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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017664
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】光測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/3563 20140101AFI20250130BHJP
【FI】
G01N21/3563
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120815
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】305021292
【氏名又は名称】第一実業ビスウィル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001531
【氏名又は名称】弁理士法人タス・マイスター
(72)【発明者】
【氏名】西山 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】横山 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】長島 寿一
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB04
2G059BB08
2G059BB11
2G059DD12
2G059GG01
2G059GG08
2G059GG09
2G059HH01
2G059JJ13
2G059JJ22
2G059KK01
2G059KK03
2G059LL01
2G059NN05
2G059PP02
(57)【要約】
【課題】測定時に、レーザビームが受光装置にそのまま入射されるのを防止できる光測定装置を提供する。
【解決手段】光測定装置1は、波長掃引光を照射する光源装置35と、測定対象物Mを搬送する搬送装置10と、光源装置35からの波長掃引光を、搬送装置10の搬送路上の測定位置Pに導くとともに、その光路を切り換える光路切換部42を有する照射装置40と、測定位置Pに照射された波長掃引光を受光する測定光受光装置51と、搬送される測定対象物Mを検知する物体検知センサ55と、測定対象物Mの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサと、制御装置65とを備える。制御装置65は、物体検知センサ55による検知及び搬送検出センサが検出する搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、測定対象物Mが測定位置Pに達するタイミングを推定し、このタイミングで光路切換部42を制御して、測定対象物Mが測定位置Pに存在する間、波長掃引光が受光装置に受光される光路とする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長掃引光を発生する光源装置と、
相互に対向するように設けられて、直線状の搬送路を形成する無端環状の2本の搬送ベルト、及びこの搬送ベルトを回動させる駆動部を有し、測定対象物を、前記2本の搬送ベルトに跨った状態で前記搬送路に沿って搬送する搬送装置と、
前記光源装置によって発生された波長掃引光を、前記搬送路上に設定された測定位置に導いて照射する光路を有するとともに、前記光路上に設けられて、前記波長掃引光の光路を切り替える光路切換部を有する照射装置と、
前記照射装置によって前記測定位置に照射された波長掃引光を受光する受光装置と、
前記搬送装置の搬送方向において、前記測定位置よりも上流側に設けられ、前記搬送装置によって搬送される測定対象物を検知する物体検知センサと、
前記搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサと、
前記搬送装置の駆動部、及び前記照射装置の光路切換部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記物体検知センサによる検知、及び前記搬送検出センサによって検出される搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、前記測定対象物が前記測定位置に達するタイミングを推定し、推定されたタイミングに同期させて前記光路切換部を制御して、前記測定対象物が測定位置に存在する間は、前記波長掃引光が受光装置に受光される光路とし、測定対象物が測定位置に存在しない間は、前記波長掃引光が受光装置に受光されない光路とするように構成された光測定装置。
【請求項2】
前記光路切換部は、ガルバノミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ピエゾ駆動ミラー、ポリゴンミラーのいずれかを含んで構成される請求項1記載の光測定装置。
【請求項3】
前記照射装置は、前記光路切換部の出射側に、アパーチャをさらに備えている請求項2記載の光測定装置。
【請求項4】
波長掃引光を発生する光源装置と、
相互に対向するように設けられて、直線状の搬送路を形成する無端環状の2本の搬送ベルト、及びこの搬送ベルトを回動させる駆動部を有し、測定対象物を、前記2本の搬送ベルトに跨った状態で前記搬送路に沿って搬送する搬送装置と、
前記光源装置によって発生された波長掃引光を、前記搬送路上に設定された測定位置に導いて照射する光路を有するとともに、前記光路上に設けられて、前記波長掃引光の透過、不透過を切り換える遮光部を有する照射装置と、
前記照射装置によって前記測定位置に照射された波長掃引光を受光する受光装置と、
前記搬送装置の搬送方向において、前記測定位置よりも上流側に設けられ、前記搬送装置によって搬送される測定対象物を検知する物体検知センサと、
前記搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサと、
前記搬送装置の駆動部、及び前記照射装置の遮光部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記物体検知センサによる検知、及び前記搬送検出センサによって検出される搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、前記測定対象物が前記測定位置に達するタイミングを推定し、推定されたタイミングに同期させて前記遮光部を制御して、前記測定対象物が測定位置に存在する間は透過状態にし、測定対象物が測定位置に存在しない間は、不透過状態にするように構成された光測定装置。
【請求項5】
前記遮光部は、可動式シャッタ、可変式アテネータのいずれかを含んで構成される請求項4記載の光測定装置。
【請求項6】
前記可変式アテネータは、液晶シャッタ、音響光学変調器、電気光学変調器のいずれかを含んで構成される請求項5記載の光測定装置。
【請求項7】
前記波長掃引光は前記2本の搬送ベルト間を通過して前記測定対象物に照射されるように構成された請求項1から6のいずれか1項に記載の光測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学特性を利用した測定手法の一つとして、従来、波長掃引型の分光器を用いた分光法が知られている。この分光器は、波長が経時的に変化する波長掃引光を生成し、生成した波長掃引光を測定対象物に照射する。波長掃引光は、時間と波長が1対1の関係にあるパルスあるいはパルス列であり、この波長掃引光を検査対象に照射して得られる光の時間波形が受光器によって検出され、受光器から出力される信号波形は、時間軸が波長に対応するスペクトルを表す。
【0003】
分光の解析は、対象物の透過光を物体光とする透過型と、反射光を物体光とする反射型に分類される。反射型は、反射率が高い対象物の測定に適しているが、得られる光学的な情報が、対象物の表面付近のものに限定される。したがって、精密な工業製品、動植物から採取した検体、人が体内に摂取する物、生産プラントで製造される液体や気体などを対象物とする測定では、十分な精度を有するとは言えない。
【0004】
一方、透過型は、対象物の表面のみでなく深い部分を含めた光学特性を得ることができるため、食品や飲料(以下、飲食品と総称する)などの測定に適している。下記特許文献1には、透過型の製品検査装置が開示されている。この製品検査装置は、製品(検査対象)の表面にパルス光を照射する照射光学系と、製品の裏面側に設けられ、製品を透過した光を受光する受光器(フォトディテクタ)とを備えている。
【0005】
図10に、一例としての波長掃引型の分光装置100を示している。この分光装置100は、光源装置110、分光ヘッド120、演算処理装置130を備えている。
【0006】
光源装置110は波長掃引光L1を生成し、生成された波長掃引光L1は分光ヘッド120に導かれる。分光ヘッド120の照射光学系121は波長掃引光L1を試料Tに照射し、試料Tを透過した透過光(物体光)L2が第1受光器122によって受光(検出)される。また、照射光学系121では、波長掃引光L1の一部が参照光L3として分岐され、分岐された参照光L3が第2受光器123によって受光(検出)される。
【0007】
第1受光器122から出力される第1検出信号S1と、第2受光器123から出力される第2検出信号S2は、それぞれ演算処理装置130に送信される。物体光L2および参照光L3は、それぞれ波長掃引光L1の時間-波長の1対1の対応関係を引き継いでいる。したがって、第1検出信号S1の時間波形は、時間軸を波長に換算することにより、物体光L2のスペクトルに変換することができる。同様に、第2検出信号S2の時間波形は、時間軸を波長に換算することにより、参照光L3のスペクトルに変換することができる。演算処理装置130は、参照光L3に対する物体光L2の対応する波長ごとの割合を計算することにより、試料Tの分光特性(反射率)を測定(演算)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2020-159973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来の透過型の分光装置では、測定対象製品(以下製品ともいう)が、光の透過性が低くかつ拡散性が高い性質を有する場合には、受光器は低パワーの入射光を想定して設計、選定されている。一方、光源装置としては、透過光のパワーを高めるため、高ピークパワーのパルスレーザが用いられている。
【0010】
また、工業的に大量生産される製品を検査する場合には、一般的に、製品を搬送装置によって高速に搬送する態様が採られている。このため、搬送時の製品の安定性が悪くなると、製品が搬送装置から脱落したり、或いは位置ズレを生じることがあり、製品が存在すべき測定位置に、製品が存在しない状況が生じ得る。そして、このような状況が生じると、測定位置に照射されたパルスレーザビームである波長掃引光L1は、製品を介さずに受光器にそのまま入射することになる。
【0011】
また、製品の搬送態様によっては、連続的に搬送される製品間に空間となる間隔が生じている場合があり、このような態様の場合も、当該間隔を通してレーザビームが受光器にそのまま入射されるおそれがある。
【0012】
斯くして、上述したように、受光器が低パワーの入射光を想定して設計、選定されている場合に、当該受光器に、高ピークパワーのレーザビームがそのまま入射すると、レーザビームのパワーが受光器の許容パワーを超えている場合には、入射されるレーザビームのパワーによって受光器の信頼性が損なわれる(低下する)おそれがある。
【0013】
特に、アバランシェフォトダイオードのような、素子内に増幅機構を持つ素子は、損傷閾値が低いことが知られており、例えば、米国THORLABS社のInGaAsアバランシェフォトディテクタAPD430Cの損傷閾値は1mWであり、この分光方式で用いられるレーザビームのパワーはこれより十分に大きいため、レーザビームがそのまま入射されると、当該素子が損傷することになる。
【0014】
本発明は以上の実情に鑑み成されたものであって、測定時に、レーザビームが受光器にそのまま入射されるのを防止することが可能な光測定装置の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するための本発明は、
波長掃引光を発生する光源装置と、
相互に対向するように設けられて、直線状の搬送路を形成する無端環状の2本の搬送ベルト、及びこの搬送ベルトを回動させる駆動部を有し、測定対象物を、前記2本の搬送ベルトに跨った状態で前記搬送路に沿って搬送する搬送装置と、
前記光源装置によって発生された波長掃引光を、前記搬送路上に設定された測定位置に導いて照射する光路を有するとともに、前記光路上に設けられて、前記波長掃引光の光路を切り替える光路切換部を有する照射装置と、
前記照射装置によって前記測定位置に照射された波長掃引光を受光する受光装置と、
前記搬送装置の搬送方向において、前記測定位置よりも上流側に設けられ、前記搬送装置によって搬送される測定対象物を検知する物体検知センサと、
前記搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサと、
前記搬送装置の駆動部、及び前記照射装置の光路切換部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記物体検知センサによる検知、及び前記搬送検出センサによって検出される搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、前記測定対象物が前記測定位置に達するタイミングを推定し、推定されたタイミングに同期させて前記光路切換部を制御して、前記測定対象物が測定位置に存在する間は、前記波長掃引光が受光装置に受光される光路とし、測定対象物が測定位置に存在しない間においてのみ、前記波長掃引光が受光装置に受光されない光路とするように構成された光測定装置に係る。
【0016】
この態様(第1の態様)の光測定装置によれば、測定対象物は、搬送装置の2本の搬送ベルトに跨った状態でその搬送路に沿って搬送される。一方、光源装置により波長掃引光が発生され、発生された波長掃引光は、照射装置により、搬送路上に設定された測定位置に導かれ、この測定位置に照射された波長掃引光が受光装置によって受光される。
【0017】
そして、搬送装置によって搬送される測定対象物は、測定位置よりも上流側に設けられた物体検知センサによって検知され、当該物体検知センサによる測定対象物の検知、及び搬送検出センサによって検出される搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、制御装置により、測定対象物が測定位置に達するタイミングが推定されるとともに、推定されたタイミングに同期させて照射装置の光路切換部が制御され、測定対象物が測定位置に存在する間は、波長掃引光が受光装置に受光される光路とし、測定対象物が測定位置に存在しない間は、波長掃引光が受光装置に受光されない光路となるように、当該光路が切り換えられる。そして、測定対象物が測定位置に存在する間、波長掃引光が測定対象物を透過して受光装置に受光され、受光装置によって、測定対象物の光学特性に応じた検出信号が出力される。
【0018】
斯くして、この光測定装置によれば、測定対象物が測定位置に存在しない間は、光路切換部により、波長掃引光の光路を、受光装置に受光されない光路となるように切り換えているので、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されるのを防止することができ、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されることによって、当該受光装置が損傷するのを回避することができる。
【0019】
前記第1の態様において、前記光路切換部は、ガルバノミラー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ピエゾ駆動ミラー、ポリゴンミラーのいずれかを含んだ態様を採ることができる。
【0020】
また、前記第1の態様において、前記照射装置は、前記光路切換部の出射側に、アパーチャをさらに備えた態様を採ることができる。
【0021】
また、本発明は、
波長掃引光を発生する光源装置と、
相互に対向するように設けられて、直線状の搬送路を形成する無端環状の2本の搬送ベルト、及びこの搬送ベルトを回動させる駆動部を有し、測定対象物を、前記2本の搬送ベルトに跨った状態で前記搬送路に沿って搬送する搬送装置と、
前記光源装置によって発生された波長掃引光を、前記搬送路上に設定された測定位置に導いて照射する光路を有するとともに、前記光路上に設けられて、前記波長掃引光の透過、不透過を切り換える遮光部を有する照射装置と、
前記照射装置によって前記測定位置に照射された波長掃引光を受光する受光装置と、
前記搬送装置の搬送方向において、前記測定位置よりも上流側に設けられ、前記搬送装置によって搬送される測定対象物を検知する物体検知センサと、
前記搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサと、
前記搬送装置の駆動部、及び前記照射装置の遮光部を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記物体検知センサによる検知、及び前記搬送検出センサによって検出される搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、前記測定対象物が前記測定位置に達するタイミングを推定し、推定されたタイミングに同期させて前記遮光部を制御して、前記測定対象物が測定位置に存在する間は透過状態にし、測定対象物が測定位置に存在しない間は、不透過状態にするように構成された光測定装置に係る。
【0022】
この態様(第2の態様)の光測定装置によれば、測定対象物は、搬送装置の2本の搬送ベルトに跨った状態でその搬送路に沿って搬送される。一方、光源装置により波長掃引光が発生され、発生された波長掃引光は、照射装置により、搬送路上に設定された測定位置に導かれ、この測定位置に照射された波長掃引光が受光装置によって受光される。
【0023】
そして、搬送装置によって搬送される測定対象物は、測定位置よりも上流側に設けられる物体検知センサによって検知され、当該物体検知センサによる測定対象物の検知、及び搬送検出センサによって検出される搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位に基づいて、制御装置により、測定対象物が測定位置に達するタイミングが推定されるとともに、推定されたタイミングに同期させて照射装置の遮光部が制御され、測定対象物が測定位置に存在する間は、波長掃引光を透過させ、測定対象物が測定位置に存在しない間は、波長掃引光を遮光する。そして、測定対象物が測定位置に存在する間においてのみ、波長掃引光が測定対象物を透過して受光装置に受光され、受光装置によって、測定対象物の光学特性に応じた検出信号が出力される。尚、前記不透過状態には、完全に光の透過を遮断する場合のみならず、透過する光を減光させる態様も含まれる。
【0024】
斯くして、この光測定装置によれば、測定対象物が測定位置に存在しない間は、遮光部により、波長掃引光の光路を遮断しているので、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されるのを防止することができ、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されることによって、当該受光装置が損傷するのを回避することができる。
【0025】
前記第2の態様において、前記遮光部は、可動式シャッタ、可変式アテネータのいずれかを含んだ態様を採ることができ、前記可変式アテネータは、液晶シャッタ、音響光学変調器、電気光学変調器のいずれかを含んだ態様を採ることができる。
【0026】
また、上記の各態様において、前記波長掃引光は前記2本の搬送ベルト間を通過して前記測定対象物に照射されるように構成されていても良い。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る光測定装置によれば、測定対象物が測定位置に存在しない間は、波長掃引光が受光装置に受光されないように、当該光路を制御することができるので、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されるのを防止することができ、波長掃引光が受光装置にそのまま受光されることによって、当該受光装置が損傷するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態に係る光測定装置の概略構成を示した正面図である。
図2】本実施形態に係る搬送装置等を示した平面図である。
図3図2における矢視A-A方向の断面図である。
図4図3における矢視C-C方向の断面図である。
図5図2における矢視B-B方向の断面図である。
図6】本実施形態に係る光測定装置の概略構成を示した説明図であり、光源装置及び照射装置における光路を説明するための説明図である。
図7】波長掃引光について説明するための説明図である。
図8】本実施形態の光測定装置による分光を説明するための説明図である。
図9】本発明の他の実施形態に係る光測定装置の概略構成を示した説明図である。
図10】従来の光測定装置を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1図6に示すように、本例の光測定装置1は、供給部2、搬送装置10、光源装置35、照射装置40、参照光受光装置50、測定光受光装置51、物体検知センサ55、選別装置60、制御装置65及び演算装置70などから構成される。以下、各部の詳細について説明する。なお、本例における測定対象物Mは、平面形状が円形を有し、縦断面形状が楕円形を有する錠剤としているが、測定対象物Mとしては、他の形状を有する医薬品(錠剤,カプセル等)、或いは食品,機械部品や電子部品等を例示することができる。但し、これに限られるものではない。
【0031】
前記供給部2は、測定対象物Mを一列に整列させて前記搬送装置10に供給する機構部であり、ホッパ3、振動フィーダ4、シュート5及び整列テーブル6などから構成される。ホッパ3は、上端開口部から投入された多数の測定対象物Mを貯留し、その下端開口部から適量の測定対象物Mを排出する。振動フィーダ4は、ホッパ3の下方に設けられており、ホッパ3の下端開口部から排出される測定対象物Mを受容して、振動を付与することにより、当該測定対象物Mを設定された経路で移動させる。
【0032】
シュート5は、振動フィーダ4の搬送終端に接続するように設けられ、当該搬送終端から排出された測定対象物Mを受容して斜め下方に滑落させ、その下端部から排出する。整列テーブル6は、シュート5の下端部の下方に水平に設けられた円板状の回転テーブルを有し、シュート5から供給された測定対象物Mを回転テーブル上に受容して、回転テーブルの回転作用により、測定対象物Mを一列に整列して搬送装置10に供給する。
【0033】
図2及び図3に示すように、前記搬送装置10は、細長い筐体状をした吸引ボックス11と、所定の間隔をあけて相互に対向するように並設される無端環状をした2本の搬送ベルト15,16と、吸引ボックス11内を負圧にする排気ポンプ17と、吸引ボックス11の周りを囲むように設けられたカバー体24などから構成される。
【0034】
図4に示すように、前記吸引ボックス11は、その上面に開口し、且つその長手方向に沿って形成されたスリット12を備え、更に、このスリット12を挟んだ両側にそれぞれ形成されたガイド溝13,14を備えている。
【0035】
図3に示すように、前記カバー体24には、その4隅に、前記吸引ボックス11を取り囲むように、駆動プーリ18、従動プーリ19,20,21が配設されており、前記搬送ベルト15,16は、前記吸引ボックス11の上面に形成されたガイド溝13,14にそれぞれ嵌まり込んだ状態で、駆動プーリ18、従動プーリ19,20,21に巻き掛けられている。また、駆動プーリ18には、駆動モータ22が接続されており、駆動プーリ18は、この駆動モータ22によって駆動され、駆動プーリ18が矢示D方向に回転すると、前記搬送ベルト15,16が矢示E方向に回動する。また、駆動モータ22にはロータリエンコーダ23が取り付けられており、このロータリエンコーダ23によって、駆動モータ22の回転速度が検出され、駆動モータ22の回転速度から搬送ベルト15,16の走行速度(搬送速度)を算出することができる。
【0036】
このロータリエンコーダ23は、駆動モータ22の単位時間当たりの回転角を検出するものであり、この意味において、搬送ベルト15,16の走行速度(搬送速度)を検出することができるが、走行速度は搬送ベルト15,16の移動量(変位量)と等価であり、したがって、このロータリエンコーダ23は、搬送ベルト15,16の移動量(変位量)を検出する手段であると観念することができる。また、このロータリエンコーダ23は、搬送ベルトの搬送速度又は搬送方向の変位を検出する搬送検出センサとして機能するものであるが、このような搬送検出センサとしては、ロータリエンコーダ23に限定されるものではない。
【0037】
尚、本例の搬送ベルト15,16はタイミングベルトから構成され、また、前記駆動プーリ18、従動プーリ19,20,21は、それぞれタイミングプーリから構成されているが、このような構成に限られるものではない。
【0038】
この搬送装置10では、排気ポンプ17により吸引ボックス11内を排気して、当該吸引ボックス11内を負圧にすると、この負圧がスリット12を介して搬送ベルト15,16間に作用する。そして、この搬送装置10の上流側から、搬送ベルト15,16に跨るように順次測定対象物Mが供給されると、供給された測定対象物Mは、負圧の作用により、搬送ベルト15,16上に吸着され、搬送ベルト15,16に吸着された錠剤は、当該搬送ベルト15,16の矢示E方向に向けた走行によって、その搬送終端に向けて搬送される。このように、この搬送装置10では、搬送ベルト15,16の上側の面が搬送支持面となっており、その走行路が吸着搬送路となっている。
【0039】
そして、搬送装置10の一方の側面(本例では、正面側の側面)に筐体状のカバー体30が設けられており、このカバー体30内に、前記光源装置35、照射装置40の主要部、参照光受光装置50が設けられている。
【0040】
また、搬送ベルト15,16によって形成される吸着搬送路の適宜位置に測定位置Pが設定され、この測定位置Pの上方に測定光受光装置51が設けられている。また、当該吸着搬送路において、前記測定位置Pより上流側に設定された適宜位置の上方に物体検知センサ55が設けられており、測定位置Pより下流側の搬送終端付近の上方に選別装置60が設けられている。
【0041】
前記光源装置35は、パルス光を出射するパルス光源、及びパルス光源から出射されたパルス光を伸長して出射するストレッチャを含んで構成される。具体的には、パルス光源は、広帯域な連続スペクトルを有する広帯域パルス光を出射する。広帯域パルス光のスペクトルは、たとえば900nm~1300nmの範囲において、少なくとも10nm、好ましくは50nm、より好ましくは100nmの波長域にわたって連続しており、広帯域パルス光の波長域の幅は、分光に必要な波長域をカバーしていればよい。また、ストレッチャは、パルス光源から出射された広帯域パルス光を時間軸上で伸長した波長掃引光を生成して出射する。
【0042】
図7は、波長掃引光を示した図であり、その上段は、波長掃引光の強度(時間波形)IWS(t)を、下段は波長掃引光の波長λの時間変化を示している。この例において、波長掃引光は1個のパルス光であり、その前縁部における主波長がλ1、後縁部における主波長がλnであり、1パルス内で波長がλ1からλnの間で経時的に変化している。また、この例では、波長掃引光は、時間とともに振動数が増加する、言い換えると時間とともに波長が短くなる正のチャープパルス(λ1>λn)であるが、これに限られるものではなく、波長掃引光は、時間とともに波長が長くなる負のチャープパルスであってもよい(λ1<λn)。或いは、波長掃引光は、波長ごとに、時間的に孤立したパルス(波束)からなるパルス列であってもよい。
【0043】
前記照射装置40は、光源装置35から出射された波長掃引光を導いて、搬送装置10の搬送路上に設定された測定位置Pに照射する機構部であり、本例では、前記カバー体30内に設けられたビームスプリッタ41、ガルバノミラー42、モータ43、スリット部材44及び第1ミラー45、並びに搬送装置10の吸引ボックス11内に設けられる第2ミラー46などから構成されるが、他のミラーやレンズなどを含んでいてもよい。
【0044】
前記ビームスプリッタ41は、光源装置35から出射された波長掃引光の光路上に設けられて、当該波長掃引光を2つの光束に分岐する光学部材であり、一方の光束は出射方向にそのまま透過されて測定光となり、他方の光束は、例えば45°で反射されて参照光となる。参照光は、光源装置35の側方に設けられた参照光受光装置50に入射される。
【0045】
前記ガルバノミラー42は、前記ビームスプリッタ41を透過した測定光の光路上に設けられて、その上方に配設された第1ミラー45に向けて測定光を反射する。このガルバノミラー42は、モータ43によって、測定光の光軸と水平に直交する軸線を中心として回転するように構成されており、この回転によって測定光の反射角が調整される。このガルバノミラー42及びモータ43が光路切換部を構成する。尚、本例では光路切換部として、ガルバノミラー42を用いているが、これに限られるものではなく、ガルバノミラー42に代えて、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ミラー、ポリゴンミラー、ピエゾ駆動ミラーなどを用いることができる。
【0046】
前記スリット部材44は開口部であるスリットを有する遮光性を備えた部材であり、前記ガルバノミラー42と第1ミラー45との間に設けられ、ガルバノミラー42によって反射された測定光がスリットを通過する光路(照射光路)を取るとき、測定光は第1ミラー45に到達し、測定光がスリットを通過しない光路(退避光路)を取るとき、測定光はスリット部材44によって遮光される。尚、スリット部材44は、アパーチャとして機能するものであるが、これに代えて、同様の機能を有するアイリス、ピンホール、ナイフエッジ(片エッジのスリット)といった構造を有する部材を用いることができる。
【0047】
前記第1ミラー45は、ガルバノミラー42によって反射された測定光を、搬送装置10の吸引ボックス11内に設けられた第2ミラー46に向けて反射するように配設されている。第2ミラー46に向けた測定光の光路が通る搬送装置10のカバー体24、及び吸引ボックス11の側板には、それぞれ貫通穴24a,11aが形成されている。また、吸引ボックス11に設けられる貫通穴11aは、外側が大径部11b、内側が小径部11cの二段穴となっており、大径部11bにガラス板25が嵌め込まれることによって、貫通穴11aが気密的に封止されている。斯くして、第1ミラー45によって反射された測定光は、貫通穴24a及び貫通穴11aに設けられるガラス板25を通って、吸引ボックス11内の第2ミラー46に到達する。
【0048】
前記第2ミラー46は、上述したように、搬送装置10の吸引ボックス11内に設けられており、第1ミラー45によって反射された測定光を上方に向けて、搬送装置10の吸引ボックス11に設けられたスリット12及び搬送ベルト15,16間を通って、搬送路上に設定された測定位置Pを通過するように反射する。
【0049】
尚、本例の照射装置40において、光源装置35とビームスプリッタ41との間に、光源装置35から出射された波長掃引光をコリメートするコリメータをさらに設けてもよい。
【0050】
前記参照光受光装置50は、前記ビームスプリッタ41によって分光された参照光を検出し、A/D変換されたデジタル信号を参考信号として出力する。
【0051】
前記測定光受光装置51は、前記測定位置Pの上方に配設されており、測定位置Pに位置する測定対象物Mを透過した測定光(物体光)を検出し、A/D変換されたデジタル信号を測定信号として出力する。
【0052】
前記物体検知センサ55は、上述したように、前記測定位置Pより上流側に設定された適宜位置に設けられるもので、搬送装置10によって搬送される測定対象物Mを検出して、検知信号を前記制御装置65に出力する。尚、この物体検知センサ55としては、光学式のものを例示することができるが、これに限られるものではなく、適用可能な範囲で、従来公知の全ての物体検知センサを用いることができる。
【0053】
前記選別装置60は、上述したように、搬送装置10の搬送終端に設けられるもので、図示しない選別回収機構と、良品回収室及び不良品回収室とを備え、前記制御装置65からの指令に従い前記選別回収機構を駆動し、搬送装置10の搬送終端に搬送された測定対象物Mの内、良品を良品回収室に回収し、不良品を不良品回収室に回収する。尚、選別回収機構としては、負圧によって測定対象物Mを吸引回収するように構成された機構を例示することができる。
【0054】
前記制御装置65は、前記振動フィーダ4、整列テーブル6、搬送装置10の排気ポンプ17及び駆動モータ22、光源装置35、照射装置40のモータ43、選別装置60の選別回収機構などの動作を制御する。特に、制御装置65は、物体検知センサ55によって測定対象物Mが検知されると、照射装置40のモータ43を駆動して、ガルバノミラー42によって反射される測定光の光路を切り換える処理を行う。
【0055】
具体的には、制御装置65は、物体検知センサ55によって測定対象物Mが検知され、当該物体検知センサ55から検知信号を受信すると、その時に、前記ロータリエンコーダ23によって検出される駆動モータ22の回転速度に基づいて、搬送ベルト15,16によって搬送される測定対象物Mの搬送速度を算出する。
【0056】
次に、制御装置65は、算出した搬送速度、及び予め取得された物体検知センサ55の検知位置と前記測定位置Pとの間の距離に基づいて、物体検知センサ55によって検知された測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るまでの時間(タイミング)を算出し、算出された時間が経過したとき、測定対象物Mが測定位置Pを通過するまでの間、モータ43を駆動して、ガルバノミラー42によって反射される測定光の光路を、スリット部材44のスリット孔を通過する光路(照射光路)(図5及び図6において実線で示した光路)に切り換え、次いで、測定対象物Mが測定位置Pを通過する少し前に、再度、モータ43を駆動して、ガルバノミラー42によって反射される測定光の光路がスリット部材44のスリット孔を通過しない光路(退避光路)(図5及び図6において二点鎖線で示した光路)に切り換える。以上により、測定対象物Mが測定位置Pにあるときにのみ、測定光が測定位置Pに照射され、言い換えれば、測定対象物Mが測定位置Pにないときには、測定光が測定位置Pに照射されないようにすることができる。
【0057】
尚、搬送される測定対象物Mが測定位置Pに存在する時間は、測定対象物Mの搬送方向における大きさ(本例では直径)と、測定対象物Mの搬送速度とに基づいて、算出することができる。
【0058】
前記演算装置70は、物体光を検出する測定光受光装置51の出力信号、及び参照光を検出する参照光受光装置50の出力信号を受信して、これらの信号を処理して、測定対象物Mの光学特性を検出(測定)する。
【0059】
波長掃引型の分光法では、波長掃引光における時刻と波長は1対1の対応関係を有しており、この対応関係は、当然ながら参照光も有しており、また物体光にも引き継がれている。この時間と波長の対応関係を利用して、演算装置70は、測定対象物Mの光学特性を検出(測定)する。
【0060】
測定光受光装置51の出力信号をD1、この出力信号D1が示す物体光の時間波形をIOBJ(t)とし、参照光受光装置50の出力信号をD2、この出力信号D2が示す参照光の時間波形をIREF(t)として、演算装置70は、例えば、物体光の時間波形IOBJ(t)を、周波数ドメインのスペクトルIOBJ(λ)に変換し、同様に、参照光の時間波形IREF(t)をスペクトルに変換し、適切にスケーリングすることで、参照スペクトルIREF(λ)を計算する。
【0061】
演算装置70における処理は特に限定されないが、一例として、演算装置70は、参照スペクトルIREF(λ)と物体光のスペクトルIOBJ(λ)とに基づいて、下式により、測定対象物Mの光学特性としての透過率T(λ)を計算し、その良否を判定する。
T(λ)=IOBJ(λ)/IREF(λ)
【0062】
図8は、本例の光測定装置1による分光を説明する説明図である。上述のように、波長掃引光は、時間tと波長λが1対1で対応しているから、その時間波形IREF(t)は、周波数ドメインのスペクトルIREF(λ)に変換することができる。
【0063】
物体光の時間波形IOBJ(t)も、時間tと波長λが1対1で対応したものとなるので、物体光の波形IOBJ(t)は、物体光のスペクトルIOBJ(λ)に変換することができる。
【0064】
演算装置70は、2つのスペクトルIOBJ(λ)とIREF(λ)の比IOBJ(λ)/IREF(λ)にもとづいて、測定対象物Mの透過スペクトルT(λ)を計算する。尚、測定対象物Mの光学特性は、この透過スペクトルT(λ)によって表現される。
【0065】
波長掃引光における時間tの波長λの関係が、λ=f(t)なる関数で表されるとすると、最も簡易には、波長λは、時間tに対して、一次関数にしたがってリニアに変化する態様を採る。これは、物体光の時間波形IOBJ(t)が、ある時刻txにおいて低下するとき、透過スペクトルT(λ)は、波長λx=f(tx)に吸収スペクトルを有することを意味する。
【0066】
なお、演算装置70における処理はこれに限定されない。時間の2つの時間波形IOBJ(t)とIREF(t)の比T(t)=IOBJ(t)/IREF(t)を演算した後に、この時間波形T(t)の変数tをλに変換することで、透過スペクトルT(λ)を算出してもよい。
【0067】
尚、前記制御装置65及び演算装置70は、CPU、RAM、ROMなどを含むコンピュータから構成され、これらを別体のコンピュータから構成してもよいし、一つのコンピュータから構成してもよい。
【0068】
以上の構成を備えた本例の光測定装置1によれば、以下のようにして、測定対象物Mの光学特性が測定される。
【0069】
まず、前記制御装置65による制御の下で、前記振動フィーダ4、整列テーブル6、搬送装置10の排気ポンプ17及び駆動モータ22が駆動され、ホッパ3に投入された測定対象物Mが振動フィーダ4及び整列テーブル6を順次経由することによって一列に整列され、このように一列に整列された状態で搬送装置10に供給される。そして、搬送装置10に順次供給される測定対象物Mは、搬送ベルト15,16に跨った状態で吸着搬送される。したがって、測定対象物Mは、安定した姿勢で搬送され、吸着搬送路から逸脱することなく、当該吸着搬送路上を搬送される。
【0070】
また、制御装置65は光源装置35を駆動して波長掃引光を出射させる。光源装置35から出射された波長掃引光は、ビームスプリッタ41によって、2つの光束に分光され、一方の光束は出射方向にそのまま透過されて測定光となり、他方の光束は反射されて参照光として参照光受光装置50に受光される。尚、このときガルバノミラー42は、反射させた測定光が、スリット部材44のスリット孔を通過しない光路(退避光路)(図5及び図6において、二点鎖線で示した光路)を取る姿勢となっている(図5及び図6において、二点鎖線で示した姿勢)。したがって、この時点では、測定光は測定光受光装置51には入射されない。
【0071】
そして、制御装置65は、搬送装置10によって順次搬送される測定対象物Mが物体検知センサ55によって検知され、その検知信号を当該物体検知センサ55から受信すると、ロータリエンコーダ23によって検出される駆動モータ22の回転速度に基づいて、物体検知センサ55によって検知された測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るまでの時間(タイミング)を算出し、算出された時間が経過したとき、モータ43を駆動して、ガルバノミラー42によって反射される測定光の光路を、スリット部材44のスリット孔を通過する光路(照射光路)に切り換える。
【0072】
これにより、測定光は第1ミラー45及び第2ミラー46により順次反射されて測定位置Pにある測定対象物Mに入射され、当該測定対象物Mを透過した後、物体光として測定光受光装置51に受光される。次に、制御装置65は、測定対象物Mが測定位置Pを通過するまでの間、測定光の光路を照射光路に維持した後、測定対象物Mが測定位置Pを通過する少し前に、再度、モータ43を駆動して、ガルバノミラー42によって反射される測定光の光路を、スリット部材44のスリット孔を通過しない光路(遮光光路)に切り換える。以上により、測定対象物Mが測定位置Pにあるときのみ、測定光が測定位置Pに照射され、測定対象物Mが測定位置Pにないときには、測定光が測定位置Pに照射されないようにすることができる。
【0073】
尚、測定対象物Mは、吸着搬送によって測定位置Pに安定した姿勢で搬送されるので、測定位置Pにある測定対象物Mに対して確実に測定光を照射することができる。また、測定対象物Mは、搬送ベルト15,16に跨った状態で吸着搬送されているので、測定光は、搬送ベルト15,16間を通り、測定対象物Mのみを透過して測定光受光装置51に受光される。
【0074】
測定光受光装置51によって物体光が受光されると、当該測定光受光装置51からその出力信号が演算装置70に送信され、当該演算装置70において、当該測定光受光装置51から受信された物体光の出力信号、及び参照光受光装置50から受信した参照光の出力信号に基づいて、測定対象物Mの光学特性が測定され、その良否が判定され、その判定結果が制御装置65に送信される。
【0075】
そして、制御装置65は、演算装置70から受信した判定結果に基づいて、選別装置60の選別回収機構を駆動して、良品を良品回収室に回収し、不良品を不良品回収室に回収する。尚、制御装置65は、測定対象物Mの搬送速度、及び予め取得された物体検知センサ55の検知位置と選別回収機構との間の距離に基づいて、物体検知センサ55によって検知された測定対象物Mが検知時点から選別回収機構に至るまでの時間(タイミング)を算出し、対応する測定対象物Mが選別回収機構に到達した時点で、当該選別回収機構を駆動する。
【0076】
以上の動作によって、搬送装置10によって順次ランダムに搬送される測定対象物Mの光学特性を順次測定し、測定結果に基づいて、良品と不良品とに選別される。
【0077】
このように、本例の光測定装置1によれば、測定対象物Mが測定位置Pにあるときにのみ、測定光が測定位置Pに照射されて測定光受光装置51に受光され、測定対象物Mが測定位置Pにないときには、測定光が測定位置Pに照射されない、言い換えれば、測定光受光装置51に受光されないようにすることができる。したがって、高パワーの波長掃引光が測定光受光装置51にそのまま受光されるのを防止することができ、波長掃引光が測定光受光装置51にそのまま受光されることによって、当該測定光受光装置51が損傷するのを回避することができる。
【0078】
因みに、この光測定装置1における効果を以下のようにして検証した。光源装置35から出射される波長掃引光(測定光)のビーム径を0.8mm(1/e径)とし、スリット部材44のスリット穴の幅を2mmとした。スリット部材44の下面における照射光路と遮光光路との距離(退避距離)を3mmとした。
【0079】
測定位置Pに測定対象物Mが存在しない状態で、測定光の光路を照射光路及び遮光光路とした場合のそれぞれについて、測定光受光装置51に入射される光強度を測定したところ、照射光路では入射強度が58mWであったのに対し、遮光光路では入射強度は12μWであり、入射強度は0.021%まで低下していた。これは、測定光受光装置51の許容入力(損傷閾値)を十分下回る値である。
【0080】
スリット部材44のスリットの幅、及び退避距離については、測定光受光装置51の損傷閾値、測定光のビーム径、光路切換部(ガルバノミラー42及びモータ43)の性能(速度)を考慮して実験的に決定することができる。
【0081】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何ら上例のものに限定されるものではない。
【0082】
例えば、上例では、アパーチャとして機能するスリット部材44を設けたが、このような構成に限られるものではなく、測定光の光路を退避光路としたときに、測定光受光装置51に入射される光強度を十分に低下させることができれば、このようなアパーチャを設けなくてもよい。但し、アパーチャを設けることにより、測定光が迷光になるのを防止することができる。
【0083】
また、上例では、ガルバノミラー42及びモータ43から構成される光路切換部によって、測定光の光路を照射光路と退避光路とに切り換えるようにしたが、このような構成に限られるものではなく、例えば、図9に示すように、ガルバノミラー42に代えて第3ミラー47を設けるとともに、スリット部材44に代えて、透過状態と不透過状態とに切り換える遮光部材48を設けた照射装置41’としてもよい。この例の光測定装置1’は、この構成においてのみ、上述した光測定装置1とその構成が異なり、他の構成については、光測定装置1と同じ構成である。このため、図9では、図6に示した上例の光測定装置1の構成と同じ構成については、同じ符号を付している。尚、不透過状態には、完全に光の透過を遮断する場合のみならず、透過する光を減光させる態様も含まれる。
【0084】
この光測定装置1’では、制御装置65は、搬送装置10によって順次搬送される測定対象物Mが物体検知センサ55によって検知され、その検知信号を当該物体検知センサ55から受信すると、上例と同様にして、ロータリエンコーダ23によって検出される駆動モータ22の回転速度に基づいて、物体検知センサ55によって検知された測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るまでの時間(タイミング)を算出し、算出された時間が経過したとき、不透過状態にある遮光部材48を透過状態に切り換える。
【0085】
これにより、第3ミラー47によって反射された測定光は、遮光部材48を透過して第1ミラー45及び第2ミラー46により順次反射されて測定位置Pにある測定対象物Mに入射され、当該測定対象物Mを透過した後、物体光として測定光受光装置51に受光される。一方、遮光部材48が不透過状態にある場合には、第3ミラー47によって反射された測定光は遮光部材48によって遮光されるため、測定位置Pにはそのままの状態では到達しない。
【0086】
そして、制御装置65は、測定対象物Mが測定位置Pを通過するまでの間、遮光部材48を透過状態に維持した後、測定対象物Mが測定位置Pを通過する少し前に、再度、遮光部材48を不透過状態にする。以上により、測定対象物Mが測定位置Pにあるときのみ、測定光が測定位置Pに照射され、測定対象物Mが測定位置Pにないときには、測定光が測定位置Pに照射されないか、若しくは測定位置Pに照射される測定光を減光させることができる。
【0087】
斯くして、このような構成の光測定装置1’によっても、高パワーの波長掃引光が測定光受光装置51にそのまま受光されるのを防止することができ、波長掃引光が測定光受光装置51にそのまま受光されることによって、当該測定光受光装置51が損傷するのを回避することができる。
【0088】
尚、遮光部材48としては、可動式シャッタ、若しくは可変式アテネータを例示することができ、可変式アテネータとしては、液晶シャッタ、音響光学変調器(AOM)、電気光学変調器(EOM)などを例示することができる。
【0089】
また、上記の各例では、制御装置65において、ロータリエンコーダ23によって検出される駆動モータ22の回転速度に基づいて、搬送ベルト15,16によって搬送される測定対象物Mの搬送速度を算出し、算出した搬送速度、及び予め取得された物体検知センサ55の検知位置と前記測定位置Pとの間の距離に基づいて、物体検知センサ55によって検知された測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るまでの時間(タイミング)を算出するようにしたが、測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るタイミングの推定は、このような手法に限られるものではない。
【0090】
例えば、上述したように、ロータリエンコーダ23は駆動モータ22の単位時間当たりの回転角を検出するものであるから、ロータリエンコーダ23により搬送ベルト15,16の移動量、言い換えれば、測定対象物Mの移動量を検出することができ、この移動量に基づいて、測定対象物Mが検知時点から測定位置Pに至るタイミングを推定するようにしても良い。
【符号の説明】
【0091】
1 光測定装置
2 供給部
3 ホッパ
4 振動フィーダ
5 シュート
6 整列テーブル
10 搬送装置
11 吸引ボックス
11a 貫通穴
12 スリット
13,14 ガイド溝
15,16 搬送ベルト
17 排気ポンプ
18 駆動プーリ
19,20,21 従動プーリ
22 駆動モータ
23 ロータリエンコーダ(速度検出センサ)
24 カバー体
24a 貫通穴
25 ガラス板
30 カバー体
35 光源装置
40 照射装置
41 ビームスプリッタ
42 ガルバノミラー
43 モータ
44 スリット部材
45 第1ミラー
46 第2ミラー
50 参照光受光装置
51 受光装置
55 物体検知センサ
60 選別装置
65 制御装置
70 演算装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10