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特開2025-17838表示方法、表示プログラム及び情報処理装置
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  • 特開-表示方法、表示プログラム及び情報処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017838
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】表示方法、表示プログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20250130BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20250130BHJP
【FI】
G06T19/00 A
G06F3/04815
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121128
(22)【出願日】2023-07-25
(71)【出願人】
【識別番号】516285984
【氏名又は名称】株式会社アンドパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【弁理士】
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】菊野 格
(72)【発明者】
【氏名】曽根勝 卓
(72)【発明者】
【氏名】今井 亮介
【テーマコード(参考)】
5B050
5E555
【Fターム(参考)】
5B050AA03
5B050BA09
5B050BA17
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050DA10
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA12
5E555AA23
5E555AA25
5E555AA27
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA70
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC08
5E555CA02
5E555CA12
5E555CA17
5E555CB05
5E555CB14
5E555CB34
5E555CB45
5E555CC05
5E555DB18
5E555DB52
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC13
5E555DD07
5E555EA03
5E555EA07
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】2次元の図面の確認中に3次元データを簡便に確認できる表示方法、表示プログラム及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10が実行する表示方法は、施工図面の2次元図面を表示するステップと、2次元図面の中の指定位置を取得するステップと、2次元図面を表示しつつ、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを表示するステップとを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が実行する表示方法であって、
施工図面の2次元図面を表示するステップと、
前記2次元図面の中の指定位置を取得するステップと、
前記2次元図面を表示しつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを表示するステップと
を含む、表示方法。
【請求項2】
前記3次元データを表示するステップは、
前記2次元図面の指定位置に前記3次元データのビューワを呼び出すリンクを表示するステップと、
前記リンクに対する操作の入力を受け付けた場合に前記ビューワを起動して前記ビューワを前記2次元図面に重畳して表示し、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを前記ビューワによって表示させるステップと
を含む、請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記リンクを表示するステップにおいて、前記ビューワが前記3次元データを表示するときの視点位置、視線方向及び表示範囲を特定する表示情報を前記リンクに関連づけ、
前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動するときに前記表示情報を指定する、請求項2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動している状態で前記表示情報を変更する情報を前記ビューワに引き渡すことによって、前記ビューワによる前記3次元データの表示を変更させる、請求項3に記載の表示方法。
【請求項5】
前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記表示情報を変更する操作を前記ビューワに対して直接入力できるように、前記ビューワを前記2次元図面に埋め込んだモジュールとして起動し、前記表示情報の変更に応じて前記ビューワによる前記3次元データの表示を変更させる、請求項3に記載の表示方法。
【請求項6】
前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動している状態で、前記属性情報の項目のうち表示する項目を選択する、請求項2から5までのいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項7】
前記リンクを表示するステップにおいて、前記リンクとして、前記リンクへの操作入力によって前記ビューワを呼び出したときに前記ビューワによって閲覧可能な3次元データのサムネイル画像を表示する、請求項2から5までのいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項8】
前記指定位置に関連づけられる物体が所定の型番の部材である場合において、前記リンクは、前記所定の型番の部材の供給元の3次元データを表示するビューワを呼び出すように構成される、請求項2から5までのいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項9】
前記3次元データを表示するステップにおいて、前記3次元データとしてあらかじめ準備された画像を前記2次元図面に重畳して表示する、請求項1に記載の表示方法。
【請求項10】
前記2次元図面が地面の掘削工事の図面である場合、前記指定位置に関連づけられる物体は、掘削する部分の地中に埋設されている物体を含む、請求項1、2、3、4、5又は9のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項11】
プロセッサに、施工図面の2次元図面を表示させるステップと、
前記プロセッサに、前記2次元図面の中の指定位置を取得させるステップと、
前記プロセッサに、前記2次元図面を表示させつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを表示させるステップと
を含む、表示プログラム。
【請求項12】
プロセッサと、インタフェースと、表示部とを備え、
前記プロセッサは、
施工図面の2次元図面を前記表示部に表示し、
前記2次元図面の中の指定位置を前記インタフェースによって取得し、
前記2次元図面を前記表示部に表示しつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを前記表示部に表示する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示方法、表示プログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、座標に関してマッチするように3次元画像と2次元画像とをデュアル表示するシステムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013-509665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物体の3次元モデルは、物体の3次元形状のデータに物体の属性情報を関連づけた、BIM(Building Information Modeling)データ等の3次元データとして表現される。ここで、建築又は建設等の2次元の図面を確認しつつ、3次元データを参照して属性情報を確認することがある。特許文献1のシステムのように単に3次元画像と2次元画像とをデュアル表示する場合、属性情報を別の手段で確認する必要がある。
【0005】
本開示の目的は、2次元の図面の確認中に3次元データを簡便に確認できる表示方法、表示プログラム及び情報処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の一実施形態に係る表示方法は、情報処理装置が、施工図面の2次元図面を表示するステップと、前記2次元図面の中の指定位置を取得するステップと、前記2次元図面を表示しつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを表示するステップとを含む。
【0007】
(2)上記(1)に記載の表示方法において、前記3次元データを表示するステップは、前記2次元図面の指定位置に前記3次元データのビューワを呼び出すリンクを表示するステップと、前記リンクに対する操作の入力を受け付けた場合に前記ビューワを起動して前記ビューワを前記2次元図面に重畳して表示し、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを前記ビューワによって表示させるステップとを含んでよい。
【0008】
(3)上記(2)に記載の表示方法の前記リンクを表示するステップにおいて、前記ビューワが前記3次元データを表示するときの視点位置、視線方向及び表示範囲を特定する表示情報が前記リンクに関連づけられてよい。前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動するときに前記表示情報が指定されてよい。
【0009】
(4)上記(3)に記載の表示方法の前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動している状態で前記表示情報を変更する情報を前記ビューワに引き渡すことによって、前記ビューワによる前記3次元データの表示が変更されてよい。
【0010】
(5)上記(3)に記載の表示方法の前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記表示情報を変更する操作を前記ビューワに対して直接入力できるように、前記ビューワが前記2次元図面に埋め込んだモジュールとして起動されてよい。前記表示情報の変更に応じて前記ビューワによる前記3次元データの表示が変更されてよい。
【0011】
(6)上記(2)から(5)までのいずれか1つに記載の表示方法の前記3次元データを前記ビューワによって表示させるステップにおいて、前記ビューワを起動している状態で、前記属性情報の項目のうち表示する項目が選択されてよい。
【0012】
(7)上記(2)から(6)までのいずれか1つに記載の表示方法の前記リンクを表示するステップにおいて、前記リンクとして、前記リンクへの操作入力によって前記ビューワを呼び出したときに前記ビューワによって閲覧可能な3次元データのサムネイル画像が表示されてよい。
【0013】
(8)上記(2)から(7)までのいずれか1つに記載の表示方法において、前記指定位置に関連づけられる物体が所定の型番の部材である場合において、前記リンクは、前記所定の型番の部材の供給元の3次元データを表示するビューワを呼び出すように構成されてよい。
【0014】
(9)上記(1)に記載の表示方法の前記3次元データを表示するステップにおいて、前記3次元データとしてあらかじめ準備された画像が前記2次元図面に重畳して表示されてよい。
【0015】
(10)上記(1)から(9)までのいずれか1つに記載の表示方法において、前記2次元図面が地面の掘削工事の図面である場合、前記指定位置に関連づけられる物体は、掘削する部分の地中に埋設されている物体を含んでよい。
【0016】
(11)本開示の一実施形態に係る表示プログラムは、プロセッサに、施工図面の2次元図面を表示させるステップと、前記2次元図面の中の指定位置を取得させるステップと、前記2次元図面を表示させつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを表示させるステップとを含む。
【0017】
(12)本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、プロセッサと、インタフェースと、表示部とを備える。前記プロセッサは、施工図面の2次元図面を前記表示部に表示し、前記2次元図面の中の指定位置を前記インタフェースによって取得し、前記2次元図面を前記表示部に表示しつつ、前記2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の属性情報を含む3次元データを前記表示部に表示する。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一実施形態に係る表示方法、表示プログラム及び情報処理装置によれば、2次元の図面の確認中に3次元データが簡便に確認される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2】2次元図面の表示画面の一例を示す図である。
図3】3次元データを表示した画面の一例を示す図である。
図4】一実施形態に係る表示方法の手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
建築工事、建設工事又は土木工事等の施工現場において、現場作業者が工事に関する2次元図面を確認しながら作業を進める。現場作業者は、2次元図面に含まれていない情報として、BIM(Building Information Modeling)データ等の3次元データを確認することがある。現場作業者が端末を用いて情報を確認する場合において2次元図面を確認しながら3次元データを簡便に確認できることが求められる。
【0021】
また、施工の現場に限られず、例えば工事の設計段階においても、工事に関する2次元図面を確認しつつ、3次元データを確認することがある。設計者が端末を用いて情報を確認する場合においても2次元図面を確認しながら3次元データを簡便に確認できることが求められる。
【0022】
以上述べてきた例に限られず、種々の場面において、2次元図面を確認しつつ、3次元データを確認することがある。種々の場面において、2次元図面を確認しながら3次元データを簡便に確認できることが求められる。
【0023】
第1の比較例として、2次元図面と、BIMデータ等の3次元データとが別々に管理され、別々のアプリケーションソフトウェアで閲覧できるシステムが考えられる。この場合、ユーザは、2次元図面を表示するアプリケーションソフトウェアと、3次元データを表示するアプリケーションソフトウェアとを別々に操作して、2次元図面及び3次元データのそれぞれを閲覧する。2次元図面に記載されている物体の3次元データを見たい場合に、3次元データを表示するアプリケーションソフトウェアを操作して、対応する3次元データを探す必要がある。したがって、第1の比較例のシステムにおいて、ユーザは、2次元図面を確認しながら2次元図面に対応する3次元データを確認することが難しい。
【0024】
第2の比較例として、3次元のCADデータを表示する際に、単に2次元表示と3次元表示とを切り替えることが考えられる。しかしながら、単に表示を2次元と3次元とで切り替える場合、ユーザは属性情報を閲覧できない。また、施工の現場において、現場作業者であるユーザは、施工図面を参照して工事を進めるので、CADデータの表示で十分に現場を理解することが難しい。したがって、第2の比較例において、ユーザは、工事に必要な情報を十分に理解することが難しい。
【0025】
以下、現場作業者又は設計者等のユーザが2次元図面の確認中に3次元データを簡便に確認できる情報処理装置10(図1参照)、表示方法及び表示プログラムが説明される。
【0026】
(情報処理システム1の構成例)
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理装置10と、データベース30とを備える。情報処理装置10とデータベース30とは、ネットワーク40を介して通信可能に接続される。以下、情報処理システム1の具体的な構成例が説明される。
【0027】
<情報処理装置10>
情報処理装置10は、プロセッサ11と、インタフェース12と、表示部13とを備える。
【0028】
プロセッサ11は、情報処理装置10の各構成部を制御して情報処理装置10の機能を実現する。プロセッサ11は、プログラムを実行することによって、情報処理装置10の機能を実現してよい。プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ又は特定の処理に特化した専用プロセッサ等を含んでよい。プロセッサ11は、1つ以上の汎用プロセッサ又は専用プロセッサ等を含んで構成されてよい。プロセッサ11は、1つ以上の専用回路を含んで構成されてもよい。専用回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を含んでよい。プロセッサ11は、専用回路に置き換えられてもよいし、汎用プロセッサ又は専用プロセッサと専用回路とを併用する構成に置き換えられてもよい。
【0029】
プロセッサ11は、情報処理装置10の各構成部を制御して情報処理装置10の機能を実現するための各種情報又はプログラム等を格納する記憶部を備えてよい。記憶部は、システムプログラム、又はアプリケーションプログラム等を格納してよい。記憶部は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。記憶部は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含んで構成されてもよい。記憶部は、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部は、プロセッサ11のワークメモリとして機能してよい。記憶部は、プロセッサ11と一体に構成されてもよいし、プロセッサ11と別体で構成されてもよい。
【0030】
インタフェース12は、通信インタフェースを含んでよい。通信インタフェースは、第2情報処理装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介して通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。通信モジュールは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応してよい。通信モジュールは、LAN(Local Area Network)等の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、有線又は無線の通信規格に対応してもよい。通信モジュールは、これらに限られず、種々の通信規格に対応してよい。ネットワーク40は、有線であっても無線であってもよい。ネットワーク40は、インターネット又はイントラネット等の種々の態様で構成されてよい。通信インタフェースは、第2情報処理装置20又はデータベース30等の他の装置とネットワーク40を介さずに直接通信するように構成されてもよい。
【0031】
インタフェース12は、入力デバイスを含んでよい。入力デバイスは、例えば、タッチセンサ又はマウス等のポインティングデバイスを含んでよい。入力デバイスは、表示デバイスと一体化したタッチディスプレイとして構成されてもよい。入力デバイスは、物理キーを含んでもよい。入力デバイスは、マイク等の音声入力デバイスを含んでもよい。インタフェース12は、外部の入力デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0032】
インタフェース12は、出力デバイスを含んでよい。出力デバイスは、例えば、スピーカ、ヘッドホン又はイヤホン等を含んでよい。インタフェース12は、外部の出力デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0033】
表示部13は、表示デバイスを含んでよい。表示デバイスは、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)若しくは無機ELディスプレイ、又はLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の種々のディスプレイを含んでよい。
【0034】
情報処理装置10は、表示部13を備えずに、インタフェース12によって外部の表示デバイスに接続可能に構成されてもよい。
【0035】
情報処理装置10は、例えば、ノートPC(Personal Computer)若しくはタブレットPC等のコンピュータ、又は、スマートフォン若しくはタブレット等の携帯端末として実現されてもよい。情報処理装置10は、これらの例に限られず、種々の機器を含んでよい。
【0036】
情報処理装置10のプロセッサ11の機能は、クラウドサービスを用いて実現されてよい。情報処理装置10は、プロセッサ11の機能を実現するクラウドサービスに接続するインタフェース12と表示部13とを備える端末として実現されてもよい。
【0037】
<データベース30>
データベース30は、少なくとも1台のサーバを含んで構成されてよい。データベース30は、例えば半導体メモリ、磁気メモリ、又は光メモリ等を含んで構成されてよい。データベース30は、磁気ディスク等の電磁記憶媒体を含んで構成されてもよい。データベース30は、情報処理装置10等の他の装置と通信可能に構成される通信モジュールを含んで構成されてよい。
【0038】
データベース30は、クラウドサービスを用いて実現されてよい。情報処理装置10は、クラウド上で実現されているデータベース30と通信可能に構成されてよい。データベース30は、オンプレミス環境で実現されてもよい。
【0039】
情報処理システム1は、データベース30を備えなくてもよい。情報処理システム1がデータベース30を備えない場合、情報処理装置10の記憶部が各種の情報又はデータ等を格納してよい。
【0040】
(情報処理装置10の動作例)
情報処理装置10のプロセッサ11は、表示部13に2次元図面を表示してユーザに閲覧させる。また、プロセッサ11は、インタフェース12の入力デバイスによって2次元図面上の任意の位置を指定する操作を受け付け、操作によって指定された位置に関連づけられる物体の3次元データを2次元図面とともに表示部13に表示してユーザに閲覧させる。つまり、プロセッサ11は、表示部13において2次元図面の表示を物体の3次元データの表示に切り替えずに、2次元図面と物体の3次元データとを両方とも表示部13に表示する。このようにすることで、ユーザは、2次元図面の確認中に物体の3次元データを簡便に確認できる。
【0041】
2次元図面及び物体の3次元データは、データベース30又は情報処理装置10の記憶部に格納されているとする。プロセッサ11は、データベース30又は情報処理装置10の記憶部に格納されている2次元図面又は物体の3次元データを取得し、表示部13に表示する。
【0042】
2次元図面は、工事に関する図面であるとする。2次元図面は、工事以外に関する図面であってもよい。
【0043】
2次元図面の各位置に関連づけられる物体の3次元データは、2次元図面の全体に対応する3次元データであってよいし、2次元図面の一部に対応する3次元データであってもよい。例えば、2次元図面が建物の建築図面である場合に、その2次元図面に対応する3次元データとして、建物全体の3次元データが準備されてよい。建物を複数の部分に分割して、建物の各部分の3次元データが準備されてもよい。
【0044】
物体の3次元データは、物体の3次元形状データにその物体の属性情報を関連づけたデータである。物体の3次元データは、BIMデータを含んでよい。物体の3次元形状データは、物体のデプスデータ、点群データ、又は、テクスチャメッシュデータ等を含んでよい。物体の属性情報は、物体の名称、材質、色、寸法、又は型番等を含んでよい。物体の属性情報は、物体に関するメモ若しくは注釈、又は、タグ等を含んでよい。物体の3次元データがBIMデータである場合、物体の属性情報はBIMデータのプロパティであってよい。
【0045】
物体の3次元形状データは、BIMデータ等の3次元データから書き出されたデータであってもよい。物体の3次元形状データは、CAD(Computer Aided Design)又はPDF(Portable Document Format)等のデータであってもよい。
【0046】
プロセッサ11は、物体の3次元データとして、3次元形状データ又は属性情報の一方だけを表示部13に表示してもよいし、3次元形状データ及び属性情報の両方を表示部13に表示してもよい。
【0047】
以下、情報処理システム1の具体的な動作例が説明される。
【0048】
<2次元図面の表示及び指定位置の取得>
情報処理装置10のプロセッサ11は、図2に例示されるように、2次元図面の表示枠50を表示部13に表示する。表示部13に2次元図面を表示することによって、ユーザが2次元図面を閲覧できる。つまり、プロセッサ11は、ユーザに2次元図面を閲覧させるように2次元図面を表示部13に表示する。
【0049】
プロセッサ11は、2次元図面の任意の位置を指定する操作をインタフェース12の入力デバイスによって受け付ける。操作によって指定された位置は、指定位置とも称される。プロセッサ11は、指定位置を入力デバイスから取得してもよいし、他の手段で取得してもよい。
【0050】
プロセッサ11は、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示部13に表示する。2次元図面の指定位置に関連づけられる物体は、2次元図面の指定位置に記載されている物体であってよいし、2次元図面の指定位置から見える範囲に記載されている物体であってもよい。
【0051】
プロセッサ11は、2次元図面の表示枠50において、3次元データを閲覧するために指定可能な位置を表すマークとしてアイコン52を表示してよい。プロセッサ11は、マークとして2次元図面上の位置を特定するピン等を表示してもよい。プロセッサ11は、アイコン52又はピン等のマークに対するクリック又はタップ等の操作が入力された場合に、そのマークの位置を指定位置として取得してよい。
【0052】
プロセッサ11は、表示枠50においてアイコン52又はピン等のマークを表示しなくてもよい。プロセッサ11は、表示枠50の中に表示している2次元図面の任意の位置に対するクリック又はタップ等の操作が入力された場合に、操作が入力された位置を指定位置として取得してよい。
【0053】
プロセッサ11は、指定位置を取得したときに、指定位置に記載されている物体の3次元データを表示するか、指定位置から見える物体の3次元データを表示するかをユーザに選択させてよい。プロセッサ11は、指定位置から見える物体の3次元データを表示することが選択された場合、指定位置からどの方向を見た3次元データを表示するかをユーザに更に選択させてもよい。プロセッサ11は、ユーザの選択操作を入力デバイスから受け付けてもよいし、ユーザの選択を他の手段で取得してもよい。
【0054】
プロセッサ11は、2次元図面の各位置について、その位置が指定位置として指定されたときに、その位置に記載されている物体の3次元データを表示するか、その位置から見える物体の3次元データを表示するかを、あらかじめ設定しておいてもよい。プロセッサ11は、マークに操作が入力されたときに、マークの位置に記載されている物体の3次元データを表示するようにマークの属性を設定してよいし、マークの位置から所定方向に見える物体の3次元データを表示するようにマークの属性を設定してもよい。
【0055】
本実施形態において、プロセッサ11は、図2に例示されるアイコン52に操作が入力されたときに、アイコン52の位置から右上の方向に見える物体の3次元データを表示するように、アイコン52を設定しているとする。
【0056】
<3次元データの表示>
プロセッサ11は、2次元図面の上における指定位置を取得した場合、指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示部13に表示する。プロセッサ11は、図3に例示されるように、2次元図面の表示枠50の中に物体の3次元データの表示枠60を重畳することによって、表示部13に物体の3次元データを表示してよい。図3に例示される表示枠60の中に表示されている3次元データは、図2のアイコン52の位置から右上の方向に見える物体の3次元データである。
【0057】
プロセッサ11は、指定位置に関連づけられる物体の3次元データの表示枠60を、2次元図面の上における指定位置に重畳する位置に表示してもよいし、2次元図面の上における指定位置に重畳しない位置に表示してもよい。プロセッサ11は、物体の3次元データを、2次元図面の表示枠50の外に表示してもよい。
【0058】
プロセッサ11は、物体の3次元データとして、物体の3次元形状データを表示してよい。プロセッサ11は、物体の3次元データとして、物体の属性情報を表示してよい。プロセッサ11は、物体の3次元データの表示枠60の中に属性情報枠62を重畳することによって物体の属性情報を表示してよい。図3の例において、3次元データの一部の物体である窓の属性情報が表示されている。図3に例示される属性情報枠62は、部材の名称である「窓」と、窓を識別するための識別子である「X1」又は「X2」とを表示している。プロセッサ11は、物体の属性情報の表示項目として、部材の名称又は識別子に限られず、他の種々の項目を表示してよい。
【0059】
プロセッサ11は、物体の3次元データの表示枠60と別の枠として属性情報枠62を表示してもよい。プロセッサ11は、属性情報枠62を2次元図面の表示枠50の外に表示してもよい。プロセッサ11は、物体の3次元データのうち、3次元形状データだけを表示してもよいし、属性情報だけを表示してもよい。
【0060】
プロセッサ11は、指定位置を取得したときに3次元データを表示するためのビューワのプログラムを起動してよい。プロセッサ11は、ビューワのプログラムに指定位置の情報を引き渡し、指定位置に関連づけられる物体の3次元データを、ビューワのプログラムによって表示枠60に表示させてよい。
【0061】
プロセッサ11は、指定位置を取得したときに、指定位置に関連づけられる物体の3次元データとして、ビューワによって3次元モデルから3次元データを読み出さずに表示できるようにあらかじめ生成されている画像を、表示枠60に表示してよい。
【0062】
以下、ビューワのプログラムが起動される場合と、あらかじめ生成されている画像が表示される場合とが、それぞれ説明される。
【0063】
<<ビューワの起動>>
プロセッサ11は、2次元図面の中の少なくとも1つの位置に、3次元データのビューワのプログラムを呼び出すリンクを表示してよい。プロセッサ11は、リンクに対してクリック又はタップ等の操作が入力されたときに、3次元データのビューワのプログラムを呼び出して起動する。プロセッサ11は、操作が入力されたリンクを表示している位置を指定位置として、起動したビューワのプログラムによって、指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示させてよい。ビューワは、指定位置に関連づけられる物体の3次元モデルに基づいて3次元データを表示する。
【0064】
言い換えれば、プロセッサ11は、2次元図面の指定位置に、3次元データのビューワを呼び出すリンクを表示し、リンクに対する操作の入力を受け付けた場合にビューワを起動してビューワを2次元図面に重畳して表示し、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データをビューワによって表示させてよい。
【0065】
ビューワは、3次元形状データを表示する際に、属性情報を反映させたレンダリングを実行してもよい。つまり、ビューワは、BIMデータ等の属性情報を含むビューポイントを表示してよい。ビューワがBIMデータ等の属性情報を含むビューポイントを表示することによって、3DCADでは実現できなかった内容を表示できるようになる。例えば、エンティティ情報で表示されている内容がフィルタリングされたデータの表示が可能になる。また、仕様、プロパティ情報又は属性情報に基づいてカラーリングされたデータの表示が可能になる。3DCADを用いて3次元形状データを表示する場合、あくまでもレイヤーで管理されるので、このような表示が実現されない。
【0066】
プロセッサ11は、ビューワを呼び出すリンクに、ビューワが3次元データを表示するときに用いる情報を関連づけてよい。ビューワが3次元データを表示するときに用いる情報は、表示情報とも称される。表示情報は、例えば、3次元形状データから2次元画像を生成するために必要な、3次元モデル内の視点位置、視線方向及び表示範囲を特定する情報を含む。プロセッサ11は、リンクに対する操作に応じてビューワを起動する際に、リンクに関連づけられた表示情報をビューワに引き渡すことによって表示情報を指定し、指定した表示情報でビューワに3次元形状データを表示させてよい。
【0067】
表示情報は、ユーザによってあらかじめ手動で設定されてよい。例えば3次元形状データを表示する際の視点位置及び視線方向が手動で設定されてよい。表示情報は、プロセッサ11によって自動で生成されてもよい。例えば、ユーザが3次元データを閲覧する履歴に基づいて、ユーザが複数回にわたって閲覧する視点位置及び視線方向を表示情報に設定してよい。表示情報は、3次元データの側に設定されていてもよい。
【0068】
プロセッサ11は、リンクへの操作入力によってビューワを呼び出したときにビューワによって表示して閲覧可能になる3次元データのサムネイル画像を、リンクとして表示してよい。プロセッサ11は、リンクに表示情報を関連づけている場合、表示情報に基づいてビューワが表示する3次元データのサムネイル画像をリンクとして表示してよい。プロセッサ11は、リンクに表示情報を関連づけていない場合であっても、ビューワが起動したときに最初に表示する3次元データのサムネイル画像をリンクとして表示してよい。
【0069】
プロセッサ11は、ビューワを起動した後、ビューワを起動している状態で、ユーザから3次元データの表示を変更する操作の入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、操作入力に応じて、視点位置、視点方向又は表示範囲の少なくとも1つを変更する情報をビューワに引き渡し、変更した情報に基づいてビューワに3次元形状データを表示させてよい。
【0070】
プロセッサ11は、ビューワを起動している状態で、指定位置を変更してもよい。プロセッサ11は、指定位置の変更に応じて、ビューワに表示させる3次元データを変更してよい。プロセッサ11は、指定位置の変更に応じて、ビューワに表示させる3次元形状データの視点位置又は視点方向を変更してもよい。
【0071】
プロセッサ11は、2次元図面を表示するプログラムから3次元データのビューワのプログラムを呼び出した場合、2次元図面を表示するプログラムで操作入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、2次元図面を表示するプログラムで受け付けた操作が3次元データの表示情報を変更する操作である場合に、2次元図面を表示するプログラムから3次元データのビューワのプログラムに対して操作内容を引き渡してよい。プロセッサ11が操作内容をビューワのプログラムに引き渡すことによって、3次元データのビューワに対して操作が入力されてよい。ビューワは、入力された操作に応じて3次元データの表示を変更してよい。
【0072】
プロセッサ11は、ビューワを2次元図面に埋め込んだモジュールとして起動し、ビューワのモジュールに対して操作を直接入力できるようにしてよい。ビューワは、ビューワに対して入力された操作に基づいて表示情報を変更し、表示情報の変更に応じて3次元データの表示内容を変更してよい。例えば、ビューワは、直接入力された操作に基づいて3次元形状データを表示するための視点位置、視線方向又は表示範囲を変更できるように構成されてよい。
【0073】
3次元データのビューワは、物体の3次元形状データとともに、物体の属性情報を表示してよい。プロセッサ11は、ビューワを起動する際に、ビューワに表示させる属性情報の項目を表示情報として引き渡してよい。プロセッサ11は、ビューワを起動した後、ビューワを起動している状態で、ユーザから属性情報の表示項目を変更する操作の入力を受け付けてよい。プロセッサ11は、操作入力に応じて、ビューワに表示させる属性情報の項目を変更する情報をビューワに引き渡し、変更した情報に基づいてビューワに属性情報を表示させてよい。言い換えれば、プロセッサ11は、ビューワが起動している状態で、属性情報の項目のうちビューワによって表示する項目を選択してよい。
【0074】
プロセッサ11は、2次元図面を表示するプログラムから3次元データのビューワのプログラムを呼び出した場合、2次元図面を表示するプログラムで、属性情報の表示項目を変更したり選択したりする操作入力を受け付け、ビューワに操作内容を引き渡してよい。プロセッサ11は、ビューワを2次元図面に埋め込んだモジュールとして起動した場合、ビューワのモジュールによって操作入力を直接受け付けて属性情報の表示項目を変更したり選択したりしてよい。
【0075】
プロセッサ11は、指定位置に関連づけられる物体が所定の型番の部材である場合において、その物体の3次元データを表示するビューワとして、所定の型番の部材の供給元が準備している3次元データを表示するビューワを呼び出してよい。つまり、プロセッサ11は、データベース30又は情報処理装置10の記憶部に格納されている3次元データではなく、部材の供給元が準備している外部装置に格納されている3次元データを表示してよい。このようにすることで、最新の3次元データが表示され得る。また、データベース30又は情報処理装置10の記憶部に格納する3次元データの量が低減される。つまり、データベース30又は情報処理装置10の記憶部の記憶容量が節約される。
【0076】
<<あらかじめ生成されている画像の表示>>
上述したように、プロセッサ11は、指定位置を取得したときに、指定位置に関連づけられる物体の3次元データとして、ビューワによって3次元モデルから3次元データを読み出さずに表示できるようにあらかじめ生成されている画像を、表示枠60に表示してよい。
【0077】
あらかじめ生成されている画像は、2次元図面において指定位置になり得る少なくとも1つの位置に記載されている物体の3次元データの画像であってよい。あらかじめ生成されている画像は、2次元図面において指定位置になり得る少なくとも1つの位置から少なくとも1つの視線方向に見える物体の3次元データの画像であってよい。あらかじめ生成されている画像は、データベース30又は情報処理装置10の記憶部に格納されていてよい。
【0078】
あらかじめ生成されている画像は、3次元形状データ又は属性情報の一方だけを含む画像であってもよいし、3次元形状データと属性情報とを両方とも含む画像であってもよい。
【0079】
プロセッサ11は、ビューワによって3次元モデルから属性情報を読み出さずに表示できるようにあらかじめ抽出された属性情報のテキストデータを、文字列又は表等の画像以外の形式で属性情報枠62に表示してもよい。
【0080】
以上述べてきたように、ビューワを起動せずにあらかじめ生成されている画像を3次元データとして表示する場合、ビューワを起動して3次元データを表示する場合よりも、プロセッサ11の処理負荷が低減される。
【0081】
プロセッサ11は、ビューワを起動せずに3次元データの画像を表示している状態において、指定位置を変更してもよい。プロセッサ11は、指定位置の変更に応じて、表示する3次元データの画像を変更してよい。プロセッサ11は、指定位置の変更に応じて、3次元形状データの視点位置又は視点方向を変更した画像を表示してもよい。
【0082】
プロセッサ11は、ビューワを呼び出して3次元データを表示したときに生成された画像を保存することによって、ビューワを起動せずに表示する3次元データの画像を生成してもよい。プロセッサ11は、ビューワによって複数回にわたって繰り返し閲覧された3次元データを画像として保存してよい。つまり、あらかじめ生成されている画像は、ビューワによって閲覧された3次元データの画像を保存した画像であってよい。
【0083】
<表示方法の手順例>
情報処理装置10のプロセッサ11は、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示するために、図4に例示されるフローチャートの手順を含む表示方法を実行してよい。表示方法は、プロセッサ11に実行させる表示プログラムとして実現されてもよい。表示プログラムは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体に格納されてよい。
【0084】
プロセッサ11は、表示部13に2次元図面を表示する(ステップS1)。プロセッサ11は、インタフェース12によって操作入力を受け付ける。プロセッサ11は、3次元データを閲覧する操作が有ったか判定する(ステップS2)。プロセッサ11は、3次元データを閲覧する操作が無かったと判定した場合(ステップS2:NO)、図4のフローチャートの手順の実行を終了する。プロセッサ11は、ステップS2で3次元データを閲覧する操作が無かったと判定した場合に、ステップS2の判定手順を繰り返してもよい。
【0085】
プロセッサ11は、3次元データを閲覧する操作が有った場合(ステップS2:YES)、その操作に応じて3次元データのビューワを呼び出すかを判定する(ステップS3)。プロセッサ11は、例えば、3次元データを閲覧する操作がビューワを呼び出すリンクに対する操作であった場合に、3次元データのビューワを呼び出すと判定する。
【0086】
プロセッサ11は、操作に応じて3次元データのビューワを呼び出すと判定した場合(ステップS3:YES)、3次元データのビューワのプログラムを呼び出してビューワを起動する(ステップS4)。プロセッサ11は、ビューワによって3次元データを表示させる。プロセッサ11は、ステップS4の手順の実行後、図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0087】
プロセッサ11は、操作に応じて3次元データのビューワを呼び出さないと判定した場合(ステップS3:NO)、あらかじめ準備された3次元データの画像を表示する(ステップS5)。プロセッサ11は、ステップS5の手順の実行後、図4のフローチャートの手順の実行を終了する。
【0088】
プロセッサ11は、ステップS4又はS5の手順の実行後に、ステップS2の手順に戻って操作入力の判定手順から繰り返してもよい。
【0089】
<小括>
以上述べてきたように、本開示に係る情報処理装置10、表示方法及び表示プログラムによれば、施工図面の2次元図面と、2次元図面の中の指定位置に関連づけられる物体の3次元データとが両方とも表示される。このようにすることで、ユーザは、2次元図面の確認中に物体の3次元データを簡便に確認できる。その結果、ユーザの利便性が高められる。
【0090】
また、本開示に係る情報処理装置10、表示方法及び表示プログラムは、施工の現場で参照される施工図面の2次元図面を表示しつつ、施工図面とは別のデータである3次元データを表示できる。このようにすることで、施工の現場において、現場作業者であるユーザは、見慣れた施工図面を参照して工事を進めつつ、必要に応じて3次元データを閲覧して属性情報又は3次元形状データを確認できる。単にCADデータの表示を2次元と3次元とで切り替える場合と比べて、ユーザは、工事に必要な情報を理解しやすい。その結果、ユーザの利便性が高められる。
【0091】
(他の実施形態)
以下、情報処理システム1、表示方法及び表示プログラムの他の実施形態が説明される。
【0092】
上述してきた実施形態において、図2に例示される2次元図面の表示及び図3に例示される3次元データの表示は建築工事の施工図面であった。情報処理装置10は、建築工事の施工図面に限られず、土木工事、又は、水道、ガス若しくは電気等の埋設工事等の種々の工事の施工図面について、2次元図面、及び、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示してよい。
【0093】
情報処理装置10は、2次元図面として水道、ガス又は電気等の埋設工事における地面の掘削工事の施工図面を表示してもよい。2次元図面が地面の掘削工事の施工図面である場合、2次元図面の指定位置に関連づけられる物体は、掘削する部分の地中に埋設されている配管又は電線等の物体を含んでよい。つまり、情報処理装置10は、掘削工事の施工図面を表示しつつ、地中に埋設されている物体の3次元データを表示してよい。このようにすることで、掘削工事の作業者が地中の状態を簡便に確認できる。その結果、作業者が掘削工事を進めやすくなる。
【0094】
1つの工事において、施工図面としての2次元図面は、建物部分と外構部分とを含むことがある。2次元図面のうち建物部分の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示するためのビューワと、外構部分の指定位置に関連づけられる物体の3次元データを表示するためのビューワとが異なってもよい。また、外構部分の3次元形状データは、測量することによって得られた点群データであってよい。一方で、建物部分の3次元形状データは、設計によって作成された3次元モデルから抽出されたデータであってよい。建物部分の中でもユニットバス等の汎用部品の3次元形状データは、汎用部品を供給するメーカから提供されている3次元形状データであってもよい。
【0095】
本開示に係る実施形態について、諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は改変を行うことが可能であることに注意されたい。従って、これらの変形又は改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本開示に係る実施形態について装置を中心に説明してきたが、本開示に係る実施形態は装置の各構成部が実行するステップを含む方法としても実現し得るものである。本開示に係る実施形態は装置が備えるプロセッサにより実行される方法、プログラム、又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものである。本開示の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【符号の説明】
【0096】
1 情報処理システム
10 情報処理装置(11:プロセッサ、12:インタフェース、13:表示部)
30 データベース
40 ネットワーク
50 2次元図面の表示枠(52:アイコン)
60 3次元データの表示枠(62:属性情報枠)
図1
図2
図3
図4