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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017086
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】振動発生装置
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/04 20060101AFI20250129BHJP
【FI】
B06B1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119971
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】水津 貴之
(72)【発明者】
【氏名】三河 正明
【テーマコード(参考)】
5D107
【Fターム(参考)】
5D107AA13
5D107CC09
5D107DD03
5D107DD12
(57)【要約】
【課題】小型化しやすい振動発生装置を提供すること。
【解決手段】振動発生装置101は、ハウジングHS内に収納された振動体VBと、振動体VBを振動可能に支持する弾性支持部材ESと、本体板部11B及び補強部RFを有し、取付板部11Aを介してハウジングHSに取り付けられるブラケット11と、主束線部MW及び副束線部SWを有し、本体板部11Bの下側に取り付けられたコイル12と、コイル12の上側において上側ヨーク10Uに取り付けられ、主束線部MWに向かう磁束を発生させる上側磁石15Uと、を備える。上側磁石15Uの左端LE1は、副束線部SWの左端LE2よりも内側に位置し、補強部RFの第1補強板部RP1は、副束線部SWの左端LE2よりも内側であって、上側磁石15Uの左端LE1よりも外側の位置(点PS1)から上側に向かって延設されている。
【選択図】図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジング内に収納された可動体と、
前記可動体を第1方向に沿って振動可能に支持する支持部材と、
前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体板部と、前記第2方向における前記本体板部の一端から第1折曲部を介して前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に延設される第1補強板部とを含む補強部を有し、取付板部を介して前記ハウジングに取り付けられるブラケットと、
前記第2方向に延在する複数の導線を含む主束線部、及び、隣り合う二つの前記主束線部を繋ぐ副束線部を有し、前記第3方向における前記本体板部の一方側に取り付けられたコイルと、
前記第3方向における前記コイルの他方側において前記可動体に取り付けられ、前記主束線部に向かう磁束を発生させる永久磁石と、を備え、
前記第2方向における前記永久磁石の一端は、前記第2方向における前記副束線部の一端よりも内側に位置し、
前記第1補強板部は、前記第2方向における前記副束線部の一端よりも内側であって、前記第2方向における前記永久磁石の一端よりも外側の位置から前記第3方向における他方側に向かって延設されていることを特徴とする振動発生装置。
【請求項2】
前記補強部は、前記第3方向における前記第1補強板部の他端から第2折曲部を介して前記第2方向の外側に向かって延設される第2補強板部を含む、
請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項3】
前記取付板部は、前記第2補強板部の外端から外方に延設されている、
請求項2に記載の振動発生装置。
【請求項4】
前記ブラケットは、材料目を有する金属板で形成されており、
前記補強部は、前記材料目の方向と交差する方向に沿って曲げ線が延びるように形成された前記第1折曲部を含んで構成され、
前記第1折曲部は、前記材料目の方向に平行な方向に沿って曲げ線が延びるようには形成されない、
請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項5】
前記ブラケットは、前記ハウジングを構成する材料よりも導電率が大きく強度の小さい金属で形成されており、前記可動体に取り付けられた前記永久磁石が前記第1方向に沿って移動したときの前記磁束の変化を打ち消すように渦電流を発生させて前記可動体の加速度を低減させるように構成されている、
請求項1に記載の振動発生装置。
【請求項6】
前記ハウジングは、ステンレス鋼で形成され、
前記ブラケットは、銅又は銅合金で形成されている、
請求項5に記載の振動発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、振動発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、振動を発生させる振動モータ(振動発生装置)が知られている(特許文献1参照。)。この振動モータは、L字形の支持部(補強部)を介して主ハウジングに固定されたコイル架台によって支持されるコイルを含む固定部材と、磁石鋼セットを含む振動部材とで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-022964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の支持部は、上面視でコイルの輪郭からはみ出るようにコイルの外側に配置されている。そのため、振動モータは、支持部を収容できるように大型化してしまう。
【0005】
そこで、小型化しやすい振動発生装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る振動発生装置は、ハウジングと、前記ハウジング内に収納された可動体と、前記可動体を第1方向に沿って振動可能に支持する支持部材と、前記第1方向に垂直な第2方向に延在する本体板部と、前記第2方向における前記本体板部の一端から第1折曲部を介して前記第1方向及び前記第2方向に垂直な第3方向に延設される第1補強板部とを含む補強部を有し、取付板部を介して前記ハウジングに取り付けられるブラケットと、前記第2方向に延在する複数の導線を含む主束線部、及び、隣り合う二つの前記主束線部を繋ぐ副束線部を有し、前記第3方向における前記本体板部の一方側に取り付けられたコイルと、前記第3方向における前記コイルの他方側において前記可動体に取り付けられ、前記主束線部に向かう磁束を発生させる永久磁石と、を備え、前記第2方向における前記永久磁石の一端は、前記第2方向における前記副束線部の一端よりも内側に位置し、前記第1補強板部は、前記第2方向における前記副束線部の一端よりも内側であって、前記第2方向における前記永久磁石の一端よりも外側の位置から前記第3方向における他方側に向かって延設されている。
【発明の効果】
【0007】
上述の振動発生装置は、小型化しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】振動発生装置の斜視図である。
図2】振動発生装置の分解斜視図である。
図3】振動部及び非振動体の分解斜視図である。
図4】非振動体の斜視図である。
図5】ベース部材及び弾性支持部材の構成例を示す図である。
図6】振動部及び非振動体の斜視図である。
図7】駆動手段の斜視図である。
図8】板ばねの斜視図である。
図9】ベース部材及びブラケットの斜視図である。
図10】ベース部材、ブラケット、コイル、及び振動体の上面図及び断面図である。
図11】振動発生装置を構成している各部材の斜視図である。
図12】振動発生装置を構成している各部材の斜視図である。
図13】ブラケットの三面図及び断面図を示す。
図14】ベース部材、ブラケット、コイル、及び振動体の断面図である。
図15】ベース部材、ブラケット、コイル、及び振動体の断面図である。
図16】ブラケットの別の構成例の斜視図である。
図17】ブラケットの更に別の構成例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態に係る振動発生装置101を含む振動装置VEについて説明する。図1は、振動発生装置101及び制御部CTRを含む振動装置VEの斜視図である。具体的には、図1の上図は、制御部CTRに接続された振動発生装置101の斜視図であり、図1の下図は、カバー部材1が取り外された状態の振動発生装置101の斜視図である。図2は、振動発生装置101の分解斜視図である。
【0010】
図1及び図2のそれぞれにおけるX1は三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2はX軸の他方向を表す。また、Y1は三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2はY軸の他方向を表す。同様に、Z1は三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2はZ軸の他方向を表す。本実施形態では、振動発生装置101のX1側は、振動発生装置101の前側(正面側)に相当し、振動発生装置101のX2側は、振動発生装置101の後側(背面側)に相当する。また、振動発生装置101のY1側は、振動発生装置101の左側に相当し、振動発生装置101のY2側は、振動発生装置101の右側に相当する。そして、振動発生装置101のZ1側は、振動発生装置101の上側に相当し、振動発生装置101のZ2側は、振動発生装置101の下側に相当する。他の図においても同様である。
【0011】
振動装置VEは、制御部CTR及び振動発生装置101を有する。振動発生装置101は、ハウジングHSと、ハウジングHS内に収容される振動部VPとを有する。
【0012】
ハウジングHSは、図1に示すように、略直方体の外形を有する。本実施形態では、ハウジングHSは、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料で形成されている。そして、ハウジングHSは、カバー部材1及びベース部材2で構成されている。
【0013】
図2に示すように、カバー部材1は、ハウジングHSの側面及び上面を形成するように構成され、ベース部材2は、ハウジングHSの底面を形成するように構成されている。図示例では、ベース部材2は、振動部VPを支持する基台として機能するように構成されている。
【0014】
図示例では、カバー部材1は、略矩形筒状の外周壁部1Aと、外周壁部1Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた平板状の天板部1Tと、を有する。
【0015】
外周壁部1Aは、平板状に形成された四つの側板部を備えている。具体的には、外周壁部1Aは、図2に示すように、互いに対向する第1側板部1A1及び第3側板部1A3と、第1側板部1A1及び第3側板部1A3のそれぞれに垂直で且つ互いに対向する第2側板部1A2及び第4側板部1A4とを有する。
【0016】
制御部CTRは、振動部VPの動きを実現できるように構成されている。図示例では、制御部CTRは、電子回路を含み、振動部VPを振動させるための交流電流を振動部VPに供給できるように構成されている。なお、図示例では、制御部CTRは、ハウジングHSの外部に設置されているが、ハウジングHSの内部に設置されていてもよい。この場合、制御部CTRは、振動発生装置101の構成要素の一つであってもよい。
【0017】
振動部VPは、自身が振動することによってハウジングHSを振動させることができるように構成されている。図示例では、振動部VPは、ハウジングHS内に取り付けられてハウジングHSを振動させることができるように構成されている。
【0018】
次に、図3を参照し、振動部VPの詳細について説明する。図3は、振動部VPの分解斜視図である。振動部VPは、振動体VB、駆動手段DM、及び弾性支持部材ESを含むように構成されている。
【0019】
可動体としての振動体VBは、所定の固有振動数を有するとともに、所定方向に延びる振動軸VA(図2参照)に沿ってハウジングHSに対して振動できるように構成されている。図示例では、振動体VBは、所定の固有振動数を有するとともに、X軸方向(前後方向)に延びる振動軸VA(図2参照)に沿ってベース部材2に対して振動できるように構成されている。
【0020】
駆動手段DMは、振動力発生部の一例であり、振動体VBを振動軸VAに沿って振動させることができるように構成されている。図示例では、駆動手段DMは、制御部CTRを通じて供給される交流電流に応じ、弾性支持部材ESによって弾性的に支持された振動体VBを振動軸VAに沿って振動させることができるように構成されている。
【0021】
弾性支持部材ESは、支持部材の一例であり、ハウジングHSと振動体VBとの間に介在して振動体VBを弾性的に支持できるように構成されている。
【0022】
具体的には、振動体VB、駆動手段DM、及び弾性支持部材ESを含む振動部VPは、ヨーク10、ブラケット11、コイル12、配線基板13、磁石15、及び板ばね17で構成されている。そして、振動体VBは、ヨーク10及び磁石15で構成され、駆動手段DMは、コイル12及び磁石15で構成され、弾性支持部材ESは、板ばね17で構成されている。また、ブラケット11、コイル12、及び配線基板13は、振動体VBとともには振動しない非振動体NVを構成している。非振動体NVは、ハウジングHSとともに振動するが、振動体VBとともには振動しない。
【0023】
ヨーク10は、磁気回路を構成する部材である。実施形態では、ヨーク10は、鉄等を含む磁性材料により形成されている。図示例では、ヨーク10は、上側ヨーク10U及び下側ヨーク10Dの二部材で構成され、冷間圧延鋼板(SPCC)で形成されている。上側ヨーク10Uは、振動体VBの上面を構成する部材であり、左側板部LW、右側板部RW、及び天板部TWを含む。具体的には、左側板部LW及び右側板部RWのそれぞれのZ2側の端面には、下側ヨーク10Dに形成された凹部RCとかみ合うことができるように凸部PRが形成されている。下側ヨーク10Dは、振動体VBの下面を構成する部材であり、底板部BWを含む。具体的には、下側ヨーク10DにおけるY1側(左側)の端面及びY2側(右側)の端面のそれぞれには、上側ヨーク10Uに形成された凸部PRとかみ合うことができるように凹部RCが形成されている。
【0024】
ブラケット11は、導電性部材の一例であり、コイル12を磁石15に非接触で対向させた状態でコイル12を支持できるように構成されている。すなわち、ブラケット11は、コイル12を支持するコイルホルダとして機能するように構成されている。また、ブラケット11は、振動体VBと接触しないようにベース部材2に固定されている。本実施形態では、ブラケット11は、銅、アルミ、又はそれらの合金等の非磁性材料で形成された板状部材であり、取付板部11Aと本体板部11Bとを有する。具体的には、ブラケット11は、振動体VBが振動したときであっても、ブラケット11及びコイル12と振動体VBとが接触しない位置で、本体板部11Bから外方に突出する四つの取付板部11Aを介して締結部材、溶接、接着、又はかしめ等によりベース部材2に固定されている。すなわち、コイル12が取り付けられるブラケット11は、振動体VBとともには振動しないように構成されている。
【0025】
コイル12は、電流の供給を受けて磁界を発生させることができるように構成されている。図3に示す例では、コイル12は、直列に接続された三つのコイル巻回部(第1コイル巻回部12A、第2コイル巻回部12B、及び第3コイル巻回部12C)を含む。第1コイル巻回部12A、第2コイル巻回部12B、及び第3コイル巻回部12Cのそれぞれは、Y軸方向に沿った長軸を有する略楕円形状(角丸長方形)を有する。そして、コイル12は、巻き始め側の第1端部12Sと巻き終わり側の第2端部12Eとを有する。また、コイル12は、接着剤等によりブラケット11のZ2側(下側)の面に固定されている。コイル12を構成している導線(銅又は銅合金等で形成された線材)は、表面が絶縁コーティングされている。図3では、明瞭化のため、コイル12は、簡略化された状態で図示され、詳細な巻回状態の図示が省略されている。他の図においても同様である。
【0026】
配線基板13は、コイル12の第1端部12S及び第2端部12Eのそれぞれが接続される部材である。図示例では、配線基板13は、図4の下図に示すように、ブラケット11のZ2側(下側)の面に接着剤で固定されている。図4は、非振動体NVの斜視図である。具体的には、図4の上図は、非振動体NVの上方斜視図であり、図4の下図は、非振動体NVの下方斜視図である。
【0027】
図示例では、配線基板13は、可撓性を有するフレキシブル配線基板であり、左側配線基板13L及び右側配線基板13Rを含む。左側配線基板13L及び右側配線基板13Rは、接着剤等によってブラケット11のX1側(前側)の端部に固定されている。そして、図4の下図に示すように、コイル12の第1端部12Sは、半田又は導電性接着剤等によって右側配線基板13Rの内側導体パターンPIに接続され、コイル12の第2端部12Eは、半田又は導電性接着剤等によって左側配線基板13Lの内側導体パターンPIに接続されている。なお、左側配線基板13L及び右側配線基板13Rのそれぞれにおける外側導体パターンPEは、半田又は導電性接着剤等によって制御部CTRからの導線に接続されている。
【0028】
第1コイル巻回部12A、第2コイル巻回部12B、及び第3コイル巻回部12Cのそれぞれは、空芯部ACを有する。そして、第1端部12S、第1コイル巻回部12A、第2コイル巻回部12B、第3コイル巻回部12C、及び第2端部12Eは導線部CPによって繋がれている。具体的には、導線部CPは、図3に示すように、第1導線部CP1~第4導線部CP4を含む。そして、第1端部12Sと第1コイル巻回部12Aとは第1導線部CP1によって繋がれ、第1コイル巻回部12Aと第2コイル巻回部12Bとは第2導線部CP2によって繋がれ、第2コイル巻回部12Bと第3コイル巻回部12Cとは第3導線部CP3によって繋がれ、第3コイル巻回部12Cと第2端部12Eとは第4導線部CP4によって繋がれている。
【0029】
また、コイル12は、図4の下図に示すように、Y軸方向に沿って延在する主束線部MWと、隣り合う二つの主束線部MWを繋ぐ副束線部SWとを含む。図示例では、主束線部MWは、上面視で矩形状を有するとともにY軸方向(左右方向)に延在する複数の導線を含み、副束線部SWは、上面視で略半円形状を有するとともに同心円状に延在する複数の導線を含む。具体的には、第1コイル巻回部12Aは、前側主束線部12A1、後側主束線部12A2、左側副束線部12A3、及び右側副束線部12A4を有し、第2コイル巻回部12Bは、前側主束線部12B1、後側主束線部12B2、左側副束線部12B3、及び右側副束線部12B4を有し、第3コイル巻回部12Cは、前側主束線部12C1、後側主束線部12C2、左側副束線部12C3、及び右側副束線部12C4を有する。そして、主束線部MWは、前側主束線部12A1、後側主束線部12A2、前側主束線部12B1、後側主束線部12B2、前側主束線部12C1、及び後側主束線部12C2を含む。また、副束線部SWは、左側副束線部12A3、右側副束線部12A4、左側副束線部12B3、右側副束線部12B4、左側副束線部12C3、及び右側副束線部12C4を含む。図4の下図では、明瞭化のため、コイル12の主束線部MWにはドットパターンが付されている。
【0030】
磁石15は、磁束発生部材の一例であり、コイル12とともに駆動手段DMを構成している。図示例では、磁石15は、図3に示すように、上側磁石15U及び下側磁石15Dを含む。上側磁石15U及び下側磁石15Dのそれぞれは略直方体の外形を有する8極着磁された永久磁石である。具体的には、上側磁石15Uは、第1上側磁石部分15U1~第4上側磁石部分15U4を含み、下側磁石15Dは、第1下側磁石部分15D1~第4下側磁石部分15D4を含む。第1上側磁石部分15U1~第4上側磁石部分15U4及び第1下側磁石部分15D1~第4下側磁石部分15D4のそれぞれは、一つのN極部分と一つのS極部分とを含む。図示例では、第1上側磁石部分15U1、第3上側磁石部分15U3、第1下側磁石部分15D1、及び第3下側磁石部分15D3のそれぞれの上面はN極であり、第2上側磁石部分15U2、第4上側磁石部分15U4、第2下側磁石部分15D2、及び第4下側磁石部分15D4のそれぞれの上面はS極である。なお、図3では、明瞭化のため、8極着磁された永久磁石のN極にドットパターンが付され、S極にクロスパターンが付されている。他の図においても同様である。なお、上側磁石15U及び下側磁石15Dのそれぞれは、2極着磁された四つの永久磁石の組み合わせであってもよく、4極着磁された二つの永久磁石の組み合わせであってもよい。
【0031】
板ばね17は、ハウジングHSと振動体VBとの間に介在して振動体VBを弾性的に支持できるように構成される弾性支持部材ESの一例である。本実施形態では、板ばね17は、オーステナイト系ステンレス鋼等の非磁性材料で形成され、図3に示すように、接続部17A、振動体支持部17B、及び弾性腕部17Cを有している。
【0032】
具体的には、板ばね17は、例えば、厚さが0.2mmのオーステナイト系ステンレス鋼でできた金属板に打ち抜き加工及び折り曲げ加工を施すことによって形成される。より具体的には、図5に示すように、板ばね17の接続部17Aは、ベース部材2の底板部2Bに溶接されている。そして、板ばね17は、振動体支持部17B及び弾性腕部17Cがベース部材2と接触しないように、ベース部材2の底板部2Bと振動体支持部17Bとの間に隙間GPが形成された状態で、接続部17Aのみを介してベース部材2に取り付けられている。
【0033】
図5は、ベース部材2及び弾性支持部材ES(板ばね17)の構成例を示す図である。具体的には、図5の上図は、弾性支持部材ES(板ばね17)が取り付けられたベース部材2の斜視図である。図5の下図は、弾性支持部材ES(板ばね17)が取り付けられたベース部材2の正面図であり、図5の上図における破線で囲まれた範囲R1の拡大図に相当する。なお、図5では、明瞭化のため、弾性支持部材ES(板ばね17)にドットパターンが付されている。
【0034】
本実施形態では、板ばね17の接続部17Aは、図5の上図に示すように、第1接続部17A1~第4接続部17A4を含み、板ばね17の弾性腕部17Cは、第1弾性腕部17C1~第4弾性腕部17C4を含む。
【0035】
そして、図5の上図に示すように、第1接続部17A1~第4接続部17A4のそれぞれは、溶接によってベース部材2の底板部2Bに固定されている。また、板ばね17の振動体支持部17Bには、図6に示すように、振動体VBが溶接されている。図6は、振動部VPの斜視図である。具体的には、図6の上図は、非振動体NV(ブラケット11、コイル12、及び配線基板13)の図示が省略された状態の振動部VP(弾性支持部材ES及び振動体VB)の斜視図であり、図6の下図は、非振動体NVが図示された状態の振動部VPの斜視図である。なお、図6の下図では、明瞭化のため、振動する部分(振動体VB及び弾性支持部材ES)にドットパターンが付されている。ドットパターンの存否は、ドットパターンが付されていない非振動体NVが、ドットパターンが付されている振動体VBと接触しないように、ベース部材2(図6の下図では不図示)に固定されることを表している。なお、図1の下図は、振動体VBと接触しないようにベース部材2に固定された非振動体NVを示している。
【0036】
具体的には、振動体VBは、図6の上図に示すように、上側ヨーク10U、上側磁石15U、下側磁石15D、及び下側ヨーク10Dで構成されている。そして、下側ヨーク10Dの底板部BWのZ2側(下側)の面が板ばね17の振動体支持部17BのZ1側(上側)の面に溶接されている。
【0037】
図6の下図に示す状態で、配線基板13を介してコイル12に交流電流が印加されると、振動体VBは、振動軸VAに沿って振動する。
【0038】
ここで、図7を参照し、振動体VBが振動軸VAに沿って振動するときの駆動手段DMの構成要素の位置関係について説明する。図7は、駆動手段DMの構成要素の斜視図である。具体的には、図7の上図は、コイル12の一方向に電流が流れて振動体VB(磁石15)が最もX2側(後側)に移動したときの非振動体NV(コイル12)と振動体VB(磁石15)の位置関係を示している。図7の中央図は、コイル12に電流が流れていないときの非振動体NV(コイル12)と振動体VB(磁石15)の位置関係を示している。図7の下図は、コイル12の他方向に電流が流れて振動体VB(磁石15)が最もX1側(前側)に移動したときの非振動体NV(コイル12)と振動体VB(磁石15)の位置関係を示している。
【0039】
コイル12に電流が流れていない場合、コイル12は、磁界を生成していないため、コイル12と磁石15との間には斥力も引力も発生していない。そのため、磁石15は、図7の中央図に示すように、その中心がコイル12(第2コイル巻回部12B)の中心と向き合うように中立位置に位置付けられている。具体的には、中立位置以外の位置にある振動体VB(磁石15)は、弾性支持部材ES(板ばね17)によって中立位置に戻るように付勢されている。
【0040】
コイル12の第1端部12Sから第2端部12Eに向かって電流が流れると、第1コイル巻回部12Aは、Z1側がN極となりZ2側がS極となるように磁界を生成し、第2コイル巻回部12Bは、Z2側がN極となりZ1側がS極となるように磁界を生成し、第3コイル巻回部12Cは、Z1側がN極となりZ2側がS極となるように磁界を生成する。その結果、第2上側磁石部分15U2のN極部分が第1コイル巻回部12Aから遠ざけられ且つ第2コイル巻回部12Bに引き寄せられ、第3上側磁石部分15U3のS極部分が第2コイル巻回部12Bから遠ざけられ且つ第3コイル巻回部12Cに引き寄せられ、第2下側磁石部分15D2のS極部分が第1コイル巻回部12Aから遠ざけられ且つ第2コイル巻回部12Bに引き寄せられ、第3下側磁石部分15D3のN極部分が第2コイル巻回部12Bから遠ざけられ且つ第3コイル巻回部12Cに引き寄せられることによって、振動体VB(磁石15)は、図7の上図の矢印AR1で示すように、X2側(後側)に移動する。
【0041】
反対に、コイル12の第2端部12Eから第1端部12Sに向かって電流が流れると、第1コイル巻回部12Aは、Z1側がS極となりZ2側がN極となるように磁界を生成し、第2コイル巻回部12Bは、Z2側がS極となりZ1側がN極となるように磁界を生成し、第3コイル巻回部12Cは、Z1側がS極となりZ2側がN極となるように磁界を生成する。その結果、第2上側磁石部分15U2のN極部分が第2コイル巻回部12Bから遠ざけられ且つ第1コイル巻回部12Aに引き寄せられ、第3上側磁石部分15U3のS極部分が第3コイル巻回部12Cから遠ざけられ且つ第2コイル巻回部12Bに引き寄せられ、第2下側磁石部分15D2のS極部分が第2コイル巻回部12Bから遠ざけられ且つ第1コイル巻回部12Aに引き寄せられ、第3下側磁石部分15D3のN極部分が第3コイル巻回部12Cから遠ざけられ且つ第2コイル巻回部12Bに引き寄せられることによって、振動体VB(磁石15)は、図7の下図の矢印AR2で示すように、X1側(前側)に移動する。
【0042】
制御部CTRは、コイル12に流れる電流の向きを交互に反転させることによってコイル12が生成する磁界の向きを交互に反転させることができ、ひいては、振動体VB(磁石15)を振動軸VA(X軸方向)に沿って振動させることができる。
【0043】
次に、図8を参照し、振動体VBが振動するときの弾性腕部17Cの動きについて説明する。図8は、板ばね17の斜視図である。具体的には、図8の上図は、コイル12に電流が流れていないとき、すなわち、振動体VBが中立位置にある(振動していない)ときの板ばね17の状態を示す。図8の下図は、振動体VBがX2側(後側)に移動したときの板ばね17の状態を示す。
【0044】
弾性腕部17Cは、図8の上図に示すように、接続部17Aと振動体支持部17Bとの間に設けられている。具体的には、第1弾性腕部17C1は、第1接続部17A1と振動体支持部17Bとの間に設けられ、第2弾性腕部17C2は、第2接続部17A2と振動体支持部17Bとの間に設けられ、第3弾性腕部17C3は、第3接続部17A3と振動体支持部17Bとの間に設けられ、第4弾性腕部17C4は、第4接続部17A4と振動体支持部17Bとの間に設けられている。
【0045】
駆動手段DMによって矢印AR3で示される方向に振動体VB(図8では図示せず)が移動させられると、弾性腕部17Cは、図8の下図に示すように撓み、X2方向への振動体VBの並進を可能にする。なお、図8では、明瞭化のため、弾性腕部17Cにおける比較的撓みが大きい部分にドットパターンが付されている。
【0046】
反対に、駆動手段DMによって矢印AR3で示される方向(X2方向)とは反対の方向(X1方向)に振動体VBが移動させられると、弾性腕部17Cは、図8の下図に示される撓み方向とは反対の方向に撓み、X1方向への振動体VBの並進を可能にする。
【0047】
ここで再び図3を参照し、上側ヨーク10Uの詳細について説明する。上側ヨーク10Uは、天板部TW、右側板部RW、及び左側板部LWを有する。具体的には、天板部TWのY1側の端部にはZ2方向に延びる左側板部LWが形成され、且つ、天板部TWのY2側の端部にはZ2方向に延びる右側板部RWが形成されている。また、左側板部LW及び右側板部RWのそれぞれの下端には、下側ヨーク10Dに形成された凹部RCとかみ合うように凸部PRが形成されている。図6の上図は、下側ヨーク10Dに形成された凹部RCと上側ヨーク10Uの凸部PRとがかみ合わされた状態を示している。
【0048】
振動体VBを組み立てる際には、上側ヨーク10Uの天板部TW(図3参照)に上側磁石15Uが取り付けられ、下側ヨーク10Dの底板部BW(図3参照)に下側磁石15Dが取り付けられ、更に、上側ヨーク10Uの凸部PRと下側ヨーク10Dの凹部RCとがかみ合わされる。このように、本実施形態では、振動体VBは、組み立てが簡単になるよう、磁石15を囲む上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとが別部材とされている。
【0049】
また、図6の上図に示すように、上側磁石15UのZ1側(上側)の面は、上側ヨーク10Uの天板部TWのZ2側(下側)の面に磁力によって接合され、下側磁石15DのZ2側(下側)の面は、下側ヨーク10Dの底板部BWのZ1側(上側)の面に磁力によって接合されている。そして、上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとに囲まれた空間には、図6の下図に示すように、上側磁石15UよりもZ2側で、且つ、下側磁石15DよりもZ1側に、上側磁石15U及び下側磁石15Dとは非接触の状態で、ブラケット11に固定されたコイル12が設置されている。
【0050】
ブラケット11は、図9に示すように、ブラケット11に設けられた取付板部11Aをベース部材2に設けられた支持部2Pにかみ合わせることによりベース部材2に取り付けられている。図9は、ベース部材2及びブラケット11の構成例を示す図である。具体的には、図9の上図は、ブラケット11の斜視図であり、図9の中央図は、ベース部材2の斜視図であり、図9の下図は、ベース部材2に取り付けられたブラケット11の斜視図である。
【0051】
図9に示すように、取付板部11Aは、第1取付板部11A1~第4取付板部11A4を含む。また、支持部2Pは、第1支持部2P1~第4支持部2P4を含む。そして、第1取付板部11A1は第1支持部2P1にかみ合わされ、第2取付板部11A2は第2支持部2P2にかみ合わされ、第3取付板部11A3は第3支持部2P3にかみ合わされ、第4取付板部11A4は第4支持部2P4にかみ合わされる。図示例では、取付板部11Aと支持部2Pとは溶接によって接合されている。具体的には、第1取付板部11A1~第4取付板部11A4のそれぞれには、貫通孔11Hが形成され、第1支持部2P1~第4支持部2P4のそれぞれには上方に突出する凸部2Qが形成されている。そして、第1取付板部11A1と第1支持部2P1との接合(レーザ溶接による接合)は、第1取付板部11A1にある貫通孔11Hに第1支持部2P1にある凸部2Qを挿通させた状態で凸部2Qにレーザを照射することによって実現される。第2取付板部11A2と第2支持部2P2との接合、第3取付板部11A3と第3支持部2P3との接合、及び、第4取付板部11A4と第4支持部2P4との接合についても同様である。但し、取付板部11Aと支持部2Pとは締結部材、接着剤、又はかしめ等によって接合されてもよい。
【0052】
次に、図10を参照し、磁石15が発生させる磁束について説明する。図10は、ベース部材2、ブラケット11、コイル12、及び振動体VBの構成例を示す図である。具体的には、図10の上図は、ベース部材2、ブラケット11、及び振動体VBの上面図である。図10の上図では、明瞭化のため、ブラケット11にドットパターンが付されている。図10の下図は、ベース部材2、ブラケット11、コイル12、及び振動体VBの断面図である。具体的には、図10の下図は、図10の上図における一点鎖線L2を含むXZ平面に平行な仮想平面におけるベース部材2、ブラケット11、コイル12、及び振動体VBの断面をY2側から見た図である。より具体的には、図10の下図は、上側ヨーク10U、上側磁石15U、下側磁石15D、及び下側ヨーク10Dにより構成された振動体VBと、上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとに囲まれた空間(上側磁石15Uと下側磁石15Dとの間に挟まれた空間)の内部に設置されたコイル12とを示す。磁石15は、図10の下図における点線で示すような磁力線MFによって表される磁束を発生させている。図10の下図に示す例では、磁力線MFは、第1磁力線MF1~第6磁力線MF6を含む。
【0053】
具体的には、コイル12に電流が流れていない状態では、第1磁力線MF1は、下側磁石15Dの第1下側磁石部分15D1のN極部分から出て、第1コイル巻回部12Aの前側主束線部12A1を通過し、上側磁石15Uの第1上側磁石部分15U1のS極部分に入る。第2磁力線MF2は、上側磁石15Uの第2上側磁石部分15U2のN極部分から出て、第1コイル巻回部12Aの後側主束線部12A2を通過し、下側磁石15Dの第2下側磁石部分15D2のS極部分に入る。第3磁力線MF3は、上側磁石15Uの第2上側磁石部分15U2のN極部分から出て、第2コイル巻回部12Bの前側主束線部12B1を通過し、下側磁石15Dの第2下側磁石部分15D2のS極部分に入る。第4磁力線MF4は、下側磁石15Dの第3下側磁石部分15D3のN極部分から出て、第2コイル巻回部12Bの後側主束線部12B2を通過し、上側磁石15Uの第3上側磁石部分15U3のS極部分に入る。第5磁力線MF5は、下側磁石15Dの第3下側磁石部分15D3のN極部分から出て、第3コイル巻回部12Cの前側主束線部12C1を通過し、上側磁石15Uの第3上側磁石部分15U3のS極部分に入る。第6磁力線MF6は、上側磁石15Uの第4上側磁石部分15U4のN極部分から出て、第3コイル巻回部12Cの後側主束線部12C2を通過し、下側磁石15Dの第4下側磁石部分15D4のS極部分に入る。
【0054】
したがって、上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとに囲まれた空間においては、上側磁石15Uと下側磁石15Dとの間の部分空間に磁力線が集中して磁束密度が高くなっており、コイル12はこの部分空間に設置されている。そのため、この構成は、コイル12の第1端部12Sと第2端部12Eとの間で電流を流すことにより、ローレンツ力を効率的に発生させることができ、振動体VBをX軸方向に沿って効率的に振動させることができる。
【0055】
例えば、コイル12の第1端部12Sから第2端部12Eに向かって電流が流れると、振動体VBは、X2側(後側)に動く。また、コイル12の第2端部12Eから第1端部12Sに向かって電流が流れると、振動体VBは、X1側(前側)に動く。したがって、制御部CTRは、コイル12を流れる電流の向きが交互に反転するように電流を流すことにより、振動体VBを振動軸VAに沿って振動させることができる。なお、コイル12が取り付けられているブラケット11は、ベース部材2に固定されており、振動体VBには固定されていないため、ブラケット11及びコイル12が振動体VBとともに振動することはない。
【0056】
また、振動軸VAに沿って振動体VBが振動すると、振動体VBに含まれる上側磁石15Uと下側磁石15Dとの間に発生するZ軸方向に延びる磁束(以下、「有効磁束」とする)も振動軸VAに沿って振動する。すなわち、上側磁石15Uと下側磁石15Dとの間にある導電性部材としてのブラケット11を横切る有効磁束は、ブラケット11を横切る関係を維持しながら、振動軸VAに沿って振動する。そのため、ブラケット11の本体板部11Bには渦電流が流れるようになる。なお、図示例では、上側磁石15U、下側磁石15D、及びブラケット11は、有効磁束と本体板部11Bとが直交するように配置されている。
【0057】
振動体VBは、振動方向とは反対の方向に作用する、渦電流に起因する力である制動力を常に受ける。具体的には、振動体VBは、駆動手段DMが発生させるローレンツ力によって振動させられながら、その振動を減速させるように作用する制動力を受ける。そして、制動力は、振動体VBの振動速度に比例して大きくなる。そのため、振動体VBの固有振動数及びその近傍の振動数での振動加速度はその制動力によって低減される。
【0058】
なお、渦電流に起因する制動力は、渦電流が大きいほど大きくなる。また、渦電流は、導電性部材(ブラケット11)の比抵抗が小さいほど大きくなり、導電性部材(ブラケット11)の導電率が大きいほど大きくなり、導電性部材(ブラケット11)の厚み(本体板部11Bの厚み)が大きいほど大きくなる。そのため、ブラケット11は、所望の大きさの制動力が得られるよう、その材料及び厚みが選択される。図示例では、ブラケット11は、コイル12の線材の材料と同じ材料であるタフピッチ銅で形成され、約0.3mmの厚みを有する。
【0059】
この構成により、振動発生装置101は、制動力を発生させるための粘弾性部材を振動体VBと非振動体NVとの間に取り付ける場合に比べ、その耐久性を向上させることができる。粘弾性部材は、周囲温度、寸法のバラツキ、劣化、剥離、又は千切れ等の影響を受けやすいが、ブラケット11はそれらの影響を受けにくいためである。
【0060】
また、ブラケット11は、図4の上図に示すように、複数の開口(三つの第1開口H1と三つの第2開口H2と六つの第3開口H3)を有するように形成されている。複数の開口の少なくとも一つは切り欠きであってもよい。
【0061】
第1開口H1は、ブラケット11の本体板部11Bの下面にコイル12が取り付けられたときに、本体板部11Bと導線部CPとが干渉して本体板部11Bの下面に対してコイル12の上面が傾いてしまうのを防止するための非円形(略涙滴形)の開口である。
【0062】
第2開口H2は、コイル12の空芯部ACの位置決めのために使用される不図示の治具を受け入れるための略円形の開口である。不図示の治具は、例えば、円柱状の棒部材である。図示例では、第1開口H1は、その治具を受け入れるための開口としても機能する。
【0063】
第3開口H3は、ブラケット11の本体板部11Bの下面とコイル12の上面との間に接着剤を供給する際にブラケット11とコイル12との間に適切なクリアランスを保持するための治具を挿入するために形成された略円形の開口である。
【0064】
図示例では、第1開口H1~第3開口H3は何れも軌跡TRを避けた位置に形成されている。軌跡TRは、振動体VBが振動した際の有効磁束の中心軸が通る本体板部11B上の軌跡である。すなわち、振動発生装置101は、Z軸方向に沿って延びる有効磁束の中心軸が直線状の軌跡TRに沿ってX軸方向に移動するように構成されている。図示例では、有効磁束の中心軸は、図10の磁力線MFで示すように第1下側磁石部分15D1、第2上側磁石部分15U2、第3下側磁石部分15D3、及び、第4上側磁石部分15U4のそれぞれが発生させる有効磁束の中心軸を含む。また、軌跡TRは、上面視において振動軸VA上に位置している。なお、有効磁束の中心軸は、第1コイル巻回部12A、第2コイル巻回部12B、及び第3コイル巻回部12Cのそれぞれのコイル軸で読み替えられてもよい。
【0065】
換言すれば、第1開口H1~第3開口H3は何れも、中央領域CRを避けた位置に形成されている。中央領域CRは、本体板部11Bの中央部分にある、軌跡TRを含む領域である。具体的には、中央領域CRは、磁石15が発生させる有効磁束とその有効磁束を横切るように設置された導電性部材(ブラケット11)とによって生成される渦電流が流れる領域である。図4の上図では、明瞭化のため、中央領域CRにはドットパターンが付されている。
【0066】
図示例では、振動発生装置101は、本体板部11Bにおける矩形状の中央領域CRに第1開口H1~第3開口H3のような開口が形成されていないため、中央領域CRに開口が形成される場合に比べ、渦電流が流れやすいという効果をもたらす。また、振動発生装置101は、本体板部11Bにおける矩形状の中央領域CRが平坦であり、凹部及び凸部等が形成されていないため、中央領域CR内に凹部又は凸部等が形成されていて平坦でない場合に比べ、渦電流が流れやすいという効果をもたらす。
【0067】
なお、中央領域CRは、上面視において、振動軸VAに関して左右対称であり、且つ、ブラケット11の中心点を通る左右軸を表す線分L1(図4の上図参照)に関して前後対称である。この構成は、振動体VBが前方(X1方向)に移動したときの制動力の大きさと振動体VBが後方(X2方向)に移動したときの制動力の大きさとが同じになるという効果をもたらす。
【0068】
次に、図11及び図12を参照し、振動発生装置101の組み立て方法について説明する。図11及び図12は、振動発生装置101を構成している各部材の斜視図である。なお、図11及び図12では、明瞭化のため、新たに取り付けられる部材にドットパターンが付されている。
【0069】
具体的には、図11の上図は、板ばね17の斜視図であり、図11の中央図は、下側ヨーク10Dが取り付けられた板ばね17の斜視図であり、図11の下図は、図11の中央図に示す状態の板ばね17が取り付けられたベース部材2の斜視図である。
【0070】
図12の最も上の図は、更に下側磁石15Dが取り付けられたベース部材2の斜視図であり、図12の上から二番目の図は、更にブラケット11及びコイル12が取り付けられたベース部材2の斜視図であり、図12の上から三番目の図は、更に上側磁石15U、上側ヨーク10U及び配線基板13が取り付けられたベース部材2の斜視図であり、図12の最も下の図は、更にカバー部材1が取り付けられたベース部材2の斜視図、すなわち、振動発生装置101の斜視図である。
【0071】
最初に、下側ヨーク10Dは、図11の中央図に示すように、板ばね17の振動体支持部17Bの上面に重ねられる。図示例では、下側ヨーク10Dの底板部BWは、接着剤が塗布されることなく、振動体支持部17Bの上面に重ねられる。なお、板ばね17の弾性腕部17Cの立設部EPの外側面には、立設部EPの撓みを抑えるための補強材である制振鋼板(図示せず)が貼り付けられてもよい。
【0072】
その後、下側ヨーク10Dが重ねられた板ばね17は、図11の下図に示すように、ベース部材2の底板部2Bの上面に設置される。そして、下側ヨーク10Dと板ばね17とが接合され、且つ、ベース部材2と板ばね17とが接合される。図示例では、下側ヨーク10Dの底板部BWはレーザ溶接によって板ばね17の振動体支持部17Bの上面に接合され、板ばね17の接続部17Aはレーザ溶接によってベース部材2の底板部2Bの上面に接合される。
【0073】
その後、下側ヨーク10Dの底板部BWの上面には、図12の最も上の図に示すように、下側磁石15Dが重ねられる。図示例では、下側ヨーク10Dと下側磁石15Dとは磁力によって互いに吸着するため、レーザ溶接による接合は行われず、接着剤による接合も行われない。但し、下側ヨーク10Dと下側磁石15Dとはレーザ溶接又は接着剤によって接合されてもよい。
【0074】
その後、ベース部材2には、図12の上から二番目の図に示すように、非振動体NVが取り付けられる。図示例では、非振動体NVは、ブラケット11、コイル12、及び配線基板13で構成されている。そして、ベース部材2の支持部2Pとブラケット11の取付板部11Aとは、締結部材、かしめ、レーザ溶接、又は接着剤等によって接合される。図示例では、支持部2Pと取付板部11Aとは接着剤によって接合されている。なお、非振動体NVがベース部材2に取り付けられる前に、コイル12は、接着剤によってブラケット11に接合され、配線基板13は、両面テープによってブラケット11に接合されている。
【0075】
その後、上側磁石15Uが取り付けられた上側ヨーク10Uは、図12の上から三番目の図に示すように、非振動体NVと接触しない位置で下側ヨーク10Dに接合される。具体的には、上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとは、下側ヨーク10Dに形成された凹部RCと上側ヨーク10Uの凸部PRとがかみ合う部分で溶接又は接着剤等によって接合される。図示例では、上側ヨーク10Uと下側ヨーク10Dとはレーザ溶接によって接合されている。
【0076】
なお、上側磁石15Uは、上側ヨーク10Uが下側ヨーク10Dに接合される前に、下側磁石15Dが下側ヨーク10Dの底板部BWの上面に重ねられる場合と同じように、上側ヨーク10Uの天板部TWの下面に重ねられる。上側ヨーク10Uと上側磁石15Uとは磁力によって互いに吸着するため、レーザ溶接による接合は行われず、接着剤による接合も行われない。但し、上側ヨーク10Uと上側磁石15Uとはレーザ溶接又は接着剤によって接合されてもよい。
【0077】
その後、図12の最も下の図に示すように、ベース部材2及び配線基板13以外の部材を覆うようにカバー部材1が取り付けられる。図示例では、カバー部材1の外周壁部1Aの下端部とベース部材2の底板部2Bの周縁部とがレーザ溶接によって接合されている。なお、カバー部材1とベース部材2とは締結部材、接着剤、又はかしめ等によって接合されてもよい。
【0078】
このようにして、振動発生装置101は組み立てられる。なお、上述の組み立て工程で用いられる接着剤は、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤、湿気硬化型接着剤、又は、それらの組み合わせであるハイブリッド型接着剤等の何れであってもよい。図示例では、接着剤は、熱硬化型接着剤である。
【0079】
次に、図13を参照し、ブラケット11の補強構造の詳細について説明する。図13は、ブラケット11の三面図(上面図、正面図、及び右側面図)及び断面図を示す。具体的には、図13の最も下の図は、図13の上面図における一点鎖線L3を含むYZ平面に平行な仮想平面におけるベース部材2の断面をX1側から見た図である。
【0080】
図示例では、ブラケット11は、圧延加工された銅板から形成されている。そのため、ブラケット11は圧延疵(ロール目RM)を有する。図13におけるブラケット11の本体板部11Bの上面に付された破線は、ロール目RMを表している。
【0081】
また、本体板部11Bの左端及び右端のそれぞれには補強部RFが形成されている。図示例では、補強部RFは、いわゆるZ曲げ(段曲げ)が施された部分であり、補強部RFの下側の曲げ線FLがロール目RMに対して垂直になるように構成されている。具体的には、本体板部11Bの左端には左側補強部RFLが形成され、本体板部11Bの右端には右側補強部RFRが形成されている。
【0082】
また、左側補強部RFLは、断面図に示すように、本体板部11Bの左端から上方に折れ曲がる第1折曲部FD1と、第1折曲部FD1の上端から上方に延びる第1補強板部RP1と、第1補強板部RP1の上端から左方に折れ曲がる第2折曲部FD2と、第2折曲部FD2の左端から左方に延びる第2補強板部RP2とを有する。右側補強部RFRについても同様である。
【0083】
また、取付板部11Aは、図13に示すように、第2補強板部RP2の外端から外方に延設されている。具体的には、第1取付板部11A1は、右側補強部RFRの第2補強板部RP2の右後端から右方に延びるように形成され、第2取付板部11A2は、右側補強部RFRの第2補強板部RP2の右前端から右方に延びるように形成されている。同様に、第3取付板部11A3は、左側補強部RFLの第2補強板部RP2の左前端から左方に延びるように形成され、第4取付板部11A4は、左側補強部RFLの第2補強板部RP2の左後端から左方に延びるように形成されている。
【0084】
また、ブラケット11は、前端部の両側に、配線基板13の内側導体パターンPI(図4の下図を参照)を載置するための台座部FPを備えている。具体的には、ブラケット11は、左側配線基板13Lの内側導体パターンPIを載置するための左側台座部FPLと、右側配線基板13Rの内側導体パターンPIを載置するための右側台座部FPRとを含む。
【0085】
次に、図14を参照し、ベース部材2、ヨーク10、ブラケット11、コイル12、及び磁石15の位置関係について説明する。図14は、ベース部材2、ヨーク10、ブラケット11、コイル12、及び磁石15の断面図である。具体的には、図14の上図は、図10の上図における一点鎖線L4を含むYZ平面に平行な仮想平面における各部材の断面をX1側から見た図である。図14の下図は、図14の上図における破線で囲まれた範囲R2の拡大図に相当する。なお、図14の下図では、明瞭化のため、左側補強部RFLを構成している第1折曲部FD1及び第2折曲部FD2の断面にはクロスパターンが付され、左側補強部RFLを構成している第1補強板部RP1及び第2補強板部RP2の断面にはドットパターンが付され、他の断面には、金属部材の断面であることを表す斜線パターンが付されている。
【0086】
図示例では、補強部RFは、図14の下図に示すように、少なくとも一部が空間SP内に位置するように配置されている。空間SPは、コイル12の上方に位置する空間のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分に相当する。具体的には、空間SPは、コイル12の副束線部SWの上方に位置する空間のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分に相当する。この空間SPには、永久磁石が配置されていない。永久磁石が配置されたとしても、その永久磁石は、振動体VBの駆動に適した駆動力を効率的に発生させることができないためである。そのため、この空間SPは、駆動手段DMによる駆動力を落とさずに補強部RFの少なくとも一部を配置するための場所として適している。
【0087】
具体的には、空間SPは、左側補強部RFLの少なくとも一部を収容するための左側空間SPL、及び、右側補強部RFRの少なくとも一部を収容するための右側空間SPRを含む。そして、図14の上図に示すように、左側空間SPLは、第3コイル巻回部12Cの左側副束線部12C3の上方に位置する空間のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分を含み、右側空間SPRは、第3コイル巻回部12Cの右側副束線部12C4の上方に位置する空間のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分を含む。
【0088】
このような構成により、補強部RFは、上面視で、コイル12の輪郭からほとんどはみ出ることなく空間SP内に配置される。そのため、この構成は、振動発生装置101が駆動力を落とさずに小型化されるという効果をもたらす。
【0089】
次に、図15を参照し、ブラケット11の別の構成例であるブラケット11Vについて説明する。図15は、ベース部材2、ヨーク10、ブラケット11(ブラケット11V)、コイル12、及び磁石15の断面図である。具体的には、図15の上図は、図10の上図における一点鎖線L5を含むYZ平面に平行な仮想平面における各部材の断面をX1側から見た図である。また、図15の下図は、ベース部材2、ヨーク10、ブラケット11V、コイル12、及び磁石15との断面図であり、図15の上図に対応している。すなわち、図15の下図は、図15の上図におけるブラケット11をブラケット11Vで置き換えた図に相当する。
【0090】
ブラケット11Vは、Y軸方向における本体板部11Bの両端(左端及び右端)において、二つの取付板部11Aの間にわたって延びる補強部RFを有する点で、X軸方向における本体板部11Bの略全長にわたって延びる補強部RFを有するブラケット11と異なる。具体的には、ブラケット11Vでは、右側補強部RFRは、第1取付板部11A1と第2取付板部11A2との間にわたって延びるように形成され、左側補強部RFLは、第3取付板部11A3と第4取付板部11A4との間にわたって延びるように形成されている。すなわち、ブラケット11Vでは、本体板部11Bの左前端部、左後端部、右前端部、及び右後端部には補強部が形成されていない。但し、ブラケット11Vは、補強部RFがX軸方向における本体板部11Bの略全長にわたって延びるように形成されていてもよい。
【0091】
また、ブラケット11Vは、第2折曲部FD2及び第2補強板部RP2が省略され、第1補強板部RP1が上側ヨーク10Uの下面(天井面)の近くまで上方に延びている点でブラケット11と異なる。
【0092】
また、ブラケット11Vは、取付板部11Aが補強部RFを介さずに本体板部11Bから外方に延びるように形成されている点で、取付板部11Aが補強部RFの第2補強板部RP2から外方に延びるように形成されているブラケット11と異なる。すなわち、ブラケット11Vでは、取付板部11Aの上面と本体板部11Bの上面とは略面一となっている。
【0093】
ブラケット11の代わりにこのようなブラケット11Vを有する場合であっても、振動発生装置101は、ブラケット11を有する場合と同様に、駆動力を落とさずに小型化を実現できる。左側補強部RFLの少なくとも一部が左側空間SPL内に収容され、右側補強部RFRの少なくとも一部が右側空間SPR内に収容されるためである。また、ブラケット11Vは、ブラケット11に比べ、加工が容易であるという効果をもたらす。
【0094】
次に、図16を参照し、ブラケット11の更に別の構成例であるブラケット11Wについて説明する。図16は、ブラケット11Wの斜視図である。ブラケット11Wは、四つの台座部FPを備える点、及び、第3開口H3(図4の上図を参照)が省略されている点で、二つの台座部FPを備えるブラケット11と異なるが、その他の点ではブラケット11と同じである。
【0095】
具体的には、ブラケット11Wでは、右側補強部RFRは、第1取付板部11A1及び第2取付板部11A2のそれぞれが配置される部分を含め、第1取付板部11A1と第2取付板部11A2との間にわたって延びるように形成されている。同様に、左側補強部RFLは、第3取付板部11A3及び第4取付板部11A4のそれぞれが配置される部分を含め、第3取付板部11A3と第4取付板部11A4との間にわたって延びるように形成されている。そして、ブラケット11Wの補強部RFは何れも、ブラケット11における補強部RF(図14参照)と同様に、第1折曲部FD1、第1補強板部RP1、第2折曲部FD2、及び第2補強板部RP2を含んで構成されている。
【0096】
ブラケット11の代わりにこのようなブラケット11Wを有する場合であっても、振動発生装置101は、ブラケット11を有する場合と同様に、駆動力を落とさずに小型化を実現できる。左側補強部RFLの少なくとも一部が左側空間SPL内に収容され、右側補強部RFRの少なくとも一部が右側空間SPR内に収容されるためである。
【0097】
次に、図17を参照し、ブラケット11の更に別の構成例であるブラケット11Xについて説明する。図17は、ブラケット11Xの斜視図である。ブラケット11Xは、Y軸方向における本体板部11Bの両端(左端及び右端)のX軸方向における全長にわたって延びる補強部RF(左側補強部RFL及び右側補強部RFR)を有する点で、ブラケット11と異なるが、その他の点でブラケット11と同じである。具体的には、左側補強部RFLは、X軸方向における本体板部11Bの左側の縁の全長にわたって延びるように形成され、右側補強部RFRは、X軸方向における本体板部11Bの右側の縁の全長にわたって延びるように形成されている。そして、ブラケット11Xの補強部RFは何れも、ブラケット11における補強部RF(図14参照)と同様に、第1折曲部FD1、第1補強板部RP1、第2折曲部FD2、及び第2補強板部RP2を含んで構成されている。
【0098】
ブラケット11の代わりにこのようなブラケット11Xを有する場合であっても、振動発生装置101は、ブラケット11を有する場合と同様に、駆動力を落とさずに小型化を実現できる。左側補強部RFLの少なくとも一部が左側空間SPL内に収容され、右側補強部RFRの少なくとも一部が右側空間SPR内に収容されるためである。
【0099】
上述のように、本開示の一実施形態に係る振動発生装置101は、図1図3に示すように、ハウジングHSと、ハウジングHS内に収納された可動体(振動体VB)と、可動体(振動体VB)を第1方向(X軸方向)に沿って振動可能に支持する支持部材(弾性支持部材ES)と、第1方向(X軸方向)に垂直な第2方向(Y軸方向)に沿って延在する主束線部MWを有するコイル12と、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)のそれぞれに垂直な第3方向(Z軸方向)に沿って主束線部MWを通る磁束を発生させる磁束発生部材(磁石15)と、を備えている。そして、振動発生装置101は、コイル12がハウジングHSに対して固定され、磁束発生部材(磁石15)が可動体(振動体VB)に対して固定されるように構成されている。また、振動発生装置101は、コイル12に対して固定されるとともに、磁束を横切るように第1方向(X軸方向)に沿って延在し、可動体(振動体VB)が第1方向(X軸方向)に沿って移動したときに渦電流を発生させて可動体(振動体VB)の加速度(振動加速度)を低減させるように構成される導電性部材(ブラケット11)を備えている。
【0100】
この構成では、磁性発生部材(磁石15)と導電性部材(ブラケット11)とは、粘性抵抗を発生させるゲル状ダンパ部材と同様に制動力(振動を抑制する力)を発生させることができる。また、この構成は、その制動力によって振動体VBの共振を抑制できる。なお、この構成では、制動力は渦電流による。そのため、ゲル状ダンパ部材のような変形部又は摺動部を含まないこの構成は、振動発生装置101の耐久性を向上させることができるという効果をもたらす。
【0101】
また、一般的な振動発生装置では、渦電流による制動力は、振動加速度を低減させてしまう不所望な力ともなり得るが、本開示に係る振動発生装置101は、渦電流による制動力を積極的に利用することによって振動体VBの共振を抑制するように構成されている。
【0102】
導電性部材(ブラケット11)は、非磁性金属で形成されていてもよい。この構成は、導電性部材(ブラケット11)が磁性金属で形成される場合のように導電性部材と磁石15との間に磁力(吸引力)が作用してしまうのを防止でき、駆動手段DMによる駆動力の効率的な利用がそのような吸引力によって妨げられてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
【0103】
また、導電性部材(ブラケット11)は、鉄及び鉄合金よりも導電率が大きい材料で形成されていてもよい。この構成は、渦電流による制動力(振動を抑制する力)を大きくできるという効果をもたらす。導電率が大きいほど渦電流による制動力は大きくなるためである。そのため、この構成は、例えば、より重い振動体VBの共振を抑制できるという効果をもたらす。
【0104】
また、導電性部材(ブラケット11)は、望ましくは、銅、アルミ、又は、それらの合金で形成されていてもよい。この構成は、導電性部材が銀等の貴金属又はそれらの合金で形成される場合に比べ、材料費を低減できるという効果をもたらす。
【0105】
また、導電性部材(ブラケット11)は、磁束発生部材(磁石15)とコイル12との間に設けられていてもよい。この構成は、導電性部材(ブラケット11)と磁束発生部材(磁石15)との間にコイル12が設置される場合に比べ、導電性部材(ブラケット11)を磁束発生部材(磁石15)に近い位置に設置できるため、制動力(振動を抑制する力)を大きくできるという効果をもたらす。導電性部材(ブラケット11)を磁束発生部材(磁石15)に近付けるほど導電性部材(ブラケット11)を通る磁束密度が高くなるためであり、導電性部材(ブラケット11)を通る磁束密度が高いほど制動力は大きくなるためである。
【0106】
また、振動発生装置101は、磁束発生部材(磁石15)から第3方向(Z軸方向)に沿って離隔した位置に磁束を吸引する磁束吸引部材を備えていてもよい。この場合、導電性部材(ブラケット11)は、磁束発生部材(磁石15)と磁束吸引部材との間に配置されていてもよい。図示例では、磁石15は磁束発生部材及び磁束吸引部材として機能し、ヨーク10は磁束吸引部材として機能する。具体的には、上側磁石15Uが磁束発生部材として機能する場合、下側ヨーク10D及び下側磁石15Dは磁束吸引部材として機能する。また、下側磁石15Dが磁束発生部材として機能する場合、上側ヨーク10U及び上側磁石15Uは磁束吸引部材として機能する。なお、上側磁石15U及び下側磁石15Dの一方は省略されてもよい。そして、上側磁石15Uが省略された場合、下側磁石15Dは磁束発生部材として機能し、上側ヨーク10Uは磁束吸引部材として機能する。下側磁石15Dが省略された場合についても同様である。この構成は、導電性部材(ブラケット11)の延在方向(X軸方向又はY軸方向)と磁束発生部材(磁石15)から磁束吸引部材に向かう磁束の方向(Z軸方向)との間に形成される角度(以下、「磁束角度」とする)が略直角となるようにするため、磁束角度が直角以外の角度となる場合に比べ、制動力(振動を抑制する力)を大きくできるという効果をもたらす。磁束密度が同じであれば、磁束角度が直角に近いほど制動力は大きくなるためである。
【0107】
例えば、磁束発生部材は、第1永久磁石としての上側磁石15Uであってもよく、磁束吸引部材は、第2永久磁石としての下側磁石15Dであってもよい。この場合、第1永久磁石(上側磁石15U)と第2永久磁石(下側磁石15D)とは、図7に示すように、互いに対向する面が互いに異なる極性を有するように配置されていてもよい。この構成は、磁束角度を更に直角に近付けることができるため、制動力(振動を抑制する力)を更に大きくできるという効果をもたらす。
【0108】
また、振動発生装置101は、図4に示すように、第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)のそれぞれに平行な平面に沿って延在するとともにコイル12が取り付けられる本体板部11B、及び、本体板部11Bから延設されてハウジングHSに固定される取付板部11Aを有するブラケット11を備えていてもよい。この場合、コイル12は、ブラケット11を介してハウジングHS(ベース部材2)に固定されていてもよく、磁束発生部材(磁石15)は、可動体(振動体VB)に固定されていてもよい。そして、本体板部11Bは、銅、アルミ、又はそれらの合金で形成され、導電性部材として機能するように構成されていてもよい。この構成は、ブラケット11(本体板部11B)とは別の部材を導電性部材として機能させる場合に比べ、部品点数を削減することができるという効果をもたらす。
【0109】
また、導電性部材(ブラケット11)は、可動体(振動体VB)が振動した際の磁束の中心の軌跡TR(図4の上図参照)に対応する位置に開口を有さないように構成されていてもよい。すなわち、導電性部材(ブラケット11)は、可動体(振動体VB)が振動しているときに、少なくとも中央領域CRにおいて、常に磁束と交差するように構成されていてもよい。この構成は、軌跡TRと交差する開口を有する場合に比べ、渦電流が流れやすくなるという効果をもたらす。
【0110】
また、コイル12は、コイル巻回部の最も内側の部分である空芯部AC及びその空芯部ACから外に向かって延びる導線部CPを有していてもよい。そして、導電性部材(ブラケット11)は、コイル12が取り付けられたときに導線部CPとの干渉を防止する開口(図4の上図における第1開口H1を参照)を有していてもよい。この場合、開口(第1開口H1)は、軌跡TRを避けた位置に形成されていてもよい。すなわち、開口(第1開口H1)は、中央領域CRを避けた位置に形成されていてもよい。この構成は、導線部CPと導電性部材(ブラケット11)との間の干渉を防止しつつ、軌跡TRと交差する開口(第1開口H1)を有する場合に比べ、渦電流が流れやすくなるという効果をもたらす。
【0111】
空芯部ACは、図4の下図に示すように、第2方向(Y軸方向)に沿って延在する長孔状に形成されていてもよい。この場合、導線部CPは、図4の上図に示すように、空芯部ACの第2方向(Y軸方向)における端部から外に向かって延びるように構成されていてもよい。図4の上図に示す例では、第1導線部CP1は、空芯部ACの左端部(Y1側の端部)から前方(X1方向)に向かって延びるように構成されている。この構成は、第1導線部CP1が空芯部ACの端部以外の部分(例えば中央部)から外に向かって延びるように構成される場合に比べ、軌跡TRから離れた位置に開口(第1開口H1)を形成できるという効果をもたらす。第2導線部CP2及び第3導線部CP3についても同様である。
【0112】
また、本開示の一実施形態に係る振動発生装置101は、図1図3に示すように、ハウジングHSと、ハウジングHS内に収納された可動体(振動体VB)と、可動体(振動体VB)を第1方向(X軸方向、前後方向)に沿って振動可能に支持する支持部材(弾性支持部材ES、板ばね17)と、第1方向(X軸方向)に垂直な第2方向(Y軸方向、左右方向)に延在する本体板部11B、及び、第2方向(Y軸方向)における本体板部11Bの一端(Y1端、左端)から第1折曲部FD1(図14参照)を介して第1方向(X軸方向)及び第2方向(Y軸方向)に垂直な第3方向(Z軸方向、上下方向)に延設される第1補強板部RP1(図14参照)を含む補強部RF(図14参照)を有し、取付板部11Aを介してハウジングHS(ベース部材2)に取り付けられるブラケット11と、第2方向(Y軸方向)に延在する複数の導線を含む主束線部MW(図4参照)、及び、隣り合う二つの主束線部MWを繋ぐ副束線部SW(図4参照)を有し、第3方向(Z軸方向)における本体板部11Bの一方側(Z2側、下側)に取り付けられたコイル12と、第3方向(Z軸方向)におけるコイル12の他方側(Z1側、上側)において可動体(ヨーク10)に取り付けられ、主束線部MWに向かう磁束を発生させる永久磁石(磁石15)と、を備える。そして、図14に示すように、第2方向(Y軸方向)における永久磁石(磁石15)の一端(左端LE1)は、第2方向(Y軸方向)における副束線部SWの一端(左端LE2)よりも距離DS1(図7の中央図も参照)だけ内側(Y2側)に位置する。なお、左端LE1が左端LE2よりも内側(Y2側)に位置することは、左端LE1が左端LE2よりも振動体VBの中心点の近くに位置することを意味する。また、第1補強板部RP1は、第2方向(Y軸方向)における副束線部SWの一端(左端LE2)よりも内側(Y2側)であって、第2方向(Y軸方向)における永久磁石(磁石15)の一端(左端LE1)よりも外側の位置(点PS1)から第3方向(Z軸方向)における他方側(Z1側、上側)に向かって延設されている。なお、左端LE1よりも外側の位置は、左端LE1よりも振動体VBの中心点から遠い位置を意味する。なお、図示例では、点PS1は、第1補強板部RP1の内端で且つ下端の位置に相当する。
【0113】
この構成は、補強部RFの少なくとも一部が空間SP(図14参照)内に設けられているため、補強部がコイルの外側に設けられる構成に比べて小型化を実現しやすいという効果をもたらす。なお、図14に示す例では、空間SPは、コイル12の上方に位置する空間(XY平面においてコイル12の断面と同じ断面を有する空間)のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分に相当する。具体的には、空間SPは、コイル12の副束線部SWの上方に位置する空間のうち、上側磁石15Uに占有されていない部分に相当する。この空間SPには、永久磁石が配置されていない。永久磁石が配置されたとしても、その永久磁石は、振動体VBの駆動に適した駆動力を効率的に発生させることができないためである。そのため、この空間SPは、駆動手段DMによる駆動力を落とさずに補強部RFの少なくとも一部を配置するための場所として適している。
【0114】
また、補強部RFは、図14に示すように、第3方向(Z軸方向)における第1補強板部RP1の他端(Z1端、上端)から第2折曲部FD2を介して第2方向(Y軸方向)の外側(Y1側、左側)に向かって延設される第2補強板部RP2を含んでいてもよい。すなわち、補強部RFは、いわゆるZ曲げによって形成される構造であってもよい。
【0115】
この構造は、図15の下図に示すような第2補強板部RP2を含まない部分を有する補強部RFに比べ、ブラケット11の強度を更に高めることができるという効果をもたらす。
【0116】
また、取付板部11Aは、図14に示すように、第2補強板部RP2の外端(左端LE3)から外方(Y1方向)に延設されていてもよい。
【0117】
この構成は、図15の下図に示すような取付板部11Aが本体板部11Bから延設されている構成と比べ、本体板部11Bの変形をより確実に抑制することができるという効果をもたらす。
【0118】
また、ブラケット11は、図13に示すように、ロール目RM等の材料目を有する金属板で形成されていてもよい。この場合、補強部RFは、材料目(ロール目RM)の方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)に沿って曲げ線FLが延びるように形成された第1折曲部FD1を含んで構成されていてもよい。すなわち、補強部RFは、材料目(ロール目RM)の方向(Y軸方向)に平行な方向(Y軸方向)に沿って曲げ線が延びるようには第1折曲部が形成されないように構成されていてもよい。なお、曲げ線FLは、第1折曲部FD1を形成するために金属板を折り曲げることによって形成される線である。
【0119】
この構成は、様々な方向からの負荷にブラケット11が耐えやすくなるという効果をもたらす。
【0120】
また、ブラケット11は、ハウジングHSを構成する材料(例えばオーステナイト系ステンレス鋼等)よりも導電率が大きく強度の小さい金属(例えば銅、アルミ、銀、又はそれらの合金等)で形成されていてもよい。この場合、ブラケット11は、可動体(ヨーク10)に取り付けられた永久磁石(磁石15)が第1方向(X軸方向)に沿って移動したときの磁束の変化を打ち消すように渦電流を発生させて可動体(振動体VB)の加速度を低減させるように構成されていてもよい。
【0121】
この構成は、渦電流を発生させやすい材料で形成されるブラケット11を実現できるという効果をもたらす。
【0122】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形又は置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0123】
例えば、上述の実施形態では、振動発生装置101は、8極着磁された磁石15と三つのコイル巻回部(六つの束線部)を有するコイル12とを含むように構成されているが、2極、4極、6極、10極、又は12極等、8極以外の磁極数で着磁された磁石15とそれに対応する数の束線部を有するコイル12とを含むように構成されていてもよい。すなわち、コイル12は、一つ、二つ、又は四つ以上のコイル巻回部を有するように構成されていてもよい。
【0124】
また、上述の実施形態では、ブラケット11は、右側補強部RFR及び左側補強部RFLを有するが、右側補強部RFR及び左側補強部RFLの一方は省略されてもよい。或いは、ブラケット11は、本体板部11Bの前端に形成された前側補強部を有していてもよく、本体板部11Bの後端に形成された後側補強部を有していてもよい。この場合、右側補強部RFR、左側補強部RFL、前側補強部、及び後側補強部の少なくとも一つは省略されてもよい。
【0125】
また、上述の実施形態では、左側補強部RFLは、本体板部11Bの左側の縁のX軸方向における略全長にわたって延びるように形成されているが、本体板部11Bの左側の縁の一部に沿って延びるように形成されていてもよい。また、左側補強部RFLは、本体板部11Bの左側の縁における複数の部分に沿って延びるように形成されていてもよい。右側補強部RFR、前側補強部、及び後側補強部についても同様である。
【符号の説明】
【0126】
1・・・カバー部材 1A・・・外周壁部 1A1・・・第1側板部 1A2・・・第2側板部 1A3・・・第3側板部 1A4・・・第4側板部 1T・・・天板部 2・・・ベース部材 2B・・・底板部 2P・・・支持部 2P1・・・第1支持部 2P2・・・第2支持部 2P3・・・第3支持部 2P4・・・第4支持部 10・・・ヨーク 10D・・・下側ヨーク 10U・・・上側ヨーク 11・・・ブラケット 11A・・・取付板部 11A1・・・第1取付板部 11A2・・・第2取付板部 11A3・・・第3取付板部 11A4・・・第4取付板部 11B・・・本体板部 11V、11W、11X・・・ブラケット 12・・・コイル 12A・・・第1コイル巻回部 12A1・・・前側主束線部 12A2・・・後側主束線部 12A3・・・左側副束線部 12A4・・・右側副束線部 12B・・・第2コイル巻回部 12B1・・・前側主束線部 12B2・・・後側主束線部 12B3・・・左側副束線部 12B4・・・右側副束線部 12C・・・第3コイル巻回部 12C1・・・前側主束線部 12C2・・・後側主束線部 12C3・・・左側副束線部 12C4・・・右側副束線部 12E・・・第2端部 12S・・・第1端部 13・・・配線基板 13L・・・左側配線基板 13R・・・右側配線基板 15・・・磁石 15D・・・下側磁石 15D1・・・第1下側磁石部分 15D2・・・第2下側磁石部分 15D3・・・第3下側磁石部分 15D4・・・第4下側磁石部分 15U・・・上側磁石 15U1・・・第1上側磁石部分 15U2・・・第2上側磁石部分 15U3・・・第3上側磁石部分 15U4・・・第4上側磁石部分 17・・・板ばね 17A・・・接続部 17A1・・・第1接続部 17A2・・・第2接続部 17A3・・・第3接続部 17A4・・・第4接続部 17B・・・振動体支持部 17C・・・弾性腕部 17C1・・・第1弾性腕部 17C2・・・第2弾性腕部 17C3・・・第3弾性腕部 17C4・・・第4弾性腕部 101・・・振動発生装置 AC・・・空芯部 BW・・・底板部 CP・・・導線部 CP1・・・第1導線部 CP2・・・第2導線部 CP3・・・第3導線部 CP4・・・第4導線部 CR・・・中央領域 CTR・・・制御部 DM・・・駆動手段 EP・・・立設部 ES・・・弾性支持部材 FD1・・・第1折曲部 FD2・・・第2折曲部 FL・・・曲げ線 FP・・・台座部 FPL・・・左側台座部 FPR・・・右側台座部 GP・・・隙間 H1・・・第1開口 H2・・・第2開口 H3・・・第3開口 HS・・・ハウジング LE1、LE2、LE3・・・左端 LW・・・左側板部 MF・・・磁力線 MF1・・・第1磁力線 MF2・・・第2磁力線 MF3・・・第3磁力線 MF4・・・第4磁力線 MF5・・・第5磁力線 MF6・・・第6磁力線 MW・・・主束線部 NV・・・非振動体 PE・・・外側導体パターン PI・・・内側導体パターン PR・・・凸部 PS1・・・点 RC・・・凹部 RF・・・補強部 RFL・・・左側補強部 RFR・・・右側補強部 RM・・・ロール目 RP1・・・第1補強板部 RP2・・・第2補強板部 RW・・・右側板部 SP・・・空間 SPL・・・左側空間 SPR・・・右側空間 SW・・・副束線部 TR・・・軌跡 TW・・・天板部 VA・・・振動軸 B・・・振動体 VE・・・振動装置 VP・・・振動部
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