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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017516
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】排気パイプ
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20250130BHJP
   F01N 13/10 20100101ALI20250130BHJP
【FI】
F01N13/08 F
F01N13/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120595
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】521537852
【氏名又は名称】ダイムラー トラック エージー
(74)【代理人】
【識別番号】110003937
【氏名又は名称】弁理士法人前川知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】小坂 秀信
【テーマコード(参考)】
3G004
【Fターム(参考)】
3G004AA01
3G004DA21
3G004EA03
(57)【要約】
【課題】フレキシブルチューブを既定のサイズに簡単に設定することができる排気パイプを提供する。
【解決手段】車両に備えられる内燃機関の排ガスを排出する、フレキシブルチューブを備えた排気パイプであって、フレキシブルチューブの両端からそのフレキシブルチューブの半径方向外側へ延出し、当該半径方向外側の端部に切欠部を備える、一対のブラケットを備え、切欠部のそれぞれに係合させつつ、一対のブラケットのそれぞれを挟持し、一対のブラケットを連接することで、フレキシブルチューブの両端部の動きを抑制する治具が、一対のブラケットに取り付け可能である。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられる内燃機関の排ガスを排出する、フレキシブルチューブを備えた排気パイプであって、
前記フレキシブルチューブの両端から前記フレキシブルチューブの半径方向外側へ延出し、当該半径方向外側の端部に切欠部を備える、一対のブラケットを備え、
前記切欠部のそれぞれに係合させつつ、前記一対のブラケットのそれぞれを挟持し、前記一対のブラケットを連接することで、前記フレキシブルチューブの両端部の動きを抑制する治具が、前記一対のブラケットに取り付け可能である、排気パイプ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気パイプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジン車両、特に、トラック等の商用車は、エンジン、及び排気浄化装置を備え、これらは、フレキシブルチューブを備える排気パイプで接続される。フレキシブルチューブは、柔軟性を有する管であって、エンジンと、排気浄化装置との相対的な動きを吸収する。下記特許文献1では、フレキシブルチューブを備えた排気システムの一例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-193597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、フレキシブルチューブは、蛇腹状であって柔軟性を有することから、車両製造時や整備時にフレキシブルチューブを既定の長さや形状で車両に取り付けるには、定規等で長さを測りながらの調整等が必要とされる。
【0005】
このように、排気パイプのフレキシブルチューブを車両に取り付ける際には、余計な手間が生じ、結果的に、取り付け作業に多くの時間を要する。例えば、フレキシブルチューブの取り付けに不慣れな者は、取り付け作業により多くの時間を要する。
【0006】
本発明は上記実情を鑑みてされたものであり、フレキシブルチューブを既定のサイズに簡単に設定することができる排気パイプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様、又は適用例として実現することができる。
【0008】
本適用例に係る排気パイプは、車両に備えられる内燃機関の排ガスを排出する、フレキシブルチューブを備えた排気パイプであって、前記フレキシブルチューブの両端から前記フレキシブルチューブの半径方向外側へ延出し、当該半径方向外側の端部に切欠部を備える、一対のブラケットを備え、前記切欠部のそれぞれに係合させつつ、前記一対のブラケットのそれぞれを挟持し、前記一対のブラケットを連接することで、前記フレキシブルチューブの両端部の動きを抑制する治具が、前記一対のブラケットに取り付け可能である。
【0009】
本適用例によれば、治具が一対のブラケットに取り付けられると、一対のブラケットの相対的な位置が固定され、それに合わせて、フレキシブルチューブの両端部の相対的な位置も固定される。これにより、フレキシブルチューブを既定のサイズに簡単に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】車両の構成を示す概略図である。
図2】排気パイプの構成を示す概略断面図である。
図3】排気パイプの構成を示す概略斜視図である。
図4】治具の構成を示す概略斜視図である。
図5】一対のブラケットに治具を取り付けた様子を示す概略断面図である。
図6】一対のブラケットに治具を取り付けた様子を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.車両の構成
初めに、図1を参照して、車両10の具体的な構成について説明する。図1は、車両10の構成を示す概略図である。
【0012】
なお、以下の記載において、車両10の車長方向をX方向、又は前後方向と記載することがある。また、以下の記載において、車両10の車高方向をZ方向、上下方向、又は鉛直方向と記載することがある。さらに、以下の記載において、車両10の車幅方向をY方向、又は左右方向と記載することがある。
【0013】
また、以下の記載において、水平面をXY平面として記載することがある。また、以下の記載において、車両10の車長方向、及び車高方向を含む平面をXZ平面として記載することがある。さらに、以下の記載において、車両10の車幅方向、及び車高方向を含む平面をYZ平面として記載することがある。
【0014】
また、以下の記載において、排気の流れに沿って上流、及び下流を記載する。
【0015】
車両10は、車体フレーム20、エンジン30、車輪40、排気後処理装置(ATS:After Treatment System)50、及び排気パイプ60等を備える。
【0016】
車体フレーム20は、ラダー型の車体フレームであって、左サイドレール22、右サイドレール24、及び複数のクロスメンバ26を含む。左サイドレール22、及び右サイドレール24は、車両10の車長方向に延在し、互いに車幅方向に対して平行に配置される。複数のクロスメンバ26は、それぞれ車幅方向に延在し、左サイドレール22と、右サイドレール24とを連結する。
【0017】
車体フレーム20には、車両10の各種コンポーネントが支持される。車体フレーム20には、例えば、エンジン30、排気後処理装置(ATS:After Treatment System)50、及び排気パイプ60等が支持される。
【0018】
車両10は、エンジン式の車両であって、駆動系の構成として、駆動源である内燃機関のエンジン30に加え、そのエンジン30の駆動力を車輪40に伝達するトランスミッション32、プロペラシャフト34、及びディファレンシャル36等を備える。
【0019】
エンジン30は、車両10の走行用動力源としてのディーゼルエンジンであり、そのエンジン30で発生した駆動力は、トランスミッション32、プロペラシャフト34、及びディファレンシャル36等を介し、車軸42に伝えられ、車輪40を駆動させる。
【0020】
車輪40は、左右一対の前輪が操舵輪、左右一対の後輪が駆動輪である。車輪40は、アクスルを介して車体フレーム20に懸架され、車両10の重量を支持する。
【0021】
ATS50は、エンジン30から排出される排気を浄化する。ATS50は、排気通路を構成する排気パイプ60を介して、エンジン30と接続される。そのため、ATS50には、排気パイプ60を介してエンジン30からの排気が供給される。
【0022】
ATS50は、図示しないディーゼル微粒子捕集フィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)、及びSCR触媒(選択触媒還元:Selective Catalytic Reduction:)を含む。
【0023】
ATS50は、DPFにより排ガス中の炭素等からなるパティキュレートマター(PM)を捕集すると共に、SCR触媒排ガスに含まれるNOxを無害なNに還元することによって、エンジン30から供給される排ガスを浄化する。ATS50で浄化された排ガスは、そのATS50から排出される。
【0024】
排気パイプ60は、エンジン30の排気をATS50に排出するための流路である。そのため、排気パイプ60のうちエンジン30側が上流であり、ATS側が下流である。
【0025】
排気パイプ60は、一方の端部がエンジン30と接続され、他方の端部がATS50と接続される。具体的に、排気パイプ60は、上流側端部がエンジン30と接続され、下流側端部がATS50と接続される。
【0026】
また、排気パイプ60の両端部のそれぞれは、接続先に対して着脱可能である。例えば、エンジン30のメンテナンス等により、そのエンジン30が一時的に車両10から取り外される場合、排気パイプ60の上流側端部と、エンジン30との接続が解除される。
【0027】
2.排気パイプの構成
次に、図2、及び図3を参照して、排気パイプ60の具体的な構成について説明する。図2は、排気パイプ60の構成を示す概略断面図である。図3は、排気パイプ60の構成を示す概略斜視図である。
【0028】
排気パイプ60は、上流側パイプ62、フレキシブルチューブ64、及び下流側パイプ66を備える。上流側パイプ62は、フレキシブルチューブ64よりも上流側に位置するパイプであって、上流側端部は、エンジン30と接続され、下流側端部は、フレキシブルチューブ64の上流側端部と連結される。
【0029】
フレキシブルチューブ64は、蛇腹状に形成されるパイプであって、柔軟性を有する。フレキシブルチューブ64は、その両端部(上流側端部、及び下流側端部)が相対的に動作することで、そのフレキシブルチューブ64自体が変形する。フレキシブルチューブ64の変形には、軸線方向に対する曲がり、伸縮、及び捻じれ等が含まれる。
【0030】
また、フレキシブルチューブ64は、フレキシブルチューブ64自体の変形に対する復元力を有する。そのため、フレキシブルチューブ64は、そのフレキシブルチューブ64自体の変形を吸収する。つまりフレキシブルチューブ64は弾性体とも言える。
【0031】
下流側パイプ66は、フレキシブルチューブ64よりも下流側に位置するパイプであって、上流側端部は、フレキシブルチューブ64の下流側端部と連結され、下流側端部は、ATS50と接続される。
【0032】
また、排気パイプ60は、一対のブラケット70u、70dを備える。一対のブラケット70u、70dは、それぞれフレキシブルチューブ64の両端に設けられる。具体的に、一方のブラケット70uは、フレキシブルチューブ64の上流側端部に設けられ、他方のブラケット70dは、フレキシブルチューブ64の下流側端部に設けられる。
【0033】
また、一対のブラケット70u、70dは、フレキシブルチューブ64の両端からフレキシブルチューブ64の半径方向外側へ延出する。
【0034】
一方のブラケット70uは、具体的に、周方向に延びる環状部72uと、環状部72uの外周面の一部分から、そのフレキシブルチューブ64の半径方向外側に延出する板状の延出部74uとを有し、これらは、一体的に形成される。
【0035】
また、一方のブラケット70uの延出部74uは、板状であって、その先端部には、切欠部76uが形成される。切欠部76uは、延出部74uにおいて、排気の流れ方向に対して一周方向に向けて開口したU字状の切欠形状をなしている。
【0036】
他方のブラケット70dは、具体的に、周方向に延びる環状部72dと、環状部72uの外周面の一部分から、そのフレキシブルチューブ64の半径方向外側に延出する板状の延出部74dとを有し、これらは、一体的に形成される。
【0037】
また、他方のブラケット70dの延出部74dは、板状であって、その先端部には、切欠部76dが形成される。切欠部76dは、延出部74dにおいて、排気の流れ方向に対して一周方向に向けて開口したU字状の切欠形状をなしている。
【0038】
本実施形態では、一方の切欠部76uと他方の切欠部76dは同じ切欠形状をなしている。
【0039】
これらのことから、一方のブラケット70uは、フレキシブルチューブ64の上流側端部と同様に動き、他方のブラケット70dは、フレキシブルチューブ64の下流側端部と同様に動く。また、言い換えると、一対のブラケット70u、70dの動きを抑制すれば、フレキシブルチューブ64の両端部の動きも抑制される。
【0040】
3.治具の構成
図4は、治具80の構成を示す概略斜視図である。排気パイプ60の一対のブラケット70u、70dには、必要に応じて治具80が取り付けられる。次に、治具80の具体的な構成について、図4を参照して説明する。
【0041】
治具80は、一対のブラケット70u、70dの動きを抑制することで、フレキシブルチューブ64の両端部の動きを抑制する。治具80は、ロッド部82、第1挟持部84、及び第2挟持部86を備える。ロッド部82は、直線状の棒部材である。
【0042】
第1挟持部84は、ロッド部82の軸線上に設けられ、一方のブラケット70uを挟持する。第1挟持部84は、一対の第1係合部84o、84iを含み、一方の第1係合部84oは、他方の第1係合部84iよりもロッド部82の外側に設けられる。つまり、他方の第1係合部84iは、一方の第1係合部84oよりもロッド部82の内側(中心側)に設けられる。
【0043】
また、一対の第1係合部84o、84iに関し、相対的な距離は変更可能である。具体的に、ロッド部82には、ネジが切られており雄ネジとしての機能を有し、一方の第1係合部84oは、ナットであり雌ネジとしての機能を有する。そのため、一方の第1係合部84oは、周方向に回転させることでロッド部82の軸線上において移動可能である。他方の第1係合部84iは、円環状をなし、ロッド部82の所定位置に、例えば溶接等により固定されている。一対の第1係合部84o、84iは、それぞれ切欠部76dよりも外形が大きい。
【0044】
第2挟持部86は、ロッド部82の軸線上に設けられ、他方のブラケット70dを挟持する。第2挟持部86は、一対の第2係合部86o、86iを含み、一方の第2係合部86oは、他方の第2係合部86iよりもロッド部82の外側に設けられる。つまり、他方の第2係合部86iは、一方の第2係合部86oよりもロッド部82の内側(中心側)に設けられる。
【0045】
また、一対の第2係合部86o、86iに関し、相対的な距離は変更可能である。具体的に、ロッド部82には、ネジが切られており雄ネジとしての機能を有し、一方の第2係合部86oは、ナットであり雌ネジとしての機能を有する。そのため、一方の第2係合部86oは、周方向に回転させることでロッド部82の軸線上において移動可能である。他方の第2係合部86iは、円環状をなし、ロッド部82の所定位置に、例えば溶接等により固定されている。一対の第2係合部86o、86iは、それぞれ切欠部76dよりも外形が大きい。
【0046】
なお、第1挟持部84、及び第2挟持部86は、ロッド部82の軸線上において、互いに異なる位置に設けられる。それぞれがロッド部82の内側に位置している第1係合部84i及び第2係合部86iの固定位置は、取付時のフレキシブルチューブ64の長さに対応している。
【0047】
4.治具の取り付け
次に、図5、及び図6を参照して、治具80の一対のブラケット70u、70dに対する取付方法を説明する。図5は、一対のブラケット70u、70dに治具80を取り付けた様子を示す概略断面図である。図6は、一対のブラケット70u、70dに治具80を取り付けた様子を示す概略斜視図である。
【0048】
フレキシブルチューブ64を上流側パイプ62と下流側パイプ66との間に取り付ける際には、治具80を一対のブラケット70u、70dに取り付ける。この治具80が一対のブラケット70u、70dに取り付けられる際、配置工程、挟持工程の順に各種工程が実施される。
【0049】
また、治具80が一対のブラケット70u、70dに取り付けられる際、一対の第2係合部86o、86i間の距離は、予め一方のブラケット70uの厚みよりも大きく設定され、一対の第2係合部86o、86i間の距離は、予め他方のブラケット70dの厚みよりも大きく設定される。
【0050】
配置工程は、治具80を一対のブラケット70u、70dに配置する工程である。詳しくは、配置工程では、ロッド部82を一対の切欠部76u、76dに挿通させる。このとき、ロッド部82に固定されている内側の第1係合部84i、及び第2係合部86iがそれぞれ対応するブラケット70u、70dの延出部74u、74uに接触するように、ロッド部82を配置する。このような配置工程が実施されると、治具80は、切欠部76u、76dを介して、一対のブラケット70u、70dに配置される。
【0051】
また、治具80が一対のブラケット70u、70dに配置された状態では、ロッド部82は、切欠部76u、及び切欠部76dの両方に挿通される。
【0052】
さらに、この状態では、他方の第1係合部84i、及び他方の第2係合部86iは、一対のブラケット70u、70dより内側(中央側)にそれぞれ位置する。
【0053】
さらにまた、この状態では、切欠部76u、及び切欠部76dは、ロッド部82の周面に係止され、一対のブラケット70u、70dの回転は、防止される。そのため、フレキシブルチューブ64の両端部は、ロッド部82の軸線と平行な軸線上に存在し、そのフレキシブルチューブ64は、撓むことなく直線状とされる。
【0054】
挟持工程は、第1挟持部84で一方のブラケット70uを挟持し、第2挟持部86で他方のブラケット70dを挟持する工程である。
【0055】
挟持工程が実施されると、一方の第1係合部84oが、ロッド部82の内側(中心側)に移動することで、一対の第1係合部84o、84iが近接し、図5、及び図6に示すように、一対の第1係合部84o、84iは、切欠部76uと係合しつつ、一方のブラケット70uを挟持する。
【0056】
また、挟持工程が実施されると、一方の第2係合部86oが、ロッド部82の内側(中心側)に移動することで、一対の第2係合部86o、86iが近接し、図5、及び図6に示すように、一対の第2係合部86o、86iは、切欠部76dと係合しつつ、他方のブラケット70dを挟持する。
【0057】
さらに、第1挟持部84で一方のブラケット70uが挟持され、かつ、第2挟持部86で他方のブラケット70dが挟持された状態では、一対のブラケット70u、70dは、治具80のロッド部82により連接される。
【0058】
また、この状態では、一対のブラケット70u、70dの相対的な位置が固定され、それに併せて、フレキシブルチューブ64の両端部の相対的な位置も固定される。そのため、この状態では、フレキシブルチューブ64は、直線状に保持され、そのフレキシブルチューブ64の軸線方向の長さは、他方の第1係合部84iと、他方の第2係合部86iとの間の距離と同様に保持される。
【0059】
このような、排気パイプ60によれば、治具80を一対のブラケット70u、70dを取り付けるだけで、一対のブラケット70u、70dの相対的な位置が固定され、それに合わせて、フレキシブルチューブ64の両端部の相対的な位置も固定される。
【0060】
具体的に、このような、排気パイプ60によれば、フレキシブルチューブ64を直線状に保ちつつ、そのフレキシブルチューブ64軸線方向の長さを、他方の第1係合部84iと、他方の第2係合部86iとの間の距離と同様に設定することができる。
【0061】
つまり、このような、排気パイプ60によれば、治具80を一対のブラケット70u、70dを取り付けるだけで、フレキシブルチューブ64を既定のサイズに簡単に設定することができる。
【0062】
なお、本実施形態で示した具体的な構成は、一例であり、本発明の態様は、本実施形態に示した構成に限定されるものではない。
【0063】
例えば、第1挟持部84は、一方のブラケット70uを係合しつつ、挟持することが可能であれば、形状は特に限定されない。また、第2挟持部86は、他方のブラケット70dを係合しつつ、挟持することが可能であれば、形状は特に限定されない。
【0064】
また、例えば、ロッド部82は、一対のブラケット70u、70dに対して配置することができ、第1挟持部84で、一方のブラケット70uを挟持し、第2挟持部86で、他方のブラケット70dを挟持することが可能であれば、そのロッド部82の形状は直線状に限定されない。
【0065】
さらに、例えば、一対のブラケット70u、70dに関して、切欠部76u、及び切欠部76dの代わりに貫通孔が設けられてもよい。
【0066】
また、例えば、一方の第1係合部84oの代わりに、他方の第1係合部84iがロッド部82の軸線上において、移動可能であってもよいし、その両方がロッド部82の軸線上において、移動可能であってもよい。
【0067】
さらに、例えば、一方の第2係合部86oの代わりに、他方の第2係合部86iがロッド部82の軸線上において、移動可能であってもよいし、その両方がロッド部82の軸線上において、移動可能であってもよい。
【0068】
また、例えば、各種係合部をロッド部82の軸線上において移動させる移動機構は、特に限定されない。
【0069】
さらに、例えば、各種係合部は、ロッド部82に対して着脱可能であってもよい。また、このとき、各種係合部をロッド部82に対して着脱可能とする着脱機構は、特に限定されない。
【0070】
また、これらのことから、排気パイプ60は、フレキシブルチューブ64を既定サイズに設定するサイズ設定構造を備え、そのサイズ設定構造は、一対のブラケット70u、70dと、治具80とを備えるとも言える。
【0071】
また、一方のブラケット70uは、延出部74uのみを備え、環状部72uを備えなくても良い。この場合、延出部74uは、フレキシブルチューブ64の上流側端部の外周面の一部分から、そのフレキシブルチューブ64の半径方向外側に延出する。また、この場合であっても、治具80を一方のブラケット70uに取り付けることができる。
【0072】
同じように、他方のブラケット70dは、延出部74dのみを備え、環状部72dを備えなくても良い。この場合、延出部74dは、フレキシブルチューブ64の下流側端部の外周面の一部分から、そのフレキシブルチューブ64の半径方向外側に延出する。また、この場合であっても、治具80を他方のブラケット70dに取り付けることができる。
【0073】
また、一方のブラケット70uは、上流側パイプ62の下流側、具体的には、下流側端部に設けられてもよい。さらに、他方のブラケット70dは、下流側パイプ66の上流側、具体的には、上流側端部に設けられてもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 車両
30 エンジン
60 排気パイプ
64 フレキシブルチューブ
70u ブラケット
70d ブラケット
72u 環状部
72d 環状部
74u 延出部
74d 延出部
76u 切欠部
76d 切欠部
80 治具
82 ロッド部
84 第1挟持部
84o 第1係合部
84i 第1係合部
86 第2挟持部
86o 第2係合部
86i 第2係合部

図1
図2
図3
図4
図5
図6