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  • 特開-スリット入りデュベカバー 図1
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  • 特開-スリット入りデュベカバー 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001687
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】スリット入りデュベカバー
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20241226BHJP
【FI】
A47G9/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101296
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】721005898
【氏名又は名称】リポス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】大賀 康弘
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA00
(57)【要約】
【課題】低コストでベッドメイクの時間の短縮化、省力化、効率化を行うことができるスリット入りデュベカバーを提供する。
【解決手段】寝具用のスリット入りデュベカバーであって、矩形の表面部及び裏面部を有し、表面部と裏面部は、頭部、2つの側部及び足部の4辺を有し、表面部の側部の長さは裏面部の側部の長さよりも短く、頭部は表面部及び裏面部が互いに縫製されて接続されており、側部は表面部及び裏面部同士が互いに一部を除いて縫製されて接続され、足部は縫製されずに開口が形成されており、側部は頭部側から一定の範囲を縫製しないことにより開口と繋がるスリットがそれぞれ形成されており、側部には頭部側から間隔をあけた箇所に縫製をしない範囲を設けて第1手入穴が、一方の側部には寝具出し入れ用開口が、他方の側部には第2手入穴が形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具用のスリット入りデュベカバーであって、
寝具の一面を覆う矩形の表面部及び前記寝具の他面を覆う矩形の裏面部を備え、
前記表面部と前記裏面部は、それぞれ頭部、2つの側部及び足部の4辺を有し、前記表面部の側部の長さは前記裏面部の側部の長さより短く、前記頭部同士は互いに縫製されて接続されており、2つの前記側部は前記表面部及び前記裏面部の間で対向する部位同士が一部を除いて互いに縫製されて接続されており、前記足部同士は縫製されずに開口が形成されており、
2つの前記側部は、前記頭部側から一定の距離だけ離隔した位置よりも前記側部の全部を縫製しないことにより、前記開口と繋がるスリットがそれぞれ形成されており、
2つの前記側部には、前記頭部側から第1の間隔をあけた箇所から前記足部側に向かって、縫製をしない範囲を設けて、第1手入穴がそれぞれ形成されており、
一方の前記側部には、前記第1手入穴の前記足部側の端部から前記足部側に向かって第2の間隔をあけた箇所から前記足部側に向かって、縫製をしない範囲をさらに設けることによって、寝具出し入れ用開口が形成されており、
他方の側部には、前記第1手入穴の前記足部側の端部から前記足部側に向かって第3の間隔をあけた箇所から前記足部側へ向かって縫製をしない範囲をさらに設けて、第2手入穴が形成されており、
前記寝具出し入れ用開口は、前記第2手入穴より縫製をしない範囲が広いことを特徴とするスリット入りデュベカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布団等の寝具用のスリット入りデュベカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル、病院等では不特定多数の人が寝具を利用することから、寝具の包布の交換作業が頻繁に行われており、交換作業を容易にする包布、交換作業の際に異物を回収し易くした包布等、様々な包布が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、包布の交換作業をし易くするために、寝具を出し入れする開閉自在の開口部を1つの側部の周縁上に有する全包布本体と、開口部の周縁に沿って縫着されている一対の伸縮性布材により前記開口部を閉塞する閉塞部と、を備えた包布が開示されている。
【0004】
その他に、特許文献2には、包布交換作業の際に異物を回収し易くするために、包布本体を長手方向の両端に開口を形成するように長手方向の両端縁のみが縫合された上下2枚の生地布から構成し、開口を有する両端にそれぞれ上縁及び下縁が突出する垂れ片を形成した包布が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-155024号公報
【特許文献2】実開平4-125768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の包布は、特許文献1及び特許文献2のように、包布の交換作業の際に横方向又は縦方向のいずれか一方向にしか、寝具を出し入れすることができなかった。そこで、本発明は、寝具の出し入れを縦方向及び横方向の両方から行うことを可能とすることで、低コストでベッドメイクの時間の短縮化、省力化、効率化を行うことができるスリット入りデュベカバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスリット入りデュベカバーは、寝具用のスリット入りデュベカバーであって、寝具の一面を覆う矩形の表面部及び前記寝具の他面を覆う矩形の裏面部を備え、前記表面部と前記裏面部は、それぞれ頭部、2つの側部及び足部の4辺を有し、前記表面部の側部の長さは前記裏面部の側部の長さより短く、前記頭部同士は互いに縫製されて接続されており、2つの前記側部は前記表面部及び前記裏面部の間で対向する部位同士が一部を除いて互いに縫製されて接続されており、前記足部同士は縫製されずに開口が形成されており、2つの前記側部は、前記頭部側から一定の距離だけ離隔した位置よりも前記側部の全部を縫製しないことにより、前記開口と繋がるスリットがそれぞれ形成されており、2つの前記側部には、前記頭部側から第1の間隔をあけた箇所から前記足部側に向かって、縫製をしない範囲を設けて、第1手入穴がそれぞれ形成されており、一方の前記側部には、前記第1手入穴の前記足部側の端部から前記足部側に向かって第2の間隔をあけた箇所から前記足部側に向かって、縫製をしない範囲をさらに設けることによって、寝具出し入れ用開口が形成されており、他方の側部には、前記第1手入穴の前記足部側の端部から前記足部側に向かって第3の間隔をあけた箇所から前記足部側へ向かって縫製をしない範囲をさらに設けて、第2手入穴が形成されており、前記寝具出し入れ用開口は、前記第2手入穴より縫製をしない範囲が広いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、低コストでベッドメイクの時間の短縮化、省力化、効率化を行うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のスリット入りデュベカバーを模式的に示す外観図である。
図2】スリット入りデュベカバーの平面図である。
図3】寝具にスリット入りデュベカバーを縦方向から装着する際の斜視図である。
図4】寝具にスリット入りデュベカバーを横方向から装着する際の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のスリット入りデュベカバー1について、図を用いて以下に詳しく説明する。図1に示すのは本発明のスリット入りデュベカバー1を模式的に示す外観図であり、図2に示すのはスリット入りデュベカバー1の平面図であり、縫製箇所を破線で示した図である。
【0011】
本発明のスリット入りデュベカバー1は、布団等の寝具用のスリット入りデュベカバーであって、図1,3,4に示すように、寝具20の表面を覆う矩形の表面部2、及び、前記寝具20の裏面を覆う矩形の裏面部3を備え、表面部2及び裏面部3は横方向は同じ長さで、縦方向は裏面部3の方が表面部2よりも長い。表面部2及び裏面部3は、それぞれ、頭部4、2つの側部5及び足部6の4辺を有し、前記頭部4及び2つの前記側部5は表面部2及び裏面部3の間で対向する部位同士が一部を除いて互いに縫製されて接続されている。足部6は縫製していないことから、図1,3,4に示すように、開口7を形成しており、これにより本発明のスリット入りデュベカバー1は寝具20を縦方向に出し入れすることができるようになっている。
【0012】
図2に記載のスリット入りデュベカバー1は、表面部2と裏面部3との縫製箇所を破線で示してある。図2を見ると分かるように、表面部2と裏面部3は、頭部4は全て縫製されて互いに接続されている。そして、表面部2と裏面部3の足部6については縫製していないことから、表面部2と裏面部3は、足部6では互いに接続されていない。表面部2の側部の長さは、裏面部3の側部の長さよりも短いため、表面部2の足部と裏面部3の足部は重ならず、裏面部3の足部が頭部4とは反対側に延出しており、寝具20を出し入れするための開口7が形成されている。
【0013】
そして、2つの側部5については、一部を除いて縫製して互いに接続しておあり、図2に示すように、頭部4側から一定の距離だけ離隔した位置よりも足部6側の全部を縫製していないことから、それぞれ、開口7と繋がるスリット8が形成されている。従来の包布には無い、開口7と繋がる2つのスリット8を設けることにより、図3に示すように、開口7を大きく開くことができ、スムーズにスリット入りデュベカバー1内に寝具20を出し入れすることができる。
【0014】
2つの側部5は、図2に示すように、頭部4側から第1の間隔をあけた箇所から足部6側に向かって、縫製をしない範囲を設けており、この箇所に、スリット入りデュベカバー1を交換する際に、スリット入りデュベカバー1内に手を入れて作業するための第1手入穴9がそれぞれ形成されている。第1手入穴9は寝具20を出し入れする際に手を入れて作業するための穴であることから、手を入れることができる大きさとする。
【0015】
一方の側部5(図2の右側の側部5)には第1手入穴9の足部6側の端部から足部6側に向かって第2の間隔をあけた箇所に、縫製をしない範囲をさらに設けることで、寝具出し入れ用開口10を形成してある。寝具出し入れ用開口10の大きさは寝具20を横方向から出し入れできる大きさとする。このように、本発明のスリット入りデュベカバー1は、一方の側部5に寝具出し入れ用開口10を設けることによって、図4に示すように、寝具20を横方向に出し入れできるようになっている。寝具出し入れ用開口10については、寝具20を縦方向に出し入れする際に手を入れて作業するために用いることもできる。
【0016】
また、他方の側部5(図2の左側の側部5)には、第1手入穴9の足部6側端部から足部6側に向かって第3の間隔をあけた箇所から足部6側に向かって、縫製をしない範囲をさらに設けることで、第2手入穴11を形成してある。第2手入穴11は、寝具出し入れ用開口10を用いて寝具20を横方向に出し入れする際に手を入れて作業するための穴であり、第2手入穴11の大きさは第1手入穴9と同じ大きさであってもよく、寝具出し入れ用開口10よりも小さい大きさとすることが望ましい。また、第2手入穴11については、縦方向に寝具20を出し入れする際にスリット入りデュベカバー1内に手を入れて使用することもできる。寝具出し入れ用開口10及び第2手入穴11の配置については、図1~4に示す形態に限定するものではなく、互いの配置を入れ替えることも可能である。
【0017】
本発明のスリット入りデュベカバー1は、表面部2及び裏面部3として、横方向の長さは同じで縦方向の長さが裏面部3より表面部2の方が短い2枚の矩形の生地を用意し、図2に示す箇所を縫製することで、製造することができる。縫製する際に、開口7、スリット8、第1手入穴9、寝具出し入れ用開口10、及び、第2手入穴11に相当する箇所を縫製しないだけで本発明のスリット入りデュベカバー1を簡単に製造することができる。そして、側部5の縫製の際に、スリット8の箇所、第1手入穴9、寝具出し入れ用開口10、及び、第2手入穴11の箇所については、縫製の端部に閂止めを行い、ほつれてこないように補強を行う。また、スリット入りデュベカバー1は、リバーシブルとすることができる。
【0018】
次に、スリット入りデュベカバー1について、実際の寸法を例示して説明する。スリット入りデュベカバー1を縦260cm、横190cmとする場合、裏面部3は縦260cm、横190cmである。スリット8は、表面部2及び裏面部3の頭部4から足部6側に向かって190cmだけ離隔した位置から足部6側に形成する。裏面部3は表面部2よりも縦方向の長さが長いため、裏面部3の足部6は、表面部2の足部6よりも縦方向に20cmだけ頭部4とは反対側に延出する。第1手入穴9については、手を入れることができる長さとすればよいが、本実施形態では、頭部4側から第1の間隔である5cmの箇所から20cmの箇所までの範囲を第1手入穴9として形成している。さらに、寝具出し入れ用開口10は、寝具20を出し入れできる大きさとして、第1手入穴9の足部6側端部から足部6側に向かって、第2の間隔である25cmの箇所から130cmの箇所までの範囲の大きさとしている。そして、第2手入穴11は、第1手入穴9の足部6側端部から足部6側に向かって、第3の間隔である55cmの箇所から20cmの箇所までの範囲としており、第1手入穴9と同じ大きさとしている。スリット入りデュベカバー1におけるこれらの寸法は一例であり、対象となる寝具等に合わせて様々な寸法に変更することが可能である。
【0019】
本発明のスリット入りデュベカバー1は、その交換作業を行う場合、開口7を利用して縦方向に寝具20を出し入れする方法、及び、寝具出し入れ用開口10を利用して横方向に寝具20を出し入れする方法の両方が可能である。そして、本発明のスリット入りデュベカバー1の交換作業を行う際に、図3に示すように、開口7を利用して縦方向に寝具20を出し入れする場合、従来の包布には無い、開口7と繋がるスリット8を設けていることによって開口7を大きく開くことが可能となる。さらに、表面部2の側部5の長さが裏面部3の側部5の長さより短い、つまり、表面部2の縦方向の長さは、裏面部3の縦方向の長さよりも短いことによって、表面部2の足部6を掴みやすく、且つ表面部2の足部6を表面部2側に折り返し易いため、開口7を開く労力と時間の削減が可能となる。第1手入穴9からスリット入りデュベカバー1内に手を入れることで、スリット入りデュベカバー1の交換作業をし易くすることができ、寝具出し入れ用開口10及び第2手入穴11からもスリット入りデュベカバー1内に手を入れて作業することも可能であることから、よりスムーズに寝具20の交換作業を行うことができる。また、第1手入穴9は、寝具20として羽毛布団を対象としてスリット入りデュベカバー1を用いた場合に、羽毛がある部分を入れ易くすることができる。
【0020】
本発明のスリット入りデュベカバー1の交換作業を行う際に、図4に示すように、寝具出し入れ用開口10を利用して横方向に寝具20を出し入れする場合、例えば、第2手入穴11からスリット入りデュベカバー1内に手を入れて、寝具20を引っ張ることで寝具出し入れ用開口10から中へと入れ易くなっており、さらに、第1手入穴9及び開口7からスリット入りデュベカバー1内に手を入れて作業することも可能であることから、よりスムーズに寝具20の交換作業を行うことができる。
【0021】
このように、本発明のスリット入りデュベカバー1は、2つのスリット8を設けていることにより大きく開くことが可能となった開口7を利用して縦方向に寝具20を出し入れする方法、及び、寝具出し入れ用開口10を利用して横方向に寝具20を出し入れする方法の両方が可能であることから、ベッドメイクする際に様々な条件を考慮してよりスムーズに寝具20を出し入れできる方向を選択して作業することができ、さらに、寝具20を出し入れする際に、開口7、第1手入穴9、寝具出し入れ用開口10、及び、第2手入穴11を利用してスリット入りデュベカバー1内に手を入れることで、さらに、スムーズに寝具20を出し入れする作業を行うことができるようになることから、ベッドメイクの時間の短縮化、省力化、効率化を行うことができるという優れた効果を奏する。また、寝具20をスリット入りデュベカバー1内に入れた後は、ベッドの下部分にスリット8部分を巻込み、寝具20をスリット入りデュベカバー1から取り出す際は、巻込んだスリット8部分をベッドの下部分から引き出すのみでよいため、開口7を利用して縦方向に寝具20を出し入れする方法、及び、寝具出し入れ用開口10を利用して横方向に寝具20を出し入れする方法の両方に共通して、ベッドメイクがしやすいという点でも、ベッドメイク作業が迅速かつ容易となる。
さらに、スリット入りデュベカバー1の製造方法についても表面部2及び裏面部3の2枚の生地を所定の箇所を縫製するだけであることから、非常に簡単であり、従来の包布と同様の製造コストとすることができる。
【0022】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0023】
1 スリット入りデュベカバー
2 表面部
3 裏面部
4 頭部
5 側部
6 足部
7 開口
8 スリット
9 第1手入穴
10 寝具出し入れ用開口
11 第2手入穴
20 寝具
図1
図2
図3
図4