(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017738
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】熱電発電システム、異常検知方法、ドレン量算出方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H10N 10/17 20230101AFI20250130BHJP
F22D 11/00 20060101ALI20250130BHJP
H10N 10/851 20230101ALI20250130BHJP
G01N 27/416 20060101ALI20250130BHJP
H02N 11/00 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
H10N10/17 A
F22D11/00 H
H10N10/851
G01N27/416 353G
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120933
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】000153720
【氏名又は名称】株式会社白山
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】山下 英樹
(72)【発明者】
【氏名】早乙女 剛
(72)【発明者】
【氏名】内田 健太郎
(57)【要約】
【課題】 排出されるドレンを利用して発電された電力を効率的に利用することができる熱電発電システムを提供する。
【解決手段】本実施形態における熱電発電システム1は、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置3と、スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニット4とを有し、pH測定ユニット4は、熱電発電装置3により発電された電力で、ドレンのpHを測定する。また、熱電発電システム1は、ドレンの状態を監視する監視装置をさらに有し、監視装置2は、pH測定ユニット4により測定されたpHの値に基づいて、pHを測定されたドレンの流路であるドレン配管、及び、pHを測定されたドレンとなった蒸気の流路である蒸気供給配管の異常を検知する異常検知部を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、
スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットと
を有し、
前記pH測定ユニットは、前記熱電発電装置により発電された電力で、前記ドレンのpHを測定する
熱電発電システム。
【請求項2】
前記ドレンの状態を監視する監視装置
をさらに有し、
前記監視装置は、
前記pH測定ユニットにより測定されたpHの値に基づいて、pHを測定されたドレンの流路であるドレン配管、及び、pHを測定されたドレンとなった蒸気の流路である蒸気供給配管の異常を検知する異常検知部を
有する
請求項1に記載の熱電発電システム。
【請求項3】
前記熱電発電装置は、
スチームトラップから排出されたドレンを、液体と気体とに分離して収容する収容部
をさらに有し、
前記熱電発電装置は、前記収容部に分離して収容される気体のドレンを利用して発電し、
前記pH測定ユニットは、前記収容部により分離された液体のドレンのpHを測定する
請求項1に記載の熱電発電システム。
【請求項4】
前記収容部は、分離した液体のドレンを前記熱電発電装置外へ排出し、
前記pH測定ユニットは、前記収容部により排出されてから所定の時間以内に、排出されたドレンのpHを測定する
請求項3に記載の熱電発電システム。
【請求項5】
複数の前記熱電発電装置と、
前記複数の熱電発電装置から排出されたドレンを一時的に貯留する排水ピットと
をさらに有し、
前記pH測定ユニットは、前記熱電発電装置により発電した場合に、前記熱電発電装置により供給された電力を用いて前記排水ピットに貯留されたドレンのpHを測定し、
前記監視装置は、
前記pH測定ユニットに電力を供給した熱電発電装置を特定する特定部
をさらに有し、
前記異常検知部は、前記pH測定ユニットにより測定されたpHの値と、前記特定部により特定された熱電発電装置に基づいて、前記ドレン配管、及び、前記蒸気供給配管の異常を検知する
請求項2に記載の熱電発電システム。
【請求項6】
複数の前記熱電発電装置を有し、
前記pH測定ユニットは、前記各熱電発電装置に対応してそれぞれ設置され、
前記監視装置は、
前記各pH測定ユニットから受信した測定結果に含まれる熱電発電装置の識別情報に基づいて、前記異常検知部により異常を検知したドレンを排出した熱電発電装置を特定する特定部
をさらに有する
請求項2に記載の熱電発電システム。
【請求項7】
熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、
前記熱電発電装置による発電量、もしくは前記熱電発電装置の開放電圧を計測する発電量計測ユニットと、
前記発電量計測ユニットにより計測された発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体のドレンのドレン量を推定する蒸気量推定部と、
前記蒸気量推定部により推定された気体のドレン量に基づいて、前記スチームトラップから排出された液体及び気体のドレン量を算出するドレン量算出部と
を有する
熱電発電システム。
【請求項8】
熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、
スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットと、
前記pH測定ユニットによりpHを測定されたドレンの状態を監視する監視装置と
を有し、
前記pH測定ユニットが、前記熱電発電装置により発電された電力を受給する電力受給ステップと、
前記pH測定ユニットが、前記電力受給ステップにおいて受給した電力で、前記排出されたドレンのpHを測定する測定ステップと、
前記監視装置が、記測定ステップにより測定されたドレンのpHに基づいて、pHの測定されたドレンの流路である配管の及び異常、及び、pHの測定されたドレンとなった蒸気の蒸気供給配管の異常を検知する異常検知ステップと
を有する
異常検知方法。
【請求項9】
スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットにより、ドレンのpHの測定結果を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した測定結果に基づいて、pHの測定されたドレンの流路である配管の及び異常、及び、pHの測定されたドレンとなった蒸気の蒸気供給配管の異常を検知する異常検知ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記pH測定ユニットは、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置により発電された電力を用いて、ドレンのpHを測定する
プログラム。
【請求項10】
熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、
前記熱電発電装置による発電量、もしくは前記熱電発電装置の開放電圧を計測する発電量計測ユニットと、
前記熱電発電装置から排出されたドレン量を監視する監視装置と
を有し、
前記監視装置が、
前記発電量計測ユニットにより計測された発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体となったドレンのドレン量を推定する蒸気量推定ステップと、
前記蒸気量推定部により推定された気体のドレン量に基づいて、前記スチームトラップから排出された液体及び気体のドレン量を算出するドレン量算出ステップと
を有する
ドレン量算出方法。
【請求項11】
スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置による発電量、もしくは熱電発電装置の開放電圧を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにおいて受信した発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体となったドレンのドレン量を推定する蒸気量推定ステップと、
前記蒸気量推定ステップにより推定された気体のドレン量に基づいて、前記スチームトラップから排出された液体及び気体のドレン量を算出するドレン量算出ステップと
をコンピュータに実行させ、
前記受信ステップにおいて受信した発電量もしくは開放電圧は、前記熱電発電装置により発電された電力を用いて測定される
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電発電システム、異常検知方法、ドレン量算出方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、蒸気トラップから排出されるドレンの流量を測定するものにおいて、蒸気トラップの出口側にドレン排出管を接続して、当該ドレン排出管に冷却流体供給管と第一の流量計を取り付けると共に、ドレン排出管を分岐したドレン分岐管を設けて、当該ドレン分岐管に第二の流量計を取り付けて、当該第二の流量計と第一の流量計で検出した流量値の差分から蒸気トラップから排出されるドレンの流量を演算する演算部から成ることを特徴とするドレン流量計が開示されている。
また、特許文献2には、蒸気が凝縮したドレンを排出するドレントラップの二次側に接続されたドレン排出管と、前記ドレン排出管に設けられた間接冷却方式の冷却器と、前記ドレン排出管の前記冷却器より下流側に設けられた流量計と、を備えることを特徴とするドレンの流量測定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-246020号公報
【特許文献2】特開2016-161545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、排出されるドレンを利用して発電された電力を効率的に利用する熱電発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る熱電発電システムは、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットとを有し、前記pH測定ユニットは、前記熱電発電装置により発電された電力で、前記ドレンのpHを測定する。
【0006】
好適には、前記ドレンの状態を監視する監視装置をさらに有し、前記監視装置は、前記pH測定ユニットにより測定されたpHの値に基づいて、pHを測定されたドレンの流路であるドレン配管、及び、pHを測定されたドレンとなった蒸気の流路である蒸気供給配管の異常を検知する異常検知部を有する。
【0007】
好適には、前記熱電発電装置は、スチームトラップから排出されたドレンを、液体と気体とに分離して収容する収容部をさらに有し、前記熱電発電装置は、前記収容部に分離して収容される気体のドレンを利用して発電し、前記pH測定ユニットは、前記収容部により分離された液体のドレンのpHを測定する。
【0008】
好適には、前記収容部は、分離した液体のドレンを前記熱電発電装置外へ排出し、前記pH測定ユニットは、前記収容部により排出されてから所定の時間以内にドレンのpHを測定する。
【0009】
好適には、複数の前記熱電発電装置と、前記複数の熱電発電装置から排出されたドレンを一時的に貯留する排水ピットとをさらに有し、前記pH測定ユニットは、前記熱電発電装置により発電した場合に、前記熱電発電装置により供給された電力を用いて前記排水ピットに貯留されたドレンのpHを測定し、前記監視装置は、前記pH測定ユニットに電力を供給した熱電発電装置を特定する特定部をさらに有し、前記異常検知部は、前記pH測定ユニットにより測定されたpHの値と、前記特定部により特定された熱電発電装置に基づいて、前記ドレン配管、及び、前記蒸気供給配管の異常を検知する。
【0010】
好適には、複数の前記熱電発電装置を有し、前記pH測定ユニットは、前記各熱電発電装置に対応してそれぞれ設置され、前記監視装置は、前記各pH測定ユニットから受信した測定結果に含まれる熱電発電装置の識別情報に基づいて、異常を検出したドレンを排出した熱電発電装置を特定する特定部をさらに有する。
【0011】
本発明に係る熱電発電システムは、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、前記熱電発電装置による発電量、もしくは前記熱電発電装置の開放電圧を計測する発電量計測ユニットと、前記発電量計測ユニットにより計測された発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体のドレンのドレン量を推定する蒸気量推定部と、前記蒸気量推定部により推定された気体のドレン量に基づいて、スチームトラップから排出された液体及び気体のドレン量を算出するドレン量算出部とを有する。
【0012】
本発明に係る異常検知方法は、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットと、前記pH測定ユニットによりpHを測定されたドレンの状態を監視する監視装置とを有し、前記pH測定ユニットが、前記熱電発電装置により発電された電力を受給する電力受給ステップと、前記pH測定ユニットが、前記電力受給ステップにおいて受給した電力で、前記排出されたドレンのpHを測定する測定ステップと、前記監視装置が、前記測定ステップにより測定されたドレンのpHに基づいて、pHの測定されたドレンの流路である配管の及び異常、及び、pHの測定されたドレンとなった蒸気の蒸気供給配管の異常を検知する異常検知ステップとを有する。
【0013】
本発明に係るプログラムは、スチームトラップから排出されたドレンのpHを測定するpH測定ユニットにより、ドレンのpHの測定結果を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した測定結果に基づいて、pHの測定されたドレンの流路である配管の及び異常、及び、pHの測定されたドレンとなった蒸気の蒸気供給配管の異常を検知する異常検知ステップとをコンピュータに実行させ、前記pH測定ユニットは、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置により発電された電力を用いて、ドレンのpHを測定する。
【0014】
本発明に係るドレン量算出方法は、熱電素子を含み、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置と、前記熱電発電装置による発電量、もしくは前記熱電発電装置の開放電圧を計測する開放電圧計測ユニットと、前記熱電発電装置から排出されたドレン量を監視する監視装置とを有し、前記監視装置が、前記発電量計測ユニットにより計測された発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体となったドレンのドレン量を推定する蒸気量推定ステップと、前記蒸気量推定部により推定された気体のドレン量に基づいて、前記スチームトラップから排出された液体及び気体を含むドレン量を算出するドレン量算出ステップとを有する。
【0015】
本発明に係るプログラムは、スチームトラップから排出されたドレンを利用して発電する熱電発電装置による発電量、もしくは熱電発電装置の開放電圧を受信する受信ステップと、前記受信ステップにおいて受信した発電量もしくは開放電圧に基づいて、発電に使用された気体となったドレンのドレン量を推定する蒸気量推定ステップと、前記蒸気量推定ステップにより推定された気体のドレン量に基づいて、前記スチームトラップから排出された液体及び気体のドレン量を算出するドレン量算出ステップとをコンピュータに実行させ、前記受信ステップにおいて受信した発電量もしくは開放電圧は、前記熱電発電装置により発電された電力を用いて、測定される。発電と計測のステップは蓄電池等を用いて、電力を貯蔵することで切り替えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、排出されるドレンを利用して発電された電力を効率的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態における熱電発電システム1を例示する図である。
【
図2】本実施形態における熱電発電装置3の詳細な構成を説明する図である。
【
図3】熱電発電ユニット30を例示する断面図である。
【
図4】管理サーバ2のハードウェア構成を例示する図である。
【
図5】管理サーバ2の機能構成を例示する図である。
【
図6】熱電発電システム1における異常検知処理(S10)を説明するフローチャートである。
【
図7】変形例における熱電発電システムを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
まず、本発明がなされた背景を説明する。
ボイラーにより生成された蒸気を利用する生産設備において、所定の場所に高温の蒸気を供給するための蒸気供給配管が設置される。そして、蒸気供給配管の途中には、所定の間隔でスチームトラップが設けられる。スチームトラップは、蒸気供給途中において、蒸気供給配管からの放熱による蒸気の温度低下で、飽和蒸気の一部が復水した凝縮水であるドレンを蒸気供給配管外に排出する。しかし、蒸気供給配管は、中を通る蒸気の酸性化により腐食が進み、その結果、蒸気供給配管の低寿命化を招き、保守費用が増大する、また、蒸気供給配管の腐食により蒸気漏れが発生し、ロスコストが増大するという課題がある。
【0019】
そこで、上記課題を解決するため、本実施形態の熱電発電システム1は、蒸気供給配管内を通るドレンのpHを測定することで、蒸気供給配管内を流れる蒸気の酸性化を検知し、警告することで、上記課題を解決するものである。また、本実施形態の熱電発電システム1は、スチームトラップ、及び蒸気供給配管の異常を、排出されるドレン量を監視することで、検出することを可能にした。
【0020】
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
図1は、本実施形態における熱電発電システム1を例示する図である。
図1に例示するように、ボイラーで生産された蒸気は、蒸気供給配管を介して、蒸気を使用する生産設備へ供給される。生産設備内において、供給された蒸気が流れる蒸気供給配管の途中には、所定の間隔でスチームトラップが設けられている。
スチームトラップは、蒸気供給配管内を流れる蒸気から復水したドレンや空気を蒸気供給配管の管外に排出する機器である。スチームトラップは、生産設備内において、蒸気を供給する蒸気供給配管と、スチームトラップにより排出されたドレンが流れるドレン排出管と接続する。熱電発電システム1は、ドレン排出管により排出されたドレンを利用して発電する。
【0021】
熱電発電システム1は、監視サーバ2と、熱電発電装置3と、pH測定ユニット4と、発電量計測ユニット5と、ネットワーク7とを有する。
監視サーバ2は、スチームトラップから排出されたドレンの状態を監視する。具体的には、監視サーバ2は、蒸気の流路である蒸気供給配管、及び、ドレンの流路であるドレン排出管の状態を監視するコンピュータ端末である。より具体的には、監視サーバ2は、蒸気供給配管、及びドレン排出管の腐食の可能性を、熱電発電装置3から排出されたドレンのpHの値に基づいて判定する。監視サーバ2は、本発明に係る監視装置の一例である。
熱電発電装置3は、スチームトラップから排出されたドレンの熱を利用して発電する発電装置である。また、熱電発電装置3は、発電した電力を、pH測定ユニット4と、発電量計測ユニット5とに供給する。
【0022】
pH測定ユニット4は、スチームトラップから排出されたドレンのpHをpH計40により測定し、ネットワーク7を介して測定結果を監視サーバ2へ通知する。具体的には、pH測定ユニット4は、熱電発電装置3により発電された電力を用いて、熱電発電装置3から排出されたドレンのpHを測定する。pH計40の電極は、熱発電装置3の収容タンク32により分離された液体のドレンに接する位置に設置される。具体的には、熱発電装置3の収容タンク32内の液体のドレンに電極の先端が接する位置、または、収容タンク32から排出されたドレンが貯留される排水ピットのドレンに電極の先端が接する位置に設定される。pH計40には、例えば、富士精密電気(株)のPHT‐5が用いられ、電極には、富士精密電気(株)のGR‐1THが用いられる。
【0023】
pH測定ユニット4は、蒸気供給配管からドレン排出管へと流れてきた蒸気から腹水したドレンのpHの値を測定し、測定結果を監視サーバ2に送信する。
pH測定ユニット4は、電力受給部400と、測定部402と、送信部404とを含む。
電力受給部400は、熱電発電装置3により発電された電力を受給する。
測定部402は、熱電発電装置3により、気体のドレンであるフラッシュ蒸気での熱を利用して発電された電力を用いて、スチームトラップから排出された液体のドレンのpHを測定する。具体的には、測定部320は、電力を受給されたpH計40により、熱電発電装置3内で液体と気体とに分離されたドレンのうち、液体のドレンのpHを測定する。
送信部404は、熱電発電装置3によりドレンの熱を利用して発電された電力で、測定部402により測定された測定結果を監視サーバ2に送信する。具体的には、送信部404は、pHを測定されたドレンを収容する熱電発電装置3の識別情報と、pHの測定値とを監視サーバ2へ通知する。送信部324は、例えば、省電力長距離通信(LPWA)という無線通信規格のうち、LoRa(Long Range)という、周波数920MHz帯の周波数変調方式を利用して測定結果を監視サーバ2に送信してもよい。
【0024】
発電量計測ユニット5は、熱電発電装置3による発電量、もしくは熱電発電装置3の解放電圧を計測し、計測値を監視サーバ2に送信する。
発電量計測ユニット5は、電力受給部500と、発電量測定部502と、送信部504とを含む。
電力受給部500は、熱電発電装置3により発電された電力を受給する。
計測部502は、熱電発電装置3によりドレンの熱を利用して発電された電力を用いて、熱電発電装置3による発電量もしくは熱電発電装置3の開放電圧を計測する。具体的には、計測部502は、電力を受給された電圧計50により、発電された電力の電圧を計測する。開放電圧を計測する場合は一時的に発電の回路を計測回路に切り替える。
送信部504は、熱電発電装置3によりドレンの熱を利用して発電された電力で、計測部502により計測された発電量もしくは解放電圧を監視サーバ2に送信する。送信部504は、例えば、省電力長距離通信(LPWA)という無線通信規格のうち、LoRa(Long Range)という、周波数920MHz帯の周波数変調方式を利用して測定結果を監視サーバ2に送信してもよい。
【0025】
ネットワーク7は、有線又は無線で、管理サーバ2とpH計とで情報通信可能に接続する通信網である。例えば、ネットワーク7は、省電力広域無線通信(LPWA:Low Power Wide Area)という無線通信規格を利用する長距離広域ネットワーク(LoRaWAN:Long Range Wide Area Network)であってもよい。
【0026】
図2は、本実施形態における熱電発電装置3の詳細な構成を説明する図である。
図2に例示するように、熱電発電装置3は、熱電発電ユニット30と、収容タンク32とを含む。
熱電発電ユニット30は、スチームトラップから排出されたドレンの熱を利用して発電する発電装置である。
【0027】
収容タンク32は、本発明に係る収容部の一例であり、スチームトラップから排出されたドレンを、蒸気供給配管の圧力より低い圧力で収容する容器である。収容タンク32は、ドレンを気体と液体とに分離して収容する。熱電発電ユニット30は、収容タンク32に収容されるフラッシュ蒸気を利用して発電する。収容タンク32は、傾斜底部320、及びドレン排出管322を含む。
傾斜底部320は、収容タンク32内にあるドレンを外に廃棄する廃棄口に対して、収容タンク32の底面を下り傾斜させた底面である。本例の傾斜底部320は、収容タンク32の底にドレンを廃棄する廃棄口が設けられ、設けられた廃棄口に対して収容タンク32の底面を下り傾斜させている。
ドレン排出管322は、収容タンク32の内部から熱電発電装置3の外に、ドレンを排出するための配管である。ドレン排出管322から外部へと排出されたドレンは、ドレンを一時的に収集及び保管する排水ピットへ貯留される。
【0028】
次に、熱電発電ユニット30の詳細な構成を説明する。
図3は、熱電発電ユニット30を例示する断面図である。
図2及び
図3に例示するように、熱電発電ユニット30は、ユニット本体300と、誘導部308とを有する。
ユニット本体300は、収容タンク32内にあるドレンからフラッシュ蒸発した水蒸気の熱エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニットである。ユニット本体300は、略直方体の形状であり、水平方向の長さより鉛直方向の長さが短い。具体的には、ユニット本体300は、ユニット本体300の短手方向を鉛直方向に向けて配置し、ユニット本体5の長手方向を水平方向に向けて配置している。また、ユニット本体300は、筐体302と、冷却用流路304と、熱電モジュール306とを含む。
【0029】
筐体302は、後述する冷却用流路304の外側に配置され、冷却用流路304の外側の一部を覆うよう構成されたユニット本体300の外装である。筐体302は、金属板で構成され、アルミニウム製、ステンレス製、炭素鉄鋼製又は銅製の板材を組み合わせてなる。筐体302は、加工性の良い材料であれば、アルミニウム製、又はステンレス製が好ましい。さらには、耐腐食性がよいステンレス製がより望ましい。また、筐体302は、略直方体の形状であり、水平方向の長さより鉛直方向の長さが短い。具体的には、筐体302は、筐体10の短手方向を鉛直方向に向けて配置し、筐体302の長手方向を水平方向に向けて配置している。後述する誘導部308が突出する位置のユニット本体300の筐体302の外壁面は、平らな面となっている。
【0030】
冷却用流路304は、ユニット本体300の長手方向の一方側から他方側に向かって、冷却用の媒体を通す管材である。ここで、冷却用の媒体は、液体でも気体でもよく、液体の場合は冷却水(水)であり、気体の場合は空気である。なお、本例の冷却用の媒体は、液体の冷却水である。冷却用流路304は、後述する熱電モジュール306を冷却する。冷却用流路304は、アルミニウム製、ステンレス製、炭素鉄鋼製又は銅製のパイプ材であり、その両端を閉扉すると共に、一方側の端部に冷却水注入口と、他方側の端部に冷却水排出口とを設けている。冷却用流路304は、加工性の良い材料であれば、アルミニウム製、又はステンレス製が好ましい。冷却用流路304は、ユニット本体5の長手方向において、筐体302を貫通して設けられ、筐体302の外側に両端(冷却水注入口及び冷却水排出口)が位置している。
【0031】
熱電モジュール306は、熱及び電気エネルギーを相互に変換する熱電素子を複数配列し、配列した熱電素子を電気的に接続したモジュールである。熱電モジュール306は、温度差を利用した発電を可能とする熱電素子を含むモジュールであれば、ビスマス・テルル系(Bi-Te系)、鉛・テルル系(Pb-Te系)、マグネシウム系(Mg-Si系、Mg-Si-Sn系、Mg-Ag-Sb系)、シリサイド系(Mn-Si、Fe-Si)、又は、シリコン・ゲルマニウム系(Si-Ge系)の熱電素子であってもよい。
【0032】
また
図3に例示したように、熱電モジュール306は、筐体302と冷却用流路304との間に位置し、筐体302と管材冷却用流路304とに熱的に接触した状態で配置される。具体的には、熱電モジュール306は、熱電モジュール306の一方の面を筐体302に接触させ、熱電モジュール306の他方の面を冷却用流路304に接触させた状態で配置される。熱電モジュール306は、冷却用流路304と接触する面が低温側となり、筐体10の内壁面と接触する面が高温側となることで発電する。
また、熱電モジュール306は、熱伝導部材を介して、筐体302及び冷却用流路304に接触した状態となっている。熱伝導部材は、熱伝導率が高い材料であり、例えば熱伝導グリース、熱伝導接着材、液体金属系、又は、熱伝導シートであってもよい。熱伝導シートである場合、無機炭素を主成分とするもの、又は、高分子材料を主成分とするものがよい。熱伝導部材は、熱電モジュール306と冷却用流路304との間、及び熱電モジュール306と筐体302との間に位置し、その隙間を埋めることができる。
また、熱電モジュール306は、ユニット本体5の長手方向において、互いに等間隔を開けて複数配置しており、本例の熱電モジュール306は、熱電発電ユニットのうち、収容タンク32の内部となる位置にて、3~5個を配置している。
【0033】
誘導部308は、ユニット本体300の長手方向に長尺な板状であり、ユニット本体300の筐体302における外壁面302Aより外側に突出して設けた部材である。誘導部308は、基端をユニット本体300の短手方向下方、すなわち筐体302の短手方向下方に接続され、先端を外壁面302Aより外側に突出して設けている。さらに誘導部308は、誘導部308は、板面308Aと筐体302の外壁面302Aとが連続するよう設けている。
また、誘導部308は、ユニット本体300の筐体302における外壁面302Aと、誘導部308の板面308Aとの間の角度Xが鈍角となるよう設けられる。外壁面302Aと板面308Aとの間の角度Xは、例えば140度以上160度以下の角度であり、本例では150度である。すなわち、外壁面302Aと板面308Aとの間の角度Xは、蒸気を凝縮した液体のドレンが外壁面310Aから誘導部308の板面308Aにスムーズに移動できる角度である。これにより、筐体302の外壁面302Aから液体のドレンを素早く移動させることができると共に、筐体302のつなぎ目等に液体のドレンが溜まらないようにすることができる。
【0034】
次に、監視サーバ2の詳細な構成を説明する。
図4は、監視サーバ2のハードウェア構成を例示する図である。
図4に例示するように、監視サーバ2は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び、入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラムやその他のデータファイル(例えば、
図5に例示される測定結果格納DB600)を格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、pH測定ユニット4、及び、発電量測定ユニット5との通信を実現する。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0035】
図5は、監視サーバ2の機能構成を例示する図である。
図5に例示するように、監視サーバ2には、監視プログラム20がインストールされると共に測定結果格納データベース600が構成される。監視プログラム20は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納され、この記録媒体を介して、監視サーバ20にインストールされる。また、監視プログラム20は、インターネット上からダウンロードして監視サーバ20にインストールされてもよい。
監視プログラム20は、受信部220、異常検知部222、警告部224、フラッシュ蒸気量推定部226、及びドレン量算出部228を有する。なお、監視プログラム20の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0036】
受信部220は、pH測定ユニット4の送信部404により送信されたドレンのpHの測定結果を受信する。具体的には、受信部220は、pHを測定されたドレンが収容されていた熱電発電装置3の識別情報と、受信したpH値とを関連付けて測定結果格納DB600へ格納する。
また、受信部220は、発電量計測ユニット5の送信部504により送信された熱電発電装置3による発電量もしくは解放電圧を受信する。具体的には、受信部220は、発電量もしくは解放電圧を測定された熱電発電装置3の識別情報と、受信した発電量もしくは解放電圧とを関連付けて測定結果格納DB600へ格納する。
異常検知部222は、ドレンのpH値に基づいて、蒸気供給配管、及びドレン排出管の異常を検知する。具体的には、異常検知部222は、受信部220により受信したpHの値が規定値以上であるか否かを判定し、規定値以上である場合にドレンのpH値が異常であると判定する。異常検知部222は、異常を検知したドレンを排出した熱発電装置3に接続されるドレン排出管、及び、ドレン排出管よりさらに上流の蒸気供給配管を特定する。異常検知部222は、異常を検知したドレンとなった蒸気の流路である配管情報と、pH値とを警告部224へ通知する。ここで、pHが規定値以上であるということは、ドレンの酸性度が規定値以上であることを示す。
【0037】
警告部224は、異常検知部222により通知された配管の異常を警告する。警告方法は、例えば、アラートを発する、担当者へ通知する、表示装置208に表示する等である。
フラッシュ蒸気量推定部226は、本発明に係る蒸気量推定部の一例であり、発電量計測ユニット5により計測された発電量もしくは解放電圧に基づいて、発電に使用されたフラッシュ蒸気量を推定する。具体的には、フラッシュ蒸気量推定部226は、収容タンク32に分離されて収容されたフラッシュ蒸気の蒸気量を推定する。
ドレン量算出部228は、フラッシュ蒸気量推定部226により推定されたフラッシュ蒸気量に基づいて、収容タンク32に分離されて収容された液体とフラッシュ蒸気量を合わせたドレン量を算出する。
熱電発電ユニットの最大発電量を超える程度にドレン量が多い場合は、熱電発電ユニットの前もしくは後に冷却器を設けてもよい。冷却器は冷却水を用いて、フラッシュ蒸気を凝縮させることができる。冷却機に用いる冷却水の入口及び出口の温度及び流量を計測することで凝縮したフラッシュ蒸気量を算出することができる。冷却器の凝縮量と発電ユニットの発電量から推定したフラッシュ蒸気量を合わせることでドレン量の算出が可能となる。この場合も熱電発電ユニットの発電を用いて、冷却水の入口及び出口温度流量のデータを取得しサーバー等に送信する。
【0038】
図6は、熱電発電システム1における異常検知処理(S10)を説明するフローチャートである。ここでは、排水ピットに貯留されるドレンのpHを測定する場合について説明する。
図6に示すように、ステップ100(S100)において、熱電発電装置3は、スチームトラップから排出されたドレンの一部が蒸気となったフラッシュ蒸気を利用して発電する。具体的には、収容部32内で分離されたフラッシュ蒸気を利用して発電する。
ステップ105(S105)において、熱電発電装置3により発電した電力量あるいは熱電発電装置3の開放電圧が規定値を超えた場合に、異常検知処理(S10)は、S110へ移行し、発電量あるいは熱電発電装置3の開放電圧が規定値に達しない場合に、待機する。
ステップ110(S110)において、熱電発電装置3は、pH測定ユニット4へ発電した電力を供給し、pH測定ユニット4の電力受給部400は、電力を受給する。
ステップ115(S115)において、pH測定ユニット4の測定部402は、熱発電装置3から排水ピットへドレンが排出されてから所定時間以内であるか否かを判定する。ドレン排出から所定時間以内である場合(S115:Yes)に、異常検知処理(S10)は、S120へ移行し、所定時間を超えた場合(S115:No)に、次回のドレンの排出まで待機する。
【0039】
ステップ120(S120)において、pH測定ユニット4の測定部402は、電力受給部400により受給した電力により、pH計40を作動し、排水ピット内の液体のドレンのpHを測定する。
ステップ125(S125)において、電力受給部400により受給した電力を用いて、pH測定ユニット4の送信部404は、測定部402により測定されたpHの値を、pH値を測定したドレンを排出した熱電発電装置3の識別情報に関連付けて監視サーバ2へ通知する。監視サーバ2の受信部220は、熱電発電装置3の識別情報と、ドレンのpHの値とを受信する。
ステップ130(S130)において、監視サーバ2の受信部220は、測定結果である熱電発電装置3の識別情報と、ドレンのpHの値とを関連付けて測定結果格納DB600に格納する。
ステップ135(S135)において、監視サーバ2の異常検知部222は、受信部220により受信したpHの値が規定値以上である場合に、熱電発電装置3へドレンを排出するまでの配管に異常があると判定し(S135:Yes)、S140へ移行する。pHの値が規定値以内である場合(S135:No)に、異常検知処理(S10)は終了する。
ステップ140(S140)において、監視サーバ2の警告部224は、異常があると判定されたドレンを排出した熱電発電装置3へドレンを排出するまでの配管に、異常があることを警告する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態における熱電発電システム1によれば、蒸気を利用する生産設備から排出されるドレンを利用して発電するため、エネルギーを有効に活用することができる。さらに、発電した電力で配管を流れてきたドレンのpHを測定し、pHの値から蒸気の酸性化を検知し警告することで、配管の腐食を防ぐことが可能である。また、発電した電力で測定結果を監視サーバ2に送信するため、現場に出向くことなく、遠隔地であってもドレンの状態を把握することができる。
また、熱電発電システム1によれば、熱電発電装置3の発電量もしくは熱電発電装置3の開放電圧に基づいて、排出されるドレン量を算出するため、算出したドレン量に基づいて、回収可能な熱エネルギーを算出することができる。さらに、排出されるドレン量を記録し、ドレン量の変化を検出することで、配管異常によるドレン量の増大、及びスチームトラップの故障を検知することが可能である。
【0041】
[変形例]
上記実施形態では、pH測定ユニット4の送信部404が、熱電発電装置3の識別情報を送信することにより、監視サーバ2は、pHを測定したドレンを排出した熱電発電装置3を特定しているが、これに限定されず、例えば、熱電発電装置3により発電されたことを検知することにより、pHを測定されたドレンを排出した熱電発電装置3を特定してもよい。
【0042】
変形例における熱電発電システム1を、
図7を用いて説明する。
図7は、変形例における熱電発電システム1を例示する図である。
図7に例示するように、変形例における熱電発電システム1では、ボイラーから蒸気が複数の生産設備に供給され、各生産設備には、スチームトラップが設置され、スチームトラップから排出されるドレンを利用して各熱電発電装置3により発電する。監視サーバ2は、pHの値が規定値以上であったドレンの流路を、発電した熱電発電装置3を検知することで特定する。なお、変形例におけるpH測定ユニット4は、排水ピットに貯留される液体のドレンのpHを測定する。
【0043】
ここで、スチームトラップからドレンが排出されるのは、不定期であるため、熱電発電装置3による発電もスチームトラップからドレンが排出されるタイミングと同じである。そこで、変形例における熱電発電システム1では、発電を検知することにより、どの熱電発電装置3からpH計40へ電力が供給されたかを検知し、pH測定ユニット4により計測された排水ピットのドレンがどの熱電発電装置3から排出されたドレンであるかを特定する。ドレンの排出元である熱電発電装置3を特定することにより、異常を検知したドレンの流路である配管を特定する。
具体的には、監視サーバ2の監視プログラム20は、
図5の構成に加え、特定部230を有し、特定部230は、pH測定ユニット4から受信した測定結果の測定対象であるドレンを排出した熱電発電装置3を特定する。より具体的には、特定部230は、各熱電発電装置3の発電を検知し、pH測定ユニット4へ電力を供給した熱電発電装置3を特定する。
また、pH測定ユニット4の電力受給部400が、電力の供給元である熱電発電装置3を特定し、測定結果として監視サーバ2に通知してもよい。
【0044】
さらに、複数の熱電発電装置3に対して、pH測定ユニット4がそれぞれ設置されている場合は、特定部230は、各pH計40から受信した測定結果に含まれる熱電発電装置3の識別情報に基づいて、異常を検出したドレンを排出した熱電発電装置3を特定する。
【符号の説明】
【0045】
1…熱電発電システム
2…監視サーバ
3…熱電発電装置
4…pH測定ユニット
5…発電量計測ユニット
7…ネットワーク
30…熱電発電ユニット
300…ユニット本体
302…筐体
304…冷却用流路
306…熱電モジュール
308…誘導部
32…収容タンク
320…傾斜底部
322…ドレン排出管