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特開2025-17713情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017713
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0203 20230101AFI20250130BHJP
【FI】
G06Q30/0203
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120890
(22)【出願日】2023-07-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.2022年07月28日 別紙記載のウェブサイトにて発表
(71)【出願人】
【識別番号】509286983
【氏名又は名称】株式会社ロイヤリティマーケティング
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 友朗
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB01
5L049BB01
(57)【要約】
【課題】顧客視点での店舗評価をスピーディに行い、顧客評価を店舗単位で見える化できるように支援するマーケティングリサーチ支援システムを提供することを目的とする。
【解決手段】マーケティングリサーチ支援システムは、店舗調査アンケートに対する会員からのアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして収集する収集部と、前記店舗調査ローデータから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、リサーチ用データとして抽出する抽出部と、前記リサーチ用データを集計し、調査結果レポートを出力する集計処理部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗調査アンケートに対する会員からのアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして収集する収集部と、
前記店舗調査ローデータから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、リサーチ用データとして抽出する抽出部と、
前記リサーチ用データを集計し、調査結果レポートを出力する集計処理部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記店舗調査ローデータは、少なくとも、前記会員が来店した店舗および店舗調査に関する設問へのアンケート回答データを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定条件を満足する会員は、調査対象店舗に自然に来店したという条件を満足する会員である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記調査対象店舗に自然に来店したという条件は、前記会員の居住地に関する条件である、請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記会員の居住地に関する条件は、前記会員が前記調査対象店舗と同じ行政区画内に居住するという条件である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記調査結果レポートは、汎用向け調査結果レポート、現場・本部向け調査結果レポート、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポート、定点調査結果レポートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
調査対象店舗に関する調査依頼を調査依頼者から取得する取得部を更に備える、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
店舗調査アンケートに対する会員からのアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして収集することと、
前記店舗調査ローデータから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、リサーチ用データとして抽出することと、
前記リサーチ用データを集計し、調査結果レポートを出力することと、
を備える、情報処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置が備える前記各部としてプロセッサを動作させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーケティングリサーチを支援するための情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、マーケティングリサーチを実施することにより、自社の店舗について顧客の評価や満足度を分析することが知られている。例えば、企業は、自社店舗におけるサービスについて、質の向上や競合他社との差別化を図るために、自社店舗と他社との対比を行うため、覆面調査を利用することが知られている。覆面調査は、企業に依頼された覆面調査員が、客のふりをして店舗の営業実態を調査するものであり、覆面調査員により自社店舗や競合店舗を調査する。
【0003】
覆面調査を行うことにより、調査対象の店舗について、消費者目線という立場からの評価を得られることができる。しかし、覆面調査を行うためには、調査対象の店舗の状況に応じて、調査員を誰にするのか、調査内容を何にするのか、どのように調査するのかといった検討を行う必要があり、実施までには時間とコストがかかるという問題があった。このため、コンピュータを利用して、対象店舗の調査を実施しようとすることも行われている。
【0004】
特許文献1には、戦略商圏を分析し、店舗にアドバイスする店舗アドバイス方法であって、店舗に来店する顧客のうち、特定の複数顧客からの住所情報と購入情報から、戦略商圏と戦略外商圏とに区分し、マーケットシェアを算出して集客力強化等のアドバイスを行うことが記載されている。
【0005】
特許文献2には、顧客のアンケート情報を正確に収集することができ、店舗の運営や戦略をより一層効率的に行うことが可能なアンケート情報収集システムにおいて、店舖において携帯型情報端末装置から識別コードを読み取られた顧客のみがアンケートに回答できるようにし、同じ顧客が何回もアンケートに回答することや、店舗に来店していないにもかかわらず不正にアンケートに回答することを防止し、顧客のアンケート情報を正確に収集することができるようにしたシステムが記載されている。
【0006】
特許文献3には、収集したアンケート回答情報を分析・評価するための複数の項目で分析・評価して、サービス提供者の経営改善情報を生成して出力して、アンケート回答情報からサービス提供者に直ちに経営改善情報を提供可能な改善情報出力装置が記載されており、さらに、分析・評価項目毎の経営改善情報を、単独表示レーダチャート、時系列表示レーダチャート、他者比較表示レーダチャートとして生成し、出力することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-123787号公報
【特許文献2】特開2004-246839号公報
【特許文献3】特開2005-92842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の従来技術では、店舗に来店する顧客のうち、特定の複数顧客からの住所情報や購入情報からマーケティングリサーチを行うことはできるが、店舗に来店する顧客数が限られるため、マーケティングリサーチを行うための十分な顧客データを収集することは困難であった。また、顧客のアンケート情報を正確に収集するために、正当な顧客であることを認証する必要があることから、顧客にとって負担になるばかりか、店舗にとってもコンピュータシステムの設置や運用にコストがかかるという問題があった。
【0009】
また、顧客からのアンケート回答などにより、分析・評価項目ごとの経営改善情報を各種のグラフなどで表示することは行われている。しかし、マーケティングリサーチの結果は、経営層から現場まで、多方面の店舗関係者がそれぞれの目線で調査結果を分析することになるが、これら店舗関係者のニーズを網羅することができないという問題があった。
【0010】
本発明は、上記事情に着目してなされたもので、十分な顧客データに基づいて、顧客視点での店舗評価をスピーディに行い、顧客評価を店舗単位で見える化できるようにマーケティングリサーチを支援する情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本開示に係る購買分析を支援する情報処理装置の第1態様は、店舗調査アンケートに対する会員からのアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして収集する収集部と、前記店舗調査ローデータから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、リサーチ用データとして抽出する抽出部と、前記リサーチ用データを集計し、調査結果レポートを出力する集計処理部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本開示に係る情報処理装置の第2態様は、前記店舗調査ローデータは、少なくとも、前記会員が来店した店舗および店舗調査に関する設問へのアンケート回答データを含むことを特徴とする。
【0013】
本開示に係る情報処理装置の第3態様は、前記所定条件を満足する会員は、調査対象店舗に自然に来店したという条件を満足する会員であることを特徴とする。
【0014】
本開示に係る情報処理装置の第4態様は、前記調査対象店舗に自然に来店したという条件は、前記会員の居住地に関する条件であることを特徴とする。
【0015】
本開示に係る情報処理装置の第5態様は、前記会員の居住地に関する条件は、前記会員が前記調査対象店舗と同じ行政区画内に居住するという条件であることを特徴とする。
【0016】
本開示に係る情報処理装置の第6態様は、前記調査結果レポートは、汎用向け調査結果レポート、現場・本部向け調査結果レポート、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポート、定点調査結果レポートのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0017】
本開示に係る情報処理装置の第7態様は、調査対象店舗に関する調査依頼を調査依頼者から取得する取得部を更に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本開示の第1態様によれば、覆面調査員のような実際の調査員ではなく、会員に対するアンケートにより事前に収集した店舗調査ローデータを用いて店舗の評価を行うようにしたことから、十分なデータに基づいて、一般の消費者目線による生の声をスピーディかつローコストで集計することができる。また、調査の実施により、顧客の声を可視化したインタラクティブな調査結果レポートを提供することができるため、店舗の長所と短所を明確に把握することができる。
【0019】
本開示の第2態様によれば、会員は、通常の消費行動の中で感じた店舗の良し悪しをアンケート回答データをオリジナルのまま記録して利用することにより、アンケート回答データを多様な目的で利用することができる。
【0020】
本開示の第3態様によれば、調査対象となる店舗に自然に来店したという条件により会員を特定し、当該会員が実際に買い物をした店舗についてのアンケートに基づいて、対象店舗の評価を行っていることから、店舗に自然に来店した顧客としての目線からの評価を取得することができる。これにより、調査対象店舗にとっても受け入れやすい評価となり、店舗でのサービス改善に直結させることができる。
【0021】
本開示の第4態様によれば、会員の居住地に関する条件により、リサーチ用データを抽出することから、普段、調査対象店舗を利用する顧客の範囲を容易に特定することができる。
【0022】
本開示の第5態様によれば、会員が調査対象店舗と同じ行政区画内に居住するという条件により、リサーチ用データを抽出することから、普段、調査対象店舗を利用する顧客の範囲を生活圏に基づいて特定することができる。
【0023】
本開示の第6態様によれば、多様な調査結果レポートが選択可能に表示できることから、現場スタッフから経営層まで、調査結果レポートを活用しようとする者のニーズに応じて、レポートを出力することができる。
【0024】
本開示の第7態様によれば、調査依頼者の調査依頼に応じて、アンケートの設問あるいは店舗調査結果の出力形式を決定することができるため、調査依頼者のニーズに沿った店舗調査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、本開示の実施形態に係る情報処理装置が適用されたマーケティングリサーチ支援システム1の全体構成の一例を示す俯瞰図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係るリサーチ管理装置2の機能構成の一例を示す図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係るアンケートの設問・回答例を説明するための図である。
図4図4は、本開示の第1実施形態に係る会員テーブルの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施形態に係る店舗調査ローデータの一例を示す図である。
図6図6は、本開示の実施形態に係る調査依頼装置4の機能構成の一例を示す図である。
図7図7は、本開示の実施形態に係るユーザ装置5の機能構成の一例を示す図である。
図8図8は、本開示の第1実施形態に係るリサーチ管理装置2の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図9図9は、本開示の第1実施形態に係る汎用向け調査結果レポートの例を示す図である。
図10図10は、本開示の第1実施形態に係る現場・本部向け調査結果レポートの例を示す図である。
図11図11は、本開示の第1実施形態に係る自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポートの例を示す図である。
図12図12は、本開示の第1実施形態に係る定点調査結果レポートの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示の複数の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、既に説明済みである構成と同一又は類似した構成及び要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
<第1実施形態>
第1実施形態のマーケティングリサーチ支援システム1の一例について、図面を参照して以下に説明する。
【0028】
(1)マーケティングリサーチ支援システム1の全体構成
図1は、本開示の第1実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが適用されたマーケティングリサーチ支援システム1の全体構成の一例を示す俯瞰図である。図1のマーケティングリサーチ支援システム1は、リサーチ管理装置2、店舗あるいは本部等に設置される店舗装置3、店舗調査を依頼する者が利用する調査依頼装置4、アンケートを受信して回答するユーザ(状況に応じて、「会員」、「消費者」、「顧客」などともいう。)が利用するユーザ装置5を備えており、これらの情報処理装置は、インターネットのようなネットワーク6を介して接続されている。
【0029】
リサーチ管理装置2は、会員制サービスを提供しているものとする。会員制サービスでは、会員データに基づいて会員管理がなされているものとするが、ここでは、特定のポイント発行会社により運営されるポイントサービス、例えば、Pポイントサービスを例にとって説明する。店舗装置3を利用する店舗およびユーザ装置5を利用するユーザは、Pポイントサービスに参加しているとする。ユーザは、各店舗で商品やサービスを購入した場合、購入額に応じてPポイントが付与され、また、Pポイントを購買に利用することができる。店舗は、任意の形態の店舗でよく、例えば、個人または個人企業による小規模な店舗、 ショッピングセンターのような大規模小売店舗、百貨店などを含む。コンビニエンスストアのようにフランチャイズが形成されている場合には、特定のフランチャイザーが管理する直営店や加盟店であってもよい。さらに、店舗は、実店舗に限らず、ネットワーク上の仮想店舗であってもよい。
【0030】
リサーチ管理装置2は、ネットワーク6を介して、店舗装置3、調査依頼装置4、ユーザ装置5との間で通信を行い、マーケティングリサーチ支援システム1全体の管理を司る。リサーチ管理装置2は、店舗装置3からトランザクションデータを取得する。トランザクションデータは、店舗装置3で管理されるデータであって、顧客の購買データやポイント管理データを含む。
【0031】
リサーチ管理装置2は、店舗調査アンケートの配布や回収などのアンケート処理、店舗調査ローデータの収集処理、調査依頼事項の取得処理、リサーチ用データの抽出処理、集計処理を実行する。店舗調査アンケートには、少なくとも、来店した店舗および店舗調査に関する設問を含む。
【0032】
リサーチ管理装置2は、予め準備された店舗調査アンケートを会員に送付し、店舗調査アンケートに対する会員からのアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして収集する。ここで、店舗調査ローデータは、少なくとも、前記会員が来店した店舗および店舗調査に関する設問へのアンケート回答データを含む。このように、すべてアンケート対象の会員から収集した店舗調査ローデータは、データ処理などの手を加えることなく、そのまま店舗調査ローデータテーブルに記録される。店舗調査ローデータテーブルには、各会員のレコードに、該当する会員のアンケート回答データが配列される。
【0033】
リサーチ管理装置2は、調査対象店舗に関する調査依頼を調査依頼者から取得する。調査依頼者から調査依頼には、調査対象店舗、調査事項、調査結果レポートの指定などの店舗調査依頼事項が含まれる。調査対象店舗は、企業名と店舗名により特定される。また、調査対象店舗としては、自社店舗や競合店舗など、1または複数の任意の店舗を含んでもよい。また、実店舗に限らず、仮想店舗であってもよい。
【0034】
リサーチ管理装置2は、すべてのアンケート対象の会員から収集された店舗調査ローデータから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、リサーチ用データとして抽出する。ここで、所定条件を満足する会員は、調査対象店舗に自然に来店したという条件を満足する会員である。調査対象店舗に自然に来店したという条件は、例えば、会員の居住地に関する条件であり、具体的には、会員が調査対象店舗と同じ行政区画内に居住している場合には、所定条件を満足すると判定される。このような条件を満足する会員の店舗調査ローデータをリサーチ用データとして利用することにより、調査対象店舗に自然に来店したときの顧客目線で得られたアンケート回答を利用して店舗調査を行うことができる。
【0035】
リサーチ管理装置2は、リサーチ用データを集計し、所定の調査結果レポートを出力する。調査結果レポートとしては、汎用的な調査結果レポートと目的別の調査結果レポートが準備されている。なお、調査依頼者により、店舗調査依頼事項として追加の設問が設定された場合には、追加の設問に対する回答を含めた調査結果レポートが作成される。
【0036】
店舗装置3は、店舗あるいは本部等に設置されており、店舗での購買データやポイント管理データをトランザクションデータとして管理、記録する情報処理装置である。店舗装置3は、リサーチ管理装置2から要求があった場合、トランザクションデータをリサーチ管理装置2に送信する。トランザクションデータには、少なくとも、IDPOSデータ及びポイント管理データを含む。IDPOSデータは、顧客を識別する識別子などにより顧客情報が紐づいたPOSデータである。ここで、顧客を識別する識別子として、例えば、Pポイントサービスの会員を識別するIDを利用することができる。購買データには、例えば、顧客の利用した店舗、日時、個数、価格といったデータが含まれる。ポイント管理データは、購買時に顧客に付与されたポイント、顧客が利用したポイントなど、顧客のポイント利用履歴などを含む。
【0037】
調査依頼装置4は、リサーチ管理装置2から店舗調査の申込フォームを受信し、調査依頼者が入力した申込フォームをリサーチ管理装置2に返送する。店舗調査の申込フォームには、少なくとも、調査対象店舗、調査依頼事項および調査結果レポートについての指定を含む。調査事項の入力方法は任意の方法でよいが、例えば、プルダウンにより、複数の項目から所望の項目を選択できるよう構成されてもよい。調査依頼者は、申込フォームに、新たな設問事項を追加することができる。調査依頼装置4は、リサーチ管理装置2による店舗調査が終了した場合、リサーチ管理装置2から調査結果レポートを受信する。
【0038】
ユーザ装置5は、リサーチ管理装置2が管理する会員制サービスの会員が利用する情報処理装置である。ユーザ装置5は、リサーチ管理装置2から店舗調査アンケートを受信し、アンケート回答データをリサーチ管理装置2に返送する。
【0039】
(2)ハードウェア構成
(2-1)リサーチ管理装置2
リサーチ管理装置2は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース(通信I/F)24と、入出力インタフェース(入出力I/F)25と、これらを接続するバス26とを備えている。プロセッサ21は、リサーチ管理装置2全体の動作を制御する。プロセッサ21は、例えば、CPU、MPU、GPU等の汎用プロセッサであってもよいが、汎用プロセッサに限らず、ASICまたはFPGA等の専用プロセッサであってもよい。メモリ22は、主記憶装置であり、RAM等を含む。ストレージ23は、補助記憶装置であり、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)等の不揮発性記憶装置を含む。通信インタフェース(通信I/F)24は、有線または無線の通信インタフェースであり、ネットワーク6を介して店舗装置3、ユーザ装置5等と通信するためのモジュールである。なお、ネットワーク6は、例えばインターネットであり、LAN、WAN、移動通信網、有線電話網、FTTH、CATV網等のアクセス網を含み得る。入出力インタフェース(入出力I/F)25は、外部装置から入力データを取り込んだり、出力データを外部装置に出力したりする。
【0040】
(2-2)店舗装置3
店舗装置3は、少なくとも、プロセッサと、メモリと、ストレージと、通信インタフェース(通信I/F)と、入出力インタフェース(入出力I/F)と、これらを接続するバスとを備える。店舗装置3は、例えば、店舗に設置されているPOS装置、あるいは、店舗の上部機関である本部に配置されている管理サーバが相当する。店舗装置3は、1台の情報処理装置でなくてもよく、例えば、複数の情報処理装置に分散されていてもよいし、1台の情報処理装置を他の処理と共用して使用してもよい。
【0041】
(2-3)調査依頼装置4
調査依頼装置4は、少なくとも、プロセッサと、メモリと、ストレージと、通信インタフェース(通信I/F)と、入出力インタフェース(入出力I/F)と、これらを接続するバスとを備える。調査依頼装置4は、リサーチ管理装置2と通信可能に接続されている。
【0042】
(2-4)ユーザ装置5
ユーザ装置5は、プロセッサ51と、メモリ52と、ストレージ53と、カメラ54と、通信インタフェース(通信I/F)55と、入出力インタフェース(入出力I/F)56と、タッチスクリーン57と、これらを接続するバス50とを備える。ここで、ストレージ53は、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザ、アプリケーションプログラム、各種データなどを記憶する。また、タッチスクリーン57は、入力部58と表示部59を備える。ユーザ装置5は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末である。ユーザ装置5は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型コンピュータであってもよい。また、ユーザ装置5は、据置型コンピュータによりアンケートに回答し、携帯端末によりアンケート結果を表示させるといったように、携帯端末と据置型コンピュータを組み合わせた形態を総称した情報処理装置でもよい。
【0043】
(3)機能構成
(3-1)リサーチ管理装置2
図2は、第1実施形態に係るリサーチ管理装置2の機能構成の一例を示すブロック図である。第1実施形態のリサーチ管理装置2は、機能構成として、リサーチ管理部200と、記憶部210と、通信制御部220を備える。通信制御部220は、リサーチ管理部200からの指示にしたがって、店舗装置3、ユーザ装置5とのネットワーク6を介した通信を制御する。
【0044】
(3-1-1)記憶部210
記憶部210は、マーケティングリサーチを支援するための情報を記憶するものであり、アンケート格納部211、会員データ格納部212、店舗調査ローデータ格納部213、リサーチ用データ格納部214を備える。
【0045】
アンケート格納部211には、会員に配信される店舗調査アンケートデータ、および、店舗調査アンケートに対して会員が回答したアンケート回答データが格納される。店舗調査アンケートは、来店した店舗に関する設問(スクリーニングと店舗名)に関する設問とその回答欄、店舗評価に関する設問とその回答欄、回答者の属性に関する設問とその回答欄を含む。店舗調査アンケートの設問に対する回答は、プルダウン方式により、複数の選択肢から該当する回答を選択できるように構成されることが望ましい。また、コメント欄は、自由記入できるように構成することが望ましい。
【0046】
会員データ格納部212には、リサーチ管理装置2が管理するPポイントサービスの会員データテーブルが記録される。会員データテーブルには、ユニークに会員を識別するための会員IDに関連付けて、会員ごとのレコードが形成されている。会員ごとのレコードには、氏名、性別、生年月日、住所、家族構成、趣味・嗜好などの情報が記録される。
【0047】
店舗調査ローデータ格納部213は、店舗調査ローデータテーブルを記憶する。店舗調査ローデータテーブルには会員ごとのレコードを記録しており、各レコードには、店舗調査アンケートに対して会員が回答したアンケート回答データが、店舗調査ローデータとして記録される。
【0048】
会員が広い範囲で分布している場合、例えば、会員が全国に分布しているような場合には、店舗調査ローデータテーブルは、全国に分布している会員の店舗調査ローデータを記録している。別の言い方をすれば、店舗調査ローデータテーブルには、全国の店舗を調査できるように、会員によるアンケート回答データの形で、各店舗の評価が事前に記録されていることになる。
【0049】
リサーチ用データ格納部214には、店舗調査ローデータ格納部213に記憶された店舗調査ローデータのうち、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、店舗調査に利用するリサーチ用データとして記録する。
【0050】
(3-1-2)リサーチ管理部200
リサーチ管理部200は、プロセッサ21がメモリ22に記憶されたプログラムを実行することにより、アンケート処理部201、店舗調査ローデータ収集部202、調査依頼事項取得部203、リサーチ用データ抽出部204、集計処理部205として機能する。
【0051】
アンケート処理部201は、アンケート格納部211に格納された店舗調査アンケートを会員に送付し、会員からのアンケート回答データを回収する。店舗調査アンケートは、操作者による指示で送信されるように構成してもよいが、最新の会員の購買行動が反映されるように、例えば毎月、四半期ごとなど、定期的に送信してもよい。店舗調査アンケートは、会員データテーブルに掲載された全会員に送信してもよい。あるいは、特定の行政区画に住んでいる会員に限定して送付してもよい。なお、店舗調査アンケートは、リサーチ管理装置2が直接送信してもよいし、第三者に宛先リストを渡して送信を委託してもよい。アンケート処理部201は、ユーザ装置5から店舗調査アンケートに対する回答データを受信すると、受信したアンケート回答データをアンケート格納部211に格納する。
【0052】
第1実施形態では、一例として、店舗調査アンケートは、特定の行政区画、例えば○○県に関連付けられており、会員は、例えば○○県内にあるスーパーについて回答するようにしてもよい。利用した店舗についての回答入力にプルダウンを使用する場合には、○○県内にあるスーパーのみを選択できるようにしてもよい。アンケートには、○○県内にある店舗の利用について記入するようウォーニングを表示してもよい。
【0053】
店舗調査アンケートには、回答者属性、来店した店舗、店舗調査に関する設問項目が含まれる。回答者属性に関する設問には、性年代、職業、未既婚、同居家族、世帯年収、ネットスーパー併用状況などの項目を含めることができる。来店した店舗に関する設問は、スクリーニングの設問と店舗の設問を含む。スクリーニングの設問には、会員が利用したスーパー(企業名)についての設問が含まれている。店舗に関する設問には、会員が来店したスーパー(企業)の店舗名、来店日などの質問項目が含まれる。店舗調査に関する設問には、来店頻度、来店時間、来店手段、来店目的、店舗イメージ、目当ての商品、満足度、売場の評価、店舗清潔感、従業員評価、今後の利用意向、推奨度、意見や要望を記入できる項目が含まれる。
【0054】
図3は、一人の会員に対して実施された店舗調査アンケートにおける、来店した店舗、店舗調査に関する設問と回答の概要を説明するための一覧表である。なお、図3の一覧表は、アンケート票自体あるいは回答票自体の例ではないことに留意されたい。アンケート票や回答票は、会員に対して設問を提示でき、また、会員からの回答結果を受け付けて記録できるように構成されていれば、任意のデータ構造を有するものでよい。
【0055】
図3には、スクリーニングの設問として、1か月で利用したスーパー名(設問1)が例示されている。図3には、店舗の設問として、店舗名(設問2)、来店日(設問3)が例示されている。店舗調査の設問として、来店時間(設問4)、来店目的(設問5)、来店頻度(設問6)、来店手段(設問7)、目当ての商品(設問8)、店舗イメージ(設問9)、店舗満足度(設問10)、今後の利用意向(設問11)、店舗推奨度(設問12)、売場の充実(設問13)、店舗設備・清潔感(設問14)、従業員の態度(設問15)が例示されている。設問のそれぞれに対して、プルダウン方式で選択肢が表示され、該当する回答を選択するように構成することが望ましい。また、ご意見・ご要望など、会員のコメントを要求する欄は、自由記入欄とすることが望ましい。
【0056】
図3の例では、スクリーニング情報として、「1か月で利用したスーパー」(設問1)が設定され、会員は、「Aスーパー」、「Bモール」、「Cデパート」の3つのスーパー(企業)について回答している。店舗として、「店舗名」(設問2)、来店日(設問3)が設定されており、会員は、Aスーパーについては「a店」と「2023/03/01」、Bモールについては「b本店」、「2023/05/23」、Cデパートについては「c町店」、「2023/06/03」と回答している。店舗調査の設問に対しても、図3に例示されるような回答を行っている。
【0057】
図3の店舗調査アンケートでは、回答者属性についての設問と回答を含んでいるが(図示せず)、調査店舗アンケートの実施にあたり会員IDが入力される場合には、会員IDを利用することにより、会員データテーブルの内容を回答者属性として利用してもよい。会員データテーブルを利用することにより、氏名、性別、年齢といった基本的な情報のほか、家族の状況や趣味など、会員に関する多様な情報を回答者属性として利用することができる。
【0058】
図4は、会員データテーブルの内容の一例を示す図である。図4のように、会員IDごとにレコードが形成され、住所(郵便番号)、性別、生年月日のほか、職業、年収、既婚、家族、ネット利用といった情報も含まれている。なお、会員データテーブルの内容は、図4の例に限られるものではなく、会員に関する任意の事項を含んでもよい。
【0059】
店舗調査ローデータ収集部202は、アンケート格納部211より、会員からのアンケート回答データを収集し、会員ごとのレコードにアンケート回答データを組み込んで店舗調査ローデータとする。そして、会員ごとの店舗調査ローデータを含む店舗調査ローデータテーブルを形成し、店舗調査ローデータ格納部213に格納する。
【0060】
図5は、店舗調査ローデータテーブルの一例を示す図である。図5に示されるように、店舗調査ローデータテーブルは、会員ごとに、店舗情報(スクリーニング、店舗名、来店日)および店舗調査の各設問に対するアンケート回答データを記録している。例えば、会員IDがPR00001の会員が、スクリーニングの店舗としてAスーパー、Bモール、Cデパートを選択して設問に回答した場合、当該会員のレコードには、Aスーパーについて各設問に対する回答とコメントが記録され、続いて、Bモールについて各設問に対する回答とコメントが記録され、さらに、Cデパートについて設問に対する回答とコメントが記録される。他の会員のレコードにも、アンケート回答データが記録される。このように、店舗調査ローデータテーブルは、各店舗に来店した顧客の目線による店舗調査結果が収録されることになる。
【0061】
調査依頼事項取得部203は、調査依頼装置4に対して、店舗調査を申込むための調査申込フォームをWebあるいはメール等により提供する。調査申込フォームには、調査依頼者が調査を希望する調査依頼事項、すなわち、「調査対象店舗」、「調査結果レポート」などの記入欄が設けられている。調査対象店舗の記入欄には、自社店舗名あるいは競合店舗名を指定することができる。調査対象店舗が特定の企業によって運営されている場合には、企業名と店舗名の組合せ(例えば、○○スーパー△店)により特定される。調査結果レポートの記入欄は、汎用向け調査結果レポート、現場・本部向け調査結果レポート、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポート、定点調査結果レポートから所望のレポートから所望のレポートを指定することができる。調査申込フォームへの記入にあたり、プルダウン方式により、店舗や調査事項の選択を行うようにしてもよい。また、調査事項を追加あるいは削除するオプションもあり、このオプションを選択した場合には、追加の設問あるいは削除する設問を設定することができる。なお、リサーチ管理装置2は、新たな設問の追加が要求された場合には、当該設問について会員にアンケート調査を実施し、会員からの回答を店舗調査ローデータに追加してもよい。
【0062】
調査依頼事項取得部203は、調査依頼装置4から調査申込フォームを受信し、申込内容に形式的な誤りがなければ、調査依頼を受諾する。調査依頼事項取得部203は、調査申込フォームに記入された調査対象店舗、調査結果レポートなどの調査依頼事項を取得する。
【0063】
リサーチ用データ抽出部204は、店舗調査ローデータ格納部213から、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを抽出し、リサーチ用データとして、リサーチ用データ格納部214に格納する。所定条件を満足する会員は、調査対象店舗に自然に来店したという条件を満足する会員であり、例えば、居住地に関する条件を満足する会員は、調査店舗に自然に来店した会員とすることができる。
【0064】
居住地に関する条件は、行政区画により特定することができる。例えば、アンケートに回答する会員が、調査対象店舗と同じ行政区画に住んでいる場合に、当該会員は、調査対象店舗に自然に来店した会員とすることができる。一例として、調査対象店舗が○○県に存在する場合、同じ○○県に居住する会員を当該調査対象店舗に自然に来店した会員とすることができる。行政区画は、県単位に限らず任意に設定することができ、市町村あるいはこれらの組合せにより行政区画を設定してもよい。
【0065】
また、居住地に関する条件は、調査対象店舗の商圏により特定することができる。例えば、調査対象店舗の商圏内に住んでいる会員を、調査対象店舗に自然に来店した会員とすることができる。会員の住所が調査対象店舗の商圏内(例えば、店舗より○○Km以内)に含まれる場合、当該会員は、調査対象店舗に自然に来店したとの条件を満足したと判定することができる。このとき、移動手段、移動時間あるいは移動コストを考慮して、自然に来店した顧客といえるかを判定してもよい。例えば、会員の住所が商圏外であっても、便利な来店手段があるために来店コストが低い場合には、居住地に関する条件を満足すると判定してもよい。また、調査対象店舗の取扱商品によっても、自然に来店したといえる条件は異なり、家電製品を購入する場合には、家電量販店は、郊外にあったとしても自然に来店する範囲であり、贈答品などを購入する場合には、多少遠くても百貨店が自然に来店する範囲とすることができる。
【0066】
なお、居住地に関する条件を満足する会員の数が少ない場合には、例えば、隣接する行政区画の会員を含めるなどして、居住地に関する条件が広い範囲をカバーできるようにしてもよい。このとき、調査依頼者に対して、リサーチ用データの抽出範囲を広くすることを通知し、調査依頼者による選択に応じて、緩和された居住地に関する条件を利用してもよい。
【0067】
集計処理部205は、リサーチ用データ抽出部204によりリサーチ用データを読み出し、集計処理を実行する。集計処理部205は、集計結果に基づいて、汎用的な表示形式の調査結果レポートあるいは目的別の表示形式の調査結果レポートを出力する。
【0068】
集計処理部205は、汎用的な表示形式の調査結果レポートとして、お客様コメント、店舗一覧、全設問集計表、企業別集計表を出力する。お客様コメントでは、リサーチ用データとして集約された店舗ごとに、顧客属性、来店情報およびコメント内容の一覧を表示する。これにより、顧客がどの店舗を利用し、どのようなコメントを付しているかを一覧でみることができる。店舗別一覧では、店舗別に顧客による回答数、コメント数および店舗別の評価結果を一覧でみることができる。全設問集計表では、全設問について、自社店舗と他社店舗あるいは自社店舗と店舗全体との比較を行うことができる。企業別集計表では、設問別に、各企業の回答数や回答結果を表示する。この表により、設問別に各店舗の強みを一覧でみることができる。
【0069】
集計処理部205は、目的別の表示形式として、現場と本部での利用を目的とした現場・本部向け調査結果レポート、大手スーパーマーケット向けなどによる自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポート、定点評価による時系列的な動向把握を目的とした定点調査結果レポートなどを出力することができる。
【0070】
(3-2)調査依頼装置4
図6は、調査依頼装置4の機能構成の一例を示すブロック図である。
調査依頼装置4は、調査依頼管理部400と、通信制御部320を備える。調査依頼装置4は、調査依頼者がリサーチ管理装置2に対して調査依頼を行い、また、リサーチ管理装置2より調査結果レポートを受信することができる。なお、図6では、1台の情報処理装置が、調査依頼の送信と調査レポートの受信・表示を行うように図示しているが、これらを別々の情報処理装置で行ってもよい。
【0071】
調査依頼管理部400は、プロセッサがメモリに記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、調査依頼事項設定部401、調査依頼送信部402、調査結果受信部403、表示処理部404として機能する。なお、ここでは、調査依頼管理部400を実現するアプリケーションプログラムが調査依頼装置4にインストールされているものとして説明したが、リサーチ管理装置2が提供するWeb上で、調査申込フォームに記入し提出するように構成してもよい。
【0072】
調査依頼事項設定部401は、所定の調査申込フォームを表示し、ユーザにより入力される依頼事項を取得する。調査申込フォームは、リサーチ管理装置2が管理ずるWebサイトから入手してもよいし、リサーチ管理装置2により送信された電子メールに添付されていてもよい。
【0073】
調査申込フォームには、調査申込フォームには、氏名や連絡先などの調査依頼者情報のほかに、調査依頼事項として、調査対象店舗、調査事項、調査結果レポートなどを指定できるように構成される。調査申込フォームへの記入には、プルダウン方式により、店舗や調査事項の選択を行うように構成することが望ましい。
【0074】
調査対象店舗は、企業名と店舗名の組合せ(例えば、○○スーパー△店など)により特定する。調査事項としては、予め設定された標準的な調査事項のほか、オプションとして、新たな設問を指定して、調査事項を追加したり、設問を削除したりすることができる。調査結果レポートは、汎用向け調査調査レポート、現場・本部向け調査結果レポート、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポート、定点調査結果レポートのうちのいずれか、あるいはすべてを指定することができる。
【0075】
調査依頼送信部402は、ユーザによる調査申込フォームの入力データを取得し、ユーザが「申込」ボタンを押下すると、記入済みの調査申込フォームをリサーチ管理装置2に送信する。調査結果受信部403は、リサーチ管理装置2から調査結果レポートが送信されると、調査結果を取得して記録する。
【0076】
表示処理部404は、調査結果レポートを表示する。調査結果レポートは、汎用向け調査結果レポートと、目的別調査結果レポートが含まれており、閲覧者に応じて選択可能に表示できるように構成されている。
【0077】
(3-3)ユーザ装置5
図7は、会員が利用するユーザ装置5の機能構成の一例を示すブロック図である。
ユーザ装置5は、会員が店舗調査アンケートに回答するために利用される情報処理装置であり、アンケート管理部500と通信制御部520を備える。通信制御部520は、リサーチ管理装置2との通信を制御する。
【0078】
アンケート管理部500は、プロセッサ51がメモリ52に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、アンケート受信部501、アンケート回答部502、アンケート送信部503として機能する。
【0079】
アンケート受信部501は、リサーチ管理装置2から店舗調査アンケートを受信する。店舗調査アンケートには、回答者の属性などの入力欄とともに、店舗調査アンケートの設問に対する回答欄を含む。アンケート回答部502は、リサーチ管理装置2から送信された店舗調査アンケートをユーザ装置5の表示部59に表示し、ユーザからの入力を受け付ける。アンケート回答部502は、ユーザの会員IDの入力を受け付け、続いて、店舗調査アンケートに対する回答を受け付ける。店舗調査アンケートは、プルダウンにより選択肢から回答を選択する形式で入力するように構成してもよい。アンケート送信部503は、店舗調査アンケートに含まれる「提出」ボタンをタッチするなどして、入力終了操作が終了したことを検知すると、アンケート回答データをリサーチ管理装置2に送信する。
【0080】
(4)マーケティングリサーチ支援システム1の動作
(4-1)マーケティングリサーチ支援システム1の動作
図8は、リサーチ管理装置2に実装されたリサーチ管理プログラムの概略フローチャートの一例を示す図である。リサーチ管理プログラムは、リサーチ管理装置2にインストールされたコンピュータ・プログラムとして説明するが、リサーチ管理装置2内において、1台のコンピュータにより実行されてもよいし、複数のコンピュータにより実行されてもよい。また、リサーチ管理装置2内にすべてのコンピュータ・プログラムを実装する構成に代えて、コンピュータ・プログラムによる処理の一部を他の情報処理装置に分散させてもよい。
【0081】
リサーチ管理プログラムは、1または複数のコンピュータに、会員への店舗調査アンケートの配布・回収ステップ(S1)、店舗調査ローデータの収集ステップ(S2)、調査依頼事項の取得ステップ(S3)、リサーチ用データの抽出ステップ(S4)、リサーチ用データの集計ステップ(S5)の各ステップを実行させる。
【0082】
会員への店舗調査アンケートの配布・回収ステップ(S1)では、Pポイントサービスの会員に対して店舗調査アンケートを送信する。リサーチ管理装置2は、会員データ格納部212に記憶された会員データテーブルを読み出し、各会員の送信先を取得する。また、リサーチ管理装置2は、アンケート格納部211より、店舗調査アンケートデータを読み出し、当該店舗調査アンケートを会員の送信先に送信する。店舗調査アンケートは、予め設定された設問を含むが、調査依頼者から指示があった場合には、オプションの設問を追加することができる。店舗調査アンケートは、定期的に実施してもよいが、任意の時期に実施することもできる。また、所定のアンケート期限までに、会員が回答したアンケート回答データを収集する。
【0083】
店舗調査ローデータの収集ステップ(S2)では、各会員から受信したアンケート回答データを、店舗調査ローデータとして、店舗調査ローデータテーブルに記録する。店舗調査ローデータテーブルは、店舗調査ローデータ格納部213に格納される。調査依頼者が指定する調査対象店舗が属する行政区画に関連付けられて店舗調査アンケートが実施された場合には、アンケート調査結果である店舗調査ローデータテーブルを行政区画に紐づけて管理してもよい。
【0084】
調査依頼事項の取得ステップ(S3)では、調査依頼者から、調査依頼事項が記入された調査申込フォームを受信する。調査依頼事項の取得ステップ(S3)は、調査申込フォームに記入された調査対象店舗、調査事項、調査結果レポートに関する調査依頼事項を記録する。
【0085】
リサーチ用データの抽出ステップ(S4)では、店舗調査ローデータテーブルから、所定条件を満足する会員の店舗調査ローデータを、調査対象店舗の分析に使用するリサーチ用データとして抽出する。所定条件は、調査対象店舗に自然に来店したという条件である。ここで、一例として、調査対象店舗に自然に来店したという条件を満足する会員は、調査対象店舗と同じ行政区画に居住する会員や、調査対象店舗の商圏内に住む会員など、会員の居住地に関する条件を満足する会員とすることができる。
【0086】
リサーチ用データの集計ステップ(S5)では、リサーチ用データを集計して、調査依頼事項に対応する調査結果レポートを生成する。調査結果レポートとしては、汎用的な調査結果レポートと目的別の調査結果レポートが準備されている。調査依頼者が、オプションとして新たな設問をつかした場合には、オプションの設問を追加的に含めて集計されたレポートが生成される。
【0087】
図9は、リサーチ管理装置2が出力する、汎用向け調査結果レポートの一例である。この調査結果レポートには、「お客様コメント」、「店舗別一覧」、「全設問集計表」、「企業別集計表」の4つのレポートが含まれる。
【0088】
図9(a)は、「お客様コメント」レポートの一例である。「お客様コメント」レポートは、リサーチ用データに含まれる企業に対するコメントの一覧を表示するものであり、一例として、企業名、店舗名、性年代、来店時間、コメントが含まれる。このレポートにより、自社を含めた企業に対する会員のコメントを一覧で確認することができる。なお、図9(a)では、企業名の欄には、リサーチ用データに含まれる企業がすべて表示されているが、調査依頼者の指定により表示順あるいは表示総数を変更してもよい。
【0089】
図9(b)は、「店舗別一覧」レポートの一例である。「店舗一覧」レポートは、リサーチ用データに含まれる企業に対する顧客の回答状況を概略的に表示するものであり、企業の各店舗について、店舗調査アンケートのうち当該企業に対する回答数、コメント数、店舗別評価が表示される。店舗別評価は、売場、店舗、従業員に関する評価をまとめたものであり、具体的には、売場の充実、店舗の設備、従業員の態度の3つの評価が5点満点で表示される。店舗別評価に対する回答は、会員がプルダウン式により予め設定された選択肢から選択することにより入力されるが、各選択肢に0点~5点の範囲で点数を割り当てておき、会員が選択した評価を平均することにより算出してもよい。Aスーパーについては、(売場の充実、店舗の設備、従業員の態度)が(4.1点、3.6点、4.8点)となっている。この「店舗別一覧」レポートを見ることにより、各店舗に対する顧客の評価を概略的に把握することができる。特に、各店舗の3つの評価を数字として一覧できることから、各店舗に対する顧客の関心度や評価を容易に把握することができる。
【0090】
図9(c)は、「全設問集計表」レポートの一例である。「全設問集計表」レポートでは、全ての設問に対して、自社店舗と対比すべき店舗を対比させながら、各設問に対する詳細な回答結果を見ることができる。図19(c)の上側の表は、店舗1として自社店舗(ABCスーパー)を選択し、店舗2として店舗全体を選択しており、店舗1の回答数は3,512件、店舗2の回答数は10,727件であることが示されている。図9(c)の下側の表は、設問11(今後の利用意向)の回答結果を集計したものであり、店舗1と店舗2を対比する形式で出力されている。設問11では、今後の利用意向についての5つの選択肢が例示されており、各選択肢を選択した回答数と、各選択肢の構成比が出力されている。例えば、店舗1で利用したいを選択した回答数は1547件であり、その構成比は44.0%(1547件/3512件)と出力されている。差分は、店舗1の構成比から店舗2の構成比を引いた差分である。図9(c)では、自社店舗と店舗全体を比較しているが、自社店舗と競合店舗など、リサーチ用データに含まれる任意の2つの店舗を比較することができる。また、図9(c)では設問11の集計結果を示しているが、他の設問についても同様の集計表が出力される。全設問集計表により、対比したい店舗と対比したい設問を任意に選択して比較できることから、2つの店舗の詳細な対比分析を行うことができる。
【0091】
図9(d)は、「企業別集計表」レポートの一例を示している。企業別集計表では、設問別に、全企業および各企業についての回答状況が出力される。図9(d)の例では、設問13(売場の充実)についての集計結果が出力されており、全回答数とともに、全回答数に対する選択肢毎の比率が出力されている。企業別集計表により、任意の設問について、企業全体および各企業の回答状況を一覧で見ることができ、企業についての詳細な状況分析を行うことができる。
【0092】
図10図12は、目的別の調査結果レポートの例である。
【0093】
図10は、現場・本部向け調査結果レポートの一例を示す図であり、現場用の出力内容と本部用の出力内容を選択できるようにした個店比較レポートである。図10(a)は、現場用の個店比較レポート(サマリ)の一例であり、図10(b)は、本部向け、すなわち、経営層や本部マネージャ層向けの個店比較レポートの一例である。
【0094】
図10(a)の個店比較レポート(サマリ)では、自社店舗について、「知人・友人におすすめしたいか」、「3つの満足度」、「ポジティブチェック」の各項目について、グラフ形式で直感的にポイントを把握できるような出力が採用されている。「知人・友人におすすめしたいか」は、店舗調査アンケートの設問12(店舗推奨度)を集計し、店舗推奨度を推奨者、中立者、批判者の割合を円グラフで出力したものである。店舗推奨度は、設問12の選択肢のそれぞれに重みを付けることにより算出される。設問12で選択できる複数の選択肢のうち、例えば、推奨を選択した場合には10点、中立を選択した場合には8点、推奨しないを選択した場合には0点などといった重みを割り当てておき、回答毎に、推奨者(9点、10点)、中立者(7点、8点)、批判者(0~6点)のいずれを割り当てる。図10(a)は、自社店舗について、推奨者、中立者、批判者の回答数割合を円グラフで出力したものである。また、図10(a)には、推奨者から批判者を引いた値を推奨度(-22%)として数値化しており、当該推奨度を店舗評価の指標として利用することができる。「3つの満足度」では、設問13(売場の充実)、設問14(店舗設備・清潔感)、設問15(従業員の態度)のそれぞれを数値化し、自社店舗と全体を対比しながら、レーダチャートの形式で出力している。また、「ポジティブチェック」のグラフでは、「3つの満足度」について、設問13~15において選択された選択肢の内容を、自社店舗と全体とを対比できるように、棒グラフの形式で出力している。
【0095】
図10(b)の個店比較レポート(全設問集計表)は、本部向けのレポートであり、自社店舗と他社店舗との詳細な対比分析、あるいは、設問毎の詳細分析を行いたいというニーズに応えるためのレポートである。図10(b)では、一例として、図9(c)に例示した全設問集計表と、図9(d)に例示した企業別集計表を組み合わせたレポートとして出力している。
【0096】
図10の個店比較レポートにより、現場では素早く要点を確認でき、一方、本部では詳細な分析を行うことができる。このように、同じ企業であっても、現場向けと本部向けの調査結果レポートを準備することにより、調査結果を利用する者のニーズに沿った分析が可能となる。
【0097】
図11は、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポートの一例である。図11の「1.調査対象店舗」には、調査対象となった自社(企業)とその店舗、競合A(企業)とその店舗、競合B(企業)とその店舗のように調査対象店舗数が図示される。「2.アンケート配信対象者」には、調査対象者の人数が示されており、商圏内居住者の分布の関連を示す図も示されている。「3.配信結果」には、店舗調査アンケートの回答の回収結果と、店舗ごとのアンケート回収結果が図示されている。そして、「サマリ」の項目には、設問15(従業員の態度)において選択された項目の割合を、自社店舗と他社店舗で対比する形で棒グラフにより出力されている。さらに、「お客様コメント」の欄には、店舗調査アンケートから得られたコメントの代表例が示されている。
【0098】
図11のように、自社店舗と競合店舗の対比調査結果レポートを出力することにより、自社店舗と他社店舗の利用動向や評価を把握することができる。このように、競合店舗と比較した自社店舗の利用状況や評価を見える化したことにより、現場の勘で施策を講じるのではなく、顧客動向を客観的に把握して施策を実施することができる。特に、企業が抱える店舗をまとめて集計するようにしたことから、大手スーパーマーケットのように、多くの店舗を抱える企業にとっては、他の大手スーパーマーケットとの対比を容易に行うことができる。
【0099】
図12は、定点調査結果レポートの一例であり、特定の調査項目について、定期的な定点評価を行うことによって、顧客の評価がどのように変化するかを出力したものである。図12(a)は、定点評価の設問12(店舗推奨度)を選択し、店舗推奨度の経時的な変化をグラフ化したものであり、自社、競合、全体のそれぞれの推奨度が月ごとに変動する状況が示されている。図12(b)は、単月の推奨度の内訳の一例を示している。図12では、推奨度の月次推移を示しているが、他の設問から推奨度以外を定点評価の項目を選択してもよい。また、他のグラフとして、顧客からのコメントをテキストマイニングで分析して出力することにより、顧客のコメントに現れる傾向を見える化することもできる。
【0100】
図12のように、同じ評価項目を長期にわたって観察できる時系列レポートにより、店舗の改善状況を容易に把握することができる。
【0101】
調査結果レポートを受信した調査依頼装置4は、リサーチ管理装置2から受信した調査結果レポートデータを表示部に表示させる。なお、調査結果を表示するのは調査依頼装置4に限ることはなく、現場スタッフや経営者など、該当する情報処理装置に調査結果レポートを転送し、転送先の情報処理装置で所望の調査結果を閲覧、分析してもよい。
【0102】
第1実施形態によれば、事前に収集した会員に対するアンケートを事前に実施しておき、そのアンケートのローデータを記録してくことにより、店舗調査依頼に応じて、調査対象店舗のデータを幅広い範囲から抽出することができる。このため、自社店舗と多様な競合店舗の比較を容易に実施することができる。また、自社店舗と競合店舗との対比を多角的に行い、その対比結果を見やすくレポート化していることから、課題解決策を発見しやすくなる。また、覆面調査のような事前の準備が不要となり、ローコストかつスピーディな店舗調査が可能となる。
【0103】
<第2実施形態>
第1実施形態では、店舗調査ローデータテーブルからリサーチ用データを抽出するための所定条件、すなわち、調査対象店舗に自然に来店したという条件として、会員の居住地に関する条件、具体的には会員が○○県あるいは商圏に在住することを条件として、店舗調査ローデータからリサーチ用データを抽出した。
【0104】
第2実施形態では、調査対象店舗に自然に来店したという条件として、会員データテーブルに含まれる任意の会員データに基づいた条件を設定することができる。例えば、会員が特定の属性情報を有することを条件として、会員が自然に来店したか否かを判定してもよい。例えば、店舗の取扱商品が紳士服の場合、男性会員を、当該店舗を自然に来店した会員と判定してもよい。また、会員データに含まれる「職業」の内容に基づいて、会員が自然に調査対象店舗を利用するか否かを判定してもよく、例えば、会員が会社員の場合には、週末に来店した場合、あるいは、平日の夜に来店した場合には、当該会員を自然に来店した会員としてもよい。
【0105】
このように、調査対象店舗に自然に来店したといえる条件は、居住地に関する条件のほか、会員データから取得できる属性条件、職業条件など、種々の条件に基づいて設定することができる。また、男性会員かつ会社員のように、複数の条件を利用することもできる。複数の条件を利用した場合には、各条件を満足したか否かにより条件を数値化し、複数の条件を満足したときに各条件の数値を総計したスコアに基づいて、調査対象店舗に自然に来店したといえるか否かを判定してもよい。あるいは、それぞれの条件に重み付けをして、スコアを計算してもよい。
【0106】
第2実施形態によれば、会員データを利用することにより、自然に来店する顧客の要件を詳細に設定できることから、調査目的を詳細に設定することができ、多角的な調査対象店舗の分析を行うことができる。
【0107】
<第3実施形態>
第2実施形態では、店舗調査ローデータからリサーチ用データを抽出するにあたり、会員データテーブル中の会員データを利用して、調査対象店舗に自然に来店したという条件を設定した。第3実施形態は、店舗装置3が管理するトランザクションデータを利用して、調査対象店舗に自然に来店したという条件を設定したものである。すなわち、第3実施形態では、トランザクションデータから取得した会員の購買データを利用して、会員が調査対象店舗に自然に来店した会員であるかを判定することができる。
【0108】
例えば、レストランの評価を行う場合には、多くのレストランに来店した経験がある会員による評価が望ましいことがある。また、専門的な製品を扱う店舗を評価する場合には、対象となる製品を多く購入している会員による評価が望ましいことがある。このような店舗については、店舗評価の代表的な観点である店舗の充実度、店舗の設備、従業員といった3つの満足度に加えて、店舗あるいは商品に特有の観点が求められる場合がある。
【0109】
このように、店舗あるいは製品に特有の観点からの評価が求められる場合には、調査店舗ローデータからリサーチ用データを抽出するにあたり、店舗あるいは製品に特有の観点を評価するのに適した条件を加味することが望ましい。このため、調査対象店舗に自然に来店した会員として、店舗装置3が収集したトランザクションデータのうち、調査対象店舗が扱う商品やサービスを過去に多く購入あるいは利用したことを示す会員を選定することができる。調査依頼者からの詳細分析を希望する旨のオプション指示があった場合に、このような詳細分析を行うように構成してもよい。
【0110】
第3実施形態によれば、店舗装置3から取得したトランザクションデータも利用することにより、自然に来店するだけではなく、特定の商品やサービスを扱う店舗について、専門的あるいは経験豊富な顧客の目線から、適切な評価を取得することができる。
【0111】
なお、第3実施形態では、店舗装置3から取得したトランザクションデータを利用するとしたが、トランザクションデータと会員データの両者を利用することにより、さらに詳細な条件を設定してもよい。
【0112】
<第4実施形態>
第2~第3実施形態では、店舗調査ローデータからリサーチ用データを抽出するための所定条件として、日常的に、調査対象店舗に自然に来店したという条件を用いた。第4実施形態では、旅行者や出張者あるいは帰省者のように、日常的な利用ではないが、調査対象店舗に自然に来店した顧客による評価を調査することができる。このような調査を行う場合には、調査対象店舗に自然に来店したという条件として、県外に住んでいること、あるいは、特定の地域に住んでいることなどを用いることができる。このような条件を満足する会員であるか否かは、会員データテーブルを用いて会員の住所を検索することにより判定することができる。
【0113】
第4実施形態によれば、日常的に来店する顧客以外にも、旅行など多様な目的で来店する顧客について、対象店舗の評価を調査することができる。
【0114】
第1~第4実施形態では、1つのリサーチ管理装置2、1つの店舗装置3、1つのユーザ装置5を備えたマーケティングリサーチ支援システムを例示したが、これらの装置の数は任意でよい。また、リサーチ管理装置2、店舗装置3、調査依頼装置4のそれぞれが格納部を備え、格納部には特定のデータを記憶する構成を例示したが、このような構成に限定されるものではなく、ネットワーク上で必要なデータをアクセスできるように構成されていればよい。
【0115】
第1~第4実施形態では、会員のアンケート回答データを含む店舗調査ローデータから、リサーチ用データを抽出するための所定条件について、異なる実施形態を例示した。これらの実施形態は、それぞれ単独で利用する場合に限らず、第1~第4実施形態で示した所定条件を任意に組み合わせて利用してもよいことはいうまでもない。
【0116】
第1~第4実施形態では、リサーチ管理装置2がマーケティングリサーチ支援システム1の全体を管理するものとして説明した。しかしそれに限らず、リサーチ管理装置2が備える機能を、他の情報処理装置において管理されるようにしてもよく、また、複数の情報処理装置により分散して管理されるようにしてもよい。
【0117】
第1~第4実施形態では、Pポイントサービスの会員データにより管理される会員を利用して店舗調査ローデータやリサーチ用データを生成するようにしたが、このような会員データに限ることはなく、ユーザIDにより管理されるユーザ群であって、ユーザIDが購買データと関連付けられていればよい。
【0118】
本開示は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0119】
1…マーケティングリサーチ支援システム、2…リサーチ管理装置、21…プロセッサ、22…メモリ、23…ストレージ、24…通信I/F、25…入出力I/F、3…店舗装置、31…管理装置、32…記憶装置、4…調査依頼装置、41…管理装置、42…記憶装置、5…ユーザ装置、50…バス、51…プロセッサ、52…メモリ、53…ストレージ、54…カメラ、55…通信I/F、56…入出力I/F、57…タッチスクリーン、58…入力部、59…表示部、6…ネットワーク、200…リサーチ管理部、201…アンケート処理部、202…店舗調査ローデータ収集部、203…調査依頼事項取得部、204…リサーチ用データ抽出部、205…集計処理部、210…記憶部、211…アンケート格納部、212…会員データ格納部、213…店舗調査ローデータ格納部、214…リサーチ用データ格納部、220…通信制御部、400…調査依頼管理部、401…調査依頼事項設定部、402…調査依頼送信部、403…調査結果受信部、404…表示処理部、420…通信制御部、500…アンケート管理部、501…アンケート受信部、502…アンケート回答部、503…アンケート送信部、520…通信制御部
図1
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