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2025-175558車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025175558
(43)【公開日】2025-12-03
(54)【発明の名称】車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20251126BHJP
【FI】
B60H1/22 651C
B60H1/22 651A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024081733
(22)【出願日】2024-05-20
(71)【出願人】
【識別番号】516299338
【氏名又は名称】三菱重工サーマルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】足立 知康
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA11
3L211BA32
3L211CA19
3L211DA22
3L211EA26
3L211GA22
(57)【要約】
【課題】車両用温調システムにおけるCOPを向上させる。
【解決手段】第1低圧側熱交換器14と、第2低圧側熱交換器24と、送風機32を有するHVACユニット30と、内気循環状態と外気導入状態とを切り替える切替ダンパと、を備え、内気循環状態において第1低圧側熱交換器14を通過する空気の第1流量よりも第2低圧側熱交換器24を通過する空気の第2流量が多くなることを特徴とする車両用温調システム100を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用温調システムであって、
第1冷媒が循環する第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と、
第2冷媒が循環する第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器と、
前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機を有する温調ユニットと、
前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部と、
を備え、
前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなる運転モードを持つことを特徴とする車両用温調システム。
【請求項2】
前記温調ユニットは、前記送風機が作動する際に前記第1熱交換器を通過する空気の流量を変化させる流量調整機構を有する請求項1に記載の車両用温調システム。
【請求項3】
前記第1熱交換器は、外気を前記第2熱交換器へ導入する外気導入流路に配置されている請求項1または請求項2に記載の車両用温調システム。
【請求項4】
前記流量調整機構は、前記温調ユニットを流通する空気の流れ方向において前記送風機と前記第1熱交換器の間に配置されているダンパである請求項2に記載の車両用温調システム。
【請求項5】
前記切替部は、前記送風機が作動する際に前記第1熱交換器を通過する空気の流量を変化させる請求項1または請求項2に記載の車両用温調システム。
【請求項6】
前記外気導入状態において前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器の双方が温調される第1温調状態とする運転モードと、前記内気循環状態において前記第1熱交換器が温調されず前記第2熱交換器が温調される第2温調状態とする運転モードを持つ請求項1または請求項2に記載の車両用温調システム。
【請求項7】
前記第2温調状態において前記第1冷媒の循環を停止させるよう前記第1冷凍サイクルを制御する制御部を備える請求項6に記載の車両用温調システム。
【請求項8】
前記第1冷凍サイクルは、第1高圧側熱交換器と、前記送風機により送風される空気との熱交換を行う第1低圧側熱交換器を備え、
前記第2冷凍サイクルは、車外熱交換器又は車内熱交換器を循環する熱交換媒体との熱交換を行う第2高圧側熱交換器と、前記送風機により送風される空気との熱交換を行う第2低圧側熱交換器を備え、
前記第1低圧側熱交換器は、前記送風機により導かれる空気の流れ方向において、前記第2低圧側熱交換器の上流側に配置されている請求項1または請求項2に記載の車両用温調システム。
【請求項9】
車両用温調システムの制御方法であって、
前記車両用温調システムは、
第1冷媒が循環する第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と、
第2冷媒が循環する第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器と、
前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機と、前記送風機が動作する際に前記第2熱交換器を通過する空気の流量を変化させる流量調整ダンパと、を有する温調ユニットと、
前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部と、を有し、
前記外気導入状態において前記第1熱交換器および前記第2熱交換器の双方が温調される第1温調状態とし、前記内気循環状態において前記第1熱交換器が温調されず前記第2熱交換器が温調される第2温調状態とするよう前記第1冷凍サイクルおよび前記第2冷凍サイクルを制御する制御工程を備え、
前記制御工程は、前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなるよう前記流量調整ダンパを制御する車両用温調システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車室の空調、バッテリーの温度管理等を行うために、2つの系統の冷凍サイクルを備えた温調システムの例がある(特許文献1)。特許文献1に記載の温調システムは、電動圧縮機、空冷コンデンサ、車室用エバポレータ、およびバッテリー用の補助チラー等を含む第1冷媒回路と、エンジン駆動の圧縮機、空冷コンデンサ、およびバッテリー用の主チラーを含む第2冷媒回路とを備えている。第2冷媒回路の主チラーは、エンジンの動作中に、バッテリーに供給されるクーラントを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第10639957号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1冷凍サイクルと第2冷凍サイクルの2つの冷凍サイクルを備えた温調システムにおいて車室内の空調を行う際に、車室内の空気を循環させる場合と、車室外の空気を導入する場合とがある。車室外の空気を導入し、車室外の空気と目標温度との温度差が大きい場合には、第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器の双方を用いて空気を温調するのが望ましい。また、車室内の空気を循環させ、車室内の空気と目標温度との温度差が小さい場合には、第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器のいずれか一方のみを用いて空気を温調するのが望ましい。
【0005】
しかしながら、車室内の空気を循環させる場合に、第1熱交換器と第2交換器のうち、温調に用いられない熱交換器に空気を通過させてしまうと、熱交換器が通風抵抗を生じさせてしまいエネルギー消費効率(COP)が低下してしまう。
【0006】
本開示は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数系統の冷凍サイクルを備えた車両用温調システムにおけるCOPを向上させることが可能な車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法は以下の手段を採用する。
本開示の一態様に係る車両用温調システムは、第1冷媒が循環する第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と、第2冷媒が循環する第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器と、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機を有する温調ユニットと、前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部と、を備え、前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなることを特徴とする。
【0008】
本開示の一態様に係る車両用温調システムの制御方法において、前記車両用温調システムは、第1冷媒が循環する第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と、第2冷媒が循環する第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器と、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機と、前記送風機が動作する際に前記第2熱交換器を通過する空気の流量を変化させる流量調整ダンパと、を有する温調ユニットと、前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部と、を有し、前記外気導入状態において前記第1熱交換器および前記第2熱交換器の双方が温調される第1温調状態とし、前記内気循環状態において前記第1熱交換器が温調されず前記第2熱交換器が温調される第2温調状態とするよう前記第1冷凍サイクルおよび前記第2冷凍サイクルを制御する制御工程を備え、前記制御工程は、前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなるよう前記流量調整ダンパを制御する。
また、前記内気循環状態には温調ユニットへ導入される空気が全て車室内の空気である場合と一部が車室外の空気である場合がある(内外気切替ダンパを内気位置と外気位置の間に設定する場合)。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、複数系統の冷凍サイクルを備えた車両用温調システムにおけるCOPを向上させることが可能な車両用温調システムおよび車両用温調システムの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第1実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室外の空気を導入して冷房運転する状態を示す。
図2】本開示の第1実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室内の空気を循環させて冷房運転する状態を示す。
図3】本開示の第1実施形態に係る車両用温調システムの制御構成を示すブロック図である。
図4】本開示の第1実施形態に係る車両用温調システムの制御方法を示すフローチャートである。
図5】本開示の第1実施形態に係る車両用温調システムの制御方法を示すフローチャートである。
図6】本開示の第2実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室外の空気を導入して冷房運転する状態を示す。
図7】本開示の第2実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室内の空気を循環させて冷房運転する状態を示す。
図8】本開示の第3実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室外の空気を導入して暖房運転する状態を示す。
図9】本開示の第3実施形態に係る車両用温調システムを示す概略構成図であり、車両用温調システムが車室内の空気を循環させて暖房運転する状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1実施形態〕
本開示の第1実施形態に係る車両用温調システム100について、図面を参照して説明する。本実施形態の車両用温調システム100は、例えば、エンジンを備えておらず走行用電動モーターから車両走行用の駆動力を得る電気自動車、あるいは、エンジンおよび電動機から車両走行用の駆動力を得る所謂ハイブリッド自動車等の図示しない車両に装備される。
【0012】
車両用温調システム100は、乗員が搭乗する車室の冷暖房、除湿、換気等の空調の他、車両に搭載されているバッテリー(図示略)、走行用モーター(図示略)、発熱する電子機器等の車載装置の熱管理、廃熱回収等を担う。適切な温度や湿度に空調したり、車載装置を適温に管理したりすることを「熱管理」と総称するものとする。
【0013】
図1は、本開示の第1実施形態に係る車両用温調システム100を示す概略構成図であり、車両用温調システム100が車室外の空気を導入して冷房運転する状態を示す。図2は、本開示の第1実施形態に係る車両用温調システム100を示す概略構成図であり、車両用温調システム100が車室内の空気を循環させて冷房運転する状態を示す。図3は、本開示の第1実施形態に係る車両用温調システム100の制御構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、車両用温調システム100は、第1冷凍サイクル10と、第2冷凍サイクル20と、HVACユニット(温調ユニット)30と、切替ダンパ(切替部)40と、制御部50と、を備える。
【0015】
第1冷凍サイクル10は、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器(第1熱交換器)14と、第1冷媒流路14aと、を有する。第1冷凍サイクル10は、第1冷媒流路14aにより接続され、車両用温調システム100が外気導入状態で冷房運転する際に、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器14との間で第1冷媒R1を循環させる。第1低圧側熱交換器14は、第1冷凍サイクル10により温調される熱交換器である。
【0016】
第1圧縮機11は、第1低圧側熱交換器14から導かれる第1冷媒R1を圧縮して第1高圧側熱交換器12へ吐出する。第1高圧側熱交換器12は、第1圧縮機11で圧縮された第1冷媒R1が供給され、第1冷媒R1と外気との熱交換をする。第1膨張弁13は、第1高圧側熱交換器12から供給される第1冷媒R1を膨張させて第1低圧側熱交換器14へ供給する。第1低圧側熱交換器14は、第1膨張弁13により膨張された第1冷媒R1が供給され、減圧された第1冷媒R1と送風機32により送風される空気との熱交換を行う。第1低圧側熱交換器14を通過した第1冷媒R1は、第1圧縮機11へ導かれる。
【0017】
第2冷凍サイクル20は、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器(第2熱交換器)24と、冷媒流路25と、膨張弁26と、低圧側熱交換器27と、を有する。第2冷凍サイクル20は、冷媒流路25により接続され、車両用温調システム100が内気循環状態または外気循環状態で冷房運転する際に、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器24との間で第2冷媒R2を循環させる。第2低圧側熱交換器24は、第2冷凍サイクル20により温調される熱交換器である。
【0018】
第2圧縮機21は、第2低圧側熱交換器24から導かれる第2冷媒R2を圧縮して第2高圧側熱交換器22へ吐出する。第2高圧側熱交換器22は、第2圧縮機21で圧縮された第2冷媒R2が供給され、高温高圧の第2冷媒R2と車外熱交換器60を循環する熱交換媒体HM(例えば、水)との熱交換を行う。熱交換媒体HMの供給状態は、切替弁28bにより切り替えられる。
【0019】
第2膨張弁23は、第2高圧側熱交換器22から供給される第2冷媒R2を膨張させて第2低圧側熱交換器24へ供給する。第2低圧側熱交換器24は、第2膨張弁23により膨張された第2冷媒R2が供給され、減圧された第2冷媒R2と送風機32により送風される空気との熱交換を行う。第2低圧側熱交換器24を通過した第2冷媒R2は、第2圧縮機21へ導かれる。
【0020】
HVACユニット30は、第1低圧側熱交換器14と、第2低圧側熱交換器24と、車内熱交換器31と、送風機32と、流量調整ダンパ(流量調整機構)33と、を有する。送風機32は、第1低圧側熱交換器14および第2低圧側熱交換器24に空気を通過させて車室内に温調された空気を導く装置である。
【0021】
車内熱交換器31には、車両用温調システム100が暖房運転する際に、第2高圧側熱交換器22で第2冷媒R2と熱交換した熱交換媒体(例えば、水)が供給される。ポンプ28は、熱交換媒体を第2高圧側熱交換器22と車内熱交換器31との間で循環させる。車内熱交換器31は、送風機32により送風される空気と熱交換媒体との熱交換を行って空気を加熱する。低圧側熱交換器27にて第2冷媒R2と熱交換した熱交換媒体は図示しない熱交換媒体通路をとおり車外熱交換器60から吸熱する。車両用温調システム100が暖房運転する際に、第2冷媒R2は、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、膨張弁26と、低圧側熱交換器27との間で循環する。
【0022】
第1低圧側熱交換器14は、送風機32により導かれる空気の流れ方向ADにおいて第2低圧側熱交換器24の上流側に配置されている。車内熱交換器31は、送風機32により導かれる空気の流れ方向ADにおいて第2低圧側熱交換器24の下流側に配置されている。
【0023】
第1低圧側熱交換器14には、車両用温調システム100が外気導入状態で冷房運転する際に、第1膨張弁13で膨張された第1冷媒R1が供給される。第1低圧側熱交換器14は、送風機32により送風される空気と第1冷媒R1との熱交換を行って空気を冷却する。
【0024】
第2低圧側熱交換器24には、車両用温調システム100が冷房運転する際に、第2膨張弁23で膨張された第2冷媒R2が供給される。第2低圧側熱交換器24は、送風機32により送風される空気と第2冷媒R2との熱交換を行って空気を冷却する。
【0025】
流量調整ダンパ33は、送風機32が動作する際に第1低圧側熱交換器14を通過する空気の流量を変化させる装置である。流量調整ダンパ33は、HVACユニット30を流通する空気の流れ方向ADにおいて送風機32と第1低圧側熱交換器14の間に配置されている。流量調整ダンパ33は、図2に示す内気循環状態において第1低圧側熱交換器14を通過する空気の第1流量よりも、第2低圧側熱交換器24を通過する空気の第2流量が多くなるよう制御部50により制御される。
【0026】
切替ダンパ40は、車室内の空気をHVACユニット30へ導入する内気循環状態と車室外の空気をHVACユニット30へ導入する外気導入状態とを切り替える装置である。切替ダンパ40は、制御部50からの制御指令に基づいて内気循環状態と外気導入状態とを切り替える。切替ダンパ40は、車室内の空気をHVACユニット30へ導入する内気循環流路30aを流通する空気を第2低圧側熱交換器24へ導入する内気循環状態と、外気導入流路30bを流通する空気を第2低圧側熱交換器24へ導入する外気導入状態とを切り替える。
【0027】
制御部50は、車両用温調システム100を制御する装置である。制御部50は、第1冷凍サイクル10と、第2冷凍サイクル20と、HVACユニット30と、切替ダンパ40とを含む車両用温調システム100の各部を制御する。
【0028】
次に、図4および図5を参照して、本実施形態の車両用温調システム100の制御方法について説明する。図4および図5は、本開示の第1実施形態に係る車両用温調システム100の制御方法を示すフローチャートである。図4および図5は、車両用温調システム100が冷房運転を実行する場合の制御方法を示す。
【0029】
ステップS101で制御部50は、操作者により外気導入状態と内気導入状態のいずれが指定されているかを判断し、YESであればステップS102に処理を進め、NOであればステップS106に処理を進める。
【0030】
ステップS102で制御部50は、導入される外気の温度と操作者により設定される設定温度との温度差に基づいて、HVACユニット30で必要とされる空調能力が所定能力よりも大きいかどうかを判定し、YESであればステップS103に処理を進め、NOであればステップS107に処理を進める。
【0031】
ステップS103で制御部50は、第1冷凍サイクル10を動作状態に設定し、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器14との間で第1冷媒R1を循環させる。
【0032】
ステップS104で制御部50は、第2冷凍サイクル20を動作状態に設定し、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器24との間で第2冷媒R2を循環させる。制御部50は、第1低圧側熱交換器14および第2低圧側熱交換器24の双方が温調される第1温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0033】
ステップS105で制御部50は、切替ダンパ40を外気導入状態に設定し、車室外の空気(外気Ae)がHVACユニット30に導入される状態とする。
【0034】
ステップS106で制御部50は、HVACユニット30に導入される外気Aeの大部分が第1低圧側熱交換器14を通過するよう、流量調整ダンパ33を第1熱交換器通風状態に設定する。図1に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1低圧側熱交換器14の上流側を遮らないよう、第1低圧側熱交換器14の上流側から空気の流れ方向ADに直交する方向に離間した実線で示す位置に流量調整ダンパ33を配置する。
【0035】
ステップS107で制御部50は、第1冷凍サイクル10を停止状態に設定し、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器14との間で第1冷媒R1が循環しないようにする。なお、第1圧縮機11を運転状態に設定し、図示しないバイパス冷媒流路をとおり第1低圧側熱交換器14をバイパスするように第1冷媒R1を循環させてもよい。
【0036】
ステップS108で制御部50は、第2冷凍サイクル20を動作状態に設定し、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器24との間で第2冷媒R2を循環させる。制御部50は、第1低圧側熱交換器14が温調されず、第2低圧側熱交換器24が温調される第2温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0037】
ステップS109で制御部50は、切替ダンパ40を外気導入状態に設定し、車室外の空気(外気Ae)がHVACユニット30に導入される状態とする。
【0038】
ステップS110で制御部50は、HVACユニット30に導入される外気Aeの大部分が第1低圧側熱交換器14を通過しないよう、流量調整ダンパ33を第1熱交換器バイパス状態に設定する。図1に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1低圧側熱交換器14の上流側を遮るよう、第1低圧側熱交換器14の上流側の点線で示す位置に流量調整ダンパ33を配置する。
【0039】
ステップS111で制御部50は、導入される内気の温度と操作者により設定される設定温度との温度差に基づいて、HVACユニット30で必要とされる空調能力が所定能力よりも大きいかどうかを判定し、YESであればステップS112に処理を進め、NOであればステップS116に処理を進める。
【0040】
ステップS112で制御部50は、第1冷凍サイクル10を動作状態に設定し、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器14との間で第1冷媒R1を循環させる。
【0041】
ステップS113で制御部50は、第2冷凍サイクル20を動作状態に設定し、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器24との間で第2冷媒R2を循環させる。制御部50は、第1低圧側熱交換器14および第2低圧側熱交換器24の双方が温調される第1温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0042】
ステップS114で制御部50は、切替ダンパ40を内気循環状態に設定し、車室内の空気(内気Ai)がHVACユニット30に導入される状態とする。
【0043】
ステップS115で制御部50は、HVACユニット30に導入される内気Aiの大部分が第1低圧側熱交換器14を通過するよう、流量調整ダンパ33を第1熱交換器通風状態に設定する。図2に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1低圧側熱交換器14の上流側を遮らないよう、第1低圧側熱交換器14の上流側から空気の流れ方向ADに直交する方向に離間した点線で示す位置に流量調整ダンパ33を配置する。
【0044】
ステップS116で制御部50は、第1冷凍サイクル10を停止状態に設定し、第1圧縮機11と、第1高圧側熱交換器12と、第1膨張弁13と、第1低圧側熱交換器14との間で第1冷媒R1が循環しないようにする。なお、第1圧縮機11を運転状態に設定し、図示しないバイパス冷媒流路をとおり第1低圧側熱交換器14をバイパスするように第1冷媒R1を循環させてもよい。
【0045】
ステップS117で制御部50は、第2冷凍サイクル20を動作状態に設定し、第2圧縮機21と、第2高圧側熱交換器22と、第2膨張弁23と、第2低圧側熱交換器24との間で第2冷媒R2を循環させる。制御部50は、第1低圧側熱交換器14が温調されず、第2低圧側熱交換器24が温調される第2温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0046】
ステップS118で制御部50は、切替ダンパ40を内気循環状態に設定し、車室内の空気(内気Ai)がHVACユニット30に導入される状態とする。
【0047】
ステップS119で制御部50は、HVACユニット30に導入される内気Aiの大部分が第1低圧側熱交換器14を通過しないよう、流量調整ダンパ33を内気循環状態に設定する。図2に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1低圧側熱交換器14の上流側を遮るよう、第1低圧側熱交換器14の上流側の実線で示す位置に流量調整ダンパ33を配置する。
【0048】
制御部50は、ステップS106、ステップS110、ステップS115、およびステップS119の実行後に本フローチャートの処理を終了させ、再びステップS101からの処理を繰り返す。
【0049】
以上で説明した本実施形態において、車両用温調システム100は、車室内の空気をHVACユニット30へ導入する内気循環状態と車室外の空気をHVACユニット30へ導入する外気導入状態とを切り替える切替ダンパ40とは別に、送風機32が動作する際に第1低圧側熱交換器14を通過する空気の流量を変化させる流量調整ダンパ33を備えるものとしたが、他の態様であってもよい。例えば、切替ダンパ40が、内気循環状態と外気導入状態とを切り替える機能と、送風機32が動作する際に第1低圧側熱交換器14を通過する空気の流量を変化させる機能との双方を兼用するものとしてもよい。この変形例の車両用温調システム100は、図1および図2に示す流量調整ダンパ33を備えないものとなる。
【0050】
以上で説明した本実施形態の車両用温調システム100において、第1低圧側熱交換器14を、外気をHVACユニット30の第2低圧側熱交換器24へ導入する外気導入流路30bに配置するようにしてもよい。
【0051】
以上で説明した本実施形態の車両用温調システム100が奏する作用および効果について説明する。
【0052】
内気循環状態において温調されない第1低圧側熱交換器14に空気を通過させると通風抵抗を生じさせてしまいエネルギー消費効率(COP)が低下してしまう。そこで、本実施形態の車両用温調システム100では、内気循環状態において第1冷凍サイクル10により温調される第1低圧側熱交換器14を通過する空気の第1流量よりも、第2低圧側熱交換器24を通過する空気の第2流量が多くなるよう流量調整ダンパ33が制御される。流量調整ダンパ33により第1低圧側熱交換器14を空気が通過する際の通風抵抗を減少させることにより、複数系統の冷凍サイクルを備えた車両用温調システム100におけるCOPを向上させることができる。
【0053】
本実施形態の車両用温調システム100によれば、第1低圧側熱交換器14が外気導入流路に配置されており、内気循環状態において第1低圧側熱交換器14を空気が通過して通風抵抗が生じることがない。そのため、内気循環状態において第1低圧側熱交換器14を空気が通過することによるCOPの低下を防止することができる。
【0054】
本実施形態の車両用温調システム100によれば、切替ダンパ40により、内気循環流路を流通する空気を第2低圧側熱交換器24へ導入する内気循環状態と外気導入流路を流通する空気を第2低圧側熱交換器24へ導入する外気導入状態とを切り替えることができる。
【0055】
本実施形態の車両用温調システム100によれば、空気の流れ方向ADにおいて第1低圧側熱交換器14よりも下流側に流量調整ダンパ33を配置することにより、内気循環状態において第1低圧側熱交換器14に空気が導かれることを確実に防止することができる。
【0056】
〔第2実施形態〕
次に、本開示の第2実施形態に係る車両用温調システム100Aについて、図面を参照して説明する。第2実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0057】
第1実施形態に係る車両用温調システム100は、HVACユニット30が第1冷凍サイクル10を循環する第1冷媒R1により温調される第1低圧側熱交換器14と、第2冷凍サイクル20を循環する第2冷媒R2により温調される第2低圧側熱交換器24を有するものであった。それに対して、本実施形態に係る車両用温調システム100Aは、HVACユニット30が第1冷凍サイクル10を循環する第1冷媒R1と熱交換した熱交換媒体M1により温調される第1熱交換器15と、第2冷凍サイクル20を循環する第2冷媒R2と熱交換した熱交換媒体M2により温調される第2熱交換器24Aを有するものである。
【0058】
図6は、本開示の第2実施形態に係る車両用温調システム100Aを示す概略構成図であり、車両用温調システム100Aが車室外の空気を導入して冷房運転する状態を示す。図7は、本開示の第2実施形態に係る車両用温調システム100Aを示す概略構成図であり、車両用温調システム100Aが車室内の空気を循環させて冷房運転する状態を示す。
【0059】
第1冷凍サイクル10は、第1低圧側熱交換器14で第1冷媒R1と熱交換した熱交換媒体M1により温調される第1熱交換器15と、ポンプ16とを有する。熱交換媒体M1は、ポンプ16により第1低圧側熱交換器14と第1熱交換器15との間の第1熱交換媒体流路16aを循環する。
【0060】
第2冷凍サイクル20は、低圧側熱交換器27で第2冷媒R2と熱交換した熱交換媒体M2により温調される第2熱交換器24Aと、ポンプ29とを有する。熱交換媒体M2は、ポンプ29により低圧側熱交換器27と第2熱交換器24Aとの間の第2熱交換媒体流路29aを循環する。
【0061】
図6に示すように、制御部50は、外気導入状態において第1低圧側熱交換器14および第2低圧側熱交換器24の双方が温調される第1温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0062】
図6に示すように、制御部50は、HVACユニット30に導入される外気Aeの全てが第1熱交換器15を通過するよう、切替ダンパ40を外気導入状態に設定する。図5に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1熱交換器15の下流側を遮らないよう、第1熱交換器15の下流側から空気の流れ方向ADに直交する方向に離間した位置に切替ダンパ40を配置する。
【0063】
図7に示すように、制御部50は、HVACユニット30に導入される内気Aiの大部分が第1熱交換器15を通過しないよう、切替ダンパ40を内気循環状態に設定する。図7に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1熱交換器15の下流側を遮るよう、第1熱交換器15の下流側に切替ダンパ40を配置する。
【0064】
図7に示すように、制御部50が内気循環状態に切替ダンパ40を制御した状態では、第1熱交換器15を通過する空気の第1流量よりも、第2熱交換器24Aを通過する空気の第2流量が多くなる。
【0065】
〔第3実施形態〕
次に、本開示の第3実施形態に係る車両用温調システム100Bについて、図面を参照して説明する。第3実施形態は、第1実施形態の変形例であり、以下で特に説明する場合を除き、第1実施形態と同様であるものとし、以下での説明を省略する。
【0066】
第1実施形態に係る車両用温調システム100は、冷房運転を実行する際に、内気循環状態において第1低圧側熱交換器14を通過する空気の第1流量よりも第2低圧側熱交換器24を通過する空気の第2流量が多くなるよう流量調整ダンパ33を制御するものであった。それに対して、本実施形態の車両用温調システム100Bは、暖房運転を実行する際に、制御部50が内気循環状態に切替ダンパ40を制御した状態では、第1熱交換器15を通過する空気の第1流量よりも車内熱交換器31を通過する空気の第2流量が多くなる。
【0067】
図8は、本開示の第3実施形態に係る車両用温調システム100Bを示す概略構成図であり、車両用温調システム100Bが車室外の空気を導入して暖房運転する状態を示す。図9は、本開示の第3実施形態に係る車両用温調システム100Bを示す概略構成図であり、車両用温調システム100Bが車室内の空気を循環させて暖房運転する状態を示す。
【0068】
第1冷凍サイクル10は、第1高圧側熱交換器12で第1冷媒R1と熱交換した熱交換媒体M1により温調される第1熱交換器15と、ポンプ16とを有する。熱交換媒体M1は、ポンプ16により第1高圧側熱交換器12と第1熱交換器15との間の第1熱交換媒体流路16aを循環する。第1高圧側熱交換器12は、第1冷媒R1と熱交換媒体M1との熱交換を行う。第1冷媒R1により加熱される熱交換媒体M1を第1熱交換器15に供給することにより、第1熱交換器15において外気Aeを加熱して暖房を行うことができる。
【0069】
第2冷凍サイクル20は、第2高圧側熱交換器22で第2冷媒R2と熱交換した熱交換媒体M2により温調される車内空調用熱交換器(第2熱交換器)31と、ポンプ28とを有する。熱交換媒体M2は、ポンプ28により第2高圧側熱交換器22と車内熱交換器31との間の第2熱交換媒体流路28aを循環する。
【0070】
図8に示すように、制御部50は、外気導入状態において第1熱交換器15および第2低圧側熱交換器24の双方が温調される第1温調状態とするよう第1冷凍サイクル10および第2冷凍サイクル20を制御する。
【0071】
図8に示すように、制御部50は、HVACユニット30に導入される外気Aeの大部分が第1熱交換器15を通過するよう、切替ダンパ40を外気導入状態に設定する。図8に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1熱交換器15の下流側を遮らないよう、第1熱交換器15の下流側から空気の流れ方向ADに直交する方向に離間した位置に切替ダンパ40を配置する。
【0072】
図9に示すように、制御部50は、HVACユニット30に導入される内気Aiの大部分が第1熱交換器15を通過しないよう、切替ダンパ40を内気循環状態に設定する。図8に示すように、制御部50は、空気の流れ方向ADにおいて第1熱交換器15の下流側を遮るよう、第1熱交換器15の下流側に切替ダンパ40を配置する。なお、第2温調状態において、第1圧縮機11を運転状態に設定し、図示しないバイパス熱交換媒体流路をとおり第1熱交換器15をバイパスするように熱交換媒体を循環させてもよい。
【0073】
図9に示すように、制御部50が内気循環状態に切替ダンパ40を制御した状態では、第1熱交換器15を通過する空気の第1流量よりも、車内熱交換器31を通過する空気の第2流量が多くなる。
【0074】
以上説明した各実施形態に記載の車両用温調システムは、例えば以下のように把握される。
本開示の第1態様に係る車両用温調システムは、車両用温調システム(100)であって、第1冷媒(R1)が循環する第1冷凍サイクル(10)により温調される第1熱交換器(14)と、第2冷媒(R2)が循環する第2冷凍サイクル(20)により温調される第2熱交換器(24)と、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機(32)を有する温調ユニット(30)と、前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部(40)と、を備え、前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなる運転モードを持つことを特徴とする。
【0075】
本開示の第1態様に係る車両用温調システムでは、内気循環状態において第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなる。第1熱交換器を空気が通過する際の通風抵抗を減少させることにより、複数系統の冷凍サイクルを備えた車両用温調システムにおけるCOPを向上させることができる。
【0076】
本開示の第2態様に係る車両用温調システムは、第1態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記温調ユニットは、前記送風機が作動する際に前記第1熱交換器を通過する空気の流量を変化させる流量調整機構を有する。
【0077】
本開示の第3態様に係る車両用温調システムは、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1熱交換器は、外気を前記第2熱交換器へ導入する外気導入流路に配置されている。
【0078】
本開示の第3態様に係る車両用温調システムによれば、第1熱交換器が外気導入流路に配置されており、内気循環状態において第1熱交換器を空気が通過して通風抵抗が生じることがない。そのため、内気循環状態において第1熱交換器を空気が通過することによるCOPの低下を防止することができる。
【0079】
本開示の第4態様に係る車両用温調システムは、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記流量調整ダンパは、前記温調ユニットを流通する空気の流れ方向において前記第1熱交換器よりも下流側に配置されている。
【0080】
本開示の第4態様に係る車両用温調システムによれば、空気の流れ方向において第1熱交換器よりも下流側に流量調整ダンパを配置することにより、内気循環状態において第1熱交換器に空気が導かれることを確実に防止することができる。
【0081】
本開示の第5態様に係る車両用温調システムは、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記切替部は、前記送風機が作動する際に前記第1熱交換器を通過する空気の流量を変化させる。
【0082】
本開示の第6態様に係る車両用温調システムは、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記外気導入状態において前記第1熱交換器及び前記第2熱交換器の双方が温調される第1温調状態とする運転モードと、前記内気循環状態において前記第1熱交換器が温調されず前記第2熱交換器が温調される第2温調状態とする運転モードを持つ。
【0083】
本開示の第7態様に係る車両用温調システムは、第6態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第2温調状態において前記第1冷媒の循環を停止させるよう前記第1冷凍サイクルを制御する制御部を備える。
【0084】
本開示の第7態様に係る車両用温調システムによれば、第2温調状態において第1冷媒の循環を停止させるよう第1冷凍サイクルを制御することにより、車両用温調システムにおけるCOPを向上させることができる。
【0085】
本開示の第8態様に係る車両用温調システムは、第1態様または第2態様において、更に以下の構成を備える。すなわち、前記第1冷凍サイクルは、第1高圧側熱交換器と、前記送風機により送風される空気との熱交換を行う第1低圧側熱交換器を備え、前記第2冷凍サイクルは、車外熱交換器又は車内熱交換器を循環する熱交換媒体との熱交換を行う第2高圧側熱交換器と、前記送風機により送風される空気との熱交換を行う第2低圧側熱交換器を備え、前記第1低圧側熱交換器は、前記送風機により導かれる空気の流れ方向において、前記第2低圧側熱交換器の上流側に配置されている。
【0086】
本開示の第9態様に係る車両用温調システムの制御方法において、前記車両用温調システムは、第1冷媒(R1)が循環する第1冷凍サイクルにより温調される第1熱交換器と、第2冷媒(R2)が循環する第2冷凍サイクルにより温調される第2熱交換器と、前記第1熱交換器および前記第2熱交換器に空気を通過させて車室内に導く送風機を有する温調ユニットと、前記車室内の空気を前記温調ユニットへ導入する内気循環状態と車室外の空気を前記温調ユニットへ導入する外気導入状態とを切り替える切替部と、前記送風機が動作する際に前記第2熱交換器を通過する空気の流量を変化させる流量調整ダンパと、を有し、前記外気導入状態において前記第1熱交換器および前記第2熱交換器の双方が温調される第1温調状態とし、前記内気循環状態において前記第1熱交換器が温調されず前記第2熱交換器が温調される第2温調状態とするよう前記第1冷凍サイクルおよび前記第2冷凍サイクルを制御する制御工程(S102,S103,S106,S107)を備え、前記制御工程は、前記内気循環状態において前記第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも前記第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなるよう前記流量調整ダンパを制御する。
【0087】
本開示の第9態様に係る車両用温調システムの制御方法では、内気循環状態において第1熱交換器を通過する空気の第1流量よりも第2熱交換器を通過する空気の第2流量が多くなる。第1熱交換器を空気が通過する際の通風抵抗を減少させることにより、複数系統の冷凍サイクルを備えた車両用温調システムにおけるCOPを向上させることができる。
【符号の説明】
【0088】
10 第1冷凍サイクル
11 第1圧縮機
12 第1高圧側熱交換器
13 第1膨張弁
14 第1低圧側熱交換器(第1熱交換器)
14a 第1冷媒流路
15 第1熱交換器
16 ポンプ
20 第2冷凍サイクル
21 第2圧縮機
22 第2高圧側熱交換器
23 第2膨張弁
24 第2低圧側熱交換器(第2熱交換器)
24A 第2熱交換器
25 冷媒流路
26 膨張弁
27 低圧側熱交換器
28 ポンプ
28a 第2熱交換媒体流路
29 ポンプ
29a 第2熱交換媒体流路
30 HVACユニット(温調ユニット)
31 車内熱交換器
32 送風機
33 流量調整ダンパ(流量調整機構)
40 切替ダンパ(切替部)
50 制御部
100,100A,100B 車両用温調システム
AD 方向
Ae 外気
Ai 内気
M1,M2 熱交換媒体
R1 第1冷媒
R2 第2冷媒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9