(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001745
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】制御装置及び駐車場判定方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241226BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20241226BHJP
【FI】
G08G1/16 C
B60W30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101387
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】519373914
【氏名又は名称】株式会社J-QuAD DYNAMICS
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 悠太
(72)【発明者】
【氏名】大石 将士
(72)【発明者】
【氏名】上撫 琢也
(72)【発明者】
【氏名】松永 尚也
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 正樹
(72)【発明者】
【氏名】石井 綾
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BB03
3D241CC01
3D241CC08
3D241CC17
3D241CE01
3D241CE05
3D241CE08
3D241DA13Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DB02Z
3D241DC33Z
3D241DD13Z
5H181AA01
5H181BB20
5H181CC04
5H181CC14
5H181CC24
5H181KK01
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】通信機などの他の装置を用いることなく車両と駐車場の位置関係を判定できる技術を提供する。
【解決手段】制御装置100は、車両500の周辺環境から、車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標I1と、駐車車両PVと、車両の進行方向に駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識部10と、第1指標と、駐車車両と、物体と、が認識部によって認識された場合に、物体を駐車車両と推定する推定部20と、認識部によって認識された第1指標および駐車車両と、推定部によって推定された駐車車両と、に基づいて周辺環境における駐車場の範囲を判定する第1判定部40と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置(100,100b,100c)であって、
車両(500)の周辺環境から、前記車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標(I1)と、駐車車両(PV)と、前記車両の進行方向に前記駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識部(10)と、
前記第1指標と、前記駐車車両と、前記物体と、が前記認識部によって認識された場合に、前記物体を駐車車両と推定する推定部(20)と、
前記認識部によって認識された前記第1指標および前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両と、に基づいて前記周辺環境における駐車場の範囲を判定する第1判定部(40)と、を備える、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から、前記車両の進行方向に対して交差する方向に続く指標である第2指標(I2)を認識し、
前記第1指標が連続して続いている区間に前記第2指標が前記認識部によって認識された場合に、前記第1判定部は、前記第2指標の位置までを前記駐車場の範囲と判定する、
制御装置。
【請求項3】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から、前記車両の進行方向に対して交差する指標である第2指標を認識し、
前記第1指標が連続して続いている区間に前記第2指標が前記認識部によって認識された場合に、前記第1判定部は、前記第2指標の位置までを前記駐車場の範囲と判定する、
制御装置。
【請求項4】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記認識部によって認識された前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両の総数を取得する第1取得部(30)を備え、
前記第1判定部は、前記第1取得部が取得した値が予め定められた値以上である場合に、前記駐車場の範囲を判定する、
制御装置。
【請求項5】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から駐車枠(PF)を認識し、
前記認識部によって認識された前記駐車車両および前記駐車枠と、前記推定部によって推定された前記駐車車両の総数を取得する第1取得部を備え、
前記第1判定部は、前記第1取得部が取得した値が予め定められた値以上である場合に、前記駐車場の範囲を判定する、
制御装置。
【請求項6】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記第1判定部が判定した前記駐車場の範囲と前記車両の位置関係に基づいて、前記車両が前記駐車場内に存在するか否かを判定する第2判定部(50)と、
加速操作装置の操作量を取得する第2取得部(60)と、
前記車両が前記駐車場内に存在すると判定され、かつ、前記加速操作装置の操作量が予め定められた閾値以上である場合に、前記車両の駆動力を抑制する駆動力抑制部(70)と、を備える、
制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記第1判定部が判定した前記駐車場の範囲と前記車両の位置関係に基づいて、前記車両が前記駐車場内に存在するか否かを判定する第2判定部と、
前記車両が前記駐車場内に存在すると判定された場合に、前記車両が前記駐車場内に存在することを前記車両の搭乗者に通知する通知部(80)と、を備える、
制御装置。
【請求項8】
駐車場判定方法であって、
車両の周辺環境から、前記車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標と、駐車車両と、前記車両の進行方向に前記駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識工程と、
前記第1指標と、前記駐車車両と、前記物体と、が前記認識工程において認識された場合に、前記物体を駐車車両と推定する推定工程と、
前記認識工程において認識された前記第1指標および前記駐車車両と、前記推定工程において推定された前記駐車車両と、に基づいて前記周辺環境における駐車場の範囲を判定する駐車場範囲判定工程と、を備える、
駐車場判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置及び駐車場判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の車両制御システムでは、車両が駐車場の入口または出口を通過する際に、車載通信機が駐車場の入口および出口に設けられた通信機と通信することで、車両の駐車場への入場および退場を検知し、車両が駐車場内に存在する期間を判定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術では、車両が駐車場内に存在するか否かを判定するためには、車両が、駐車場の入口および出口に設けられた通信機から入退場の通知を受ける必要がある。しかし、駐車場に通信機を設置するには手間がかかる。そのため、通信機などの他の装置を用いることなく、車両と駐車場の位置関係を判定できる技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
【0006】
本開示の一形態によれば、制御装置(100,100b,100c)が提供される。この制御装置は、車両(500)の周辺環境から、前記車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標(I1)と、駐車車両(PV)と、前記車両の進行方向に前記駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識部(10)と、前記第1指標と、前記駐車車両と、前記物体と、が前記認識部によって認識された場合に、前記物体を駐車車両と推定する推定部(20)と、前記認識部によって認識された前記第1指標および前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両と、に基づいて前記周辺環境における駐車場の範囲を判定する第1判定部(40)と、を備える。
【0007】
この形態によれば、第1判定部は、認識部によって認識された第1指標および駐車車両と、推定部によって推定された駐車車両と、に基づいて、車両の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。そのため、通信機などの他の装置を用いることなく、車両と駐車場の位置関係を判定できる。
【0008】
本開示は、上述した制御装置としての形態以外にも、例えば、駐車場判定方法や、コンピュータプログラム、記録媒体、車両などの種々の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態における制御装置の概略構成を示す説明図。
【
図2】第1実施形態における第1指標を説明する図。
【
図3】車両の進行方向に駐車車両に連続して存在する物体を説明する図。
【
図4】制御装置が実行する駐車場範囲判定処理の工程図。
【
図5】第1実施形態における駐車場範囲判定処理を説明する図。
【
図9】第2実施形態における駐車場範囲判定処理を説明する図。
【
図10】第3実施形態における駐車場範囲判定処理を説明する図。
【
図11】第4実施形態における制御装置の概略構成を示す説明図。
【
図12】制御装置が実行する駆動力抑制処理の工程図。
【
図13】第5実施形態における制御装置の概略構成を示す説明図。
【
図14】制御装置が実行する駐車場内通知処理の工程図。
【
図15】他の実施形態における第1指標を説明する図。
【
図16】他の実施形態における第1指標を説明する図。
【
図17】他の実施形態における第2指標を説明する図。
【
図18】他の実施形態における第2指標を説明する図。
【
図19】他の実施形態において駐車車両と推定される物体を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態:
図1に示す制御装置100は、車両500に搭載されている。本実施形態では、制御装置100は、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。車両500は、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCEV)、電気自動車(BEV)、エンジン車のいずれであってもよい。制御装置100は、車両500に搭載されているカメラ201およびレーダ202と通信可能に接続されている。
【0011】
カメラ201は、車両500の前方の画像を撮像する。画像は、静止画でもよいし、動画でもよい。カメラ201は、撮像した画像を制御装置100に送信する。
【0012】
レーダ202は、車両500の前方に電波を射出して、車両500の前方に存在する物体によって反射された反射波を受信することで、車両500の前方に存在する物体との距離、角度、および相対速度などを検出する。レーダ202は、検出した距離や角度などを制御装置100に送信する。カメラ201およびレーダ202を、周辺情報検出装置とも呼ぶ。制御装置100は、周辺情報検出装置から情報を取得する。なお、車両500には、周辺情報検出装置として、ソナーやLiDAR(Light Detection And Ranging)が搭載されていてもよい。
【0013】
制御装置100は、CPU101と、記憶部102と、を備えるコンピュータによって構成されている。具体的には、制御装置100は、ECU(Electronic Control Unit)として構成されている。記憶部102は、ROMやRAM、ハードディスクドライブなどにより構成される。記憶部102には、制御装置100の動作を制御する各種プログラムが記憶されている。CPU101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することにより、認識部10と、推定部20と、第1取得部30と、第1判定部40と、として機能する。
【0014】
認識部10は、車両500の周辺環境から、車両500の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、を認識する。
【0015】
本実施形態では、第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に路面に描かれた線である。なお、路面に描かれた線を、レーンマーカとも呼ぶ。
図2には、車両500および第1指標I1を上方から俯瞰した状態が示されている。また、
図2では、車両500の進行方向が矢印で示されている。
図2に示す第1指標I1は直線であるが、第1指標I1は、点線でもよい。認識部10は、カメラ201によって撮像された画像から、第1指標I1を認識する。認識部10は、第1指標I1が撮像された画像を用いて予め学習された機械学習モデルを用いて、カメラ201によって撮像された画像に含まれる第1指標I1を認識する。機械学習モデルには、例えば、畳み込みニューラルネットワークがアルゴリズムとして用いられる。なお、認識部10は、パターンマッチングやエッジ検出などの手法を用いて、カメラ201によって撮像された画像に含まれる第1指標I1を認識してもよい。
【0016】
図3には、車両500と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体Oを、上方から俯瞰した状態が示されている。認識部10は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果から、駐車車両PVを認識する。認識部10は、第1指標I1と同様に、駐車車両PVが撮像された画像を用いて予め学習された機械学習モデルを用いて、カメラ201によって撮像された画像に含まれる駐車車両PVを認識する。
図3に示す位置に車両500と、駐車車両PVと、物体Oとが存在する場合、車両500の前方を撮像した画像では駐車車両PVによって物体Oの大部分が隠されるため、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像から物体Oを認識することはできない。これに対して、レーダ202は、
図3に示す位置に存在する物体Oによって反射された電波を受信することで、物体Oを検出する。すなわち、認識部10は、レーダ202の検出結果から、物体Oを認識する。
【0017】
推定部20は、第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、が認識部10によって認識された場合に、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体を駐車車両PVと推定する。
【0018】
第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数を取得する。
【0019】
第1判定部40は、認識部10によって認識された第1指標I1および駐車車両PVと、推定部20によって推定された駐車車両PVと、に基づいて周辺環境における駐車場の範囲を判定する。
【0020】
制御装置100は、車両500が予め定められた速度以下の速度で走行している場合に、
図4に示す駐車場範囲判定処理を、予め定められた周期で繰り返し実行する。以下では、
図4および
図5を参照して、駐車場範囲判定処理について説明する。
【0021】
ステップS10において、制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果から、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1および駐車車両PVを探索する。
【0022】
ステップS20において、制御装置100は、車両500の周辺環境に第1指標I1および駐車車両PVが存在するか否かを判定する。具体的には、制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像に、第1指標I1および駐車車両PVが含まれるか否かを判定する。カメラ201によって撮像された画像に駐車車両PVが含まれる場合、制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像から駐車車両PVが存在すると予測される位置に、物体が存在することがレーダ202によって検出されているか否かを判定する。駐車車両PVが存在すると予測される位置に物体が存在することがレーダ202によって検出されている場合、制御装置100は、車両500の周辺環境に駐車車両PVが存在すると判定する。車両500の周辺環境に第1指標I1および駐車車両PVが存在すると判定された場合、制御装置100は、ステップS30を実行する。車両500の周辺環境に第1指標I1または駐車車両PVが存在しないと判定された場合、制御装置100は、処理をステップS10に戻す。
【0023】
ステップS30において、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果を用いて、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1および駐車車両PVを認識する。例えば、
図5に示す位置に、車両500と、第1指標I1と、駐車車両PV1と、駐車車両PV2と、物体O1と、物体O2と、物体O3と、が存在する場合、ステップS30において、認識部10は、第1指標I1と、駐車車両PV1と、駐車車両PV2と、を認識する。
【0024】
ステップS40において、制御装置100は、レーダ202の検出結果から、車両500の進行方向に、ステップS30で認識された駐車車両PVに連続して存在する物体が存在するか否かを判定する。車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体が存在すると判定された場合、制御装置100は、ステップS50を実行する。車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体が存在しないと判定された場合、制御装置100は、処理をステップS10に戻す。
【0025】
ステップS50において、認識部10は、レーダ202の検出結果から、車両500の進行方向にステップS30で認識された駐車車両PVに連続して存在する物体を認識する。
図5に示す例では、認識部10は、車両500の進行方向に駐車車両PV1および駐車車両PV2に連続して存在する、物体O1および物体O2を認識する。ステップS30およびステップS50を、認識工程とも呼ぶ。
【0026】
ステップS60において、推定部20は、ステップS50で認識部10によって認識された物体を、駐車車両PVと推定する。
図5に示す例では、推定部20は、物体O1および物体O2を、駐車車両PVと推定する。ステップS60を、推定工程とも呼ぶ。
【0027】
ステップS70において、第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数を取得する。
図5に示す例では、第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVと推定部20によって推定された駐車車両PVの総数として、4を取得する。
【0028】
ステップS80において、制御装置100は、第1取得部30が取得した値が予め定められた値以上であるか否かを判定する。第1取得部30が取得した値が予め定められた値以上である場合、制御装置100は、ステップS90を実行する。第1取得部30が取得した値が予め定められた値以上でない場合、制御装置100は、処理をステップS10に戻す。
【0029】
ステップS90において、第1判定部40は、認識部10によって認識された第1指標I1および駐車車両PVと、推定部20によって推定された駐車車両PVと、に基づいて車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。第1判定部40は、
図5に示すように、第1指標I1である線の一端から他端までを、車両500の進行方向に沿う方向の駐車場の範囲R1と判定する。第1判定部40は、判定した駐車場の範囲を記憶部102に記憶させる。ステップS90を、駐車場範囲判定工程とも呼ぶ。以上で説明したようにして、駐車場範囲判定処理が実行される。
【0030】
以上で説明した第1実施形態における制御装置100によれば、第1判定部40は、認識部10によって認識された第1指標I1および駐車車両PVと、推定部20によって推定された駐車車両PVと、に基づいて、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。そのため、通信機などの他の装置を用いることなく、車両500と駐車場の位置関係を判定できる。
【0031】
また、本実施形態では、第1判定部40は、認識部10によって認識された駐車車両PVと推定部20によって推定された駐車車両PVの総数が予め定められた値以上である場合に、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。例えば、車両500が交差点に進入する場合、車両500の進行方向に交差する多車線の道路に、複数の車両が信号待ちの為に停車している場合がある。このとき、信号待ちの為に停車している車両は、駐車場に駐車している駐車車両PVと同様に連続して並んでいる。しかし、実際の駐車場では、交差点で停車している車両よりも多くの駐車車両PVが連続して並んでいる可能性が高い。そのため、駐車車両PVの総数に下限値を設定することで、車両500が交差点に進入する場合に第1判定部40が駐車場の範囲を判定することを抑制できる。
【0032】
B.第2実施形態:
第2実施形態における制御装置100の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、認識部10は、第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、に加えて、車両500の周辺環境から、車両500の進行方向に対して交差する方向に続く指標である第2指標I2を認識する。
【0033】
第2指標I2は、車両500の進行方向に対して交差する、駐車車両や、駐車枠、路面に描かれた線などである。
図6には、第2指標I2の例として、車両500の進行方向に対して交差する方向に連続してように並んでいる駐車車両IV1および駐車車両IV2が示されている。以下では、第2指標I2である駐車車両を、駐車車両IVとも呼ぶ。なお、第2指標I2は、車両500の進行方向に対して交差する方向に連続して並んでいる3台以上の駐車車両IVであってもよい。
【0034】
駐車枠は、1台の車両500が駐車するための駐車区画である。
図7には、第2指標I2の例として、車両500の進行方向に対して交差する方向に連続して並んでいる駐車枠IF1および駐車枠IF2が示されている。以下では、第2指標I2である駐車枠を、駐車枠IFとも呼ぶ。
図7に示す例では、駐車枠IFは、路面に描かれた長方形によって区画される駐車区画である。なお、駐車枠IFは、隣り合う2本の直線によって区画される駐車区画であってもよい。認識部10は、カメラ201によって撮像された画像から、駐車枠IFを認識する。認識部10は、第1指標I1と同様に、駐車枠IFが撮像された画像を用いて予め学習された機械学習モデルを用いて、カメラ201によって撮像された画像に含まれる駐車枠IFを認識する。なお、第2指標I2は、車両500の進行方向に対して交差する方向に連続して並んでいる3つ以上の駐車枠IFであってもよい。また、
図8には、第2指標I2の例として、車両500の進行方向に対して交差する、路面に描かれた線が示されている。
【0035】
以下では、
図4および
図9を用いて、第2実施形態における駐車場範囲判定処理について説明する。なお、第1実施形態における駐車場範囲判定処理と同じ処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0036】
図4のステップS10において、制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果から、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1と、駐車車両PVと、第2指標I2と、を探索する。
【0037】
ステップS20において、制御装置100は、車両500の周辺環境に第1指標I1と、駐車車両PVと、第2指標I2と、が存在するか否かを判定する。制御装置100は、第1実施形態における駐車場範囲判定処理のステップS20と同様にして、車両500の周辺環境に第1指標I1と駐車車両PVが存在するか否かを判定する。制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像に、第2指標I2が含まれるか否かを判定する。車両500の周辺環境に第1指標I1、駐車車両PV、および第2指標I2が存在すると判定された場合、制御装置100は、ステップS30を実行する。車両500の周辺環境に第1指標I1、駐車車両PV、第2指標I2のいずれかが存在しないと判定された場合、制御装置100は、処理をステップS10に戻す。
【0038】
ステップS30において、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果を用いて、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1、駐車車両PV、および第2指標I2を認識する。例えば、
図9に示す位置に、車両500と、第1指標I1と、駐車車両PV1と、駐車車両PV2と、物体O1と、第2指標I2が存在する場合、認識部10は、第1指標I1と、駐車車両PV1と、駐車車両PV2と、第2指標I2を認識する。
【0039】
図4のステップS90において、第1判定部40は、認識部10によって認識された第1指標I1、駐車車両PV、および第2指標I2と、推定部20によって推定された駐車車両PVと、に基づいて車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。第1判定部40は、
図9に示すように、第1指標I1が連続して続いている区間に第2指標I2が認識された場合、第1指標I1である線の、車両500に近い側の一端から、第2指標I2の位置までを、車両500の進行方向に沿う方向の駐車場の範囲R2と判定する。
【0040】
以上で説明した第2実施形態における制御装置100によれば、第1判定部40は、第1指標I1が連続して続いている区間に第2指標I2が認識された場合、第2指標I2の位置までを駐車場の範囲と判定する。第1指標I1が連続して続いている区間に第2指標I2が存在する場合、第1指標I1が連続して続いている区間のうち、第2指標I2よりも車両500に近い区間と、第2指標I2よりも車両500から遠い区間とでは、車両500の周辺環境が異なると予測される。そのため、駐車場の可能性が高いと予測される範囲のみを駐車場と判定できる。
【0041】
C.第3実施形態:
第3実施形態における制御装置100の構成は、第1実施形態と同じである。第3実施形態では、認識部10は、第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、に加えて、車両500の周辺環境から駐車枠を認識する。以下では、第2指標I2でない駐車枠を、駐車枠PFとも呼ぶ。また、第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVおよび駐車枠PFと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数を取得する。
【0042】
以下では、
図4および
図10を用いて、第3実施形態における駐車場範囲判定処理について説明する。なお、第1実施形態における駐車場範囲判定処理と同じ処理が実行される部分については、説明を省略する。
【0043】
図4のステップS10において、制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果から、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1と、駐車車両PVと、駐車枠PFと、を探索する。
【0044】
ステップS20において、制御装置100は、車両500の周辺環境に第1指標I1と、駐車車両PVと、駐車枠PFと、が存在するか否かを判定する。制御装置100は、第1実施形態における駐車場範囲判定処理のステップS20と同様にして、車両500の周辺環境に第1指標I1と駐車車両PVが存在するか否かを判定する。制御装置100は、カメラ201によって撮像された画像に、駐車枠PFが含まれるか否かを判定する。車両500の周辺環境に第1指標I1、駐車車両PV、および駐車枠PFが存在すると判定された場合、制御装置100は、ステップS30を実行する。車両500の周辺環境に第1指標I1、駐車車両PV、駐車枠PFのいずれかが存在しないと判定された場合、制御装置100は、処理をステップS10に戻す。
【0045】
ステップS30において、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果を用いて、車両500の周辺環境に存在する第1指標I1、駐車車両PV、および駐車枠PFを認識する。例えば、
図10に示す位置に、車両500と、第1指標I1と、駐車車両PVと、駐車枠PFと、物体O1と、物体O2が存在する場合、認識部10は、第1指標I1と、駐車車両PVと、駐車枠PFを認識する。
【0046】
図4のステップS70において、第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVおよび駐車枠PFと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数を取得する。
図10に示す例では、第1取得部30は、認識部10によって認識された駐車車両PVおよび駐車枠PFと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数として、4を取得する。
【0047】
以上で説明した第3実施形態における制御装置100によれば、第1判定部40は、認識部10によって認識された駐車車両PVおよび駐車枠PFと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数が、予め定められた値以上である場合に、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定する。認識部10によって認識された駐車車両PVおよび駐車枠PFと、推定部20によって推定された駐車車両PVの総数が少ない場合、車両500の周辺に駐車場が存在するのではなく、道路沿いに設けられた駐車位置が車両500の周辺に存在している可能性がある。そのため、駐車車両PVおよび駐車枠PFの総数に下限値を設定することで、車両500の周辺に駐車場が存在しないにも関わらず、第1判定部40が駐車場の範囲を判定することを抑制できる。
【0048】
D.第4実施形態:
第4実施形態では、制御装置100bは、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定し、車両500が駐車場内に存在する状態で、加速操作装置の操作量が予め定められた閾値を超えた場合に、車両500の駆動力を抑制する。
図11に示すように、制御装置100bは、車両500に搭載されている駆動装置211と、操舵装置212と、制動装置213と、走行状態センサ214とも通信可能に接続されている。また、CPU101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することにより、第2判定部50と、第2取得部60と、駆動力抑制部70と、としても機能する。第2実施形態における制御装置100bの構成のうち、その他の構成は、第1実施形態における制御装置100と同様である。
【0049】
駆動装置211は、車両500の駆動輪に伝達する駆動力を発生させる。駆動装置211は、例えば、電動機や、エンジンである。
【0050】
操舵装置212は、車両500の車輪に転舵力を付与する。操舵装置212は、例えば、電動パワーステアリング装置である。
【0051】
制動装置213は、車両500の車輪に制動力を付与する。制動装置213は、例えば、ブレーキである。
【0052】
走行状態センサ214は、車両500の走行状態に関する情報を検出するセンサである。走行状態センサ214は、例えば、車速センサ、アクセルセンサ、ブレーキセンサ、操舵角センサ、方向指示器スイッチなどである。走行状態センサ214は、例えば、車両500の車速、アクセル操作量、ブレーキ操作量、操舵角、方向指示器の操作状態などを検出する。走行状態センサ214は、検出した車両500の走行状態に関する情報を、制御装置100に送信する。
【0053】
第2判定部50は、第1判定部40が判定した駐車場の範囲と車両500の位置関係に基づいて、車両500が駐車場内に存在するか否かを判定する。第2判定部50は、例えば、車両500が、駐車場範囲判定処理のステップS90で判定された駐車場の範囲内に移動した場合に、車両500が駐車場内に存在すると判定する。第2判定部50は、記憶部102に記憶された駐車場の範囲と、車速センサによって取得された車速や操舵角センサによって取得された操舵角などを用いて演算される車両500の移動経路から、車両500が駐車場の範囲内に移動したか否かを判定する。
【0054】
第2取得部60は、加速操作装置の操作量を取得する。加速操作装置は、例えば、アクセルであり、加速操作装置の操作量は、例えば、アクセルの踏み込み量である。第2取得部60は、例えば、走行状態センサ214に含まれるアクセルセンサが検出したアクセルの踏み込み量を取得する。
【0055】
駆動力抑制部70は、車両500が駐車場内に存在すると判定され、かつ、加速操作装置の操作量が予め定められた閾値以上である場合に、車両500の駆動力を抑制する。
【0056】
制御装置100bは、車両500が予め定められた速度以下の速度で走行している場合に、
図12に示す駆動力抑制処理を、予め定められた周期で繰り返し実行する。まず、ステップS110において、
図4に示す駐車場範囲判定処理が実行される。
【0057】
ステップS120において、第2判定部50は、車両500が駐車場内に存在するか否かを判定する。車両500が駐車場内に存在すると判定された場合、制御装置100は、ステップS130を実行する。車両500が駐車場内に存在しないと判定された場合、制御装置100は、駆動力抑制処理を終了させる。
【0058】
ステップS130において、第2取得部60は、加速操作装置の操作量を取得する。
【0059】
ステップS140において、制御装置100bは、ステップS130で第2取得部60が取得した加速操作装置の操作量が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。制御装置100bは、例えば、アクセルセンサが検出したアクセルの踏み込み量が、予め定められた閾値以上であるか否かを判定する。加速操作装置の操作量が予め定められた閾値以上であると判定された場合、制御装置100bは、ステップS150を実行する。加速操作装置の操作量が予め定められた閾値を下回っていると判定された場合、制御装置100bは、駆動力抑制処理を終了させる。
【0060】
ステップS150において、駆動力抑制部70は、車両500の駆動力を抑制する。駆動力抑制部70は、車両500の加速度が予め定められた値以下となるように、駆動装置211の作動を制御する。
【0061】
ステップS160において、制御装置100bは、加速操作装置の操作量が予め定められた閾値を下回ったか否かを判定する。制御装置100bは、例えば、アクセルセンサが検出したアクセルの踏み込み量が、予め定められた閾値を下回ったか否かを判定する。加速操作装置の操作量が予め定められた閾値を下回ったと判定された場合、制御装置100bは、駆動力抑制処理を終了させる。加速操作装置の操作量が予め定められた閾値を下回っていないと判定された場合、制御装置100bは、処理をステップS150に戻す。以上で説明したようにして、駆動力抑制処理が実行される。
【0062】
以上で説明した第4実施形態における制御装置100によれば、駆動力抑制部70は、車両500が駐車場内に存在すると判定された状態で、加速操作装置の操作量が予め定められた閾値以上である場合に、車両500の駆動力を抑制する。したがって、車両500が駐車場内に存在する状態で、運転者がブレーキと間違えてアクセルを踏み込んだとしても、車両500が急加速することを抑制できる。
【0063】
E.第5実施形態:
第5実施形態では、制御装置100cは、車両500の周辺環境における駐車場の範囲を判定し、車両500が駐車場内に存在する場合に、車両500が駐車場内に存在することを車両500の搭乗者に通知する。
図13に示すように、CPU101は、記憶部102に記憶されたプログラムを実行することにより、第2判定部50と、通知部80と、としても機能する。第5実施形態における制御装置100cの構成のうち、その他の構成は、第1実施形態における制御装置100と同様である。
【0064】
通知部80は、第2判定部50によって車両500が駐車場内に存在すると判定された場合に、車両500が駐車場内に存在することを車両500の搭乗者に通知する。
【0065】
制御装置100cは、車両500が予め定められた速度以下の速度で走行している場合に、
図14に示す駐車場内通知処理を、予め定められた周期で繰り返し実行する。なお、
図12に示す駆動力抑制処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0066】
ステップS210において、通知部80は、車両500が駐車場内に存在することを車両500の搭乗者に通知する。通知部80は、例えば、車両500のインストルメントパネルのライトを点灯させる。なお、通知部80は、インストルメントパネルに車両500が駐車場内に存在する旨のメッセージを表示してもよいし、車内に警告音を出力してもよい。
【0067】
以上で説明した第5実施形態における制御装置100によれば、第2判定部50によって車両500が駐車場内に存在すると判定された場合に、通知部80が、車両500が駐車場内に存在することを車両500の搭乗者に通知する。そのため、車両500の搭乗者が、車両500が駐車場内に存在することを認識できる。
【0068】
F.他の実施形態:
(F-1)上記実施形態では、第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に路面に描かれた線である。これに対して、第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車車両であってもよい。以下では、第2指標I2である駐車車両に限らず、第1指標I1である駐車車両についても、駐車車両IVと呼ぶ。また、第1指標I1または第2指標I2でない駐車車両を、駐車車両PVと呼ぶ。
図15には、第1指標I1である、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車車両IVが示されている。認識部10は、車両500の進行方向に沿う方向に、予め定められた数以上の駐車車両IVが連続して並んでいる場合に、連続して並んでいる駐車車両IVを第1指標I1として認識する。なお、
図15に示す位置に車両500と駐車車両IVが存在する場合、車両500から遠い駐車車両IVの正面部分がカメラ201によって撮像された画像に含まれるため、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像から
図15に示す4台の駐車車両IVを認識できる。
【0069】
第1指標I1が車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車車両IVである場合、
図4に示す駐車場範囲判定処理のステップS10において、認識部10は、車両500の進行方向の片側に存在する第1指標I1と、車両500の進行方向のもう一方の片側に存在する駐車車両PVを探索する。例えば、認識部10は、車両500の前方左側に存在する第1指標I1と、車両500の前方右側に存在する駐車車両PVを探索する。もしくは、認識部10は、車両500の前方右側に存在する第1指標I1と、車両500の前方左側に存在する駐車車両PVを探索する。
【0070】
(F-2)上記実施形態では、第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に路面に描かれた線である。これに対して、第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車枠であってもよい。以下では、第2指標I2である駐車枠に限らず、第1指標I1である駐車枠についても、駐車枠IFと呼ぶ。また、第1指標I1または第2指標I2でない駐車枠を、駐車枠PFと呼ぶ。
図16には、第1指標I1である、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車枠IFが示されている。認識部10は、車両500の進行方向に沿う方向に、予め定められた数以上の駐車枠IFが連続して並んでいる場合に、連続して並んでいる駐車枠IFを第1指標I1として認識する。
【0071】
第1指標I1が車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車枠IFである場合、
図4に示す駐車場範囲判定処理のステップS10において、認識部10は、車両500の進行方向の片側に存在する第1指標I1と、車両500の進行方向のもう一方の片側に存在する駐車車両PVを探索する。例えば、認識部10は、車両500の前方左側に存在する第1指標I1と、車両500の前方右側に存在する駐車車両PVを探索する。もしくは、認識部10は、車両500の前方右側に存在する第1指標I1と、車両500の前方左側に存在する駐車車両PVを探索する。
【0072】
(F-3)上記実施形態では、第2指標I2は、車両500の進行方向に対して交差する方向に続く指標である。これに対して、第2指標I2は、車両500の進行方向に対して交差する指標であってもよい。第2指標I2は、例えば、
図17に示すように、車両500の進行方向に対して交差する1台の駐車車両IVであってもよい。また、第2指標I2は、
図18に示すように、車両500の進行方向に対して交差する1つの駐車枠IFであってもよい。
【0073】
(F-4)上記実施形態では、推定部20は、第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、が認識部10によって認識された場合に、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体を駐車車両IVと推定する。これに対して、推定部20は、第1指標I1と、駐車車両PVと、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体と、が認識部10によって認識された場合に、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体のうち、第1指標I1が連続して続いている区間に存在する物体を、駐車車両IVと推定してもよい。言い換えれば、推定部20は、車両500の進行方向に駐車車両PVに連続して存在する物体のうち、第1指標I1が連続して続いている区間よりも車両500から離れた位置に存在する物体を、駐車車両IVと推定しなくてもよい。例えば、
図19に示す位置に、車両500と、第1指標I1と、駐車車両PV1と、駐車車両PV2と、物体O1と、物体O2と、物体O3と、が存在する場合、推定部20は、物体O2および物体O3を駐車車両IVと推定し、物体O1を駐車車両IVと推定しない。
【0074】
(F-5)第1指標I1は、車両500の進行方向に沿う方向に路面に描かれた線や、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車車両IV、車両500の進行方向に沿う方向に連続している駐車枠IFに限らず、車両500の進行方向に沿う方向に連続している縁石や壁などでもよい。
【0075】
(F-6)上記実施形態では、カメラ201は、車両500の前方の画像を撮像する。これに対して、カメラ201は、車両500の前方だけでなく、車両500の側方または後方の画像を撮像してもよい。すなわち、カメラ201は、車両500の周辺の画像を撮像してもよい。
【0076】
(F-7)上記実施形態では、レーダ202は、車両500の前方に存在する物体との距離、角度、および相対速度などを検出する。これに対して、レーダ202は、車両500の側方または後方に存在する物体との距離、角度、および相対速度などを検出してもよい。すなわち、レーダ202は、車両500の周辺に存在する物体との距離、角度、および相対速度などを検出してもよい。
【0077】
(F-8)上記実施形態では、制御装置100は、第1取得部30を備える。これに対して、制御装置100は、第1取得部30を備えなくてもよい。この場合、
図4に示す駐車場範囲判定処理において、ステップS70およびステップS80は実行されなくてもよい。
【0078】
(F-9)上記実施形態において、認識部10は、カメラ201によって撮像された画像およびレーダ202の検出結果から、車両500の周辺に存在する信号機や横断歩道を認識してもよい。制御装置100は、駐車場範囲判定処理が実行されている期間に、認識部10が信号機や横断歩道を認識した場合、駐車場範囲判定処理を終了させてもよい。
【0079】
(F-10)本開示に記載の制御装置100及びそれら手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御装置100及びそれら手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御装置100及びそれら手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリーと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0080】
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0081】
他の形態:
本開示の特徴を以下の通り示す。
<形態1>
制御装置(100,100b,100c)であって、
車両(500)の周辺環境から、前記車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標(I1)と、駐車車両(PV)と、前記車両の進行方向に前記駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識部(10)と、
前記第1指標と、前記駐車車両と、前記物体と、が前記認識部によって認識された場合に、前記物体を駐車車両と推定する推定部(20)と、
前記認識部によって認識された前記第1指標および前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両と、に基づいて前記周辺環境における駐車場の範囲を判定する第1判定部(40)と、を備える、
制御装置。
<形態2>
形態1に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から、前記車両の進行方向に対して交差する方向に続く指標である第2指標(I2)を認識し、
前記第1指標が連続して続いている区間に前記第2指標が前記認識部によって認識された場合に、前記第1判定部は、前記第2指標の位置までを前記駐車場の範囲と判定する、
制御装置。
<形態3>
形態1に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から、前記車両の進行方向に対して交差する指標である第2指標を認識し、
前記第1指標が連続して続いている区間に前記第2指標が前記認識部によって認識された場合に、前記第1判定部は、前記第2指標の位置までを前記駐車場の範囲と判定する、
制御装置。
<形態4>
形態1または形態2に記載の制御装置であって、
前記認識部によって認識された前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両の総数を取得する第1取得部(30)を備え、
前記第1判定部は、前記第1取得部が取得した値が予め定められた値以上である場合に、前記駐車場の範囲を判定する、
制御装置。
<形態5>
形態1または形態2に記載の制御装置であって、
前記認識部は、前記周辺環境から駐車枠(PF)を認識し、
前記認識部によって認識された前記駐車車両および前記駐車枠と、前記推定部によって推定された前記駐車車両の総数を取得する第1取得部を備え、
前記第1判定部は、前記第1取得部が取得した値が予め定められた値以上である場合に、前記駐車場の範囲を判定する、
制御装置。
<形態6>
形態1から形態4のいずれか1つに記載の制御装置であって、
前記第1判定部が判定した前記駐車場の範囲と前記車両の位置関係に基づいて、前記車両が前記駐車場内に存在するか否かを判定する第2判定部(50)と、
加速操作装置の操作量を取得する第2取得部(60)と、
前記車両が前記駐車場内に存在すると判定され、かつ、前記加速操作装置の操作量が予め定められた閾値以上である場合に、前記車両の駆動力を抑制する駆動力抑制部(70)と、を備える、
制御装置。
<形態7>
形態1から形態4のいずれか1つに記載の制御装置であって、
前記第1判定部が判定した前記駐車場の範囲と前記車両の位置関係に基づいて、前記車両が前記駐車場内に存在するか否かを判定する第2判定部と、
前記車両が前記駐車場内に存在すると判定された場合に、前記車両が前記駐車場内に存在することを前記車両の搭乗者に通知する通知部(80)と、を備える、
制御装置。
<形態8>
駐車場判定方法であって、
車両の周辺環境から、前記車両の進行方向に沿う方向に続く指標である第1指標と、駐車車両と、前記車両の進行方向に前記駐車車両に連続して存在する物体と、を認識する認識工程と、
前記第1指標と、前記駐車車両と、前記物体と、が前記認識部によって認識された場合に、前記物体を駐車車両と推定する推定工程と、
前記認識部によって認識された前記第1指標および前記駐車車両と、前記推定部によって推定された前記駐車車両と、に基づいて前記周辺環境における駐車場の範囲を判定する駐車場範囲判定工程と、を備える、
駐車場判定方法。
【符号の説明】
【0082】
10…認識部、20…推定部、30…第1取得部、40…第1判定部、50…第2判定部、60…第2取得部、70…駆動力抑制部、80…通知部、100,100b,100c…制御装置、101…CPU、102…記憶部、201…カメラ、202…レーダ、211…駆動装置、212…操舵装置、213…制動装置、214…走行状態センサ、500…車両、I1…第1指標、I2…第2指標、IF,IF1,IF2…駐車枠、IV,IV1,IV2…駐車車両、O,O1,O2,O3…物体、PF…駐車枠、PV,PV1,PV2…駐車車両