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  • 特開-シール貼付装置及びシール貼付方法 図1
  • 特開-シール貼付装置及びシール貼付方法 図2
  • 特開-シール貼付装置及びシール貼付方法 図3
  • 特開-シール貼付装置及びシール貼付方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017129
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】シール貼付装置及びシール貼付方法
(51)【国際特許分類】
   B65C 9/18 20060101AFI20250129BHJP
   B65H 41/00 20060101ALI20250129BHJP
【FI】
B65C9/18
B65H41/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120031
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 優策
(72)【発明者】
【氏名】内田 晃治
【テーマコード(参考)】
3E095
3F108
【Fターム(参考)】
3E095AA20
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA32
3E095DA42
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA13
3E095EA24
3E095EA26
3E095EA27
3E095FA08
3F108JA03
(57)【要約】
【課題】離形テープにかかる力を効果的に減らして離形テープをスムーズに巻き取ること。
【解決手段】シール貼付装置は、帯状の離形テープに、孔塞ぎシールが所定間隔で貼付されたシール付きテープを、ロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部と、シール付きテープが先端部に向けて繰り出され、先端部で孔塞ぎシールが離形テープから剥離されると共に、剥離された離形テープのみが先端部で折り返すように構成されたシール剥離部と、先端部で折り返した離形テープを巻き取るテープ巻取部と、を備える。シール剥離部には、離形テープを先端部に対し外側に広げるように離形テープを案内する外側案内部が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の離形テープに、孔塞ぎシールが所定間隔で貼付されたシール付きテープを、ロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部と、
前記シール付きテープが先端部に向けて繰り出され、該先端部で前記孔塞ぎシールが前記離形テープから剥離されると共に、該剥離された離形テープのみが前記先端部で折り返すように構成されたシール剥離部と、
前記先端部で折り返した前記離形テープを巻き取るテープ巻取部と、
を備えるシール貼付装置であって、
前記シール剥離部には、前記離形テープを前記先端部に対し外側に広げるように該離形テープを案内する外側案内部が設けられている、
シール貼付装置。
【請求項2】
請求項1記載のシール貼付装置であって、
前記シール付きテープは、前記テープ保持部から前記シール剥離部の先端部まで、一対の案内ローラを介して繰り出され、
前記一対の案内ローラは、前記シール付きテープを挟み込んだ状態で案内を行い、
前記一対の案内ローラには、該一対の案内ローラの挟み込む圧力を調整する調整部が設けられている、
シール貼付装置。
【請求項3】
請求項1記載のシール貼付装置であって、
前記外側案内部は、前記先端部の下側に設けられた半円柱状の部材として構成されている、
シール貼付装置。
【請求項4】
請求項1記載のシール貼付装置であって、
前記テープ巻取部は、該テープ巻取部により巻き取られた前記離形テープの芯径に応じて、該テープ巻取部の回転速度を変化させる、
シール貼付装置。
【請求項5】
帯状の離形テープに孔塞ぎシールが所定間隔で貼付されたシール付きテープをロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部から、前記シール付きテープがシール剥離部の先端部に向けて繰り出されるステップと、
該シール剥離部の先端部で前記孔塞ぎシールが前記離形テープから剥離されると共に、該剥離された離形テープのみが前記先端部で折り返すステップと、
前記折り返した離形テープが前記シール剥離部の外側案内部によって前記先端部に対し外側に広げるように案内されるステップと、
前記シール剥離部の外側案内部によって案内された前記離形テープがテープ巻取部によって巻き取られるステップと、
を含む、
シール貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シール貼付装置及びシール貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
帯状の離形テープに孔塞ぎシールが所定の間隔で貼付されたシール付きテープをロール状にして回転可能に保持するテープ保持部と、シール付きテープを一定方向へ繰り出しつつ折り返して孔塞ぎシールを離形テープから剥離するシール剥離部と、孔塞ぎシールが剥離された離形テープのみを案内ローラを介して巻き取るテープ巻取部と、を備えるシール貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-055617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記シール貼付装置においては、シール剥離部の折り返し部分において離形テープに過大な力が作用して離形テープが破れるなどして、離形テープをスムーズに巻き取れない虞がある。
【0005】
本開示は、このような問題点を解決するためになされたものであり、離形テープにかかる力を効果的に減らして離形テープをスムーズに巻き取ることができるシール貼付装置及びシール貼付方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
帯状の離形テープに、孔塞ぎシールが所定間隔で貼付されたシール付きテープを、ロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部と、
前記シール付きテープが先端部に向けて繰り出され、該先端部で前記孔塞ぎシールが前記離形テープから剥離されると共に、該剥離された離形テープのみが前記先端部で折り返すように構成されたシール剥離部と、
前記先端部で折り返した前記離形テープを巻き取るテープ巻取部と、
を備えるシール貼付装置であって、
前記シール剥離部には、前記離形テープを前記先端部に対し外側に広げるように該離形テープを案内する外側案内部が設けられている、
シール貼付装置
である。
この一態様において、
前記シール付きテープは、前記テープ保持部から前記シール剥離部の先端部まで、一対の案内ローラを介して繰り出され、
前記一対の案内ローラは、前記シール付きテープを挟み込んだ状態で案内を行い、
前記一対の案内ローラには、該一対の案内ローラの挟み込む圧力を調整する調整部が設けられていてもよい。
この一態様において、
前記外側案内部は、前記先端部の下側に設けられた半円柱状の部材として構成されていてもよい。
この一態様において、
前記テープ巻取部は、該テープ巻取部により巻き取られた前記離形テープの芯径に応じて、該テープ巻取部の回転速度を変化させてもよい。
上記目的を達成するための本開示の一態様は、
帯状の離形テープに孔塞ぎシールが所定間隔で貼付されたシール付きテープをロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部から、前記シール付きテープがシール剥離部の先端部に向けて繰り出されるステップと、
該シール剥離部の先端部で前記孔塞ぎシールが前記離形テープから剥離されると共に、該剥離された離形テープのみが前記先端部で折り返すステップと、
前記折り返した離形テープが前記シール剥離部の外側案内部によって前記先端部に対し外側に広げるように案内されるステップと、
前記シール剥離部の外側案内部によって案内された前記離形テープがテープ巻取部によって巻き取られるステップと、
を含む、
シール貼付方法
であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、離形テープにかかる力を効果的に減らして離形テープをスムーズに巻き取ることができるシール貼付装置及びシール貼付方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係るシール貼付装置の概略的な構成を示す図である。
図2図1に示すA部分を拡大した図であり、シール剥離部を示す図である。
図3】本実施形態に係るシール貼付装置の概略的な構成を示す図である。
図4】本実施形態に係るシール貼付方法のフローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態を通じて本開示を説明するが、特許請求の範囲にかかる発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。
【0010】
図面を参照して本実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るシール貼付装置の概略的な構成を示す図である。本実施形態に係るシール貼付装置1は、孔塞ぎシールをシール貼付部2に供給するシール供給部3と、シール供給部3により供給された孔塞ぎシールを貼り付けるシール貼付部2と、を備えている。
【0011】
シール貼付部2は、孔塞ぎシールを、例えば、車両のパネルなどに形成された貫通孔に貼り付け、その貫通孔を塞ぐものである。シール貼付装置1は、例えば、アームロボットなどに搭載される。
【0012】
本実施形態に係るシール供給部3は、図1に示す如く、シール付きテープXをロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部31と、シール付きテープXが先端部321に向けて繰り出され、先端部321で孔塞ぎシールが離形テープから剥離されるように構成されたシール剥離部32と、孔塞ぎシールが剥離された離形テープを巻き取るテープ巻取部33と、を備えている。
【0013】
図2は、図1に示すA部分を拡大した図であり、シール剥離部を示す図である。シール付きテープXは、帯状の離形テープX1に、孔塞ぎシールX2が所定間隔で貼付されたテープである。
【0014】
図1に示す如く、テープ保持部31は、本体部7の軸受けなどに軸支された回転軸を中心に回転する。テープ保持部31には、テープ保持部31に巻かれたシール付きテープXの残量を検出する残量センサ311を有していてもよい。残量センサ311は、例えば、テープ保持部31に巻かれたシール付きテープXの径方向の厚みを検出する、距離センサなどである。この残量センサ311により、実際のシール付きテープXの残量を検出できるため、稼働中にシール切れを起こすのを未然防止できる。
【0015】
テープ保持部31は、テープ巻取部33による離形テープX1の巻取りに従動して回転し、シール付きテープXを繰出す。テープ保持部31から出たシール付きテープXは、第1案内ローラ4、一対の第2案内ローラ5、及び第3案内ローラ6をこの順で経由して、シール剥離部32の先端部321に送り出される。
【0016】
テープ保持部31から出たシール付きテープXは、最初に、テープ保持部31の下方に回転可能に本体部7に設けられた第1案内ローラ4の外周面に到達し案内される。続いて、第1案内ローラ4を出たシール付きテープXは、第1案内ローラ4の下方に回転可能に本体部7に設けられた一対の第2案内ローラ5の外周面に挟まれた状態で案内される。この第2案内ローラ5よって、シール付きテープXに所望のテンションを与えることができる。
【0017】
ここで、従来の第2案内ローラは固定されていた。このため、製品誤差によるシール付きテープXの厚みにばらつきが生じると、上記挟み込む圧力が変化しテンションも変化するため、製造品質の低下を招く虞があった。
【0018】
これに対し、本実施形態においては、第2案内ローラ5には、一対の第2案内ローラ5の外周面によって挟み込む圧力を調整する調整部8が設けられている。この調整部8は、製品誤差によるシール付きテープXの厚みの変化に追従して、一対の第2案内ローラ5の挟み込む圧力を調整できる。この調整部8により、上記挟み込み状態が一定に維持され、テンションも一定に維持することができる。
【0019】
例えば、一方の第2案内ローラ5は、固定式ローラとして構成されている。他方の第2案内ローラ5は、シール付きテープXを挟んで一方の第2案内ローラ5に離間及び接近方向に揺動可能な可動式ローラとして構成されている。調整部8は、一方の第2案内ローラ5に対し他方の第2案内ローラ5を一定圧力で押圧する油圧式又は空気圧式のダンパ機構として構成されてもよい。
【0020】
一対の第2案内ローラ5から出たシール付きテープXは、第2案内ローラ5の左下方に回転可能に本体部7に設けられた第3案内ローラ6の外周面に到達し案内される。第3案内ローラ6から出たシール付きテープXは、シール剥離部32の先端部321に向けて繰り出される。
【0021】
シール剥離部32は、シール付きテープXが先端部321に向けて繰り出され、先端部321で孔塞ぎシールX2が離形テープX1から剥離されると共に、剥離された離形テープX1のみが先端部321で折り返し戻るように構成されている。シール剥離部32の先端部321では、孔塞ぎシールX2が離形テープX1から剥離される。
【0022】
シール貼付部2は、孔塞ぎシールX2を、先端部321で離形テープX1から剥離し貫通孔に貼り付ける。シール貼付部2は、孔塞ぎシールX2を吸着する吸着パッド21と、上下方向に伸縮する伸縮機構22と、伸縮機構22を移動させる移動機構23と、を備えている。
【0023】
吸着パッド21は、伸縮機構22の下端部に設けられている。吸着パッド21は、孔塞ぎシールX2を吸着する略円錐状のゴムパッドなどを有している。吸着パッド21は、例えば、真空エジェクタなどが形成する負圧によってゴムパッドが孔塞ぎシールX2を吸着するように構成されている。
【0024】
伸縮機構22は、シリンダー221と、シリンダー221に対し伸縮するピストン222と、を有している。ピストン222の先端に吸着パッド21が設けられている。ピストン222には、図3に示す如く、ピストン222の伸縮移動を案内する案内軸223がピストン軸224に併設されていてもよい。さらに、ピストン軸224はオイレスブッシュなどの軸受け225で軸支されていてもよい。
【0025】
これら案内軸223及び軸受け225により、ピストン222及びその先端の吸着パッド21のガタ付きを抑制でき、吸着パッド21による孔塞ぎシールX2の貼り付け精度を向上させることができる。
【0026】
図2に示す如く、各孔塞ぎシールX2は、シール剥離部32の先端部321で離形テープX1から送り方向前側部分が所定量剥離された状態(シール吸着位置P)で停止する。
【0027】
例えば、テープ巻取部33の駆動モータが間欠的に作動し、テープ保持部31に保持されたロール状のシール付きテープXが間欠的に繰り出される。そして、テープ巻取部33の駆動モータは、シール剥離部32のシール吸着位置Pにおいて、離形テープX1から送り方向前側部分が所定量剥離した状態で、各孔塞ぎシールX2を停止させる。
【0028】
このシール吸着位置Pで、伸縮機構22は、伸長することで、吸着パッド21を下方向へ移動させ孔塞ぎシールX2に接近させ接触させる。これにより、吸着パッド21は、孔塞ぎシールX2を吸着することができる。
【0029】
シール剥離部32の先端部321近傍にシール検出センサ9が設けられている。シール検出センサ9は、例えば、シール付きテープXの着色部(白黒部)からの反射光を検出する光センサであってもよい。テープ巻取部33の駆動モータは、シール検出センサ9により検出された反射光に基づいて、シール吸着位置Pで孔塞ぎシールX2を停止させてもよい。
【0030】
シール検出センサ9近傍に、シール付きテープXを下方に抑え付ける抑え案内部10が設けられていてもよい。抑え案内部10は、シール付きテープXを下方に抑え付けつつ、シール付きテープXとの摩擦を抑制するような、例えば、回転可能なローラ部材や円柱形状の部材として構成されているのが好ましい。
【0031】
この抑え案内部10により、シール検出センサ9付近でシール付きテープXが浮くのを抑制できるため、反射光をより高精度に検出でき、シール吸着位置Pで孔塞ぎシールX2をより高精度に停止させることができる。
【0032】
図1に示す如く、伸縮機構22は、収縮することで、吸着パッド21を上方に移動させ、吸着パッド21に吸着した孔塞ぎシールX2を上方に移動させる。これにより、孔塞ぎシールX2を離形テープX1から剥離させることができる。
【0033】
移動機構23は、アクチュエータの駆動力により伸縮機構22をレール部に沿って横方向に移動させるように構成されていてもよい。例えば、図3に示す如く、移動機構23は、伸縮機構22の吸着パッド21を貫通孔の上方に向けて横方向に移動させる(1)。その位置で、伸縮機構22はピストンを伸長させ、吸着パッド21の孔塞ぎシールX2を貫通孔に貼り付け、貫通孔を塞ぐことができる(2)。
【0034】
シール貼付装置1は、上述のシール付きテープXの送り動作、伸縮機構22の伸縮動作、吸着パッド21による孔塞ぎシールX2の吸着、離形テープX1からの孔塞ぎシールX2の剥離、移動機構23による吸着パッド21の移動、伸縮機構22の伸長動作による孔塞ぎシールX2の貫通孔への貼り付け、を各孔塞ぎシールX2に対して繰り返す。
【0035】
続いて、孔塞ぎシールX2がシール付きテープXから剥離された後のシール貼付装置1の動作について説明する。図2に示す如く、シール剥離部32の先端部321において剥離された離形テープX1のみが先端部321で折り返す。
【0036】
ところで、従来のシール貼付装置においては、このシール剥離部の折り返し部分において離形テープX1に過大な力が作用してテープが破れるなどして、離形テープX1をスムーズに巻き取れない虞があった。
【0037】
これに対し、本実施形態においては、シール剥離部32には、離形テープX1を先端部321に対し外側に広げるように離形テープX1を案内する外側案内部322が設けられている。外側案内部322は、例えば、先端部321の下側に設けられた半円柱状の部材として構成されている。
【0038】
この外側案内部322の外周面により、離形テープX1を先端部321に対し外側に押し広げ、先端部321における離形テープX1の折り返し角度を緩やかにすることができる。このため、シール剥離部32の折り返し部分において離形テープX1にかかる局所的な力を緩和できテープが破れるのを防止でき、離形テープX1をスムーズに巻き取ることができる。また、外側案内部322を半円柱状の部材とすることで、離形テープX1と外側案内部322とを曲面接触させ、離形テープX1と外側案内部322との間に生じる摩擦力が巻取りテンションに影響するのを抑制できる。
【0039】
図1に示す如く、シール剥離部32の先端部321で折り返した離形テープX1は、本体部7に回転可能に取付けられた第4案内ローラ11の外周面に到達し案内される。続いて、第4案内ローラ11に案内された離形テープX1は、本体部7に回転可能に取付けられた第5案内ローラ12の外周面に到達し案内される。最後に第5案内ローラ12に案内された離形テープX1は、テープ巻取部33に到達し巻き取られる。
【0040】
テープ巻取部33は、第5案内ローラ12に案内された離形テープX1を巻き取る。テープ巻取部33は、駆動モータなどによって、本体部7の軸受けなどに軸支された回転軸を中心に回転する。
【0041】
ここで、テープ巻取部33の回転速度が一定である場合、テープ巻取部33により巻き取られた離形テープX1の芯径が増加するに従って、シール付きテープXの移動速度は増加することとなる。一方で、上述の如く、精度良くシール吸着位置Pで孔塞ぎシールX2を停止させるには、シール付きテープXの移動速度が一定であるのが好ましい。
【0042】
従って、テープ巻取部33の駆動モータは、テープ巻取部33により巻き取られた離形テープX1の芯径に応じて、テープ巻取部33の回転速度を変化させるのが好ましい。具体的には、テープ巻取部33の駆動モータは、テープ巻取部33により巻き取られた離形テープX1の芯径が増加するに従って、テープ巻取部33の回転速度を低下させるのが好ましい。なお、テープ巻取部33は、例えば、貼付けられた孔塞ぎシールX2の枚数などに基づいて、離形テープX1の芯径を算出してもよい。
【0043】
これにより、シール付きテープXの移動速度を一定でき、精度良くシール吸着位置Pで孔塞ぎシールX2を停止させることができる。
【0044】
続いて、本実施形態に係るシール貼付方法について説明する。図4は本実施形態に係るシール貼付方法のフローを示すフローチャートである。
【0045】
テープ保持部31は、シール付きテープXをシール剥離部32の先端部321に向けて繰り出す(ステップS101)。
【0046】
シール貼付部2は、シール剥離部32の先端部321で孔塞ぎシールX2を吸着パッド21により吸着し離形テープX1から剥離する(ステップS102)。
【0047】
シール貼付部2は、吸着パッド21により吸着された孔塞ぎシールX2を貫通孔に貼り付ける(ステップS103)。
【0048】
剥離された離形テープX1のみがシール剥離部32の先端部321で折り返す(ステップS104)。
外側案内部322は、折り返した離形テープX1を先端部321に対し外側に広げるように案内する(ステップS105)。
【0049】
テープ巻取部33は、外側案内部322により案内された離形テープX1を巻き取る(ステップS106)。
【0050】
以上、本実施形態に係るシール貼付装置1は、帯状の離形テープX1に、孔塞ぎシールX2が所定間隔で貼付されたシール付きテープXを、ロール状に巻回した状態で回転可能に保持するテープ保持部31と、シール付きテープXが先端部321に向けて繰り出され、先端部321で孔塞ぎシールX2が離形テープX1から剥離されると共に、剥離された離形テープX1のみが先端部321で折り返し戻るように構成されたシール剥離部32と、先端部321で折り返した離形テープX1を巻き取るテープ巻取部33と、を備える。シール剥離部32には、離形テープX1を先端部321に対し外側に広げるように離形テープX1を案内する外側案内部322が設けられている。
【0051】
この外側案内部322により、離形テープX1を先端部321に対し外側に押し広げ、先端部321における離形テープX1の折り返し角度を緩やかにすることができる。このため、シール剥離部32の折り返し部分において離形テープX1にかかる局所的な力を緩和できテープが破れるのを防止でき、離形テープX1をスムーズに巻き取ることができる。
【0052】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
1 シール貼付装置、2 シール貼付部、3 シール供給部、4 第1案内ローラ、5 第2案内ローラ、6 第3案内ローラ、7 本体部、8 調整部、9 シール検出センサ、10 抑え案内部、11 第4案内ローラ、12 第5案内ローラ、21 吸着パッド、22 伸縮機構、23 移動機構、31 テープ保持部、32 シール剥離部、33 テープ巻取部、221 シリンダー、222 ピストン、223 案内軸、224 ピストン軸、225 軸受け、311 残量センサ、321 先端部、322 外側案内部、X シール付きテープ、X1 離形テープ、X2 孔塞ぎシール
図1
図2
図3
図4