(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025171033
(43)【公開日】2025-11-20
(54)【発明の名称】予混合装置および給湯装置
(51)【国際特許分類】
F23D 14/64 20060101AFI20251113BHJP
F23N 1/02 20060101ALI20251113BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20251113BHJP
【FI】
F23D14/64 B
F23N1/02 104Z
F24H1/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024075993
(22)【出願日】2024-05-08
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】里 宏一
【テーマコード(参考)】
3K003
3K017
3L034
【Fターム(参考)】
3K003AA01
3K003AB02
3K003CA06
3K003CB05
3K003DA03
3K017CA01
3K017CB08
3K017CC01
3L034BA22
3L034BB02
(57)【要約】
【課題】小流量域での空気と燃料との予混合を促進可能な予混合装置を提供する。
【解決手段】予混合装置1は、空気通路11を取り囲むように設けられ、環状の燃料チャンバ20が管壁内部に形成された筒状の主管10と、空気導入穴31を有し、空気通路11内に位置するように回動可能に設けられるバタフライ弁30と、燃料チャンバ20に連通する燃料通路50を内部に有し、バタフライ弁30の下流側において空気通路11内に位置するように主管10の内壁面12から径方向内側に延在する少なくとも一つの支持部40と、バタフライ弁30の下流側において空気通路11内に位置するように少なくとも一つの支持部40によって支持されるベンチュリ環60と、を備える。燃料通路50は、空気通路11のうちベンチュリ環60の内周側の空間61に開口する出口54を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気通路を取り囲むように設けられ、環状の燃料チャンバが管壁内部に形成された筒状の主管と、
空気導入穴を有し、前記空気通路内に位置するように回動可能に設けられるバタフライ弁と、
前記燃料チャンバに連通する燃料通路を内部に有し、前記バタフライ弁の下流側において前記空気通路内に位置するように前記主管の内壁面から径方向内側に延在する少なくとも一つの支持部と、
前記バタフライ弁の下流側において前記空気通路内に位置するように前記少なくとも一つの支持部によって支持されるベンチュリ環と、
を備え、
前記燃料通路は、前記空気通路のうち前記ベンチュリ環の内周側の空間に開口する出口を有する
予混合装置。
【請求項2】
前記ベンチュリ環は、全閉状態における前記バタフライ弁の前記空気導入穴と同芯状となるように前記空気通路内に配置される
請求項1に記載の予混合装置。
【請求項3】
前記ベンチュリ環は、前記少なくとも一つの支持部としての一対の支持部により支持され、
前記一対の支持部は、前記バタフライ弁の回動軸に沿ってそれぞれ延在するように、前記空気通路内において前記ベンチュリ環を挟んで互いに反対側に設けられる
請求項1又は2に記載の予混合装置。
【請求項4】
各々の前記支持部は、前記主管の管軸方向に沿った第1幅が、前記管軸方向に直交する方向に沿った第2幅よりも大きい
請求項3に記載の予混合装置。
【請求項5】
各々の前記支持部の前記第2幅は、前記バタフライ弁の最大厚さに対する比が、0.8以上1.2以下である
請求項4に記載の予混合装置。
【請求項6】
前記ベンチュリ環は、前記燃料通路の前記出口が開口する内周面を有する
請求項1又は2に記載の予混合装置。
【請求項7】
前記ベンチュリ環の前記内周面は、
前記ベンチュリ環の内径が下流に向かって縮径する第1先細部と、
前記第1先細部の下流側に位置し、前記燃料通路の前記出口が開口する領域に設けられる第1スロート部と、
前記第1スロート部の下流側に位置し、前記ベンチュリ環の前記内径が下流に向かって拡径する第1拡径部と、
を含む
請求項6に記載の予混合装置。
【請求項8】
前記主管の前記内壁面は、
前記ベンチュリ環の上流端よりも下流側に位置し、下流に向かって前記主管の内径が縮径する第2先細部と、
前記第2先細部の下流側に位置し、前記主管の管軸方向において前記ベンチュリ環の下流端に対応する位置に設けられる第2スロート部と、
前記第2スロート部の下流側に位置し、前記主管の前記内径が下流に向かって拡径する第2拡径部と、
を含む
請求項7に記載の予混合装置。
【請求項9】
燃料および燃焼用空気の混合気を生成するための請求項1又は2に記載の予混合装置と、
前記予混合装置からの前記混合気に含まれる前記燃料を燃焼するためのバーナと、
前記バーナにおける前記燃料の燃焼により生じた燃焼ガスの保有熱を利用して温水を生成するための加熱器と、
を備える給湯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、予混合装置および給湯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ベンチュリ状の空気通路のスロート部に燃料流出口を形成し、下流側に位置するファンによって燃料ガスおよび燃焼用空気を吸引することで、燃料と空気との予混合を実現するようにしたベンチュリ型の予混合装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ベンチュリ部に設けた空隙から燃料ガスを流出させ、燃料ガスを空気流に混合させるようにした予混合装置が記載されている。
なお、特許文献1記載の予混合装置では、バタフライ弁によってベンチュリ部を流れる空気量を調節可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば特許文献1記載の従来の予混合装置において、ファンの回転数を最小にしてバタフライ弁を閉じたとき(すなわち、小流量域での予混合装置の稼働時)、ファンが燃料及び空気に与える運動量は限定的であり、ファンにおける燃料及び空気の攪拌は期待できない。
このため、燃料と空気とが、十分に予混合されないままバーナに到達し、バーナの燃焼安定性を損なうおそれがある。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも幾つかの実施形態は、小流量域での空気と燃料との予混合を促進可能な予混合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る予混合装置は、
空気通路を取り囲むように設けられ、環状の燃料チャンバが管壁内部に形成された筒状の主管と、
空気導入穴を有し、空気通路内に位置するように回動可能に設けられるバタフライ弁と、
燃料チャンバに連通する燃料通路を内部に有し、バタフライ弁の下流側において空気通路内に位置するように主管の内壁面から径方向内側に延在する少なくとも一つの支持部と、
バタフライ弁の下流側において空気通路内に位置するように少なくとも一つの支持部によって支持されるベンチュリ環と、
を備え、
燃料通路は、空気通路のうちベンチュリ環の内周側の空間に開口する出口を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の少なくとも幾つかの実施形態によれば、予混合が不十分となりやすい小流量域において、バタフライ弁の空気導入穴を通過した空気を空気通路の中央部分に偏らせ、ベンチュリ環の下流側における空気流の流速差に起因した渦を利用して予混合を促進できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る給湯装置の概略構成を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る予混合装置の予混合ユニットを示す断面図であり、小流量域の状態を示す。
【
図3】
図2のA-A線に沿った予混合ユニットの断面図である。
【
図4】
図2に対応する予混合ユニットの斜視断面図である。
【
図5】
図3に対応する予混合ユニットの斜視断面図である。
【
図6】一実施形態に係る予混合装置の予混合ユニットを示す断面図であり、大流量域の状態を示す。
【
図7】
図6のB-B線に沿った予混合ユニットの断面図である。
【
図8】
図6に対応する予混合ユニットの斜視断面図である。
【
図9】
図7に対応する予混合ユニットの斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0011】
最初に、
図1を参照して、幾つかの実施形態に係る予混合装置の適用例としての給湯装置について説明する。
図1は、一実施形態に係る給湯装置の概略構成を示す図である。
【0012】
幾つかの実施形態では、
図1に示すように、給湯装置100は、燃料供給系統110と、空気供給系統120と、燃料および燃焼用空気の混合気を生成する予混合装置1と、混合気に含まれる燃料を燃焼するバーナ130と、温水を生成するための加熱器140と、を含む。
【0013】
燃料供給系統110は、予混合装置1の燃料供給ポート2に接続されて予混合装置1に燃料(燃料ガス)を供給する。
燃料供給系統110は、燃料供給ライン112と、燃料供給ライン112に設けられる燃料調節弁114とを含む。燃料調節弁114は、燃料供給ライン112を介して予混合装置1に供給される燃料の流量を調節する。
図1に示す例示的な実施形態では、燃料供給系統110は、燃料供給ライン112における燃料調節弁114の上流側に設けられるガス圧調整装置116を含む。ガス圧調整装置116は、予混合装置1に対する燃料ガスの供給圧を一定に維持する。ガス圧調整装置116は、例えば、燃料供給ライン112におけるガス供給圧の変動を吸収し、実質的に大気圧に等しいガス圧にて予混合装置1に燃料を供給するためのゼロガバナであってもよい。
【0014】
空気供給系統120は、予混合装置1の空気供給ポート4に接続されて予混合装置1に燃焼用空気を供給する。
空気供給系統120は、空気供給ライン122と、空気供給ライン122に設けられる空気調節弁124とを含む。空気調節弁124は、空気供給ライン122を介して予混合装置1に供給される燃焼用空気の流量を調節する。
【0015】
なお、
図1には、予混合装置1とは別に燃料供給系統110及び空気供給系統120を示したが、予混合装置1の内部に、燃料供給系統110又は空気供給系統120の一部が組み込まれてもよい。
例えば、燃料供給系統110の燃料調節弁114又はガス圧調整装置116が、予混合装置1内の燃料流路に設けられてもよい。また、空気供給系統120の空気調節弁124は、予混合装置1内の空気流路に設けられてもよい。
【0016】
予混合装置1は、燃料供給ポート2および空気供給ポート4を有する予混合ユニット6と、予混合ユニット6の下流側に設けられる吸引ファン8とを含む。
予混合装置1の主要部である予混合ユニット6は、吸引ファン8の駆動によって予混合ユニット6の出口が負圧になったとき、燃料供給ポート2から取り込んだ燃料と、空気供給ポート4から取り込んだ燃焼用空気とを混合し、混合気を生成する。
なお、大流量域での予混合装置1の稼働時、予混合ユニット6の下流側の吸引ファン8の通過時に流体が攪拌され得るので、予混合ユニット6において燃料と燃焼用空気の予混合が完結する必要はない。これに対し、小流量域での予混合装置1の稼働時、吸引ファン8における燃料及び燃焼用空気の攪拌はあまり期待できず、予混合ユニット6において燃料と燃焼用空気の予混合を十分に行う必要がある。小流量域における予混合を促進可能な予混合ユニット6の詳細については後で詳述する。
【0017】
予混合装置1の下流側にはバーナ130が設けられる。バーナ130は、予混合装置1において生成された混合気に含まれる燃料を燃焼し、高温の燃焼ガスを生成する。このとき、混合気に含まれる燃焼用空気は、燃焼反応に必要な酸化剤として消費される。
【0018】
バーナ130で生成した燃焼ガスの保有熱は、加熱器140における温水の生成に利用される。加熱器140は、バーナ130で生成した燃焼ガスの保有熱を利用して水を加熱し、温水を生成する。
図1に示す例示的な実施形態では、加熱器140は、伝熱管の内部を流通する水と、伝熱管の外部を流れる燃焼ガスとの熱交換を行う熱交換器140Aである。加熱器140としての熱交換器140Aは、燃焼ガスの保有熱を直接的に用いて温水を生成する。熱交換器140Aには、伝熱管の入口側に連通する入口ライン142と、伝熱管の出口側に連通する出口ライン144とが接続される。熱交換器140Aの伝熱管には、入口ライン142から水が供給される。入口ライン142から供給された水は、伝熱管を流通する間に、伝熱管の外部を流れる燃焼ガスとの熱交換によって加熱されて温水となり、出口ライン144から流出する。
他の実施形態では、加熱器140は、燃焼ガスとの熱交換によって加熱された熱媒体と水との熱交換を行う熱交換器である。この場合、加熱器140は、燃焼ガスの保有熱を間接的に用いて温水を生成する。
【0019】
加熱器140を通過した後の燃焼ガスは、排ガス通路150を経由して、燃焼排ガスとして排出される。
【0020】
続けて、
図2~
図9を参照し、幾つかの実施形態に係る予混合装置1について説明する。
図2は、一実施形態に係る予混合装置の予混合ユニットを示す断面図である。
図3は、
図2のA-A線に沿った予混合ユニットの断面図である。
図4及び
図5は、
図2に示す予混合ユニットの斜視断面図であり、
図4は
図2に対応する断面を示し、
図5は
図3に対応する断面を示す。なお、
図2~
図5には、予混合装置の最小流量での稼働時における予混合ユニットの状態を示している。
図6は、一実施形態に係る予混合装置の予混合ユニットを示す断面図である。
図7は、
図6のB-B線に沿った予混合ユニットの断面図である。
図8及び
図9は、
図6に示す予混合ユニットの斜視断面図であり、
図8は
図6に対応する断面を示し、
図9は
図7に対応する断面を示す。なお、
図6~
図9には、予混合装置の最大流量での稼働時における予混合ユニットの状態を示している。
【0021】
幾つかの実施形態では、
図2~
図9に示すように、予混合ユニット6は、空気通路11を取り囲む筒状の主管10と、空気通路11内に位置するバタフライ弁30と、主管10の内壁面12から径方向内側に延在する支持部40と、支持部40によって支持されるベンチュリ環60と、を含む。
なお、本明細書では、主管10の管軸方向における予混合ユニット6の各部の配置について言及する際、主管10の管軸方向における「上流」又は「下流」と表現することがある。ここでの「上流」又は「下流」は、空気通路11の流れ方向の上流又は下流を意味する。
【0022】
主管10は、空気通路11を画定する内壁面12を有する。空気通路11の輪郭は、主管10の管軸方向に直交する方向に沿った断面において円である。空気通路11は、主管10の管軸方向に直交する断面において、主管10の中心軸を中心とする円形である。
図2~
図9に示す実施形態では、主管10は、空気通路11の上流端に空気供給ポート4を有する。空気供給ポート4から空気通路11に流入した燃焼用空気は、主管10の管軸方向に沿って流れ、空気通路11の下流端に位置する混合気出口5に到達する。混合気出口5から流出した混合気は、予混合ユニット6の下流側の吸引ファン8(
図1参照)に導かれる。
図2~
図9に示す例示的な実施形態では、主管10は、管軸方向に沿って延在する筒状の管であり、主管10の内部に形成される空気通路11は直線状に管軸方向に沿って延在する。他の実施形態では、主管10は、バタフライ弁30の上流側又はベンチュリ環60の下流側において、屈曲部又は湾曲部を有する。
【0023】
幾つかの実施形態では、
図2~
図9に示すように、主管10の内壁面12は、ベンチュリ環60の上流端よりも下流側において、空気通路11を絞る第2先細部12Aと、空気通路11が最も絞られた第2スロート部12Bと、混合気出口5に向かって空気通路11を広げる第2拡径部12Cとを含む。
第2先細部12Aは、ベンチュリ環60の上流端よりも下流側に位置する。主管10の内径は、第2先細部12Aに対応する管軸方向範囲において、下流側に向かって縮径する。第2スロート部12Bは、第2先細部12Aの下流側に位置する。第2スロート部12Bは、管軸方向においてベンチュリ環60の下流端を含む範囲に設けられる。言い換えると、ベンチュリ環60の下流端は、第2スロート部12Bに対応する管軸方向範囲内に位置する。主管10の内径は、第2スロート部12Bに対応する管軸方向範囲において、最小径近傍にて略一定に維持される。第2拡径部12Cは、第2スロート部12Bの下流側に位置する。主管10の内径は、第2拡径部12Cに対応する管軸方向範囲において、下流側に向かって拡径する。
なお、
図2~
図9では、説明の便宜上、第2先細部12A、第2スロート部12B及び第2拡径部12Cにおける主管10の内径の変化を強調している。
【0024】
図2~
図9に示す実施形態とは対照的に、他の幾つかの実施形態では、主管10の内壁面12は、空気供給ポート4から混合気出口5に至る主管10の管軸方向の全範囲に亘り、略一定の内径を有する。
【0025】
主管10は、主管10の管壁の内部に形成された環状の燃料チャンバ20を含む。
燃料チャンバ20は、燃料供給ポート2からの燃料ガスを受け入れるための環状空間である。燃料チャンバ20は、管軸方向において少なくとも一部がバタフライ弁30の下流側に位置するように、空気通路11の外周側に設けられる。燃料チャンバ20は、主管10の全周に亘って設けられてもよいし、主管10の周方向の一部の範囲に設けられてもよい。
【0026】
幾つかの実施形態では、
図2~
図9に示すように、主管10は、主管10の外周面から径方向外側に突出して設けられる燃料入口管部14を含む。燃料入口管部14は、燃料供給ポート2を形成する。燃料入口管部14の内部流路は燃料チャンバ20に連通する。燃料供給ポート2からの燃料ガスは、燃料入口管部14を介して燃料チャンバ20に流入した後、後述の燃料通路50を介して空気通路11に流出する。
燃料入口管部14は、燃料入口管部14から導入される燃料ガスを燃料チャンバ20に適切に行きわたらせる観点から、主管10の管軸方向において、燃料チャンバ20と燃料通路50との接続部分と重ならない位置に設けられてもよい。
図2~
図9に示す例示的な実施形態では、燃料入口管部14は、主管10の管軸方向において、燃料チャンバ20と燃料通路50との接続部分よりも下流側に設けられる。このため、燃料入口管部14を径方向内側に向かって通過した燃料ガスは、環状の燃料チャンバ20内を周方向に流れた後、燃料チャンバ20から燃料通路50に流入する。
【0027】
幾つかの実施形態では、燃料チャンバ20は、少なくとも主管10を構成する複数の部品間に形成される。
図2~
図9に示す実施形態では、主管10は、燃料供給ポート2及び空気供給ポート4を有する第1部品210と、第1部品210に篏合される第2部品220とによって構成される。具体的には、第1部品210は、主管10の全長に亘って主管10の外形を形成する管部品であり、第1部品210の管軸方向の下流側には第2部品220を受け入れるための第1凹部212を有する。第2部品220は、第2部品220の外周面に全周に亘って形成される第2凹部222を有する。第1部品210の第1凹部212に第2部品220が篏合すると、第1部品210のうち第1凹部212が形成された部分の内周面と、第2部品220のうち第2凹部222が形成された部分の外周面との間に環状の燃料チャンバ20が形成される。主管10の管軸方向における燃料チャンバ20を挟んで両側に一対のシールリング224が設けられ、これらのシールリング224によって第1部品210と第2部品220との間の隙間がシールされる。なお、第2部品220には、後述する支持部40及びベンチュリ環60が一体的に設けられる。
【0028】
図2~
図9に示す実施形態とは対照的に、他の幾つかの実施形態では、三次元積層造形によって、管壁の内部に燃料チャンバ20を有する主管10が一部品として成形される。
【0029】
バタフライ弁30は、空気通路11内に位置するように主管10に取り付けられる。バタフライ弁30の回動軸X(
図4及び
図8参照)は、主管10の管軸方向に直交する方向に沿って延在する。バタフライ弁30は、回動軸X周りに回動可能である。
【0030】
バタフライ弁30は、空気導入穴31を有する。空気導入穴31は、回動軸X上に設けられる。言い換えると、バタフライ弁30の回動軸Xは空気導入穴31を通過する。
空気導入穴31は、
図6及び
図8に示すように、バタフライ弁30の中央領域に設けられる。空気導入穴31は、バタフライ弁30と同芯状の円形穴であってもよい。
【0031】
図2~
図5に示すように、バタフライ弁30の全閉状態では、主管10の管軸方向に直交する断面内において、空気導入穴31は空気通路11の中央領域に位置する。このため、全閉状態のバタフライ弁30によって絞られた空気通路11内の流れは、空気導入穴31が存在する空気通路11の中央領域に偏って流れる。
図2~
図5に示す例示的な実施形態では、バタフライ弁30の全閉状態における空気導入穴31は、主管10の管軸方向に直交する断面において、円形の空気通路11と同芯状であり、かつ、主管10の中心軸を中心とする円形である。
【0032】
これに対し、バタフライ弁30の全開状態では、
図6~
図9に示すように、バタフライ弁30は主管10の管軸方向及び回動軸Xを含む平面に沿って延在し、空気通路11内において空気はバタフライ弁30の側方を通過するように流れ、空気導入穴31を通過する空気流は実質的に存在しない。
【0033】
図2~
図9に示す例示的な実施形態では、バタフライ弁30は、主管10の管壁を貫通する出力軸232を有するモータ230によって駆動される。バタフライ弁30は、モータ230の出力軸232の先端にスクリュ234を用いて取り付けられる。
モータ230の出力軸232による主管10の管壁の貫通部分には、出力軸232と管壁との隙間をシールするためのシールリング233が設けられる。
【0034】
幾つかの実施形態では、
図2~
図9に示すように、バタフライ弁30は、回動軸Xに沿って設けられる中央部32と、中央部32から徐々に厚さが減少する一対の側部34とを含む。バタフライ弁30の厚さは、中央部32において最大厚さt_maxとなり、各々の側部34の端において最小厚さt_minとなる。各々の側部34は、中央部32から離れるにつれて、最大厚さt_maxから最小厚さt_minまで厚さが減少する。
厚さが徐々に減少する側部34を有するバタフライ弁30を採用することで、バタフライ弁30の全開状態において、
図7及び
図9に示すように、バタフライ弁30が空気通路11内において略流線形となり、空気通路11の流れの抵抗を低減可能である。
【0035】
バタフライ弁30の下流側には、少なくとも一つの支持部40(40A,40B)が設けられる。
支持部40(40A,40B)は、バタフライ弁30の下流側において空気通路11内に位置するように主管10の内壁面12から径方向内側に延在する。支持部40(40A,40B)は中空構造であり、燃料チャンバ20に連通する燃料通路50を内部に有する。
【0036】
幾つかの実施形態では、
図4及び
図8に示すように、一対の支持部40A,40Bが、空気通路11内においてバタフライ弁30の回動軸Xに沿ってそれぞれ延在する。一対の支持部40A,40Bは、空気通路11内において後述のベンチュリ環60を挟んで互いに反対側に設けられる。
一対の支持部40A,40Bは、それぞれ、主管10の内壁面12に接続される一端42と、ベンチュリ環60に接続される他端44とを含む。一対の支持部40A,40Bは、それぞれ、主管10の内壁面12とベンチュリ環60の外周面との間の環状空間(空気通路11の外周領域)において、一端42から他端44まで回動軸Xに沿って延在する。
【0037】
幾つかの実施形態では、各々の支持部40(40A,40B)は、主管10の管軸方向に沿った第1幅W1(
図2、
図4、
図6及び
図8参照)が、管軸方向に直交する方向に沿った第2幅W2(
図5及び
図9参照)よりも大きい。
各々の支持部40(40A,40B)の第1幅W1及び第2幅W2は、2≦W1/W2≦5を満たしてもよい。
【0038】
また、幾つかの実施形態では、各々の支持部40(40A,40B)の第2幅W2は、バタフライ弁30の最大厚さt_maxに対する比が、0.8以上1.2以下である。
【0039】
燃料通路50は、
図2~
図9に示すように、各々の支持部40(40A,40B)の内部を通って、主管10の径方向に沿って延在する。
燃料通路50は、燃料チャンバ20に開口する入口52と、空気通路11のうちベンチュリ環60の内周側の空間(空気通路11の中央領域61)に開口する出口54とを有する。燃料チャンバ20からの燃料ガスは、支持部40内の燃料通路50を介してベンチュリ環60の内周側の空間に流出する。
【0040】
幾つかの実施形態では、各々の支持部40(40A,40B)の他端44はベンチュリ環60の外周面に接続され、各支持部40の内部流路としての燃料通路50の出口54はベンチュリ環60の内周面62に開口する。
他の幾つかの実施形態では、支持部40(40A,40B)は、ベンチュリ環60を貫通してベンチュリ環60の内周側の空間まで延びており、燃料通路50の出口54は、支持部40のうちベンチュリ環60の内周側に突出した部分の外表面に開口する。この場合においても、燃料通路50の出口54は、空気通路11のうちベンチュリ環60の内周側の空間に開口していることになる。
【0041】
ベンチュリ環60は、バタフライ弁30の下流側において空気通路11内に位置するように少なくとも一対の支持部40(40A,40B)によって支持される。
ベンチュリ環60は、主管10の管軸の周りに周方向に延在する環状体である。ベンチュリ環60の内周面62によって画定されるベンチュリ環60の内周側の空間は、空気通路11の一部として、空気通路11の中央領域61を形成する。空気通路11のうちベンチュリ環60の内周側の空間(空気通路11の中央領域61)には、上述のとおり、燃料通路50の出口54が開口する。ベンチュリ環60の外周側の空間は、空気通路11のうち外周領域を形成する。空気通路11のうちベンチュリ環60の外周側の空間には、上述の支持部40(40A,40B)が配置される。
なお、ベンチュリ環60の上流端における内径D_venturiは、バタフライ弁30の空気導入穴31の内径D_valveの0.8倍以上1.2倍以下である。
【0042】
幾つかの実施形態では、
図2~
図9に示すように、ベンチュリ環60の内周面62は、空気通路11の中央領域61を絞る第1先細部62Aと、空気通路11の中央領域61が最も絞られた第1スロート部62Bと、ベンチュリ環60の下流端に向かって空気通路11の中央領域61を広げる第1拡径部62Cとを含む。
第1先細部62Aは、ベンチュリ環60の上流側に位置する。ベンチュリ環60の内径は、第1先細部62Aに対応する管軸方向範囲において、下流側に向かって縮径する。第1スロート部62Bは、第1先細部62Aの下流側に位置する。ベンチュリ環60の内径は、第1スロート部62Bに対応する管軸方向範囲において、最小径近傍にて略一定に維持される。第1拡径部62Cは、第1スロート部62Bの下流側に位置する。ベンチュリ環60の内径は、第1拡径部62Cに対応する管軸方向範囲において、下流側に向かって拡径する。
なお、
図2~
図9には、説明の便宜上、第1先細部62A、第1スロート部62B及び第1拡径部62Cにおけるベンチュリ環60の内径の変化を強調している。
【0043】
幾つかの実施形態では、第1スロート部62Bは、ベンチュリ環60の内周面62のうち燃料通路50の出口54が開口する領域に設けられる。
図2~
図9に示す例示的な実施形態では、燃料通路50の出口54は、ベンチュリ環60の内周面62のうち、第1先細部62Aの一部、第1スロート部62B、および、第1拡径部62Cの一部に設けられる。すなわち、主管10の管軸方向において、燃料通路50の出口54の上流端54Aは、ベンチュリ環60の内周面62のうち第1先細部62Aが占める領域内に位置し、燃料通路50の出口54の下流端54Bは、ベンチュリ環60の内周面62のうち第1拡径部62Cが占める領域内に位置する。
他の幾つかの実施形態では、燃料通路50の出口54の上流端54A又は下流端54Bの少なくとも一方は、主管10の管軸方向において、ベンチュリ環60の内周面62のうち第1スロート部62Bが占める領域内に位置する。
【0044】
幾つかの実施形態では、
図2~
図5に示すように、ベンチュリ環60は、全閉状態におけるバタフライ弁30の空気導入穴31と同芯状となるように空気通路11内に配置される。すなわち、バタフライ弁30が全閉状態にあるとき、ベンチュリ環60の内周面62によって規定される円は、主管10の管軸方向から視て、バタフライ弁30の空気導入穴31の輪郭を規定する円の同心円である。
このため、バタフライ弁30が全閉状態又はこれに近い状態となる小流量域において、ベンチュリ環60の内周側の空間(空気通路11の中央領域61)には、空気導入穴31で絞られた比較的流速が大きい空気が流れる。
なお、空気導入穴31を通過した空気流をベンチュリ環60の内周側に効果的に取り込む観点から、バタフライ弁30の全閉状態において、空気導入穴31からベンチュリ環60の上流端までの管軸方向における距離は、空気導入穴31の直径D_valveの1.5倍以上4倍以下であってもよい。
【0045】
上記構成の予混合ユニット6を含む予混合装置1では、バタフライ弁30の全閉状態において、空気通路11における空気流れはバタフライ弁30で絞られて、バタフライ弁30の空気導入穴31を通過する(
図2~
図5の実線矢印参照)。このため、バタフライ弁30の下流側において、空気通路11における空気流れは中央に偏り、ベンチュリ環60の内側の空間(空気通路11の中央領域61)を通過する(
図2~
図5の実線矢印参照)。そして、ベンチュリ環60の下流側では、空気通路11の中央と外周側との流速差に起因して、破線で示すように渦Vが発生する。その結果、渦Vによって、ベンチュリ環60の下流側で燃料と燃焼用空気との予混合が促進される。
【0046】
これに対し、バタフライ弁30の全開状態において、空気通路11内における流れは略一様である(
図6~
図9の実線矢印参照)。このため、バタフライ弁30の全閉状態とは対照的に、ベンチュリ環60の下流側において、流速差に起因した渦Vは実質的に発生せず、主管10における圧力損失が低減される。
特に、
図2~
図9に示す例示的な実施形態のように、支持部40(40A,40B)がバタフライ弁30の回動軸Xに沿って延在する場合、支持部40(40A,40B)における圧力損失の増加を抑制できる。
【0047】
上述の幾つかの実施形態に係る予混合装置1及び給湯装置100の特徴的な構成を整理すれば、以下のとおりである。
【0048】
[1]本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る予混合装置(1)は、
空気通路(11)を取り囲むように設けられ、環状の燃料チャンバ(20)が管壁内部に形成された筒状の主管(10)と、
空気導入穴(31)を有し、空気通路(11)内に位置するように回動可能に設けられるバタフライ弁(30)と、
燃料チャンバ(20)に連通する燃料通路(50)を内部に有し、バタフライ弁(30)の下流側において空気通路(11)内に位置するように主管(10)の内壁面(12)から径方向内側に延在する少なくとも一つの支持部(40)と、
バタフライ弁(30)の下流側において空気通路(11)内に位置するように少なくとも一つの支持部(40)によって支持されるベンチュリ環(60)と、
を備え、
燃料通路(50)は、空気通路(11)のうちベンチュリ環(60)の内周側の空間(61)に開口する出口(54)を有する。
【0049】
上記[1]の構成によれば、予混合が不十分となりやすい小流量域において、バタフライ弁(30)を全閉状態又はこれに近い状態とすることで、空気導入穴(31)を通過した空気を空気通路(11)の中央部分に偏らせ、ベンチュリ環(60)の下流側における流れの流速差に起因した渦(V)を利用して予混合を促進できる。
【0050】
[2]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[1]の構成において、
ベンチュリ環(60)は、全閉状態におけるバタフライ弁(30)の空気導入穴(31)と同芯状となるように空気通路(11)内に配置される。
【0051】
上記[2]の構成によれば、バタフライ弁(30)が全閉状態又はこれに近い状態となる小流量域において、空気導入穴(31)で絞られた比較的流速が大きい空気がベンチュリ環(60)の内周側を通過するようになり、ベンチュリ環(60)の内周側の空間(61)の圧力が効果的に低下し、燃料通路(50)の出口(54)からの燃料の流出を促進できる。
【0052】
[3]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[1]又は[2]の構成において、
ベンチュリ環(60)は、少なくとも一つの支持部(40)としての一対の支持部(40A,40B)により支持され、
一対の支持部(40A,40B)は、バタフライ弁(30)の回動軸(X)に沿ってそれぞれ延在するように、空気通路(11)内においてベンチュリ環(60)を挟んで互いに反対側に設けられる。
【0053】
上記[3]の構成によれば、バタフライ弁(30)を全開にする大流量域において、空気通路(11)を上流側から視たとき、バタフライ弁(30)と一対の支持部(40A,40B)が少なくとも部分的に重なり、一対の支持部(40A,40B)による圧力損失の増加を抑制できる。
【0054】
[4]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[3]の構成において、
各々の支持部(40A,40B)は、主管(10)の管軸方向に沿った第1幅(W1)が、管軸方向に直交する方向に沿った第2幅(W2)よりも大きい。
【0055】
上記[4]の構成によれば、支持部(40A,40B)の内部に設けられる燃料通路(50)の流路断面積を確保しながら、バタフライ弁(30)を全開にしたときに、空気通路(11)の上流側視にてバタフライ弁(30)と支持部(40A,40B)との重なりを大きくし、大流量域における支持部(40A,40B)による圧力損失の増加を抑制できる。
【0056】
[5]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[4]の構成において、
各々の支持部(40A,40B)の第2幅(W2)は、バタフライ弁(30)の最大厚さ(t_max)に対する比が、0.8以上1.2以下である。
【0057】
上記[5]の構成によれば、バタフライ弁(30)を略全開にする大流量域において、空気通路(11)を上流側から視たとき、各々の支持部(40A,40B)の大部分がバタフライ弁(30)に重なり、支持部(40A,40B)による圧力損失の増加をより一層抑制できる。
【0058】
[6]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[1]~[5]の何れかの構成において、
ベンチュリ環(60)は、燃料通路(50)の出口(54)が開口する内周面(62)を有する。
【0059】
上記[6]の構成によれば、例えば、燃料通路(50)の出口(54)を下流側に向けるためにベンチュリ環(60)の内側に突出する突出部を設ける場合に比べて、ベンチュリ環(60)の内周側の流路(61)の流路断面積を確保しやすくなり、圧力損失を低減可能である。
【0060】
[7]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[6]の構成において、
ベンチュリ環(60)の内周面(62)は、
ベンチュリ環(60)の内径が下流に向かって縮径する第1先細部(62A)と、
第1先細部(62A)の下流側に位置し、燃料通路(50)の出口(54)が開口する領域に設けられる第1スロート部(62B)と、
第1スロート部(62B)の下流側に位置し、ベンチュリ環(60)の内径が下流に向かって拡径する第1拡径部(62C)と、
を含む。
【0061】
上記[7]の構成によれば、ベンチュリ環(60)の内周側の空間(61)に流入した空気が第1先細部(62A)で絞られて流速が増加するため、第1スロート部(62B)における圧力は減少する。また、第1スロート部(62B)の下流側の第1拡径部(62C)における静圧回復の影響により、ベンチュリ環(60)の下流端を基準とした第1スロート部(62B)における圧力はさらに減少する。こうして、第1先細部(62A)、第1スロート部(62B)及び第1拡径部(62C)を含むベンチュリ環(60)によって、燃料通路(50)の出口(54)が開口する領域に設けられる第1スロート部(62B)における圧力を低下させ、燃料通路(50)の出口(54)からの燃料の流出を促進できる。
【0062】
[8]少なくとも幾つかの実施形態では、上記[7]の構成において、
主管(10)の内壁面(12)は、
ベンチュリ環(60)の上流端よりも下流側に位置し、下流に向かって主管(10)の内径が縮径する第2先細部(12A)と、
第2先細部(12A)の下流側に位置し、ベンチュリ環(60)の下流端に対応する位置に設けられる第2スロート部(12B)と、
第2スロート部(12B)の下流側に位置し、主管(10)の内径が下流に向かって拡径する第2拡径部(12C)と、
を含む。
【0063】
上記[8]の構成によれば、大流量時に主管(10)の内壁面(12)に沿って流れる空気流が第2先細部(12A)で絞られて流速が増加するため、第2スロート部(12B)での圧力は減少する。また、第2スロート部(12B)の下流側の第2拡径部(12C)における静圧回復の影響により、第2拡径部(12C)の下流端を基準とした第2スロート部(12B)における圧力はさらに減少する。このように、第2先細部(12A)、第2スロート部(12B)及び第2拡径部(12C)を含む主管(10)の流路形状によって、ベンチュリ環(60)の下流端に対応する位置に設けられる第2スロート部(12B)の圧力が低下する。このため、ベンチュリ環(60)の内周面(62)のうち燃料通路(50)の出口(54)が開口する領域に設けられる第1スロート部(62B)の圧力は、上記[5]で述べたベンチュリ環(60)の内側の形状に起因した減圧効果に加えて、主管(10)の流路形状に起因した減圧効果によって、さらに減少する。よって、主管(10)の内壁面(12)の第2先細部(12A)における絞り量が小さくても、燃料通路(50)の出口(54)からの十分な量の燃料を流出させることが可能となり、主管(10)の第2先細部(12A)の絞り量の減少によって圧力損失を抑制できる。
【0064】
[9]本発明の少なくとも幾つかの実施形態に係る給湯装置は、
燃料および燃焼用空気の混合気を生成するための、上記[1]~[8]の何れかの予混合装置(1)と、
予混合装置(1)からの混合気に含まれる燃料を燃焼するためのバーナ(130)と、
バーナ(130)における燃料の燃焼により生じた燃焼ガスの保有熱を利用して温水を生成するための加熱器(140)と、
を備える。
【0065】
給湯装置をコールドスタートする場合、給湯装置の暖機が完了するまでの間、バーナにおける必要燃焼量は比較的大きいが、暖機が完了するとバーナにおける必要燃焼量は小さくなる。このため、給湯装置のための予混合装置は、ファン通過時の燃料と空気との混合効果を期待しづらい小流量域においても予混合を確実に行い、バーナにおける安定燃焼を実現することが望まれる。
この点、上記[9]の構成によれば、上記[1]で述べたとおり、小流量域であっても、ベンチュリ環(60)の下流側における流れの流速差に起因した渦(V)を利用して予混合を促進できるから、バーナ(130)の安定燃焼を実現できる。
【符号の説明】
【0066】
1 :予混合装置
10 :主管
11 :空気通路
12 :内壁面
12A :第2先細部
12B :第2スロート部
12C :第2拡径部
20 :燃料チャンバ
30 :バタフライ弁
31 :空気導入穴
40(40A,40B) :支持部
50 :燃料通路
54 :出口
60 :ベンチュリ環
62 :内周面
62A :第1先細部
62B :第1スロート部
62C :第1拡径部
100 :給湯装置
130 :バーナ
140 :加熱器
W1 :第1幅
W2 :第2幅
X :回動軸
t_max :最大厚さ