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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016549
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】針の位置の決定
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/12 20060101AFI20250128BHJP
【FI】
A61B6/12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024186362
(22)【出願日】2024-10-23
(62)【分割の表示】P 2022580513の分割
【原出願日】2021-06-21
(31)【優先権主張番号】20198346.7
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2020/098386
(32)【優先日】2020-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】シェン ヤンホア
(72)【発明者】
【氏名】フー リン
(72)【発明者】
【氏名】マー ユエ
(72)【発明者】
【氏名】チャン ディー
(72)【発明者】
【氏名】チャン ラン
(72)【発明者】
【氏名】チェン ユエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】コンピュータ断層撮影誘導介入手順中に、針の位置を決定するための方法を提供する。
【解決手段】方法100は、体の複数の撮像スライスに対応するデータを受信するステップ102を有する。体内に挿入された針の位置を決定するステップ104を有する。決定は、体外の針の第1の部分の表示を含む撮像スライスのうちの少なくとも1つのスライスと、体内の針の第2の部分の表示を含む撮像スライスのうちの少なくとも1つの他の撮像スライスとからの情報を結合することに基づく。結合された針領域は、体外の針の第1の部分の位置に対応するデータを、体内の針の第2の部分の位置に対応するデータと併合することによって生成される。方法は更に、第1の部分及び第2の部分の視覚的表現と結合して提供するための表示データを生成するステップ106を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実施される方法であって、
体の複数の放射線撮像スライスに対応するデータを受信するステップと、
前記体外の針の第1の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの放射線撮像スライスと、前記体内の前記針の第2の部分の表示を含む前記放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの他の放射線撮像スライスとからの情報を結合することに基づいて、前記体内に挿入された前記針の位置を決定するステップであって、前記体外の前記針の前記第1の部分の位置に対応するデータを、前記体内の前記針の前記第2の部分の位置に対応するデータと併合することによって、結合された針領域を生成するステップを有する、当該決定するステップと、
前記体の画像における前記針の視覚的表現を、前記画像に重ねられた前記針の少なくとも前記第1の部分及び前記第2の部分の視覚的表現と結合して提供するための表示データを生成するステップとを有し、
前記画像は、前記複数の放射線撮像スライスに平行な面に対してデジタル的に傾斜された面内にある、方法。
【請求項2】
ユーザインターフェースに前記画像を表示させるステップを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記針の前記位置を決定するステップは、前記針の前記第1の部分及び前記第2の部分の前記位置を示す、受信された前記データ内の複数の領域へラインをフィッティングするステップを有する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記針の前記位置を決定するステップは、前記受信されたデータから導出されたエネルギ関数を最小化することによって、複数の候補針領域から、実際の針領域を決定するステップを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギ関数は、前記候補針領域の離散度、前記候補針領域の面積、前記候補針領域の縁の平均画素値、前記候補針領域の内部の平均画素値、前記候補針領域のすべての断面値の平均、円形度パラメータ、及び偏差パラメータのうちの少なくとも1つに基づく、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記針の前記第1の部分に対応する受信された前記データに対して、モフォロジ処理オープニングを実行することによって、前記体外の前記針の前記第1の部分を特定するステップと、
前記針の計画された経路に基づいて、前記針の前記第1の部分に対応する3次元領域を決定するステップとを有し、
前記3次元領域は、前記実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記針の前記第2の部分に対応する受信された前記データに対して、しきい値切捨てを実行することによって、前記体内の前記針の前記第2の部分を特定するステップと、
前記針の計画された経路に基づいて、前記針の前記第2の部分に対応する3次元領域を決定するステップとを有し、
前記3次元領域は、前記実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記しきい値切捨てによって除去された少なくとも1つの隣接候補針領域を検索し、隣接候補針領域に対応するデータを、拡張された3次元領域の一部として含めることによって、前記針の前記第2の部分に対応する前記3次元領域を拡張するステップを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記データ内の候補針先端領域内の測定値と、前記候補針先端領域内の針構造の存在の欠如を示すしきい値との比較に基づいて、前記針の先端を検出するステップを有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記しきい値との前記比較が、針構造が、前記候補針先端領域に存在することを示す場合、前記データから、別の候補針先端領域が特定され、前記別の候補針先端領域が、針構造の存在を示すデータを含むか否かを決定し、
前記しきい値との前記比較が、前記候補針先端領域に対応する前記データ内で、針構造の存在の欠如を示す場合、以前に特定された前記候補針先端領域内に針構造の存在を示すデータを含む、以前に特定された候補針先端領域は、前記針の前記先端を含むと決定される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記針の決定された前記位置と、前記体の表面に沿ってフィッティングされた第2のラインとに基づいて決定される前記針の予測された軌道にフィッティングされた第1のラインに基づいて、前記体上の前記針の挿入点を検出するステップを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
予測された軌道と、計画された軌道との間に偏差があるという決定に応じて、前記針の、予測された前記軌道と、計画された前記軌道との間の相違の表示を、ユーザインターフェースに提供させるステップを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
体内に挿入された針を視覚化するための装置であって、前記装置は、
前記針の位置を決定するために、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実施する処理ユニットと、
前記針の前記位置に重ねられた前記体の画像を表示する表示ユニットとを備える、装置。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、有形のマシン可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、例えば、コンピュータ断層撮影(CT)誘導介入手順中に、針の位置を決定するための方法、装置、及び有形のマシン可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 対象者の体は、例えば、撮像中に体内に針が挿入されるCT誘導穿刺生検などの介入手順の一部として、CT撮像装置を使用して撮像される。医師や放射線技師などのユーザは、対象者の体内の針の位置を特定する必要がある。CT撮像装置によって取得された放射線撮像スライスは、対象者の体内の針の位置の表示を提供する。例えば、放射線撮像スライスは、針の方向、針先端の位置、及び/又は対象者の皮膚表面上の針進入点に関する情報を提供する。この情報は、計画された針経路からオフセットされた針角度(又は針軌道)、体内の病変などの対象物からの針先端の距離、及び/又は、すでに挿入されている針の長さを、ユーザが決定するためのガイダンスを提供するのに役立つ。
【0003】
[0003] 病変のCT誘導穿刺生検は、CT放射線撮像スライスを利用するが、これは、ユーザが、生検に関して特定の決定を下すための詳細情報を提供する。例えば、CT放射線撮像スライスは、高密度解像度及び空間解像度を提供し、病変の正確な位置を特定し、例えば、特定の構造又は壊死組織を回避するために、病変の内部及び周囲の軟組織の状況に関する明確な理解を容易にする。
【0004】
[0004] 特定の介入手順では、ユーザは、ユーザインターフェース上で生検対象物を観察するために、軸方向撮像面に沿って取得された2次元放射線撮像スライスを取得する。ユーザは、軸面に沿って取得された複数の放射線撮像スライスの分析に基づいて、介入経路を計画するために、経験に頼るか、及び/又は、ユーザは、軸面とは異なる、指定された面に沿って放射線撮像スライスを取得するために、撮像装置が対象者の体に対して傾斜される物理的傾斜を伴う介入手順を実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 針の位置に関する完全な情報は、単一の放射線撮像スライスから特定されないため、介入手順の計画及び実行は、比較的時間のかかる作業である。例えば、ある放射線撮像スライスは、針の先端に関する情報を含む一方、別の放射線撮像スライスは、針の別の部分に関する情報を含む。したがって、実際の介入経路は、複数の放射線撮像スライスにまたがる。したがって、介入経路全体をユーザインターフェースに1つの画像で表示することは可能ではない。したがって、ユーザは、針位置を正確に特定できることを保証するために、経験に頼る、及び/又は、追加の放射線撮像スライスを取得する。しかしながら、追加のスキャンには時間がかかり、放射線量が増加する。
【0006】
[0006] 一度に1つの放射線撮像スライスを観察するユーザは、介入手順の進め方を決定する前に、複数の放射線撮像スライスを評価する必要があるので、介入手順を安全に及び/又は確実に実行するために必要な情報を確立することは、困難であること、及び/又は、時間がかかることに気付く。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 本明細書に記載された態様又は実施形態は、体内の針位置の決定及び/又は視覚化を改善することに関する。本明細書に記載された態様又は実施形態は、放射線撮像スライスを使用する介入手順の計画及び実行に関連付けられた1つ又は複数の問題を回避する。
【0008】
[0008] 第1の態様では、方法が記載される。方法は、コンピュータによって実施される方法である。方法は、体の複数の放射線撮像スライスに対応するデータを受信することを有する。方法は更に、体内に挿入された針の位置を決定することを有する。決定は、体外の針の第1の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの放射線撮像スライスと、体内の針の第2の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの他の放射線撮像スライスとからの情報を結合することに基づく。針の位置を決定することは、体外の針の第1の部分の位置に対応するデータを、体内の針の第2の部分の位置に対応するデータと併合することによって、結合された針領域を生成することを有する。方法は更に、体の画像における針の視覚的表現を、画像に重ねられた針の少なくとも第1の部分及び第2の部分の視覚的表現と結合して提供するための表示データを生成することを有する。画像は、複数の放射線撮像スライスに平行な面に対してデジタル的に傾斜された面内にある。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、方法は、ユーザインターフェースに画像を表示させることを有する。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、針の位置を決定することは、針の第1の部分及び第2の部分の位置を示す、受信されたデータ内の複数の領域へラインをフィッティングすることを有する。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態では、針の位置を決定することは、複数の候補針領域から、実際の針領域を決定することを有する。実際の針領域は、受信されたデータから導出されたエネルギ関数を最小化することによって決定される。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態では、エネルギ関数は、候補針領域の離散度、候補針領域の面積、候補針領域の縁の平均画素値、候補針領域の内部の平均画素値、候補針領域のすべての断面値の平均、円形度パラメータ、及び偏差パラメータのうちの少なくとも1つに基づく。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態では、方法は、針の第1の部分に対応する受信されたデータに対して、モフォロジ処理オープニングを実行することによって、体外の針の第1の部分を特定することを有する。方法は更に、針の計画された経路に基づいて、針の第1の部分に対応する3次元領域を決定することを有する。3次元領域は、実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態では、方法は、針の第2の部分に対応する受信されたデータに対して、しきい値切捨てを実行することによって、体内の針の第2の部分を特定することを有する。方法は、針の計画された経路に基づいて、針の第2の部分に対応する3次元領域を決定することを有する。3次元領域は、実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む。
【0015】
[0015] いくつかの実施形態では、方法は、針の第2の部分に対応する3次元領域を拡張することを有する。3次元領域を拡張することは、しきい値切捨てによって除去された少なくとも1つの隣接候補針領域を検索することを有する。3次元領域を拡張することは、隣接候補針領域に対応するデータを、拡張された3次元領域の一部として含めることを有する。
【0016】
[0016] いくつかの実施形態では、方法は、針の先端を検出することを有する。先端を検出することは、データ内の候補針先端領域内の測定値と、候補針先端領域内の針構造の存在の欠如を示すしきい値との比較に基づく。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態では、しきい値との比較が、針構造が、候補針先端領域に存在することを示す場合、データから、別の候補針先端領域が特定され、他の候補針先端領域が、針構造の存在を示すデータを含むか否かを決定する。しきい値との比較が、候補針先端領域に対応するデータ内で、針構造の欠如を示す場合、以前に特定された候補針先端領域内に針構造の存在を示すデータを含む、以前に特定された候補針先端領域は、針の先端を含むと決定される。
【0018】
[0018] いくつかの実施形態では、方法は、体上の針の挿入点を検出することを有する。挿入点を検出することは、針の予測された軌道にフィッティングされた第1のラインに基づく。針の予測された軌道は、針の決定された位置と、体の表面に沿ってフィッティングされた第2のラインとに基づいて決定される。
【0019】
[0019] いくつかの実施形態では、方法は、針の、予測された軌道と、計画された軌道との間の相違の表示を、ユーザインターフェースに提供させることを有する。差の表示は、予測された軌道と、計画された軌道との間に偏差があるという決定に応じて提供される。
【0020】
[0020] 第2の態様では、方法が記載される。方法は、コンピュータによって実施される方法である。方法は、体に挿入された針の位置を示す情報を含む、体の少なくとも1つの放射線撮像スライスに対応するデータを受信することを有する。方法は更に、情報に基づいて針の予測された軌道を決定することを有する。方法は更に、針の予測された軌道を含むラインに平行な画像面に、針の視覚的表現を提供するための表示データを生成することを有し、画像面は、体の少なくとも1つの放射線撮像スライスに対して傾斜される。
【0021】
[0021] 第3の態様では、装置が記載される。装置は、体内に挿入された針を視覚化するためのものである。装置は、第1の態様及び/又は第2の態様の任意の態様又は実施形態の方法を実施するように構成された処理ユニットを備える。装置は、針の位置を決定する。装置は更に、針の位置に重ねられた体の画像を表示するように構成された表示ユニットを備える。
【0022】
[0022] 第4の態様では、有形のマシン可読媒体が記載される。有形のマシン可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、少なくとも1つのプロセッサに、第1の態様及び/又は第2の態様の任意の態様又は実施形態の方法を実施させる命令を含む。
【0023】
[0023] 本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載される実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【0024】
[0024] ここで、本発明の例示的な実施形態が、以下の図面を参照して、単なる例として記載される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】[0025] 実施形態による針の位置を決定する方法を示す図である。
図2】[0026] 実施形態による針の位置を決定する方法を示す図である。
図3】[0027] 実施形態による針の位置を決定する方法を示す図である。
図4】[0028] 実施形態による針の位置を決定するためのシステムの概略図である。
図5a】[0029] 実施形態に記載される特定の方法で使用される画像である。
図5b】実施形態に記載される特定の方法で使用される画像である。
図6a】[0030] 実施形態による針の位置を視覚化するための画像である。
図6b】実施形態による針の位置を視覚化するための画像である。
図7a】[0031] 実施形態による針の位置を視覚化するための画像である。
図7b】実施形態による針の位置を視覚化するための画像である。
図8a】[0032] 実施形態による、針の位置を視覚化するための画像である。
図8b】実施形態による、針の位置を決定する対応する図である。
図9】[0033] 実施形態による針の位置を決定する方法を示す図である。
図10】[0034] 実施形態による針の位置を決定する方法を示す図である。
図11】[0035] 実施形態による針の位置を視覚化するための画像である。
図12】[0036] 実施形態による針の位置を決定するための装置の概略図である。
図13】[0037] 実施形態による針の位置を決定するためのマシン可読媒体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0038] 図1は、対象者の体内の針の位置を決定する方法100(例えば、コンピュータで実施される方法)を示す。方法100は、ユーザインターフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータ、又は(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインターフェースに通信可能に結合された)サーバ又はクラウドベースのサービスなどのコンピュータによって実施される。
【0027】
[0039] 方法100は、ブロック102で、体の複数の放射線撮像スライスに対応するデータを受信することを有する。複数の放射線撮像スライスは、CT撮像装置に、体の複数の平行な断面を撮像させることによって得られる。CT撮像装置は、CT撮像装置に撮像を実行させ、及び/又はCT撮像装置からデータを受信させるために、方法100を実施するコンピュータに通信可能に結合される。方法100を実施するコンピュータは、ユーザインターフェースによる視覚化のための放射線撮像スライスを構築するために使用されるコンピュータとは別でも、同じでもよい。
【0028】
[0040] 複数の放射線撮像スライスは、互いに平行である。放射線撮像スライスは、体に関する特定の面について取得される。例えば、放射線撮像スライスは、体の長さによって画定される長軸に垂直な軸面で取得される。軸面(又は別の面)に対応する放射線撮像スライスに関して取得されたデータは、多面再構築(MPR)を介して変換され、矢状面、冠状面、又は別の面のような異なる面における体の視覚化を可能にする。いずれにせよ、撮像装置によって撮像された体の視覚的表現を再構築するためのデータを生成するとき、複数の放射線撮像スライスからのデータを結合又は併合して、体の撮像された部分の3次元表現を作成し、これは、ユーザインターフェースに表示できる。
【0029】
[0041] 方法100は更に、ブロック104で、体外の針の第1の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの放射線撮像スライスと、体内の針の第2の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの他の放射線撮像スライスとからの情報を結合することに基づいて、体内に挿入された針の位置を決定することを有する。針の位置を決定することは、体外の針の第1の部分の位置に対応するデータを、体内の針の第2の部分の位置に対応するデータと併合することによって、結合された針領域を生成することを有する。
【0030】
[0042] 方法100は更に、ブロック106で、体の画像における針の視覚的表現を、画像に重ねられた針の少なくとも第1の部分及び第2の部分の視覚的表現と結合して提供するための表示データを生成することを有する。画像は、複数の放射線撮像スライスに平行な面に対してデジタル的に傾斜された面内にある。
【0031】
[0043] 介入手順を実行するとき、ユーザによって指定された軌道(すなわち、方向)で針が体内に挿入される。この軌道は、例えば体内の特定の組織を避けるために、臨床シナリオに従ってユーザの経験に従って決定される。放射線撮像スライスが軸面で取得され、針軌道が軸面に対して傾斜されている場合、放射線撮像スライスのおのおのにおいて、針の異なる部分が検出される。言い換えれば、単一の放射線スライスは、針の位置に関するすべての情報を含んでいる訳ではない。
【0032】
[0044] 体外の針の第1の部分に関する放射線撮像スライスからの情報を、体内の針の第2の部分に関する情報と結合することによって、針の位置が決定される。針の位置は、体内に挿入された針の長さ、体内の病変などの対象物からの針先端(又は「点」)の距離、体の特定の特徴(特定の組織など)に対する針の軌道(又は方向)、体の表面における針の進入点に関する情報を提供する。
【0033】
[0045] 情報は、第1の部分と第2の部分との両方を参照し、そこから(例えば、第1の部分と第2の部分との位置の相対的な差に基づいて)針の軌道を決定できるので、一度に1つの放射線撮像スライスを(例えば、ユーザインターフェース上に)表示する場合よりも、針の位置をより容易又は正確に決定できる。
【0034】
[0046] 方法100によれば、デジタル傾斜手順を使用して画像を生成する。デジタル傾斜手順は、図9に関連して以下に詳細に記載される。
【0035】
[0047] 図2は、(画像内の針の視覚化を容易にするために使用される)対象者の体内の針位置を決定する方法200(例えば、コンピュータで実施される方法)を示す。方法200は、ユーザインターフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータ、又は(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインターフェースに通信可能に結合された)サーバ又はクラウドベースのサービスなどのコンピュータによって実施される。いくつかの実施形態では、方法200は、図1の方法100と結合される。したがって、図1のブロック102からブロック106は、参照を容易にするために図2に示される。
【0036】
[0048] いくつかの実施形態では、方法200は、ブロック202で、体の(例えば、方法100のブロック106で生成された表示データからの)画像を、(例えば、ユーザが針の軌道を決定できるように、針の全長など、針の十分な長さが表示される)画像に重ねられた針の、少なくとも第1の部分及び第2の部分の視覚的表現と結合して、ユーザインターフェースに表示させることを有する。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェースに表示される画像は、MPR画像及び/又はユーザニーズに応じて任意に回転できる体の3次元再構築を含む。画像を見て、ユーザは、介入手順をどのように進めるかを決定できる。針の状況に関するより多くの情報が、画像から明らかとなるため、ユーザは、個々の放射線撮像スライスを表示する場合のように、針に関する部分的な情報を含む画像を見る場合よりも、より正確に、迅速に、及び/又は効率的に、介入手順を実施できる。ユーザインターフェースは、撮像装置から受信される更なるデータに応じて介入手順が継続すると、自動的に更新される。
【0037】
[0049] いくつかの実施形態では、針の位置を決定することは、体外の針の第1の部分の位置に対応するデータを、体内の針の第2の部分の位置に対応するデータと併合することを有する。併合されたデータは、受信されたデータから、結合された針領域を生成するために使用される。方法100は更に、結合された針領域を使用して、針の位置を決定することを有する。
【0038】
[0050] いくつかの実施形態では、針の位置を決定することは、針の第1の部分及び第2の部分の位置を示す受信されたデータ内の複数の領域へ、ラインをフィッティングすることを有する。第1の部分及び第2の部分の(相対的な)位置を確立できれば、針の軌道を決定することが可能である。第1の部分及び第2の部分の位置を示すデータの部分へラインをフィッティングすることによって、針の軌道が決定される。
【0039】
[0051] 図3は、対象者の体内の針の位置を決定する方法300(例えば、コンピュータで実施される方法)を示す。方法300は、ユーザインターフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータ、又は(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインターフェースに通信可能に結合された)サーバ又はクラウドベースのサービスなどのコンピュータによって実施される。いくつかの実施形態では、方法300は、方法100及び/又は方法200を含む。
【0040】
[0052] 方法300は、ブロック302で初期化される。方法300の更なるブロックが、以下に記載される。
【0041】
[0053] 方法300のブロック304で、ユーザは、介入手順の計画を入力する。例えば、撮像装置による以前の撮像及び/又は体の身体検査は、介入手順をどのように実行するかについて計画を立てることを可能にする情報をユーザに提供する。この計画は、対象点(例えば、体内の病変)及び体の表面上の進入点を含む。進入点が正確に対象化されている場合、本明細書に記載された特定の方法は、ユーザが、体への挿入時に針の軌道を決定できるようにするのに十分な情報を提供し、ユーザは、計画に従って対象点に到達するために軌道の変更が必要か否かを決定できるようになる。更に、本明細書に記載された特定の方法は、体内に挿入された針の長さ及び/又は針先端の位置に関する情報を提供し、ユーザは、針先端が、対象点からどれだけ離れているかを決定できるようになる。
【0042】
[0054] 方法300のブロック306において、針の第1の部分が検出される。方法のブロック308で、針の第2の部分が検出される。ブロック306及びブロック308は、任意の順序で実行され、(例えば、方法100のブロック102で)撮像装置から受信されたデータに基づいて実施される。
【0043】
[0055] いくつかの実施形態では、方法300のブロック306は、(例えば、体外の針領域、及び針のように見える他の任意の領域を抽出するために)針の第1の部分に対応する受信されたデータに対して、モフォロジ処理オープニングを実行する(又は他の任意の適切な画像処理アルゴリズムを実行できる)ことによって、体外の針の第1の部分を特定することを有する。方法300は更に、針の計画された経路に基づいて、針の第1の部分に対応する3次元領域を決定することを有する。3次元領域は、実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む。例えば、関心領域は、計画された経路に基づき、この関心領域は、複数の候補針領域を含む関心ボリュームに拡張される(以下の説明では、各候補針領域は、「i」とラベル付けされる)。
【0044】
[0056] 候補針領域は、(各放射線撮像スライスからの)データにおける画素の領域(例えば、エリア)を含む。候補針領域は、固定されたサイズ又は形状を有するか、又は有さない。しかしながら、サイズ又は形状の特定の条件は、CT撮像装置の構成に依存する。以下に記載されるように、複数の候補領域のうち、最も針に似ている領域が、エネルギ計算を介して「真の針領域」として決定される。
【0045】
[0057] いくつかの実施形態では、候補針領域は、データ内の画素値に基づいてフィルタリングされる。これは、体外では、(金属である)針に対応するデータ点と、他の構成要素に対応する他のデータ点との間の画素値に、大きな差があるからである。例えば、フィルタリングは、検出された画素値を、しきい画素値と比較し、針構造の存在に対応しているように見えない任意の候補針領域を無視することを有する。
【0046】
[0058] いくつかの実施形態では、方法300のブロック308は、針の第2の部分に対応する受信されたデータに対してしきい値切捨てを実行する(又は、他の任意の適切な画像処理アルゴリズムが実行される)ことによって、体内の針の第2の部分を特定することを有する。方法300は更に、針の計画された経路に基づいて、針の第2の部分に対応する3次元領域を決定することを有する。ブロック306で参照されるように、3次元領域は、実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む。
【0047】
[0059] いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック310で、しきい値切捨てによって除去された少なくとも1つの隣接候補針領域を検索し、隣接候補針領域に対応するデータを、拡張された3次元領域の一部として含めることによって、針の第2の部分に対応する3次元領域を拡張することを有する。
【0048】
[0060] いくつかの実施形態では、針の位置を決定することは、受信されたデータから導出されるエネルギ関数を最小化することによって、複数の候補針領域から実際の針領域を決定することを有する。
【0049】
[0061] いくつかの実施形態では、エネルギ関数は、候補針領域の離散度、候補針領域の面積、候補針領域の縁の平均画素値、候補針領域の内部の平均画素値、候補針領域のすべての断面値の平均、円形度パラメータ、及び偏差パラメータのうちの少なくとも1つに基づく。
【0050】
[0062] いくつかの実施形態では、円形度パラメータは、候補針領域が円形であるか否かに基づく。言い換えると、円形度パラメータは、候補針領域がその大きさによって円形であるか否かに関する表示を提供する。
【0051】
[0063] いくつかの実施形態では、偏差パラメータは、針の計画された軌道と、針の測定された軌道との間に偏差があるか否かに基づく。
【0052】
[0064] エネルギ関数の計算と、これを使用して針領域を決定する方法の説明が与えられる。計算は、上述した2つのブロック306,308において実行される。
【0053】
[0065] ブロック306の場合(体外の針の部分について)、いくつかの実施形態では、エネルギ関数は、
[0066]
【数1】
のように表現される。ここで、

[0067]
【数2】
及び
[0068]
【数3】
であり、ここで、
[0069] α,β,γ,δ,ε,θは、各特徴の重みである。各特徴の重みは、実験から決定された固定値である。e(i)は、候補針領域iの離散度である。離散度は、領域の点が、どのように分布するか、又はラインに集められるかを指す。点が空間に均等に分布している場合、値e(i)は低く、点がラインを形成している場合、値e(i)は高い。a(i),d(i),c(i)及びn(i)は、iの方向に垂直な断面(j∈{1,2,... ...N})で計算されたすべてのデータ点の平均を指す。ここで、iは、複数の断面を含む3次元候補針領域を指し、jは、この領域の断面を指す。a(i)は、(すなわち候補針領域の)平均円形エリアであり、d(i)は、(すなわち候補針領域の)縁の平均画素値である。n(i)は、(すなわち候補針領域の縁にない画素の)内側領域の平均画素値である。r(i)は、エリアが円形か否か(すなわち「円形度パラメータ」)を記載する。領域「i」の場合、c(i)は、すべての断面jの値の平均である。例えば、上記の式を参照されたい。ここで、Pは、特定の候補針領域iの断面領域jの周囲であり、S及びLは、実際の針領域の針方向を指す領域方向に沿って投影された領域のそれぞれ短軸及び長軸である(他の候補針領域の場合、領域方向は領域の最長方向を指す)。v(i)は、面方向と実際の方向との偏差(すなわち、「偏差パラメータ」)である。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
は、各特徴の標準値である。これらの「標準値」は、(例えば、経験から)固定値を指す。例えば、標準値は、実際の針領域が有する可能性が最も高いと考えられる値を指す。計算値から「標準値」を減算すると、実際の針領域は、E(i)の最小値を有する。
【0054】
[0070] エネルギ関数が決定されると、最適化問題が実行されて、複数の候補針領域から実際の針領域、すなわち
[0071] arg min E(i)を得る。
【0055】
[0072] 体内の針の部分の実際の針領域を取得する手順は、体の外側の針の部分の実際の針領域を取得する手順と同様である。しかしながら、候補針領域を抽出するときはモフォロジ処理オープニングではなく、しきい値の切捨てが行われ、体内と体外との間の針のデータの相違によりエネルギ関数が異なる。いくつかの実施形態では、エネルギ関数は、次のように表現される。
[0073]
【数8】
【0056】
[0074] ここで、式中の用語は、上述されている。ブロック310では、近隣探索を使用して、以前のしきい値切捨て処理を考慮して針領域を拡張する(さもなければ、特定の関心領域の見落しをもたらす)。再び、最適化問題が実行され、体内の実際の針領域が取得される。
【0057】
[0075] 方法のブロック312では、(例えば、軌道又は方向を含む)針の位置の正確な決定を提供するために、(例えば、ブロック104で参照されるように)体内及び体外の針領域が結合される。正確な結果が選択されて、針の方向が表現される。例えば、実際の針の方向と、計画された針の方向との間の比較を使用して、針の位置決めの精度が決定される。
【0058】
[0076] 針の位置、したがって針の軌道又は方向を決定するための手順の一部として、ブロック314で、実際の針領域に対してラインフィッティングが実行される。検出された領域iの座標は、次のように表現できる。
[0077] {X,Y,Z}∈{(xi1,yi1,zxi1),... ...(xij,yij,zij)}、
【0059】
[0078] これは、候補針領域iの点の数がjであることを意味する。{X,Y,Z}を用いてラインをフィッティングすることで、針上の点(x,y,z)と、針の単位方向ベクトル(v,v,v)とを取得することが可能である。この情報を使用して、ユーザインターフェースに表示される画像の針の位置の視覚的な表現を構築できる。
【0060】
[0079] いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック316で、データ内の候補針先端領域内の測定値と、候補針先端領域内の針構造の存在の欠如を示すしきい値との比較に基づいて、針の先端を検出することを有する。
【0061】
[0080] いくつかの実施形態では、しきい値との比較が、針構造が、候補針先端領域に存在することを示す場合、別の候補針先端領域が、データから特定され、他の候補針先端領域が、針構造の存在を示すデータを含むか否かが決定される。しきい値との比較が、候補針先端領域に対応するデータ内で、針構造の欠如を示す場合、以前に特定された候補針先端領域内に、針構造の存在を示すデータを含む、以前に特定された候補針先端領域は、針の先端を含むと決定される。
【0062】
[0081] 針先端検出手順の更なる説明が以下に与えられる。
【0063】
[0082] いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック318で、針の決定された位置と、体の表面に沿ってフィッティングされた第2のラインとに基づいて決定された、針の予測された軌道にフィッティングされた第1のラインに基づいて、針の体上の挿入点(例えば、「進入点」)を検出することを有する。
【0064】
[0083] 挿入点検出手順の更なる説明が以下に与えられる。
【0065】
[0084] いくつかの実施形態では、方法300は、ブロック320で、針の予測された軌道と、計画された軌道との間に偏差があるとの決定に応じて、ユーザインターフェースに対して、針の予測された軌道と、計画された軌道との間の相違の表示を提供させることを有する。例えば、ユーザは、この表示からの偏差を特定し、適切である場合、介入手順を変更して、針の更なる挿入時に、対象点に確実に到達するようにする。
【0066】
[0085] ブロック322で、方法300は、(例えば、更なるデータが、撮像装置から受信されると)方法300の特定のブロックを終了するか、又は少なくとも部分的に繰り返す。
【0067】
[0086] 図4は、本明細書に記載された特定の方法を実施するためのシステム400を示す。システム400は、本方法で参照されるように放射線撮像スライスを取得し、本明細書に記載された方法の特定のブロックを実行するために使用される。
【0068】
[0087] システム400では、介入手順は、対象者402、(図4に破線で示されている)特に対象者の体の特定の部分404に対して実行されるものとして示されている。対象者は、寝椅子などの支持具406によって支持される。支持具406の位置は、システム400の撮像装置408(例えば、CT撮像装置)に対して(例えば、コンピュータによって)制御される。撮像装置408は、放射線撮像スライスを取得するために使用される。例えば、撮像装置408は、放射器(例えば、X線放射器、図示せず)及び対応する検出器(図示せず)を備え、これらは、回転して、一連の測定値を取得し、各放射線撮像スライスを構築するためのデータを取得することが可能な(撮像装置408の一部を形成する)ガントリに搭載されている。撮像装置408及び支持具406は、複数の放射線撮像スライスを取得するために互いに対して移動する。
【0069】
[0088] (例えば、針ホルダ412によって支持される)針410が、対象者402の体内に挿入される介入手順は、放射線撮像スライスを取得しながら実行される。
【0070】
[0089] システム400は更に、本明細書に記載された特定の方法を実施するためのコンピュータ414(例えば、処理回路構成を備える処理ユニット)を備える。コンピュータ414は、撮像装置408によって取得された画像を視覚化し、及び/又は、コンピュータ414によって生成又は決定された情報を表示するための、ディスプレイなどのユーザインターフェース416に通信可能に結合される。
【0071】
[0090] システム400は、撮像装置408、コンピュータ414、及びユーザインターフェース416が、同じ場所にあるように見えるが、場合によっては、これら構成要素は、同じ場所又は異なる場所にある。例えば、撮像装置408は、コンピュータ414及び/又はユーザインターフェース416とは異なる場所にある。コンピュータ414は、(例えば、ユーザインターフェース416と同じ端末に接続された)ユーザコンピュータによって実施されるか、又はサーバ又はクラウドベースのサービスによって実施される。
【0072】
[0091] 本明細書に記載された特定の方法又はシステムに従って取得された、いくつかの実験画像が、以下に記載される。参照を容易にするために、システム400に示される機能に対応する特定の機能は、図5a及び図5bでは100を、図6a及び図6bでは200を、図7a及び図7bでは300を加えた参照符号によって記載される。
【0073】
[0092] 図5a及び図5bは、軸面において撮像装置(例えば、図4に示されるような撮像装置)によって取得される、異なる(CT)放射線撮像スライスを示す。図5a及び図5bは、対象者502の体内への針510の挿入を示す。図5aでは、針510の「第1の」部分が、体外に見える。図5bでは、針510の「第2の」部分が、体内に見える。この場合、複数の放射線撮像スライスからの、図5aは、第7の放射線撮像スライスを指し、図5bは、第10の放射線撮像スライスを指す。したがって、ユーザは、針510の位置を手動で決定しようとするときに、これらの異なるスライス間を循環する必要がある。
【0074】
[0093] 図6a及び図6bは、単一の画像内で針610全体の視覚化を可能にするために、本明細書に記載された特定の方法が実施された更なる画像を示す。体602の表面上の進入点630と、針先端位置632とは、図6a及び図6bで特定され、ユーザが、介入手順を実行するのを支援する。針610の軌道を示すライン634も、図6a及び図6bに示される。
【0075】
[0094] 実験データは、本明細書に記載された特定の方法を使用して、31人の患者(122シリーズ)に介入手順を実施している間に取得された。データは、様々な国から様々な機器(例えば、撮像装置)を使用して収集され、胸部、腰部、腹部、肩などの様々な体部分を含む。本明細書に記載された特定の方法に従って針位置を決定する精度は、このデータから決定された。針方向検出の精度は100%、針先端検出の精度は91%、進入点検出の精度は96%であることが分かった。したがって、本明細書に記載された特定の方法は、(例えば、針の軌道/方向、先端位置及び進入点を含む)針の位置の正確な決定を提供し、それは、ユーザによる介入手順の効率的かつ正確な実施を容易にする。
【0076】
[0095] 図7a及び図7bは、放射線撮像スライスに関する針先端検出の実施を示す。針先端検出手順は、針710のセグメント化740に基づく(例えば、各スライスは、針710のセグメントを含む)。したがって、各候補針領域は、針710のセグメントを指す。セグメント化740は、必ずしも実際の針先端位置を特定するとは限らないため、ブロック316で参照されるように、実際の針先端742を特定するために追加の手順が使用される。
【0077】
[0096] いくつかの実施形態では、候補針先端領域に針構造が存在する場合、更なる針構造を検出するために(仮想的な)円柱が作成される。この円柱は、セグメント化された針部分の、最も良好にフィッティングする直線的なライン744に沿って整列され、候補針先端領域を含む。針セグメント化の現在の終了から、円柱内で、セグメント化されていない針構造がまだ存在するか否かが決定される。言い換えれば、候補針先端領域が針構造を含むが、(以前に分析された針先端領域から前方にある)隣接候補針先端領域が、針構造を含まない場合、以前に分析された針先端領域は、針の先端を含むと見なされ、これにより、針の先端742の位置を特定する。
【0078】
[0097] 針先端特定の更なる説明が以下に与えられる。
【0079】
[0098] 候補針先端領域が、針構造を含むものとして特定される場合、方法は、針の方向に沿って追跡する(ライン744)。円柱の各断面上の中央領域746(すなわち、候補針先端領域)と、その周囲領域748との間で、画素値の差が計算される。差が十分に大きい(中央領域746の平均CT画素値が、周囲領域のCT画素値よりもはるかに高いことを意味する)場合、その領域にまだ針構造が存在すると決定される。この差は、図7aにおける(針先端742を含む図の一部を拡大形態で示す)埋込図から明らかである。図7aにおける埋込図は、中央領域746と周囲領域748との間のコントラストをより詳細に示す。したがって、その領域にまだ針構造が存在する場合、追跡は継続する。(中央領域746と周囲領域748との間の相違が、より小さいか、又は全くないため)針構造が検出されない場合、(以前の領域において到達した針先端を示す針構造がないため)真の針先端742に到達したと決定される。
【0080】
[0099] 図8a及び図8bは、放射線撮像スライスに関連する針進入点検出の実施を示す。この実施形態では、針進入点検出は、放射線撮像スライスで特定された特定の構造に2つのラインをフィッティングすることと、2つのラインの交点を特定することとを有する。この実施形態の針進入点検出の実施が、以下に記載される。
【0081】
[00100] 針810の方向に垂直に、ボリュームデータが再構築される。再構築されたボリュームデータの(図8aと同様であるが、軸面又は冠状面などの他の面が使用される)矢状面は、針810の3次元座標に基づく針全体を含む。したがって、再構築されたボリュームデータにライン(例えば、線形的なライン)をフィッティングさせることができる。
【0082】
[00101] 体の表面は、画像内の針の方向に基づいて検出できる。ライン850(例えば、図8bに示されるような曲線)は、二次曲線式に従って、対象者の体の表面に沿ってフィッティングされる。
【0083】
[00102] y=ax+bx+c
【0084】
[00103] ここで、矢状面における体の表面は、そのような式で表現できると仮定される。他の場合では、体の表面の形状によって、線形式など別の式が使用される。
【0085】
[00104] 上述したように、矢状面内の針は、線形的な(2次元)ライン852とみなすことができ、直線的なラインの式は、線形式に従って、針領域に基づいて知られている。
【0086】
[00105] y=kx+d
【0087】
[00106] 上記の式を結合することによって、針進入点854に対応する交点を決定することが可能である。場合によっては、体の表面が滑らかでない、及び/又は二次式に対応していない可能性があるため、更なる画像処理分析によって、進入点を微調整する必要がある。
【0088】
[00107] 上記の方法及びシステムは、針の位置を決定する方法を指す。針の位置を決定する別の方法が、以下に記載され、図4のシステム400によって実施される。
【0089】
[00108] 図9は、対象者の体内の針の位置を決定し、及び/又は針の位置の視覚化を容易にする方法900(例えば、コンピュータで実施される方法)を示す。方法900は、ユーザインターフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータ、又は(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインターフェースに通信可能に結合された)サーバ又はクラウドベースのサービスなどのコンピュータによって実施される。方法900は、本明細書に記載された他の任意の方法の一部として、又はそれと併せて実施される。
【0090】
[00109] 方法900は、ブロック902で、体に挿入された針の位置を示す情報を含む、体の少なくとも1つの放射線撮像スライスに対応するデータを受信することを有する。ブロック902で受信されたデータは、方法100のブロック102で受信されたデータに対応する。
【0091】
[00110] 方法900は、ブロック904で、情報に基づいて針の予測された軌道を決定することを有する。予測された軌道は、方法100を使用するなど、本明細書に記載された特定の方法を使用して決定される。
【0092】
[00111] 方法900は、ブロック906で、針の予測された軌道を含むラインに平行な画像面内に、針の視覚的表現を提供するための表示データを生成することを有する。画像面は、体の少なくとも1つの放射線撮像スライスに対して傾斜される。したがって、ユーザは、任意の角度で(例えば、MPR画像又は体の3次元再構築に基づいて)画像ビューを選択し、針は、画像内に完全に示される。本明細書に記載された特定の方法(例えば、方法100)は、針の位置(したがって、その方向、先端位置、及び進入点)を決定することを可能にするので、ユーザによって選択される任意の画像場所内に、針の視覚的表現を含めることが可能である。針が、(例えば、軸面において)放射線撮像スライスの面に対して角度を有する場合、体内の針全体を視覚化するために、画像をデジタル的に傾斜させることが可能である。例えば、(表示データに対応する)画像は、少なくとも1つの放射線撮像スライスに平行な面に対してデジタル的に傾斜された面にある。言い換えれば、画像に対して生成された表示データは、放射線撮像スライスの面に対して、ある角度でデジタル的に再構築された面において、針の少なくとも一部を視覚化することが可能であるようなものである。傾斜/角度は、ユーザニーズに応じて変更される。これにより、針全体を撮像するために、撮像装置のガントリを傾斜させて、針と整列させる物理的な傾斜を実行する必要がなくなり、これは、時間を節約する。
【0093】
[00112] 物理的傾斜手順の代わりに、デジタル傾斜手順が使用される。デジタル傾斜は、指定された、又は好ましい方向/面での針視覚化を容易にし、これは、柔軟で、直感的及び/又は便利な、針視覚化を提供する。更に、針の高精度の(すなわち、正確な)角度及び深さは、デジタル傾斜手順を使用して決定され、介入手順中、実際の針経路を完全に表す。経路はいつでも調整され、走査範囲は、正確に位置決めされ、撮像装置によって照射される走査線量を制御するので、正確なサンプリングを行って、病変の病理学的診断の基礎を作成することができ、また、対象者の不要な放射線損傷を軽減する。
【0094】
[00113] デジタル傾斜手順は、介入手順(すなわち、病変の位置決め及び穿刺経路の設計)の計画及び確認を含む。実際の穿刺経路を自動的に特定し、経路画像を提示することで、現在の針位置、方向、針角度が確認される。そのような情報は、病変位置からの針先端距離を決定するのに役立つ。
【0095】
[00114] 図10は、対象者の体内の針位置を決定する方法1000(例えば、コンピュータで実施される方法)を示す。方法1000は、ユーザインターフェースに通信可能に結合されたユーザコンピュータ、又は(例えば、ユーザコンピュータ及び/又はユーザインターフェースに通信可能に結合された)サーバ又はクラウドベースのサービスなどのコンピュータによって実施される。いくつかの実施形態では、方法1000は、方法900を含む。方法1000を容易に又は実施するために使用される、本明細書に記載された他の方法のいずれかに対する参照がなされる。いくつかの実施形態では、ブロックのすべてがコンピュータによって実施される訳ではない(例えば、それらはユーザによって実施される)。したがって、方法1000のコンピュータ実施部分は、ユーザではなくコンピュータによって実施できる任意のブロックを指す。
【0096】
[00115] 方法1000は、ブロック1002で初期化される。方法1000の更なるブロックが以下に記載される。
【0097】
[00116] 方法1000のブロック1004で、放射線撮像スライスに対応するデータが(例えば、撮像装置にスライスを取得させることによって)取得される。これらスライスは、ユーザインターフェース(例えば、ユーザインターフェース416)上に表示するために、コンピュータ(例えば、コンピュータ414)によって受信及びロードされる。
【0098】
[00117] ここで、仮想介入経路の設計について記載される。
【0099】
[00118] いくつかの実施形態では、撮像装置を使用してスキャンが実行される。取得されたデータを再構築して(例えば、薄いスライス状の)MPR画像を得ることができ、これは(例えば、ユーザインターフェース上での視覚化のために)アプリケーションにロードされる。このアプリケーションは、軸方向、矢状、及び冠状のMPR画像を表示するために使用される。
【0100】
[00119] 方法1000のブロック1006で、表示された画像を使用して、病変の位置を観察する。ユーザは、進入針点を選択し、仮想介入経路設計を決定する。
【0101】
[00120] 方法1000のブロック1008で、アプリケーションによって仮想経路が表示及び保存される。MPR画像(矢状傾斜など)は、針の仮想経路も含む。
【0102】
[00121] 方法1000のブロック1010で、撮像装置のコリメーションは、指定された放射線量に従って選択され、仮想針経路に基づく。コリメーション機能を使用して、より少ない放射線を照射できる場合は、対象者に照射される線量が低減される。場合によっては、撮像装置によって照射される放射線の幅は、2から4cmの範囲である。
【0103】
[00122] 仮想経路及び病変位置に従って適切なコリメーション範囲を選択することは、手順の効率を改善する。(以下に記載される)実際の穿刺プロセスの間、針は、継続的にプローブされ、同じ病変位置が、複数回スキャンされる。
【0104】
[00123] 検証手順の一部として、方法1000のブロック1012で、更なる放射線撮像スライスが取得される(例えば、ブロック1004に対応するが、ブロック1010で決定されたコリメーションに依存する)。この手順の一部として、以下に記載されるように、実際の針位置が決定される。
【0105】
[00124] 方法1000のブロック1014で、針の実際の位置が、本明細書に記載された特定の方法に従って決定される。実際の針経路及び仮想経路は、ユーザインターフェースに表示される。
【0106】
[00125] 方法1000のブロック1016で、針の実際の位置から、更なる情報が決定される。例えば、針先端と、病変位置との間の距離、及び/又は、実際の針軌道と、仮想経路の軌道との間の偏差である。
【0107】
[00126] 検証手順は、針がまだ病変に到達していないと決定された場合、方法1000のブロック1018で決定されるように、継続/反復する。適切な場合、ユーザは、ブロック1020で、針をさらに挿入させ、及び/又は、針の軌道を変化させて、病変位置に到達させる。
【0108】
[00127] ブロック1022で、針が病変に到達すると、手順は完了したと見なされる。
【0109】
[00128] いくつかの実施形態では、方法1000への2つの部分があった。図10において、手順の第1の部分1024(ブロック1004から1010を含む)は、介入手順を「計画する」ことを有し、手順の第2の部分1026(ブロック1012から1020を含む)は、介入手順を「検証する」ことを有する。
【0110】
[00129] 方法1000の特定のブロックを実施する間、介入手順は、以下の手順のいずれかを含む。
【0111】
[00130] いくつかの実施では、寝椅子の位置(図4を参照)は、針の位置に対して決定され、これは、介入手順の実施を簡素化する。仮想穿刺経路に従って、方法1000は、針先端位置及び病変位置における寝椅子の位置を自動的に計算することを有する。寝椅子の保存された位置に基づいて、病変位置に対する針の位置の制御を維持しながら、対象者の体のどの部分が撮像されているかを決定することが可能である。したがって、いくつかの実施形態では、寝椅子は、仮想経路の計算結果に従って、指定された位置に向けられるように直接制御される。レーザ又は他のポインタを使用して、体の進入点が(例えば、レーザ位置決めラインに従って)示される。ユーザは、その後、針を進入点に接近させ、体内に挿入する。
【0112】
[00131] いくつかの実施では、実際の針軌道が自動的に認識され、ユーザインターフェースに表示される。例えば、針が挿入された後、コリメーション機能を、複数のスキャンのために使用して、線量を低減し、撮像スライスを、アプリケーションに自動的にロードして、針軌道を決定することが可能となる。いくつかの操作では、物理的傾斜によって、ガントリ及び/又は寝椅子の角度を調整できない。したがって、上述されたデジタル傾斜方法が使用される。したがって、ユーザは、ガントリ角度及び/又は寝椅子角度を調整する必要がない。方法1000は、針軌道を自動的に認識し、針軌道画像を表示し、これにより、ユーザの手順を簡素化する。
【0113】
[00132] いくつかの実施では、関連するパラメータを自動的に測定して、ユーザのワークフローを簡素化することが可能である。例えば、針が挿入されると、針角度が正確に制御されない場合があり、その結果、画像にクロスレイヤ現象が発生する。これは、針位置を確認する際に問題を引き起こす。方法1000は、針位置、針先端から病変位置までの距離、実際の経路、及び仮想設計の自動特定を提供する。針経路角度偏差などの特定の情報が(例えば、予測された針軌道と結合されて)、ユーザインターフェースに表示される。この情報は、ユーザによって使用され、組織内の針の位置が視覚的に確認され、例えば、手順中いつでも、能動的な経路調整を容易にする。したがって、針を病変に正確に配置することが可能であり、これは、正確な病理診断を容易にする。
【0114】
[00133] 図11は、方法1000を実施する際に、本明細書に記載されたユーザインターフェースに表示されるような一連の画像を示す。上側行は、軸面における画像を示す一方、下側行は、矢状面における対応する画像を示す。((a)及び(b)とラベル付けされた)左側列の画像は、それぞれ軸面及び矢状面における仮想的な(計画された)及び実際の(追跡された)針経路を示す。((c)及び(d)とラベル付けされた)中央列の画像は、実際の(追跡された)針経路を示す。((e)及び(f)とラベル付けされた)右側列の画像は、仮想的な(計画された)針経路を示す。図11では、画像内のユーザのガイドラインが、白い「ガイドライン」線で表される。白の破線は、仮想的な又は計画された針経路を指す。白の実線は、実際の又は追跡された針経路を指す。画像を表示すると、「ガイド」ラインが色付けされる。例えば、計画された針経路は「青」で示され、追跡された針経路は「緑」で示される。色の任意の結合が使用される。更に、ラインは、ユーザにガイダンスを提供するために、異なる太さ及び/又は点線又は破線からなる。介入手順を計画及び実行するとき、ユーザは、手順中にガイドするのに役立つ様々なライン(又は他のマーカ)を見つける。
【0115】
[00134] 図12は、体内に挿入された針を視覚化するための装置1200を示す。装置1200は、本明細書に記載された特定の方法を実施する(例えば、針の位置を決定する)ように構成された(図4のコンピュータ414に対応する)処理ユニット1202を備える。装置1200は更に、針の位置に重ねられた体の画像を表示するように構成された(図4のユーザインターフェース416に対応する)表示ユニット1204を備える。
【0116】
[00135] 図13は、有形のマシン可読媒体1300を示す。有形のマシン可読媒体1300は、少なくとも1つのプロセッサ1304上で実行されると、少なくとも1つのプロセッサ1304に、本明細書に記載された特定の方法を実施させる命令1302を含む。この実施形態では、命令1302は、方法100のブロック102を実施するように構成された命令1306を含む。命令1302は更に、方法100のブロック104を実施するように構成された命令1308を含む。本明細書に記載された方法のいずれも、少なくとも1つのプロセッサ1304に、そのような方法を実施させる、有形のマシン可読媒体1300によって実施される。
【0117】
[00136] 場合によっては、上述のモジュール、処理回路構成、又は処理ユニット(例えば、コンピュータ414及び/又は処理ユニット1202)のいずれも、モジュールの機能を実施するための少なくとも1つの専用プロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び/又は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)を備える。
【0118】
[00137] 本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び記載され、そのような図示及び説明は、例示的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきであるが、本発明は、開示された実施形態に限定されない。
【0119】
[00138] 1つの実施形態で説明された1つ又は複数の特徴は、別の実施形態に記載された特徴と結合されるか、又は置換される。例えば、方法100,200,300,900及び1000は、システム400、装置1200、及び/又はマシン可読媒体1300に関連して記載された特徴に基づいて修正され、逆もまた同様である。
【0120】
[00139] 本開示の実施形態は、方法、システムとして、又はマシン可読命令と処理回路構成との結合として提供できる。そのようなマシン可読命令は、マシン可読命令の中、又はマシン可読命令に、コンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的機械(例えば、コンピュータ)可読記憶媒体(ディスク記憶装置、CD-ROM、光学記憶装置などを含むが、これらに限定されない)に含まれる。
【0121】
[00140] 本開示は、本開示の実施形態による方法、デバイス、及びシステムのフローチャート及びブロック図を参照して記載される。上述のフローチャートは、特定の実行順序を示しているが、実行順序は図示されているものとは異なる。あるフローチャートに関連して記載されたブロックは、別のフローチャートのブロックと結合される。フローチャート及び/又はブロック図における各ブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるブロックの結合は、マシン可読命令によって実現できることを理解されたい。
【0122】
[00141] マシン可読命令は、例えば、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組込プロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサによって実行され、説明及び図面に記載された機能を実現する。特に、プロセッサ又は処理回路構成、又はそのモジュールは、マシン可読命令を実行する。したがって、装置(例えば、処理ユニット1202)及び本明細書に記載された他のデバイスの機能モジュールは、メモリに格納されたマシン可読命令を実行するプロセッサ、又は論理回路構成に埋め込まれた命令に従って動作するプロセッサによって実施される。「プロセッサ」という用語は、CPU、処理ユニット、ASIC、論理ユニット、又はプログラマブルゲートアレイなどを含むように広く解釈される。これらの方法及び機能モジュールはすべて、単一のプロセッサによって実行されるか、いくつかのプロセッサ間で分割される。
【0123】
[00142] そのようなマシン可読命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスを、特定のモードで動作させることができるコンピュータ可読記憶装置に格納される。
【0124】
[00143] そのようなマシン可読命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされ、その結果、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスは、一連の動作を実行して、コンピュータで実施される処理を生成し、したがって、命令は、コンピュータ上で実行されるか、又は他のプログラム可能なデバイスが、フローチャート及び/又はブロック図のブロックによって指定された機能を実現する。
【0125】
[00144] 更に、本明細書の教示は、コンピュータプログラム製品の形態で実施され、コンピュータプログラム製品は、記憶媒体に記憶され、本開示の実施形態で詳述された方法を、コンピュータデバイスに実施させるための複数の命令を含む。
【0126】
[00145] 1つの実施形態に関連して記載された要素又はステップは、別の実施形態に関連して記載された要素又はステップと結合されるか、それらによって置換される。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する当業者によって理解され、実行される。特許請求の範囲において、「備える」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は複数を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の措置が、相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの措置の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又はその一部として供給される、光学記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体によって格納又は頒布されるが、インターネット、又は他の有線又はワイヤレスな通信システムを介するような他の形態でも頒布される。特許請求の範囲の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5a-5b】
図6a-6b】
図7a-7b】
図8a-8b】
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-10-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータによって実施される方法であって、
体の複数の放射線撮像スライスに対応するデータを受信するステップと、
前記体外の針の第1の部分の表示を含む放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの放射線撮像スライスと、前記体内の前記針の第2の部分の表示を含む前記放射線撮像スライスのうちの少なくとも1つの他の放射線撮像スライスとからの情報を結合することに基づいて、前記体内に挿入された前記針の位置を決定するステップであって、前記体外の前記針の前記第1の部分の位置に対応するデータを、前記体内の前記針の前記第2の部分の位置に対応するデータと併合することによって、結合された針領域を生成するステップを有する、当該決定するステップと、
前記体の画像における前記針の視覚的表現を、前記画像に重ねられた前記針の少なくとも前記第1の部分及び前記第2の部分の視覚的表現と結合して提供するための表示データを生成するステップとを有し、
前記針の前記位置を決定するステップは、前記受信されたデータから導出されたエネルギ関数を最小化することによって、複数の候補針領域から、実際の針領域を決定するステップを有する、方法。
【請求項2】
前記体外の前記針の前記第1の部分に対する前記エネルギ関数は、前記候補針領域の離散度、平均円形面積、前記候補針領域の縁の平均画素値、前記候補針領域の内側領域の平均画素値、円形度パラメータ、及び偏差パラメータのうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記体内の前記針の前記第2の部分に対する前記エネルギ関数は、前記候補針領域の離散度、円形度パラメータ、及び偏差パラメータのうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記針の前記第1の部分に対応する受信された前記データに対して、モフォロジ処理オープニングを実行することによって、前記体外の前記針の前記第1の部分を特定するステップと、
前記針の計画された経路に基づいて、前記針の前記第1の部分に対応する3次元領域を決定するステップとを有し、
前記3次元領域は、前記実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記針の前記第2の部分に対応する受信された前記データに対して、しきい値切捨てを実行することによって、前記体内の前記針の前記第2の部分を特定するステップと、
前記針の計画された経路に基づいて、前記針の前記第2の部分に対応する3次元領域を決定するステップとを有し、
前記3次元領域は、前記実際の針領域を決定できる複数の候補針領域を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記しきい値切捨てによって除去された少なくとも1つの隣接候補針領域を検索し、隣接候補針領域に対応するデータを、拡張された3次元領域の一部として含めることによって、前記針の前記第2の部分に対応する前記3次元領域を拡張するステップを有する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記データ内の候補針先端領域内の測定値と、前記候補針先端領域内の針構造の存在の欠如を示すしきい値との比較に基づいて、前記針の先端を検出するステップを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記しきい値との前記比較が、針構造が、前記候補針先端領域に存在することを示す場合、前記データから、別の候補針先端領域が特定され、前記別の候補針先端領域が、針構造の存在を示すデータを含むか否かを決定し、
前記しきい値との前記比較が、前記候補針先端領域に対応する前記データ内で、針構造の存在の欠如を示す場合、以前に特定された前記候補針先端領域内に針構造の存在を示すデータを含む、以前に特定された候補針先端領域は、前記針の前記先端を含むと決定される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記針の決定された前記位置と、前記体の表面に沿ってフィッティングされた第2のラインとに基づいて決定される前記針の予測された軌道にフィッティングされた第1のラインに基づいて、前記体上の前記針の挿入点を検出するステップを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
予測された軌道と、計画された軌道との間に偏差があるという決定に応じて、前記針の、予測された前記軌道と、計画された前記軌道との間の相違の表示を、ユーザインターフェースに提供させるステップを有する、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
体内に挿入された針を視覚化するための装置であって、前記装置は、
前記針の位置を決定するために、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施する処理ユニットと、
前記針の前記位置に重ねられた前記体の画像を表示する表示ユニットとを備える、装置。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施させる命令を含む、有形のマシン可読媒体。
【外国語明細書】