(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025166345
(43)【公開日】2025-11-06
(54)【発明の名称】記録媒体搬送装置、画像形成装置、後処理装置、搬送制御方法および搬送制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 7/10 20060101AFI20251029BHJP
B65H 5/00 20060101ALI20251029BHJP
B65H 37/00 20060101ALI20251029BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20251029BHJP
B41J 11/42 20060101ALI20251029BHJP
【FI】
B65H7/10
B65H5/00 B
B65H37/00
G03G15/00 430
B41J11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024070289
(22)【出願日】2024-04-24
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】岡本 晃
(72)【発明者】
【氏名】泉宮 賢二
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 政行
(72)【発明者】
【氏名】小山 弘
(72)【発明者】
【氏名】山口 洋
【テーマコード(参考)】
2C058
2H072
3F048
3F101
3F108
【Fターム(参考)】
2C058AB04
2C058AB15
2C058AC08
2C058AE02
2C058AE08
2C058AF19
2C058GB03
2C058GB13
2C058GB21
2C058GB33
2C058GB47
2C058GB49
2C058GE15
2H072AA09
2H072AA13
2H072AA24
2H072CA01
2H072GA02
2H072HB07
2H072JA02
3F048AA01
3F048AB01
3F048BA22
3F048BB02
3F048BB05
3F048BB09
3F048CA10
3F048CC05
3F048DA06
3F048DB13
3F048DB17
3F048DC11
3F101AB01
3F101AB06
3F101LA01
3F101LB01
3F108GA01
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】 搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出すること。
【解決手段】 MFPは、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送するタイミングローラと、第1の方向を向く検出領域を有する検出素子の複数を有し、複数の検出素子が搬送方向および第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたCIS201と、CIS201と記録媒体とを第2の方向に相対移動させる検出部200と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向を向く検出領域を有する検出素子の複数を有し、複数の前記検出素子が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備えた記録媒体搬送装置。
【請求項2】
複数の前記検出領域に前記記録媒体が存在しない状態における複数の前記検出素子それぞれの出力に基づいて他の前記検出素子と出力が異なる前記検出素子を特定素子として検出する特定素子検出部と、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定部と、をさらに備えた、請求項1に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項3】
前記相対位置決定部は、前記特定素子が前記搬送経路を搬送される前記記録媒体と前記第1の方向で重なる位置を前記相対位置に決定する、請求項2に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項4】
前記相対位置決定部は、前記特定素子検出部により前記特定素子の複数が検出される場合、複数の前記特定素子のすべてが前記搬送経路を搬送される前記記録媒体と前記第1の方向で重なる位置を前記相対位置に決定する、請求項2に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項5】
複数の前記検出素子を清掃する清掃部と、
前記相対位置決定部により決定された前記相対位置に前記移動制御部が前記センサーと前記記録媒体とを相対移動させることができない場合、前記清掃部に複数の前記検出素子を清掃させる清掃制御部と、をさらに備えた、請求項2に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項6】
前記相対位置決定部は、前記搬送部により複数の前記記録媒体が連続して搬送される場合、複数の前記記録媒体それぞれが前記検出領域に進入する前、または第1番目の前記記録媒体が前記検出領域に進入する前に、前記相対位置を決定する、請求項2に記載の記録媒体搬送装置。
【請求項7】
前記移動制御部による前記センサーと前記記録媒体との前記相対位置への移動が完了した後における前記センサーの出力に基づいて、前記搬送経路を搬送される前記記録媒体の前記第2の方向における媒体位置を検出する搬送位置検出部を、さらに備えた、請求項2~6のいずれかに記載の記録媒体搬送装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録媒体搬送装置と、
前記搬送部により搬送される前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記画像形成部は、前記媒体位置に基づいて、前記記録媒体に形成する画像の位置を決定する、画像形成装置。
【請求項9】
請求項7に記載の記録媒体搬送装置と、
前記搬送部により搬送される前記記録媒体を処理する後処理部と、を備え、
前記後処理部は、前記媒体位置に基づいて、前記記録媒体を処理する位置を決定する、後処理装置。
【請求項10】
記録媒体搬送装置で実行される搬送制御方法であって、
前記記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、
複数の前記検出素子のうちから他の前記検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、を含む搬送制御方法。
【請求項11】
記録媒体搬送装置を制御するコンピューターで実行される搬送制御プログラムであって、
前記記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、
複数の前記検出素子のうちから他の前記検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、を前記コンピューターに実行させる搬送制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記録媒体搬送装置、画像形成装置、後処理装置、搬送制御方法および搬送制御プログラムに関し、記録媒体を搬送経路に沿って搬送する記録媒体搬送装置、その記録媒体搬送装置を備えた画像形成装置または後処理装置、記録媒体搬送装置で実行される搬送制御方法およびその記録媒体搬送制御方法をコンピューターに実行させる搬送制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multi Function Peripheral)で代表される画像形成装置は、搬送される記録媒体に画像を形成する。また、後処理装置は、MFPから搬送される記録媒体にパンチ穴加工などの後処理を実行する。記録媒体を搬送する搬送経路は、記録媒体の搬送方向に直交する方向の長さが異なる複数のサイズの記録媒体を搬送可能である。このため、搬送経路を搬送される記録媒体は、搬送方向に直交する方向の位置が定まらない場合がある。このため、搬送経路を搬送途中の記録媒体の片寄を検出するセンサーを設け、記録媒体の搬送経路における位置を検出する技術が知られている。
【0003】
しかしながら、片寄を検出するセンサーに紙粉などが付着する場合がある。この場合には、紙粉を記録媒体と誤認識してしまう場合があるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の目的の1つは、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な記録媒体搬送装置を提供することである。
【0006】
この発明の他の目的は、記録媒体の適切な位置に画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、記録媒体を適切な位置で処理することが可能な後処理装置を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な搬送制御方法を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な搬送制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明のある局面によれば、記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、第1の方向を向く検出領域を有する検出素子の複数を有し、複数の検出素子が搬送方向および第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、センサーと記録媒体とを第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備える。
【0011】
この発明の他の局面によれば、画像形成装置は、上記の記録媒体搬送装置と、搬送部により搬送される記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、画像形成部は、媒体位置に基づいて、記録媒体に形成する画像の位置を決定する。
【0012】
この発明のさらに他の局面によれば、後処理装置は、上記の記録媒体搬送装置と、搬送部により搬送される記録媒体を処理する後処理部と、を備え、後処理部は、媒体位置に基づいて、記録媒体を処理する位置を決定する。
【0013】
この発明のさらに他の局面によれば、搬送制御方法は、記録媒体搬送装置で実行される搬送制御方法であって、記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が搬送方向および第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、センサーと記録媒体とを第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、複数の検出素子のうちから他の検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、特定素子が検出されることに応じて、センサーと記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、を含む。
【0014】
この発明のさらに他の局面によれば、搬送制御プログラムは、記録媒体搬送装置を制御するコンピューターで実行される搬送制御プログラムであって、記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が搬送方向および第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、センサーと記録媒体とを第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、複数の検出素子のうちから他の検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、特定素子が検出されることに応じて、センサーと記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、をコンピューターに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
【
図2】MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】検出機構の詳細な構成の一例を示す図である。
【
図5】MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【
図6】MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
【
図7】搬送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】タイミングローラ移動機構の一例を示す図である。
【
図9】タイミングローラの移動を説明する図である。
【
図10】後処理装置の内部構成を拡大して示す図である。
【
図11】パンチユニットおよびその近傍を拡大して示す第1の断面図である。
【
図12】規制部材およびその近傍を拡大して示す第2の断面図である。
【
図13】規制部材およびその近傍を拡大して示す第3の断面図である。
【
図14】規制部材およびその近傍を拡大して示す第4の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおけるMFPの外観を示す第1の斜視図である。
図1を参照して、MFP(Multi Function Peripheral)1は、画像形成装置の一例である。ここで、互いに垂直に交わるX方向、Y以下方向およびZ方向を定義する。X方向およびY方向は水平面に平行である。Y方向のうちMFP1の背面から前面に向かう方向(Y方向正側から負側に向かう方向)を正面方向といい、正面から背面に向かう水平な方向(Y方向負側から正側に向かう方向)を背面方向という。
【0018】
図2は、MFPの内部構成の一例を模式的に示す断面図である。
図1および
図2を参照して、MFP1は、原稿を読み取る原稿読取部2と、画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成部3と、画像形成部3に用紙を供給する給紙部4と、画像が形成された用紙に後処理を実行する後処理装置100と、を含む。
【0019】
原稿読取部2は、原稿ガラス11上にセットされた原稿の画像を、その下方を移動するスライダー12に取付けられた露光ランプ13で露光する。原稿からの反射光は、ミラー14と2枚の反射ミラー15,15Aによりレンズ16に導かれ、CCD(Charge Coupled Devices)センサー18に結像する。
【0020】
CCDセンサー18に結像した反射光は、CCDセンサー18内で電気信号としての画像データに変換される。画像データは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の印字用データに変換されて、画像形成部3に出力される。
【0021】
画像形成部3は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックそれぞれの画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備える。ここで、“Y”、“M”、“C”および“K”は、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックを表す。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの少なくとも1つが駆動されることにより、画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてが駆動されると、フルカラーの画像が形成される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kには、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの印字用データがそれぞれ入力される。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、取扱うトナーの色彩が異なるのみなので、ここでは、イエローの画像を形成するための画像形成ユニット20Yについて説明する。
【0022】
画像形成ユニット20Yは、露光装置21Yと、感光体ドラム23Yと、帯電ローラ22Yと、現像器24Yと、1次転写ローラ25Yと、を備える。感光体ドラム23Yの周辺に、帯電ローラ22Y、露光装置21Y、現像器24Y、1次転写ローラ25Y、ドラム清掃ブレード27Yが、感光体ドラム23Yの回転方向に沿って順に配置される。露光装置21Yは、イエローの印字用データが入力される。感光体ドラム23Yは、像担持体である。帯電ローラ22Yは、感光体ドラム23Yの表面を一様に帯電する。1次転写ローラ25Yは、感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像を電界力の作用で像担持体である中間転写ベルト30上に転写する。
【0023】
感光体ドラム23Yは、帯電ローラ22Yによって帯電された後、露光装置21Yが発光するレーザー光が照射される。露光装置21Yは、感光体ドラム23Yの表面の画像対応部を露光する。これにより、感光体ドラム23Yに静電潜像が形成される。続いて、現像器24Yが、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像を帯電したトナーで現像する。具体的には、感光体ドラム23Yに形成された静電潜像上に電界力の作用でトナーが載せられることにより、トナー像が感光体ドラム23Yに形成される。感光体ドラム23Y上に形成されたトナー像は、像担持体である中間転写ベルト30上に1次転写ローラ25Yにより電界力の作用で転写される。感光体ドラム23Y上で転写されずに残ったトナーは、ドラム清掃ブレード27Yにより感光体ドラム23Yから除去される。
【0024】
中間転写ベルト30は、駆動ローラ33と従動ローラ34とにより弛まないように懸架されている。駆動ローラ33が
図2中で反時計回りに回転すると、中間転写ベルト30が所定の速度で図中反時計回りに回転する。中間転写ベルト30の回転に伴って、従動ローラ34が、反時計回りに回転する。
【0025】
これにより、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、順に中間転写ベルト30上にトナー像を転写する。画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kそれぞれが、中間転写ベルト30上にトナー像を転写するタイミングは、中間転写ベルト30に付された基準マークの検出に基づいて、調整される。これにより、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像が中間転写ベルト30上に重畳される。
【0026】
中間転写ベルト30に形成されたトナー像は、転写部材である2次転写ローラ26によって電界力の作用で用紙に転写される。タイミングローラ31により搬送される用紙は、中間転写ベルト30と2次転写ローラ26とが接するニップ部に搬送される。トナー像が転写された用紙は、定着ローラ32に搬送され、定着ローラ32により加熱および加圧される。これにより、トナーが溶かされて用紙に定着する。その後、用紙は後処理装置100に搬送される。
【0027】
MFP1は、フルカラーの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのすべてを駆動するが、モノクロの画像を形成する場合、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを駆動する。また、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kの2以上を組み合わせて画像を形成することもできる。なお、ここでは、MFP1は、用紙に4色のトナーそれぞれを形成する画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを備えたタンデム方式を採用する例について説明する。しかしながら、MFP1は、1つの感光体ドラムで4色のトナーを順に用紙に転写する4サイクル方式で画像を形成してもよい。
【0028】
給紙カセット35,35Aには、それぞれサイズの異なる用紙がセットされている。給紙カセット35,35Aそれぞれに収容された用紙は、給紙カセット35,35Aにそれぞれ取付けられている取出ローラ36,36Aにより、搬送経路39へ供給され、給紙ローラ37によりタイミングローラ31へ送られる。タイミングローラ31の搬送方向上流側に、検出部200が配置される。検出部200は、用紙の搬送方向に直交する幅方向における用紙の位置を検出する。
【0029】
画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kは、検出部200により検出された用紙の幅方向の位置に基づいて、中間転写ベルト30に形成するトナー像の位置を調整する。これにより、用紙が幅方向に位置に対応した位置にトナー像が形成されるので、搬送経路39を搬送される用紙が搬送経路39中で幅方向にずれる場合であっても、ニップ部において用紙に対して適切な位置にトナー像が転写される。
【0030】
後処理装置100は、画像形成部3から画像が形成された用紙が搬送される。後処理装置100は、パンチユニット101を備え、用紙にパンチ穴を形成する穿孔処理を実行し、穿孔処理が施された用紙を、排紙トレイ138に排紙する。
【0031】
図3は、検出部の詳細な構成の一例を示す図である。
図3は、検出部200をX方向負側から正側に向かう方向に見た図である。
図3を参照して、検出部200は、CIS(Contact Image Sensor)201と、モータ203と、ポジションセンサ205と、清掃部207と、を有する。用紙Pが搬送される搬送方向は、Z方向負側から正側に向かう方向である。CIS201は、X方向正側を向く検出領域を有する光電変換素子202の複数を有する。複数の光電変換素子202は、Y方向に平行な方向に並んで配列される。CIS201は、Y方向に延びる細長の光源を有する。CIS201は、光源からX方向正側に光を照射し、対象物で反射した光を光電変換素子202で受光する反射型のセンサである。検出領域のX方向の長さは、予め定められている。なお、CIS201に代えて、透過型のセンサが用いられてもよい。CIS201が備える複数の光電変換素子202それぞれの出力は、検出領域に用紙Pが存在するか否かにより異なる。
【0032】
CIS201は、Y方向に平行な方向に移動可能な状態で、MFP1の筐体に接続される。例えば、CIS201は、MFP1の筐体に設けられたY方向に平行な案内レールに摺動可能な状態で接続される。CIS201は、モータ203とラックアンドピニオン機構により接続される。したがって、モータ203が動作すると、CIS201がY方向に平行な方向に移動する。モータ203は、ステッピングモータである。このため、モータ203の回転角度が制御されることにより、CIS201の移動量が制御される。また、モータ203の回転角度からCIS201のY方向における位置が決定される。
【0033】
ポジションセンサ205は、光電センサであり、ホームポジションに位置するCIS201を検出する。CIS201のホームポジションは予め定められた位置である。ポジションセンサ205がCIS201を検出した時点からモータ203が回転した角度から、CIS201のホームポジションを基準にしたY方向の位置が決定される。
【0034】
CIS201のY方向における位置は、複数の光電変換素子202の一部が用紙PとX方向で重なり、他の一部が用紙PとX方向で重ならない位置に定められる。用紙PのY方向の長さは、種類によって異なる。搬送経路39を搬送される用紙Pの種類は、予め定められるので、用紙PのY方向の端部が通過する範囲が予め定まる。用紙は、搬送経路39をY方向に常に同一の位置で搬送されることが望ましい。しかしながら、用紙Pの種類、取出ローラ36による取り出し時の用紙Pの挙動等により、必ずしも同一の位置で搬送されるとは限らないが、所定の範囲内となることがわかっている。以下、用紙PのY方向の端部が通過する範囲を許容範囲という。
【0035】
距離L1は、CIS201がホームポジションから移動した距離を示す。距離L1は、複数の光電変換素子202がY方向において許容範囲と重なる状態におけるCIS201の位置である。これにより、複数の光電変換素子202のうち用紙Pを検出する第1の集合と、用紙Pを検出しない第2の集合との境界が、用紙PのY方向における端部として検出される。距離L2は、CIS201の端部から境界に位置する光電変換素子202までの距離を示す。
【0036】
CIS201は、搬送経路39を搬送される用紙Pとの間の距離が所定の距離以下となる位置に配置される。CIS201は用紙Pと接触する場合もある。このため、CIS201に紙粉が付着する場合がある。紙粉が付着した部分に位置する光電変換素子202の出力値は、検出領域に紙粉が存在するので、用紙Pが検出領域に存在しない場合の出力値よりも用紙Pが存在する場合の出力値に近い値となる。このため、紙粉が付着した部分に位置が用紙PのY方向における端部と誤って検出される場合がある。
【0037】
清掃部207は、CIS201の複数の光電変換素子202が配置される面を清掃する。清掃部207は、ブラシと、ブラシ移動機構と、を備える。ブラシは、例えば、ポリエステル繊維をループ状に織り込んだ布を金属シャフトに巻き付けて構成される。ブラシ移動機構は、ブラシを保持し、ブラシの先端がCIS201の複数の光電変換素子202が配置される面に接触させた状態で、ブラシをY方向に平行に移動させる。これにより、CIS201の複数の光電変換素子202の検出領域に付着した紙粉などがブラシにより除去される。
【0038】
図4は、CISの移動を説明する図である。なお、
図4においては、モータ203および清掃部207は省略されている。
図4の上段はCIS201の用紙PのY方向の端部に対応する部分に近い位置に紙粉Dが付着した状態が示される。CIS201の紙粉Dが付着した部分が用紙PのY方向端部の位置と近接している。紙粉Dが付着した部分の光電変換素子202の出力値が、用紙PとX方向で重なる部分の光電変換素子202の出力値に用紙PとX方向で重ならない部分の光電変換素子202の出力値よりも近い値になる。このため、CIS201の複数の光電変換素子202の出力値からは、CIS201の紙粉Dが付着した部分の位置が、用紙PのY方向の端部として誤って検出される。
【0039】
本実施の形態におけるMFP1は、CIS201の紙粉Dが付着した部分の光電変換素子202が用紙PのY方向の端部とX方向で重ならない位置にCIS201を移動させる。具体的には、
図4の下段に示すように、CIS201を距離L3だけ移動させて、CIS201の紙粉Dと重なる部分の光電変換素子202が用紙PとX方向で重なる位置にCIS201を移動させる。これにより、CIS201の紙粉Dと重なる部分の光電変換素子202の出力値が、他の複数の光電変換素子202のうち用紙PとX方向で重なる位置の光電変換素子202の出力値と同じ値になる。このため、複数の光電変換素子202のうち用紙Pを検出する第1の集合と、用紙Pを検出しない第2の集合との境界が、用紙PのY方向における端部として検出される。
【0040】
図5は、MFPのハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
図5を参照して、MFP1は、メイン回路50と、原稿読取部2と、画像形成部3と、給紙部4と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル5と、検出部200と、を含む。
【0041】
メイン回路50は、MFP1の全体を制御するCPU(中央演算処理装置)51と、通信インターフェース(I/F)部52と、ROM(Read Only Memory)53と、RAM(Random Access Memory)54と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)55と、ファクシミリ部56と、外部記憶装置58と、を含む。CPU51は、原稿読取部2、画像形成部3、給紙部4、操作パネル5および検出部200と接続され、MFP1の全体を制御する。
【0042】
ROM53は、CPU51が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM54は、CPU51がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM54は、原稿読取部2から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0043】
操作パネル5は、MFP1の上部に設けられる。操作パネル5は、表示部と操作部とを含む。表示部は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。操作部は、タッチパネルと、ハードキー部とを含む。タッチパネルは、その検出面が表示部の上面または下面に重畳して設けられる。ハードキー部は、複数のハードキーを含む。
【0044】
通信I/F部52は、ネットワークにMFP1を接続するためのインターフェースである。通信I/F部52は、TCP(Transmission Control Protocol)またはFTP(File Transfer Protocol)等の通信プロトコルで、ネットワークに接続された他のコンピューターと通信する。なお、通信I/F部52が接続されるネットワークは、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワークは、LANに限らず、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)、インターネット等であってもよい。
【0045】
ファクシミリ部56は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部56は、受信したファクシミリデータを、HDD55に記憶するとともに、画像形成部3でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部3に出力する。これにより、画像形成部3は、ファクシミリ部56により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部56は、HDD55に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0046】
外部記憶装置58は、CPU51により制御され、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)59、または半導体メモリが装着される。本実施の形態においては、CPU51は、ROM53に記憶されたプログラムを実行する例を説明する。CPU51は、外部記憶装置58を制御して、CD-ROM59からCPU51が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM54に記憶し、実行するようにしてもよい。
【0047】
なお、CPU51が実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM59に限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク、半導体メモリ等の媒体でもよい。光ディスクは、MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)を含む。半導体メモリは、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などを含む。さらに、CPU51は、HDD55に記憶されたプログラムをRAM54にロードして実行してもよい。HDD55に記憶されるプログラムは、CPU51がネットワークに接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしたプログラム、ネットワークに接続されたコンピューターがHDD55に書込みしたプログラムを含む。ここでいうプログラムは、CPU51により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0048】
図6は、MFPが備えるCPUが有する機能の一例を示す図である。
図6に示される機能は、CPU51が、ROM53、HDD55またはCD-ROM59に記憶された搬送制御プログラムを実行することにより、CPU51に実現される。
図6を参照して、MFP1が備えるCPU51は、搬送制御部61と、搬送位置通知部63と、センサー制御部65と、移動制御部67と、搬送位置検出部69と、清掃制御部71と、を備える。
【0049】
搬送制御部61は、給紙部4を制御し、用紙Pを搬送経路に沿って搬送する。搬送制御部61は、CPU51が印刷ジョブを受け付けることに応じて、搬送の対象となる用紙Pの種類を決定する。印刷ジョブは、MFP1に入力される。ユーザーが操作パネル5を操作して、画像データを指定し、印刷条件を設定すると、CPU51が印刷ジョブを生成する。画像データは、原稿読取部2が原稿を読み取って出力する画像データおよびHDD55に記憶された画像データを含む。また、ユーザーがパーソナルコンピュータ(PC)を操作して、画像データを指定し、印刷条件を設定すると、PCが印刷ジョブを生成する。PCは、印刷ジョブをMFP1に送信する。CPU51は、通信I/F部52がPCから印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブを受け付ける。印刷条件は、画像形成の対象となる用紙Pの種類を含む。用紙の種類は、用紙のサイズを含む。
【0050】
搬送制御部61は、給紙カセット35,35A,35Cのうち印刷条件で特定される種類の用紙Pを収納するカセットに収容された用紙Pを搬送する。この場合、カセットに収容される用紙Pの方向から用紙Pが搬送される際に搬送方向に直交する方向のサイズが定まる。搬送される用紙Pの搬送方向に直交する方向を幅方向という。本実施の形態において、幅方向はY方向に平行な方向である。搬送制御部61は、用紙Pの幅方向のサイズをセンサー制御部65に出力する。
【0051】
搬送制御部61は、タイミングローラ31を動作させる駆動モータを制御し、タイミングローラ31が用紙Pの搬送を開始するタイミングを調整する。搬送制御部61は、用紙Pの搬送を開始するタイミングをセンサー制御部65に出力する。
【0052】
センサー制御部65は、CIS201を制御する。センサー制御部65は、CIS201を動作させ、CIS201が有する複数の光電変換素子202それぞれの出力値を取得する。センサー制御部65は、搬送制御部61から用紙Pの搬送を開始するタイミングが入力される。センサー制御部65は、タイミングローラ31が用紙Pの搬送を開始してから所定時間経過後にCIS201を動作させる。所定時間は、用紙Pがタイミングローラ31からCIS201に到達するまでの時間以上である。センサー制御部65は、複数の光電変換素子202それぞれが出力する出力値を、搬送位置検出部69に出力する。
【0053】
センサー制御部65は、特定素子検出部73を含む。特定素子検出部73は、複数の光電変換素子202のうち検出領域に紙粉Dなどが付着した光電変換素子202を特定素子として検出する。具体的には、特定素子検出部73は、複数の光電変換素子202の検出領域に用紙Pが存在しない期間に、CIS201を動作させる。複数の光電変換素子202の検出領域に用紙Pが存在しない期間は、搬送制御部61から入力される用紙Pの搬送を開始するタイミングに基づき決定される。用紙Pのサイズから、タイミングローラ31により用紙Pの搬送が開始されてからCIS201を用紙Pが通過する期間を算出することができる。
【0054】
特定素子検出部73は、複数の光電変換素子202それぞれが出力する出力値を比較し、他の光電変換素子202と異なる出力値に対応する光電変換素子202を特定素子に決定する。紙粉Dが付着する光電変換素子202の数は、紙粉Dが付着しない光電変換素子202の数よりも小さいことが明らかである。このため、出力値の平均から所定の値以上差のある出力値に対応する光電変換素子202が特定素子に決定される。
【0055】
また、光電変換素子202の検出領域に用紙Pが存在しない場合の光電変換素子202の出力値と、光電変換素子202の検出領域に用紙Pが存在する場合の光電変換素子202の出力値とが、予め記憶されてもよい。この場合は、特定素子検出部73は、複数の光電変換素子202のうちから予め記憶された出力値に近似する出力値に対応する光電変換素子202を特定素子に決定する。特定素子検出部73は、特定素子を識別する識別情報を移動制御部67に出力する。
【0056】
移動制御部67は、モータ203を制御し、CIS201を移動させる。移動制御部67は、相対位置決定部75を含む。相対位置決定部75は、CIS201と用紙Pとの相対位置を決定する。用紙Pの位置は、搬送経路39を搬送される状態におけるY方向の端部の位置である。また、用紙Pは、搬送経路39を搬送される場合、Y方向の端部がY方向の許容範囲を通過する。この許容範囲は、用紙Pの種類および幅方向のサイズにより予め定められている。このため、相対位置決定部75は、用紙Pの位置を、許容範囲のうち最もポジションセンサ205から離れる側の端部とする。移動制御部67は、特定素子が搬送経路を搬送される用紙PとX方向で重なる位置にCIS201の位置を決定する。具体的には、特定素子が用紙Pの位置よりもY方向正側に位置するようにCIS201の位置を決定する。
【0057】
ここで、
図4の上段を参照して、CIS201の位置は、ホームポジションから距離L1移動した位置である。特定素子の位置、換言すれば、CIS201の紙粉Dが付着した部分は、CIS201の端部から距離L4だけ離れた位置である。距離L4が距離L2よりも大きくなるように、CIS201を移動させる距離L3が算出される。なお、ここでは、用紙Pは、それが搬送される場合にY方向で定められた許容範囲のうち最もポジションセンサ205から離れた側の端部を通過する場合を示している。
【0058】
図6に戻って、移動制御部67は、相対位置決定部75でCIS201の位置が決定される場合、決定された位置にCIS201を移動させる。移動制御部67は、CIS201を移動させた後の位置をセンサ位置として搬送位置検出部69に出力する。
図4の下段に示す例においては、センサ位置は、ホームポジションからの距離L1に距離L3を加算した値である。
【0059】
移動制御部67は、相対位置決定部75で決定されたCIS201の位置にCIS201を移動させることができない場合、CIS201をホームポジションに移動させ、清掃制御部71に清掃指示を出力する。
【0060】
清掃制御部71は、清掃指示が入力されることに応じて、清掃部207を制御して、CIS201の複数の光電変換素子202が形成された面を清掃する。
【0061】
搬送位置検出部69は、搬送経路39を搬送される用紙PのY方向の端部の位置を媒体位置として検出する。搬送位置検出部69は、移動制御部67から搬送位置が入力され、センサー制御部65から複数の光電変換素子202それぞれの出力値が入力される。搬送位置検出部69は、複数の光電変換素子202それぞれの出力値に基づいて、X方向で用紙Pと重なる光電変換素子202の第1集合と、X方向で用紙Pと重ならない光電変換素子202の第2集合との境界を決定する。搬送位置検出部69は、CIS201の端部から境界の位置との間の距離を決定する。搬送位置検出部69は、CIS201の搬送位置と、CIS201の端部から境界の位置との間の距離と、から媒体位置を決定する。搬送位置検出部69は、媒体位置を搬送位置通知部63に出力する。
【0062】
搬送位置通知部63は、媒体位置を画像形成部3に通知する。媒体位置が入力される画像形成部3は、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kを制御して、中間転写ベルト30に形成するトナー像のY方向の位置を調整させる。画像形成部3は、基準となる位置から媒体位置がずれている場合は、そのずれを相殺する方向にトナー像を形成する位置を移動させる。これにより、用紙Pに形成される画像の幅方向の位置が調整される。
【0063】
図7は、搬送制御処理の流れの一例を示すフローチャートである。搬送制御処理は、CPU51が、ROM53、HDD55またはCD-ROM59に記憶された搬送制御プログラムを実行することにより、CPU51により実行される処理である。
図7を参照して、MFP1が備えるCPU51は、印刷ジョブを受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。CPU51は、印刷ジョブを受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、印刷ジョブが受け付けられたならば(ステップS01でYES)、処理をステップS02に進める。CPU51は、通信I/F部52がPCから印刷ジョブを受信する場合、または、ユーザーが操作パネル5を操作して印刷指示を入力する場合に、印刷ジョブを受け付ける。
【0064】
ステップS02においては、変数nに1がインクリメントされ、処理はステップS03に進む。変数nは、画像データに含まれる1以上のページを識別する情報である。画像データは、印刷ジョブに含まれる。変数nの初期値は0である。ステップS03においては、処理対象にnページが選択され、処理はステップS04に進む。
【0065】
ステップS04においては、用紙位置が決定される。用紙位置は、搬送経路39を搬送される用紙Pの幅方向のサイズに対して予め定められた位置である。具体的には、CPU51は、印刷ジョブに含まれる印刷条件に基づき、給紙カセット35,35A,35Cのうちから、印刷条件で特定される種類の用紙Pを収納するカセットを特定する。さらに、CPU51は、特定されたカセットに収容される用紙Pの方向から用紙Pが搬送される際に用紙Pの幅方向のサイズを決定する。用紙Pの幅方向は、搬送方向に直交する方向であり、Y方向に平行な方向である。CPU51は、用紙の幅方向のサイズから、搬送経路を搬送される用紙Pの端部が通過するY方向の位置を決定する。搬送経路を搬送される用紙Pは、そのY方向の端部がY方向に許容範囲内で搬送される。搬送経路39を搬送される用紙Pの端部が通過するY方向の位置は、許容範囲のうちポジションセンサ205から最も離れた位置である。許容範囲のうちポジションセンサ205から最も離れた位置は、Y方向正側の上限値である。
【0066】
ステップS05においては、特定素子が検出され、処理はステップS06に進む。CPU51は、CIS201を動作させ、複数の光電変換素子202それぞれの出力値を取得する。そして、他の複数の光電変換素子202の出力値と出力値が異なる光電変換素子202を特定素子として検出する。例えば、出力値の平均からの差分が所定の値以上の出力値を出力する光電変換素子202を特定素子に決定する。これにより、紙粉Dが検出領域に付着した光電変換素子202が特定素子として検出される。CIS201は、用紙Pが搬送される前の状態、換言すればCIS201と用紙PとがX方向で重ならない状態で、CIS201を動作させる。このため、紙粉Dが検出領域に付着した特定素子の出力値は、紙粉Dが検出領域に付着していない光電変換素子202の出力値と異なる。
【0067】
ステップS06においては、特定素子が検出されたか否かが判断される。特定素子が検出されたならば処理はステップS07に進むが、そうでなければ処理はステップS11に進む。ステップS07においては、相対位置が決定される。相対位置は、CIS201と用紙Pとの相対位置である。ステップS04において、用紙Pの位置が決定されている。このため、CPU51は、ステップS06において決定された特定素子に基づいて、CIS201の位置を決定する。具体的には、CIS201と搬送経路39を搬送される用紙PとがX方向に重なった状態で、特定素子が用紙PとX方向に重なる位置に、CIS201の位置を決定する。
図4に示す例においては、CPU51は、CIS201のホームポジション側の端部から特定素子までの距離L4を算出する。現在のCIS201がホームポジションからの移動した距離L1を取得する。距離L4と距離L1との合計が、現在のCIS201がホームポジションと用紙Pの位置との間の距離L5よりも大きくなる位置を、CIS201を移動させたのちの位置に決定する。この場合、CIS201をホームポジションからの距離L1の位置から移動させる距離としてL3が算出される。
【0068】
ステップS08においては、ステップS07において決定されたCIS201の位置が移動可能範囲か否かが判断される。CIS201が移動可能な範囲ならば処理はステップS10に進むが、そうでなければ処理はステップS09に進む。ステップS09においては、CIS201が清掃され、処理はステップS11に進む。CPU51は、清掃部207を駆動して、CIS201の複数の光電変換素子202が配置される面を清掃させる。ステップS10においては、ステップS07において決定された位置にCIS201を移動させ、処理はステップS11に進む。
【0069】
ステップS11においては、CPU51は、給紙部4を制御して、用紙Pを搬送させる。これにより、用紙Pが搬送経路39に沿って搬送され、用紙PとCIS201とがX方向に重なる状態となる。ステップS12においては、CPU51は、CIS201を動作させ、処理をステップS13に進める。そして、ステップS13においては、媒体位置が検出され、処理はステップS14に進む。CPU51は、複数の光電変換素子202それぞれの出力値を取得する。複数の光電変換素子202は、用紙PとX方向で重なる複数からなる第1集合と、用紙PとX方向で重ならない複数からなり第2集合と、を含む。第1集合に含まれる複数の光電変換素子202の出力値は、所定の範囲内に収まる。第2集合に含まれる複数の光電変換素子202の出力値は、所定の範囲内に収まる。このため、第1集合に含まれる複数の光電変換素子202と、第2集合に含まれる複数の光電変換素子202の集合との境界の位置が、搬送位置として検出される。搬送位置は、用紙PのY方向の端部の位置である。
【0070】
ステップS14においては、媒体位置が通知され、処理はステップS15に進む。CPU51は、媒体位置を画像形成部3に出力する。画像形成部3においては、画像形成ユニット20Y,20M,20C,20Kが、中間転写ベルト30に形成するトナー像の位置を媒体位置に基づいて調整する。これにより、媒体位置に位置する用紙Pに対応した位置にトナー像が形成されるので、用紙Pが幅方向にずれる場合であっても、ニップ部において用紙Pに対して適切な位置にトナー像が転写される。
【0071】
ステップS15においては、次に画像形成の対象となるページが存在するか否かが判断される。画像形成の対象となるページが存在するならば処理はステップS02に戻るが、そうでなければ処理は終了する。
【0072】
<第1の変形例>
上述した実施の形態においては、MFP1は、用紙PとCIS201との相対位置を定めるために、CIS201を移動させる。MFP1は、CIS201を移動させるのに代えて、またはCIS201を移動させるとともに、用紙PをY方向に移動させてもよい。
【0073】
図8は、タイミングローラ移動機構の一例を示す図である。
図8は、X方向負側から正側に向かってタイミングローラ31を見た図である。
図8を参照して、タイミングローラ移動機構は、揺動モータ213と、ラック215と、を含む。タイミングローラ31は、主ローラ軸214により保持される。主ローラ軸214は、MFP1の筐体に回転可能かつY方向に移動可能な状態で、MFP1の筐体に保持される。主ローラ軸214のタイミングローラ31の両端の外方それぞれに2つの軸受部216が、主ローラ軸214に対して回転可能に接続される。
【0074】
副ローラ31Aは、副ローラ軸214Aにより保持される。副ローラ軸214Aは、その両端が2つの軸受部216に回転可能かつY方向に移動不可能な状態で保持される。2つの軸受部216は、主ローラ軸214および副ローラ軸214Aを平行な状態で保持する。これにより、タイミングローラ31と副ローラ31Aとの間隔が所定の値となる。2つの軸受部216は、MFP1の筐体に設けられた規制部材により、主ローラ軸214の軸周りの回転が規制される。これにより、主ローラ軸214および副ローラ軸214Aの回転軸周りの位置関係が一定となるように維持される。
【0075】
主ローラ軸214は、駆動モータ211と駆動ギア212を介して接続される。このため、駆動モータ211が動作すると、主ローラ軸214が回転する。主ローラ軸214の回転に伴ってタイミングローラ31が回転する。タイミングローラ31と副ローラ31Aとは接触しており、接触部分に生じる摩擦力により、タイミングローラ31の回転に伴って副ローラ31Aが回転する。このため、タイミングローラ31と副ローラ31Aとの間に用紙Pが進入すると、用紙Pは、タイミングローラ31と副ローラ31Aとにより用紙Pが把持された状態で搬送される。
【0076】
ラック215は、主ローラ軸214に対して回転可能かつY方向に移動不可能な状態で、主ローラ軸214に設けられた2つのフランジの間に、主ローラ軸214に接続される。ラック215は、同一形状の歯の複数が等間隔に形成されている。
【0077】
揺動モータ213は、ピニオンギアが接続されている。ピニオンギアとラック215の複数の歯とが係合する。このため、揺動モータ213が動作すると、主ローラ軸214がY方向に平行に移動する。主ローラ軸214のY方向への移動に伴って、タイミングローラ31および副ローラ31AがY方向へ移動する。このため、タイミングローラ31と副ローラ31Aとが用紙Pを把持した状態で、揺動モータ213が動作すると、タイミングローラ31および副ローラ31AのY方向への移動に伴って、用紙PがY方向に移動する。揺動モータ213が動作する間、駆動モータ211は停止するのが好ましい。この場合、タイミングローラ31と副ローラ31Aとが回転を停止した状態かつ用紙Pを把持した状態となるので、用紙Pを確実に把持した状態でY方向に移動させることができる。
【0078】
図9は、タイミングローラの移動を説明する図である。なお、
図9においては、駆動モータ211および清掃部207は省略されている。
図9の上段は、CIS201の用紙PのY方向の端部に対応する部分に近い位置に紙粉Dが付着した状態が示される。CIS201の紙粉Dが付着した部分が用紙PのY方向端部の位置と近接している。紙粉Dが付着した部分の光電変換素子202の出力値が、用紙PとX方向で重なる部分の光電変換素子202の出力値に用紙PとX方向で重ならない部分の光電変換素子202の出力値よりも近い値になる。このため、CIS201の複数の光電変換素子202の出力値からは、CIS201の紙粉Dが付着した部分の位置が、用紙PのY方向の端部として誤って検出される。
【0079】
第1の変形例におけるMFP1は、CIS201の紙粉Dと重なる部分の光電変換素子202が用紙PのY方向の端部とX方向で重ならない位置に用紙Pを移動させる。具体的には、
図9の下段に示すように、タイミングローラ31を距離L6だけ移動させて、CIS201の紙粉Dと重なる部分の光電変換素子202が用紙PとX方向で重なる位置に用紙Pを移動させる。これにより、CIS201の紙粉Dと重なる部分の光電変換素子202の出力値が、他の複数の光電変換素子202のうち用紙PとX方向で重なる部分の光電変換素子202の出力値と同じ値になる。このため、複数の光電変換素子202のうち用紙Pを検出する第1の集合と、用紙Pを検出しない第2の集合との境界が、用紙PのY方向における端部として検出される。
【0080】
<第2の変形例>
上記の実施の形態においては、MFP1は、用紙Pに画像を形成させる位置を調整する。第2の変形例におけるMFP1は、後処理装置100における用紙Pの後処理の位置を調整する。
【0081】
図10は、後処理装置の内部構成を拡大して示す図である。
図10を参照して、後処理装置100は、パンチユニット101と、上側誘導板131と、下側誘導板132と、正逆ローラ対136と、排出ローラ対137と、検出部200Aと、排紙トレイ138と、を含む。
【0082】
パンチユニット101は、画像形成部3から画像が形成された用紙を受け入れる受入口102と、用紙を排出する排出口103と、を含む。
【0083】
上側誘導板131および下側誘導板132とは、上下方向で対向し、所定の間隙を隔てて配置される。上側誘導板131と下側誘導板132との間に、用紙が搬送される搬送経路の一部が形成される。上側誘導板131と下側誘導板132との間に形成される搬送経路は、パンチユニット101の排出口103から排出ローラ対137まで繋がる。上側誘導板131と下側誘導板132との間に形成される搬送経路内で、排出口103から所定の距離だけ離れた位置に正逆ローラ対136が配置される。
【0084】
正逆ローラ対136は、2つの円柱形状のローラを含む。2つのローラは、それぞれの回転対称軸が平行となるように並んで配置され、それぞれの回転対称軸回りに回転可能なように配置される。2つのローラの一方のローラの回転軸は、他方のローラの回転軸に向けて付勢されている。正逆ローラ対136は、モータの回転力が伝達されて回転軸回りに回転する。2つのローラが回転する方向は逆である。2つのローラそれぞれにモータの回転力が伝達されてもよいし、いずれか一方にモータの回転力が伝達されてもよい。
【0085】
正逆ローラ対136に回転力を伝達するモータは、正逆ローラ対136を正回転と逆回転とのいずれかで回転させる。正逆ローラ対136が正回転する場合、正逆ローラ対136により用紙はパンチユニット101から排出ローラ対137に向かう方向に搬送される。正逆ローラ対136が逆回転する場合、正逆ローラ対136により用紙は排出ローラ対137からパンチユニット101に向かう方向に搬送される。
【0086】
排出ローラ対137は、2つの円柱形状のローラを含む。2つのローラは、それぞれの回転対称軸が平行となるように並んで配置され、それぞれの回転対称軸回りに回転可能なように配置される。2つのローラの一方のローラの回転軸は、他方のローラの回転軸に向けて付勢されている。排出ローラ対137は、モータの回転力が伝達されて回転軸回りに回転する。2つのローラが回転する方向は逆である。2つのローラそれぞれにモータの回転力が伝達されてもよいし、いずれか一方にモータの回転力が伝達されてもよい。
【0087】
上側誘導板131と下側誘導板132との間に形成される搬送経路中で、正逆ローラ対136と排出ローラ対137との間に検出部200Aが配置される。検出部200Aの構成は、上述した検出部200と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0088】
画像形成部3から排出されるシートは、受入口102からパンチユニット101に進入し、上側誘導板131と下側誘導板132との間に形成される搬送経路に排出口103を介して進入し、正逆ローラ対136に到達する。正逆ローラ対136に到達したシートは、正逆ローラ対136により搬送される。用紙Pが検出部200Aを通過する間に、検出部200Aにより用紙Pの端部のY方向における位置が検出される。正逆ローラ対136が正回転した後に、逆回転することにより、シートがパンチユニット101で位置決めされ、パンチユニット101により穿孔が形成される。シートがパンチユニット101で位置決めされる前に、検出部200Aにより検出された用紙Pの端部のY方向における位置に基づいて、パンチユニット101が穿孔する位置が調整される。
【0089】
その後、正逆ローラ対136が正回転することにより、シートが排出ローラ対137に到達する。排出ローラ対137により搬送されるシートは、排紙トレイ138に排出される。
【0090】
図11は、パンチユニットおよびその近傍を拡大して示す第1の断面図である。
図11を参照して、パンチユニット101は、上側誘導板131と、下側誘導板132と、規制部材110と、パンチ機構140と、パンチ機構140の下方に配置された屑収納部145と、を備える。規制部材110は、複数がY方向に並んで配置される。屑収納部145は、上方が開放された直方体の形状をした箱である。屑収納部145は、パンチ機構140が用紙を穿孔する際に発生する切り屑がパンチ機構140から落下するので、その切り屑を収納する。
【0091】
パンチ機構140は、シートを穿孔する加工部であり、パンチ上部149と、対向板132aとを有する。パンチ上部149と対向板132aとは、シートの搬送経路を挟んで対向して配置される。パンチ上部149は、搬送経路よりも上方に配置され、対向板132aは搬送経路の下方に配置される。パンチ上部149は、先端にパンチ刃が形成された円筒形状の複数のパンチ軸141と、カム溝が形成されたカム板143と、カム板143を移動させる駆動機構と、を含む。複数のパンチ軸141それぞれは、軸心が一方向に平行な状態で、一方向に平行な方向に往復移動可能となるように設置される。本実施の形態においては、一方向は鉛直方向であり、4つのパンチ軸141が設置される。4つのパンチ軸141の構成はすべて同じである。パンチ軸141には、軸心に垂直な方向に延びる摺動部材が結合される。摺動部材は、円柱形状であり、摺動部材の回転対称軸がパンチ軸141の軸心に垂直である。
【0092】
カム板143は、パンチ軸141の軸心に平行な基準面を有する平板であり、基準面に垂直なカム溝が形成されている。摺動部材は、カム板143に形成されたカム溝に挿入される。駆動機構によってカム板143がパンチ軸141の軸心に平行な水平方向に沿って往復移動することにより、パンチ軸141に結合された摺動部材がカム溝内で摺動する。これにより、パンチ軸141が軸心と平行な方向に往復移動する。本実施の形態においては、パンチ軸141は、軸心が鉛直方向と平行な方向に往復移動する可動部である。また、パンチ軸141の下降に伴って、対向板132aが上昇し、シートを支え、パンチ軸141が対向板132aに形成された貫通穴142を貫通することにより、シートが穿孔される。
【0093】
上側誘導板131および下側誘導板132とは、上下方向で対向し、所定の間隙を隔てて配置される。上側誘導板131と下側誘導板132との間に、用紙が搬送される搬送経路の一部が形成される。上側誘導板131および下側誘導板132は、パンチユニット101の受入口102から排出口103まで延びる。上側誘導板131のパンチ軸141に対向する位置にパンチ軸141が進入可能な開口が形成されている。
【0094】
複数の規制部材110は、側面視でパンチ軸141よりも受入口102側で、所定の距離を隔ててY方向に並んで配置される。規制部材110は、軸受112を有し、軸受112が回転軸123に接続されることにより、回転軸123回りに回転可能に取り付けられる。回転軸123は、Y方向に平行となるようにパンチユニット101のフレームに固定される。
【0095】
図12は、規制部材およびその近傍を拡大して示す第2の断面図である。
図12において、規制部材110が第2姿勢の状態が示される。
図12を参照して、規制部材110が第2姿勢の場合、上側誘導板131と規制部材110の係止面117との間に用紙Pが通過できる間隙が形成される。このため、用紙Pは、矢印a1方向に向かって正逆ローラ対136まで搬送される。
【0096】
図13は、規制部材およびその近傍を拡大して示す第3の断面図である。
図13を参照して、用紙Pの後端が規制部材110を通過すると、規制部材110は用紙Pから力を受けなくなるので、自重により矢印a3方向に回転し、第1姿勢に戻る。
【0097】
正逆ローラ対136は、用紙Pが規制部材110を通過した後に逆回転し、用紙を矢印a2で示す方向に当接面113に当接するまで搬送する。規制部材110が第1姿勢の場合、規制部材110が搬送経路を塞いでいる。このため、用紙の先端は、上側誘導板131または下側誘導板132により誘導されて当接面113に当接する。これにより、用紙Pが位置決めされる。X方向における当接面113とパンチ軸141との間の距離は予め定められているので、用紙Pがパンチ軸141に対して位置決めされる。この状態で、パンチ軸141が下降する。
【0098】
図14は、規制部材およびその近傍を拡大して示す第4の断面図である。
図14を参照して、対向板132aが上昇することにより用紙を支えた状態で、パンチ軸141が下降し、用紙Pを貫通するとともに対向板132aに形成された貫通穴142を貫通する。これにより、用紙Pが穿孔され、切り屑が下方に落下する。
【0099】
第2の変形例におけるMFP1は、後処理装置100の上側誘導板131と下側誘導板132との間に形成される搬送経路中で、正逆ローラ対136と排出ローラ対137との間に検出部200Aが配置される。画像形成部3により画像が形成された用紙Pは、後処理装置100に受入口102から進入し、正逆ローラ対136に到達し、正逆ローラ対136により排出ローラ対137に向かって搬送される。この際に、用紙Pが検出部200Aを通過する間に、検出部200Aにより用紙Pの端部のY方向における位置が検出される。正逆ローラ対136が用紙Pを把持した状態で、逆回転することにより、用紙Pがパンチユニット101に向かって搬送される。この間に、パンチユニット101がY方向に移動することにより、パンチユニット101が用紙Pにパンチ穴を空ける位置が調整される。そして、用紙Pが規制部材110により位置決めされた状態で、パンチユニット101により穿孔が形成される。このように、用紙Pがパンチユニット101で位置決めされる前に、検出部200Aにより検出された用紙Pの端部のY方向における媒体位置に基づいて、パンチユニット101が穿孔する位置が調整される。
【0100】
第2の変形例においても上述した実施の形態と同様に、検出部200Aは、検出領域に用紙Pが存在しない状態で、特定素子を検出する。そして、特定素子の検出領域が用紙Pと重なる位置に、CIS201を移動させる。このため、検出部200Aは、CIS201に紙粉Dが付着する場合であっても、搬送経路を搬送される用紙PのY方向における端部の位置を正確に検出することができる。
【0101】
なお、第2の変形例においては、後処理の一例として、パンチ機構140を例に説明したが、後処理はこれに限定されない。後処理は、例えば、用紙Pにステープル針を打ち込むステープル処理、用紙Pを折り曲げる曲げ処理等を含んでもよい。
【0102】
<第3の変形例>
第2の変形例におけるMFP1は、後処理装置100において用紙PとCIS201との相対位置を定めるために、CIS201を移動させる。MFP1は、第1の変形例と同様に、CIS201を移動させるのに代えて、またはCIS201を移動させるとともに用紙PをY方向に移動させてもよい。
【0103】
<第4の変形例>
上述した実施の形態においては、CPU51は、印刷ジョブが複数ページを含む場合、搬送制御部61により複数の用紙Pが連続して搬送される。搬送制御部61は、連続して搬送される2つの用紙Pの間に所定の間隔を設けて搬送する。特定素子検出部73は、連続して搬送される先の用紙PがCIS201を通過してから次の用紙PがCIS201に到達するまでの間に特定素子を検出する。
【0104】
CPU51は、印刷ジョブが複数ページを含む場合、特定素子検出部73は、第1番目のページの用紙PがCIS201に到達する前に、特定素子を検出してもよい。この場合、第2番目以降のページの用紙PがCIS201を通過する前に特定素子を検出しなくてもよい。この場合は、第2番目以降のページの用紙Pに対して、第1番目のページの用紙PがCIS201に到達する前に検出された特定素子が有効とされる。
【0105】
<第5の変形例>
CIS201が、用紙Pの端部を検出するタイミングは、移動制御部67がモータ203を制御し、CIS201を移動させた後であればよい。特定素子検出部73は、用紙PがCIS201の検出領域を通過する前に特定素子の位置を検出し、移動制御部67がCIS201を移動させる。移動制御部67がCIS201を移動させている間に用紙PがCIS201の検出領域を通過する場合であっても、移動制御部67がCIS201を移動させた後に検出領域に用紙Pが存在すれば、CIS201が用紙Pの端部を検出することができる。
【0106】
<実施の形態の総括>
(項1) 搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向を向く検出領域を有する検出素子の複数を有し、複数の前記検出素子が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備えた記録媒体搬送装置。
【0107】
この局面に従えば、搬送方向に交わる第1の方向を向く検出領域を有する検出素子の複数を有するセンサーと記録媒体とが第2の方向に相対移動される。複数の検出素子は、搬送方向および第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列される。このため、センサーが有する複数の検出素子のうち任意の検出素子を、搬送経路を搬送方向に搬送される記録媒体の第2の方向における端部に対応させることができる。したがって、複数の検出素子のうち紙粉などが付着して検出領域における記録媒体の検出が不能となった検出素子とは別の検出素子を用いて記録媒体の第2の方向における端部を検出することができる。その結果、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な記録媒体搬送装置を提供することができる。
【0108】
(項2) 複数の前記検出領域に前記記録媒体が存在しない状態における複数の前記検出素子それぞれの出力に基づいて他の前記検出素子と出力が異なる前記検出素子を特定素子として特定素子を検出する特定素子検出部と、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定部と、をさらに備えた、項1に記載の記録媒体搬送装置。
【0109】
この局面に従えば、検出領域に記録媒体が存在しない状態における出力が他の検出素子と異なる特定素子が検出され、特定素子が検出されることに応じて、センサーと記録媒体との相対位置が決定される。このため、複数の検出素子のうち紙粉などが付着して検出領域における記録媒体の検出が不能となった検出素子とは別の検出素子を用いて記録媒体の第2の方向における端部を検出することができる。
【0110】
(項3) 前記相対位置決定部は、前記特定素子が前記搬送経路を搬送される前記記録媒体と前記第1の方向で重なる位置を前記相対位置に決定する、項2に記載の記録媒体搬送装置。
【0111】
この局面に従えば、特定素子が搬送経路を搬送される記録媒体と第1の方向で重なる位置が相対位置に決定される。特定素子の出力は、複数の検出素子のうち記録媒体と第1の方向で重なる検出素子の出力に近似し、複数の検出素子のうち記録媒体と第1の方向で重ならない検出素子の出力と異なる。特定素子が搬送経路を搬送される記録媒体と第1の方向で重なるので、特定素子を、検出素子のうち記録媒体と第1の方向で重なる検出素子の集合に含めることができる。このため、複数の検出素子のうち特定素子とは別の他の複数の検出素子は、記録媒体と第1の方向で重なる検出素子の集合と、記録媒体と第1の方向で重ならない検出素子の集合とに分離することができる。そして2つの集合の境界を、記録媒体の第2の方向における端部として検出することができる。
【0112】
(項4) 前記相対位置決定部は、前記特定素子検出部により前記特定素子の複数が検出される場合、複数の前記特定素子のすべてが前記搬送経路を搬送される前記記録媒体と前記第1の方向で重なる位置を前記相対位置に決定する、項2または3に記載の記録媒体搬送装置。
【0113】
この局面に従えば、特定素子の複数のすべてが搬送経路を搬送される記録媒体と第1の方向で重なる位置が相対位置に決定される。複数の特定素子の間に位置する検出素子が、記録媒体と第1の方向で重なる位置となる。このため、複数の検出素子のうち複数の特定素子および複数の特定素子の間に位置する検出素子とは別の他の複数の検出素子は、記録媒体と第1の方向で重なる検出素子の集合と、記録媒体と第1の方向で重ならない検出素子の集合とに分離することができる。そして、2つの集合の境界を、記録媒体の第2の方向における端部として検出することができる。
【0114】
(項5) 複数の前記検出素子を清掃する清掃部と、
前記相対位置決定部により決定された前記相対位置に前記移動制御部が前記センサーと前記記録媒体とを相対移動させることができない場合、前記清掃部に複数の前記検出素子を清掃させる清掃制御部と、をさらに備えた、項2~4のいずれかに記載の記録媒体搬送装置。
【0115】
この局面に従えば、センサーと記録媒体とを、決定された相対位置に相対移動させることができない場合、複数の検出素子が清掃される。このため、清掃回数を減少することができる。
【0116】
(項6) 前記相対位置決定部は、前記搬送部により複数の前記記録媒体が連続して搬送される場合、複数の前記記録媒体それぞれが前記検出領域に進入する前、または第1番目の前記記録媒体が前記検出領域に進入する前に、前記相対位置を決定する、項2~5のいずれかに記載の記録媒体搬送装置。
【0117】
この局面に従えば、連続する複数の記録媒体それぞれが検出領域に進入する前に相対位置が決定されるので、特定素子を正確に検出することができる。このため、複数の記録媒体ごとに記録媒体の第2の方向における端部を検出することができる。また、連続して搬送される複数の記録媒体の第2の方向の長さが同一の場合は、連続して搬送される複数の記録媒体の第2の方向における端部の位置は近似する。このため、第1番目の前記記録媒体の第2の方向における端部を検出することにより、センサーおよび記録媒体を相対移動する回数を減少させることができる。
【0118】
(項7) 前記移動制御部による前記センサーと前記記録媒体との前記相対位置への移動が完了した後における前記センサーの出力に基づいて、前記搬送経路を搬送される前記記録媒体の前記第2の方向における媒体位置を検出する搬送位置検出部を、さらに備えた、項2~6のいずれかに記載の記録媒体搬送装置。
【0119】
この局面に従えば、センサーと記録媒体との相対位置への移動が完了した後におけるセンサーの出力に基づいて、搬送経路を搬送される記録媒体の第2の方向における媒体位が検出される。このため、記録媒体の第2の方向における端部を正確に検出することができる。
【0120】
(項8) 項7に記載の記録媒体搬送装置と、
前記搬送部により搬送される前記記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備え、
前記画像形成部は、前記媒体位置に基づいて、前記記録媒体に形成する画像の位置を決定する、画像形成装置。
【0121】
この局面にしたがえば、媒体位置に基づいて、記録媒体に形成する画像の位置が決定されるので、記録媒体の適切な位置に画像を形成することが可能な画像形成装置を提供することができる。
【0122】
(項9) 項7に記載の記録媒体搬送装置と、
前記搬送部により搬送される前記記録媒体を処理する後処理部と、を備え、
前記後処理部は、前記媒体位置に基づいて、前記記録媒体を処理する位置を決定する、後処理装置。
【0123】
この局面にしたがえば、媒体位置に基づいて、記録媒体を処理する位置決定されるので、記録媒体を適切な位置で処理することが可能な後処理装置を提供することができる。
【0124】
(項10) 記録媒体搬送装置で実行される搬送制御方法であって、
前記記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、
複数の前記検出素子のうちから他の前記検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、を含む搬送制御方法。
【0125】
この局面に従えば、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な搬送制御方法を提供することができる。
【0126】
(項11) 記録媒体搬送装置を制御するコンピューターで実行される搬送制御プログラムであって、
前記記録媒体搬送装置は、搬送経路に沿って記録媒体を搬送方向に搬送する搬送部と、
第1の方向に延びる検出領域を有する検出素子の複数が前記搬送方向および前記第1の方向にそれぞれ交差する第2の方向に配列されたセンサーと、
前記センサーと前記記録媒体とを前記第2の方向に相対移動させる移動制御部と、を備え、
複数の前記検出素子のうちから他の前記検出素子と出力が異なる特定素子を検出する特定素子検出ステップと、
前記特定素子が検出されることに応じて、前記センサーと前記記録媒体との相対位置を決定する相対位置決定ステップと、を前記コンピューターに実行させる搬送制御プログラム。
【0127】
この局面に従えば、搬送経路を搬送される記録媒体の位置を正確に検出することが可能な搬送制御プログラムを提供することができる。
【0128】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0129】
1 MFP、2 原稿読取部、3 画像形成部、4 給紙部、5 操作パネル、20Y,20M,20C,20K 画像形成ユニット、30 中間転写ベルト、31 タイミングローラ、31A 副ローラ、35,35A,35C 給紙カセット、36,36A 取出ローラ、37 給紙ローラ、39 搬送経路、50 メイン回路、51 CPU、52 通信I/F部、53 ROM、54 RAM、55 HDD、56 ファクシミリ部、58 外部記憶装置、59 CD-ROM、61 搬送制御部、63 搬送位置通知部、65 センサー制御部、67 移動制御部、69 搬送位置検出部、71 清掃制御部、73 特定素子検出部、75 相対位置決定部、100 後処理装置、101 パンチユニット、200,200A 検出部、202 光電変換素子、203 モータ、205 ポジションセンサ、207 清掃部、211 駆動モータ、212 駆動ギア、213 揺動モータ、214 主ローラ軸、214A 副ローラ軸、215 ラック、216 軸受部、D 紙粉、P 用紙。