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  • 特開-メタンガス発生装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016637
(43)【公開日】2025-02-04
(54)【発明の名称】メタンガス発生装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/60 20220101AFI20250128BHJP
   C02F 11/10 20060101ALI20250128BHJP
【FI】
B09B3/60 ZAB
C02F11/10 Z
B09B3/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024191199
(22)【出願日】2024-10-12
(71)【出願人】
【識別番号】516015462
【氏名又は名称】有限会社ジャパンガスセパレーション
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 晴生
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生ごみと屎尿及び下水汚泥物の混合体を効率良くメタン発酵させる小型・高性能のメタン発酵装置を提供する。
【解決手段】小型で生ごみの貯槽を地上に設置、生ごみの量を基準に適切な屎尿・下水汚泥物との混合体をメタン発酵させる高性能のメタン発酵装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が四角形又は円筒形で底部の形状がそれぞれに上部形状に合うように細く絞られタンク頂部の内部の監視用カメラおよびタンクの側面に複数の加振機を設け地上に設地された生ごみ貯留槽を有し更に機械的に可動する複数のベルトコンベア、破砕機や選別機を有するごみ、屎尿及び下水汚泥を原料としてメタン発酵後の残渣を脱水・乾燥後炭化しボイラ燃料として利用するとするメタンガス発生装置。
【請求項2】
請求項1の生ごみの量とメタン発酵に最適な量の屎尿及び下水汚泥の量、および水を混合槽内で機械的に充分攪拌した後に、これ等をメタン発酵槽に供給することを特徴とするメタンガス発生装置。
【請求項3】
請願項1の区分毎のコンベア及び粉砕機、選別機を各複数台設置することを特長とする請求項1乃至請求項2のメタンガス発生装置。
【請求項4】
請求項1、2、3を満足するメタンガス発生装置の設地先を既設の下水場等に併設とするメタンガス発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は都市の施設で生ごみに屎尿及び下水汚泥の量を添加してメタン発酵を行う方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、我が国の家庭、一般廃棄物の大部分はごみ焼却施設で焼却されて多量の地球温暖化ガスを排出おり1992年”地球サミットに於いて地球温暖化防止ために温室化ガスの発散防止が地球規模で取組む国際条約が締結されて、生ごみを焼却することなくメタン発酵させて燃料利用して温暖化ガスの発散防止を図ることが求められ国の指導の下で主に地方都市で生ごみ利用のバイオプラントが事業化されている。この方法は広大な土地と資金を要し大都市圏の小都市には装置設地の土地の確保や資金の問題で実行が困難な面もある。
【0003】
従来から使用されている地下ピット式のごみ貯留槽はサイズが大で高価であり、特許文献1のごみ貯留槽は地上設地タイプでは新規性が有るが、槽内部に複数のゴミ拡散装置が設けられる等複雑で低コストされていない。
【0004】
特許文献2の膜分離法はメタン発酵に残る消化液の処理方法として中間処理で、更に膜の目詰まりや、その後なお濃縮液が残り工程が煩雑で適用が困難である。
【先行文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-83716,
【特許文献2】特開2019-177332、
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
生ごみは春から夏に増える季節変動や地域によっても生ごみの中身が異なる。量的には生ごみが圧倒的に多く屎尿及び下水汚泥は生ごみより少ないが生ごみだけでは発酵菌の栄養となるものが少なく、ミネラル分が不足で発酵速度が遅くなり適量の屎尿、下水汚泥を加えて発酵を促すことが適切である。ゴミ処理作業は市町村が担当しており迅速で安定したメタン発酵や付随する消化水の排水処理等が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はごみ貯留槽を地上に設地して,ごみ貯留槽本体内のごみをこの内部頂部に監視カメラでごみ貯槽槽内を監視してごみ貯留槽の内面への付着、ごみ同士によるブロッキングやブリッジの発生を監視して必要に応じて貯留槽の外板に設けた加振器で板面を加振して生ごみの付着やごみ同士ブリッジ等のトラブルの防止を図り生ごみの貯留量が従来から慣例化している7日分を1~2日分に減らしてごみ貯留槽を小型化した。
【0008】
生ごみ、屎尿及び下水汚泥物の混合物(以降は混合物と称する。)の発酵は生ごみ単体の発酵より以下の点で優れている。
1, 適量の混合物を生ごみに加えるとメタン発酵時間が短縮化して生産性が向上する。
2, 生ごみと混合物、水を混合槽で十分機械的に攪拌後発酵槽に供給することで発酵が安定し発酵時間が短縮出来た。
3, メタン発酵残渣を脱水・乾燥してボイラ燃料として使用し発生した蒸気で発酵槽の加熱源として回収を行い温暖化ガスの発散防止が図れる。
【発明の効果】
【0009】
本発明でごみ貯留槽を地上に設地し破砕機等を複数設地することで大幅に小型化し、更に生ごみに混合物に水を加え混合槽内で機械的に混合後発酵槽内で発酵させ短期の発酵を可能とした。ごみ貯留槽の小型化とメタン発酵の短縮化が小型で高性能のメタン発酵装置を発明した。
【0010】
メタン発酵槽後に残る残渣を脱水、乾燥後ボイラの燃料として使用してメタン発酵槽を加熱することで温暖化ガス発散防止に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】メタンガス発生装置のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実地形態について図1に基づいて説明する。生ごみ5は家庭、食品工場等からごみ収集車2a,-b,-cによって集められリフト1に乗り架台3の上でごみ貯留槽4aの中へ供給される。扉4cが開くとエヤーカーテン4dの作用で悪臭の漏れが防止される。吸着装置7は活性炭とブロワー組合せで悪臭を吸着、漏洩防止する。監視カメラ6でごみ貯留槽4a内を監視してゴミ5のごみ貯留槽4a内の生ごみ5同士のブリッジ、ごみ貯留槽4aの角等に付着が発生時は加振器8a,8bを作動させて、これらを落下させる。その他、ごみ貯留槽4a、ベルトコンベヤ9a,-b,-c内を等の内を陰圧とし悪臭漏洩防止が図れる。
【0013】
一般に屎尿及び下水汚泥は生ごみに比べて量的にもは少なくメタン発酵量も少ないが発酵に必要な微量元素Fe,Co,Ni等を含みメタンガス発酵を早め生ごみの発酵に有効である。生ごみへの混合体の添加率は概ね5~10%程度が上限となり適量を混合して加える。
【0014】
ベルトコンベヤ9dに物量発信器19を取付けて常時、選別後の生ごみ5を基準として最適な量の屎尿及び下水汚泥の混合量とする。更に適量の水を加え、その混合物を先ず混合槽の攪拌翼20で充分攪拌後メタン発酵槽26に供給して発酵の短縮化、安定化を図れる。
【0015】
このように生ごみに混合物を加えて人口的にメタン発酵させると発酵日数は発酵温度を中温(35℃)、高温(50℃)と選定した場合タン生成速度は高温が中温より高くなる。更に生ごみの固形分に対して液状の(屎尿+下水汚泥)の量を増やすとメタンガス生成速度が上昇する反面、PHの上昇,アンモニア性窒素の発生が急激に増える。
【0016】
生ごみに加える混合物の割合を増やしてもメタンの発生量は大間かには10%程度が上限となる。
【0017】
当方法で発酵させたメタンガスの硫化水素濃度は1000ppmを超えて一搬的な200~800ppmに比べて高くなる。硫化水素の大気濃度は法的に10ppm以下とされているので次の方法で脱硫器27で吸収して除害する必要がある。
2~3%の炭酸又は水酸化ナトトリウムに硫化水素を吸収させる。
; 除去率はほゞ100%となり無害な塩に変わる。
【0018】
地上設地の小型ごみ貯留槽と発酵率の高いメタンガス発酵速度の発明が商品化して小型、高性能のメタンガス発酵装置の組み合わせで小都市の狭い設地先でも生ごみを燃焼することなくメタンガスへ発酵させることを可能とした。
【0019】
メタンガス発生装置を下水場等に併設することで以下のメリットが形成される。
(1) 下水場の再生水は脱硫器の硫化水素の吸収液等に利用できる。
(2) 悪臭漏洩時、悪臭は下水場の内で濃度低下する。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明のメタンガス発生装置を都市化して広い新たな設地場所の入手が困難とされている場合に狭い場所で生ゴミを焼却することなくメタンで回収できる。
【符号の説明】
【0021】
添付図 図1について、
1 ごみ収集車用リフト
2a ごみ収集車(ごみ満載)
2b ごみ収集車(ごみ満載時)
2c ごみ収集車(ごみ投入時)
3 架台
4a ごみ貯留槽(本体)
4b ごみ投入口扉(閉鎖時)
4c 投入口扉(ごみ投入時を示す。)
4d エヤーカーテン(臭気の漏洩防止為の空気噴流)
5 生ごみ(選別前)
6 監視カメラ
7 臭気吸着器(活性炭と送気ファンの組み合せで悪臭漏洩を防止する。)
8a,8b 加振機
9a,-b,-c,-d ベルトコンベヤ(内9dは生ごみの重量計測用モニター付とする。)
10 ごみ一時貯留槽1
11 破砕機
12 破砕機防音カバー
13 ごみ中間貯留槽2
14 選別機
15 選別機カバー
13 ごみ一時貯留槽2
14 選別機
15 選別機カバー
16 生ごみ(選別後)
17 生ごみ以外のごみ(選別後、混入したプラスチック等)
18 ごみ集荷トラック
19 ロードセル(発信器)
20 混合槽(内部に混合翼を有する。)
21 屎尿収集車
22 下水汚泥(管路で供給される。)
23 屎尿・下水汚泥ろ過器
24 一時的屎尿・下水汚泥混合貯留槽
25 屎尿・下水汚泥流量計
26 発酵槽
27 脱硫器
28 メタンガスタンク
29 メタンガス(製品)
30 処理水
31 脱水機(機械的)
32 乾燥器
33 バガス
図1