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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017742
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】足場構造
(51)【国際特許分類】
   B01F 35/10 20220101AFI20250130BHJP
   B01F 35/60 20220101ALI20250130BHJP
   E04G 3/24 20060101ALI20250130BHJP
   B01F 101/18 20220101ALN20250130BHJP
   B01F 101/06 20220101ALN20250130BHJP
【FI】
B01F35/10
B01F35/60
E04G3/24 301A
B01F101:18
B01F101:06
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023120941
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】722014321
【氏名又は名称】東洋紡エムシー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000227168
【氏名又は名称】株式会社ハイビックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮武 正雄
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 雄大
(72)【発明者】
【氏名】高橋 完明
(72)【発明者】
【氏名】菊池 徹郎
(72)【発明者】
【氏名】後藤 順一
(72)【発明者】
【氏名】河野 優人
(72)【発明者】
【氏名】粟井 正寿
【テーマコード(参考)】
4G037
【Fターム(参考)】
4G037DA11
4G037DA30
4G037EA04
(57)【要約】
【課題】撹拌装置内の作業を行い易くすることができ、且つ組立て易い足場構造を提供する。
【解決手段】回転軸と前記回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置内で用いられる足場構造であって、環状の第1袋体と、前記第1袋体の上に配置されている第2袋体とを有し、前記第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径は、前記撹拌翼の回転直径よりも大きいことを特徴とする足場構造。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と前記回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置内で用いられる足場構造であって、
環状の第1袋体と、
前記第1袋体の上に配置されている第2袋体とを有し、
前記第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径は、前記撹拌翼の回転直径よりも大きいことを特徴とする足場構造。
【請求項2】
前記第1袋体の軸方向における長さは、前記第1袋体の径方向における前記内縁から外縁に至るまでの長さよりも長い請求項1に記載の足場構造。
【請求項3】
前記第2袋体は、扁平状である請求項1または2に記載の足場構造。
【請求項4】
前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2袋体の外縁に接する第2仮想外接円の直径は、前記第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径よりも大きく、前記第2袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第1凹部を有しており、前記第2仮想外接円の中心は前記第1凹部の外縁に囲まれた領域内に位置する請求項3に記載の足場構造。
【請求項5】
前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第2凹部と第3凹部を有している請求項4に記載の足場構造。
【請求項6】
前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2凹部と前記第3凹部は、それぞれ前記第1袋体の前記内縁よりも内側に位置する部分を有している請求項5に記載の足場構造。
【請求項7】
前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2凹部のうち前記第2仮想外接円の中心に最も近いA点と前記第3凹部のうち前記第2仮想外接円の中心に最も近いB点とを通る仮想線は、前記第1凹部を通っている請求項5に記載の足場構造。
【請求項8】
前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記A点と前記第2仮想外接円の中心とを結ぶ第1仮想線分と、前記B点と前記第2仮想外接円の中心とを結ぶ第2仮想線分とのなす角であって、前記第1凹部の先端部に近い方の角の角度は180度未満である請求項7に記載の足場構造。
【請求項9】
更に、前記第2袋体の上に配置されている扁平状の第3袋体を有し、
前記第3袋体の厚さ方向の視野において、前記第3袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第4凹部と第5凹部を有しており、前記第3袋体の外縁に接する第3仮想外接円の中心は前記第4凹部の外縁に囲まれた領域内に位置している請求項1または2に記載の足場構造。
【請求項10】
前記第3袋体の厚さ方向のうち、前記第3袋体から前記第2袋体に向かう方向の視野において、前記第3袋体の前記第4凹部から前記第2袋体の一部が露出し、且つ前記第3袋体の前記第5凹部から前記第2袋体の他の一部が露出している請求項9に記載の足場構造。
【請求項11】
更に、前記第1袋体の前記軸方向に延在し且つ前記第1袋体の前記内縁に固定されている柱状物を有している請求項1または2に記載の足場構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足場構造に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、複数の化合物を混合し撹拌して反応させる際に撹拌装置が用いられていた。このような撹拌装置として例えば特許文献1には、槽本体と、該槽本体に一体的に設けられるマンホールとを備え、低炭素ステンレス鋼から成る撹拌槽であって、前記マンホールと前記槽本体とが繋がるノズルネックは、その裾が広がるように円弧状に湾曲することを特徴とする撹拌槽が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-016087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、洗浄ノズルをマンホールから撹拌槽内に挿入して、洗浄ノズルにより高圧の洗浄液を撹拌槽の内壁に吹き付けることによって撹拌槽内を洗浄できることが記載されている。このような方法によって撹拌槽内を洗浄できるが、より細部を洗浄したい場合には、撹拌槽内に人が入って撹拌槽内を洗浄する場合があった。しかし撹拌槽内に人が入っても、依然として撹拌槽内の上側部分等、洗浄し難い部分があった。そこで本発明者らの検討により、梯子を用いると撹拌槽内の上側部分等は洗浄し易くなるが、足場が不安定になることが分かった。本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撹拌装置内の作業を行い易くすることができ、且つ組立て易い足場構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施の形態に係る足場構造は下記[1]の通りである。
[1]回転軸と前記回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置内で用いられる足場構造であって、
環状の第1袋体と、
前記第1袋体の上に配置されている第2袋体とを有し、
前記第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径は、前記撹拌翼の回転直径よりも大きいことを特徴とする足場構造。
【0006】
上記のように第1袋体が環状であり内縁に接する仮想内接円の直径が大きいことにより、第1袋体の内縁よりも内側に作業空間を確保でき、作業者は第1袋体の内縁より内側で第2袋体を第1袋体の上に配置する等の作業を行い易くなるため、足場構造を組立て易くなる。更に当該構成により、噴射された洗浄液は第1袋体の内側に流れ落ちるため、第2袋体の上に洗浄液が溜まり難くなる。その結果、第2袋体以上の高さの位置において作業者は洗浄中に滑り難くなる。更に、土台である第1袋体が環状であることにより足場構造は安定し易くなる。
【0007】
更に実施の形態に係る足場構造は、以下の[2]~[11]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記第1袋体の軸方向における長さは、前記第1袋体の径方向における前記内縁から外縁に至るまでの長さよりも長い[1]に記載の足場構造。
[3]前記第2袋体は、扁平状である[1]または[2]に記載の足場構造。
[4]前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2袋体の外縁に接する第2仮想外接円の直径は、前記第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径よりも大きく、前記第2袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第1凹部を有しており、前記第2仮想外接円の中心は前記第1凹部の外縁に囲まれた領域内に位置する[1]~[3]のいずれかに記載の足場構造。
[5]前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第2凹部と第3凹部を有している[1]~[4]のいずれかに記載の足場構造。
[6]前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2凹部と前記第3凹部は、それぞれ前記第1袋体の前記内縁よりも内側に位置する部分を有している[5]に記載の足場構造。
[7]前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記第2凹部のうち前記第2仮想外接円の中心に最も近いA点と前記第3凹部のうち前記第2仮想外接円の中心に最も近いB点とを通る仮想線は、前記第1凹部を通っている[5]または[6]に記載の足場構造。
[8]前記第2袋体の厚さ方向の視野において、前記A点と前記第2仮想外接円の中心とを結ぶ第1仮想線分と、前記B点と前記第2仮想外接円の中心とを結ぶ第2仮想線分とのなす角であって、前記第1凹部の先端部に近い方の角の角度は180度未満である[7]に記載の足場構造。
[9]更に、前記第2袋体の上に配置されている扁平状の第3袋体を有し、
前記第3袋体の厚さ方向の視野において、前記第3袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第4凹部と第5凹部を有しており、前記第3袋体の外縁に接する第3仮想外接円の中心は前記第4凹部の外縁に囲まれた領域内に位置している[1]~[8]のいずれかに記載の足場構造。
[10]前記第3袋体の厚さ方向のうち、前記第3袋体から前記第2袋体に向かう方向の視野において、前記第3袋体の前記第4凹部から前記第2袋体の一部が露出し、且つ前記第3袋体の前記第5凹部から前記第2袋体の他の一部が露出している[9]に記載の足場構造。
[11]更に、前記第1袋体の前記軸方向に延在し且つ前記第1袋体の前記内縁に固定されている柱状物を有している[1]~[10]のいずれかに記載の足場構造。
【0008】
更に実施の形態に係る足場構造は、下記[12]であってもよい。
[12]回転軸と前記回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置内で用いられる足場構造であって、
扁平状の袋体を有し、
前記袋体の厚さ方向の視野において、前記袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第1凹部を有しており、前記袋体の外縁に接する仮想外接円の中心は前記第1凹部の外縁に囲まれた領域内に位置する足場構造。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記構成により、撹拌装置内の作業を行い易くすることができ、且つ組立て易い足場構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1(a)は、実施の形態に係る足場構造の平面図である。図1(b)は、実施の形態に係る足場構造の側面図である。
図2図2は、図1の足場構造を撹拌装置の反応缶内に配置したときの第1袋体と撹拌翼との位置関係を示す平面図である。
図3図3は、図1の足場構造の第2袋体の平面図である。
図4図4(a)は、図1(b)の第1袋体のA-A断面である。図4(b)は、図1(b)の第1袋体の変形性のA-A断面である。図4(c)は、図1(a)の第1袋体のB-B断面である。
図5図5は、撹拌装置の斜視図である。
図6図6は、図1の足場構造を図5の撹拌装置の反応缶内に配置したときの斜視図である。
図7図7は、柱状物を有する実施の形態に係る足場構造を、撹拌装置の反応缶内に配置したときの第1袋体と撹拌翼との位置関係を示す平面図である。
図8図8は、図7のC―C断面図である。
図9図9(a)は、図7の柱状物の斜視図である。図9(b)は、図7の柱状物の布材の平面図である。
図10図10(a)は、第3袋体を有する実施の形態に係る足場構造の平面図である。図10(b)は、第3袋体を有する実施の形態に係る足場構造の側面図である。
図11図11は、図10の足場構造の第3袋体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態に係る足場構造は、回転軸と回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置の内で用いられる足場構造であって、環状の第1袋体と、第1袋体の上に配置されている第2袋体とを有し、第1袋体の内縁に接する仮想内接円の直径は、撹拌翼の回転直径よりも大きい。
【0012】
上記のように第1袋体が環状であり内縁に接する仮想内接円の直径が大きいことにより、作業者は第1袋体の内縁より内側で第2袋体を第1袋体の上に配置する等の作業を行い易くなるため、足場構造を組立て易くなる。更に当該構成により、洗浄液は第1袋体の内側に流れ落ちるため、第2袋体の上に洗浄液が溜まり難くなる。その結果、第2袋体以上の高さの位置において作業者は洗浄中に滑り難くなる。更に、土台である第1袋体が環状であることにより足場構造は安定し易くなる。
【0013】
以下では図1図6を参照しながら、実施の形態に係る足場構造について詳述する。図1(a)は、実施の形態に係る足場構造の平面図である。図1(b)は、実施の形態に係る足場構造の側面図である。図2は、図1の足場構造を撹拌装置の反応缶内に配置したときの第1袋体と撹拌翼との位置関係を示す平面図である。図3は、図1の足場構造の第2袋体の平面図である。図4(a)は、図1(b)の第1袋体のA-A断面である。図4(b)は、図1(b)の第1袋体の変形性のA-A断面である。図4(c)は、図1(a)の第1袋体のB-B断面である。図5は、撹拌装置の斜視図である。図6は、図1の足場構造を図5の撹拌装置の反応缶内に配置したときの斜視図である。図5図6において撹拌装置の反応缶の外側面の一部は断面図である。
【0014】
図1(a)、(b)に示す通り、実施の形態に係る足場構造80は、環状の第1袋体1と、第1袋体1の上に配置されている第2袋体2とを有する。足場構造80は、例えば図5に示すような回転軸91と回転軸91に固定された撹拌翼92とを備える撹拌装置99内で用いられる足場構造である。具体的には、足場構造80は撹拌装置99の反応缶90内に配置されることが好ましい。反応缶90は、複数の化合物を撹拌翼92により混合し撹拌して反応させる際に用いられる容器である。足場構造80が配置される容器は、撹拌翼92により内部で物質を撹拌できる容器であればよく、例えば反応を伴わない複数の化合物、単独の化合物、食品、または飼料を撹拌翼92により内部で撹拌できる缶であってもよい。
【0015】
図2に示す通り、第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径は、撹拌翼92の回転直径92Dよりも大きい。図2では、第1袋体1の内縁1aと仮想内接円Cは重なっているが、内縁1aの形状が真円で無い場合には、これらは互いに重なっていない部分を有していてもよい。なお図2の仮想円92Cは、撹拌翼92の回転時に、平面視において撹拌翼92のうち回転軸91から最も離れている点により描かれる円である。
【0016】
図2に示す通り、第1袋体1が環状であり、且つ第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径が、撹拌翼92の回転直径92Dよりも大きいことにより、第1袋体1を撹拌翼92と接触しないように反応缶90内の底面に配置することができる。またこれにより、足場構造80を組立てる際に、作業者は第1袋体1の内縁1aより内側で第2袋体2を第1袋体1の上に配置する等の作業を行い易くなる。更に、土台である第1袋体1が環状であることにより足場構造80は安定し易くなる。第1袋体1は、第1袋体1の外側面と反応缶90内の側壁の内側面とが接触している状態で反応缶90内の底面に配置されることが好ましい。これにより、第1袋体1は足場の土台として一層、安定し易くなる。
【0017】
図1(b)に示す通り、第2袋体2が、第1袋体1の上に配置されていることにより、足場構造80を高くすることができるため、作業者は反応缶90内の上部の洗浄等を行い易くなる。更に、洗浄液は環状の第1袋体1の内縁1aより内側に流れ落ちて反応缶90の底部の排水口から排水され易いため、第1袋体1の上に位置する第2袋体2以上の高さ位置において洗浄液が溜まり難くなり、その結果、作業者は洗浄中に滑り難くなる。
【0018】
第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径と撹拌翼92の回転直径92Dの差は1mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましい。これにより第1袋体1と撹拌翼92の接触を回避し易くなる。一方、当該差は1000mm以下であることが好ましく、800mm以下であることがより好ましい。これにより第1袋体1の環の幅を大きくして、第1袋体1の上に第2袋体2を配置し易くすることができる。第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径は、具体的には100cm以上、400cm以下であることが好ましく、120cm以上、300cm以下であることがより好ましく、150cm以上、250cm以下であることが更に好ましい。例えば、撹拌翼92が8mの3枚後退翼の場合、第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径と撹拌翼92の回転直径92Dの差は500mm以上、700mm以下が好ましく、第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径は160cm以上、180cm以下が好ましい。
【0019】
図1(b)、図2に示す通り、第1袋体1の軸方向1Zにおける長さは、第1袋体1の径方向1Xにおける内縁1aから外縁1bに至るまでの長さよりも長いことが好ましい。これにより、第1袋体1の上に配置された第2袋体2は、溜まった洗浄液に浸漬され難くなる。更にこれにより、第1袋体1の上の第2袋体2は、撹拌翼92と接触し難くなる。なお図2において第1袋体1の径方向1Xにおける内縁1aから外縁1bに至るまでの長さは、第1袋体1の環の幅に相当する。第1袋体1の軸方向1Zにおける長さは、第1袋体1の径方向1Xにおける内縁1aから外縁1bに至るまでの長さの1.5倍以上であることが好ましく、3.0倍以上であることがより好ましい。一方、当該倍率は8.0倍以下であることが好ましく、5.0倍以下であることがより好ましい。これにより、第1袋体1の環の幅を相対的に大きくすることができるため、第1袋体1の上に第2袋体2を配置し易くなる。また第1袋体1の軸方向1Zにおける長さは、10cm以上、60cm以下であることが好ましく、20cm以上、35cm以下であることがより好ましい。
【0020】
第1袋体1の外縁1bに接する第1仮想外接円1Cの直径と、第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径の差は、1cm以上、40cm以下であることが好ましく、4cm以上、12cm以下であることがより好ましい。これにより第1袋体1の洗浄液の排出にかかる効果を発揮させつつ、第2袋体2を第1袋体1の上に配置し易くすることができる。図2では、第1袋体1の外縁1bと第1仮想外接円1Cは重なっているが、外縁1bの形状が真円で無い場合には、これらは互いに重なっていない部分を有していてもよい。
【0021】
第1袋体1の軸方向1Zにおける長さは、撹拌翼92の高さ方向の最大長さよりも長いことが好ましい。これにより図6に示すように第1袋体1の上に配置されている第2袋体2は、撹拌翼92と一層、接触し難くなる。
【0022】
図1(b)に示す通り、第2袋体2は、扁平状であることが好ましい。第2袋体2が扁平状であることにより、第2袋体2を第1袋体1の上に配置し易くなる。
【0023】
図1(a)に示す通り、第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、第2袋体2の外縁2bに接する第2仮想外接円2Cの直径は、第1袋体1の内縁1aに接する仮想内接円Cの直径よりも大きいことが好ましい。これにより、第2袋体2は第1袋体1の上で安定し易くなる。図1(a)では、第1仮想外接円1Cと第2仮想外接円2Cは重なっているが、これらは重なっていなくてもよい。その場合、第2仮想外接円2Cは第1仮想外接円1Cより内側に位置することが好ましい。これにより第2袋体2の位置を微調整し易くなる。
【0024】
図3に示す通り、第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、第2袋体2は外側から内側に向かって凹んでいる第1凹部21を有しており、第2仮想外接円2Cの中心2Pは第1凹部21の外縁21bに囲まれた領域内に位置することが好ましい。このように第2袋体2が内側に向かって深く窪んだ第1凹部21を有していることにより、作業者は足場構造80の組立ての際に、第1凹部21の隙間に足を置いた状態で第2袋体2に気体を注入して第2袋体2を膨らますことができる。これにより、作業者が第2袋体2に乗った状態で気体を注入する場合と比べて効率的に第2袋体2を膨らますことができる。
【0025】
第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、第2袋体2は外側から内側に向かって凹んでいる第2凹部22と第3凹部23を有していることが好ましい。これにより、噴射された洗浄液を第2凹部22と第3凹部23から下部に排出し易くすることができ、作業者は滑り難くなる。
【0026】
図1(a)に示す通り、第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、第2凹部22と第3凹部23は、それぞれ第1袋体1の内縁1aよりも内側に位置する部分を有していることが好ましい。これにより、噴射された洗浄液を第2凹部22と第3凹部23から下部に一層、排出し易くすることができる。
【0027】
図3に示す通り、第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、第2凹部22のうち第2仮想外接円2Cの中心2Pに最も近いA点22pと第3凹部23のうち第2仮想外接円2Cの中心2Pに最も近いB点23pとを通る仮想線2Vは、第1凹部21を通っていることが好ましい。これにより作業者は第1凹部21と第2凹部22の間に跨がるようにして第2袋体2の上に乗ることができ、このような姿勢により作業を行えば転倒のリスクを回避できる。同様に作業者は第1凹部21と第3凹部23の間に跨がるようにして第2袋体2の上に乗ることもできる。
【0028】
図3に示す通り、第2袋体2の厚さ方向2Zの視野において、A点22pと第2仮想外接円2Cの中心2Pとを結ぶ第1仮想線分2V1と、B点23pと第2仮想外接円2Cの中心2Pとを結ぶ第2仮想線分2V2とのなす角であって、第1凹部21の先端部に近い方の角の角度は180度未満であることが好ましい。図3では第1凹部21の先端部は第1凹部21の頂点とその近傍に相当する。当該角度が180度未満であることにより第2袋体2のうち第1凹部21と第2凹部22の間に位置する第1部分21Rと、第2袋体2のうち第1凹部21と第3凹部23の間に位置する第2部分22Rの面積を大きくすることができる。その結果、作業者は第1部分21Rと第2部分22Rの上に乗って作業をし易くなる。当該角度は、より好ましくは170度以下である。一方、当該角度は、好ましくは90度以上、より好ましくは150度以上である。これにより第2袋体2のうち第1部分21Rと第2部分22Rに隣接する第3部分23Rの面積を大きくすることができる。
【0029】
第1部分21Rと第2部分22Rは、それぞれ、くびれ部と、くびれ部に隣接する幅広部を有していることが好ましい。作業者は、くびれ部に跨がるようにして作業することができ、また幅広部の上に立って作業することができる。
【0030】
第2袋体2は、厚さ方向2Zの視野において外側から内側に向かって凹んでいる凹部として、第1凹部21、第2凹部22、及び第3凹部23のみ有していることが好ましいが、他の凹部を有していてもよい。また当該視野において、第2袋体2の外縁2bのうち凹部以外の部分の形状は円孤状であることが好ましい。
【0031】
厚さ方向2Zの視野において、第1凹部21は直線状部を有していることが好ましい。これにより作業者は第1凹部21の隙間に足を置き易くなる。第1凹部21は直線状部の長さ方向の両端部に湾曲部を有していることが好ましい。各湾曲部は第1凹部21の頂点に向かうに従って幅が狭くなるように湾曲していることが好ましい。なお図3中、点Pは第1凹部21の頂点に相当する。
【0032】
厚さ方向2Zの視野において、第2凹部22と第3凹部23は、それぞれ湾曲部を有していることが好ましい。これにより反応缶90の各部材と第2袋体2との接触を回避し易くなる。各湾曲部は各凹部の頂点に向かうに従って幅が狭くなるように湾曲していることが好ましい。なお図3中、A点22pは、第2凹部22の頂点に相当し、B点23pは、第3凹部23の頂点に相当する。
【0033】
第1袋体1、第2袋体2は、それぞれ気体を充填することにより膨張できるように構成されていることが好ましい。これにより第1袋体1と第2袋体2を膨張させる前に反応缶90内に入れてから、順次、第1袋体1と第2袋体2に気体を充填していくことにより、スムーズに足場構造80を組立てることができる。気体は空気、酸素、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、またはこれらの混合体であることが好ましく、空気であることがより好ましい。更に、使用後は気体を抜いて袋体を収縮させることにより反応缶90内から袋体を回収し易くなる。また第1袋体1と第2袋体2は、水等の液体を充填することにより膨張できるように構成されていてもよい。
【0034】
第1袋体1、第2袋体2は、それぞれ、上面、上面と対向する下面、及び上面と下面の間に位置する側面を有していることが好ましい。更に、各側面は、各袋体に気体を注入するための気体注入用孔を有していることが好ましい。これにより気体を注入し易くなる。第1袋体1は、環の内側に位置する側面に気体注入用孔を有していることが好ましい。また第1袋体1、第2袋体2は、それぞれ内部を複数の空間に区画する仕切り面を内部に有していてもよく、有していなくてもよい。例えば図4(a)に示すように、第1袋体1は内部を複数の空間に区画する仕切り面1Sを有していてもよく、図4(b)に示すように、第1袋体1は仕切り面1Sを内部に有していなくてもよい。
【0035】
第1袋体1と第2袋体2は、生地、樹脂層、またはこれらの積層体を含むことが好ましく、これらの積層体を含むことがより好ましい。生地は、不織布、織物、編物、またはこれらの組み合わせを含むことが好ましく、織物を含むことがより好ましい。生地は、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリエチレン系合成繊維、ポリプロピレン系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリウレタン系合成繊維、またはこれらの混合繊維を含んでいることが好ましく、ポリエステル系合成繊維を含むことがより好ましい。樹脂層は、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びポリウレタン系樹脂、またはこれらの混合物を含んでいることが好ましく、ポリ塩化ビニル系樹脂を含むことがより好ましい。
【0036】
第1袋体1と第2袋体2は、それぞれ側面全体が気密性材料で塞がれてることが好ましく、これにより空気等による加圧により膨張させ易くなる。気密性材料として上述した樹脂層もしくは生地と樹脂層の積層体が挙げられる。
【0037】
第1袋体1と第2袋体2は、それぞれ立体織物を含んでいることが好ましい。立体織物としては、ドロップステッチファブリックまたはダブルウォールファブリックと呼ばれる立体織物が好ましい。これは、ポリ塩化ビニル樹脂でコーティングされたポリエステルベースの立体織物であり、対向する2枚の織物が隙間をあけて多数の連結糸で結ばれているものである。多数の連結糸によって当該立体織物を膨張させたときに側面をハードなフラット面にし易くなる。例えば図4(a)、(c)の第1袋体1はこのような立体織物を含んでおり、対向する生地が隙間を空けて多数の連結糸1tで結ばれている。連結糸1tの本数は、10cm角すなわち縦10cm、横10cmの範囲において20本以上、200本以下であることが好ましい。上記のように多数の連結糸1tを有する袋体を膨張させると袋体を厚みのある板状の形状、すなわち扁平状にすることができる。当該厚みは50mm以上、400mm以下であることが好ましい。第1袋体1は、このような複数の扁平状の袋体を管状につなぎ合わせて形成されていてもよい。これにより第1袋体1の内部に上述した仕切り面1Sを形成することができる。複数の扁平状の袋体を管状につなぎ合わせる手段としては、例えば縫製、接着、溶着等が挙げられる。
【0038】
第1袋体1、第2袋体2は、紐、網等の連結部材により連結されていてもよいが、連結されていないことが好ましい。これにより作業終了後に第1袋体1と第2袋体2をそれぞれ回収し易くなる。
【0039】
足場構造80は、図5に示すような反応缶90内の底部に、例えば図6に示すように配置することにより、上述した効果が発揮され易くなる。更に第2袋体2の第1凹部21により、第2袋体2と反応缶90の回転軸91との接触を回避し易くなる。また撹拌装置99が撹拌翼92の回転により発生する旋回流を上下の循環流へと変換するために用いられるバッフル93を1つまたは2つ以上有する場合、第2袋体2の第2凹部22と第3凹部23により、第2袋体2とバッフル93との接触を回避し易くなる。このように第2袋体2が複数の凹部を有することにより、第2袋体2と反応缶90内の各部材との接触を回避し易くなる。
【0040】
次に、以下では柱状物を有する実施の形態に係る足場構造について図7図9を参照しながら説明する。図7は、柱状物を有する実施の形態に係る足場構造を、撹拌装置の反応缶内に配置したときの第1袋体と撹拌翼との位置関係を示す平面図である。図8は、図7のC―C断面図である。図9(a)は、図7の柱状物の斜視図である。図9(b)は、図7の柱状物の布材の平面図である。なお図7図8において第2袋体の記載は省略している。
【0041】
図7図8に示す通り、足場構造80は、第1袋体1の軸方向1Zに延在し、且つ第1袋体1の内縁1aに固定されている柱状物11を有していることが好ましい。これにより、第2袋体2の設置が安定し易くなるため、第2袋体2以上の袋体が落ち難くなる。柱状物11の個数は2以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましく、12以下であることが好ましく、8以下であることがより好ましい。図7に示す通り複数の柱状物11は、多角形の頂点に位置するように配置されていることが好ましい。多角形として、正方形、正六角形、正八角形等が挙げられる。これにより第1袋体1の形状が安定し易くなる。柱状物11は、例えば縫製、接着、溶着等により第1袋体1の内縁1aに固定されていることが好ましい。
【0042】
図7に示す通り、複数の柱状物11に内接する仮想円11Cの直径は、撹拌翼92の回転直径92Dよりも小さいことが好ましい。このように複数の柱状物11が、反応缶90のうち撹拌翼92の回転により描かれる仮想円92Cよりも中心側に位置する部分を有していることにより、第2袋体2またはそれ以上の袋体が安定する。更に、撹拌翼92の自然回転を防ぐことができるため、安全性が向上する。
【0043】
図8に示すように、高さ方向において、柱状物11の上端は第1袋体1の上端よりも低いか又は同じ高さであることが好ましい。これにより第1袋体1の上で第2袋体2が安定し易くなる。一方、高さ方向において、柱状物11の下端は第1袋体1の下端よりも低いことが好ましい。これにより、図8に示すように反応缶90の底部が底部の中央に向かって凹んでいる形状である場合に、柱状物11により第1袋体1は支えられるため、第1袋体1は反応缶90の底部において安定し易くなる。
【0044】
柱状物11は、第1袋体1の軸方向1Zに延在している柱体12と、柱体12の外側面を被覆している布材13とを有していることが好ましい。
【0045】
柱体12の硬さは、反応缶90の内面にコーティングされたガラスを傷つけ難く、且つ自立できる程度の硬さが好ましい。柱体12のショアA硬度は、30度以上、70度以下であることが好ましく、40度以上、65度以下であることがより好ましい。
【0046】
柱体12の軸方向に垂直な断面の形状は、円形、楕円形、多角形、または星形であることが好ましく、円形または楕円形であることがより好ましい。多角形は四角形または六角形等であることが好ましく、長方形または台形であることがより好ましい。
【0047】
布材13は、不織布、織物、編物、樹脂シート、またはこれらの積層体を含むことが好ましい。布材13は、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリエチレン系合成繊維、ポリプロピレン系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリウレタン系合成繊維、またはこれらの混合繊維を含んでいることが好ましい。樹脂シートは、ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、またはこれらの混合物を含んでいることが好ましい。
【0048】
布材13は、筒状であることが好ましい。布材13は、筒状を維持するための留め具13fを有していることが好ましい。留め具13fは、服のボタン等のボタン、結束バンド、バックル、ボルトナット、ファスナー、またはこれらの組み合わせであることが好ましく、ファスナーであることがより好ましい。ファスナーは、点ファスナー;ジッパー、チャック等の線ファスナー;面ファスナー;またはこれらの組み合わせであることが好ましく、面ファスナーであることがより好ましい。特にファスナーは、操作性がよく何度でも開け閉めができるため好適である。例えば留め具13fとして面ファスナーを用いる場合、図9に示すように布材13は、表側の面の長さ方向の一方側に第1の面ファスナーを有し、裏側の面の長さ方向の他方側に第2の面ファスナーを有していることが好ましい。このような布材13を丸めて第1の面ファスナーと第2の面ファスナーを重ねて固定することにより布材13を筒状にすることができる。
【0049】
柱体12は、ゴム、発泡体、スポンジ、またはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。柱体12は、天然ゴム;アクリルゴム、ウレタンゴム等の合成ゴム;またはこれらの混合物を含むことが好ましく、合成ゴムを含むことがより好ましい。これにより缶内を傷つけ難くなる。また柱体12は、金属パイプまたは樹脂パイプの表面に天然ゴムまたは合成ゴムがコーティングされたものであってもよい。
【0050】
足場構造80は、撹拌装置99の缶内の洗浄に限らず、缶内の点検、補修、修理等の際にも足場として好適に用いることができる。
【0051】
以上、足場構造80が環状の第1袋体1と第2袋体2とを有する態様について説明したが、足場構造80は更に1または2つ以上の袋体を有していてもよい。例えば第1袋体1の上に複数の第2袋体2が配置されていてもよい。この場合、複数の第2袋体2は周方向の向きを変えて積層されていてもよく、同じ向きに向けて積層されていてもよい。
【0052】
以下では、図10図11を参照しながら、足場構造80が第3袋体3を有する態様について説明する。図10(a)は、第3袋体を有する実施の形態に係る足場構造の平面図である。図10(b)は、第3袋体を有する実施の形態に係る足場構造の側面図である。図11は、図10の足場構造の第3袋体の平面図である。
【0053】
図10(a)、(b)に示す通り、足場構造80は、更に、第2袋体2の上に配置されている扁平状の第3袋体3を有していることが好ましい。第3袋体3が、第2袋体2の上に配置されていることにより、足場構造80を一層、高くすることができるため、作業者は反応缶90内の上部の洗浄等を一層、行い易くなる。
【0054】
図11に示す通り、第3袋体3の厚さ方向3Zの視野において、第3袋体3は外側から内側に向かって凹んでいる第4凹部34と第5凹部35を有しており、第3袋体3の外縁3bに接する第3仮想外接円3Cの中心3Pは第4凹部34の外縁34bに囲まれた領域内に位置していることが好ましい。このように第3袋体3が内側に向かって深く窪んだ第4凹部34を有していることにより、作業者は足場構造80の組立ての際に、第4凹部34の隙間に足を置いた状態で第3袋体3に気体を注入して第3袋体3を膨らますことができる。これにより、作業者が第3袋体3に乗った状態で気体を注入する場合と比べて効率的に第3袋体3を膨らますことができる。また、第3袋体3が第4凹部34と第5凹部35を有していることにより、噴射された洗浄液をこれらの凹部から下部に排出し易くすることができ、作業者は滑り難くなる。
【0055】
図10(a)では、第1仮想外接円1C、第2仮想外接円2C、及び第3仮想外接円3Cは重なっているが、これらは重なっていなくてもよい。その場合、第2仮想外接円2Cと第3仮想外接円3Cは、第1仮想外接円1Cより内側に位置することが好ましい。これにより第2袋体2と第3袋体3の位置を微調整し易くなる。
【0056】
図11に示すような第3袋体3の厚さ方向3Zの視野における第4凹部34の形状は、図3に示すような第2袋体2の厚さ方向2Zの視野における第1凹部21の形状と、相似形状であることが好ましく、同じ形状であることがより好ましい。これにより図10(a)に示すように、第3袋体3を第2袋体2の上に配置させたときに、第2袋体2と第3袋体3の中心部を貫通する通路が形成され易くなるため、洗浄液を排出し易くなる。また図10(a)に示すように、第1凹部21と第4凹部34の向きが互いに異なるようにして第3袋体3は第2袋体2の上に配置されていることが好ましい。このように第1凹部21と第4凹部34の向きを変えることにより、後述する第2袋体2の露出部を複数、形成し易くすることができる。
【0057】
図10(a)に示す通り、第3袋体3の厚さ方向3Zのうち、第3袋体3から第2袋体2に向かう方向の視野において、第3袋体3の第4凹部34から第2袋体2の一部が露出し、且つ第3袋体3の第5凹部35から第2袋体2の他の一部が露出していることが好ましい。このような第2袋体2の露出部が存在していることにより、作業者はこの露出部を足掛かりとして上り下りすることができる。
【0058】
図10(a)に示す通り、第3袋体3の厚さ方向3Zのうち、第3袋体3から第2袋体2に向かう方向の視野において、第3袋体3の第4凹部34から第1袋体1の一部が露出し、且つ第3袋体3の第5凹部35から第1袋体1の他の一部が露出していることが好ましい。このような第1袋体1の露出部が存在していることにより、作業者はこの露出部を足掛かりとして上り下りすることができる。
【0059】
第3袋体3は、第4凹部34と第5凹部35の間の第4部分34Rと、第4部分34Rに隣接する第5部分35Rとを有していることが好ましい。第4部分34Rは、くびれ部34Raと、くびれ部に隣接する幅広部34Rbを有していることが好ましい。作業者は、くびれ部34Raに跨がるようにして作業することができ、また幅広部34Rbの上に立って作業することができる。
【0060】
第3袋体3は、厚さ方向3Zの視野において外側から内側に向かって凹んでいる凹部として、第4凹部34と第5凹部35のみ有していることが好ましいが、他の凹部を有していてもよい。また当該視野において、第3袋体3の外縁3bのうち凹部以外の部分の形状は円孤状であることが好ましい。
【0061】
厚さ方向3Zの視野において、第4凹部34は直線状部を有していることが好ましい。これにより作業者は第4凹部34の隙間に足を置き易くなる。第4凹部34は直線状部の長さ方向の両端部に湾曲部を有していることが好ましい。これにより反応缶90の各部材と第3袋体3との接触を回避し易くなる。各湾曲部は第4凹部34の頂点に向かうに従って幅が狭くなるように湾曲していることが好ましい。
【0062】
厚さ方向3Zの視野において、第5凹部35は、湾曲部を有していることが好ましい。これにより反応缶90の各部材と第3袋体3との接触を回避し易くなる。第5凹部35は第5凹部35の頂点に向かうに従って幅が狭くなるように湾曲していることが好ましい。
【0063】
第3袋体3は、気体を充填することにより膨張できるように構成されていることが好ましい。これにより、第3袋体3を膨張させる前に反応缶90内に入れ、第2袋体2の上に載せてから気体を充填することにより、スムーズに足場構造80を組立てることができる。気体は空気、酸素、二酸化炭素、窒素、アルゴン等の不活性ガス、またはこれらの混合体であることが好ましく、空気であることがより好ましい。また第3袋体3は、水等の液体を充填することにより膨張できるように構成されていてもよい。
【0064】
第3袋体3は、上面、上面と対向する下面、及び上面と下面の間に位置する側面を有していることが好ましい。更に側面は、各袋体に気体を注入するための気体注入用孔を有していることが好ましい。これにより気体を注入し易くなる。また第3袋体3は、内部を複数の空間に区画する仕切り面を内部に有していてもよく、有していなくてもよい。
【0065】
第3袋体3は、生地、樹脂層、またはこれらの積層体を含むことが好ましく、これらの積層体を含むことがより好ましい。生地は、不織布、織物、編物、またはこれらの組み合わせを含むことが好ましく、織物を含むことがより好ましい。生地は、ポリアミド系合成繊維、ポリエステル系合成繊維、ポリエチレン系合成繊維、ポリプロピレン系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維、ポリウレタン系合成繊維、またはこれらの混合繊維を含んでいることが好ましく、ポリエステル系合成繊維を含むことがより好ましい。樹脂層は、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びポリウレタン系樹脂、またはこれらの混合物を含んでいることが好ましく、ポリ塩化ビニル系樹脂を含むことがより好ましい。第3袋体3は、側面全体が気密性材料で塞がれてることが好ましく、これにより空気等による加圧により膨張させ易くなる。気密性材料として上述した樹脂層もしくは生地と樹脂層の積層が挙げられる。
【0066】
第3袋体3は、立体織物を含んでいることが好ましい。立体織物としては、ドロップステッチファブリックまたはダブルウォールファブリックと呼ばれる立体織物が好ましい。これは、上述したようにポリ塩化ビニル樹脂でコーティングされたポリエステルベースの立体織物であり、対向する2枚の織物が隙間をあけて多数の連結糸で結ばれているものである。多数の連結糸によって、当該立体織物を膨張させたときに側面をハードなフラット面にし易くなる。連結糸の本数は、10cm角すなわち縦10cm、横10cmの範囲において20本以上、200本以下であることが好ましい。上記のように多数の連結糸を有する袋体を膨張させると袋体を厚みのある板状の形状、すなわち扁平状にすることができる。当該厚みは50mm以上、400mm以下であることが好ましい。
【0067】
第1袋体1、第2袋体2、及び第3袋体3は、紐、網等の連結部材により連結されていてもよいが、連結されていないことが好ましい。これにより作業終了後に袋体をそれぞれ回収し易くなる。
【0068】
図示していないが、足場構造80は、更に、第3袋体3の上に配置されている扁平状の第4袋体を有していてもよい。更に、第4袋体の上に配置されている扁平状の第5袋体を有していてもよい。第4袋体と第5袋体の形状は、それぞれ第2袋体2または第3袋体3と同じ形状であることが好ましい。これにより足場構造80を組立て易くすることができる。
【0069】
更に実施の形態に係る足場構造は、回転軸と回転軸に固定された撹拌翼とを備える撹拌装置内で用いられる足場構造であって、扁平状の袋体を有し、袋体の厚さ方向の視野において、袋体は外側から内側に向かって凹んでいる第1凹部を有しており、袋体の外縁に接する仮想外接円の中心は第1凹部の外縁に囲まれた領域内に位置する足場構造であってもよい。扁平状の袋体の形状は、上述した第2袋体2または第3袋体3の形状であることが好ましい。例えば、扁平状の袋体の第1凹部21を大きくしたり、平面視における扁平状の袋体の面積を小さくすること等により、撹拌翼92の接触を回避しつつ扁平状の袋体を撹拌装置99の反応缶90の底部に配置することができる。当該足場構造は、扁平状の袋体を複数有することが好ましい。
【符号の説明】
【0070】
1 第1袋体
1a 内縁
1b 外縁
1s 仕切り面
1t 連結糸
1C 第1仮想外接円
1X 径方向
1Z 軸方向
2 第2袋体
2b 外縁
2C 第2仮想外接円
2P 中心
2V 仮想線
2V1 第1仮想線分
2V2 第2仮想線分
2Z 厚さ方向
3 第3袋体
3b 外縁
3C 第3仮想外接円
3P 中心
3Z 厚さ方向
11 柱状物
11C 仮想円
12 柱体
13 布材
13f 留め具
21 第1凹部
21b 外縁
21R 第1部分
22 第2凹部
22p A点
22R 第2部分
23 第3凹部
23p B点
23R 第3部分
34 第4凹部
34b 外縁
35 第5凹部
35b 外縁
80 足場構造
90 反応缶
91 回転軸
92 撹拌翼
92C 仮想円
92D 回転直径
93 バッフル
99 撹拌装置
C 仮想内接円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11