(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001788
(43)【公開日】2025-01-09
(54)【発明の名称】売買システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241226BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101466
(22)【出願日】2023-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】523237501
【氏名又は名称】野尻 裕貴
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】野尻 裕貴
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC27
5L050CC27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】円滑な売買を図る売買システムを提供する。
【解決手段】売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買システム1であって、買主端末からの、売主の売買対象に係る情報の提供要求があった場合には、売主端末及び売主側仲介人端末の双方に、売主の売買対象に係る情報の提供要求があった旨の通知を行う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
を備えていることを特徴とする売買システム。
【請求項2】
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、売買の専門家が利用する専門家端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買対象支援システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
専門家端末から、専門家に係る情報(以後、情報Cという)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
売主端末または買主端末からの紹介要求に応じて、データベースに記憶されている情報Cを提供する手段と、
を備えていることを特徴とする売買システム。
【請求項3】
サーバーは、
情報A2における売り主の売買対象に係る情報に固有の識別子を付与する手段と、
同一の識別子に対するデータベースへの記憶を禁止する手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の売買システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売買システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、売主と買主とを円滑にマッチングさせる売買システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の売買システムにおいては、従来から、円滑な売買を行えるものが望まれていた。
【0005】
本発明は、円滑な売買を図ることができる売買システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点における売買システムは、
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
を備えていることを特徴とする売買システムである。
【0007】
本発明の第2の観点における売買システムは、
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、売買の専門家が利用する専門家端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買対象支援システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
専門家端末から、専門家に係る情報(以後、情報Cという)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
売主端末または買主端末からの紹介要求に応じて、データベースに記憶されている情報Cを提供する手段と、
を備えていることを特徴とする売買システムである。
【0008】
好適には、
サーバーは、
情報A2における売り主の売買対象に係る情報に固有の識別子を付与する手段と、
同一の識別子に対するデータベースへの記憶を禁止する手段と、
を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明における売買システムによって円滑な売買が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る売買システムを示す模式図である。
【
図2】
図1に係る売買システムの売買の流れを説明するイメージ図である。
【
図3】サーバーのデータベースに登録する際の処理を説明するフロー図である。
【
図4】専門家を紹介する際の処理を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る売買システムを示す模式図である。
【0013】
図1及び
図2のように、売買システム1は、売主端末2、買主端末3、売主側仲介人端末4、買主側仲介人端末5、専門家端末6、及び、サーバー7を有している。これらの売主端末2、買主端末3、売主側仲介人端末4、買主側仲介人端末5、専門家端末6、及び、サーバー7は、互いにインターネット(通信ネットワーク)を介して接続されている。
【0014】
売買システム1は、不動産(売買対象)の売主と買主とが不動産(物件)を売買可能とするものであり、売主と買主とのマッチングを行うものである。
【0015】
売主端末2は、不動産の売主が利用する端末である。売主端末2としては、例えば汎用のコンピュータ装置やスマートフォン等を用いることができる。
【0016】
買主端末3は、不動産の買主が利用する端末である。買主端末3としては、例えば汎用のコンピュータ装置やスマートフォン等を用いることができる。
【0017】
売主側仲介人端末4は、売主の仲介人が利用する端末である。売主側仲介人端末4としては、例えば汎用のコンピュータ装置やスマートフォン等を用いることができる。
【0018】
買主側仲介人端末5は、買主の仲介人が利用する端末である。買主側仲介人端末5としては、例えば汎用のコンピュータ装置やスマートフォン等を用いることができる。
【0019】
専門家端末6は、不動産に係るエージェント、土地家屋調査士、ER(エンジニアリング・レポート)会社、土地調査に係る会社、その他の士業等の不動産売買に係る専門家が利用する専門家端末である。専門家端末6としては、例えば汎用のコンピュータ装置やスマートフォン等を用いることができる。
【0020】
サーバー7は、売買システム1を運営するために必要なプラットフォームとして機能する。サーバー7は、売買システム1の管理者(管理会社等)によって管理されている。サーバー7は、例えば汎用のコンピュータ装置であり、売買システム1に係る各種処理を行うためのプログラムがインストール(格納)されている。サーバー7は、概して、CPU、メモリのほか、データベース71等を有している。
【0021】
サーバー7は、売主端末2から、売主に係る情報(売主の氏名や住所等)、売主が売りたい不動産(物件の種別・住所・広さ・価値等)に係る情報等(以後、これらの情報を総括して情報A1という)を受け取る処理が可能である。サーバー7は、受け取った情報A1をデータベース71に記憶する処理を行うことが可能である。
【0022】
サーバー7は、売主側仲介人端末4から、売主に係る情報、売主側仲介人に係る情報、売主が売りたい不動産に係る情報等(以後、これらの情報を総括して情報A2という)を受け取る処理が可能である。サーバー7は、受け取った情報A2をデータベース71に記憶する処理を行うことが可能である。
【0023】
サーバー7は、買主端末3から、買主に係る情報(買主の氏名や住所等)、買主が買いたい不動産に係る情報等(以後、これらの情報を総括して情報B1という)を受け取る処理が可能である。サーバー7は、受け取った情報B1をデータベース71に記憶する処理を行うことが可能である。
【0024】
サーバー7は、買主側仲介人端末5から、買主に係る情報、買主側仲介人に係る情報、買主が買いたい不動産(物件の種別・住所・広さ・価値等)に係る情報等(以後、これらの情報を総括して情報B2という)を受け取る処理が可能である。サーバー7は、受け取った情報B2をデータベース71に記憶する処理を行うことが可能である。
【0025】
サーバー7は、専門家端末6から、専門家に係る情報等(以後、情報Cという)を受け取る処理が可能である。サーバー7は、受け取った情報Cをデータベース71に記憶する処理が可能である。
【0026】
サーバー7は、売主端末2からの要求に応じて(例えば、データベース71に記憶されている情報を閲覧したい旨の閲覧要求等)、データベース71に記憶された情報A1、A2、B1、B2、Cのいずれかを抽出する処理が可能である。サーバー7は、買主端末3から要求に応じて、データベース71に記憶された情報A1、A2、B1、B2、Cのいずれかを抽出する処理が可能である。サーバー7は、抽出した情報を、売主端末2、買主端末3、売主側仲介人端末4、買主側仲介人端末5、専門家端末6のいずれかに送信する処理を行うことで、これらのいずれかの端末に抽出した情報を提供することが可能となっている。
【0027】
サーバー7は、売主端末2、買主端末3、売主側仲介人端末4、買主側仲介人端末5、専門家端末6に対し、各種通知を行う処理が可能となっている。
【0028】
サーバー7は、情報A2における売主が売りたい不動産に係る情報に対して、固有の識別子を付与する処理が可能である。サーバー7は、同一の識別子に対するデータベース71への記憶を禁止(阻止)する処理が可能である。
【0029】
サーバー7は、例えば或る売主側仲介人Aの利用する売主側仲介人端末4から情報A2における不動産に係る情報α1を受け取った場合、識別子(コード)α1を付与する処理を行う。その後、サーバー7は、識別子α1に係る情報A2が、データベース71に記憶されているか否かを判定する処理を行う。サーバー7は、例えば或る売主側仲介人Bの売主端末2から情報A2における不動産に係る情報α2を受け取った場合、識別子α2を付与する処理を行う。その後、サーバー7は、識別子α2に係る情報A2が、データベース71に記憶されているか否かを判定する処理を行う。この結果、いずれも記憶されていない場合には、これらの識別子α1、α2に係る情報A2をデータベース71に記憶する処理を行う。
【0030】
一方、サーバー7は、識別子α1が付与された不動産に係る情報α1がデータベース71に記憶された状態で、別の或る売主側仲介人Bの売主端末Bから情報A2における不動産に係る情報α1があった場合、識別子α1を付与する処理を行う。その後、サーバー7は、この識別子α1に係る情報Aがデータベース71に記憶されているか否かを判定する処理を行う。この場合、データベース71には既に識別子α1が付与された不動産に係る情報α1が存在しているため、サーバー7は、別の或る売主側仲介人Bの売主端末Bから情報A2における不動産に係る情報α1をデータベース71に記憶する処理を行わない。
【0031】
本実施形態では、識別子α1としては、戸建ての場合、例えば、東京都A区B1―23-4、マンションやアパートであれば、東京都A区B市1―23-4〇〇号室、ビル等であれば、東京都A区B市1―23-4 M階というように、その不動産を特定できる住所等に対して付与するとともに、不動産を特定できる住所等においては、同一の住所等に対しては同一の識別子を付与するプログラムを用いることができる。
【0032】
このようにすることで、データベース71に、複数の仲介人(業者)が同一の不動産を記憶することを防止することができる。この結果、同一の不動産に対しては、一の仲介人のみが関与するようにすることを担保することができる。
【0033】
図2は、
図1に係る売買システムの売買の流れを説明するイメージ図である。
【0034】
不動産の売主と買主とは、管理者に対して会員登録申請をし、管理者によって承認されることによって会員として登録される。不動産の売主と買主とは会員登録されることによって初めて売買システム1を無料で利用することができる。売主側仲介人と買主側仲介人も、管理者に対して会員登録申請をし、管理者によって承認されることによって会員として登録される。売主側仲介人と買主側仲介人とは会員登録されることによって初めて売買システム1を無料で利用することができる。専門家は、管理者による依頼或いは専門家からの申請等によって管理者が紹介可能な専門家として登録される。
【0035】
売主は、売主端末2によってサーバー7にアクセスすることで、情報A1をデータベース71に記憶させることができる(情報A1を無料で掲載することができる)。売主と仲介契約(例えば、一般媒介契約等)を締結している不動産仲介会社等の売主側仲介人は、売主の了承を受けることで、売主側仲介人端末4によってサーバー7にアクセスして、情報A2をデータベース71に記憶させる(情報A2を無料で掲載する)等の役務を行うことができる。なお、買主に買主側仲介人がいない場合には、売主側仲介人が、買主に対して仲介契約を締結することも可能である。
【0036】
買主は、買主端末3によってサーバー7にアクセスすることで、情報B1をデータベースに記憶させることができる(換言すれば、買主の不動産取得ニーズを無料で掲載することができる)。買主と仲介契約を締結している不動産仲介会社等の買主側仲介人は、買主の了承を受けることで、買主側仲介人端末5によってサーバー7にアクセスして、情報B2をデータベース71に記憶させる(情報B2を無料で掲載する)等の役務を行うことができる。専門家に係る情報は、管理者によってデータベース71に記憶される(専門家情報が掲載される)。
【0037】
買主は、買主端末3によってサーバー7にアクセスすることで、掲載されている不動産情報の閲覧や照会を無料で行うことができる。これによって、買主は、売主との直接交渉、売主側仲介人や買主側仲介人を介した交渉によって不動産を買うことが可能となる。売主側仲介人や買主側仲介人を介して不動産の売買が成約した場合には、売主や買主は成約フィーを売主側仲介人や買主側仲介人に支払う。一方、売主側仲介人や買主側仲介人は、管理者に対して成約フィーを支払う。
【0038】
売主と買主との直接交渉の場合、売主・買主ともに不動産売買に関する専門的知識がなく、不動産売買をスムーズに行えない虞がある。この場合、売主(買主)が売主端末2(買主端末3)を介してサーバー7にアクセスし、専門家を紹介してほしい旨の通知(照会要求)を行う。この通知を受けたサーバー7は、データベース71に記憶されている専門家のうち、売主(買主)が要望する専門家を抽出する処理を行った後、抽出した専門家の情報を売主端末2(買主端末3)に送信する処理を行う(専門家に顧客の紹介を行う)。これによって、売主(買主)が専門家と繋がり、専門家を介した不動産の売買を行えるようになる。売主(買主)と繋がった専門家は、紹介フィーを管理者に支払う。一方、専門家からのアドバイス等の役務を受けた売主(買主)は、専門家にその役務に応じた役務フィーを専門家に支払う。
【0039】
図3は、サーバーのデータベースに登録する際の処理を説明するフロー図である。
【0040】
この
図3を参照して、サーバー7のデータベース71に情報を登録する際の処理について説明する。ここでの処理に関連するのは、売主端末2、買主端末3、売主側仲介人端末4、買主側仲介人端末5、専門家端末6、およびこれらの端末からの情報A1、A2、B1、B2、Cであるが、いずれも同様の処理を行うため、上記各端末2乃至6を総括して「端末等」とし、上記各情報A1乃至Cを総括して「情報等」として説明する。
【0041】
端末等の使用者(例えば、売主等)は端末等を操作して、情報等(例えば、情報A1等)を入力することで、端末等は、この情報等をサーバー7に送信する処理を行う(ステップS10、ステップS11)。この情報等を受け取ったサーバー7は、この情報等が登録可能な情報か否かを判断する処理を行い、登録可能な情報であれば、データベース71に情報等を記憶させる処理を行う。一方、サーバー7は、登録不可能な情報であればデータベース71に情報等を記憶させない処理を行う。その後、サーバー7は、端末等に、情報等が登録された旨(例えば、情報A1がデータベース71に記憶された旨)、或いは、情報等を登録しなかった旨の結果通知を送信する処理を行う(ステップS21)。また、サーバー7は、情報等をデータベース71に記憶させる処理を行った場合には、この情報等を所定のフォーマットで、サーバー7が運営するHP等に掲載する処理を行う(ステップS23)。一方、サーバー7から情報等が登録された旨の通知を受け取った端末等においては、情報等の掲載が開始される旨の結果を表示する処理を行う(ステップS12)。
【0042】
図4は、専門家を紹介する際の処理を説明するフロー図である。
【0043】
この
図4を参照して、サーバー7の売主または買主に専門家を紹介する際の処理について説明する。
【0044】
専門家の紹介を受けたい売主(買主)が売主端末2(買主端末3)を操作することで、売主端末2(買主端末3)は、サーバー7に専門家を紹介して欲しい旨の紹介要求を送信する処理を行う(ステップS30)。この紹介要求を受けたサーバー7は、データベース71に登録されている専門家のうち、売主が希望する専門家を照会して抽出する処理を行う(ステップS41)。サーバー7は、抽出した専門家が利用する専門家端末6に、売主の専門家として受任可能か否かを打診する受任要求を送信する処理を行う(S42)。この受任要求を受け取った専門家は、受任が可能な場合、専門家端末6を操作することで、専門家端末6は、受任を承諾する旨の受任承諾をサーバー7に送信する処理を行う(ステップS50)。この受任要求を受け取ったサーバー7は、専門家が受任を承諾した旨の受任通知を売主端末2(買主端末3)に送信する処理を行う(ステップS43)。
【0045】
このようにすることで、売主(買主)に専門家を効率よく紹介することができる。
【0046】
なお、データベース71に売主(買主)の要望に適した専門家がいない場合、或いは、専門家から受任を断られた場合には、売主端末2(買主端末3)に、データベース71には売主(買主)が要望する専門家がいない旨の通知をする処理を行うようにしてもよい。或いは、管理者が自ら専門家を探し出して、サーバー7を通じて売主端末2(買主端末3)に、自ら探し出した専門家を紹介するようにしてもよい。
【0047】
【0048】
この
図5を参照して、サーバー7を介した不動産売買の際の処理について説明する。ここでは、買主(買主側仲介人)が、データベース71に掲載されている売主の情報A1またはA2を参照することで、この売主の不動産を購入したいと希望した場合を例にとって説明する。
【0049】
不動産の購入を希望する買主(買主側仲介人)が、買主端末3(買主側仲介人端末5)を操作することで、情報A1(情報A2)に係る不動産を購入したい旨、或いは、情報A1(情報A2)の閲覧をしたといった情報A1(情報A2)に係る提供要求をサーバー7に送信する処理を行う(ステップS60)。この提供要求を受け取ったサーバー7は、売主単独の場合には、買主に係る情報A1を売主端末2に送信する処理を行う(ステップS71)。そして、売主端末2は情報A1を受信する処理を行う(ステップS90)。一方、売主に売主側仲介人が付いている場合には、情報A2を売主端末2および売主側仲介人端末4の双方に送信する(ステップS71)。そして、売主端末2と売主側仲介人端末4との双方で、情報A2を受信する処理が行われる(ステップS80、ステップS90)
【0050】
このように、売主に売主側仲介人が付いている場合において、買主や買主側仲介人からの提供要求があると、売主と売主側仲介人の双方に、情報A2が通知されるようにしているので、買主のニーズ等を、売主と売主側仲介人にタイムラグ無しかつ直接的に通知することができる。この結果、売主側仲介人が、買主の情報や買主のニーズ等を隠したり、修正したりすることを防止することができ、取引の透明性を担保することができる。
【0051】
この情報A2によって不動産を売ることを決めた売主が売主端末2を操作することで、売主端末2は、提供要求をした買主に対して、売主の不動産を購入すること(売主の不動産を売却すること)を承諾する旨の購入承諾をサーバー7に送信する処理を行う(ステップS91)。なお、図示は省略しているが、売主の委託を受けた売主側仲介人が売主側仲介人端末4を操作することで、売主端末2が、購入承諾をサーバー7に送信する処理を行うようにしてもよい。
【0052】
購入承諾を受け取ったサーバー7は、売買契約が成立した旨のデータをデータベース71に保存して閲覧可能とする処理を行うとともに、このデータを買主端末3(買主側仲介人端末5)に送信する処理を行う(ステップS72)。そして、買主端末3(買主側仲介人端末5)は、このデータを受け取る処理を行う(ステップS61)。
【0053】
本実施形態では、図示は省略するが、サーバー7を介して売主と買主とがマッチングすることで、売主側仲介人(買主側仲介人)が売主(買主)から成約フィーを受け取ったのにも関わらず、売主側仲介人(買主側仲介人)がサーバー7の管理者にシステム利用料を払わない場合には、サーバー7から、売主側仲介人端末4(買主側仲介人端末5)に、システム利用料の支払いを督促する旨の利用料督促を送信する処理を行うことが可能である。また、サーバー7は、上記督促中においては、売主側仲介人端末4(買主側仲介人端末5)によるサーバー7の利用を禁止する処理を行うことが可能である。その督促中の期間が所定期間を超えた場合、売主側仲介人(買主側仲介人)のアカウントをロックする処理を行った上で、売主(買主)にその旨の通知を行うことも可能である。さらに、アカウントがロックされた売主側仲介人(買主側仲介人)に対し、サーバー7の利用を永久的に不可能とする処理を行うことも可能であるし、アカウントがロックされた売主側仲介人(買主側仲介人)に対する救済措置として、サーバー7の利用を再開するための所定の条件を満たした売主側仲介人(買主側仲介人)に対して、アカウントのロックを解除する処理等を行うことも可能である。
【0054】
以上、説明したように、売買システム1は、管理者のサーバー7のデータベース71に、各種情報A21乃至Cが記憶される(掲載される)ようになっているため、売主や売主側仲介人がデータベース71の各種情報を閲覧することで、買主や買主側仲介人のニーズ等の容易かつ的確に把握することができる。また、買主や買主側仲介人がデータベース71の各種情報を閲覧することで、要望する不動産の情報等を容易かつ的確に把握することができる。この結果、円滑でかつ透明性の高い不動産売買を容易に行うことができる。
【0055】
特に、本実施形態では、同一の住所等に対しては同一の識別子を付与するプログラムを用いることで、同一の不動産に対しては、一の仲介人のみが関与するようにすることを担保するようにすることで、同一の不動産に対して複数の仲介人が混在する状況を防止することができ、より円滑な不動産売買を図ることができる。しかも、買主(買主側仲介人)からの提供要求があると、売主と売主側仲介人の双方に、情報A2が送信されるようにしている上に、不動産売買が成立した場合には、売買契約が成立した旨のデータをデータベース71に保存して閲覧可能としているため、仲介人が売買当事者からの情報を隠すことを防止することができる(仲介人が売買当事者からの情報を隠すことができない)ため、不動産売買の透明性を更に向上させることができる。
【0056】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜の変更が可能である。
【0057】
例えば、本実施形態では、情報A1として、売主に係る情報(売主の氏名や住所等)、売主が売りたい不動産(物件の種別・住所・広さ・価値等)に係る情報等としたが、売主に係る情報のみ、或いは、売主が売りたい不動産に係る情報のみとしてもよい。同様に、情報A2としても、買主に係る情報のみ、或いは、買主が買いたい不動産に係る情報のみとしてもよい。
【0058】
本実施形態では、識別子の付与については、住所に紐づいた識別子としたが、これに留まらず、「売主・売主側仲介人・不動産(物件)」に紐づけた識別子とするようにしても良く、要は、同一の不動産に対して、複数の仲介人が混在しないようにすればよい。
【0059】
本実施形態では、売主(買主)に対する専門家の紹介は、サーバー7を介して行っていたが、売主(買主)が売主端末2(買主端末3)を介してサーバー7にアクセスして、データベース71に記憶されている専門家を照会することで、直接的に専門家と繋がるようにしてもよい。
【0060】
本実施形態では、買主端末3からの提供要求があった場合に、この提供要求があった旨を売主端末2と売主側仲介人端末4との双方に通知する処理が行われていたが、これに限らず、売主端末2からの提供要求があった場合に、この提供要求があった旨を買主端末3と買主側仲介人端末5の双方に通知する処理を行うようにしてもよい。
【0061】
本実施形態では、売買システム1の一例として、不動産の売買を例にとったが、これに限定されず、不動産の賃貸契約を行うために、売買システム1を用いるようにしても良く、この場合であっても、本実施形態と同様な作用効果を奏する。
【0062】
本実施形態では、売買システム1の売買対象の一例として、不動産を例にとったが、売買対象としては、例えば、家具、自動車、日用品といった不動産以外の物品でもよい。要は、売買対象になり得るものであれば特に限定されない。
【0063】
<実施形態の構成及び効果>
(構成1)
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求があった場合には、買主端末および買主側仲介人端末の双方に、情報B2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
を備えていることを特徴とする売買システム。
このような構成を有することから、円滑でかつ透明性の高い不動産売買を容易に行うことができるという効果がある。
【0064】
(構成2)
売主が利用する売主端末と、買主が利用する買主端末と、売主の仲介人が利用する売主側仲介人端末と、買主の仲介人が利用する買主側仲介人端末と、売買の専門家が利用する専門家端末と、管理者が管理するサーバーと、をネットワークで接続し、売主と買主とが売買対象を売買可能とした売買対象支援システムであって、
サーバーは、
売主端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主側仲介人端末から、売主に係る情報または売主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報A2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B1という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
買主側仲介人端末から、買主に係る情報または買主の売買対象に係る情報の少なくとも一方(以後、情報B2という)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
専門家端末から、専門家に係る情報(以後、情報Cという)を受け取ってデータベースに記憶する手段と、
売主端末からの情報B1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B1を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報B2を提供する手段と、
買主端末からの情報A1に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A1を提供する手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求に応じて、データベースに記憶されている情報A2を提供する手段と、
売主端末からの情報B2に係る提供要求があった場合には、買主端末および買主側仲介人端末の双方に、情報B2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
買主端末からの情報A2に係る提供要求があった場合には、売主端末および売主側仲介人端末の双方に、情報A2に係る提供要求があった旨の通知を行う手段と、
売主端末または買主端末からの紹介要求に応じて、データベースに記憶されている情報Cを提供する手段と、
を備えていることを特徴とする売買システム。
このような構成を有することから、円滑でかつ透明性の高い不動産売買を容易に行うことができるとともに、売主や買主に専門家を効率よく紹介することができるという効果がある。
【0065】
(構成3)
構成1または構成2の売買システムであって、
サーバーは、
情報A2における売り主の売買対象に係る情報に固有の識別子を付与する手段と、
同一の識別子に対するデータベースへの記憶を禁止する手段と、
を備えている売買システム
このような構成を有することから、同一の不動産に対しては、一の仲介人のみが関与するようにすることを担保することができるという効果がある。
【0066】
本発明の、システム、プログラム、などは、本発明の要旨を変更しない範囲で、様々に変更可能である。
また、制御の順序なども、所定の効果を有するのであれば、適宜変更可能である。
【0067】
<定義等>
本発明における「端末」の一例がパーソナルコンピュータである。つまり、「端末」としては、スマートフォンやタブレット等であってもよい。要は、外部からの操作が可能でかつインターネット接続が可能な装置類であればどのようなものであってもよい。
本発明における「売買対象」の一例が不動産である。つまり、不動産以外の物品であってもよい。要は、「売買対象」は、不動産のみならず、売買可能なものであればどのようなものであってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 売買システム
2 売主端末
3 買主端末
4 売主側仲介人端末
5 買主側仲介人端末
6 専門家端末
7 サーバー
71 データベース