(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025017884
(43)【公開日】2025-02-06
(54)【発明の名称】歯科用ハンドピース制御システム
(51)【国際特許分類】
A61C 1/02 20060101AFI20250130BHJP
A61C 1/05 20060101ALI20250130BHJP
【FI】
A61C1/02 F
A61C1/05 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023121222
(22)【出願日】2023-07-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】523283748
【氏名又は名称】株式会社ヨシダ技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 照美
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052AA13
4C052BB03
4C052CC02
4C052CC15
4C052GG02
4C052GG19
4C052GG22
(57)【要約】
【課題】 歯科治療の状況に好適に対応することが可能な歯科用ハンドピース制御システムを提供する。
【解決手段】 歯科用ハンドピース制御システム2は、圧縮気体源50からの圧縮気体を、歯科用ハンドピース20に設けられたタービン羽根24に供給する給気流路60と、タービン羽根24を回転させた圧縮気体を排気する排気流路70と、排気流路70における前記圧縮気体の圧力である排気圧を検出する排気圧検出部110と、目標排気圧を設定する目標排気圧設定部と、タービン羽根24に供給される圧縮気体の圧力である給気圧を制御する給気圧制御部と、を備え、給気圧制御部は、排気圧検出部110によって検出された排気圧が目標排気圧と一致するように、給気圧を制御する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮気体源からの圧縮気体を、歯科用ハンドピースに設けられたタービン羽根に供給する給気流路と、
前記タービン羽根を回転させた前記圧縮気体を排気する排気流路と、
前記排気流路における前記圧縮気体の圧力である排気圧を検出する排気圧検出部と、
目標排気圧を設定する目標排気圧設定部と、
前記タービン羽根に供給される前記圧縮気体の圧力である給気圧を制御する給気圧制御部と、
を備え、
前記給気圧制御部は、前記排気圧検出部によって検出された前記排気圧が前記目標排気圧と一致するように、前記給気圧を制御する
ことを特徴とする歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項2】
前記目標排気圧設定部は、操作者の操作に基づいて、予め記憶された複数の前記目標排気圧から一つの前記目標排気圧を選択する
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項3】
前記目標排気圧設定部は、前記排気圧の定常状態からの変動幅に基づいて、前記目標排気圧を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項4】
前記目標排気圧設定部は、前記排気圧が前記定常状態から下がった場合に、前記変動幅が大きいほど前記目標排気圧が高くなるように、当該目標排気圧を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項5】
前記目標排気圧設定部は、前記排気圧が前記定常状態から上がった場合に、前記変動幅が大きいほど前記目標排気圧が低くなるように、当該目標排気圧を設定する
ことを特徴とする請求項3に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項6】
前記目標排気圧設定部は、前記排気圧が前記定常状態から変動するごとに前記目標排気圧を設定し直す
ことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一項に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項7】
前記目標排気圧設定部は、前記目標排気圧の下限値及び上限値を設定し、
前記給気圧制御部は、前記排気圧が前記目標排気圧の下限値及び上限値の間の値になった場合に、前記給気圧を一定に保つように制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【請求項8】
前記給気流路上に設けられた比例弁を備え、
前記給気圧制御部は、前記比例弁の開口度を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の歯科用ハンドピース制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮気体を用いてタービン羽根を回転させることによって作動する歯科用ハンドピースを制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2,3には、タービン羽根を有する歯科用ハンドピースを制御する制御システムが記載されている。かかる制御システムでは、検出された排気圧を用いて、負荷が発生したタービン羽根の回転速度を一定に維持することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5314746号公報
【特許文献2】米国特許第3865505号明細書
【特許文献3】特開2017-221300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際の歯科治療においては、歯科用ハンドピースは、修復物(金属等)を除去する際には高速回転で高トルクの動作が必要であったり、仕上げ切削等を行う際には低速回転で低トルクの動作が必要であったりする。これに対し、従来の制御システムでは、タービン羽根が一定の回転速度に制御されるため、歯科治療の内容に応じて回転速度を変更することはできなかった。
【0005】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、歯科治療の状況に好適に対応することが可能な歯科用ハンドピース制御システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した課題を解決するために、本発明の歯科用ハンドピース制御システムは、圧縮気体源からの圧縮気体を、歯科用ハンドピースに設けられたタービン羽根に供給する給気流路と、前記タービン羽根を回転させた前記圧縮気体を排気する排気流路と、前記排気流路における前記圧縮気体の圧力である排気圧を検出する排気圧検出部と、目標排気圧を設定する目標排気圧設定部と、前記タービン羽根に供給される前記圧縮気体の圧力である給気圧を制御する給気圧制御部と、を備え、前記給気圧制御部は、前記排気圧検出部によって検出された前記排気圧が前記目標排気圧と一致するように、前記給気圧を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、目標排気圧を設定することによってタービン羽根の回転速度を変更し、歯科治療の状況に好適に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システムが適用された歯科診療用ユニットを模式的に示す斜視図である。
【
図2】ホース、装着部、歯科用ハンドピース及びバーを模式的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システムにおける圧縮気体の流路を模式的に示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システムを模式的に示すブロック図である。
【
図5】歯科用ハンドピースにおける排気圧の時間特性の例を示すグラフであり、歯科用ハンドピースの種類ごとにおける排気圧の時間特性の違いを示すグラフである。
【
図6】歯科用ハンドピースにおける排気圧の時間特性の例を示すグラフであり、正常な歯科用ハンドピースにおける排気圧の時間特性、及び、不具合が発生した歯科用ハンドピースにおける排気圧の時間特性を示すグラフである。
【
図7】排気圧に基づく比例弁の制御手法の例を示すグラフであり、目標排気圧が目標排気圧初期値に設定される場合、及び、目標排気圧が操作に基づいて設定される場合を説明するグラフである。
【
図8】排気圧に基づく比例弁の制御手法の例を示すグラフであり、負荷が増大した場合に目標排気圧が自動的に設定し直される場合を説明するためのグラフである。
【
図9】排気圧に基づく比例弁の制御手法の例を示すグラフであり、負荷が減少した場合に目標排気圧が自動的に設定し直される場合を説明するためのグラフである。
【
図10】本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システムによる歯科用ハンドピースの種類及び正常であるか否かの判定手法、並びに、不具合の種類の特定手法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】排気圧に基づく比例弁の制御手法の例を示すグラフであり、目標排気圧が自動的に設定される場合を説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
<歯科診療用ユニット>
図1に示すように、本発明の実施形態に係る歯科診療用ユニット1は、ユーザとしてのドクターが患者を歯科診療する際に用いられるユニットである。歯科診療用ユニット1には、歯科用ハンドピース制御システム2(
図3及び
図4参照)が適用されている。歯科診療用ユニット1は、基本的な構成として、椅子モジュール3と、基礎ユニット4と、第一の支持部5と、診療テーブル6と、第二の支持部7と、アシスタントテーブル8と、フットコントローラ9と、を備える。
【0011】
<椅子モジュール>
椅子モジュール3は、患者用の椅子本体3aを備える。
【0012】
<基礎ユニット>
基礎ユニット4は、椅子モジュール3の側方に配置されている。基礎ユニット4は、スピットン置台4aと、当該スピットン置台4a上に設置されるスピットン4bと、うがいのためのコップに給水するための給水口4cと、を備える。
【0013】
<第一の支持部>
第一の支持部5は、診療テーブル6を椅子モジュール3周りに移動可能に支持する。第一の支持部5は、直列に設けられるアーム部5a,5bを備える。アーム部5aの一端部(基端部)は、関節部を介して基礎ユニット4の筐体部に連結されており、アーム部5aの他端部(先端部)は、関節部を介してアーム部5bに連結されている。アーム部5bの一端部(基端部)は、関節部を介してアーム部5aに連結されており、アーム部5bの他端部(先端部)は、関節部を介して診療テーブル6に連結されている。
【0014】
<診療テーブル>
診療テーブル6は、ユーザとしてのドクター(歯科医師)によって用いられる。診療テーブル6は、テーブル6aと、ハンガー6bと、複数組のホース6c、装着部6d、歯科用ハンドピース20及びバー30(
図2参照)と、表示部6eと、操作部6fと、を備える。
【0015】
≪テーブル≫
テーブル6aは、ドクターが歯科診療を行うのに必要な物品等を載置するための部位である。
【0016】
≪ハンガー≫
ハンガー6bは、装着部6dに装着された歯科用ハンドピース20を吊るして保持するための部位である。ハンガー6bは、複数の歯科用ハンドピース20を個別に保持可能に構成されている。
【0017】
≪ホース≫
ホース6cは、歯科用ハンドピース20へ供給される圧縮気体(例えば、圧縮空気)及び歯科用ハンドピース20から排出される圧縮気体が流通可能に構成されている。
【0018】
≪装着部≫
装着部6dは、ホース6cの先端部に取り付けられている金属製部材であり、歯科用ハンドピース20を着脱可能に構成されている。
【0019】
≪歯科用ハンドピース及びバー≫
図2に示すように、歯科用ハンドピース20及びバー30は、ドクターによって把持されて患者の歯の治療(切削等)に用いられる工具(インスツルメントの一例)である。本実施形態において、歯科用ハンドピース20は、装着部6dの先端部が当該歯科用ハンドピース20の基端部に圧入されることによって、装着部6dに対して着脱可能に装着される。歯科用ハンドピース20及びバー30の用途としては、う蝕除去のための窩洞形成、歯牙隣接面の形成、補綴物又はレジン充填のための支台歯形成、クラウン、インレー又はレジン充填後の仕上げ切削又は研磨、充填された補綴物又はコンポジットレジンの除去等が挙げられ、これらの用途に応じた種類の歯科用ハンドピース及びバー30が選択されて使用される。歯科用ハンドピース20及びバー30については、後に詳細に説明する。
【0020】
≪表示部≫
表示部6eは、モニタ等によって構成されており、後記する制御部120(
図4参照)からの制御信号に基づいて、ドクターに見せるための画像を表示する。
【0021】
≪操作部≫
操作部6fは、ボタン、タッチパネル等によって構成されており、ドクターによる(手動)操作に基づく制御信号を、後記する制御部120(
図4参照)へ出力する。
【0022】
<第二の支持部>
図1に示すように、第二の支持部7は、アシスタントテーブル8を椅子モジュール3周りに移動可能に支持する。第二の支持部7は、直列に設けられるアーム部7a,7bを備える。アーム部7aの一端部(基端部)は、関節部を介して基礎ユニット4の筐体部に連結されており、アーム部7aの他端部(先端部)は、関節部を介してアーム部7bに連結されている。アーム部7bの一端部(基端部)は、関節部を介してアーム部7aに連結されており、アーム部7bの他端部(先端部)は、関節部を介してアシスタントテーブル8に連結されている。
【0023】
<アシスタントテーブル>
アシスタントテーブル8は、ユーザとしてのアシスタント(歯科助手)によって用いられる。アシスタントテーブル8は、テーブル8aと、ハンガー8bと、複数組のホース8c、装着部8d及びインスツルメント40と、を備える。
【0024】
≪テーブル≫
テーブル8aは、アシスタントが歯科診療を補助するのに必要な物品等を載置するための部位である。
【0025】
≪ハンガー≫
ハンガー8bは、装着部8dに装着されたインスツルメント40を吊るして保持するための部位である。
【0026】
≪ホース≫
ホース8cは、インスツルメント40へ供給される圧縮気体(例えば、圧縮空気)及び/又は水、並びに、インスツルメント40から排出される圧縮気体が流通可能に構成されている。
【0027】
≪装着部≫
装着部8dは、ホース8cの先端部に取り付けられている金属製部材であり、インスツルメント40を着脱可能に構成されている。
【0028】
≪インスツルメント≫
インスツルメント40は、アシスタントによって把持されて患者の歯の治療の補助(吸引等)に用いられる工具である。インスツルメント40としては、バキュームチップ、シリンジ等が挙げられる。
【0029】
<フットコントローラ>
フットコントローラ9は、ドクターの足によって操作(踏み込み等)によって操作される操作部である。フットコントローラ9は、ドクターによる操作結果に応じた制御信号を、後記する制御部120(開閉弁制御部122)へ出力する。
【0030】
<歯科用ハンドピース制御システム>
図3及び
図4に示すように、歯科用ハンドピース制御システム2は、歯科用ハンドピースに供給される圧縮気体の圧力を制御するシステムである。歯科用ハンドピース制御システム2は、歯科用ハンドピース20及びバー30(
図2参照)と、圧縮気体源50と、給気流路60と、排気流路70と、開閉弁80と、比例弁90と、設置検知部100と、排気圧検出部110と、制御部120と、を備える。
【0031】
<歯科用ハンドピース>
図2に示すように、歯科用ハンドピース20は、装着部6dに対して着脱可能に取り付けられており、ドクターによって把持操作されることによって、患者の歯を切削するためのものである。
図3に示すように、歯科用ハンドピース20は、圧縮気体の流路として、上流側から下流側に向かう順に、ピース内給気流路21と、タービン室22と、ピース内排気流路23と、を備える。
【0032】
歯科用ハンドピース20は、圧縮気体の圧力を回転力に変換する部材として、タービン羽根24を備える。タービン羽根24は、タービン室22内に配置されており、図示しない軸部及びベアリングによって回転可能に支持されている。
【0033】
かかる歯科用ハンドピース20において、ピース内給気流路21からタービン室22に供給された圧縮気体の大部分は、ピース内排気流路23に排気される。また、タービン室22に供給された圧縮気体の一部は、歯科用ハンドピース20のヘッド部に形成されたタービン室22から歯科用ハンドピース20の外部に排気される。
【0034】
すなわち、圧縮気体の圧力に関して、以下の関係が成立する。
[給気圧]≒[排気圧]+[ヘッド排気圧]
給気圧は、給気流路60(ピース内給気流路21)を流通する圧縮気体の圧力である。排気圧は、排気流路70(ピース内排気流路23)を流通する圧縮気体の圧力である。ヘッド排気圧は、タービン室22から排気流路70ではなく歯科用ハンドピース20の外部に排気される圧縮気体の圧力である。
【0035】
<バー>
図2に示すように、バー30は、患者の歯を実際に切削する工具であり、歯科用ハンドピース20に対して着脱可能、かつ、タービン羽根24(
図3参照)と一体に回転可能に取り付けられている。
【0036】
<圧縮気体源>
図3に示すように、圧縮気体源50は、タービン羽根24の動力源である圧縮気体(例えば、圧縮空気)が貯蔵されるタンク、気体を圧縮することによって圧縮気体を生成するエアコンプレッサ等である。
【0037】
<給気流路>
給気流路60は、圧縮気体源50に貯蔵された圧縮気体を、歯科用ハンドピース20へ供給するための流路である。給気流路60は、上流側(圧縮気体源50側)から下流側(歯科用ハンドピース20側)へ順に、上流側給気流路61と、流路切換部62と、複数組の下流側給気流路63及びピース内給気流路21と、を備える。
【0038】
≪上流側給気流路≫
上流側給気流路61(の一部)は、基礎ユニット4及び第一の支持部5(
図1参照)内に配置されている。上流側給気流路61の一端部(上流側端部)は、圧縮気体源50に接続されており、上流側給気流路61の他端部(下流側端部)は、流路切換部62に接続されている。
【0039】
≪流路切換部≫
流路切換部62は、診療テーブル6(
図1参照)の筐体内に配置されている。流路切換部62は、上流側給気流路61から複数の下流側給気流路63に対して分岐する管路を有するバルブブロックと、当該バルブブロックの分岐した部位に設けられる複数の制御弁と、を備える。制御弁は、制御部120からの制御信号に基づいて開閉状態を切替可能な電磁弁である。
【0040】
≪下流側給気流路≫
下流側給気流路63は、ホース6c及び装着部6d(
図2参照)内に配置されている。
【0041】
<排気流路>
排気流路70は、歯科用ハンドピース20のタービン羽根24(
図2参照)を回転させた圧縮気体を、外部へ排気するための流路である。排気流路70は、上流側(歯科用ハンドピース20側)から下流側へ順に、複数組のピース内排気流路23及び上流側排気流路71と、流路統合部72と、下流側排気流路73と、を備える。
【0042】
≪上流側排気流路≫
上流側排気流路71は、ホース6c及び装着部6d(
図2参照)内に設けられている。
【0043】
≪流路統合部≫
流路統合部72は、診療テーブル6(
図1参照)の筐体内に設けられている。流路統合部72は、複数の上流側排気流路71から下流側排気流路73に対して統合する管路を有するバルブブロックと、当該バルブブロックの統合する前の部位に設けられる複数の逆止弁と、を備える。逆止弁は、圧縮気体の上流側から下流側への流通を許容するとともに下流側から上流側への流通を禁止する一方向弁である。
【0044】
≪下流側排気流路≫
下流側排気流路73(の一部)は、第一の支持部5及び基礎ユニット4(
図1参照)内に配置されている。下流側排気流路73の一端部(上流側端部)は、流路統合部72に接続されており、下流側排気流路73の他端部(下流側端部)は、第一の支持部5(
図1参照)から露出しており、圧縮気体を外部へ排出可能に構成されている。
【0045】
<開閉弁>
開閉弁80は、圧縮気体源50の気体出口又は上流側給気流路61に配置されている常閉型の電磁弁である。開閉弁80は、圧縮気体の流通を禁止する閉弁状態と、圧縮気体の流通を許容する開弁状態と、を切替可能に構成されている。
【0046】
<比例弁>
比例弁90は、上流側給気流路61における開閉弁80よりも下流側となる部位、又は、流路切換部62において流路が分岐する部位よりも上流側となる部位に配置されている電磁弁である。比例弁90は、診療テーブル6(
図1参照)の筐体内に配置されている。比例弁90は、圧縮気体が流通する流路の開口度(圧縮気体の流通方向から見た流路の断面積において、弁体の任意移動量における開口面積と全開口面積との割合)を無段階に変更可能に構成されており、初期状態では、圧縮気体が流通可能である適切な開状態に設定されている。
【0047】
<設置検知部>
図4に示すように、設置検知部100は、歯科用ハンドピース20(
図1参照)がハンガー6b(
図1参照)に設置されているか(吊るされているか)否か(ハンガー6bから取り出されているか)を検知するセンサである。設置検知部100は、複数の歯科用ハンドピース20のそれぞれに関して、設置されているか取り出されているかを検知する。設置検知部100は、検知結果を制御部120へ出力する。
【0048】
<排気圧検出部>
排気圧検出部110は、排気流路70(本実施形態では、下流側排気流路73)(
図3参照)を流通する圧縮気体の圧力である排気圧を検出するセンサである。排気圧検出部110は、検出結果(排気圧)を制御部120へ出力する。排気圧検出部110は、診療テーブル6(
図1参照)の筐体内に配置されている。
【0049】
本実施形態において、排気圧検出部110は、ピエゾ抵抗によって構成される複数の歪みゲージを用いて組まれたホイートストンブリッジ回路を備える半導体センサである。かかる半導体センサは、ホイートストンブリッジ回路の電気抵抗の変化を電圧変化に変換して測定することによって、排気圧を検出する。排気圧検出部110は、半導体センサに限定されず、金属薄膜式、静電容量式、光ファイバー式、振動式等、排気圧を検出可能な圧力センサが排気圧検出部110として利用可能である。
【0050】
<制御部>
制御部120は、電気回路、及び/又は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力回路等によって構成されている。制御部120は、機能部として、記憶部121と、開閉弁制御部122と、制御弁制御部123と、排気圧時間特性算出部124と、判定部125と、目標排気圧設定部126と、比較部127と、比例弁制御部128と、を備える。
【0051】
≪記憶部≫
記憶部121には、種類及び正常判定用データベース121aと、不具合特定用データベース121bと、が記憶されている。また、記憶部121には、目標排気圧データベース121cが記憶されている。
【0052】
≪種類及び正常判定用データベース≫
種類及び正常判定用データベース121aは、圧縮気体が供給及び排気されている歯科用ハンドピース20の種類を判定するために用いられるデータベースである。また、種類及び正常判定用データベース121aは、圧縮気体が供給及び排気されている歯科用ハンドピース20が正常であるか否か(不具合が発生しているか)を判定するために用いられるデータベースである。種類及び正常判定用データベース121aには、歯科用ハンドピース20の種類と、当該種類の正常な歯科用ハンドピース20の排気圧の時間特性と、が関連付けて記憶されている。種類及び正常判定用データベース121aにおける排気圧の時間特性としては、タービン羽根24の回転開始から所定時間Tまでの排気圧の積分値(の下限値及び上限値)、前記所定時間T経過時点における排気圧(の下限値及び上限値)、排気圧の経時変化を示すグラフ(下限値を示すグラフ及び上限値を示すグラフ)等が挙げられる。
【0053】
ここで、タービン羽根24の回転開始から所定時間T経過時点までの歯科用ハンドピース20は、患者の歯に押し付けられておらず負荷が作用しない、いわゆる無負荷回転状態である。
【0054】
図5に示すように、種類1の歯科用ハンドピースの20における排気圧P
1の経時変化を示すグラフと、種類2の歯科用ハンドピース20における排気圧P
2の経時変化を示すグラフと、種類3の歯科用ハンドピース20における排気圧P
3の経時変化を示すグラフとは、それぞれ異なる曲線を呈する。本実施形態において、種類及び正常判定用データベース121aには、歯科用ハンドピース20の種類を判定するための排気圧の時間特性として、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、回転開始(時刻t
0)から所定時間T経過時点(時刻t
1)までの排気圧P
1,P
2,P
3の積分値がそれぞれ記憶されている。または、種類及び正常判定用データベース121aには、歯科用ハンドピース20の種類を判定するための排気圧の時間特性として、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、回転開始(時刻t
0)から所定時間T経過時点(時刻t
1)の排気圧P
1,P
2,P
3の値がそれぞれ記憶されている。
【0055】
図6に示すように、種類及び正常判定用データベース121aには、歯科用ハンドピース20が正常であるか否かを判定するための排気圧の時間特性として、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、回転開始(時刻t
0)から所定時間T経過時点(時刻t
1)までの排気圧の下限値P
Lの経時変化を示すグラフ及び排気圧の上限値P
Hの経時変化を示すグラフが記憶されている。
【0056】
≪不具合特定用データベース≫
図4に示すように、不具合特定用データベース121bは、圧縮気体が供給及び排気されている歯科用ハンドピース20の不具合の種類を特定するために用いられるデータベースである。不具合特定用データベース121bには、歯科用ハンドピース20に発生している不具合の種類と、当該不具合が発生している歯科用ハンドピース20の排気圧の時間特性と、が関連付けて記憶されている。不具合特定用データベース121bにおける排気圧の時間特性としては、排気圧の経時変化を示すグラフが挙げられる。
【0057】
図6に示すように、不具合特定用データベース121bには、歯科用ハンドピース20の不具合の種類を特定するための排気圧の時間特性として、不具合の種類ごとに、回転開始(時刻t
0)から所定時間T経過時点(時刻t
1)までの排気圧P
W1,P
W2の経時変化を示すグラフが記憶されている。なお、
図6では、不具合に応じた排気圧P
W1,P
W2の経時変化として、2つのグラフが示されているが、グラフの数はこれに限定されない。
【0058】
所定時間Tは、目標排気圧(目標排気圧初期値)を用いたフィードバック制御が行われずに比例弁90が時刻t0で開閉弁80が開弁されるとともに比例弁90が所定の開口度(例えば、目標排気圧初期値を用いたフィードバック制御における制御初期の開口度)に保持された状態において、排気圧が目標排気圧初期値に達する時刻よりも前までの時間(例えば、400~600ms)に設定されている。
【0059】
≪目標排気圧データベース≫
図4に示すように、目標排気圧データベース121cは、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、排気圧検出部110によって検出された排気圧の目標である目標排気圧を保持するデータベースである。目標排気圧データベース121cには、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、制御開始時の目標排気圧である目標排気圧初期値が記憶されている。また、目標排気圧データベース121cには、ドクターの操作(手動操作)によって選択及び設定可能な目標排気圧として、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、複数の目標排気圧が記憶されている。かかる複数の目標排気圧は、目標排気圧初期値よりも高い。
【0060】
目標排気圧は、当該目標排気圧の下限値及び上限値を有する構成であってもよい。
【0061】
なお、目標排気圧初期値としては、当該目標排気圧初期値に概ね対応するタービン羽根24(
図3参照)の回転速度(例えば、200,000rpm、300,000rpm、400,000rpm)が目標排気圧初期値と関連付けて記憶されていたり、かかる回転速度が表示部6eに表示されたりしてもよい。
【0062】
また、目標排気圧データベース121cには、自動制御用として、歯科用ハンドピース20の種類ごとに、定常状態の排気圧からの排気圧の変動幅(絶対値)及び変動の方向性(上昇又は低下)、並びに、目標排気圧の変更量及び変更の方向性(上昇又は低下)が関連付けられてテーブル等として記憶されていてもよい。
【0063】
≪開閉弁制御部≫
開閉弁制御部122は、フットコントローラ9(
図1参照)からの制御信号(操作結果)を取得し、操作結果に基づいて開閉弁80を制御する。開閉弁制御部122は、フットコントローラ9がドクターによって踏み込まれている場合には、開閉弁80を開弁させ、フットコントローラ9のドクターによる踏込が解除された場合には、開閉弁80を閉弁させる。
【0064】
≪制御弁制御部≫
制御弁制御部123は、ハンガー6bに組み込まれた設置検知部100からの制御信号(検知結果)を取得し、検知結果に基づいて制御弁を制御することによって、流路切換部62を、ハンガー6bから取り出されてドクターが把持する歯科用ハンドピース20(
図1参照)のみに対して圧縮気体を供給可能な状態とする。
【0065】
≪排気圧時間特性算出部≫
排気圧時間特性算出部124は、排気圧検出部110によって検出された排気圧を取得し、取得された排気圧の時間特性を算出し、算出結果を判定部125へ出力する。排気圧の時間特性としては、圧縮気体の歯科用ハンドピース20(
図2参照)への供給開始時から所定時間Tの間の排気圧の積分値、前記所定時間Tの終了時点における排気圧の値、前記した所定時間Tの間の排気圧の経時変化を表すグラフ等が挙げられる。
【0066】
種類及び正常判定用データベース121aの学習段階において、排気圧時間特性算出部124は、種類が分かっている正常な歯科用ハンドピース20(
図2参照)が装着部6d(
図2参照)に装着された状態で、排気圧の時間特性を算出する。排気圧時間特性算出部124は、歯科用ハンドピース20の種類と、当該歯科用ハンドピース20の排気圧の時間特性と、を関連付けて種類及び正常判定用データベース121aに記憶させる。ここで、排気圧時間特性算出部124は、ドクター等による操作部6fの操作結果に基づいて、歯科用ハンドピース20の種類を取得することができる。
【0067】
不具合特定用データベース121bの学習段階において、排気圧時間特性算出部124は、不具合の種類が分かっている歯科用ハンドピース20(
図2参照)が装着部6d(
図2参照)に装着された状態で、排気圧の時間特性を算出する。排気圧時間特性算出部124は、不具合の種類と、歯科用ハンドピース20の排気圧の時間特性と、を関連付けて不具合特定用データベース121bに記憶させる。ここで、排気圧時間特性算出部124は、ドクター等による操作部6fの操作結果に基づいて、不具合の種類を取得することができる。
【0068】
≪判定部≫
判定部125は、排気圧時間特性算出部124によって算出された排気圧の時間特性を取得し、取得された排気圧の時間特性と記憶部121に記憶された排気圧の時間特性とを比較することによって、歯科用ハンドピース20(
図2参照)の種類及び/又は不具合を判定する。判定部125は、歯科用ハンドピース20の種類及び/又は不具合の判定結果を、表示部6eに出力して当該表示部6eに表示させる。
【0069】
判定部125は、算出された排気圧の時間特性が種類及び正常判定用データベース121aに記憶された時間特性と一致する(又は、その下限値及び上限値の間に入る)場合に、一致する時間特性と関連付けられた種類が、現時点で用いられている歯科用ハンドピース20の種類であると判定する。
【0070】
判定部125は、所定時間Tの間において、算出された排気圧の時間特性(ここでは、経時変化を示すグラフ)が種類及び正常判定用データベース121aに記憶された時間特性の下限値PL及び上限値PHの間に入る(本実施形態では、常に入る)場合に、現時点で用いられている歯科用ハンドピース20は正常であると判定する。また、判定部125は、所定時間Tの間において、算出された排気圧の時間特性(ここでは、経時変化を示すグラフ)が種類及び正常判定用データベース121aに記憶された排気圧の時間特性の下限値PL及び上限値PHの間から外れる(本実施形態では、一時的にでも外れる)場合に、現時点で用いられている歯科用ハンドピース20は正常ではない(不具合が発生している)と判定する。
【0071】
判定部125は、現時点で用いられている歯科用ハンドピース20に不具合が発生していると判定された場合に、所定時間Tの間において、算出された排気圧の時間特性(ここでは、経時変化を示すグラフ)と不具合特定用データベース121bに記憶された排気圧の時間特性とを比較することによって、不具合の種類を特定する。
【0072】
≪目標排気圧設定部≫
目標排気圧設定部126は、排気圧検出部110によって検出される排気圧の目標値である目標排気圧を設定し、設定された目標排気圧を比較部127へ出力する。
【0073】
目標排気圧設定部126は、手動操作時に、目標排気圧データベース121cに予め記憶された複数の目標排気圧の中から選択された一の目標排気圧を、フィードバック制御のための目標排気圧に設定することができる。
【0074】
また、目標排気圧設定部126は、自動制御時に、定常状態の排気圧からの排気圧の変動幅(絶対値)及び変動の方向性(上昇又は低下)に基づいて、目標排気圧の変更量及び変更の方向性(上昇又は低下)を算出することできる。この場合には、目標排気圧設定部126は、定常状態における目標排気圧と算出された目標排気圧の変更量及び変更の方向性(上昇又は低下)とを予め設定された式に代入することによって、新たな目標排気圧を算出し、算出された目標排気圧をフィードバック制御のための目標排気圧に設定し直すことができる。
【0075】
また、目標排気圧設定部126は、自動制御時に、定常状態の排気圧からの排気圧の変動幅(絶対値)及び変動の方向性(上昇又は低下)を用いて目標排気圧データベース121cを参照することによって、定常状態の排気圧からの排気圧の変動幅(絶対値)及び変動の方向性(上昇又は低下)に対応する目標排気圧の変更量及び変更の方向性(上昇又は低下)を目標排気圧データベース121cから読み出すことできる。この場合には、目標排気圧設定部126は、定常状態における目標排気圧と読み出された目標排気圧の変更量及び変更の方向性(上昇又は低下)とに基づいて、新たな目標排気圧を算出し、算出された目標排気圧をフィードバック制御のための目標排気圧に設定し直すことができる。
【0076】
≪比較部≫
比較部127は、目標排気圧設定部126によって設定された目標排気圧と、排気圧検出部110によって検出された排気圧と、を取得し、取得された目標排気圧及び排気圧を比較する。より詳細には、比較部127は、比較結果として、排気圧と目標排気圧との差(排気圧-目標排気圧)を算出し、算出された比較結果(差)を比例弁制御部128へ出力する。
【0077】
≪比例弁制御部(給気圧制御部)≫
比例弁制御部128は、タービン羽根24に供給される圧縮気体の圧力である給気圧を制御する給気圧制御部の一例である。比例弁制御部128は、比較部127による比較結果を取得し、取得された比較結果に基づいて、比例弁90を制御する。比例弁制御部128は、比例弁90を制御することによって、歯科用ハンドピース20に供給される圧縮気体の圧力である給気圧を変更し、排気圧検出部110によって検出される排気圧を目標排気圧に一致させる。比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧が目標排気圧よりも低い場合(排気圧-目標排気圧<0)には、比例弁90の開口量を大きくすることによって、給気圧及び排気圧を高くし(上げ)、排気圧を目標排気圧に近付けて一致させる。比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧が目標排気圧よりも高い場合(排気圧-目標排気圧>0)には、比例弁90の開口量を小さくすることによって、給気圧及び排気圧を低くし(下げ)、排気圧を目標排気圧に近付けて一致させる。
【0078】
すなわち、目標排気圧設定部126、比較部127及び比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧に基づいて、比例弁90をフィードバック制御するフィードバック制御部を構成する。
【0079】
また、比例弁制御部128は、判定部125によって判定された歯科用ハンドピース20の種類に応じて給気圧を制御する。本実施形態において、目標排気圧設定部126は、判定部125によって判定された歯科用ハンドピース20の種類に応じて目標排気圧を手動又は自動で設定し、比例弁制御部128は、かかる目標排気圧に基づいて給気圧を制御する。
【0080】
<制御初期における目標排気圧の設定及び比例弁のフィードバック制御>
図7に示すように、制御開始時において、目標排気圧設定部126は、使用されている歯科用ハンドピース20の種類に関連付けられた目標排気圧初期値P
T1を目標排気圧データベース121cから読み出す。目標排気圧設定部126は、読み出された目標排気圧初期値P
T1を目標排気圧に設定する。
【0081】
比較部127は、排気圧検出部110によって検出された排気圧PEと目標排気圧初期値PT1とを比較し、比較結果を比例弁制御部128へ出力する。比例弁制御部128は、かかる比較結果に基づいて、検出された排気圧PEが目標排気圧初期値PT1に一致するように、比例弁90を制御する。なお、給気圧PSは、比例弁90の制御に伴って、排気圧PEよりもヘッド排気圧だけ大きい値を示すように経時変化する。すなわち、排気圧PEが目標排気圧初期値PT1に一致した状態(PE=PE1=PT1)において、給気圧PSは、排気圧PE1よりもヘッド排気圧だけ大きい値(PS=PS1)となる。
【0082】
<操作(手動操作)に基づく目標排気圧の設定及び比例弁のフィードバック制御>
目標排気圧設定部126は、ドクターによる操作部6fの操作結果に基づいて、目標排気圧の設定手法を、操作に基づく手法と自動的な手法とで切り替える。操作に基づいて目標排気圧を設定する場合には、目標排気圧設定部126は、使用されている歯科用ハンドピース20の種類に関連付けられた複数の目標排気圧を記憶部121に予め記憶された目標排気圧データベース121cから読み出し、読み出された複数の目標排気圧を表示部6eに表示させる。目標排気圧設定部126は、表示部6eを見たドクターによる操作部6fの操作結果に基づいて、複数の目標排気圧(P
TA,P
TB,P
TC)から一の目標排気圧を選択し、選択された目標排気圧をフィードバック制御のための目標排気圧に設定する。なお、目標排気圧設定部126は、前記したように、目標排気圧初期値と関連付けて記憶されたタービン羽根24(
図3参照)の回転速度(例えば、200,000rpm、300,000rpm、400,000rpm)を表示部6eに表示させる構成であってもよい。この場合には、目標排気圧設定部126は、選択された回転速度と関連付けられた目標排気圧をフィードバック制御のための目標排気圧に設定する。
【0083】
比較部127は、排気圧検出部110によって検出された排気圧PEと目標排気圧(PTA,PTB,PTCのいずれか)とを比較し、比較結果を比例弁制御部128へ出力する。比例弁制御部128は、かかる比較結果に基づいて、検出された排気圧PEが目標排気圧(PTA,PTB,PTCのいずれか)に一致するように、比例弁90を制御する。なお、給気圧PSは、比例弁90の制御に伴って、排気圧PEよりもヘッド排気圧だけ大きい値を示すように経時変化する。
【0084】
目標排気圧PTAに基づいて制御された状態の排気圧PEA及び給気圧PSA、目標排気圧PTBに基づいて制御された状態の排気圧PEB及び給気圧PSB、並びに、目標排気圧PTCに基づいて制御された状態の排気圧PEC及び給気圧PSCには、以下の関係が成立する。
PTA>PTB>PTC
PEA>PEB>PEC
PSA>PSB>PSC
【0085】
<自動的な目標排気圧の設定及び比例弁のフィードバック制御>
図8及び
図9に示すように、自動的に目標排気圧を設定する場合には、目標排気圧設定部126は、排気圧P
Eが定常状態から変動した場合に、排気圧P
Eの変動幅に基づいて、目標排気圧を設定し直す。新たな目標排気圧の設定手法としては、前記したように、予め設定された式を用いた手法であってもよく、目標排気圧データベース121cを用いた手法であってもよい。
【0086】
ここで、排気圧検出部110は、定期的(例えば、数十msごと)に排気圧PEを検出して出力している。制御部120は、かかる排気圧PEを取得する度に制御を実行する。制御部120(目標排気圧設定部126)は、取得された排気圧PEが所定回数分同じ値である(又は目標排気圧の下限値及び上限値の間である)場合に、排気圧PEは定常状態であると判定する。また、制御部120(目標排気圧設定部126)は、取得された排気圧PEが定常状態の値から変わった(又は目標排気圧の下限値及び上限値の間から外れた)場合に、排気圧PEは定常状態から変動したと判定し、目標排気圧を設定し直す。
【0087】
図8に示すように、ドクターが歯科用ハンドピース20の歯への押付を強めた場合には、歯科用ハンドピース20(タービン羽根24)に作用する負荷が増大するため、排気圧P
Eは小さくなる。目標排気圧設定部126は、排気圧P
Eが定常状態から低くなった(下がった)場合に、排気圧P
Eの変動幅(絶対値)が大きいほど目標排気圧が高くなるように、目標排気圧を設定し直す。
【0088】
比較部127は、排気圧検出部110によって検出された排気圧PEと目標排気圧とを比較し、比較結果を比例弁制御部128へ出力する。比例弁制御部128は、かかる比較結果に基づいて、検出された排気圧PEが目標排気圧に一致するように、比例弁90を制御する。なお、給気圧PSは、比例弁90の制御に伴って、排気圧PEよりもヘッド排気圧だけ大きい値を示すように経時変化する。
【0089】
排気圧PEの変動幅D(絶対値)、変動幅Dに基づいて設定された目標排気圧PTD、目標排気圧PTDに基づいて制御された状態の排気圧PED及び給気圧PSD、排気圧PEの変動幅E(絶対値)、変動幅Eに基づいて設定された目標排気圧PTE、目標排気圧PTEに基づいて制御された状態の排気圧PEE及び給気圧PSE、並びに、排気圧PEの変動幅F(絶対値)、変動幅Fに基づいて設定された目標排気圧PTF、目標排気圧PTFに基づいて制御された状態の排気圧PEF及び給気圧PSFには、以下の関係が成立する。
D>E>F
PTD>PTE>PTF
PED>PEE>PEF
PSD>PSE>PSF
【0090】
図9に示すように、ドクターが歯科用ハンドピース20の歯への押付を弱めた場合には、歯科用ハンドピース20(タービン羽根24)に作用する負荷が減少するため、排気圧P
Eは大きくなる。目標排気圧設定部126は、排気圧P
Eが定常状態から高くなった(上がった)場合に、排気圧P
Eの変動幅(絶対値)が大きいほど目標排気圧が低くなるように、目標排気圧を設定し直す。
【0091】
比較部127は、排気圧検出部110によって検出された排気圧PEと目標排気圧とを比較し、比較結果を比例弁制御部128へ出力する。比例弁制御部128は、かかる比較結果に基づいて、検出された排気圧が目標排気圧に一致するように、比例弁90を制御する。なお、給気圧PSは、比例弁90の制御に伴って、排気圧PEよりもヘッド排気圧だけ大きい値を示すように経時変化する。
【0092】
排気圧PEの変動幅G(絶対値)、変動幅Gに基づいて設定された目標排気圧PTG、目標排気圧PTGに基づいて制御された状態の排気圧PEG及び給気圧PSG、排気圧PEの変動幅H(絶対値)、変動幅Hに基づいて設定された目標排気圧PTH、目標排気圧PTHに基づいて制御された状態の排気圧PEH及び給気圧PSH、並びに、排気圧PEの変動幅I(絶対値)、変動幅Iに基づいて設定された目標排気圧PTI、目標排気圧PTIに基づいて制御された状態の排気圧PEI及び給気圧PSIには、以下の関係が成立する。
G>H>I
PTG<PTH<PTI
PEG<PEH<PEI
PSG<PSH<PSI
【0093】
なお、
図9では、グラフの分かりやすさを優先するため、給気圧P
SG,P
SH,P
SIは、それぞれ排気圧P
EG,P
EH,P
EIよりも低い位置に記載されている。実際には、給気圧P
SGは排気圧P
EGよりも高く、給気圧P
SHは排気圧P
EHよりも高く、給気圧P
SIは排気圧P
EIよりも高い。
【0094】
<動作例>
続いて、本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システム2の動作例について、
図10のフローチャート及び
図11のグラフを参照し、ドクターによる歯科用ハンドピース20の使用例とともに説明する(適宜、
図1~
図4参照)。
【0095】
図10に示すように、ドクターが歯科用ハンドピース20を把持してハンガー6bから取り外すと、制御弁制御部123は、設置検知部100の検知結果に基づいて流路切換部62の制御弁を制御する(ステップS1でYes)。かかる制御によると、流路切換部62は、ハンガー6bから取り出された歯科用ハンドピース20へ圧縮気体を流通可能、かつ、ハンガー6bに設置された他の歯科用ハンドピース20へ圧縮気体を流通不能な状態となる。
【0096】
続いて、ドクターがフットコントローラ9を踏み込むと、開閉弁制御部122は、開閉弁80を開弁させ、比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出される排気圧PEが目標排気圧初期値PT1に一致するように、比例弁90の開口量を制御する。かかる制御によると、圧縮気体が給気流路60、タービン室22及び排気流路70を流通するようになり、タービン羽根24及びバー30は、かかる圧縮気体によって回転し、患者の歯を切削可能な状態となる(ステップS2でYes)。この状態では、歯科用ハンドピース20(バー30)は患者の歯から離間しており、タービン羽根24は、少なくとも時間Tの間は患者の歯からの負荷が作用せずに回転している無負荷回転状態である。
【0097】
ここで、排気圧時間特性算出部124は、排気圧検出部110によって検出された排気圧PEに基づいて、タービン羽根24の無負荷回転状態における当該排気圧PEの時間特性を算出する。
【0098】
判定部125は、排気圧時間特性算出部124によって算出された排気圧PEの時間特性と、種類及び正常判定用データベース121aに記憶された排気圧PEの時間特性と、を比較することによって、使用中の歯科用ハンドピース20の種類を判定する(ステップS3)。
【0099】
続いて、判定部125は、排気圧時間特性算出部124によって算出された排気圧PEの時間特性と、種類及び正常判定用データベース121aに記憶された、使用中の歯科用ハンドピース20の種類に対応する排気圧PEの時間特性と、を比較することによって、使用中の歯科用ハンドピース20が正常であるか否か(不具合が発生しているか)を判定する(ステップS4)。
【0100】
ステップS4において使用中の歯科用ハンドピース20に不具合が発生していると判定された場合には、判定部125は、排気圧時間特性算出部124によって算出された排気圧PEの時間特性と、不具合特定用データベース121bに記憶された排気圧PEの時間特性と、を比較することによって、使用中の歯科用ハンドピース20の不具合の種類を特定する(ステップS5)。続いて、判定部125は、特定された歯科用ハンドピース20の不具合の種類を表示部6eに表示させる(ステップS6)。
【0101】
ステップS4で使用中の歯科用ハンドピース20が正常であると判定された場合と、ステップS6の実行後と、においてドクターが歯科用ハンドピース20をハンガー6bに設置すると、制御弁制御部123は、設置検知部100の検知結果に基づいて流路切換部52の制御弁を初期状態に戻す(ステップS7でYes)。続いて、判定部125は、歯科用ハンドピース20の種類の判定結果をリセットする(ステップS8)。すなわち、判定部125は、歯科用ハンドピース20の種類の判定結果を、歯科用ハンドピース20がハンガー6bに設置されたことを設置検知部100が検知するまで、保持し続ける。
【0102】
また、ステップS4で使用中の歯科用ハンドピース20が正常であると判定されてから、ステップS7で歯科用ハンドピース20がハンガー6bに設置されたことを設置検知部100が検知するまでの間、
図11に示すように、目標排気圧設定部126、比較部127及び比例弁制御部128は、比例弁90をフィードバック制御する。ここで、目標排気圧設定部126は、ドクターによる操作部6fの操作によって自動制御が選択された場合に、排気圧P
Eの定常状態からの変化に基づいて、目標排気圧を自動的に設定し直す。
【0103】
まず、排気圧検出部110によって検出される排気圧PEが目標排気圧初期値PT1と一致した状態で所定時間が経過する、いわゆる定常状態(初期段A1)になった後に、ドクターが歯科用ハンドピース20(及びバー30)を患者の歯に押し付けて切削加工し始める。
【0104】
ここで、ドクターが歯科用ハンドピース20(及びバー30)の患者の歯に対する押し付けを強めると、タービン羽根24に作用する負荷が大きくなるため、排気圧検出部110によって検出される排気圧(時刻t3,t5,t7における排気圧PE)は、定常状態の排気圧(時刻t2,t4,t6における排気圧PE)よりも低くなる(下がる)。この場合には、目標排気圧設定部126は、排気圧の変動幅(低下量の絶対値)が大きいほど目標排気圧が高くなるように、目標排気圧を設定し直す(下限値PT2L,PT3L,PT4L及び上限値PT2H,PT3H,PT4H)。比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧が設定し直された目標排気圧の下限値及び上限値の間に入るように、比例弁90をフィードバック制御する(自動制御による定常状態の1段目B1、2段目B2及び3段目B3)。
【0105】
一方、ドクターが歯科用ハンドピース20(及びバー30)の患者の歯に対する押し付けを弱めると、タービン羽根24に作用する負荷が小さくなるため、排気圧検出部110によって検出される排気圧(時刻t9における排気圧PE)は、定常状態の排気圧(時刻t8における排気圧PE)よりも高くなる(上がる)。目標排気圧設定部126は、排気圧の変動幅(増加量の絶対値)が大きいほど目標排気圧が低くなるように、目標排気圧を設定し直す(下限値PT5L及び上限値PT5H)。比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧が設定し直された目標排気圧の下限値及び上限値の間に入るように、比例弁90をフィードバック制御する(自動制御による定常状態の4段目B4)。
【0106】
また、図示は省略するが、目標排気圧設定部126は、ドクターによる操作部6fの操作によって操作に基づく制御が選択された場合には、ドクターが把持している歯科用ハンドピース20の種類に対応する複数の目標排気圧を目標排気圧データベース121cから読み出し、読み出された複数の目標排気圧を表示部6eに表示させる。ドクターは、操作部6fを操作することによって、表示部6eに表示された複数の目標排気圧から一つの目標排気圧を選択する。目標排気圧設定部126は、操作部6fの操作結果を取得し、かかる操作結果に応じた目標排気圧を新たな目標排気圧として設定する。比例弁制御部128は、排気圧検出部110によって検出された排気圧P
Eが設定し直された目標排気圧と一致するように、比例弁90をフィードバック制御する。なお、目標排気圧設定部126は、前記したように、目標排気圧初期値と関連付けて記憶されたタービン羽根24(
図3参照)の回転速度(例えば、200,000rpm、300,000rpm、400,000rpm)を表示部6eに表示させる構成であってもよい。この場合には、目標排気圧設定部126は、選択された回転速度と関連付けられた目標排気圧をフィードバック制御のための目標排気圧に設定する。
【0107】
本発明の実施形態に係る歯科用ハンドピース制御システム2は、圧縮気体源50からの圧縮気体を、歯科用ハンドピース20に設けられたタービン羽根24に供給する給気流路60と、前記タービン羽根24を回転させた前記圧縮気体を排気する排気流路70と、前記排気流路70における前記圧縮気体の圧力である排気圧を検出する排気圧検出部110と、目標排気圧を設定する目標排気圧設定部126と、前記タービン羽根24に供給される前記圧縮気体の圧力である給気圧を制御する給気圧制御部(比例弁制御部128)と、を備え、前記給気圧制御部は、前記排気圧検出部110によって検出された前記排気圧が前記目標排気圧と一致するように、前記給気圧を制御する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、目標排気圧の変更を可能とし、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)の回転速度(及びトルク)を実現することができる。
【0108】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、操作者の操作に基づいて、予め記憶された複数の前記目標排気圧から一つの前記目標排気圧を選択する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、操作者(ドクター)の操作に基づく目標排気圧の変更を可能とし、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)のトルクを実現することができる。
【0109】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、前記排気圧の定常状態からの変動幅に基づいて、前記目標排気圧を設定する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、排気圧検出部110の検出結果に基づいて目標排気圧を自動的に変更し、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)のトルクを実現することができる。
【0110】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、前記排気圧が前記定常状態から下がった場合に、前記変動幅が大きいほど前記目標排気圧が高くなるように、当該目標排気圧を設定する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、歯科用ハンドピース20に作用する負荷が増大した場合に当該負荷の変動幅に応じて目標排気圧を自動的に変更し、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)のトルクを実現することができる。
【0111】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、前記排気圧が前記定常状態から上がった場合に、前記変動幅が大きいほど前記目標排気圧が低くなるように、当該目標排気圧を設定する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、歯科用ハンドピース20に作用する負荷が減少した場合に当該負荷の変動幅に応じて目標排気圧を自動的に変更し、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)のトルクを実現することができる。
【0112】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、前記排気圧が前記定常状態から変動するごとに前記目標排気圧を設定し直す。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、歯科治療中において、歯科用ハンドピース20に作用する負荷の操作者(ドクター)の操作による変化に応じて目標排気圧を自動的に何度も変更することができ、状況(負荷等)に応じたタービン羽根24(及びバー30)のトルクを実現することができる。
【0113】
また、歯科用ハンドピース制御システム2において、前記目標排気圧設定部126は、前記目標排気圧の下限値及び上限値を設定し、前記給気圧制御部は、前記排気圧が前記目標排気圧の下限値及び上限値の間の値になった場合に、前記給気圧を一定に保つように制御する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、排気圧の微小な変動に対しては目標排気圧を変更せず、タービン羽根24(及びバー30)の回転速度(及びトルク)を安定化することができる。また、歯科用ハンドピース制御システム2は、排気流路70の長さ(歯科用ハンドピース20と排気圧検出部110との距離)等の影響によるオーバーシュート、アンダーシュート等の発生を抑制することができる。
【0114】
また、歯科用ハンドピース制御システム2は、前記給気流路60上に設けられた比例弁90を備え、前記給気圧制御部は、前記比例弁90の開口度を制御する。
したがって、歯科用ハンドピース制御システム2は、排気圧に基づいて給気流路60上の比例弁90の開口度を制御するので、排気圧を無段階で調整し、目標排気圧に好適に一致させることができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、種類及び正常判定用データベース121aは、歯科用ハンドピース20の種類を判定するための種類判定用データベースと、歯科用ハンドピース20の種類ごとに歯科用ハンドピース20が正常であるか否かを判定するための正常判定用データベースと、に分かれていてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 歯科診療用ユニット
2 歯科用ハンドピース制御システム
3 椅子モジュール
3a 椅子本体
4 基礎ユニット
5 第一の支持部
5a,5b アーム部
6 診療テーブル
6a テーブル
6b ハンガー
6c ホース
6d 装着部
6e 表示部
6f 操作部
7 第二の支持部
7a,7b アーム部
8 アシスタントテーブル
8a テーブル
8b ハンガー
8c ホース
8d 装着部
9 フットコントローラ
20 歯科用ハンドピース
21 ピース内給気流路
22 タービン室
23 ピース内排気流路
24 タービン羽根
30 バー
40 インスツルメント
50 圧縮気体源
60 給気流路
61 上流側給気流路
62 流路切換部
63 下流側給気流路
70 排気流路
71 上流側排気流路
72 流路統合部
73 下流側排気流路
80 開閉弁
90 比例弁
100 設置検知部
110 排気圧検出部
120 制御部
121 記憶部
121a 種類及び正常判定用データベース
121b 不具合特定用データベース
121c 目標排気圧データベース
122 開閉弁制御部
123 制御弁制御部
124 排気圧時間特性算出部
125 判定部
126 目標排気圧設定部
127 比較部
128 比例弁制御部(給気圧制御部)