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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025167630
(43)【公開日】2025-11-07
(54)【発明の名称】文具用ケース
(51)【国際特許分類】
   B43K 19/14 20060101AFI20251030BHJP
   B65D 83/02 20060101ALI20251030BHJP
【FI】
B43K19/14
B65D83/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072450
(22)【出願日】2024-04-26
(71)【出願人】
【識別番号】000134589
【氏名又は名称】株式会社トンボ鉛筆
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】川合 健斗
(57)【要約】
【課題】キャップの開動作に対して、内ケースの上昇移動のタイミングを調整可能な文具用ケースを提供する。
【解決手段】文具用ケース1は、文具Sを取り出し可能な開口部15が設けられた外ケース10と、外ケース10の開口部15を開閉可能なキャップ20と、外ケース10の内側に配置され、文具Sを収容可能な内ケース30と、キャップ20に設けられた支軸252と、外ケース10に設けられ、支軸252と係合する軸孔16と、を備え、キャップ20は、外ケース10の開口部15を閉じた閉位置と全開した全開位置との間を、支軸252を中心として回転可能で、キャップ20が閉位置から全開位置へと開く方向に回転する際、キャップ20の回転領域は、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させる上昇駆動領域Bと、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させない非上昇駆動領域とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文具を取り出し可能な開口部が設けられた外ケースと、
前記外ケースの前記開口部を開閉可能なキャップと、
前記外ケースの内側に配置され、前記文具を収容可能な内ケースと、
前記キャップ又は前記外ケースのいずれか一方に設けられた支軸と、
前記キャップ又は前記外ケースのいずれか他方に設けられ、前記支軸と係合する軸孔と、を備え、
前記キャップは、前記外ケースの前記開口部を閉じた閉位置と全開した全開位置との間を、前記支軸を中心として回転可能で、
前記キャップが前記閉位置から前記全開位置へと開く方向に回転する際、
前記キャップの回転領域は、
前記キャップの開方向回転に伴って前記内ケースを上昇させる上昇駆動領域と、
前記キャップの前記開方向回転に伴って前記内ケースを上昇させない非上昇駆動領域とを含む、
文具用ケース。
【請求項2】
前記回転領域における、
前記閉位置から、前記閉位置と前記全開位置との間の所定の途中位置までが、前記非上昇駆動領域で、
前記途中位置から前記全開位置までが、前記上昇駆動領域である、
請求項1に記載の文具用ケース。
【請求項3】
前記キャップ又は前記内ケースのいずれか一方に第1係合部が設けられ、他方に前記第1係合部と係合する第1被係合部が設けられ、
前記第1係合部と前記第1被係合部とは、
前記上昇駆動領域において当接して係合状態となり、前記非上昇駆動領域において当接せず非係合状態となる、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項4】
前記キャップが前記全開位置から前記閉位置へと閉じる方向に回転する際、
前記キャップの回転領域は、
前記キャップの閉方向回転に伴って前記内ケースを下降させる下降駆動領域を含み、
前記下降駆動領域は、前記全開位置から開始する、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項5】
前記キャップが前記閉位置にある際に、前記キャップの回転を規制するロック機構を備える、
請求項1又は請求項2に記載の文具用ケース。
【請求項6】
前記ロック機構は、
前記軸孔に設けられた規制凸部と、
前記支軸に設けられた、前記規制凸部と係合する規制凹部と、を有し、
前記支軸は、前記軸孔内において第1位置と第2位置との間を移動可能で、
前記支軸が前記第1位置にあるとき、前記規制凸部は前記規制凹部と係合状態となることで前記キャップの回転を規制し、
前記支軸が前記第2位置にあるとき、前記規制凸部は前記規制凹部と非係合状態となることで前記キャップを回転可能とする第1ロック機構を備える、
請求項5に記載の文具用ケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文具用ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シャープペンシルの替芯を収納する替芯ケース等の文具用ケースとして、以下のようなものがある。
【0003】
キャップにピニオンを形成し、摺動体にラックを形成し、摺動体が上昇する時に、キャップも上方に移動しかつ回動して芯出口を開くとともに摺動体の底面に押された替芯が本体の上端より突出する替芯ケース(特許文献1)。
【0004】
収容筒より容器本体に突出する突起部の摺動に伴って、収容筒のピンがキャップの長孔内で摺動し、これによってキャップが開閉自在となるシャープペンシル芯用容器(特許文献2)。特許文献2のシャープペンシル芯用容器において、キャップは支点を中心として開放方向に回動し、収容筒の前進とキャップの開放により、使用者は収容筒内の替芯を取り出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-212422号公報
【特許文献2】実開平07-017584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの替芯ケース又はシャープペンシル芯用容器等の文具用ケースは、キャップの開動作に連動して、内ケースである摺動体又は収容筒が常に上昇する。ゆえに、キャップを開けると同時に芯が突出し、芯が指と接触して指が汚れるなどの問題があった。
【0007】
本発明は、キャップの開動作に対して、内ケースの上昇移動のタイミングを調整可能な文具用ケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下のものを提供する。
文具を取り出し可能な開口部が設けられた外ケースと、前記外ケースの前記開口部を開閉可能なキャップと、前記外ケースの内側に配置され、前記文具を収容可能な内ケースと、前記キャップ又は前記外ケースのいずれか一方に設けられた支軸と、前記キャップ又は前記外ケースのいずれか他方に設けられ、前記支軸と係合する軸孔と、を備え、前記キャップは、前記外ケースの前記開口部を閉じた閉位置と全開した全開位置との間を、前記支軸を中心として回転可能で、前記キャップが前記閉位置から前記全開位置へと開く方向に回転する際、前記キャップの回転領域は、前記キャップの開方向回転に伴って前記内ケースを上昇させる上昇駆動領域と、前記キャップの前記開方向回転に伴って前記内ケースを上昇させない非上昇駆動領域とを含む、文具用ケース。
【0009】
前記回転領域における、前記閉位置から、前記閉位置と前記全開位置との間の所定の途中位置までが、前記非上昇駆動領域で、前記途中位置から前記全開位置までが、前記上昇駆動領域であってもよい。
【0010】
前記キャップ又は前記内ケースのいずれか一方に第1係合部が設けられ、他方に前記第1係合部と係合する第1被係合部が設けられ、前記第1係合部と前記第1被係合部とは、前記上昇駆動領域において当接して係合状態となり、前記非上昇駆動領域において当接せず非係合状態となってもよい。
【0011】
前記キャップが前記全開位置から前記閉位置へと閉じる方向に回転する際、前記キャップの回転領域は、前記キャップの閉方向回転に伴って前記内ケースを下降させる下降駆動領域を含み、前記下降駆動領域は、前記全開位置から開始してもよい。
【0012】
前記キャップが前記閉位置にある際に、前記キャップの回転を規制するロック機構を備えてもよい。
【0013】
前記ロック機構は、前記軸孔に設けられた規制凸部と、前記支軸に設けられた、前記規制凸部と係合する規制凹部と、を有し、前記支軸は、前記軸孔内において第1位置と第2位置との間を移動可能で、前記支軸が前記第1位置にあるとき、前記規制凸部は前記規制凹部と係合状態となることで前記キャップの回転を規制し、前記支軸が前記第2位置にあるとき、前記規制凸部は前記規制凹部と非係合状態となることで前記キャップを回転可能とする第1ロック機構を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、キャップの開動作に対して、内ケースの上昇移動のタイミングを調整可能な文具用ケースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】文具用ケース1の斜視図である。
図2】外ケース10を透視した文具用ケース1の斜視図である。
図3】外ケース10を、左右方向の中央において、上下及び前後に延びる断面で切断した断面斜視図である。
図4】キャップ20の斜視図である。
図5】内ケース30を前側且つ下側から見た斜視図である。
図6】内ケース30の後側且つ上側から見た斜視図である。
図7】文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20が閉じて第1ロック機構50及び第2ロック機構40によりキャップ20がロックされた状態を示す。
図8】文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20が閉じているが第1ロック機構50及び第2ロック機構40によるキャップ20のロックが解除された状態を示す。
図9】文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20の開動作中における、閉位置と全開位置との間の途中位置にある状態を示す。
図10図9の状態の文具用ケース1を斜め後側から見た図である。
図11】文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20の全開位置を示す。
図12】文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20の閉動作中における、閉位置と全開位置との間の途中位置にある状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(文具用ケース1)
以下、本発明の実施形態の文具用ケース1について説明する。図1は文具用ケース1の斜視図である。文具用ケース1は、外ケース10と、キャップ20と、外ケース10の内部に配置された内ケース30と、を備える。図2は、図1で示した文具用ケース1において、外ケース10を透視した状態を示した図であり、文具の一例として複数本のシャープペンシル用の芯Sが収容された状態を示す。
【0017】
以下の説明において、文具用ケース1の長手方向における、キャップ20が取り付けられている側を上、他側を下とし、上下側向と直交する方向で、キャップ20が開く側を前、他側を後とし、上下側向及び前後方向と直交する方向において、前から見たときの左側を左、右側を右、として説明する。
【0018】
図3は外ケース10を、左右方向の中央において、上下及び前後に延びる断面で切断した断面斜視図である。図4はキャップ20の斜視図であり、図示する前後方向は、キャップ20が閉じた状態での前後方向である。図5は、内ケース30を前側且つ下側から見た斜視図である。図6は、内ケース30の後側且つ上側から見た斜視図である。
【0019】
(外ケース10)
外ケース10は、外ケース前板11、外ケース後板12、2枚の外ケース側板13及び、外ケース底板14を備える。左右に配置された2枚の外ケース側板13の前側に外ケース前板11、後側に外ケース後板12が配置され、外ケース前板11、外ケース後板12及び2枚の外ケース側板13により、上下に延びる角筒が形成されている。角筒の下端よりもやや上側に、外ケース底板14が配置されている。外ケース10は、上下側向と直交する横断面形状が略長方形の有底角筒部材である。ただし、外ケース10の上下側向と直交する横断面形状は、長方形でなくてもよく、正方形、四角形以外の多角形、又は円形でもよい。
【0020】
外ケース10の上端は開口し、芯Sが出し入れ可能な開口部15が形成されている。外ケース前板11は、上下側向において外ケース後板12より長い。2枚の外ケース側板13は、それぞれ、上辺が斜めの四角形(台形)である。2枚の外ケース側板13の上辺は、外ケース後板12の上端と外ケース前板11の上端とを結び、後から前に向かって上側に向かう斜めの直線となっている。すなわち、開口部15は、前側が上、後が下となるように斜めに開口している。
【0021】
(第1ロック機構50:外ケース10側)
図7は、文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20が閉じて第1ロック機構50及び第2ロック機構40によりキャップ20がロックされた状態を示す。図7において内部の部材を点線で示すが、上端部は一部切り欠いて断面で示す。
【0022】
2枚の外ケース側板13それぞれの上側且つ後側には、軸孔16が形成されている。軸孔16は、略円形の上軸孔16Aと、下を向いたC字状の下軸孔16Bとが一部重なった形状である。C字状の下軸孔16Bの外側の輪郭は、円形の上軸孔16Aの輪郭と略同じ形状であるので、全体として軸孔16は、2つの円形の孔が上下に一部重なるように配置された形状である。ただし、これに限定されず、2つの軸孔は、例えば左右等の上下以外の方向に重なった形状であってもよい。
【0023】
下軸孔16BがC字状であるため、下軸孔16Bの下側には、上側に向かって凸となった規制凸部161が形成されている。規制凸部161の最も突出した部分は、上軸孔16Aの外側の円周よりも内側に侵入せず、且つ上軸孔16Aの円周上に略接する高さである。軸孔16及び規制凸部161は、後述するキャップ20の支軸252及び規制凹部253と合わせて、第1ロック機構50を構成する。
【0024】
(第2ロック機構40:外ケース10側)
外ケース前板11の上端縁には、左右に延びる外ケース凹条溝111が形成されている。また外ケース凹条溝111の上側には、左右に延びる外ケース凸条部112が形成されている。外ケース凹条溝111及び外ケース凸条部112は、後述するキャップ20のキャップ凸条部211と合わせて第2ロック機構40を構成する。
【0025】
外ケース凹条溝111及び外ケース凸条部112は、外ケース前板11の上端縁に形成されているため、例えば外ケース10の内面に形成する場合と比べて、成形性がよい金型で製造することができる。
【0026】
図8は、図7と同様に文具用ケース1の上側面図であり、図7のキャップ20が閉じた状態から第1ロック機構50及び第2ロック機構40によるキャップ20のロックが解除された状態を示す。図8においても図7と同様に内部の部材を点線で示すが、上端部は一部切り欠いて断面で示す。図9は、図7と同様に文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20の開動作中における、閉位置と全開位置との間の途中位置での状態を示す。図10は、図9の状態の文具用ケース1を斜め後側から見た図である。
【0027】
図10に示すように、外ケース側板13の上斜辺には、外ケース段部131が形成されている。
【0028】
図3及び図10に示すように、外ケース後板12の上部には、上縁から下側向かって切り欠かれた2本のスリット121が形成されている(図3には1本のみ図示)。
【0029】
(キャップ20)
キャップ20は、外ケース10に対して回転することにより開口部15を開閉可能であるとともに、内ケース30を上下動させて芯Sを出没させる操作部でもある。以後、キャップ20の説明において、キャップ20が閉じた状態にあるか開いた状態であるかにかかわらず、開口部15を閉じた状態でのキャップ20における前後上下方向を、キャップ20の前後上下方向として説明する。
【0030】
キャップ20は、キャップ上板21と、2枚のキャップ側板23と、キャップ後板24と、キャップ後板24の内面の左右2か所から下側に延びる2枚のキャップ駆動板25と、を備える。
【0031】
2枚のキャップ側板23は、それぞれ三角形の板部材である。図11は、図7と同様に文具用ケース1の上側面図であり、キャップ20の全開位置を示す。2枚のキャップ側板23をそれぞれ三角形とすることで、図11に示すようにキャップ20を全開にした際に、芯Sをつまみやすくすることができる。なお、実施形態では2枚のキャップ側板23をそれぞれ三角形とすることで、キャップ20の側方(左右方向)から見た形状は三角形となるが、これに限定されず、四角形等の他の形状であってもよい。
【0032】
図4に示すように、2枚のキャップ側板23の斜めに延びる下辺のそれぞれの左右方向外側の縁部には、キャップ段部231が形成されている。
【0033】
2枚のキャップ駆動板25は、キャップ後板24の内面の下側における左右2か所から、下側に延びる2枚の板部材である。2枚のキャップ駆動板25は、互いに平行に延びる2枚のキャップ側板23の間から、キャップ側板23と平行且つ下側に向かって延びている。
【0034】
キャップ駆動板25は、図7に示すキャップ20が閉じた状態で、上側且つ前側となる上辺25aと、上辺25aの下側且つ前側となる湾曲辺25bと、湾曲辺25bから後側に延びる下辺25cと、下辺25cの後端に形成された下降用カム254と、下降用カム254の後端から上側に延びる後辺25dと、後辺25dの上において後側に突出した後凸部256とを有する。
【0035】
上辺25aは、図7に示すように、キャップ20が閉じた状態で、外ケース10における外ケース段部131が形成された上斜辺と略直交している。上辺25aは、図11に示すように、キャップ20が閉位置から約90°回転して全開位置となると、外ケース段部131と平行となるが、外ケース段部131の上縁辺と略重なり、外ケース10の外側に突出しない。
【0036】
(第1ロック機構50:キャップ20側)
2枚のキャップ駆動板25の左右方向の外面における、後凸部256の前側(キャップ駆動板25における中央よりも上側且つ後側)の、キャップ側板23と重ならない位置に、支軸252が立設されている。支軸252は、断面が下向きC字型の凸部であり、C字型であるゆえに下側に規制凹部253が形成される。支軸252及び規制凹部253は、外ケース10の軸孔16及び規制凸部161とともに、第1ロック機構50を構成する。
【0037】
規制凹部253は、四角形の角部が丸くなったような形状である。一方、規制凸部161も規制凹部253に対応した四角形の角部が丸くなったような形状であり、規制凸部161は規制凹部253内に嵌合可能である。ただしこれに限定されず、下軸孔16Bの下部に形成された規制凸部161の凸形状は、上軸孔16Aの円周内の領域には侵入せず、かつ上軸孔16Aの円周上に略接する高さであれば、実施形態以外の、例えば三角形状等の他の形状であってもよい。規制凹部の凹形状も規制凸部が嵌合可能な形状であればよい。
【0038】
図7に示すように支軸252が、外ケース10の軸孔16の下軸孔16Bに位置するとき、支軸252の規制凹部253は、外ケース10の下軸孔16Bの規制凸部161と嵌合する。これによりキャップ20は外ケース10に対して回転不能(回転がロックされた状態)となり、キャップ20の外ケース10に対する回転が規制される。
【0039】
図8に示すように支軸252が、外ケース10の軸孔16の上軸孔16Aに移動すると、支軸252は上軸孔16A内において回転可能となる。そして、上述したように、規制凸部161の最も突出した部分は、上軸孔16Aの円周内の領域には侵入せず、かつ上軸孔16Aの円周上に略接する高さである。したがって、支軸252が、規制凹部253が真下を向いた状態から回転した図9図11の状態になると、規制凸部161が、支軸252の規制凹部253以外の外面と接し、支軸252の下側への移動が規制される。
【0040】
(第2ロック機構40:キャップ20側)
キャップ上板21の前端下面には、左右方向に所定長さで延びるキャップ凸条部211が形成されている。キャップ凸条部211は、外ケース凹条溝111及び外ケース凸条部112と合わせて第2ロック機構40を構成する。図8に示すようにキャップ20が閉じた状態で、さらにキャップ20を下側に押すと、図7に示すように、キャップ凸条部211は、外ケース凸条部112を乗り越えて、外ケース凹条溝111に嵌合する。これにより、キャップ20が外ケース10に対してロックされ、キャップ20が不用意に開くことが防止される。
【0041】
本実施形態によると、支軸252から最も離れて、外ケース10に対するがたつきが生じやすいキャップ20の前端に設けられたキャップ凸条部211において、キャップ20が外ケース10とロックされる。したがって、ロック時においてキャップ20の外ケース10に対するがたつきの防止効果が高い。また、このように第2ロック機構40ではキャップ20と外ケース10とが直接嵌合し、内ケース30を介在しないので、寸法公差やガタツキ等による嵌合のムラをなるべく避けることができ、品質管理がしやすい。
【0042】
(上昇駆動機構60:キャップ20側)
2枚のキャップ駆動板25の互いに対向する内面における、湾曲辺25bの内側に、左右方向に突出した凸部である上昇用カム251が形成されている。上昇用カム251(第1係合部)は、後述する内ケース30における側面開口331の内周の側面開口上辺331a(第1被係合部)と合わせて上昇駆動機構60を構成する。
【0043】
キャップ20の開動作における支軸252を中心としたキャップ20の回転動作により、上昇用カム251も支軸252を中心として回転して上側に移動する。そうすると、上昇用カム251は側面開口上辺331aと当接して側面開口上辺331aを持ち上げ、これにより内ケース30及び芯Sが上昇移動する。上昇用カム251は、支軸252から離れたキャップ駆動板25における前側且つ下側に配置されているため、支軸252の回転角度に対応した内ケース30及び芯Sの持ち上がり量が大きい。ゆえに、芯Sを外ケース10の開口部15から大きく突出させることができ、芯Sがつまみやすい。
【0044】
(下降駆動機構70:キャップ20側)
下降用カム254は、上昇用カム251よりもそれぞれ左右方向の外側に位置する2枚のキャップ駆動板25それぞれの下辺25cの後端、すなわちキャップ駆動板25の外周における下側且つ後側に形成されている。下降用カム254は、後述する内ケース30におけるカム当接段部332と合わせて下降駆動機構70を構成する。つまり、下降駆動機構70は、それぞれ上昇駆動機構60の左右方向の外側の位置に構成されている。下降用カム254は、カム当接段部332と当接し、キャップ20閉動作時における支軸252を中心としたキャップ20の回転動作を、内ケース30及び芯Sの下降移動に変換する。
【0045】
後凸部256は、2枚のキャップ駆動板25それぞれにおける支軸252の後側の縁辺に形成されている。後凸部256は、外ケース後板12の上部において上縁から下側向かって切り欠かれた2本のスリット121内において回動可能である。
【0046】
後凸部256の外面の、後側且つ上側であり且つキャップ側板23と重ならない位置に、保持凸部255が形成されている。保持凸部255は、キャップ20が閉位置から開状態に移動する際に、全開となる直前まで外ケース側板13と重ならないが、キャップ20が全開になると、外ケース側板13の内側に入り込み、スリット121の左右方向の外側の内面に設けられた係合突起122(図10)を乗り越え係合することによって、キャップ20の全開位置が維持される。
【0047】
(内ケース30)
内ケース30は、外ケース10の内側に配置され、芯Sを収容可能である。内ケース30は、芯Sの下側を保持する内ケース底板31と、芯Sの上部を側部より保持する左右一対の内ケース駆動板33と、芯Sの後側を支えるとともに、上下に延びて内ケース底板31と内ケース30側板とを連結する内ケース支持板34と、備える。
【0048】
2枚の内ケース駆動板33には、それぞれ、実施形態では略長方形の穴である側面開口331が形成されている。側面開口331の内周は、上側に設けられた側面開口上辺331aと、下側に設けられた側面開口下辺331bとを有する。
【0049】
さらに、図6にわかりやすく示すように、2枚の内ケース駆動板33には、それぞれ、側面開口内周の側面開口下辺331bと上下方向に同じ位置で左右方向の外側にカム当接段部332が設けられている。カム当接段部332は、側面開口下辺331bよりも後側に長く延びるように設けられている。
【0050】
(上昇駆動機構60:内ケース30側)
側面開口上辺331aは、上昇用フォロアとして、キャップ20に設けられた上昇用カム251とともに上昇駆動機構60を構成する。キャップ20の開動作における支軸252を中心としたキャップ20の回転動作により、上昇用カム251が上側に移動する。そうすると、上昇用カム251が側面開口上辺331aと当接して側面開口上辺331aを持ち上げ、これにより内ケース30及び芯Sが上昇移動する。
【0051】
(下降駆動機構70:内ケース30側)
カム当接段部332は、下降用フォロアとして、下降用カム254とともに下降駆動機構70を構成する。キャップ20の閉動作における支軸252を中心としたキャップ20の回転動作が開始すると、カム当接段部332と当接している下降用カム254が、カム当接段部332を下側に押し下げる。そうすると、支軸252を中心としたキャップ20の回転動作が、内ケース30及び芯Sの下降移動に変換される。
【0052】
(文具用ケース1の動作)
(1)閉位置ロック状態
図7は、キャップ20が閉位置で、且つ第1ロック機構50及び第2ロック機構40によってロックされている状態を示す。
【0053】
このとき、キャップ20が外ケース10とロックされた状態において、内ケース30と芯Sとの自重により、内ケース底板31(図2図5)の下側に設けられた前後方向に延びるリブの底面と外ケース底板14(図3)の上面とが当接し、内ケース30の外ケース10に対する下方向の動きが規制される。また、図7に示すようにキャップ駆動板25の下辺25cとカム当接段部332とが僅かな隙間をもって設けられており、例えば文具用ケース1を傾けた場合に、キャップ駆動板25の下辺25cとカム当接段部332が当接することで内ケース30の外ケース10に対する上方向の動きが規制される。
【0054】
(第1ロック機構50)
キャップ20の支軸252は、外ケース10の軸孔16の下軸孔16Bに位置する。このとき、支軸252の規制凹部253が、下軸孔16Bの規制凸部161と嵌合している。ゆえに、キャップ20は外ケース10に対して回転不能であり、キャップ20の外ケース10に対する回転が規制されている。
【0055】
(第2ロック機構40)
キャップ凸条部211は、外ケース凹条溝111に嵌合している。ゆえに、キャップ凸条部211が外ケース凸条部112を乗り上げるようにキャップ20に対して所定の力が加えられない限り、キャップ20の上側への移動及びキャップ20の回転が防止される。
【0056】
外ケース10の2枚の外ケース側板13のそれぞれの左右方向の内側の上縁に形成された外ケース段部131は、図2及び図4に示すキャップ20のキャップ段部231と係合している。ゆえに、キャップ20が閉じた状態でのキャップ20の外ケース10に対する左右方向のガタツキを抑えることができる。
【0057】
(上昇駆動機構60)
上昇用カム251は、側面開口331内に位置しているが、上昇用カム251は側面開口331の側面開口上辺331aと押圧しておらず、キャップ20は内ケース30を駆動していない、非上昇駆動状態である。
【0058】
(2)閉位置ロック解除状態
図7の状態から、キャップ20に力を加えてわずかに上側に持ち上げると、図8に示すように、キャップ20は閉位置にあるが、第1ロック機構50及び第2ロック機構40によるロックが解除された状態となる。
【0059】
(第1ロック機構50)
キャップ20の支軸252は、外ケース10の軸孔16の上軸孔16Aに移動して、支軸252の規制凹部253と、下軸孔16Bの規制凸部161との嵌合が解除される。支軸252は上軸孔16A内において回転可能となり、すなわちキャップ20が外ケース10に対して回転可能となる。
【0060】
(第2ロック機構40)
キャップ凸条部211は、外ケース凸条部112を乗り超えて、上側移動する。これにより、キャップ凸条部211の外ケース凹条溝111による規制が解除されて、キャップ20が外ケース10に対して回転可能となる。
【0061】
図2及び図4に示すキャップ20のキャップ段部231は、外ケース側板13の上縁に形成された外ケース段部131よりも上側に移動するので、キャップ段部231と外ケース段部131との係合が解除される。
【0062】
(上昇駆動機構60)
図7の状態と同様に、上昇用カム251は、側面開口331内に位置しているが、上昇用カム251は側面開口331の側面開口上辺331aと押圧しておらず、キャップ20は内ケース30を駆動していない、非上昇駆動状態である。
【0063】
(3)開動作中
図9は、キャップ20が、図8に示す閉位置から、開口部15を開いていく開動作中における、閉位置と全開位置との間の途中位置にある状態を示す。
【0064】
キャップ駆動板25の後凸部256は、スリット121内に配置されているので、キャップ駆動板25が支軸252を中心に開方向に回転したときに、スリット121内において後側に倒れることが可能で、キャップ20の回転が妨げられない。
【0065】
(第1ロック機構50)
図9の状態において、支軸252の規制凹部253は真下を向いた状態から回転して、やや前向きになる。そうすると、規制凸部161が支軸252における規制凹部253が設けられている箇所以外の外周面と当接するので、支軸252の下側への移動が規制される。
【0066】
(上昇駆動機構60)
図8から図9までの間は、上昇用カム251は側面開口331の側面開口上辺331aと非接触であり、側面開口331の側面開口上辺331aを押圧していない。ゆえに、キャップ20の回転領域において、図8から図9までの間は、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30が上昇しない非上昇駆動領域Aである。図9の状態になると、上昇駆動機構60は、上昇用カム251は側面開口331の側面開口上辺331aと当接する。
【0067】
(4)全開位置
図11は、キャップ20が図8に示す閉位置から約90°回転した全開位置を示す。キャップ20が図8に示す閉位置から約90°回転すると、キャップ後板24が外ケース後板12に対して略直角になり、キャップ後板24の下辺が、外ケース10の外ケース後板12に当接する。これにより、キャップ20はそれ以上の開方向への回転ができなくなり、キャップ20は全開位置となる。
【0068】
後凸部256の上側の外面に形成された保持凸部255は、キャップ20が閉位置から開状態に移動する際に、全開位置となる直前まで外ケース10と重ならないが、キャップ20が全開位置になると、外ケース10の外ケース側板13の内部に入り込み、スリット121の左右方向の外側の内面に設けられた係合突起122(図10)を乗り越え係合することによって、キャップ20の全開位置が維持される。
【0069】
キャップ20のキャップ側板23が三角形であるので、キャップ20の全開位置において、キャップ20と、開口部15との間に、芯Sを取り出すための十分な空間を形成することができ、芯Sをつまみやすい。
【0070】
キャップ20の全開位置が維持された状態において、上昇用カム251が、側面開口上辺331aと当接し、内ケース30の外ケース10に対する下方向の動きが規制される。また、キャップ駆動板25の後辺25dは、カム当接段部332に当接し、内ケース30の外ケース10に対する上方向の動きが規制される。よって、キャップ20の全開位置が維持された状態において外ケース10の内部で内ケース30のがたつきが少ない構造とすることができる。
【0071】
(第1ロック機構50)
図11の状態において、支軸252の規制凹部253は真下から回転して横向きになる。したがって、規制凸部161が支軸252における規制凹部253以外の外面と当接しているので、支軸252の下側への移動が規制されている。
【0072】
(上昇駆動機構60)
文具用ケース1の状態が図9から図11に変化する際に、上昇駆動機構60の上昇用カム251は、図11において一点鎖線で示す図9の位置から図中矢印で示すように上側に移動する。上昇用カム251は、側面開口上辺331aと当接しているので、側面開口上辺331aも上側に移動する。これにより内ケース30は上昇駆動され、すなわち内ケース30内に収容されている芯Sも内ケース30とともに上昇駆動され、図11において一点鎖線で示す図9の位置から図中矢印で示すように、開口部15より上側に繰り出す。
【0073】
このように、図9から図11までの間、上昇用カム251は側面開口331の側面開口上辺331aを上昇駆動させるので、キャップ20の回転領域のうち図9から図11までの間は上昇駆動領域Bとなる。
【0074】
すなわち、キャップ20における、開口部15を閉じた閉位置から全開した全開位置まで回転する回転領域は、キャップ20の回転動作に伴って内ケース30を上昇させない非上昇駆動領域Aとキャップ20の回転動作に伴って内ケース30を上昇させる上昇駆動領域Bとを有する。そして、実施形態においては、キャップ20を開き始めである図8に示す閉位置から図9に示す所定位置までの回転領域が非上昇駆動領域Aで、その後の図9に示す所定位置から図11に示す全開位置までの回転領域が上昇駆動領域Bである。
【0075】
(5)閉動作中
図12は、キャップ20が、図11に示す全開位置から、開口部15を閉じていく閉動作中の状態を示す。
【0076】
(第1ロック機構50)
図12の状態においても、支軸252の規制凹部253は真下を向いておらず、やや前向きである。したがって、規制凸部161が支軸252における規制凹部253以外の外面と当接しているので、支軸252の下側への移動が規制されている。
【0077】
(下降駆動機構70)
図11の全開位置において、下降用カム254及びその下降用カム254から連続するキャップ駆動板25の後辺25dは、カム当接段部332に当接している。この状態でキャップ20を閉じていくと、下降用カム254がカム当接段部332を押圧する。これにより内ケース30全体及び芯Sが下側に移動する。
【0078】
さらにキャップ20を閉じていくと、下降用カム254がさらに支軸252を中心として回転しカム当接段部332上を後側に移動しつつカム当接段部332を下向きに押圧し、これにより内ケース30全体及び芯Sがさらに下側に移動した図12の状態となる。
【0079】
下降用カム254がさらに移動してカム当接段部332の後端を超えると、下降駆動機構70は機能しなくなるが、内ケース30の自重、又は上昇用カム251よる側面開口331の内面の押圧により、内ケース30は下側に移動する。そして、キャップ20は、図8に示す、閉位置で且つ非ロック状態まで移動する。次いで、キャップ20を下に押すと、支軸252が規制凹部253に移動し、キャップ凸条部211も外ケース凹条溝111に移動して、図7に示す閉位置且つロック状態となる。
【0080】
(本発明の文具用ケース1の効果)
(1)以上、本発明の文具用ケース1によると、キャップ20の回転領域は、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させる上昇駆動領域Bと、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させない非上昇駆動領域Aとを含む。キャップ20の回転領域における、これらの非上昇駆動領域Aと上昇駆動領域Bとの位置(順序)や長さを変更することにより、内ケース30の上昇移動のタイミングを調整可能である。なお、非上昇駆動領域Aと上昇駆動領域Bとの位置(順序)や長さの変更は、例えば側面開口331の形状や上昇用カム251の形状によって調整可能である。
【0081】
(2)実施形態では、キャップ20の回転領域における、閉位置から、閉位置と全開位置との間の所定の途中位置までが、非上昇駆動領域Aで、途中位置から全開位置までが、上昇駆動領域Bである。すなわち、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させない非上昇駆動領域Aが、キャップ20を開く動作の初期段階にある。そして、キャップ20の開方向回転に伴って内ケース30を上昇させる上昇駆動領域Bが、その非上昇駆動領域Aの後にある。ゆえに、キャップ20を開いた最初の段階は、非上昇駆動領域Aであるので芯Sは上昇しない。その後、上昇駆動領域Bとなって芯Sが上昇する。したがって、キャップ20を開いてすぐは、芯Sが上昇しないので、外ケース10からせり出してくる芯Sに指が当たる可能性が低く、使い勝手がよい。
【0082】
(3)キャップに上昇用カム251(第1係合部)を設け、内ケース30に上昇用カム251と係合する側面開口上辺331a(第1被係合部)とを設ける。そしてキャップ20を開いた最初の段階においては、上昇用カム251と側面開口上辺331aとが当接しない被係合状態で、その後に上昇用カム251と側面開口上辺331aとが当接する係合状態となるように構成する。これにより、キャップ20を開いた最初の段階において、非上昇駆動領域Aとなるので芯Sは上昇しない。その後、上昇駆動領域Bとなるので芯Sが上昇するようにすることができる。
【0083】
(4)実施形態によると、キャップ20の閉方向回転に伴って、内ケース30を下降させる下降駆動機構70を備える。実施形態と異なり、キャップの閉方向回転に伴って内ケースを下降させる下降駆動機構を含まず、キャップを閉めるときに、例えば内ケースや芯の重力のみの力によって芯を下げる場合、芯を持ち上げている内ケースと外ケースの内壁面との間に生じる摩擦力等に抗う下向きの力が足りず、芯がスムーズに埋没していかない場合がある。この場合、キャップが閉まり始めてもすぐに芯が埋没しないため、芯に指が当たりやすくなり、芯の折損・指の汚れの問題が起き、かつ動きの悪さから品質を損なうという問題もある。
【0084】
しかし実施形態は、キャップ20の閉方向回転に伴って、内ケース30を下降させる下降駆動機構70を備えるため、内ケース30の下降は、全開位置からキャップ20を閉め始めると同時に開始する。したがって、キャップ20の閉動作においては、キャップ20を閉め始めると同時に芯Sが確実に埋没し始めるため、芯Sに指が当たりにくくなり、使い勝手が良く、芯Sの折れ等が生じにくい品質のよい文具用ケース1を提供することができる。
【0085】
実施形態のように、上昇駆動機構60と下降駆動機構70をそれぞれ異なる位置に設けることで、内ケース30を上昇させるときの動きと内ケース30を下降させるときの動きとを、異なる動きに調整することができる。
【0086】
(5)実施形態では、キャップ20が閉位置にある際に、キャップ20の回転を規制する第1ロック機構50を備える。第1ロック機構50は、軸孔16に設けられた規制凸部161と、支軸252に設けられた、規制凸部161と係合する規制凹部253と、を有する。軸孔16の形状は、2つの円形の上軸孔16Aと下軸孔16Bとが重なっているような形状である。支軸252は、軸孔16内において下軸孔16B内の第1位置と上軸孔16A内の第2位置との間を移動可能で、支軸252が下軸孔16B内にあるとき(第1位置)、規制凸部161は規制凹部253と係合状態となることでキャップの回転を規制するロック状態となり、支軸252が上軸孔16A内にあるとき(第2位置)、規制凸部161は規制凹部253と非係合状態となることでキャップ20を回転可能とするアンロック状態となる。
【0087】
すなわち、第1ロック機構50においてロック及びアンロックは、キャップ20を上下に移動させるだけの簡単な操作で済むため、手間が少ない。そして、キャップ20を開けた状態では、上軸孔16Aに位置する支軸252が規制凸部161を有する下軸孔16Bに移動してしまうことがないので、支軸252の回転がロックされることがない。
【0088】
(6)実施形態と異なり、芯の上昇機構を有していない文具用ケースでは、芯を取り出すときに文具用ケースを適度に傾ける必要があり手間である。また、この時うまく傾けないと芯が出すぎてしまい、芯の紛失や折損の恐れがある。
【0089】
しかし実施形態の文具用ケース1は、芯Sの上昇駆動機構60を有している。この上昇駆動機構60によってキャップ20の回転は、内ケース30すなわち芯Sの上下運動に変換され、操作部としてのキャップ20の回転に伴って、芯Sが外ケース10から出没する。そして、キャップ20を開ける動作によって、芯Sが外ケース10より上部にせり出してくるため、外ケース10を傾けたりすることなく、直接芯Sを掴むことができ、芯Sの紛失や折損の心配がなく、芯Sが取り出しやすい。また、キャップ20は外ケース10から取り外せないため、キャップ20を紛失する心配もない。
【0090】
(7)文具用ケースにおいてキャップが不用意に開いてしまうと、芯がケースから出てきてしまうことや、文具用ケース内に溜まっていた芯の粉が文具用ケース外に出ることで、周囲が汚れてしまう可能性がある。しかし、実施形態では第1ロック機構50と第2ロック機構40との2つのロック機構が設けられている。ゆえに、不用意にキャップ20が開いてしまう可能性が低い。
【0091】
(8)また、第1ロック機構50及び第2ロック機構40は、外ケース10、キャップ20、又は内ケース30に設けることで形成されており、別のパーツを追加する必要がないため必要コストを抑えることができる。
【0092】
(9)実施形態の文具用ケース1は、キャップ20が内ケース30を上下動させて芯Sを出没させる操作部であるため、操作部がキャップとは別の部分である場合に比べて、操作方法が直感的にわかりやすい。
【0093】
(変形形態)
実施形態では、内ケース30を上下動する上昇駆動機構60として、キャップ20に設けられた上昇用カム251と、内ケース30に設けられた側面開口331を例に説明した。そして、上昇用カム251はキャップ20の両側面、側面開口331も内ケース30の両側面にそれぞれ1つずつ、すなわち2つずつ設けられていた。また、側面開口331は長方形であった。
【0094】
しかし、これに限定されない。例えば、上昇駆動機構60は、例えばラックとピニオンで係合する構造あってもよい。キャップにカムと係合する開口を設けて内ケースにカムを設けてもよい。開口とカムとは、一方の側面側のみに設けられていてもよい。また、開口とカムの数は3つ以上であってもよく、芯Sの出没に関して、複数のカムを経由して芯Sを出没させてもよい。カムが複数設けられている場合、それぞれのカムは同じ形状でなくてもよい。例えば文具用ケース1の両側面のそれぞれに設けられている2つのカムの形状が互いに異なっていてもよい。側面開口331の形状は長方形に限定されず、正方形でもよく、さらには四角形以外であってもよい。
【0095】
実施形態においてキャップ20の回転領域は、キャップ20の開動作における最初の段階が、非上昇駆動領域で、その後の段階が上昇駆動領域であったが、これに限定されない。例えば、キャップ20の開動作における最初の段階が上昇駆動領域で、次に非上昇駆動領域があり、最後にまた上昇駆動領域があってもよい。
【0096】
実施形態では、キャップ20に設けられた支軸252が外ケース10に形成された軸孔16内を回転したが、これに限定されず、キャップに軸孔を設けて外ケースに支軸を形成してもよい。
【0097】
実施形態では、キャップ20が内ケース30を上下動させて芯を出没させる操作部であったが、例えば、外ケースの外側に露出するようにして内ケース30と一体的に設けられた操作部によって内ケースを上下させる動きにより、キャップ20が開閉する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0098】
A 非上昇駆動領域
B 上昇駆動領域
S 芯(文具)
1 文具用ケース
10 外ケース
15 開口部
20 キャップ
30 内ケース
40 第2ロック機構
211 キャップ凸条部
111 外ケース凹条溝
112 外ケース凸条部
50 第1ロック機構
16 軸孔
16A 上軸孔
16B 下軸孔
161 規制凸部
252 支軸
253 規制凹部
60 上昇駆動機構
251 上昇用カム(第1係合部)
331a 側面開口上辺(第1被係合部)
70 下降駆動機構
254 下降用カム
332 カム当接段部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12