(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017045
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】設備機器管理システム、設備機器出力装置、遠隔管理装置、および設備機器管理方法
(51)【国際特許分類】
G05B 23/02 20060101AFI20250129BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20250129BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
G05B23/02 T
G06Q10/00
H04Q9/00 311H
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119914
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】日本キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】神戸 崇幸
【テーマコード(参考)】
3C223
5K048
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3C223AA01
3C223AA17
3C223BA03
3C223BB02
3C223CC02
3C223CC03
3C223EB01
3C223EB02
3C223FF02
3C223FF12
3C223FF13
3C223FF14
3C223FF15
3C223FF45
3C223FF52
3C223GG01
3C223GG02
3C223HH02
5K048AA04
5K048BA08
5K048BA34
5K048EB12
5K048EB15
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
5L010AA00
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成で、設備機器に関する情報を遠隔の装置に提供することが可能な設備機器管理システムを提供する。
【解決手段】 設備機器管理システムは、設備機器に接続された設備機器出力装置と、設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末と、作業者端末に通信可能に接続された遠隔管理装置とを備える。設備機器出力装置は、設備機器から取得した機器情報を含む出力情報を生成する出力情報生成部と、出力情報を出力部から繰り返し出力させる出力制御部とを有する。作業者端末は、出力された出力情報を読み取る情報読取部を有する。遠隔管理装置は、作業者端末が読み取った読取情報を取得して解析することで、機器情報を解析情報として取得する解析部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器に接続された設備機器出力装置と、前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末と、前記作業者端末に通信可能に接続された遠隔管理装置とを備え、
前記設備機器出力装置は、
情報を出力する出力部と、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報取得部が取得した機器情報を含む出力情報を生成する出力情報生成部と、
前記出力情報を前記出力部から繰り返し出力させる出力制御部と、を有し、
前記作業者端末は、
前記設備機器出力装置の出力部から出力された出力情報を読み取る情報読取部を有し、
前記遠隔管理装置は、
前記作業者端末の情報読取部が読み取った読取情報を取得して解析することで、前記機器情報を解析情報として取得する解析部を有する、設備機器管理システム。
【請求項2】
前記設備機器出力装置の出力情報生成部は、前記出力情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加し、
前記遠隔管理装置の解析部は、前記作業者端末の情報読取部が読み取った読取情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの情報を取得し、取得した情報を解析して前記解析情報を取得する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項3】
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの情報を連続して読み取り可能となるように予め設定された時間分、継続して前記出力情報を取得する処理を実行する、請求項2に記載の設備機器管理システム。
【請求項4】
前記設備機器出力装置の出力情報生成部は、前記出力情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加し、
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの情報を連続して読み取る、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項5】
前記設備機器出力装置の前記出力情報生成部は、前記機器情報を含むテキスト情報または複数の2次元コードを前記出力情報として生成し、
前記出力制御部は、前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを連続してスクロール表示させ、
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された出力情報を、動画情報として撮影することで読み取る、請求項4に記載の設備機器管理システム。
【請求項6】
前記設備機器出力装置は、複数の設備機器に接続され、
前記機器情報取得部は、前記複数の設備機器それぞれから前記機器情報を取得し、
前記出力情報生成部は、前記複数の設備機器の中の1台の設備機器、一部の複数の設備機器、または全部の設備機器に関する機器情報を含む出力情報を生成する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項7】
前記作業者端末の情報取得部は、前記出力情報生成部が生成する出力情報に対応する設備機器の台数に応じて設定された時間分、継続して前記出力情報を取得する処理を実行する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項8】
前記遠隔管理装置は、
前記解析部が取得した前記解析情報に基づいて、前記設備機器の保守管理情報を生成する保守情報生成部と、
前記保守情報生成部が生成した保守管理情報を前記作業者端末に送信する送信制御部をさらに有する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項9】
前記出力情報は、表示情報、光信号、または音信号で構成される、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項10】
前記出力情報は、前記設備機器に関する情報として、前記設備機器の仕様情報、異常発生状況、運転状況情報の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項11】
設備機器に通信可能に接続されるとともに、前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末を介して遠隔管理装置に通信可能に接続され、
情報を出力する出力部と、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報取得部が取得した機器情報を含む出力情報を生成する出力情報生成部と、
前記作業者端末から前記機器情報を前記遠隔管理装置に提供させるために、前記出力情報を前記作業者端末に読み取らせるように前記出力部から繰り返し出力させる出力制御部と、を備える設備機器出力装置。
【請求項12】
設備機器の保守管理を行う作業者が所持し、前記設備機器に通信可能に接続された設備機器出力装置から繰り返し出力された、前記設備機器に関する機器情報を読み取る作業者端末に通信可能に接続され、
前記作業者端末が読み取った読取情報を取得して解析することで、前記機器情報を解析情報として取得する解析部を備える遠隔管理装置。
【請求項13】
設備機器に通信可能に接続されるとともに、前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末を介して遠隔管理装置に通信可能に接続され、情報を出力する出力部を有する設備機器出力装置が、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得し、
取得した機器情報を含む出力情報を生成し、
前記作業者端末から前記機器情報を前記遠隔管理装置に提供させるために、前記出力情報を前記作業者端末に読み取らせるように前記出力部から繰り返し出力させる、設備機器管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、設備機器管理システム、設備機器出力装置、遠隔管理装置、および設備機器管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建物内に設置された設備機器、例えば空調設備には、この空調設備を制御および監視するためのリモートコントローラが設置されている。このような空調設備のリモートコントローラには表示装置またはスピーカ装置等の情報出力装置が設置されており、利用者または保守点検の作業者は、この情報出力装置から出力される情報に基づいて空調設備の異常発生を含む動作状態等を認識し、対応をとることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方で、建物内に設置された空調設備で異常が発生した際には、遠隔の保守管理センタ等でこの異常内容を解析することが必要な場合がある。しかし、空調設備等の設備機器は広域通信ネットワーク等に通信接続されておらず、機器内の状態を示す情報を保守管理センタ内の装置に直接送信することができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、設備機器に関する情報を遠隔の装置に提供することが可能な、設備機器管理システム、設備機器出力装置、遠隔管理装置、および設備機器管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、設備機器管理システムは、設備機器に接続された設備機器出力装置と、設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末と、作業者端末に通信可能に接続された遠隔管理装置とを備える。設備機器出力装置は、設備機器から取得した機器情報を含む出力情報を生成する出力情報生成部と、出力情報を出力部から繰り返し出力させる出力制御部とを有する。作業者端末は、出力された出力情報を読み取る情報読取部を有する。遠隔管理装置は、作業者端末が読み取った読取情報を取得して解析することで、機器情報を解析情報として取得する解析部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空調設備管理システムを示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る空調設備管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の設備機器管理システムの実施形態として、建物に設置された設備機器の一例である空調設備を管理する空調設備管理システムについて、以下に説明する。
【0009】
〈一実施形態による空調設備管理システムの構成〉
図1は、本発明の一実施形態による空調設備管理システム1の構成を示すブロック図である。空調設備管理システム1は、空調設備10と、空調設備10に関する情報を出力する設備機器出力装置としての機能を有するリモートコントローラ20と、空調設備管理システム1の保守管理作業を行う作業者が所持する作業者端末30と、作業者端末30に広域通信ネットワーク40を介して通信可能に接続され、空調設備10に関する情報を収集する遠隔管理装置としての管理サーバ50とを備える。
【0010】
リモートコントローラ20は、第1通信部21と、入力部22と、出力部23と、第1CPUとを有する。第1通信部21は、空調設備10との情報通信を行う。入力部22は、作業者による操作の情報を入力する。本実施形態において出力部23は表示装置で構成され、後述するように第1CPU24からの指示に基づいて所定の表示情報を出力する。
【0011】
第1CPU24は、例えば汎用のマイクロコンピュータが備えるCPU(中央処理装置)であって、所定の空調設備管理プログラムをインストールして実行することにより、以下に示す1又は2以上の情報処理部を構成する。
【0012】
第1CPU24は、2つ以上の情報処理部として、機器情報取得部241と、出力情報生成部242と、出力制御部243とを有する。機器情報取得部241は、入力部22から入力される指示に基づいて、第1通信部21を介して空調設備10から、空調設備10に関する情報、例えば空調設備10の運転状況情報、異常発生状況、または仕様情報の少なくともいずれかを、機器情報として取得する。
【0013】
出力情報生成部242は、機器情報取得部241が取得した機器情報を含む情報ファイルを生成する。この情報ファイルは、例えばテキスト情報、暗号化した1次元または2次元コードの情報の画像情報、またはこれらの情報をスクロール表示させる動画情報等の表示情報で構成される。
【0014】
出力制御部243は、出力情報生成部242が生成した情報ファイル内の表示情報を、出力部23から出力情報として繰り返し表示させる。出力制御部243は、後述するように、表示された出力情報を撮影した撮像情報から、空調設備10に関する情報を管理サーバ50が取得可能な状態で、情報ファイル内の出力情報を表示させる。
【0015】
作業者端末30は例えばスマートデバイスで構成され、撮像部31と、第2通信部32と、タッチパネル33と、第2CPU34とを有する。撮像部31は、所定方向の撮影を行う。第2通信部32は、広域通信ネットワーク40を介して管理サーバ50との情報通信を行う。タッチパネル33は、作業者の操作情報を入力するとともに、後述するように第2CPU34から指示に基づいて所定の情報を表示させる。
【0016】
第2CPU34は、例えば汎用のマイクロコンピュータが備えるCPU(中央処理装置)であって、所定の情報処理プログラムをインストールして実行することにより、以下に示す1又は2以上の情報処理部を構成する。
【0017】
第2CPU34は、2つ以上の情報処理部として、情報読取部341と、読取情報送信制御部342と、表示制御部343とを有する。情報読取部341は、撮像部31が、リモートコントローラ20の出力部23から出力された出力情報を撮影した撮像情報を、読取情報として取得する。つまり第2情報取得部は、リモートコントローラ20の出力部23から出力された出力情報を、リモートコントローラ20に非接触状態で読み取る。
【0018】
読取情報送信制御部342は、情報読取部341が取得した撮像情報を、第2通信部32および広域通信ネットワーク40を介して管理サーバ50に送信する。表示制御部343は、読取情報送信制御部342が撮像情報を送信したことにより管理サーバ50で生成された保守管理情報を取得し、タッチパネル33に表示させる。
【0019】
管理サーバ50は、第3通信部51と、第3CPU52とを有する。第3通信部51は、広域通信ネットワーク40を介して作業者端末30との情報通信を行う。
【0020】
第3CPU52は、例えば汎用のマイクロコンピュータが備えるCPU(中央処理装置)であって、所定の空調設備の遠隔監視用プログラムをインストールして実行することにより、以下に示す1又は2以上の情報処理部を構成する。
【0021】
第3CPU52は、2つ以上の情報処理部として、読取情報取得部521と、解析部522と、保守情報生成部523と、管理情報送信制御部524とを有する。読取情報取得部521は、作業者端末30から送信された読取情報である撮像情報を、第3通信部51を介して取得する。
【0022】
解析部522は、読取情報取得部521が取得した撮像情報を解析して、この撮像情報内に含まれる空調設備10に関する情報を解析情報として取得する。保守情報生成部523は、解析部522が取得した解析情報に基づいて、空調設備10の保守管理情報を生成する。管理情報送信制御部524は、保守情報生成部523が生成した保守管理情報を、第3通信部51および広域通信ネットワーク40を介して作業者端末30に送信する。
【0023】
〈一実施形態による空調設備管理システムの動作〉
図2は、本実施形態による空調設備管理システム1の動作を示すシーケンス図である。保守点検の作業者がリモートコントローラ20の入力部22で空調設備10のメンテナンスのための情報取得指示操作を行うと、機器情報取得部241がこの操作情報を取得する(S1)。
【0024】
機器情報取得部241は、情報取得指示の操作情報を取得すると、空調設備10から機器情報として、例えば運転状況情報を取得する(S2)。次に出力情報生成部242が、機器情報取得部241が取得した機器情報を含む情報ファイルを生成する。
【0025】
本実施形態では、出力情報生成部242は、機器情報取得部241が取得した機器情報を含む動画情報の情報ファイルを生成する。この動画情報は、管理サーバ50により解析可能になるような形態、例えばテキスト情報、暗号化した1次元または2次元のコードで構成した機器情報をスクロール表示させた情報である。
【0026】
出力情報生成部242は、生成した動画情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加する。
【0027】
出力制御部243は、生成した情報ファイルを構成する動画情報を、出力部23から出力情報として繰り返し表示させる(S3)。出力制御部243は、この動画情報を撮影した撮像情報から、管理サーバ50が機器情報を取得可能になるような表示条件で、この動画情報を出力部23に繰り返し表示させる。例えば出力制御部243は、動画情報内で表示される情報の再生速度が所定の速度範囲内になるように、この動画情報を表示させる。
【0028】
なお、出力情報生成部242で生成される情報は、動画ファイルでなくても良く、機器情報を含む情報をスクロール表示させるための情報、例えば、開始マーカ、機器情報を含むテキスト情報または複数の2次元コード、および終了マーカでもよい。この場合、出力制御部243が出力部23に、開始マーカ、機器情報で構成された複数の2次元コード、終了マーカを連続してスクロール表示させる。
【0029】
出力部23への動画情報の表示が開始されると、作業者が作業者端末30の撮像部31を用いて、出力部23に出力された動画情報を、予め設定された時間分、例えば10秒間分、継続して撮影する。この動画情報の撮影時間は、作業者端末30に予めインストールされた空調設備情報取得プログラムにより、リモートコントローラ20の出力部23から出力された動画情報の開始マーカから終了マーカまでの情報を連続して取得可能となるように予め設定される。撮像部31は、作業者がタッチパネル33で所定の撮影開始操作を行ったときに、第2CPU34の制御により設定された時間分、自動で動画情報を撮影してもよい。
【0030】
情報読取部341は、撮像部31が、リモートコントローラ20の出力部23に表示された動画情報を撮影した撮像情報を、読取情報として取得する(S4)。読取情報送信制御部342は、情報読取部341が取得した読取情報を、管理サーバ50に送信する(S5)。
【0031】
ここで、出力情報生成部242が生成する動画情報を、複数の2次元コードを連続して順次スクロール表示させる動画情報とすることで、作業者が、出力された動画情報の動きを認識しながら撮影作業を行うことができる。この場合、作業者端末30のアプリケーションにおける操作、表示、および検知機能を複雑にする必要がなく、簡易な撮影アプリケーションにより必要な情報取得が可能となる。そのため、作業者はメンテナンス専用のアプリケーションを立ち上げる操作を行うことなく、汎用の動画撮影アプリケーションにより、一定時間の撮影を行うことで動画ファイルを作成し、その動画ファイルを管理サーバ50にアップロードしてもよい。
【0032】
情報読取部341が情報を読み取ったときに、第2通信部32が管理サーバ50との通信が不可能な状態である場合には、読取情報送信制御部342は、情報読取部341が取得した読取情報を一時的に保持し、管理サーバ50との通信が可能になった後に送信してもよい。
【0033】
管理サーバ50では、作業者端末30から送信された読取情報である撮像情報を読取情報取得部521が取得する。解析部522は、読取情報取得部521が取得した撮像情報を解析して、撮影情報内のいずれかの開始マーカから、次の終了マーカまでの間の部分撮像情報を取得し、取得した部分撮像情報に含まれる空調設備10に関する機器情報を解析情報として取得する(S6)。
【0034】
保守情報生成部523は、解析部522が取得した解析情報に基づいて、空調設備10の保守管理情報を生成する。保守情報生成部523は、例えば、過去の所定期間の運転状況の履歴に基づいて生成した故障予測情報、機器の更新の案内、点検処理のガイダンス等を含めて保守管理情報を生成する。
【0035】
管理情報送信制御部524は、保守情報生成部523が生成した保守管理情報を作業者端末30に送信する(S7)。作業者端末30では、管理サーバ50から送信された保守管理情報を表示制御部343が取得し、タッチパネル33に表示させる。作業者は、タッチパネル33に表示された保守管理情報を視認して、保守管理作業を行う。
【0036】
以上の実施形態によれば、空調設備が遠隔の管理サーバに通信接続されていない場合でも、管理サーバが空調設備に関する情報を適宜取得して保守管理情報を生成し、作業者端末に提供することができる。
【0037】
この空調設備管理システム1では、作業者端末30は、リモートコントローラ20からの出力情報を読み取って管理サーバ50に送信する機能を有していればよいため、汎用のスマートデバイス等を用いて構成することができ、また作業者端末の負荷が少ない処理により、作業者に保守管理情報を提供することができる。
【0038】
上述した実施形態において、リモートコントローラ20は、空調設備10から取得した機器情報を含む情報ファイルとして、先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加した動画情報を生成し、生成した動画情報を繰り返し表示させることで出力させる。また作業者端末30は出力部23から出力された動画情報を、この動画情報内のいずれかの開始マーカから終了マーカまでの情報を連続して取得可能となる時間分、撮影する。また管理サーバ50は、この撮像情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの間の部分動画情報を取得し、取得した部分動画情報に含まれる空調設備10に関する情報を取得する。
【0039】
このように各装置が処理を実行することで、管理サーバ50は、空調設備10に関する情報を効率良く且つ確実に取得し、取得した情報に基づいて精度の良い保守情報を生成して作業者端末に提供することができる。
【0040】
また上述した実施形態では、リモートコントローラ20の出力部23に出力された動画情報を、作業者端末30の撮像部31が予め設定された時間分、撮影する場合について説明したが、撮像部31が、動画情報内の開始マーカおよび終了マーカを検知する機能を有し、動画情報内の開始マーカの位置から終了マーカの位置までの部分動画情報を撮影するようにしてもよい。
【0041】
このように撮像部31が撮影処理を行うことにより、管理サーバ50の解析部522が撮像情報から部分撮像情報を取得する処理が不要になり、解析部522の処理負荷を軽減させることができる。
【0042】
また上述した実施形態においては、リモートコントローラ20の出力情報生成部242が生成する情報ファイルが、機器情報を含む画像情報または動画情報で構成される場合について説明したが、これには限定されない。出力情報生成部242が生成する情報ファイルは、作業者端末30が読み取って管理サーバ50が解析可能な情報、例えば、光を媒体として情報を出力するための光信号、または音を媒体として情報を出力するための音信号で構成してもよい。
【0043】
情報ファイルを、光信号、例えばLEDの点滅信号で構成する場合は、リモートコントローラ20の出力部23をLEDランプで構成し、作業者端末30は、このLEDランプから出力される光の点滅信号を撮影し、撮影した撮像情報を管理サーバ50に送信する。この場合、管理サーバ50は、取得した撮像情報を解析して、光の点滅信号から空調設備10に関する情報を取得する。
【0044】
また情報ファイルを、音信号、例えば断続的なブザー音で構成する場合は、リモートコントローラ20の出力部23をスピーカ装置で構成し、作業者端末30は、このスピーカ装置から出力されるブザー音の信号を録音し、録音した音声情報を管理サーバ50に送信する。この場合、管理サーバ50は、取得した音声情報を解析して空調設備10に関する情報を取得する。情報ファイルを音信号で構成した場合は、画像情報または動画情報で構成した場合よりも、作業者端末30から管理サーバ50に読取情報を送信する際の通信負荷を軽減させることができる。
【0045】
また上述した実施形態では、リモートコントローラ20に1台の空調設備10が接続され、リモートコントローラ20がこの1台の空調設備10の機器情報を含む出力情報を生成して出力する場合について説明した。しかしこれには限定されず、リモートコントローラ20を、複数の空調設備が接続された集中リモートコントローラで構成し、この集中リモートコントローラの機器情報取得部がこれら複数の空調設備から機器情報を取得し、出力情報生成部が複数の設備機器の中の1台の設備機器、一部の複数の設備機器、または全部の設備機器に関する機器情報を含む出力情報を生成して出力してもよい。
【0046】
この場合、出力情報に対応する空調設備の台数の情報を作業者の操作等により作業者端末30が取得し、取得した情報に応じて、作業者端末30の情報読取部341が動画情報の撮影時間の設定を変更してもよい。このように動画情報の撮影時間の設定を変更することで、情報読取部341は、空調設備の台数が多くなり集中リモートコントローラから出力される機器情報の情報量が増え、生成される動画情報の再生時間が長くなる場合にも、確実にすべての空調設備の機器情報を読み取ることができる。
【0047】
また上述した実施形態では、設備機器管理システムの管理対象が空調設備である場合について説明したが、これには限定されず、他の設備機器を管理対象として、同様の処理を実行してもよい。
【0048】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…空調設備管理システム、10…空調設備、20…リモートコントローラ(設備機器出力装置)、21…第1通信部、22…入力部、23…出力部、24…第1CPU、30…作業者端末、31…撮像部、32…第2通信部、33…タッチパネル、34…第2CPU、40…広域通信ネットワーク、50…管理サーバ(遠隔管理装置)、51…第3通信部、52…第3CPU、241…機器情報取得部、242…出力情報生成部、243…出力制御部、341…情報読取部、342…読取情報送信制御部、343…表示制御部、521…読取情報取得部、522…解析部、523…保守情報生成部、524…管理情報送信制御部
【手続補正書】
【提出日】2024-11-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器に接続された設備機器出力装置と、前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末と、前記作業者端末に通信可能に接続された遠隔管理装置とを備え、
前記設備機器出力装置は、
情報を出力する出力部と、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報取得部が取得した機器情報を含む出力情報を生成し、前記出力情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加する出力情報生成部と、
前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを順次連続して、前記出力部から繰り返し出力させる出力制御部と、を有し、
前記作業者端末は、
前記設備機器出力装置の出力部から出力された情報を読み取る情報読取部を有し、
前記遠隔管理装置は、
前記作業者端末の情報読取部が読み取った読取情報内の開始マーカから次の終了マーカまでの情報を取得し、取得した情報を解析することで、前記機器情報を解析情報として取得する解析部を有する、設備機器管理システム。
【請求項2】
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの情報を連続して読み取り可能となるように予め設定された時間分、継続して前記出力情報を取得する処理を実行する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項3】
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された情報内のいずれかの開始マーカから次の終了マーカまでの情報を連続して読み取る、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項4】
前記設備機器出力装置の前記出力情報生成部は、前記機器情報を含むテキスト情報または複数の2次元コードを前記出力情報として生成し、
前記出力制御部は、前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを連続してスクロール表示させ、
前記作業者端末の情報読取部は、前記設備機器出力装置の出力部から出力された出力情報を、動画情報として撮影することで読み取る、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項5】
前記設備機器出力装置は、複数の設備機器に接続され、
前記機器情報取得部は、前記複数の設備機器それぞれから前記機器情報を取得し、
前記出力情報生成部は、前記複数の設備機器の中の1台の設備機器、一部の複数の設備機器、または全部の設備機器に関する機器情報を含む出力情報を生成する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項6】
前記作業者端末の情報取得部は、前記出力情報生成部が生成する出力情報に対応する設備機器の台数に応じて設定された時間分、継続して前記出力情報を取得する処理を実行する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項7】
前記遠隔管理装置は、
前記解析部が取得した前記解析情報に基づいて、前記設備機器の保守管理情報を生成する保守情報生成部と、
前記保守情報生成部が生成した保守管理情報を前記作業者端末に送信する送信制御部をさらに有する、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項8】
前記出力情報は、表示情報、光信号、または音信号で構成される、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項9】
前記出力情報は、前記設備機器に関する情報として、前記設備機器の仕様情報、異常発生状況、運転状況情報の少なくともいずれかを含む、請求項1に記載の設備機器管理システム。
【請求項10】
設備機器に通信可能に接続され、
情報を出力する出力部と、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得する機器情報取得部と、
前記機器情報取得部が取得した機器情報を含む出力情報を生成し、前記出力情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加する出力情報生成部と、
前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末から前記機器情報を遠隔管理装置に提供させるために前記作業者端末に読み取らせるように、前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを順次連続して、前記出力部から繰り返し出力させる出力制御部と、を備える設備機器出力装置。
【請求項11】
設備機器の保守管理を行う作業者が所持し、前記設備機器に通信可能に接続された設備機器出力装置から出力された出力情報を読み取る作業者端末に通信可能に接続され、
前記出力情報は、前記設備機器から取得した前記設備機器に関する機器情報を含み、先頭位置に開始マーカが付加され、末端位置に終了マーカが付加され、
前記設備機器出力装置は、前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを連続して、繰り返し出力させ、
前記作業者端末が読み取った読取情報内の開始マーカから次の終了マーカまでの情報を取得し、取得した情報を解析することで、前記機器情報を解析情報として取得する解析部を備える、遠隔管理装置。
【請求項12】
設備機器に通信可能に接続され、情報を出力する出力部を有する設備機器出力装置が、
前記設備機器から、前記設備機器に関する機器情報を取得し、
取得した機器情報を含む出力情報を生成し、前記出力情報の先頭位置に開始マーカを付加し、末端位置に終了マーカを付加し、
前記設備機器の保守管理を行う作業者が所持する作業者端末から前記機器情報を遠隔管理装置に提供させるために前記作業者端末に読み取らせるように、前記開始マーカ、前記出力情報、および前記終了マーカを順次連続して、前記出力部から繰り返し出力させる、設備機器管理方法。