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特開2025-16969電池用端子、電池及び電池用端子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025016969
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】電池用端子、電池及び電池用端子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/562 20210101AFI20250129BHJP
   H01M 50/553 20210101ALI20250129BHJP
   H01M 50/564 20210101ALI20250129BHJP
【FI】
H01M50/562
H01M50/553
H01M50/564
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119819
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】596164744
【氏名又は名称】▲高▼橋金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 憲治
(72)【発明者】
【氏名】北村 博志
(72)【発明者】
【氏名】中川 真言
(72)【発明者】
【氏名】村田 猛
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043DA16
5H043HA08D
5H043KA08D
5H043KA09D
5H043LA22D
(57)【要約】
【課題】溶接技術を用いることなく製造可能な電池用端子を提供する。
【解決手段】 負極用端子5は、第1金属からなる第1金属部6と、第1金属とは異なる第2金属から成る第2金属部7と、を備える。第1金属部6は、胴部61と、胴部61から第1方向D1に向かって延出する係合部62と、を有し、第2金属部7は、基部71と、基部71から第2方向D2に向かって延出する被係合部72と、を有し、係合部62と被係合部72とは、カシメにより接合されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1金属からなる第1金属部と、
前記第1金属とは異なる第2金属から成る第2金属部と、を備え、
前記第1金属部は、胴部と、前記胴部から第1方向に向かって延出する係合部と、を有し、
前記第2金属部は、基部と、前記基部から前記第1方向とは反対の第2方向に向かって延出する被係合部と、を有し、
前記係合部と前記被係合部とは、カシメにより接合されている電池用端子。
【請求項2】
前記係合部の外周面は前記第1方向に向かうに従い径方向外方に向かって傾斜し、
前記被係合部は環形状であって、前記被係合部の内周面は前記第2方向に向かうに従い径方向内方に向かって傾斜し、
前記係合部の前記外周面は、前記被係合部の前記内周面と面接触している請求項1に記載の電池用端子。
【請求項3】
電極体と、
前記電極体を収容する筐体と、
前記電極体と電気的に接続された正極端子と、
前記電極体と電気的に接続された負極端子と、を備え、
前記負極端子は請求項1又は2に記載の電池用端子である電池。
【請求項4】
第1金属からなる第1金属部と、前記第1金属とは異なる第2金属から成る第2金属部と、を有する電池用端子の製造方法であって、
前記第1金属からなる第1の部品を前記第2金属からなる第2の部品に接合させる接合工程を含み、
前記第1の部品は、胴部と、前記胴部から第1方向に向かって延出する係合部と、を有し、
前記係合部の外周面は前記第1方向に向かうに従い径方向外方に向かって傾斜し、
前記第2の部品は、基部と、前記基部の外周縁から延出する環状の被係合部と、を有するキャップ形状であり、
前記接合工程では、前記第1の部品の前記係合部に前記第2の部品を被せ、前記被係合部を径方向内方へ塑性変形させることで、前記被係合部を前記係合部にカシメて接合する電池用端子の製造方法。
【請求項5】
前記第1の部品を成形する成形工程を更に含み、
前記成形工程は、
棒状の素材に据え込み加工を施すことにより、頭部と脚部を有する第1中間部品を成形する工程と、
前記第1中間部品に後方押出し加工を施すことにより、前記頭部が前記胴部と突部へ変形された第2中間部品を成形する工程と、
第2中間部品に側方押出し加工を施すことにより、前記突部の外周面を斜めに塑性変形させて前記係合部を成形する工程と、を含む請求項4に記載の電池用端子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池用端子、電池及び電池用端子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の電池から成る組電池が広く用いられている。そして、電気自動車のように高い出力電圧が必要とされる場合には、隣接する電池の正極端子と負極端子とをバスバー(金属プレート)を介して電気的に接続することにより、複数の電池が直列に接続される。
【0003】
ところで、電池には、正負の電極端子が異種金属により形成されるものがある。例えば、リチウムイオン電池では、正極端子はアルミニウムからなり、負極端子は銅からなり、これによって電池容量を増している。このような電池を用いた組電池では、アルミニウム製のバスバーを用いるのが一般的であるが、アルミニウム製のバスバーを各電極端子に対してレーザ溶接により接続しようとすると、バスバーと負極端子との溶接は異種金属同士の溶接となる。また、バスバーはアルミニウム製のものに限定されず、銅製や真鍮製のものが用いられることもあり、バスバーの選定によっても異種金属接合となることがある。この異種金属同士の溶接の場合、母材よりも硬く脆い金属間化合物が生成されることから、接合強度が低くなるという問題があった。
【0004】
そこで、ボルトを用いてバスバーと負極端子を接続する方式が一般的に行われているが、ボルトの使用は組電池の軽量化の妨げとなっていた。
【0005】
この点、特許文献1に開示の負極端子は、上部がアルミ合金により形成され、下部が銅合金により形成されており、アルミ合金と銅合金とは超音波溶接、抵抗溶接、又は摩擦攪拌スポット溶接により接合されている。負極端子の上部(アルミ合金)には、アルミ合金製のバスバーがレーザ溶接により接合される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2023-27989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、自動車においてはEV化に合わせて自動運転化が進められているが、自動運転技術を実現するためにはセンサー等の様々な追加部品が必要となり、車両重量が増加する傾向にある。これは、電費(燃費)向上への足かせとなっており、自動車メーカーとしては、機能向上と電費向上が必須であり、価格も抑制する必要がある。そのためには、部品点数の削減や接合の簡易化、接合工程の削減、材料歩留まりの向上等が求められる。
【0008】
特許文献1に開示の負極端子であれば、バスバーとの接続にボルトを用いる必要がないことから、組電池の軽量化が可能となる。しかしながら、超音波接合や摩擦撹拌接合、抵抗溶接には、それぞれ次の様な問題があった。
【0009】
まず、超音波接合による異種金属接合は、当初は十分な接合強度を達成できたとしても摩耗により接合強度が徐々に低下してしまう虞があった。また、接合下面には凹凸ができる為、通電する面としては面積が安定しない。
【0010】
次に、摩擦攪拌接合については、特許文献1でも指摘されているように、ワーク表面に凹みが生じるため、これを埋める必要が生じる。また、ワークに回転ツールを押し込むことから、ワーク全体が変形したり、バリが発生したりする。このため、ワーク形状の修正作業やバリ除去作業が必要となる。
【0011】
そして、抵抗溶接は、ワークを加圧し、通電時に発生するジュール熱によりワークを接合する工法であるが、通電抵抗の低いアルミニウムや銅等を接合するには相当量の電流が必要となる。例えば、1.0mmの板厚を接合するには25000Aもの電流が必要となり、環境負荷が大きい。
【0012】
本発明は、溶接技術を用いることなく製造可能な電池用端子及びこれを備えた電池の提供を目的とする。
【0013】
本発明は、溶接技術を用いない電池用端子の製造方法の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明に係る電池用端子は、第1金属からなる第1金属部と、前記第1金属とは異なる第2金属から成る第2金属部と、を備え、前記第1金属部は、胴部と、前記胴部から第1方向に向かって延出する係合部と、を有し、前記第2金属部は、基部と、前記基部から前記第1方向とは反対の第2方向に向かって延出する被係合部と、を有し、前記係合部と前記被係合部とは、カシメにより接合されている。
【0015】
本発明に係る電池は、電極体と、前記電極体を収容する筐体と、前記電極体と電気的に接続された正極端子と、前記電極体と電気的に接続された負極端子と、を備え、前記負極端子は、上記電池用端子である。
【0016】
本発明に係る電池用端末の製造方法は、第1金属からなる第1金属部と、前記第1金属とは異なる第2金属から成る第2金属部と、を有する電池用端子の製造方法であって、前記第1金属からなる第1の部品を前記第2金属からなる第2の部品に接合させる接合工程を含み、前記第1の部品は、胴部と、前記胴部から第1方向に向かって延出する係合部と、を有し、前記係合部の外周面は前記第1方向に向かうに従い径方向外方に向かって傾斜し、前記第2の部品は、基部と、前記基部の外周縁から延出する環状の被係合部と、を有するキャップ形状であり、前記接合工程では、前記第1の部品の前記係合部に前記第2の部品を被せ、前記被係合部を径方向内方へ塑性変形させることで、前記被係合部を前記係合部にカシメて接合する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る電池用端子によれば、第1金属からなる第1金属部の係合部と、第2金属からなる第2金属部の被係合部とは、カシメにより接合されているので、電気を大量消費する溶接技術を用いることなく製造でき、環境負荷を軽減できる。また、第1金属部と第2金属部はカシメにより接合されているので、溶接により接合した場合と比較しても十分な強度を得ることができる。
【0018】
本発明に係る電池は、上記電池用端子を負極端子として備えるので、上述したのと同様の効果が得られる。
【0019】
本発明に係る電池用端末の製造方法によれば、第1金属から成る第1の部品の係合部に第2金属からなる第2の部品を被せ、第2の部品の被係合部を径方向内方へ塑性変形させることで被係合部を係合部にカシメて接合するので、電気を大量消費する溶接技術を用いることなく電池用端末を製造でき、環境負荷を軽減できる。また、第1金属部と第2金属部はカシメにより接合されているので、溶接により接合した場合と比較しても十分な強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る組電池を示す一部分解概略斜視図。
図2図1に示す組電池が備える電池を概略的に示す断面図。
図3図2に示す電池が備える負極端子を示す斜視図。
図4図3のIV-IV線断面図。
図5図3に示す負極端子の製造に用いられる第1の部品及び第2の部品の断面を示す図。
図6図5に示す第1の部品の成形工程を説明する図。
図7図5に示す第1の部品と第2の部品をプレス接合して負極端子を成形する工程を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1を参照して、本実施形態に係る組電池1は、複数個の電池(電池セル)2と、複数本のバスバー(金属プレート)3と、を備える。各電池2は、正極端子4と負極端子5を備え、相互に隣接する電池2のうち、一方の電池2における正極端子4と他方の電池2における負極端子5とがバスバー3を介して電気的に接続され、このようにして複数個の電池3は複数本のバスバー3により直列に接続されている。本実施形態におけるバスバー3はアルミニウム製であり、正極端子4及び負極端子5に載置されてレーザ溶接により接合されている。
【0022】
図2を参照して、各電池2は更に、筐体21と、電池要素22と、正極ガスケット23と、負極ガスケット24と、を備える。筐体21はケース21aと蓋部材21bを備え、蓋部材21bはケース21aに設けられた開口部を封止する。電池要素22は筐体21に収容され、電極体22aと電解液22bを含む。電極体22aは、正極、負極、及びセパレータを積層又は旋回することによって構成されている。正極端子4は不図示の導通構造により電極体22aの正極側に電気的に接続され、負極端子5は不図示の導通構造により電極体22aの負極側に電気的に接続されている。
【0023】
正極ガスケット23は筐体21の蓋部材21bと正極端子4との間に配置され、蓋部材21bと正極端子4とが電気的に絶縁されている。同様に、負極ガスケット24は筐体21の蓋部材21bと負極端子5との間に配置され、蓋部材21bと負極端子5とが電気的に絶縁されている。
【0024】
正極端子4は、例えばアルミニウムにより形成されており、大径部41と、大径部41と同軸の小径部42と、を有し、大径部41と小径部42は一体に形成されている。
【0025】
負極端子5は、全体的な外観形状は正極端子4と同様であって、大径部51と、大径部51と同軸の小径部52と、を有するが、負極端子5は図3及び図4に示すように、第1金属からなる第1金属部6と、第1金属とは異なる第2金属からなる第2金属部7と、から成る。第1金属は例えば銅であり、第2金属はバスバー3と同種の金属であって、本実施形態ではアルミニウムである。そして、第1金属部6と第2金属部7とは、カシメにより接合されている。
【0026】
より具体的に、第1金属部6は、胴部61と、係合部62と、脚部63と、を有する。胴部61は第1面61aと、第1面61aとは反対側の第2面61bと、を有する。なお、本実施形態において胴部61は円盤状である。係合部62は、胴部61の第1面61aから第1方向D1に向かって延出し、胴部61よりも小径に形成されている。また、係合部62の外周面62aは第1方向D1に向かうに従い径方向外方に向かって傾斜している。脚部63は胴部61の第2面61bから第1方向D1とは反対の第2方向D2に向かって延出し、胴部61よりも小径に形成されている。
【0027】
第2金属部7はキャップ状であり、基部71と、基部71の外周縁から第2方向D2に向かって延出する環状の被係合部72と、を有する。被係合部72の内周面72aは第2方向D2に向かうに従い径方向内方に向かって傾斜し、係合部62の外周面62aと面接触している。また、被係合部72の第2方向D2先端部は第1金属部6の胴部61の第1面61aと当接している。更に、基部71の内面71bと係合部62の先端面62bとは面接触している。
【0028】
そして、第1金属部6の胴部61及び係合部62と第2金属部7により、負極端子5の大径部51が構成され、第1金属部6の脚部63により負極端子5の小径部52が構成されている。
【0029】
かかる構成において、第1金属部6は電極体22の負極側に電気的に接続され、バスバー3は第2金属部7の表面71aにレーザ溶接により接合される。
【0030】
次に、このような負極端子5の製造方法について説明する。図5を参照して、第1金属部6を構成するための第1の部品16と、第2金属部を構成するための第2の部品17を、プレス加工により成形する(成形工程)。第1の部品16は、例えば次のようにしてプレス成形される。
【0031】
まず、図6(a)に示す第1金属からなる棒状の素材16Aに対して据え込み加工を施すことにより、脚部63と頭部160を有する中間部品16B(図6(b))を成形する。次に、中間部品16Bに後方押出し加工を施すことにより、胴部160が胴部61と突部161へ変形された中間部品16C(図6(c))を成形する。更に、ダイB1,B1及びパンチP1を用いて中間部品16Cに側方押出し加工を施すことにより、突部161の外周面161aをダイB1の傾斜面B11に沿って斜めに塑性変形させて窪みR1を形成する。これにより係合部62が成形され、第1の部品16(図6(d))が完成する。
【0032】
なお、中間部品16Cに側方押出し加工を施す際に用いるパンチP1は、その先端部が円錐状のものを用いるのが好ましく、このように先端部が円錐状のパンチP1を用いることより、先端部が平坦なパンチを用いる場合と比較して、少ない荷重で加工することができる。また、このように、パンチP1を用いることにより、係合部62の表面には円錐状の窪みが形成されることになる。
【0033】
一方、第2の部品17(図5)は、第2金属からなる厚肉シート状の素材(図示せず)に後方押出し加工を施すことにより、基部71と被係合部72’とが一体的に成形される。なお、基部71の内面は、第1の部品16の係合部62の表面に対応して、円錐状に形成されるのが好ましい。
【0034】
次に、図7(a)に示す様に、第1の部品16をダイB2にセットし、係合部62に第2の部品17を被せて第2の部品17の被係合部72’の先端を第1の部品16の胴部61aの表面61aに突き当てる。この状態でパンチP2にて両者をプレスすると、第2の部品17の被係合部72’はダイB2とパンチP2の間で押しつぶされるようになり、第1の部品16の係合部62の外周面62aに沿って塑性変形し、窪みR1に入り込む。これにより、第1の部品16が第2の部品17にカシメ接合され、図7(b)に示す様に負極端子5が成形される(接合工程)。
【0035】
ここで、図4を参照して、胴部61の第1面61aと係合部62の外周面62aの成す角度α1は、45°~70°であるのが好ましい。70°を超えると第1金属部6から第2金属部7が抜けやすくなり、また45°よりも小さくなると、図7(a)に示すプレス加工において、第2の部品17の被係合部72’を塑性変形させた際に、被係合部72’(第2金属)が窪みR1に入り込みにくくなる。また、第1方向D1における係合部62の高さ寸法L1は、1.5mm以上あればよい。このように係合部62の高さ寸法L1が僅かであっても、第1金属部6はその全周にわたって第2金属部7とカシメ接合されているため、十分な接合強度を達成できる。
【0036】
このように、本実施形態の負極端子5は、アルミニウムからなる第2金属部7を有するので、同様にアルミニウムからなるバスバー3を負極端子5の第2金属部7へレーザ溶接によって強固に接合させることができる。
【0037】
また、負極端子5の第1金属部6と第2金属部7とはカシメ構造により接合されているので、第1金属部6と第2金属部7とを溶接により接合する場合と比較して、接合の際に要する電力量を軽減でき、環境負荷を軽減できる。また、カシメ構造による接合でも、溶接による接合以上の強度で第1金属部6と第2金属部7を接合させることができる。
【0038】
更に、第1金属部6と第2金属部7とを摩擦撹拌接合により接合すると、第1金属部6又は第2金属部7に凹部や孔が形成されてしまうが、プレス可能による接合では、このような凹部や孔が形成されてしまうこともない。
【0039】
以上、本発明の実施形態について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態の負極端子5の小径部52は中実筒状に形成されているが、本発明は係る構成に限定されず、例えば、小径部52を中空筒状としてもよく、或いは小径部52の外周面にねじ溝を形成し、小径部52を雄ネジ部としても良い。また、負極端子5の外観形状も図示したものに限定されない。
【0041】
また、上記実施形態においては、第1金属部6と第2金属部7からなる電池用端子を負極端子5として説明したが、上記電池用端子の用途はこれに限定されない。
【0042】
更に、上記実施形態では、棒状の素材から中間部品16Bを成形し、中間部材16Bから中間部品16Cを成形し、中間部品16Cから第1の部品16を成形したが、第1の部品16の成形方法はこれに限定されない。
【0043】
上記実施形態では、第1金属の例として銅を挙げ、第2金属の例としてアルミニウムを挙げたが、第1及び第2金属はこれらの金属に限定されず、電池用端子の用途により適宜選択される。例えば、バスバー3としてはアルミニウム製のものに限定されず、銅製や真鍮製のものであってもよく、このような場合にはバスバーの材質に対応させて第2金属を銅や真鍮とすれば良い。このように、バスバーと電池用端子の第2金属部7の材質を合わせることにより、同種金属での溶接が可能となることから、バスバーと電池用端子とを強固に接合させることができる。
【符号の説明】
【0044】
1 組電池
2 電池
3 バスバー
4 正極端子
5 負極端子(電池用端子)
6 第1金属部
7 第2金属部
16 第1の部品
17 第2の部品
61 胴部
62 係合部
71 基部
72 被係合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7