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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016555
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】位置算出方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/70 20170101AFI20250128BHJP
   B64U 10/14 20230101ALI20250128BHJP
   B64U 20/87 20230101ALI20250128BHJP
   G08G 5/00 20250101ALI20250128BHJP
【FI】
G06T7/70 Z
B64U10/14
B64U20/87
G08G5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024187047
(22)【出願日】2024-10-24
(62)【分割の表示】P 2021001173の分割
【原出願日】2020-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】518156358
【氏名又は名称】株式会社センシンロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西本 晋也
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易に現場で飛行体の制御が可能な位置算出方法及び情報処理システムを提供すること。
【解決手段】位置算出方法は、撮影画像上の所定の位置を指定するステップと、所定の位置に対応する二次元座標位置及び少なくとも撮影状態情報を取得するステップと、二次元座標位置と撮影状態情報に基づき、ユーザ端末位置から、二次元座標位置に対応する三次元座標位置への角度及び方位を算出するステップと、少なくともユーザ端末位置及び算出した角度及び方位を仮想空間内の三次元座標に対応付け、ユーザ端末位置から、算出された角度及び方位へ仮想的な直線を延ばした際に、直線と最初に接触した点データを、ユーザが指定した位置に対応する仮想指定位置として算出するステップと、仮想指定位置から指定位置の三次元座標位置を算出するステップと、を含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】

ユーザ端末の画面上で指定された位置の算出方法であって、

前記ユーザ端末の画面上で、撮影部により取得された撮影画像上の所定の位置を指定す
るステップと、

前記所定の位置に対応する前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置、及び、前記所定
の位置を指定した際の、少なくとも撮影画角、撮影角度、撮影方位、ユーザ端末位置情報
を含む撮影状態情報を受信するステップと、

前記二次元座標位置と前記撮影状態情報に基づき、前記ユーザ端末位置情報が示す三次
元座標位置から、前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置に対応する、三次元座標位置
への角度及び方位を算出するステップと、

少なくとも前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置、及び、前記算出された角度
及び方位を仮想空間内の三次元座標に対応付け、前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座
標位置から、前記算出された角度及び方位へ仮想的な直線を延ばした際に、前記直線と最
初に接触した点データが示す三次元座標位置を、前記ユーザが指定した位置に対応する、
前記仮想空間内の仮想指定位置として算出するステップと、

前記仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次元座標との対応関係に基づき、前記
仮想指定位置から現実空間上におけるユーザが指定した指定位置の三次元座標位置を算出
するステップと、を含む、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項2】

請求項1に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、仮想空間内の三次元点群データのうちの一つである、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項3】

請求項1または2に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、飛行体において記憶されている、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項4】

請求項1または2に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、ユーザ端末において記憶されている、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項5】

請求項1ないし4に記載の位置算出方法であって、

前記撮影部は、ユーザ端末に備えられている、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項6】

請求項1ないし4に記載の位置算出方法であって、

前記撮影部は、飛行体に備えられている、

ことを特徴とする位置算出方法。
【請求項7】

ユーザ端末の画面上で指定された位置を算出する情報処理システムであって、

前記情報処理システムは、撮影部と、指定位置情報取得部と、撮影状態情報受信部と、
位置算出部を備え、

前記指定位置情報取得部は、

前記ユーザ端末の画面上で、前記撮影部により取得された撮影画像上のユーザが指定し
た所定の位置に対応する前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置を取得し、

前記撮影状態情報受信部は、

前記所定の位置を指定した際の、少なくとも撮影画角、撮影角度、撮影方位、ユーザ端
末位置情報を含む撮影状態情報を受信し、

前記位置算出部は、

前記二次元座標位置と前記撮影状態情報に基づき、前記ユーザ端末位置情報が示す三次
元座標位置から、前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置に対応する、三次元座標位置
への角度及び方位を算出し、

少なくとも前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置、及び、前記算出された角度
及び方位を仮想空間内の三次元座標に対応付け、前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座
標位置から、前記算出された角度及び方位へ仮想的な直線を延ばした際に、前記直線と最
初に接触した点データが示す三次元座標位置を、前記ユーザが指定した位置に対応する、
前記仮想空間内の仮想指定位置として算出し、

前記仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次元座標との対応関係に基づき、前記
仮想指定位置から現実空間上におけるユーザが指定した指定位置の三次元座標位置を算出
する、

ことを特徴とする情報処理システム。





【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、位置算出方法及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】

近年、ドローン(Drone)や無人航空機(UAV:Unmanned Aeria
l Vehicle)などの飛行体(以下、「飛行体」と総称する)が産業に利用され始
めている。こうした中で、特許文献1には、プロポ等の専用装置による飛行体の制御方法
が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】

【特許文献1】特開2018-093435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】

しかしながら、上記特許文献1の開示技術では、プロポ等の専用装置による操作は容易
ではなく、特に点検等の作業のために飛行体を制御するためには熟練の技術が必要である

【0005】

一方で、事前に飛行経路を指定し、当該飛行経路に沿って自動的に飛行体を制御する方
法もあるが、現場外で飛行経路を指定することが通常であり、現場の状況に対する柔軟性
に欠けるものであった。
【0006】

本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、簡易に現場で飛行体の制御が可
能な位置算出方法及び飛行制御方法、情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】

上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、ユーザ端末の画面上で指定された位
置の算出方法であって、前記ユーザ端末の画面上で、撮影部により取得された撮影画像上
の所定の位置を指定するステップと、前記所定の位置に対応する前記ユーザ端末の画面上
の二次元座標位置、及び、前記所定の位置を指定した際の、少なくとも撮影画角、撮影角
度、撮影方位、ユーザ端末位置情報を含む撮影状態情報を取得するステップと、前記二次
元座標位置と前記撮影状態情報に基づき、前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置
から、前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置に対応する、三次元座標位置への角度及
び方位を算出するステップと、少なくとも前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置
、及び、前記算出された角度及び方位を前記仮想空間内の三次元座標に対応付け、前記ユ
ーザ端末位置情報が示す三次元座標位置から、前記算出された角度及び方位へ仮想的な直
線を延ばした際に、前記直線と最初に接触した点データが示す三次元座標位置を、前記ユ
ーザが指定した位置に対応する、前記仮想空間内の仮想指定位置として算出するステップ
と、前記仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次元座標との対応関係に基づき、前
記仮想指定位置から現実空間上におけるユーザが指定した指定位置の三次元座標位置を算
出するステップと、を含む、ことを特徴とする位置算出方法、である。
【発明の効果】
【0008】

本発明によれば、簡易に現場で飛行体の制御が可能な位置算出方法及び情報処理システ
ムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】

図1】本発明の実施の形態にかかる管理システムの構成を示す図である。
図2図1の管理サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図1のユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4図1の飛行体のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5図1の管理サーバの機能を示すブロック図である。
図6図5のパラメータ情報記憶部の構造を示すブロック図である。
図7】本発明の実施の形態にかかる飛行制御方法のフローチャートである。
図8】本発明の実施の形態にかかる位置算出方法に関する説明の一例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態にかかる位置算出方法に関する説明の一例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態にかかる位置算出方法に関する説明の一例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態にかかる位置算出方法に関する説明の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】

本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による位置算出方法
及び情報処理システムは、以下のような構成を備える。

[項目1]

ユーザ端末の画面上で指定された位置の算出方法であって、

前記ユーザ端末の画面上で、撮影部により取得された撮影画像上の所定の位置を指定す
るステップと、

前記所定の位置に対応する前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置、及び、前記所定
の位置を指定した際の、少なくとも撮影画角、撮影角度、撮影方位、ユーザ端末位置情報
を含む撮影状態情報を受信するステップと、

前記二次元座標位置と前記撮影状態情報に基づき、前記ユーザ端末位置情報が示す三次
元座標位置から、前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置に対応する、三次元座標位置
への角度及び方位を算出するステップと、

少なくとも前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置、及び、前記算出された角度
及び方位を仮想空間内の三次元座標に対応付け、前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座
標位置から、前記算出された角度及び方位へ仮想的な直線を延ばした際に、前記直線と最
初に接触した点データが示す三次元座標位置を、前記ユーザが指定した位置に対応する、
前記仮想空間内の仮想指定位置として算出するステップと、

前記仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次元座標との対応関係に基づき、前記
仮想指定位置から現実空間上におけるユーザが指定した指定位置の三次元座標位置を算出
するステップと、を含む、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目2]

項目1に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、仮想空間内の三次元点群データのうちの一つである、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目3]

項目1または2に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、飛行体において記憶されている、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目4]

項目1または2に記載の位置算出方法であって、

前記点データは、ユーザ端末において記憶されている、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目5]

項目1ないし4に記載の位置算出方法であって、

前記撮影部は、ユーザ端末に備えられている、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目6]

項目1ないし4に記載の位置算出方法であって、

前記撮影部は、飛行体に備えられている、

ことを特徴とする位置算出方法。

[項目7]

ユーザ端末の画面上で指定された位置を算出する情報処理システムであって、

前記情報処理システムは、撮影部と、指定位置情報取得部と、撮影状態情報受信部と、
位置算出部を備え、

前記指定位置情報取得部は、

前記ユーザ端末の画面上で、前記撮影部により取得された撮影画像上のユーザが指定し
た所定の位置に対応する前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置を取得し、

前記撮影状態情報受信部は、

前記所定の位置を指定した際の、少なくとも撮影画角、撮影角度、撮影方位、ユーザ端
末位置情報を含む撮影状態情報を受信し、

前記位置算出部は、

前記二次元座標位置と前記撮影状態情報に基づき、前記ユーザ端末位置情報が示す三次
元座標位置から、前記ユーザ端末の画面上の二次元座標位置に対応する、三次元座標位置
への角度及び方位を算出し、

少なくとも前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座標位置、及び、前記算出された角度
及び方位を仮想空間内の三次元座標に対応付け、前記ユーザ端末位置情報が示す三次元座
標位置から、前記算出された角度及び方位へ仮想的な直線を延ばした際に、前記直線と最
初に接触した点データが示す三次元座標位置を、前記ユーザが指定した位置に対応する、
前記仮想空間内の仮想指定位置として算出し、

前記仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次元座標との対応関係に基づき、前記
仮想指定位置から現実空間上におけるユーザが指定した指定位置の三次元座標位置を算出
する、

ことを特徴とする情報処理システム。
【0011】

<実施の形態の詳細>

以下、本発明の実施の形態による位置算出方法及び飛行体制御方法、情報処理システム
についての実施の形態を説明する。添付図面において、同一または類似の要素には同一ま
たは類似の参照符号及び名称が付され、各実施形態の説明において同一または類似の要素
に関する重複する説明は省略することがある。また、各実施形態で示される特徴は、互い
に矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0012】

<構成>

図1に示されるように、本実施の形態における管理システムは、管理サーバ1と、一以
上のユーザ端末2と、一以上の飛行体4と、一以上の飛行体格納装置5とを有している。
管理サーバ1と、ユーザ端末2と、飛行体4と、飛行体格納装置5は、ネットワークを介
して互いに通信可能に接続されている。なお、図示された構成は一例であり、これに限ら
ず、例えば、飛行体格納装置5を有さずに、ユーザにより持ち運びされる構成などでもよ
い。
【0013】

<管理サーバ1>

図2は、管理サーバ1のハードウェア構成を示す図である。なお、図示された構成は一
例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0014】

図示されるように、管理サーバ1は、複数のユーザ端末2と、飛行体4、飛行体格納装
置5と接続され本システムの一部を構成する。管理サーバ1は、例えばワークステーショ
ンやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド
・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0015】

管理サーバ1は、少なくとも、プロセッサ10、メモリ11、ストレージ12、送受信
部13、入出力部14等を備え、これらはバス15を通じて相互に電気的に接続される。
【0016】

プロセッサ10は、管理サーバ1全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受
信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置
である。例えばプロセッサ10はCPU(Central Processing Un
it)および/またはGPU(Graphics Processing Unit)で
あり、ストレージ12に格納されメモリ11に展開された本システムのためのプログラム
等を実行して各情報処理を実施する。
【0017】

メモリ11は、DRAM(Dynamic Random Access Memor
y)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリやHDD(Hard
Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ
11は、プロセッサ10のワークエリア等として使用され、また、管理サーバ1の起動時
に実行されるBIOS(Basic Input / Output System)、
及び各種設定情報等を格納する。
【0018】

ストレージ12は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各
処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ12に構築されていてもよ
い。
【0019】

送受信部13は、管理サーバ1をネットワークおよびブロックチェーンネットワークに
接続する。なお、送受信部13は、Bluetooth(登録商標)及びBLE(Blu
etooth Low Energy)の近距離通信インターフェースを備えていてもよ
い。
【0020】

入出力部14は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力
機器である。
【0021】

バス15は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各
種制御信号を伝達する。
【0022】

<ユーザ端末2>

図3に示されるユーザ端末2もまた、プロセッサ20、メモリ21、ストレージ22、
送受信部23、入出力部24、撮影部26、撮影状態情報取得部27等を備え、これらは
バス25を通じて相互に電気的に接続される。各要素の機能は、上述した管理サーバ1と
同様に構成することが可能であることから、同様の構成の詳細な説明は省略する。
【0023】

撮影部26は、例えば可視光カメラや赤外線カメラであり、撮影画像(例えば、静止画
像、動画像等)を取得する。
【0024】

<飛行体4>

図4は、飛行体4のハードウェア構成を示すブロック図である。フライトコントローラ
41は、プログラマブルプロセッサ(例えば、中央演算処理装置(CPU))などの1つ
以上のプロセッサを有することができる。
【0025】

また、フライトコントローラ41は、メモリ411を有しており、当該メモリにアクセ
ス可能である。メモリ411は、1つ以上のステップを行うためにフライトコントローラ
が実行可能であるロジック、コード、および/またはプログラム命令を記憶している。ま
た、フライトコントローラ41は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、GP
Sセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)等のセンサ類412を含みうる。
【0026】

メモリ411は、例えば、SDカードやランダムアクセスメモリ(RAM)などの分離
可能な媒体または外部の記憶装置を含んでいてもよい。撮影部/センサ類42から取得し
たデータは、メモリ411に直接に伝達されかつ記憶されてもよい。例えば、撮影部等で
撮影した静止画・動画データが内蔵メモリ又は外部メモリに記録されてもよいが、これに
限らず、撮影部/センサ42または内蔵メモリからネットワークNWを介して、少なくと
も管理サーバ1やユーザ端末2、飛行体格納装置5のいずれかに記録されてもよい。撮影
部42は飛行体4にジンバル43を介して設置される。
【0027】

フライトコントローラ41は、飛行体の状態を制御するように構成された図示しない制
御モジュールを含んでいる。例えば、制御モジュールは、6自由度(並進運動x、y及び
z、並びに回転運動θ、θ及びθ)を有する飛行体の空間的配置、速度、および/
または加速度を調整するために、ESC44(Electric Speed Cont
roller)を経由して飛行体の推進機構(モータ45等)を制御する。バッテリー4
8から給電されるモータ45によりプロペラ46が回転することで飛行体の揚力を生じさ
せる。制御モジュールは、搭載部、センサ類の状態のうちの1つ以上を制御することがで
きる。
【0028】

フライトコントローラ41は、1つ以上の外部のデバイス(例えば、送受信機(プロポ
)49、端末、表示装置、または他の遠隔の制御器)からのデータを送信および/または
受け取るように構成された送受信部47と通信可能である。送受信機49は、有線通信ま
たは無線通信などの任意の適当な通信手段を使用することができる。
【0029】

例えば、送受信部47は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネッ
トワーク(WAN)、赤外線、無線、WiFi、ポイントツーポイント(P2P)ネット
ワーク、電気通信ネットワーク、クラウド通信などのうちの1つ以上を利用することがで
きる。
【0030】

送受信部47は、センサ類42で取得したデータ、フライトコントローラ41が生成し
た処理結果、所定の制御データ、端末または遠隔の制御器からのユーザコマンドなどのう
ちの1つ以上を送信および/または受け取ることができる。
【0031】

本実施の形態によるセンサ類42は、慣性センサ(加速度センサ、ジャイロセンサ)、
GPSセンサ、近接センサ(例えば、ライダー)、またはビジョン/イメージセンサ(例
えば、カメラ)を含み得る。
【0032】

<各構成に実装される機能>

図5は、本実施の形態における、管理サーバ1、ユーザ端末2、飛行体4に実装される
機能を例示したブロック図である。
【0033】

まず、管理サーバ1に実装される機能として、プロセッサ10は、フライトミッション
生成部110を備えており、ストレージ12は、飛行経路情報記憶部122、フライトロ
グ記憶部124を備えており、送受信部13は、通信部130を備えている。また、フラ
イトミッション生成部110は、飛行経路生成部112を含む。なお、ストレージ12は
、フライトミッションを実行するために必要な情報を記憶する記憶部をさらに有していて
もよく、例えば、飛行条件に関する情報(例えば、飛行速度やウェイポイント間隔など)
や、後述の仮想空間情報(例えば、三次元点群データなど)を記憶する記憶部(不図示)
をそれぞれ有していてもよい。
【0034】

フライトミッション生成部110は、フライトミッションを生成する。フライトミッシ
ョンは、少なくともウェイポイント情報(例えば緯度経度情報及び飛行高度情報を含む)
を含む飛行経路などの情報である。飛行経路の設定は、例えば、後述のように、対象物の
三次元点群モデル情報と、機体の現在位置と、フライトミッション開始位置、対象物から
の距離などを取得して飛行経路生成部112により自動でウェイポイントを算出して設定
したりしてもよい。生成された飛行経路に関する情報は、飛行経路情報記憶部(不図示)
に記憶されていてもよい。また、フライトミッションは、例えばユーザが指定した作業(
例えば、撮像、点検、警備など)を含んでいてもよく、フライトミッション開始位置から
上記作業を開始するように飛行体を制御してもよい。各フライトミッションを実行するた
めの詳細な設定は、予め管理サーバ1等に登録されていてもよい。
【0035】

なお、飛行経路は、例えば、飛行体格納装置5を有さずに、ユーザ付近にホバリングし
て待機している位置や、ユーザにより機体を持ち運びされた位置を現在位置として飛行開
始位置としたり、飛行終了位置においてユーザが機体を回収したりする構成などでもよい
し、管理サーバ1により管理された飛行体格納装置5の情報(例えば、位置情報や格納状
態情報、格納機体情報など)を基に、飛行開始位置、途中経由地または飛行終了位置とし
て選択された飛行体格納装置5の位置も含めた飛行経路として生成される構成でもよい。
【0036】

飛行経路情報記憶部122は、フライトミッション生成部110で生成された飛行体の
飛行経路情報を記憶している。フライトログ記憶部124は、例えば、フライトミッショ
ンにて設定された飛行経路上にて、飛行体4により取得された情報(例えば、離陸から着
陸までに経由した位置の情報、静止画像、動画像、音声その他の情報)を記憶している。
【0037】

通信部130は、ユーザ端末2や、飛行体4、飛行体格納装置5と通信を行う。通信部
130は、ユーザ端末2から、フライト依頼を受け付ける受付部としても機能する。
【0038】

次に、ユーザ端末2に実装される機能として、プロセッサ20は、撮影状態情報取得部
220、指定位置情報取得部240を備えており、ストレージ22は、撮影状態情報記憶
部222を備えており、送受信部23は、通信部230を備えている。また、ストレージ
22は、指定位置情報取得部240で取得した指定位置情報を記憶する記憶部(不図示)
をさらに有していてもよい。
【0039】

撮影状態情報取得部220は、例えばGPSやジャイロセンサ、気圧センサ、温度セン
サなどのセンサ類、端末の撮影部26に関する情報(例えば、撮影画角情報など)を記憶
した記憶部(メモリ21やストレージ22の一部であってもよい)などから、撮影画像を
取得した際のユーザ端末の撮影画角情報や撮影角度情報、撮影方位情報、ユーザ端末位置
情報(例えば、緯度経度情報と高度情報など)などを撮影状態情報として取得する。なお
、ユーザ端末位置情報に含まれる高度情報は、上述の気圧センサや温度センサに基づき算
出された高度情報や、ユーザに設定させた高度情報でもよいが、例えば、ユーザに設定さ
せた身長情報、または、ユーザの性別に応じた平均的な身長情報から、想定されるユーザ
端末位置に応じて所定の高さだけ上下方向にオフセットした値を高度情報としてもよい。
【0040】

指定位置情報取得部240は、ユーザが指定した画面上の位置(例えば、所定の位置を
原点として、画面の幅方向をx軸、画面の高さ方向をy軸として設定されたxy座標位置
)を指定位置情報として取得する。ユーザが画面上の位置を指定する方法は、例えば、タ
ッチディスプレイを指でタッチして指定したり、ポインタなどのオブジェクトを操作して
指定したり、ユーザ端末2を動かして指定したい位置に画面の特定の位置(例えば、中心
)を合わせて決定動作を実行することで指定したりすることにより実現できる。
【0041】

撮影状態情報記憶部222は、図6に示すように、撮影画角情報記憶部2221、撮影
角度情報記憶部2222、撮影方位情報記憶部2223、ユーザ端末位置情報記憶部22
24を少なくとも含み、対象とする撮影状態情報をそれぞれ記憶する。
【0042】

通信部230は、管理サーバ1や、飛行体4、飛行体格納装置5と通信を行う。
【0043】

次に、飛行体4に実装される機能として、プロセッサ413は、撮影状態情報受信部4
15と、位置算出部417を備えており、メモリ411は、仮想空間情報記憶部421を
備えており、送受信部47は、通信部470を備えている。また、メモリ411は、撮影
状態情報受信部415で受信した撮影状態情報を記憶する記憶部(不図示)をさらに有し
ていてもよい。
【0044】

撮影状態情報受信部415は、ユーザ端末2の撮影状態情報取得部220で取得した撮
影状態情報を通信部470を介して受信する。
【0045】

位置算出部417は、少なくともユーザ端末2の撮影状態情報と指定位置情報、仮想空
間情報421に記憶される仮想空間情報(例えば三次元点群データ)、飛行体4の現在位
置情報(例えばGPSから取得する)に基づき、ユーザ端末2の画面上でユーザが指定し
た指定位置が、仮想空間または現実空間の何れの位置であるかを算出する。詳細な算出方
法については、後述する。
【0046】

仮想空間情報記憶部421は、例えばユーザ端末2から撮影可能な範囲の三次元点群デ
ータを含む仮想空間情報を記憶する。三次元点群データは、例えばLIDAR(Ligh
t Detection and Ranging)やDepthを測定できる撮影部ま
たはセンサにより取得した仮想空間内の三次元座標データであり、事前に飛行して取得し
たり、ネットワークを介して、例えば管理サーバ1などから必要な範囲のデータを取得し
てきてもよい。また、事前に飛行体4の現実空間の三次元座標と、仮想空間内の三次元座
標の対応付けを行い、これを仮想空間情報記憶部421に記憶しておいてもよい。
【0047】

なお、本実施の形態においては、飛行体4上のプロセッサ413の機能として、位置算
出部417を備えている例を基に説明しているが、これに限らず、例えばユーザ端末2の
プロセッサ20や管理サーバ1のプロセッサ10、飛行体格納装置5のプロセッサなどの
機能として備え、位置算出に必要な情報を該当プロセッサに読み出して算出するようにし
てもよい。これにより、位置算出のための処理負荷を所望のプロセッサに担わせることが
できる。
【0048】

また、ユーザ端末2の撮影部26の撮影画像を基に位置算出及び飛行体を制御している
が、これに代えて、飛行体4の撮影部の撮影画像を基に位置算出及び飛行体を制御するよ
うにしてもよい。この際、ユーザ端末2の撮影部26による撮影画像と同様に、飛行体4
の撮影部の撮影画像をユーザ端末2の画面上に表示させることで位置算出を実現してもよ
い。ユーザ端末2の撮影部26による撮影画像を基にした場合には、ユーザが撮影環境を
目視しながら、そこにユーザ端末2の撮影部26を向けて、客観的かつ直感的に位置を指
定することで飛行体4を制御することが可能であるが、飛行体4の撮影部の撮影画像を基
にした場合には、あたかもユーザが直接動いているかのように、主観的かつ直感的に位置
を指定することで飛行体の制御することが可能となる。
【0049】

<位置算出方法の一例>

図7-10を参照して、本実施形態にかかる位置算出方法について説明する。図7には
、本実施形態にかかる位置算出方法のフローチャートが例示されている。図8-10は、
本発明の実施の形態にかかる位置算出方法に関する説明の一例を示す図である。また、一
例として、飛行体4上のプロセッサ413の機能として、位置算出部417を備え、ユー
ザ端末2の撮影部26の撮影画像を基に位置算出を行う構成により説明する。
【0050】

まず、図8に示されるように、ユーザ端末2の画面上で、撮影部26により取得された
撮影画像S上の所定の位置をポインタP等で指定する(SQ101)。
【0051】

次に、飛行体4は、撮影状態情報受信部415により、SQ101においてユーザ端末
2の画面上で指定した所定の位置(画面上のxy座標位置)及び所定の位置を指定した際
の撮影状態情報(撮影画角、撮影角度、撮影方位、ユーザ端末位置情報)を取得する(S
Q102)。
【0052】

次に、飛行体4は、位置算出部417により、上述のxy座標位置と撮影状態情報に基
づき、ユーザ端末の位置(三次元座標)から、画面上で指定した所定の位置(画面上のx
y座標位置)に対応する、少なくとも仮想空間内での位置(三次元座標)への角度及び方
位を算出する(SQ103)。
【0053】

より具体的には、図9を用いてy軸方向の角度の算出方法について例示する。
【0054】

まず、撮影部の中心からのずれ幅dは、画面上のy座標の原点を上端とした場合、画
面上のy軸方向の指定位置yから、解像度で決まる高さdの半値を引いた値の絶対値で
あり、下記数1の関係が成り立つ。

【数1】
【0055】

次に、撮影部の向きからのずれ角度αhを基に、下記数2の関係が成り立つ。

【数2】
【0056】

次に、画角FOVの半値を基に、下記数3の関係が成り立つ。

【数3】
【0057】

ここで、例えば、数2に記載の数式に数3に記載の数式を距離distanceを基に代入し、
撮影部の向きからのずれ角度αhについて整理すると、下記数4の関係が成り立つ。

【数4】
【0058】

なお、この時、撮影部の向きからのずれ角度αhは、下記数5の関係も満たすものであ
る。

【数5】
【0059】

最後に、取得可能な値を上記数4に代入していくことで、y軸方向における撮影部の向
きからのずれ角度αhが算出される。
【0060】

また、x軸方向の方位も、これと同様の算出方法により、x軸方向における撮影部の向
きからのずれ方位αが算出される。
【0061】

再度図7のフローチャートに戻り、位置算出方法について説明する。次に、飛行体4は
、位置算出部417により、ユーザ端末2の位置P及びSQ103で算出したずれ角度
αh並びにずれ方位α、飛行体4の位置Pを仮想空間内の三次元座標に対応付け、ユ
ーザ端末2の位置Pからずれ角度αh並びにずれ方位αへ直線を延ばした際に、最初
に接触した点データD(または点群モデルM)をユーザが指定した位置(または対象物)
として算出する(SQ104)。
【0062】

より具体的には、図10を用いてユーザが指定した位置の算出方法について例示する。
説明を簡略化するために、まずはx軸方向において説明する。
【0063】

図10の左図には、ユーザ端末2の位置Pと上述の数式等により算出したずれ方位α
、画像上で指定した対象物及び指定した位置との関係が示されている。そして、これら
の値及び飛行体4の位置Pは、飛行体4の位置算出部417により、例えば三次元点群
データがマッピングされた仮想空間内に適用され、図10の右図のような位置関係となる

【0064】

ここで、ユーザ端末2の位置Pからずれ方位αの方向に仮想的な直線を延ばし、最
初に接触した点データDの位置が、ユーザが指定した位置として算出される。同様に、ず
れ角度αhを用いてy軸方向においても同様のことが並行して行われているため、結果と
して、ユーザが指定した位置に対応する、仮想空間上における点データの三次元座標位置
(仮想指定位置)が算出される。
【0065】

最後に、飛行体4の位置Pに基づき、仮想空間上の三次元座標と、現実空間上の三次
元座標との対応関係から、現実空間上におけるユーザが指定した位置を算出する(SQ1
05)。なお、本実施の形態においては、飛行体4が仮想空間情報を有しているために飛
行体4の位置Pに基づき現実空間上の位置を算出しているが、ユーザ端末2が仮想空間
情報を有している場合には、必ずしも飛行体4の位置Pに関する情報は必要ではなく、
ユーザ端末2の位置Pのみで足り得る。
【0066】

これにより、ユーザがユーザ端末2の画面上で指定した位置を、現実空間上の三次元座
標位置として算出することが可能となり、これを用いて様々な飛行体の制御が簡易に可能
となる。
【0067】

<飛行体の制御例1-1>

例えば、上述のユーザ端末2の画面上で指定された位置の現実空間上の三次元座標を用
いて、その位置へ飛行体4を飛行させるように制御してもよい。当該制御は、飛行体4の
プロセッサ413やユーザ端末2のプロセッサ20により実行されてもよいし、管理サー
バ1のプロセッサ10により実行されてもよい。これにより、三次元点群データを取得済
みの対象物の近くであれば、ユーザ端末2の画面上で指定をするだけで、容易にその位置
まで飛行体4を飛行させることが可能になる。
【0068】

<飛行体の制御例1-2>

上述の飛行体の制御例1-1では、ユーザが指定した位置まで飛行体4を飛行させてい
たが、それに加えて、その位置を含む対象物の形状を判別し、ユーザが指定した位置(及
びそこから所定距離オフセットした位置)から点検等のフライトミッションを実行するよ
うにしてもよい。対象物の形状は、三次元点群データを参照してもよいし、飛行体4に搭
載のLIDAR等により対象物の三次元点群データをその場で取得してもよい。そして、
例えばユーザが指定した位置をフライトミッション開始位置として、対象物の三次元点群
データを基に飛行経路を決定し、フライトミッションを実行するようにしてもよい。これ
らの処理は、例えば管理サーバ1においても、飛行体4が記憶している仮想空間情報を記
憶しておき、飛行経路生成部112において当該飛行経路を生成するようにしてもよい。
また、フライトミッションの指定は、ユーザが位置を指定するまでにいずれかのフライト
ミッションが指定されていればよい。
【0069】

<飛行体の制御例1-3>

上述の飛行体の制御例1-1、1-2では、ユーザが指定した位置として点データの三
次元座標を用いているが、これに代えて、当該点データを含む対象物を判定し、当該対象
物の形状を三次元点群データから判別し、当該対象物に対するフライトミッションのため
の飛行経路を予め生成するようにしてもよい。これにより、ユーザは飛行体を制御する位
置の指定を厳密に行わずとも対象物へのフライトミッションを実行することができる。
【0070】

<飛行体の制御例1-4>

例えば、ユーザが指定した位置へ飛行体4を飛行させた後、飛行体4と通信可能な装置
と通信を行ってもよい。例えば、当該装置は、飛行体格納装置5であり、飛行体4におい
て取得した情報を飛行体格納装置5を介して管理サーバ1等に送信したり、飛行体格納装
置5に格納されるための通信処理を行ったり、飛行体格納装置5内の飛行体と交代または
共同してフライトミッションを行うための通信処理を行うなどしてもよい。これらいずれ
の動作を行うかは、ユーザがユーザ端末2の画面上で位置を指定する際に、ユーザ端末2
において動作も指定するように構成してもよい。
【0071】

<飛行体の制御例2-1> 例えば、上述のように、ユーザ端末2の画面上で指定された
位置の現実空間上の三次元座標を算出する際に、仮想空間上でユーザ端末位置Pから仮
想的な直線を延ばした際に、何れの三次元点群データにも接触しない場合、または、所定
距離延ばしても三次元点群データに接触しない場合には、飛行体4は所定のフェイルセー
フ動作を行うようにしてもよい。当該フェイルセーフ動作としては、例えばその場または
最後にユーザが指定した位置やユーザ端末2の位置まで飛行してホバリングを行ったり、
着陸を行ったりしてもよい。また、ユーザ端末2へのアラート表示(例えば、三次元点群
データに接触しない旨、位置算出ができない旨の表示)を行ってもよい。
【0072】

<飛行体の制御例2-2>

例えば、上述のように、ユーザが指定した位置まで飛行体4を飛行制御している際に、
飛行体4に搭載の撮影部またはセンサにより障害物を判定した時には、所定のフェイルセ
ーフ動作(その場で停止してホバリングを行ったり、着陸を行ったりしてもよいし、直前
に指定された位置やユーザ端末2の位置まで戻ってもよいし、三次元点群データで障害物
の形状が判別可能な場合には、障害物を避けるように飛行を続けてもよい)やアラート表
示を実行するようにしてもよい。また、例えば図11に記載されるような位置関係である
場合には、ユーザが指定した位置にある対象物自体が障害物となり得るため、同様に所定
のフェイルセーフ動作(特に、飛行経路を変更する場合は、三次元点群データを利用して
、対象物の周りを周回するルートや上空側を超えるルートを生成するなど)やアラート表
示を実行するようにしてもよい。さらに、例えば、飛行体4の搭載の撮影部で色情報を判
定し、予め登録された色の割合が高い場合(例えば、芝生や木の葉っぱの方向へ進んでし
まった場合を想定して緑色を登録したり、地面等の土の色である茶色を登録したりしても
よい)にも、所定のフェイルセーフ動作やアラート表示を行うようにしてもよい。
【0073】

<飛行体の制御例2-3>

上述の飛行体4の制御は、主にユーザが指定した位置まで飛行体4を直進させることを
想定しているが、例えばユーザが位置を指定した際に、予め取得した三次元点群データに
よって、ユーザが指定した位置へ直進した場合に、指定位置よりも前に障害物に衝突する
ことが判別可能な場合には、ユーザが位置を指定した段階で、障害物の形状を三次元点群
データより判別し、それを避ける飛行経路を生成してもよい。また、アラート表示(例え
ば、障害物に衝突してしまう旨や飛行経路を変更した旨など)してもよい。
【0074】

<飛行体の制御例3-1>

上述の実施の形態では、一例として、ユーザ端末2の撮影部26の撮影画像を基に位置
算出を行う構成を説明していたが、これに代えて、飛行体4の撮影部の撮影画像を基に位
置算出を行うようにしてもよい。この構成は、壁を含む物体を何れの方向でも指定可能な
屋内(例えば、居室内や倉庫内、工場内、ビル内など)において特に効果を発揮し、飛行
体4の撮影部による視点から主観的かつ直感的に、飛行体4の進行方向を指定することが
可能である。なお、例えば、ユーザが指定した位置まで飛行している途中で、飛行体4の
撮影部の方向を変えて、ユーザが位置を再指定することで、飛行体4の進行方向を変更す
るように制御してもよい。
【0075】

このように、簡易に現場で飛行体の制御が可能な位置算出方法及び飛行体制御方法、情
報処理システムを提供することが可能となる。
【0076】

上述した実施の形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定
して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良
することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0077】

1 管理サーバ

2 ユーザ端末

4 飛行体





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11