(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017541
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】炭化装置
(51)【国際特許分類】
C10B 49/04 20060101AFI20250130BHJP
【FI】
C10B49/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120638
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】391055195
【氏名又は名称】関西産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092727
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 忠昭
(74)【代理人】
【識別番号】100146891
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 ひろ美
(72)【発明者】
【氏名】児島 輝明
(72)【発明者】
【氏名】今谷 浩昭
(72)【発明者】
【氏名】轟 晃成
(57)【要約】
【課題】高さ寸法を抑えた炭化装置を提供する。
【解決手段】炭化装置は、外筒4と、外筒4の内部へ垂下する排気筒5と、排気筒5よりも下方に位置する中空筒状の仕切壁6と、を備え、外筒4と排気筒5の間には環状空間S1が規定され、仕切壁6と外筒4の間には炭化室S2が規定されている。外筒4の周壁41には原料流入孔43が設けられ、原料流入孔43は、原料流入孔43の形成位置における周壁41の内周面の接線方向に開口する。原料流入孔43から環状空間S1へ導入された原料を含む気流は、周壁41の内周面の接線方向に流入して旋回流となり、当該旋回流に含まれる原料は遠心力により炭化室S2へ落下する。炭化処理により発生した可燃ガスを燃焼するための燃焼室S4が仕切壁6の内側に設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁を有する外筒と、
前記外筒の内部へ垂下する排気筒と、
前記排気筒よりも下方に位置する中空筒状の仕切壁と、を備え、
前記外筒と前記排気筒の間には環状空間が規定され、
前記仕切壁と前記外筒の間には、原料を炭化処理して炭化物とするための炭化室が規定され、
前記外筒の前記周壁には、原料と空気との混合流を前記環状空間へ導入させるための原料流入孔が設けられ、
前記原料流入孔は、前記原料流入孔の形成位置における前記周壁の内周面の接線方向に開口し、
前記原料流入孔から前記環状空間へ導入された前記混合流は、前記周壁の前記内周面の接線方向に流入して混合旋回流となり、前記混合旋回流に含まれる原料は遠心力により前記炭化室へ落下し、
前記炭化処理により発生した可燃ガスを燃焼するための燃焼室が前記仕切壁の内側に設けられている炭化装置。
【請求項2】
前記外筒の下方に設けられた排出部を更に備え、
前記炭化物は前記排出部へ排出され、
前記炭化室と前記燃焼室とは、前記排出部を介して相互に連通している請求項1に記載の炭化装置。
【請求項3】
前記炭化室と前記排出部の間に設けられた火格子を更に備え、
前記炭化物は前記火格子を介して前記排出部へ排出される請求項2に記載の炭化装置。
【請求項4】
前記仕切壁は内管と外管からなる中空二重管構造を有し、
前記内管と前記外管の間には隙間が規定され、
前記外管には、複数個の1次空気供給孔が設けられ、
前記隙間へ供給された1次空気は、前記複数個の1次空気供給孔を介して前記炭化室へ流入する請求項1~3の何れかに記載の炭化装置。
【請求項5】
前記外筒の前記周壁との間にマニホールドを規定するマニホールド部材を更に備え、
前記周壁には前記マニホールドと連通する複数個の1次空気供給孔が設けられ、
前記マニホールドへ供給された1次空気は、前記複数個の1次空気供給孔を介して前記炭化室へ流入する請求項1~3の何れかに記載の炭化装置。
【請求項6】
2次空気を前記燃焼室へ供給するための2次空気供給ノズルを更に備え、前記2次空気供給ノズルは前記燃焼室の下方位置において上向きに開口する請求項1~3の何れかに記載の炭化装置。
【請求項7】
前記混合流を前記原料流入孔を介して前記環状空間へ供給するための原料供給手段を更に備える請求項1~3の何れかに記載の炭化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、バイオマス等の有機性廃棄物を炭化(不完全燃焼)させて炭化物を生成する炭化装置が提案されている。生成された炭化物は、燃料や肥料(土壌改良剤)、水質浄化剤等として利用できる。
【0003】
例えば、特許文献1に開示の炭化装置は、炭化室へ連続的に供給された原料を炭化させて炭化物として排出すると共に、原料の炭化に伴い発生した可燃ガスを炭化室の上部において燃焼させる。炭化室の下部には1次空気の供給口が設けられ、原料は供給口から供給された1次空気によって自燃促進され、炭化室の上方部位には可燃ガスの燃焼に必要な2次空気の供給口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような炭化装置では、原料の炭化に伴い発生した可燃ガスを炭化室の上部において燃焼させることから、炉室の高さ寸法が嵩張り、炭化装置をトラックの荷台に積んで運搬しようとしても、高さ制限に違反してしまうという問題があった。また、原料が湿った状態で供給された場合には炭化処理の効率が低下するといった問題があった。
【0006】
本発明は、高さ寸法を抑えた炭化装置の提供を目的とする。
【0007】
本発明は、原料が湿った状態で供給された場合であっても、原料の炭化処理を効率よく行うことのできる炭化装置の提供を他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る炭化装置は、周壁を有する外筒と、前記外筒の内部へ垂下する排気筒と、前記排気筒よりも下方に位置する中空筒状の仕切壁と、を備え、前記外筒と前記排気筒の間には環状空間が規定され、前記仕切壁と前記外筒の間には原料を炭化処理して炭化物とするための炭化室が規定され、前記外筒の前記周壁には、原料と空気の混合流を前記環状空間へ導入させるための原料流入孔が設けられ、前記原料流入孔は、前記原料流入孔の形成位置における前記周壁の内周面の接線方向に開口し、前記原料流入孔から前記環状空間へ導入された原料と空気の混合流は、前記周壁の内周面の接線方向に流入して混合旋回流となり、前記混合旋回流に含まれる原料は遠心力により前記炭化室へ落下し、前記炭化処理により発生した可燃ガスを燃焼するための燃焼室が前記仕切壁の内側に設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の炭化装置によれば、中空筒状の仕切壁の外側に炭化室が設けられ、仕切壁の内側に燃焼室が設けられているので、炭化室の上側に燃焼室を設けた場合と比較して炭化装置の高さ寸法を抑えることができる。また、外筒の内部に炭化室と燃焼室を設けているので、炭化炉と燃焼炉とを別個に設けて並置する構成と比較して、炭化装置全体を小型化することができる。
【0010】
また、環状空間へ導入された原料を含む気流は、外筒の周壁の内周面の接線方向に流入して旋回流となり、旋回流に含まれる原料が遠心力により炭化室へ落下するので、炭化室へ満遍なく原料を供給することができる。
【0011】
更に、旋回流に含まれる原料は、可燃ガスの燃焼による火炎の放射エネルギーを受けて乾燥されるので、原料が湿った状態で供給された場合であっても、炭化室における炭化処理を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る炭化装置の概略構成図。
【
図2】
図1の炭化装置が備える炭化炉の縦断面を模式的に示す図。
【
図6】
図2に示す炭化炉の変形形態を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る炭化装置について説明する。
図1に示す様に、本実施形態の炭化装置1は、炉室を有する炭化炉2と、炭化炉2に接続された供給機構3と、炭化炉2を支持する支持機構7と、を備える。
【0014】
供給機構3は、有機性の原料を炭化炉2へ供給する原料供給手段として機能するものであって、本実施形態では原料を気流に乗せて炭化炉2へ供給する。より具体的に、供給機構3は、送風機31と、送風機31と炭化炉2とを接続する原料供給管32と、原料供給管32へ原料を投入するための投入器33と、を備え、原料供給管32の中途部にはエジェクタノズル34が設けられている。原料としては、例えば木屑や籾殻、おから、藁等のバイオマスが挙げられるが、有機性のものであればよく、これらに限定されない。
【0015】
送風機31は、ケーシング31aと、ケーシング31aに収容されたファン(図示せず)と、を備え、ファンの回転により気流を発生させる。送風機31により発生された気流は原料供給管32を介して炭化炉2へ送られる。
【0016】
投入器33は原料を収容保持し、これを原料供給管32へ供給するものである。原料供給管32に設けられたエジェクタノズル34は、原料供給管32を流れる気流の流れ方向下流側に向かうに従い断面積が漸減するテーパ形状を有し、その先端が投入器33の下開口部の下方に位置するように配置されている。投入器33に収容保持された原料は、原料供給管32内においてエジェクタノズル34の先端から噴出される気流によるベンチュリ効果により吸引されて原料供給管32に導入され、気流に乗って炭化炉2へ搬送される。
【0017】
供給機構3は更に空気を炭化炉2へ供給する空気供給手段としても機能し、アシストエア供給管35と、熱媒体空気供給管36と、1次空気供給管37と、2次空気供給管38と、を更に備える。これら供給管35~38は投入器33よりも上流側において原料供給管32に連通している。これにより、送風機31から送られる空気の一部は供給管35~38を介してアシストエア、熱媒体空気、1次空気、2次空気として炭化炉2へ供給される。また、これら供給管35~38には調整弁35a,36a,37a,38aがそれぞれ設けられ、調整弁35a~38aを調整することにより供給管35~38を介して炭化炉2へ導入される空気量を調整可能になっている。
【0018】
図1及び
図2を参照して、炭化炉2は、中空の外筒4と、外筒4の内部へ垂下する排気筒5と、排気筒5の下方に間隔を空けて配置された無底中空筒状の仕切壁6と、を備える。外筒4は周壁41を有し、周壁41と排気筒5の間には環状空間S1が規定され、仕切壁6との間には環状の炭化室S2が規定されている。上下方向D1における排出筒5と仕切壁6の間には中央空間S3が規定され、仕切壁6の内部空間は燃焼室S4として機能する。なお、仕切壁6は図示しない支持部材によって
図2に示す所定位置に支持されている。
【0019】
外筒4の上方部位は直径が均一なストレート部を構成し、外筒4の下方部位は下方に向かうに従い直径が漸減する逆円錐部を構成している。そして、上述の環状空間S1及び中央空間S3は外筒4のストレート部に設けられ、炭化室S2は逆円錐部に設けられている。
【0020】
外筒4の周壁41には、環状空間S1と連通する原料流入孔43及びアシストエア流入孔44が、環状空間S1の高さ位置に設けられている。
図3に示す様に、原料流入孔43は、原料流入孔43の形成位置における周壁41の内周面の接線方向に開口し、原料流入孔43には原料供給管32の先端が接続される。
【0021】
また、アシストエア流入孔44は、原料流入孔43よりも下方位置であって、外筒4の径方向において原料流入孔43と対向する位置に設けられている。アシストエア流入孔44もまた、
図3に示す様に、アシストエア流入孔44の形成位置における周壁41の内周面の接線方向に開口している。アシストエア流入孔44にはアシストエア供給管35が接続され、アシストエア供給管35を介して外筒4内へ外部空気を導入可能になっている。
【0022】
図2及び
図4を参照して、仕切壁6は、内管61と外管62からなる中空二重管構造を有し、内管61と外管62の間には、円環状の隙間Gが形成されている。また、上下方向D1における内管61の両端部は、径方向外方に向けてテーパ状に拡がり、その両端縁部は外管62に接続され、隙間Gの上下方向D1両端部を封止している。
【0023】
外管62には、1次空気流入孔63と、複数個の1次空気供給孔64が設けられている。1次空気流入孔63には1次空気供給管37が接続され、送風機31からの空気が1次空気として1次空気供給管37から隙間Gへ供給される。なお、本実施形態においては、1次空気供給管37は外筒4の周壁41を貫通して1次空気流入孔63に接続されている。また、このように隙間Gへ供給された1次空気は、複数個の1次空気供給孔64を介して炭化室S2へ供給される。即ち、隙間Gはマニホールドとして機能する。ここで、これら複数個の1次空気供給孔64は、
図5に示す様に外管62の周方向に複数列(
図5の例では2列)に千鳥状に並んで設けられるのが好ましいが、本発明はこれに限定されない。
【0024】
図2を参照して、炭化炉2は更に、2次空気を燃焼室S4へ供給するための2次空気供給ノズルNと、外筒4の下方に設けられた排出部9と、燃焼室S2と排出部9の間に設けられた火格子10と、を備え、炭化室S2と燃焼室S4は排出部9を介して連通している。
【0025】
2次空気供給ノズルNには2次空気供給管38が接続されている。2次空気供給ノズルNの先端は燃焼室S4の下方部位に上向きに配置され、2次空気供給管38から供給された2次空気を燃焼室S4へ上向きに噴出させる。
【0026】
本実施形態においては、排出部9は上下2段式とされており、上方に位置する無底状の筒状部材91と、筒状部材91の下方に設置される箱状部材92と、筒状部材91と箱状部材92との間に設けられた開閉式のダンパ93と、を備える。ダンパ93を閉じることで筒状部材91の下側開口が塞がれ、ダンパ93を開けることで筒状部材91と箱状部材92とが連通する。
【0027】
なお、本実施形態においては、2次空気供給ノズルNは略L字形状を有し、排出部9の筒状部材91を貫通して2次空気供給管38に接続されている。
【0028】
炭化炉2は更に熱交換器8を備え、熱交換器8は中央空間S3を囲むように外筒4の外周に設けられている。より具体的に、熱交換器8は、外筒4の周囲に環状の熱交換流路R1を規定し、熱交換器8の外周壁には空気流入孔81と空気排出孔82が設けられている。空気流入孔81には熱媒体空気供給管36が接続され、空気流入孔81から熱交換流路R1に流入した空気は熱交換流路R1を流れた後に空気排出孔82から外部へ排出される。なお、これら空気流入孔81及び空気排出孔82についても、空気流入孔81及び空気排出孔82の形成位置における熱交換器8の周壁の内周面の接線方向に開口するのが好ましい。
【0029】
かかる構成において、投入器33に収容保持された原料は、送風機31により発生された原料供給管32を流れる気流によって炭化炉2へ搬送される。即ち、原料供給管32から炭化炉2へ導入される原料を含む空気は、原料と空気の混合流(空気輸送流体)を構成する。上述したように、外筒4に設けられた原料流入孔43は周壁41の内周面の接線方向に開口しているので、外筒4に流入した原料と空気の混合流(空気輸送流体)は、外筒4の内周面に沿って流れ、サイクロンの原理により環状空間S1及び中央空間S3を旋回する混合旋回流を形成する。
【0030】
また、アシストエア流入孔44から導入される外部空気(アシストエア)も、原料流入孔43から導入される混合流と同様に、周壁41の内周面に沿って流れ、環状空間S1及び中央空間S3を旋回する混合旋回流と合流し、混合旋回流の旋回を強化する。これにより、混合旋回流に含まれる原料は、強い遠心力によって外筒4の内周面に衝突し、混合旋回流から炭化室S2へ落下し、原料と空気が分離される。
【0031】
このようにして混合旋回流から落下した原料は炭化室S2に堆積し、1次空気供給孔64から供給される1次空気によって炭化され、炭化物となる。一方、環状空間S1へ流入した混合流に含まれる空気は排気筒5を介して外部へ排出される。なお、外筒4の周壁41には、炭化室S2内の原料に着火させる際に使用される着火窓(図示せず)が設けられている。
【0032】
また、原料が炭化される過程では可燃ガスが発生する。このように発生した可燃ガスは、2次空気供給ノズルNからの2次空気噴出によるベンチュリ効果によって吸引され、炭化室S2から火格子10及び排出部9を介して燃焼室S4へ流入する。燃焼室S4へ流入した可燃ガスは、2次空気供給ノズルNから供給される2次空気によって燃焼され、可燃ガスの燃焼によって発生した排ガスは排気筒5から外部へ排気される。
【0033】
ここで、空気輸送流体に含まれる原料は、主に中央空間S3を旋回する間に、可燃ガスの燃焼による火炎の放射エネルギーを受けて乾燥され、熱分解しながら炭化室S2へ落下する。即ち、排気筒5と炭化室S2の間に設けられた中央空間S3は、原料を乾燥させるための乾燥室として機能する。
【0034】
また、中央空間S3の温度が高温になりすぎる場合には、熱交換流路R1に空気(熱媒体空気)を流し、中央空間S3の温度を調整する。熱交換流路R1において温められた空気(予熱空気)は空気排出孔82から排出される。このようにして熱交換器8により得られた予熱空気は種々の用途に利用することができ、利用用途に応じた箇所に供給することができる。なお、上述したように、熱交換流路R1へ供給される空気量は調整弁36aで調整できる。
【0035】
上述のようにして得られた炭化物は、火格子10を介して排出部9の箱状部材93へ排出される。箱状部材92が炭化物で一杯になったら、ダンパ93を閉じて筒状部材91の下側開口を塞ぎ、箱状部材92を空の箱状部材92と取り替え、ダンパ93を開ける。このようにして、箱状部材92に排出された炭化物を取り出すことができる。ここで、ダンパ93を一旦閉じるのは、箱状部材92の交換時に過剰な空気が外筒4内へ流入するのを防止するためである。
【0036】
ここで、炭化物の排出部9への排出を促すために、火格子10を振動させるためのバイブレータ(図示せず)を設けても良い。或いは、火格子10を手動で振動させることによって、炭化室S2から排出部9への炭化物の排出を促すようにしても良い。
【0037】
このように、本実施形態に係る炭化装置1では、仕切壁6の外側を炭化室S2とし、仕切壁6の内側を燃焼室S4としたので、炭化室S2の上方に燃焼室を設ける場合と比較して、炭化炉2の高さ寸法を抑えることができる。よって、例えばトラックの高さ制限に違反することなく、炭化装置1をトラックの荷台に積んで運搬することも可能となり、炭化装置1の移動を手軽に行うことができる。
【0038】
また、原料は混合流の旋回を利用して炭化室S2へ供給されるので、環状の炭化室S2へ均一に原料を供給できる。更に、原料が湿った状態で供給された場合であっても、可燃ガスの火炎の放射エネルギーを受けて乾燥された状態で炭化室S2へ落下するので、炭化室S2における炭化処理を効率良く行うことができる。
【0039】
以上、本発明の実施形態に係る炭化装置について添付の図面を参照して説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形、修正が可能である。
【0040】
例えば、上記実施形態では、供給機構3は、炭化炉2へ原料を供給する原料供給手段として機能すると共に、炭化炉2へ空気(アシストエア、熱媒体空気、1次空気、及び2次空気)を供給する空気供給手段としても機能するが、原料供給手段と空気供給手段とを別個に設けてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、箱状部材92を交換することで炭化物を回収する構成としているが、本発明はこのような構成に限定されず、例えば排出部9にロータリーバルブ等を設け、排出部9に排出された炭化物を自動的に回収できるように構成してもよい。この場合には筒状部材91と箱状部材92は一体とすることができ、またダンパ93は不要となる。
【0042】
上記実施形態では、仕切壁6を中空二重管構造とし、仕切壁6に複数個の1次空気供給孔64を設けたが、本発明は係る構成に限定されない。例えば、
図6に示す様に、外筒4の周壁41に複数個の1次空気供給孔64を設けると共に、マニホールドMを規定するマニホールド規定部材141を周壁41の外面に設け、1次空気供給孔64と1次空気供給管37とをマニホールドMを介して連通するように構成してもよい。この場合、1次空気供給孔64は、炭化室S2の高さ位置(換言すると、仕切壁6の上端よりも下方位置)に設けるのが好ましい。かかる構成においては、1次空気供給管37から供給される1次空気は、マニホールドM及び1次空気供給孔64を介して炭化室S2へ供給される。なお、この場合には仕切壁6は中空二重管構造とする必要はない。
【符号の説明】
【0043】
1 炭化装置
2 炭化炉
3 供給装置(原料供給手段、空気供給手段)
4 外筒
5 排気筒
6 仕切壁
41 周壁
43 原料流入孔
S1 環状空間
S2 炭化室
S4 燃焼室