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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017267
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】波形鋼板
(51)【国際特許分類】
   C23C 28/00 20060101AFI20250129BHJP
【FI】
C23C28/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120313
(22)【出願日】2023-07-24
(71)【出願人】
【識別番号】000006839
【氏名又は名称】日鉄建材株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸司
(72)【発明者】
【氏名】大高 範寛
(72)【発明者】
【氏名】藤本 雄充
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 健
【テーマコード(参考)】
4K044
【Fターム(参考)】
4K044AA02
4K044AB02
4K044AB10
4K044BA10
4K044BA21
4K044BB03
4K044BC01
4K044BC02
4K044BC07
4K044CA11
4K044CA53
4K044CA62
(57)【要約】
【課題】塗装の膜厚を薄くすることができ、耐衝撃性と耐摩耗性を有する波形鋼板を提供する。
【解決手段】実施形態における波形鋼板1は、波形状の鋼板本体部2と、鋼板本体部2に設けられるめっき材3と、めっき材3に塗布される合成樹脂塗料4と、を備える。合成樹脂塗料4の膜厚は、10μm以上500μm以下が好ましい。合成樹脂塗料4は、エポキシ樹脂系塗料及びポリエステル樹脂系塗料の少なくとも何れかで構成されることが好ましい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形状の鋼板本体部と、
前記鋼板本体部に設けられるめっき材と、
前記めっき材に塗布される合成樹脂塗料と、を備えること
を特徴とする波形鋼板。
【請求項2】
前記合成樹脂塗料の膜厚は、10μm以上500μm以下であること
を特徴とする請求項1記載の波形鋼板。
【請求項3】
前記合成樹脂塗料は、エポキシ樹脂系塗料とポリエステル樹脂系塗料との少なくとも何れかで構成されること
を特徴とする請求項1記載の波形鋼板。
【請求項4】
水路で用いられること
を特徴とする請求項1記載の波形鋼板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形鋼板に関する。
【背景技術】
【0002】
波形鋼板は、耐食性を向上させるためにアスファルト塗装が施されることがあり、そのアスファルト塗装の膜厚は1mm程度必要とされる。また、特許文献1には、水路用の湾曲させた波付け鋼板の内面にアスファルト混合物を平滑内面が形成されるように被覆される水路用のアスファルト被覆波付け鋼板が開示される。
【0003】
波形鋼板は複数重ねて運搬されるところ、特許文献1に開示されるアスファルト被覆波付け鋼板等の膜厚の厚いアスファルト塗装が塗布された場合には、波形鋼板同士を重ねて運搬しにくく運搬効率が悪いという事情がある。また、アスファルト塗装は、夏場等の高温下では塗装が溶けやすく、冬場の低温下では塗装が割れやすいという事情がある。このため、塗装の膜厚を薄くできる波形鋼板が求められる。また、波形鋼板は、土砂や流木等が衝突するおそれがあることから、所定の衝撃と摩耗に対する抵抗性が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-275353
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、塗装の膜厚を薄くすることができ、耐衝撃性と耐摩耗性を有する波形鋼板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る波形鋼板は、波形状の鋼板本体部と、前記鋼板本体部に設けられるめっき材と、前記めっき材に塗布される合成樹脂塗料と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、塗装の膜厚を薄くすることができ、所定の耐衝撃性と耐摩耗性を有する波形鋼板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態における波形鋼板を組み合わせて構築される水路の一例を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態における波形鋼板の一例を示す断面図である。
図3図3は、0℃環境における耐摩耗性試験後の試験体を示し、図3(a)は比較例1を示し、図3(b)は発明例1を示し、図3(c)は発明例2を示す。
図4図4は、60℃環境における耐摩耗性試験後の試験体を示し、図4(a)は比較例1を示し、図4(b)は発明例1を示し、図4(c)は発明例2を示す。
図5図4は、0℃環境における耐衝撃性試験後の試験体を示し、図5(a)は比較例1を示し、図5(b)は発明例1を示し、図5(c)は発明例2を示す。
図6図6は、0℃環境における耐衝撃性試験後の試験体を示し、図6(a)は比較例1を示し、図6(b)は発明例3を示す。
図7図7は、常温環境における耐衝撃性試験後の試験体を示し、図7(a)は比較例1を示し、図7(b)は発明例3を示す。
図8図8は、半塗装における塩水噴霧試験後の試験体を示し、図8(a)は比較例1を示し、図8(b)は発明例3を示す。
図9図9は、半塗装における複合サイクル腐食試験後の試験体を示し、図9(a)は比較例1を示し、図9(b)は発明例3を示す。
図10図10は、半塗装における没水試験後の試験体を示し、図10(a)は比較例1を示し、図10(b)は発明例3を示す。
図11図11は、灯油浸漬した耐薬品性試験後の試験体を示し、図11(a)は比較例1を示し、図11(b)は発明例3を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を適用した波形鋼板を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図における構成は、説明のため模式的に記載されており、例えば各構成の大きさや、構成毎における大きさの対比等については、図とは異なってもよい。
【0010】
図1に示すように、波形鋼板1は、例えば水路、水槽、護岸、岸壁、防波堤、導流堤、集水井等の水辺で用いられる。波形鋼板1は、立坑等で用いられてもよい。波形鋼板1は、例えば断面U字状のU字フリュームであり、複数組み合わせることで水路100が構築される。波形鋼板1は、断面円弧状、断面円形状に形成されてもよい。波形鋼板1は、コルゲート製品であってもよく、複数組み合わせることでコルゲートパイプ、コルゲートセル、コルゲート水槽等が構築されてもよい。波形鋼板1は、ライナープレートであってもよい。波形鋼板1は、鋼矢板であってもよい。
【0011】
図2に示すように、波形鋼板1は、鋼板本体部2と、めっき材3と、合成樹脂塗料4と、を備える。鋼板本体部2は、波形状の鋼板である。めっき材3は、鋼板本体部2にめっき加工により設けられる周知のめっき材である。めっき材3は、例えばJIS H 8641:亜鉛溶融めっきで規定されるめっき材等が用いられる。めっき材3の膜厚は、例えば63μm程度である。
【0012】
合成樹脂塗料4は、めっき材3に塗布される。合成樹脂塗料4は、エポキシ樹脂系塗料及びポリエステル樹脂系塗料の少なくとも何れかで構成される。ポリエステル樹脂系塗料として、例えばポリエステルウレタン樹脂系塗料であってもよい。
【0013】
合成樹脂塗料4の膜厚は、10μm以上であり、500μm以下であることが好ましい。合成樹脂塗料4の膜厚が10μm未満の場合、合成樹脂塗料4の剥離が発生し易い。合成樹脂塗料4の膜厚が500μmを超える場合、膜厚が厚くなり、合成樹脂塗料4にひび割れが発生し易くなる。このため、合成樹脂塗料4の膜厚は、10μm以上であり、500μm以下であることが好ましい。
【0014】
本実施形態では、めっき材3に塗布される合成樹脂塗料4を備える。これにより、塗装の膜厚を薄くすることができ、所定の耐衝撃性と耐摩耗性を有する。
【実施例0015】
比較例と発明例の試験体を作成し、塗装の性能を評価した。比較例1は、鋼板にめっき材を設け、その上にブローンアスファルトを塗布した。発明例1、2は、鋼板にめっき材を設け、その上にポリエステル樹脂系塗料としてポリエステルウレタン樹脂系塗料を塗布した。発明例3は、鋼板にめっき材を設け、その上にエポキシ樹脂系塗料を塗布した。比較例1で塗布したブローンアスファルトは、JIS K 2207(石油アスファルト)に規定されるブローンアスファルトを用いた。比較例1と発明例1~3とに塗布しためっき材は、JIS H 8641で規定されるめっき材を用いた。表1に比較例1と発明例1~3の塗装材の概要を示す。
【0016】
【表1】
【0017】
まず、発明例1、2と比較例1については、耐摩耗性と耐衝撃性とを評価した。また、発明例1、2と比較例1については、付着性、引っかき硬度、ラビングも評価した。
【0018】
耐摩耗性は、耐摩耗性試験としてJIS K 5600-5-9:耐摩耗性(摩耗輪法)を行い、摩耗量の結果と、試験後の試験体を目視した結果と、に基づいて評価した。耐摩耗性試験は、0℃、常温、60℃の3ケースの環境において行った。ここで、摩耗量の評価については、耐摩耗性試験によって摩耗減量を測定し、摩耗減量と初期塗膜量(=塗装の初期膜厚×摩耗ゾーン面積(2992.3×10(-6))×塗装の比重)とに基づき、初期塗膜量に対して50%以上塗膜が残存している場合に合格とした。ブローンアスファルトの比重は、1.0~1.1(15℃)とした。発明例1、2で用いたポリエステルウレタン樹脂系塗料の比重は、1.6とした。発明例3用いたエポキシ樹脂系塗料の比重は、1.5とした。3ケースの環境で行った摩耗量の結果のうち、0℃及び60℃の少なくとも何れかと、常温と、で合格しかつ、3ケースの環境で行った目視観察の結果のうち、0℃及び60℃の少なくとも何れかと、常温と、で合格した場合に、耐摩耗性を有するものと評価した(表3中「総合評価」欄)。
【0019】
耐衝撃性は、耐衝撃性試験としてJIS K 5600-5-3:耐おもり落下性を行い、試験後の摩耗量と試験体を目視観察した結果に基づいて評価した。耐衝撃性試験は、0℃、常温、60℃の3ケースの環境において行い、3ケースのうち0℃及び60℃の少なくとも何れかと、常温と、で合格した場合、耐衝撃性を有するものと評価した(表3中「総合評価」欄)。
【0020】
付着性は、JIS K 5600-5-6:付着性(クロスカット法)を行い、分類1以下の場合を合格とした。引っかき硬度は、JIS K 5600-5-4:引っかき硬度(鉛筆法)を行い、F以上を合格とした。ラビングは、脱脂綿にキシレン溶剤を含ませて、塗膜面に対して強く押し付けて擦り、一定の速さで40回繰り返した後、擦った部分の塗膜面を目視するキシロールラビング法によるラビング試験を行い、塗膜面に剥離なしを合格とした。なお、表3中の「詳細」欄において、左から順に付着性、引っかき硬度、ラビングの結果を示す。
【0021】
表2に試験概要を、表3に結果を示す。表3において、試験結果と試験結果に基づく総合評価については、合格の場合を「〇」と表記し、不合格の場合を「×」と表記する。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
表2と表3に示すように、発明例1、2の塗装の膜厚は、それぞれ30μm、70μmであり、比較例1の膜厚は、1000μmであった。そして、発明例1、2では、耐摩耗性と耐衝撃性とを有すると評価された。これに対し、比較例1では、耐摩耗性と耐衝撃性とを有しないと評価された。よって、発明例1、2では、比較例1よりも塗装の膜厚を薄くすることができ、耐衝撃性と耐摩耗性を有する。
【0025】
詳細には、耐摩耗性試験の摩耗量の結果では、比較例1では、何れの温度環境においても、塗布していたアスファルト塗装が剥がれ、剥がれたアスファルト塗装が摩耗試験機によって試験体にめり込んでしまったため、計測不可であった。発明例1では、0℃環境よりも常温及び60℃環境の方が摩耗量が少なかった。発明例1では、0℃環境、常温及び60℃環境の何れかにおいても摩耗量が少なった。
【0026】
0℃環境における耐摩耗性試験の目視観察の結果において、比較例1では、図3(a)に示すように、外観が健全であった。発明例1では、図3(b)に示すように、外観からめっき素地の露出が確認された。発明例2では、図3(c)に示すように、外観が健全であった。よって、ポリエステル樹脂系塗料の膜厚を厚くすることにより、0℃環境における耐摩耗性を更に向上できる。耐衝撃性試験の目視観察の結果において、比較例1では、常温において一部剥離が確認された。これに対し、発明例1及び発明例2では、常温において何れも健全であった。耐衝撃性試験の目視観察の結果において、比較例1では、図4(a)に示すように、60℃環境において一部剥離が確認された。これに対し、発明例1及び発明例2では、図4(b)及び図4(c)に示すように、60℃環境において何れも健全であった。よって、ポリエステル樹脂系塗料は、アスファルト塗装よりも、常温及び60℃環境における耐摩耗性を向上できる。
【0027】
0℃環境における耐衝撃性試験の結果において、比較例1では、図5(a)に示すように、外観が割れ及び剥離が確認された。発明例1では、図5(b)に示すように、外観に割れ及び剥離はなかった。発明例2では、図5(c)に示すように、外観に割れ及び剥離はなかった。耐衝撃性試験の目視観察の結果において、比較例1では、常温において割れ及び剥離が確認され、60℃環境において割れ及び剥離がなかった。発明例1及び発明例2では、0度、常温及び60℃環境の何れにおいても割れ及び剥離がなかった。
【0028】
表3に示すように、比較例1、発明例1~2では、付着性、引っかき硬度、ラビングを有するものとなる。
【0029】
次に、発明例3と比較例1についても、耐摩耗性と耐衝撃性とを評価した。発明例3と比較例1については、更に耐食性と、耐水性と、耐薬品性とを評価した。耐食性と耐水性の評価に際しては、塗装が健全な状態を模擬した全塗装と、塗装の一部が剥離した状態を模擬した半塗装と、の2種類の供試体を作成し、試験を行った。
【0030】
耐摩耗性と耐摩耗性の評価は、上記と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0031】
耐食性は、塩水噴霧試験として「JIS K 5600-7-1: 耐中性塩水噴霧性」を行い、複合サイクル腐食試験として「JIS K 5600-7-9:サイクル腐食試験方法-塩水噴霧/乾燥/湿潤」を行った。耐食性は、目視観察にて割れ、膨れ及び剥離がなしの場合、合格とした。
【0032】
耐水性は、没水試験として「JIS K 5600-6-2:耐液体性(水浸せき法)」を行い、目視観察にて割れ、膨れ及び剥離がなしの場合、合格とした。
【0033】
耐薬品性は、耐薬品性試験として「JIS K 5600-6-1:耐液体性(一般的方法)」を行い、目視観察にて割れ、膨れ及び剥離がなしの場合、合格とした。耐薬品性の評価の際には、10%硫酸水溶液と、飽和水酸化ナトリウム水溶液と、10%塩酸水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と、灯油と、エタノールと、の各々に浸漬した。
【0034】
表4に試験概要と結果を示す。表4において、試験結果と試験結果に基づく総合評価については、合格の場合を「〇」と表記し、不合格の場合を「×」と表記する。
【0035】
【表4】
【0036】
表2及び表4に示すように、発明例3の塗装の膜厚は、300μmであり、比較例1の膜厚である1000μmであった。そして、発明例3では、耐摩耗性と耐衝撃性とを有すると評価された。これに対し、比較例1では、耐摩耗性と耐衝撃性とを有しないと評価された。よって、発明例3では、比較例1よりも塗装の膜厚を薄くすることができ、耐衝撃性と耐摩耗性を有する。
【0037】
詳細には、耐摩耗性試験の摩耗量の結果、比較例1では、何れの温度環境においても塗布していたアスファルト塗装が剥がれ、剥がれたアスファルト塗装が摩耗試験機によって試験体にめり込んでしまったため、計測不可であった。発明例3では、何れの温度環境においても合格であった。
【0038】
耐摩耗性試験の目視観察の結果、0℃環境において、比較例1及び発明例3では、外観が健全であった。比較例1では、常温及び60度環境において一部剥離が確認された。これに対し、発明例3では、何れも健全であった。よって、ポリエステル樹脂系塗料は、アスファルト塗装よりも、常温及び60℃環境における耐摩耗性を向上できる。
【0039】
0℃環境における耐衝撃性試験では、比較例1は、図6(a)に示すように、外観に割れと剥離があった。発明例3は、図6(b)に示すように、外観に割れと剥離がなかった。よって、発明例3は、比較例1よりも0℃環境における耐衝撃性が高い。
【0040】
常温環境における耐衝撃性試験では、比較例1は、図7(a)に示すように、外観に割れと剥離があった。発明例3は、図7(b)に示すように、外観に割れと剥離がなかった。よって、発明例3は、比較例1よりも常温環境における耐衝撃性が高い。60℃環境において、比較例1及び発明例3では、割れ及び剥離がなかった。
【0041】
全塗装における塩水噴霧試験では、比較例1と発明例3では、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。半塗装における塩水噴霧試験では、比較例1では、図8(a)に示すように、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。同様に、発明例3では、図8(b)に示すように、外観に割れと膨れがなかった。
【0042】
全塗装における複合サイクル腐食試験では、比較例1と発明例3は、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。半塗装における複合サイクル腐食試験では、比較例1は、図9(a)に示すように、外観に割れ、膨れ及び剥離が確認された。発明例3は、図9(b)に示すように、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。このため、発明例3は、比較例1よりも高い耐食性を有することが確認できた。
【0043】
全塗装における没水試験では、比較例1と発明例3は、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。半塗装における没水試験では、比較例1は、図10(a)に示すように、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。同様に、発明例3は、図10(b)に示すように、外観に割れと膨れがなかった。
【0044】
灯油浸漬をした耐薬品性試験では、比較例1では、図11(a)に示すように、外観に割れ、膨れ及び剥離が確認された。発明例3では、図11(b)に示すように、外観に割れと膨れがなかった。このため、発明例3では、比較例1よりも高い耐灯油性を有することが確認できた。
【0045】
10%硫酸水溶液と、飽和水酸化ナトリウム水溶液と、10%塩酸水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液と、エタノールと、の各々に浸漬した耐薬品性試験では、比較例1と発明例3は、外観に割れ、膨れ及び剥離がなかった。
【符号の説明】
【0046】
1 :波形鋼板
2 :鋼板本体部
3 :めっき材
4 :合成樹脂塗料
100 :水路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11