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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016908
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】発泡成形用金型装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/26 20060101AFI20250129BHJP
   B29C 33/20 20060101ALI20250129BHJP
   B29C 44/00 20060101ALI20250129BHJP
   B29C 44/34 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
B29C39/26
B29C33/20
B29C44/00 A
B29C44/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119713
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 圭一郎
【テーマコード(参考)】
4F202
4F214
【Fターム(参考)】
4F202AA42
4F202AB02
4F202AC05
4F202AG20
4F202AH26
4F202AM24
4F202CA01
4F202CB01
4F202CL04
4F202CL42
4F202CL46
4F214AA42
4F214AB02
4F214AC05
4F214AG20
4F214AH26
4F214AM24
4F214UA01
4F214UB01
4F214UD01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規なクランプ機構を備えた発泡成形用金型装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る金型装置は、第1型11と第2型12とを有し、第1型と第2型とを型閉じしてキャビティを形成する発泡成形用金型装置10であって、発泡成形用金型装置の第1側面に沿う第1方向に往復移動可能な第1シャフト31と、第1側面に交差する第2側面に沿うとともに第1方向に交差する第2方向Xに往復移動可能な第2シャフト51と、第1シャフトの第1方向の往復移動を第2シャフトの第2方向の往復移動に変換する変換部材60と、第2シャフトの第2方向の往復移動により押圧位置と解除位置との間で変位し、押圧位置に位置したときに第2型を第1型に対して押圧し、解除位置に位置したときに第2型の第1型に対する押圧を解除する変位部33、53と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1型と第2型とを有し、前記第1型と前記第2型とを型閉じしてキャビティを形成する発泡成形用金型装置であって、
前記発泡成形用金型装置の第1側面に沿う第1方向に往復移動可能な第1シャフトと、
前記第1側面に交差する第2側面に沿うとともに前記第1方向に交差する第2方向に往復移動可能な第2シャフトと、
前記第1シャフトの前記第1方向の往復移動を前記第2シャフトの前記第2方向の往復移動に変換する変換部材と、
前記第2シャフトの前記第2方向の往復移動により押圧位置と解除位置との間で変位し、前記押圧位置に位置したときに前記第2型を前記第1型に対して押圧し、前記解除位置に位置したときに前記第2型の前記第1型に対する押圧を解除する変位部と、
を備える発泡成形用金型装置。
【請求項2】
前記第2型は、前記第1型に対して型開きし、
前記第1シャフト、前記第2シャフトおよび前記変換部材は、前記第2型に支持され、
前記変位部は、前記第2シャフトに固定されている、
請求項1に記載の発泡成形用金型装置。
【請求項3】
前記変換部材は、前記第2型に回動可能に支持される支持孔と
前記支持孔を通る第1の直線上に延在する第1の長孔と
前記支持孔を通り、前記第1の直線とは別の第2の直線上に延在する第2の長孔と
を有し、
前記第1シャフトは、前記第1の長孔において摺動可能に連結され、
前記第2シャフトは、前記第2の長孔において摺動可能に連結されている
請求項2に記載の発泡成形用金型装置。
【請求項4】
外力を受けて正方向および逆方向に回動可能な操作部をさらに備え、
前記第1シャフトは、前記操作部の前記正方向および前記逆方向の回動により前記第1方向に往復移動する、
請求項1に記載の発泡成形用金型装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記第2シャフトが前記解除位置に位置するときに前記操作部の前記正逆の内一方の回動を規制する規制部材を有する、
請求項4に記載の発泡成形用金型装置。
【請求項6】
前記第1型と前記第2型を開閉可能に支持するヒンジシャフトをさらに備え、
前記変位部は、前記押圧位置に位置したときに前記ヒンジシャフトを介して前記第2型を前記第1型に対して押圧する、
請求項1に記載の発泡成形用金型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発泡成形体を形成するための発泡成形用金型装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~2は、第1型と第2型とを有し、第1型と第2型とを型閉じしてキャビティを形成する金型装置を開示している。この金型装置は、型閉じ時に第1型を第2型に押圧するためのクランプ機構をさらに有する。クランプ機構は、金型装置の外部に配置されて係合位置と解除位置との間で移動するクランプを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2958106号公報
【特許文献2】特開2022-190714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
金型装置は、例えば工場内に配置される際に、クランプの移動を妨げないように、クランプの移動方向に十分な空間を要する。しかし、工場内において空間が確保可能な方向は、画一的ではない。ある環境では、金型装置の左右の側面に空間を確保しにくいことがある。また別の環境では、金型装置の前後の側面に空間を確保しにくいことがある。金型装置はさまざまな環境で使用されるため、さまざまなクランプ機構が提供されることが好ましい。
【0005】
本開示は、新規なクランプ機構を備えた発泡成形用金型装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る金型装置は、第1型と第2型とを有し、第1型と第2型とを型閉じしてキャビティを形成する発泡成形用金型装置であって、発泡成形用金型装置の第1側面に沿う第1方向に往復移動可能な第1シャフトと、第1側面に交差する第2側面に沿うとともに第1方向に交差する第2方向に往復移動可能な第2シャフトと、第1シャフトの第1方向の往復移動を第2シャフトの第2方向の往復移動に変換する変換部材と、第2シャフトの第2方向の往復移動により押圧位置と解除位置との間で変位し、押圧位置に位置したときに第2型を第1型に対して押圧し、解除位置に位置したときに第2型の第1型に対する押圧を解除する変位部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示は、新規なクランプ機構を備えた発泡成形用金型装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態における型閉め時の発泡成形用金型装置の左側面図。
図2】本開示の実施形態における型開き時の発泡成形用金型装置の左側面図。
図3】本開示の実施形態における発泡成形用金型装置の正面図。
図4】本開示の実施形態における発泡成形用金型装置の上面図。
図5】第1クランク機構および第2クランク機構の動きを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、発泡成形用金型装置10は、第1型11と第2型12を有する。発泡成形用金型装置10は、第1型11と第2型12とを型閉じしてキャビティ13を形成する。キャビティ13は、発泡原料を受け入れて発泡体を形成する。発泡原料は、例えば、ポリオール成分、イソシアネート成分、またはこれらの混合物である。ポリオール成分は、架橋剤、鎖延長剤、発泡剤、触媒、整泡剤、難燃剤、可塑剤、その他の助剤を含んでもよい。発泡原料は、常温固体のいわゆる粉粒体を含んでもよい。これらの粉粒体は、ポリオールまたは可塑剤といった液体に分散されてもよい。発泡体は、ポリオール成分およびイソシアネート成分の混合により形成される。発泡原料は、常温で液体であることが製造上好ましい。液体の発泡原料の漏出を防止または低減するため、第1型11は第2型12に精度よく接触することが好ましい。発泡体は、例えば、ポリウレタン製の車両用シート、シートパッド、シートバックである。
【0010】
発泡成形用金型装置10は、ヒンジシャフト14を有する。図1および図2に示すように、第2型12は、ヒンジシャフト14を介して第1型11に回転可能に取り付けられている。
【0011】
本実施形態では、発泡成形用金型装置10は、概ね直方体の構造物である。図1図3および図4に示すように、発泡成形用金型装置10は、第1側面10a(前面)、第2側面10b(左側面)、第3側面10c(右側面)、第4側面10d(後面)、上面10eおよび下面10fを有する。第4側面10dは、第1側面10aにほぼ平行である。第2側面10bは、第1側面10aと第4側面10dの間につながり、第1側面10aに交差している。第3側面10cは、第1側面10aと第4側面10dの間につながり、第1側面10aに交差しており、第2側面10bとほぼ平行である。
【0012】
発泡成形用金型装置10は、第2型12が第1型11に閉じた状態で、第2型12を第1型11に対して押圧するクランプ機構を有する。以下、本実施形態のクランプ機構を説明する。
【0013】
図3に示すように、発泡成形用金型装置10は、第1側面10a(前面)に、操作部20と、第1往復機構30と、操作部20および第1往復機構30の間に連結された第1クランク機構40とを備える。発泡成形用金型装置10は、さらに、第1側面10a(前面)に、第3往復機構130と、操作部20および第3往復機構130の間に連結された第2クランク機構140とを備えてもよい。
【0014】
操作部20は、外力を受けて正方向(例えば、図3の反時計回り)および逆方向(例えば、図3の時計回り)に回動可能である。本実施形態では、操作部20は、回転シャフト21と、回転シャフト21に固定されたアーム22と、アーム22に連結されたハンドル23とを有する。回転シャフト21は、回転シャフト21の中心軸回りに第2型12に対して回転可能である。ハンドル23は、ハンドル軸回りにアーム22に対して回転可能であってもよい。ハンドル23は、外力を受け、アーム22を介してこの外力を回転シャフト21に伝達する。回転シャフト21は、この外力により、回転シャフト21の中心軸回りに正方向および逆方向に回動する。
【0015】
操作部20は、正方向および逆方向の回動範囲を規定するための第1規制部材24および第2規制部材25を有してもよい。本実施形態では、第1規制部材24および第2規制部材25は、いずれもアーム22に固定されている。第1規制部材24は、第2型12に固定された規制板26の上面に接触することにより操作部20の逆方向の回動を規制する(図1も参照)。第2規制部材25は、規制板26の下面に接触することにより操作部20の正方向の回動を規制する(図2も参照)。
【0016】
図5の(a)および(b)に示すように、操作部20、第1往復機構30および第1クランク機構40は、回転運動を直線運動に変換するスライダ・クランク機構を形成する。具体的には、第1往復機構30は、第1シャフト31と、第1シャフト31を摺動可能に支持する第1シャフト支持部32とを有する。第1シャフト31は、第1側面10a(前面)に沿う第1方向(図中Y方向)に延びており、第1方向に往復移動可能に第1シャフト支持部32に支持されている。第1シャフト支持部32は、第2型12に固定されている。第1クランク機構40は、回転シャフト21に固定された第1クランク41と、第1クランク41と第1シャフト31との間に連結された第1ロッド42とを有する。
【0017】
第1往復機構30は、さらに、第1シャフト31に固定された第1変位部33を有してもよい。第1変位部33は、第1シャフト31の第1方向の往復移動に伴い、第1押圧位置34と第1解除位置35の間を往復移動する。第1変位部33は、第1押圧位置34に位置したときに、第1型11に固定された第1受け部16と係合して、第2型12を第1型11に対して押圧する。第1変位部33は、第1解除位置35に位置したときに、第1受け部16との係合を解除して、第2型12の第1型11に対する押圧を解除する。
【0018】
本実施形態では、第1受け部16は、第1側面10aに垂直に突出し、第1型11に固定された円柱である。第1変位部33は、第1受け部16を受け入れ可能な切欠きを有する板片である。切欠きは、第1変位部33が第1押圧位置34に近づくにつれて第1受け部16を引き上げるように作用する斜面を有してもよい。
【0019】
同様に、操作部20、第3往復機構130および第2クランク機構140は、回転運動を直線運動に変換する。第3往復機構130は、第3シャフト131と、第3シャフト131を摺動可能に支持する第3シャフト支持部132とを有する。第3シャフト131は、第1方向に延びており、第1方向に往復移動可能に第3シャフト支持部132に支持されている。第3シャフト支持部132は、第2型12に固定されている。第2クランク機構140は、回転シャフト21に固定された第2クランク141と、第2クランク141と第3シャフト131との間に連結された第2ロッド142とを有する。
【0020】
第3往復機構130は、さらに、第3シャフト131に固定された第3変位部133を有してもよい。第3変位部133は、第3シャフト131の第1方向の往復移動に伴い、第3押圧位置134と第3解除位置135の間を往復移動する。第3変位部133は、第3押圧位置134に位置したときに、第1型11に固定された第3受け部18と係合して、第2型12を第1型11に対して押圧する。第3変位部133は、第3解除位置135に位置したときに、第3受け部18との係合を解除して、第2型12の第1型11に対する押圧を解除する。
【0021】
図1に戻り、発泡成形用金型装置10は、さらに、第2側面10bに、第2往復機構50と、第1往復機構30および第2往復機構50の間に連結された第1変換部材60とを有する。
【0022】
第2往復機構50は、第2シャフト51と、第2シャフト51を摺動可能に支持する第2シャフト支持部52とを有する。第2シャフト51は、第2側面10bに沿う第2方向(図中X方向)に延びており、第2方向に往復移動可能に第2シャフト支持部52に支持されている。第2シャフト支持部52は、第2型12に固定されている。
【0023】
第2往復機構50は、さらに、第2シャフト51に固定された第2変位部53(53a、53b、53c)を有する。第2変位部53は、第2シャフト51の第2方向の往復移動に伴い、第2押圧位置54と第2解除位置55との間を往復移動する。
【0024】
第2変位部53a、53bは、第2押圧位置54に位置したときに、第1型11に固定された第2受け部17(17a、17b)と係合して、第2型12を第1型11に対して押圧する。第2変位部53a、53bは、第2解除位置55に位置したときに、第2受け部17(17a、17b)との係合を解除して、第2型12の第1型11に対する押圧を解除する。
【0025】
第2変位部53cは、第2押圧位置54に位置したときに、ヒンジシャフト14と係合して、第2型12を第1型11に対して押圧する。第2変位部53cは、第2解除位置55に位置したときに、ヒンジシャフト14との係合を解除して、第2型12の第1型11に対する押圧を解除する。
【0026】
本実施形態では、第2受け部17a、17bは、第2側面10bに垂直に突出し、第1型11に固定された円柱である。第2変位部53a、53bは、第2受け部17a、17bを受け入れ可能な切欠きを有する板片である。切欠きは、第2変位部53a、53bが第2押圧位置54に近づくにつれて第2受け部17a、17bを引き上げるように作用する斜面を有してもよい。
【0027】
本実施形態では、ヒンジシャフト14は、第1型11に固定されたヒンジを介した丸棒である。この丸棒は、第2型12に固定されたヒンジのヒンジ孔に回転可能に挿通されている。第2型12に固定されたヒンジのヒンジ孔は、丸棒に対して上下のクリアランスを少し大きくしてもよい。第2変位部53cは、ヒンジシャフト14を受け入れ可能な切欠きを有する板片である。切欠きは、第2変位部53cが第2押圧位置54に近づくにつれてヒンジシャフト14を引き上げるように作用する斜面を有してもよい。
【0028】
第1変換部材60は、第1シャフト31の第1方向(Y方向)の往復運動を第2シャフト51の第2方向(X方向)に変換する。
【0029】
図4に示すように、本実施形態では、第1変換部材60は、概ね三角形の板片である。第1変換部材60は、支持孔61、第1長孔62および第2長孔63を有する。
【0030】
第1変換部材60は、支持孔61に挿入された支持ボルト64により、支持ボルト64回りに回転可能に第2型12に取り付けられている。第1シャフト31は、第1長孔62に摺動可能に挿入された第1ボルト65により第1変換部材60に連結されている。第2シャフト51は、第2長孔63に摺動可能に挿入された第2ボルト66により第1変換部材60に連結されている。
【0031】
第1長孔62は、支持孔61を通る第1の直線上に延在してもよい。第1長孔62は、第1ボルト65を摺動可能に受け入れることにより、第1シャフト31の第1方向の移動と第1変換部材60の支持ボルト64回りの回転を両立させる。同様に、第2長孔63は、支持孔61を通る第1の直線とは別の第2の直線上に延在してもよい。第2長孔63は、第2ボルト66を摺動可能に受け入れることにより、第2シャフト51の第2方向の移動と第1変換部材60の支持ボルト64回りの回転を両立させる。
【0032】
図4に示すように、発泡成形用金型装置10は、さらに、第3側面10cに、第4往復機構150と、第3往復機構130および第4往復機構150の間に連結された第2変換部材160とを有してもよい。本実施形態では、第4往復機構150は、第2往復機構50と同じ構造を有する。第2変換部材160は、第1変換部材60と同じ構造を有する。
【0033】
第4往復機構150は、第4シャフト151と、第4シャフト151を摺動可能に支持する第4シャフト支持部152と、第4シャフト151に固定された第4変位部153(153a、153b、153c)を有する。第4変位部153a、153bは、第1型11に固定された第4受け部19(19a、19b)に係合可能である。第4変位部153cは、ヒンジシャフト14に係合可能である。
【0034】
第4変位部153a、153b、153cは、第2方向(X方向)において、第2変位部53a、53b、53cと同じ位置に配置されてもよい。あるいは、第4変位部153a、153b、153cは、第2方向において、第2変位部53a、53b、53cと異なる位置に配置されてもよい。どちらの配置も、第2型12の第1型11に対する押圧力の面内の均一性を改善することがある。
【0035】
次に、発泡成形用金型装置10が型閉め状態から型開き状態に移行する状況を説明する。図1に示すように、ハンドル23が第1回転位置27に位置するとき、第2変位部53は、第2押圧位置54に位置する。このとき、図3に示すように、第1変位部33は、第1押圧位置34に位置し、第3変位部133は、第3押圧位置134に位置する。
【0036】
図1に示すように、ハンドル23が上向きの外力を受けて第1回転位置27から第2回転位置28まで回転すると、第2変位部53は、第2解除位置55に位置する。このとき、図3に示すように、第1変位部33は、第1解除位置35に位置し、第3変位部133は、第3解除位置135に位置する。
【0037】
図2に示すように、ハンドル23は、さらなる上向きの外力を受けると、第2規制部材25および規制板26を介してこの外力を第2型12に伝達する。第2型12は、この外力を受けて、ヒンジシャフト14回りに回転して第1型11に対して開く。
【0038】
このように、本実施形態では、発泡成形用金型装置10は、第2型12の第1型11に対する押圧の解除と、第2型12の第1型11からの型開きの2つの動作を、ハンドル23で上向きの外力を受けるという1つの操作で実施可能である。
【0039】
本実施形態では、操作部20は、第1回転位置27(図5の(a)参照)と第2回転位置28(図5の(b)参照)との間で回動可能である。操作部20が第1回転位置27に位置するとき、ハンドル23は、回転シャフト21よりも下方に位置してもよい。操作部20が第2回転位置28に位置するとき、ハンドル23は、回転シャフト21よりも上方に位置してもよい。操作部20の回動範囲は、180度未満であってもよい。
【0040】
上記の通り、発泡成形用金型装置10は、第1方向(Y方向)に往復移動可能な第1シャフト31と、第2方向(X方向)に往復移動可能な第2シャフト51と、第1シャフト31の第1方向の往復移動を第2シャフト51の第2方向の移動に変換する第1変換部材60とを備える。発泡成形用金型装置10は、さらに、第2シャフト51の第2方向の往復移動により第2押圧位置54と第2解除位置55との間で変位する第2変位部53を備える。第2変位部53は、第2押圧位置54に位置したときに第2型12を第1型11に対して押圧し、第2解除位置55に位置したときに第2型12の第1型11に対する押圧を解除する。このような新規な発泡成形用金型装置10が提供される。
【0041】
本実施形態では、第2変位部53は、第2シャフト51に固定されており、第2シャフト51の往復運動に伴い、往復運動する。ある使用例では、発泡成形用金型装置10の第2側面10b(左側面)が別の発泡成形用金型装置10の第3側面10c(右側面)に対向するようにして、2つの発泡成形用金型装置10がコンベア上に並べられる。本実施形態では、第2変位部53は、第2側面10bに沿う第2方向に往復移動するので、別の発泡成形用金型装置10の第3側面10cに干渉しにくい。2つの発泡成形用金型装置10が比較的近い位置に配置されるレイアウトが採用可能である。
【0042】
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の例示は必要に応じて任意に組合せ可能である。
【0043】
また、本開示の実施形態は、第2型12を上型として、その上型に第1シャフト31、第2シャフト51および変換部材60、160が支持されているが、下型に第1シャフト31、第2シャフト51および変換部材60、160が支持されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 発泡成形用金型装置
11 第1型
12 第2型
20 操作部
24 第1規制部材
25 第2規制部材
26 規制板
31 第1シャフト
51 第2シャフト
53 第2変位部
54 第2押圧位置
55 第2解除位置
60 第1変換部材
62 支持孔
63 第1長孔
64 第2長孔
図1
図2
図3
図4
図5