(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017297
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20250129BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023223271
(22)【出願日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】63/528474
(32)【優先日】2023-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518018920
【氏名又は名称】SocialGood株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼岡 壮一郎
(57)【要約】
【課題】ユーザ数の増加を好適に支援することができる情報処理方法等を提供する。
【解決手段】情報処理方法は、会員であるユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、前記消費行動情報に応じて、前記ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出し、算出した数量を限度として前記仮想通貨を前記ユーザに付与し、前記ユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得し、前記招待情報に基づき、前記ユーザに特典を付与するか否かを判定する処理をコンピュータが実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
会員であるユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、
前記消費行動情報に応じて、前記ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出し、
算出した数量を限度として前記仮想通貨を前記ユーザに付与し、
前記ユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得し、
前記招待情報に基づき、前記ユーザに特典を付与するか否かを判定する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記特典は前記仮想通貨である
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記消費行動情報は、前記ユーザによる商品の購入額を示す購入情報であり、
前記購入額に応じて、前記ユーザに付与する前記仮想通貨の数量を算出する
請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
全ユーザの商品の購入額に応じて、前記仮想通貨の付与総量を算出し、
前記招待情報は、前記他のユーザによる商品の購入額を示す購入情報を含み、
前記ユーザが招待した前記他のユーザによる商品の購入額に応じて、各ユーザに前記特典を付与する上での優先順位を決定し、
前記仮想通貨の付与総量と、商品購入に応じて各ユーザに付与する前記仮想通貨の数量と、前記優先順位とに基づいて、各ユーザに前記特典を付与するか否かを判定する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記ユーザが招待した前記他のユーザの人数に応じて、前記特典を付与するか否かを判定する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記招待情報は、前記他のユーザによる商品の購入額を示す購入情報を含み、
前記他のユーザによる商品の購入額が最低購入額以上であるか否かを判定することで、前記特典を付与するか否かを判定する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記ユーザに付与する前記仮想通貨の購入要求を、前記仮想通貨の取引市場を管理する管理装置に出力する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
会員であるユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、
前記消費行動情報に応じて、前記ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出し、
算出した数量を限度として前記仮想通貨を前記ユーザに付与し、
前記ユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得し、
前記招待情報に基づき、前記ユーザに特典を付与するか否かを判定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
制御部を備える情報処理装置であって、
前記制御部が、
会員であるユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、
前記消費行動情報に応じて、前記ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出し、
算出した数量を限度として前記仮想通貨を前記ユーザに付与し、
前記ユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得し、
前記招待情報に基づき、前記ユーザに特典を付与するか否かを判定する
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロックチェーン技術を背景とした仮想通貨(Cryptocurrency)の利用が進んでいる。例えば特許文献1では、ユーザが購入した商品又はサービスに関する購入情報に基づき、ユーザに仮想通貨を付与する情報処理装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの側面では、ユーザ数の増加を好適に支援することができる情報処理方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの側面では、情報処理方法は、会員であるユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、前記消費行動情報に応じて、前記ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出し、算出した数量を限度として前記仮想通貨を前記ユーザに付与し、前記ユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得し、前記招待情報に基づき、前記ユーザに特典を付与するか否かを判定する処理をコンピュータが実行する。
【発明の効果】
【0006】
一つの側面では、ユーザ数の増加を好適に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】仮想通貨付与システムの構成例を示す説明図である。
【
図3】ユーザDB及び購入情報DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図4】仮想通貨の付与処理の概要を示す説明図である。
【
図6】RWによる仮想通貨付与処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】CWによる仮想通貨付与処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施の形態)
図1は、仮想通貨付与システムの構成例を示す説明図である。本実施の形態では、加盟店で商品を購入等したユーザ(会員)に対して仮想通貨を付与する仮想通貨付与システムについて説明する。仮想通貨付与システムは、情報処理装置1、端末2、2、2…、取引所サーバ3を含む。各装置は、インターネット等のネットワークNを介して通信接続されている。
【0009】
情報処理装置1は、種々の情報処理、情報の送受信が可能な情報処理装置であり、例えばサーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。本実施の形態では情報処理装置1がサーバコンピュータであるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。サーバ1は、本システムに加盟する加盟店(EC(Electronic Commerce)サイト等)におけるユーザの消費行動に応じて、ユーザに仮想通貨を付与(キャッシュバック)する処理を行う。消費行動とは、加盟店における商品の購入であるが、本実施の形態はこれに限定されず、例えばゲームやコンテンツの購入(課金)、商品に関する資料請求なども含み得る。
【0010】
端末2は、各ユーザが使用する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。例えば端末2には専用のアプリケーションプログラム(以下、「本アプリ」と呼ぶ)がインストールされており、ユーザは、本アプリを介して加盟店のECサイト等にアクセスして商品を購入した場合、仮想通貨の付与を受けることができる。また、ユーザは本アプリ上で現在所持している仮想通貨の数量等を確認することができる。
【0011】
取引所サーバ3は、仮想通貨の取引所を管理する管理装置である。後述するように、サーバ1は、仮想通貨をユーザに付与する場合、取引所サーバ3に対して仮想通貨の購入要求を出力することで、ユーザに付与する仮想通貨を取得(調達)する。
【0012】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、主記憶部12、通信部13、及び補助記憶部14を備える。
制御部11は、一又は複数のCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の演算処理装置を有し、補助記憶部14に記憶されたプログラムPを読み出して実行することにより、種々の情報処理、制御処理等を行う。主記憶部12は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の一時記憶領域であり、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータを一時的に記憶する。通信部13は、通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、外部と情報の送受信を行う。
【0013】
補助記憶部14は、大容量メモリ、ハードディスク等の不揮発性記憶領域であり、制御部11が処理を実行するために必要なプログラムP(プログラム製品)、その他のデータを記憶している。また、補助記憶部14は、ユーザDB141、購入情報DB142を記憶している。ユーザDB141は、会員である各ユーザの情報を格納するデータベースである。購入情報DB142は、ユーザによる商品の購入情報(購入履歴)を格納するデータベースである。
【0014】
なお、補助記憶部14はサーバ1に接続された外部記憶装置であってもよい。また、サーバ1は複数のコンピュータからなるマルチコンピュータであっても良く、ソフトウェアによって仮想的に構築された仮想マシンであってもよい。
【0015】
また、本実施の形態においてサーバ1は上記の構成に限られず、例えば操作入力を受け付ける入力部、画像を表示する表示部等を含んでもよい。また、サーバ1は、CD(Compact Disk)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM等の可搬型記憶媒体1aを読み取る読取部を備え、可搬型記憶媒体1aからプログラムPを読み取って実行するようにしても良い。
【0016】
図3は、ユーザDB141及び購入情報DB142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。ユーザDB141は、ユーザID列、ユーザ名列、引出可能残高列、招待ユーザ列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するためのユーザIDを記憶している。ユーザ名列、引出可能残高列、及び招待ユーザ列はそれぞれ、ユーザIDと対応付けて、ユーザの氏名、後述する「Regular Withdrawals」によりユーザが引出可能な仮想通貨の残高、及び当該ユーザが招待した他のユーザのユーザIDを記憶している。
【0017】
購入情報DB142は、日時列、購入ユーザ列、購入サイト列、購入額列を含む。日時列は、商品の購入日時を記憶している。購入ユーザ列、購入サイト列、及び購入額列はそれぞれ、商品の購入日時と対応付けて、商品を購入したユーザのユーザID、商品を購入したECサイト(加盟店)の名称、及び商品の購入額を記憶している。
【0018】
図4は、仮想通貨の付与処理の概要を示す説明図である。
図4では、本システム(エコシステム)を通じてユーザに仮想通貨をキャッシュバックする様子を概念的に図示している。
【0019】
本システムには、一又は複数の加盟店が加盟している。加盟店は、例えばECサイトであるが、実店舗であってもよい。各加盟店のECサイトには、本アプリを通じてアクセス可能となっている。ユーザは本アプリを通じて加盟店のECサイトにアクセスし、商品を購入する。これに対し、加盟店から本システムの管理者に対し、広告手数料として購入額に対し所定比率を乗算した手数料が支払われる。
【0020】
サーバ1は、ユーザの消費行動に関する消費行動情報を取得し、当該消費行動情報に応じて、ユーザに仮想通貨を付与する。具体的には、サーバ1は消費行動情報として、ユーザが購入した商品の購入額を示す購入情報を取得する。サーバ1は、購入情報が示す商品の購入額に応じた数量の仮想通貨をユーザに付与する。具体的には、サーバ1は、商品の購入額に所定比率を乗じたキャッシュバック額を算出し、キャッシュバック額を仮想通貨の市場レートで除算した数量の仮想通貨をユーザに付与する。
【0021】
本実施の形態においてサーバ1は、ユーザに付与する仮想通貨を、加盟店から支払われる手数料を原資として、仮想通貨の取引市場(取引所)から調達する。すなわち、サーバ1は、ユーザに仮想通貨を付与した場合、又はこれから仮想通貨を付与する場合、ユーザに付与する数量の仮想通貨の購入要求を取引所サーバ3に出力する。これによりサーバ1は、ユーザに付与する仮想通貨を取得する。このように、本実施の形態ではユーザが加盟店で商品を購入するほど市場における仮想通貨の需要が高まり、仮想通貨の価格の安定、又は上昇を期待することができる。
【0022】
図5は、仮想通貨の付与方法を示す説明図である。
図5では、ユーザに対する仮想通貨の付与方法(引出方法)を概念的に図示している。
【0023】
本実施の形態では、ユーザが商品を購入した場合に直ちにユーザのウォレットへ仮想通貨が送信されるのではなく、ユーザが本アプリ上で仮想通貨を引き出す所定の操作を行うことでユーザのウォレットに送信される。この場合に、本実施の形態では、「Regular Withdrawals」と「Contributor Withdrawals」の2種類の方法で仮想通貨を引き出すことができる。
【0024】
「Regular Withdrawals」は、特段の制限なく仮想通貨をユーザに付与する方法を指す。「Regular Withdrawals」では、例えば
図5に示すように、ユーザによる商品の購入額(「GMV」(Gross Merchandise Value)と図示)に所定比率のレート(例えば2.5%)を乗算した金額を限度として、仮想通貨をユーザに付与する。
【0025】
これに対し、「Contributor Withdrawals」は本システムへの貢献度が高いユーザ向けのオプションであり、所定額の仮想通貨をユーザに付与する方法を指す。例えば
図5に示すように、サーバ1は、「Contributor Withdrawals」が選択された場合、商品の購入額に依らない固定金額(例えば100ドル)分の仮想通貨をユーザに付与する。なお、本実施の形態では固定金額分の仮想通貨をユーザに付与するものとするが、本実施の形態はこれに限定されず、商品購入額に応じた数量(例えば商品購入額の100%分)の仮想通貨をユーザに付与するものとしてもよい。
【0026】
以下の説明では簡潔のため、「Regular Withdrawals」を「RW」と記載し、「Contributor Withdrawals」を「CW」と記載する。
【0027】
CWにより仮想通貨の付与を受けるためには、いくつかの条件を満たす必要があり、一部のユーザのみが仮想通貨の付与を受けることができる。以下、ユーザがCWの利用を申請した場合に、サーバ1が行う処理の流れについて説明する。
【0028】
まずサーバ1は、過去一定期間(例えば30日間)における全ユーザの商品の購入額に応じて、RW及びCWによる仮想通貨の付与総量を算出する。具体的には、サーバ1は、全ユーザの商品購入額の合計値に所定比率を乗算した額を、RW及びCWによる仮想通貨の付与総額(法定通貨換算額)として算出する。サーバ1は、当該付与総額を仮想通貨の市場レートで除算した数量を、仮想通貨の付与総量として算出する。
【0029】
次にサーバ1は、CWを申請したユーザが、他のユーザを一定数以上本システムに招待したか否かを判定する。本アプリには、友人を招待する機能(Referral機能)が搭載されている。ユーザは本機能を用いて他のユーザを招待する。サーバ1は、ユーザからCWの申請を受けた場合、当該ユーザが招待した他のユーザを示す招待情報を取得し、招待した他のユーザの人数が一定数以上である場合、CWの利用を許可する。
【0030】
次にサーバ1は、ユーザが招待した他のユーザによる商品の購入情報を取得し、当該他のユーザの商品の購入額が最低購入額以上であるか否かを判定する。例えばサーバ1は、ユーザが招待した複数の他のユーザそれぞれの商品購入額が最低購入額以上であるか否かを判定する。なお、例えばサーバ1は、ユーザが招待した複数の他のユーザの商品購入額の合計値が最低購入額以上であるか否かを判定するようにしてもよい。他のユーザそれぞれの商品購入額が最低購入額以上であると判定した場合、サーバ1は、CWの利用を許可する。
【0031】
最後にサーバ1は、CWの利用を申請したユーザ毎に、当該ユーザが招待した他のユーザの商品購入額の合計値を算出する。そしてサーバ1は、合計値が高いほど優先順位が高くなるように、各ユーザの優先順位を決定する。サーバ1は、優先順位が高いユーザから順に、仮想通貨の付与総量を超えない範囲で仮想通貨を付与する。
【0032】
例えば今月のRWを申請したユーザへの仮想通貨の付与総額が「700万円」であり、CWを申請したユーザへの仮想通貨の付与総額が「500万円」であり、付与可能な仮想通貨の総額が「1000万円」であったとする。この場合、まずサーバ1はRWを優先し、「1000万円」のうち「700万円」を、RWを申請したユーザへの仮想通貨の付与額として割り当てる。
【0033】
そしてサーバ1は、残り「300万円」を、CWを申請したユーザへの仮想通貨の付与額として割り当てる。例えばサーバ1は、1日10万円というように、1日毎に付与可能な仮想通貨の限度額を定める。サーバ1は、ユーザが招待した他のユーザによる商品の購入額の合計値が高いユーザから順に、1日の限度額の範囲内で、各ユーザに仮想通貨を付与する。1日の限度額に達した場合、優先順位が低いユーザは次の日に繰り越される。サーバ1は、当該処理を1日毎に行い、最終的に「500万円」のうち上位のユーザの「300万円」分の仮想通貨を付与する。なお、「500万円」のうち下位のユーザの「200万円」分の申請は翌月に繰り越される。
【0034】
なお、優先順位の決定は随時行われ、後からCWの利用が申請された場合であっても、本システムへの貢献度(ユーザが招待した他のユーザの商品購入額の合計値)が高いユーザは割り込みで高い優先順位が与えられる。また、優先順位は過去一定期間(30日間)の商品購入額の合計値で決定されるが、その参照期間は時間経過と共に変わっていく。従って、現在は優先順位が高いユーザであっても、当該ユーザが招待した他のユーザが商品を購入した時点が時間経過と共に参照期間から外れた場合、当該ユーザの優先順位は下がることになる。
【0035】
このように、本実施の形態では本システム(エコシステム)への貢献度が高いユーザを選択して、CWにより多くの仮想通貨を付与する。これにより、本システムの持続可能性を高めつつ、ユーザに好適に仮想通貨を配分することができる。
【0036】
図6は、RWによる仮想通貨付与処理の手順を示すフローチャートである。
図6に基づき、商品購入によりユーザに仮想通貨を付与する際の処理内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、ユーザによる商品の購入額を示す購入情報を取得する(ステップS11)。制御部11は、購入情報が示す商品の購入額に所定の係数を乗算することで、ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出する(ステップS12)。
【0037】
制御部11は、ユーザから仮想通貨の引出要求を受け付ける(ステップS13)。引出要求を受け付けた場合、制御部11は、ステップS12で算出した数量を限度として仮想通貨をユーザに付与する(ステップS14)。具体的には、制御部11は仮想通貨をユーザのウォレットアドレス宛に送信するトランザクションを生成し、ブロックチェーンネットワークに出力する。制御部11は一連の処理を終了する。
【0038】
図7は、CWによる仮想通貨付与処理の手順を示すフローチャートである。
図7に基づき、CWによりユーザに仮想通貨を付与する際の処理内容について説明する。
サーバ1の制御部11は、各ユーザからCWによる引出要求を受け付ける(ステップS31)。制御部11は、引出要求を行ったユーザが招待した他のユーザに関する招待情報を取得する(ステップS32)。招待情報は、当該他のユーザによる商品の購入額を示す購入情報を含む。
【0039】
制御部11は、全ユーザの商品の購入額に応じて、仮想通貨の付与総量を算出する(ステップS33)。すなわち、制御部11は、全ユーザの商品の購入額の合計値に所定比率を乗算することで、仮想通貨の付与総額(法定通貨換算額)を算出する。制御部11は、算出した付与総額を仮想通貨の市場レートで除算することで、仮想通貨の付与総量を算出する。
【0040】
制御部11は、ユーザが招待した他のユーザの人数に応じて、当該ユーザに仮想通貨を付与するか否かを判定する(ステップS34)。すなわち、制御部11は、ユーザが招待した他のユーザの人数が一定数以上である場合、当該ユーザに仮想通貨を付与すると判定する。制御部11は、CWの利用を申請したユーザ毎に当該判定を行う。
【0041】
制御部11は、ユーザが招待した他のユーザによる商品の購入額が最低購入額以上であるか否かを判定することで、仮想通貨を付与するか否かを判定する(ステップS35)。例えば制御部11は、ユーザが招待した複数の他のユーザそれぞれの商品購入額が最低購入額以上である場合、仮想通貨を付与すると判定する。制御部11は、CWの利用を申請したユーザ毎に当該判定を行う。
【0042】
制御部11は、ユーザが招待した他のユーザによる商品の購入額に応じて、各ユーザに仮想通貨を付与する上での優先順位を決定する(ステップS36)。すなわち、制御部11は、ユーザが招待した複数の他のユーザの商品購入額の合計値が大きいユーザから順に、各ユーザに優先順位を付与する。
【0043】
制御部11は、ステップS33で算出した仮想通貨の付与総量と、商品購入に応じて各ユーザに付与する仮想通貨の数量と、ステップS36で決定した各ユーザの優先順位とに基づいて、各ユーザに仮想通貨を付与するか否かを判定する(ステップS37)。具体的には、制御部11は、仮想通貨の付与総量から、商品購入(RW)によって各ユーザに付与される仮想通貨の数量を差し引くことで、CWによって各ユーザに付与する仮想通貨の数量を算出する。制御部11は、算出した数量を限度として、ステップS36で決定した優先順位が高いユーザから順に固定金額分の仮想通貨を割り当てることで、仮想通貨を付与するユーザを判定する。制御部11は、仮想通貨を付与すべきと判定したユーザに対して仮想通貨を付与し(ステップS38)、一連の処理を終了する。
【0044】
なお、上記では特段説明しなかったが、本システムではRW及びCWを問わず、仮想通貨を引き出すためには一定期間(30日間)の間隔を空ける必要がある。また、仮想通貨を引き出すためには、ユーザ本人が本システムを経由して商品を一定金額以上購入している必要がある。
【0045】
なお、上記ではユーザが招待した他のユーザの商品購入額(消費行動)に応じて当該ユーザが優先して仮想通貨の付与を受けることができる旨を説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えば他のユーザの商品購入額に応じて、ユーザが一定期間に引き出せる仮想通貨の金額の上限を上げたり、手数料を減少させたりしてもよい。すなわち、サーバ1は、ユーザに対応付けられた他のユーザの商品購入額に応じて、ユーザに何らかの特典を付与可能であればよい。
【0046】
また、上記ではユーザが招待した他のユーザの商品購入額の合計値に応じて各ユーザの優先順位を定める旨を説明したが、本実施の形態はこれに限定されるものではない。例えばサーバ1は、ユーザが招待した他のユーザの人数に応じて、CWを利用する際の各ユーザの優先順位を定めてもよい。すなわち、サーバ1は、ユーザに対応付けられた他のユーザの情報(招待情報)に基づいて、ユーザに特典(仮想通貨など)を付与可能であればよい。
【0047】
以上より、本実施の形態によれば、ユーザ数の増加を好適に支援することができる。
【0048】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0049】
各実施の形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 サーバ(情報処理装置)
11 制御部
12 主記憶部
13 通信部
14 補助記憶部
P プログラム
141 ユーザDB
142 購入情報DB
2 端末
3 取引所サーバ(管理装置)