(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017122
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】操舵システム
(51)【国際特許分類】
B62D 6/00 20060101AFI20250129BHJP
B62D 5/04 20060101ALI20250129BHJP
B62D 119/00 20060101ALN20250129BHJP
【FI】
B62D6/00
B62D5/04
B62D119:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120020
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】小川 皓俊
(72)【発明者】
【氏名】立入 泉樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 文彦
(72)【発明者】
【氏名】鳥谷 和史
【テーマコード(参考)】
3D232
3D333
【Fターム(参考)】
3D232CC02
3D232CC08
3D232DA15
3D232DC08
3D232DD01
3D232DD06
3D232EA01
3D232EB04
3D232EB11
3D232EC22
3D232EC37
3D232GG01
3D333CB02
3D333CB29
3D333CB44
3D333CE45
3D333CE48
(57)【要約】
【課題】操舵性と走行安定性とが優れた操舵システムを提供することを課題とする。
【解決手段】車両に搭載されたステアバイワイヤ方式の操舵システムであって、前記車両に片持ち支持され前記車両の運転者により力が入力される入力装置と、前記入力装置に作用する力又はトルクの大きさを検出する検出装置と、前記車両の車輪の転舵角を制御するモータと、前記検出装置の検出結果に応じた前記転舵角となるように前記モータを制御する制御装置と、を備えた操舵システム。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載されたステアバイワイヤ方式の操舵システムであって、
前記車両に片持ち支持され前記車両の運転者により力が入力される入力装置と、
前記入力装置に作用する力又はトルクの大きさを検出する検出装置と、
前記車両の車輪の転舵角を制御するモータと、
前記検出装置の検出結果に応じた前記転舵角となるように前記モータを制御する制御装置と、
を備えた操舵システム。
【請求項2】
前記入力装置を前記車両との間で弾性支持する弾性部材を備え、
前記入力装置は、所定範囲を移動可能に前記車両に支持され、前記所定範囲内での当該入力装置の位置に応じた前記弾性部材の弾性反力が入力され、
前記検出装置は、前記入力装置の前記運転者の力が入力される部位と前記入力装置の前記弾性反力が入力される部位との間に作用する力又はトルクを検出する、請求項1の操舵システム。
【請求項3】
前記入力装置の移動速度を減衰させる減衰部材を備えた、請求項2の操舵システム。
【請求項4】
前記検出結果によらずに前記転舵角を保持する指令を前記制御装置に出力する操作部を備えた、請求項1乃至3の何れかの操舵システム。
【請求項5】
前記検出結果が上限値を超えた場合に所定の報知を行う報知装置を備えた、請求項1乃至3の何れかの操舵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操舵システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載されるステアバイワイヤ方式の操舵システムが知られている(例えば特許文献1参照)。ステアバイワイヤ方式では、ハンドルと車輪と機械的に連結することなく、ハンドルの操舵角に基づいてモータにより車輪が転舵する。この方式では、操舵角に対する車輪の転舵角の比である舵角比を任意に設定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
舵角比を高く設定することにより、ハンドルを持ち替えずに操舵が可能となり操舵性が向上する。しかしながら舵角比が高すぎると、操舵角の微小な変動により転舵角が大きく変動するおそれがある。これにより、走行安定性が低下するおそれがある。
【0005】
そこで本発明は、操舵性と走行安定性とが優れた操舵システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、車両に搭載されたステアバイワイヤ方式の操舵システムであって、前記車両に片持ち支持され前記車両の運転者により力が入力される入力装置と、前記入力装置に作用する力又はトルクの大きさを検出する検出装置と、前記車両の車輪の転舵角を制御するモータと、前記検出装置の検出結果に応じた前記転舵角となるように前記モータを制御する制御装置と、を備えた操舵システムによって達成できる。
【0007】
前記入力装置を前記車両との間で弾性支持する弾性部材を備え、前記入力装置は、所定範囲を移動可能に前記車両に支持され、前記所定範囲内での当該入力装置の位置に応じた前記弾性部材の弾性反力が入力され、前記検出装置は、前記入力装置の前記運転者の力が入力される部位と前記入力装置の前記弾性反力が入力される部位との間に作用する力又はトルクを検出してもよい。
【0008】
前記入力装置の移動速度を減衰させる減衰部材を備えていてもよい。
【0009】
前記検出結果によらずに前記転舵角を保持する指令を前記制御装置に出力する操作部を備えた、請求項1乃至3の何れかの操舵システム。
【0010】
前記検出結果が上限値を超えた場合に所定の報知を行う報知装置を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、操舵性と走行安定性とが優れた操舵システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、操舵システム1の概略構成図である。
【
図2】
図2は、目標転舵角を規定したマップの一例である。
【
図5】
図5Aは、第2変形例の入力装置の説明図であり、
図5Bは、第3変形例の入力装置の説明図である。
【
図6】
図6Aは、変形例のハンドルの説明図であり、
図6Bは、目標転舵角を規定したマップの変形例である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[操舵システムの概略構成]
図1は、操舵システム1の概略構成図である。操舵システム1は、車両に搭載されたステアバイワイヤ方式の操舵システムである。操舵システム1は、入力装置10、検出装置30、制御装置50、モータ制御装置70、モータ72、伝達装置74、車輪76、転舵角検出装置78を含む。詳しくは後述するが入力装置10には、運転者の操作により力が入力される。検出装置30は、入力装置10に入力された力の大きさを検出する。制御装置50は、検出装置30の検出結果に応じて、車輪76の目標転舵角を算出する。モータ制御装置70は、目標転舵角に従ってモータ72の駆動トルクを制御する。制御装置50及びモータ制御装置70はそれぞれ、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。モータ72の駆動トルクは、伝達装置74を介して車輪76に伝達される。車輪76の転舵角は、目標転舵角に制御される。伝達装置74は、モータ72の回転を減速させてラックシャフトを直線運動させる。これにより、タイロッドを介して車輪76が転舵する。転舵角検出装置78は、車輪76の実際の転舵角を検出し、制御装置50に検出信号を出力する。
【0014】
図2は、目標転舵角を規定したマップの一例である。横軸が検出装置30により検出される力を示し、縦軸が目標転舵角を示す。制御装置50は、このマップを参照して目標転舵角を算出する。詳しくは後述するが、検出装置30が検出した力の方向が反時計方向の場合、目標転舵角は正の値として算出される。目標転舵角が正の場合、車輪76は反時計方向に転舵するように制御される。検出装置30が検出した力の方向が時計方向の場合、目標転舵角は負の値として算出される。目標転舵角が負の場合、車輪76は時計方向に転舵するように制御される。
図2に示すように、検出装置30が検出した力が大きいほど、目標転舵角も大きな値として算出される。尚、目標転舵角は、検出装置30が検出した力を引数とした演算式により算出してもよい。
【0015】
[入力装置]
図3A及び
図3Bは、入力装置10の説明図である。
図3Aは、入力装置10の上面図である。
図3Bは、
図3AのA-A断面図である。入力装置10は、車両のダッシュボードに設けられている。入力装置10は、車両側に片持ち支持されている。入力装置10は、軸部11、ハンドル12、及びストッパ部16を含む。軸部11の基端が車両に支持されている。軸部11は、軸部11の中心軸周りに回転可能に車両に支持されている。軸部11は例えば金属製である。ハンドル12は、軸部11の先端に固定されている。ハンドル12は、ホイール状であるがこれに限定されない。ハンドル12は、例えば金属製である。詳しくは後述するが、ハンドル12には運転者によって力が入力される。軸部11には、その外周面から突出した突部13が設けられている。突部13は、軸部11の基端側から軸方向に沿って延びて設けられている。
【0016】
検出装置30は、軸部11のハンドル12と突部13との間に取り付けられている。検出装置30は、軸部11に作用する力を検出する。検出装置30は、例えば歪ゲージなどの検出部が出力する、軸部11に作用する力の大きさに応じて変化する電気信号を力に変換する。
【0017】
ストッパ部16は、軸部11の基端周辺を囲うように車両に固定されている。ストッパ部16は例えば金属製である。ストッパ部16は円環状である。ストッパ部16には切欠部17が形成されている。切欠部17は、軸部11の突部13を挟持している。これにより、軸部11は車両に対して回転不能となる。従ってハンドル12の操舵角は略ゼロである。尚、軸部11は完全に回転不能であることに限定されない。例えば切欠部17と突部13との間に隙間があり、その隙間分だけ軸部11が回転可能であってもよい。
【0018】
運転者は、ハンドル12に対して回転させるような力を入力する。ここで、軸部11の基端は上述したようにストッパ部16により回転不能である。従って、軸部11にはねじり力が作用する。検出装置30は、軸部11に作用するねじり力の大きさを検出する。上述したように制御装置50は、検出装置30が検出した力が大きいほど、目標転舵角を大きな値として算出する。このようにして車輪76の転舵角が目標転舵角に制御される。
【0019】
以上のように、運転者は操舵角がゼロであるハンドル12に力を入力することにより、車輪76の転舵角を操作することができる。従って、運転者はステアリングホイールのように持ち替えてハンドル12を回転させる必要がない。このように操舵性が向上している。また、運転者がハンドル12に入力した力の大きさにより車輪76の転舵角は制御される。このため、車輪76の転舵角が大きく変動することが防止される。このように走行安定性が向上している。
【0020】
[入力装置の変形例]
次に入力装置の変形例について説明する。
図4A及び
図4Bは、第1変形例の入力装置10aの説明図である。
図4Aは
図3Aに対応している。
図4Bは
図3Bに対応している。尚、同一の構成については同一の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0021】
入力装置10aのストッパ部16aの切欠部17aは、上述した切欠部17よりも周方向に大きく形成されている。このためハンドル12は、突部13が切欠部17aに接触しない所定範囲で回転可能である。突部13が切欠部17aに接触することにより、それ以上のハンドル12の回転が規制される。
【0022】
軸部11の突部13は、バネ20a及び20bにより車両との間で弾性支持されている。バネ20aの一端は、車両に取り付けられている。バネ20aの他端は、突部13に取り付けられている。バネ20bの一端は、車両に取り付けられている。バネ20bの他端は、突部13に取り付けられている。突部13は、バネ20aとバネ20bとにより、軸部11の軸方向に交差する方向で挟まれるように支持されている。バネ20a及び20bは、ストッパ部16aに干渉しない位置に取り付けられている。バネ20a及びバネ20bはそれぞれ、コイル状のバネである。突部13には、バネ20aの弾性反力とバネ20bの弾性反力とが作用する。バネ20aの弾性反力とバネ20bの弾性反力が釣り合っている状態で、突部13は切欠部17aにより規定された回転可能範囲の中心に位置する。バネ20a及び20bは、弾性部材の一例である。弾性部材は、コイル状のバネに限定されず、板状のバネであってもよい。
【0023】
運転者はバネ20a及び20bの弾性反力に抗してハンドル12を回転させる。軸部11には、ハンドル12の回転位置に応じたバネ20a及び20bの弾性反力が作用する。これにより軸部11のハンドル12と突部13との間には、ねじり力が作用する。検出装置30は、軸部11のハンドル12と突部13との間に設けられている。このため検出装置30は、入力装置10の運転者の力が入力される部位と入力装置12の弾性反力が入力される部位との間に作用する力を検出できる。従って、検出装置30は軸部11に作用するねじり力を検出できる。ハンドル12が回転可能範囲内に位置している状態においても、検出装置30が検出した力の大きさに基づいて車輪76の転舵角が制御される。
【0024】
例えば、ハンドル12の回転位置を検出するセンサを設け、このセンサの検出結果に基づいて車輪76の転舵角を制御することが考えられる。しかしながら検出装置30に加えて上記のセンサを設けると、部品点数やコストが増大するおそれがある。また、構造や制御も複雑となるおそれがある。本実施例では、ハンドル12が回転可能範囲内に位置している場合においても検出装置30を利用して車輪76の転舵角を制御することができる。これにより、上記のような問題の発生を抑制できる。
【0025】
例えば車輪76の転舵角が小さい右折や左折、レーンチェンジは、ハンドル12の回転可能範囲内での回転操作により行われる。車輪76の転舵角が大きいUターンは、ハンドル12の回転が規制された状態でのハンドル12に入力された力の大きさに基づいて行われる。このようにハンドル12の操作感が向上している。
【0026】
尚、ハンドル12の回転が規制された状態では、ハンドル12の回転が規制された位置でのバネ20a及び20bの弾性反力と、運転者がハンドル12に加えた力とにより、軸部11にねじり力が作用する。検出装置30はこの力の大きさを検出し、検出装置30の検出結果に基づいて車輪76の転舵角が制御される。
【0027】
バネ20a及び20bは突部13に取り付けられているが、これに限定されない。例えば、検出装置30と軸部11の基端との間の部位に、バネ20a及び20bが取り付けられていてもよい。
【0028】
図5Aは、第2変形例の入力装置10bの説明図である。軸部11aの検出装置30とハンドル12との間には、突部14が設けられている。突部14は、軸部11aの外周面から突出している。突部14は、軸部11aの軸方向に沿って延びている。軸部11aは、ダンパ22a及び22bにより支持されている。ダンパ22aの一端は、車両に取り付けられている。ダンパ22aの他端は、突部14に取り付けられている。ダンパ22bの一端は、車両に取り付けられている。ダンパ22bの他端は、突部14に取り付けられている。突部14は、ダンパ22aとダンパ22bとにより、軸部11aの軸方向に交差する方向で挟まれるように支持されている。ダンパ22a及び22bのそれぞれは、軸部11aの回転速度に応じた反力を軸部11に作用させる。これによって、軸部11aの回転速度は減衰する。ダンパ22a及び22bは、減衰部材の一例である。
【0029】
ダンパ22a及び22bにより、バネ20aの弾性反力とバネ20bの弾性反力とが釣り合った位置でのハンドル12のがたつきを抑制することができる。これにより操作性が向上する。また、ダンパ22a及び22bにより、ハンドル12の回転速度が抑制される。これにより、速すぎるハンドル12の回転速度に対して車輪76の転舵の応答が遅れることを抑制できる。
【0030】
図5Bは、第3変形例の入力装置10cの説明図である。入力装置10cでは、ダンパ22a及び22bは突部13に取り付けられている。本変形例においても、バネ20aの弾性反力とバネ20bの弾性反力とが釣り合った位置でのハンドル12のがたつきを抑制することができる。
【0031】
運転者がハンドル12を回転させた場合、バネ20a及び20bの弾性反力とダンパ22a及び22bの反力とが軸部11に作用する。このため、例えば運転者がハンドル12を大きな力で回転させようとした場合には、ハンドル12が回転可能範囲内にあっても、軸部11に大きなねじり力を作用させることができる。これにより例えば緊急時などに運転者がハンドル12に大きな力を入力させた場合には、それに対応した力が検出装置30により検出される。従って、短時間で車輪76を大きく転舵させることができ、安全性が向上している。
【0032】
[ハンドルの変形例]
図6Aは、変形例のハンドル12aの説明図である。ハンドル12aの外周部には、スイッチ12bが設けられている。スイッチ12bは運転者によって押下げ可能である。スイッチ12bは制御装置50aに電気的に接続されている。スイッチ12bが押下げられている間は、スイッチ12bは検出装置30の検出結果によらずに転舵角を保持する指令を制御装置50aに出力する。指令を受けた制御装置50aは、現時点での車輪76の転舵角を目標転舵角に設定する。従って、スイッチ12bが押下げられている間は車輪76の転舵角が保持される。これにより、運転者はハンドル12aに継続的な力を入力せずとも、スイッチ12bの押下げにより車輪76の転舵角が保持される。このように操作性が向上している。尚、スイッチ12bは、ハンドル12aに設けられていることに限定されない。例えば、スイッチ12bは運転席の足元に設けられていてもよい。スイッチ12bは操作部の一例である。
【0033】
ハンドル12a内には振動アクチュエータ12cが設けられている。振動アクチュエータ12cは、制御装置50aに電気的に接続されている。検出装置30により検出された力が上限値を超えていた場合、制御装置50aは振動アクチュエータ12cを駆動し、ハンドル12aを振動させる。これにより運転者は、過剰な力をハンドル12aに与えていることを認識することができる。これにより運転者が無用に過剰な力をハンドル12aに入力することが抑制される。このように操作性が向上している。振動アクチュエータ12cは報知部の一例である。
【0034】
尚、報知部はこのような振動アクチュエータ12cに限定されない。例えば報知部は、画像を表示するディスプレイや、音を出力するスピーカ、及び光の出力するライトであってもよい。例えば、ダッシュボードのディスプレイに警告画像を表示してもよい。車両のスピーカやカーナビゲーションのスピーカから警告音を出力してもよい。所定の警告灯を点灯させてもよい。
【0035】
[目標転舵角の算出の変形例]
図6Bは、目標転舵角を規定したマップの変形例である。
図6Bは
図2に対応している。
図6Bでは、車速に応じて目標転舵角が規定されている。具体的には、低速走行、中速走行、及び高速走行毎に目標転舵角が規定されている。制御装置50は、車速センサから車速を取得し、
図6Bのマップを参照して目標転舵角を算出する。このマップによれば、車速が高いほど目標転舵角は小さく算出される。これにより、例えば低速走行時での操舵性を確保しつつ、高速走行時での安全性が向上する。尚、目標転舵角は、検出装置30が検出した力と車速とを引数とした演算式により算出してもよい。
【0036】
上記実施例及び変形例では、検出装置30は入力装置10入力された力の大きさを検出したが、入力装置10に入力されたトルクの大きさを検出してもよい。この場合も、トルクが大きいほど目標転舵角が大きな値として算出される。
【0037】
上記実施例及び変形例では、運転者により回転するように力を入力できる12を備えた入力装置10を説明した。しかしながら入力装置はこれに限定されない。例えば、入力装置は左右方向の力を入力可能なジョイスティックであってもよい。この場合、ジョイスティックはスライド不能及び傾動不能に車両に支持されていてもよい。運転者は、ジョイスティックに左右方向の力を入力する。これにより、ジョイスティックには曲げ力が作用する。検出装置は、この曲げ力を検出する。
【0038】
ジョイスティックは、左右方向に所定範囲をスライド可能又は傾動可能に車両に支持されていてもよい。この場合、ジョイスティックは車両との間で弾性部材により弾性支持されていてもよい。ジョイスティックのスライド速度又は傾動速度を減衰するダンパが設けられていてもよい。ジョイスティックには、上述したスイッチ12bや振動アクチュエータ12cが設けられていてもよい。
【0039】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 操舵システム
10、10a、10b、10c 入力装置
11 軸部
12、12a ハンドル
12b スイッチ(操作部)
12c 振動アクチュエータ(報知部)
13、14 凸部
16、16a ストッパ部
17、17a 切欠部
20a、20b バネ(弾性部材)
22a、22b ダンパ(減衰部材)
30 検出装置
50、50a 検出装置
72 モータ
76 車輪