(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017060
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】第一測定装置、第二測定装置及び測定システム、並びに測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 21/133 20060101AFI20250129BHJP
G01R 11/02 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
G01R21/133 B
G01R11/02 Z
G01R21/133 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119933
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀春
(72)【発明者】
【氏名】竹内 陽一郎
(57)【要約】
【課題】複数の測定装置の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置同士で同期を取る。
【解決手段】測定システム100の第一測定装置1は、一又は複数の入力端子(1A,1B)を備え、いずれかの入力端子に入力される入力信号の波形の特徴点が検出されるタイミングに基づいて同期信号Ss1を生成する。さらに第一測定装置1は、生成される同期信号Ss1を出力するための出力端子1Cを備え、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で一又は複数の入力端子(1A,1B)の入力信号の測定量を演算する。一又は複数の第二測定装置2は、一又が複数の入力端子(2A,2B)を備え、第一測定装置1の出力端子1Cから出力される同期信号Ss1を受け付けるための同期端子2Cを備え、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、一又は複数の入力端子(2A,2B)の入力信号の測定量を演算する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を測定する複数の測定装置を備える測定システムであって、
第一測定装置は、
前記入力信号を受け付けるための一又は複数の入力端子と、
前記入力端子に入力される前記入力信号の波形の特徴点を検出する検出部と、
前記検出部により前記特徴点が検出されるタイミングに基づいて前記測定装置の各々の動作を同期させる同期信号を生成する生成部と、
前記同期信号によって定められる測定間隔で、前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第一演算部と、
前記生成部により生成される前記同期信号を出力するための出力端子と、を備え、
一又は複数の第二測定装置は、
前記入力信号を受け付けるための一又が複数の入力端子と、
前記第一測定装置の出力端子から出力される前記同期信号を受け付けるための同期端子と、
前記同期信号によって定められる前記測定間隔で、前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第二演算部と、を備える、
測定システム。
【請求項2】
請求項1に記載の測定システムであって、
前記入力信号は、電圧信号又は電流信号であり、
前記測定量は、前記電圧信号又は前記電流信号の実効値又は平均値である、
測定システム。
【請求項3】
請求項1に記載の測定システムであって、
前記複数の入力端子は、前記測定装置の各々に備えられ、電圧信号を受け付けるための電圧入力端子と、電流信号を受け付けるための電流入力端子と、を含み、
前記第一演算部及び前記第二演算部の各々は、前記測定量として前記電圧信号の電圧値及び前記電流信号の電流値を互いに同じ前記測定間隔で演算する、
測定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の測定システムであって、
前記第一演算部及び前記第二演算部の各々は、演算した前記電圧値及び前記電流値に基づいて電力値を算出する、
測定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の測定システムであって、
前記第一演算部は、演算した前記電圧値及び前記電流値に基づいて第一電力値を算出し、
前記第二演算部は、演算した前記電圧値及び前記電流値に基づいて第二電力値を算出し、
前記第一演算部又は前記第二演算部は、前記第一電力値と前記第二電力値とに基づいて電力効率を算出する、
測定システム。
【請求項6】
請求項3に記載の測定システムであって、
前記第一測定装置及び前記第二測定装置と通信を行う外部装置を備え、
前記外部装置は、前記第一演算部及び前記第二演算部の各々により演算された前記電圧値及び前記電流値に基づいて電力値を算出する、
測定システム。
【請求項7】
請求項6に記載の測定システムであって、
前記外部装置は、
前記第一演算部により演算された前記電圧値及び前記電流値に基づいて第一電力値を算出し、
前記第二演算部により演算された前記電圧値及び前記電流値に基づいて第二電力値を算出し、
前記第一電力値と前記第二電力値とに基づいて電力効率を算出する、
測定システム。
【請求項8】
請求項5又は請求項7に記載の測定システムであって、
前記第一電力値及び前記第二電力値のうちの一方は、電力変換装置の入力電力又は前記電力変換装置の入力経路に伝送される電力であり、
他方は、前記電力変換装置の出力電力又は前記電力変換装置の出力経路に伝送される電力である、
測定システム。
【請求項9】
複数の測定装置の各々の動作を同期させる同期信号によって定められる測定間隔で一又は複数の入力端子に入力される入力信号の測定量を演算する第二測定装置に対して接続される第一測定装置であって、
前記入力信号とは異なる入力信号を受け付けるための一又は複数の入力端子と、
前記入力端子に入力される入力信号の波形の特徴点を検出する検出部と、
前記検出部により前記特徴点が検出されるタイミングに基づいて前記同期信号を生成する生成部と、
前記同期信号によって定められる測定間隔で、前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第一演算部と、
前記生成部により生成される前記同期信号を前記第二測定装置に出力するための出力端子と、
を備える第一測定装置。
【請求項10】
複数の測定装置の各々の動作を同期させる同期信号によって定められる測定間隔で一又は複数の入力端子に入力される入力信号の測定量を演算する第一演算部を備え、前記入力端子に入力される入力信号の波形の特徴点を検出し、検出したタイミングに基づいて前記同期信号を生成する第一測定装置に対して接続される第二測定装置であって、
前記入力信号とは異なる入力信号を受け付けるための一又が複数の入力端子と、
前記第一測定装置から出力される前記同期信号を受け付けるための同期端子と、
前記同期信号によって定められる前記測定間隔で、前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第二演算部と、
を備える第二測定装置。
【請求項11】
一又は複数の入力信号を測定する複数の測定装置により実行される測定方法であって、
第一測定装置に入力される前記入力信号の波形の特徴点が検出されるタイミングに基づいて前記測定装置の各々の動作を同期させる同期信号を生成する生成ステップと、
前記同期信号によって定められる測定間隔で、前記第一測定装置に入力される前記一又は複数の入力信号の測定量を演算する第一演算ステップと、
前記同期信号を出力する出力ステップと、
前記第一測定装置から少なくとも一つの第二測定装置に出力される前記同期信号を受け付ける受付ステップと、
前記同期信号によって定められる前記測定間隔で、前記少なくとも一つの第二測定装置に入力される前記一又は複数の入力信号の測定量を演算する第二演算ステップと、
を備える測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号を測定する第一測定装置、第二測定装置及び測定システム、並びに測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、交流用に設定されたチャンネルが複数存在する場合に番号が最も若いチャンネルの線間電圧におけるゼロクロス点で同期を取る電力計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような測定装置においては、入力可能に構成された自身の複数のチャンネル同士の同期を取ることは可能である。しかしながら、複数の測定装置同士で同期を取るには、各測定装置において同じタイミングでゼロクロス点のような特徴点が検出されるよう同一の信号を各測定装置に入力しなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、複数の測定装置の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置同士で同期を取ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、測定システムは、入力信号を測定する複数の測定装置を備える。複数の測定装置のうち第一測定装置は、前記入力信号を受け付けるための一又は複数の入力端子と、前記入力端子に入力される前記入力信号の波形の特徴点を検出する検出部と、前記検出部により前記特徴点が検出されるタイミングに基づいて前記測定装置の各々の動作を同期させる同期信号を生成する生成部と、を含む。さらに第一測定装置は、前記同期信号によって定められる測定間隔で前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第一演算部と、前記生成部により生成される前記同期信号を出力するための出力端子と、を備える。一又は複数の第二測定装置は、前記入力信号を受け付けるための一又が複数の入力端子と、前記第一測定装置の出力端子から出力される前記同期信号を受け付けるための同期端子と、前記同期信号によって定められる前記測定間隔で、前記一又は複数の入力端子に入力される前記入力信号の測定量を演算する第二演算部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、第一測定装置で生成される同期信号を第二測定装置に伝送する構成であるため、第一測定装置及び第二測定装置同士で同期を取ることが可能になる。それゆえ、第二測定装置において第一測定装置の検出部によって特徴点が検出されるタイミングと同じタイミングで特徴点が検出されるよう検出部に入力される信号と同一の信号を第二測定装置に入力することは必要ない。
【0008】
したがって、複数の測定装置の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置同士で同期を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る測定システムの基本構成を示す図である。
【
図2】
図2は、測定システムを構成する各測定装置の一部構成の詳細を例示するブロック図である。
【
図3A】
図3Aは、第一実施形態の同期信号に合わせて各測定装置に入力される信号の測定量を演算する手法の一例を説明するための図である。
【
図3B】
図3Bは、比較例の同期信号に合わせて各測定装置に入力される信号の測定量を演算する手法を説明するための図である。
【
図4】
図4は、測定システムによる測定方法の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、第二実施形態に係る測定システムの構成を示す図である。
【
図6】
図6は、第三実施形態に係る測定システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の各実施形態について説明する。本明細書においては、全体を通じて、同一又は同等の要素には同一の符号を付する。
【0011】
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態に係る測定システム100の構成を示す図である。
【0012】
測定システム100は、複数の測定箇所を測定するシステムであり、例えば、一又は複数の入力ポートと一又は複数の出力ポートとを有する測定対象の入出力信号を測定する。測定対象としては、例えば、多入力一出力、一入力多出力、又は多入力多出力の電力変換器若しくは中継器などが挙げられる。
【0013】
第一実施形態の測定システム100は、一例として、一入力一出力コンバータに伝送される電気信号を測定する。測定システム100は、複数の測定装置1及び2を備え、測定装置1は、一又は複数のチャンネルに入力される入力信号を測定する第一測定装置であり、測定装置2は、一又は複数のチャンネルに入力される入力信号を測定する第二測定装置である。
【0014】
測定装置1及び2の各々は、プロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース、及び、これらを相互に接続するバスなどによって構成されるコンピュータである。
【0015】
第一実施形態の測定装置1及び2の各々は、第1チャンネルCH1に入力される電力を測定する電力計により実現される。測定装置1と測定装置2との間は、無線又は有線により接続され、例えば、同軸ケーブル又は光ケーブルなどの伝送ケーブルを介して接続される。
【0016】
測定装置1は、第1チャンネルCH1のうちの入力端子部1Aに入力される入力信号と、入力端子部1Bに入力される入力信号と、を測定する。また、測定装置1は、測定装置1及び2の各々の測定動作を同期させるための同期信号を出力端子1Cに出力する。
【0017】
第一実施形態において、入力端子部1Aは、正極及び負極の電圧入力端子を有し、コンバータの入力端子部(入力ポート)に接続される。入力端子部1Aには、コンバータの入力端子部により交流の電圧信号が入力信号として印加される。
【0018】
また、入力端子部1Bは、正極及び負極の電流入力端子を有し、コンバータの出力端子部(出力ポート)に接続される。入力端子部1Bには、コンバータの出力端子部から交流の電流信号が入力信号として供給される。
【0019】
さらに、出力端子1Cは、同期信号を測定装置2に伝送するための端子であり、第一実施形態では光ケーブルを介して測定装置2の同期端子2Cに接続される。
【0020】
第一実施形態の測定装置1は、処理部10と、記憶部20と、操作部30と、表示部40と、通信部50と、を備える。
【0021】
測定装置1において、処理部10は、入力端子部1Aに入力される電圧信号、及び入力端子部1Bに入力される電流信号を受け付け、受け付けた電圧信号及び電流信号のいずれかを用いて同期信号を生成する。
【0022】
上述の電圧信号は、測定対象の電圧の大きさに比例した検出信号であり、例えば電圧センサの出力信号などが該当する。電流信号は、測定対象に流れる電流の大きさに比例した検出信号であり、例えば電流センサの出力信号などが該当する。
【0023】
処理部10は、生成した同期信号に基づいて電圧信号及び電流信号を測定する。さらに処理部10は、電圧信号及び電流信号の測定量を用いて第1チャンネルCH1に入力される電力を測定する。
【0024】
また、処理部10は、生成した同期信号を出力端子1Cに出力する。処理部10は、同期信号に加えて、コンバータの電力効率を算出するために第1チャンネルCH1の電力の測定量を出力端子1Cに出力してもよい。
【0025】
記憶部20は、処理部10により得られる第1チャンネルCH1における電圧、電流及び電力の各々の測定量を記憶する。記憶部20には、測定装置1の動作を制御するためのプログラムが記憶されている。記憶部20は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、ROM及びRAMにより構成される。
【0026】
操作部30は、表示画面の周囲に設けられる複数の押しボタン、表示画面内に配置されるタッチセンサ、又は、キーボード及びマウスなどによって構成される。操作部30は、利用者の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作の内容を示す操作信号を生成する。
【0027】
入力操作としては、例えば、電源ボタンを押下する操作、測定条件及び表示条件を設定する操作、入力信号の交流又は直流の種類を設定する操作、及び測定処理の終了を指示する操作などが挙げられる。測定条件を設定する操作には、同期信号を生成するための入力端子部、すなわち同期ソースを設定する操作が含まれる。
【0028】
表示部40は、例えば、処理部10による測定結果又は測定条件などを表示する。表示部40は、例えば、利用者が情報を視認可能、かつ利用者が操作可能なようにタッチパネルにより構成される。これに代えて表示部40は、液晶ディスプレイ又はLEDディスプレイなどにより構成されてもよい。
【0029】
通信部50は、無線又は有線を介して測定装置1自身と外部装置又は測定装置2との間で通信を行う。例えば、通信部50は、処理部10による測定結果及び測定条件を外部装置に送信する。外部装置としては、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン及びタブレットなどの携帯端末、並びに、測定装置1及び2とは別体の測定装置などが挙げられる。
【0030】
続いて、測定装置2の構成について説明する。
【0031】
測定装置2は、自身の同期端子2Cから、測定装置1の出力端子1Cを通じて入力される同期信号を取得する。測定装置2は、取得した同期信号に基づいて、第1チャンネルCH1のうちの入力端子部2Aに入力される入力信号と、入力端子部2Bに入力される入力信号とを測定する。
【0032】
第一実施形態において、入力端子部2Aは、正極及び負極の電圧入力端子を有し、コンバータの出力部(出力ポート)に接続される。入力端子部2Aには、コンバータの出力部により交流の電圧信号が入力信号として印加される。
【0033】
また、入力端子部2Bは、正極及び負極の電流入力端子を有し、コンバータの出力部に接続される。入力端子部2Bには、コンバータの出力部から交流の電流信号が入力信号として供給される。
【0034】
さらに、同期端子2Cは、測定装置1から同期信号を受け取るための端子であり、光ケーブルを介して測定装置1の出力端子1Cに接続される。
【0035】
第一実施形態の測定装置2は、測定装置1と同様に、処理部10と、記憶部20と、操作部30と、表示部40と、通信部50と、を備える。
【0036】
処理部10は、上述の機能に加え、測定装置1から同期端子2Cに入力される同期信号を取得する。処理部10は、取得した同期信号に基づいて、入力端子部2Aに入力される電圧信号、及び入力端子部2Bに入力される電流信号を測定する。処理部10は、電圧信号及び電流信号の測定量を用いて、第1チャンネルCH1に入力される電力を測定する。
【0037】
さらに、処理部10は、測定した電力の測定量を第二電力値として取得するとともに、同期端子2Cから、測定装置1の第1チャンネルCH1における入力電力の測定量を第一電力値として取得する。そして処理部10は、第一電力値により第二電力値を除してコンバータの電力効率を算出する。
【0038】
なお、記憶部20、操作部30、表示部40及び通信部50については、測定装置1と同じ構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0039】
次に、測定装置1及び2の各々の詳細構成について
図2を参照して説明する。
【0040】
図2は、第一実施形態における測定装置1及び2の各々の主要な機能構成を示すブロック図である。
図2では、便宜的に、記憶部20、操作部30及び表示部40が省略されており、測定装置1及び2の各処理部10の機能構成が示されている。
【0041】
測定装置1の処理部10A及び測定装置2の処理部10Bは、それぞれ
図1に示した処理部10の一部機能を実現する。
【0042】
まず、測定装置1の処理部10Aについて説明する。処理部10Aは、電圧測定部11と、電流測定部12と、スイッチ13と、特徴点検出部14と、同期信号処理部15と、演算部16と、を備える。演算部16は、電圧演算部161と、電流演算部162と、電力算出部163と、を備える。
【0043】
電圧測定部11は、入力端子部1Aに入力される電圧信号を測定する。第一実施形態の電圧測定部11は、電圧信号を所定の測定レンジ内の信号レベルに変換する回路であり、入力信号を増幅する増幅器と、増幅器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、によって構成される。
【0044】
電流測定部12は、入力端子部1Bに入力される電流信号を測定する。第一実施形態の電流測定部12は、電流信号を所定の測定レンジ内の信号レベルに変換する回路であり、入力信号を増幅する増幅器と、増幅器の出力信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、によって構成される。
【0045】
スイッチ13は、同期信号を生成するために用いられる一つの波形信号を選択する信号選択器である。スイッチ13は、入力端子部1Aに入力される電圧信号として用いられる電圧測定部11の出力信号、及び入力端子部1Bに入力される電流信号として用いられる電流測定部12の出力信号のうち、
図1に示した操作部30によって指定された交流信号を出力する。
【0046】
第一実施形態のスイッチ13は、操作部30からの操作信号に従って、電圧測定部11の出力信号を特徴点検出部14に出力する。すなわち、スイッチ13は、測定装置1に入力される複数の入力信号の中からいずれか一つの入力信号を同期ソースとして選択する。
【0047】
特徴点検出部14は、入力信号に示される波形の特徴点を検出する検出部として機能する。波形の特徴点としては、例えば、交流波形のゼロクロス点、波形の最大値又は最小値を示す点、若しくは、波形の平均値又は実効値を示す点などが挙げられる。
【0048】
第一実施形態の特徴点検出部14は、一例としてゼロクロスポイント検出回路によって構成される。特徴点検出部14は、スイッチ13から出力される電圧信号のゼロクロス点を検出する。
【0049】
また、特徴点検出部14は、上記の特徴点が検出されたタイミングに基づいて、測定装置1及び2の各々の測定動作を同期させる同期信号を生成する生成部としても機能する。生成される同期信号としては、例えばパルス信号が用いられる。特徴点検出部14は、生成した同期信号を同期信号処理部15に出力する。
【0050】
同期信号処理部15は、特徴点検出部14で生成された同期信号を取得すると、その同期信号を出力端子1Cから光ケーブルを介して測定装置2に送信する。同期信号処理部15は、電力演算又は高周波演算の精度を高めるために共有すべき情報がある場合は、パルス信号で構成される同期信号に共有すべき情報を付随させて送信してもい。
【0051】
また、同期信号処理部15は、同期信号に加えて演算部16により得られる測定結果を送信したり、測定装置2の測定結果を受信したりすることも可能である。このように、同期信号処理部15は、任意のプロトコルを用いて測定装置2の同期信号処理部15との間で通信を行う機能を有する。
【0052】
測定装置1及び2の同期信号処理部15間で通信を行う際には、例えば、測定装置1から測定装置2に対して特定のメモリ領域にアクセスする通信方式が採用される。第一実施形態では、測定装置1の同期信号処理部15によるライトアクセスにてゼロクロス点の通知を測定装置2の同期信号処理部15における特定のメモリ領域に行う。
【0053】
さらに、同期信号処理部15は、特徴点検出部14で生成された同期信号を電圧演算部161及び電流演算部162の各々に供給する。
【0054】
演算部16は、同期信号によって定められる測定間隔で、入力端子部1A及び1Bの少なくとも一つの端子部に入力される入力信号の測定量を演算する第一演算部として機能する。測定量としては、例えば、電圧値、電流値及び電力値などが挙げられる。
【0055】
電圧演算部161は、同期信号処理部15から供給される同期信号に従って測定間隔を定め、その測定間隔ごとに、入力端子部1Aに入力される電圧信号の電圧値を順次演算する。演算される電圧値としては、平均値又は実効値などが挙げられる。
【0056】
第一実施形態において、電圧演算部161は、同期信号処理部15からの同期信号により定められる測定間隔に従って、電圧信号の実効値を演算する。電圧演算部161は、演算した電圧信号の実効値を測定量として電力算出部163に出力する。
【0057】
電流演算部162は、電圧演算部161と同様、同期信号に従って測定間隔を定め、その測定間隔ごとに、入力端子部1Bに入力される電流信号の電流値を順次演算する。演算される電流値としては、平均値又は実効値などが挙げられる。
【0058】
第一実施形態において、電流演算部162は、同期信号により定められる測定間隔に従って、電流信号の実効値を演算する。電流演算部162は、演算した電流信号の実効値を測定量として電力算出部163に出力する。
【0059】
電力算出部163は、電圧演算部161から出力される電圧信号の実効値と、電流演算部162から出力される電流信号の実効値とを乗じて、第1チャンネルCH1の入力電力の第一電力値を算出する。
【0060】
続いて、測定装置2の処理部10Bの構成例について説明する。この例では、測定装置2の操作部30により、同期端子2Cに入力される信号が測定装置2の同期信号として選択され、これによりスイッチ13及び特徴点検出部14の機能が無効になっている。
【0061】
処理部10Bは、処理部10Aと同様、同期信号処理部15及び演算部16を備える。演算部16は、電圧演算部161と、電流演算部162と、電力算出部163と、を備える。
【0062】
同期信号処理部15は、上述した機能に加え、測定装置2の操作部30からの操作信号に従って、測定装置1より送信される同期信号を同期端子2Cから受信する。同期信号処理部15は、受信した同期信号を電圧演算部161及び電流演算部162の各々に供給する。
【0063】
演算部16は、同期端子2Cからの同期信号によって定められる測定間隔で、入力端子部2A及び2Bの少なくとも一つの端子部に入力される入力信号の測定量を演算する第二演算部として機能する。測定量としては、例えば、電圧値、電流値及び電力値などが挙げられる。
【0064】
電圧演算部161、電流演算部162及び電力算出部163は、測定装置1と同じ構成であるため、ここでは、これらについての重複する記載は省略する。
【0065】
電力算出部163は、測定装置1と同様、電圧演算部161から出力される電圧信号の実効値と、電流演算部162から出力される電流信号の実効値とを乗じて、第1チャンネルCH1の入力電力の第二電力値を算出する。
【0066】
電力算出部163は、第二電力値を算出すると、測定装置1における第1チャンネルCH1の入力電力の第一電力値を同期信号処理部15から取得し、第一電力値により第二電力値を除して電力効率を算出してもよい。
【0067】
このとき、測定装置1において、同期信号処理部15は、電力算出部163から第一電力値を取得し、その第一電力値を同期信号とともに測定装置2に送信する。そして測定装置2において、同期信号処理部15は、同期信号とともに受信した第一電力値を電力算出部163に出力する。
【0068】
なお、測定装置2の電力算出部163が測定対象となるコンバータの電力効率を算出したが、これに代えて測定装置1の電力算出部163が電力効率を算出してもよい。この場合には、測定装置2の同期信号処理部15から測定装置1の同期信号処理部15へ第一電力値が送信される。
【0069】
次に、第一実施形態における測定装置1及び2による同期処理について
図3A及び
図3Bを参照して説明する。
【0070】
図3Aは、特徴点検出部14で生成された第一実施形態の同期信号Ss1に基づき測定量を演算する手法の一例を説明するためのタイムチャートである。
図3Bは、比較例として、入力信号とは無関係に生成された同期信号Ss9に基づき測定量を演算する手法を説明するためのタイムチャートである。
【0071】
図3A及び
図3Bでは、測定対象となるコンバータの入力端子部が測定装置1の入力端子部1Aに接続され、コンバータの出力端子部が測定装置2の入力端子部2Aに接続された状態での信号処理が示されている。
【0072】
図3A及び
図3Bには、測定装置1の入力端子部1Aに入力された電圧信号の交流波形と、測定装置2の入力端子部2Aに入力された電圧信号の直流波形とが、それぞれ示されており、電圧信号ごとに、縦軸が電圧の大きさを示し、横軸が時間の経過を示す。ここでは、便宜的に、演算タイミングTc0の直後に入力端子部1A及び2Aの各々に電圧信号が入力された例について説明する。
【0073】
図3Aにおいては、測定装置1の出力端子1Cから測定装置2の同期端子2Cに伝送される同期信号Ss1が示されている。この同期信号Ss1は、入力端子部1Aに入力された電圧信号のゼロクロス点が同期信号処理部15によって検出されたタイミングでパルスが形成されるパルス信号である。
【0074】
また、測定量を演算する演算タイミングTc0からTc1までの間、及び、演算タイミングTc1からTc2までの間の更新周期Pdは、入力信号の測定量を更新する周期であり、例えば50[ms]に設定される。また、演算区間を示す測定間隔は、前回の演算タイミングTc0の直前のゼロクロス点から今回の演算タイミングTc1の直前のゼロクロス点までの区間である。
【0075】
図3Aに示すように、測定装置1の出力端子1Cに出力される同期信号Ss1に従って、測定装置1及び2の両者の電圧演算部161により、それぞれ入力端子部1A及び2Aに入力された電圧信号の電圧値が算出される。
【0076】
具体的には、各電圧演算部161により、入力された電圧信号に対し、一周期分の波形W1乃至W6ごとに電圧値として例えば実効値が算出され、各々の演算タイミングTc0乃至Tc2で、算出された複数の実効値に統計処理を施して測定量が演算される。ここにいう測定量としては、複数の実効値の平均値又は中央値などの代表値が挙げられる。
【0077】
同様に、測定装置1の入力端子部1Bに入力される電流信号の測定量と測定装置2の入力端子部2Bに入力される電流信号の測定量が同期信号Ss1に従って演算される。そして、測定装置1の電力算出部163により、入力端子部1A及び1Bの測定量を用いて電力値が算出され、測定装置2の電力算出部163により、入力端子部2A及び2Bの測定量を用いて電力値が算出される。
【0078】
演算タイミングTc1では、同期信号Ss1により定められる測定間隔内の二つの波形W1及びW2の測定量がそれぞれ演算され、演算タイミングTc2では、同期信号Ss1により定められる測定間隔内の三つの波形W3乃至W5の測定量がそれぞれ演算される。
【0079】
このように、一つの同期信号Ss1に従って異なる測定装置1及び2に入力された入力信号の電力演算を行うことにより、測定対象の入力及び出力の両者の演算区間を揃えて電力演算が行われるので、測定対象の電力効率を正確に求めることができる。
【0080】
一方、
図3Bにおいては、同期信号Ss9が入力信号とは無関係に生成されている。このため、入力端子部2Aに入力される電圧信号の波形ではゼロクロス点が検出されないことから、前回の演算タイミングTc0からTc1までの区間、すなわち更新周期Pd自体が測定間隔となる。
【0081】
その結果、測定装置1の入力端子部1Aに入力される電圧信号の測定間隔と、測定装置2の入力端子部2Aに入力される電圧信号の測定間隔と、が互いにズレてしまう。このように、異なる測定間隔で算出された二つの電力値を用いて電力効率が求められるので、電力効率の測定精度が低下してしまう。
【0082】
これに対し、第一実施形態では、測定装置1及び2の双方において、同期信号Ss1を用いて測定間隔が定められるので、比較例の同期信号Ss9を用いる場合に比べて測定量の誤差を低減することができる。
【0083】
次に、第一実施形態における測定システム100の動作について
図4を参照して説明する。
【0084】
図4は、測定システム100による測定方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【0085】
この例においては、測定装置1の入力端子部1Aには、測定対象となるコンバータの入力端子部が接続され、測定装置2の入力端子部2Aには、コンバータの出力端子部が接続される。
【0086】
また、測定装置1の入力端子部1Bには、入力端子部1Aの正極端子に接続された電源ケーブルに流れる電流を検出する電流センサの出力端子部が接続され、入力端子部2Bには、入力端子部2Aの正極端子に接続された電源ケーブルに流れる電流を検出する電流センサの出力端子部が接続される。電流センサとしては、例えば、電源ケーブルをクランプして電源ケーブルに流れる電流を非接触で検出するセンサが用いられる。
【0087】
ステップS1において、測定装置1のうち入力端子部1Aには、コンバータの入力端子部を構成する正極端子及び負極端子の端子間に生じる電圧信号が入力され、入力端子部1Bには、コンバータの入力端子部に流れる電流信号が入力される。さらに、測定装置2のうち入力端子部2Aには、コンバータの出力端子部を構成する正極端子及び負極端子の端子間に生じる電圧信号が入力され、入力端子部2Bには、コンバータの出力端子部に流れる電流信号が入力される。
【0088】
ステップS2において測定装置1は、入力端子部1Aに入力される波形信号に基づいて、入力された信号の波形についての特徴点を検出する。波形信号には、例えば、ゼロを基準に振動する交流信号、及び直流信号に交流信号が重畳された信号などが含まれる。
【0089】
具体的には、第一実施形態における測定装置1は、入力端子部1Aに入力される交流信号を用いて、交流信号の波形についてのゼロクロス点を検出する。
【0090】
ステップS3において測定装置1は、特徴点を検出したタイミングに従って同期信号Ss1を生成する。
【0091】
上記のステップS2及び3の処理は、測定装置1に入力される入力信号の波形の特徴点が検出されるタイミングに基づいて測定装置1及び2の各々の動作を同期させる同期信号Ss1を生成する生成ステップに相当する。
【0092】
ステップS4において測定装置1は、生成した同期信号Ss1を、出力端子1Cを通じて測定装置2の同期端子2Cに供給する。このステップS4の処理は、同期信号Ss1を出力する出力ステップに相当する。
【0093】
ステップS5において測定装置1は、生成した同期信号Ss1に従って、入力端子部1A及び1Bに入力される信号を測定する。
【0094】
具体的には、第一実施形態における測定装置1は、同期信号Ss1に合わせて、入力端子部1Aに入力される電圧信号の測定量と、入力端子部1Bに入力される電流信号の測定量とを演算する。さらに測定装置1は、電圧信号及び電流信号の各測定量を用いて第一電力値を新たな測定量として算出する。
【0095】
すなわち、ステップS5の処理は、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、測定装置1に入力される一又は複数の入力信号の測定量を演算する第一演算ステップに相当する。
【0096】
ステップS6において測定装置2は、測定装置1から同期端子2Cに供給された同期信号Ss1を受け付け、その同期信号Ss1に従って、入力端子部2A及び2Bに入力される信号をそれぞれ測定する。
【0097】
ステップS6の処理は、測定装置1から少なくとも一つの測定装置2に出力される同期信号Ss1を受け付ける受付ステップと、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、少なくとも一つの測定装置2に入力される一又は複数の入力信号の測定量を演算する第二演算ステップと、に相当する。
【0098】
具体的には、第一実施形態における測定装置2は、同期信号Ss1に合わせて、入力端子部2Aに入力される電圧信号の測定量と、入力端子部2Bに入力される電流信号の測定量と、を演算する。さらに測定装置2は、電圧信号及び電流信号の各測定量を用いて第二電力値を新たな測定量として算出する。
【0099】
ステップS7において測定装置1及び2は、それぞれ測定結果を出力処理する。測定結果としては、例えば電圧値、電流値、電力値、及び、第一電力値に対する第二電力値の電力効率などが挙げられる。
【0100】
例えば、第一実施形態における測定装置1は、入力端子部1A及び1Bの電圧値及び電流値、第一電力値、又は電力効率を表示したり、外部又は内部のメモリに記録したり、外部装置に送信したりする。測定装置2についても同様に測定結果を出力処理する。
【0101】
ステップS7の処理が終了すると、第一実施形態における測定方法についての一連の処理が終了する。
【0102】
次に、第一実施形態による作用効果について説明する。
【0103】
第一実施形態において、測定システム100は、入力信号を測定する複数の測定装置1及び2を備える。測定装置1は第一測定装置であり、測定装置2は、第二測定装置である。
【0104】
上記の測定装置1は、入力信号を受け付けるための一又は複数の入力端子によって構成される入力端子部1A及び2Bを有する。さらに測定装置1は、一つの入力端子部1Aに入力される入力信号の波形の特徴点を検出する検出部として機能する特徴点検出部14を含み、特徴点検出部14は、特徴点が検出されるタイミングに基づいて測定装置1及び2の各々の動作を同期させる同期信号Ss1を生成する生成部としても機能する。
【0105】
そして、測定装置1は、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、一又は複数の入力端子に入力される入力信号の測定量を演算する第一演算部として演算部16を備える。さらに測定装置1は、特徴点検出部14により生成される同期信号Ss1を出力するための出力端子1Cを備える。
【0106】
上記の測定装置2は、入力信号を受け付けるための一又が複数の入力端子によって構成される入力端子部2A及び2Bと、測定装置1の出力端子1Cから出力される同期信号Ss1を受け付けるための同期端子2Cと、を有する。さらに測定装置2は、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、一又は複数の入力端子に入力される入力信号の測定量を演算する第二演算部として演算部16を備える。
【0107】
また、第一実施形態における測定方法は、一又は複数の入力信号を測定する複数の測定装置1及び2により実行される。この測定方法は、測定装置1に入力される一つの入力信号の波形の特徴点が検出されるタイミングに基づいて測定装置1及び2の各々の動作を同期させる同期信号Ss1を生成する生成ステップ(S2,S3)を備える。
【0108】
さらに測定方法は、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、測定装置1に入力される一又は複数の入力信号の測定量を演算する第一演算ステップ(S5)と、同期信号Ss1を出力する出力ステップ(S4)と、を備える。
【0109】
そして測定方法は、測定装置1から少なくとも一つの測定装置2に出力される同期信号Ss1を受け付ける受付ステップと、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、少なくとも一つの測定装置2に入力される一又は複数の入力信号の測定量を演算する第二演算ステップと、を備える。
【0110】
上記の測定システム100及び測定方法の構成によれば、測定装置1で生成される同期信号Ss1を測定装置2に伝送する構成であるため、測定装置1及び測定装置2同士で同期を取ることが可能になる。それゆえ、測定装置2において測定装置1の特徴点検出部14によって特徴点が検出されるタイミングと同じタイミングで特徴点が検出されるように、特徴点検出部14に入力される同期ソースと同一の信号を測定装置2に入力することは必要ない。
【0111】
したがって、複数の測定装置1及び2の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置1及び2同士で同期を取ることができる。
【0112】
また、第一実施形態において、入力信号は、電圧信号又は電流信号であり、測定量は、電圧信号又は電流信号の実効値又は平均値である。
【0113】
この構成によれば、電圧信号又は電流信号が入力又は出力される測定対象の複数の測定量を、測定間隔を揃えて精度よく演算することができる。
【0114】
また、第一実施形態において、複数の入力端子により構成される入力端子部1A及び1Bが測定装置1に備えられるとともに、複数の入力端子により構成される入力端子部2A及び2Bが測定装置2に備えられている。入力端子部1A及び2Aは、電圧信号を受け付けるための電圧入力端子により構成され、入力端子部1B及び2Bは、電流信号を受け付けるための電流入力端子により構成される。
【0115】
そして、互いに同じ測定間隔により、測定装置1及び2の各演算部16の電圧演算部161が、測定量として電圧信号の電圧値を演算するとともに各演算部16の電流演算部162が、測定量として電流信号の電流値を演算する。このとき、測定装置1の電圧演算部161及び電流演算部162が第一演算部として機能し、測定装置2の電圧演算部161及び電流演算部162が第二演算部として機能する。
【0116】
この構成によれば、同じタイミングかつ同じ長さの測定間隔によって電圧値及び電流値の全ての測定量が演算されるので、測定量の各々を比較又は演算することによって測定対象の負荷の状態を精度よく推定することが可能となる。例えば、同じ測定間隔で全ての測定量が演算されるので、測定対象の電力又は電力効率の数値などを精度よく推定することが可能になる。
【0117】
また、第一実施形態において、測定装置1の電力算出部163が第一演算部として機能し、測定装置2の電力算出部163が第二演算部として機能する。そして電力算出部163の各々は、演算された電圧値及び電流値に基づいて電力値を算出する。
【0118】
この構成によれば、測定装置1が測定対象の入力電力を測定して測定装置2が同じ測定対象の出力電力を測定するような場合には、測定対象の入力及び出力の関係を正確に把握することが可能となる。
【0119】
また、第一実施形態において、測定装置1の電力算出部163は、演算された電圧値及び電流値に基づいて第一電力値を算出し、測定装置2の電力算出部163は、演算された電圧値及び電流値に基づいて第二電力値を算出する。そして、いずれかの電力算出部163は、第一電力値と第二電力値とに基づいて電力効率を算出する。
【0120】
この構成によれば、電力値を算出するために用いられる全ての測定量が同じ測定間隔で演算されるので、電力効率の測定誤差を低減することができる。
【0121】
また、第一実施形態において、第一電力値及び第二電力値のうちの一方は、電力変換装置の入力電力であり、他方は、電力変換装置の出力電力である。
【0122】
この構成によれば、測定対象が電力変換装置であるため、電力変換装置の電力効率を精度よく測定することができる。
【0123】
また、第一実施形態において、測定装置1は、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で入力端子部2A及び2Bに入力される入力信号の測定量を演算する測定装置2に対して接続される。
【0124】
この測定装置1は、上述の通り、入力端子部1A及び1Bと、検出部及び生成部としての特徴点検出部14と、第一演算部としての演算部16と、出力端子1Cと、を備える。
【0125】
この構成によれば、測定装置1は、自身で生成した同期信号Ss1を測定装置2に供給する。これにより、測定装置2では、測定装置1で生成された同期信号Ss1によって定められた測定間隔で測定量を演算することが可能になる。これにより、複数の測定装置1及び2の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置1及び2同士で同期を取ることができる。
【0126】
また、第一実施形態において、測定装置2は、第一演算部としての演算部16を備える測定装置1に接続される。測定装置1は、入力端子部1Aに入力される入力信号の波形の特徴点を検出し、検出したタイミングに基づいて同期信号Ss1を生成する。
【0127】
そして測定装置2は、上述の通り、入力端子部2A及び2Bと、同期端子2Cと、第二演算部としての演算部16と、を備える。
【0128】
この構成によれば、測定装置2は、測定装置1で生成された同期信号Ss1に基づいて入力端子部2A及び2Bに入力される入力信号の測定量を演算する。これにより、これにより、複数の測定装置1及び2の各々に同一の信号を入力しなくても測定装置1及び2同士で同期を取ることができる。
【0129】
(第二実施形態)
続いて、第二実施形態に係る測定システムについて
図5を参照して説明する。第二実施形態では、第一実施形態と同一又は同等の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0130】
図5は、第二実施形態に係る測定システム200の構成を示すブロック図である。測定システム200は、測定装置1及び2と、外部装置3と、を備えている。
【0131】
外部装置3は、利用者の入力操作を受け付ける操作部30及び表示部40を備えており、有線又は無線を介して測定装置1又は2に接続される。外部装置3は、操作部30で受け付けられた入力操作に従って、測定装置1及び2の動作を制御する。
【0132】
第二実施形態に係る測定装置1及び2の各々は、第一実施形態とは異なり、四つのチャンネルCH1乃至CH4の電力が測定可能に構成されている。
【0133】
第二実施形態において、測定システム200の測定対象は、直流電力を交流電力に変換する一入力多出力の電力変換装置である。そして電力変換装置の入力端子部が、測定装置1の一つのチャンネルCH1に接続され、電力変換装置の七つの出力端子部が、それぞれ測定装置1の三つのチャンネルCH2乃至CH4及び測定装置2の四つのチャンネルCH1乃至CH4に接続される。
【0134】
第二実施形態の測定装置1及び2は、互いに同じ構成を有するため、まず、測定装置1の構成について詳細に説明する。
【0135】
測定装置1は、四つのモジュールM1乃至M4と、本体部B1と、を備えている。
【0136】
モジュールM1乃至M4の各々は、互いに同じ構成であり、第一実施形態の測定装置1の一部構成を有する。モジュールM1乃至M4は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)により実現される。
【0137】
第二実施形態においては、モジュールM1乃至M4の各々は、入力端子部1A及び1Bと、処理部10Aと、記憶部20と、を有する。処理部10Aは、
図2に示した構成と同じである。
【0138】
本体部B1は、外部装置3からの利用者の入力操作を示す操作信号に従って、モジュールM1乃至M4の各処理部10Aから出力された測定量及び同期信号Ss1の送受信処理及び表示処理を実行する。第二実施形態では、本体部B1は、処理部10Cと、外部装置3に対して通信可能に構成された通信部50と、を備えている。
【0139】
外部装置3の操作部30において、利用者は、測定装置1のチャンネルCH1乃至CH4の中から同期信号Ss1を生成するためのチャンネルを選択し、さらに、選択したチャンネルの入力端子部1A及び1Bの一方を選択する。これにより、操作部30は、操作信号として、選択されたチャンネルの入力端子部を示す端子選択信号を生成する。そして外部装置3は、その端子選択信号を、通信部50を介して処理部10Cに送信する。
【0140】
また、操作部30は、受け付けた入力操作の内容に従って、操作信号として、同期信号Ss1の測定装置2への送信を指示する通信指示信号を生成する。そして外部装置3は、その通信指示信号を、通信部50を介して処理部10Cに送信する。
【0141】
まず、処理部10Cは、操作部30からの端子選択信号を取得すると、各処理部10Aのうち端子選択信号に示されたチャンネルに該当する該当処理部に対し、スイッチ13の接続先を、端子選択信号に示された入力端子部に設定するよう指示する。このとき、他のチャンネルに該当する処理部は、それぞれ同期信号の生成を停止する。これにより、処理部10Cは、該当処理部のみから同期信号Ss1を取得し、取得した同期信号Ss1を他の処理部に供給する。
【0142】
そして、各処理部10Aは、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、入力端子部1A及び1Bに入力される入力信号の測定量を演算する第一演算部として演算部16を備えている。測定量としては、例えば、電圧値、電流値及び電力値などが挙げられる。各処理部10Aは、算出した電力値を第一電力値として処理部10Cに出力する。
【0143】
そして、処理部10Cは、第1チャンネルCH1の第一電力値に対する各チャンネルCH2乃至CH4の第一電力値の比率である電力効率をそれぞれ算出してもよい。このとき、処理部10Cは、第一電力値と第二電力値とに基づいて電力効率を算出する第一演算部として機能する。
【0144】
また、処理部10Cは、操作部30からの通信指示信号を取得すると、その通信指示信号に従って、測定装置1及び測定装置2間の通信を確立し、同期信号Ss1を、出力端子1Cを介して測定装置2に送信する。
【0145】
そして、処理部10Cは、各チャンネルCH1乃至CH4の電力値又は電力効率を示す情報を取得すると、取得した情報を、通信部50を通じて外部装置3に送信する。外部装置3の表示部40は、処理部10Cにより取得された各チャンネルCH1乃至CH4の電力値又は電力効率を表示する。また、表示部40は、電流値、電圧値又は電力値の波形とともに同期信号Ss1の波形を表示してもよい。
【0146】
続いて、測定装置2の構成について簡単に説明する。
【0147】
測定装置2は、四つのモジュールM5乃至M8と、本体部B2と、を備えている。これらは、測定装置1のモジュールM1乃至M4及び本体部B1と同じ構成を有する。
【0148】
測定装置2において、モジュールM5乃至M8の各々は、入力端子部2A及び2Bと、処理部10Aと、記憶部20と、を有し、本体部B1は、処理部10Cと、通信部50と、を有する。
【0149】
外部装置3の操作部30は、受け付けた入力操作に従って、モジュールM5乃至M8の各処理部10Aに対して同期信号の生成を停止する停止信号を操作信号として生成する。そして外部装置3は、その停止信号を、通信部50を介して処理部10Cに送信する。
【0150】
なお、外部装置3は、停止信号を測定装置1の処理部10Cに送信し、測定装置1の処理部10Cは、受信した停止信号を、出力端子1Cを介して測定装置2の処理部10Cに転送してもよい。
【0151】
処理部10Cは、生成された停止信号に従って、モジュールM5乃至M8の各処理部10Aに対し、スイッチ13の接続を制御して同期信号の生成を停止するよう指示する。そして処理部10Cは、測定装置1から同期端子2Cを介して同期信号Ss1を受信すると、同期信号Ss1を各処理部10Aに供給する。
【0152】
これにより、各処理部10Aは、
図3Aに示したように、測定装置1で生成された同期信号Ss1に合わせて、各チャンネルCH1乃至CH4の入力信号の電圧値、電流値及び電力値を測定量として演算する。
【0153】
すなわち、測定装置2の各処理部10Aは、
図2に示したように、同期信号Ss1によって定められる測定間隔で、入力端子部2A及び2Bに入力される入力信号の測定量を演算する第二演算部として演算部16を備えている。そして各処理部10Aは、各チャンネルCH1乃至CH4の電力値を処理部10Cに出力する。
【0154】
また、処理部10Cは、測定装置2の各チャンネルCH1乃至CH4の電力値を第二電力値として取得するとともに、測定装置1の出力端子1Cから測定装置1の第1チャンネルCH1の電力値を第一電力値として取得してもよい。そして処理部10Cは、第1チャンネルCH1の第一電力値に対する各チャンネルCH1乃至CH4の第二電力値の電力効率をそれぞれ算出してもよい。
【0155】
あるいは、処理部10Cは、各チャンネルCH1乃至CH4の電力値を第二電力値として測定装置1の処理部10Cに送信してもよい。そして測定装置1の処理部10Cは、測定装置1の第1チャンネルCH1の電力値に対する各チャンネルCH1乃至CH4の第二電力値の電力効率をそれぞれ算出してもよい。
【0156】
このとき、処理部10Cは、第一電力値と第二電力値とに基づいて電力効率を算出する第二演算部として機能する。処理部10Cは、各チャンネルCH1乃至CH4の電力値又は電力効率を示す情報を取得すると、取得した情報を、通信部50を通じて外部装置3に送信する。
【0157】
外部装置の表示部40は、処理部10Cにより取得された各チャンネルCH1乃至CH4の電力又は電力効率の数値を表示する。また、表示部40は、電流値、電圧値又は電力値の波形とともに同期信号Ss1の波形を表示してもよい。
【0158】
続いて、第二実施形態による作用効果について説明する。
【0159】
第二実施形態の測定システム200は、第一実施形態の測定システム100と同一又は同等の構成を有し、第一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0160】
例えば、測定装置1の各処理部10Aは、演算した電圧値及び電流値に基づいて第一電力値を算出する第一演算部として機能する。さらに測定装置2の各処理部10Aは、演算した電圧値及び電流値に基づいて第二電力値を算出する第二演算部として機能する。そして、測定装置1又は2の処理部10Cは、第一電力値と第二電力値とに基づいて電力効率を算出する第一演算部又は第二演算部として機能する。
【0161】
この構成によれば、電力値を算出するために用いられる全ての測定量が同じタイミングで同じ長さの測定間隔で演算されるので、電力効率の測定誤差を低減することができる。
【0162】
また、第二実施形態においては、測定装置1の第1チャンネルCH1の第一電力値は、電力変換装置の入力電力の大きさである。そして測定装置1の他のチャンネルCH2乃至CH4の第一電力値と、測定装置2の各チャンネルCH1乃至CH4の第二電力値とは、電力変換装置の複数の出力電力の大きさである。
【0163】
この構成によれば、電力変換装置の各入出力の電力効率を精度よく測定することができる。第二実施形態では、測定対象として一入力多出力の電力変換装置を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、測定システム200は、多入力一出力又は多入力多出力の電力変換装置からの入力信号を測定することが可能である。また、ACDCコンバータ及びDCDCコンバータ等の変換装置についても測定可能である。
【0164】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態に係る測定システムについて
図6を参照して説明する。第三実施形態では、外部装置において測定対象の電力値及び電力効率が算出される点が第一実施形態とは異なる。
【0165】
図6は、第三実施形態に係る測定システム300の構成を示す図である。ここでは、第一実施形態の構成と同一又は同等の構成については同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0166】
測定システム300は、測定装置1及び2と、測定装置1及び2の各々と通信を行う外部装置3と、を備えている。第三実施形態において、測定システム300の測定対象は、直流電力を交流電力に変換する一入力一出力の電力変換装置である。電力変換装置の入力端子部が、測定装置1の第1チャンネルCH1に接続され、電力変換装置の出力端子部が、測定装置2の第1チャンネルCH1に接続される。
【0167】
測定装置1においては、第一実施形態と同様、処理部10Aが、
図2に示した特徴点検出部14で生成された同期信号Ss1に従って、入力端子部1A及び1Bに入力される入力信号の電圧値及び電流値を演算する。同様に、測定装置2においても、処理部10Bが、測定装置1の出力端子1Cから同期端子2Cに入力された同期信号Ss1を受け付けると、その同期信号Ss1に従って、入力端子部2A及び2Bに入力される入力信号の電圧値及び電流値を演算する。
【0168】
そして、測定装置1は、自己の通信部50を通じて、処理部10Aにより演算された電圧値及び電流値を外部装置3に送信する。同様に測定装置2も、自己の通信部50を通じて、処理部10Bにより演算された電圧値及び電流値を外部装置3に送信する。
【0169】
外部装置3は、
図2に示した電力算出部163の機能を有する。外部装置3は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又はタブレットなどの携帯端末、若しくは、測定装置1及び2とは別体の測定装置によって構成される。
【0170】
外部装置3は、測定装置1から、入力端子部1A及び1Bに入力された入力信号の電圧値及び電流値を受信すると、受信した電圧値及び電流値に基づいて第一電力値を算出する。また、外部装置は、測定装置2から、入力端子部2A及び2Bに入力された入力信号の電圧値及び電流値を受信すると、受信した電圧値及び電流値に基づいて第二電力値を算出する。
【0171】
外部装置3は、算出した第一電力値及び第二電力値に基づいて測定対象の電力効率を算出する。第三実施形態では、外部装置3は、測定対象となる電力変換装置の入力端子部に入力される電力の第一電力値により、電力変換装置の出力端子部から出力される電力の第二電力値を除して電力変換装置の電力効率を算出する。
【0172】
なお、第三実施形態では外部装置3が第一実施形態の測定装置1及び2の演算結果を受信してこれらの演算結果に基づき電力値及び電力効率を算出したが、これに限られるものではない。例えば、外部装置3は、
図5に示した第二実施形態の測定装置1及び2の各チャンネルの演算結果を受信してこれらの演算に基づき各チャンネルの電力値及び電力効率を算出してもよい。
【0173】
続いて、第三実施形態による作用効果について説明する。
【0174】
第三実施形態において、測定システム300は、測定装置1及び測定装置2と通信を行う外部装置3を備えている。外部装置3は、測定装置1の第一演算部として機能する処理部10A及び測定装置2の第二演算部として機能する処理部10Bの各々により演算された電圧値及び前記電流値に基づいて電力値を算出する。
【0175】
この構成によれば、測定装置1が測定対象の入力電力を測定して測定装置2が同じ測定対象の出力電力を測定するような場合には、測定対象の入力及び出力の関係を正確に把握することが可能となる。
【0176】
また、第三実施形態において、外部装置3は、測定装置1の処理部10Aにより演算された電圧値及び電流値に基づいて第一電力値を算出し、測定装置2の処理部10Bにより演算された電圧値及び電流値に基づいて第二電力値を算出する。そして外部装置3は、算出した第一電力値と第二電力値とに基づいて電力効率を算出する。
【0177】
この構成によれば、電力値を算出するために用いられる測定量の全てが同じ同期信号Ss1に基づく測定間隔で演算されるので、電力効率の測定誤差を低減することができる。
【0178】
第三実施形態における第一電力値は、電力変換装置の入力電力であり、第二電力値は、電力変換装置の出力電力である。この構成によれば、測定対象が電力変換装置であるため、電力変換装置の電力効率を精度よく測定することができる。
【0179】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0180】
例えば、上記実施形態では一つの測定装置2で構成されていたが、複数の測定装置2で構成されてもよい。この場合には、測定装置2が一つである場合に比べて多数のチャンネルの測定量を精度よく推定することが可能となる。
【0181】
また、上記実施形態では測定装置1及び2により電力変換装置等の測定対象の入力端子部及び出力端子部が測定されたが、測定対象の入力経路又は出力経路の途中の測定点において伝送される電力が測定されてもよい。
【0182】
また、上記実施形態では入力端子部1A、1B、2A及び2Bの各々が正極端子及び負極端子で構成されているが、例えば測定装置1及び2が接地されている場合は、接地電位を基準電位とし、入力端子部1A、1B、2A及び2Bの各々は正極端子のみであってもよい。
【0183】
また、第一実施形態では測定装置1及び2の各々に複数の入力端子部(1A,1B)及び(2A,2B)が備えられているが、測定装置1及び2の各々の入力端子部は一つであってもよい。
【0184】
また、第二実施形態では測定装置1及び2の各々に四つのモジュールM1乃至M4が備えられているが、測定装置1及び2の各々には、二つ、三つ又は五つ以上のモジュールが備えられてもよい。
【0185】
また、第二実施形態では外部装置3において利用者の入力操作を行う操作部30及び表示部40が備えられていたが、操作部30及び表示部40は、測定装置1の本体部B1及び測定装置2のB2に備えられてもよい。
【0186】
また、第二実施形態では測定装置1及び2の各々に四つのモジュールM1乃至M4が備えられているが、測定装置1及び2の各々には、二つ、三つ又は五つ以上のモジュールが備えられてもよい。
【符号の説明】
【0187】
100、200 測定システム
1、2 測定装置(第一測定装置、第二測定装置)
1A、1B、2A、2B 入力端子部(入力端子)
1C 出力端子
2C 同期端子
10A 処理部(検出部、生成部、第一演算部、第二演算部)
10B 処理部(第二演算部)
10C 処理部(第一演算部、第二演算部)
14 特徴点検出部(検出部、生成部)
16 演算部(第一演算部、第二演算部)
Ss1 同期信号
S2~S3、S4、S5(生成ステップ、出力ステップ、第一演算ステップ)
S6(受付ステップ、第二演算ステップ)