IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社島津製作所の特許一覧

<>
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図1
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図2
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図3
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図4
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図5
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図6
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図7
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図8
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図9
  • 特開-材料試験機、及び粒子分析装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017369
(43)【公開日】2025-02-05
(54)【発明の名称】材料試験機、及び粒子分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/00 20060101AFI20250129BHJP
   G01N 15/1433 20240101ALI20250129BHJP
   G01M 99/00 20110101ALI20250129BHJP
【FI】
G01N3/00 Z
G01N15/1433
G01M99/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024188923
(22)【出願日】2024-10-28
(62)【分割の表示】P 2021081767の分割
【原出願日】2021-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】毛利 光宏
(57)【要約】
【課題】作業者の作業性を向上する。
【解決手段】引張試験機1は、材料試験を実行する試験機本体2と、特定ワードKWと、試験機本体2に対する指示情報CMと、を対応付けて記憶する対応記憶部541と、ユーザからの音声を受け付ける音声受付部534と、音声認識処理によって前記音声から特定ワードKWを抽出する抽出部535と、対応記憶部541を参照して、抽出部535が抽出した特定ワードKWに対応する指示情報CMを決定する決定部536と、決定部536が決定した指示情報CMを、試験機本体2に対して出力する指示部537と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
材料試験を実行する試験機本体と、
前記試験機本体の連続した複数の動作を示す複数のシーケンスの各々、及び前記試験機本体が実行する複数の試験条件の各々、の少なくとも一方と、識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、
音声認識処理によって前記音声から特定ワード中の前記識別情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した識別情報に対応するシーケンス、及び前記抽出部が抽出した識別情報に対応する試験条件、の少なくとも一方を、前記記憶部から読み出して前記試験機本体に対して出力する指示部と、
を備える、材料試験機。
【請求項2】
粒子を分散させた液体試料の試料画像を生成する分析装置本体と、
前記分析装置本体の連続した複数の動作を示す複数のシーケンスの各々、及び前記分析装置本体が実行する複数の測定条件の各々、の少なくとも一方と、識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、
ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、
音声認識処理によって前記音声から特定ワード中の前記識別情報を抽出する抽出部と、
前記抽出部が抽出した識別情報に対応するシーケンス、及び前記抽出部が抽出した識別情報に対応する測定条件、の少なくとも一方を、前記記憶部から読み出して前記分析装置本体に対して出力する指示部と、
を備える、粒子分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料試験機、及び粒子分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料試験機において、作業者の作業性を向上する種々の技術が知られている。
例えば、特許文献1に記載の材料試験機は、指令を付与した後、操作パネルやキーボード等の操作部を操作するごとに、その操作を順に記憶し、その記憶内容に基づく操作履歴を所定のフォーマットの操作手順書として出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-207429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の材料試験機では、ボタンスイッチ、タッチパネル等を備える操作入力装置に対して、作業者が、操作を行う必要があるため、作業者の作業性を向上する余地があった。
例えば、操作入力装置に対する操作が作業者の手指による操作である場合には、試験準備等で作業者の手が離せない状況では、操作入力装置に対する操作が困難である。
また、例えば、操作入力装置に対する操作において、作業者が手袋を装着している場合には、タッチパネルの操作やボタンスイッチを押下する操作が実施し難いことがある。そのような場合には、作業者は手袋を外して操作する必要がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、作業者の作業性を向上することの可能な材料試験機、及び粒子分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様に係る材料試験機は、材料試験を実行する試験機本体と、前記試験機本体の連続した複数の動作を示す複数のシーケンスの各々、及び前記試験機本体が実行する複数の試験条件の各々、の少なくとも一方と、識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、音声認識処理によって前記音声から特定ワード中の前記識別情報を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した識別情報に対応するシーケンス、及び前記抽出部が抽出した識別情報に対応する試験条件、の少なくとも一方を、前記記憶部から読み出して前記試験機本体に対して出力する指示部と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様に係る粒子分析装置は、粒子を分散させた液体試料の試料画像を生成する分析装置本体と、前記分析装置本体の連続した複数の動作を示す複数のシーケンスの各々、及び前記分析装置本体が実行する複数の測定条件の各々、の少なくとも一方と、識別情報とを対応付けて記憶する記憶部と、ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、音声認識処理によって前記音声から特定ワード中の前記識別情報を抽出する抽出部と、前記抽出部が抽出した識別情報に対応するシーケンス、及び前記抽出部が抽出した識別情報に対応する測定条件、の少なくとも一方を、前記記憶部から読み出して前記分析装置本体に対して出力する指示部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の第1態様に係る材料試験機、及び本発明の第2態様に係る粒子分析装置は、ユーザからの音声に基づいて、試験機本体、又は分析装置本体に対して指示情報を出力することが可能になる。したがって、作業者の作業性を向上することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る引張試験機の構成の一例を示す図である。
図2】制御装置の構成の一例を示す図である。
図3】第1ワードと第1指示情報との関係の一例を示す図表である。
図4】第2ワードと第2指示情報との関係の一例を示す図表である。
図5】第3ワードと第3指示情報との関係の一例を示す図表である。
図6】制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る粒子分析装置の構成の一例を示す図である。
図8】第1ワードと第1指示情報との関係の一例を示す図表である。
図9】第2ワードと第2指示情報との関係の一例を示す図表である。
図10】第3ワードと第3指示情報との関係の一例を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。本実施形態は、図1図6を参照して説明する第1実施形態に係る引張試験機1と、図7図10を参照して説明する第2実施形態に係る粒子分析装置6と、を含む。
【0011】
[1.第1実施形態]
[1-1.引張試験機の構成]
図1は、第1実施形態に係る引張試験機1の構成の一例を示す図である。
第1実施形態の引張試験機1は、試験片TPに試験力Fを与えて、試料の引張強度、降伏点、伸び、絞りなどの機械的性質を測定する引張試験を行う。試験力Fは、引張力である。
引張試験機1は、試験対象の材料である試験片TPに試験力Fを与えて引張試験を行う試験機本体2と、試験機本体2による引張試験動作を制御する制御ユニット3と、を備える。
なお、引張試験機1は、「材料試験機」の一例に対応する。
【0012】
図1に示すように、試験機本体2は、基台26上に、一対の支柱28,29と、ヨーク13と、によって負荷枠を形成し、支柱28,29に、クロスヘッド10を固定して構成される。
【0013】
基台26には、油圧アクチュエータ18が配置され、油圧アクチュエータ18のピストンロッド181には、試験片TPの下端部を把持する下つかみ具22が取り付けられる。また、クロスヘッド10には、ロードセル14を介して、試験片TPの上端部を把持する上つかみ具21が取り付けられる。
【0014】
油圧アクチュエータ18は、サーボ弁20によって、圧油方向と圧油量とが制御されて、ピストンロッド181が伸縮する。その結果、上つかみ具21と下つかみ具22との間隔が伸縮し、上つかみ具21と下つかみ具22との間に固定された試験片TPに試験力Fが印加される。また、油圧アクチュエータ18のストローク、すなわち試験片TPの変位は、油圧アクチュエータ18に取り付けられた差動トランス19によって検出される。
【0015】
ロードセル14は、試験片TPに与えられる引張荷重である試験力Fを測定し、試験力測定信号SG1を制御ユニット3に出力するセンサである。
差動トランス19は、試験片TPの変位量を測定し、変位量に応じた変位測定信号SG2を制御ユニット3に出力するセンサである。
【0016】
試験片TPには、変位センサ15が配置される。試験片TPは、例えば、中央がくびれて形成されたダンベル型試験片が用いられる。変位センサ15は、試験片TPの1対の標点の間の距離を測定することによって、伸び計測値EDを測定し、伸び測定信号SG3を制御ユニット3に出力するセンサである。1対の標点は、試験片TPがくびれた領域の上部と下部とに配置される。
【0017】
試験機本体2は、電力源GEと、油圧源GPと、を更に備える。
電力源GEは、試験機本体2の各部に電力を供給する。電力源GEは、例えば各種モータに電力を供給し、駆動する。また、電力源GEは、図略の油圧ポンプ及び油圧制御弁に電力を供給し、駆動する。
電力源GEは、例えば電圧源として構成される。電力源GEは、試験機本体2の各部に、対応する電圧を供給する。電力源GEは、例えば、油圧ポンプ及び各種モータには、100Vの電圧を供給し、例えば、制御ユニット3には、10Vの電圧を供給する。
【0018】
油圧源GPは、試験機本体2を構成する油圧装置に油圧を供給する。油圧源GPは、例えば、油圧アクチュエータ18に油圧を供給し、油圧アクチュエータ18を駆動する。すなわち、油圧アクチュエータ18は、油圧源GPから供給される油圧によって駆動され、ピストンロッド181が伸縮される。
油圧源GPは、図略の油圧ポンプ及び油圧制御弁を備え、油圧ポンプを駆動することによって油圧を発生する。油圧ポンプには、電力源GEから電力が供給される。油圧制御弁は、油圧源GPから出力する油圧を調整する。
【0019】
制御ユニット3は、信号入出力装置40と、制御装置50と、を備える。
信号入出力装置40は、試験機本体2との間で信号を送受信する入出力インターフェース回路を構成するものであり、第1実施形態では、第1センサアンプ42と、第2センサアンプ45と、第3センサアンプ43と、サーボアンプ44とを有する。
第1センサアンプ42は、ロードセル14が出力する試験力測定信号SG1を増幅して試験力計測値FDを生成し、試験力計測値FDを制御装置50に出力する増幅器である。
第2センサアンプ45は、変位センサ15が出力する伸び測定信号SG3を増幅して伸び計測値EDを生成し、伸び計測値EDを制御装置50に出力する増幅器である。
第3センサアンプ43は、差動トランス19が出力する変位測定信号SG2を増幅して変位計測値XDを示す変位測定信号A3を制御装置50にデジタル信号で出力する。
サーボアンプ44は、制御装置50の制御に従って、サーボ弁20を制御する装置である。制御装置50は、変位計測値XDの指令値dXを演算し、指令値dXを示す指令信号A4をサーボ弁20に対して送信する。
【0020】
制御装置50は、ユーザからの操作に基づき、試験機本体2の動作を制御する。また、制御装置50は、試験機本体2に引張試験を実行させる。
第1実施形態において、「ユーザ」は、試験機本体2を操作する作業者を含む。
【0021】
制御装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置と、信号入出力装置40とのインターフェース回路と、各種の電子回路と、を有するコンピュータを備える。
また、信号入出力装置40とのインターフェース回路にはA/D変換器が設けられており、アナログ信号の試験力測定信号SG1、伸び測定信号SG3及び変位測定信号SG2がA/D変換器によってデジタル信号に変換される。
なお、制御装置50は、コンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1つ又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る制御装置50の構成の一例を示す図である。
制御装置50は、制御部52を備える。
試験機本体2は、操作パネル51を更に備える。
操作パネル51は、マイクロフォン511と、タッチパネル512と、押しボタンスイッチ513と、を備える。
マイクロフォン511は、ユーザからの音声を受け付け、音声信号SWを生成する。マイクロフォン511は、音声信号SWを制御部52へ出力する。
タッチパネル512は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部52からの指示に従って、LCDに種々の画像を表示する。また、タッチパネル512は、LCDの表示面に沿って配置されたタッチセンサを備える。タッチセンサは、ユーザの指先やペンでのタッチを検出し、検出信号を制御部52へ伝送する。
押しボタンスイッチ513は、複数の押しボタンスイッチを備え、ユーザからの種々の操作を受け付け、操作に対応する操作信号を制御部52へ伝送する。
【0023】
制御部52は、例えば、パーソナルコンピュータで構成され、制御装置50の動作を制御する。制御部52は、プロセッサ53と、メモリ54と、を備える。
プロセッサ53は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro-Processing Unit)などで構成される。
メモリ54は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで構成される。
【0024】
なお、制御部52は、パーソナルコンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1つ又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。また、制御部52は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。
また、制御部52は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等、プログラムされたハードウェアを備えてもよい。また、制御部52は、SoC(System-on-a-Chip)-FPGAを備えてもよい。
【0025】
[1-2.制御部の構成]
図2に示すように、制御部52は、通信部531、動作制御部532、表示制御部533、音声受付部534、抽出部535、決定部536、指示部537、対応記憶部541、シーケンス記憶部542、及び、試験条件記憶部543、を備える。
具体的には、制御部52のプロセッサ53が、メモリ54又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、通信部531、動作制御部532、表示制御部533、音声受付部534、抽出部535、決定部536、及び指示部537、として機能する。また、制御部52のプロセッサ53が、メモリ54又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、メモリ54を、対応記憶部541、シーケンス記憶部542、及び試験条件記憶部543、として機能させる。
【0026】
対応記憶部541は、特定ワードKWと、試験機本体2に対する指示情報CMと、を対応付けて記憶する。
特定ワードKWは、ユーザによって予め設定されるワードであって、第1ワードKW1、第2ワードKW2、及び第3ワードKW3を含む。
指示情報CMは、試験機本体2に対する指示を示す。指示情報CMは、第1指示情報CM1、第2指示情報CM2、及び第3指示情報CM3を含む。第1指示情報CM1は、試験機本体2の1つの動作に対応する指示を示す。第2指示情報CM2は、試験機本体2の連続した複数の動作に対応する指示を示す。第3指示情報CM3は、試験機本体2に対して試験条件を設定する指示を示す。
第1ワードKW1は、第1指示情報CM1に対応付けて対応記憶部541に記憶される。第2ワードKW2は、第2指示情報CM2に対応付けて対応記憶部541に記憶される。第3ワードKW3は、第3指示情報CM3に対応付けて対応記憶部541に記憶される。
第1ワードKW1~第3ワードKW3、及び第1指示情報CM1~第3指示情報CM3については、図3図5を参照して具体的に説明する。
【0027】
シーケンス記憶部542は、試験機本体2の連続した複数の動作を示すシーケンスSQを記憶する。シーケンスSQを構成する複数の動作の各々は、例えば、第1指示情報CM1として、対応記憶部541に記憶される。
シーケンス記憶部542は、複数のシーケンスSQを記憶する。複数のシーケンスSQの各々は、ユーザによって設定され、シーケンス記憶部542に記憶される。複数のシーケンスSQの各々は、登録番号によって識別される。登録番号は、識別情報の一例に対応する。
【0028】
試験条件記憶部543は、試験機本体2が実行する複数の試験条件CTを記憶する。複数の試験条件CTは、予め試験条件記憶部543に記憶される。
複数の試験条件CTの各々は、ユーザによって設定され、試験条件記憶部543に、例えば、ファイル形式で記憶される。複数の試験条件CTの各々は、ファイル番号によって識別される。ファイル番号は、識別情報の一例に対応する。
第1実施形態では、試験条件CTは、引張試験の試験条件を規定する。
試験条件CTは、例えば、試験力計測値FDについて位置制御を実行する第1試験条件CT1と、伸び計測値EDについて速度制御を実行する第2試験条件CT2と、を含む。
【0029】
通信部531は、図1に示す信号入出力装置40との間の通信を制御する。
通信部531は、例えば、信号入出力装置40から試験力計測値FD、伸び計測値ED及び変位計測値XDを受信する。また、通信部531は、例えば、信号入出力装置40に対して、指令値dXを示す指令信号A4を送信する。
【0030】
また、通信部531は、指示部537からの指示に従って、例えば、ロードセル14、変位センサ15、サーボ弁20、油圧源GP、及び電力源GEに対して、種々の指示情報CMを送信する。
通信部531は、例えば、ロードセル14、及び変位センサ15の各々のオフセットを零にする指示情報CMを送信する。また、通信部531は、例えば、油圧源GP、及び電力源GEの各々に対して、起動する旨の指示情報CMを送信する。
【0031】
動作制御部532は、試験機本体2の動作を制御する。
例えば、試験力計測値FDについて位置制御を実行する第1試験条件CT1に対応する引張試験を実行する場合には、動作制御部532は、試験力計測値FDを試験力目標値FTに一致させるように変位計測値XDの指令値dXを演算する。そして、通信部531は、指令値dXを示す指令信号A4を信号入出力装置40のサーボアンプ44に対して送信する。
【0032】
また、例えば、伸び計測値EDについて速度制御を実行する第2試験条件CT2に対応する引張試験を実行する場合には、動作制御部532は、伸び計測値EDの単位時間当たりの変化量である伸び速度計測値EVDを伸び速度目標値EVTに一致させるように変位計測値XDの指令値dXを演算する。そして、通信部531は、指令値dXを示す指令信号A4を信号入出力装置40のサーボアンプ44に対して送信する。
【0033】
表示制御部533は、タッチパネル512のLCDに表示する画面及び画像を制御する。
動作制御部532が引張試験を実行中である場合には、表示制御部533は、例えば、試験力計測値FD、及び伸び計測値EDの少なくとも一方と、変位計測値XDとの関係を示すグラフをタッチパネル512のLCDに表示する。
また、動作制御部532が、第1試験条件CT1に対応する引張試験を実行する場合には、表示制御部533は、例えば、第1試験条件CT1を示す画面をタッチパネル512のLCDに表示する。動作制御部532が第2試験条件CT2に対応する引張試験を実行する場合には、表示制御部533は、例えば、第2試験条件CT2を示す画面をタッチパネル512のLCDに表示する。
【0034】
音声受付部534は、ユーザからの音声を受け付ける。具体的には、音声受付部534は、ユーザからの音声に応じて、マイクロフォン511が生成した音声信号SWを受け付ける。
なお、以下に説明において、便宜上、音声信号SWは、アナログ信号に限定されず、デジタル情報も含む。すなわち、音声信号SWは、音声信号SWがA/D変換された音声情報も含む。
【0035】
抽出部535は、音声認識処理によって音声信号SWから特定ワードKWを抽出する。音声信号SWは、例えば、作業者の呟き、他の作業者との会話等を含む場合がある。抽出部535は、音声信号SWに含まれる作業者の呟き、他の作業者との会話等を除去して、特定ワードKWを抽出する。
換言すれば、抽出部535は、音声信号SWに、対応記憶部541に記憶された特定ワードKWが含まれているか否かを判定し、特定ワードKWが含まれている場合に、特定ワードKWを抽出する。
また、抽出部535は、特定ワードKWとの一致度を判定し、一致度が予め設定された閾値以上である場合に、特定ワードKWを抽出してもよい。閾値は、例えば、90%である。
【0036】
決定部536は、対応記憶部541を参照して、抽出部535が抽出した特定ワードKWに対応する指示情報CMを決定する。
換言すれば、決定部536は、抽出部535が抽出した特定ワードKWに対応する指示情報CMを、対応記憶部541から読み出すことによって、指示情報CMを決定する。
【0037】
指示部537は、決定部536が決定した指示情報CMを、試験機本体2に対して出力する。
第1実施形態では、指示部537は、例えば、動作制御部532及び通信部531を介して、指示情報CMを試験機本体2に対して出力する。
指示情報CMについては、図3図5を参照して更に説明する。
【0038】
図3は、第1ワードKW1と第1指示情報CM1との関係の一例を示す図表である。
図3には、第1テーブルTB11を示す。第1テーブルTB11は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第1テーブルTB11の左欄には、第1ワードKW1が記憶され、第1テーブルTB11の右欄には、第1ワードKW1に対応する第1指示情報CM1が記憶される。
【0039】
例えば、第1ワードKW1が「試験開始」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「材料試験を開始する」ことが試験機本体2に対して指示される。
例えば、第1ワードKW1が「試験終了」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「実行中の試験を終了する」ことが試験機本体2に対して指示される。
【0040】
例えば、第1ワードKW1が「リターン開始」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「油圧アクチュエータを原点位置へ戻す」ことが試験機本体2のサーボ弁20に対して指示される。
例えば、第1ワードKW1が「停止する」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「油圧アクチュエータの動作を停止する」ことが試験機本体2のサーボ弁20に対して指示される。
【0041】
例えば、第1ワードKW1が「ジョグモード」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「ジョグ(手動)操作モードにする」ことが試験機本体2に対して指示される。
例えば、第1ワードKW1が「試験モード」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「試験開始待ち状態にする」ことが試験機本体2に対して指示される。
【0042】
例えば、第1ワードKW1が「油圧源オフ」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「油圧源を遮断する」ことが試験機本体2の油圧源GPに対して指示される。
例えば、第1ワードKW1が「シャットダウン」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「試験機の電源を遮断する」ことが試験機本体2の電力源GEに対して指示される。
【0043】
例えば、第1ワードKW1が「試験力ゼロリセット」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「試験力計測値をゼロリセットする」ことが試験機本体2のロードセル14に対して指示される。
例えば、第1ワードKW1が「ストロークゼロリセット」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「変位計測値をゼロリセットする」ことが試験機本体2の差動トランス19に対して指示される。
【0044】
図3を参照して説明したように、第1ワードKW1を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、1つの動作に対応する第1指示情報CM1を、試験機本体2に対して出力できる。よって、試験機本体2(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、1つの動作を試験機本体2に対して容易に指示できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0045】
図4は、第2ワードKW2と第2指示情報CM2との関係の一例を示す図表である。
図4には、第2テーブルTB12を示す。第2テーブルTB12は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第2テーブルTB12の左欄には、第2ワードKW2が記憶され、第2テーブルTB12の右欄には、第2ワードKW2に対応する第2指示情報CM2が記憶される。
【0046】
例えば、第2ワードKW2が「シーケンスXX実行」である場合には、指示部537によって、第2指示情報CM2に示すように「予め登録されたシーケンスXXを実行する」ことが試験機本体2に対して指示される。ここで、「登録」とは、ユーザが、シーケンスSQに対応する第2指示情報CM2の内容を設定し、シーケンス記憶部542に記憶させることを示す。
第1実施形態において、シーケンスSQは、試験機本体2の連続した複数の動作に対応する指示を示す。「シーケンスXX」の「XX」は、予めシーケンス記憶部542に記憶されたシーケンスSQの識別情報を示す。「シーケンスXX」の「XX」は、例えば、登録番号である。
シーケンスSQは、図2に示すシーケンス記憶部542に記憶される。
【0047】
例えば、第2ワードKW2が「試験準備」である場合には、指示部537によって、第2指示情報CM2に示すように「キャリブレーション実行後、「治具間距離移動」動作する」ことが試験機本体2に対して指示される。ここで、「治具間距離移動」とは、図3に示すように、上つかみ具21と下つかみ具22との間の距離が、予め設定されている所定距離になるように、油圧アクチュエータ18で、下つかみ具22を移動することである。
【0048】
例えば、第2ワードKW2が「緊急停止」である場合には、指示部537によって、第2指示情報CM2に示すように「油圧アクチュエータの動作を停止し、「油圧源オフ」動作する」ことが試験機本体2に対して指示される。なお、油圧アクチュエータ18の動作の停止は、サーボ弁20を制御することによって実行される。「油圧源オフ」とは、図3に示すように、油圧源GPの動作を停止する。
【0049】
図4を参照して説明したように、第2ワードKW2を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、連続した複数の動作に対応する第2指示情報CM2を、試験機本体2に対して出力できる。よって、試験機本体2(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、連続した複数の動作を試験機本体2に対して容易に指示できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0050】
図5は、第3ワードKW3と第3指示情報CM3との関係の一例を示す図表である。
図5には、第3テーブルTB13を示す。第3テーブルTB13は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第3テーブルTB13の左欄には、第3ワードKW3が記憶され、第3テーブルTB13の右欄には、第3ワードKW3に対応する第3指示情報CM3が記憶される。
【0051】
例えば、第3ワードKW3が「ファイルYY番読み込み」である場合には、指示部537によって、第3指示情報CM3に示すように「ファイル番号がYY番の試験条件ファイルを読み出して、試験条件として設定し、「試験モード」動作を実行する」ことを示す指示が試験機本体2に対して出力される。
なお、試験条件ファイルは、図2に示す試験条件記憶部543に記憶される。すなわち、ファイル番号がYY番の試験条件ファイルは、試験条件記憶部543から読み出される。
「試験モード」動作とは、図3に示すように、試験開始待ち状態にすることを示す。
【0052】
図5を参照して説明したように、第3ワードKW3を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、試験機本体2に対して試験条件CTを設定する第3指示情報CM3を、試験機本体2に対して出力できる。よって、試験機本体2(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、所望する試験条件CTを試験機本体2に対して容易に設定できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0053】
[1-3.制御部の処理]
次に、図6を参照して、制御部52が実行する処理について説明する。
図6は、制御部52が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
なお、第1実施形態では、図3に示す第1テーブルTB11、図4に示す第2テーブルTB12、及び図5に示す第3テーブルTB13が、対応記憶部541に予め記憶される。また、複数のシーケンスSQは、予めシーケンス記憶部542に記憶され、複数の試験条件CTは、予め試験条件記憶部543に記憶される。
【0054】
図6に示すように、まず、ステップS101において、音声受付部534は、ユーザからの音声を受け付ける。具体的には、音声受付部534は、ユーザからの音声に応じて、マイクロフォン511が生成した音声信号SWを受け付ける。
次に、ステップS103において、抽出部535が、音声認識処理によって音声信号SWから特定ワードKWを抽出したか否かを判定する。
特定ワードKWを抽出していないと抽出部535が判定した場合(ステップS103;NO)には、処理がステップS105へ進む。
そして、ステップS105において、表示制御部533は、特定ワードKWを抽出していないことを示すメッセージをタッチパネル512のLCDに表示する。その後、処理がステップS101に戻る。
【0055】
特定ワードKWを抽出したと抽出部535が判定した場合(ステップS103;YES)には、処理がステップS107へ進む。
そして、ステップS107において、決定部536は、対応記憶部541を参照して、特定ワードKWに対応する指示情報CMを決定する。
次に、ステップS109において、指示部537は、決定部536が決定した指示情報CMが第1指示情報CM1であるか否かを判定する。
【0056】
指示情報CMが第1指示情報CM1ではないと指示部537が判定した場合(ステップS109;NO)には、処理がステップS115へ進む。指示情報CMが第1指示情報CM1であると指示部537が判定した場合(ステップS109;YES)には、処理がステップS111へ進む。
そして、ステップS111において、指示部537は、第1指示情報CM1を試験機本体2に対して出力する。
次に、ステップS113において、制御部52は、第1指示情報CM1に対応する1つの動作が終了したか否かを判定する。
第1指示情報CM1に対応する1つの動作が終了していないと制御部52が判定した場合(ステップS113;NO)には、処理が待機状態になる。第1指示情報CM1に対応する1つの動作が完了したと制御部52が判定した場合(ステップS113;YES)には、処理がステップS101にリターンする。
【0057】
ステップS109でNOの場合には、ステップS115において、指示部537は、決定部536が決定した指示情報CMが第2指示情報CM2であるか否かを判定する。
指示情報CMが第2指示情報CM2ではないと指示部537が判定した場合(ステップS115;NO)には、処理がステップS121へ進む。指示情報CMが第2指示情報CM2であると指示部537が判定した場合(ステップS115;YES)には、処理がステップS117へ進む。
そして、ステップS117において、指示部537は、第2指示情報CM2を試験機本体2に対して出力する。
次に、ステップS119において、制御部52は、第2指示情報CM2に対応する複数の動作が終了したか否かを判定する。
第2指示情報CM2に対応する複数の動作が終了していないと制御部52が判定した場合(ステップS119;NO)には、処理が待機状態になる。第2指示情報CM2に対応する複数の動作が終了したと制御部52が判定した場合(ステップS119;YES)には、処理がステップS101にリターンする。
【0058】
ステップS115でNOの場合には、ステップS121において、指示部537は、決定部536が決定した指示情報CMが第3指示情報CM3であると判定する。
そして、ステップS123において、指示部537は、第3指示情報CM3を試験機本体2に対して出力する。
次に、ステップS125において、制御部52は、第3指示情報CM3に対応する試験条件CTの設定が終了したか否かを判定する。
第3指示情報CM3に対応する試験条件CTの設定が終了していないと制御部52が判定した場合(ステップS125;NO)には、処理が待機状態になる。第3指示情報CM3に対応する試験条件CTの設定が終了したと制御部52が判定した場合(ステップS125;YES)には、処理がステップS101にリターンする。
【0059】
図6を参照して説明したように、音声受付部534は、ユーザからの音声に応じて、マイクロフォン511が生成した音声信号SWを受け付け、抽出部535が、音声認識処理によって音声信号SWから特定ワードKWを抽出する。そして、決定部536は、対応記憶部541を参照して、抽出部535が抽出した特定ワードKWに対応する指示情報CMを決定し、指示部537は、指示情報CMを試験機本体2に対して出力する。
よって、特定ワードKWを含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、特定ワードKWに対応する指示情報CMを、試験機本体2に対して出力できる。よって、試験機本体2(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、指示情報CMを試験機本体2に対して容易に指示できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
また、材料試験機1では、試験準備作業として、上つかみ具21、及び下つかみ具22等の重量物を作業者が試験機本体2にセットする場合がある。このような場合には、試験準備作業中に、試験機本体2から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、指示情報CMを試験機本体2に対して容易に出力できる。したがって、作業者の作業の安全性を向上できる。
【0060】
[2.第2実施形態]
[2-1.粒子分析装置の構成]
図7は、第2実施形態に係る粒子分析装置6の構成の一例を示す図である。
図7に示すように、粒子分析装置6は、分析装置本体6Aと、制御装置50と、を備える。
粒子分析装置6は、粉体試料SPの粒子PTを分散させた液体試料SLを所定速度VAで流路77内を流動させ、液体試料SLを所定周期TAで撮影することによって得られた試料画像PSに含まれる粉体試料SPの粒子PTの画像を解析する。また、粒子分析装置6は、画像解析の結果に基づいて、粉体試料SPの粒子PTの粒子性状を解析する。
【0061】
粉体試料SPは、例えば、顔料、化粧品用パウダー、トナー、粒子状触媒、研磨材、粉末状医薬、合成樹脂製粉末、ファインセラミック粒子、金属粒子等の工業製品の粉体である。また、粒子性状は、代表的には粒子形状であり、円相当径や円形度、アスペクト比などが含まれる。
粒子分析装置6は、例えば、JIS Z8827-2で規定される動的画像解析法によって、粉体試料SPの粒子PTの画像を解析する。
また、粉体試料SPの粒子PTの大きさは、例えば、5μm~100μmである。
【0062】
図7に示す分析装置本体6Aは、粒子PTを分散させた液体試料SLの試料画像PSを生成する。
図7に示すように、分析装置本体6Aは、フローセル62と、液体試料供給機構90と、照明部60と、カメラ80と、フォーカス機構70と、を備える。
フローセル62は、光学的に略透明な測定容器であり、略矩形の板状に形成される。フローセル62の上端面66Aには、液体試料SLを導入する導入口64Aが形成され、フローセル62の下端面66Bには、液体試料SLを排出する排出口64Bが形成され、導入口64Aから排出口64Bに至る流路77が直線状に形成される。
第2実施形態のフローセル62には、焦点合わせ用の図略の焦点ターゲットが設けられており、制御部52が焦点ターゲットに基づいてカメラ80の焦点を合わせるように構成される。
【0063】
液体試料供給機構90は、フローセル62に液体試料SLを単位時間に所定量ずつ送り込む機構であり、送液ポンプ82を備える。換言すれば、送液ポンプ82は、液体試料SLを所定速度VAで流路77内を流動させる。所定速度VAは、例えば、14.5mm/秒である。
第2実施形態では、液体試料SLを貯留する液体試料貯留容器74から延びる導入管76がフローセル62の導入口64Aに接続される。また排出口64Bには排出管78の一方端が接続され、排出管78の他方端に送液ポンプ82の吸込側が接続される。
送液ポンプ82が作動することによって、液体試料貯留容器74の液体試料SLが、導入口64Aからフローセル62の流路77に流れ込み、流路77を経由して、排出口64Bから排出される。
送液ポンプ82の排出側には、廃液管79が接続されており、送液ポンプ82が排出した液体試料は、廃液管79を通じて廃液タンク83に回収される。なお、送液ポンプ82を導入管76の側に設けてもよい。
【0064】
照明部60は、フローセル62に測定光84を照射する光源装置60Aを備える。第2実施形態の光源装置60Aは、略平行光の測定光84を、フローセル62の流路77に対して略直交する方向から照射する。光源装置60Aは、LED(Light Emitting Diode)光源やレーザ光源などの発光素子を有する光源と、光源が出射する光を平行光化するコリメート光学系と、を備える。なお、光源装置60Aが、光源として、COB(Chip On Board)型LEDのように、面状に光を出射する面状光源を備えてもよい。
【0065】
カメラ80は、フローセル62を挟んで照明部60と対向する位置に配置され、フローセル62における測定光84の照射箇所を、制御部52の指示に従って、所定周期TAで撮影する。第2実施形態のカメラ80は、イメージングセンサである撮像素子86と、テレセントリック顕微鏡88とを備える。
撮像素子86は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等で構成される。テレセントリック顕微鏡88は、撮像素子86の撮像面86Aにフローセル62における照射箇所の像を結像するテレセントリック光学系であり、フローセル62に対向配置されるテレセントリックレンズ89を備える。
【0066】
カメラ80の撮影速度は、例えば、8FPSである。すなわち、所定周期TAは、0.125秒である。所定周期TAは、次の条件を満たすように設定される。
すなわち、所定速度VA、及び所定周期TAの各々は、流路77内を流動する粒子が、2枚の連続して撮影された試料画像PSに含まれないように設定される。
換言すれば、所定速度VA、及び所定周期TAは次の式(1)を満たすように設定される。
VA>LA/TA (1)
ここで、長さLAは、カメラ80の視野における粒子PTの流動方向の長さを示す。例えば、長さLAは、1.8mmである。この場合には、式(1)の右辺の値は、14.4(=1.8/0.125)mm/秒であり、所定速度VAが14.5mm/秒であるときには、(1)式を満たす。
【0067】
このように、所定速度VA、及び所定周期TAの各々は、流路77内を流動する粒子PTが、2枚の連続して撮影された試料画像PSに含まれないように設定されるため、同一の粒子PTの画像を複数回撮影することを抑制できる。
【0068】
フォーカス機構70は、テレセントリック顕微鏡88の焦点を可変する機構であり、レンズ駆動機構87を備える。レンズ駆動機構87は、制御部52の制御に従って、テレセントリックレンズ89をテレセントリック光学系の光軸Aに沿って駆動することでカメラ80の焦点を可変する機構である。
【0069】
制御装置50は、図2に示す第1実施形態に係る制御装置50と略同一の構成を有する。
すなわち、制御装置50は、制御部52を備える。また、分析装置本体6Aは、操作パネル51を更に備える。
操作パネル51は、マイクロフォン511と、タッチパネル512と、押しボタンスイッチ513と、を備える。
マイクロフォン511は、ユーザからの音声を受け付け、音声に対応する音声信号SWを生成する。マイクロフォン511は、生成した音声信号SWを制御部52へ出力する。
タッチパネル512は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備え、制御部52からの指示に従って、LCDに種々の画像を表示する。また、タッチパネル512は、LCDの表示面に沿って配置されたタッチセンサを備える。タッチセンサは、ユーザの指先やペンでのタッチを検出し、検出信号を制御部52へ伝送する。
押しボタンスイッチ513は、複数の押しボタンスイッチを備え、ユーザからの種々の操作を受け付け、操作に対応する操作信号を制御部52へ伝送する。
【0070】
[2-2.制御部の構成]
制御部52は、例えばパーソナルコンピュータで構成され、分析装置本体6Aの動作を制御する。
制御部52は、プロセッサ53と、メモリ54と、HDDやSSDなどのストレージ装置と、カメラ80などを接続するためのインターフェース回路と、を備える。プロセッサ53は、CPUやMPUなどで構成される。メモリ54は、ROMなどで構成される。
【0071】
なお、制御部52は、パーソナルコンピュータに限らず、ICチップやLSIなどの集積回路といった1つ又は複数の適宜の回路によって構成されてもよい。また、制御部52は、例えば、タブレット端末、又はスマートフォン等で構成されてもよい。
また、制御部52は、DSPやFPGA等、プログラムされたハードウェアを備えてもよい。また、制御部52は、SoC-FPGAを備えてもよい。
【0072】
図2に示す制御部52と同様に、制御部52は、通信部531、動作制御部532、表示制御部533、音声受付部534、抽出部535、決定部536、指示部537、対応記憶部541、及び、シーケンス記憶部542、を備える。
なお、制御部52は、図2に示す試験条件記憶部543に換えて、測定条件記憶部544と、画像記憶部545と、を備える。
具体的には、制御部52のプロセッサ53が、メモリ54又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、通信部531、動作制御部532、表示制御部533、音声受付部534、抽出部535、決定部536、及び指示部537、として機能する。また、制御部52のプロセッサ53が、メモリ54又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行することによって、メモリ54を、対応記憶部541、シーケンス記憶部542、測定条件記憶部544、及び画像記憶部545として機能させる。
【0073】
以下の説明では、図2に示す制御部52と相違する点について主に説明し、図2に示す制御部52と同様の構成については、その説明を省略する。
ただし、図2に示す制御部52の説明における試験機本体2は、図7に示す制御部52では、分析装置本体6Aに対応する。
【0074】
測定条件記憶部544は、分析装置本体6Aが実行する複数の測定条件ATを記憶する。複数の測定条件ATは、予め測定条件記憶部544に記憶される。
複数の測定条件ATの各々は、ユーザによって設定され、測定条件記憶部544に、例えば、ファイル形式で記憶される。複数の測定条件ATの各々は、ファイル番号によって識別される。ファイル番号は、識別情報の一例に対応する。
なお、測定条件ATは、試料画像PSを生成する条件を含む。具体的には、測定条件ATは、例えば、図7に示す流路77内で液体試料SLを流動させる所定速度VA、及び図7に示すカメラ80の撮影速度(所定周期TA)、及び、図7に示すカメラ80の視野における粒子PTの流動方向の長さLA、を含む。
また、測定条件ATは、試料画像PSを解析する条件を含んでもよい。
【0075】
画像記憶部545は、動作制御部532の指示に従って、カメラ80によって、液体試料SLを所定周期TAで撮影することによって得られた試料画像PSを記憶する。
【0076】
通信部531は、図7に示す分析装置本体6Aとの間の通信を制御する。
換言すれば、通信部531は、分析装置本体6Aの各部との間の通信を制御する。具体的には、通信部531は、例えば、液体試料供給機構90、照明部60、カメラ80、及びフォーカス機構70の各々との通信を制御する。
【0077】
動作制御部532は、カメラ80のオートフォーカスの調整と、カメラ80の撮影タイミングの調整とを行う。
動作制御部532は、カメラ80(テレセントリック顕微鏡88)の焦点を、フローセル62の焦点ターゲットの撮影画像に基づいて調整する。具体的には、動作制御部532は、カメラ80の撮影画像を取り込み、撮影画像に写った焦点ターゲットの撮影状態に基づいて、カメラ80の焦点と焦点ターゲットとのずれを判定する。そして、動作制御部532は、焦点のずれを解消する位置にテレセントリックレンズ89が移動するように、レンズ駆動機構87を制御する。このようにして、動作制御部532は、カメラ80の焦点を焦点ターゲットに合わせることができる。
また、動作制御部532は、カメラ80に所定周期TAで液体試料SLを撮影させ、試料画像PSを生成させる。また、動作制御部532は、生成された試料画像PSを画像記憶部545に記憶させる。
【0078】
図8は、第1ワードKW1と第1指示情報CM1との関係の一例を示す図表である。
図8には、第1テーブルTB21を示す。第1テーブルTB21は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第1テーブルTB21の左欄には、第1ワードKW1が記憶され、第1テーブルTB21の右欄には、第1ワードKW1に対応する第1指示情報CM1が記憶される。
【0079】
例えば、第1ワードKW1が「給水開始」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「給水ポンプを動作」することが分析装置本体6Aに対して指示される。なお、給水ポンプは、図7に示す液体試料貯留容器74に給水するポンプである。
例えば、第1ワードKW1が「給水停止」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「給水ポンプを停止」することが分析装置本体6Aに対して指示される。
【0080】
例えば、第1ワードKW1が「ポンプスピードXX」である場合には、指示部537によって、第1指示情報CM1に示すように「送液ポンプの速度をXXに変更」することが分析装置本体6Aに対して指示される。ここで、「送液ポンプの速度」とは、流路77内を流動する液体試料SLの流動速度(所定速度VA、例えば、14.5mm/秒)を示す。
【0081】
図8を参照して説明したように、第1ワードKW1を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、1つの動作に対応する第1指示情報CM1を、分析装置本体6Aに対して出力できる。よって、分析装置本体6A(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、1つの動作を分析装置本体6Aに対して容易に指示できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0082】
図9は、第2ワードKW2と第2指示情報CM2との関係の一例を示す図表である。
図9には、第2テーブルTB22を示す。第2テーブルTB22は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第2テーブルTB22の左欄には、第2ワードKW2が記憶され、第2テーブルTB22の右欄には、第2ワードKW2に対応する第2指示情報CM2が記憶される。
【0083】
例えば、第2ワードKW2が「シーケンスXX実行」である場合には、指示部537によって、第2指示情報CM2に示すように「予め登録されたシーケンスXXを実行する」ことが分析装置本体6Aに対して指示される。ここで、「登録」とは、ユーザが、シーケンスSQに対応する第2指示情報CM2の内容を設定し、シーケンス記憶部542に記憶させることを示す。
第2実施形態において、シーケンスSQは、分析装置本体6Aの連続した複数の動作に対応する指示を示す。「シーケンスXX」の「XX」は、予めシーケンス記憶部542に記憶されたシーケンスSQの識別情報を示す。「シーケンスXX」の「XX」は、例えば、登録番号である。
シーケンスSQは、図2に示すシーケンス記憶部542に記憶される。
【0084】
例えば、第2ワードKW2が「XX秒給水」である場合には、指示部537によって、第2指示情報CM2に示すように「給水ポンプをXX秒間動作」することが分析装置本体6Aに対して指示される。すなわち、指示部537は、給水ポンプの動作を開始し、給水ポンプがXX秒間動作したときに、給水ポンプの動作を停止するという、連続する複数の動作を分析装置本体6Aに対して指示する。
【0085】
図9を参照して説明したように、第2ワードKW2を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、連続した複数の動作に対応する第2指示情報CM2を、分析装置本体6Aに対して出力できる。よって、分析装置本体6A(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、連続した複数の動作を分析装置本体6Aに対して容易に指示できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0086】
図10は、第3ワードKW3と第3指示情報CM3との関係の一例を示す図表である。
図10には、第3テーブルTB23を示す。第3テーブルTB23は、図2に示す対応記憶部541に記憶される。
第3テーブルTB23の左欄には、第3ワードKW3が記憶され、第3テーブルTB23の右欄には、第3ワードKW3に対応する第3指示情報CM3が記憶される。
【0087】
例えば、第3ワードKW3が「ファイルYY番読み込み」である場合には、指示部537によって、第3指示情報CM3に示すように「ファイル番号がYY番の測定条件ファイルを読み出して、測定条件として設定し、「測定モード」動作を実行する」ことを示す指示が試験機本体2に対して出力される。
なお、測定条件ファイルは、図7に示す測定条件記憶部544に記憶される。すなわち、ファイル番号がYY番の測定条件ファイルは、測定条件記憶部544から読み出される。測定条件ファイルは、測定条件ATを示す。
「測定モード」動作とは、試験機本体2を、測定条件ATでの測定動作の開始待ち状態にすることを示す。
【0088】
図10を参照して説明したように、第3ワードKW3を含む音声がマイクロフォン511に入力されるように作業者が発声することによって、分析装置本体6Aに対して測定条件ATを設定する第3指示情報CM3を、分析装置本体6Aに対して出力できる。よって、分析装置本体6A(操作パネル51)から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、所望する測定条件ATを分析装置本体6Aに対して容易に設定できる。したがって、作業者の作業性を向上できる。
【0089】
[3.態様と効果]
上述した本実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0090】
(第1項)
第1態様に関わる材料試験機は、材料試験を実行する試験機本体と、特定ワードと、前記試験機本体に対する指示情報と、を対応付けて記憶する対応記憶部と、ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、音声認識処理によって前記音声から前記特定ワードを抽出する抽出部と、前記対応記憶部を参照して、前記抽出部が抽出した特定ワードに対応する指示情報を決定する決定部と、前記決定部が決定した指示情報を、前記試験機本体に対して出力する指示部と、を備える。
【0091】
第1項に記載の材料試験機によれば、音声受付部は、ユーザからの音声を受け付け、抽出部は、音声認識処理によって前記音声から前記特定ワードを抽出する。そして、決定部は、前記対応記憶部を参照して、前記抽出部が抽出した特定ワードに対応する指示情報を決定し、指示部は、前記決定部が決定した指示情報を、前記試験機本体に対して出力する。
よって、特定ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、特定ワードに対応する指示情報を、試験機本体に対して出力できる。したがって、試験機本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、指示情報を試験機本体に対して容易に出力できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
また、材料試験機では、試験準備作業として、上つかみ具、及び下つかみ具等の重量物を作業者が試験機本体にセットする場合がある。このような場合には、試験準備作業中に、試験機本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、指示情報を試験機本体に対して容易に出力できる。したがって、作業者の作業の安全性を向上できる。
【0092】
(第2項)
第1項に記載の材料試験機において、前記指示情報は、前記試験機本体の1つの動作に対応する第1指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第1指示情報に対応する前記特定ワードである第1ワードを、前記第1指示情報に対応付けて記憶する。
【0093】
第2項に記載の材料試験機によれば、前記指示情報は、前記試験機本体の1つの動作に対応する第1指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第1指示情報に対応する前記特定ワードである第1ワードを、前記第1指示情報に対応付けて記憶する。
よって、第1指示情報に対応付けて対応記憶部に記憶された第1ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、1つの動作に対応する第1指示情報を、試験機本体に対して出力できる。したがって、試験機本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、1つの動作を試験機本体に対して容易に指示できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0094】
(第3項)
第1項又は第2項に記載の材料試験機において、前記指示情報は、前記試験機本体の連続した複数の動作に対応する第2指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第2指示情報に対応する前記特定ワードである第2ワードを、前記第2指示情報に対応付けて記憶する。
【0095】
第3項に記載の材料試験機によれば、前記指示情報は、前記試験機本体の連続した複数の動作に対応する第2指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第2指示情報に対応する前記特定ワードである第2ワードを、前記第2指示情報に対応付けて記憶する。
よって、第2指示情報に対応付けて対応記憶部に記憶された第2ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、連続した複数の動作に対応する第2指示情報を、試験機本体に対して出力できる。したがって、試験機本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、連続した複数の動作を試験機本体に対して容易に指示できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0096】
(第4項)
第1項から第3項のいずれか1項に記載の材料試験機において、前記指示情報は、前記試験機本体に対して試験条件を設定する第3指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第3指示情報に対応する前記特定ワードである第3ワードを、前記第3指示情報に対応付けて記憶する。
【0097】
第4項に記載の材料試験機によれば、前記指示情報は、前記試験機本体に対して試験条件を設定する第3指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第3指示情報に対応する前記特定ワードである第3ワードを、前記第3指示情報に対応付けて記憶する。
よって、第3ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、試験機本体に対して試験条件を設定する第3指示情報を、試験機本体に対して出力できる。したがって、試験機本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、所望する試験条件を試験機本体に対して容易に設定できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0098】
(第5項)
第2態様に関わる粒子分析装置は、粒子を分散させた液体試料の試料画像を生成する分析装置本体と、特定ワードと、前記分析装置本体に対する指示情報と、を対応付けて記憶する対応記憶部と、ユーザからの音声を受け付ける音声受付部と、音声認識処理によって前記音声から前記特定ワードを抽出する抽出部と、前記対応記憶部を参照して、前記抽出部が抽出した特定ワードに対応する指示情報を決定する決定部と、前記決定部が決定した指示情報を、前記分析装置本体に対して出力する指示部と、を備える。
【0099】
第5項に記載の粒子分析装置によれば、音声受付部が、ユーザからの音声を受け付け、抽出部が、音声認識処理によって前記音声から前記特定ワードを抽出する。そして、決定部が、前記対応記憶部を参照して、前記抽出部が抽出した特定ワードに対応する指示情報を決定し、指示部が、前記決定部が決定した指示情報を、前記分析装置本体に対して出力する。
よって、特定ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、特定ワードに対応する指示情報を、分析装置本体に対して出力できる。したがって、分析装置本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、指示情報を分析装置本体に対して容易に出力できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0100】
(第6項)
第5項に記載の粒子分析装置において、前記指示情報は、前記分析装置本体の1つの動作に対応する第1指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第1指示情報に対応する前記特定ワードである第1ワードを、前記第1指示情報に対応付けて記憶する。
【0101】
第6項に記載の粒子分析装置によれば、前記指示情報は、前記分析装置本体の1つの動作に対応する第1指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第1指示情報に対応する前記特定ワードである第1ワードを、前記第1指示情報に対応付けて記憶する。
よって、第1指示情報に対応付けて対応記憶部に記憶された第1ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、1つの動作に対応する第1指示情報を、分析装置本体に対して出力できる。したがって、分析装置本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、1つの動作を分析装置本体に対して容易に指示できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0102】
(第7項)
第5項又は第6項に記載の粒子分析装置において、前記指示情報は、前記分析装置本体の連続した複数の動作に対応する第2指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第2指示情報に対応する前記特定ワードである第2ワードを、前記第2指示情報に対応付けて記憶する。
【0103】
第7項に記載の粒子分析装置によれば、前記指示情報は、前記分析装置本体の連続した複数の動作に対応する第2指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第2指示情報に対応する前記特定ワードである第2ワードを、前記第2指示情報に対応付けて記憶する。
よって、第2指示情報に対応付けて対応記憶部に記憶された第2ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、連続した複数の動作に対応する第2指示情報を、分析装置本体に対して出力できる。したがって、分析装置本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、連続した複数の動作を分析装置本体に対して容易に指示できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0104】
(第8項)
第5項から第7項のいずれか1項に記載の粒子分析装置において、前記指示情報は、前記分析装置本体に対して測定条件を設定する第3指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第3指示情報に対応する前記特定ワードである第3ワードを、前記第3指示情報に対応付けて記憶する。
【0105】
第8項に記載の粒子分析装置によれば、前記指示情報は、前記分析装置本体に対して測定条件を設定する第3指示情報を含み、前記対応記憶部は、前記第3指示情報に対応する前記特定ワードである第3ワードを、前記第3指示情報に対応付けて記憶する。
第3ワードを含む音声が音声受付部に受け付けられるように作業者が発声することによって、分析装置本体に対して測定条件を設定する第3指示情報を、分析装置本体に対して出力できる。したがって、分析装置本体から離間した位置に作業者がいる場合であっても、作業者は、所望する測定条件を分析装置本体に対して容易に設定できる。その結果、作業者の作業性を向上できる。
【0106】
[4.その他の実施形態]
なお、第1実施形態に係る引張試験機1は、あくまでも本発明に係る材料試験機の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。また、第2実施形態に係る粒子分析装置6は、あくまでも本発明に係る分析装置の態様の例示であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において任意に変形および応用が可能である。
【0107】
例えば、第1実施形態では、材料試験機が引張試験機1である場合について説明するが、これに限定されない。材料試験機が試験片TPに試験力を付与し、試験片TPを変形させて材料試験を行えばよい。例えば、材料試験機が、圧縮試験機、曲げ試験機、又はねじり試験機でもよい。
【0108】
また、第2実施形態では、粒子分析装置6が、JIS Z8827-2で規定される動的画像解析法によって、粉体試料SPの粒子PTの画像を解析する場合について説明するが、これに限定されない。粒子分析装置6が、粒子PTを分散させた液体試料SLの試料画像PSを生成すればよい。換言すれば、試料画像PSを用いた粒子PTの画像の解析は、粒子分析装置6とは相違する装置が実施してもよい。
【0109】
本実施形態では、指示情報CMが、第1指示情報CM1、第2指示情報CM2、及び第3指示情報CM3を含む場合について説明したが、これに限定されない。指示情報CMが、第1指示情報CM1、第2指示情報CM2、及び第3指示情報CM3のうち、少なくとも1つを含めばよい。
【0110】
また、図1図2、及び図7に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に制限されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上記実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアで実現してもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。
【0111】
また、図6に示すフローチャートの処理単位は、制御部52の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。図6のフローチャートに示す処理単位の分割の仕方や名称によって制限されることはなく、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできるし、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。また、上記のフローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0112】
また、図2、及び図7を参照して説明したように、本実施形態では、制御部52が備えるプロセッサ53に、メモリ54又はストレージ装置に記憶された制御プログラムを実行させる。この制御プログラムは、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリデバイスを用いることができる。
具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリ、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。
また、記録媒体は、制御部52が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。また、制御プログラムをサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御部52に、制御プログラムをダウンロードしてもよい。
【符号の説明】
【0113】
1 引張試験機(材料試験機)
2 試験機本体
3 制御ユニット
10 クロスヘッド
14 ロードセル
15 変位センサ
18 油圧アクチュエータ
181 ピストンロッド
19 差動トランス
20 サーボ弁
21 上つかみ具
22 下つかみ具
50 制御装置
51 操作パネル
511 マイクロフォン
512 タッチパネル
512 テンキー部
513 押しボタンスイッチ
52 制御部
53 プロセッサ
531 通信部
532 動作制御部
533 表示制御部
534 音声受付部
535 抽出部
536 決定部
537 指示部
54 メモリ
541 対応記憶部
542 シーケンス記憶部
543 試験条件記憶部
544 測定条件記憶部
545 画像記憶部
6 粒子分析装置
6A 分析装置本体
60A 光源装置
62 フローセル
70 フォーカス機構
74 液体試料貯留容器
77 流路
80 カメラ
82 送液ポンプ
83 廃液タンク
86 撮像素子
87 レンズ駆動機構
88 テレセントリック顕微鏡
90 液体試料供給機構
A 光軸
AT 測定条件
CM 指示情報
CM1 第1指示情報
CM2 第2指示情報
CM3 第3指示情報
CT 試験条件
F 試験力
FD 試験力計測値
FT 試験力目標値
GE 電力源
GP 油圧源
KW 特定ワード
KW1 第1ワード
KW2 第2ワード
KW3 第3ワード
SL 液体試料
SP 粉体試料
SQ シーケンス
TP 試験片
TB11、TB21 第1テーブル
TB12、TB22 第2テーブル
TB13、TB23 第3テーブル
XD 変位計測値
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10