(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025177420
(43)【公開日】2025-12-05
(54)【発明の名称】基板処理システム、基板処理方法、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20251128BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20251128BHJP
H01L 21/31 20060101ALI20251128BHJP
C23C 14/56 20060101ALI20251128BHJP
C23C 16/44 20060101ALI20251128BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/205
H01L21/31 C
C23C14/56 G
C23C16/44 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024084242
(22)【出願日】2024-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100122507
【弁理士】
【氏名又は名称】柏岡 潤二
(74)【代理人】
【識別番号】100208878
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 弘智
(72)【発明者】
【氏名】高良 穣二
(72)【発明者】
【氏名】紀野國 祐太
【テーマコード(参考)】
4K029
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K029DA03
4K029JA01
4K029KA01
4K030EA04
4K030FA03
4K030GA02
4K030GA12
4K030HA12
5F004AA16
5F004BA09
5F004BA14
5F004BA20
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB24
5F004BB25
5F004BB26
5F004BB29
5F004BC02
5F004BC03
5F004BC05
5F004BC06
5F004BD04
5F004CA03
5F004CA06
5F004CB09
5F045AA08
5F045DP03
5F045DP28
5F045EB03
5F045EB08
5F045EB09
5F045EE04
5F045EF05
5F045EG02
5F045EG03
5F045EH14
5F045EJ03
5F045EK07
5F045EM05
5F045EM09
5F045EN04
5F045GB04
5F045GB15
(57)【要約】
【課題】基板処理システムにおいて基板がずれた期間を推定する技術を提供する。
【解決手段】
一つの例示的実施形態において、基板処理システムが提供される。基板処理システムは、プロセスモジュール、搬送モジュール、第1の測定器、第2の測定器、記憶部、及び制御部を備える。第1の測定器は、第1の期間における基板の第1の位置及び/又は第2の期間における基板の第2の位置を取得するように構成される。第2の測定器は、中間期間における基板の第3の位置を取得するように構成される。制御部は、第1の位置の第1のずれ量及び/又は第2の位置の第2のずれ量、並びに第3の位置の第3のずれ量を用いて、基板の位置ずれが、第1の期間及び/又は第2の期間、並びに中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成される。
【選択図】
図20
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバ及び該処理チャンバ内に配置された基板支持部を有し、該基板支持部上の基板に対する処理を行うように構成されたプロセスモジュールと、
前記処理チャンバに接続された真空チャンバを有し、前記基板を搬送するように構成された搬送モジュールと、
前記搬送モジュールによって前記処理チャンバの外部から前記基板支持部の上方の領域に前記基板が搬送される第1の期間における該基板の第1の位置及び/又は該搬送モジュールによって該基板支持部の上方の該領域から該処理チャンバの外部に該基板が搬送される第2の期間における該基板の第2の位置を取得するように構成された第1の測定器と、
前記第1の期間と前記第2の期間との間の中間期間における前記基板支持部上での前記基板の第3の位置を取得するように構成された第2の測定器と、
前記第1の位置と比較されるべき前記基板の予め定められた第1の基準位置及び/又は前記第2の位置と比較されるべき該基板の予め定められた第2の基準位置、並びに前記第3の位置と比較されるべき該基板の予め定められた第3の基準位置を記憶するように構成された記憶部と、
前記第1の基準位置に対する前記第1の位置の第1のずれ量及び/又は前記第2の基準位置に対する前記第2の位置の第2のずれ量、並びに前記第3の基準位置に対する前記第3の位置の第3のずれ量を用いて、前記基板の位置ずれが、前記第1の期間及び/又は前記第2の期間、並びに前記中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成された制御部と、
を備える、基板処理システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記基板の搬送条件を調整するように構成されている、請求項1に記載の基板処理システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成されている、請求項2に記載の基板処理システム。
【請求項4】
前記基板支持部は、
該基板支持部の上方の前記領域と該基板支持部上の領域との間で前記基板を昇降するように構成された複数のリフターピンと、
該基板支持部上に支持された前記基板を保持するための電圧が印加される静電電極を含んだ静電チャックと、を有し、
前記第3のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記複数のリフターピンの降下条件及び/又は前記基板の前記静電チャックへの静電吸着条件を含む、
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項5】
前記搬送モジュールは、
その上に前記基板を支持するように構成されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタ上の前記基板を真空吸着するように構成された真空パッドと、を有し、
前記第3のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記真空パッドからの解放条件を含む、
請求項3に記載の基板処理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値以下であり、前記第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成され、
前記第2のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記静電チャックからの解放条件及び/又は前記複数のリフターピンの上昇条件を含む、
請求項4に記載の基板処理システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値以下であり、前記第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成され、
前記第2のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記真空パッドへの真空吸着条件を含む、
請求項5に記載の基板処理システム。
【請求項8】
前記第1の測定器は、少なくとも二つの光学センサ又は該基板の画像を取得するように構成された画像センサを含む、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項9】
前記第1の測定器は前記基板の中心位置を取得するように構成され、
前記第1の基準位置及び/又は第2の中心位置は、前記基板の中心位置で規定される、
請求項8に記載の基板処理システム。
【請求項10】
前記第1の測定器は、前記真空チャンバ内に測定領域を提供し、該測定領域を通過する前記基板の位置を測定するように構成され、
前記搬送モジュールは、前記第1の期間のうち前記真空チャンバから前記処理チャンバに前記基板が搬送される期間及び/又は前記第2の期間のうち該処理チャンバから該真空チャンバに該基板が搬送される期間において、前記測定領域に該基板を通過させるように構成されている、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項11】
前記第2の測定器は、
前記基板の搬送経路を含む視野を有し、該基板の画像を取得するよう構成された撮像部と、
基板に対する処理が行われた前記基板の画像から、該基板の中心位置を反映するその中心を有する第1の特徴パターンを抽出し、且つ、基板に対する処理の実行時の前記基板支持部の中心位置を反映するその中心を有する第2の特徴パターンを抽出するように構成された抽出部と、
前記第1の特徴パターンと前記第2の特徴パターンとに基づいて、前記中間期間における前記基板支持部の位置と該基板支持部上での該基板の前記位置との間の位置関係を算出するよう構成された算出部と、を有する、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項12】
前記算出部は、前記第1の特徴パターンから特定される第1の中心位置と前記第2の特徴パターンから特定される第2の中心位置とに基づいて、基板に対する処理が行われる前記期間における前記基板支持部の前記中心位置と前記基板の前記中心位置との間の位置関係を算出するよう構成されている、
請求項11に記載の基板処理システム。
【請求項13】
前記基板支持部は、環形状を有し基板支持面を構成する上面を有する第1の凸部、各々が該基板支持面を構成する上面を有し該第1の凸部の内側に配置された複数の第2の凸部、前記基板と該基板支持面との間の間隙に連通する複数のガス孔、及び該基板用の複数のリフターピンが挿入された複数のピン孔、からなる群から選択される少なくとも一つを含み、
前記第2の特徴パターンは、前記群から選択された前記少なくとも一つのパターンを反映している、
請求項12に記載の基板処理システム。
【請求項14】
前記真空チャンバに接続された減圧チャンバを有するロードロックモジュールと、
前記減圧チャンバに接続された大気チャンバを有する大気搬送モジュールと、
を更に備え、
前記第2の測定器は、前記減圧チャンバ又は前記大気チャンバに接続されている、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項15】
前記制御部は、前記基板に位置ずれが生じないよう調整する少なくとも一つの対策を作業者に提示し該少なくとも一つの対策のうち該作業者によって選択された対策を取得するように構成されたユーザインタフェースを有する、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項16】
該基板処理システムは、複数の基板を連続して処理するように構成され、
前記制御部は、前記複数の基板のうち少なくとも一つの基板に対して、前記基板の位置ずれが、前記第1の期間及び/又は前記第2の期間、並びに前記中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されている、
請求項1~7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【請求項17】
(a)処理チャンバの外部から基板支持部の上方の領域に基板を搬送する工程と、
(b)前記基板支持部上の前記基板に対する処理を行う工程と、
(c)前記基板支持部の上方の前記領域から前記処理チャンバの外部に前記基板を搬送する工程と、
(d)前記(a)の工程における前記基板の第1の位置ずれ量及び/又は前記(c)の工程における該基板の第2の位置ずれ量を取得する工程と、
(d)前記(b)の工程における前記基板支持部上での前記基板の第3の位置ずれ量を取得する工程と、
(e)前記第1のずれ量及び/又は前記第2のずれ量、並びに前記第3のずれ量を用いて、前記基板の位置ずれが、前記(a)の工程及び/又は前記(c)の工程、並びに前記(b)の工程のうち何れで生じたかを推定する工程と、を備える、
基板処理方法。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理方法を基板処理システムによって実行させるよう、該基板処理システムのコンピュータによって実行されるプログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の例示的実施形態は、基板処理システム、基板処理方法、プログラム、及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板処理システムが基板に対する処理において用いられている。特許文献1に開示された基板処理システムは、搬送モジュール、位置検出センサ、及び制御部を含む。プロセスモジュールは、チャンバ及びチャンバ内に配置された基板支持部を含む。搬送モジュールは、基板を基板支持部上に搬送する。位置検出センサは、基板のずれを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、基板処理システムにおいて基板がずれた期間を推定する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの例示的実施形態において、基板処理システムが提供される。基板処理システムは、プロセスモジュール、搬送モジュール、第1の測定器、第2の測定器、記憶部、及び制御部を備える。プロセスモジュールは、処理チャンバ及び基板支持部を有する。基板支持部は、処理チャンバ内に配置されている。プロセスモジュールは、基板支持部上の基板に対する処理を行うように構成されている。搬送モジュールは、真空チャンバを有する。真空チャンバは、処理チャンバに接続されている。搬送モジュールは、基板を搬送するように構成されている。第1の測定器は、基板の第1の位置及び/又は基板の第2の位置を取得するように構成されている。基板の第1の位置は、第1の期間における基板の位置である。第1の期間は、搬送モジュールによって処理チャンバの外部から基板支持部の上方の領域に基板が搬送される期間である。基板の第2の位置は、第2の期間における基板の位置である。第2の期間は、搬送モジュールによって基板支持部の上方の領域から処理チャンバの外部に基板が搬送される期間である。第2の測定器は、基板の第3の位置を取得するように構成されている。基板の第3の位置は、中間期間における基板支持部上での基板の位置である。中間期間は、第1の期間と第2の期間との間の期間である。記憶部は、第1の基準位置及び/又は第2の基準位置、並びに第3の基準位置を記憶するように構成されている。第1の基準位置は、第1の位置と比較されるべき基板の予め定められた位置である。第2の基準位置は、第2の位置と比較されるべき基板の予め定められた位置である。第3の基準位置は、第3の位置と比較されるべき基板の予め定められた位置である。制御部は、第1のずれ量及び/又は第2のずれ量、並びに第3のずれ量を用いて、基板の位置ずれが、第1の期間及び/又は第2の期間、並びに中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されている。第1のずれ量は、第1の基準位置に対する第1の位置のずれ量である。第2のずれ量は、第2の基準位置に対する第2の位置のずれ量である。第3のずれ量は、第3の基準位置に対する第3の位置のずれ量である。
【発明の効果】
【0006】
一つの例示的実施形態によれば、基板処理システムにおいて基板がずれた期間が推定される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図2】プラズマ基板処理システムの構成例を説明するための図である。
【
図3】容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【
図4】一つの例示的実施形態に係る静電チャックの上面図である。
【
図5】
図4に示す静電チャックの一つの例示的実施形態の部分拡大図である。
【
図6】
図6の(A)~
図6の(E)の各々は、第1の測定器によって第1の位置を測定する過程の一例を説明するため図である。
【
図7】第1の測定器の測定領域と基板との位置関係の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8の(A)は、搬送ロボットの座標系での基板の移動の一例を説明するための図であり、
図8の(B)は、基板の座標系での基板の移動の一例を説明するための図である。
【
図9】基板の中心位置を算出する過程の一例を示す図である。
【
図10】一つの例示的実施形態に係る基板及び静電チャックの部分拡大断面図である。
【
図11】一つの例示的実施形態に係る第2の測定器の断面図である。
【
図12】基板に対する処理が行われた一つの例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
【
図13】基板に対する処理が行われた別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
【
図14】基板に対する処理が行われた更に別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
【
図15】基板の中心位置と基板に対する処理の実行時の基板支持部の中心位置との間の位置関係を示す一つの例示的実施形態を示す図である。
【
図16】別の例示的実施形態に係る撮像部の構成を示す図である。
【
図17】基板に対する処理が行われた更に別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
【
図18】基板の位置とパターンの位置との位置関係を算出する過程の一例を示す図である。
【
図19】基板の位置とパターンの位置との位置関係を算出する過程の別の一例を示す図である。
【
図20】一つの例示的実施形態に係る基板処理方法を示す流れ図である。
【
図21】別の例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
【
図22】別の例示的実施形態に係る第1の測定器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して種々の例示的実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
【0009】
図1は、一つの例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
図1に示すように、基板処理システムPSは、少なくとも一つのプロセスモジュール、搬送モジュールTM、第1の測定器CM1、第2の測定器CM2、記憶部2a2、及び制御部2を備える。基板処理システムPSは、少なくとも一つのプロセスモジュールとして複数のプロセスモジュールPM1~PM6を備えてもよく、複数の第1の測定器CM1を備えていてもよい。基板処理システムPSは、ロードポートLP1~LP4、アライナAN、ロードロックモジュールLL1,LL2、及びストレージSRを更に備えていてもよい。
【0010】
基板処理システムPSは、ローダモジュールLMを更に備えていてもよい。ローダモジュールLMは、大気搬送モジュールの一例である。ローダモジュールLMは、大気チャンバACHを含んでいる。ローダモジュールLMの大気チャンバACH内の圧力は、大気圧に設定される。ローダモジュールLMは、FFU(Fan Filter Unit)を有していてもよい。ローダモジュールLMは、例えばEFEM(Equipment Front End Module)である。ローダモジュールLMは、ロードポートLP1~LP4の各々とロードロックモジュールLL1,LL2の各々との間に配置されている。ロードポートLP1~LP4は、ローダモジュールLMの長手方向に沿った一対の縁部のうち一方に沿って配列されている。ロードロックモジュールLL1,LL2は、ローダモジュールLMの長手方向に沿った一対の縁部のうち他方に沿って配列されている。ロードポートLP1~LP4の各々は、その上に載置されるカセットCSTを支持するように構成されている。カセットCSTは、その中に複数の基板Wを収容する容器である。カセットCSTは、例えばFOUP(Front-Opening Unified Pod)である。
【0011】
ローダモジュールLMは、搬送ロボットTR3を含む。搬送ロボットTR3は、ローダモジュールLMの大気チャンバACHの中に配置されている。搬送ロボットTR3は、多関節アームAR31及びエンドエフェクタFK31を含んでいてもよい。エンドエフェクタFK31は、多関節アームAR31の先端に取り付けられており、その上に載置される基板Wを支持するように構成されている。搬送ロボットTR3は、後述する制御部2が出力する動作指示に基づいて基板Wを搬送する。搬送ロボットTR3は、基板Wを、ロードポートLP1~LP4のうち少なくとも一つの上に載置されるカセットCST、ロードロックモジュールLL1,LL2、アライナAN、ストレージSR、及び後述する第2の測定器CM2のうち何れか二つの間で基板Wを搬送する。
【0012】
アライナANは、ローダモジュールLMの短手方向に沿った一対の縁部のうち一方に沿って配置されている。アライナANは、ローダモジュールLMの長手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。また、アライナANは、ローダモジュールLMの大気チャンバACHの中に配置されていてもよい。アライナANは、支持台、光学センサ等を有する。アライナANの支持台は、回転可能であり、その上に載置される基板Wを支持する。アライナANは、支持台上での基板Wのマーカー(例えばノッチ)の角度位置及び支持台上での基板Wの中心位置を、光学センサを用いて検出する。制御部2は、基板Wの角度位置のずれ量を補正するように、支持台上での基板Wのマーカー(例えばノッチ)の角度位置を基準角度位置に補正するよう、アライナANの支持台の回転を制御する。また、制御部2は、エンドエフェクタFK31の所定位置上に基板Wの中心を位置させるために、アライナANから基板WをエンドエフェクタFK31上に受け取る際のエンドエフェクタFK31の位置を制御する。
【0013】
ストレージSRは、ローダモジュールLMの長手方向に沿った縁部に沿って配置されている。ストレージSRは、ローダモジュールLMの短手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。また、ストレージSRは、ローダモジュールLMの内部に配置されていてもよい。ストレージSRは、基板Wをその中に収容するように構成されている。
【0014】
一実施形態において、第2の測定器CM2は、大気チャンバACHに接続されている。
図1に示す例では、第2の測定器CM2は、ローダモジュールLMの長手方向に沿った縁部に沿って配置されている。第2の測定器CM2は、ローダモジュールLMの短手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。また、第2の測定器CM2は、ローダモジュールLMの内部に配置されていてもよい。第2の測定器CM2は、減圧チャンバに接続されていてもよい。第2の測定器CM2は、基板Wに対して画像検査を行うように構成されている。第2の測定器CM2の詳細については後述される。
【0015】
ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、搬送モジュールTMとローダモジュールLMとの間に配置されている。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々は、減圧チャンバDCH1,DCH2を提供している。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々とローダモジュールLMは、ゲートバルブG3を介して接続されている。ロードロックモジュールLL1,LL2の各々と搬送モジュールTMは、ゲートバルブG2を介して接続されている。
【0016】
一実施形態において、搬送モジュールTMは、真空チャンバVCHを含んでいてもよい。
図1に示す例では、搬送モジュールTMは、真空チャンバVCH内の減圧された空間を介して基板Wを搬送するように構成されている。真空チャンバVCHは、ゲートバルブG2を介してロードロックモジュールLL1,LL2の各々と接続されている。真空チャンバVCHには、プロセスモジュールPM1~PM6がゲートバルブG1を介して接続されている。
【0017】
一実施形態において、搬送モジュールTMは、真空チャンバVCH内に配置された搬送ロボットTRを含んでいてもよい。搬送ロボットTRは、多関節アームAR11,AR12及びエンドエフェクタFK11,FK12を含んでいてもよい。エンドエフェクタFK11は、多関節アームAR11の先端に取り付けられており、その上に載置される基板Wを支持するように構成されている。エンドエフェクタFK12は、多関節アームAR12の先端に取り付けられており、その上に載置される基板Wを支持するように構成されている。搬送ロボットTRは、後述する制御部2が出力する動作指示に基づいて基板Wを搬送する。
【0018】
搬送ロボットTRは、エンドエフェクタFK11,FK12によって基板Wを保持する。搬送ロボットTRは、ロードロックモジュールLL1,LL2、プロセスモジュールPM1~PM6、及び搬送モジュールTMの真空チャンバVCHとの間のパスのうち何れか二つの間で、基板Wを搬送する。一実施形態において、搬送モジュールTMは、真空パッドを有していてもよい。真空パッドは、エンドエフェクタに含まれうる。真空パッドは、エンドエフェクタFK11,FK12上の基板Wを真空吸着するように構成されている。
【0019】
一実施形態において、プロセスモジュールPM1~PM6の各々は、基板Wに対して専用の処理を行うように構成されている。プロセスモジュールPM1~PM6のうち少なくとも一つは、後述するプラズマ処理装置1のような基板処理システムである。
【0020】
制御部2は、例えばコンピュータである。制御部2は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び補助記憶装置等から構成され得る。CPUは、ROM又は補助記憶装置に格納されたプログラムに基づいて動作し、基板処理システムPSの各部を制御する。
【0021】
なお、基板処理システムPSは、必ずしも
図1に示すものに限定されない。例えば、基板処理システムにおけるプロセスモジュールの数及び/又は搬送モジュールの数は、
図1に示すものとは異なっていてもよい。例えば、ロードポートの数は、5以上であってもよく、ロードポートの数は任意の数であり得る。また、基板処理システムは、各々がプロセスモジュールとロードロックモジュールを含む複数のモジュール群をローダモジュールに連結させたシステム(所謂ローダー型システム)であってもよい。また、基板処理システムは、搬送モジュールの周囲に二つ以上のプロセスモジュールを、該搬送モジュールを取り囲むように並べて連結したシステム(所謂クラスタ型システム)であってもよい。
【0022】
以下、
図2及び
図3を参照する。
図2に示すプラズマ処理システムは、基板処理システムPSの一例である。
図3に示すプラズマ処理装置の一例は、プロセスモジュールPM1~12のうち少なくとも一つのプロセスモジュールとして採用される。
【0023】
図2は、プラズマ処理システムの構成例を説明するための図である。一実施形態において、プラズマ処理システムは、プラズマ処理装置1及び制御部2を含む。プラズマ処理システムは、基板処理システムの一例であり、プラズマ処理装置1は、基板処理システムの一例である。プラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、基板支持部11及びプラズマ生成部12を含む。プラズマ処理チャンバ10は、プラズマ処理空間を有する。また、プラズマ処理チャンバ10は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間に供給するための少なくとも1つのガス供給口と、プラズマ処理空間からガスを排出するための少なくとも1つのガス排出口とを有する。ガス供給口は、後述するガス供給部20に接続され、ガス排出口は、後述する排気システム40に接続される。基板支持部11は、プラズマ処理空間内に配置され、基板を支持するための基板支持面11aを有する。
【0024】
プラズマ生成部12は、プラズマ処理空間内に供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマを生成するように構成される。プラズマ処理空間において形成されるプラズマは、容量結合プラズマ(CCP:CapacitivelyCoupled Plasma)、誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)、ECRプラズマ(Electron-Cyclotron-Resonance Plasma)、ヘリコン波励起プラズマ(HWP:HeliconWave Plasma)、又は、表面波プラズマ(SWP:Surface Wave Plasma)等であってもよい。また、AC(Alternating Current)プラズマ生成部及びDC(DirectCurrent)プラズマ生成部を含む、種々のタイプのプラズマ生成部が用いられてもよい。一実施形態において、ACプラズマ生成部で用いられるAC信号(AC電力)は、100kHz~10GHzの範囲内の周波数を有する。従って、AC信号は、RF(RadioFrequency)信号及びマイクロ波信号を含む。一実施形態において、RF信号は、100kHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。
【0025】
制御部2は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部2は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。一実施形態において、制御部2の一部又は全てがプラズマ処理装置1に含まれてもよい。制御部2は、処理部2a1、記憶部2a2及びインターフェース2a3を含んでもよい。制御部2は、例えばコンピュータ2aにより実現される。処理部2a1は、記憶部2a2からプログラムを読み出し、読み出されたプログラムを実行することにより種々の制御動作を行うように構成され得る。このプログラムは、予め記憶部2a2に格納されていてもよく、必要なときに、媒体を介して取得されてもよい。取得されたプログラムは、記憶部2a2に格納され、処理部2a1によって記憶部2a2から読み出されて実行される。媒体は、コンピュータ2aに読み取り可能な種々の記憶媒体であってもよく、インターフェース2a3に接続されている通信回線であってもよい。処理部2a1は、CPU(Central Processing Unit)であってもよい。記憶部2a2は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。インターフェース2a3は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介してプラズマ処理装置1との間で通信してもよい。
【0026】
一実施形態において、インターフェース2a3は、ユーザインタフェースを提供してもよい。ユーザインタフェースは、外部機器CUとの接続を提供する。外部機器CUは、ディスプレイ、スピーカ、タッチスクリーン、キーボード、マウス、及び/又はその他の適切なデバイスを含んでいてもよい。
【0027】
一実施形態において、第2の測定器CM2は、抽出部2b1及び算出部2b2を備える。
図2に示す例では、抽出部2b1及び算出部2b2は、処理部2a1に含まれる。抽出部2b1及び算出部2b2の詳細については後述する。
【0028】
以下に、プラズマ処理装置1の一例としての容量結合型のプラズマ処理装置の構成例について説明する。
図3は、容量結合型のプラズマ処理装置の構成例を説明するための図である。
【0029】
容量結合型のプラズマ処理装置1は、プラズマ処理チャンバ10、ガス供給部20、電源30及び排気システム40を含む。また、プラズマ処理装置1は、基板支持部11及びガス導入部を含む。ガス導入部は、少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理チャンバ10内に導入するように構成される。ガス導入部は、シャワーヘッド13を含む。基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10内に配置される。シャワーヘッド13は、基板支持部11の上方に配置される。一実施形態において、シャワーヘッド13は、プラズマ処理チャンバ10の天部(ceiling)の少なくとも一部を構成する。プラズマ処理チャンバ10は、シャワーヘッド13、プラズマ処理チャンバ10の側壁10a及び基板支持部11により規定されたプラズマ処理空間10sを有する。プラズマ処理チャンバ10は接地される。シャワーヘッド13及び基板支持部11は、プラズマ処理チャンバ10の筐体とは電気的に絶縁される。
【0030】
基板支持部11は、本体部5及びリングアセンブリ112を含む。本体部5は、基板Wを支持するための中央領域5aと、リングアセンブリ112を支持するための環状領域5bとを有する。ウェハは基板Wの一例である。本体部5の環状領域5bは、平面視で本体部5の中央領域5aを囲んでいる。基板Wは、本体部5の中央領域5a上に配置され、リングアセンブリ112は、本体部5の中央領域5a上の基板Wを囲むように本体部5の環状領域5b上に配置される。従って、中央領域5aは、その上に載置される基板Wを支持する基板支持面11aを含み、環状領域5bは、その上に載置されるリングアセンブリ112を支持するリング支持面を含む。
【0031】
一実施形態において、本体部5は、基台50及び静電チャック51を含む。基台50は、導電性部材を含む。基台50の導電性部材は下部電極として機能し得る。静電チャック51は、基台50の上に配置される。静電チャック51は、セラミック部材51aとセラミック部材51a内に配置される静電電極51bとを含む。静電電極51bには、基板支持部11上に支持された基板Wを保持するための電圧が印加される。セラミック部材51aは、中央領域5aを有する。一実施形態において、セラミック部材51aは、環状領域5bも有する。なお、環状静電チャックや環状絶縁部材のような、静電チャック51を囲む他の部材が環状領域5bを有してもよい。この場合、リングアセンブリ112は、環状静電チャック又は環状絶縁部材の上に配置されてもよく、静電チャック51と環状絶縁部材の両方の上に配置されてもよい。また、後述するRF電源31及び/又はDC電源32に結合される少なくとも1つのRF/DC電極がセラミック部材51a内に配置されてもよい。この場合、少なくとも1つのRF/DC電極が下部電極として機能する。後述するバイアスRF信号及び/又はDC信号が少なくとも1つのRF/DC電極に供給される場合、RF/DC電極はバイアス電極とも呼ばれる。なお、基台50の導電性部材と少なくとも1つのRF/DC電極とが複数の下部電極として機能してもよい。また、静電電極51bが下部電極として機能してもよい。従って、基板支持部11は、少なくとも1つの下部電極を含む。
【0032】
リングアセンブリ112は、1又は複数の環状部材を含む。一実施形態において、1又は複数の環状部材は、1又は複数のエッジリングと少なくとも1つのカバーリングとを含む。エッジリングは、導電性材料又は絶縁材料で形成され、カバーリングは、絶縁材料で形成される。
【0033】
また、基板支持部11は、静電チャック51、リングアセンブリ112及び基板のうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、伝熱媒体、流路50a、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路50aには、ブラインやガスのような伝熱流体が流れる。一実施形態において、流路50aが基台50内に形成され、1又は複数のヒータが静電チャック51のセラミック部材51a内に配置される。また、基板支持部11は、基板Wの裏面と中央領域5aとの間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成された伝熱ガス供給部を含んでもよい。
【0034】
シャワーヘッド13は、ガス供給部20からの少なくとも1つの処理ガスをプラズマ処理空間10s内に導入するように構成される。シャワーヘッド13は、少なくとも1つのガス供給口13a、少なくとも1つのガス拡散室13b、及び複数のガス導入口13cを有する。ガス供給口13aに供給された処理ガスは、ガス拡散室13bを通過して複数のガス導入口13cからプラズマ処理空間10s内に導入される。また、シャワーヘッド13は、少なくとも1つの上部電極を含む。なお、ガス導入部は、シャワーヘッド13に加えて、側壁10aに形成された1又は複数の開口部に取り付けられる1又は複数のサイドガス注入部(SGI:Side Gas Injector)を含んでもよい。
【0035】
ガス供給部20は、少なくとも1つのガスソース21及び少なくとも1つの流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してシャワーヘッド13に供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調又はパルス化する少なくとも1つの流量変調デバイスを含んでもよい。
【0036】
電源30は、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ処理チャンバ10に結合されるRF電源31を含む。RF電源31は、少なくとも1つのRF信号(RF電力)を少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給するように構成される。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された少なくとも1つの処理ガスからプラズマが形成される。従って、RF電源31は、プラズマ生成部12の少なくとも一部として機能し得る。また、バイアスRF信号を少なくとも1つの下部電極に供給することにより、基板Wにバイアス電位が発生し、形成されたプラズマ中のイオン成分を基板Wに引き込むことができる。
【0037】
一実施形態において、RF電源31は、第1のRF生成部31a及び第2のRF生成部31bを含む。第1のRF生成部31aは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に結合され、プラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~150MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第1のRF生成部31aは、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のソースRF信号は、少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に供給される。
【0038】
第2のRF生成部31bは、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介して少なくとも1つの下部電極に結合され、バイアスRF信号(バイアスRF電力)を生成するように構成される。バイアスRF信号の周波数は、ソースRF信号の周波数と同じであっても異なっていてもよい。一実施形態において、バイアスRF信号は、ソースRF信号の周波数よりも低い周波数を有する。一実施形態において、バイアスRF信号は、100kHz~60MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、第2のRF生成部31bは、異なる周波数を有する複数のバイアスRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1又は複数のバイアスRF信号は、少なくとも1つの下部電極に供給される。また、種々の実施形態において、ソースRF信号及びバイアスRF信号のうち少なくとも1つがパルス化されてもよい。
【0039】
また、電源30は、プラズマ処理チャンバ10に結合されるDC電源32を含んでもよい。DC電源32は、第1のDC生成部32a及び第2のDC生成部32bを含む。一実施形態において、第1のDC生成部32aは、少なくとも1つの下部電極に接続され、第1のDC信号を生成するように構成される。生成された第1のDC信号は、少なくとも1つの下部電極に印加される。一実施形態において、第2のDC生成部32bは、少なくとも1つの上部電極に接続され、第2のDC信号を生成するように構成される。生成された第2のDC信号は、少なくとも1つの上部電極に印加される。
【0040】
種々の実施形態において、第1及び第2のDC信号がパルス化されてもよい。この場合、電圧パルスのシーケンスが少なくとも1つの下部電極及び/又は少なくとも1つの上部電極に印加される。電圧パルスは、矩形、台形、三角形又はこれらの組み合わせのパルス波形を有してもよい。一実施形態において、DC信号から電圧パルスのシーケンスを生成するための波形生成部が第1のDC生成部32aと少なくとも1つの下部電極との間に接続される。従って、第1のDC生成部32a及び波形生成部は、電圧パルス生成部を構成する。第2のDC生成部32b及び波形生成部が電圧パルス生成部を構成する場合、電圧パルス生成部は、少なくとも1つの上部電極に接続される。電圧パルスは、正の極性を有してもよく、負の極性を有してもよい。また、電圧パルスのシーケンスは、1周期内に1又は複数の正極性電圧パルスと1又は複数の負極性電圧パルスとを含んでもよい。なお、第1及び第2のDC生成部32a,32bは、RF電源31に加えて設けられてもよく、第1のDC生成部32aが第2のRF生成部31bに代えて設けられてもよい。
【0041】
排気システム40は、例えばプラズマ処理チャンバ10の底部に設けられたガス排出口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力調整弁及び真空ポンプを含んでもよい。圧力調整弁によって、プラズマ処理空間10s内の圧力が調整される。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、ドライポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0042】
以下、
図4及び
図5を参照する。
図4は、一つの例示的実施形態に係る静電チャックの上面図である。
図5は、
図4に示す静電チャックの一つの例示的実施形態の部分拡大図である。
【0043】
一実施形態において、静電チャック51は、第1の凸部51c(又はシールリング)及び複数の第2の凸部51d(又はドット部)を含んでいてもよい。第1の凸部51c及び複数の第2の凸部51dは、静電チャック51の表面構造に含まれる。第1の凸部51cは、環形状を有する。第1の凸部51cは、基板支持面11aの一部を構成する上面を有する。
図4に示すように、第1の凸部51cは、基板支持面11aの外縁に沿う環形状を有していてもよい。この場合には、第1の凸部51cのパターンは、基板支持面11aの外縁に沿う環形状である。
【0044】
複数の第2の凸部51dの各々は、基板支持面11aの一部を構成する上面を有する。複数の第2の凸部51dは、第1の凸部51cの内側に配置されている。
図4に示す例では、複数の第2の凸部51dは、基板支持面11aの外縁の内側に配置されている。なお、
図4においては、複数の第2の凸部51dの各々は、図示を省略されている。
図5に示すように、複数の第2の凸部51dは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とするパターンを形成していてもよい。
図5に示す例では、複数の第2の凸部51dは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする円周に沿って略等間隔に配置されている。複数の第2の凸部51dは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする複数の同心円に沿って配置されていてもよく、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする同心の複数の多角形に沿って配置されていてもよい。
【0045】
一実施形態において、基板支持部11は、複数のガス孔5cを含んでいてもよい。複数のガス孔5cは、静電チャック51の表面構造に含まれる。
図4に示す例では、複数のガス孔5cは、12個のガス孔5cから構成される。複数のガス孔5cは、基板Wと静電チャック51との間の間隙に連通する。基板Wと静電チャック51との間の間隙は、上述した基板Wの裏面と中央領域5aとの間の間隙に相当する。一例において、複数のガス孔5cの各々は、互いに連通する静電チャック51の貫通孔及び基台50の貫通孔から構成される。伝熱ガス供給部は、複数のガス孔5cを介して、基板Wと静電チャック51との間の間隙に伝熱ガスを供給するように構成され得る。
【0046】
図4に示すように、複数のガス孔5cは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とするパターンを形成していてもよい。
図4に示す例では、複数のガス孔5cは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする六角形の頂点に配置されている。この場合には、複数のガス孔5cのパターンは、六角形を含む。より詳細には、12個のガス孔5cのうち6個のガス孔は、第1の正六角形の頂点に配置され、12個のガス孔5cのうち別の6個のガス孔は、第1の正六角形の内側に位置する第2の正六角形の頂点に配置されている。
【0047】
一実施形態において、基板支持部11は、基板W用の複数のリフターピン5eと、該複数のリフターピン5eが挿入された複数のピン孔5dを含んでいてもよい。複数のピン孔5dは、静電チャック51の表面構造に含まれる。
図4に示す例では、複数のピン孔5dは3個のピン孔5dから構成される。一例において、複数のピン孔5dの各々は、互いに連通する静電チャック51の貫通孔及び基台50の貫通孔から構成される。複数のピン孔5dには、基板Wを昇降可能に構成された複数のリフターピン5eが挿通される。
【0048】
図4に示すように、複数のピン孔5dは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする規則的なパターンを形成していてもよい。
図4に示す例では、複数のピン孔5dは、基板支持部11の中心位置11cをその中心とする正三角形の頂点に配置されている。この場合には、複数のピン孔5dのパターンは、三角形を含む。
【0049】
搬送モジュールTMは、基板Wを基板支持部11の上方の領域に搬送するように構成されている。一実施形態において、複数のリフターピン5eは、基板支持部11の上方の領域と基板支持部11上の領域との間で、基板Wを昇降するように構成されている。基板支持部11の上方の領域は、上昇した複数のリフターピン5e上の領域を含み得る。搬送モジュールTMは、処理チャンバ10の外部から搬送する基板Wを、上昇した複数のリフターピン5e上に載置してもよい。
【0050】
搬送モジュールTMによって処理チャンバ10の外部から基板支持部11の上方の領域に基板Wが搬送される期間は、第1の期間として規定され、第1の期間における基板Wの位置は、第1の位置として規定される。搬送モジュールTMによって基板支持部11の上方の領域から処理チャンバ10の外部に基板Wが搬送される期間は、第2の期間として規定され、第2の期間における基板Wの位置は、第2の位置として規定される。第1の測定器CM1は、基板Wの第1の位置及び/又は基板Wの第2の位置を取得するように構成されている。
【0051】
一実施形態において、第1の測定器CM1は、真空チャンバVCH内に測定領域を提供し、測定領域を通過する基板Wの位置を測定するように構成される。
図1に示されるように、第1の測定器CM1は、真空チャンバVCH内に配置された二つの光学センサ(光学センサ81a,81b)を含んでいてもよい。光学センサ81a,81bは、その上方に測定領域を提供する。光学センサ81a,81bは、真空チャンバVCHにおいてゲートバルブG1の前に配置され得る。光学センサ81a,81bは、真空チャンバVCHからゲートバルブG1を見て、右側に光学センサ81aが位置し、左側に光学センサ81bが位置するように、互いに対向している。光学センサ81aと光学センサ81bとは、基板Wの直径よりも小さい間隔で互いに離隔している。
【0052】
光学センサ81a,81bの各々は、投光部及び受光部を含んでいてもよい。投光部及び受光部は、上下方向に沿って互いに対向するように配置される。投光部は、受光部に向けて光を出射する。投光部が出射する光は、レーザ光又は拡散光を含みうる。投光部は、LEDを含んでいてもよく、LED以外の発光体を含んでいてもよい。光学センサ81a,81bは、プロセスモジュールPM1~PM6の各々の処理チャンバ10と真空チャンバVCHとの間に配置されていればよい。一例において、処理チャンバ10が接続部を介して真空チャンバVCHに接続されている場合には、光学センサ81a,81bは、ゲートバルブG1の奥に位置する接続部の中に配置されていてもよい。光学センサ81a,81bは、ゲートバルブG1に隣接した位置に配置されていればよい。
【0053】
一実施形態において、搬送モジュールTMは、第1の期間のうち真空チャンバVCHから処理チャンバ10に基板Wが搬送される期間及び/又は第2の期間のうち処理チャンバ10から真空チャンバVCHに基板Wが搬送される期間において、第1の測定器CM1の測定領域に基板Wを通過させるように構成されている。一例において、搬送モジュールTMは、光学センサ81a,81bの上方に提供される測定領域に基板Wを通過させる。
【0054】
図6の(A)~
図6の(E)の各々は、第1の測定器によって第1の位置を測定する過程の一例を説明するための図である。
図6の(A)~
図6の(E)は、第1の期間のうち真空チャンバVCHから処理チャンバ10に基板Wが搬送される期間における、光学センサ81a,81b、基板W、及びエンドエフェクタFK11の相対的な位置関係の変化を示している。なお、
図6の(A)~
図6の(E)の各々では、エンドエフェクタFK11が示されているが、エンドエフェクタFK12が用いられてもよい。光学センサ81a,81bの各々は、測定領域を通過する基板Wのエッジを検知する。制御部2は、基板Wのエッジが測定領域を通過したときの、搬送ロボットTRの位置を取得し得る。一例において、制御部2は、搬送ロボットTRの位置として、エンドエフェクタFK11の重心位置の座標を取得する。なお、第1の測定器CM1は、制御部2とは別の制御部を含んでいてもよい。
【0055】
図6の(A)~
図6の(E)の各々では、基板Wは、光学センサ81aよりも光学センサ81bの近くに位置している。最初に、
図6の(B)に示すように、光学センサ81bが基板Wを検知する。制御部2は、光学センサ81bが基板Wを検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置82aを取得する。次に、
図6の(C)に示すように、光学センサ81aが基板Wを検知する。制御部2は、光学センサ81aが基板Wを検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置82bを取得する。次に、
図6の(D)に示すように、光学センサ81aが基板Wを検知する。制御部2は、光学センサ81aが基板Wを検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置82cを取得する。最後に、
図6の(E)に示すように、光学センサ81bが基板Wを検知する。制御部2は、光学センサ81bが基板Wを検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置82dを取得する。
【0056】
なお、
図6の(E)から
図6の(A)まで逆順に参照すれば、第2の期間のうち処理チャンバ10から真空チャンバVCHに基板が搬送される期間における光学センサ81a,81b、基板W、及びエンドエフェクタFK11の相対的な位置関係の変化が示される。上述した第1の測定器によって第1の位置を測定する過程の一例の逆順に沿って、第1の測定器によって第2の位置を測定する過程の一例が説明される。
【0057】
図7は、第1の測定器の測定領域と基板との位置関係の一例を説明するための図である。重心位置82a,82b,82c,82dの各々は、搬送ロボットTRの座標系での重心位置の移動を示している。制御部2は、重心位置82aを中心に基板Wの半径rと同じ長さの半径を有する円83aと、重心位置82dを中心に基板Wの半径rと同じ長さの半径を有する円83dとの交点を、搬送ロボットTRの座標系での基板Wの位置84bとして取得する。制御部2は、重心位置82bを中心に基板Wの半径rと同じ長さの半径を有する円83bと、重心位置82cを中心に基板Wの半径rと同じ長さの半径を有する円83cとの交点を、搬送ロボットTRの座標系での基板Wの位置84aとして取得する。第1の期間における基板Wの第1の位置は、位置84a,84bを含んでいてもよい。第2の期間における基板Wの第2の位置は、位置84a,84bを含んでいてもよい。
【0058】
記憶部2a2は、第1の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第1の基準位置及び/又は第2の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第2の基準位置を記憶するように構成されている。第1の基準位置と第2の基準位置とは、同一であってもよい。制御部2は、第1の基準位置に対する第1の位置の第1のずれ量を取得する。一例において、制御部2は、第1のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが生じたと判定する。制御部2は、第2の基準位置に対する第2の位置の第2のずれ量を取得する。一例において、制御部2は、第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが生じたと判定する。制御部2は、第1の基準位置及び/又は第2の基準位置に対する、位置84a,84bの第1のずれ量及び/又は第2のずれ量を取得してもよい。
【0059】
一実施形態において、第1の測定器CM1は、基板Wの中心位置を取得するように構成されていてもよい。第1の基準位置は、基板Wの中心位置で規定されていてもよい。
図8の(A)は、搬送ロボットの座標系での基板の移動の一例を説明するための図であり、
図8の(B)は、基板の座標系での基板の移動の一例を説明するための図である。
図8の(A)に示す搬送ロボットTRの座標系での原点85c、座標85a、及び座標85bは、
図8の(B)に示す基板Wの座標系での原点86c、座標86a、及び座標86bにそれぞれ対応する。
【0060】
一例において、搬送ロボットTRは、エンドエフェクタFK11の重心位置を搬送ロボットTRの座標位置として教示されていてもよい。座標85aは、光学センサ81aが基板Wを最初に検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置である。座標85bは、光学センサ81aが基板Wを次に検知したときのエンドエフェクタFK11の重心位置である。基板Wの座標系での原点86cから座標86aへの移動ベクトルは、搬送ロボットTRの座標系での原点85cから座標85aへの移動ベクトルの逆ベクトルとして算出される。基板Wの座標系での座標86aから座標86bへの移動ベクトルは、搬送ロボットTRの座標系での座標85aから座標85bへの移動ベクトルの逆ベクトルとして算出される。
【0061】
図9は、基板の中心位置を算出する過程の一例を示す図である。以下では、
図9を参照して、基板Wの中心位置を取得する一例について説明する。最初に、座標86aと座標86bとの間の中点の座標86gが算出される。座標86a及び座標86bは、基板Wのエッジに対応するので、基板Wの中心位置86h、中点の座標86g、及びエッジの座標86aは、斜辺の長さが基板Wの半径rと等しい直角三角形を構成する。
【0062】
エッジの座標86aから中点の座標86gへのベクトルをベクトル87aとし、中点の座標86gから中心位置86hへのベクトルをベクトル87bとする。ベクトル87aのスカラー量は、エッジの座標86a及び中点の座標86gから算出される。したがって、ベクトル87aのスカラー量及び基板Wの半径rから、ベクトル87bが算出され得る。制御部2は、中点の座標86gからベクトル87bだけ移動した位置を、基板Wの中心位置86hとして取得し得る。第1の期間における基板Wの第1の位置は、中心位置86hを含んでいてもよい。第2の期間における基板Wの第2の位置は、中心位置86hを含んでいてもよい。
【0063】
第1の期間と第2の期間との間の期間は、中間期間として規定され、中間期間における基板支持部11上での基板Wの位置は、第3の位置として規定される。一例において、基板支持部11の上方の領域に搬送された基板Wは、複数のリフターピン5e上に載置され、複数のリフターピン5eが降下することによって、基板支持部11上の第3の位置に載置される。プラズマ処理装置1は、基板支持部11上の第3の位置に載置された基板Wに対して処理を行うように構成されている。基板に対する処理は、エッチング処理、又は基板Wの表面上に堆積物を形成する処理(例えばプラズマCVD法)を含む。
【0064】
図10は、一つの例示的実施形態に係る基板及び静電チャックの部分拡大断面図である。
図10に示す例では、基板に対する処理により基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターン、及び基板Wの下面において基板に対する処理によって形成される堆積物Wbのパターンが示されている。堆積物Wbのパターンは、基板Wの下面において基板Wのエッジに対して内側に内縁を有する。
【0065】
一例において、第3の位置は、静電チャック51上の位置である。プラズマ処理装置1において、静電チャック51上の基板Wに対して処理が行われる。一実施形態において、処理が行われた基板Wは、第2の測定器CM2に搬送される。第2の測定器CM2は、第3の位置を取得するように構成されている。
【0066】
以下、
図11を参照する。
図11は、一つの例示的実施形態に係る第2の測定器の断面図である。
図11に示す例では、第2の測定器CM2は、筐体6を含む。
図11に示すように、第2の測定器CM2は、撮像部60、基板チャック61、ガイドレール62、光源63、及びハーフミラー64を更に備えていてもよい。撮像部60、基板チャック61、ガイドレール62、光源63、及びハーフミラー64の各々は、筐体6内に配置されている。
【0067】
基板チャック61は、その上に載置された基板Wを支持するように構成される。基板チャック61は、ガイドレール62上に配置されている。ガイドレール62は、基板Wを支持している基板チャック61を、筐体6内で移動させるように構成されている。
図11に示す例では、ガイドレール62は、位置6aから位置6bまで、基板チャック61に支持された基板Wを搬送経路Pに沿って移動させるように構成されている。位置6aは、ガイドレール62の一端に隣接している。位置6bは、ガイドレール62の他端に隣接している。一例において、位置6aと位置6bとの間は、少なくとも基板Wの直径以上離れている。基板Wの搬送経路Pは、ガイドレール62の一端とガイドレール62の他端とを接続する直線に沿っていてもよい。
【0068】
撮像部60は、基板Wの搬送経路Pを含む視野を有する。撮像部60は、基板Wの画像を取得するよう構成されている。一実施形態において、撮像部60は、ラインスキャンカメラであってもよい。撮像部60の視野における搬送経路Pの方向と該ラインスキャンカメラの長手方向とは、互いに直交する。
図11に示す例では、撮像部60は、光源63から照射され基板Wの上面で反射された光Lをハーフミラー64を介して取得することによって、基板Wの画像を取得する。光源63及びハーフミラー64は、搬送経路Pの上方に配置されていてもよい。撮像部60は、ハーフミラー64と水平方向で向かい合うように配置されていてもよい。一例において、光源63は、位置6aから位置6bまで搬送経路Pに沿って移動している基板Wに対して光Lを照射する。基板Wの上面によって反射された光Lは、ハーフミラー64によって水平方向に反射される。ハーフミラー64によって水平方向に反射された光Lは、撮像部60で受光される。
【0069】
以下、
図12~
図14を参照する。
図12は、基板に対する処理が行われた一つの例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
図13は、基板に対する処理が行われた別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
図14は、基板に対する処理が行われた更に別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
【0070】
一実施形態において、抽出部2b1は、基板に対する処理が行われた基板Wの画像から、第1の特徴パターンを抽出し、且つ、第2の特徴パターンを抽出するよう構成されている。
図12に示す例では、抽出部2b1は、基板に対する処理が行われた基板Wの画像7から、第1の特徴パターン71を抽出し、且つ、第2の特徴パターン72を抽出するよう構成されている。以下、
図12を参照して、画像7から、第1の特徴パターン71を抽出し、且つ、第2の特徴パターン72を抽出する一つの例示的実施形態について説明する。
【0071】
第1の特徴パターン71は、基板Wの中心位置を反映するその中心を有する。一実施形態において、第1の特徴パターン71は、基板Wのエッジ70を反映していてもよい。一例において、抽出部2b1は、画像7における基板Wの背景BKとエッジ70との間の明暗の差から第1の特徴パターン71を抽出する。一実施形態において、抽出部2b1は、画像7を二値化することによって第1の特徴パターン71を抽出してもよい。二値化により、画像7における基板Wの背景BKの領域の画素値は、画像7における基板Wの領域の画素値と異なる値に変換されるので、二値化された画像から基板Wのエッジ70が第1の特徴パターン71として抽出され得る。
【0072】
第2の特徴パターン72は、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cを反映するその中心を有する。一実施形態において、第2の特徴パターン72は、静電チャック51の表面構造のパターンを反映していてもよい。第2の特徴パターン72は、基板に対する処理の実行時の静電チャック51の中心位置を反映するその中心を有し得る。一実施形態において、抽出部2b1は、画像7と画像7に対するぼかし処理により得られる画像との間の差分により、第2の特徴パターン72を抽出するよう構成されていてもよい。ぼかし処理とは、画像を構成している複数の画素のうち一つの画素と、該一つの画素と隣り合う画素とを平均化する処理である。
【0073】
一実施形態において、第2の特徴パターン72は、静電チャック51の第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51dのパターンを反映していてもよい。一実施形態において、第2の特徴パターン72は、基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターンを反映していてもよい。基板Wにおいて、第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51d上に位置する第1の領域と、第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51d上に位置しない第2の領域との間には、温度差が生じ得る。第1の領域の上面に形成される堆積物Waと、第2の領域の上面に形成される堆積物Waとの間には、該温度差に応じた堆積物Waの量の差が生じ得る。したがって、第2の特徴パターン72は、該堆積物Waの量の差を反映し得る。
図12に示す例では、第2の特徴パターン72は、複数の第2の凸部51dのパターン751dを反映するように基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターンを反映している。
【0074】
算出部2b2は、第1の特徴パターンと第2の特徴パターンとに基づいて、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置と基板Wの位置との間の位置関係を算出するよう構成されている。
図12に示す例では、算出部2b2は、第1の特徴パターン71と第2の特徴パターン72とに基づいて、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置と基板Wの位置との間の位置関係を算出するよう構成されている。
【0075】
一実施形態において、算出部2b2は、第1の特徴パターン71から特定される第1の中心位置71aと第2の特徴パターン72から特定される第2の中心位置72aとに基づいて、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cと基板Wの中心位置との間の位置関係を算出するよう構成されていてもよい。一例において、第1の特徴パターン71は、基板Wのエッジ70を反映しているので、基板Wの中心位置は第1の特徴パターン71から特定される第1の中心位置71aとして算出される。
【0076】
一実施形態において、第1の中心位置71aが第3の基準位置として規定され、第2の中心位置72aが第3の位置として規定されてもよい。記憶部2a2は、第3の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第3の基準位置を記憶するように構成されている。制御部2は、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cと基板Wの中心位置との間の位置関係から第3のずれ量を取得し得る。
【0077】
図12に示す例では、第2の特徴パターン72は、複数の第2の凸部51dのパターン751dを反映しており、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cを反映するその中心を有する円に沿って略等間隔に配置されている。したがって、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cは、当該円の中心位置である第2の中心位置72aとして算出される。
【0078】
以下、
図13を参照して、画像7Aから、第1の特徴パターン71を抽出し、且つ、第2の特徴パターン72A及び/又は第2の特徴パターン72Bを抽出する別の例示的実施形態について説明する。以下の説明では、別の例示的実施形態について、第1の特徴パターン71及び第2の特徴パターン72を画像7から抽出する上記例示的実施形態に対する相違点の観点から説明する。
【0079】
第2の特徴パターン72Aは、静電チャック51の複数のガス孔5cのパターンを反映していてもよい。基板Wにおいて、複数のガス孔5c上に位置する第1の領域と、複数のガス孔5c上に位置しない第2の領域との間には、温度差が生じ得る。第1の領域の上面に形成される堆積物Waと、第2の領域の上面に形成される堆積物Waとの間には、該温度差に応じた堆積物Waの量の差が生じ得る。したがって、第2の特徴パターン72Aは、該堆積物Waの量の差を反映し得る。
図13に示す例では、第2の特徴パターン72Aは、複数のガス孔5cのパターン75cを反映するように基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターンを反映している。
【0080】
図13に示す例では、第2の特徴パターン72Aは、複数のガス孔5cのパターン75cを反映しており、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cを反映するその中心を有する六角形の頂点に配置されている。一例において、この六角形は正六角形である。基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cは、当該六角形の中心位置である第2の中心位置72aとして算出される。
【0081】
一実施形態において、第2の特徴パターン72Bは、静電チャック51の複数のピン孔5dのパターンを反映していてもよい。基板Wにおいて、複数のピン孔5d上に位置する第1の領域と、複数のピン孔5d上に位置しない第2の領域との間には、温度差が生じ得る。第1の領域の上面に形成される堆積物Waと、第2の領域の上面に形成される堆積物Waとの間には、該温度差に応じた堆積物Waの量の差が生じ得る。したがって、第2の特徴パターン72Bは、該堆積物Waの量の差を反映し得る。
図13に示す例では、第2の特徴パターン72Bは、複数のピン孔5dのパターン75dを反映するように基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターンを反映している。
【0082】
図13に示す例では、第2の特徴パターン72Bは、複数のピン孔5dのパターン75dを反映しており、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cを反映するその中心を有する三角形の頂点に配置されている。一例において、この三角形は正三角形である。基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cは、当該三角形の中心位置である第2の中心位置72aとして算出される。
【0083】
以下、
図14を参照して、画像7Cから、第1の特徴パターン71を抽出し、且つ、第2の特徴パターン72Cを抽出する更に別の例示的実施形態について説明する。以下の説明では、更に別の例示的実施形態について、第1の特徴パターン71及び第2の特徴パターン72を画像7から抽出する上記例示的実施形態との相違点の観点から説明する。
【0084】
第2の特徴パターン72Cは、静電チャック51の第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51dのパターンを反映していてもよい。一実施形態において、第2の特徴パターン72Cは、基板に対する処理であるエッチング処理によって基板Wの上面に形成されるパターンを反映していてもよい。基板Wにおいて、第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51d上に位置する第1の領域と、第1の凸部51c及び/又は複数の第2の凸部51d上に位置しない第2の領域との間には、温度差が生じ得る。第1の領域のエッチング速度と、第2の領域のエッチング速度との間には、該温度差に応じたエッチング速度の差が生じ得る。したがって、第2の特徴パターン72Cは、エッチング処理量の差を反映し得る。
図14に示す例では、第2の特徴パターン72Cは、第1の凸部51cのパターン751cを反映するようエッチング処理によって基板Wの上面に形成されるパターンを反映している。
【0085】
図14に示す例では、第2の特徴パターン72Cは、第1の凸部51cのパターン751cを反映しており、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cを反映するその中心を有する環形状を有している。第1の凸部51cのパターン751cは、基板支持面11aの外縁に沿う環形状を有していてもよく、第2の特徴パターン72Cは、当該環形状を反映していてもよい。基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cは、第2の特徴パターン72Cの当該環形状の中心位置である第2の中心位置72aとして算出される。なお、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cは、第1の凸部51cのパターンの代わりに、又は、第1の凸部51cのパターンに加えて、複数の第2の凸部51dのパターンを反映する第2の特徴パターン72Cから、算出されてもよい。
【0086】
図15は、基板の中心位置とパターンの中心位置との間の位置関係を示す一つの例示的実施形態を示す図である。制御部2は、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置と基板Wの位置との間の位置関係に基づいて第3のずれ量を取得するよう構成されていてもよい。この場合、上述のように基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置が第3の基準位置として規定され、パターンの中心位置が第3の位置として規定され得る。一実施形態において、制御部2は、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の中心位置11cと基板Wの中心位置との間の位置関係に基づいて第3のずれ量を取得するよう構成されていてもよい。制御部2は、第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが生じたと判定する。
【0087】
図15に示す例では、第1の中心位置71aをその中心とするXY直交座標系における第2の中心位置72aの位置が示されている。X軸方向において、第2の中心位置72aは、第1の中心位置71aに対して、X1だけずれている。Y軸方向において、第2の中心位置72aは、第1の中心位置71aに対して、Y1だけずれている。この場合、制御部2は、第3のずれ量としてX1,Y1をそれぞれ取得してもよい。制御部2は、X1の二乗とY1の二乗との和の平方根により求められる第1の中心位置71aと第2の中心位置72aとの間の距離を、第3のずれ量として取得してもよい。
【0088】
図16は、別の例示的実施形態に係る撮像部の構成を示す図である。第2の測定器CM2は、撮像部65を含んでいてもよい。撮像部65は、基板Wのエッジを含む視野を有する。撮像部65は、基板Wの画像を取得するよう構成されている。
図16に示す例では、撮像部65は、基板チャック61に支持された基板Wの下方に配置されている。
【0089】
基板チャック61は、その上に支持している基板Wを回転可能に構成される。
図16に示す例では、上方から見て、基板チャック61は、その上に支持している基板Wを時計回りに回転させている。撮像部65は、基板Wのエッジの一部を撮像可能な視野を有していてもよい。一例において、撮像部65は、ラインスキャンカメラであってもよい。該ラインスキャンカメラの長手方向は、基板Wの接線方向と直交する。この場合において、撮像部65は、基板チャック61によって基板Wが回転されることにより、基板Wのエッジの全周をその視野に含めることができる。
【0090】
図17は、基板に対する処理が行われた更に別の例示的実施形態に係る基板の画像を概略的に示す図である。
図17に示す画像7Dは、基板チャック61上で回転している基板Wから撮像部65が取得した画像である。画像7Dでは、基板Wの画像は、帯状に取得されている。以下、
図17を参照して、画像7Dから、第1の特徴パターン71を抽出し、且つ、第2の特徴パターン72Dを抽出する、更に別の例示的実施形態について説明する。以下の説明では、更に別の例示的実施形態について、第1の特徴パターン71及び第2の特徴パターン72を画像7から抽出する上記例示的実施形態に対する相違点の観点から説明する。
【0091】
一実施形態において、第2の特徴パターン72Dは、堆積物Wbのパターンを反映していてもよい。堆積物Wbは、基板Wの下面において基板に対する処理によって形成される。上述のように、堆積物Wbのパターンは、基板Wの下面において基板Wのエッジに対して内側に内縁を有する。この内縁は、基板に対する処理時の第1の凸部51cの外縁により基板Wの下面に反映され得る。一実施形態において、抽出部2b1は、画像7Dと、基板に対する処理が適用される前の基板Wの画像との間の差分により、第2の特徴パターン72Dを抽出するよう構成されていてもよい。
【0092】
基板Wは、基板Wのエッジに切欠部Wnを有していてもよい。切欠部Wnは、例えば、ノッチ(U字形、V字形等の溝)であってもよい。
図17に示すように、撮像部65は、画像7Dの一部として切欠部Wnの画像7Wnを取得する。撮像部65は、切欠部Wnの画像7Wnを基準に、基板Wのエッジの全周にわたる画像7Dを取得する。
【0093】
図18は、基板の位置とパターンの位置との位置関係を算出する過程の一例を示す図である。
図18に示す画像7Eは、画像7Dにおける基板Wが円形状になるように画像7Dを変換した画像である。
図19は、基板の位置とパターンの位置との位置関係を算出する過程の別の一例を示す図である。
【0094】
一実施形態において、算出部2b2は、第1の特徴パターン71のエッジ70における三つ以上の径方向の各々において第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の距離を求めるよう構成されていてもよい。算出部2b2は、該三つ以上の径方向の各々における該距離から、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置と基板Wの位置との間の位置関係を算出するように構成されていてもよい。
【0095】
図18に示す例では、算出部2b2は、エッジ70における八つの径方向の各々において、第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の距離を求めるよう構成されている。八つの径方向は、径方向D1、径方向D2、径方向D3、径方向D4、径方向D5、径方向D6、径方向D7、及び径方向D8から構成される。八つの径方向D1~D8のうち互いに隣り合う二つの径方向の間の角度は、45度である。径方向D1と径方向D5とは、180度対向する。径方向D5は、切欠部Wnの画像7Wnに対応する位置である。径方向D2と径方向D6とは、180度対向する。径方向D3と径方向D7とは、180度対向する。径方向D4と径方向D8とは、180度対向する。
【0096】
一実施形態において、算出部2b2は、第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の平均距離を算出するように構成されていてもよい。
図18に示す例では、第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の平均距離を、径方向D2、径方向D4、径方向D6、及び径方向D8の各々から算出するように構成されていてもよい。制御部2は、該平均距離に基づいて第3のずれ量を取得するよう構成されていてもよい。この場合、径方向D2,D4,D6,D8の各々における、第2の特徴パターン72Dの内縁と第1の特徴パターン71のエッジ70との間の平均距離が第3の位置として規定され得る。また、予め定められた平均距離が、第3の基準位置として規定され得る。
【0097】
図19は、基板の位置とパターンの位置との位置関係を算出する過程の別の一例を示す図である。一実施形態において、算出部2b2は、三つ以上の径方向の各々における第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の距離を算出するように構成されていてもよい。算出部2b2は、第1の角度及び第2の角度を算出してもよい。第1の角度は、三つ以上の径方向のうち第1の径方向と該第1の径方向とは別の第2の径方向との間の角度である。第2の角度は、該第2の径方向と該第2の径方向とは別の第3の径方向の間の角度である。算出部2b2は、三つ以上の径方向の各々における該距離、第1の角度、及び第2の角度を用いて、正弦波関数を算出してもよい。正弦波関数は、該第1の角度内での径方向における内縁とエッジとの間の距離、及び該第2の角度内での径方向における内縁とエッジとの間の距離を補間する。算出部2b2は、該正弦波関数によって三つ以上の径方向の各々における距離を補正するように構成されていてもよい。
【0098】
図19に示す例では、算出部2b2は、径方向D1~D4,D6~D8の各々において第2の特徴パターン72Dにおける内縁と第1の特徴パターン71におけるエッジ70との間の距離を算出するように構成されている。
図19におけるNo.1~No.4,No.6~No.8の各々は、径方向D1~D4,D6~D8の各々における該距離を示している。なお、径方向D5における距離は、切欠部Wnの画像7Wnと干渉するので、測定されない。
【0099】
図19に示す例では、八つの径方向D1~D8のうち互いに隣り合う二つの径方向の間の角度は、45度である。結果として、算出部2b2は、径方向D1~D4,D6~D8の各々における該距離、及び角度45度に基づいて、正弦波関数を算出する。一例において、算出部2b2は、径方向D1~D4,D6~D8の各々における該距離、及び角度45度から、最小二乗法を用いて該正弦波関数を算出してもよい。径方向D1~D4,D6~D8の各々における該距離は、該正弦波関数によって補正され得る。算出部2b2は、補正された該距離、及び角度45度から、基板に対する処理の実行時の基板支持部11の位置と基板Wの位置との間の位置関係を算出するように構成されていてもよい。
【0100】
制御部2は、第1のずれ量及び/又は第2のずれ量、並びに第3のずれ量を用いて、基板Wの位置ずれが、第1の期間及び/又は第2の期間、並びに中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されている。以下、
図20を参照して制御部2による基板処理システムPSの制御及び基板処理方法について説明する。
図20は、一つの例示的実施形態に係る基板処理方法を示す流れ図である。
【0101】
一実施形態において、
図20に示す処理方法(以下、「方法MT」という)は、工程STaで開始する。工程STaでは、処理チャンバ10の外部から基板支持部11の上方の領域に基板Wが搬送される。一例において、制御部2は、真空チャンバVCHから複数のリフターピン5e上の領域に基板Wを搬送するよう搬送モジュールTMを制御する。工程STbでは、工程STaにおける基板Wの第1のずれ量が取得される。一例において、工程STbでは、上述した第1の測定器CM1によって、工程STaにおける基板Wの第1のずれ量が取得される。一実施形態において、方法MTは、工程STcを含んでいてもよい。工程STcでは、第1のずれ量が閾値よりも大きいかが判定される。一例において、制御部2は、第1のずれ量が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。工程STcにおいて第1のずれ量が閾値よりも大きい場合には、制御部2は、基板Wの位置ずれが第1の期間で生じたと推定する。
【0102】
一実施形態において、制御部2は、第1のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの搬送条件を調整するように構成されていてもよい。この場合、方法MTは、工程STdを含む。工程STdは、工程STcにおいて第1のずれ量が閾値よりも大きいと判定された場合(
図20の工程STcにおける判定の結果が「YES」である場合)に実行される。工程STdでは、基板Wの搬送条件が調整される。基板Wの搬送条件は、搬送の速度、搬送の加減速度、及び/又は搬送の経路を含みうる。制御部2は、第1の期間のうち第1のずれ量が取得される以前の搬送条件を調整してもよい。制御部2は、第1の期間及び第2の期間の搬送条件を調整してもよい。工程STdにおいて、搬送条件が調整された後に、方法MTは終了する。
【0103】
搬送条件の調整は、搬送の速度の低下、搬送の加減速度の低下、及び/又は搬送の軌道における旋回半径の変更を含みうる。一実施形態において、搬送の速度、搬送の加減速度、又は搬送の軌道における旋回半径と第1のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、搬送条件の調整では、該相関関係に基づいて第1のずれ量が閾値以下になるように搬送条件が調整される。該搬送条件の調整は、工程STd、工程STj、及び/又は工程STmにおいて実行され得る。工程STj及び工程STmについては後述する。
【0104】
一実施形態において、工程STeは、工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下と判定された場合(
図20の工程STcにおける判定の結果が「NO」である場合)に実行される。搬送モジュールTMが真空パッドを含む場合には、工程STeは、真空パッドから基板Wを解放するための真空吸着の解除を含んでいてもよい。一例において、工程STeは、複数のリフターピン5eの降下及び/又は基板Wの静電チャック51への静電吸着を含む。複数のリフターピン5eの降下では、複数のリフターピン5e上に支持された基板Wは、基板支持部11の上方の領域から基板支持部11上の領域に移動する。基板Wの静電チャック51への静電吸着では、静電電極51bに電圧が印加される。工程STeでは、基板支持部11上の基板Wに対する処理が行われる。基板に対する処理とは、上述のように、エッチング処理、又は基板Wの表面上に堆積物を形成する処理を含む。
【0105】
工程STfは、工程STeの後に実行される。一例において、工程STfは、静電チャック51から基板Wを解放するための静電チャック51の静電除去及び/又は複数のリフターピン5eの上昇を含む。静電チャック51の静電除去では、最初に静電電極51bへ静電吸着のための電圧の印加が停止され、次に静電電極51bに静電吸着時の電圧とは異なる極性の電圧が印加され、最後に該異なる極性の電圧の印加が停止される。複数のリフターピン5eの上昇では、基板Wは、複数のリフターピン5e上に支持されて、基板支持部11上の領域から基板支持部11の上方の領域に移動する。搬送モジュールTMが真空パッドを含む場合には、工程STfは、基板Wの真空パッドへの真空吸着を含んでいてもよい。工程STfでは、基板支持部11の上方の領域から処理チャンバ10の外部に基板Wが搬送される。一例において、制御部2は、複数のリフターピン5e上の領域から真空チャンバVCHに基板Wを搬送するよう搬送モジュールTMを制御する。
【0106】
工程STgでは、工程STfにおける基板Wの第2のずれ量が取得される。一例において、工程STgでは、上述した第1の測定器CM1によって、工程STfにおける基板Wの第2のずれ量が取得される。工程SThでは、工程STeにおける基板Wの第3のずれ量が取得される。一例において、工程SThでは、上述した第2の測定器CM2によって、工程SThにおける基板Wの第3のずれ量が取得される。工程SThは、搬送モジュールTM及びローダモジュールLMによる基板Wの第2の測定器CM2への搬送を含みうる。
【0107】
一実施形態において、方法MTは、工程STiを含んでいてもよい。工程STiでは、第3のずれ量が閾値よりも大きいかが判定される。一例において、制御部2は、第3のずれ量が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下であり、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、制御部2は、基板Wの位置ずれが中間期間で生じたと推定する。
【0108】
一実施形態において、制御部2は、第1のずれ量が閾値以下であり、第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、搬送条件及び/又は第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成されていてもよい。この場合、方法MTは、工程STjを含む。工程STjは、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値よりも大きいと判定された場合(
図20の工程STiにおける判定の結果が「YES」である場合)に実行される。工程STjでは、搬送条件及び/又は第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータが調整される。工程STjにおいて、搬送条件及び/又は第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータが調整された後に、方法MTは終了する。
【0109】
一実施形態において、第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータは、複数のリフターピン5eの降下条件及び/又は基板Wの静電チャック51への静電吸着条件を含んでいてもよい。複数のリフターピン5eの降下条件は、複数のリフターピン5eの降下の速度、複数のリフターピン5eの降下の加減速度、又は複数のリフターピン5eの降下のタイミングを含みうる。基板Wの静電チャック51への静電吸着条件は、静電電極51bに印加する電圧の最大値、静電電極51bに印加する電圧の時間に対する変化率、又は静電電極51bに電圧を印加するタイミングを含みうる。
【0110】
工程STjにおける制御パラメータの調整は、複数のリフターピン5eの降下の速度の低下、複数のリフターピン5eの降下の加減速度の低下、及び/又は複数のリフターピン5eの降下のタイミングの先延ばしを含みうる。一実施形態において、複数のリフターピン5eの降下の速度、又は複数のリフターピン5eの降下の加減速度と第3のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STjでは、該相関関係に基づいて第3のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0111】
工程STjにおける搬送条件の調整は、静電電極51bに印加する電圧の最大値の低下、静電電極51bに印加する電圧の時間に対する変化率の低下、及び/又は静電電極51bに電圧を印加するタイミングの先延ばしを含みうる。一実施形態において、静電電極51bに印加する電圧の最大値、又は静電電極51bに印加する電圧の時間に対する変化率と第3のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STjでは、該相関関係に基づいて第3のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0112】
一実施形態において、第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータは、真空パッドから基板Wを解放するための真空吸着の解除条件を含んでいてもよい。この場合、基板Wは、エンドエフェクタFK11,12上で真空パッドに真空吸着された状態で搬送される。基板Wの真空パッドからの真空吸着の解除条件は、真空吸着の最大陰圧、真空吸着の陰圧の時間に対する変化率、又は真空吸着から解除されるタイミングを含みうる。
【0113】
工程STjにおける制御パラメータの調整は、真空吸着の最大陰圧の低下、真空吸着の陰圧の時間に対する変化率の低下、又は真空吸着から解除解放されるタイミングの先延ばしを含みうる。一実施形態において、真空吸着の最大陰圧、又は真空吸着の陰圧の時間に対する変化率と第3のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STjでは、該相関関係に基づいて第3のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0114】
制御部2は、工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下であり、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが第1の期間で生じたと推定してもよい。一例において、制御部2は、第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整した後で別の基板Wを処理したときに、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが第1の期間で生じたと推定してもよい。この場合、制御部2は、第1の期間のうち第1のずれ量が取得された以後の搬送条件を調整してもよい。
【0115】
一実施形態において、方法MTは、工程STkを含んでいてもよい。工程STkは、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値よりも小さいと判定された場合(
図20の工程STiにおける判定の結果が「NO」である場合)に実行される。工程STkでは、第2のずれ量が閾値よりも大きいかが判定される。一例において、制御部2は、第2のずれ量が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下であり、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値以下であり、工程STkにおいて第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、制御部2は、基板Wの位置ずれが第2の期間で生じたと推定する。
【0116】
一実施形態において、制御部2は、第1のずれ量が閾値以下であり、第3のずれ量が閾値以下であり、第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、搬送条件及び/又は該第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成されていてもよい。この場合、方法MTは、工程STmを含む。工程STmは、工程STkにおいて第2のずれ量が閾値よりも大きいと判定された場合(
図20の工程STkにおける判定の結果が「YES」である場合)に実行される。工程STmでは、搬送条件が及び/又は第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータが調整される。工程STmにおいて、搬送条件及び/又は第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータが調整された後に、方法MTは終了する。
【0117】
一実施形態において、第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータは、静電チャック51から基板Wを解放するための静電チャック51の静電除去条件及び/又は複数のリフターピン5eの上昇条件を含んでいてもよい。静電チャック51の静電除去条件は、静電電極51bに印加する静電吸着時とは異なる極性の電圧の最大値、静電電極51bに印加する該異なる極性の電圧の時間に対する変化率、又は該異なる極性の電圧の静電電極51bへの印加を停止するタイミングを含みうる。複数のリフターピン5eの上昇条件は、複数のリフターピン5eの上昇の速度、複数のリフターピン5eの上昇の加減速度、又は複数のリフターピン5eの上昇のタイミングを含みうる。
【0118】
工程STmにおける制御パラメータの調整は、複数のリフターピン5eの上昇の速度の低下、複数のリフターピン5eの上昇の加減速度の低下、及び/又は複数のリフターピン5eの上昇のタイミングの先延ばしを含みうる。一実施形態において、複数のリフターピン5eの上昇の速度、又は複数のリフターピン5eの上昇の加減速度と第2のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STmでは、該相関関係に基づいて第2のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0119】
工程STmにおける制御パラメータの調整は、静電電極51bに印加する静電吸着時とは異なる極性の電圧の最大値の低下、静電電極51bに印加する該異なる極性の電圧の時間に対する変化率の低下、又は該異なる極性の電圧の静電電極51bへの印加を停止するタイミングの先延ばしを含みうる。一実施形態において、静電電極51bに印加する静電吸着時とは異なる極性の電圧の最大値、又は静電電極51bに印加する該異なる極性の電圧の時間に対する変化率と第2のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STmでは、該相関関係に基づいて第2のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0120】
一実施形態において、第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータは、真空パッドへ基板Wを真空吸着するための真空吸着条件を含んでいてもよい。この場合、基板Wは、エンドエフェクタFK11,12上で真空パッドに真空吸着された状態で搬送される。基板Wの真空パッドへの真空吸着条件は、真空吸着の最大陰圧、真空吸着の陰圧の時間に対する変化率、又は真空吸着するタイミングを含みうる。
【0121】
工程STmにおける制御パラメータの調整は、真空吸着の最大陰圧の低下、真空吸着の陰圧の時間に対する変化率の低下、又は真空吸着するタイミングの先延ばし含みうる。一実施形態において、真空吸着の最大陰圧、又は真空吸着の陰圧の時間に対する変化率と第2のずれ量との間の相関関係が予め取得されてもよい。この場合、工程STmでは、該相関関係に基づいて第2のずれ量が閾値以下になるように制御パラメータが調整される。
【0122】
制御部2は、工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下であり、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値以下であり、工程STkにおいて第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが第2の期間で生じたと推定してもよい。一例において、制御部2は、第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整した後で別の基板Wを処理したときに、工程STkにおいて第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、基板Wの位置ずれが第2の期間で生じたと推定してもよい。この場合、制御部2は、第2の期間のうち第2のずれ量が取得される以前の搬送条件を調整してもよい。
【0123】
工程STcにおいて第1のずれ量が閾値以下であり、工程STiにおいて第3のずれ量が閾値以下であり、工程STkにおいて第2のずれ量が閾値以下と判定された場合(
図20の工程STkにおける判定の結果が「NO」である場合)には、方法MTは、終了する。この場合、制御部2は、基板Wの位置ずれは生じていないと判定する。
【0124】
一実施形態において、インターフェース2a3は、基板Wに位置ずれが生じないよう調整する少なくとも一つの対策を作業者に提示してもよい。インターフェース2a3は、該少なくとも一つの対策のうち作業者によって選択された対策を取得してもよい。一実施形態において、インターフェース2a3は、工程STd、工程STj、及び/又は工程STmにおいて、基板Wに位置ずれが生じないよう調整する少なくとも一つの対策を作業者に提示し得る。
【0125】
一例において、インターフェース2a3は、外部機器CUに、搬送条件、第1のずれ量に関連付けられた制御パラメータ、及び/又は第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整する少なくとも一つの対策を表示する。さらに、インターフェース2a3は、に表示された少なくとも一つの対策から作業者によって選択された対策を、外部機器CUを介して取得する。少なくとも一つの対策は、複数の対策を含んでいてもよい。作業者は、複数の対策のうち一部を選択してもよく、複数の対策の全てを選択してもよい。
【0126】
一実施形態において、基板Wは製品基板であり、基板処理システムPSは、製品基板である複数の基板Wを連続して処理するように構成されていてもよい。この場合、制御部2は、複数の基板Wのうち少なくとも一つの基板Wに対して、基板Wの位置ずれが、第1の期間及び/又は第2の期間、並びに中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されうる。方法MTは、複数の基板Wのうち少なくとも一つの基板に対して実行されてもよい。一例において、方法MTは、所定の数の基板W又は2以上の基板Wが連続的に処理される毎に実行されてもよい。一実施形態において、方法MTでは、基板Wは、ダミー基板であってもよい。例えば、所定の数の基板W又は2以上の基板Wが連続的に処理される毎にダミー基板に対して方法MTが実行されてもよい。基板処理システムPSのセットアップ、又は基板処理システムPSのメンテナンスにおいて、ダミー基板に対して方法MTが実行されてもよい。
【0127】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【0128】
第1の測定器CM1は、搬送モジュールVTMによって処理チャンバ10の外部から基板支持部11の上方の領域に基板Wが搬送される第1の期間における基板Wの第1の位置のみを取得するように構成されていてもよい。記憶部2a2は、第1の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第1の基準位置と、第3の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第3の基準位置のみを記憶するように構成されていてもよい。制御部2は、第1の基準位置に対する第1の位置の第1のずれ量と、第3の基準位置に対する第3の位置の第3のずれ量のみを用いて、基板Wの位置ずれ量が、第1の期間及び第3の期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されていてもよい。
【0129】
第2の測定器CM2は、搬送モジュールVTMによって処理チャンバ10の外部から基板支持部11の上方の領域に基板Wが搬送される第2の期間における基板Wの第2の位置のみを取得するように構成されていてもよい。記憶部2a2は、第1の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第2の基準位置と、第3の位置と比較されるべき基板Wの予め定められた第3の基準位置のみを記憶するように構成されていてもよい。制御部2は、第2の基準位置に対する第2の位置の第2のずれ量と、第3の基準位置に対する第3の位置の第3のずれ量のみを用いて、基板Wの位置ずれ量が、第2の期間及び第3の期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されていてもよい。
【0130】
第2の測定器CM2は、真空チャンバVCHに接続されていてもよく、減圧チャンバDCH1,DCH2に接続されていてもよい。
【0131】
方法MTは、工程STaにおける基板Wの第1のずれ量が取得される工程STbと、工程STfにおける基板Wの第2のずれ量が取得される工程STgとの双方を含むが、工程STb又は工程STgの一方を含んでいればよい。
【0132】
図12に示す第2の特徴パターン72は、静電チャック51の複数の第2の凸部51dのパターンを反映し、且つ、基板に対する処理であるエッチング処理によって基板Wの上面に形成されるパターンを反映していてもよい。
図13に示す第2の特徴パターン72Aは、静電チャック51の複数のガス孔5cのパターンを反映し、且つ、基板に対する処理であるエッチング処理によって基板Wの上面に形成されるパターンを反映していてもよい。
図13に示す第2の特徴パターン72Bは、静電チャック51の複数のピン孔5dのパターンを反映し、且つ、基板に対する処理であるエッチング処理によって基板Wの上面に形成されるパターンを反映していてもよい。
図14に示す第2の特徴パターン72Cは、静電チャック51の第1の凸部51cのパターンを反映し、且つ、基板Wの上面に形成された堆積物Waのパターンを反映していてもよい。
【0133】
一実施形態において、第1の測定器CM1は、光学センサ81a,81bに代えて基板Wの画像を取得するように構成された画像センサを含んでいてもよい。一例において、第1の測定器CM1は、画像センサとして、撮像部60と同様の構成を含んでいてもよい。画像センサは、基板Wの搬送経路Pを含む視野を有する。画像センサは、ラインスキャンカメラであってもよい。画像センサの視野における搬送経路Pの方向と該ラインスキャンカメラの長手方向とは、互いに直交する。一実施形態において、第1の測定器CM1は、第1の期間での基板Wのエッジ70を反映した第1の特徴パターン71を第1の位置として取得してもよい。
【0134】
図21は、別の例示的実施形態に係る基板処理システムを示す図である。
図22は、別の例示的実施形態に係る別の第1の測定器を示す図である。
図21に示す基板処理システムPSは、第1の測定器CM1Aを備える。一実施形態において、第1の測定器CM1Aは、真空チャンバVCHに接続されている。
図21に示す例では、第1の測定器CM1Aは、真空チャンバVCHの短手方向に沿った縁部に沿って配置されている。第1の測定器CM1Aは、真空チャンバVCHの長手方向に沿った縁部に沿って配置されていてもよい。第1の測定器CM1Aは、真空チャンバVCHの内部に配置されていてもよい。
【0135】
一実施形態において、第1の測定器CM1Aは、複数の画像センサを含む。一例において、複数の画像センサは、ラインスキャンカメラ91,92,93から構成される。ラインスキャンカメラ91,92,93は、各々の長手方向が基準点OAにおいて交差するように配置される。
図22に示す例では、ラインスキャンカメラ91,92の各々の長手方向が成す角度d1、ラインスキャンカメラ92,93の各々の長手方向が成す角度d2、及びラインスキャンカメラ93,91の各々の長手方向が成す角度d3は、120度である。各ラインスキャンカメラ91,92,93は、基準点OAから等間隔に配置されている。各ラインスキャンカメラ91,92,93は、第1の測定器CM1Aの測定領域を通過する基板Wのエッジを撮像するように構成されている。
【0136】
図22に示す例では、基板Wは、切欠部Wnとしてオリエンテーションフラットを含んでいる。一実施形態において、ラインスキャンカメラ91,92,93は、切欠部Wnを避けるように配置されている。切欠部Wnと基準点OAとを結ぶ線と、切欠部Wnに最も近接したラインスキャンカメラ91と基準点OAとを結ぶ線とは、角度dを成す。角度dの大きさは、基板Wが第1の測定器CM1Aを通過する際にラインスキャンカメラ91が切欠部Wnを撮像しないように定められる。
【0137】
各ラインスキャンカメラ91,92,93は、基板Wのエッジの内側と基板Wのエッジの外側とを撮像する。ラインスキャンカメラ91,92,93が撮像した画像におけるエッジの内側(又はエッジの外側)のそれぞれの長さが互いに等しいときには、基板Wは、基準点OAと基板Wの中心位置とが重なるように位置している。制御部2は、ラインスキャンカメラ91,92,93が撮像した画像におけるエッジの内側のそれぞれの長さを第1の位置として取得してもよい。記憶部2a2は、基準点OAと基板Wの中心位置とが重なるときにラインスキャンカメラ91,92,93が撮像した画像におけるエッジの内側の長さを、第1の基準位置として記憶してもよい。
【0138】
ここで、本開示に含まれる種々の例示的実施形態を、以下の[E1]~[E19]に記載する。
【0139】
[E1]
処理チャンバ及び該処理チャンバ内に配置された基板支持部を有し、該基板支持部上の基板に対する処理を行うように構成されたプロセスモジュールと、
前記処理チャンバに接続された真空チャンバを有し、前記基板を搬送するように構成された搬送モジュールと、
前記搬送モジュールによって前記処理チャンバの外部から前記基板支持部の上方の領域に前記基板が搬送される第1の期間における該基板の第1の位置及び/又は該搬送モジュールによって該基板支持部の上方の該領域から該処理チャンバの外部に該基板が搬送される第2の期間における該基板の第2の位置を取得するように構成された第1の測定器と、
前記第1の期間と前記第2の期間との間の中間期間における前記基板支持部上での前記基板の第3の位置を取得するように構成された第2の測定器と、
前記第1の位置と比較されるべき前記基板の予め定められた第1の基準位置及び/又は前記第2の位置と比較されるべき該基板の予め定められた第2の基準位置、並びに前記第3の位置と比較されるべき該基板の予め定められた第3の基準位置を記憶するように構成された記憶部と、
前記第1の基準位置に対する前記第1の位置の第1のずれ量及び/又は前記第2の基準位置に対する前記第2の位置の第2のずれ量、並びに前記第3の基準位置に対する前記第3の位置の第3のずれ量を用いて、前記基板の位置ずれが、前記第1の期間及び/又は前記第2の期間、並びに前記中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成された制御部と、
を備える、基板処理システム。
【0140】
[E2]
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記基板の搬送条件を調整するように構成されている、E1に記載の基板処理システム。
【0141】
[E3]
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第3のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成されている、E1又はE2に記載の基板処理システム。
【0142】
[E4]
前記基板支持部は、
該基板支持部の上方の前記領域と該基板支持部上の領域との間で前記基板を昇降するように構成された複数のリフターピンと、
該基板支持部上に支持された前記基板を保持するための電圧が印加される静電電極を含んだ静電チャックと、を有し、
前記第3のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記複数のリフターピンの降下条件及び/又は前記基板の前記静電チャックへの静電吸着条件を含む、
E3に記載の基板処理システム。
【0143】
[E5]
前記搬送モジュールは、
その上に前記基板を支持するように構成されたエンドエフェクタと、
前記エンドエフェクタ上の前記基板を真空吸着するように構成された真空パッドと、を有し、
前記第3のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記真空パッドからの解放条件を含む、
E3又はE4に記載の基板処理システム。
【0144】
[E6]
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値以下であり、前記第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成され、
前記第2のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記静電チャックからの解放条件及び/又は前記複数のリフターピンの上昇条件を含む、
E4に記載の基板処理システム。
【0145】
[E7]
前記制御部は、前記第1のずれ量が閾値以下であり、前記第3のずれ量が閾値以下であり、前記第2のずれ量が閾値よりも大きい場合には、前記搬送条件及び/又は該第2のずれ量に関連付けられた制御パラメータを調整するように構成され、
前記第2のずれ量に関連付けられた前記制御パラメータは、前記基板の前記真空パッドへの真空吸着条件を含む、
E5に記載の基板処理システム。
【0146】
[E8]
前記第1の測定器は、少なくとも二つの光学センサ又は該基板の画像を取得するように構成された画像センサを含む、
E1~E7の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0147】
[E9]
前記第1の測定器は前記基板の中心位置を取得するように構成され、
前記第1の基準位置及び/又は第2の中心位置は、前記基板の中心位置で規定される、
E1~E8の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0148】
[E10]
前記第1の測定器は、前記真空チャンバ内に測定領域を提供し、該測定領域を通過する前記基板の位置を測定するように構成され、
前記搬送モジュールは、前記第1の期間のうち前記真空チャンバから前記処理チャンバに前記基板が搬送される期間及び/又は前記第2の期間のうち該処理チャンバから該真空チャンバに該基板が搬送される期間において、前記測定領域に該基板を通過させるように構成されている、
E1~E9の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0149】
[E11]
前記第2の測定器は、
前記基板の搬送経路を含む視野を有し、該基板の画像を取得するよう構成された撮像部と、
基板に対する処理が行われた前記基板の画像から、該基板の中心位置を反映するその中心を有する第1の特徴パターンを抽出し、且つ、基板に対する処理の実行時の前記基板支持部の中心位置を反映するその中心を有する第2の特徴パターンを抽出するように構成された抽出部と、
前記第1の特徴パターンと前記第2の特徴パターンとに基づいて、前記中間期間における前記基板支持部の位置と該基板支持部上での該基板の前記位置との間の位置関係を算出するよう構成された算出部と、を有する、
E1~E10の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0150】
[E12]
前記算出部は、前記第1の特徴パターンから特定される第1の中心位置と前記第2の特徴パターンから特定される第2の中心位置とに基づいて、基板に対する処理が行われる前記期間における前記基板支持部の前記中心位置と前記基板の前記中心位置との間の位置関係を算出するよう構成されている、
E11に記載の基板処理システム。
【0151】
[E13]
前記基板支持部は、環形状を有し基板支持面を構成する上面を有する第1の凸部、各々が該基板支持面を構成する上面を有し該第1の凸部の内側に配置された複数の第2の凸部、前記基板と該基板支持面との間の間隙に連通する複数のガス孔、及び該基板用の複数のリフターピンが挿入された複数のピン孔、からなる群から選択される少なくとも一つを含み、
前記第2の特徴パターンは、前記群から選択された前記少なくとも一つのパターンを反映している、
E11又はE12に記載の基板処理システム。
【0152】
[E14]
前記真空チャンバに接続された減圧チャンバを有するロードロックモジュールと、
前記減圧チャンバに接続された大気チャンバを有する大気搬送モジュールと、
を更に備え、
前記第2の測定器は、前記減圧チャンバ内又は前記大気チャンバ内に配置されている、
E1~E13の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0153】
[E15]
前記制御部は、前記基板に位置ずれが生じないよう調整する少なくとも一つの対策を作業者に提示し該少なくとも一つの対策のうち該作業者によって選択された対策を取得するように構成されたユーザインタフェースを有する、
E1~E14の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0154】
[E16]
該基板処理システムは、複数の基板を連続して処理するように構成され、
前記制御部は、前記複数の基板のうち少なくとも一つの基板に対して、前記基板の位置ずれが、前記第1の期間及び/又は前記第2の期間、並びに前記中間期間のうち何れの期間で生じたかを推定するように構成されている、
E1~E15の何れか一項に記載の基板処理システム。
【0155】
[E17]
(a)処理チャンバの外部から基板支持部の上方の領域に基板を搬送する工程と、
(b)前記基板支持部上の前記基板に対する処理を行う工程と、
(c)前記基板支持部の上方の前記領域から前記処理チャンバの外部に前記基板を搬送する工程と、
(d)前記(a)の工程における前記基板の第1の位置ずれ量及び/又は前記(c)の工程における該基板の第2の位置ずれ量を取得する工程と、
(d)前記(b)の工程における前記基板支持部上での前記基板の第3の位置ずれ量を取得する工程と、
(e)前記第1のずれ量及び/又は前記第2のずれ量、並びに前記第3のずれ量を用いて、前記基板の位置ずれが、前記(a)の工程及び/又は前記(c)の工程、並びに前記(b)の工程のうち何れで生じたかを推定する工程と、を備える、
基板処理方法。
【0156】
[E18]
E17に記載の基板処理方法を基板処理システムによって実行させるよう、該基板処理システムのコンピュータによって実行されるプログラム。
【0157】
[E19]
E18に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【0158】
E17に記載の基板処理方法は、E1~E16の何れか一項に記載の基板処理システムによって実行されてもよい。
【符号の説明】
【0159】
2…制御部、W…基板、2a…コンピュータ、2a2…記憶部、2b1…抽出部、2b2…算出部、5c…複数のガス孔、5d…複数のピン孔、5e…複数のリフターピン、7,7A,7C,7D,7E…画像、10…処理チャンバ、11…基板支持部、71a…第1の中心位置、72a…第2の中心位置、51…静電チャック、51b…静電電極、51c…第1の凸部、51d…第2の凸部、60,65…撮像部、71,72,72A,72B,72C,72D…特徴パターン、75c,75d,751c,751d…パターン、81a,81b…光学センサ、ACH…大気チャンバ、CM1,CM1A…第1の測定器、CM2…第2の測定器、DCH1,DCH2…減圧チャンバ、FK11,FK12…エンドエフェクタ、LL1,LL2…ロードロックモジュール、P…搬送経路、PM1~PM6…プロセスモジュール、PS…基板処理システム、TM…搬送モジュール、VCH…真空チャンバ。