞を含み、誘導多能性幹細胞(iPSC)を含む。細胞は、一般的に、被験者から直接分離するか、および/または被験者から分離して冷凍した細胞のような1次細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、T細胞または他の細胞型の1つまたは複数のサブグループを含み、例えば、前T細胞集団、CD4+細胞、CD8+細胞およびそのサブグループ、例えば、機能、有効状態、成熟、分化の可能
性、増幅、再循環、位置決め、および/または持続能力、抗原特異性、抗原受容体タイプ、特定の器官またはコンパートメントでの存在は、マーカーまたはサイトカインの分泌状況、および/または分化の程度によって限定されたものを含む。治療待機中の被験者について、細胞は、同種異系および/または自体であることができる。方法は、既存の方法を含む。いくつかの態様では、先行技術において、細胞は、誘導多能性幹細胞(iPSC)のような多能性および/または多分化能幹細胞である。いくつかの実施形態では、前記方法は、被験者から分離された細胞を製造、処理、培養および/または操作して、冷凍保存の前または後、これを同じ患者に導入するステップを含む。
【0408】
T細胞および/またはCD4+および/またはCD8+T細胞のサブタイプおよびサブグループは、元のT(TN)細胞、エフェクターT細胞(TEFF)、記憶T細胞およびそのサブタイプを含み、例えば、幹細胞記憶T(TSCM)、中心記憶T(TCM)、エフェクター記憶T(TEM)、または最終的に分化したエフェクター記憶T細胞、腫瘍-浸潤性リンパ球(TIL)、未成熟T細胞、成熟T細胞、ヘルパーT細胞、細胞傷害性T細胞、粘膜関連非変異体T(MAIT)細胞、天然的に生成されたと養子調節T(Treg)細胞、ヘルパーT細胞は、例えば、TH1細胞、TH2細胞、TH3細胞、TH17細胞、TH9細胞、TH22細胞、小胞ヘルパーT細胞、α/βT細胞、およびδ/γT細胞を含む。
【0409】
いくつかの実施形態では、前記細胞は、ナチュラルキラー(NK)細胞である。いくつかの実施形態では、前記細胞は、単核細胞または顆粒性白血球であり、例えば、骨髄細胞、マクロファージ、好中球、樹状細胞、肥満細胞、好酸球、および/または好塩基球である。
【0410】
いくつかの実施形態では、前記細胞は、遺伝子工学操作されて導入された1つまたは複数の核酸を含み、これにより前記核酸の組換えまたは遺伝子工学操作された産物を発現する。いくつかの実施形態では、核酸は、異種(heterologous)であり、すなわち、一般的に、細胞または前記細胞から得られたサンプルを、例えば、他の生物体または細胞から得られたサンプルに存在せず、例えば、一般的に操作された細胞および/またはこれらの細胞に由来する生物体で発見されない。いくつかの実施形態では、核酸は、天然に存在することなく、例えば、核酸は、自然の中で発見されたものであり、様々な異なる細胞タイプから由来されたドメインをエンコードする核酸を含むキメラの組み合わせを含む。
【0411】
遺伝子工学操作のための方法および担体
本発明は、キメラ抗原受容体を発現する遺伝子工学操作された細胞を生成するための方法、組成物、およびキットをさらに提供する。遺伝子工学操作は、一般的に、前記組換えまたは操作された部分をエンコードする核酸を細胞に導入する操作、例えば、レトロウイルス形質導入し、形質注入、形質転換を介して行われる操作に関するものである。
【0412】
いくつかの実施形態では、まず、細胞を刺激し、例えば、これを刺激物と組み合わせ、前記刺激物で増殖、生存および/または活性化のような反応を誘導し、例えば、サイトカインまたは活性化マーカーの発現により検出した後、前記活性化された細胞を形質導入し、培養物から臨床応用に十分に提供することができる数まで増幅させることで、遺伝子転移を進行する。
【0413】
いくつかの状況では、刺激因子(例えば、リムポーカーまたはサイトカイン)の過発現は、被験者に対して毒性を持つことができる。したがって、いくつかの状況では、操作された細胞は、例えば、免疫効果の治療で投与された後、細胞が体内に敏感な遺伝子セグメントを、陰性選択するようにする。例えば、いくつかの態様では、前記細胞は、操作され
ることにより、これらはこれらが投与された被験者の体内の状況の変化により除去することができる。陰性選択できる表現型は、投与された試薬(例えば、化合物)の感度を提供する遺伝子を使用して作成することができる。陰性選択できる遺伝子はガンシクローバー(ganciclovir)に対して敏感を提供する単純ヘルペスウイルスI型チミジンキナーゼ(herpes simplex virus type I thymidine kinase、HSV-I TK)遺伝子(Wiglerなど、Cell II:223、I977 )、細胞性ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(cellular hypoxanthine phosphoribosyl Transferase、HPRT)遺伝子、細胞性アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(cellular adenine phosphoribosyl transferase、APRT)遺伝子、細菌シトシンデアミナーゼ(bacterial cytosine deaminase)(Mullenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 89: 33 (1992))を含む。
【0414】
いくつかの態様では、細胞はまた、操作されてサイトカインまたは他の因子の発現を促進させる。抗原受容体(例えば、CAR)のような遺伝子工学操作された成分を導入するための様々な方法は、公知のものであり、本明細書で提供された方法と、組成物を使用することができる。例示的な方法は、レトロウイルス(retrovirus)またはレンチウイルス(lentivirus)のようなウイルス、形質導入し、転移因子、および電気穿孔を通じた方法を含む受容体をエンコードする核酸を転移させるための方法を含む。
【0415】
いくつかの実施形態では、組換え感染性ウイルス顆粒を使用して、組換え核酸を細胞に転移させる、例えば、類人猿ウイルス40(simian virus40、SV40)、アデノウイルス(adenovirus)、アデノ関連ウイルス(adeno-associated virus、AAV)に由来する担体を使用する。いくつかの実施形態では、組換えレンチウイルス担体、またはγ-レトロウイルス担体のようなレトロウイルス担体を使用して、組換え核酸をT細胞転移させる(例えば、Kosteら、(2014)Gene Therapy2014年4月3日. doi:10.1038/ gt.2014.25;Carlensら、(2000)Exp Hematol28(10):1137-46;Alonso-Caminoら、(2013)Mol Ther Nucl Acids2、e93;Parkら、Trends Biotechnol. 2011年11月に、29(11):550-557を参照)。
【0416】
いくつかの実施形態では、前記レトロウイルス担体は、長い末端重複配列(LTR)を備えており、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス(Moloney murine leukemia virus、MoMLV)、骨髄増殖性肉腫ウイルス(myeloproliferative sarcoma virus、MPSV) 、マウス胚性幹細胞ウイルス(murine embryonic stem cell virus、MESV)、マウス幹細胞ウイルス(murine stem cell virus、MSCV)、脾臓病巣形成ウイルス(spleen foci forming virus、SFFV)またはアデノ関連ウイルス(AAV)に由来するレトロウイルス担体である。ほとんどのレトロウイルスベクターは、マウスレトロウイルスに由来する。いくつかの実施形態では、前記レトロウイルスは、任意の鳥類または哺乳動物の細胞源に由来するものを含む。レトロウイルスは通常両親媒性であり、これは、多くの種類(人間を含む)の宿主細胞に感染させることができることを意味する。レンチウイルス形質導入方法は、公知されたものである。例示的な方法は、例えばWangら、(2012)J. Immunother. 35(9):689-701;Cooperなど、(2003)Blood. 101:1637-1644;Verhoeyenら、(2009)Methods Mol Biol. 506:97-114;とCavalieriなど、(
2003)Blood. 102(2):497-505に記載されている。
【0417】
いくつかの実施形態では、電気穿孔を介して組換え核酸をT細胞に転移させる(例えば、Chicaybamら、(2013)PLoS ONE 8(3):e60298とVan Tedelooら、(2000)Gene Therapy 7(16):1431-1437を参照)。いくつかの実施形態では、転座(translocation)を介して組換え核酸をT細胞に転移させる(例えば、Manuriら、(2010)Hum Gene Ther 21(4):427-437;Sharmaら、(2013)Molec Ther Nucl Acids 2、e74;およびHuangら、(2009)Methods Mol Biol 506:115-126を参照)。免疫細胞に遺伝物質を導入し、発現する他の方法は、リン酸カルシウム形質注入(例えば、「分子生物学の現在のプロトコル」(Current Protocols inMolecular Biology)に記載されており、ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons)、ニューヨーク州ニューヨーク)、プロトプラスト融合、カチオン性リポソーム媒介形質注入が含まれ、タングステン粒子によって促進される粒子の衝撃(Johnston、Nature、346:776-777(1990)、およびリン酸ストロンチウムDNA共沈(Brashら、Mol l. Cell Biol.、7:2031-2034(1987))を含む。
【0418】
組換え産物をエンコードする核酸を転移させるための他の方法と担体は、例えば、公開番号がWO2014055668である国際特許出願、および番号が7,446,190である米国特許に記載されている。
【0419】
導入のための他の核酸(例えば、遺伝子)は、例えば転移される細胞の活性および/または機能を促進させ、治療効果を改善させるためのもの;遺伝マーカーを提供して細胞を選択し、および/または評価する遺伝子、例えば、体内の生存や位置決めを評価する遺伝子;安全性の遺伝子、例えば、細胞が体内に敏感な遺伝子セグメントを、陰性選択できるようにする遺伝子を含むが、例えば、Lupton S .D.ら、Mol. and Cell Biol.、11:6(1991);とRiddellら、Human Gene Therapy 3:319-338(1992)に記載された通りであり;また、Luptonの公開番号PCT/US91/08442およびPCT/US94/05601などを参照することができるが、これに陽性選択可能なマーカーと陰性可能なマーカーの融合誘導による二重の機能は、選択可能な融合遺伝子の応用が説明されている。例えば、Riddellら、番号が6,040,177である米国特許第14~17のコラムを参照することができる。
【0420】
免疫エフェクター細胞の調製
いくつかの実施形態では、操作された細胞の製造は、1つまたは複数の培養および/または1つまたは複数の調製ステップを含む。遺伝子組み換え受容体(例えば、CAR)をエンコードする核酸を導入するための細胞は、サンプル(例えば、生物学的サンプルは、例えば、被験者から得るか、または被験者に由来するサンプル)から分離することができる。いくつかの実施形態では、細胞が分離されている被験者は、一定の疾患または病症を患っているか、または細胞治療を必要とするか、または細胞治療を行う被験者である。いくつかの実施形態では、被験者は、特定の治療的に媒介されたヒトであり、例えば、養子細胞治療またはエフェクター細胞治療法を必要とするヒトであり、前記治療に使用される細胞は、分離、加工および/または操作を経たものである。いくつかの実施形態では、前記細胞は、1次ヒト細胞のような1次細胞である。前記サンプルは、被験者の組織、体液および他のサンプルから直接得られたサンプル、および例えば分離、遠心分離、遺伝子工学による操作(例えば、ウイルス担体を用いた形質導入)、洗浄および/またはインキュベートなどの1つまたは複数の処理ステップから得られたサンプルを含む。前記生物学的
サンプルは、生物由来のサンプルまたは処理されたサンプルから直接得ることができる。生物学的サンプルは、例えば血液、血漿、血清、脳脊髄液、滑膜液、尿や汗などの体液、組織、器官のサンプルを含むが、これに限定されず、これらから由来された処理されたサンプルを含む。
【0421】
いくつかの態様では、細胞が誘導または分離されたサンプルは、血液または血液由来のサンプルであるか、または成分採集や白血球除去術による産物である。例示的なサンプルは、全血、末梢血単核細胞(PBMC)、白血球、骨髄、胸腺、組織生検水、腫瘍、白血病、リンパ腫、リンパ節、腸関連リンパ形の組織、粘膜関連リンパ形の組織、脾臓、他のリンパ形の組織、肝臓、肺、胃、腸、結腸、腎臓、膵臓、乳房、骨、前立腺、子宮頸部、精巣、卵巣、扁桃または他の器官、および/またはこれら由来の細胞を含む。細胞治療(例えば、養子細胞治療または免疫エフェクター細胞治療)の場合には、サンプルは、独自のと同種異系由来のサンプルを含む。
【0422】
いくつかの実施形態では、前記細胞は、T細胞株のような細胞株に由来する。いくつかの実施形態では、細胞は、マウス、ラット、非ヒト霊長類、およびブタのような異種(xenogeneic)に由来する。
【0423】
いくつかの実施形態では、細胞の分離は、1つまたは複数の調製および/または進化性基づいていない細胞分離ステップを含む。いくつかの実装例では、細胞は、1つまたは複数の物質の存在下で洗浄、遠心分離、および/またはインキュベートを経たが、例えば、不必要な成分を除去し、必要な成分を豊富にし、具体的な物質について敏感細胞を分解または除去するために、これらの手順を経る。いくつかの実装例では、細胞は、例えば密度、付着性質、大きさ、具体的成分の感度および/または抵抗性などの1つまたは複数の性質に基づいて分離される。いくつかの実装例では、例えば、成分採集や白血球除去術を介して被験者の循環血液から由来された細胞を得る。いくつかの態様では、前記サンプルは、リンパ球を含み、T細胞、単核細胞、顆粒性白血球、B細胞、他のユヘク血液白血球、赤血球、および/または血小板を含み、いくつかの態様では、赤血球と血小板と異なる細胞を含む。
【0424】
いくつかの実施形態において、前記被験者から収集した血液細胞を洗浄するために、例えば、血漿部分を除去し、前記細胞を、適切な緩衝液または培地に置いて、後続の処理ステップで使用するために洗浄する。いくつかの実施形態では、前記細胞は、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄する。いくつかの実施形態では、洗浄溶液中のカルシウムおよび/またはマグネシウムおよび/または多数のまたはすべての2価陽イオンが不足している。いくつかの態様では、洗浄ステップは、メーカーの説明にしたがって、半自動化「フロースルー」遠心分離法(例えば、COBE 2991セルプロセッサー、BaXter)を介して完成される。いくつかの態様では、洗浄ステップは、メーカーの説明にしたがって、接線流動濾過(TFF)を介して完成される。いくつかの実施形態では、洗浄後、前記細胞は、例えばCa++/Mg++PBSフリーPBS(Ca++/Mg++PBS
- free PBS)のような様々な生体適合緩衝液で再懸濁される。いくつかの実施形態では、血液細胞のサンプル成分を除去し、細胞を培地に直接再懸濁させる。
【0425】
いくつかの実施形態では、前記方法は、密度ベースの細胞分離方法を含むが、例えば、赤血球を分解したり、赤血球を分解せずにPercollまたはFicoll勾配を介して末梢血を遠心分離するか、またはサンプルについて成分採集または白血球除去術を実行して、末梢血単核細胞(PBMC)を得る。
【0426】
いくつかの実施形態では、前記分離方法は、細胞の1つまたは複数の特定の分子、例えば、表面マーカー、例えば、表面タンパク質、細胞内マーカーまたは核酸の発現または存
在に基づいて、異なる種類の細胞を分離するステップを含む。いくつかの実施形態では、これらのマーカーに基づいて分離する任意の公知の方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、前記分離は親和性ベースの、または免疫親和性ベースの分離である。例えば、いくつかの態様では、前記分離は、細胞の1つまたは複数のマーカー(一般的には、細胞表面マーカー)の発現または発現レベルに基づいて、細胞と細胞群を分離することを含み、例えば、このようなマーカーに特異的に結合されている抗体または結合パートナーを介してインキュベートし、その後、一般的に洗浄ステップを実行し、前記抗体または結合パートナーにまだ結合していない細胞から前記抗体または結合パートナーに既に結合された細胞を分離することを含む。
【0427】
これらの分離ステップは、陽性選択および/または陰性選択に基づいて行うことができ、陽性選択では、前記試薬に既に結合された細胞を保留してさらに応用され、陰性選択では、前記抗体または結合パートナーにまだ結合していない細胞を保留する。いくつかの実装例では、2つの部分はすべて保留して追加的に応用される。いくつかの態様では、異種(heterogeneous)群で細胞の種類を特異的に検証することができる抗体が存在しない場合には、陰性選択が非常に役に立つことができることで、必要な群と異なる細胞を介して発現されたマーカーに基づいて進行して分離することが望ましい。
【0428】
前記分離は、具体的な細胞集団、または具体的なマーカーを発現する細胞の100%を豊かにしたり、削除する必要がない。例えば、具体的なタイプの細胞を陽性選択するか、豊富にするのは、例えば、マーカーを発現するのは、前記細胞の数またはパーセンテージを増加させるが、前記マーカーを発現していない細胞を完全に存在しないようにする必要がありがないことを意味する。同様に、具体的なタイプの細胞を陰性選択、削除または消費するするのは、例えば、マーカーを発現するのは、前記細胞の数またはパーセンテージを減少させるが、すべてのこれらの細胞を完全に除去する必要がないことを意味する。
【0429】
いくつかの実装例では、複数回の分離のステップを実行するが、ここでは、1つのステップからの陽性選択または陰性選択の部分は、他の分離ステップを実行するために、例えば、後続の陽性選択または陰性選択を行う。いくつかの実装例では、単一の分離ステップは、複数のマーカーを発現する細胞を同時に消費し、例えば、インキュベートを介して細胞を自己の陰性選択の標的化するマーカーと特異的多様抗体または結合パートナーと一緒にインキュベートする。同様に、細胞を、様々な細胞タイプで発現される様々な抗体または結合パートナーと一緒にインキュベートして、複数の細胞タイプに対して同時に陽性選択を行うようすることができる。
【0430】
例えば、いくつかの態様では、T細胞の特定のサブグループ、例えば、1つまたは複数の表面マーカー陽性細胞、または高レベルの1つまたは複数の表面マーカーを発現する細胞、例えば、CD3+、CD28+、CD62L+、CCR7+、CD27+、CD127+、CD4+、CD8+、CD45RA+および/またはCD45RO+T細胞は、陽性選択または陰性選択技術によって分離される。
【0431】
例えば、CD3+、CD28+T細胞は、CD3/CD28に接続された磁性ビーズ(例えば、DYNAビーズM-450 CD3/CD28 T細胞増幅器)を使用して陽性選択を行うことができる。
【0432】
いくつかの実施形態では、分離は陽性選択を介して、具体的な細胞群を豊富にしたり、または陰性選択を介して、具体的な細胞群を消費することによって行われる。いくつかの実施形態では、陽性選択または陰性選択は、細胞を1つまたは複数の表面マーカーに特異的に結合される1つまたは複数の抗体または他の結合試薬と一緒にインキュベートして完成し、前記1つまたは複数の表面マーカーは、それぞれ陽性選択または陰性選択された細
胞で発現されるか(マーカー+)または比較的高いレベルで発現される(マーカーハイ(marker high))。
【0433】
いくつかの実施形態では、T細胞は、非-T細胞(例えば、B細胞、単核細胞または他の血液の白血球)で発現されるマーカー(例えば、CD14)に対して、音声選択を行い、PBMCサンプルから分離される。いくつかの態様では、CD4+またはCD8+選択ステップを使用してヘルパーCD4+およびCD8+細胞傷害性T細胞を分離する。1つまたは複数の1次、記憶および/またはエフェクターT細胞のサブグループで発現されるか、または比較的高い程度で発現されるマーカーについて陽性選択または陰性選択を行い、これらのCD4+およびCD8+群をサブグループにさらに分離することができる。
【0434】
いくつかの実施形態では、CD8+細胞は、1次、中心記憶、エフェクター記憶および/または中心記憶幹細胞をさらに豊かにしたり消費し、例えば、対応するサブグループに関連付けられて表面抗原に基づいて陽性選択または陰性選択を進行する。いくつかの実施形態では、効果を増加させるためには、例えば、長期生存、増幅および/または投与後の移植を改善させるために中心記憶T(TCM)細胞を豊富にして、いくつかの態様では、これは、これらのサブグループで特に強い。Terakuraら、(2012) Blood. 1: 72-82;Wangら、(2012)J Immunother. 3
5(9): 689-701を参照することができる。いくつかの実施形態では、TCMを豊かにしたCD8+T細胞とCD4+T細胞を組み合わせて効果をより増強させる。
【0435】
実施形態では、記憶T細胞は、CD8+末梢血リンパ球のCD62L+およびCD62L-サブグループに存在する。PBMCは、CD62L-CD8+および/またはCD62L+CD8+部分を豊かたり消費し、例えば、抗CD8抗体および抗CD62L抗体を使用する。
【0436】
いくつかの実施形態では、中心記憶T(TCM)細胞を豊富にすることはCD45RO、CD62L、CCR7、CD28、CD3、および/またはCD127陽性または表面過発現によって行われ、いくつかの態様では、これはCD45RAおよび/またはグランザイム(granzyme)B発現または過発現された細胞に基づいて、陰性選択される。いくつかの態様では、TCM細胞を豊富にするCD8+群の分離はCD4、CD14、CD45RAを発現する細胞の消耗、および陽性選択またはCD62Lを発現する細胞を豊富にする方法を使用して実行される。一方、中心記憶T(TCM)細胞を豊富にすることはCD4発現に基づいて選択された細胞の陰性部分をはじめとして、CD14およびCD45RAの発現に基づいて、陰性選択をし、CD62Lに基づいて陽性選択を行う方式を使用して実行される。いくつかの態様では、このような選択は、同時に進行され、別の態様では、このような選択は、特定の順序で順次行われる。いくつかの態様では、CD4発現ベースの同じ選択ステップは、CD8+細胞群またはサブグループを調製するためのものであり、また、CD4+細胞群またはサブグループを作成するためのものなので、CD4ベースの分離からの陽性および陰性の部分を保留して、1つまたは複数の追加の陽性選択または陰性選択ステップを選択的に実行した後、前記方法の後続のステップに使用される。
【0437】
具体的な実装例では、PBMCサンプルまたは他の血液の白血球サンプルについてCD4+細胞の選択を進行するが、ここで、陰性と陽性部分を保留する。その後、CD14およびCD45RAまたはCD19の発現に基づいて、陰性部分について陰性選択を行い、CD62LまたはCCR7などの中心記憶T細胞特徴マーカーに基づいて陽性選択を進行するが、ここで、前記陽性選択および陰性選択は特定の順序で行われる。
【0438】
細胞表面抗原を備える細胞集団を検証してヘルパーCD4+T細胞を、1次、中心記憶
とエフェクター細胞に分離する。CD4+リンパ球は、標準的な方法を介して取得することができる。いくつかの実施形態では、1次CD4+Tリンパ球は、CD45RO-、CD45RA+、CD62L+、CD4+T細胞である。いくつかの実施形態では、中心記憶CD4+細胞は、CD62L+およびCD45RO+である。いくつかの実施形態では、エフェクターCD4+細胞は、CD62L-とCD45RO-ある。
【0439】
1つの実装例では、陰性選択を介してCD4+細胞を豊富にするために、単一のクローン抗体の混合物は、一般的にCD14、CD20、CD11b、CD16、HLA-DR、およびCD8に対する抗体を含む。いくつかの実施形態では、前記抗体または結合パートナーは、例えば磁気ビーズまたは常磁性ビーズ(paramagnetic bead)のような固体支持物または基質に結合させて陽性選択および/または陰性選択のための細胞を分離することを許可する。
【0440】
いくつかの実施形態では、調製方法は、分離、インキュベートおよび/または操作の前または後に前記細胞を凍結保存するステップのようなステップを含む。いくつかの実施形態において、前記凍結し、その後の溶解ステップで顆粒性白血球を除去し、さらに、ある程度では、細胞集団中の単核細胞を除去する。いくつかの実施形態では、例えば、洗浄ステップは、血漿と血小板を除去した後、前記細胞を凍結溶液に懸濁させるために行われる。いくつかの態様では、任意の様々な公知の冷凍液とパラメータを使用することができる。一つの実装例では、20%のDMSOおよび8%のヒト血清アルブミン(HAS)を含むPBSまたは他の適切な細胞凍結培地を使用する。その後、DMSOとHASの最終濃度がそれぞれ10%および4%になるように培地を1:1に希釈する。その後、一般的にプログラム可能な冷却装置として、既に定められたプログラムまたは1°/分の速度と同じ原理に基づいて、細胞を-80℃または-90℃まで凍結し、液体窒素貯蔵タンクの気相に格納する。
【0441】
いくつかの実施形態では、提供された方法は、培養、インキュベート、および/または遺伝子工学操作のステップを含む。例えば、いくつかの実施形態では、消費された細胞集団と培養開始組成物をインキュベートおよび/または操作する方法を提供する。
【0442】
いくつかの実施形態では、前記細胞群は培養開始組成物でインキュベートされる。例えば、細胞、チャンバー、ウェル、カラム、チューブ、チューブセット、バルブ、バイアル、ペトリ皿、バック(bag)、または細胞を培養するための他の容器のような容器でインキュベートおよび/または操作する。
【0443】
いくつかの実施形態では、遺伝子工学操作の前に、または遺伝子工学操作と一緒に細胞をインキュベートおよび/または培養する。インキュベートステップは、培養、刺激、活性化、および/または増殖を含むことができる。いくつかの実施形態では、刺激条件または刺激性試薬の存在下で細胞または組成物をインキュベートする。これらの条件は、群で細胞増殖、繁殖、活性化、および/または生存を誘導するように設計して、抗原との接触を模擬したり、および/または細胞を組換え抗原受容体への導入のような遺伝子工学操作に使用するように誘導する条件を含む。
【0444】
前記条件は、具体的な培地、温度、酸素含有量、二酸化炭素含有量、時間、例えば栄養物質、アミノ酸、抗生物質、イオンのような試薬、および/または、例えばサイトカイン、ケモカイン、抗原、結合パートナー、融合タンパク質、組換え供給受容体のような刺激因子、および設計を経て細胞の状態の活性化を維持することができる任意の他の物質を含むことができる。
【0445】
いくつかの実施形態では、刺激条件または試薬は、TCR複合体の細胞内シグナル伝達
ドメインを活性化させることができるリガンドなどの1つまたは複数の物質を含む。いくつかの態様では、前記物質は、T細胞中のTCR/CD3細胞内シグナル伝達カスケード反応を開始するか、起こす。これらの物質は、例えば、TCRの成分および/または共同刺激受容体に対して特異的な抗体を含むことができるが、例えば、ビーズのような固体支持物に結合される、例えば抗CD3抗体、抗CD28抗体、および/または一つまたは複数のサイトカインを含むことができる。選択的に、増幅方法は、培地(例えば、少なくとも約0.5ng/mlの濃度)に抗CD3抗体および/または抗CD28抗体を添加する
ステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、刺激剤は、少なくとも約10単位/mLの濃度のIL-2のような1L-2および/またはIL-15および/またはIL-7および/またはIL-21を含む。
【0446】
いくつかの態様では、インキュベートは、例えば、Riddellらに授与した番号が6,040,177である米国特許、Klebanoffら、(2012)J Immunother. 35(9):651-660、Terakuraら、(2012)Blood. 1:72-82、および/またはWangら、(2012)J Immunother. 35(9):689-701に記載されたいくつかの技術に基づいて進行する。
【0447】
いくつかの実施形態では、T細胞集団は、非-分裂型末梢血単核細胞(PBMC)のような培養開始組成物フィーダー細胞まで増加させて(例えば、増幅する初期群中の各Tリンパについて得られた細胞群は、少なくとも約5、10、20または40または40以上のPBMCフィーダー細胞を含む)、前記培養物をインキュベートする(例えば、前記数のT細胞を増幅するのに十分な時間)方式で増幅する。いくつかの態様では、前記非-分裂型フィーダー細胞はγ線照射されたPBMCフィーダー細胞を含むことができる。いくつかの実施形態では、前記PBMCは、約3000~3600ラドの範囲内γ線照射を介して細胞分裂を防止する。いくつかの態様では、前記フィーダー細胞は、T細胞を加える前に、培地に添加する。
【0448】
いくつかの実施形態では、前記刺激条件は、ヒトTリンパ球の成長に適した温度、例えば、約25℃、一般的に、少なくとも約30℃、また、一般的に、または約37℃である温度を含む。選択的に、インキュベートは、非-分裂型EBV-転換されたリンパ芽球細胞(LCL)をフィーダー細胞として添加するステップをさらに含むことができる。LCLは約6000~10000ラドの範囲内γ線で照射することができる。いくつかの態様では、LCLフィーダー細胞は、任意の適切な量で提供されるが、例えば、LCLフィーダー細胞と初期Tリンパ球の割合は、少なくとも約10:1である。
【0449】
いくつかの実施形態では、抗原に天然または抗原特異的Tリンパ球を刺激して、抗原特異的CD4+および/またはCD8+T細胞のような抗原特異的T細胞を得る。例えば、抗原特異的T細胞株またはクローンは、サイトメガロウイルス抗原に対して発生し、感染した被験者からのT細胞を分離して、同じ抗原を使用して、細胞を体外で刺激することによって行われる。
【0450】
組成物および製剤
本発明は、本発明の方法のための薬物組成物および製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本発明の薬物組成物および製剤は、投与のための細胞の組成物を含み、例えば、指定された投与量またはその一部を含む投与のための細胞数からの単位剤形組成物を含む薬剤組成物及び製剤を含む。前記薬物組成物および製剤は、一般的に1つまたは複数の選択的な薬学的に許容される担体または賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、前記組成物は、少なくとも一つの他の治療剤を含む。
【0451】
用語「薬物製剤」は、このような形の製剤を意味するが、前記製剤は、その中に活性成分を含有する生物学的活性が効果的であるよう可能にし、また、前記製剤を投与しようとする被験者が許容されていない毒性を備える追加の成分を含有しない。
【0452】
「薬学的に許容される担体」は、活性成分ではなく、被験者について毒性がない薬物製剤のいずれかの成分を意味する。薬学的に許容される担体は、緩衝剤、賦形剤、安定剤または防腐剤を含むが、これらに限定されない。
【0453】
いくつかの態様では、担体の選択部分は、特定の細胞および/または投与方法によって決定される。したがって、様々な適切な調製方法が存在する。例えば、前記薬物組成物は、防腐剤を含むことができる。適切な防腐剤には、例えば、メチルパラベン(methyl paraben)、プロピルパラベン(propyl paraben)、安息香酸ナトリウム(sodium benzoate)、および塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)を含み得る。いくつかの態様では、2つまたは2つ以上の防腐剤の混合物を使用する。適切な防腐剤は、例えば、メチルパラベン(methyl paraben)、プロピルパラベン(propyl paraben)、安息香酸ナトリウム(sodium benzoate)、および塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)を含むことができる。いくつかの態様では、2つのまたは2種類以上の防腐剤の混合物を使用する。防腐剤またはそれらの混合物の存在量は、一般的に約0.0001%~約2%(組成物の総重量で計算)である。担体
は、例えば、「レミントンの製薬科学」(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第16版、Osol、A. 編集(1980)に記載されている。使用される投与量および濃度において、薬学的に許容される担体は、一般的に被験者に対して毒性がなく、リン酸塩、クエン酸塩、および他の有機酸緩衝剤のような緩衝剤;アスコルビン酸(ascorbic acid)とメチオニン(Methionine)を含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド(octadecyl dimethyl benzyl ammonium chloride);ヘキサアルキル第四級アンモニウムクロリド(hexaalkyl
quaternary ammonium chloride);塩化ベンザルコニウム(benzalkonium chloride)、塩化ベンゼトニウム(benzethonium chloride);フェノール(phenol)、ブチル(butyl)またはベンジルアルコール(benzyl alcohol);メチルまたはプロピルp-ヒドロキシ安息香酸(methyl or propyl p-hydroxybenzoate)などのp-ヒドロキシ安息香酸アルキル(p-hydroxy alkyl benzoate);カテコール(catechol);レゾルシノール(resorcinol);シクロヘキサノール(cyclohexanol);3-ペンタノール(3-pentanol);およびm-クレゾール(m-cresol));低分子量(約10個の残基より少ない)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン(gelatin)または免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)のような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン(glutamine)、アスパラギン(asparagine)、ヒスチジン(histidine)、アルギニン(arginine)またはリジン(lysine)のようなアミノ酸;グルコース(glucose)、マンノース(mannose)またはデキストリン(dextrin)を含む単糖類、二糖類、および他の糖類;EDTAのようなキレート剤;ショ糖(sucrose)、マンニトール(mannitol)、トレハロース(trehalose)またはソルビトール(sorbitol)のような糖類;ナトリウムのような塩を形成する対イオン(salt-forming counterions);金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体);および/またはポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)のような非イオン性界面活性剤を含むが、これらに限定されない。
【0454】
いくつかの態様では、前記組成物は、緩衝剤を含む。適切な緩衝剤は、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸、リン酸カリウム、および様々な他の酸および塩を含む。いくつかの態様では、2つまたは2つ以上の緩衝剤の混合物を使用する。緩衝剤またはそれらの混合物の存在量は、一般的に約0.001%~約4%(組成物の総重量で計算)
である。投与可能な薬物組成物を製造するための方法は、公知されたものである。例示的な方法は、具体的には、例えば、「レミントン:薬学の科学実践」(Remington:The Science and Practice of Pharmacy)、LWW社(Lippincott Williams&Wilkins);第21版(2005年5月1日)に記載されている。
【0455】
前記製剤は、水溶液を含むことができる。前記製剤または組成物は、一つ以上の活性成分をさらに含むことができ、前記活性成分は、前記細胞治療が適用される特定の適応症、疾患または病症に使用することができ、好ましくは、前記細胞の補充活性を備えるものに使用することができ、ここで、対応する活性剤は、互いに悪影響を発生しない。これらの活性成分は、必要な目的のために効果的な投与量に組み合わされて、適切に存在する。したがって、いくつかの実施形態では、前記薬物組成物は、他の薬学活性物質または薬物をさらに含み、例えば、化学治療剤、例えば、アスパラギナーゼ、ブスルファン、カルボプラチン、シスプラチン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、フルオロウラシル、ヒドロキシ尿素、メトトレキサート、パクリタキセル、リツキシマブ、ビンブラスチン、および/またはビンクリスチンをさらに含む。
【0456】
いくつかの実施形態では、薬物組成物は、例えば、治療有効量または予防有効量のような疾患または病症を効果的に治療または予防する量の細胞を含む。いくつかの実施形態では、治療される被験者を定期的に評価して、治療または予防効果を監視する。必要な投与量は、単一のボールルース(single bolus)を介して前記細胞を投与したり、複数のボールルース(multiple boluses)を介して前記細胞を投与したり、あるいは細胞を連続的に注入して転送することができる。
【0457】
いくつかの実施形態では、前記組成物は、疾患または病症の負担を効果的に低減させる量、および/または被験者のCRSまたは重大なCRSを起こさない量、および/または本明細書に基づく方法の任意の他の結果を実装する量の細胞を含む。
【0458】
前記細胞と組成物は、標準的な投与技術、製剤および/または装置を使用して投与することができる。前記細胞の投与は、自己(autologous)または異種(heterologous)であることができる。例えば、免疫抑制細胞または前駆細胞は、同じ被験者から得られ、同じ被験者または異なる相溶性被験者に投与することができる。末梢血から誘導された免疫抑制細胞またはその後代(例えば、体内、生体外または体外から誘導される)は、カテーテル投与(catheter administration)、全身注射、局所注射、静脈注射、または非経口投与を含む局所注射を介して投与することができる。治療性組成物(例えば、遺伝変形された免疫抑制細胞を含有する薬物組成物)を投与する場合には、これは一般的に単位剤形の注射可能な形態(溶液、懸濁液、乳液)に調製される。
【0459】
製剤は、経口投与、静脈内、腹膜内、皮下、肺、経皮、筋肉内、鼻腔内、粘膜、舌下、または坐剤投与に使用される製剤を含む。いくつかの実施形態では、前記細胞集団は、非経口投与される。。本明細書に使用された用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣および腹腔内投与を含む。いくつかの実施形態では、前記細胞は、静脈内、腹膜内または皮下注射を介して末梢全身配信を利用して、被験者に投与される。
【0460】
いくつかの実施形態では、組成物は、無菌の液体製剤の形態で提供されるが、例えば、等張性水溶液、懸濁液、乳液、分散体または粘性組成物として提供され、その一部の態様では、選択されたpHまで緩衝することができる。液体製剤は、一般的にゲル、他の粘性組成物と固体組成物よりも容易に製造される。なお、液体組成物は、特に注射を介して投与することがよりやすい。別の態様では、粘性組成物は、適切な粘度範囲内で調製され、特定の組織よりも長い接触時間を提供することができる。液体または粘性組成物は、例えば、水、塩水、リン酸緩衝生理食塩水、ポリヒドロキシ化合物(例えば、グリセリン(glycerol)、プロピレングリコール(propylene glycol)、液体ポリエチレングリコール)、およびその適した混合物を含有溶媒または分散媒体であることができる担体を含むことができる。例えば、適切な担体、希釈剤、または滅菌水、生理食塩水、グルコース、デキストロースのような賦形剤などの溶媒に前記細胞を入れて無菌注射可能溶液を調製することができる。組成物は、湿潤、分散、または乳化剤(例えば、メチルセルロース(methyl cellulose))、pH緩衝剤、ゲル化剤または増粘添加剤、防腐剤、風味剤、および/または色素などの補助物質を含むことができるが、必要な投与および調製経路によって決定される。いくつかの態様では、標準的な教科書を参照して、適切な製造物を製造することができる。
【0461】
組成物の安定性と無菌性を増強させる抗微生物防腐剤、抗酸化剤、キレート剤、および緩衝剤を含む、様々な添加剤を添加することができる。また、様々なパラベン系(parabens)、クロロブタノール(chlorobutanol)、フェノール、およびソルビン酸(sorbic acid)のような抗細菌剤及び抗真菌剤を使用して、微生物の作用を防止するように確保することができる。アルミモノステアレート(aluminum monostearate)やゼラチンなどの吸収を遅延させる物質を使用して注射可能な薬物形態の吸収を延長させることができる。
【0462】
体内投与のための製剤は、一般的に無菌である。無菌は、例えば無菌ろ過膜でろ過して容易に実装することができる。
【0463】
製品
本発明は、提供された養子細胞治療または免疫エフェクター細胞の治療方法に応じて、被験者に、細胞を投与して、前記細胞および組成物を保存するための、例えばキットおよび装置などの製品を提供する。
【0464】
製品は、1つまたは複数の容器を含み、一般的に多数の容器、包装材料、および1つまたは複数の容器および/または包装組み合わせ、またはそれに付着されたラベル、または被験者に細胞を投与する説明を含むパッケージ挿入ページである。
【0465】
容器は、一般的に、例えば1つまたは複数の単位投与量の投与される細胞を含む。製品は、一般的に、単一の単位投与量の細胞を含有する多数の容器を含む。単位投与量は、被験者に初回投与量で投与される細胞の量または数あるいは、初回または後続投与量で投与される細胞の数の2倍(または2倍以上)であることができる。これは投与方法に関する被験者に投与される細胞の最も少ない投与量または一番少ない可能量であることができる。いくつかの実施形態では、単位投与量は、本発明の方法に基づいて単位投与量で、特定の疾患また病症を患っている任意の被験者に投与されるか、または任意の被験者の細胞数または細胞最低数である。例えば、いくつかの態様では、単位投与量は、比較的少ない体重および/または比較的低い疾患の負担を持つ被験者に投与される細胞の最少量を含むことができ、例えば、初回投与量に指定された被験者に一つまたはいくつかの状況から1つを超える単位量で投与しても1つまたは複数の後続投与量で指定された被験者に1つまたは1つを超える単位投与量を投与するが、例えば、提供された方法に基づいて投与する。いくつかの実施形態では、例えば、細胞から誘導された被験者のキメラ抗原受容体-発現
またはCAR-発現の数や細胞数などの単位投与量での細胞数は、初回投与量で、特定の被験者に投与されるべきである。いくつかの実施形態では、細胞は、本明細書によって提供され方法で治療しようとしたり、あるいは、これを必要とする被験者から誘導される。
【0466】
いくつかの実施形態では、各容器は、独立して単位投与量の細胞を含み、例えば、同一または基本的に同じ数の細胞を含む。したがって、いくつかの実施形態では、各容器は同じか、ほぼまたは基本的に同じ数の細胞またはキメラ抗原受容体-発現細胞を含む。いくつかの実施形態では、単位投与量は約1×1010、約1×10、約1×10または約1×10個よりも少ない操作された細胞、全細胞、T細胞またはPBMC/kg治療される、および/または細胞から誘導された被験者を含む。
【0467】
適切な容器は、例えば、ボトル、バイアル、注射器、および冷凍バッグのような柔軟性バッグを含む。特定の実施形態では、容器は、バックであるが、例えば、被験者に細胞を注入するのに適したバッグのような柔軟性バッグ、例えば、柔軟性プラスチックまたはPVCバックまたはEVAまたはULPDE、および/またはIV溶液バッグである。いくつかの実施形態では、バックは、無菌溶液と細胞と組成物を提供するための密封可能またはおよび/または滅菌可能なバックである。いくつかの実施形態では、容器、例えば、バッグの容積は約10ml、20ml、30ml、40ml、50ml、60ml、70ml、80ml、90ml、100ml、200ml、300ml、400ml、500ml、または1000mlの容積と等しいか、または約これだけであるか、または少なくともこれだけであり、例えば、約10mL~100mLまたは約100mL、または約10mL~500mLまたは約500mLの容積と同じである。いくつかの実施形態では、バッグのような容器は1つまたは複数の異なる温度で安定するか、および/または細胞の安定保存を提供および/または維持する材料で製造されるが、例えば、治療の前にすぐに凍結融解されるように、低温、例えば、約-20℃、-80℃、-120℃、135℃、-196℃より低いか、同じ温度および/または冷凍保管に適した温度、および/または他の温度、例えば、細胞を凍結解凍するのに適した温度と体温、例えば、約37℃または-38℃、または-39℃、または-40℃のような温度で行わされるが、例えば、被験者の地点または治療地点、例えば、ベッドで行われる。
【0468】
前記容器は、例えば、ガラスやプラスチックのような様々な材料で製造することができる。いくつかの実施形態では、容器は無菌侵入ポートなどの1つまたは複数のポートを含み、これは、例えば、チューブまたはカーケトを通じて1つまたは複数のチューブに接続され、例えば、静脈内トルンの他の注入用および/または、例えば、細胞培養および/または保存バッグまたは他の容器などの他の容器から出て、別の容器に転移される目的のために接続される。例示的な容器は、冷凍バッグ、静脈内溶液バッグ、バイアルを含み、注射針を介して膜を貫通することができるものを備える。
【0469】
製品は、一つまたは複数の使用情報および/または説明が表示され包装挿入ページまたはラベルをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、情報または説明は、特定の疾患または病症を治療することができるか、治療しなければなら内容を表示したり、および/またはその説明を提供する。ラベルまたは包装挿入ページは疾患または病症を治療する製品の内容を表示することができる。いくつかの実施形態では、ラベルまたは包装挿入ページは被験者を治療する説明は、例えば、細胞から誘導された被験者に、初回と1つまたは複数の後続投与量で細胞を投与するが、例えば、提供された方法の実施の形態中のいずれかの方法で投与する説明を提供する。いくつかの実施形態では、説明は、初回投与量の1つの単位投与量、例えば製品の単一単独容器の内容物を投与した後、指定された時点または指定された時間帯内および/または被験者から1つまたは複数の因子または結果の存在または欠失または量または程度を検出した後、1つまたは複数の後続投与量で投与することを指定した。
【0470】
いくつかの実施形態では、説明は被験者に多数の単位投与量で初回投与と連続投与することを指定した。いくつかの実施形態では、初回投与は被験者に、前記単位投与量のいずれかを提供することを含み、その後続投与は、被験者に、前記単位投与量の一つまたは複数を投与することを含む。
【0471】
いくつかの実施形態では、説明は、初回投与後、例えば、初回投与または前投与を開始した後、約21日~約80日、または約25日~約60日、例えば、50日と同じか、約50日である時間に進行される後続投与を指定した。いくつかの実施形態では、説明は、被験者からサイトカイン放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルが、前記初回投与すぐ前の前記被験者の指標の血清レベルよりも約10倍、約25倍、および/または約50倍低いか、および/またはCRSの指数がすでにピークレベルに到達して減少しているか、および/または、前記被験者の細胞によって発現された受容体(例えば、CAR)に特異的な検出可能な適応性宿主免疫反応が表示されないことを決定した後、後続投与量で投与することを指定した。
【0472】
いくつかの実施形態では、ラベルまたは包装挿入ページまたはパッケージは、誘導された細胞の被験者および/または投与する被験者の身分を指示するための標識を含む。自己移植の場合には、細胞から誘導された被験者の身分は、細胞が投与される被験者の身分と同一である。したがって、識別情報は、細胞の元の由来の細胞のような細胞を、特定の患者に投与することを指定することができる。これらの情報は、バーコードまたは他の符号化標識の形で包装材料および/またはラベルに存在することができたり、または被験者の氏名および/または他の識別特徴を指示することができる。
【0473】
いくつかの実施形態では、製品は、1つまたは複数の一般的に細胞を含む組成物を含有した多数の容器を含むが、例えば、その単独の単位投与量形態を含み、その中に組成物を含む1つまたは複数の他の容器をさらに含み、その前記組成物は、他の試薬、例えば、細胞との組み合わせになり、同時に投与したり、任意の順序で1回投与される細胞毒性または他の治療薬を含む。またはこのほかに、前記製品は、薬学的に許容される緩衝剤を含む他のまたは同じ容器をさらに含むことができる。これは、他の緩衝剤、希釈剤、フィルタ、チューブ、針、および/または注射器のような他の成分をさらに含むことができる。
【0474】
用語「包装挿入ページ」は、治療性製品の商品パッケージによく含まれる説明書を意味し、前記説明書は、これらの治療性の製品を使用するの説明、使用方法、投与量、投与、併用療法、禁忌症および/または警告などの情報を含む。
【0475】
初回投与量と後続投与量のCARを発現する自己T細胞を用いた癌患者の治療
本発明の方法は、下記のように総合することができる。
【0476】
「単核細胞分離技術」に基づいて、がんを患っている人間被験者から末梢血単核細胞(PBMC)またはT細胞を分離し、キメラ抗原受容体(CAR)をエンコードするウイルス担体で細胞を培養および形質導入し、前記キメラ抗原受容体(CAR)は、被験者の癌により発現された腫瘍関連または腫瘍特異的抗原である抗原に特異的に結合される。細胞は、単独の柔軟性冷凍バッグの注入媒体に冷凍保管され、それぞれは約1×10個の細胞~5×10個の細胞である単一ユニットの投与量の細胞を含む。各被験者に注入された初回投与量は、約1×1012個の細胞よりも多くなく、好ましくは、約1×1011個の細胞よりも多くなく、より好ましくは、約1×1010個の細胞または約5×10または約2×10個の細胞よりも多くない。注入前に、細胞を約-130℃または約-175℃より低い温度に維持する。
【0477】
細胞治療を開始する前に、被験から血液を得て、必要に応じてELISAおよび/またはMSDおよび/またはCBAの方法を使用して、血清中サイトカイン放出症候群(CRS)を指示する1つ以上の腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンγ(IFNγ)、IL-10およびIL-6のような血清因子を評価する。治療を開始する前に、例えば、PETまたはCTスキャンにより固形腫瘍の大きさや質量を測定し、必要に応じて、腫瘍の負担を評価することができる。
【0478】
約38℃まで昇温させて蘇生させ、被験者に複数回の注入を介して、初回投与量の細胞を投与する。毎回の注入は、約3~30分の時間内に連続注入して静脈内(IV)投与を行う。
【0479】
初回投与量で投与した後、被験者は身体検査を受けて、任意の毒性または毒性の結果の症状、例えば、発熱、低血圧、低酸素症、神経障害または炎症性サイトカインまたはC反応性蛋白(CRP)の血清レベルの上昇を監視する。選択的に、初回投与量で投与した後、1回または複数回投与する場合には、患者から血液を得て、ELISAおよび/またはMSDおよび/またはCBAの方法を使用してCRSを指示する血清因子のレベルを評価する。血清因子のレベルとちょうど初回投与量で投与する前に、得られた血清因子のレベルを比較する。必要に応じて、抗IL6または他のCRSの治療を実行して、CRSの症状を減少させる。
【0480】
初回投与量で投与した後、例えば、投与を開始した後、1週、2週、3週、および/または4週間に被験者からの抗CAR免疫反応の存在または不在を選択的に検出するために、例えば、qPCR、ELISA、ELISPOT、細胞ベースの抗体測定および/または混合リンパ球反応を介して検出する。
【0481】
初回投与量を使用して実装された腫瘍の負担の減少パーセンテージは、必要に応じてスキャン(例えば、PETとCTスキャン)を介して固形腫瘍患者に初回投与量で投与した後、1回または複数回の測定されることができるか、および/または定量化を介して血液または腫瘍部位の疾患陽性細胞で測定することができる。
【0482】
後続投与量で投与する。一部の被験者では、初回投与量で投与を開始した後、約80日以内に、後続投与量で投与し、好ましくは、約60日、より好ましくは、約50日以内に投与する。いくつかの状況では、試験を経たCRS関連の結果または血清因子レベルが許容されるレベルよりも低く、また、初回投与量で投与した後、約60日に被験者の抗CAR免疫反応が検出されていない場合にのみ、後続投与量で投与する。他の被験者では、初回投与量で投与した後、30日を超えている時間も被験者がCRSまたは重大なCRSを持たないと考えか、またはすべての試験されたCRSを指示する血清因子のレベルが初回投与量で投与した後のピークレベルよりも低い場合にCRSの20%が観察され、また、被験者の抗-CAR免疫反応が検出されていない場合に、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の後続投与量の細胞を投与する。毎回の投与量の投与間隔は21~80日にあり、好ましくは、25~60日であり、より好ましくは、25~55日である。
【0483】
後続投与量の大きさは、患者に特異的であり、腫瘍の負担に基づいたものであり、抗CAR免疫反応の存在およびCRS関連の結論のレベルである。一部の被験者に1、2、3、またはさらに多くの単位投与量の細胞の後続投与量で投与される。各被験者に注入される後続投与量は、約1×1012個の細胞よりも多くない、または約1×1011個の細胞よりも多くない、または約1×1010個の細胞よりも多くない、または約5×10個の細胞よりも多くないか、または約2×10個の細胞よりも多くない。連続静脈内注射を介して、約3~30分以内に、後続投与量で投与する。
【0484】
初回投与量から開始して数年間継続的に経被験者を定期的に監視する。患者訪問期間に、腫瘍の負担を測定したり、および/またはフローサイトメトリー分析と定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を使用してCAR-発現細胞を検出して投与される細胞の体内増殖と持続性を測定したり、および/または抗-CAR免疫反応の進行を評価する。
【0485】
本発明の利点は、下記の通りである。
【0486】
1.本発明は、キメラ抗原受容体を発現する免疫エフェクター細胞を用いて腫瘍の治療を進行する治療効果を大幅に向上させる、すなわち、腫瘍の数を減らすか、または体積を縮小させるか、および/または転移される数および/または程度を減少させるか、および/または腫瘍マーカーを減少させるか、および/またはいずれかの末期がんでよく表示される合併症を消失させたり悪化させる。
【0487】
2.固形腫瘍に対する抗腫瘍効果は顕著で、安全で効果的であり、CLA18A2陽性の中末期消化管の腺癌を安定させたり、さらには完治することができる治療手段を提供する。
【0488】
3.免疫エフェクター細胞抗腫瘍治療を向上させる前処理組成物を提供し、免疫エフェクター細胞を投与する前に、フルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセル組成物を投与することにより、免疫エフェクター細胞の抗腫瘍治療効果を著しく促進させ、患者の腫瘍の負担を大幅に減少させ、患者の生活の質を向上させ、生存期を延長させることができる。
【実施例0489】
以下、具体的な実施例と併せて本発明をさらに説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのもので、本発明の範囲を限定しないことを理解しなければならない。以下の実施例では、具体的な条件を明示していない実験方法は、一般的に、例えばJ. Sambrook等の編集、分子クローニング実験ガイド、第3版、科学出版社、2002年による条件、またはメーカーから提案された条件に基づいて進行される。
【0490】
材料および方法:
材料:
本発明で使用される試薬を含む様々な材料はすべて商業的に購入できる。
【0491】
本発明の例示的な抗原受容体は、CARを含み、工学操作および受容体を細胞に導入するための方法は、例えば、公開番号がCN107058354A、CN107460201A、CN105194661A、CN105315375A、CN105713881A、CN106146666A、CN106519037A、CN106554414A、CN105331585A、CN106397593A、CN106467573Aの中国特許出願、公開番号がWO2018006882A1、WO2015172339A8の国際特許出願で公開したすべての内容を参照する。
【0492】
本発明の実施例では、キメラ抗原受容体のscFv部分はSEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域およびSEQ ID NO:18に示される軽鎖可変領域を備え、キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24に示される配列、scFvのSEQ ID NO:54に示されるアミノ酸配列、SEQ ID NO:55に示される核酸配列を備え、利用されたCDR領域は、SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ IDNO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるL
CDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3ある。
【0493】
CAR-T細胞の構築方法は、下記の通りである。まず、CAR遺伝子を構築するが、例えば、hu8E5-2I-BBZの構築は、5’端から3’端まで順次にCD8α信号ペプチド(SEQ ID NO:36に示されるヌクレオチド配列)、hu8E5-2I
scFV(SEQ ID NO:55に示されるヌクレオチド配列)、CD8 hinge(SEQ ID NO:38に示されるヌクレオチド配列)、CD8膜貫通ドメイン(SEQ ID NO:46に示されるヌクレオチド配列)とCD137の細胞内シグナル伝達ドメイン(SEQ ID NO:48に示されるヌクレオチド配列)とCD3ξの細胞内シグナル伝達ドメインCD3ξ(SEQ ID NO:44として表示されるヌクレオチド配列)を含む。その後、CAR遺伝子をシャトルプラスミド(shuttle plasmid)にクローンさせCAR遺伝子を含有したターゲットプラスミドを得る。構築されたターゲットプラスミドとパッケージングプラスミドを293T細胞に共同形質注入して、レンチウイルス担体を製造し、レンチウイルス担体を患者の末梢血から得られたT細胞に形質導入し、CAR-T細胞を得る。例示的に、下記の実施例ではhu8E5-2I-BBZを使用する。
【実施例0494】
実施例1:用初回投与量と後続投与量のCAR-発現自己T細胞を用いた癌患者の治療
CLD18A2陽性の消化管腫瘍(例えば、胃腺癌、膵臓癌)患者に抗-CLD18A2キメラ抗原受容体(CAR)を発現する自己T細胞を投与する。細胞を投与する前に、患者は「単核細胞分離技術」の成分採集分離技術による前処理の治療を受ける。自己CAR-発現T細胞を得るために、固体被験者からの成分採集サンプルに基づいて分離してPBMCを得、抗CLD18A2CARをエンコードするウイルス担体を介して形質導入し、その後大量に増幅した後、製剤の自己CAR-発現T細胞を単独の柔軟性冷凍バック注入媒体に冷凍保管する。各被験者に注入される、初回投与量は、約1×1012個の細胞よりも多くなく、好ましくは、約1×1011個の細胞よりも多くなく、好ましくは、約1×1010個の細胞よりも多くない、または約5×10個の細胞よりも多くない、または2×10個の細胞よりも多くない。注入前に、細胞を-175℃より低い温度に維持する。
【0495】
細胞治療を開始する前に、被験者から血液を得て、必要に応じてELISAおよび/またはMSDおよび/またはCBAの方法を使用して、血清中サイトカイン放出症候群(CRS)を指示する1つ以上の腫瘍壊死因子α(TNFα)、インターフェロンγ(IFNγ)、IL-10およびIL-6のような因子のレベルを評価する。治療を開始する前に、例えば、PETまたはCTスキャンにより固形腫瘍の大きさまたは性状を測定し、必要に応じて、腫瘍の負担を評価することができ、また、腫瘍マーカーを検出するか、および/または腫瘍の合併症発生と深刻さを観察して、腫瘍の負担を評価することができる。
【0496】
約38℃まで昇温させて蘇生させ、被験者に複数回の注入を介して、初回投与量の細胞を投与する。20日を超えない時間内に複数の回に分けて投入するが、例えば、1~6回、好ましくは、1~5回、好ましくは、1~4回、好ましくは、1~3回、より好ましく、2~3回に分けて、初回投与量で投与する。毎回の注入は、約3~30分、好ましくは、5~25分の時間内に連続静脈(IV)注入を介して投与する。
【0497】
初回投与量で投与した後、被験者は身体検査を受けて、任意の毒性または毒性の結果の症状、例えば、発熱、低血圧、低酸素症、神経障害または炎症性サイトカインまたはC反応性蛋白(CRP)の血清レベルの上昇を監視する。選択的に、初回投与量で投与した後、1回または複数回投与する場合には、患者から血液を得て、ELISAおよび/またはMSDおよび/またはCBAの方法を使用してCRSを指示する血清因子のレベルを評価
する。血清因子のレベルとちょうど初回投与量で投与する前に、得られた血清因子のレベルを比較する。必要に応じて、抗IL6または他のCRSの治療を実行して、CRSの症状を減少させる。
【0498】
初回投与量で投与した後、例えば、投与を開始した後、1週、2週、3週、および/または4週間に被験者からの抗CAR免疫反応の存在または不在を選択的に検出するために、例えば、qPCR、ELISA、ELISPOT、細胞ベースの抗体測定および/または混合リンパ球反応を介して検出する。
【0499】
初回投与量を使用して実装された腫瘍の負担の減少パーセンテージは、必要に応じてスキャン(例えば、PETとCTスキャン)を介して固形腫瘍患者に初回投与量で投与した後、1回または複数回の測定されることができるか、および/または定量化を介して血液または腫瘍部位の疾患陽性細胞で測定することができる。
【0500】
後続投与量で投与する。一部の被験者では、初回投与量で投与を開始した後、約80日以内に、初回投与量で投与し、好ましくは、約60日、より好ましくは、約50日以内に投与する。いくつかの状況では、試験を経たCRS関連の結果または血清因子レベルが許容されるレベルよりも低く、また、初回投与量で投与した後、約60日に被験者の抗CAR免疫反応が検出されていない場合にのみ、後続投与量で投与する。他の被験者では、初回投与量で投与した後、30日を超えている時間も被験者がCRSまたは深刻なCRSを持たないと見なされるか、またはすべての試験されたCRSを指示する血清因子のレベルが初回投与量で投与した後のピークレベルよりも低い場合にCRSの20%が観察され、また、被験者の抗-CAR免疫反応が検出されていない場合に、後続投与量で投与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の後続投与量の細胞を投与する。毎回の投与量の投与間隔は21~80日にあり、好ましくは、25~60日であり、より好ましくは、25~55日である。
【0501】
後続投与量の大きさは、患者に特異的であり、腫瘍の負担に基づいたものであり、抗CAR免疫反応の存在およびCRS関連の結果のレベルである。一部の被験者に1、2、3、4またはさらに多くの回数の後続投与量で投与される。各被験者に注入される後続投与量は、約1×1012個の細胞よりも多くなく、好ましくは、約1×1011個の細胞よりも多くなく、より好ましくは、約1×1010個の細胞よりも多くなく、より好ましくは、約5×10個の細胞よりも多くないか、または約2×10個の細胞よりも多くない。後続投与量は、約20日を超えない時間内に複数の回に分けて投入されるが、例えば、1~5回、好ましくは、1~4回、好ましくは、1~3回、より好ましくは、2~3回に分けて投与される。毎回の注入は、約3~30分、好ましくは、5~25分の時間内に連続静脈内(IV)注入を介して投与する。
【0502】
初回投与量から開始して数年間継続的に被験者を定期的に監視する。患者訪問期間に、腫瘍の負担を測定したり、および/またはフローサイトメトリー分析と定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)を使用してCAR-発現細胞を検出して投与される細胞の体内増殖と持続性を測定したり、および/または抗-CAR免疫反応の進行を評価する。
【実施例0503】
実施例2:治療前の形態学的疾患を有する被験者でのCAR-T細胞治療の神経毒性の評価
映像学を使用して、ターゲット病巣を検出し、治療前の腫瘍の負担を評価し、ターゲット病巣の数とサイズを決定し、治療効果の評価基準は、表1の通りである。
【0504】
【表1】
【0505】
約3~30分以内に、静脈内(IV)の連続注入を1回、2回、3回行い、約1.1×
10個CAR-T細胞/KG~約2.8×10個CAR-T/KGの総量に被験者に
CAR-発現T細胞を投与する。フルダラビン、またはシクロホスファミド、またはアルブミン結合パクリタキセル、またはフルダラビンとアルブミン結合パクリタキセル、またはシクロホスファミドとアルブミン結合パクリタキセル、またはフルダラビンとシクロホスファミド、またはフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルの併用の化学治療を前処理化学治療にしてCAR-T細胞を注入する1~30日前に、好ましくは、1~20日前に、より好ましくは、4~12日前に被験者に行う。
【0506】
CAR-T細胞を投与した後、被験者の疾患状態を評価し、治療に対する反応を評価する。治療後、被験者の評価を行い、神経毒性(混乱の症状は、失語症、てんかん発作、痙攣、眠気、および/または変更された精神状態を含む神経系の合併症)を監視し、重症度に応じて評価を交わし(1~5評価表を使用するが、例えば、Guido CavalettiとPaola Marmiroli Nature Reviews Neurology6、657-666(2010年12月)である)、ここで、3級(深刻な症状)、4級(生命を脅かす症状)または5級(死亡)は、深刻な神経毒性に認められる。
【0507】
(一)サイトカイン放出症候群(CRS)の決定および監視:
1級(軽症)-生命を脅かすがなく、解熱剤や制吐剤投与のような全身治療のみが必要(例えば、発熱、エリア、疲労、頭痛、筋肉痛、不快感);
2級(中級)-中等干渉及びこれに対する反応が必要である:
酸素ガスの要求<40%、または
体液または低投与量の単一血管収縮剤に対応する低血圧、または
2級器官毒性(CTCAE v4.0を通じる);
3級(深刻)-積極的な干渉及びこれに対する反応が必要である:
酸素ガスの要求≧40%、または
試験容量の単一血管収縮剤(例えば、ノルエピネフリン(norepinephrine)≧20ug/kg/分、ドーパミン(dopamine)≧10g/kg/分、フェニレフリン(phenylephrine)≧200ug/kg/分、またはエピネフリン(epinephrine)≧10ug/kg/分)が必要な低血圧、または
様々な血管収縮剤(例えば、抗利尿+前記試薬のいずれか、または≧20ug
/kg/分のノルエピネフリンの血管収縮剤の組み合わせ)が必要な低血圧、または
3級器官の毒性または4級トランスアミナーゼ炎症(CTCAE v4.0を
トンハム);
4級(生命を脅かす)-人工呼吸器によって支持されるか、または
4級器官の毒性(トランスアミナーゼ炎症を排除);
5級(致命的)-死亡。
【0508】
(2)神経毒性の例示的分類標準:
1級(臨床症状がないか、または軽症である)-軽症、または臨床症状がない;
2級(中級)-例えば料理、買い物や洗濯、電話の使用、お金の管理など、積極的な日常の活動を制限(ADL)する症状が存在する;
3級(深刻)-例えば風呂、着衣や脱衣、食事、トイレの使用、薬を服用するなど自我管理ADLを制限する症状が存在する;
4級(生命を脅かす)-生命を脅かし、緊急干渉が必要な症状が存在する;
5級(致命的)-死亡。
【0509】
治療前に疾患の負担に基づいて分離した被験者群では投与量と比較して、異なる量のCAR-T細胞を1回注入して治療した後の反応、深刻なCRSの存在、および深刻な神経毒性の存在を評価した。結果は表2の通りである。表2は、さまざまなマルチ量で投与される細胞の特定の使用状況、初回投与量と後続投与量、隣接する前の後続投与量と隣接する後の後続投与量との間の時間間隔を列挙した。表2はまた、実施例2による基準に基づいて、初回投与量で投与する前に時刻を腫瘍負担基底線にして評価した毎回CAR T細胞の治療後の反応を列挙した。表2はまた、6例の患者が毎回投与に対する反応の結果(「反応」に対応する欄に投与後の腫瘍の負担、この腫瘍の負担基底線を比較して、治療に対する反応を示すことを列挙したこと)、深刻なCRSと深刻な神経毒性の存在または不在(Y/N)を列挙した。表2に示したように、治療前の疾患の負担がどうとか、テストされるすべての投与量では、CAR-T細胞治療した被験者からSDが観察された。様々な投与量レベルのCAR-T細胞が投与された被験者は、すべての深刻なCRS、深刻な神経毒性が発生していなかった。
【0510】
これらの結果は、毒性を最小限に抑え、効果を最大化するために使用方法を使用することを提示し、これは形態学的疾患を有する被験者に初めて低投与量のCAR-T細胞を投与して疾患の負担を軽減させ、その後の腫瘍の負担この安定化されたり、既に減少しているか行われた後、後続の細胞投与量に投与し、より多くの投与量の後続の投与量で投与することもでき、深刻なCRSがないか、または重大な神経毒性のリスクがある。初回投与量は、より多くの量のCAR-T細胞を投与して疾患の負担を軽減させることができ、その後の腫瘍の負担が安定したり、既に減少しているか行われた後、後続細胞投与量を投与し、比較的少ない投与量の後続投与量で投与することがことがあり、深刻なCRSがないか、または重大な神経毒性のリスクがある。
【0511】


【表2】

【0512】
ID:被験者番号
SD:疾患の安定
PD:疾患の進行
N/A:取得できない
N:なし
表2の結果は、初回投与量の治療で深刻なCRS、深刻な神経毒性が発生していないので、初回投与量の細胞は、すべての被験者について安全であることを示す。
【0513】
いくつかの被験者が疾患の安定(SD)であることを観察した。初回投与量または後続投与量の細胞を投与した後、映像学の手段を介して腫瘍が変わらないか、わずかに減少することを観察した(患者番号:1号、2号、3号、5号、6号被験者の初回投与量の治療過程、4号、5号、6号被験者の後続投与量(第2)の治療過程、4号被験者の後続投与量(第3、第4)治療過程を参照)。すべての被験者は、任意の投与量の両方で深刻なCRS、深刻な神経毒性を示さなかった。
【0514】
いくつかの場合では、表2は、いくつかの被験者は、初回投与量で反応性(NR)がないので(患者番号:2号、4号被験者の初回投与量の治療過程を参照)、疾患または腫瘍負担水準の安定化または減少を実装するできないことを説明する。なお、結果は、初回投与量を注入した後、臨床緩和を実装することができず、被験者の深刻なCRS、神経毒性の危険度は頻度を増加させていない場合は、後続の比較的多い投与量で投与した後、これらの被験者でも深刻なCRS、深刻な神経毒性が検出されなかったことを示す。
【0515】
いくつかの実施形態では、被験者からの反応性や毒性の程度が不足(または比較的低い)は被験者がCAR-T細胞治療について優れた反応を示さないことを説明するが、他の回に注入時にも何らかの毒性有害効果の危険がないが、それ以外の場合、後続の投与が、
より多い投与量を避ける必要があることを説明する。したがって、初回投与量に比較して、これらの結果は、投与量方法(例えば、必要とするかの効果を最大化または改善するために)、すなわち、初回低投与量で投与した後、後続投与では比較的多い投与量を使用する。一部の被験者で初回投与に対する反応が表示されなかったが、後続投与量で投与した後、深刻な神格毒性のリスクは比較的低い。
【0516】
初回投与量と後続投与量で投与される細胞の効果をより評価するために、体内でのCAR-T細胞の継続的な生存期、すなわち、CAR-T細胞が体内に「移植」された後、継続的な生存期検出する。初回注入(第0日)が終わってから各訪問の時点でQ-PCR方法(使用されたプローブは、FAM-5’-CTGAGCAGCGTGACCGCCGC-3’TAMRA(SEQ ID NO:49)であり;上流プライマー配列は5’- TGGAGTGGATCGGCTACATC-3 ’(SEQ ID NO:50)であり、ダウンストリームプライマー配列は、5’-AGTAGTAGATGGCGGTGTCG-3’(SEQ ID NO:51)である)を使用して、任意の2回の連続した検出が音声が表示されるまで末梢血にCAR-CLD18 DNAを含有する複製数を検出して、CAR-CLD18 T細胞持続生存期記録する。結果は、図1に示したように、CAR-T細胞は、すべての被験者で増殖される。C反応性蛋白(CRP)の血清レベルで測定されたピークレベルに基づいて、投与されたCAR-T細胞の生物学的活性を比較する。血清中CRPの上昇ピークレベルも注入後、T細胞増殖の証拠として使用される。結果は、図2A図2Bに示したように、初回投与量と後続投与量のT細胞を注入した後、細胞は、すべての被験者で増殖される。
【実施例0517】
実施例3.膵臓癌の治療のためのCAR-T細胞のマルチ投与量方法
前述した材料および方法での説明を参照して、CAR-T細胞を調製する。
【0518】
例示的な投与量方法では、重複投与量のCAR-T細胞療法のために再発性または難治性の膵臓癌を持つ被験者にとって、毎回の投与量の投与間隔は、約21~80日にあり、好ましくは、約25~60日であり、より好ましくは、約25~55日である。選択的に、被験者がフルダラビンとシクロホスファミドの併用またはフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルの併用の化学治療またはアルブミン結合パクリタキセル単独の化学治療を受けた後、これは初回投与量と後続投与量のCAR-T細胞を投与する少なくとも2日前に投与されて、一般的に、細胞を投与する前に約15日を超えない場合、または約12日を超えない。
【0519】
被験者は、約2.5×10個の細胞/kg患者体重より少ないか、同じCAR-T細
胞、例えば、約1.1×10個の細胞/kg~約2.83×10個の細胞/kgのCAR-T細胞の、端の値を含む初回投与量で投与される。初回投与量で投与された後、80日以内に、および/または被験者のCARに対する免疫反応が進む前に、被験者に比較的少ないか等しいか、より多い投与量の細胞を投与する。いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、約44日に初回投与量よりも、多いか少ない投与量の後続投与量のCAR-T細胞を投与し、例えば、約1.1×10個の細胞/kg(総投与量が約5×1
)~約1.9×10個の細胞/kg(総投与量が約1×10)は、1つまたは複
数の後続投与量の細胞を投与する。毎回の投与量の投与間隔は、約21~80日にあり、好ましくは、約25~60日であり、より好ましくは、約25~55日である。選択的に、被験者がフルダラビンとシクロホスファミドの併用またはフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルの併用の化学治療またはアルブミン結合パクリタキセル単独の化学治療を受けた後、これは毎回の投与量のCAR -T細胞を投与する少なくとも2日前に投与されて、一般的に、細胞を投与する前に約15日を超えない場合、または約20日を超えない。
【0520】
例示的な投与量方法の中で、2つの投与量のCAR-T細胞治療のためにCLD18A2陽性の再発性または難治性の膵臓癌の1号被験者は、初回に低投与量で投与される細胞および後続で比較的多い投与量で投与される細胞を含む。治療の前に、基本的に実施例2のように自己CAR-T細胞を生成する。被験者は、初回にCAR-T細胞が投与される前にフルダラビン約20mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×2日(-6日、-5日)を含む化学治療の前処理(患者に毎回CAR T細胞の治療を行った日を第0日を指定する)を受ける。初回投与量は、約1.1×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が5×10
)を含み、一日おきに1回注射し、10%:30%:60%の治療過程の総投与量に応じて3回に分けて注入する。初回投与量で投与した後、被験者からサイトカイン-放出症候群(CRS)を指示する因子の血清レベルがピークレベルに到達しても、約初回投与量で注入する前に、視覚のレベルに減少し始めると、後続投与量(第2の治療過程)に投与する。第2の治療の過程で、フルダラビン、約20mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×2日(-6日、-5日)を投与し、約1.11×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が約5
×108)を注入し、10%:30%:60%の治療過程の総投与量に応じて、3回に分けて連続注入する。
【0521】
腹部または他の部位(例えば、転移)の映像学(MRI、CTなどを含む)と腫瘍マーカーを通じた検出を含む、被験者の治療効果を監視して、化学治療前処理した後、基底線期間の検出である、初回投与量のCAR-T細胞を注入する前の腹部または他の部位(例えば、転移)の映像学(MRI、CTなどを含む)と腫瘍マーカーの検出結果を疾患の負担を評価および監視し、有害効果の証拠は、CRSおよび神経毒性、および生存を含む。
【0522】
図3Aに示したように、1号被験者は総投与量が約5×10個CAR-T細胞である第1の治療過程の最後の回に注入された後、2週:左腹部脾臓領域病巣は安定であり、短径が若干縮小され、第1の治療過程の最後の回に注入された後、6週:左腹部脾臓領域病巣は安定であり、総投与量が約5×10個CAR T細胞の第2の治療過程で注入された後、2週:左腹部脾臓領域病巣は安定であり、第2の治療過程で注入された後、5週:左腹部脾臓領域病巣は安定であり、肝臓で新しい病巣疾患が進行された。図3Bに示したように、1号被験者で腫瘍マーカーCA125を検出し、初回投与量で初めて注入した日を第0日を指定する。第1の治療過程で注入された後から第2の治療過程を開始するまで、被験者の左腹部脾臓領域病巣は安定した状態であり、体内のCA125発現も若干減少したので、前記被験者は疾患安定期(SD)にある。第2の治療過程で注入された後、被験者の左腹部脾臓領域病巣は安定した状態であるが、肝臓に新しい病巣が現れたので、治療から退出される。この2つの治療過程で、すべての深刻なCRPと深刻な神経毒性が現れなかった。患者は引き続き鎮痛剤を使用し、鎮痛剤を使用していない3~4分前に痛みを感じ、鎮痛剤を使用した後、1分間鎮痛を感じ、連続投与量の第1回注入した後、もはや鎮痛剤を使用しておらず、陣痛も感じない。
【実施例0523】
実施例4.胃腺癌治療のためのCAR-T細胞の重複投与方法、多重投与量方法
例示的な投与量方法では、重複投与量のCAR-T細胞治療のために再発性または難治性胃腺癌の被験者にとって、毎回投与量の投与間隔は、約21~80日にあり、好ましくは、約25~60日であり、より好ましくは、約25~55日である。治療の前に、基本的に実施例2のように自己CAR-T細胞を生成する。選択的に、被験者がフルダラビンとシクロホスファミドの併用またはフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルの併用の化学療法またはアルブミン結合パクリタキセル単独の化学療法を受けた後、初回投与量と後続投与量のCAR-T細胞を投与する少なくとも2日前に投与
されて、一般的に、細胞を投与する前に約15日を超えない場合、または約12日を超えない。
【0524】
再発性または難治性胃腺癌被験者は約2.5×10細胞/kg患者体重より少ないか
、同じCAR-T細胞、例えば、約2.9×10細胞/kg~約2.6×10細胞/kgのCAR-T細胞の、端の値を含む、初回投与量で投与される。初回投与量で投与された後、80日以内に、および/または被験者のCARに対する免疫反応が進む前に、被験者に比較的少ないか、等しいか、より多くの量の細胞を投与する。いくつかの実施形態では、初回投与量で投与した後、約50日に初回投与量よりも、多いか、少ない投与量の後続投与量のCAR-T細胞を投与し、例えば、1.3×10細胞/kg~約5.1×10細胞/kg(総投与量が約2×10)、例えば、約2.2×10細胞/kg患者体
重の投与量で投与する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の後続投与量の細胞を投与する。毎回投与量の投与間隔は、約21~80日にあり、好ましくは、約25~60日であり、より好ましくは、約25~55日である。選択的に、被験者がフルダラビンとシクロホスファミドの併用またはフルダラビン、シクロホスファミド、アルブミン結合パクリタキセルの併用の化学療法またはアルブミン結合パクリタキセル単独の化学療法を受けた後、毎回投与量のCAR -T細胞を投与する少なくとも2日前に投与されて、一般的に、細胞を投与する前に約15日を超えない場合、または約12日を超えない。
【0525】
再発性、難治性4号胃腺癌被験者は悪悪性胸膜および腹水を伴う胃癌卵巣転移の患者であるが、フルダラビン、約30mg/日×4日(すなわち、約20mg/m/日×4日(-7日、-6日、-5日、-4日))、シクロホスファミド、0.75g/日×2日(
すなわち、約514mg/m/日×2日(-7日、-6日))を含む前処理を受けた後、約3.3×10個CAR-T細胞/kg(総投与量は約1.5×10個CAR-T細胞)の初回投与量で注入される第1の治療過程の治療を受ける。初回投与量の10%:30%:60%の治療過程の総投与量に応じて3日に分けて連続注射し、毎日1回注射する。初回投与量で投与した後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルが、前記被験者に初回投与量で投与する前の血清レベルの20倍(許容されるレベル)である場合には、ここで、IL-10、TNFαがすでに減少始めて、IL-6がすでに初回投与量で注入する前の時刻のレベルよりも低いレベルまで減少される場合には、後続投与量(第2の治療過程)で投与する。第2の治療過程で、前処理は、フルダラビン、約37mg/日×2日(すなわち、約25mg/m/日×2日(-5日、-4日))、シクロホスファミド、約0.75g/日×3日(すなわち、約514mg/m/日×3日(-5日、-4
日、-2日))化学療法を含み、次に約2.2×107個CAR-T細胞/kg(総投与
量が約1.0×10個CAR-T細胞)を投与し、50%:50%の治療過程の総投与
量に応じて2回に分けて注入し、一日おきにに1回注射する。第2の治療過程で投与した後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルがピークレベルに到達し、約2治療過程の投与量に注入する前時刻のレベルより低いレベルまで減少し始めると、後続投与量(第3の治療過程)で投与する。第3の治療過程の前処理は、アルブミン結合パクリタキセル、約137mg/m/日×1日(-4)を投与する化学療法を含み、次に約2.2×
10個CAR-T細胞/kg(総投与量が約1.0×10個CAR-T細胞)を注入
し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分けて注入し、一日おきにに1回注射する。第3の治療過程で投与した後、6週間では、骨盤ターゲット病巣最大径合計は第二の注射後6週間に比べて顕著な変化がなく、骨盤の新しい病巣は前に比べて増大され、少量の腹水と少量の骨盤液が生成され、CA125は11.3U/mlである。第3
の治療過程で投与された後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルが、前記被験者に第3の治療過程の投与量で投与する前の血清レベルの10倍(許容されるレベル)である場合には、また、CRSを指示する因子がピークレベルにも約3治療過程の投与量に注入する前時刻のレベルより低いレベルまで減少し始めると、後続投与量(第4の治療過程)で投与する。第4の治療過程の前処理は、フルダラビン、約20mg/m/日×2
日(-6日、-5日)、シクロホスファミド、約514mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)化学療法を含み、次に、約3.7×10個CAR-T細胞/
kg(総投与量が約1.65×10個CAR-T細胞)を注入し、約46%:18%:
36%の治療過程の総投与量に応じて3回に分けて注射した(0日、1日、13日)。第4の治療過程で投与した後、6週間では、骨盤ターゲット病巣最大径合計は前に比べて顕著な変化がなく、骨盤の新しい病巣は前に比べて顕著な変化はなかった。胸膜および腹水は継続して減少し、これはCAR-CLD18 T細胞治療が悪性胸膜および腹水の制御にもまともな効果を有するを説明する。
【0526】
図4Aに示したように、4号被験者は、初回投与量の第1の治療過程の最後の回に注入された後、2週間に右骨盤最大病巣最大径は6.5cmであり、左骨盤最大病巣最大径は
5.2cmであり、第1の治療過程の最後の回に注入された後、6週間に右最大骨盤病巣
最大径は6.8cmであり、左最大骨盤病巣最大径は5.3cmであり、骨盤新しい病巣は1.9cmであり(図4B)、今回の結果も第2の治療過程基底線として使用され、後続
投与量の第2の治療過程で注入された後、2週間に右骨盤最大病巣最大径は6.8cmで
あり、左骨盤最大病巣最大径は5.2cmであり、骨盤新しい病巣は1.9cmであり、第2の治療過程の最終回に注入された後、6週間に右骨盤最大病巣最大径は6.5cmであ
り、左骨盤最大病巣最大径は5.1cmであり、骨盤新しい病巣は1.3cmである。
【0527】
図4Cに示したように、CAR-T治療過程で、被験者の癌性胸膜および腹水は大幅に減少した。図4D図4Eは、それぞれ腫瘍マーカーCA125とCA199を検出したものであり、初回投与量で初めて注入した日を第0日を指定する。腫瘍マーカーCA125、CA199は著しく減少された、ここで、第1の治療過程でCA125はCAR-Tを注入する前の106.7U/mlのから第2の治療過程で注入する前の32.1U/ml(正常範囲<35U/ml)まで減少され、第2の治療過程でCA125はずっと比較的低いレベルを維持した。第1の治療過程でCA199はCAR-Tを注入する前の99.
41U/mlのから第2の治療過程で注入する前の52.98U/ml(正常範囲<37
U/ml)まで減少され、第2の治療過程でCA199はずっと正常範囲を維持した。
【0528】
上記の結果は、第1の治療過程で4号被験者の元の病巣は安定した状態であるが、新しい病巣が表示され、第2の治療過程で、元の病巣は安定した状態で、新たな病巣が著しく縮小され、縮小率が31.6%に達したするとともに、被験者体内の腫瘍マーカーCA1
25は、比較的低いレベルを維持し、CA199は、通常のレベルを保持することを説明する。この2つの治療過程で、すべての深刻なCRSと深刻な神経毒性が現れなかった。
【0529】
再発性、難治性5号胃腺癌被験者は最初のCAR-T細胞が投与される前に、フルダラビン、約20mg/m/日×2日(-6日、-5日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)を含む化学療法の前処理を受ける。初回投与量は、約1.6×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が約
1×10)を含み、一日おきに1回注射し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分けて注入される。初回投与量で投与した後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルがピークレベルに到達し、減少し始めたり、または約初回投与量で注入する前の時刻のレベルよりも低いレベルまで減少されると、後続投与量(第2の治療過程)で投与する。第2の治療過程で前処理は、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(-5日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×3日(-5日、-4日、-3日)、アルブミン結合パクリタキセル約100mg/m/日×1日(-4日)を投与する化学療法を含み、次に約1.6×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が
約1×10)を注入し、一日おきに1回注射して、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分けて注入される。
【0530】
再発性、難治性の6号胃腺癌被験者は最初のCAR-T細胞が投与される前に、フルダラビン、約20mg/m/日×2日(-6日、-5日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)を含む化学療法の前処理を受ける。初回投与量は、約1.25×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量
が約1×10)を含み、一日おきに1回注射し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分けて注入される。初回投与量で投与した後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルがピークレベルに到達し、約初回投与量で注入する前の時刻のレベルよりも低いレベルまで減少されると、後続投与量(第2の治療過程)で投与する。第2の治療過程で前処理は、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(-5日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×3日(-5日、-4日、-3日)、アルブミン結合パクリタキセル、約100mg/m2/日×1日(-4日)を投与することを含み、次に約1.25×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が約1×10)を注
入し、一日おきに1回注射して、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分けて注入される。
【実施例0531】
実施例5.再発性、難治性胃腺癌被験者の治療
再発性、難治性胃腺癌7号被験者は噴門腺癌を1.3年間患って、胃切除術を受けた後
、多発性肝転移疾患が進行され、tigeo、ドセタキセル、オキサリプラチン、カペシタビン(capecitabine)などの治療を受けたが、まだ疾患の進行状況である。このような状況では、患者は、本発明に係るCAR-T細胞の治療を受けた。
【0532】
初めてCAR-T細胞を投与する前に、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(-12日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×3日(-12日、-11日、10日)を含む化学療法の前処理を受ける。初回投与量は、約2.6×10個CAR
-T細胞/kg患者体重(総投与量が約1×10)を含み、一日おきに1回注射し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回分割注入される。注入後、患者は39.
3の熱が出たが、物理的に体温を下げる方法でのみ制御することができた。初回投与量で2週間投与した後、がん胚抗原は12.49U/mlから5U/ml以下にまで減少され
、糖類抗原CA199は12.17U/mlから4U/ml以下にまで減少され、初回投
与量で投与した6週間後、MRスキャンを経て右側後葉上部の腫瘍が41%縮小されたことが観察された。
【0533】
初回投与量で投与した後、被験者からCRSを指示する因子の血清レベルがピークレベルに到達し、約初回投与量で注入する前の時刻のレベルよりも低いレベルまで減少されると、後続投与量(第2の治療過程は、初回投与量で投与した後、第47日)に投与する。第2の治療過程で前処理は、フルダラビン、約21mg/m/日×1日(-6日)、シクロホスファミド、約540mg/m/日×3日(-6日、-5日、-4日)、アルブミン結合パクリタキセル、約71mg/m/日×1日(-5日)を投与することを含み、次に約5.1×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が約2×10)を
注入し、25%:25%:25%:25%の治療過程の総投与量に応じて、4回に分けて注入される(0日、2日、9日、13日)。第2の治療過程の後続投与量として投与した2週間後の間の右後葉上部の腫瘍が63%縮小した。
【0534】
再発性、難治性胃腺癌9号被験者は胃癌両側の卵巣転移術を受けた後、8サイクルのSOX案化学療法、2サイクル経口投与TS案化学療法5周期(ドセタキセル、tigeo)などの治療を受けたが、まだ疾患の進行状況である。このような状況では、患者は、本発明に係るCAR-T細胞の治療を受けた。
【0535】
初めてCAR-T細胞を投与する前に、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(
-6日)、シクロホスファミド、約500mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)、アルブミン結合パクリタキセル、約64mg/m/日×1日(-5日)を含む化学療法の前処理を受ける。初回投与量は、約1.82×10個CAR-T細胞
/kg患者体重(総投与量が約1×10個CAR-T細胞)を含み、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて回数を分けて注入し、また二日連続注射し、毎日1回注射する。初めて注入した後、患者から2級発熱現象が現れ、インドメタシン(indomethacin)座薬で解熱した。
【0536】
初回投与量で投与した後、IL-2は、注入後3日目から顕著に上昇するが、約10日でピークレベルに到達し、約初回投与量で注入する前の時刻のレベルよりも低いレベルまで減少され、残りのサイトカインは顕著な変化はない。後続投与量(第2の治療過程は、初回投与量で投与した後、第40日)に投与する。第2の治療過程で前処理(第1の治療過程のような前処理)を実行した後、約2.73×10個CAR-T細胞/kg患者体
重(総投与量が約1.5×10個CAR-T細胞)を注入し、1/3:1/3:1/3
の治療過程の総投与量に応じて、3回に分けて連続注入し、毎回1回注射する。その間、研究治療に関連するIIIリンパ球の減少と白血球の減少、II低カルシウム血症、低カリウム血症、悪心現象が現れたが、いずれも症状に対する支持的治療を経て回復した。SAEが発生していなかった。
【0537】
後続投与量(第3の治療過程は、第2の治療過程の投与量で投与した後、第25日)に投与する。第3の治療過程の前処理(第1の治療過程のような前処理)を実行した後、約1.82×10個CAR-T細胞/kg(総投与量が約1.0×10個CAR-T細胞)を注入し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて回数を分けて注入し、二日連続注射し、毎日1回注射する。映像学的に検査した結果、患者病巣は消失され、映像専門医によって完全緩和(CR)と評価された。
【実施例0538】
実施例6 再発性、難治性膵臓癌被験者の治療
再発性、難治性膵臓癌8号被験者はCAR-T細胞治療を受ける前に膵体および尾膵臓切除を受けた後、PDが現れ、腸間膜リンパ節、および肝臓の両方に転移され、局所放射線治療で処理した後、まだ疾患の進行状況であり、このような状況では、肝臓で4つの新しい病巣が現れた。
【0539】
初めてCAR-T細胞を投与する前に、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(-6日)、シクロホスファミド、約507mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)、アルブミン結合パクリタキセル、約68mg/m/日×1日(-5日)を含む化学療法の前処理を受ける。初回投与量は、約2.83×10個CAR-T細胞
/kg患者体重(総投与量が約1.5×10)を含み、3分の1:1/3:1/3の治
療過程の総投与量に応じて3回に分けて注入する(0日、11日、14日)。初回投与量のCAR-T細胞を注射した後、6週間では、基底線で肝臓内2つのターゲット病巣と骨盤1つのターゲット病巣最大径が90%縮小され、CA199は899.6U/mlのか
ら56.79U/mlのまで減少され、評価を経て、PR(部分緩和)に達した。
【0540】
初回投与量で投与した後、44日の目に後続投与量(第2の治療過程)に投与し、フルダラビン、約20mg/m/日×1日(-6日)、シクロホスファミド、約507mg/m/日×4日(-6日、-5日、-4日、-3日)、アルブミン結合パクリタキセル、約68mg/m/日×1日(-5日)化学療法を行い、CAR-T細胞、約1.88
7×10個CAR-T細胞/kg患者体重(総投与量が約1×10)を注入し、一日おきに1回注射し、50%:50%の治療過程の総投与量に応じて2回に分け注入される。第2の治療過程を進行した連続投与量に投与した後、9日に、肝臓MRスキャンの結果
の間に明確な活性病巣が発見されておらず、骨盤CTスキョン結果、第1の治療過程6週の結果に比較して、骨盤の軟組織結節が著しく縮小されたことが発見された。
【実施例0541】
実施例7 患者の副作用の統計
前述した実施例では9例の患者について身体検査を行い、表3に列挙された症状を含む有害効果(AE)の症状を検出した。初回投与量で注入した後の急性治療AE(TEAE)は、初回投与量で投与された後に表示される任意のAEとして定義される。結果は表3の通りである。
【0542】
【表3】
【実施例0543】
実施例8 Panc02/Luc-GFP-Claudin 18.2、8E5-2I
- mBBZ CAR T細胞の構築
1.Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2細胞の構築
分子生物学通常の手段を用いて、マウスClaudin18.2(SEQ ID NO
:67)を過発現するPanc02膵臓癌細胞モデルを構築した。pWPTを担体として使用し、マウスClaudin18.2(SEQ ID NO:67)を挿入してプラス
ミドpWPT-mClaudin18.2を構築した。その後、レンチウイルスパッケー
ジング感染方法でマウスClaudin18.2を過発現する膵臓癌細胞Panc02/
Luc-GFP-Claudin18.2を構築した。
【0544】
2.キメラ抗原受容体を発現するT細胞の構築
(1)プラスミドの構築
本技術分野の通常の分子生物学的方法で、本実施例ではscFvのSEQ ID NO:54に示されるアミノ酸配列、SEQ ID NO:55に示される核酸配列を使用し、備えられたCDR領域は、SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ I
D NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3である。
【0545】
使用されたキメラ抗原受容体は、CD8の膜貫通ドメイン、4-1BBの細胞内ドメイン、およびCD3ζを含む第2世代キメラ抗原受容体である。図5に示されたプラスミド図を参照してプラスミドMSCV-8E5-2I-mBBZを構築した。
【0546】
MSCV.pBABE5を担体として使用して、第2世代キメラ抗原受容体を発現するレトロウイルスプラスミドMSCV-8E5-2I-mBBZを構築した。8E5-2I-mBBZ配列はマウスCD8α信号ペプチド(SEQ ID NO:59に示されるアミノ酸配列、SEQ ID NO:60に示されるヌクレオチド配列)、claudin18.2を標的化するscFv(SEQ ID NO:55)、マウスCD8 hing
eと膜貫通ドメイン(SEQ ID NO:61に示されるアミノ酸配列、SEQ ID
NO:62に示されるヌクレオチド配列)、およびマウス4-1BBの細胞内シグナル伝達ドメイン(SEQ ID NO:63に示されるアミノ酸配列、SEQ ID NO:64に示されるヌクレオチド配列)、およびマウスCD3の細胞内セグメントCD3ζ(SEQ ID NO:65に示されるアミノ酸配列、SEQ ID NO:66に示されるヌクレオチド配列)で構成されている。
【0547】
MSCV-8E5-2I-mBBZを293Tパッケージングレトロウイルスを形質注入してレトロウイルスを得る。感染方法は、本技術分野でキメラ抗原受容体を発現するT細胞の製造過程で通常の感染方法である。
【0548】
(2)CAR T細胞の構築:C57BL/6マウスの脾臓Tリンパ球をとり、精製されたマウスCD3+ Tリンパ球を1:1の体積比でDynabeads Mouse T-activator CD3/CD28に入れて、PBSで一回洗浄し、活性化し、培養器で培養するが、培地は、RPMI1640完全培地であり、10%のFBS血清を添加する。
【0549】
24時間活性化させたマウスの脾臓Tリンパ球を、組換えヒトフィブリン断片でコーティングされた12ウェルプレートに接種させ、レトロウイルスを入れて12時間感染させ、その後、必要な数だけ増幅されるように培養して、マウスの8E5-2I-mBBZCAR T細胞を得る。
【実施例0550】
実施例9 CCK8実験を用いた膵臓癌細胞およびCAR-T細胞のアブラキサン(Abraxane)の毒性作用の検出
Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2細胞および実施例8で調製し
た8E5-2I-mBBZ CAR T細胞を、それぞれ96ウェルプレートでウェル当たり10000個の細胞(Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2)ま
たはウェル当たり100000個の細胞(hu8E5-2I-mBBZ CAR T)を100ulの培地にプレート(plated in)する。それぞれ異なる溶解度のアブラキサン(Abraxane)をとり、それぞれの細胞に入れて、10個の勾配(最大濃度は500μg/mlであり、2倍勾配で希釈する)で調製し、なお、1グループの培地のみを有するウェルをブランク群に設定する。24時間後、各ウェルに10ulのCCK8試薬(Dojindo社)を入れ、37℃で2時間培養した後、マイクロプレートリーダー(microplate reader)で450nmでの吸光度を測定した余り、それぞれの細胞活性を計算した。
【0551】
計算公式:細胞活性(%)=[A(薬物投与)-A(ブランク)]/[A(0薬物投与)-A(ブランク)]
結果は、図6A及び図6Bに示されたように、Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2細胞のアブラキサン(Abraxane)のIC50値は174.45±20.98μg/mlである。8E5-2I-mBBZ CAR-T細胞のアブラキサン
(Abraxane)の殺傷結果は、500μg/mlの濃度のアブラキサン(Abraxane)で処理しても8E5-2I-mBBZ CAR-T細胞の生存率は依然として50%より高いことを示している。これにより、8E5-2I-mBBZ CAR-T細胞のアブラキサン(Abraxane)の毒性が比較的低いことを説明する。
【実施例0552】
実施例10 マウス膵臓癌のアブラキサン(Abraxane)とCAR T細胞の同時投与の抑制効

6週齢のC57BL/6マウスの膵臓ウォンの位置に2×10 Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2細胞を接種し、腫瘍細胞接種日、第0日(つまり、
Day0)に記録する。
【0553】
腫瘍を接種した後、2日目(つまり、Day2)に、マウスT細胞をとり、8E5-2I-mBBZ CAR T細胞を構築する。
【0554】
腫瘍を接種した後、7日目(つまり、Day7)にマウスに1×1068E5-2I-mBBZ CAR-T細胞を尾静脈注射したり、アブラキサン(Abraxane)(60mg/kg)を腹腔注射したり、両者を併用で、14日目に同じ量のCARTとアブラキサン(Abraxane)を重複して1回の注射で、毎週、生体内映像で治療効果を観察する。
【0555】
結果は、図7Aに示したように、CAR T細胞を注射した後、19日(つまり、Ddy26日)に、併用群のルシポラゼ(luciferase)活性が単一のCAR-T群または単一のアブラキサン(Abraxane)群より著しく低いことを観察した(P<0.05、Two way ANOVA)。これは、8E5-2I-mBBZ CAR-
T群、アブラキサン(Abraxane)治療群に比べて、8E5-2I-mBBZ CAR-Tとアブラキサン(Abraxane)併用群の腫瘍の成長速度が最も遅く、膵臓源の位置の腫瘍に対して優れた成長抑制効果を有することを説明する。上記の結果は、アブラキサン(Abraxane)併用は、腫瘍細胞の成長のためにCAR-T細胞の抑制作用を向上させることができることを説明する。
【0556】
毎週マウスの体重を1~2回モニタリングし、結果は、図7Bに示されたように、UT対照群に比較して、マウスがCAR-T細胞とアブラキサン(Abraxane)併用治療を受ける間、および受信した後、2週間では、体重が軽減されなかった。マウスにも、他の異常現象が表示されなかったが、これはCAR-T細胞とアブラキサン(Abraxane)併用治療がマウスの深刻な毒性副作用がないことを説明する。
【実施例0557】
実施例11 マウス膵臓癌のアブラキサン(Abraxane)とCAR T細胞の前後投与の抑制効果
6週齢のC57BL/6マウスの膵臓ウォンの位置に2×10 Panc02/Luc-GFP-Claudin18.2細胞を接種し、腫瘍細胞接種日、第0日(つまり、
Day0)に記録する。
【0558】
腫瘍を接種した後、7日目(つまり、Day7)に、マウス脾臓T細胞をとり、hu8
E5-2I-mBBZ CAR T細胞を構築する。
【0559】
腫瘍を接種した後、7日目(つまり、Day7)にマウスに60mg/kgのアブラキサン(Abraxane)を腹腔注射(アブラキサン(Abraxane)群)で、腫瘍を接種した後、10日目(つまり、Day10)マウス3×10 8E5-2I-mBBZ CAR-T細胞を尾静脈注射(8E5-2I-BBZ CAR-T群)、または3×10対照UT細胞を尾静脈注射(UT群)し、または両者を併用して(腫瘍を接種した後、7日目に60mg/kgのマウスアブラキサン(Abraxane)を腹腔注射し、腫瘍を接種した後、10日目にマウス3×10 8E5-2I-mBBZ CAR-T細胞を尾静脈注射して、アブラキサン(Abraxane)+8E5-2I-BBZ CAR-T群に設定する)、マウスの生存期を記録しが、結果は図8A図8B図8Cに示したように、併用群(アブラキサン(Abraxane)+8E5-2I-BBZ)は、対照UT群に比べて、マウスの生存期を著しく延長させた(P<0.05)、併用群
はアブラキサン(Abraxane)、単一の投与群に比べて、マウスの生存期を著しく延長させた(P<0.05)。
【0560】
毎週マウスの体重を1~2回モニタリングし、結果は図9に示したように、UT対照群に比較して、マウスがCAR-T細胞とアブラキサン(Abraxane)併用治療を受ける間、および受信した後、2週間では、体重が軽減されなかった。マウスにも、他の異常現象が表示されなかったが、これはCAR-T細胞とアブラキサン(Abraxane)併用治療がマウスの深刻な毒性副作用がないことを説明する。
【0561】
本発明で言及されるすべての文書は、あたかも各文書が個々に参照により組み込まれたかのように、本出願に参照により組み込まれている。さらに、本発明の上記の教示内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を加えることができ、これらの同等の形態も本願に添付された特許請求の範囲によって定義される範囲内にあることを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
【配列表】
2025016535000001.xml
【手続補正書】
【提出日】2024-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CLD18A2陽性腫瘍を治療するための組成物であって、前記治療は、免疫エフェクター細胞の投与量をそれを必要とする被験者に投与することを含み、前記免疫エフェクター細胞はCLD18A2を特異的に識別するキメラ抗原受容体(CAR)を発現し、前記治療は、前記免疫エフェクター細胞の前記投与量の投与の前に行われる前処理をさらに含み、前記前処理は、前記被験者に化学治療剤を投与することを含み、前記化学治療剤は、シクロホスファミド、フルダラビン、及びアルブミン結合パクリタキセルを含み、前記前処理は、前記免疫エフェクター細胞の投与の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12日前に行われる、組成物。
【請求項2】
前記投与量は、2×10 細胞を超えない前記免疫エフェクター細胞の総数を含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記免疫エフェクター細胞の前記投与量の投与後、CLD18A2を特異的に識別するキメラ抗原受容体(CAR)を発現する免疫エフェクター細胞の少なくとも1回の後続投与量が投与される
請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記少なくとも1回の後続投与量は、2×10 細胞を超えない前記免疫エフェクター細胞の総数を含む
請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記前処理は、前記免疫エフェクター細胞の投与の5日前に行われる
請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記フルダラビンは、約10~50mg/m /日、または約15~40mg/m /日、または約15~30mg/m /日、または約20~30mg/m /日、または約25mg/m /日で投与され、
前記シクロホスファミドは、約300~700mg/m /日、または約400~650mg/m /日、または約450~600mg/m /日、または約450~550mg/m /日、または約490~550mg/m /日、または約250mg/m /日で投与され、
前記アルブミン結合パクリタキセルは、約300mg/m /日以下、または約200mg/m /日以下、または約150mg/m /日以下、または約100mg/m /日以下、または約80mg/m /日以下、または約70、69、68、67、66、65、64、63、62、または61mg/m /日以下で投与され、あるいは前記アルブミン結合パクリタキセルは、100mg/m /日で投与される
請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記フルダラビンは2日間にわたり約25mg/m /日で投与され、前記シクロホスファミドは3日間にわたり約250mg/m /日で投与され、前記アルブミン結合パクリタキセルは1日間にわたり100mg/m /日で投与される
請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記化学治療剤が2、3、4、5、6、または7日間毎日投与される
請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記シクロホスファミド及び前記フルダラビンが2、3、または4日間毎日投与され、前記アルブミン結合パクリタキセルが1回投与されるか、あるいは前記シクロホスファミド、前記フルダラビン、及び前記アルブミン結合パクリタキセルが2、3、または4日間毎日投与される
請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記腫瘍が、乳癌、結腸癌、直腸癌、腎細胞癌、肝臓癌、肺癌、胃癌、小腸癌、食道癌、黒色腫、骨癌、膵臓癌、皮膚癌、頭頸部癌、卵巣癌、肛門癌、精巣癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、頸部癌、膣癌、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎腺癌、軟組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、膀胱癌、腎癌、尿管癌、腎骨盤癌、中枢神経系(CNS)腫瘍、原発性CNSリンパ腫、脊椎腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、または扁平上皮癌である
請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記腫瘍が、消化管腫瘍である
請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記消化管腫瘍が、腺癌である
請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記腫瘍が、膵臓癌、胃癌、胃腺癌、食道癌、直腸癌、肛門癌、または小腸癌である
請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記キメラ抗原受容体は、CLD18A2に特異的に結合するscFv抗体フラグメント、膜貫通ドメイン、及び細胞内ドメインを含み、前記scFv抗体フラグメントは、
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:2に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:1に示されるHCDR1、SEQ ID NO:7に示されるHCDR2、SEQ ID NO:3に示されるHCDR3、SEQ ID NO:4に示されるLCDR1、SEQ ID NO:5に示されるLCDR2、SEQ ID NO:6に示されるLCDR3、または
SEQ ID NO:8に示されるHCDR1、SEQ ID NO:9または68に示されるHCDR2、SEQ ID NO:10に示されるHCDR3、SEQ ID NO:11に示されるLCDR1、SEQ ID NO:12に示されるLCDR2、SEQ ID NO:13に示されるLCDR3を含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記scFv抗体フラグメントは、
SEQ ID NO:14に示される重鎖可変領域及びSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:18に示される重鎖可変領域及びSEQ ID NO:16に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:22に示される重鎖可変領域及びSEQ ID NO:20に示される軽鎖可変領域、または
SEQ ID NO:53に示される重鎖可変領域及びSEQ ID NO:52に示される軽鎖可変領域を含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記scFv抗体フラグメントは、SEQ ID NO:54、56、57及び58からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記キメラ抗原受容体は、SEQ ID NO:24、25、26、27、28、29、30、31及び32からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記免疫エフェクター細胞がTリンパ球、NK細胞、またはNKTリンパ球である
請求項1に記載の組成物。
【請求項19】
前記キメラ抗原受容体は、少なくとも2つまたは3つの細胞内シグナル伝達ドメインを含む
請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記少なくとも2つまたは3つの細胞内シグナル伝達ドメインは、TCRζ、FcRγ、FcRβ、CD3γ、CD3δ、CD3ε、CD3ζ、CDS、CD22、CD79a、CD79b、CD66d、CD28、CD137、OX40、DAP10、及びICOSからなる群から選択される
請求項19に記載の組成物。