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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017801
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】検体測定システムおよび試薬供給装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20250130BHJP
   G01N 1/31 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
G01N35/10 A
G01N1/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】37
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121060
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】塩見 太朗
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 俊邦
(72)【発明者】
【氏名】濱田 雄一
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
【Fターム(参考)】
2G052AA30
2G052AB16
2G052AD26
2G052DA07
2G052FA10
2G052GA11
2G052HA19
2G052HB04
2G052HC10
2G058CA02
2G058CB15
2G058EA14
2G058GA01
2G058GB10
2G058GC02
2G058GC05
2G058GC06
2G058GD07
2G058GE10
(57)【要約】
【課題】大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる検体測定システムおよび試薬供給装置を提供する。
【解決手段】検体測定システムは、複数の検体測定装置と、第1試薬が収容された複数の試薬容器60の夫々と接続された配管210と、配管210を介して移送された第1試薬を貯留する試薬貯留部201と、第2試薬が収容された複数の試薬容器60の夫々と接続された配管210と、配管210を介して移送された第2試薬を貯留する試薬貯留部201と、を備える試薬供給装置50と、を含む。試薬貯留部201に貯留された第1試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給され、試薬貯留部201に貯留された第2試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1試薬および前記第1試薬とは異なる種類の第2試薬を用いて検体を測定する複数の検体測定装置と、
前記第1試薬が収容された複数の第1試薬容器の夫々と接続された第1配管と、前記第1配管を介して移送された前記第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、前記第2試薬が収容された複数の第2試薬容器の夫々と接続された第2配管と、前記第2配管を介して移送された前記第2試薬を貯留する第2試薬貯留部と、を備える試薬供給装置と、を含み、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、検体測定システム。
【請求項2】
前記第1配管を介して、前記複数の第1試薬容器に収容された前記第1試薬の夫々を前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2配管を介して、前記複数の第2試薬容器に収容された前記第2試薬の夫々を前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、をさらに備える、請求項1に記載の検体測定システム。
【請求項3】
前記第1試薬移送部は、
一の前記第1試薬容器から他の前記第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替える第1切替部と、
前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路に前記第1試薬を送液する第1送液部と、を含み、
前記第2試薬移送部は、
一の前記第2試薬容器から他の前記第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替える第2切替部と、
前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路に前記第2試薬を送液する第2送液部と、を含む、請求項2に記載の検体測定システム。
【請求項4】
前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬の供給状態を検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬の供給状態を検出する第2検出部と、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の第1検出結果に基づき、前記一の第1試薬容器から前記他の第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替えるように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出部の第2検出結果に基づき、前記一の第2試薬容器から前記他の第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替えるように前記第2試薬移送部を制御する、請求項3に記載の検体測定システム。
【請求項5】
前記制御部は、
前記第1検出結果に基づき、前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路を介して前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出結果に基づき、前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路を介して前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項4に記載の検体測定システム。
【請求項6】
前記第1検出部は、前記第1試薬貯留部内に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2試薬貯留部内に設けられている、請求項4に記載の検体測定システム。
【請求項7】
前記第1検出部は、前記第1配管に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2配管に設けられている、請求項4または6に記載の検体測定システム。
【請求項8】
前記第1配管が複数の第1流路を含み、
前記第2配管が複数の第2流路を含み、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の第1流路のうち、空になった一の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用されない流路に前記第1試薬が貯留するよう前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記複数の第2流路のうち、空になった一の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用されない流路に前記第2試薬が貯留するよう前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項2に記載の検体測定システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1試薬を貯留させる前記制御において、前記第1試薬移送部に、前記他の第1試薬容器から前記一の第1試薬容器に前記第1試薬を移送させ、
前記第2試薬を貯留させる前記制御において、前記第2試薬移送部に、前記他の第2試薬容器から前記一の第2試薬容器に前記第2試薬を移送させる、請求項8に記載の検体測定システム。
【請求項10】
前記制御部は、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項8に記載の検体測定システム。
【請求項11】
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項8に記載の検体測定システム。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項11に記載の検体測定システム。
【請求項13】
前記試薬供給装置は、前記第1試薬および前記第2試薬とは異なる種類の第3試薬が収容された複数の第3試薬容器の夫々と接続された第3配管を介して移送された前記第3試薬を貯留する第3試薬貯留部をさらに備え、
前記第3試薬貯留部に貯留された前記第3試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、請求項1に記載の検体測定システム。
【請求項14】
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置をさらに含み、
前記複数の検体測定装置の夫々は、前記検体中の血球成分を測定する血球測定装置であり、前記血球測定装置が、前記第1試薬および前記第2試薬の夫々を用いて前記検体中の血球成分を測定し、
前記塗抹標本作製装置は、前記第3試薬を用いて前記検体の塗抹標本を作製する、請求項13に記載の検体測定システム。
【請求項15】
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置と、
前記検体を収容した複数の検体容器を保持可能なラックを搬送する搬送装置と、をさらに含み、
前記搬送装置は、前記複数の検体測定装置および前記塗抹標本作製装置の夫々に前記ラックを搬送するように構成されている、請求項1に記載の検体測定システム。
【請求項16】
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、
制御部と、
表示部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第1試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させ、
前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第2試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の検体測定システム。
【請求項17】
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、前記表示部に前記測定動作が停止したことを示す情報を表示させる、請求項16に記載の検体測定システム。
【請求項18】
前記表示部を複数備え、
前記制御部は、前記試薬切れが生じたことを示す情報を前記複数の表示部のいずれかに表示させる、請求項16に記載の検体測定システム。
【請求項19】
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、
制御部と、
警告灯と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したこと、または、前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、第1の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項1に記載の検体測定システム。
【請求項20】
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、第2の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項19に記載の検体測定システム。
【請求項21】
仕切り部材により内部が上部領域と下部領域とに分割された筐体をさらに備え、
前記上部領域には、電気回路を含む基板が設けられ、
前記下部領域には、前記第1配管、前記第1試薬貯留部、前記第2配管、前記第2試薬貯留部、前記第1検出部および前記第2検出部が設けられている、請求項4に記載の検体測定システム。
【請求項22】
試薬を用いて検体を測定する検体測定装置と、
前記試薬が収容された複数の試薬容器の夫々と接続され、複数の流路を備えた配管と、
前記配管を介して移送され、前記複数の試薬容器の夫々に収容された前記試薬を貯留する試薬貯留部と、
前記複数の流路のうち、空になった一の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用されない流路に前記試薬を貯留するように前記試薬を移送する試薬移送部と、を含み、
前記試薬貯留部に貯留された前記試薬は、前記検体測定装置に供給される、検体測定システム。
【請求項23】
第1試薬が収容された複数の第1試薬容器の夫々と接続された第1配管と、
前記第1配管を介して移送され、前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、
前記第1試薬とは異なる種類の第2試薬が収容された複数の第2試薬容器の夫々と接続された第2配管と、
前記第2配管を介して移送され、前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬を貯留する第2試薬貯留部と、を備え、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、試薬供給装置。
【請求項24】
前記第1配管を介して、前記複数の第1試薬容器に収容された前記第1試薬の夫々を前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2配管を介して、前記複数の第2試薬容器に収容された前記第2試薬の夫々を前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、をさらに備える、請求項23に記載の試薬供給装置。
【請求項25】
前記第1試薬移送部は、
一の前記第1試薬容器から他の前記第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替える第1切替部と、
前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路に前記第1試薬を送液する第1送液部と、を備え、
前記第2試薬移送部は、
一の前記第2試薬容器から他の前記第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替える第2切替部と、
前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路に前記第2試薬を送液する第2送液部と、を含む、請求項24に記載の試薬供給装置。
【請求項26】
前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬の供給状態を検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬の供給状態を検出する第2検出部と、を備え、
前記第1検出部の第1検出結果に基づき、前記一の前記第1試薬容器から前記他の第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替えるように前記第1試薬移送部が制御され、
前記第2検出部の第2検出結果に基づき、前記一の前記第2試薬容器から前記他の第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替えるように前記第2試薬移送部が制御される、請求項25に記載の試薬供給装置。
【請求項27】
前記第1検出結果に基づき、前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路を介して前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部が制御され、
前記第2検出結果に基づき、前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路を介して前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部が制御される、請求項26に記載の試薬供給装置。
【請求項28】
前記第1検出部は、前記第1試薬貯留部内に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2試薬貯留部内に設けられている、請求項26に記載の試薬供給装置。
【請求項29】
前記第1検出部は、前記第1配管に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2配管に設けられている、請求項26または28に記載の試薬供給装置。
【請求項30】
前記第1配管が複数の第1流路を含み、
前記第2配管が複数の第2流路を含み、
前記複数の第1流路のうち、空になった一の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用されない流路に前記第1試薬が貯留するよう前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部が制御され、
前記複数の第2流路のうち、空になった一の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用されない流路に前記第2試薬が貯留するよう前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部が制御される、請求項24に記載の試薬供給装置。
【請求項31】
前記第1試薬を貯留させる前記制御において、前記第1試薬移送部が、前記他の第1試薬容器から前記一の第1試薬容器に前記第1試薬を移送するよう制御され、
前記第2試薬を貯留させる前記制御において、前記第2試薬移送部が、前記他の第2試薬容器から前記一の第2試薬容器に前記第2試薬を移送するよう制御される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【請求項32】
前記試薬供給装置の終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御が実行され、
前記試薬供給装置の終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御が実行される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【請求項33】
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、を備え、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定されたことに応じて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御が実行され、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定されたことに応じて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御が実行される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【請求項34】
前記第1試薬および前記第2試薬とは異なる種類の第3試薬が収容された複数の第3試薬容器の夫々と接続された第3配管と、
前記第3配管を介して移送され、前記複数の第3試薬容器の夫々に収容された前記第3試薬を貯留する第3試薬貯留部と、をさらに備え、
前記第3試薬貯留部に貯留された前記第3試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、請求項23に記載の試薬供給装置。
【請求項35】
前記第1試薬および前記第2試薬の夫々は、前記検体中の血球成分を測定する血球測定装置に用いられる試薬であり、
前記第3試薬は、前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置に用いられる試薬である、請求項34に記載の試薬供給装置。
【請求項36】
仕切り部材により内部が上部領域と下部領域とに分割された筐体を備え、
前記上部領域には、電気回路を含む基板が設けられ、
前記下部領域には、前記第1配管、前記第1試薬貯留部、前記第2配管、前記第2試薬貯留部、前記第1検出部および前記第2検出部が設けられている、請求項26に記載の試薬供給装置。
【請求項37】
試薬が収容された複数の試薬容器の夫々と接続され、複数の流路を備えた配管と、
前記配管を介して移送され、前記複数の試薬容器の夫々に収容された前記試薬を貯留する試薬貯留部と、
前記複数の流路のうち、空になった一の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用されない流路に前記試薬を貯留するように前記試薬を移送する試薬移送部と、を備え、
前記試薬貯留部に貯留された前記試薬は、検体測定装置に供給される、試薬供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体測定システムおよび試薬供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの検体測定では、試薬を用いて検体が測定される。検体測定中に試薬が不足すると検体測定を継続できなくなるため、試薬が不足した場合には、ユーザが空になった試薬容器を新しい試薬容器に交換している。例えば、特許文献1には、複数の液体容器を備えた試薬ステーションと、複数の液体容器と接続されたバッファチャンバと、バッファチャンバと接続されると共に通気された供給チャンバと、を備えたシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2009-511818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のシステムでは、単一の種類の複数の液体容器を備えた試薬ステーションを用いることにより、測定中に試薬が不足しにくくなっている。しかしながら、特許文献1のシステムでは、複数種類の試薬を大量に消費する大規模施設(例えば、特定機能病院や検査センターなど)における試薬交換のユーザ負担については考慮されていない。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる検体測定システムおよび試薬供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の検体測定システム(1)は、第1試薬および第1試薬とは異なる種類の第2試薬を用いて検体を測定する複数の検体測定装置(32-L、32-R)と、第1試薬が収容された複数の第1試薬容器(60)の夫々と接続された第1配管(210)と、第1配管(210)を介して移送された第1試薬を貯留する第1試薬貯留部(201)と、第2試薬が収容された複数の第2試薬容器(60)の夫々と接続された第2配管(210)と、第2配管(210)を介して移送された第2試薬を貯留する第2試薬貯留部(201)と、を備える試薬供給装置(50)と、を含む。第1試薬貯留部(201)に貯留された第1試薬は、複数の検体測定装置(32-L、32-R)の夫々に供給され、第2試薬貯留部(201)に貯留された第2試薬は、複数の検体測定装置(32-L、32-R)の夫々に供給される。
【0007】
本発明の検体測定システムによれば、各々の種類の試薬容器に試薬切れが生じた場合に、しばらくは第1試薬貯留部または第2試薬貯留部からの試薬供給が可能となり、ユーザは、直ちに試薬交換を行わなくてよく、ユーザの都合の良いタイミングで、試薬切れが生じた試薬容器を新しい試薬容器に交換できる。このため、試薬交換に対するユーザの監視負担および試薬交換の頻度を軽減できる。よって、大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【0008】
本発明の検体測定システム(1)は、試薬を用いて検体を測定する検体測定装置(32-L、32-R)と、試薬が収容された複数の試薬容器(60)の夫々と接続され、複数の流路(211~218、214a、214b)を備えた配管(210)と、配管(210)を介して移送され、複数の試薬容器(60)の夫々に収容された試薬を貯留する試薬貯留部(201)と、複数の流路(211~218、214a、214b)のうち、空になった一の試薬容器(60)からの試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器(60)からの試薬の移送に使用されない流路に試薬を貯留するように試薬を移送する試薬移送部(241、242、251、252、253)と、を含む。試薬貯留部(201)に貯留された試薬は、検体測定装置(32-L、32-R)に供給される。
【0009】
本発明の検体測定システムによれば、空になった試薬容器に繋がる流路に試薬が貯留されることにより、配管内において、組成物の析出や詰まりを防止できる。
【0010】
本発明の試薬供給装置(50)は、第1試薬が収容された複数の第1試薬容器(60)の夫々と接続された第1配管(210)と、第1配管(210)を介して移送され、複数の第1試薬容器(60)の夫々に収容された第1試薬を貯留する第1試薬貯留部(201)と、第1試薬とは異なる種類の第2試薬が収容された複数の第2試薬容器(60)の夫々と接続された第2配管(210)と、第2配管(210)を介して移送され、複数の第2試薬容器(60)の夫々に収容された第2試薬を貯留する第2試薬貯留部(201)と、を備える。第1試薬貯留部(201)に貯留された第1試薬は、複数の検体測定装置(32-L、32-R)の夫々に供給され、第2試薬貯留部(201)に貯留された第2試薬は、複数の検体測定装置(32-L、32-R)の夫々に供給される。
【0011】
本発明の試薬供給装置は、複数の第1試薬容器からの第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、複数の第2試薬容器からの第2試薬を貯留する第2試薬貯留部とを含んでおり、第1試薬貯留部の第1試薬および第2試薬貯留部の第2試薬が、複数の検体測定装置に供給される。これにより、各々の種類の試薬容器に試薬切れが生じた場合に、ユーザは、直ちに試薬交換を行わなくてよく、ユーザの都合の良いタイミングで、試薬切れが生じた試薬容器を新しい試薬容器に交換できる。このため、試薬交換に対するユーザの監視負担および試薬交換の頻度を軽減できる。よって、大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【0012】
本発明の試薬供給装置(50)は、試薬が収容された複数の試薬容器(60)の夫々と接続され、複数の流路(211~218、214a、214b)を備えた配管(210)と、配管(210)を介して移送され、複数の試薬容器(60)の夫々に収容された試薬を貯留する試薬貯留部(201)と、複数の流路(211~218、214a、214b)のうち、空になった一の試薬容器(60)からの試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器(60)からの試薬の移送に使用されない流路に試薬を貯留するように試薬を移送する試薬移送部(241、242、251、252、253)と、を備える。試薬貯留部(201)に貯留された試薬は、検体測定装置(32-L、32-R)に供給される。
【0013】
本発明の試薬供給装置によれば、空になった試薬容器に繋がる流路に試薬が貯留されることにより、配管内において、組成物の析出や詰まりを防止できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態1に係る、検体測定システムの構成を模式的に示す斜視図である。
図2図2は、実施形態1に係る、ラックおよび容器の構成を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態1に係る、検体測定システムの各装置の通信接続の構成およびラックの移送経路を模式的に示す平面図である。
図4図4は、実施形態1に係る、4つの検体分析装置と、4つの収納部と、収納部内に配置される構成とを模式的に示す正面図である。
図5図5は、実施形態1に係る、試薬および純水の移送経路を模式的に示す流体回路図である。
図6図6は、実施形態1に係る、試薬供給装置の構成を模式的に示す正面図である。
図7図7は、実施形態1に係る、試薬供給装置および中継装置の流体回路の構成を模式的に示す図である。
図8図8は、実施形態1に係る、試薬容器RC1から試薬貯留部への試薬の移送動作を示す図である。
図9図9は、実施形態1に係る、試薬容器RC2から試薬貯留部への試薬の移送動作を示す図である。
図10図10は、実施形態1に係る、試薬容器RC1に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。
図11図11は、実施形態1に係る、試薬容器RC2に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。
図12図12は、実施形態1に係る、配管全体に対して行われる貯留動作を示す図である。
図13図13は、実施形態1に係る、中継装置の中継構成による試薬の移送動作を示す図である。
図14図14は、実施形態1に係る、制御装置C1の表示入力部に表示される画面を模式的に示す図である。
図15図15は、実施形態1に係る、試薬容器の交換の際の試薬情報領域の表示内容を模式的に示す図である。
図16図16は、実施形態1に係る、制御装置C2の表示入力部に表示される画面を模式的に示す図である。
図17図17は、実施形態1に係る、組となる2つの試薬容器の一方で試薬切れが生じたときの、制御装置C1の表示入力部に表示される画面を模式的に示す図である。
図18図18は、実施形態1に係る、組となる2つの試薬容器の両方で試薬切れが生じたときの、制御装置C1の表示入力部に表示される画面を模式的に示す図である。
図19図19は、実施形態1に係る、組となる2つの試薬容器の両方で試薬切れが生じたときの、制御装置C2の表示入力部に表示される画面を模式的に示す図である。
図20図20は、実施形態1に係る、組となる2つの試薬容器の試薬残量が少なくなった場合の、制御装置C1の表示入力部に表示される画面の表示内容を模式的に示す図である。
図21図21は、実施形態1に係る、検体分析装置および試薬供給装置の機能構成を示すブロック図である。
図22図22は、実施形態1に係る、塗抹標本作製装置および投入装置の機能構成を示すブロック図である。
図23図23は、実施形態1に係る、投入装置の制御部による起動および終了に関する処理を示すフローチャートである。
図24図24は、実施形態1に係る、制御装置C1、C2の制御部による起動に関する処理を示すフローチャートである。
図25図25は、実施形態1に係る、制御装置C1、C2の制御部による終了に関する処理を示すフローチャートである。
図26図26は、実施形態1に係る、制御装置C1、C2の制御部による測定に関する処理を示すフローチャートである。
図27図27は、実施形態1に係る、制御装置C1の制御部による試薬供給装置に関する処理を示すフローチャートである。
図28図28は、実施形態1に係る、制御装置C2の制御部による試薬切れに基づく測定の停止処理を示すフローチャートである。
図29図29は、実施形態1に係る、制御装置C1の制御部による試薬交換に関する表示処理を示すフローチャートである。
図30図30は、実施形態1に係る、制御装置C1の制御部による試薬交換に関する警告表示処理を示すフローチャートである。
図31図31は、実施形態1に係る、制御装置C1の制御部による試薬供給装置のスタートアップ動作およびシャットダウン動作の処理を示すフローチャートである。
図32図32は、実施形態2に係る、試薬供給装置の流体回路の構成を模式的に示す図である。
図33図33は、実施形態2に係る、試薬容器RC1に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。
図34図34は、実施形態3に係る、検体測定システムの構成を模式的に示す正面図である。
図35図35は、実施形態3に係る、制御装置C1の制御部による警告灯の点灯処理を示すフローチャートである。
図36図36は、実施形態3に係る、警告灯が第1の報知形態で点灯制御されたときの、検体測定システムの構成を模式的に示す正面図である。
図37図37は、実施形態3に係る、警告灯が第2の報知形態で点灯制御されたときの、検体測定システムの構成を模式的に示す正面図である。
図38図38は、実施形態4に係る、試薬供給装置の構成を模式的に示す正面図である。
図39図39は、実施形態5に係る、検体処理システムの構成を模式的に示す斜視図である。
図40図40は、実施形態5に係る、試薬および純水の移送経路を模式的に示す流体回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
図1は、検体測定システム1の構成を模式的に示す斜視図である。
【0017】
図1には、前後左右上下の方向が示されている。左方向は、検体測定システム1の下流方向であり、右方向は、検体測定システム1の上流方向である。ユーザは、前方側から検体測定システム1に対してアクセスする。
【0018】
検体測定システム1は、検体を測定および処理するシステムである。検体は、被検者から採取した全血である。検体測定システム1は、収納部11と、4つの収納部12と、2つの収納部13と、2つの収納部14と、収納部15と、投入装置21と、4つの搬送装置22と、2つの搬送装置23と、2つの搬送装置24と、回収装置25と、搬送コントローラ26と、純水装置27と、4つの検体分析装置30と、2つの塗抹標本作製装置41と、2つの撮像装置42と、試薬供給装置50と、を備える。この他、検体測定システム1は、図5を参照して後述するように、10台の中継装置70と、5台の希釈装置80と、を備える。
【0019】
収納部11、4つの収納部12、2つの収納部13、2つの収納部14、および収納部15は、内部に物品を収納できるワゴンである。各収納部は、左右方向に隣接して直線状に配置されている。投入装置21は、収納部11の上部に設置されており、搬送装置22、23、24は、それぞれ、収納部12、13、14の上部に設置されており、回収装置25は、収納部15の上部に設置されており、検体分析装置30は、収納部12の上部に設置されており、塗抹標本作製装置41および撮像装置42は、それぞれ、収納部13、14の上部に設置されている。搬送コントローラ26、純水装置27および試薬供給装置50は、収納部11~15の後方に配置されている。
【0020】
投入装置21、搬送装置22、23、24、および回収装置25は、検体容器110を保持したラック100を搬送する装置である。
【0021】
図2は、ラック100および検体容器110の構成を示す斜視図である。
【0022】
ラック100は、検体容器110を保持できる10個の穴101と、バーコードラベル102と、を備える。バーコードラベル102は、ラック100の後方側の面に貼り付けられている。バーコードラベル102には、ラック100を個別に識別可能な識別情報として、ラックIDを示すバーコードが印刷されている。
【0023】
検体容器110は、胴部111と、バーコードラベル112と、蓋部113と、を備える。胴部111は、上端が開放された管状容器であり、内部に検体を収容する。バーコードラベル112は、胴部111の側面に貼り付けられている。バーコードラベル112には、内部の検体を個別に識別可能な識別情報として、検体IDを示すバーコードが印刷されている。蓋部113は、胴部111の内部を密封するよう胴部111の上端に設置されている。
【0024】
図1に戻り、ユーザにより投入装置21に載置されたラック100は、搬送装置22~24により検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41に搬送され、最終的に回収装置25に回収される。
【0025】
検体分析装置30は、制御装置31と、検体測定装置32-Lと、検体測定装置32-Rと、を備える。検体測定装置32-L、32-Rは、左右に並んで配置されており、互いに同じ構成を有する。検体測定装置32-L、32-Rは、検体中の血球成分を測定して測定データを生成する血球測定装置である。制御装置31は、検体測定装置32-L、32-Rで得られた測定データに基づいて、検体中の血球を計数する装置である。
【0026】
塗抹標本作製装置41は、検体から塗抹標本を作製する装置である。塗抹標本作製装置41と撮像装置42との間には塗抹標本を移送するための機構が設けられており、塗抹標本作製装置41で作製された塗抹標本は、当該機構を介して撮像装置42に移送される。撮像装置42は、塗抹標本作製装置41で作成された塗抹標本を撮像する装置である。
【0027】
投入装置21には、検体測定システム1を起動させるための起動ボタン21aと、検体測定システム1を終了させるための終了ボタン21bとが設けられている。
【0028】
図3は、検体測定システム1の各装置の通信接続の構成およびラック100の移送経路を模式的に示す平面図である。
【0029】
図3では、便宜上、イーサネット規格に基づく通信ケーブルが一点鎖線で示されており、USB規格に基づく通信ケーブルが破線で示されている。
【0030】
制御装置31、塗抹標本作製装置41および搬送コントローラ26は、イーサネット規格に基づいて互いに通信可能に接続されている。投入装置21、搬送装置22~24および回収装置25は、イーサネット規格に基づいて互いに通信可能に接続されている。1台の制御装置31は、対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rおよび1台の搬送装置22と、USB規格に基づいて通信可能に接続されている。
【0031】
また、4つの検体分析装置30のうち、最も左側に配置された検体分析装置30の制御装置31と、試薬供給装置50とは、USB規格に基づいて互いに通信可能に接続されている。以下、便宜上、試薬供給装置50が接続された制御装置31を、「制御装置C1」と称し、制御装置C1以外の3台の制御装置31を、それぞれ「制御装置C2」と称する。
【0032】
投入装置21に載置されたラック100の移送経路(図3の実線矢印)は、検体に設定された測定オーダに基づいて選択される。これにより、検体容器110を保持するラック100は、搬送装置22により検体測定装置32-L、32-Rに搬送され、搬送装置23により塗抹標本作製装置41に搬送され、最終的に回収装置25に回収される。
【0033】
図4は、4つの検体分析装置30と、4つの収納部12と、収納部12内に配置される構成とを模式的に示す正面図である。図4では、便宜上、収納部12の内部が透視状態で示されている。
【0034】
制御装置31は、本体31aおよび表示入力部31bを備える。本体31aは、収納部12内に設置されており、表示入力部31bは、搬送装置22の上方に配置されている。表示入力部31bは、例えば、タッチパネル式のディスプレイである。
【0035】
各収納部12は、内部に、1台の本体31aと、複数の試薬容器60と、2台の中継装置70と、1台の希釈装置80と、を収容している。収納部12は、前方に開閉可能に構成されており、ユーザは、収納部12の前方を開けて内部の試薬容器60を交換できる。実施形態1では、4つの収納部12内に、検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41での処理に用いるための、7種類の計14個の試薬容器60が配置されている。
【0036】
具体的には、4つの収納部12内には、濃縮リン酸緩衝液(以下、「CPB試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、セルパック(登録商標)DST(以下、「DST試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、ライザセル(登録商標)WNR(以下、「WNR試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、セルパック(登録商標)DFL(以下、「DFL試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、スルホライザ(登録商標)(以下、「SLS試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、ライザセル(登録商標)WPC(以下、「WPC試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ、およびライザセル(登録商標)WDF II(以下、「WDF試薬」と称する)を収容した試薬容器60が2つ配置されている。
【0037】
14個の試薬容器60は、内部の試薬が試薬供給装置50(図1参照)との間で送液可能となるよう、試薬供給装置50に接続されている。また、各中継装置70は、試薬供給装置50から試薬を受け付け、受け付けた試薬を対応する検体測定装置32-L、32-Rに移送可能となるよう、試薬供給装置50および検体測定装置32-L、32-Rに接続されている。各希釈装置80は、試薬供給装置50から試薬を受け付け、純水装置27から純水を受け付け、受け付けた試薬および純水を対応する検体測定装置32-L、32-Rに移送可能となるよう、試薬供給装置50、検体測定装置32-L、32-Rおよび純水装置27に接続されている。
【0038】
なお、2台の塗抹標本作製装置41が設置された2台の収納部13(図1参照)は、内部に1台の希釈装置80を収納している。検体測定装置32-L、32-Rは、内部に、5種類の染色液をそれぞれ収容した5つの試薬容器を収容している。
【0039】
検体測定装置32-L、32-Rは、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬、WDF試薬、純水で希釈されたDST試薬、および5種類の染色液を適宜用いて、検体の測定を行う。塗抹標本作製装置41は、CPB試薬、純水で希釈されたDST試薬、純水、および染色液を用いて、塗抹標本を作製する。
【0040】
図5は、試薬および純水の移送経路を模式的に示す流体回路図である。
【0041】
図5には、試薬および純水が通る流路が実線で示されており、流路が交わる部分には、黒の丸印が付されている。また、流路に対する試薬供給装置50の設置位置が、破線で示されている。試薬供給装置50の構成については、追って図6、7を参照して説明する。
【0042】
各検体測定装置32-Lには1つの中継装置70が接続されており、各検体測定装置32-Rには1つの中継装置70が接続されている。組となる2つの検体測定装置32-L、32-Rには、1台の希釈装置80が接続されており、2つの塗抹標本作製装置41には、1台の希釈装置80が接続されている。
【0043】
中継装置70は、距離の離れた2つの装置の間で、流体の移送を容易にするための装置である。中継装置70の構成については、追って、図7を参照して説明する。検体測定装置32-L、32-Rに接続された各中継装置70は、試薬供給装置50を介して、WNR試薬を収容した2つの試薬容器60と、DFL試薬を収容した2つの試薬容器60と、SLS試薬を収容した2つの試薬容器60と、WPC試薬を収容した2つの試薬容器60と、WDF試薬を収容した2つの試薬容器60と、に接続されている。検体測定装置32-L、32-Rは、中継装置70を介して、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬およびWDF試薬を吸引する。塗抹標本作製装置41に接続された各中継装置70は、純水装置27に接続されている。塗抹標本作製装置41は、純水装置27から純水を吸引する。
【0044】
希釈装置80は、純水を用いてDST試薬を希釈するための装置である。各希釈装置80は、試薬供給装置50を介してDST試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、さらに純水装置27に接続されている。検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41は、希釈装置80を介して、希釈されたDST試薬を吸引する。
【0045】
また、各塗抹標本作製装置41は、試薬供給装置50を介してCPB試薬を収容した2つの試薬容器60と接続されており、試薬供給装置50を介してCPB試薬を吸引する。
【0046】
図6は、試薬供給装置50の構成を模式的に示す正面図である。図6では、便宜上、試薬供給装置50の内部が透視状態で示されている。
【0047】
試薬供給装置50は、筐体51と、仕切り部材52と、回路基板53と、7つの供給部200と、を備える。筐体51の内部は、水平面に平行な仕切り部材52によって、上部領域51aと下部領域51bとに分割されている。回路基板53は上部領域51aに配置されており、7つの供給部200は下部領域51bに配置されている。供給部200は、対応する試薬を貯留するための試薬貯留部201を備えている。各試薬貯留部201には、同一種類の試薬を収容した2つの試薬容器60が接続されており、同一種類の試薬を収容した2つの試薬容器60に共通化されている。
【0048】
図6に示す例では、最も左側の試薬貯留部201は、CPB試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、CPB試薬を貯留する。左から2番目の試薬貯留部201は、DST試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、DST試薬を貯留する。左から3番目の試薬貯留部201は、WNR試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、WNR試薬を貯留する。左から4番目の試薬貯留部201は、DFL試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、DFL試薬を貯留する。左から5番目の試薬貯留部201は、SLS試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、SLS試薬を貯留する。左から6番目の試薬貯留部201は、WPC試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、WPC試薬を貯留する。最も右側の試薬貯留部201は、WDF試薬を収容した2つの試薬容器60に接続されており、WDF試薬を貯留する。
【0049】
図7から図13を用いて、試薬供給装置50および中継装置70の流体回路の構成と動作を説明する。
【0050】
図5、6に示したように、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬およびWDF試薬をそれぞれ供給する5つの供給部200は、いずれも8台の中継装置70に接続されている。中継装置70は、5種類の試薬を取り扱うため、その内部には5つの中継構成70aを備える。図7は、説明の簡略化のため、WNR試薬を供給する供給部200と、WNR試薬を中継する1つの中継装置70との接続を模式的に示している。他の試薬を取り扱う供給部200と中継装置70との関係は、実質的にWNR試薬の場合と同じであるので、説明を省略する。
【0051】
なお、図5、6に示したように、DST試薬を供給する供給部200は、5台の希釈装置80に接続されている。CPB試薬を供給する供給部200は、2台の塗抹標本作製装置41に接続されている。これらの供給部200も、図7に示すWNR試薬を供給する供給部200と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0052】
以下、供給部200に接続される同一種類の2つの試薬容器60を、「試薬容器RC1」および「試薬容器RC2」と称する。
【0053】
供給部200は、試薬貯留部201と、配管210と、管221、222と、気泡監視センサ231、232と、切替部241、242と、送液部251と、切替部252と、を備える。
【0054】
試薬貯留部201は、内部が密閉されたチャンバであり、試薬を一時的に貯留するものである。試薬貯留部201は、フロートセンサ201aと、大気孔201bと、を備える。フロートセンサ201aは、試薬貯留部201内に貯留された試薬が、満水状態であるか否かを検出するためのセンサである。大気孔201bは、試薬貯留部201の内部の空気を外部に開放するための孔である。
【0055】
実施形態1の試薬貯留部201の容量は、240mL~300mL程度である。実施形態1では、例えば、DST試薬を貯留する試薬貯留部201において、試薬容器60からのDST試薬の補充がないとすると、満水状態から空状態に至るまでの時間は、最短で8分程度である。
【0056】
配管210は、流路211~216により構成されている。管221、222は、例えば、硬い樹脂材料からなる管であり、流路211~216は、柔らかい樹脂材料からなる管である。管221、222の径(例えば、内径4mm)は比較的大きく、流路211~216の径(例えば、内径2.4mm)は比較的小さい。
【0057】
流路211の一端は、管221に接続されており、流路211の他端は、交差部211aにおいて流路213、215に接続されている。流路212の一端は、管222に接続されており、流路212の他端は、交差部212aにおいて流路213、214に接続されている。流路213の一端および他端は、それぞれ、交差部211a、212aに接続されている。流路214の一端は、送液部251に接続されており、流路214の他端は、交差部212aに接続されている。流路215の一端は、交差部211aに接続されており、流路215の他端は、試薬貯留部201の上端から試薬貯留部201の内部に接続されている。流路216の一端は、試薬貯留部201の下端で試薬貯留部201の内部に接続されており、流路216の他端は、中継装置70の流路311に接続されている。
【0058】
試薬容器RC1の交換時に、管221は、試薬切れの試薬容器RC1から抜き取られ、新しい試薬容器RC1の上部から挿入される。これにより、管221の下端が、試薬容器RC1の内部の底面付近に位置付けられる。気泡監視センサ231および切替部241は、流路211に配置されている。気泡監視センサ231は、透過型の光電センサおよびプリズムを備え、プリズムを用いて流路211からの光を受光して流路211内の気泡を監視するためのセンサである。気泡監視センサ231は、流路211を通る試薬の有無を検出し、検出信号を検出結果として出力する。切替部241は、流路211を試薬が通過する状態(開状態)および試薬が通過できない状態(閉状態)のいずれかに切り替える。切替部241は、例えば電磁弁である。
【0059】
同様に、試薬容器RC2の交換時に、管222は、試薬切れの試薬容器RC2から抜き取られ、新しい試薬容器RC2の上部から挿入される。これにより、管222の下端が、試薬容器RC2の内部の底面付近に位置付けられる。気泡監視センサ232および切替部242は、流路212に配置されている。気泡監視センサ232は、透過型の光電センサおよびプリズムを備え、プリズムを用いて流路212からの光を受光して流路212内の気泡を監視するためのセンサである。気泡監視センサ232は、流路212を通る試薬の有無を検出し、検出信号を検出結果として出力する。切替部242は、流路212を開状態および閉状態のいずれかに切り替える。切替部242は、例えば電磁弁である。
【0060】
送液部251は、配管210内の試薬を移送する。送液部251は、例えばダイヤフラムポンプであり、空圧源により発生される陽圧および陰圧を切り替えることにより、配管210内の試薬を吸引する吸引動作と、配管210内に試薬を吐出する吐出動作とを行って、配管210内の試薬を移送する。切替部252は、流路215を開状態および閉状態のいずれかに切り替える。切替部252は、例えば電磁弁である。
【0061】
なお、切替部241、242、252は、流路を開状態および閉状態のいずれかに切り換えることが可能であれば、電磁弁に限らず他の構成でもよい。例えば、切替部241、242、252は、電気的に切替可能なバルブでもよい。送液部251は、配管内の試薬を移送可能でれば、ダイヤフラムポンプに限らず他の構成でもよい。例えば、送液部251は、シリンジンポンプ、ペリスタルティックポンプ、エアーポンプなどの他のポンプでもよい。
【0062】
中継装置70は、試薬貯留部301と配管310を備える。
【0063】
試薬貯留部301は、内部が密閉されたチャンバである。試薬貯留部301は、フロートセンサ301aを備える。フロートセンサ301aは、試薬貯留部301内に貯留された試薬が、満水状態であるか否かを検出するためのセンサである。
【0064】
配管310は、流路311、312により構成されている。流路311の一端は、試薬供給装置50の対応する供給部200の流路216に接続されており、流路311の他端は、試薬貯留部301の上端から試薬貯留部301の内部に接続されている。流路312の一端は、試薬貯留部301の下端で試薬貯留部301の内部に接続されており、流路312の他端は、対応する検体測定装置32-Lまたは32-Rに接続されている。
【0065】
なお、検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41に接続される希釈装置80も、図7と同様、試薬や純水を引き込むための中継構成70aを備える。
【0066】
図8、9を参照して、試薬容器60から試薬貯留部201への試薬の移送動作を説明する。
【0067】
図8は、試薬容器RC1から試薬貯留部201への試薬の移送動作を示す図である。ここでは、試薬容器RC1は、使用中に設定されている。
【0068】
図8の上段の流路状態1-1に示すように、切替部241が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬容器RC1の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路211、213、214に試薬が満たされる。続いて、図8の下段の流路状態1-2に示すように、切替部241が閉状態とされ、切替部252が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路215を介して試薬貯留部201に移送される。なお、この場合、流路211には、太い破線で図示するように試薬が貯留される。
【0069】
図9は、試薬容器RC2から試薬貯留部201への試薬の移送動作を示す図である。ここでは、試薬容器RC2は、使用中に設定されている。
【0070】
図9の上段の流路状態2-1に示すように、切替部242が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬容器RC2の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路212、214に試薬が満たされる。続いて、図9の下段の流路状態2-2に示すように、切替部242が閉状態とされ、切替部252が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路215を介して試薬貯留部201に移送される。なお、この場合、流路212には、太い破線で図示するように試薬が貯留される。
【0071】
図10~12を参照して、試薬の貯留動作を説明する。
【0072】
一般に、試薬容器が試薬切れ状態となり、その状態が長期間にわたって放置されると、試薬容器に繋がる配管内が乾燥し、配管内に残留した試薬からの組成物が析出し、試薬供給を再開した場合に詰まりなどの不具合が生じる惧れがある。これに対し、本実施形態では、一方の試薬容器60に試薬切れが生じると、当該一方の試薬容器60に繋がる流路に、他方の試薬容器60の試薬が貯留される。これにより、空になった一方の試薬容器60に繋がる流路において組成物の析出や詰まりが防止される。このように、組成物の析出や詰まりを防止するために、配管210の所定領域に試薬が満たされる動作を、以下「貯留動作」と称する。
【0073】
図10は、試薬容器RC1に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。この例では、試薬容器RC2が、使用中に設定されている。
【0074】
図10の上段の流路状態3-1に示すように、切替部242が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬容器RC2の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路212、214に試薬が満たされる。続いて、図10の下段の流路状態3-2に示すように、切替部242が閉状態とされ、切替部241が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路211を介して試薬容器RC1に移送される。そして、切替部241が閉状態とされ、管221から切替部241までの流路211に試薬が満たされ、貯留動作が完了する。
【0075】
なお、切替部241から交差部211aまでの流路211には、試薬容器RC2から試薬貯留部201への試薬の移送において試薬が貯留されるため、当該試薬の移送が行われる限り、この部分における組成物の析出や詰まりは防止される。
【0076】
図11は、試薬容器RC2に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。この例では、試薬容器RC1が、使用中に設定されている。
【0077】
図11の上段の流路状態4-1に示すように、切替部241が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬容器RC1の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路211、213、214に試薬が満たされる。続いて、図11の下段の流路状態4-2に示すように、切替部241が閉状態とされ、切替部242が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路212を介して試薬容器RC2に移送される。そして、切替部242が閉状態とされ、管222から切替部242までの流路212に試薬が満たされ、貯留動作が完了する。
【0078】
なお、切替部242から交差部212aまでの流路212には、試薬容器RC1から試薬貯留部201への試薬の移送において試薬が貯留されるため、当該試薬の移送が行われる限り、この部分における組成物の析出や詰まりは防止される。
【0079】
実施形態1では、管221、222の内径は4mmと比較的大きいため、管221、222が設置された試薬容器60に試薬がなくなった場合でも、管221、222に試薬が残留することはほぼない。したがって、実施形態1の貯留動作では、上述したように、管221から切替部241までの流路211に試薬が満たされ、管222から切替部242までの流路212に試薬が満たされればよい。一方、管221、222の内径が2.4mm程度と比較的小さい場合、管221、222に試薬が残留しやすくなるため、この場合の貯留動作では、管221、222にも試薬が満たされる。
【0080】
図10、11に示すような貯留動作は、試薬容器60に試薬切れが生じたタイミングで実行される他、検体測定システム1の終了および起動のタイミングでも実行される。この場合、配管210全体に対して貯留動作が行われる。
【0081】
図12は、配管210全体に対して行われる貯留動作を示す図である。この例では、試薬容器RC2が、使用中に設定されている。
【0082】
図12の上段の流路状態5-1に示すように、切替部242が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬容器RC2の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路212、214に試薬が満たされる。続いて、図12の下段の流路状態5-2に示すように、切替部242が閉状態とされ、切替部241、252が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路211、213、215にも満たされる。その後、切替部241、252が閉状態とされ、貯留動作が完了する。なお、流路216は、試薬貯留部201と直接繋がっているため、常に試薬が貯留された状態となっている。
【0083】
このように、配管210全体に対して貯留動作が行われると、特に、検体測定システム1の終了後に、配管210が長時間使用されない場合でも、配管210全体の組成物の析出や詰まりを防止できる。
【0084】
図13を参照して、中継装置70の中継構成70aによる試薬の移送動作を説明する。
【0085】
中継装置70に接続される検体測定装置32-Lまたは32-Rで試薬の吸引が行われると、図13の上段の流路状態6-1に示すように、試薬貯留部301に収容された試薬が、検体測定装置32-Lまたは32-Rへと移送される。これにより、試薬貯留部301の内部の空気が伸張し、伸張した空気が元に戻ろうとすることにより、図13の下段の流路状態6-2に示すように、試薬供給装置50の試薬貯留部201から、中継装置70の試薬貯留部201に自動的に試薬が移送される。よって、試薬供給装置50と検体測定装置32-Lまたは32-Rとの距離が離れている場合でも、図13に示すように、中継装置70を介して試薬供給装置50から検体測定装置32-Lまたは32-Rに円滑に試薬が供給される。
【0086】
次に、図14~20を参照して、制御装置31の表示入力部31bに表示される試薬を管理するための画面400について説明する。以下に示す画面400の表示は、対応する制御装置31の制御部501(図21参照)によって制御される。
【0087】
図14は、試薬供給装置50が接続された制御装置31(C1)の表示入力部31bに表示される画面400を模式的に示す図である。
【0088】
制御装置C1の表示入力部31bに表示される画面400は、2つの装置情報領域410L、410Rと、装置情報領域430と、を備える。
【0089】
2つの装置情報領域410L、410Rは、画面400において左右に隣接して並んでおり、それぞれ、図2に示したように実際に配置された2台の検体測定装置32-L、32-Rに対応している。装置情報領域410Lには、試薬ウインドウ420Lの表示をオンオフさせるためのボタン411Lが表示されている。この他、装置情報領域410Lには、検体測定装置32-Lの名称「XR-L」などが表示される。同様に、装置情報領域410Rには、試薬ウインドウ420Rの表示をオンオフさせるためのボタン411Rが表示されている。この他、装置情報領域410Rには、検体測定装置32-Rの名称「XR-R」などが表示される。
【0090】
ユーザにより左側のボタン411Lが操作されると、左側の装置情報領域410Lの上側に、検体測定装置32-Lに装着されている試薬を示す試薬ウインドウ420Lが表示される。試薬ウインドウ420Lは、検体測定装置32-Lの内部に収容された5種類の染色液にそれぞれ対応する5つの試薬情報領域421Lを備える。試薬情報領域421Lには、対応する染色液の名称、使用期限、ロット番号、残り使用回数などが表示される。
ユーザにより右側のボタン411Rが操作されると、右側の装置情報領域410Rの上側に、検体測定装置32-Rに装着されている試薬を示す試薬ウインドウ420Rが表示される。試薬ウインドウ420Rは、検体測定装置32-Rの内部に収容された5種類の染色液にそれぞれ対応する5つの試薬情報領域421Rを備える。試薬情報領域421Rには、対応する染色液の名称、使用期限、ロット番号、残り使用回数などが表示される。
【0091】
装置情報領域430は、試薬供給装置50に対応している。装置情報領域430には、試薬ウインドウ440の表示をオンオフさせるためのボタン431が表示されている。この他、装置情報領域430には、試薬供給装置50の名称「RM-10」などが表示される。
【0092】
ユーザによりボタン431が操作されると、装置情報領域430の上側に、試薬供給装置50によって供給制御が行われる試薬を示す試薬ウインドウ440が表示される。具体的には、試薬ウインドウ440には、試薬供給装置50に接続された14個、7種類の試薬(CPB試薬、DST試薬、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬、WDF試薬)にそれぞれ対応する7つの試薬情報領域441と、実行ボタン442と、キャンセルボタンと、を備える。試薬情報領域441には、下端に対応する試薬の名称と、その上部に試薬情報441a、441bとが表示される。
【0093】
試薬情報441a、441bには、それぞれ、試薬容器RC1、RC2(図7参照)の使用期限およびロット番号などが表示される。さらに、試薬情報として試薬容器RC1、RC2のいずれが使用中であるかを示す情報、試薬切れが生じていることを示す情報、および試薬残量を示す情報なども表示される。
【0094】
図15は、試薬容器60の交換の際の試薬情報領域441の表示内容を模式的に示す図である。
【0095】
図15に示す例では、初期状態として、DFL試薬を収容する2つの試薬容器RC1、RC2において、試薬容器RC1に試薬切れが生じ、試薬容器RC2が使用中となっている。これにより、図15の表示状態1に示すように、試薬情報441aに、試薬容器RC1に試薬の交換が必要であることを示すアイコン452が表示され、試薬情報441bに、試薬容器RC2が使用中であることを示すアイコン451が表示される。
【0096】
また、試薬容器RC1の試薬残量が0であることを示すために、試薬情報441aの背景の縦方向の全ての領域が、灰色で表示されている。図15では、便宜上、灰色の表示が網点で示されている。試薬容器RC2の試薬残量が30%程度であることを示すために、試薬情報441bの背景の縦方向の30%程度の領域が、白色で表示されており、試薬情報441bの背景の縦方向の70%程度の領域が、灰色で表示されている。このように、試薬情報441a、441bの背景の縦方向における白色の領域の割合を参照することにより、ユーザは、試薬容器60の試薬残量を視覚的に把握できる。
【0097】
図15の表示状態1に示すように、試薬容器RC1に試薬切れが生じると、ユーザは、制御装置C1に接続されたバーコードリーダ31c(図21参照)を用いて、同種の試薬が収容された新しい試薬容器60に付されたバーコードラベルからバーコードを読み取る。これにより、図15の表示状態2に示すように、試薬情報441aに、アイコン452に代えて、新しい試薬容器60の受け付けが開始されたことを示すアイコン453が表示される。
【0098】
その後、ユーザは、試薬切れが生じた試薬容器RC1から、管221(図7参照)を取り外し、この試薬容器RC1を収納部12から取り出す。そして、ユーザは、バーコードが読み取られた新しい試薬容器60を試薬容器RC1として収納部12に設置し、この試薬容器60に管221を設置する。
【0099】
続いて、ユーザが実行ボタン442(図14参照)を操作すると、図15の表示状態3に示すように、試薬情報441aに、アイコン453に代えて、気泡抜き動作の進捗割合をリアルタイムで示すアイコン454が表示される。気泡抜き動作とは、試薬供給装置50が、新しく設置された試薬容器60から試薬を吸引して試薬貯留部201に移送し、当該試薬容器60に繋がる流路に気泡が残らないようにする動作のことである。
【0100】
新しく設置された試薬容器RC1に対する気泡抜き動作が終了すると、図15の表示状態4に示すように、試薬情報441aからアイコン454が消える。そして、試薬容器RC1の残量が最大であるため、試薬情報441aの背景の縦方向の全ての領域が、白色で表示される。こうして、試薬容器60の交換が終了する。
【0101】
図16は、試薬供給装置50が接続されていない制御装置31(C2)の表示入力部31bに表示される画面400を模式的に示す図である。
【0102】
制御装置C1と比較して、制御装置C2には試薬供給装置50が接続されていない。制御装置C2の画面400では、図14と比較して、試薬供給装置50に関連する装置情報領域430が省略されており、したがって、試薬供給装置50によって供給制御が行われる試薬を示す試薬ウインドウ440も省略されている。
【0103】
このように、試薬供給装置50の試薬に関する情報は、図14および図16に示したように制御装置C1の表示入力部31bにのみ表示され、制御装置C2の表示入力部31bに表示されない。これにより、ユーザは、制御装置C1の表示入力部31bに表示された画面400を参照および操作することにより、試薬供給装置50および14個の試薬容器60を一元的に管理できる。
【0104】
図17は、組となる2つの試薬容器RC1、RC2の一方で試薬切れが生じたときの、制御装置C1の表示入力部31bに表示される画面400を模式的に示す図である。
【0105】
2つの試薬容器RC1、RC2の一方で試薬切れが生じると、制御装置C1の表示入力部31bの画面400には、装置情報領域430の上側にエラーウインドウ460が表示される。図17に示す例では、DFL試薬に対応する2つの試薬容器RC1、RC2の一方で試薬切れが生じたため、エラーウインドウ460に、試薬切れが生じた一方の試薬容器60を新しい試薬容器60に交換することを促すメッセージとエラー解除の手順が表示されている。
【0106】
このように、エラーウインドウ460が表示されると、装置情報領域430には、エラーウインドウ460の表示をオンオフさせるためのボタン432が追加される。ユーザによりエラーウインドウ460内の実行ボタン461または装置情報領域430内のボタン431が操作されると、エラーウインドウ460に代えて、図14に示した試薬ウインドウ440が表示される。この場合、対応する試薬情報領域441において、試薬情報441a、441bの一方に試薬切れを示すアイコン452(図15参照)が表示される。ユーザは、試薬ウインドウ440を表示させた状態で、図15を参照して説明した手順により、試薬切れが生じた試薬容器60の交換を行う。
【0107】
なお、このように2つの試薬容器RC1、RC2の一方で試薬切れが生じた場合、制御装置C2の画面400には、図16と同様、試薬容器RC1、RC2の一方で試薬切れが生じたことは表示されない。
【0108】
図18は、組となる2つの試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じたときの、制御装置C1の表示入力部31bに表示される画面400を模式的に示す図である。
【0109】
2つの試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じると、8台の検体測定装置32-L、32-Rおよび2台の塗抹標本作製装置41において、測定および塗抹標本の作製を適正に行うことができなくなる惧れがある。したがって、この場合、制御装置C1は、全ての検体測定装置32-L、32-Rの測定および全ての塗抹標本作製装置41の塗抹標本の作製を停止させる処理を行う。これにより、制御装置C1に対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rの測定が停止するため、図18に示すように、制御装置C1の画面400において、2つの装置情報領域410L、410Rの上側にそれぞれエラーウインドウ470が表示される。エラーウインドウ470には、試薬切れにより、当該検体測定装置32-L、32-Rの測定が停止状態とされたことを示すメッセージが表示される。なお、エラーウインドウ470には、「試薬供給装置からの試薬供給が停止状態です」とのメッセージが表示されてもよい。
【0110】
このように、エラーウインドウ470が表示されると、装置情報領域410L、410Rには、それぞれ、エラーウインドウ470の表示をオンオフさせるためのボタン412L、412Rが追加される。これにより、ユーザは、図18に示すエラーウインドウ470と、図14に示した試薬ウインドウ420L、420Rとの表示を容易に切り替えることができる。
【0111】
さらに、図18に示すように、制御装置C1の画面400において、装置情報領域430の上側にエラーウインドウ480が表示される。図18に示す例では、DFL試薬に対応する2つの試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じたため、DFLを収容した新しい試薬容器60に交換することを促すメッセージが表示されている。
【0112】
このように、エラーウインドウ480が表示されると、装置情報領域430には、エラーウインドウ480の表示をオンオフさせるためのボタン432が追加される。これにより、ユーザは、図18に示すエラーウインドウ480と、図14に示した試薬ウインドウ440との表示を容易に切り替えることができる。また、ユーザによりエラーウインドウ480内の実行ボタン481または装置情報領域430内のボタン431が操作されると、図14に示した試薬ウインドウ440が表示される。
【0113】
試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じると、対応する試薬情報領域441において、試薬情報441a、441bの両方に試薬切れを示すアイコン452(図15参照)が表示される。ユーザは、試薬ウインドウ440を表示させた状態で、図15を参照して説明した手順により、試薬切れが生じた試薬容器60の交換を行う。
【0114】
図19は、組となる2つの試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じたときの、制御装置C2の表示入力部31bに表示される画面400を模式的に示す図である。
【0115】
2つの試薬容器RC1、RC2の両方で試薬切れが生じると、制御装置C2の画面400には、図16と比較して、図18に示したエラーウインドウ470およびボタン412L、412Rが表示される。
【0116】
試薬供給装置50の試薬切れに関する情報は、図17、18に示したように制御装置C1にのみ表示され、図19に示したように制御装置C2に表示されない。これにより、ユーザは、制御装置C1の画面400を参照および操作することにより、試薬供給装置50および14個の試薬容器60を一元的に管理できる。
【0117】
図20は、組となる2つの試薬容器RC1、RC2の試薬残量が少なくなった場合の、制御装置C1の表示入力部31bに表示される画面400の表示内容を模式的に示す図である。
【0118】
図15の表示状態1のように、制御装置C1の画面400において試薬容器RC1、RC2の一方に交換を示すアイコン452が表示された後、他方の使用中の試薬容器60において残量が所定値以下になると、この試薬の残量が間もなくゼロになり、検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41の処理が停止されることが予想される。したがって、試薬切れとなっている試薬容器60が迅速に交換される必要がある。
【0119】
これに対し、実施形態1では、図20の表示状態5に示すように、制御装置C1の画面400に表示されたエラーウインドウ460に、試薬残量が少なくなったことを示すメッセージが表示される。また、図20の表示状態6に示すように、制御装置C1の画面400に表示された対応する試薬情報領域441に、試薬残量が少なくなったことを示すアイコン455が表示される。図20の表示状態5、6に示すような試薬残量に対する警告表示は、例えば、使用中の試薬容器60の残量が25%以下になり、かつ、他方の試薬容器60で試薬切れが生じている場合に行われる。
【0120】
図20に示すように試薬残量に関する警告が表示されることにより、ユーザは、試薬残量がゼロになる前に、迅速に試薬容器60を交換する必要があることを把握できる。
【0121】
次に、図21、22を参照して、検体測定システム1の各部の機能構成について説明する。
【0122】
図21は、検体分析装置30および試薬供給装置50の機能構成を示すブロック図である。
【0123】
制御装置C1は、制御部501と、記憶部502と、表示入力部31bと、通信部503と、バーコードリーダ31cと、を備える。制御部501、記憶部502および通信部503は、本体31a(図4参照)に収納されている。
【0124】
制御部501は、例えば、CPUにより構成される。制御部501は、記憶部502に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、各種の処理を実行するとともに、対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rの制御と、試薬供給装置50とを制御する。記憶部502は、例えば、SSD、HDD、RAMなどにより構成される。表示入力部31bは、例えば、タッチパネル式のディスプレイにより構成される。表示入力部31bは、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部と、マウスやキーボードなどの入力部とに分かれていてもよい。
【0125】
通信部503は、イーサネット規格に基づく接続端子と、USB規格に基づく接続端子と、Bluetooth(登録商標)に基づく通信アダプタとにより構成される。通信部503と集線装置28は、イーサネット規格に基づくケーブルにより接続される。集線装置28は、例えばネットワークハブである。通信部503と、対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rの通信部511および試薬供給装置50の通信部53bとは、USB規格に基づくケーブルにより接続される。バーコードリーダ31cは、通信部503と通信可能に構成されており、通信部503とバーコードリーダ31cは、ワイヤレス通信により接続される。
【0126】
制御装置C2では、制御装置C1と比較して、バーコードリーダ31cが省略されており、通信部503は、試薬供給装置50と接続されていない。
【0127】
検体測定装置32-L、32-Rは、いずれも、通信部511と、試料調製部512と、測定部513と、を備える。通信部511は、USB規格に基づく接続端子により構成される。
【0128】
試料調製部512は、検体容器110(図2参照)から検体を吸引し、図5を参照して説明したように、中継装置70から試薬を吸引し、希釈装置80から希釈されたDST試薬を吸引する。また、試料調製部512は、吸引した検体および試薬を混合して、測定試料を調製する。測定部513は、試料調製部512で調製された測定試料に基づいて、シースフローDC検出法により血球の測定を行い、SLS-ヘモグロビン法によりヘモグロビンの測定を行い、フローサイトメトリー法により血球の測定を行う。測定部513により取得された測定データは、対応する制御装置31に送信される。制御装置31の制御部501は、受信した測定データに基づいて検体の分析を行い、分析結果を生成する。
【0129】
試薬供給装置50は、回路基板53と、フロートセンサ201aと、気泡監視センサ231、232と、切替部241、242、252と、送液部251と、を備える。フロートセンサ201a、気泡監視センサ231、232、切替部241、242、252、および送液部251は、7つの供給部200(図7参照)にそれぞれ配置されている。
【0130】
回路基板53は、制御部53aと通信部53bを備える。制御部53aは、例えばFPGAにより構成される。通信部53bは、USB規格に基づく接続端子により構成される。制御部53aは、フロートセンサ201aおよび気泡監視センサ231、232の検出信号を検出結果として、制御装置C1の制御部501に送信する。制御装置C1の制御部501は、制御部53aから受信した検出結果に基づいて、切替部241、242、252および送液部251を駆動するための駆動信号を、試薬供給装置50の制御部53aに送信する。制御部53aは、制御装置C1の制御部501から受信した駆動信号に基づいて、切替部241、242、252および送液部251を駆動する。
【0131】
図22は、塗抹標本作製装置41および投入装置21の機能構成を示すブロック図である。
【0132】
塗抹標本作製装置41は、制御部521と、記憶部522と、表示入力部523と、通信部524と、吸引部525と、作製部526と、を備える。
【0133】
制御部521は、例えば、CPUにより構成される。制御部521は、記憶部522に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。記憶部522は、例えば、SSD、HDD、RAMなどにより構成される。表示入力部523は、例えば、タッチパネル式のディスプレイにより構成される。表示入力部523は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示部と、マウスやキーボードなどの入力部とに分かれていてもよい。
【0134】
通信部524は、例えば、イーサネット規格に基づく接続端子と、USB規格に基づく接続端子とにより構成される。通信部524と集線装置28は、イーサネット規格に基づくケーブルにより接続される。通信部524と、対応する1台の撮像装置42とは、USB規格に基づくケーブルにより接続される。
【0135】
吸引部525は、検体容器110(図2参照)から検体を吸引し、図5を参照して説明したように、中継装置70から純水を吸引し、希釈装置80から希釈されたDST試薬を吸引する。作製部526は、吸引部525により吸引された検体に基づいて、スライドガラスに塗抹標本を作製する。
【0136】
投入装置21は、制御部531と、記憶部532と、通信部533と、搬送部534と、起動ボタン21aと、終了ボタン21bと、を備える。
【0137】
制御部531は、例えば、CPUにより構成される。制御部531は、記憶部532に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、各種の処理を実行する。記憶部532は、例えば、SSD、HDD、RAMなどにより構成される。通信部533は、例えば、イーサネット規格に基づく接続端子により構成される。通信部533と搬送コントローラ26は、イーサネット規格に基づくケーブルにより接続される。搬送部534は、ユーザにより投入装置21に載置されたラック100を、隣接する搬送装置22(図1参照)に搬送する機構を備える。
【0138】
起動ボタン21aおよび終了ボタン21bは、図1に示したように、投入装置21の前端に設けられている。ユーザにより起動ボタン21aが押されると、制御部531は、検体測定システム1の各部を起動するための起動指示を、搬送コントローラ26に送信する。これにより、検体測定システム1が起動する。ユーザにより終了ボタン21bが押されると、制御部531は、検体測定システム1の各部をシャットダウンさせるための終了指示を、搬送コントローラ26に送信する。これにより、検体測定システム1がシャットダウンされる。
【0139】
なお、搬送装置22および回収装置25も、起動ボタン21aおよび終了ボタン21bを除いて、投入装置21と同様に構成される。搬送コントローラ26と集線装置28も、イーサネット規格に基づくケーブルにより接続される。
【0140】
次に、図23~31に示すフローチャートを参照して、検体測定システム1で行われる制御を説明する。
【0141】
図23は、投入装置21の制御部531による起動および終了に関する処理を示すフローチャートである。
【0142】
ユーザにより起動ボタン21aが押されると(ステップS101:YES)、投入装置21の制御部531は、ステップS102において、搬送コントローラ26に起動指示を送信する。起動指示は、例えば、Wake-on-LANに基づくパケットである。
【0143】
搬送コントローラ26が起動指示を受信すると、搬送コントローラ26の電源が投入される。そして、搬送コントローラ26は、4台の搬送装置22、2台の搬送装置23、2台の搬送装置24、回収装置25、4台の制御装置31、および2台の塗抹標本作製装置41に起動指示を送信する。起動指示は、例えば、Wake-on-LANに基づくパケットである。各装置が起動指示を受信すると、当該装置の電源が投入される。このとき、制御装置C2は、対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rを起動させ、制御装置C1は、試薬供給装置50および対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rを起動させる。塗抹標本作製装置41は、対応する撮像装置42を起動させる。こうして、検体測定システム1が起動する。
【0144】
制御部531は、終了ボタン21bが押されたことを検出すると(ステップS103:YES)、ステップS104において、搬送コントローラ26に終了指示を送信する。
【0145】
搬送コントローラ26は、終了指示を受信すると、4台の搬送装置22、2台の搬送装置23、2台の搬送装置24、回収装置25、4台の制御装置31、および2台の塗抹標本作製装置41に終了指示を送信する。搬送コントローラ26から終了指示を受信した装置は、当該装置をシャットダウンさせる。このとき、制御装置C2は、対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rをシャットダウンさせ、制御装置C1は、試薬供給装置50および対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rをシャットダウンさせる。塗抹標本作製装置41は、対応する撮像装置42をシャットダウンさせる。そして、搬送コントローラ26は、搬送コントローラ26自体をシャットダウンさせる。
【0146】
制御部531は、ステップS105において投入装置21にシャットダウン動作を実行させ、ステップS106において投入装置21をシャットダウンさせる。こうして、検体測定システム1がシャットダウンされる。
【0147】
図24は、制御装置C1、C2の制御部501による起動に関する処理を示すフローチャートである。
【0148】
制御装置C1が起動すると(ステップS111:YES)、ステップS112において、制御装置C1の制御部501は、試薬供給装置50と、当該制御装置C1に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rとを起動させる。ステップS113において、制御装置C1の制御部501は、試薬供給装置50と、当該制御装置C1に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rとに、スタートアップ動作を実行させる。
【0149】
試薬供給装置50のスタートアップ動作が終了すると、試薬供給装置50が動作可能な状態となる。試薬供給装置50のスタートアップ動作については、追って図31を参照して説明する。検体測定装置32-L、32-Rは、スタートアップ動作において、中継装置70および希釈装置80から全ての試薬を所定量吸引し、吸引した試薬を用いてテスト測定を行う。テスト測定が終了すると、検体測定装置32-L、32-Rは測定可能な状態となる。
【0150】
続いて、ステップS114において、制御装置C1の制御部501は、試薬供給装置50のスタートアップ動作の完了通知を、3台の制御装置C2および2台の塗抹標本作製装置41に送信する。その後、制御装置C1の制御部501は、当該制御装置C1に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rを駆動して検体の測定を行う。
【0151】
制御装置C2が起動すると(ステップS121:YES)、ステップS122において、制御装置C2の制御部501は、当該制御装置C2に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rを起動させる。ステップS123において、制御装置C2の制御部501は、当該制御装置C2に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rにスタートアップ動作を実行させる。
【0152】
続いて、ステップS124において、制御装置C2の制御部501は、試薬供給装置50のスタートアップ動作の完了通知を受信するまで処理を待機する。制御装置C2の制御部501は、制御装置C1から完了通知を受信すると(ステップS124:YES)、当該制御装置C2に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rを駆動して検体の測定を行う。
【0153】
なお、塗抹標本作製装置41の制御部521も、ステップS121~S124とほぼ同様の処理を行う。すなわち、塗抹標本作製装置41が起動すると、制御部521は、当該塗抹標本作製装置41に接続された撮像装置42を起動し、当該塗抹標本作製装置41と、当該塗抹標本作製装置41に接続された撮像装置42とに、スタートップ動作を実行させる。制御部521は、試薬供給装置50のスタートアップ動作の完了通知を受信するまで処理を待機する。制御部521は、制御装置C1から完了通知を受信すると、当該塗抹標本作製装置41および当該塗抹標本作製装置41に接続された撮像装置42を駆動して、塗抹標本の作製および撮像を行う。
【0154】
図25は、制御装置C1、C2の制御部501による終了に関する処理を示すフローチャートである。
【0155】
制御装置C1の制御部501は、図23のステップS104に基づいて送信された終了指示を受信すると(ステップS131:YES)、ステップS132において、当該制御装置C1に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rにシャットダウン動作を実行させ、ステップS133において、これら2台の検体測定装置32-L、32-Rをシャットダウンさせる。続いて、制御装置C1の制御部501は、ステップS134において試薬供給装置50のシャットダウン動作を実行させる。試薬供給装置50のシャットダウン動作については、追って図31を参照して説明する。試薬供給装置50のシャットダウン動作が完了すると、制御装置C1の制御部501は、ステップS135において試薬供給装置50をシャットダウンさせる。
【0156】
制御装置C2の制御部501は、図23のステップS104に基づいて送信された終了指示を受信すると(ステップS141:YES)、ステップS142において、当該制御装置C2に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rにシャットダウン動作を実行させ、ステップS143において、これら2台の検体測定装置32-L、32-Rをシャットダウンさせる。
【0157】
なお、塗抹標本作製装置41の制御部521も、ステップS141~S143とほぼ同様の処理を行う。すなわち、塗抹標本作製装置41の制御部521は、終了指示を受信すると、当該塗抹標本作製装置41および対応する撮像装置42にシャットダウン動作を実行させ、これら塗抹標本作製装置41および撮像装置42をシャットダウンさせる。
【0158】
図26は、制御装置31(C1、C2)の制御部501による測定に関する処理を示すフローチャートである。図26の処理は、検体の測定ごとに繰り返し実行される。
【0159】
制御装置31の制御部501は、当該制御装置31に接続された検体測定装置32-Lまたは32-Rにおいて検体の測定を行う場合、ステップS151において、測定の種類に応じた所定量の試薬を吸引するよう、対応する試料調製部512を制御する。ステップS152において、制御部501は、検体とステップS151で吸引した試薬とを混合して測定試料を調製するよう、対応する試料調製部512を制御する。ステップS153において、制御部501は、ステップS152で調製した測定試料を測定するよう、対応する測定部513を制御する。
【0160】
なお、塗抹標本作製装置41の制御部521も、ステップS151~S153とほぼ同様の処理を行う。すなわち、制御部521は、所定量のDST試薬、CPB試薬および純水を吸引するよう吸引部525を制御する。制御部521は、検体がスライドガラス上に塗布されるよう作製部526を制御し、作製した塗抹標本を撮像装置42に移送して、塗抹標本を撮像するよう撮像装置42を制御する。
【0161】
図27は、制御装置C1の制御部501による試薬供給装置50に関する処理を示すフローチャートである。図27の処理は、試薬供給装置50の供給部200ごとに並行して繰り返し実行される。
【0162】
ステップS201において、制御装置C1の制御部501は、供給部200の試薬貯留部201に設置されたフロートセンサ201aの検出結果に基づいて、当該試薬貯留部201が満水であるか否かを判定する。試薬貯留部201が満水でないと(ステップS201:NO)、ステップS202において、制御装置C1の制御部501は、図8、9に示したように、供給部200に接続された2つの試薬容器60のうち使用中の試薬容器60から試薬貯留部201に試薬を補充する。ここで、制御装置C1の記憶部502には、各供給部200に接続された2つの試薬容器60のうち、使用中の試薬容器60がいずれであるかを示す情報が記憶されている。制御装置C1の制御部501は、この情報を参照してステップS202の処理を行う。
【0163】
ステップS203において、制御装置C1の制御部501は、ステップS202の試薬の補充において、気泡監視センサ231または232に検出結果に基づいて、使用中の試薬容器60に試薬があるか否かを判定する。気泡監視センサ231、232の検出結果は、それぞれ、当該気泡監視センサの位置の流路を試薬が適正に流れているか否かを反映している。したがって、制御装置C1の制御部501は、使用中の試薬容器60から試薬貯留部201への試薬の補充時に、使用中の試薬容器60側の気泡監視センサ231または232の検出結果に基づいて、使用中の試薬容器60の試薬の有無を判定できる。
【0164】
なお、ステップS203において、制御装置C1の制御部501は、フロートセンサ201aの検出結果に基づいて、ステップS202の補充動作によって所定時間の間に試薬貯留部201が満水になったか否か判定することにより、使用中の試薬容器60の試薬の有無を判定してもよい。また、ステップS203において、制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231または232の検出結果と、フロートセンサ201aの検出結果の両方が、試薬容器60に試薬が存在する状況を示している場合に限り、使用中の試薬容器60に試薬があると判定してもよい。
【0165】
制御装置C1の制御部501は、ステップS203において使用中の試薬容器60に試薬があると判定した場合(ステップS204:YES)、処理をステップS201に戻す。他方、制御装置C1の制御部501は、ステップS203において使用中の試薬容器60に試薬がないと判定した場合(ステップS204:NO)、ステップS205において使用中の試薬容器60のステータスを「試薬なし」に設定する。
【0166】
ここで、制御装置C1の記憶部502には、試薬供給装置50に接続された全ての試薬容器60について、それぞれ試薬容器60のステータスが記憶されている。試薬容器60のステータスは、「試薬あり」、「試薬なし」および「試薬交換待ち」のいずれかである。
【0167】
続いて、ステップS206において、制御装置C1の制御部501は、使用中ではない他方の試薬容器60のステータスを参照して、他方の試薬容器60に試薬があるか否かを判定する。
【0168】
制御装置C1の制御部501は、他方の試薬容器60に試薬ありと判定した場合(ステップS206:YES)、ステップS207において、使用中の試薬容器60、すなわち直前のステップS203において試薬がないと判定された試薬容器60に対して、貯留動作を行う。例えば、図10に示したように、試薬容器RC1で試薬切れが生じた場合、貯留動作により、試薬容器RC2から試薬容器RC1へ試薬が移送され、試薬容器RC1に繋がる流路211に試薬が貯留される。また、図11に示したように、試薬容器RC2で試薬切れが生じた場合、貯留動作により、試薬容器RC1から試薬容器RC2へ試薬が移送され、試薬容器RC2に繋がる流路212に試薬が貯留される。
【0169】
ステップS208において、制御装置C1の制御部501は、他方の試薬容器60、すなわちステップS207で試薬の移送元となった試薬容器60を使用中に設定し、対応する試薬情報441aまたは441bに使用中を示すアイコン451(図15参照)を表示させ、処理をステップS201に戻す。
【0170】
制御装置C1の制御部501は、他方の試薬容器60に試薬なしと判定した場合(ステップS206:NO)、処理をステップS209に進める。すなわち、対象となる試薬について2つの試薬容器60の両方で試薬がなくなった場合、必要な試薬を適正に供給できなくなる惧れがあるため、以下に示すように、試薬供給装置50から提供される試薬を用いて処理を行う全ての装置の処理が停止される。
【0171】
制御装置C1の制御部501は、ステップS209において、制御装置C1に繋がる2台の検体測定装置32-L、32-Rの測定を停止させ、ステップS210において、これら2台の検体測定装置32-L、32-Rの測定が停止していることを、当該制御装置C1の表示入力部31bに表示させる。具体的には、図18に示したように、装置情報領域410L、410Rの上方に、それぞれ、試薬切れにより測定が停止状態であることを示すメッセージを含んだエラーウインドウ470が表示される。
【0172】
続いて、ステップS211において、制御装置C1の制御部501は、試薬供給装置50において組となる2つの試薬容器60の両方で試薬切れが生じたことを、当該制御装置C1の表示入力部31bに表示させる。具体的には、図18に示したように、試薬切れを生じた試薬の種別名を示すメッセージを含んだエラーウインドウ480が表示される。そして、ステップS212において、制御装置C1の制御部501は、試薬供給装置50の試薬切れを示す通知を、3台の制御装置C2および2台の塗抹標本作製装置41に送信する。
【0173】
図28は、制御装置C2の制御部501による試薬切れに基づく測定の停止処理を示すフローチャートである。図25の処理は、各制御装置C2において繰り返し実行される。
【0174】
制御装置C2の制御部501は、図27のステップS212において制御装置C1から送信された試薬供給装置50の試薬切れを示す通知を受信すると(ステップS221:YES)、処理をステップS222に進める。
【0175】
制御装置C2の制御部501は、ステップS222において、当該制御装置C2に繋がる2台の検体測定装置32-L、32-Rの測定を停止させ、ステップS223において、これら2台の検体測定装置32-L、32-Rの測定が停止していることを、当該制御装置C2の表示入力部31bに表示させる。具体的には、図19に示したように、装置情報領域410L、410Rの上方に、試薬切れにより測定が停止状態であることを示すメッセージを含んだエラーウインドウ470が表示される。
【0176】
なお、塗抹標本作製装置41の制御部521も、ステップS221~S223とほぼ同様の処理を行う。すなわち、制御部521は、試薬供給装置50の試薬切れを示す通知を受信すると、対応する塗抹標本作製装置41による塗抹標本の作製を停止し、塗抹標本作製装置41が停止していることを塗抹標本作製装置41の表示入力部523に表示させる。
【0177】
図29は、制御装置C1の制御部501による試薬交換に関する表示処理を示すフローチャートである。図29の処理は、試薬容器60ごとに並行して繰り返し実行される。
【0178】
ステップS301において、制御装置C1の制御部501は、試薬切れに基づく貯留動作が完了したか否かを判定する。具体的には、図27において、使用中の試薬容器60に試薬がないと判定され(ステップS204:NO)、この試薬容器60に対する貯留動作(ステップS207)が完了した場合に、ステップS301において試薬切れに基づく貯留動作が完了したと判定される。
【0179】
試薬切れに基づく貯留動作が完了すると(ステップS301:YES)、ステップS302において、制御装置C1の制御部501は、図15の表示状態1に示したように、対応する試薬情報441aまたは441bに、試薬容器60の交換が必要であることを示すアイコン452を表示させ、図17に示したように、エラーウインドウ460に一方の試薬容器60で試薬切れが生じていることを表示させる。ユーザは、アイコン452およびエラーウインドウ460の表示を確認すると、試薬がなくなった試薬容器60に代えて新しい試薬容器60をセットし、バーコードリーダ31cを操作して新しい試薬容器60のバーコードを読み取らせる。
【0180】
制御装置C1の制御部501は、バーコードリーダ31cにより試薬容器60のバーコードを読み取ると(ステップS303:YES)、ステップS304において、図15の表示状態2に示したように、対応する試薬情報441aまたは試薬情報441bに、試薬交換が受け付け済みであることを示すアイコン453を表示する。ユーザは、アイコン453を確認した後、実行ボタン442(図14参照)を操作する。
【0181】
制御装置C1の制御部501は、実行ボタン442が操作されたことを検出すると(ステップS305:YES)、交換を受け付けた新しい試薬容器60のバーコード情報を記憶部502に記憶し、ステップS306において、交換を受け付けた試薬容器60のステータスを「試薬交換待ち」に設定する。そして、ステップS307において、制御装置C1の制御部501は、試薬交換待ちの試薬容器60に対して気泡抜き動作を行う。具体的には、図8、9と同様にして、試薬交換待ちの試薬容器60から試薬貯留部201へ所定時間だけ試薬の移送が行われる。これにより、試薬交換待ちの試薬容器60から試薬貯留部201に繋がる配管210に存在する気泡がなくなり、その後の試薬の移送を円滑に行うことができる。
【0182】
ステップS308において、制御装置C1の制御部501は、図15の表示状態3に示したように、対応する試薬情報441aまたは441bに、ステップS307で開始した気泡抜き動作の進捗状況を示すアイコン454を表示させる。進捗状況は、例えば、あらかじめ設定された気泡抜き動作の所定時間に対する、気泡抜き動作を開始してからの時間の割合に基づいて生成される。
【0183】
気泡抜き動作にかかる所定時間が経過すると、ステップS309において、制御装置C1の制御部501は、試薬交換待ちの試薬容器60に対して、試薬交換の成否を判定する。具体的には、制御装置C1の制御部501は、気泡抜き動作時に、気泡監視センサ231または232に検出結果に基づいて、当該気泡監視センサの位置の流路を試薬が適正に流れているか否かを判定し、試薬交換の成否を判定する。
【0184】
なお、ステップS309において、制御装置C1の制御部501は、気泡抜き動作時に、フロートセンサ201aの検出結果に基づいて、所定時間の試薬の移送によって試薬貯留部201が満水になったか否かを判定し、試薬交換の成否を判定してもよい。
【0185】
制御装置C1の制御部501は、試薬交換が成功したと判定すると(ステップS310:YES)、ステップS311において、気泡抜き動作の進捗状況を示すアイコン454を消して、例えば、図15の表示状態4の試薬情報441aに示すように、試薬容器60が通常状態であることを表示させる。そして、ステップS312において、制御装置C1の制御部501は、試薬交換待ちの試薬容器60のステータスを「試薬あり」に設定する。
【0186】
他方、制御装置C1の制御部501は、試薬交換が失敗であると判定すると(ステップS310:NO)、ステップS313において、気泡抜き動作の進捗状況を示すアイコン454を消して、図15の表示状態1の試薬情報441aに示すように、再度、試薬容器60の交換が必要であることを示すアイコン452を表示させる。そして、ステップS314において、制御装置C1の制御部501は、試薬交換待ちの試薬容器60のステータスを「試薬なし」に設定する。
【0187】
図30は、制御装置C1の制御部501による試薬交換に関する警告表示処理を示すフローチャートである。図30の処理は、組となる2つの試薬容器60ごとに並行して繰り返し実行される。
【0188】
ステップS321において、制御装置C1の制御部501は、組となる2つの試薬容器60において、使用中の試薬容器60の残量が所定値以下、かつ、他方の試薬容器60のステータスが「試薬なし」であるか否かを判定する。残量を判定する所定値は、例えば25%である。ここで、制御装置C1の記憶部502には、全ての試薬容器60の試薬残量が記憶されている。試薬残量は、新品時の試薬容器60の既知の試薬残量と、当該試薬容器60から試薬貯留部201への試薬の移送量とに基づいて、リアルタイムで更新されている。試薬の移送量は、例えば、試薬容器60から試薬貯留部201への試薬の移送回数に基づいて取得される。
【0189】
なお、試薬の移送量は、試薬が気泡監視センサ231、232を通過する時間に基づいて取得されてもよく、送液部251の駆動回数に基づいて取得されてもよく、8台の検体測定装置32-L、32-Rによる測定回数および2台の塗抹標本作製装置41の塗抹標本の作製回数に基づいて取得されてもよい。
【0190】
上記のように組となる2つの試薬容器60の残量が僅かになった場合(ステップS321:YES)、ステップS322において、制御装置C1の制御部501は、図20の表示状態5、6に示したように、エラーウインドウ460に残り残量が所定値以下になったこと、および、試薬情報領域441に当該試薬の残量が僅かになったことを示すアイコン455を表示する。
【0191】
その後、ステップS323において、制御装置C1の制御部501は、他方の試薬容器60が新しい試薬容器60に交換され、他方の試薬容器60のステータスが「試薬あり」になったか否かを判定する。他方の試薬容器60のステータスが「試薬あり」になると(ステップS323:YES)、ステップS324において、制御装置C1の制御部501は、ステップS322で表示させた試薬切れの警告を解除する。これにより、エラーウインドウ460から当該試薬の交換を促す表示が消え、試薬情報領域441からアイコン455が消える。
【0192】
図31は、制御装置C1の制御部501による試薬供給装置50のスタートアップ動作およびシャットダウン動作の処理を示すフローチャートである。図31の処理は、試薬供給装置50の供給部200ごとに並行して繰り返し実行される。
【0193】
ステップS401において、制御装置C1の制御部501は、フロートセンサ201aの検出結果に基づいて、試薬貯留部201が満水であるか否かを判定する。試薬貯留部201が満水でない場合(ステップS401:NO)、ステップS402において、制御装置C1の制御部501は、組となる2つの試薬容器60のうち使用中の試薬容器60から試薬貯留部201に試薬が移送されるよう供給部200を駆動し、試薬貯留部201を満水状態にする。他方、試薬貯留部201が満水である場合(ステップS401:YES)、ステップS402の処理が省略される。
【0194】
ステップS403において、制御装置C1の制御部501は、図12に例示したように、使用中の試薬容器60を用いて、配管210全体に試薬が移送されるよう供給部200を駆動し、配管210全体に試薬を貯留させる。
【0195】
<実施形態1による検体測定システムおよび試薬供給装置の効果>
以下、CPB試薬、DST試薬、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬およびWDF試薬のうち一の試薬を「第1試薬」と称し、CPB試薬、DST試薬、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬およびWDF試薬のうち第1試薬とは異なる種類の他の試薬を「第2試薬」と称する。CPB試薬、DST試薬、WNR試薬、DFL試薬、SLS試薬、WPC試薬およびWDF試薬のうち第1試薬および第2試薬とは異なる種類の他の試薬を「第3試薬」と称する。
【0196】
検体測定システム1は、複数の検体測定装置32-L、32-Rと、試薬供給装置50と、を含む。検体測定装置32-L、32-Rは、第1試薬および第2試薬を用いて検体を測定する。試薬供給装置50は、第1試薬が収容された複数の試薬容器60(第1試薬容器)の夫々と接続された配管210(第1配管)と、配管210(第1配管)を介して移送された第1試薬を貯留する試薬貯留部201(第1試薬貯留部)と、第2試薬が収容された複数の試薬容器60(第2試薬容器)の夫々と接続された配管210(第2配管)と、配管210(第2配管)を介して移送された第2試薬を貯留する試薬貯留部201(第2試薬貯留部)と、を備える。試薬貯留部201(第1試薬貯留部)に貯留された第1試薬は、複数の検体測定装置32-L、32-Rの夫々に供給され、試薬貯留部201(第2試薬貯留部)に貯留された第2試薬は、複数の検体測定装置32-L、32-Rの夫々に供給される。
【0197】
大規模施設においては、複数種類の試薬を用いて検体の測定を行う検体測定装置が、複数設けられる。一般に、何れかの種類の試薬に試薬切れが生じると、検体測定装置の測定が止まってしまう。また、このように複数の検体測定装置により試薬が消費される場合は、各々の種類の試薬に試薬切れが生じやすい。このため、ユーザは、試薬切れが生じないように、各々の種類の試薬の状況を監視しつつ、各々の種類の試薬に対して頻繁に試薬交換を行う必要がある。
【0198】
これに対し、上記構成によれば、試薬供給装置50が、各供給部200において、複数の試薬容器60からの試薬を貯留する試薬貯留部201を含んでおり、各試薬貯留部201の試薬が、複数の検体測定装置32-L、32-Rに供給される。これにより、各々の種類の試薬容器60に試薬切れが生じた場合に、しばらくは各供給部200において試薬貯留部201からの試薬供給が可能となり、ユーザは、直ちに試薬交換を行わなくてよく、ユーザの都合の良いタイミングで、試薬切れが生じた試薬容器60を新しい試薬容器60に交換できる。このため、試薬交換に対するユーザの監視負担および試薬交換の頻度を軽減できる。よって、大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【0199】
試薬供給装置50は、第1試薬に対応する配管210(第1配管)を介して、複数の試薬容器60(第1試薬容器)に収容された第1試薬の夫々を試薬貯留部201(第1試薬貯留部)に移送する切替部241、242、252および送液部251(第1試薬移送部)と、第2試薬に対応する配管210(第2配管)を介して、複数の試薬容器60(第2試薬容器)に収容された第2試薬の夫々を試薬貯留部201(第2試薬貯留部)に移送する切替部241、242、252および送液部251(第2試薬移送部)と、をさらに備える。
【0200】
この構成によれば、各試薬を試薬貯留部201に移送する動作を、それぞれ独立して実行できる。
【0201】
第1試薬に対応する上記第1試薬移送部は、第1試薬が収容された一の試薬容器60(第1試薬容器)から他の試薬容器60(第1試薬容器)に配管210(第1配管)の流路を切り替える切替部241、242(第1切替部)と、切替部241、242(第1切替部)によって切り替えられた配管210(第1配管)の流路に第1試薬を送液する送液部251(第1送液部)と、を含む。第2試薬に対応する上記第2試薬移送部は、第2試薬が収容された一の試薬容器60(第2試薬容器)から他の試薬容器60(第2試薬容器)に配管210(第2配管)の流路を切り替える切替部241、242(第2切替部)と、切替部241、242(第2切替部)によって切り替えられた配管210(第2配管)の流路に第2試薬を送液する送液部251(第2送液部)と、を含む。
【0202】
この構成によれば、使用中の試薬容器60に試薬切れが生じた場合に、配管210の流路を他の試薬容器60に円滑に切り替えて、試薬を試薬貯留部201に移送できる。
【0203】
試薬供給装置50は、複数の試薬容器60(第1試薬容器)の夫々に収容された第1試薬の供給状態を検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)と、複数の試薬容器60(第2試薬容器)の夫々に収容された第2試薬の供給状態を検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)と、制御装置C1の制御部501と、をさらに備える。制御装置C1の制御部501は、図27に示したように、使用中の試薬容器60を切り替える。すなわち、制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)の検出結果(第1検出結果)に基づき、第1試薬が収容された一の試薬容器60(第1試薬容器)から他の試薬容器60(第1試薬容器)に配管210(第1配管)の流路を切り替えるように切替部241、242および送液部251(第1試薬移送部)を制御し、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)の検出結果(第2検出結果)に基づき、第2試薬が収容された一の試薬容器60(第2試薬容器)から他の試薬容器60(第2試薬容器)に配管210(第2配管)の流路を切り替えるように切替部241、242および送液部251(第2試薬移送部)を制御する。
【0204】
この構成によれば、上記検出結果に基づいて試薬の供給状態を検出できるため、必要な流路の切り替えを確実に行うことができる。
【0205】
制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201aの検出結果(第1検出結果)に基づき、切替部241、242(第1切替部)によって切り替えられた配管210(第1配管)の流路を介して第1試薬を移送するように切替部241、242および送液部251(第1試薬移送部)を制御し、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201aの検出結果(第2検出結果)に基づき、切替部241、242(第2切替部)によって切り替えられた配管210(第2配管)の流路を介して第2試薬を移送するように切替部241、242および送液部251(第2試薬移送部)を制御する。
【0206】
この構成によれば、各供給部200において、検出結果に基づいて流路の切り替えとともに試薬の移送が行われるため、円滑に試薬を試薬貯留部201に移送できる。
【0207】
フロートセンサ201a(第1検出部)は、第1試薬に対応する試薬貯留部201(第1試薬貯留部)内に設けられており、フロートセンサ201a(第2検出部)は、第2試薬に対応する試薬貯留部201(第2試薬貯留部)内に設けられている。
【0208】
この構成によれば、各供給部200において、試薬貯留部201内にフロートセンサ201aが設けられるため、試薬貯留部201に対する試薬の供給状態とともに、試薬貯留部201における試薬の貯留状態も検出できる。
【0209】
気泡監視センサ231、232(第1検出部)は、第1試薬に対応する配管210(第1配管)に設けられており、気泡監視センサ231、232(第2検出部)は、第2試薬に対応する配管210(第2配管)に設けられている。
【0210】
この構成によれば、各供給部200において、気泡監視センサ231、232が配管210に設けられるため、配管210を流れる試薬の状況から、試薬の供給状態を直接的に検出できる。よって、各供給部200に接続された試薬容器60の夫々に収容された試薬の供給状態と、これら試薬容器60の夫々に収容された試薬の供給状態とを、確実に把握できる。
【0211】
なお、フロートセンサ201aが、複数の第1試薬容器の夫々に収容された第1試薬の供給状態を検出する第1検出部であり、気泡監視センサ231、232が、複数の第2試薬容器の夫々に収容された第2試薬の供給状態を検出する第2検出部であってもよい。
【0212】
第1試薬に対応する配管210(第1配管)が複数の流路211~215(第1流路)を含み、第2試薬に対応する配管210(第2配管)が複数の流路211~215(第2流路)を含む。制御装置C1の制御部501は、複数の流路211~215(第1流路)のうち、空になった一の試薬容器60(第1試薬容器)からの第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器60(第1試薬容器)からの第1試薬の移送に使用されない流路に第1試薬が貯留するよう第1試薬を移送するように切替部241、242、252および送液部251(第1試薬移送部)を制御する(図27のステップS207)。また、制御装置C1の制御部501は、複数の流路211~215(第2流路)のうち、空になった一の試薬容器60(第2試薬容器)からの第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器60(第2試薬容器)からの第2試薬の移送に使用されない流路に第2試薬が貯留するよう第2試薬を移送するように切替部241、242、252および送液部251(第2試薬移送部)を制御する(図27のステップS207)。
【0213】
一般に、試薬容器60が試薬切れ状態となり、その状態が長期間にわたって放置されると、試薬容器60に繋がる配管210内が乾燥し、配管210内に残留した試薬からの組成物が析出し、試薬供給を再開した場合に詰まりなどの不具合が生じる惧れがある。これに対し、上記構成によれば、空になった試薬容器60に繋がる流路、例えば、図10に示した試薬容器RC1に繋がる流路211または図11に示した試薬容器RC2繋がる流路212に試薬が貯留されることにより、配管210内において、組成物の析出や詰まりを防止できる。
【0214】
制御装置C1の制御部501は、第1試薬を貯留させる上記制御において、切替部241、242、252および送液部251(第1試薬移送部)に、他の試薬容器60(第1試薬容器)から一の試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬を移送させる。また、制御装置C1の制御部501は、第2試薬を貯留させる上記制御において、切替部241、242、252および送液部251(第2試薬移送部)に、他の試薬容器60(第2試薬容器)から一の試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬を移送させる。
【0215】
この構成によれば、図10、11に示したように、試薬の貯留において、試薬貯留部201内の試薬は用いられずに、他の試薬容器60の試薬が用いられる。これにより、試薬貯留部201内の試薬の残量を維持できるため、後段側の検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41の動作を安定的に継続できる。
【0216】
制御装置C1の制御部501は、検体測定システム1の終了および起動のタイミングにおいて、図12および図31のステップS403に示したように、第1試薬を貯留させるための上記制御と、第2試薬を貯留させるための上記制御と、を実行する。
【0217】
この構成によれば、貯留動作が測定動作に支障を与えにくい。よって、測定動作を円滑に進めることができる。また、検体測定システム1が、終了後に長時間にわたって使用されない場合、配管210内において組成物の析出や組成物による詰まりが生じやすい。これに対し、検体測定システム1の終了のタイミングにおいて試薬を貯留させるための制御が実行されると、長時間使用されなくなる前に配管210内が試薬で満たされるため、組成物の析出や詰まりを防止できる。
【0218】
なお、実施形態では、検体測定システム1の終了および起動の両方のタイミングにおいて貯留動作が行われたが、検体測定システム1の終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて貯留動作が行われてもよい。ただし、上述したように、長時間にわたって配管210が使用されなくなる場合に組成物の析出や詰まりが生じるため、検体測定システム1の終了のタイミングにおいて貯留動作が行われるのが好ましい。
【0219】
試薬供給装置50は、複数の試薬容器60(第1試薬容器)の夫々について第1試薬の試薬切れを検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)と、複数の試薬容器60(第2試薬容器)の夫々について第2試薬の試薬切れを検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)と、をさらに備える。制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)の検出結果から一の試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬の試薬切れが生じたと判定したことに応じて、図10、11および図27のステップS207に示したように、第1試薬を貯留させるための上記制御を実行する。また、制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)の検出結果から一の試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬の試薬切れが生じたと判定したことに応じて、図10、11および図27のステップS207に示したように、第2試薬を貯留させるための上記制御を実行する。
【0220】
この構成によれば、一の試薬容器60が試薬切れになったことに応じて空の配管210内が試薬で満たされるため、組成物の析出や詰まりを確実に防止できる。
【0221】
制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)の検出結果から一の試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬の試薬切れが生じたと判定した後(図27のステップS204:NO)、一の試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬の試薬切れが生じたことを報知する処理(図29のステップS302)を行う前に、第1試薬を貯留させるための上記制御(図27のステップS207)を実行する。制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)の検出結果から一の試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬の試薬切れが生じたと判定した後(図27のステップS204:NO)、一の試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬の試薬切れが生じたことを報知する処理(図29のステップS302)を行う前に、第2試薬を貯留させるための上記制御(図27のステップS207)を実行する。
【0222】
試薬容器60に試薬がないことが報知されると、ユーザによってすぐに試薬容器60が交換されることがある。この交換の際に、他の試薬容器60から一の試薬容器60に試薬を移送すると、試薬漏れが生じる惧れがある。上記構成によれば、通知が行われる前に試薬の貯留が行われるため、試薬漏れを回避できる。
【0223】
試薬供給装置50は、第3試薬が収容された複数の試薬容器60(第3試薬容器)の夫々と接続された配管210(第3配管)を介して移送された第3試薬を貯留する試薬貯留部201(第3試薬貯留部)を備える。試薬貯留部201(第3試薬貯留部)に貯留された第3試薬は、複数の検体測定装置32-L、32-Rの夫々に供給される。
【0224】
一般的に、3種類の試薬を用いて検体の測定を行う場合、ユーザはさらに頻繁に試薬交換を行う必要がある。このように3種類の試薬を用いる場合でも、上記構成によれば、試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【0225】
検体測定システム1は、検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置41と、検体を収容した複数の検体容器110を保持可能なラック100を搬送する搬送装置22、23と、をさらに含む。搬送装置22、23は、複数の検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41の夫々にラック100を搬送するように構成されている。
【0226】
この構成によれば、検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41に検体を自動で搬送できるため、ユーザが手動で運搬するといった手間を省略でき、検体の処理速度を高めることができる。
【0227】
試薬供給装置50は、複数の試薬容器60(第1試薬容器)の夫々について第1試薬の試薬切れを検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)と、複数の試薬容器60(第2試薬容器)の夫々について第2試薬の試薬切れを検出する気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)と、制御装置C1の制御部501と、制御装置C1の表示入力部31b(表示部)と、をさらに備える。制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)の検出結果から試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図29のステップS301:YES)に応じて、当該試薬容器60(第1試薬容器)に試薬切れが生じたことを示す情報(図15のアイコン452および図17のエラーウインドウ460)を、制御装置C1の表示入力部31b(表示部)に表示させる。また、制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)の検出結果から試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図29のステップS301:YES)に応じて、当該試薬容器60(第2試薬容器)に試薬切れが生じたことを示す情報(図15のアイコン452および図17のエラーウインドウ460)を表示入力部31b(表示部)に表示させる。
【0228】
この構成によれば、ユーザは、試薬切れが生じたことを迅速に把握できる。
【0229】
制御装置C1の制御部501は、全ての試薬容器60(第1試薬容器)において第1試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図27のステップS206:NO)、または、全ての試薬容器60(第2試薬容器)で第2試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図27のステップS206:NO)に応じて、複数の検体測定装置32-L、32-Rによる測定動作を停止させる処理(図27のステップS209、S212)を実行するとともに、制御装置C1の表示入力部31b(表示部)に測定動作が停止したことを示す情報(図18、19のエラーウインドウ470)を表示させる(図27のステップS210および図28のステップS223)。
【0230】
所定種類の全ての試薬容器60において試薬切れが生じている場合、適正な測定を行うことができなくなる惧れがある。上記構成によれば、不適正な測定が行われることを防止でき、ユーザは、測定動作が停止していることを迅速に把握できる。
【0231】
検体測定システム1は、表示入力部31b、523(表示部)を複数備える。制御装置C1の制御部501は、試薬切れが生じたことを示す情報(図15のアイコン452および図17のエラーウインドウ460)を、複数の表示入力部31b、523(表示部)のいずれか、例えば制御装置C1の表示入力部31b(表示部)に表示させる。
【0232】
この構成によれば、ユーザは、複数の表示入力部31b、523のうちの1つの表示入力部のみを参照することにより、試薬切れが生じたことを容易に把握できる。
【0233】
なお、全ての表示入力部31b、523に、試薬切れが生じたことを示す情報が表示されてもよい。ただし、試薬切れが生じたことを示す情報が1つの表示入力部にのみ表示される方が、ユーザは、他の表示入力部において他の情報(例えば、測定状態など)を円滑に把握できる。
【0234】
図6に示したように、試薬供給装置50は、仕切り部材52により内部が上部領域51aと下部領域51bとに分割された筐体51をさらに備える。上部領域51aには、回路基板53(電気回路を含む基板)が設けられる。下部領域51bには、図7に示したように、第1試薬に対応する配管210(第1配管)、試薬貯留部201(第1試薬貯留部)、および気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)と、第2試薬に対応する配管210(第2配管)、試薬貯留部201(第2試薬貯留部)、および気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)と、が設けられている。
【0235】
この構成によれば、上部領域51aに回路基板53が配置され、下部領域51bに試薬を移送するための流体回路が配置される。これにより、試薬が回路部に漏れることにより回路基板53が故障するといった事態を防止できる。
【0236】
<実施形態2>
実施形態1では、図7に示したように、各供給部200において、試薬貯留部201の下端は、流路216により、中継装置70、塗抹標本作製装置41または希釈装置80に接続された。これに対し、実施形態2では、試薬貯留部201の下端は、流路216、217、218を介して、中継装置70、塗抹標本作製装置41または希釈装置80と、当該供給部200の送液部251側の流路と、に接続されている。以下、図7に示した実施形態1と異なる点について説明する。
【0237】
図32は、実施形態2に係る、試薬供給装置50の流体回路の構成を模式的に示す図である。
【0238】
流路216の下端は、交差部216aにおいて流路217、218に接続されている。流路217の交差部216aと反対側の端部は、交差部217aにおいて流路214a、214bに接続されている。流路218の交差部216aと反対側の端部は、中継装置70、塗抹標本作製装置41または希釈装置80に接続されている。流路214aの一端は、交差部212aにおいて流路212、213に接続されており、流路214aの他端は、交差部217aに接続されている。流路214bの一端は、送液部251に接続されており、流路214bの他端は、交差部217aに接続されている。切替部253は、流路217を開状態および閉状態のいずれかに切り替える。
【0239】
なお、切替部253は、流路217を開状態および閉状態のいずれかに切り換えることが可能であれば、電磁弁に限らず他の構成でもよい。例えば、切替部253は、電気的に切替可能なバルブでもよい。
【0240】
図33は、試薬容器RC1に試薬切れが生じた場合の貯留動作を示す図である。この例では、試薬容器RC2が、使用中に設定されている。
【0241】
図33の上段の流路状態7-1に示すように、切替部253が開状態とされ、送液部251が吸引動作を行う。これにより、試薬貯留部201の試薬が送液部251まで引き込まれ、流路216、217、214bに試薬が満たされる。続いて、図33の下段の流路状態7-2に示すように、切替部253が閉状態とされ、切替部241が開状態とされ、送液部251が吐出動作を行う。これにより、送液部251に引き込まれた試薬が、流路214b、214a、213、211を介して試薬容器RC1に移送される。そして、切替部241が閉状態とされ、管221から切替部241までの流路211に試薬が満たされ、貯留動作が完了する。
【0242】
実施形態2では、図27のステップS207において、制御装置C1の制御部501は、図33に示したように、切替部241、242、252、253および送液部251を制御して、試薬貯留部201内の試薬を空になった試薬容器60に移送することにより貯留動作を行う。
【0243】
また、配管210全体に試薬を貯留する貯留動作の場合も、図31のステップS403において、制御装置C1の制御部501は、切替部241、242、252、253および送液部251を制御して、試薬貯留部201内の試薬を配管210全体に移送することにより貯留動作を行う。
【0244】
なお、流路216の上端は、試薬貯留部201の最下部(内部の下端)から、試薬貯留部201の内部の高さ幅の1/4~1/5程度の位置に繋がってもよい。この場合も、試薬貯留部201の試薬を、流路216、217を介して当該供給部200の送液部251側の流路に円滑に移送できる。ただし、図32に示したように、流路216の上端は、試薬貯留部201の最下部に繋がっていることが好ましい。これにより、試薬貯留部201内の試薬を、さらに円滑に流路216に移送できる。
【0245】
また、実施形態1において、流路215の試薬貯留部201側の端部が、試薬貯留部201の内部の底面付近まで伸びていてもよい。この場合、制御装置C1の制御部501は、切替部241、242、252および送液部251を制御して、試薬貯留部201内の試薬を、流路215を介して移送することにより貯留動作を行ってもよい。
【0246】
<実施形態2による検体測定システムおよび試薬供給装置の効果>
第1試薬に対応する配管210(第1配管)が複数の流路211~213、214a、214b、215~218(第1流路)を含み、第2試薬に対応する配管210(第2配管)が複数の流路211~213、214a、214b、215~218(第2流路)を含む。制御装置C1の制御部501は、複数の流路211~213、214a、214b、215~218(第1流路)のうち、空になった一の試薬容器60(第1試薬容器)からの第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器60(第1試薬容器)からの第1試薬の移送に使用されない流路に第1試薬が貯留するよう第1試薬を移送するように切替部241、242、252、253および送液部251(第1試薬移送部)を制御する。また、制御装置C1の制御部501は、複数の流路211~213、214a、214b、215~218(第2流路)のうち、空になった一の試薬容器60(第2試薬容器)からの第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の試薬容器60(第2試薬容器)からの第2試薬の移送に使用されない流路に第2試薬が貯留するよう第2試薬を移送するように切替部241、242、252、253および送液部251(第2試薬移送部)を制御する。
【0247】
この構成においても、空になった試薬容器60に繋がる流路、例えば、図33において試薬容器RC1に繋がる流路211に試薬が貯留されることにより、配管210内において、組成物の析出や詰まりを防止できる。
【0248】
なお、実施形態2のように、試薬貯留部201の試薬を用いて貯留動作が行われる場合、貯留動作の際に試薬貯留部201内の試薬量が一時的に減少する。このため、試薬貯留部201の容量によっては、後段側の検体測定装置32-L、32-Rおよび塗抹標本作製装置41に、安定的に試薬を供給できなくなる惧れがある。したがって、このような問題が生じる場合には、実施形態1のように、空でない方の試薬容器60を用いて貯留動作が行われるのが好ましい。
【0249】
<実施形態3>
実施形態3では、各検体測定装置32-L、32-Rおよび各塗抹標本作製装置41に、警告灯91、92が配置される。以下、図1に示した実施形態1と異なる点について説明する。
【0250】
図34は、実施形態3に係る、検体測定システム1の構成を模式的に示す正面図である。
【0251】
制御装置C1に対応する2台の検体測定装置32-L、32-Rのうち左側の検体測定装置32-Lの上面に、警告灯91が設置されている。警告灯91は、制御装置C1に接続されており、制御装置C1により直接制御される。各検体測定装置32-L、32-Rおよび各塗抹標本作製装置41の上面に、警告灯92が設置されている。各検体測定装置32-L、32-Rに設置された警告灯92は、対応する制御装置31に接続されており、当該制御装置31により直接制御される。各塗抹標本作製装置41に設置された警告灯92は、当該塗抹標本作製装置41に接続されており、当該塗抹標本作製装置41により直接制御される。
【0252】
制御装置C1の制御部501は、全ての警告灯91、92の点灯制御を行う。制御装置C1の制御部501は、制御装置C1に接続された警告灯91、92を直接点灯制御する。制御装置C1の制御部501は、制御装置C2に接続された警告灯92を点灯制御する際、制御装置C2に点灯指示を送信して、制御装置C2の制御部501に点灯制御を行わせる。また、制御装置C1の制御部501は、塗抹標本作製装置41に接続された警告灯92を点灯制御する際、塗抹標本作製装置41に点灯指示を送信して、塗抹標本作製装置41の制御部521に点灯制御を行わせる。
【0253】
警告灯91、92は、上方向に光を出射するよう構成されており、検体測定システム1の設置された部屋の天井に光を照射する。
【0254】
図35は、制御装置C1の制御部501による警告灯91、92の点灯処理を示すフローチャートである。図35の処理は、繰り返し実行される。
【0255】
ステップS501において、制御装置C1の制御部501は、各試薬容器60のステータスを参照して、2つの試薬容器60からなるいずれかの組において一方の試薬容器60で試薬切れが生じ、かつ、2つの試薬容器60からなる全ての組において両方の試薬容器60で試薬切れが生じていないか否かを判定する。ステップS501および後述のステップS503では、試薬容器60のステータスが、「試薬なし」または「試薬交換待ち」である場合、当該試薬容器60は試薬切れであると判定される。ステップS501でYESと判定される場合、実施形態1で説明したように、全ての測定および全ての塗抹標本の作製が停止しておらず継続している。
【0256】
制御装置C1の制御部501は、ステップS501でYESと判定すると、ステップS502において、警告灯91を第1の報知形態で点灯制御する。第1の報知形態は、例えば、緑色の点灯である。これにより、図36に示すように、警告灯91のみが第1の報知形態で点灯され、全ての警告灯92は消灯される。ユーザは、図36のような点灯状態を参照することにより、測定および塗抹標本の作製は停止していないことを把握でき、試薬切れになった試薬容器60を早めに交換した方が好ましいことを把握できる。
【0257】
なお、ステップS502において、警告灯91の点灯制御とともに、または、警告灯91の点灯制御に代えて、第1の報知形態に対応したアラーム音が、制御装置C1に設けられたスピーカーから出力されてもよい。
【0258】
ステップS503において、制御装置C1の制御部501は、各試薬容器60のステータスを参照して、2つの試薬容器60からなるいずれかの組において両方の試薬容器60で試薬切れが生じているか否かを判定する。ステップS503でYESと判定される場合、実施形態1で説明したように、全ての測定および全ての塗抹標本の作製が停止している。
【0259】
制御装置C1の制御部501は、ステップS503でYESと判定すると、ステップS504において、全ての警告灯91、92を第2の報知形態で点灯制御する。第2の報知形態は、例えば、赤色の点灯である。これにより、図37に示すように、全ての警告灯91、92が第2の報知形態で点灯される。ユーザは、図37のような点灯状態を参照することにより、測定および塗抹標本の作製が停止していることを把握でき、試薬切れになった試薬容器60を迅速に交換する必要があることを把握できる。
【0260】
なお、ステップS504において、警告灯91、92の点灯制御とともに、または、警告灯91、92の点灯制御に代えて、第2の報知形態に対応したアラーム音が、全ての制御装置31および全ての塗抹標本作製装置41にそれぞれ設けられたスピーカーから出力されてもよい。
【0261】
制御装置C1の制御部501は、ステップS501、S503の両方でNOと判定すると、全ての試薬容器60のステータスは「試薬あり」であるため、ステップS505において全ての警告灯91、92を消灯制御する。これにより、図34に示すように、全ての警告灯91、92が消灯される。
【0262】
なお、第1報知形態および第2報知形態は、両形態をユーザが区別して認識できれば、他の報知形態でもよい。例えば、第1報知形態および第2報知形態は、上記の色以外の色の点灯でもよく、点灯と消灯を所定の時間間隔で繰り返す点滅でもよい。また、警告灯91、92は、警告灯に限らず、光を出射する他の装置でもよい。例えば、警告灯に代えて、回転灯やパイロットランプが用いられてもよい。
【0263】
また、制御装置31は、当該制御装置31に接続された2台の検体測定装置32-L、32-Rにおいて、内部に収容された染色液で試薬切れが生じた場合、試薬切れが生じた検体測定装置32-L、32-Rの上面に配置された警告灯92を、他の報知形態で点灯制御してもよい。
【0264】
<実施形態3による検体測定システムおよび試薬供給装置の効果>
制御装置C1の制御部501は、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第1検出部)の検出結果から試薬容器60(第1試薬容器)に第1試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図35のステップS501:YES)、または、気泡監視センサ231、232およびフロートセンサ201a(第2検出部)の検出結果から試薬容器60(第2試薬容器)に第2試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図35のステップS501:YES)に応じて、図36に示したように第1の報知形態で警告灯91を点灯制御する(図35のステップS502)。
【0265】
この構成によれば、ユーザは、警告灯91の点灯を参照して、試薬切れが生じたことを迅速に把握できる。また、警告灯91は天井に照射されるため、ユーザは、検体測定システム1の位置から離れた場所にいても、試薬切れが生じたことを迅速に把握できる。
【0266】
制御装置C1の制御部501は、全ての試薬容器60(第1試薬容器)において第1試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図35のステップS503:YES)、または、全ての試薬容器60(第2試薬容器)で第2試薬の試薬切れが生じたと判定したこと(図35のステップS503:YES)に応じて、複数の検体測定装置32-L、32-Rによる測定動作を停止させる処理を実行するとともに(図27のステップS209、S212)、図37に示したように第2の報知形態で警告灯91、92を点灯制御する(図35のステップS504)。
【0267】
所定種類の全ての試薬容器60において試薬切れが生じている場合、適正な測定を行うことができなくなる。上記構成によれば、不適正な測定が行われることを防止でき、ユーザは、測定動作が停止していることを迅速に把握できる。
【0268】
<実施形態4>
実施形態1では、図4に示したように、全ての試薬容器60は4つの収納部12に配置された。これに対し、実施形態4では、全ての試薬容器60が、試薬供給装置50内に配置される。以下、実施形態1と異なる構成について説明する。
【0269】
図38は、実施形態4に係る、試薬供給装置50の構成を模式的に示す正面図である。図38では、便宜上、試薬供給装置50の内部が透視状態で示されている。
【0270】
実施形態4では、図6に示した実施形態1と比較して、全ての試薬容器60が、収納部12ではなく、試薬供給装置50の下部領域51bに配置される。下部領域51bには、7つの試薬収納部61が設けられている。7つの試薬収納部61には、それぞれ、CPB試薬が収容された2つの試薬容器60と、DST試薬が収容された2つの試薬容器60と、WNR試薬が収容された2つの試薬容器60と、DFL試薬が収容された2つの試薬容器60と、SLS試薬が収容された2つの試薬容器60と、WPC試薬が収容された2つの試薬容器60と、WDF試薬が収容された2つの試薬容器60とが、それぞれ収納されている。
【0271】
<実施形態4による検体測定システムおよび試薬供給装置の効果>
図1に示したように、検体測定システム1は、複数の検体測定装置32-L、32-Rと、複数の検体測定装置32-L、32-Rに試薬を供給する試薬供給装置50と、を含む。図38に示したように、試薬供給装置50は、第1試薬が収容された試薬容器60(第1試薬容器)を複数収納する試薬収納部61(第1試薬収納部)と、第2試薬が収容された試薬容器60(第2試薬容器)を複数収納する試薬収納部61(第2試薬収納部)と、第1試薬を一時的に貯留する試薬貯留部201(第1試薬貯留部)と、第2試薬を一時的に貯留する試薬貯留部201(第2試薬貯留部)と、試薬貯留部201(第1試薬収納部)に収納された複数の試薬容器60(第1試薬容器)内の第1試薬を、それぞれ、試薬貯留部201(第1試薬貯留部)に移送する切替部241、242、252および送液部251(図7参照)(第1試薬移送部)と、試薬貯留部201(第2試薬収納部)に収納された複数の試薬容器60(第2試薬容器)内の第2試薬を、それぞれ、試薬貯留部201(第2試薬貯留部)に移送する切替部241、242、252および送液部251(図7参照)(第2試薬移送部)と、を含む。複数の検体測定装置32-L、32-Rは、それぞれ、試薬供給装置50の試薬貯留部201(第1試薬貯留部)から供給される第1試薬と試薬貯留部201(第2試薬貯留部)から供給される第2試薬とを用いて検体を測定する測定部513(図21参照)を有する。
【0272】
この構成によれば、実施形態1と同様、複数種類の試薬を大量に消費する大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。さらに、この構成によれば、試薬供給装置50に試薬容器60を複数収納する試薬収納部61が設けられているため、試薬収納部61と試薬貯留部201との距離を短くできるため、試薬容器60と試薬貯留部201との間の配管210を簡素に構成できる。また、試薬容器60の設置場所が試薬供給装置50に集約されているため、ユーザは、試薬交換を円滑に行うことができる。
【0273】
<実施形態5>
実施形態1では、図1に示したように、試薬供給装置50が、複数の検体測定装置32-L、32-Rを含む検体測定システム1に配置された。これに対し、実施形態5では、試薬供給装置50が、複数の検体処理装置を含む検体処理システム2に配置される。
【0274】
図39は、実施形態5に係る、検体処理システム2の構成を模式的に示す斜視図である。
【0275】
検体処理システム2は、図1に示した実施形態1の検体測定システム1から、4つの収納部12と、4つの搬送装置22と、4つの検体分析装置30と、が省略された構成を備える。検体処理システム2が備える塗抹標本作製装置41は、検体を処理するための検体処理装置である。なお、検体処理システム2が備える検体処理装置は、塗抹標本作製装置41に限らない。
【0276】
実施形態5の試薬供給装置50は、2台の塗抹標本作製装置41のうち1台の塗抹標本作製装置41と、USB規格に基づいて通信可能に接続されている。実施形態1で行われた試薬供給装置50の制御および表示処理は、試薬供給装置50が接続された塗抹標本作製装置41の制御部521によって行われる。
【0277】
図40は、実施形態5に係る、試薬および純水の移送経路を模式的に示す流体回路図である。
【0278】
実施形態5では、図5に示した実施形態1と比較して、8台の検体測定装置32-L、32-Rと、8台の検体測定装置32-L、32-Rに接続された中継装置70と、4組の検体測定装置32-L、32-Rに接続された希釈装置80と、WNR試薬が収容された2つの試薬容器60と、DFL試薬が収容された2つの試薬容器60と、SLS試薬が収容された2つの試薬容器60と、WPC試薬が収容された2つの試薬容器60と、WDF試薬が収容された2つの試薬容器60と、が省略されている。CPB試薬が収容された2つの試薬容器60と、DST試薬が収容された2つの試薬容器60とは、2台の収納部13(図39参照)に収納されている。
【0279】
<実施形態5による検体測定システムおよび試薬供給装置の効果>
検体処理システム2は、複数の塗抹標本作製装置41(検体処理装置)と、試薬供給装置50と、を含む。複数の塗抹標本作製装置41(検体処理装置)は、CPB試薬(第1試薬)およびCPB試薬(第1試薬)とは異なる種類のDST試薬(第2試薬)を用いて、検体の処理として、検体の塗抹標本を作製する。試薬供給装置50は、CPB試薬が収容された複数の試薬容器60(第1試薬容器)の夫々と接続された配管210(第1配管)を介して移送されたCPB試薬(第1試薬)を貯留する試薬貯留部201(第1試薬貯留部)と、DST試薬(第2試薬)が収容された複数の試薬容器60(第2試薬容器)の夫々と接続された配管210(第2配管)を介して移送されたDST試薬(第2試薬)を貯留する試薬貯留部201(第2試薬貯留部)と、を備える。試薬貯留部201(第1試薬貯留部)に貯留されたCPB試薬(第1試薬)は、複数の塗抹標本作製装置41(検体処理装置)の夫々に供給され、試薬貯留部201(第2試薬貯留部)に貯留されたDST試薬(第2試薬)は、複数の塗抹標本作製装置41(検体処理装置)の夫々に供給される。
【0280】
この構成においても、試薬交換に対するユーザの監視負担および試薬交換の頻度を軽減できる。よって、複数種類の試薬を大量に消費する大規模施設における試薬交換のユーザ負担を低減できる。
【0281】
<変更例>
実施形態1~5では、同一の種類の試薬が収容された試薬容器60が2つ配置されたが、3つ以上配置されてもよい。これにより、試薬交換に対するユーザの監視負担および試薬交換の頻度を軽減できる。
【0282】
実施形態1~4では、図1に示したように、試薬供給装置50、純水装置27および搬送コントローラ26が、これらの装置以外の検体測定システム1の構成から後方に離れた位置に配置されたが、これらの装置以外の検体測定システム1の構成と一体的に配置されてもよい。同様に、上記実施形態5では、図39に示したように、試薬供給装置50、純水装置27および搬送コントローラ26が、これらの装置以外の検体処理システム2の構成から後方に離れた位置に配置されたが、これらの装置以外の検体処理システム2の構成と一体的に配置されてもよい。
【0283】
実施形態1~4では、いずれかの試薬において、組となる2つの試薬容器60の両方で試薬切れが生じると、全ての検体測定装置32-L、32-Rの測定および全ての塗抹標本作製装置41の塗抹標本の作製が停止された。しかしながら、これに限らず、上記の場合でも全ての装置を停止させず、試薬切れが生じた試薬を用いて測定および塗抹標本の作製を行う装置のみが停止されてもよい。例えば、CPB試薬に対応する2つの試薬容器60で試薬切れが生じた場合、8台の検体測定装置32-L、32-Rによる測定は停止されず、2台の塗抹標本作製装置41のみが停止されてもよい。
【0284】
実施形態1~4において、試薬供給装置50は、4つの検体分析装置30のうち1つの検体分析装置30が備える制御装置C1に接続され、試薬供給装置50に関する制御および表示処理は、制御装置C1により行われた。すなわち、制御装置C1は、試薬供給装置50に関する制御および表示処理にも兼用された。しかしながら、これに限らず、試薬供給装置50に関する制御および表示処理は、検体測定システム1に別途設けられた他の制御装置により行われてもよい。同様に、実施形態5においても、試薬供給装置50に関する制御および表示処理は、検体処理システム2に別途設けられた他の制御装置により行われてもよい。
【0285】
実施形態1~5において、流路211、212を通る試薬の有無は、気泡監視センサ231、232によって検出されたが、これに限らず、流量センサなど他の検出部によって検出されてもよい。また、試薬貯留部201内に貯留された試薬が満水状態であるか否かは、フロートセンサ201aによって検出されたが、これに限らず、試薬貯留部201内の液面を撮像するカメラなど、他の検出部によって検出されてもよい。同様に、試薬貯留部301内に貯留された試薬が満水状態であるか否かは、フロートセンサ301aによって検出されたが、これに限らず、試薬貯留部301内の液面を撮像するカメラなど、他の検出部によって検出されてもよい。
【0286】
実施形態1~5において、試薬容器60内の試薬量を検出するためのフロートセンサが、あらかじめ試薬容器60に設置されてもよい。この場合、各試薬容器60に設置されたフロートセンサは、制御装置C1または試薬供給装置50に接続される。これにより、各試薬容器60内の試薬量を正確に検出できる。ただし、実施形態1~5のように、フロートセンサが試薬容器60に設置されない方が好ましい。この場合、検体測定システム1および検体処理システム2の外部構成である試薬容器60に電気回路が設置されないため、試薬容器60の構成を簡素にでき、試薬容器60のフロートセンサを接続する手間を省略でき、検体測定システム1および検体処理システム2の回路構成を簡素にできる。
【0287】
実施形態1~5の貯留動作において、送液部251は、吸排動作を繰り返し行ったあと、配管210の所定領域に試薬を移送して、当該所定領域に試薬を貯留させてもよい。これにより、所定領域に確実に試薬を貯留させることができる。
【0288】
実施形態1~4において、1つの検体分析装置30は、2台の検体測定装置32-L、32-Rを備えたが、1または3以上の検体測定装置を備えてもよい。また、検体測定システム1は、4つの検体分析装置30を備えたが、1~3または5以上の検体分析装置30を備えてもよい。実施形態1~5において、検体測定システム1および検体処理システム2は、それぞれ、2台の塗抹標本作製装置41を備えたが、1または3以上の塗抹標本作製装置41を備えてもよい。
【0289】
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【0290】
(付記)
以上の実施形態から、以下の請求項に係る発明を抽出できる。
【0291】
(請求項1)
第1試薬および前記第1試薬とは異なる種類の第2試薬を用いて検体を測定する複数の検体測定装置と、
前記第1試薬が収容された複数の第1試薬容器の夫々と接続された第1配管と、前記第1配管を介して移送された前記第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、前記第2試薬が収容された複数の第2試薬容器の夫々と接続された第2配管と、前記第2配管を介して移送された前記第2試薬を貯留する第2試薬貯留部と、を備える試薬供給装置と、を含み、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、検体測定システム。
【0292】
(請求項2)
前記第1配管を介して、前記複数の第1試薬容器に収容された前記第1試薬の夫々を前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2配管を介して、前記複数の第2試薬容器に収容された前記第2試薬の夫々を前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、をさらに備える、請求項1に記載の検体測定システム。
【0293】
(請求項3)
前記第1試薬移送部は、
一の前記第1試薬容器から他の前記第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替える第1切替部と、
前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路に前記第1試薬を送液する第1送液部と、を含み、
前記第2試薬移送部は、
一の前記第2試薬容器から他の前記第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替える第2切替部と、
前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路に前記第2試薬を送液する第2送液部と、を含む、請求項2に記載の検体測定システム。
【0294】
(請求項4)
前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬の供給状態を検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬の供給状態を検出する第2検出部と、
制御部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の第1検出結果に基づき、前記一の第1試薬容器から前記他の第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替えるように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出部の第2検出結果に基づき、前記一の第2試薬容器から前記他の第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替えるように前記第2試薬移送部を制御する、請求項3に記載の検体測定システム。
【0295】
(請求項5)
前記制御部は、
前記第1検出結果に基づき、前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路を介して前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出結果に基づき、前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路を介して前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項4に記載の検体測定システム。
【0296】
(請求項6)
前記第1検出部は、前記第1試薬貯留部内に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2試薬貯留部内に設けられている、請求項4に記載の検体測定システム。
【0297】
(請求項7)
前記第1検出部は、前記第1配管に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2配管に設けられている、請求項4または6に記載の検体測定システム。
【0298】
(請求項8)
前記第1配管が複数の第1流路を含み、
前記第2配管が複数の第2流路を含み、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の第1流路のうち、空になった一の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用されない流路に前記第1試薬が貯留するよう前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記複数の第2流路のうち、空になった一の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用されない流路に前記第2試薬が貯留するよう前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項2に記載の検体測定システム。
【0299】
(請求項9)
前記制御部は、
前記第1試薬を貯留させる前記制御において、前記第1試薬移送部に、前記他の第1試薬容器から前記一の第1試薬容器に前記第1試薬を移送させ、
前記第2試薬を貯留させる前記制御において、前記第2試薬移送部に、前記他の第2試薬容器から前記一の第2試薬容器に前記第2試薬を移送させる、請求項8に記載の検体測定システム。
【0300】
(請求項10)
前記制御部は、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項8に記載の検体測定システム。
【0301】
(請求項11)
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項8に記載の検体測定システム。
【0302】
(請求項12)
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項11に記載の検体測定システム。
【0303】
(請求項13)
前記試薬供給装置は、前記第1試薬および前記第2試薬とは異なる種類の第3試薬が収容された複数の第3試薬容器の夫々と接続された第3配管を介して移送された前記第3試薬を貯留する第3試薬貯留部をさらに備え、
前記第3試薬貯留部に貯留された前記第3試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、請求項1に記載の検体測定システム。
【0304】
(請求項14)
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置をさらに含み、
前記複数の検体測定装置の夫々は、前記検体中の血球成分を測定する血球測定装置であり、前記血球測定装置が、前記第1試薬および前記第2試薬の夫々を用いて前記検体中の血球成分を測定し、
前記塗抹標本作製装置は、前記第3試薬を用いて前記検体の塗抹標本を作製する、請求項13に記載の検体測定システム。
【0305】
(請求項15)
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置と、
前記検体を収容した複数の検体容器を保持可能なラックを搬送する搬送装置と、をさらに含み、
前記搬送装置は、前記複数の検体測定装置および前記塗抹標本作製装置の夫々に前記ラックを搬送するように構成されている、請求項1に記載の検体測定システム。
【0306】
(請求項16)
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、
制御部と、
表示部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第1試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させ、
前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第2試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の検体測定システム。
【0307】
(請求項17)
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、前記表示部に前記測定動作が停止したことを示す情報を表示させる、請求項16に記載の検体測定システム。
【0308】
(請求項18)
前記表示部を複数備え、
前記制御部は、前記試薬切れが生じたことを示す情報を前記複数の表示部のいずれかに表示させる、請求項16に記載の検体測定システム。
【0309】
(請求項19)
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、
制御部と、
警告灯と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したこと、または、前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、第1の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項1に記載の検体測定システム。
【0310】
(請求項20)
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、第2の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項19に記載の検体測定システム。
【0311】
(請求項21)
仕切り部材により内部が上部領域と下部領域とに分割された筐体をさらに備え、
前記上部領域には、電気回路を含む基板が設けられ、
前記下部領域には、前記第1配管、前記第1試薬貯留部、前記第2配管、前記第2試薬貯留部、前記第1検出部および前記第2検出部が設けられている、請求項4に記載の検体測定システム。
【0312】
(請求項22)
試薬を用いて検体を測定する検体測定装置と、
前記試薬が収容された複数の試薬容器の夫々と接続され、複数の流路を備えた配管と、
前記配管を介して移送され、前記複数の試薬容器の夫々に収容された前記試薬を貯留する試薬貯留部と、
前記複数の流路のうち、空になった一の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用されない流路に前記試薬を貯留するように前記試薬を移送する試薬移送部と、を含み、
前記試薬貯留部に貯留された前記試薬は、前記検体測定装置に供給される、検体測定システム。
【0313】
(請求項23)
第1試薬が収容された複数の第1試薬容器の夫々と接続された第1配管と、
前記第1配管を介して移送され、前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、
前記第1試薬とは異なる種類の第2試薬が収容された複数の第2試薬容器の夫々と接続された第2配管と、
前記第2配管を介して移送され、前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬を貯留する第2試薬貯留部と、を備え、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、試薬供給装置。
【0314】
(請求項24)
前記第1配管を介して、前記複数の第1試薬容器に収容された前記第1試薬の夫々を前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2配管を介して、前記複数の第2試薬容器に収容された前記第2試薬の夫々を前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、をさらに備える、請求項23に記載の試薬供給装置。
【0315】
(請求項25)
前記第1試薬移送部は、
一の前記第1試薬容器から他の前記第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替える第1切替部と、
前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路に前記第1試薬を送液する第1送液部と、を備え、
前記第2試薬移送部は、
一の前記第2試薬容器から他の前記第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替える第2切替部と、
前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路に前記第2試薬を送液する第2送液部と、を含む、請求項24に記載の試薬供給装置。
【0316】
(請求項26)
前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬の供給状態を検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬の供給状態を検出する第2検出部と、を備え、
前記第1検出部の第1検出結果に基づき、前記一の前記第1試薬容器から前記他の第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替えるように前記第1試薬移送部が制御され、
前記第2検出部の第2検出結果に基づき、前記一の前記第2試薬容器から前記他の第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替えるように前記第2試薬移送部が制御される、請求項25に記載の試薬供給装置。
【0317】
(請求項27)
前記第1検出結果に基づき、前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路を介して前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部が制御され、
前記第2検出結果に基づき、前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路を介して前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部が制御される、請求項26に記載の試薬供給装置。
【0318】
(請求項28)
前記第1検出部は、前記第1試薬貯留部内に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2試薬貯留部内に設けられている、請求項26に記載の試薬供給装置。
【0319】
(請求項29)
前記第1検出部は、前記第1配管に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2配管に設けられている、請求項26または28に記載の試薬供給装置。
【0320】
(請求項30)
前記第1配管が複数の第1流路を含み、
前記第2配管が複数の第2流路を含み、
前記複数の第1流路のうち、空になった一の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用されない流路に前記第1試薬が貯留するよう前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部が制御され、
前記複数の第2流路のうち、空になった一の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用されない流路に前記第2試薬が貯留するよう前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部が制御される、請求項24に記載の試薬供給装置。
【0321】
(請求項31)
前記第1試薬を貯留させる前記制御において、前記第1試薬移送部が、前記他の第1試薬容器から前記一の第1試薬容器に前記第1試薬を移送するよう制御され、
前記第2試薬を貯留させる前記制御において、前記第2試薬移送部が、前記他の第2試薬容器から前記一の第2試薬容器に前記第2試薬を移送するよう制御される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【0322】
(請求項32)
前記試薬供給装置の終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御が実行され、
前記試薬供給装置の終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御が実行される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【0323】
(請求項33)
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、を備え、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定されたことに応じて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御が実行され、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定されたことに応じて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御が実行される、請求項30に記載の試薬供給装置。
【0324】
(請求項34)
前記第1試薬および前記第2試薬とは異なる種類の第3試薬が収容された複数の第3試薬容器の夫々と接続された第3配管と、
前記第3配管を介して移送され、前記複数の第3試薬容器の夫々に収容された前記第3試薬を貯留する第3試薬貯留部と、をさらに備え、
前記第3試薬貯留部に貯留された前記第3試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、請求項23に記載の試薬供給装置。
【0325】
(請求項35)
前記第1試薬および前記第2試薬の夫々は、前記検体中の血球成分を測定する血球測定装置に用いられる試薬であり、
前記第3試薬は、前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置に用いられる試薬である、請求項34に記載の試薬供給装置。
【0326】
(請求項36)
仕切り部材により内部が上部領域と下部領域とに分割された筐体を備え、
前記上部領域には、電気回路を含む基板が設けられ、
前記下部領域には、前記第1配管、前記第1試薬貯留部、前記第2配管、前記第2試薬貯留部、前記第1検出部および前記第2検出部が設けられている、請求項26に記載の試薬供給装置。
【0327】
(請求項37)
試薬が収容された複数の試薬容器の夫々と接続され、複数の流路を備えた配管と、
前記配管を介して移送され、前記複数の試薬容器の夫々に収容された前記試薬を貯留する試薬貯留部と、
前記複数の流路のうち、空になった一の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記試薬容器からの前記試薬の移送に使用されない流路に前記試薬を貯留するように前記試薬を移送する試薬移送部と、を備え、
前記試薬貯留部に貯留された前記試薬は、検体測定装置に供給される、試薬供給装置。
【0328】
(請求項38)
複数の検体測定装置と、前記複数の検体測定装置に試薬を供給する試薬供給装置とを含む検体測定システムであって、
前記試薬供給装置は、
第1試薬が収納された第1試薬容器を複数収納する第1試薬収納部と、
第2試薬が収納された第2試薬容器を複数収納する第2試薬収納部と、
前記第1試薬を一時的に貯留する第1試薬貯留部と、
前記第2試薬を一時的に貯留する第2試薬貯留部と、
前記第1試薬収納部に収納された前記複数の第1試薬容器内の前記第1試薬を、それぞれ、前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2試薬収納部に収納された前記複数の第2試薬容器内の前記第2試薬を、それぞれ、前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、を含み、
前記複数の検体測定装置は、それぞれ、前記試薬供給装置の前記第1試薬貯留部から供給される前記第1試薬と前記第2試薬貯留部から供給される前記第2試薬とを用いて検体を測定する測定部を有する、検体測定システム。
【0329】
(請求項39)
前記第1試薬移送部は、
一の前記第1試薬容器から他の前記第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替える第1切替部と、
前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路に前記第1試薬を送液する第1送液部と、を含み、
前記第2試薬移送部は、
一の前記第2試薬容器から他の前記第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替える第2切替部と、
前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路に前記第2試薬を送液する第2送液部と、を含む、請求項38に記載の検体測定システム。
【0330】
(請求項40)
前記試薬供給装置は、
前記複数の第1試薬容器の夫々に収容された前記第1試薬の供給状態を検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々に収容された前記第2試薬の供給状態を検出する第2検出部と、をさらに備え、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の第1検出結果に基づき、前記一の第1試薬容器から前記他の第1試薬容器に前記第1配管の流路を切り替えるように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出部の第2検出結果に基づき、前記一の第2試薬容器から前記他の第2試薬容器に前記第2配管の流路を切り替えるように前記第2試薬移送部を制御する、請求項39に記載の検体測定システム。
【0331】
(請求項41)
前記制御部は、
前記第1検出結果に基づき、前記第1切替部によって切り替えられた前記第1配管の流路を介して前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記第2検出結果に基づき、前記第2切替部によって切り替えられた前記第2配管の流路を介して前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項40に記載の検体測定システム。
【0332】
(請求項42)
前記第1検出部は、前記第1試薬貯留部内に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2試薬貯留部内に設けられている、請求項40に記載の検体測定システム。
【0333】
(請求項43)
前記第1検出部は、前記第1配管に設けられており、
前記第2検出部は、前記第2配管に設けられている、請求項40または42に記載の検体測定システム。
【0334】
(請求項44)
前記第1配管が複数の第1流路を含み、
前記第2配管が複数の第2流路を含み、
制御部をさらに備え、
前記制御部は、
前記複数の第1流路のうち、空になった一の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第1試薬容器からの前記第1試薬の移送に使用されない流路に前記第1試薬が貯留するよう前記第1試薬を移送するように前記第1試薬移送部を制御し、
前記複数の第2流路のうち、空になった一の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用され、空になっていない他の前記第2試薬容器からの前記第2試薬の移送に使用されない流路に前記第2試薬が貯留するよう前記第2試薬を移送するように前記第2試薬移送部を制御する、請求項38に記載の検体測定システム。
【0335】
(請求項45)
前記制御部は、
前記第1試薬を貯留させる前記制御において、前記第1試薬移送部に、前記他の第1試薬容器から前記一の第1試薬容器に前記第1試薬を移送させ、
前記第2試薬を貯留させる前記制御において、前記第2試薬移送部に、前記他の第2試薬容器から前記一の第2試薬容器に前記第2試薬を移送させる、請求項44に記載の検体測定システム。
【0336】
(請求項46)
前記制御部は、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記検体測定システムの終了および起動の少なくとも一方のタイミングにおいて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項44に記載の検体測定システム。
【0337】
(請求項47)
前記試薬供給装置は、
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項44に記載の検体測定システム。
【0338】
(請求項48)
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第1試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第1試薬を貯留させるための前記制御を実行し、
前記第2検出部の検出結果から前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定した後、前記一の第2試薬容器に試薬切れが生じたことを報知する処理を行う前に、前記第2試薬を貯留させるための前記制御を実行する、請求項47に記載の検体測定システム。
【0339】
(請求項49)
前記試薬供給装置は、前記第1試薬および前記第2試薬とは異なる種類の第3試薬が収容された複数の第3試薬容器の夫々と接続された第3配管を介して移送された前記第3試薬を貯留する第3試薬貯留部をさらに備え、
前記第3試薬貯留部に貯留された前記第3試薬は、前記複数の検体測定装置の夫々に供給される、請求項38に記載の検体測定システム。
【0340】
(請求項50)
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置をさらに含み、
前記複数の検体測定装置の夫々は、前記検体中の血球成分を測定する血球測定装置であり、前記血球測定装置が、前記第1試薬および前記第2試薬の夫々を用いて前記検体中の血球成分を測定し、
前記塗抹標本作製装置は、前記第3試薬を用いて前記検体の塗抹標本を作製する、請求項49に記載の検体測定システム。
【0341】
(請求項51)
前記検体の塗抹標本を作製する塗抹標本作製装置と、
前記検体を収容した複数の検体容器を保持可能なラックを搬送する搬送装置と、をさらに含み、
前記搬送装置は、前記複数の検体測定装置および前記塗抹標本作製装置の夫々に前記ラックを搬送するように構成されている、請求項38に記載の検体測定システム。
【0342】
(請求項52)
前記試薬供給装置は、
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、をさらに備え、
制御部と、
表示部と、をさらに備え、
前記制御部は、
前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第1試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させ、
前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、当該第2試薬容器に試薬切れが生じたことを示す情報を前記表示部に表示させる、請求項38に記載の検体測定システム。
【0343】
(請求項53)
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、前記表示部に前記測定動作が停止したことを示す情報を表示させる、請求項52に記載の検体測定システム。
【0344】
(請求項54)
前記表示部を複数備え、
前記制御部は、前記試薬切れが生じたことを示す情報を前記複数の表示部のいずれかに表示させる、請求項52に記載の検体測定システム。
【0345】
(請求項55)
前記試薬供給装置は、
前記複数の第1試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第1検出部と、
前記複数の第2試薬容器の夫々について試薬切れを検出する第2検出部と、をさらに備え、
制御部と、
警告灯と、をさらに備え、
前記制御部は、前記第1検出部の検出結果から前記第1試薬容器に試薬切れが生じたと判定したこと、または、前記第2検出部の検出結果から前記第2試薬容器に試薬切れが生じたと判定したことに応じて、第1の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項38に記載の検体測定システム。
【0346】
(請求項56)
前記制御部は、全ての前記第1試薬容器において試薬切れが生じたと判定したこと、または、全ての前記第2試薬容器で試薬切れが生じたと判定したことに応じて、前記複数の検体測定装置による測定動作を停止させる処理を実行するとともに、第2の報知形態で前記警告灯を点灯制御する、請求項55に記載の検体測定システム。
【0347】
(請求項57)
試薬供給装置は、仕切り部材により内部が上部領域と下部領域とに分割された筐体をさらに備え、
前記上部領域には、電気回路を含む基板が設けられ、
前記下部領域には、前記第1配管、前記第1試薬貯留部、前記第2配管、前記第2試薬貯留部、前記第1検出部、前記第2検出部、前記第1試薬収納部および前記第2試薬収納部が設けられている、請求項40に記載の検体測定システム。
【0348】
(請求項58)
第1試薬が収容された第1試薬容器を複数収納する第1試薬収納部と、
第2試薬が収容された第2試薬容器を複数収納する第2試薬収納部と、
前記第1試薬を一時的に貯留する第1試薬貯留部と、
前記第2試薬を一時的に貯留する第2試薬貯留部と、
前記第1試薬収納部に収納された複数の第1試薬容器内の前記第1試薬を、それぞれ、前記第1試薬貯留部に移送する第1試薬移送部と、
前記第2試薬収納部に収納された複数の第2試薬容器内の前記第2試薬を、それぞれ、前記第2試薬貯留部に移送する第2試薬移送部と、を含み、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、複数の検体測定装置の夫々に供給される、試薬供給装置。
【0349】
(請求項59)
第1試薬および前記第1試薬とは異なる種類の第2試薬を用いて検体を処理する複数の検体処理装置と、
前記第1試薬が収容された複数の第1試薬容器の夫々と接続された第1配管と、前記第1配管を介して移送された前記第1試薬を貯留する第1試薬貯留部と、前記第2試薬が収容された複数の第2試薬容器の夫々と接続された第2配管と、前記第2配管を介して移送された前記第2試薬を貯留する第2試薬貯留部と、を備える試薬供給装置と、を含み、
前記第1試薬貯留部に貯留された前記第1試薬は、前記複数の検体処理装置の夫々に供給され、
前記第2試薬貯留部に貯留された前記第2試薬は、前記複数の検体処理装置の夫々に供給される、検体処理システム。
【符号の説明】
【0350】
1 検体測定システム
2 検体処理システム
22、23 搬送装置
31b 表示入力部
32-L、32-R 検体測定装置(血球測定装置)
41 塗抹標本作製装置(検体処理装置)
50 試薬供給装置
51 筐体
51a 上部領域
51b 下部領域
52 仕切り部材
53 回路基板(基板)
60 試薬容器(第1試薬容器、第2試薬容器、第3試薬容器)
61 試薬収納部(第1試薬収納部、第2試薬収納部)
91、92 警告灯
100 ラック
110 検体容器
201 試薬貯留部(第1試薬貯留部、第2試薬貯留部、第3試薬貯留部)
201a フロートセンサ(第1検出部、第2検出部)
210 配管(第1配管、第2配管、第3配管)
211、212、213、214、215 流路(第1流路、第2流路)
216、217、218、214a、214b 流路(第1流路、第2流路)
231、232 気泡監視センサ(第1検出部、第2検出部)
241、242、252、253 切替部(第1試薬移送部、第2試薬移送部、試薬移送部、第1切替部、第2切替部)
251 送液部(第1試薬移送部、第2試薬移送部、試薬移送部、第1送液部、第2送液部)
501 制御部
513 測定部
521 制御部
523 表示入力部
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