IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025170070
(43)【公開日】2025-11-14
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/301 20060101AFI20251107BHJP
   H10D 64/01 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 64/23 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 64/62 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 30/66 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 30/01 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 12/00 20250101ALI20251107BHJP
   H10D 12/01 20250101ALI20251107BHJP
   B24B 1/00 20060101ALI20251107BHJP
   B28D 5/00 20060101ALI20251107BHJP
【FI】
H01L21/78 L
H01L21/78 F
H01L21/78 V
H10D64/01 S
H10D64/23 B
H10D64/23 M
H10D64/62 B
H10D30/66 101T
H10D30/66 103C
H10D30/66 103
H10D30/66 201A
H10D30/66 101C
H10D30/66 101M
H10D30/66 101L
H10D30/66 102D
H10D30/01 301E
H10D30/01 301A
H10D30/01 301F
H10D30/01 301J
H10D12/00 101T
H10D12/00 103C
H10D12/00 103
H10D12/00 201A
H10D12/00 101C
H10D12/00 101M
H10D12/00 101L
H10D12/00 102D
H10D12/01 E
H10D12/01 A
H10D12/01 F
H10D12/01 J
B24B1/00 Z
B28D5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025149089
(22)【出願日】2025-09-09
(62)【分割の表示】P 2021197811の分割
【原出願日】2021-12-06
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植茶 雅史
(72)【発明者】
【氏名】南雲 裕司
(72)【発明者】
【氏名】津間 博基
(72)【発明者】
【氏名】熊澤 輝顕
(57)【要約】
【課題】端部における沿面放電を抑制しつつ、端部領域における絶縁膜の剥離およびこれに起因する異物発生が抑制された半導体装置の製造方法を実現する。
【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体ウェハWを用意し、半導体ウェハに主電流の経路となる活性領域110を複数形成し、複数の活性領域110を区画する格子状のダイシング領域Dを形成することを含む。また、ダイシング領域Dにブレードを用いて垂直クラックCを形成し、半導体ウェハWのうち垂直クラックCの形成面の反対面から半導体ウェハWを押圧し、垂直クラックCを起点に半導体ウェハWを劈開させて分割し、個片化することを含む。ダイシング領域Dの形成においては、ダイシング領域Dを最表面から応力緩和膜20、絶縁膜19、半導体ウェハWの順に積層された構成とする。垂直クラックCの形成においては、応力緩和膜20の側から半導体ウェハWの表層に垂直クラックCを形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体装置の製造方法であって、
半導体ウェハ(W)を用意することと、
前記半導体ウェハに主電流の経路となる活性領域(110)を複数形成することと、
複数の前記活性領域を区画する格子状のダイシング領域(D)を形成することと、
前記ダイシング領域にブレードを用いて垂直クラック(C)を形成することと、
前記垂直クラックを形成した後、前記半導体ウェハのうち前記垂直クラックを形成した面の反対面から前記半導体ウェハを押圧し、前記垂直クラックを起点として前記半導体ウェハを分割して個片化することと、を含み、
前記ダイシング領域を形成することにおいては、前記ダイシング領域を最表面から応力緩和膜(20)、絶縁膜(19)、前記半導体ウェハの順に積層された構成とし、
前記垂直クラックを形成することにおいては、前記応力緩和膜の側から前記半導体ウェハの表層に前記垂直クラックを形成し、
前記半導体ウェハを個片化することにおいては、前記垂直クラックを起点として前記半導体ウェハを劈開させる、半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記ダイシング領域を形成することにおいては、前記絶縁膜をSiOで構成する、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記ダイシング領域を形成することにおいては、前記応力緩和膜を前記絶縁膜よりも厚い構成とする、請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記半導体ウェハを用意することにおいては、SiCで構成された前記半導体ウェハを用意する、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ダイシング領域を形成することにおいては、前記応力緩和膜をビッカース硬度が100HV未満であるアルミニウム合金材料またはポリイミドで構成する、請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などのパワー半導体装置の分野では、炭化珪素(SiC)を半導体材料として用いたものの開発が進められている。SiCは、シリコンに比べて低オン抵抗や高耐圧である一方で、シリコンよりも硬いため、SiCによりなる半導体ウェハをブレードにより切断して個片化する際にブレードが傾くことがあり、個片化した半導体基板に歪みが生じる原因になりうる。
【0003】
SiCを半導体材料として用いつつ、ダイシング時における不具合を抑制可能な半導体装置の構成としては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1に記載の半導体装置は、SiCで構成された半導体ウェハを個片化する際にブレードと接触する領域であるダイシング領域が膜のない構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-47673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の半導体装置は、ダイシング領域に膜のない構成、すなわち半導体基板の端部に絶縁膜が存在しない構成であるため、沿面放電が生じるおそれがある。また、絶縁膜を設けない構成とした場合、半導体装置の製造においてセルフアライン工程を利用できないため、マスクを用いた工程が増え、製造コストが増大する要因になりうる。
【0006】
さて、半導体ウェハのダイシング手法としては、半導体ウェハのうちダイシング領域に個片化する起点となるクラックや溝を形成するスクライブ工程の後に、当該起点に圧力を加えて半導体ウェハを劈開し、個片化するブレイク工程を行う方法が知られている。以下、説明の簡便化のため、スクライブ工程およびその後のブレイク工程によりなるダイシング工程を「スクライブ・ブレイク工程」と称する。スクライブ・ブレイク工程は、上記したブレードによる切断手法に比べて、ダイシング領域における加工幅が小さく、ブレードの負荷も小さくなるため、シリコンのほか、SiC等の硬い半導体材料を用いた半導体装置への適用も検討されている。
【0007】
スクライブ・ブレイク工程により個片化される半導体装置における沿面放電の抑制のため、ダイシング領域に絶縁膜を有する構成を本発明者らが鋭意検討をした結果、スクライブ工程にてダイシング領域の絶縁膜の剥離やこれに伴う異物が生じることが判明した。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑み、半導体基板の端部での沿面放電を抑制しつつ、スクライブ工程におけるダイシング領域での絶縁膜の剥離およびこれに伴う異物発生を抑制可能な構成の半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の半導体装置の製造方法は、半導体装置の製造方法であって、半導体ウェハ(W)を用意することと、半導体ウェハに主電流の経路となる活性領域(110)を複数形成することと、複数の活性領域を区画する格子状のダイシング領域(D)を形成することと、ダイシング領域にブレードを用いて垂直クラック(C)を形成することと、垂直クラックを形成した後、半導体ウェハのうち垂直クラックを形成した面の反対面から半導体ウェハを押圧し、垂直クラックを起点として半導体ウェハを分割して個片化することと、を含み、ダイシング領域を形成することにおいては、ダイシング領域を最表面から応力緩和膜(20)、絶縁膜(19)、半導体ウェハの順に積層された構成とし、垂直クラックを形成することにおいては、応力緩和膜の側から半導体ウェハの表層に垂直クラックを形成し、半導体ウェハを個片化することにおいては、垂直クラックを起点として半導体ウェハを劈開させる。
【0010】
この半導体装置の製造方法は、半導体ウェハのダイシング領域を最表面から応力緩和膜、絶縁膜、半導体ウェハの順、または最表面から絶縁性材料で構成された応力緩和膜、半導体ウェハの順で積層された構成とする工程を含む。その後、応力緩和膜の側からスクライブ工程により絶縁膜および半導体ウェハの表層に垂直クラックを形成し、当該垂直クラックを起点としてブレイク工程により半導体ウェハを個片化することで半導体装置を製造する。これにより、応力緩和膜を介して絶縁膜または絶縁膜を兼ねる応力緩和膜を介してブレードが半導体ウェハを押圧するため、スクライブ工程において絶縁膜または絶縁膜を兼ねる応力緩和膜の剥離およびこれに伴う異物発生が抑制される。そのため、半導体基板の端部における沿面放電を抑制しつつも、絶縁膜または絶縁膜を兼ねる応力緩和膜の剥離および異物発生を抑制可能な構成の半導体装置を製造することができる。
【0011】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図2】端部領域の断面を拡大して示す拡大断面図である。
図3A】実施形態に係る半導体装置の製造工程のうち半導体基板上へのエピタキシャル層の形成工程を示す断面図である。
図3B図3Aに続く工程を示す断面図である。
図3C図3Bに続く工程を示す断面図である。
図3D図3Cに続く工程を示す断面図である。
図3E図3Dに続く工程を示す断面図である。
図3F図3Eに続く工程を示す断面図である。
図3G図3Fに続く工程を示す断面図である。
図3H図3Gに続く工程を示す断面図である。
図3I図3Hの工程における半導体ウェハを上面視した様子を示す図である。
図3J図3Hに続く工程を示す断面図である。
図3K図3Jに続く工程を示す断面図である。
図4】絶縁膜を有する比較例のサンプルについてスクライブ工程およびブレイク工程を行った結果を示す図である。
図5】絶縁膜および応力緩和膜を有する実施例のサンプルについてスクライブ工程およびブレイク工程を行った結果を示す図である。
図6】変形例に係る半導体装置での端部領域の他の構成例を示す断面図である。
図7】変形例に係る半導体装置での端部領域の他の構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0014】
(実施形態)
実施形態に係る半導体装置100について、図面を参照して説明する。半導体装置100は、例えば、SiC半導体基板をベースに構成されたIGBTやMOSFETなどのパワー半導体装置に適用されると好適であるが、勿論、他の用途にも適用されうる。本明細書では、半導体装置100が縦型のMOSFETとして構成された場合を代表例として説明するが、この構成に限定されるものではない。
【0015】
図面において、半導体装置100の構成要素に付した「n」または「p」は、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを示している。また、nまたはpに付した「+」は、+を付していないnまたはpの層に比べて、相対的に不純物濃度が高い領域であることを示している。pに付した「++」は、「+」を付したpの層に比べて、さらに不純物濃度が高い領域であることを示している。また、説明の便宜上、図1に矢印等で示すように、図1の紙面平面上にて半導体装置100の基板厚み方向に沿った方向を「z方向」と称し、同紙面上においてz方向に直行する方向を「x方向」と称し、xz平面に対して直行する方向を「y方向」と称する。図1以降の図におけるx、y、zの各方向は、図1のx、y、zの各方向に対応している。
【0016】
〔基本構成〕
本実施形態の半導体装置100は、例えば図1に示すように、主電流の経路となる活性領域110と、活性領域110の外周を囲む終端領域120と、活性領域110および終端領域120を囲む端部領域130とを備える。半導体装置100は、端部領域130に位置し、半導体基板1を含む基部の端面100aが後述するブレイク工程により形成された劈開面となっている。
【0017】
活性領域110は、例えば、MOSFET等のデバイス構造を有し、オン状態である場合に基板の厚み方向に沿った主電流の経路となる領域である。活性領域110は、例えば、後述するトレンチMOS構造が基板の平面方向に沿って繰り返し並べられた構成となっており、トレンチMOS構造の数や配置等については適宜変更されうる。
【0018】
なお、以下、本明細書で説明する活性領域110におけるデバイス構成は、あくまで一例であり、他の公知のMOSFET構成であってもよいし、IGBT等の他のデバイス構成であってもよい。活性領域110のデバイス構成例の詳細については後述する。
【0019】
終端領域120は、例えば、基板を上面視したとき、活性領域110を囲む枠体状とされ、半導体装置100全体の耐圧を向上させるために設けられる領域である。終端領域120は、例えば、活性領域110の外端における電界を緩和あるいは分散させる終端構造としてのJTE(Junction Termination Extension)構造17と、n型半導体領域18とを有してなる。n型半導体領域18は、チャネルストッパとして機能する。終端領域120は、例えばJTE構造17およびn型半導体領域18が絶縁膜19により覆われている。なお、終端領域120は、半導体装置100の耐圧向上が可能な構成であればよく、JTE構造17の代わりにガードリング構造等の他の耐圧構造を有する構成であってもよく、適宜変更されうる。
【0020】
端部領域130は、後述する半導体装置100の製造工程のうちスクライブ工程においてブレードに接触する部位を含み、半導体ウェハを分割して個片化されることで半導体基板1の端部となった領域であり、ダイシング領域とも称され得る。端部領域130は、活性領域110および終端領域120を囲む枠体状の領域であり、ブレードの幅よりも広い幅とされる。端部領域130は、例えば図2に示すように、半導体基板1を含む半導体基部と、半導体基部を直接覆う絶縁膜19と、絶縁膜19を覆う応力緩和膜20とがこの順に積層された構成となっている。つまり、端部領域130は、半導体基部に接触する層を下層とし、下層を覆う層を上層として、上層/下層/半導体基部の構成であって、下層が絶縁膜19、上層が応力緩和膜20となっている。ここでいう「半導体基部」とは、半導体基板1と、半導体基板1上に例えばエピタキシャル成長により積層されるn型エピタキシャル層2およびp型エピタキシャル層3とによりなる、SiC等の半導体材料を主として構成される部位を意味する。
【0021】
絶縁膜19は、例えば、SiOなどの絶縁性材料で構成され、CVD(Chemical Vapor Deposition)により形成される。絶縁膜19は、スクライブ工程において半導体基部から剥離すること、およびこれに起因する異物発生を抑制する目的で、応力緩和膜20により覆われている。
【0022】
応力緩和膜20は、例えば、絶縁膜19(例えばSiOのビッカース硬度は1000HV程度)よりも柔らかいビッカース硬度が100HV未満であるアルミニウム合金材料あるいはポリイミドなどの樹脂材料で構成される。応力緩和膜20は、例えば、厚みが1μmとされうるが、絶縁膜19以上の厚みとされることが好ましい。アルミニウム合金材料としては、例えば、AlSi、AlSiCu、AlCuなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、応力緩和膜20を構成する樹脂材料としては、ポリイミドに限定されるものではなく、ビッカース硬度が100HV未満の他の樹脂材料であってもよい。なお、AlSi、ポリイミドのビッカース硬度は、それぞれ19HV、26HVであり、100HV未満である。応力緩和膜20は、例えば、半導体基部上に形成される電極または保護膜と同一材料で構成され、当該電極または保護膜の形成工程で同時に形成される。応力緩和膜20は、端部領域130の最表面に配置され、後述するスクライブ工程においてブレードにより絶縁膜19および半導体基部の表層にクラックを形成する際に、絶縁膜19が半導体基部から剥離することを抑制する役割を果たす。この詳細については後述する。
【0023】
次に、半導体基板1上に形成される活性領域110におけるデバイス構造の一例について説明する。
【0024】
半導体基板1は、例えば、P(リン)がドープされたSi(シリコン)あるいはN(窒素)がドープされたSiC等の半導体材料の単結晶で構成されたn型半導体基板である。半導体基板1は、例えば、n型SiC基板であり、(0001)面すなわちSi面上にn型エピタキシャル層2が積層されている。
【0025】
n型エピタキシャル層2は、例えば、窒素がドープされ、半導体基板1よりも不純物濃度が低いn型ドリフト層である。n型エピタキシャル層2は、例えば、n型SiCエピタキシャル層であり、エピタキシャル成長により形成される。n型エピタキシャル層2のうち半導体基板1とは反対側の表層は、例えば、n型高濃度領域4とされている。n型高濃度領域4は、例えば、n型エピタキシャル層2よりも高い不純物濃度で窒素がドープされた高濃度のn型ドリフト層である。
【0026】
n型エピタキシャル層2のうち半導体基板1とは反対側の表層は、n型高濃度領域4のほか、トレンチ9とは離れた位置に配置される第1p型ベース領域5と、トレンチ9の直下に位置し、トレンチ9よりも広い幅の第2p型ベース領域6とを有してなる。第1p型ベース領域5および第2p型ベース領域6は、例えば、Al(アルミニウム)等の不純物がドープされている。第1p型ベース領域5は、一部がトレンチ9側に延設され、第2p型ベース領域6と接続されていてもよい。n型高濃度領域4、第1p型ベース領域5および第2p型ベース領域6のレイアウトについては、図1に示す例に限定されるものではなく、適宜変更されてもよい。
【0027】
p型エピタキシャル層3は、n型エピタキシャル層2のうち上記の表層上に設けられており、エピタキシャル成長により堆積される。p型エピタキシャル層3のうちn型エピタキシャル層2とは反対側の表層は、例えば、n型ソース領域7と、p++型コンタクト領域8とを有してなる。n型ソース領域7は、p++型コンタクト領域8およびトレンチ9に接する配置となっている。p++型コンタクト領域8は、例えば、2つのトレンチ9の間であって、第1p型ベース領域5の上に位置する領域に配置されている。
【0028】
トレンチ9は、p型エピタキシャル層3の表層からz方向に沿って延設された溝であり、n型エピタキシャル層2中の第2p型ベース領域6に達する深さとなっている。トレンチ9は、互いに離れて複数形成され、その内壁および底面が例えばSiO等の絶縁性材料で構成されたゲート絶縁膜10により覆われている。トレンチ9は、ゲート絶縁膜10の内側がポリシリコン等の材料で構成されたゲート電極11で充填されると共に、ゲート絶縁膜10によりゲート電極11とは電気的に絶縁されている。ゲート絶縁膜10は、トレンチ9の内側のほか、p型エピタキシャル層3の表層の一部であって、トレンチ9の外周領域を覆っており、ゲート電極11と共に層間絶縁膜12に覆われている。
【0029】
層間絶縁膜12は、例えば、半導体基部のうちp型エピタキシャル層3側の主面(以下、単に「主面」という)に設けられ、ゲート絶縁膜10およびゲート電極11を覆っている。層間絶縁膜12は、半導体基部の主面のうちn型ソース領域7の一部およびp++型コンタクト領域8を露出させるコンタクトホールが設けられている。
【0030】
ソース電極13は、例えば、Al等の金属材料やその合金材料により構成され、半導体基部の主面のうち層間絶縁膜12を含む活性領域110を覆っている。ソース電極13は、層間絶縁膜12のコンタクトホールを介してn型ソース領域7およびp++型コンタクト領域8に接する一方で、層間絶縁膜12によりゲート電極11とは電気的に絶縁されている。ソース電極13上には、例えば、はんだ等との接触を良好にするため、金属材料やその合金材料で構成されためっき膜14が積層されている。めっき膜14のうちはんだ等が設けられる部位以外の部位は、例えば、ポリイミド等の樹脂材料で構成された保護膜15が積層されている。半導体基部のうち主面とは反対側の裏面には、ドレイン電極として機能する裏面電極16が形成されている。
【0031】
以上が、実施形態に係る半導体装置100の基本的な構成である。半導体装置100は、端部領域130が半導体基部上に絶縁膜19および応力緩和膜20がこの順で積層され、次に説明する製造工程のうちスクライブ工程においてブレードが応力緩和膜20を介して絶縁膜19を押圧する構成となっている。これにより、半導体装置100は、スクライブ・ブレイク工程において半導体基部から絶縁膜19が剥離することが抑制される。
【0032】
〔製造方法〕
次に、半導体装置100の製造方法について図3A図3Kを参照して説明する。図3A図3H図3J図3Kは、図1に相当する断面を含む断面図であって、製造途中の半導体ウェハの一部を示す図である。
【0033】
まず、例えばn型SiC基板で構成された半導体基板1を用意する。続いて、例えば図3Aに示すように、半導体基板1の主面上に窒素原子等のn型不純物をドープしつつ、SiCで構成された第1n型エピタキシャル層2aをエピタキシャル成長させる。このとき、第1n型エピタキシャル層2aを例えば数十μmの厚さとなるまでエピタキシャル成長させる。
【0034】
次いで、第1n型エピタキシャル層2aのうち半導体基板1とは反対側の表層に、フォトリソグラフィー法により開口部を有する図示しないイオン注入用パターンマスクを酸化膜等で形成する。そして、第1n型エピタキシャル層2aの表層のうち図示しないイオン注入用パターンマスクの開口部に、Al原子等のp型不純物をドープし、例えば図3Bに示すように、互いに離れた第1p型領域5aと第2p型領域5bとを形成する。第1p型領域5a、第2p型領域5bは、それぞれ、後に第1p型ベース領域5の一部、第2p型ベース領域6となる部位である。
【0035】
続いて、図示しないイオン注入用パターンマスクの一部を除去し、窒素原子等のn型不純物をイオン注入し、第1n型エピタキシャル層2aの表層のうち第1p型領域5aと第2p型領域5bとの間に下部n型高濃度領域4aを設ける。
【0036】
そして、例えば図3Cに示すように、第1n型エピタキシャル層2a上に、第2n型エピタキシャル層2bをエピタキシャル成長させる。これにより、n型エピタキシャル層2が形成される。
【0037】
その後、第2n型エピタキシャル層2bの表層上に、例えば、上記と同様の手法で図示しないイオン注入用パターンマスクを酸化膜で形成する。この図示しないマスクの開口部にAl原子等のp型不純物を注入し、第2n型エピタキシャル層2bのうち第1p型領域5a上にp型領域を形成する。これにより、第1p型ベース領域5および第2p型ベース領域6が形成される。
【0038】
次いで、図示しないイオン注入用パターンマスクの一部を除去し、当該マスクの開口部に窒素原子等のn型不純物を注入し、第2n型エピタキシャル層2bの表層の一部に上部n型高濃度領域4bを形成する。これにより、n型高濃度領域4が形成される。
【0039】
続いて、n型エピタキシャル層2上に、Al原子等のp型不純物をドープしつつ、SiCで構成されたp型エピタキシャル層3を例えば1~数μmの厚みまでエピタキシャル成長させる。
【0040】
そして、p型エピタキシャル層3の表面に、例えば、上記と同様の手法で図示しないイオン注入用パターンマスクを酸化膜で形成し、当該マスクの開口部にリン(P)等のn型不純物を注入し、n型ソース領域7を形成する。その後、n型ソース領域7の形成に用いた図示しないマスクを除去し、上記と同様に、n型エピタキシャル層2上に新たな図示しないイオン注入用パターンマスクを形成する。この図示しないマスクの開口部にAl原子等のp型不純物を注入し、n型ソース領域7に接するp++型コンタクト領域8を形成する。次に、図示しないマスク上に酸化膜を積層し、フォトリソグラフィー法で異なる位置に開口部を有する図示しない新たなイオン注入用パターンマスクを形成する。この図示しない新たなマスクの開口部にAl原子等のp型不純物を注入し、JTE構造17を形成する。その後、同様の手順で、JTE構造17の外側(n型ソース領域7の反対側)に位置する部位にn型不純物を注入し、n型半導体領域18を形成する。これにより、半導体ウェハは、図3Dに示す構成となる。
【0041】
その後、p型エピタキシャル層3の表面に、例えば、上記と同様の手法で、図示しないトレンチ形成用パターンマスクを酸化膜で形成する。次に、例えば図3Eに示すように、p型エピタキシャル層3の表面側からドライエッチングにより、第2p型ベース領域6に達するトレンチ9を形成する。トレンチ9を形成した後、図示しないトレンチ形成用パターンマスクを除去する。
【0042】
次いで、p型エピタキシャル層3の表面のほか、トレンチ9の内壁および底面に例えばCVDによりSiOなどによりなる絶縁膜を形成する。当該絶縁膜のうちp型エピタキシャル層3の表面を覆う部分の一部を除去する。これにより、ゲート絶縁膜10および絶縁膜19が形成される。次に、ゲート絶縁膜10の内側に例えばP原子がドープされたポリシリコン層を形成し、不要な部位を除去することでゲート電極11を形成する。これにより、半導体ウェハは、図3Fに示す構成となる。
【0043】
続けて、例えば、リンガラス等の絶縁性材料をp型エピタキシャル層3の表面側に厚みが1μm程度となるまで堆積して絶縁膜を形成した後、当該絶縁膜のうちトレンチゲート構造とは異なる部位をフォトリソグラフィーエッチング法により除去する。これにより、例えば図3Gに示すように、n型ソース領域7およびp++型コンタクト領域8を露出させるコンタクトホールを有するパターン形状の層間絶縁膜12が形成される。その後、例えば、加熱によるリフロー工程により、層間絶縁膜12の表面を平坦化する。
【0044】
そして、スパッタリング等により層間絶縁膜12上およびコンタクトホール内を覆うNi(ニッケル)等の導電性材料で構成された表面電極を形成する。その後、半導体基板1のうちn型エピタキシャル層2とは反対側の面に、スパッタリング等によりNi等の導電性材料で構成された裏面電極16を形成する。次に、表面電極および裏面電極16が形成された半導体ウェハを、例えば、窒素等の不活性ガス雰囲気中において1000℃程度で加熱処理を行う。これにより、表面電極がn型ソース領域7およびp++型コンタクト領域8と、裏面電極16が半導体基板1と、それぞれオーミック接合する。続けて、表面電極側を硫酸過水(SPM)で洗浄し、コンタクトホール以外の未反応Ni(ニッケル)を除去する(セルフアラインシリサイド)。その後、Al等の導電性材料の膜を積層した後、フォトリソグラフィーエッチング法によりパターニングを行い、所定のパターン形状とされたソース電極13を形成する。
【0045】
その後、例えば、ソース電極13上にスパッタリング等により図示しないシード層を形成した後、電解めっきによりめっき膜14を形成する。次に、例えば、半導体ウェハのうちめっき膜14側の一面に、スピンコート等によりポリイミド等の絶縁性材料によりなる膜を形成し、フォトリソグラフィーエッチング法によりめっき膜14上の一部の領域を覆う部分を除去し、保護膜15を形成する。これにより、半導体ウェハは、例えば図3Hに示す状態となる。なお、このとき、半導体ウェハWは、例えば図3Iに示すように、MOSFET構造を有する複数の活性領域110および個々の活性領域110を囲む枠体状の図示しない終端領域120が格子状のダイシング領域Dにより区画された状態となっている。このダイシング領域Dは、次のダイシング工程でブレードと接触する端部領域130に相当する部位である。
【0046】
次いで、例えば図3Jに示すように、半導体ウェハの端部領域130、すなわちダイシング領域Dに沿ってブレードBを走らせ、応力緩和膜20を介して絶縁膜19および半導体基部を押圧する。なお、このとき、半導体ウェハWは、裏面電極16側の面がガラス等によりなる図示しない支持基板に接着剤等により仮固定された状態となっている。このスクライブ工程により、半導体ウェハWのうち絶縁膜19および半導体基部の表層の一部に基板の厚み方向に沿った垂直クラックCを生じさせる。
【0047】
続けて、例えば、半導体ウェハWのうち垂直クラックCを形成した側の面に保護フィルムFを貼り付け、半導体ウェハWを図示しない支持基板から取り外した後、半導体ウェハWのうち裏面電極16側の面に固定用のテープTを貼り付ける。そして、例えば図3Kに示すように、半導体ウェハWを台座Pの上に載置する。このとき、台座Pが例えば半導体ウェハWの端部を支持しており、半導体ウェハWは、垂直クラックCが形成された部位が中空状態となっている。そして、半導体ウェハWのうち垂直クラックCが形成された面の反対面であって、垂直クラックCが形成された部位の真上に位置する部位にブレイキングプレートBPを押し当てる。なお、このとき、例えば、半導体ウェハWに図示しないアライメントマークを予め形成しておき、カメラ等の撮像装置を用いてブレイキングプレートBPの位置合わせを行う。その後、ブレイキングプレートBPにより半導体ウェハWを押圧し、台座Pを利用して三点曲げの要領で垂直クラックCを起点として半導体ウェハWを劈開する。これにより、半導体ウェハWが劈開により分割・個片化されることで端面100aが劈開面とされ、応力緩和膜20により絶縁膜19の剥離およびこれに起因する異物の発生が抑制された構造の半導体装置100を製造することができる。
【0048】
以上が、半導体装置100の基本的な製造方法である。なお、活性領域110におけるデバイス構成や終端領域120の構造に応じて、活性領域110および終端領域120の形成工程については適宜変更されてもよい。また、上記では、応力緩和膜20を保護膜15の形成工程と同時に形成する例について説明したが、これに限られず、応力緩和膜20は、ソース電極13と同時に形成されてもよい。この場合、ソース電極13を構成する導電膜を形成し、当該導電膜のうち絶縁膜19を覆う部分を残すようにパターニングを行うことで、ソース電極13および応力緩和膜20を1つの工程で形成することができる。
【0049】
〔応力緩和膜の効果〕
次に、応力緩和膜20による絶縁膜19のスクライブ・ブレイク工程における剥離抑制について、図4図5を参照して説明する。
【0050】
なお、図4に示す評価結果における「×」は、スクライブ工程およびブレイク工程の少なくとも一方の工程において、絶縁膜あるいは絶縁膜およびこれを覆う膜の剥離が観察されたことを意味する。図5に示す評価結果における「〇」は、スクライブ・ブレイク工程において、絶縁膜あるいは絶縁膜およびこれを覆う膜の剥離が観察されなかったことを意味する。
【0051】
まず、半導体基部を覆う絶縁膜が外部に露出した構成および当該絶縁膜が硬い膜で覆われた構成の比較例1~4のサンプルにスクライブ工程およびブレイク工程を行った場合について説明する。図4に示すように、比較例1~4のサンプルを用意し、それぞれについてスクライブ・ブレイク工程を実施し、それぞれの工程における絶縁膜の状態を確認した。比較例1~4のサンプルは、いずれも半導体基部がSiCであり、SiCの表面が厚み1μmのSiOで構成された絶縁膜により覆われた構成となっている。
【0052】
比較例1のサンプルは、絶縁膜(SiO)の上に他の膜が形成されておらず、SiOがむき出しになっている。比較例1のサンプルは、例えば図4に示すように、スクライブ工程直後において破線で囲まれたスクライブラインに沿って、絶縁膜に幅11~12μmの剥離が生じており、ブレイク工程後にも絶縁膜の剥離が残った状態であった。
【0053】
比較例2のサンプルは、絶縁膜(SiO)の上に厚み0.6μmのポリシリコンで構成された膜が積層され、SiOがポリシリコン膜で覆われている。比較例2のサンプルは、スクライブ工程直後において、比較例1と同様にスクライブラインに沿った広範囲に、ポリシリコン膜および絶縁膜での幅20μm程度の剥離が生じており、ブレイク工程後にもこの剥離が残った状態であった。
【0054】
比較例3のサンプルは、絶縁膜(SiO)の上に厚み0.05μmのTi(チタン)で構成された膜が積層され、SiOがTi膜で覆われている。比較例3のサンプルは、スクライブ工程直後において、比較例1、2に比べて頻度が少ないものの、Ti膜および絶縁膜での幅13~17μm程度の剥離が多数生じており、ブレイク工程後にもこの剥離が残った状態であった。
【0055】
比較例4のサンプルは、絶縁膜(SiO)の上に厚み0.21μmのTiN(窒化チタン)/Tiの積層膜で構成された膜が形成され、SiOがTiN/Ti膜で覆われている。比較例4のサンプルは、スクライブ工程直後において、比較例3と同様に、TiN/Ti膜および絶縁膜での幅20μm程度の剥離が多数生じており、ブレイク工程後にもこの剥離が残った状態であった。
【0056】
また、比較例1~4のサンプルは、いずれもスクライブラインの近傍に、絶縁膜あるいは絶縁膜およびこれを覆う膜の剥離に起因すると思われる異物が多数付着していた。これらの結果は、SiCで構成された半導体基部がSiO膜またはビッカース硬度で100HV以上の硬い膜/SiO膜で覆われた構成の半導体ウェハでは、スクライブ工程において絶縁膜の剥離およびこれに起因する異物が生じることを示している。なお、図4では示していないが、比較例1~4のサンプルは、いずれも、図4のスクライブラインに対して垂直な方向に沿ってスクライブ・ブレイク工程を行った場合についても同様の結果であった。
【0057】
これに対して、図5に示すように、実施例1、2のサンプルについて、比較例1~4のサンプルと同様の評価を行った。実施例1、2のサンプルは、いずれもSiCによりなる半導体基部がSiOで構成された絶縁膜19で覆われている。実施例1のサンプルは、絶縁膜19が厚み5μmのAlSiで構成された応力緩和膜20で覆われた構造である。実施例2のサンプルは、絶縁膜19が厚み10μmのポリイミドで構成された応力緩和膜20で覆われた構造である。
【0058】
実施例1、2のサンプルは、それぞれ、スクライブ工程直後およびブレイク工程後のいずれにおいても絶縁膜の剥離および異物の発生が確認されなかった。これらの結果は、SiCによりなる半導体基部がビッカース硬度で100HV未満の柔らかい膜/SiO膜で覆われた構成の半導体ウェハでは、スクライブ・ブレイク工程において絶縁膜の剥離およびこれに起因する異物の発生を抑制できることを示している。つまり、応力緩和膜20により絶縁膜19を覆い、応力緩和膜20を介してスクライブ工程を行うことで、絶縁膜19の剥離、ひいては異物発生を抑制することができる。なお、図5では示していないが、実施例1、2のサンプルは、いずれも、図5のスクライブラインに対して垂直な方向に沿ってスクライブ・ブレイク工程を行った場合についても同様の結果であった。
【0059】
実施形態の半導体装置100は、ダイシング領域Dであった端部領域130が絶縁膜19および応力緩和膜20で覆われた構成となっており、絶縁膜19によって沿面放電が抑制される。また、端部領域130において絶縁膜19が応力緩和膜20により覆われていることで、スクライブ・ブレイク工程において絶縁膜19が半導体基部から剥離すること、およびこれに起因する異物発生を抑制することができる。そのため、この半導体装置100は、端部領域130における沿面放電、絶縁膜19の剥離および異物発生のいずれもが抑制された構造となっている。なお、上記では、半導体装置100を構成する半導体基部がSiCで構成された場合を代表例としたが、これに限定されるものではなく、半導体装置100は、例えば、半導体基部が主にシリコンで構成された場合であっても同様の効果が得られる。
【0060】
(変形例)
半導体装置100は、例えば図6に示すように、応力緩和膜20が第1層201、第2層202が積層された積層構成であってもよい。また、半導体装置100は、例えば図7に示すように、ポリイミド等の絶縁性材料で構成され、絶縁膜19を兼ねる応力緩和膜20により半導体基部が直接覆われた構成であってもよい。この場合において、応力緩和膜20は、単膜であってもよいし、複数の層が積層された積層膜であってもよい。これらの変形例においても、上記と同様の効果が得られる半導体装置100となる。
【0061】
(他の実施形態)
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらの一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【0062】
上記の実施形態では、絶縁膜19をSiOで構成する場合において、CVDで形成する例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、半導体基板1がシリコンである場合、絶縁膜19は、熱酸化によるSiOでもよい。
【0063】
なお、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0064】
1 半導体基板
100a 端面
110 活性領域
130 端部領域
19 絶縁膜
20 応力緩和膜
C 垂直クラック
D ダイシング領域
W 半導体ウェハ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4
図5
図6
図7