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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025165486
(43)【公開日】2025-11-05
(54)【発明の名称】振動デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20251028BHJP
   H03H 9/02 20060101ALI20251028BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20251028BHJP
【FI】
H03B5/32 H
H03H9/02 A
H03B5/32 A
H01L23/14 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069546
(22)【出願日】2024-04-23
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】横山 好彦
【テーマコード(参考)】
5J079
5J108
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA02
5J079BA48
5J079CB01
5J079HA03
5J079HA07
5J079HA25
5J108AA04
5J108BB02
5J108CC04
5J108DD02
5J108EE03
5J108EE19
5J108GG03
(57)【要約】
【課題】強度が低下することを抑制する振動デバイスを提供すること。
【解決手段】表裏関係にある上面5aおよび下面5bを有し、上面5aから下面5bまでを貫通する貫通孔th1を有する半導体基板5と、半導体基板5に配置された振動素子3と、半導体基板5の上面5aの外周部5pに接合され、半導体基板5の上面5aとの間に、振動素子3を収納する蓋体4と、半導体基板5の上面5aに設けられ、振動素子3を発振させる発振回路70と、半導体基板5の下面5bに配置された端子510と、半導体基板5の貫通孔th1に設けられ、端子510と発振回路70とを電気的に接続する貫通電極51と、を備え、貫通電極51は、半導体基板5の平面視において、上面5aの中央c1よりも外周部5pの近くに配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏関係にある第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面までを貫通する貫通孔を有する半導体基板と、
前記半導体基板に配置された振動片と、
前記半導体基板の前記第1面の外周部に接合され、前記半導体基板の前記第1面との間に、前記振動片を収納する蓋体と、
前記半導体基板の前記第1面に設けられ、前記振動片を発振させる発振回路と、
前記半導体基板の前記第2面に配置された端子と、
前記半導体基板の前記貫通孔に設けられ、前記端子と前記発振回路とを電気的に接続する貫通電極と、を備え、
前記貫通電極は、前記半導体基板の平面視において、前記第1面の中央よりも前記外周部の近くに配置される、
振動デバイス。
【請求項2】
前記第1面の前記外周部は、隅部を有し、
前記貫通電極は前記隅部の近くに配置される、
請求項1に記載の振動デバイス。
【請求項3】
前記端子と前記貫通電極とは、導電保護膜で覆われる、
請求項1に記載の振動デバイス。
【請求項4】
前記導電保護膜は、ニッケル、パラジウム、および金の積層膜からなる、
請求項3に記載の振動デバイス。
【請求項5】
前記貫通孔と前記貫通電極との間に設けられた絶縁膜と、
前記絶縁膜と前記貫通電極との間に設けられたシード層と、を有し、
前記貫通電極は、銅からなる、
請求項3に記載の振動デバイス。
【請求項6】
表裏関係にある第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面までを貫通する第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔、および第4貫通孔を有する半導体基板と、
前記半導体基板に配置された振動片と、
前記半導体基板の前記第1面の外周部に接合され、前記半導体基板の前記第1面との間に、前記振動片を収納する蓋体と、
前記半導体基板の前記第1面に設けられ、前記振動片を発振させる発振回路と、
前記半導体基板の前記第2面に配置された第1端子、第2端子、第3端子、および第4端子と、
前記半導体基板の前記第1貫通孔に設けられ、前記第1端子と前記発振回路とを電気的に接続する第1貫通電極と、
前記半導体基板の前記第2貫通孔に設けられ、前記第2端子と前記発振回路とを電気的に接続する第2貫通電極と、
前記半導体基板の前記第3貫通孔に設けられ、前記第3端子と前記発振回路とを電気的に接続する第3貫通電極と、
前記半導体基板の前記第4貫通孔に設けられ、前記第4端子と前記発振回路とを電気的に接続する第4貫通電極と、を備え、
前記第1貫通電極、前記第2貫通電極、前記第3貫通電極、および前記第4貫通電極は、前記半導体基板の平面視において、前記第1面の中央よりも前記外周部の近くに配置される、
振動デバイス。
【請求項7】
前記第1面の前記外周部は、第1隅部、第2隅部、第3隅部、および第4隅部を有し、
前記第1貫通電極は前記第1隅部の近くに配置され、前記第2貫通電極は前記第2隅部の近くに配置され、前記第3貫通電極は前記第3隅部の近くに配置され、前記第4貫通電極は前記第4隅部の近くに配置される、
請求項6に記載の振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表裏関係にある第1面および第2面を有する半導体基板と、半導体基板に配置された振動片と、半導体基板の第1面に設けられ、振動片を発振させる発振回路と、半導体基板の第2面に配置された端子と、半導体基板の第2面から第1面まで貫通し、端子と発振回路とを電気的に接続する貫通電極と、振動片を収納するように半導体基板の外周部に接合された蓋、を有する振動デバイスが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-72464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような振動デバイスは、貫通電極を有するため、貫通電極が設けられる半導体基板に強度低下の懸念があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様に係る振動デバイスは、表裏関係にある第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面までを貫通する貫通孔を有する半導体基板と、前記半導体基板に配置された振動片と、前記半導体基板の前記第1面の外周部に接合され、前記半導体基板の前記第1面との間に、前記振動片を収納する蓋体と、前記半導体基板の前記第1面に設けられ、前記振動片を発振させる発振回路と、前記半導体基板の前記第2面に配置された端子と、前記半導体基板の前記貫通孔に設けられ、前記端子と前記発振回路とを電気的に接続する貫通電極と、を備え、前記貫通電極は、前記半導体基板の平面視において、前記第1面の中央よりも前記外周部の近くに配置される。
【0006】
本願の一態様に係る振動デバイスは、表裏関係にある第1面および第2面を有し、前記第1面から前記第2面までを貫通する第1貫通孔、第2貫通孔、第3貫通孔、および第4貫通孔を有する半導体基板と、前記半導体基板に配置された振動片と、前記半導体基板の前記第1面の外周部に接合され、前記半導体基板の前記第1面との間に、前記振動片を収納する蓋体と、前記半導体基板の前記第1面に設けられ、前記振動片を発振させる発振回路と、前記半導体基板の前記第2面に配置された第1端子、第2端子、第3端子、および第4端子と、前記半導体基板の前記第1貫通孔に設けられ、前記第1端子と前記発振回路とを電気的に接続する第1貫通電極と、前記半導体基板の前記第2貫通孔に設けられ、前記第2端子と前記発振回路とを電気的に接続する第2貫通電極と、前記半導体基板の前記第3貫通孔に設けられ、前記第3端子と前記発振回路とを電気的に接続する第3貫通電極と、前記半導体基板の前記第4貫通孔に設けられ、前記第4端子と前記発振回路とを電気的に接続する第4貫通電極と、を備え、前記第1貫通電極、前記第2貫通電極、前記第3貫通電極、および前記第4貫通電極は、前記半導体基板の平面視において、前記第1面の中央よりも前記外周部の近くに配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る振動デバイスの斜視図。
図2図1の振動デバイスを裏面から見た斜視図。
図3A図1および図4のA-A線に沿う振動デバイスの断面図。
図3B図3Aの領域Cの拡大図。
図4】半導体基板の平面図。
図5】半導体基板および振動素子の平面図。
図6図1のB-B線に沿う振動デバイスの断面図。
図7】半導体回路の構成例を示すブロック図。
図8】振動デバイスの製造工程を示すフローチャート。
図9図8の貫通電極形成工程S4の詳細を示すフローチャート。
図10】製造過程における一態様を示す断面図。
図11】製造過程における一態様を示す断面図。
図12】製造過程における一態様を示す断面図。
図13】製造過程における一態様を示す断面図。
図14】製造過程における一態様を示す断面図。
図15】製造過程における一態様を示す断面図。
図16】製造過程における一態様を示す断面図。
図17】製造過程における一態様を示す断面図。
図18】製造過程における一態様を示す断面図。
図19】製造過程における一態様を示す断面図。
図20】製造過程における一態様を示す断面図。
図21】製造過程における一態様を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態において、各図面に示される構成要素は、見やすくするために、寸法の縮尺を異ならせて示されることがある。
図面には、互いに直交するX軸、Y軸、およびZ軸の3軸が図示されることがある。以下の説明において、3軸の矢印の先端側は「プラス側」、矢印の基端側は「マイナス側」と記述されることがある。X軸に平行な方向は「X軸方向」、Y軸に平行な方向は「Y軸方向」、Z軸に平行な方向は「Z軸方向」と記述されることがある。Z軸方向に見ることは「平面視」と記述されることがある。
【0009】
以下の説明において、例えば、基板に対して、「基板上に」との記載は、基板の上に接して配置される場合、基板の上に他の構造物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接して配置され、一部が他の構造物を介して配置される場合のいずれかを表す。
ある構成の上面との記載は、当該構成のZ軸方向プラス側の面、例えば「基板の上面」は、可動体のZ軸方向プラス側の面を示すものとする。
ある構成の下面との記載は、当該構成のZ軸方向マイナス側の面、例えば「基板の下面」は可動体のZ軸方向マイナス側の面を示すものとする。
ある構成の表面および裏面との記載は、いずれも当該構成の外側に現れている面を示すものとし、表面は該構成のZ軸方向プラス側の面を示し、裏面は該構成のZ軸方向マイナス側の面を示すものとする。
【0010】
1.実施形態1
1.1.振動デバイスの概略構成
図1ないし図7は、本実施形態に係る振動デバイス1の概略構成を示す。
【0011】
図1は、実施形態1に係る振動デバイス1の斜視図である。図2は、振動デバイス1を裏面から見た斜視図である。図3Aは、図1および図4のA-A線に沿う振動デバイス1の断面図である。図3Bは、図3Aの領域Cの拡大図である。図4は、半導体基板5の平面図である。図5は、半導体基板5および振動素子3の平面図である。図6は、図1および図5のB-B線に沿う振動デバイス1の断面図である。図7は、半導体回路7の構成例を示すブロック図である。
【0012】
図1に示す振動デバイス1は、発振器であり、より具体的には、水晶からなる振動素子3と発振回路70とをワンパッケージ化した水晶発振器である。振動デバイス1は、例えば、実装基板100に実装され、基準信号を実装基板100に出力する。本実施形態において、振動素子3は、振動片の一例である。
【0013】
振動デバイス1は、半導体装置2、振動素子3、および蓋体4を有する。
半導体装置2は、図3Aに示すように、半導体基板5と半導体回路7とを含む。半導体回路7は、半導体基板5の上面5aに設けられる。
振動素子3は、半導体基板5上に設けられた半導体回路7の上面に配置される。このように、本実施形態では、半導体基板5の半導体回路7の形成面側に、振動素子3を実装するフェイスアップ方式を採用している。
【0014】
蓋体4は凹部41を有し、半導体装置2の上面の外周部5pに接合され、パッケージPを形成する。パッケージP内の収容空間Sには、振動素子3が収容される。収容空間Sは、気密であり、減圧状態、好ましくはより真空に近い状態となっている。これにより、粘性抵抗が減り、振動素子3の発振特性が向上する。ただし、収容空間Sの雰囲気は、特に限定されない。
【0015】
図2に示すように、振動デバイス1の裏面には、端子510,520,530,540が設けられる。端子510,520,530,540は、貫通電極51,52,53,54を介して、図1に示す発振回路70を含む半導体回路7に電気的に接続される。
本実施形態において、端子510は、第1端子の一例であり、端子520は、第2端子の一例であり、端子530は、第3端子の一例であり、端子540は、第4端子の一例である。貫通電極51は、第1貫通電極の一例であり、貫通電極52は、第2貫通電極の一例であり、貫通電極53は、第3貫通電極の一例であり、貫通電極54は、第4貫通電極の一例である。
【0016】
図7は、半導体回路7の構成例を示すブロック図である。半導体回路7は、発振回路70、制御回路130、記憶部140、温度補償回路150、温度センサー160、基準電圧生成回路170、クロック信号出力回路180を含む。
【0017】
発振回路70は、振動素子3を用いて発振信号を生成する回路である。具体的には、発振回路70は、端子323と端子324を介して振動素子3に接続される。発振回路70は、振動素子3を発振させることで、発振信号を生成する。例えばTCXO(Temperature Compensated Crystal Oscillator)やOCXO(Oven Controlled crystal Oscillator)では、検出温度に応じた制御電圧VCOMPが発振回路70に入力され、発振回路70は、その制御電圧VCOMPに対応する発振周波数で振動素子3を発振させる。制御電圧VCOMPは、発振周波数の温度特性を補償する温度補償用電圧である。
【0018】
クロック信号出力回路180は、発振回路70の出力信号OSQに基づいてクロック信号を端子CLKOに出力する。端子CLKOは、図2において、例えば、端子510が対応する。クロック信号出力回路180は、出力信号OSQ或いは出力信号OSQを分周した信号をバッファリングし、そのバッファリングした信号をクロック信号として出力する。
【0019】
制御回路130は、半導体回路7の各部の制御を行う。また制御回路130は、半導体回路7の外部のCPU等とのインターフェイス処理なども行う。制御回路130は、例えばゲートアレイ等のロジック回路により実現される。
【0020】
記憶部140は、半導体回路7の動作に必要な各種の情報を記憶する。例えば温度補償回路150が温度補償処理を行うために必要な温度補償用の多項式の係数等を記憶する。記憶部140は、例えば、不揮発性メモリーである。
【0021】
温度補償回路150は、温度センサー160からの温度検出信号VTおよび端子VCNTを介して外部から入力される発振周波数の制御電圧に基づいて制御電圧VCOMPを出力する。端子VCNTは、図2において、例えば、端子520が対応する。
【0022】
温度センサー160は、半導体回路7の温度を検出するセンサーである。例えば、温度センサー160は、ダイオード等で構成できる。ダイオードで構成された温度センサー160は、ダイオードの順方向電圧の温度依存性を用いて温度検出を行い、温度検出信号VTを出力する。
【0023】
基準電圧生成回路170は、半導体回路7の各部に供給するための電源や基準電圧、バイアス電圧、バイアス電流等を生成する回路である。基準電圧生成回路170には、高電位側電源に接続される端子VDDを介して高電位側電源が入力され、低電位側電源に接続される端子VSSを介して低電位側電源(グランド)が入力される。図2において、端子VDDは、例えば、端子530が対応し、端子VSSは、例えば、端子540が対応する。基準電圧生成回路170は、温度補償回路150に基準電圧を供給したり、或いは発振回路70に電源電圧を供給したりする。
【0024】
1.2.半導体装置2の構成
上述したように、半導体装置2は、半導体基板5と半導体回路7とを有する。
【0025】
1.2.1.半導体基板5の構成
半導体基板5は、シリコン基板である。半導体基板5は、例えば、Ge、GaP、GaAs、InP等のシリコン以外の半導体材料で構成された基板を用いてもよい。半導体基板5は、表裏関係にある第1面としての上面5aおよび第2面としての下面5bを有する。
【0026】
図3A図4図5、および図6に示すように、半導体基板5は、上面5aから下面5bまでを貫通する貫通孔th1,th2,th3,th4を備える。
貫通電極51,52,53,54は、それぞれ貫通孔th1,th2,th3,th4に設けられる。貫通電極51,52,53,54は、それぞれTSV(Through Silicon Via)である。なお、貫通電極54および貫通孔th4の断面は、図示していないが、貫通電極51,52,53および貫通孔th1,th2,th3と同様に構成される。
【0027】
貫通電極51,52,53,54は、図1に示すように、半導体基板5の外周部5pの四隅の近くに、それぞれ配置される。より具体的には、図4および図5に示すように、貫通電極51は、平面視で、半導体基板5の上面5aの中央c1よりも外周部5pの隅部5p1の近くに配置される。貫通電極52は、平面視で、半導体基板5の上面5aの中央c1よりも外周部5pの隅部5p2の近くに配置される。貫通電極53は、平面視で、半導体基板5の上面5aの中央c1よりも外周部5pの隅部5p3の近くに配置される。貫通電極54は、平面視で、半導体基板5の上面5aの中央c1よりも外周部5pの隅部5p4の近くに配置される。本実施形態において、隅部5p1は、第1隅部の一例であり、隅部5p2は、第2隅部の一例であり、隅部5p3は、第3隅部の一例であり、隅部5p4は、第4隅部の一例である。
【0028】
上述したように、本実施形態では、発振回路70を含む半導体回路7が、半導体基板5の振動素子3と対向する側の面に設けられる。したがって、振動デバイス1は、半導体回路7を機能させるために、少なくとも4つの貫通電極51,52,53,54を設ける必要がある。換言すると、本実施形態では、半導体基板5に少なくとも4つの貫通孔th1,th2,th3,th4を設ける必要がある。
【0029】
しかしながら、半導体基板5に貫通電極51,52,53,54を設けると、半導体基板5の強度が低下する虞がある。本実施形態では、半導体基板5の強度の低下を抑制するために、貫通電極51,52,53,54を設ける位置を、外周部5pに近づけている。換言すると、本実施形態では、貫通孔th1,th2,th3,th4を設ける位置を、外周部5pに近づけている。外周部5pには、蓋体4が接合されるため、蓋体4によって、半導体基板5を補強することができる。
【0030】
さらに、貫通電極51,52,53,54は、外周部5pの4つの隅部5p1,5p2,5p3,5p4の近くに一つずつ設けることが、強度的により好ましい。蓋体4および外周部5pは、それぞれ矩形であるため、外周部5pの2辺が交わる隅部5p1,5p2,5p3,5p4の位置が、各隅部間の辺の部分よりも、蓋体4による補強効果がより高いからである。
【0031】
図3Aおよび図6に示すように、半導体基板5の上面5aには、絶縁膜61が設けられる。半導体基板5の下面5bには、絶縁膜62が設けられる。絶縁膜62は、貫通孔th1,th2,th3,th4の内周面も設けられる。絶縁膜61,62は、例えば、酸化シリコン(SiO2)である。
【0032】
貫通電極51および端子510は、電解めっき法によって形成された銅(Cu)めっき電極である。貫通電極51および端子510は、同じ工程で形成されるため、一体に構成される。本実施形態では、貫通孔th1,th2,th3,th4と、平面視で重なる部分を、それぞれ貫通電極51,52,53,54と定義する。
【0033】
貫通電極51および端子510と絶縁膜62との間には、シード(種)層57が設けられる。なお、貫通電極51および端子510は、銅ペースト印刷によって、形成してもよい。貫通電極52および端子520、貫通電極53および端子530、および貫通電極54および端子540も、貫通電極51および端子510と同様に構成される。
【0034】
貫通電極51および端子510を覆うように、導電保護膜59が設けられる。導電保護膜59は、貫通電極51および端子510から発生するアウトガスを抑制するために設けられる。銅めっき電極からなる貫通電極51および端子510は、水分や水素を含んでいるため、水分や水素がアウトガスとなって放出される虞がある。当該アウトガスは、実装基板100との電気的な接続面に、接触不良などの不具合を生じさせる原因となる。貫通電極52および端子520、貫通電極53および端子530、および貫通電極54および端子540にも、貫通電極51および端子510と同様に、導電保護膜59によって、覆われる。
【0035】
図3Bは、図3Aの領域Cの拡大断面図であり、シード層57および導電保護膜59の構成を示す。
シード層57は、チタン/タングステン合金(TiW)のスパッタ膜571および銅のスパッタ膜572からなる二層の積層構造を有する。シード層57のチタン/タングステン合金に代えて、クロム(Cr)やチタン(Ti)を用いてもよい。
導電保護膜59は、ニッケル(Ni)の無電解めっき膜591、パラジウム(Pd)の無電解めっき膜592、および金(Au)の無電解めっき膜593からなる三層の積層構造を有する。
【0036】
1.2.2.半導体回路7の構成
図3Aに示すように、半導体回路7は、半導体基板5の上面5aに形成された複数の素子700と、半導体基板5の上面5aに積層された積層体71と、を有する。
積層体71は、半導体基板5の上面5aに形成された配線層72と、配線層72の上面に形成された絶縁層73と、絶縁層73の上面に形成されたパッシベーション膜74と、パッシベーション膜74の上面に形成された端子層75と、を有する。配線層72は、1層に限定されない。複数の配線層72が、複数の絶縁層73を介して、設けられていてもよい。
【0037】
複数の素子700、配線層72、および端子層75は、コンタクトホール76や図示しない接続部材等を介して、電気的に接続されて、発振回路70を構成する。素子700は、例えば、トランジスター、抵抗、容量素子等である。
【0038】
このように、半導体基板5に半導体回路7を形成することにより、半導体基板5のスペースを有効活用することができる。また、半導体回路7を振動デバイス1と一体形成することができるため、装置全体の小型化を図ることもできる。
【0039】
配線層72は、図3Aおよび図6に示すように、電極パッド721、722、723を有する。電極パッド721は、貫通孔th1および貫通電極51と重なり、貫通電極51と導通する。電極パッド722は、貫通孔th2および貫通電極52と重なり、貫通電極52と導通する。電極パッド723は、貫通孔th3および貫通電極53と重なり、貫通電極53と導通する。図示しないが、配線層72は、貫通孔th4および貫通電極54と重なり、貫通電極54と導通する電極パッド724を有する。
【0040】
端子層75は、配線兼用の内部端子751と内部端子752とを有する。内部端子751は、配線層72と接合部材B1との間を電気的に接続する。内部端子752は、配線層72と接合部材B2との間を電気的に接続する。
【0041】
1.3.蓋体4の構成
蓋体4は、半導体基板5と同様、シリコン基板である。これにより、半導体基板5と蓋体4との線膨張係数が等しくなり、熱膨張に起因する熱応力の発生が抑えられ、優れた振動特性を有する振動デバイス1となる。また、振動デバイス1を半導体プロセスによって形成することができるため、振動デバイス1を精度よく製造することができると共に、その小型化を図ることができる。ただし、蓋体4としては、特に限定されず、例えば、Ge、GaP、GaAs、InP等のシリコン以外の半導体材料で構成された基板を用いてもよい。
【0042】
1.4.振動素子3の構成
図3A図5、および図6に示すように、振動素子3は、振動基板31と、励振電極321,322と、を有する。
振動基板31は、厚みすべり振動モードを有し、本実施形態ではATカット水晶基板から形成されている。ATカット水晶基板は、三次の周波数温度特性を有しているため、優れた温度特性を有する振動素子3となる。
【0043】
励振電極321は、振動基板31の上面に配置され、配線325を介して、端子323に電気的に接続される。
励振電極322は、振動基板31の下面に配置され、配線326を介して、端子324に電気的に接続される。
【0044】
なお、振動素子3の構成は、上述の構成に限定されない。例えば、振動素子3は、励振電極321、322に挟まれた振動領域がその周囲から突出したメサ型となっていてもよいし、逆に、振動領域がその周囲から凹没した逆メサ型となっていてもよい。また、振動基板31の周囲を研削するベベル加工や、上面および下面を凸曲面とするコンベックス加工が施されていてもよい。また、振動素子3としては、厚みすべり振動モードで振動するものに限定されず、例えば、複数の振動腕が面内方向に屈曲振動する振動素子であってもよい。つまり、振動基板31は、ATカット水晶基板から形成されたものに限定されず、ATカット水晶基板以外の水晶基板、例えば、Xカット水晶基板、Yカット水晶基板、Zカット水晶基板、BTカット水晶基板、SCカット水晶基板、STカット水晶基板等から形成されていてもよい。また、本実施形態では、振動基板31が水晶で構成されているが、これに限定されず、例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、四ホウ酸リチウム、ランガサイト、ニオブ酸カリウム、リン酸ガリウム等の圧電単結晶体により構成されていてもよいし、これら以外の圧電単結晶体で構成されていてもよい。更にまた、振動素子3は、圧電駆動型の振動素子に限らず、静電気力を用いた静電駆動型の振動素子であってもよい。
【0045】
振動素子3は、図3Aおよび図6に示すように、導電性の接合部材B1,B2によって内部端子751,752に接合されている。これにより、振動素子3と半導体回路7とが接合部材B1,B2を介して電気的に接続される。本実施形態において、接合部材B1,B2は、無電解めっき処理によって形成されたバンプである。
【0046】
1.5.振動デバイスの製造方法
図8ないし図21は、本実施形態の振動デバイス1の製造方法を説明する図面である。
図8は、振動デバイス1の製造工程を説明するフローチャートである。図9は、図8の貫通電極形成工程S4の詳細を示すフローチャートである。図10から図21は、製造過程における一態様を示す断面図であり、各断面図は、図1および図4のA-A線に対応する位置での断面を示す。
【0047】
図8に示すように、振動デバイス1の製造方法は、半導体基板準備工程S1,振動片実装工程S2、封止工程S3、貫通電極形成工程S4、および導電保護膜形成工程S5を含む。
【0048】
半導体基板準備工程S1では、図10に示すように、半導体基板5を準備し、上面5a側に半導体回路7を形成する。これにより、半導体装置2の母材が得られる。
振動片実装工程S2では、図11に示すように、接合部材B1,B2を介して、振動素子3を内部端子751,752に接合する。
封止工程S3では、図12に示すように、減圧状態において蓋体4を半導体基板5の上面5aの外周部5pに、接合部材40を介して接合し、振動素子3を収容空間Sに真空封止する。
【0049】
貫通電極形成工程S4は、図9に示すように、薄型工程S41、レジストマスク形成工程S42、貫通孔形成工程S43、パッド露出工程S44、絶縁膜成膜工程S45、パッド露出工程S46、シード層成膜工程S47、貫通電極形成工程S48、除去工程S49、および導電保護膜形成工程S50を含む。
【0050】
薄型工程S41では、図13に示すように、半導体基板5を下面5b側から研削、研磨し、半導体基板5を所定の厚さまで薄くする。
【0051】
レジストマスク形成工程S42では、図14に示すように、半導体基板5の下面5bにレジストを塗布し、レジストをパターニングして、貫通孔th1,th2,th3,th4に対応する位置に開口を有するレジストマスク81を形成する。
【0052】
貫通孔形成工程S43では、図15に示すように、半導体基板5をドライエッチングして、半導体基板5に電極パッド721,722,723,724に対応する位置の絶縁膜61に到達する貫通孔th1,th2,th3,th4を形成する。その後、この工程では、レジストマスク81を除去する。
【0053】
パッド露出工程S44では、図16に示すように、貫通孔th1,th2,th3,th4の底の絶縁膜61を除去し、貫通孔th1,th2,th3,th4の底に電極パッド721,722,723,724を露出させる。
【0054】
絶縁膜成膜工程S45では、図17に示すように、半導体基板5の下面5bおよび貫通孔th1,th2,th3,th4の内面に、絶縁膜62を成膜する。
【0055】
パッド露出工程S46では、図18に示すように、貫通孔th1,th2,th3,th4の底の絶縁膜62を除去し、貫通孔th1,th2,th3,th4の底に電極パッド721,722,723,724を露出させる。なお、貫通孔th1,th2,th3,th4の底の絶縁膜62を除去する際に、貫通孔th1,th2,th3,th4の内周面の絶縁膜62が一緒に除去される場合は、貫通孔th1,th2,th3,th4の内周面に有機絶縁膜を設けてもよい。
【0056】
シード層成膜工程S47では、図19に示すように、スパッタリングによって、半導体基板5の下面5bおよび貫通孔th1,th2,th3,th4の内面の絶縁膜62を覆うように、シード層57を成膜する。シード層57は、図3Bに示したように、深層がチタン/タングステン合金のスパッタ膜571および表層が銅のスパッタ膜572からなる積層膜である。シード層57のチタン/タングステン合金に代えて、クロムやチタンを用いてもよい。
【0057】
貫通電極形成工程S48では、図20に示すように、貫通孔th1,th2,th3,th4および端子510,520,530,540に対応する位置に開口を有するレジストマスク82を形成する。その後、この工程では、電解めっきによって、開口内に銅めっきを成膜して、貫通電極51,52,53,54および端子510,520,530,540を形成する。
【0058】
除去工程S49では、図21に示すように、レジストマスク82を除去した後、エッチングによって、銅めっきをマスクとして、貫通電極51,52,53,54および端子510,520,530,540から露出するシード層57を除去する。
【0059】
導電保護膜形成工程S5は、図3Aおよび図6に示したように、無電解めっきによって、貫通電極51,52,53,54および端子510,520,530,540を覆う導電保護膜59を形成する。導電保護膜59は、深層がニッケルの無電解めっき膜591、中間層がパラジウムの無電解めっき膜592、および表層が金の無電解めっき膜593からなる積層膜である。
【0060】
以上、述べたとおり、本実施形態の振動デバイス1は、表裏関係にある第1面としての上面5aおよび第2面としての下面5bを有し、上面5aから下面5bまでを貫通する貫通孔th1を有する半導体基板5と、半導体基板5に配置された振動片しての振動素子3と、半導体基板5の上面5aの外周部5pに接合され、半導体基板5の上面5aとの間に、振動素子3を収納する蓋体4と、半導体基板5の上面5aに設けられ、振動素子3を発振させる発振回路70と、半導体基板5の下面5bに配置された端子510と、半導体基板5の貫通孔th1に設けられ、端子510と発振回路70とを電気的に接続する貫通電極51と、を備え、貫通電極51は、半導体基板5の平面視において、上面5aの中央c1よりも外周部5pの近くに配置される。
【0061】
このように本実施形態では、半導体基板5に設けられる貫通電極51は、上面5aの中央c1よりも外周部5pの近くに配置される。そして、外周部5pには、蓋体4が接合されるため、振動デバイス1において、外周部5pの強度は、中央c1よりも高い。したがって、本実施形態の振動デバイス1は、半導体基板5に貫通電極51を設けても、半導体基板5の強度が低下することを抑制することができる。
【0062】
本実施形態の振動デバイス1において、第1面としての上面5aの外周部5pは、隅部5p1を有し、貫通電極51は隅部5p1の近くに配置される。
このように本実施形態では、貫通電極51は隅部5p1の近くに配置される。蓋体4および外周部5pは、それぞれ矩形であるため、外周部5pの2辺が交わる隅部5p1の位置は、外周部5pの辺の部分よりも強度が高い。したがって、本実施形態の振動デバイス1は、半導体基板5に貫通電極51を設けても、半導体基板5の強度が低下することを抑制することができる。
【0063】
本実施形態の振動デバイス1において、端子510と貫通電極51とは、導電保護膜59で覆われる。
このように本実施形態では、端子510と貫通電極51とは、導電保護膜59で覆われる。したがって、振動デバイス1を実装基板100に実装した際に、実装基板100との電気的な接続面に、接触不良などの不具合が生じることを抑制できる。
【0064】
本実施形態の振動デバイス1において、導電保護膜59は、ニッケル、パラジウム、および金の積層膜からなる。
このように本実施形態では、端子510と貫通電極51とは、ニッケル、パラジウム、および金の積層膜からなる導電保護膜59で覆われる。したがって、振動デバイス1を実装基板100に実装した際に、実装基板100との電気的な接続面に、接触不良などの不具合が生じることを抑制できる。
【0065】
本実施形態の振動デバイス1において、貫通孔th1と貫通電極51との間に設けられた絶縁膜62と、絶縁膜62と貫通電極51との間に設けられたシード層57と、を有し、貫通電極51は、銅からなる。
このように本実施形態では、貫通孔th1の内周面には、絶縁膜62とシード層57と貫通電極51とを有し、貫通電極51は、銅からなる。しがたって、電気的な接続性および導電性の優れた貫通電極51を形成することができる。
【0066】
本実施形態の振動デバイス1は、表裏関係にある第1面としての上面5aおよび第2面としての下面5bを有し、上面5aから下面5bまでを貫通する第1貫通孔としての貫通孔th1、第2貫通孔としての貫通孔th2、第3貫通孔としての貫通孔th3、および第4貫通孔としての貫通孔th4を有する半導体基板5と、半導体基板5に配置された振動片としての振動素子3と、半導体基板5の上面5aの外周部5pに接合され、半導体基板5の上面5aとの間に、振動素子3を収納する蓋体4と、半導体基板5の上面5aに設けられ、振動素子3を発振させる発振回路70と、半導体基板5の下面5bに配置された第1端子としての端子510、第2端子としての端子520、第3端子としての端子530、および第4端子としての端子540と、半導体基板5の貫通孔th1に設けられ、端子510と発振回路70とを電気的に接続する第1貫通電極としての貫通電極51と、半導体基板5の貫通孔th2に設けられ、端子520と発振回路70とを電気的に接続する第2貫通電極としての貫通電極52と、半導体基板5の貫通孔th3に設けられ、端子530と発振回路70とを電気的に接続する第3貫通電極としての貫通電極53と、半導体基板5の貫通孔th4に設けられ、端子540と発振回路70とを電気的に接続する第4貫通電極としての貫通電極54と、を備え、貫通電極51、貫通電極52、貫通電極53、および貫通電極54は、半導体基板5の平面視において、上面5aの中央c1よりも外周部5pの近くに配置される。
【0067】
このように本実施形態では、半導体基板5に設けられる貫通電極51,52,53,54は、それぞれ上面5aの中央c1よりも外周部5pの近くに配置される。そして、外周部5pには、蓋体4が接合されるため、振動デバイス1において、外周部5pの強度は、中央c1よりも高い。したがって、本実施形態の振動デバイス1は、半導体基板5に貫通電極51,52,53,54を設けても、半導体基板5の強度が低下することを抑制することができる。
【0068】
本実施形態の振動デバイス1において、上面5aの外周部5pは、第1隅部としての隅部5p1、第2隅部としての隅部5p2、第3隅部としての隅部5p3、および第4隅部としての隅部5p4を有し、貫通電極51は隅部5p1の近くに配置され、貫通電極52は隅部5p2の近くに配置され、貫通電極53は隅部5p3の近くに配置され、貫通電極54は隅部5p4の近くに配置される。
【0069】
このように本実施形態では、貫通電極51,52,53,54は、それぞれ隅部5p1,5p2,5p3,5p4の近くに配置される。蓋体4および外周部5pは、それぞれ矩形であるため、外周部5pの2辺が交わる隅部5p1,5p2,5p3,5p4の位置は、外周部5pの各隅部間の辺の部分よりも強度が高い。したがって、本実施形態の振動デバイス1は、半導体基板5に貫通電極51,52,53,54を設けても、半導体基板5の強度が低下することを抑制することができる。
【0070】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。本発明の各部の構成は、上述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換できる。
【符号の説明】
【0071】
1…振動デバイス、2…半導体装置、3…振動素子、31…振動基板、321,322…励振電極、323,324…端子、325,326…配線、4…蓋体、40…接合部材、41…凹部、5…半導体基板、5p…外周部、5p1,5p2,5p3,5p4…隅部、5a…上面、5b…下面、51,52,53,54…貫通電極、57…シード層、59…導電保護膜、61,62…絶縁膜、7…半導体回路、70…発振回路、71…積層体、72…配線層、73…絶縁層、74…パッシベーション膜、75…端子層、76…コンタクトホール、81,82…レジストマスク、100…実装基板、510,520,530,540…端子、571,572…スパッタ膜、591,592,593…無電解めっき膜、700…素子、721,722,723,724…電極パッド、751,752…内部端子、B1,B2…接合部材、c1…中央、th1,th2,th3,th4…貫通孔。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21